(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記気体放出路の円換算断面直径が、前記気体放出路の前記気体流通路から気体が流入する分岐孔の方が、前記気体放出孔よりも大きい請求項1〜4のいずれか1項記載の調整液の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔本発明1〕
本発明1は、気体を導入するための気体導入孔(13)を備え、気体導入孔(13)から導入された気体が流通する気体流通路(11)(以下、気体流通路(11)という)と、気体流通路(11)から分岐して気体流通路(11)と連通する複数の気体放出路(12)(以下、気体放出路(12)という)とを備える気体流通管(1)である。
【0012】
(気体流通路)
気体流通路(11)は筒状空間で、気体導入孔(13)から導入された気体は、該筒状空間を形成する内壁面(111)で囲まれた空間の長さ方向に向いて流通することになる。
【0013】
筒状空間の断面とは、その筒状空間を構成する内壁面(111)の任意の1点を通過する平面で切り取られる内壁面(111)の輪郭のうち最小の面積のものをいい、例えば円筒、錐体のような一軸回転対称の空間であれば、その空間の回転軸に垂直な平面で切り取られる面が断面である。
【0014】
筒状空間の断面の面積を有する円の直径を円換算断面直径といい、筒状空間の長さに沿った円換算断面直径の平均を平均直径という。
【0015】
筒状空間の一方の末端を構成する内壁面(111)の点と、他方の末端を構成する内壁面(111)の点との距離が最小となる点を選び、各末端の該点を通過する平面で切り取られる内壁面(111)の輪郭のうち最小の面積のものをそれぞれの末端の末端断面という。
【0016】
円筒空間の長さとは、円筒空間の両末端の末端断面を結ぶ最短の曲線(以下、円筒空間の軸という)の長さをいい、気体流通路(11)の長さ方向とは、円筒空間の軸の接線方向をいう。
【0017】
円筒空間の軸に垂直な断面を、該断面の垂直上方から見ることを平面視するという。
【0018】
気体流通路(11)の断面は、必要な気体の流通能に応じて円形、楕円形、矩形、多角形、星型等を選べるが、気体が円滑に流通するという観点から円形又は楕円形であることが好ましく、円形であることがより好ましい。
【0019】
気体流通路(11)の軸は直線でも曲線でもよい。円筒空間が直円筒のように直線的であれば気体流通路(11)の軸は直線であり、円筒空間が半円の筒のチューブのように曲線的であれば気体流通路(11)の軸は曲線になる。
【0020】
気体流通路(11)は直線的でも曲線的でもよいが、気体圧力が安定するという観点からは、直線的であることが好ましい。
【0021】
気体流通路(11)の内壁面(111)は、気体円滑に流通させる観点から、気体流通路(11)の長さ方向に対して平滑であることが好ましい。
【0022】
後述する液質調整装置(2)の構成要素として使用する観点から、気体流通路(11)の平均直径は、好ましくは1mm〜10m、より好ましくは2mm〜1m、更に好ましくは5mm〜500mm、更に好ましくは10mm〜200mm、更に好ましくは15mm〜50mm、更に好ましくは15mm〜30mmである。
【0023】
気体流通路(11)の長さは、後述する気体放出路(12)をできるだけ多く分岐させる観点から、好ましくは1cm〜100m、より好ましくは10cm〜20m、更に好ましくは20cm〜10m、更に好ましくは30cm〜5m、更に好ましくは50cm〜2m、更に好ましくは70cm〜1.5mである。
【0024】
気体流通路(11)の内壁面(111)の材質は、後述する気体放出路(12)に向けて流通する以外は、内壁面(111)から漏出しない程度の気体遮蔽性があればよく、紙、合成繊維、プラスチック、繊維強化プラスチック、セラミックス、金属等を使用できるが、成形性、耐久性及び耐水性の観点から、プラスチック、セラミックス又は金属が好ましく、プラスチック又は金属がより好ましく、金属が更に好ましい。
【0025】
成形性、耐久性及び耐水性の観点から、プラスチックとしてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、非結晶ポリエチレンテレフタレート(A−PET)、ポリ乳酸(PLA)等の熱可塑性樹脂が好ましく、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、がより好ましく、ポリプロピレン(PP)が更に好ましい。
【0026】
成形性、耐久性及び耐水性の観点から、金属としてはステンレス、鉄、アルミニウム、真鍮、炭素鋼、チタン、銅等を使用できるが、環境衛生の観点から、ステンレス又はチタンが好ましく、ステンレスがより好ましい。
【0027】
(気体放出路)
気体放出路(12)は、気体流通路(11)から分岐して気体流通路(11)と連通する筒状空間である。
【0028】
気体放出路(12)は、気体流通路(11)との接続部分に気体流通路(11)から気体が流入する分岐孔(122)と、気体流通管(1)の外部側の末端である気体放出孔(121)とを備え、分岐孔(122)と気体放出孔(121)を両末端とする筒状空間である。
【0029】
分岐孔(122)は、分岐孔(122)の輪郭で囲まれる面が隣接する気体流通管(1)の内壁面(111)と滑らかに接続するように形成されていることが好ましい。
【0030】
気体放出孔(121)は、気体流通管(1)の外部と連通して、気体流通管(1)の外部に気体流通路(11)の長さ方向に対して0°超180°未満の角度の方向に気体を放出できる。
【0031】
気体流通路(11)を流通する気体は内圧により分岐孔(122)から気体放出路(12)に流入し、気体放出孔(121)から気体流通管(1)の外部に放出される。
【0032】
気体放出路(12)は、直線的でも曲線的でもよいが、気体を分岐孔(122)から最短距離で所定の角度で放出できるようにする観点から、直線的であることが好ましい。
【0033】
気体放出路(12)の分岐孔(122)、気体放出孔(121)及び断面は、必要な気体の放出能に応じて円形、楕円形、矩形、多角形、星型等を選べるが、気体が円滑に流通するという観点から円形又は楕円形であることが好ましく、円形であることがより好ましい。
