特許第6650498号(P6650498)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6650498表示制御装置、表示制御方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6650498
(24)【登録日】2020年1月22日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/24 20060101AFI20200210BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20200210BHJP
   G06F 3/0346 20130101ALI20200210BHJP
【FI】
   B66F9/24 P
   H04N7/18 J
   G06F3/0346 426
【請求項の数】6
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2018-167009(P2018-167009)
(22)【出願日】2018年9月6日
【審査請求日】2018年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】三菱ロジスネクスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大塚 誠
(72)【発明者】
【氏名】椎崎 弘司
(72)【発明者】
【氏名】木綿 啓介
(72)【発明者】
【氏名】安藤 彰
【審査官】 須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−246597(JP,A)
【文献】 特開2007−084162(JP,A)
【文献】 特開2015−227223(JP,A)
【文献】 特開2013−086959(JP,A)
【文献】 特開2017−110492(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0212517(US,A1)
【文献】 特開平11−222882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/24
G06F 3/0346
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォークリフトの第1のフォークの先端部に設けられた撮像装置が撮像した撮像画像を取得する画像取得部と、
前記撮像画像における深度を取得する深度取得部と、
前記深度に基づいて、前記第1のフォークの先端部から前記撮像画像に写る障害物までの距離を特定する距離特定部と、
前記フォークリフトの運転者によるチルト操作に応じて生成された信号を検出したと判定した後に、前記距離特定部が算出した最も近い障害物までの最新の距離が所定の距離未満であると判定した場合に、前記第1のフォークの先端部から、前記撮像装置が撮像した撮像画像に写る障害物のうち最も近い障害物までの距離を表す第1画像を表示させ、前記運転者によるチルト操作に応じて生成された信号を検出しないと判定した場合、または、前記運転者によるチルト操作に応じて生成された信号を検出したと判定した後に、前記最も近い障害物までの最新の距離が所定の距離以上であると判定した場合に、前記第1のフォーク及び第2のフォークの傾きの程度、及び、前記第1のフォーク及び前記第2のフォークにおける荷物の有無を示す第2画像を表示させる表示制御部と、
を備える表示制御装置。
【請求項2】
前記距離と前記第1のフォークの先端部の位置とに応じた画像は、
前記距離の分だけ前記フォークリフトが前進したと仮定したときの前記第1のフォークの先端部の位置を含む画像であり、
前記表示制御部は、
前記第1のフォークの先端部の位置を含む画像を、前記撮像画像に重畳させて表示させる、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記距離と前記第1のフォークの先端部の位置とに応じた画像は、
前記距離の分だけ前記フォークリフトが前進したと仮定したときの前記フォークリフトの前記第1のフォークの先端部とは別の第2のフォークの先端部の位置を含む画像であり、
前記表示制御部は、
前記第2のフォークの先端部の位置を含む画像を、前記撮像画像に重畳させて表示させる、
請求項1または請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、
前記フォークリフトに支持された荷役対象物の位置を含む画像を、前記撮像画像に重畳させて表示させる、
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
フォークリフトの第1のフォークの先端部に設けられた撮像装置が撮像した撮像画像を取得することと、
前記撮像画像における深度を取得することと、
前記深度に基づいて、前記第1のフォークの先端部から前記撮像画像に写る障害物までの距離を特定することと、
前記フォークリフトの運転者によるチルト操作に応じて生成された信号を検出したと判定した後に、算出した最も近い障害物までの最新の距離が所定の距離未満であると判定した場合に、前記第1のフォークの先端部から、前記撮像装置が撮像した撮像画像に写る障害物のうち最も近い障害物までの距離を表す第1画像を表示させ、前記運転者によるチルト操作に応じて生成された信号を検出しないと判定した場合、または、前記運転者によるチルト操作に応じて生成された信号を検出したと判定した後に、前記最も近い障害物までの最新の距離が所定の距離以上であると判定した場合に、前記第1のフォーク及び第2のフォークの傾きの程度、及び、前記第1のフォーク及び前記第2のフォークにおける荷物の有無を示す第2画像を表示させることと、
を含む表示制御方法。
【請求項6】
コンピュータに、
フォークリフトの第1のフォークの先端部に設けられた撮像装置が撮像した撮像画像を取得することと、
前記撮像画像における深度を取得することと、
前記深度に基づいて、前記第1のフォークの先端部から前記撮像画像に写る障害物までの距離を特定することと、
前記フォークリフトの運転者によるチルト操作に応じて生成された信号を検出したと判定した後に、算出した最も近い障害物までの最新の距離が所定の距離未満であると判定した場合に、前記第1のフォークの先端部から、前記撮像装置が撮像した撮像画像に写る障害物のうち最も近い障害物までの距離を表す第1画像を表示させ、前記運転者によるチルト操作に応じて生成された信号を検出しないと判定した場合、または、前記運転者によるチルト操作に応じて生成された信号を検出したと判定した後に、前記最も近い障害物までの最新の距離が所定の距離以上であると判定した場合に、前記第1のフォーク及び第2のフォークの傾きの程度、及び、前記第1のフォーク及び前記第2のフォークにおける荷物の有無を示す第2画像を表示させることと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
フォークリフトは、車両本体の前方に荷役対象物(以下、荷物と呼ぶ)を支持して昇降するフォークを備えており、例えば、一般的な乗用車に比べて、運転者が前方の状況を確認し難い車両の構成となっている。特に、荷物を支持してフォークリフトを前方に走行させる場合には、フォークリフトの前方に死角ができ易くなり、運転者は、フォークリフトから降りて前方を確認したり、運転者とは別にフォークリフトを誘導する誘導員を必要としたりすることもある。
そこで、フォークの先端部にカメラを設け、そのカメラが撮像した撮像画像を表示装置に表示させることによって、運転者が運転席に座ったままフォークリフトの前方を確認することのできる技術が考案されている(例えば、特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−246597号公報
