特許第6650893号(P6650893)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6650893自動ワインダの給糸ボビン装着システム及びその装着方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6650893
(24)【登録日】2020年1月23日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】自動ワインダの給糸ボビン装着システム及びその装着方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 67/06 20060101AFI20200210BHJP
   B65H 67/04 20060101ALI20200210BHJP
【FI】
   B65H67/06 E
   B65H67/04 G
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-25097(P2017-25097)
(22)【出願日】2017年2月14日
(65)【公開番号】特開2017-193442(P2017-193442A)
(43)【公開日】2017年10月26日
【審査請求日】2019年9月30日
(31)【優先権主張番号】201610253634.7
(32)【優先日】2016年4月22日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517002904
【氏名又は名称】青島宏大紡織機械有限責任公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】趙 雲波
(72)【発明者】
【氏名】車 社海
(72)【発明者】
【氏名】周 愛紅
(72)【発明者】
【氏名】李 瀟
(72)【発明者】
【氏名】陳 俐坊
(72)【発明者】
【氏名】賈 坤
(72)【発明者】
【氏名】王 海霞
(72)【発明者】
【氏名】王 柄堂
【審査官】 ▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭48−044118(JP,Y1)
【文献】 特開平06−100146(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 67/00−67/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御システムと、給糸ボビン搬送装置と、給糸ボビンの大小径端部判別装置と、前記給糸ボビン搬送装置の搬出端側に偏って設置された給糸ボビン開放装置と、固定漏斗と、可動漏斗と、トレイ経路と、トレイとを備える自動ワインダの給糸ボビン装着システムであって、
前記固定漏斗と前記可動漏斗との間に伸縮仕切板が設置され、前記伸縮仕切板は駆動機構に連結され、前記固定漏斗の付近の前記固定漏斗に前記給糸ボビンの有無を検出するセンサが設置され、前記センサは前記制御システムと接続され、前記駆動機構は、前記制御システムによって前記伸縮仕切板を動作させ、前記固定漏斗の下端口を閉鎖するか、または開放することを制御し、前記固定漏斗に進入した前記給糸ボビンは前記伸縮仕切板上に直立し、前記可動漏斗の下方で前記トレイが前記給糸ボビンの装着を待機している際、前記駆動機構は、前記制御システムによって前記伸縮仕切板を動作させ、前記固定漏斗の前記下端口を迅速に開放することを制御し、前記固定漏斗における前記給糸ボビンは、大径端部を先にして下方に向かって前記可動漏斗に垂直に落下させ、さらに前記トレイに垂直に装着し、
前記固定漏斗の上部は、上が太く下が細いテーパー状であり、前記固定漏斗の下部は、直管状であり、