【0034】
後述する液質調整装置(2)の構成物品として使用する観点から、気体放出路(12)の平均直径は、気体流通路(11)の断面の円換算断面直径に対して、好ましくは1〜100%、より好ましくは2〜80%、更に好ましくは5〜60%、更に好ましくは10〜30%である。
【0035】
後述する液質調整装置(2)の構成物品として使用する場合、気体放出孔(121)から放出される際の放出圧力を確保する観点から、気体放出路(12)は、分岐孔(122)から気体放出孔(121)にかけて円換算断面直径が小さくなっている先細形状であることが好ましい。
【0036】
気体放出路(12)が先細形状である場合、気体の円滑な放出の観点から、気体放出路(12)の内壁面(123)はテーパー状に平滑に成型されていることが好ましい。
【0037】
気体放出路(12)が先細形状である場合、気体放出孔(121)の円換算断面直径は、放出気体が液体中での気泡の形成性の観点から、好ましくは0.1〜100mm、より好ましくは0.2〜50mm、更に好ましくは0.3〜10mm、更に好ましくは0.5〜5mm、更に好ましくは0.7〜2mmである。
【0038】
気体放出路(12)が先細形状である場合、分岐孔(122)の円換算断面直径は、放出気体が液体中での気泡の形成性の観点から、気体放出孔(121)の円換算断面直径よりも大きく、気体放出孔(121)の円換算断面直径の、好ましくは150〜2000%、より好ましくは200〜1000%、更に好ましくは300〜700%である。
【0039】
気体放出路(12)の長さは、分岐孔(122)側の末端断面の円換算断面直径に対して、好ましくは1〜10000%、より好ましくは50〜1000%、更に好ましくは200〜500%である。
【0040】
気体流通路(11)の軸から気体放出路(12)の軸の気体流通管(1)の外部側の末端までの距離である気体放出路(12)の突出長は、気体を分岐孔(122)から最短距離で所定の角度で放出できるようにする観点から、好ましくは1〜1000mm、より好ましくは2〜500mm、更に好ましくは5〜200mm、更に好ましくは10〜50mm、更に好ましくは10〜20mmである。
【0041】
気体放出路(12)は気体流通路(11)の内壁面(111)に形成された分岐孔(122)から分岐するが、気体流通路(11)の長さ方向に対して、0°超180°未満、好ましくは30°〜150°、より好ましくは60°〜120°、更に好ましくは75°〜105°、更に好ましくは80°〜100°の角度の方向に気体が放出できるように分岐する。
【0042】
気体放出路(12)は、気体流通路(11)の内壁面(111)から、長さ方向に少なくとも1本、気体流通路(11)の内壁面(111)の内周に沿って少なくとも1本、合計で2本以上分岐することが好ましく、平面視で、気体流通路(11)の軸に垂直な断面の輪郭に沿って互いに等角度をなすように分岐することがより好ましい。
【0043】
従って、気体放出路(12)は、例えば、気体流通路(11)の軸に垂直な断面の輪郭に沿って、平面視で互いに180°をなして(互いに反対向きに)2本が分岐していてよく、互いに120°をなして(3方向に)3本が接続されてよく、互いに90°をなして(4方向に)4本が分岐していてよく、互いに60°をなして(6方向に)6本が分岐していてよく、互いに30°をなして(12方向に)12本が分岐していてよく、気泡の放出効率と成形性を考慮すると、互いに90°をなして(4方向に)4本が分岐していることが好ましい。
【0044】
気体放出路(12)は、気体の放出効率の観点から、気体流通路(11)の内壁面(111)から、長さ方向に、1cm当り、好ましくは0.01〜30本、より好ましくは0.1〜20本、更に好ましくは0.5〜10本、更に好ましくは1〜5本分岐することが好ましい。
【0045】
気体流通管(1)の末端は閉塞されていてよいが、末端部からも気体放出路(12)が分岐し、該末端部の気体放出路(12)からも気体が放出できるように構成されていてもよい。
【0046】
気体放出路(12)の内壁面(123)の好適材質は、気体流通路(11)の内壁面(111)の好適材質と同様であるが気体流通管(1)の成形性の観点から、気体流通路(11)の内壁面(111)と同一の材質であることが好ましい。
【0047】
(気体導入孔)
本発明1は、気体を導入するための気体導入孔(13)を備える。
気体導入孔(13)は、気体流通管(1)の任意の部分に設けることができ、気体流通管(1)の内壁の任意の部分に気体流通路(11)と直接連通するように設けてよいが、気体流通管(1)内に気体を効率よく充満させる観点から、気体流通管(1)の末端に設けることが好ましい。
【0048】
気体導入孔(13)は、後述する気体導入機構と接続できるように構成されていればよく、例えば、気体導入機構の送気管と接続できるように、気体流通管(1)の外壁面に突出した接続ノズル状であってよい。
【0049】
(気体流通管の形状)
気体流通管(1)は、気体流通路(11)を内部空間とする一定の肉厚の筒状体の側面に、気体放出路(12)を内部空間とする一定の肉厚の側部筒状体が接続して、筒状体の側部に複数の側部筒状体が突出している形状であることができる。
【0050】
気体流通管(1)の肉厚とは、気体流通路(1)の内壁面(111)から筒状体の側面までの距離であるが、筒状体の側部に複数の側部筒状体が突出している形状である場合、気体流通管(1)の強度の観点から、好ましくは1〜1000mm、より好ましくは2〜500mm、更に好ましくは3〜100mm、更に好ましくは4〜50mm、更に好ましくは5〜30mm、更に好ましくは5〜20mmである。
【0051】
筒状体の側部に複数の側部筒状体が突出している形状である場合、気体放出路(12)の外形は、気体放出路(12)の筒状空間と同様の形態となるが、意匠性を考慮すると、円筒、三角錐、多角錐等の1軸回転対称形状であることが好ましい。
【0052】