【特許文献2】特開2006−062784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、フォークリフトを用いて荷役作業を行うときには、フォークリフトの前方の撮像画像を表示装置に表示させるだけではなく、荷役作業をよりし易くすることのできる技術が求められている。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決することのできる表示制御装置、表示制御方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、表示制御装置は、フォークリフトの第1のフォークの先端部に設けられた撮像装置が撮像した撮像画像を取得する画像取得部と、前記撮像画像における深度を取得する深度取得部と、前記深度に基づいて、前記第1のフォークの先端部から前記撮像画像に写る障害物までの距離を特定する距離特定部と、前記フォークリフトの運転者によるチルト操作に応じて生成された信号を検出したと判定した後に、前記距離特定部が算出した最も近い障害物までの最新の距離が所定の距離未満であると判定した場合に、前記第1のフォークの先端部から、前記撮像装置が撮像した撮像画像に写る障害物のうち最も近い障害物までの距離を表す第1画像を表示させ、前記運転者によるチルト操作に応じて生成された信号を検出しないと判定した場合、または、前記運転者によるチルト操作に応じて生成された信号を検出したと判定した後に、前記最も近い障害物までの最新の距離が所定の距離以上であると判定した場合に、前記第1のフォーク及び第2のフォークの傾きの程度、及び、前記第1のフォーク及び前記第2のフォークにおける荷物の有無を示す第2画像を表示させる表示制御部と、を備える。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様における表示制御装置において、前記距離と前記第1のフォークの先端部の位置とに応じた画像は、前記距離の分だけ前記フォークリフトが前進したと仮定したときの前記第1のフォークの先端部の位置を含む画像であり、前記表示制御部は、前記第1のフォークの先端部の位置を含む画像を、前記撮像画像に重畳させて表示させるものであってもよい。
【0008】
本発明の第3の態様によれば、第1の態様または第2の態様における表示制御装置において、前記距離と前記第1のフォークの先端部の位置とに応じた画像は、前記距離の分だけ前記フォークリフトが前進したと仮定したときの前記フォークリフトの前記第1のフォークの先端部とは別の第2のフォークの先端部の位置を含む画像であり、前記表示制御部は、前記第2のフォークの先端部の位置を含む画像を、前記撮像画像に重畳させて表示させるものであってもよい。
【0009】
本発明の第4の態様によれば、第1の態様から第3の態様の何れか1つの表示制御装置において、前記表示制御部は、前記フォークリフトに支持された荷役対象物の位置を含む画像を、前記撮像画像に重畳させて表示させるものであってもよい。
【0010】
本発明の第5の態様によれば、表示制御方法は、フォークリフトの第1のフォークの先端部に設けられた撮像装置が撮像した撮像画像を取得することと、前記撮像画像における深度を取得することと、前記深度に基づいて、前記第1のフォークの先端部から前記撮像画像に写る障害物までの距離を特定することと、前記フォークリフトの運転者によるチルト操作に応じて生成された信号を検出したと判定した後に、算出した最も近い障害物までの最新の距離が所定の距離未満であると判定した場合に、前記第1のフォークの先端部から、前記撮像装置が撮像した撮像画像に写る障害物のうち最も近い障害物までの距離を表す第1画像を表示させ、前記運転者によるチルト操作に応じて生成された信号を検出しないと判定した場合、または、前記運転者によるチルト操作に応じて生成された信号を検出したと判定した後に、前記最も近い障害物までの最新の距離が所定の距離以上であると判定した場合に、前記第1のフォーク及び第2のフォークの傾きの程度、及び、前記第1のフォーク及び前記第2のフォークにおける荷物の有無を示す第2画像を表示させることと、を含む。
【0011】
本発明の第6の態様によれば、プログラムは、コンピュータに、フォークリフトの第1のフォークの先端部に設けられた撮像装置が撮像した撮像画像を取得することと、前記撮像画像における深度を取得することと、前記深度に基づいて、前記第1のフォークの先端部から前記撮像画像に写る障害物までの距離を特定することと、前記フォークリフトの運転者によるチルト操作に応じて生成された信号を検出したと判定した後に、算出した最も近い障害物までの最新の距離が所定の距離未満であると判定した場合に、前記第1のフォークの先端部から、前記撮像装置が撮像した撮像画像に写る障害物のうち最も近い障害物までの距離を表す第1画像を表示させ、前記運転者によるチルト操作に応じて生成された信号を検出しないと判定した場合、または、前記運転者によるチルト操作に応じて生成された信号を検出したと判定した後に、前記最も近い障害物までの最新の距離が所定の距離以上であると判定した場合に、前記第1のフォーク及び第2のフォークの傾きの程度、及び、前記第1のフォーク及び前記第2のフォークにおける荷物の有無を示す第2画像を表示させることと、を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態による表示制御装置、表示制御方法及びプログラムによれば、荷役作業の操作がよりし易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態によるフォークリフトの構成を示す第1の図である。
図2】本発明の一実施形態によるフォークリフトの構成を示す第2の図である。
図3】本発明の一実施形態による表示制御装置の構成を示す図である。
図4】本発明の一実施形態において深度を取得する対象とする撮像画像内の所定の範囲の一例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態による表示制御装置が撮像画像に重畳させて表示装置に表示させる画像を説明するための第1の図である。
図6】本発明の一実施形態による表示制御装置が撮像画像に重畳させて表示装置に表示させる画像を説明するための第2の図である。
図7】本発明の一実施形態による記憶部が記憶する第1のデータテーブルを示す図である。
図8】本発明の一実施形態による記憶部が記憶する第2のデータテーブルを示す図である。
図9】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理フローを示す図である。
図10】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第1の図である。
図11】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第2の図である。
図12】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第3の図である。
図13】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第4の図である。
図14】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第5の図である。
図15】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第6の図である。
図16】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第7の図である。
図17】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第8の図である。
図18】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第9の図である。
図19】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第10の図である。
図20】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第11の図である。
図21】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第12の図である。
図22】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第13の図である。
図23】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第14の図である。
図24】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第15の図である。
図25】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第16の図である。
図26】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第17の図である。
図27】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第18の図である。