前記給糸ボビン開放装置は、前記案内位置決め装置の上方に設置された第1支持体と、第2支持体と、第3支持体と、伸縮駆動機構と、を備え、前記制御システムは、前記給糸ボビンの前記大小径端部判別装置の判別結果によって、前記伸縮駆動機構が前記第1支持体、前記第2支持体、前記第3支持体を駆動する伸縮動作を制御し、前記給糸ボビン搬送装置が前記給糸ボビン開放装置における前記第1支持体まで搬送された前記給糸ボビンを開放させ、前記第2支持体または前記第3支持体によって前記給糸ボビンの小径端部の一端を受け止め、前記給糸ボビンの前記大径端部の一端を下方に向かって前記固定漏斗の前記給糸ボビンの入口に落下させ、
前記給糸ボビン開放装置は、二枚の平行な側板からなる給糸ボビン経路を備え、前記給糸ボビン経路の底部に第1支持体、第2支持体、第3支持体が設置され、前記第1支持体は矩形状の平板であり、前記第2支持体と前記第3支持体は棒状である、
ことを特徴とする自動ワインダの給糸ボビン装着システム。
【請求項2】
前記駆動機構は、シリンダ、プッシュプル式電磁石またはモータであり、前記シリンダの駆動ロッド、前記プッシュプル式電磁石の磁心プッシュロッドまたは前記モータのシャフトは、前記伸縮仕切板に連結され、前記シリンダ、前記プッシュプル式電磁石または前記モータの信号制御端は、前記制御システムに連結されることを特徴とする請求項1に記載の自動ワインダの給糸ボビン装着システム。
【請求項3】
前記第1支持体は傾斜して設置され、且つ前記給糸ボビン搬送装置の搬出端に近い端は他端より高く、前記第2支持体と前記第3支持体は前記第1支持体の下方に設置され、前記第2支持体は前記第1支持体の高い一端側に偏っており、前記第3支持体は前記第1支持体の低い一端側に偏っていることを特徴とする請求項1に記載の自動ワインダの給糸ボビン装着システム。
【請求項4】
前記給糸ボビン搬送装置はモータによって駆動されたコンベヤを備えていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかの一項に記載の自動ワインダの給糸ボビン装着システム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかの一項に記載の自動ワインダの給糸ボビン装着システムの給糸ボビン装着方法であって、
トレイ式自動ワインダにおいて、前記給糸ボビンを前記給糸ボビン搬送装置で搬送過程中に前記給糸ボビンの前記大小径端部判別装置を介して、前記給糸ボビンの前記大小径端部判別装置によって前記給糸ボビンの前記大小径端部の前後方向を判別し、且つ前記制御システムに判別結果を伝送し、前記制御システムは、前記給糸ボビン搬送装置が前記給糸ボビンを前記給糸ボビン開放装置に搬送することを制御し、
前記センサが前記固定漏斗に前記給糸ボビンがないことを検出した際、前記制御システムは前記給糸ボビン開放装置における前記給糸ボビンを開放させ、且つ前記給糸ボビンの前記大径端部を下方に向かって落下させ、前記給糸ボビンが落下する過程において水平状態から垂直状態に変換し、且つ前記伸縮仕切板上に直立し、待機状態となり、
前記制御システムは、前記可動漏斗の下方で前記トレイが前記給糸ボビン装着を待機していることを検出した際、前記駆動機構によって前記伸縮仕切板を動作させ、前記固定漏斗の下端口を迅速に開放することを制御し、前記固定漏斗における前記給糸ボビンは、前記大径端部を先にして下方に向かって前記可動漏斗に垂直に落下させ、さらに前記トレイに垂直に装着する、
ことを特徴とする自動ワインダの給糸ボビン装着システムの給糸ボビン装着方法。
【請求項6】
記給糸ボビン搬送装置における前記給糸ボビンが前記搬出端に到達する際
前記給糸ボビン開放装置における前記給糸ボビンを開放していないと、前記制御システムは、前記給糸ボビン搬送装置の運転を停止することを制御し、前記給糸ボビン開放装置における前記給糸ボビンを開放した後、さらに前記給糸ボビン搬送装置を動作させ、前記給糸ボビン搬送装置における前記給糸ボビンを前記給糸ボビン開放装置に搬送することを特徴とする請求項5に記載の自動ワインダの給糸ボビン装着システムの給糸ボビン装着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紡織機械製造の技術分野に属し、自動ワインダの改善、具体的には自動ワインダの給糸ボビン装着システム及びその装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トレイ式自動ワインダは、大きなマガジンで集中的に給糸し、給糸ボビンを自動的に処理することで、精紡機とのフレキシブル連結を実現した。先端的な制御技術を用い、自己診断、自己供給の全工程監視機能を実現し、設備の自動化を大幅に向上した。高い自動化性能を有し、知能化が一定の水準に達した。