気体流通管(1)が設置された環境において、筒状体の側面に側部筒状体が突出して、環境内の他の物体と側部筒状体が接触し、互いに損傷することを回避する観点から、筒状体の肉厚が十分に大きく、気体放出路(12)が筒状体の肉厚内に配置されている(以下、包埋されているともいう)ことが好ましい。この場合、筒状体の肉厚は気体放出路(12)の突出長と同程度であることが好ましい。
【0053】
気体放出路(12)が、筒状体の肉厚に包埋されている場合、筒状体の側部は突出のない面となり、気体放出孔(121)が同じ面内に設けられている形状であることが好ましい。
【0054】
気体流通管(1)は、直線状の気体流通管(1)同士をL字、T字、U字、三又等の接続管で接続して、全体が折り畳まれてコンパクトに配置できるような形態であってもよい。
【0055】
(気体流通管の成形)
(1)例えば、
図1及び2に示す気体流通管(1)は以下のようにして成形できる。
例えばプラスチック又は金属製で、気体流通路(11)と同程度の長さの円筒体の平面視での中央部を長さ方向にくり抜いて円筒管とし、
円筒管の一方の端を、開孔を有するキャップで封鎖し、
円筒管の他方の端を、開孔を有さないキャップで封鎖して、
キャップの開孔を気体導入孔(13)、両端が封鎖された円筒管を気体流通路(11)とする。
【0056】
円筒管の側面に外部から気体流通路(11)に連通する気体放出路(12)の分岐孔(122)の断面直径を有する円筒孔をくり抜く。
【0057】
円筒孔の断面直径と同等以上の断面直径を有し、円筒孔の肉厚の8割程度の高さの円筒管バーに、底面の直径が円筒孔の断面直径と同等以下で、上面の直径が気体放出孔(121)と同じである円筒管バーと同軸の円錐状内部空間を成形した円筒管ピースを製造する。
【0058】
円筒管ピースを、円錐状内部空間の底面が円筒孔に同軸に接続するように、円筒管の外部から円筒孔に圧入すると、円筒孔と円錐状内部空間とが結合した空間が気体放出路となり、円筒孔の気体流通路(11)側の開孔が分岐孔(122)、円錐状内部空間の円筒管の外部に連通する開孔が気体放出孔(121)となる。
【0059】
気体放出孔(121)を設ける部分に円筒孔をくり抜いて同様の作業をして所望の数の気体放出孔(121)を、気体流通路(11)に接続すれば、気体導入孔(13)、気体流通路(11)及び気体放出路(12)を備える気体流通管(1)を製造できる。
【0060】
(2)例えば、別の成形方法として以下が考えられる。
両末端が開放された短い円筒管の側面に円筒孔をくり抜き、円筒孔に円錐状チッ
プを接続した複数のユニット管を製造する。
【0061】
複数のユニット管の両末端を、嵌合する、接着剤により接着する、溶接により溶着する等して接続して成形して所望の長さの気体流通管(1)とし、気体流通管(1)の一端を、開孔を有するキャップで封鎖し、気体流通管(1)の他端を、開孔を有さないキャップで封鎖して、キャップの開孔を気体導入孔(13)とする気体流通管(1)を成形できる。
【0062】
(3)例えば、別の成形方法として、気体流通管(1)全体を真空成形、3Dプリンター等で一体成形したり、長さ方向の分割体を真空成型、射出成型、鋳造、3Dプリンター等で製造し、分割体同士を嵌合させる、接着剤により接着する、溶接により溶着する等して接合したり張合わせたりすることが考えられる。
【0063】
〔本発明2〕
本発明2は、本発明1の気体流通管(1)と、気体流通管(1)の気体導入孔(13)から気体流通路(11)に気体を導入する気体導入機構(以下、気体導入機構という)とを備えた気体放出装置である。
【0064】
気体導入機構としては、エア・コンプレッサー等の高圧気体発生装置から高圧気体を、例えば気体流通管(1)の末端の気体導入孔(13)から、チューブ等の送気管を接続して流入させる気体導入機構が考えられる。
また、高圧に圧縮した気体を充填した圧縮気体ボンベから、例えば気体流通管(1)の末端の気体流入孔から、チューブ等の送気管を接続して流入させる気体導入機構が考えられる。
【0065】
本発明2によれば、気体流通路(11)に導入された気体は、気体流通路(11)に沿って流通移動すると共に、気体放出路(12)に流入して気体放出孔(121)から気体流通管(1)の外部に放出される。
【0066】
本発明2によれば、気体流通路(11)に導入された気体は、多数の気体放出孔(121)から気体流通路(11)の所定の方向に放出されるため、気体流通管(1)の置かれた環境に効率よく気体を放出することができる。
【0067】
本発明2で使用できる気体としては、空気、水素、酸素、窒素、塩素、二酸化炭素、ヘリウム等の希ガス、メタンガス、ブタンガス、天然ガス等、必要に応じて選択することができる。
【0068】
本発明2は、気体流通管(1)を、所定の気体を所定量充満することが要求される室内空間、所定の気体を液体中に放出して液質を調整することが要求される湖;池;気−液体、気−気等の反応槽;液体貯蔵タンク、金魚鉢、水族館等の水生生物槽、養魚池・養魚槽、藻類培養槽、菌類培養槽、発酵槽、浄化槽、風呂釜等の液体槽(21)に充填された液体中に置いて使用することができる。
【0069】
〔本発明3〕
本発明3は、本発明2の気体放出装置と、液体槽(21)とを備え、液体槽(21)に液体を充填すると、気体流通管(1)の気体放出孔(121)が液体の中に浸漬し、気体流通管(1)に気体を導入すると、気体放出路(12)から気体が液体の中に、好ましくは気体泡となって放出されるように構成される液質調整装置(2)である。
【0070】
気体放出路(12)から気体を液体の中に気体泡として放出する観点から、本発明2の気体放出路(12)は先細形状であることが好ましく、上記した好適な先細形状であることがより好ましい。
【0071】
本発明3における液体槽(21)は、液体を充填すると、気体流通管(1)の気体放出孔(121)が液体の中に浸漬できる、好ましくは気体流通管(1)のすべての気体放出孔(121)が液体中に没するだけの十分な容積を有する。
【0072】
液体槽(21)の材質は、液体や気体に対して要求される防漏性、耐食性、耐久性等があればよく、プラスチック、繊維強化プラスチック、セラミックス、金属等を使用できる。
【0073】
同様の観点から、プラスチックとしてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、非結晶ポリエチレンテレフタレート(A−PET)、ポリ乳酸(PLA)等の熱可塑性樹脂が好ましい。