図28】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第19の図である。
図29】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第20の図である。
図30】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第21の図である。
図31】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第22の図である。
図32】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第23の図である。
図33】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第24の図である。
図34】本発明の一実施形態による表示制御装置の処理を説明するための第25の図である。
図35】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態>
以下、本発明の一実施形態によるフォークリフト1に備えられる表示制御装置80について説明する。
フォークリフト1は、図1に示すように、第1のフォーク10、第2のフォーク20を備える。また、フォークリフト1は、図2に示すように、撮像装置30、傾斜センサ40、荷重センサ50、操作装置60、表示装置70、表示制御装置80を備える。
【0015】
第1のフォーク10及び第2のフォーク20は、荷役対象物(以下、荷物と呼ぶ)を支持して昇降することができるフォークである。
【0016】
撮像装置30は、フォークリフト1の第1のフォーク10の先端部に設けられ、フォークリフト1の前方を撮像する装置である。なお、先端部とは、最先端の1点ではなく、最先端の周辺を含む。すなわち、撮像装置30は、第1のフォーク10の先端部の上などの第1のフォーク10の先端部の周辺、第1のフォーク10の内部などに設けられてよい。撮像装置30は、複数のレンズを備える複眼カメラであり、同時刻に複数のレンズを介してフォークリフト1の前方を撮像する。
ここでは、撮像装置30は、2つのレンズを備えるステレオカメラであるものとする。これら2つのレンズは、第1のフォーク10の先端部に所定の間隔(例えば、70〜80mmの間隔)を開けて設けられる。例えば、撮像装置30は、第1のフォーク10の先端部の内部に設けられる。また、例えば、撮像装置30は、第1のフォーク10の先端部の側部など、第1のフォーク10の先端部の周辺のフォークリフト1の前方を撮像可能な位置に設けられる。このようにして、撮像装置30は、同時刻に2つのレンズを介してフォークリフト1の前方を撮像し、所定の撮像タイミングごとに2つの撮像画像を生成する。
【0017】
傾斜センサ40は、第1のフォーク10及び第2のフォーク20の傾きを検出するセンサである。傾きの基準(すなわち、傾き0度)は、例えば、第1のフォーク10及び第2のフォーク20が荷物を支持せず、チルト操作も行われていないときの傾きであり、このときの傾きを水平とする。
【0018】
荷重センサ50は、第1のフォーク10及び第2のフォーク20の負荷、すなわち第1のフォーク10及び第2のフォーク20によって持ち上げられる荷物の重量を検出するセンサである。
【0019】
操作装置60は、運転者がフォークリフト1の荷役作業を行うために操作する装置である。運転者が操作装置60を操作することによって、フォークリフト1が走行したり、第1のフォーク10とともに第2のフォーク20を昇降させるリフト制御を行ったり、第1のフォーク10及び第2のフォーク20の基部を回動させて第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部を上下方向に傾けるチルト制御が行われる。
【0020】
表示装置70は、表示制御装置80による制御に基づいて画像を表示する装置である。表示装置70は、第1のフォーク10の先端部から、撮像装置30が撮像した撮像画像に写る障害物までの距離と、第1のフォーク10の先端部の位置とに応じた画像を、撮像装置30が撮像した撮像画像とともに表示する。表示装置70は、例えば、HUD(Head Up Display)、モニター、スクリーンなどである。
【0021】
表示制御装置80は、撮像装置30が撮像した撮像画像を取得し、取得した撮像画像における深度を取得し、取得した深度に基づいて、第1のフォーク10の先端部から撮像画像に写る障害物までの距離を特定する装置であって、特定した距離と第1のフォーク10の先端部の位置とに応じた画像を、取得した撮像画像に重畳させて表示装置70に表示させる装置である。
【0022】
表示制御装置80は、図3に示すように、画像取得部801、深度取得部802、距離特定部803、表示制御部804、記憶部805を備える。
【0023】
画像取得部801は、フォークリフト1の第1のフォーク10の先端部に設けられた撮像装置30が撮像した撮像画像を取得する。
【0024】
深度取得部802は、撮像装置30が撮像した撮像画像における深度を取得する。
例えば、撮像装置30が撮像した撮像画像における深度は、第1のフォーク10の先端部から(すなわち、撮像装置30から)の深度であり、撮像装置30が撮像した撮像画像における所定の範囲を少なくとも含む撮像画像についての深度である。つまり、深度取得部802は、撮像装置30が撮像した撮像画像における所定の範囲を少なくとも含む撮像画像についての第1のフォーク10の先端部からの深度を取得する。撮像装置30が撮像した撮像画像における所定の範囲とは、フォークリフト1が前方へ直進した場合に、フォークリフト1が通過すると推定される領域の画像部分(すなわち、荷物や障害物などの物体が存在する場合にはフォークリフト1が衝突する可能性のある領域の画像部分)を含む範囲である。具体的には、フォークリフト1が2つのフォークを備え、前方に向かって右側のフォークが第1のフォーク10であり、第1のフォーク10が最も低い位置まで下がっている場合には、撮像装置30が撮像した撮像画像における所定の範囲は、図4に示す撮像画像の中央O(すなわち、撮像装置30のレンズが向いている撮像方向を示す撮像画像における位置O)の左上の枠Aによって示される範囲である。この枠Aは、所定の範囲を説明するための枠であり、表示装置70には表示されない。なお、深度は、周知の技術を用いて算出すればよい。例えば、深度取得部802は、テンプレートマッチングを用いて、撮像装置30が同時刻に2つのレンズを介してフォークリフト1の前方を撮像した2つの撮像画像上における同一対象物の位置ずれ(視差)を算出する。この位置ずれの程度(大きさ)は深度に応じた値である。そのため、深度取得部802は、その視差と周知の変換式とを用いて撮像画像における各画素の深度(すなわち、対象物の実空間上の位置に相当する奥行き方向の情報)を算出することができる。なお、本発明の実施形態における取得とは、他の機能部が算出した深度の結果を取得すること、または、自機能部が深度を算出した結果として深度を得ることのどちらであってもよい。
深度取得部802は、所定の撮像タイミングごと(例えば、100msごとに)深度を取得する。
【0025】
距離特定部803は、撮像装置30が撮像した撮像画像における深度に基づいて、第1のフォーク10の先端部から、撮像装置30が撮像した撮像画像に写る障害物までの距離を特定する。
具体的には、撮像装置30が撮像した2つの撮像画像は、所定の撮像タイミングごとに、第1のフォーク10の先端部に所定の間隔(例えば、70〜80mm程度の間隔)を開けて設けられる2つのレンズを介して撮像されて撮像画像である。そのため、距離特定部803は、各撮像タイミングに撮像した一対の撮像画像に対して三角測量技術を用いることで、深度取得部802が算出した視差の実際の距離を算出することができる。距離特定部803は、視差の実際の距離を算出すると、その視差に対応する深度が示す実際の距離を算出することができる。
なお、深度取得部802が算出した視差は、撮像画像における所定の範囲についての視差である。そのため、距離特定部803は、撮像装置30が撮像した撮像画像の所定の範囲における深度に基づいて、所定の撮像タイミングごとに、第1のフォーク10の先端部から(すなわち、撮像装置30から)、撮像装置30が撮像した撮像画像に写る障害物までの距離を算出することになる。
【0026】
表示制御部804は、第1のフォーク10の先端部から、撮像装置30が撮像した撮像画像に写る障害物までの距離と、第1のフォーク10の先端部の位置とに応じた画像を、撮像装置30が撮像した撮像画像に重畳させて表示装置70に表示させる。第1のフォーク10の先端部から、撮像装置30が撮像した撮像画像に写る障害物までの距離と、第1のフォーク10の先端部の位置とに応じた画像とは、例えば、図5に示す画像M1、M2、M3である。