【0003】
トレイ式自動ワインダは、知能化のマガジンで集中的に給糸する。給糸ボビンを人工的に装着する必要がなくなり、精紡機から糸が巻かれた給糸ボビン箱のみを人工的に自動ワインダまで搬送して、糸を巻き取ることができ、精紡機とのフレキシブル連結を実現した。給糸ボビンの需要量によって振動周波数を自動的に調整し、給糸ボビンをタイミング良く供給することを確保する。給糸ボビンの大小径端部判別装置は給糸ボビンの大小径端部を自動的に判別し、そして、コンベヤによって漏斗装置に搬送し、給糸ボビン開放装置及び漏斗によって給糸ボビンをトレイ上に正確的且つ有効的に落下させる。
【0004】
従来のトレイ式自動ワインダは、マガジン振動トレイから搬出された給糸ボビンを給糸ボビンの大小径端部の判別装置を介して判別した後、給糸ボビン開放装置と漏斗の位置決め作用によって下方に位置するトレイ上に装着され、通常のマガジン振動トレイの給糸ボビンの供給速度は50個/分に達するが、通常の給糸ボビンの装着速度は一般に35個/分程度であり、後続で糸掛け機構を2セット配置し、糸掛け能力は40〜42番手/分であり、このような場合、給糸ボビンの装着能力は全体効率を制限するボトルネック問題となる。
【0005】
現在の給糸ボビン装着方法は、給糸ボビン装着箇所の上方に漏斗を2個有し、1つは固定漏斗であり、もう1つは可動漏斗であり、可動漏斗は2つの半部からなり、開放または閉鎖することができ、閉鎖時に給糸ボビンを装着するために用い、開放時に給糸ボビンを通過させるために用い、大小径端部の判別を経過した給糸ボビンを開放して落下させ、二つの漏斗を連続して通過し、水平状態から垂直状態に変換するには漏斗の壁と複数回の衝突を発生し、落下時間が長く、この落下時間は、給糸ボビン装着のサイクル全体で多くの割合を占め、給糸ボビン装着の効率に著しく影響する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
給糸ボビン装着能力を向上するため、メーカーは既に自動ワインダに2経路給糸ボビン装着機構を用いているが、現在の2経路給糸ボビン装着機構の構造は複雑であり、製造コストが高く、使用及びメンテナンスコストが高く、紡織企業に受け入れ難い。
【0007】
如何なる自動ワインダの給糸ボビン装着システム及びその装着方法を提供し、その構造は簡単且つコンパクトであり、製造コストが低く、メンテナンスし易く、給糸ボビン装着能力を向上することができる。給糸ボビン装着方法は給糸ボビンの装着タイミングを変更することによって、給糸ボビンの落下時間を減少し、給糸ボビン装着効率を向上することができる。これは現在本技術分野において早急に解決しなければならない課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は従来技術に存在する課題及び欠点を解決するため、自動ワインダの給糸ボビン装着システム及びその装着方法を提供し、その構造は簡単且つコンパクトであり、製造コストが低く、メンテナンスし易く、給糸ボビンの装着能力を向上することができる。給糸ボビン装着方法における給糸ボビンの装着タイミングが合理であり、給糸ボビンの落下時間を減少し、給糸ボビン装着効率を向上することができる。
【0009】
本発明の目的は以下の技術案によって実現する。
【0010】