【0074】
同様の観点から、金属としてはステンレス、鉄、アルミニウム、真鍮、炭素鋼、チタン、銅等を使用できるが、環境衛生の観点から、ステンレス又はチタンが好ましく、ステンレスがより好ましい。
【0075】
〔本発明4〕
本発明4は、本発明3において、さらに、気液透過性のセラミックス粒子ホルダー(22)を備え、セラミックス粒子をセラミックス粒子ホルダー(22)に収納すると、液体の中で、気体放出路(12)から放出された気体がセラミックス粒子に衝突等して接触するように構成される液質調整装置(2)である。
【0076】
従来、水やアルコール等の水性液体にセラミックス粒子を浸漬して、セラミックス粒子からの溶出成分と水性液体の混合組成物を製造し、該混合組成物を食品や化粧品の原料として使用することが行われている(例えば、特開2008−23520号公報)。
【0077】
しかし、水やアルコール等の水性液体にセラミックス粒子を浸漬しているだけでは、溶出成分の溶出効率を向上することができない場合がある。
【0078】
本発明4は、液体槽(21)の液体中で、セラミックス粒子に本発明3で発生させた気体を衝突して接触させて、溶出成分の溶出効率を向上させ、あるいは、併せて、気体、セラミックス粒子及び溶出成分の間の相互作用によって、従来の溶出成分の混合だけでは得られない液質の調整水を得ることができる。
【0079】
本発明4において、本発明3の液質調整装置(2)を使用すると、液体中で放出された気泡がセラミックス粒子に接触することで、例えば、セラミックス粒子からマイナスに荷電したイオンが液体中に解離して液質が調整されることが考えられる。
【0080】
セラミックス粒子は、セラミックス粒子の輪郭線で切り取られる線分の最大長(以下、最大径という)がcmオーダーのセラミックス塊状体でもよいし、μmからmmオーダーのセラミックス粉末であってよい。
【0081】
セラミックス粒子ホルダー(22)は、例えば、セラミックス粒子を収納したメッシュ型パック形状で、液体槽(21)中に、取り付け取り外し自在につるして配置できるようにした構成でもよいし、液体槽(21)中に、固定されたネット型セラミックス粒子収納スペースとして構成されてもよい。
【0082】
セラミックス粒子ホルダー(22)は、例えば、
図3に示すような、気体流通管(1)も内部に配置できる、ネット型容器で、気体流通管(1)の側面とネット型容器の内周面の間(以下、セラミックス粒子収納部(224)という)に、セラミックス粒子を充填できるような構成(以下、気体流通管一体型ホルダー(22)という)であってよい。
【0083】
気体流通管一体型ホルダー(22)は、例えば、ネット型外筒(
221)と気体流通管スタンドプレート(222)で構成され、気体流通管スタンドプレート(222)の中央部に気体流通管(1)を固定し、ネット型外筒(
221)にセラミックス粒子収納部(224)を設けて気体流通管一体型ホルダー(22)全体を搬送できるようにしておく態様が考えられる。
【0084】
気体流通管一体型ホルダー(22)のセラミックス粒子収納部(224)は、
気体流通管(1)が物理的なダメージを受けないように、充填したセラミックス粒子が気体流通管(1)の側面と直接接触できないように、気体流通管(1)の側面をネット等の気液透過性シートで被覆するように構成してもよいし、
気体流通管(1)から放出される気体の、充填されたセラミックス粒子への到達が阻害されないように、充填したセラミックス粒子が気体流通管(1)の側面と直接接触できるように気液透過性シートで被覆しない構成にしてもよい。
【0085】
セラミックス粒子を充填した気体流通管一体型ホルダー(22)を液体中に浸漬して、気体流通管(1)から気体を放出すると、放出された気体は隣接して配置されたセラミックス粒子に衝突して接触できるので、セラミックス粒子からの溶出成分を効率よく溶出できる。
【0086】
気体流通管一体型ホルダー(22)を使用すると、気体流通管一体型ホルダー(22)自体を持ち運びできるので、液体槽を別に準備して、気体流通管一体型ホルダー(22)を液体槽中に置くだけで発明4を簡易に組み立てることができる。
【0087】
気体流通管(1)とセラミックス粒子ホルダー(22)とは液体槽(21)中で相対的に回転できるようにしておいてもよい。例えば、セラミックス粒子ホルダー(22)を気体流通管(1)の周りで回転できるようにして、収納されたセラミックス粒子が、1つの気体放出孔(121)から放出される気体と交代で接触できるようにしてもよい。
【0088】
液体槽(21)中の本発明3の気体放出装置の周囲を、セラミックス粒子で形成したセラミックスネット型容器で被覆して、気体放出路(12)から放出される気体がセラミックスネット型容器に衝突して接触するようにしてもよい。セラミックスネット型容器は、例えばセラミックス粒子を接着剤で接着したり熱風で溶着したりして、本発明3の気体放出装置が内側に配置できるような円筒状物品として製造することができる。
【0089】
〔実施態様例〕
図1〜3を用いて、本発明4の好適な実施態様を説明する。
【0090】
(気体流通管)
気体流通管(1)は、平均直径45mm、長さが約1100mmのステンレス製直円筒バーに、以下に説明する気体流通路(11)、気体放出路(12)及び気体導入孔(13)を設けたステンレス製直円筒管である。
【0091】
(1)気体流通路(11)は、ステンレス製直円筒バーの長さ方向に、ステンレス製直円筒バーと同軸の平均直径が20mmの円筒孔をくり抜いて形成された直円筒空間であり、その結果、気体流通路(11)の肉厚は12.5mmとなる。
【0092】
(2)気体放出路(12)は、ステンレス製直円筒管の側面にステンレス製直円筒管の軸に垂直に、気体流通路(11)側から直径7mm、長さ2.5mmの直円筒空間と、直径7mm超8mm以下、長さ10mmの直円筒空間を同軸に接続した側面貫通孔を設け、この側面貫通孔に同軸に、以下に説明する直円筒ピースを、直円筒ピースに設けた円錐状空間の下面を気体流通路(11)に対向させて圧入して形成される。
【0093】
直円筒ピースは直径8mm、長さ10mmのステンレス製直円筒バーに、下面が直径5mmの円、上面が直径1mmの円錐状空間を穿孔して成形されたものである。