【0027】
画像M1は、距離特定部803が算出した第1のフォーク10の先端部から、撮像装置30が撮像した撮像画像に写る障害物のうち最も近い障害物までの距離を表す画像である。
【0028】
画像M2は、距離特定部803が算出した第1のフォーク10の先端部から、撮像装置30が撮像した撮像画像に写る障害物までの距離に応じた奥行き方向の目盛りを表す画像である。画像M2には、第1のフォーク10の先端部から、撮像装置30が撮像した撮像画像に写る障害物までの間の所定の距離に相当する各目盛りが含まれる。
【0029】
画像M3は、距離特定部803が算出した最新の距離の分だけ(すなわち、画像M1によって示される距離の分だけ)フォークリフト1が前進したと仮定したときの第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部の位置を含む画像である。
ただし、画像M3は、後述するように、フォークリフト1が荷物を支持していない状態で、第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部がパレット内部を移動し、所定の距離以内に障害物が存在すると判定された場合には、第1のフォーク10の先端部の位置のみを示す画像となる。
【0030】
また、表示制御部804は、第1のフォーク10及び第2のフォーク20の傾きの程度、及び、第1のフォーク10及び第2のフォーク20における荷物の有無を示す画像と、フォークリフト1に支持された荷物の位置を含む画像とを、撮像装置30が撮像した撮像画像に重畳させて表示装置70に表示させる。第1のフォーク10及び第2のフォーク20の傾きの程度、及び、第1のフォーク10及び第2のフォーク20における荷物の有無を示す画像とは、例えば、図5に示す画像M4である。また、フォークリフト1に支持された荷物の位置を含む画像とは、例えば、図6に示す画像M5である。
【0031】
画像M4は、画像M4a、画像M4bを含む。画像M4aは、第1のフォーク10及び第2のフォーク20を表す画像である。画像M4bは、第1のフォーク10及び第2のフォーク20の傾斜角に対応する目盛りを表す画像である。画像M4bに示される目盛りのうち、水平な目盛りが基準となる傾斜角(0度)を表す。
また、画像M4は、画像M4cを含む。画像M4cは、フォークリフト1に支持された荷物(すなわち、第1のフォーク10及び第2のフォーク20によって支持された荷物)を表す画像である。
【0032】
画像M5は、フォークリフト1に支持された荷物の位置(荷物の外形)を示す画像である。画像M5は、荷物を所定の位置に置く直前の位置(例えば、荷物を下ろす操作を行うフォークリフト1の位置の手前0.5mの位置)にフォークリフト1が存在したときを想定した、その直前の位置からその所定の位置までの距離(この例では、0.5m)だけ前進したときの荷物の位置を示す画像である。その直前の位置からその所定の位置までの距離は、固定値である。そのため、撮像装置30がフォークリフト1の進行方向を中心に撮像するように、第1のフォーク10の先端部に設けられている場合、第1のフォーク10の先端部の表示装置70における表示位置は、固定の位置となる。また、画像M5の表示装置70における表示位置は、荷物の大きさによって決まる固定の位置となる。
【0033】
なお、図5図6における四角い破線、L字型の破線、符号M1、M2、M3、M4、M4a、M4b、M4c、M5のそれぞれは、説明のために記載したものであり、実際には表示装置70に表示されない。
【0034】
記憶部805は、表示制御装置80が行う処理に必要な種々の情報を記憶する。例えば、記憶部805は、図7に示すように、第1のフォーク10の先端部から、撮像装置30が撮像した撮像画像に写る障害物までの距離(図7では「距離」と記載)と、それぞれの距離に応じた画像M1、M2、M3の画像データとを関連付けたデータテーブルTBL1を記憶する。また、記憶部805は、図8に示すように、傾斜センサ40の検出値が示す傾斜角と、それぞれの傾斜角に応じた、荷物の画像を含む画像M4または荷物の画像を含まない画像M4の画像データとを関連付けたデータテーブルTBL2を記憶する。なお、図8では「荷物あり」と記載されているデータが荷物の画像を含む画像M4の画像データであり、「荷物なし」と記載されているデータが荷物の画像を含まない画像M4の画像データである。また、記憶部805は、フォークリフト1を一定の距離(例えば、0.5m)の分だけ前進させたと仮定した場合のフォークリフト1に支持された荷物の位置を表す画像M5を記憶する。
【0035】
次に、表示制御装置80が画像M1、M2、M3、M4、M5のそれぞれを表示装置70に表示させる処理について説明する。
ここでは、図9に示す表示制御装置80の処理フローについて説明する。
なお、表示制御装置80は、所定の条件を満たしたと判断した場合、フォークリフト1に支持された荷物の位置を含む画像M5を、撮像装置30が撮像した撮像画像に重畳させて表示装置70に表示させる装置である。また、表示制御装置80は、所定の条件を満たさないと判断した場合、所定のタイミングごとに、撮像装置30が撮像した撮像画像に画像M1、M2、M3、M4を重畳させて表示装置70に表示させる装置である。
所定の条件を満たしたと判定した場合とは、荷役作業において荷物を置く可能性が高い(近くに障害物の存在する可能性が高く、荷役作業において荷物を対象物に衝突させる可能性が高い)と判定される状況にあると表示制御部804が判定した場合である。具体的には、所定の条件を満たしたと判定した場合とは、運転者がチルト操作を行い、表示制御部804がその操作に応じて生成された信号を検出したと判定した後に、距離特定部803が算出した最も近い障害物までの最新の距離が所定の距離(例えば、1m)未満であると表示制御部804が判定した場合である。また、所定の条件を満たしたと判定した場合とは、運転者が画像M5を表示させるボタンを押下し、表示制御部804がそのボタンの押下に応じて生成される信号を検出したと判定した場合である。また、所定の条件を満たしたと判定した場合とは、荷物を置く所定の位置の近辺に設けられた近距離通信用の特定の信号を検出したと表示制御部804が判定した場合である。また、所定の条件を満たしたと判定した場合とは、荷物を置く所定の位置の近辺に設けられた特定の画像を検出したと表示制御部804が判定した場合である。
また、画像取得部801は、所定の撮像タイミングごとに、フォークリフト1の第1のフォーク10の先端部に設けられた撮像装置30が撮像した撮像画像を取得し、深度取得部802は、画像取得部801が取得したそれぞれの撮像タイミングの撮像画像における深度を取得し、距離特定部803は、取得した深度に基づいて、第1のフォーク10の先端部から、撮像装置30が撮像した撮像画像に写る障害物までの距離を特定しているものとする。
【0036】
表示制御部804は、所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS1)。所定の条件とは、荷役作業において荷物を置く可能性が高いことを示す条件である。
表示制御部804は、所定の条件を満たさないと判定した場合(ステップS1においてNO)、所定のタイミングごとに、距離特定部803から距離特定部803が特定した最も近い障害物までの最新の距離、傾斜センサ40の検出値、荷重センサ50の検出値を取得する(ステップS2)。
表示制御部804は、データテーブルTBL1において、取得した距離に関連付けられている画像M1、M2、M3を特定し(ステップS3)、特定した画像M1、M2、M3の画像データを取得する(ステップS4)。また、表示制御部804は、取得した荷重センサ50の検出値が所定のしきい値以上であるか否かを判定する(ステップS5)。
表示制御部804は、荷重センサ50の検出値が所定のしきい値以上であると判定した場合(ステップS5においてYES)、データテーブルTBL2において、取得した傾斜センサ40の検出値が示す傾斜角に関連付けられている画像M4のうち荷物の画像を含む画像M4の画像データを特定し(ステップS6)、特定した画像データを取得する(ステップS7)。
【0037】
また、表示制御部804は、荷重センサ50の検出値が所定のしきい値未満であると判定した場合(ステップS5においてNO)、データテーブルTBL2において、取得した傾斜センサ40の検出値が示す傾斜角に関連付けられている画像M4のうち荷物の画像を含まない画像M4の画像データを特定し(ステップS8)、特定した画像データを取得する(ステップS9)。