制御システムと、給糸ボビン搬送装置と、給糸ボビンの大小径端部判別装置と、前記給糸ボビン搬送装置の搬出端側に偏って設置された給糸ボビン開放装置と、固定漏斗と、可動漏斗と、トレイ経路と、トレイとを備える自動ワインダの給糸ボビン装着システムであって、前記固定漏斗と前記可動漏斗との間に伸縮仕切板が設置され、前記伸縮仕切板は駆動機構に連結され、前記固定漏斗の付近に前記固定漏斗に給糸ボビンの有無を検出するセンサが設置され、前記センサは前記制御システムと接続され、前記駆動機構は、前記制御システムによって前記伸縮仕切板を動作させ、前記固定漏斗の下端口を閉鎖するか、または開放することを制御し、前記固定漏斗に進入した給糸ボビンは前記伸縮仕切板上に直立し、前記可動漏斗の下方でトレイが給糸ボビン装着を待機している際、前記駆動機構は、前記制御システムによって前記伸縮仕切板を動作させ、前記固定漏斗の下端口を迅速に開放することを制御し、前記固定漏斗における給糸ボビンは、大径端部を先にして下方に向かって可動漏斗に垂直に落下させ、さらに前記トレイに垂直に装着することを特徴とする。
【0011】
上記の技術案をさらに改善し、前記駆動機構は、シリンダ、プッシュプル式電磁石またはモータであり、前記シリンダの駆動ロッド、プッシュプル式電磁石の磁心プッシュロッドまたはモータのシャフトは、前記伸縮仕切板に連結され、前記シリンダ、プッシュプル式電磁石またはモータの信号制御端は、前記制御システムに連結される。
【0012】
上記の技術案をさらに改善し、前記固定漏斗の上部は、上が太く下が細いテーパー状であり、前記固定漏斗の下部は、直管状である。
【0013】
上記の技術案をさらに改善し、前記給糸ボビン開放装置は、前記固定漏斗の上方に設置された第1支持体と、第2支持体と、第3支持体と、伸縮駆動機構とを備え、前記制御システムは、給糸ボビンの大小径端部判別装置の判別結果によって、前記伸縮駆動機構が前記第1支持体、第2支持体、第3支持体を駆動する伸縮動作を制御し、前記給糸ボビン搬送装置が給糸ボビン開放装置における第1支持体上まで搬送された給糸ボビンを開放させ、第2支持体または第3支持体によって給糸ボビンの小径端部の一端を受け止め、給糸ボビンの大径端部の一端を下方に向かって前記固定漏斗の給糸ボビンに入口に落下させる。
【0014】
上記の技術案をさらに改善し、前記給糸ボビン開放装置は、二枚の平行な側板からなる給糸ボビン経路を備え、前記給糸ボビン経路の底部に第1支持体、第2支持体、第3支持体が設置され、前記第1支持体は矩形状の平板であり、前記第2支持体と第3支持体は棒状である。
【0015】
上記の技術案をさらに改善し、前記第1支持体は傾斜して設置され、且つ前記給糸ボビン搬送装置の搬出端に近い端は他端より高く、前記第2支持体と前記第3支持体は前記第1支持体の下方に設置され、前記第2支持体は前記第1支持体の高い一端側に偏っており、前記第3支持体は前記第1支持体の低い一端側に偏っている。
【0016】
上記の技術案をさらに改善し、前記給糸ボビン搬送装置はモータによって駆動されたコンベヤを備え、前記給糸ボビンの大小径端部判別装置はドア式センサであり、前記ドア式センサは前記コンベヤの上方を横切って、前記ドア式センサと前記コンベヤの頂面との間に給糸ボビンを通過させる空間を残しており、前記ドア式センサの信号出力端は前記制御システムと接続されている。
【0017】
本発明の上記の自動ワインダの給糸ボビン装着システムの給糸ボビン装着方法は、トレイ式自動ワインダにおいて、給糸ボビンを給糸ボビン搬送装置で搬送過程中に給糸ボビンの大小径端部判別装置を介して、給糸ボビンの大小径端部判別装置によって給糸ボビンの大小径端部の前後方向を判別し、且つ制御システムに判別結果を伝送し、制御システムは、給糸ボビン搬送装置が給糸ボビンを前記給糸ボビン開放装置に搬送することを制御し、センサが固定漏斗に給糸ボビンがないことを検出した際、制御システムは前記給糸ボビン開放装置における給糸ボビンを開放させ、且つ給糸ボビンの大径端部を下方に向かって落下させ、給糸ボビンが落下する過程において水平状態から垂直状態に変換し、且つ前記伸縮仕切板上に直立し、待機状態となり、制御システムは、可動漏斗の下方でトレイが給糸ボビン装着を待機していることを検出した際、前記駆動機構によって前記伸縮仕切板を動作させ、前記固定漏斗の下端口を迅速に開放することを制御し、固定漏斗における給糸ボビンは、大径端部を先にして下方に向かって可動漏斗に垂直に落下させ、さらにトレイに垂直に装着することを特徴とする。