【0094】
このように形成された気体放出路(12)は、分岐孔(122)が直径7mmの円、気体放出孔が直径1mmの円、突出長dが10mmである円錐状のテーパー内壁を有する円筒空間である。
【0095】
(3)気体流通管(1)の肉厚は気体放出路(12)の突出長と同じで、気体放出路(12)は肉厚に包埋されている。
【0096】
(4)気体放出路(12)は、気体流通路(11)の長さ方向に対して90°の方向に突出し、気体流通路の長さ方向に対して90°の方向に気体を放出できるようになっている。
【0097】
気体放出路(12)は、平面視において、気体流通路(11)の軸に垂直な断面の輪郭に沿って、互いに90°をなして(4方向に)4本が分岐している(以下、この4本の分岐を含む気体流通管の管状部分を単位ユニット管という)。
従って、単位ユニット管は、気体放出路の回転対称軸の長さ方向に隣接して119段積層しており、隣接する単位ユニット管は45°ずつ回転して積層しており、隣接する気体放出路(12)は互いに45°をなす。
【0098】
(5)気体流通管(1)の一方の末端には直径13mmの気体導入孔(13)が設けてあるキャップ(14)で、気体流通管(1)の他方の末端は開孔のないキャップ(15)で封鎖されている。
【0099】
(気体放出装置)
エア・コンプレッサーとエア・コンプレッサーから排出される高圧気体を送気する送気管からなる気体導入機構を使用し、送気管を気体流通管(1)の気体導入孔(13)に接続して気体放出装置とする。
【0100】
気体流通管(1)を立てて使用する場合、気体流通管(1)を立てたときに、例えば、比重が空気以上の重い気体を使用する場合は、キャップ(14)を上端に設けて、気体を気体流通管(1)の上から下に流通させ、比重が空気未満の軽い気体を使用する場合は、キャップ(14)を下端に設けて、気体を気体流通管(1)の下から上に流通させることが好ましい。
【0101】
いずれの場合も、気体流通管(1)の下端のキャップに、気体流通管(1)を設置するための固定用ネジを設けておくことができ、
図3ではキャップ(15)に固定用雄ネジ(16)が設けてある。
【0102】
以上の気体流通管(1)を構成する全ての部位を、プラスチック及び/又はステンレス等の金属で構成できる。
【0103】
(セラミックス粒子ホルダー)
(1)セラミックス粒子ホルダーは、例えば、
図3に示すような、径200mm、気体流通管(1)の長さよりも大きい高さ1050mmの容量を有する円筒状のネット型外筒(221)と底面の気体流通管スタンドプレート(222)で構成することができる。
【0104】
ネット型外筒(
221)は、例えば、目開きが好ましくは0.05〜150mm、より好ましくは0.1mm〜100mm、更に好ましくは0.5〜10mm、更に好ましくは1〜5mmのステンレス製ネットで構成することができる。
【0105】
(2)気体流通管スタンドプレート(222)は、ネット型外筒(
221)の末端と接続し、気体流通管(1)を載置できるだけの強度が必要であり、プラスチック及び/又はステンレス等の金属で構成できる。
【0106】
(3)気体流通管スタンドプレート(222)には、気体流通管(1)のキャップ(15)に設けた雄ネジと咬合する雌ネジを設け、気体流通管(1)をネジによって気体流通管スタンドプレート(222)に固定して気体流通管一体型ホルダー(22)を形成できる。
【0107】
(4)
図3における気体流通管一体型ホルダー(22)では、気体流通管(1)の側面とネット型外筒(
221)の間の空間がセラミックス粒子収納部(224)となる。
【0108】
図3におけるセラミックス粒子収納部(224)は、好ましくは平均直径0.01〜50mmのセラミックス粒子を1〜100kg、より好ましくは平均直径0.1〜40mmのセラミックス粒子を10〜90kg、更に好ましくは平均直径1〜30mmのセラミックス粒子を30〜80kg、更に好ましくは平均直径5〜20mmのセラミックス粒子を50〜70kgを充填できる。
【0109】
図3における気体流通管一体型ホルダー(22)には、ネット型外筒(321)の内周に沿って気体流通管支持フレーム(223)が設けられている。
図3では、気体流通管支持フレーム(223)は、ネット型外筒(
221)の内周から気体流通管(1)の長さ方向に垂直方向に、気体流通管(1)の側面の近傍に末端が到達する、ネット型外筒(
221)の内周に固定するプレートであり、その気体流通管(1)の側面側の末端は、気体流通管(1)の側面の周囲を囲って、気体流通管スタンドプレート(222)に固定して立てられた気体流通管(1)を安定に支持する。
【0110】
(5)
図3における気体流通管一体型ホルダー(22)には、ネット型外筒の開放端側にセラミックス粒子収納部(224)が設けられ、気体流通管一体型ホルダー(22)全体を搬送し易くしている。
【0111】
(6)気体流通管一体型ホルダー(22)を液体槽(21)の中央部に載置し、セラミックス粒子収納部(224)にセラミックス粒子(図示されていない)を充填し、気体流通管(1)が全部液没するまで液体槽(21)に液体(図示されていない)を充填する。
【0112】
(7)気体流通管(1)の気体導入孔(13)から、エア・コンプレッサー等で高圧気体を導入し、気体を気体流通路(11)に流通させると、気体は分岐孔(122)から気体放出路を流通して気体放出孔(121)から、液体中に気体泡が放出され、放出された気体泡が近傍に配置されているセラミックス粒子に衝突して接触し、セラミックス粒子からの溶出成分が液体中に拡散して、充填した液体の液質が調整される。
【0113】
〔本発明5〕
本発明5は、本発明4の液質調整装置(2)を使用して、
液体の中で、気体放出路(12)から放出された気体をセラミックス粒子に衝突させて、液体の液質を調整して調整液を得る調整液の製造方法である。
【0114】
液質を調整しうるセラミックス粒子としては、
砂岩、泥岩、粘板岩等の堆積岩、
溶岩、蛇紋石、玄武岩、菊花石、黒曜石、大谷石等の火成岩、
麦飯石(好ましくは岐阜県産)、医王石、貴陽石(好ましくは群馬県産)、ブラックシリカ(神明石、黒鉛珪石、好ましくは北海道産)、ホワイトシリカ(石英変岩)、松鉱石、菫青石、緑泥石、御影石、結晶片岩、千枚岩、寒水石等の変成岩、