そして、表示制御部804は、取得した画像M1、M2、M3、M4それぞれを、撮像装置30が撮像した撮像画像に重畳させて表示装置70の表示画面における所定の位置(例えば、画像M1を表示画面の右下の位置、画像M2を表示画面の中央からやや下の位置、画像M3を第1のフォーク10の先端部が表示画面の中央に一致する位置、画像M4を表示画面の右側の位置)に表示させる(ステップS10)。そして、表示制御部804は、ステップS1の処理に戻す。
【0038】
また、表示制御部804は、所定の条件を満たすと判定した場合(ステップS1においてYES)、所定のタイミングごとに、距離特定部803から距離特定部803が特定した最も近い障害物までの最新の距離、傾斜センサ40の検出値、荷重センサ50の検出値を取得する(ステップS11)。表示制御部804は、データテーブルTBL2において、取得した傾斜センサ40の検出値が示す傾斜角に関連付けられている画像M4のうち荷物の画像を含む画像M4の画像データを特定し(ステップS12)、特定した画像データを取得する(ステップS13)。また、表示制御部804は、記憶部805が記憶する画像M5を取得する(ステップS14)。
そして、表示制御部804は、取得した画像M4、M5それぞれを、撮像装置30が撮像した撮像画像に重畳させて表示装置70の表示画面における所定の位置(例えば、画像M4を表示画面の右側の位置、画像M5を表示画面の固定の位置)に表示させる(ステップS15)。そして、表示制御部804は、ステップS1の処理に戻す。
【0039】
次に、フォークリフト1が行う一連の荷役作業において表示制御装置80が表示装置70に表示させる表示について、図10図34を用いて説明する。なお、図10図34における四角い破線、L字型の破線、符号M1、M2、M3、M4、M4a、M4b、M4c、M5のそれぞれは、説明のために記載したものであり、実際には表示装置70に表示されない。
なお、表示制御部804は、図9に示す処理フローについて説明したように、所定の条件を満たさないと判断した場合には、所定のタイミングごとに、撮像装置30が撮像した撮像画像に画像M1、M2、M3、M4を重畳させて表示装置70に表示させ、所定の条件を満たしたと判断した場合には、所定のタイミングごとに、撮像装置30が撮像した撮像画像に画像M4、M5を重畳させて表示装置70に表示させる。
【0040】
運転者は、フォークリフト1を操作して、移動させる荷物が存在する位置に向かってフォークリフト1を走行させる。
表示制御部804は、所定の条件を満たさないと判断した場合には、所定のタイミングごとに、撮像装置30が撮像した撮像画像に画像M1、M2、M3、M4を重畳させて表示装置70に表示させる。図10は、フォークリフト1が荷物に近づき、距離特定部803が算出した第1のフォーク10の先端部から障害物までの最新の距離が2mである場合に、表示制御部804が表示装置70に表示させる画像である。このとき、フォークリフト1は荷物を支持していないため、距離特定部803が算出した第1のフォーク10の先端部から障害物までの最新の距離が2mである場合、表示制御部804は、図10に示すように、その距離に応じた2mを示す画像M1、2mに相当する目盛りを示す画像M2、2m先の第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部の位置を示す画像M3、傾斜角が0度であり荷物を支持していないことを示す画像M4(画像M4a、画像M4b)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図10の場合、荷物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。
【0041】
図11は、フォークリフト1が荷物にさらに近づき、距離特定部803が特定した第1のフォーク10の先端部から障害物までの最新の距離が1mである場合に、表示制御部804が表示装置70に表示させる画像である。このとき、フォークリフト1は荷物を支持していないため、距離特定部803が特定した第1のフォーク10の先端部から障害物までの最新の距離が1mである場合、表示制御部804は、図11に示すように、その距離に応じた1mを示す画像M1、1mに相当する目盛りを示す画像M2、1m先の第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部の位置を示す画像M3、傾斜角が0度であり荷物を支持していないことを示す画像M4(画像M4a、画像M4b)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図11の場合、荷物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。
【0042】
図12は、フォークリフト1が荷物にさらに近づき、距離特定部803が特定した第1のフォーク10の先端部から障害物までの最新の距離が所定のしきい値(例えば、1m)以下となった場合に、表示制御部804が表示装置70に表示させる画像である。このとき、フォークリフト1は荷物を支持していない。表示制御部804は、距離特定部803から最新の距離を取得し、取得した最新の距離が所定のしきい値以下であると判定し、かつ、荷重センサ50の検出値が所定のしきい値未満であると判定して、図12に示すように、第1のフォーク10の先端部の位置を示す画像M3、傾斜角が0度であり荷物を支持していないことを示す画像M4(画像M4a、画像M4b)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図12の場合、荷物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。
【0043】
図13は、フォークリフト1が荷物にさらに近づき、第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部がパレット内部を移動し、所定の距離以内に障害物が存在すると判定した場合に、表示制御部804が表示装置70に表示させる画像である。このとき、フォークリフト1は荷物を支持していない。表示制御部804は、距離特定部803から最新の距離を取得し、取得した最新の距離が所定のしきい値以下であると判定し、かつ、荷重センサ50の検出値が所定のしきい値未満であると判定して、図13に示すように、第1のフォーク10の先端部の位置を示す画像M3、傾斜角が0度であり荷物を支持していないことを示す画像M4(画像M4a、画像M4b)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図13の場合、パレット内部)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。
【0044】
図14は、フォークリフト1が荷物にさらに近づき、第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部がパレット内部を突き抜けたタイミングに、表示制御部804が表示装置70に表示させる画像である。このとき、フォークリフト1は荷物を支持していない。しかしながら、第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部がパレット内部を突き抜けようとしたタイミングでは、表示制御部804は、距離特定部803から取得した最新の距離が所定のしきい値を超えた距離(この例では1m)であると判定する。そのため、表示制御部804は、図14に示すように、最新の距離に応じた1mを示す画像M1、1mに相当する目盛りを示す画像M2、1m先の第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部の位置を示す画像M3、傾斜角が0度であり荷物を支持していないことを示す画像M4(画像M4a、画像M4b)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図14の場合、荷物よりも奥に存在する障害物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。
運転者は、この状態で、第1のフォーク10及び第2のフォーク20をリフトアップさせるリフト操作を行う。
【0045】