【0018】
上記の技術案をさらに改善し、ドア式センサが給糸ボビン搬送装置における給糸ボビン搬出端に到達することを検出した際、給糸ボビン開放装置における給糸ボビンを開放していないと、制御システムは、給糸ボビン搬送装置の運転を停止することを制御し、給糸ボビン開放装置における給糸ボビンを開放した後、さらに給糸ボビン搬送装置を動作させ、給糸ボビン搬送装置における給糸ボビンを給糸ボビン開放装置に搬送する。
【発明の効果】
【0019】
本発明は従来技術に比べて、以下の利点と積極的効果がある。
【0020】
1.本発明は、自動ワインダの給糸ボビン装着システムを提供し、その構造は簡単且つコンパクトであり、給糸ボビンが落下する過程において常に垂直状態にあり、落下速度が速く、給糸ボビン装着能力を向上することができる。且つ、製造コストを大幅に低減し、故障率も大幅に低下し、生産効率を向上することができる。
【0021】
2.本発明の給糸ボビン装着方法は給糸ボビンの装着タイミングを変更することによって、給糸ボビンが落下する過程において常に垂直状態にあるので、落下速度が速い。且つ検出距離が短く、時間を節約し、給糸ボビン装着効率を向上することができる。
【0022】
3.構造は簡単且つコンパクトであり、製造コストが安く、使用とメンテナンスをし易い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の自動ワインダの給糸ボビン装着システムの構成図。
図2】本発明の自動ワインダの給糸ボビン装着システムの一部分の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次は付図を併せて本発明について詳細に説明をする。
図1図2に示すように、本発明の自動ワインダの給糸ボビン装着システムの実施例であり、制御システムと、給糸ボビン搬送装置と、給糸ボビンの大小径端部判別装置と、前記給糸ボビン搬送装置の搬出端側に偏って設置された給糸ボビン開放装置と、固定漏斗9と、可動漏斗10と、トレイ経路と、トレイ12と、を備える。前記固定漏斗9と前記可動漏斗10との間に伸縮仕切板13が設置され、前記伸縮仕切板13は駆動機構に連結され、前記固定漏斗9の付近に前記固定漏斗に給糸ボビンの有無を検出するセンサ14が設置され、センサ14は前記制御システムと接続される。駆動機構は、前記制御システムによって前記伸縮仕切板13を動作させ、前記固定漏斗9の下端口を閉鎖するか、または開放することを制御し、固定漏斗9に進入した給糸ボビン2は前記伸縮仕切板13上に直立し、前記可動漏斗10の下方でトレイ12が給糸ボビン装着を待機している際、駆動機構は、前記制御システムによって前記伸縮仕切板13を動作させ、前記固定漏斗9の下端口を迅速に開放することを制御し、前記固定漏斗9における前記給糸ボビン2は、大径端部を先にして下方に向かって可動漏斗10に垂直に落下させ、さらに前記トレイ12に垂直に装着する。
【0025】
具体的には、前記伸縮仕切板13の駆動機構は、シリンダまたはプッシュプル式電磁石であり、前記シリンダ、プッシュプル式電磁石の信号制御端は、前記制御システムに連結され、前記シリンダの駆動ロッドまたはプッシュプル式電磁石の磁心プッシュロッドは、前記伸縮仕切板13に連結され、前記伸縮仕切板13が直線移動によって固定漏斗9の下端口を閉鎖するか、または開放する。
【0026】
前記伸縮仕切板13の駆動機構は、直線モータまたは一般のモータであってもよく、直線モータまたは一般のモータの信号制御端は、前記制御システムに連結される。直線モータの直線駆動部品は伸縮仕切板13に連結され、前記伸縮仕切板13が直線移動によって固定漏斗9の下端口を閉鎖するか、または開放する。一般のモータのシャフトは、伝動機構によって前記伸縮仕切板13に連結され、前記伸縮仕切板13が揺動によって固定漏斗9の下端口を閉鎖するか、または開放する。