トルマリン(電気石、好ましくは標高5000m以上のヒマラヤ産)、ゼオライト、クリノプチロライト、北投石、竜王石(昇竜石)、快悠石(貴宝石)、光明石、天照石、シリカ、アルミナ、チタニア、ソーダ灰、トロナ鉱石、滑石、長石、苦灰石(白雲石、ドロマイト)、紅柱石、珪線石、方解石、角閃石、角モン石、硅石、重晶石、水晶(石英)・紫水晶、美水石、ゼノタイム石、サマルスキー石、モナズ石、雲母、ラジウム鉱石等の鉱石及び隕石からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の原料石を焼結して製造して得られるセラミックス粒子が好ましく、
麦飯石、医王石、貴陽石、ブラックシリカ(神明石、黒鉛珪石)、ホワイトシリカ(石英変岩)、松鉱石、菫青石、緑泥石、御影石、結晶片岩、千枚岩及び寒水石からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の原料石を焼結して製造して得られるセラミックス粒子がより好ましく、
麦飯石、医王石、貴陽石及びブラックシリカ(神明石、黒鉛珪石)からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の原料石を焼結して製造して得られるセラミックス粒子がさらに好ましい。
【0115】
セラミックス粒子を製造する際には、液質調整の必要に応じて、好ましくは金、銀、銅、プラチナ等の貴金属、炭素・ケイ素・ゲルマニウム・スズ・鉛・フレロビウム等の炭素属元素を混合して焼結することができ、より好ましくは金、銀、銅、プラチナ及び錫からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の金属を混合することができる。
【0116】
セラミックス粒子収納部(224)には、その他の添加物として、目的に応じた不要の有機物や臭い成分の吸着性や調整水の効果の補強の観点から、貝殻、貝化石、骨、骨化石、植物炭、動物炭、活性炭、珊瑚、珊瑚化石、ベントナイト、珪藻土、珪酸土、ドロマイト、黄土、石炭、泥炭、シラス、火山灰又はこれらの粉砕物やこれらを適当な形状及び大きさに成型したものを、セラミックス粒子に混合したり、メッシュ袋や容器に詰めて配置したりすることができる。
【0117】
セラミックス粒子は、例えば、原料石を粉砕した粉末状のものを必要な添加剤と共に、各原料石に応じて500〜2000℃で焼成して得ることができる。
例えば、トルマリンは500〜800℃、麦飯石、貴陽石、医王石等は1300℃で焼成するとよい。
【0118】
例えば、トルマリンを原料石とするセラミックス粒子Xは、ネパール国内のヒマラヤ山脈の3000m付近で採取されたトルマリンの粉砕物と陶土を50:50(質量比)で混合し直径約1cmの球状にしたものを600℃前後で焼結して得ることができる。
【0119】
例えば、岩盤浴の盤石として使用される麦飯石、貴陽石、医王石、神明石などを、麦飯石を主成分(40〜60質量%)として適当な割合の混合物と陶土を50:50(質量比)で混合し直径約1cmの球状にしたものを1300℃前後で焼結してセラミックス粒子Yを得ることができる。
【0120】
液質が調整されうる液体としては、調整液の食品、化粧品等の原料液体の用途を考慮すると、環境衛生の観点から、水及びエタノール、水溶性カルボン酸等の水溶性有機物が挙げられ、水としては、水道水だけでなく、井戸水、地下水、河川水、湖沼水、湧水、海水、温泉水等の天然水が挙げられる。
【0121】
セラミックス粒子への、気体の接触と液体の接触による溶出成分の溶出効率の観点から、セラミックス粒子の大きさは、平均粒径が、好ましくは0.01〜50cm、より好ましくは0.1〜20cm、更に好ましくは0.2〜10cm、更に好ましくは0.5〜3cmである。
【0122】
セラミックス粒子の平均粒径は、セラミックス粒子集合物からセラミックス粒子を無作為に100粒選び、セラミックス粒子1つが全て視野に入り、セラミックス粒子2つは全てが視野の入らない倍率で撮影された各セラミックス粒子の顕微鏡写真によって、そのセラミックス粒子の最大径を求め、100粒のセラミックス粒子の最大径を算術平均した値を用いる。
【0123】
セラミックス粒子への気体の衝突等による接触と液体の接触とによる溶出成分の溶出効率の観点から、気体放出路(12)から放出される気体は、液体中で気泡となることが好ましく、気泡の平均径は、好ましくは0.001μm〜100mm、より好ましくは0.01〜10mm、更に好ましくは0.1〜1000μm、0.5〜100μm、更に好ましくは0.5〜10μmである。
【0124】
セラミックス粒子への気体の衝突等による接触と液体との接触による溶出成分の溶出効率の観点から、気体放出量は、気体放出路(12)当り、好ましくは0.1〜100ml/分、より好ましくは1〜50ml/分、更に好ましくは5〜25ml/分である。
【0125】
セラミックス粒子への気体の衝突等による接触と液体との接触による溶出成分の溶出効率の観点から、気体放出時間は、〔T/気体放出路(12)の数〕時間を目安とし、この場合、Tは、好ましくは100〜10000、より好ましくは500〜7000、更に好ましくは1000〜3000である。
【0126】
セラミックス粒子への気体の衝突等による接触と液体との接触による溶出成分の溶出効率の観点から、液体温は液体の沸点よりも10℃以上低く設定することが好ましく、水であれば、好ましくは10〜95℃、より好ましくは30〜90℃、更に好ましくは50〜85℃、更に好ましくは60〜80℃である。
【0127】
セラミックス粒子への気体の衝突等による接触と液体との接触による溶出成分の溶出効率の観点から、セラミックス粒子1cm
2当りの液体の容積は、好ましくは0.1〜100ml/cm
2、より好ましくは1〜50ml/cm
2、更に好ましくは5〜30ml/cm
2、更に好ましくは10〜20ml/cm
2である。
【0128】
〔本発明6〕
本発明6は、本発明5の調整液の製造方法で得られる調整液である。
【0129】