図15は、第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部がパレット内部を突き抜けた状態で、第1のフォーク10及び第2のフォーク20をリフトアップしている途中のタイミングに、表示制御部804が表示装置70に表示させる画像である。ただし、第1のフォーク10及び第2のフォーク20は荷物を支持するところまでは上昇しておらず、荷重センサ50の検出値は、所定のしきい値未満である。第1のフォーク10及び第2のフォーク20をリフトアップしているため、距離特定部803から取得した最新の距離が2mとなっている。表示制御部804は、図15に示すように、最新の距離に応じた2mを示す画像M1、2mに相当する目盛りを示す画像M2、2m先の第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部の位置を示す画像M3、傾斜角が0度であり荷物を支持していないことを示す画像M4(画像M4a、画像M4b)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図15の場合、荷物よりも奥に存在する障害物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。
【0046】
図16図17は、図15と同様に、第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部がパレット内部を突き抜けた状態で、第1のフォーク10及び第2のフォーク20をリフトアップしている途中のタイミングに、表示制御部804が表示装置70に表示させる画像である。第1のフォーク10及び第2のフォーク20は荷物を支持するところまでは上昇しておらず、荷重センサ50の検出値は、所定のしきい値未満である。第1のフォーク10及び第2のフォーク20をリフトアップしているため、図16に対応するフォークリフト1の場合、表示制御部804が距離特定部803から取得した最新の距離は3mであり、図17に対応するフォークリフト1の場合、表示制御部804が距離特定部803から取得した最新の距離は4mである。そのため、表示制御部804は、図16に示すように、最新の距離に応じた3mを示す画像M1、3mに相当する目盛りを示す画像M2、3m先の第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部の位置を示す画像M3、傾斜角が0度であり荷物を支持していないことを示す画像M4(画像M4a、画像M4b)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図16の場合、荷物よりも奥に存在する障害物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。また、表示制御部804は、図17に示すように、最新の距離に応じた4mを示す画像M1、4mに相当する目盛りを示す画像M2、4m先の第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部の位置を示す画像M3、傾斜角が0度であり荷物を支持していないことを示す画像M4(画像M4a、画像M4b)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図17の場合、荷物よりも奥に存在する障害物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。
【0047】
図18は、第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部がパレット内部を突き抜けた状態で、さらに第1のフォーク10及び第2のフォーク20をリフトアップし、第1のフォーク10及び第2のフォーク20が荷物を支持したタイミングに、表示制御部804が表示装置70に表示させる画像である。第1のフォーク10及び第2のフォーク20は荷物を支持するところまでは上昇すると、荷重センサ50の検出値は、所定のしきい値以上である。また、表示制御部804が距離特定部803から取得した最新の距離は4mである。そのため、表示制御部804は、図18に示すように、最新の距離に応じた4mを示す画像M1、4mに相当する目盛りを示す画像M2、4m先の第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部の位置を示す画像M3、傾斜角が0度であり荷物を支持していることを示す画像M4(画像M4a、画像M4b、画像M4c)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図18の場合、荷物よりも奥に存在する障害物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。
【0048】
運転者は、フォークリフト1が荷物を支持すると、操作装置60に対してチルト操作を行う。第1のフォーク10及び第2のフォーク20は、運転者によるチルト操作に応じて傾く。
図19は、第1のフォーク10及び第2のフォーク20がチルト操作によって傾いている途中のタイミングに、表示制御部804が表示装置70に表示させる画像である。表示制御部804は、第1のフォーク10及び第2のフォーク20が傾きに応じた傾斜センサ40の検出値を取得し、データテーブルTBL2において、その検出値に関連付けられた画像M4(画像M4a)を特定する。荷重センサ50の検出値は、所定のしきい値以上である。また、表示制御部804が距離特定部803から取得した最新の距離は4mである。そのため、表示制御部804は、図19に示すように、最新の距離に応じた4mを示す画像M1、4mに相当する目盛りを示す画像M2、4m先の第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部の位置を示す画像M3、0度から目盛り1つ分傾いた傾斜角で荷物を支持していることを示す画像M4(画像M4a、画像M4b、画像M4c)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図19の場合、荷物よりも奥に存在する障害物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。
【0049】
図20は、第1のフォーク10及び第2のフォーク20がチルト操作によってさらに傾いたタイミングに、表示制御部804が表示装置70に表示させる画像である。表示制御部804は、第1のフォーク10及び第2のフォーク20が傾きに応じた傾斜センサ40の検出値を取得し、データテーブルTBL2において、その検出値に関連付けられた画像M4(画像M4a)を特定する。荷重センサ50の検出値は、所定のしきい値以上である。また、表示制御部804が距離特定部803から取得した最新の距離は4mである。そのため、表示制御部804は、図20に示すように、最新の距離に応じた4mを示す画像M1、4mに相当する目盛りを示す画像M2、4m先の第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部の位置を示す画像M3、図19に示す傾斜角よりも大きい目盛り2つ分の傾斜角で荷物を支持していることを示す画像M4(画像M4a、画像M4b、画像M4c)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図20の場合、荷物よりも奥に存在する障害物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。
【0050】
ここで示す例では、荷物を置く位置は、前方の棚の上段であるものとする。運転者は、チルト操作を終えると、フォークリフト1を前進させる操作を行う。
図21は、第1のフォーク10及び第2のフォーク20がチルト操作によって傾いたまま棚に近づく途中のタイミングに、表示制御部804が表示装置70に表示させる画像である。表示制御部804が距離特定部803から取得した最新の距離は3mである。そのため、表示制御部804は、図21に示すように、最新の距離に応じた3mを示す画像M1、3mに相当する目盛りを示す画像M2、3m先の第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部の位置を示す画像M3、目盛り2つ分の傾斜角で荷物を支持していることを示す画像M4(画像M4a、画像M4b、画像M4c)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図21の場合、荷物よりも奥に存在する障害物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。
【0051】