【0027】
前記駆動機構は、シリンダであり、シリンダの駆動ロッドは、伸縮仕切板13に連結され、前記伸縮仕切板13を水平面で直線移動をさせることができ、固定漏斗9の下端口を閉鎖するか、または開放する。前記駆動機構の前記シリンダまたはモータの信号制御端は、前記制御システムに連結される。固定漏斗9の上部は、上が太く下が細いテーパー状であり、固定漏斗9の下部は、直管状である。このように、給糸ボビン2は、大径端部を先にして下方に向かって固定漏斗9に落下させ、且つ垂直状態となり、さらに給糸ボビン2を可動漏斗10に垂直に落下させ、最後にトレイ12上に垂直に装着する。
【0028】
前記給糸ボビン開放装置は、前記固定漏斗9の上方に設置された第1支持体6と、第2支持体7と、第3支持体8と、伸縮駆動機構とを備え、前記制御システムは、給糸ボビンの大小径端部判別装置の判別結果によって、前記伸縮駆動機構が前記第1支持体6、第2支持体7、第3支持体8を駆動する伸縮動作を制御し、給糸ボビン搬送装置が給糸ボビン開放装置における第1支持体6上まで搬送された給糸ボビン2を開放させ、第2支持体7または第3支持体8によって給糸ボビンの小径端部2−1の一端を受け止め、給糸ボビンの大径端部2−2の一端を下方に向かって前記固定漏斗9の給糸ボビンの入口に落下させる。
【0029】
前記給糸ボビン開放装置は、二枚の平行な側板5からなる給糸ボビン経路を備え、前記給糸ボビン経路の底部に前記第1支持体6、第2支持体7、第3支持体8が設置され、前記第1支持体6は矩形状の平板または類似形状のものであり、前記第2支持体と第3支持体は棒状であり、例えば円柱状または角柱状などである。
【0030】
前記第1支持体6は傾斜して設置され、且つ前記給糸ボビン搬送装置の搬出端に近い端は他端より高く、前記第2支持体7と前記第3支持体8は前記第1支持体6の下方に設置され、前記第2支持体7は前記第1支持体6の高い一端側に偏っており、前記第3支持体8は前記第1支持体6の低い一端側に偏っている。
【0031】
第1支持体6、第2支持体7及び第3支持体8の伸縮駆動機構は、第1支持体6を駆動する第1シリンダと、第2支持体7を駆動する第2シリンダと、第3支持体8を駆動する第3シリンダと、を備え、第1支持体6、第2支持体7及び第3支持体8は、それぞれ対応したシリンダの伸縮ロッドに連結されている。
【0032】
前記給糸ボビン搬送装置はモータ1−1によって駆動されたコンベヤ1を備え、前記給糸ボビンの大小径端部判別装置はドア式センサ3であり、前記ドア式センサ3は前記コンベヤ1の上方を横切って、前記ドア式センサ3と前記コンベヤ1の頂面との間に給糸ボビン2を通過させる空間を残しており、前記ドア式センサ3の信号出力端は前記制御システムと接続されている。
【0033】
コンベヤ1の給糸ボビン搬出端側に偏って給糸ボビン到達検出センサ4が設置され、コンベヤ1の給糸ボビン搬入端側に偏って給糸ボビン進入検出センサ11が設置され、前記給糸ボビン到達検出センサ4と前記給糸ボビン進入検出センサ11の信号出力端はどちらとも制御システムに接続されている。
【0034】
本発明の前記自動ワインダのダブル給糸ボビン装着装置の装着方法の具体的な実施形態は、以下のステップである。トレイ式自動ワインダにおいて、給糸ボビン2が給糸ボビン搬送装置で搬送過程中に給糸ボビンの大小径端部判別装置を介して、給糸ボビンの大小径端部判別装置によって給糸ボビンの大小径端部の前後方向を判別し、且つ制御システムに判別結結果を伝送し、制御システムは、給糸ボビン搬送装置が給糸ボビン2を前記給糸ボビン開放装置に搬送することを制御する。固定漏斗9の付近に設置されたセンサ14が固定漏斗9に給糸ボビンがないことを検出した際、制御システムは給糸ボビン開放装置における給糸ボビン2を開放させ、且つ給糸ボビンの大径端部2−2を下方に向かって落下させ、給糸ボビン2が落下する過程において水平状態から垂直状態に変換し、且つ伸縮仕切板13上に直立し、待機状態になる。制御システムは、可動漏斗の下方でトレイ12が給糸ボビン装着を待機していることを検出した際、前記駆動機構によって前記伸縮仕切板13を動作させ、固定漏斗9の下端口を迅速に開放することを制御し、固定漏斗9における給糸ボビン2は、大径端部を先にして下方に向かって可動漏斗10に垂直に落下させ、さらにトレイ12に垂直に装着する。