例えば、本発明5において、セラミックス粒子としてセラミックス粒子Xを使用し、液体として温泉水を使用すると、水中で、本発明3の気体放出装置から放出された空気泡がセラミックス粒子と衝突して接触し、空気泡と水とセラミックスからの溶出成分が混合して、酸化還元電位の低い性状の調整液が得られ、これを化粧水用の原料として使用すると、化粧品成分の吸収が高まり、また、アンチエイジング効果が期待できるなどの好ましい効果を奏する。
【0130】
温泉水としては、
単純温泉(アルカリ性)、塩化物泉(ナトリウム塩化物泉、ナトリウム・マグネシウム塩化物泉、ナトリウム・カルシウム塩化物泉)、炭酸水素塩泉(カルシウム(・マグネシウム)炭酸水素塩、ナトリウム炭酸水素塩泉)、硫酸塩泉(硫酸塩泉、マグネシウム硫酸塩泉、ナトリウム硫酸塩泉、カルシウム硫酸塩泉)、二酸化炭素泉(単純二酸化炭素泉)、含鉄泉(鉄泉、鉄(II)炭酸水素塩泉、鉄(II)硫酸塩泉)、酸性泉(単純酸性泉)、含よう素泉(含よう素ナトリウム塩化物泉)、硫黄泉(硫黄泉、硫黄泉(硫化水素型))、放射能泉等が使用できる。
【0131】
本発明6が食品用及び/又は化粧品用(例えば化粧水)、好ましくは化粧品用(例えば化粧水)の場合、温泉水はそのまま摂取できる程度に弱酸性から弱アルカリ性(好ましくは弱アルカリ性)で軟水であることが好ましく、さらに塩素、硫黄等の塩味、臭味の要因となる成分の含有量が低いことがより好ましい。
即ち、本発明6が食品用及び/又は化粧品用(例えば化粧水)、好ましくは化粧品用(例えば化粧水)の場合、温泉水は原水で、
pHは、好ましくは5〜9.5、より好ましくは6〜9、更に好ましくは7〜9、更に好ましくは8〜9であり、
硬度は、好ましくは0〜120mg/L、より好ましくは20〜100mg/L、更に好ましくは30〜80mg/Lであり、
硫黄化合物の含有量は、好ましくは10mg/L以下、より好ましくは1mg/L以下、より好ましくは0.1mg/L以下、更に好ましくは0.01mg/L以下である。
【0132】
例えば上記の好適な温泉を使用して、
pHが、好ましくは5〜9.5、より好ましくは6〜9、更に好ましくは7〜9、更に好ましくは8〜9で、
電気伝導度が、好ましくは30〜200S/m、より好ましくは50〜150S/m、更に好ましくは70〜100S/mで、
酸化還元電位が、好ましくは50〜300mV、より好ましくは100〜250mV、更に好ましくは150〜200mVであるような本発明6を製造することが好ましい。
【0133】
例えば、本発明5において、セラミックス粒子としてセラミックス粒子Yを使用し、液体として水(好ましくは温泉水)を使用すると、水中で、本発明3の気体放出装置から放出された空気泡がセラミックス粒子と衝突して接触し、気泡と水とセラミックスからの溶出成分が混合して、酸化還元電位の低い性状の調整液が得られ、これを化粧水用の原料として使用すると、アンチエイジング効果が期待できるなどの好ましい効果を奏する。
【0134】
本発明6の調整液は、上述した温泉水を使用すると酸化還元電位が低く、弱アルカリ性であることから、例えば、以下のような用途で効果を奏することが期待される。
【0135】
(1)土壌中に存在する微生物であるトーマス菌、硝化菌、人工的なEM菌(好ましくはトーマス菌)などをそのまま、又は、さらにこれらにオルガ菌及び/又は放線菌などを添加したものを使用した肥料を本発明6の温泉水を使用した調整液と混合して植物を育成するための土壌に肥料として使用すると、植物組織への栄養成分の浸透が効率的で迅速に植物を育成することが期待される。
【0136】
(2)本発明6の温泉水を使用した調整液を、餌に混ぜて動物に食させると、動物の健康・発育を促し、良質な食用肉源又は食用魚類源となることが期待される。
【0137】
(3)本発明6の温泉水を使用した調整液を、コンクリート又はモルタル等の水硬性組成物に練り水として配合して得た水硬化物は、例えばテトラポッド(登録商標)にして海底に沈めたり、マングローブ等が育成するような河川の護岸壁にしたりすると、水硬化物表面が植物に被覆される等し易くなり、水硬化物表面と接触する水環境に対して水硬化物由来の汚染を抑制することが期待される。
【0138】
(4)本発明6の温泉水を使用した調整液を、室内を形成する建材を接着固定する接着剤に配合すると、室内の居住環境が改善され喘息等を抑制することが期待される。
【0139】
(5)本発明6の温泉水を使用した調整液を、水道水に配合することで、塩素臭が低減し、飲料やプール用水として適性が改善する。
【0140】
そのほか、セラミックス粒子と液体種を選ぶと、得られる調整液は、例えば、化粧品、食品、飲料、調理、薬品等の原料液体;入浴や洗濯等で使用する生活用水:植物栽培等で使用する植物育成水;養魚用水;水生生物飼育用水;藻類、菌類や単離細胞の培養用水;発酵用水;医療・工業用洗浄水;コンクリート等の水硬性組成物に使用する機能性工業用水などの様々の用途に使用することができる。
【0142】
(気体流通管)
気体流通管(1)は、平均直径45mm、長さが1100mmのステンレス製直円筒バーに、以下に説明する気体流通路(11)、気体放出路(12)及び気体導入孔(13)を設けたステンレス製直円筒管を使用した。
【0143】
気体流通路(11)は、ステンレス製直円筒バーの長さ方向に平均直径が20mmの円筒孔をくり抜いて形成された肉厚12.5mmの直円筒空間を気体流通路(11)とした。
【0144】
ステンレス製直円筒管の側面にステンレス製直円筒管の軸に垂直に、気体流通路(11)側から直径7mm、長さ2.5mmの直円筒空間と、直径7mm超8mm以下、長さ10mmの直円筒空間を同軸に接続した側面貫通孔を設け、この側面貫通孔に同軸に、以下に説明する直円筒ピースを、直円筒ピースに設けた円錐状空間の下面を気体流通路(11)に対向させて圧入して気体放出路(12)を形成した。
【0145】
直円筒ピースは直径8mm、長さ10mmのステンレス製直円筒バーに、下面が直径5mmの円、上面が直径1mmの円錐状空間を穿孔して成形した。
【0146】
このように形成された気体放出路(12)は、分岐孔(122)が直径7mmの円、気体放出孔が直径1mmの円、突出長dが10mmである円錐状のテーパー内壁を有する円筒空間である。
【0147】
気体流通管(1)の肉厚は気体放出路(12)の突出長と同じで、気体放出路(12)は肉厚に包埋されている。
【0148】