図22図23は、図21に対応するフォークリフト1に比べて、棚の方向にさらに前進したタイミングに、表示制御部804が表示装置70に表示させる画像である。図22に対応するフォークリフト1の場合、表示制御部804が距離特定部803から取得した最新の距離は2mであり、図23に対応するフォークリフト1の場合、表示制御部804が距離特定部803から取得した最新の距離は1mである。そのため、表示制御部804は、図22に示すように、最新の距離に応じた2mを示す画像M1、2mに相当する目盛りを示す画像M2、2m先の第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部の位置を示す画像M3、目盛り2つ分の傾斜角で荷物を支持していることを示す画像M4(画像M4a、画像M4b、画像M4c)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図22の場合、荷物よりも奥に存在する障害物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。また、表示制御部804は、図23に示すように、最新の距離に応じた1mを示す画像M1、1mに相当する目盛りを示す画像M2、1m先の第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部の位置を示す画像M3、目盛り2つ分の傾斜角で荷物を支持していることを示す画像M4(画像M4a、画像M4b、画像M4c)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図23の場合、荷物よりも奥に存在する障害物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。
【0052】
運転者は、フォークリフト1を棚の前まで移動させると、第1のフォーク10及び第2のフォーク20を棚の上段までリフトアップさせる前に、操作装置60に対してチルト操作を行い、第1のフォーク10及び第2のフォーク20を水平にする。
図24は、第1のフォーク10及び第2のフォーク20がチルト操作によって水平になったタイミングに、表示制御部804が表示装置70に表示させる画像である。表示制御部804が距離特定部803から取得した最新の距離は1mである。そのため、表示制御部804は、図24に示すように、最新の距離に応じた1mを示す画像M1、1mに相当する目盛りを示す画像M2、1m先の第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部の位置を示す画像M3、傾斜角が0度であり荷物を支持していることを示す画像M4(画像M4a、画像M4b、画像M4c)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図24の場合、荷物よりも奥に存在する障害物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。
【0053】
運転者は、第1のフォーク10及び第2のフォーク20を水平になると、第1のフォーク10及び第2のフォーク20を棚の上段までリフトアップさせるリフト操作を行う。
図25は、第1のフォーク10及び第2のフォーク20がリフト操作によって棚の上段まで上昇する途中のタイミングに、表示制御部804が表示装置70に表示させる画像である。表示制御部804が距離特定部803から取得した最新の距離は1mである。そのため、表示制御部804は、図25に示すように、最新の距離に応じた1mを示す画像M1、1mに相当する目盛りを示す画像M2、1m先の第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部の位置を示す画像M3、傾斜角が0度であり荷物を支持していることを示す画像M4(画像M4a、画像M4b、画像M4c)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図25の場合、荷物よりも奥に存在する障害物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。
【0054】
第1のフォーク10及び第2のフォーク20がリフトアップしているときにも、表示制御部804は、図9の処理フローで説明したステップS1の処理により所定の条件を満たすか否かの判定を行っている。
図26は、第1のフォーク10及び第2のフォーク20がリフト操作によって棚の上段まで上昇する途中で、ステップS1の処理により所定の条件を満たしたと判定したタイミングに、表示制御部804が表示装置70に表示させる画像である。例えば、表示制御部804が運転者がチルト操作を行い、表示制御部804がその操作に応じて生成された信号を検出したと判定した後に、距離特定部803が算出した最も近い障害物までの最新の距離が所定の距離(例えば、1m)未満であるか否かによって所定の条件を満たすか否かを判定している場合、荷物を支持している第1のフォーク10及び第2のフォーク20がリフトアップしているときに、表示制御部804が距離特定部803から取得した最新の距離が1m未満であると、表示制御部804は、所定の条件を満たしたと判定する。そして、表示制御部804は、図9の処理フローで説明したステップS11〜ステップS15の処理を行う。そのため、表示制御部804は、図26に示すように、傾斜角が0度であり荷物を支持していることを示す画像M4(画像M4a、画像M4b、画像M4c)、フォークリフト1に支持された荷物の位置(荷物の外形)を示す画像M5を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図26の場合、荷物よりも奥に存在する障害物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。
【0055】
図27は、第1のフォーク10及び第2のフォーク20がリフト操作によって棚の上段まで上昇したタイミングに、表示制御部804が表示装置70に表示させる画像である。表示制御部804が距離特定部803から取得した最新の距離が1mである。そのため、表示制御部804は、図27に示すように、最新の距離に応じた1mを示す画像M1、1mに相当する目盛りを示す画像M2、1m先の第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部の位置を示す画像M3、傾斜角が0度であり荷物を支持していることを示す画像M4(画像M4a、画像M4b、画像M4c)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図27の場合、荷物よりも奥に存在する障害物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。
【0056】
運転者は、フォークリフト1を前進させる操作を行い、荷物を棚の真上まで移動させる。
図28は、第1のフォーク10及び第2のフォーク20がリフト操作によって棚の上段の真上まで移動したタイミングに、表示制御部804が表示装置70に表示させる画像である。表示制御部804が距離特定部803から取得した最新の距離が1mである。そのため、表示制御部804は、図28に示すように、最新の距離に応じた1mを示す画像M1、1mに相当する目盛りを示す画像M2、1m先の第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部の位置を示す画像M3、傾斜角が0度であり荷物を支持していることを示す画像M4(画像M4a、画像M4b、画像M4c)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図28の場合、荷物よりも奥に存在する障害物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。
【0057】
運転者は、荷物を棚の真上まで移動させると、第1のフォーク10及び第2のフォーク20をリフトダウンさせるリフト操作を行い、荷物を棚に置く。
図29は、第1のフォーク10及び第2のフォーク20がリフト操作によってリフトダウンし、荷物が棚に置かれたタイミングに、表示制御部804が表示装置70に表示させる画像である。荷重センサ50の検出値は、所定のしきい値未満である。また、表示制御部804が距離特定部803から取得した最新の距離が1mである。そのため、表示制御部804は、図29に示すように、最新の距離に応じた1mを示す画像M1、1mに相当する目盛りを示す画像M2、1m先の第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部の位置を示す画像M3、傾斜角が0度であり荷物を支持していないことを示す画像M4(画像M4a、画像M4b)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図29の場合、荷物よりも奥に存在する障害物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。