【0035】
ドア式センサが給糸ボビン搬送装置における給糸ボビン搬出端に到達することを検出した際、給糸ボビン開放装置における給糸ボビン2を開放していないと、制御システムは、給糸ボビン搬送装置の運転を停止することを制御し、給糸ボビン開放装置における給糸ボビン2を開放した後、さらに給糸ボビン搬送装置を動作させ、給糸ボビン搬送装置における給糸ボビン2を給糸ボビン開放装置に搬送する。
【0036】
若し固定漏斗と可動漏斗との間に伸縮仕切板13を設置しないと、給糸ボビン2が落下する過程において、給糸ボビン2の落下距離はH1であり(図1に示す)、給糸ボビン2が水平状態から垂直状態に変換するには、固定漏斗9の内壁と複数回の衝突を発生し、落下時間が長く、通常は0.6〜0.7秒を必要とし、この時間は給糸ボビン装着の1つのサイクルを完成する時間にとって非常に長い。本発明は固定漏斗9と可動漏斗10との間に伸縮仕切板13を設置し、給糸ボビン2を段階的検出し、給糸ボビン2の落下距離はH2であり(図1に示す)、給糸ボビン装着のリサイクル全体時間に対して0.3〜0.4秒を減少し、給糸ボビン装着効率を大幅に向上する。
【0037】
図1図2に示すように、本発明の上述したような自動ワインダのダブル給糸ボビン装着装置の装着方法の実施例は、トレイ式自動ワインダにおいて、給糸ボビン2はコンベヤ1における搬送過程で、ドア式センサ3を通過し、ドア式センサ3によって給糸ボビン2の大小径端部の前後方向を判別し、且つ制御システムに判別結果を伝送し、図2示すように、給糸ボビン2がドア式センサ3を通過する際、給糸ボビンの小径端部2−1は前にあり(図2の左側)、給糸ボビンの大径端部2−2は後ろにある(図2の右側)。コンベヤ1は給糸ボビン2を給糸ボビン開放装置における給糸ボビン経路の底部の支持位置にある第1支持体(矩形状の平板またはその他類似形状のもの)6上に搬送し、センサ14が固定漏斗9に給糸ボビンがないことを検出した際、制御システムは、前記第1支持体(矩形状の平板またはその他類似形状のもの)6、第2支持体(円柱状)7、第三支持体(円柱状)8の伸縮動作を制御する。具体的な実施形態は以下の通りである。第1シリンダの駆動によって第1支持体6を支持位置から離れて給糸ボビン2を開放して落下させ、さらに第2シリンダの駆動によって第2支持体7を支持位置から離れ、第3シリンダの駆動によって第3支持体8を支持位置に位置させ、第3支持体8によって落下過程における給糸ボビンの小径端部2−1の一端を受け止め、給糸ボビンの大径端部2−2を下方に向かって固定漏斗9の給糸ボビンの入口に落下させ、給糸ボビン2が落下する過程において水平状態から垂直状態に変換して固定漏斗9の直管形状部位に進入し、且つ伸縮仕切板13に直立し、待機状態にある。制御システムがトレイ経路にトレイ12が給糸ボビン装着を待機していることを検出した際、駆動機構によって、伸縮仕切板13を駆動させ固定漏斗9の下端口を迅速に開放することを制御し、固定漏斗9における給糸ボビン2は、大径端部2−2を先にして下方に向かって可動漏斗10に垂直に落下させ、さらにトレイ12に垂直に装着する。給糸ボビン搬送装置は給糸ボビン開放装置に給糸ボビン2を継続に搬送し、順次に給糸ボビン装着動作のサイクルを完成する。
【0038】
勿論、上記の記載は本発明に対する制限ではなく、また、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本技術分野の一般技術者は、本発明の実質的範囲において、変更、改善、追加や置換してもよく、それらも本発明の保護範囲に属するものである。
図1
図2