気体放出路(12)は、気体流通路(11)の長さ方向に対して90°の方向に突出し、気体流通路の長さ方向に対して90°の方向に気体を放出できるようにした。
【0149】
気体放出路(12)は、平面視において、気体流通路(11)の軸に垂直な断面の輪郭に沿って、互いに90°をなして(4方向に)4本が分岐している単位ユニット管が、気体放出路の回転対称軸の長さ方向に隣接して119段積層しており、隣接する単位ユニット管は45°ずつ回転して積層しており、隣接する気体放出路(12)は互いに45°をなす。
【0150】
(5)気体流通管(1)の一方の末端には直径13mmの気体導入孔(13)が設けてあるキャップ(14)で、気体流通管(1)の他方の末端は開孔のないキャップ(15)で封鎖されている。
【0151】
(気体放出装置)
エア・コンプレッサー(HITACHI社製OSP−15M5A)とエア・コンプレッサーから排出される高圧空気を送気する送気管(ポリウレタン樹脂製チューブ)からなる気体導入機構を使用し、送気管を気体流通管(1)の気体導入孔(13)に接続して気体放出装置とした。
【0152】
気体流通管(1)は立てて使用し、キャップ(14)を上端に設けて、空気を気体流通管(1)の上から下に流通させた。
【0153】
(セラミックス粒子ホルダー)
セラミックス粒子ホルダーは、内径200mm、気体流通管(1)の長さよりも小さい高さ1050mmの容量を有する円筒状のネット型外筒(
221)と底面の気体流通管スタンドプレート(222)で構成した。
【0154】
ネット型外筒(
221)は、目開きが5mmのステンレス製ネットで構成した。
【0155】
ステンレス製気体流通管スタンドプレート(222)は、ネット型外筒(
221)の末端と接続した。
【0156】
気体流通管スタンドプレート(222)には、気体流通管(1)のキャップ(15)に設けた雄ネジと咬合する雌ネジを設け、気体流通管(1)をネジによって気体流通管スタンドプレート(222)に固定して気体流通管一体型ホルダー(22)を形成した。
【0157】
気体流通管一体型ホルダー(22)における、気体流通管(1)の側面とネット型外筒(221)の間をセラミックス粒子収納部(224)とした。
【0158】
気体流通管一体型ホルダー(22)には、ネット型外筒(221)の内周に沿って気体流通管支持フレーム(223)を設けた。気体流通管支持フレーム(223)は、ネット型外筒(221)の内周から気体流通管(1)の長さ方向に垂直方向に、気体流通管(1)の側面の近傍に末端が到達する、ネット型外筒(221)の内周に固定するプレートであり、その気体流通管(1)の側面側の末端は、気体流通管(1)の側面の周囲を囲って、気体流通管スタンドプレート(222)に固定して立てられた気体流通管(1)を安定に支持した。
【0159】
(2)実施調整液と比較調整液
(セラミックス粒子)
下記3種類の岩石について、それぞれを、粉砕し400メッシュ通過粒径とし、1300℃で焼成してセラミックス粉末とし、撹拌混合した:
麦飯石(岐阜県産)5.3kg;
ブラックシリカ(北海道産)4.0kg;及び
貴陽石(群馬県産)6.2kg。
【0160】
(液体)
栃木県日光市で湧出する塩味、硫黄臭のない温泉水600Lを採取し、そのうち400Lを使用した。
【0161】
(液質調整条件)
気体流通管一体型ホルダー(22)を液体槽(21)(内径1010mm、深さ800mmのステンレス製円筒層)の中央部に載置し
セラミックス粒子収納部(224)にセラミックス粒子を充填し、液体槽(21)の深さ一杯に液体を充填した。なお、加温による液体の蒸発を防ぐために、気体流通管の頭部まで被覆できる金属製の蓋を液体槽(21)にした。
【0162】
液体の温度を80℃に加温したまま、気体流通管(1)の気体導入孔(13)から、エア・コンプレッサー等で高圧空気(圧力0.05〜0.1mPa)を導入し、空気を気体流通路(11)に流通させて分岐孔(122)から気体放出路を流通して気体放出孔(121)から、液体中に空気泡(9m
3/時間)を4日間放出し続けて得た調整液を実施調整液とした。
【0163】
セラミックス粒子収納部(224)にセラミックス粒子を充填し、気体流通管(1)が全部液没する程度まで液体槽(21)に液体を充填して、液体の温度を80℃に加温したまま、空気泡を放出させずに4日間静置したものを比較調整液とした。
【0164】
(3)液体物性
実施調整液と比較調整液について、以下の物性を測定して結果を表1にまとめた。
pH:HORIBA社 Model D−52で測定した。
酸化還元電位:HORIBA社 Model D−52で測定した。
電気伝導度:HORIBA社 Model ES−71で測定した。
各測定機の電極を試料に浸け、数値が安定する1時間後に出た値を測定値とした。
結果を表1にまとめた。
【0166】
(4)官能試験
実施調整液1Lと比較調整液1Lを化粧水として採取し、以下の要領で使用した官能試験を行った結果を表1にまとめた。
【0167】
(4−1)試験条件
(4−1−1)モニター
20代女性1名;30代女性1名;40代女性3名;50代女性2名;及び60代女性1名の合計8名。
【0168】
(4−1−2)塗付条件
各モニターに実施調整液10g及び比較調整液10gをそれぞれ10mL容器に入れて配布し、配布した10gずつを、
(1)半顔ずつを同時に、同量を塗布し、
(2)左右の手の甲もしくは、前腕部内側にて同量を塗布し、以下の基準で官能評価した。
結果を表2にまとめた。
【0170】
本発明1〜4の装置を使用して本発明5の製造方法で得た本発明6の調整液である実施調整液は、本発明の製造方法の適用前に比べて、電気伝導度及びpHが増大し、酸化還元電位の低下が大きく、本発明5の製造方法によれば、液体中へのセラミックス粒子からのイオン放出効率が高く、液質調整効果が大きいと考えられる。
【0171】
得られた本発明の調整液を化粧水として使用すると、顔、手又は腕に塗布した際に、浸透力、保湿力の感触がよく、化粧水としてキメ、化粧のノリがよいという評価結果を得た。
【0172】
また、得られた本発明の調整液を化粧水として使用しても、匂いが認められないことから、そのままでも化粧水として使用できる他、香料を配合しても、配合した香料の香りを阻害しないと考えられる。