【0058】
運転者は、荷物を棚に置くと、操作装置60に対してフォークリフト1を後退させる操作を行い、第1のフォーク10及び第2のフォーク20をパレットから引き抜く。
図30図31図32図33は、この操作が行われた各タイミングに、表示制御部804が表示装置70に表示させる画像であり、図11図12図13図14の表示を逆の順に表示させることに相当する。(ただし、第1のフォーク10及び第2のフォーク20の存在する位置(高さ)が異なる。)表示制御部804は、図30に示すように、最新の距離に応じた1mを示す画像M1、1mに相当する目盛りを示す画像M2、1m先の第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部の位置を示す画像M3、傾斜角が0度であり荷物を支持していないことを示す画像M4(画像M4a、画像M4b)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図30の場合、荷物よりも奥に存在する障害物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。また、表示制御部804は、距離特定部803から最新の距離を取得し、取得した最新の距離が所定のしきい値以下であると判定し、かつ、荷重センサ50の検出値が所定のしきい値未満であると判定して、図31に示すように、第1のフォーク10の先端部の位置を示す画像M3、傾斜角が0度であり荷物を支持していないことを示す画像M4(画像M4a、画像M4b)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図31の場合、パレット内部)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。また、表示制御部804は、距離特定部803から最新の距離を取得し、取得した最新の距離が所定のしきい値以下であると判定し、かつ、荷重センサ50の検出値が所定のしきい値未満であると判定して、図32に示すように、第1のフォーク10の先端部の位置を示す画像M3、傾斜角が0度であり荷物を支持していないことを示す画像M4(画像M4a、画像M4b)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図32の場合、荷物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。また、表示制御部804は、図33に示すように、その距離に応じた3mを示す画像M1、3mに相当する目盛りを示す画像M2、3m先の第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部の位置を示す画像M3、傾斜角が0度であり荷物を支持していないことを示す画像M4(画像M4a、画像M4b)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図33の場合、荷物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。
【0059】
運転者は、第1のフォーク10及び第2のフォーク20をパレットから引き抜くと、操作装置60に対して第1のフォーク10及び第2のフォーク20をリフトダウンする操作を行う。
図34は、第1のフォーク10及び第2のフォーク20が最も低い位置まで下がったタイミングに、表示制御部804が表示装置70に表示させる画像である。表示制御部804が距離特定部803から取得した最新の距離が1mである。そのため、表示制御部804は、図34に示すように、最新の距離に応じた1mを示す画像M1、1mに相当する目盛りを示す画像M2、1m先の第1のフォーク10及び第2のフォーク20の先端部の位置を示す画像M3、傾斜角が0度であり荷物を支持していないことを示す画像M4(画像M4a、画像M4b)を、撮像装置30が撮像した撮像画像である障害物(図34の場合、荷物よりも奥に存在する障害物)及びその背景を含む画像に重畳させて表示装置70に表示させる。
【0060】
以上、本発明の第1の実施形態によるフォークリフトについて説明した。
本発明の第1の実施形態によるフォークリフト1の表示制御装置80において、画像取得部801は、フォークリフト1の第1のフォーク10の先端部に設けられた撮像装置30が撮像した撮像画像を取得する。深度取得部802は、前記撮像画像における深度を取得する。距離特定部803は、前記深度に基づいて、前記第1のフォーク10の先端部から前記撮像画像に写る障害物までの距離を特定する。表示制御部804は、前記距離と前記第1のフォーク10の先端部の位置とに応じた画像を、前記撮像画像に重畳させて表示させる。
こうすることで、表示制御装置80は、フォークリフト1の前方の死角となる画像とともに、荷役作業の操作をサポートする画像M1、M2、M3、M4、M5などを表示装置70に表示させることができる。その結果、表示制御装置80により、運転者がフォークリフト1の荷役作業の操作をよりし易くなる。
【0061】
なお、本発明の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0062】
本発明の実施形態における記憶部805、その他の記憶装置のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲においてどこに備えられていてもよい。また、記憶部805、その他の記憶装置のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲において複数存在しデータを分散して記憶していてもよい。
【0063】
本発明の実施形態について説明したが、上述の撮像装置30、操作装置60、表示装置70、表示制御装置80、その他の制御装置は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
図35は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ5は、図35に示すように、CPU6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
例えば、上述の撮像装置30、操作装置60、表示装置70、表示制御装置80、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
【0064】
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0065】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、発明の範囲を限定しない。これらの実施形態は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、省略、置き換え、変更を行ってよい。
【符号の説明】
【0067】
1・・・フォークリフト
5・・・コンピュータ
6・・・CPU
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10・・・第1のフォーク
20・・・第2のフォーク
30・・・撮像装置
40・・・傾斜センサ
50・・・荷重センサ
60・・・操作装置
70・・・表示装置
80・・・表示制御装置
801・・・画像取得部
802・・・深度取得部
803・・・距離特定部
804・・・表示制御部
805・・・記憶部
【要約】
【課題】荷役作業の操作をよりし易くすることのできる表示制御装置を提供する。
【解決手段】表示制御装置は、フォークリフトの第1のフォークの先端部に設けられた撮像装置が撮像した撮像画像を取得する画像取得部と、前記撮像画像における深度を取得する深度取得部と、前記深度に基づいて、前記第1のフォークの先端部から前記撮像画像に写る障害物までの距離を特定する距離特定部と、前記距離と前記第1のフォークの先端部の位置とに応じた画像を、前記撮像画像に重畳させて表示させる表示制御部と、を備える。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
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