(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6650963
(24)【登録日】2020年1月23日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】シーリングライト、その電気的接続及び組立方法
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20200210BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20200210BHJP
H01R 33/46 20060101ALI20200210BHJP
F21Y 115/00 20160101ALN20200210BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V23/06
H01R33/46 B
F21Y115:00
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-101679(P2018-101679)
(22)【出願日】2018年5月28日
(65)【公開番号】特開2019-207776(P2019-207776A)
(43)【公開日】2019年12月5日
【審査請求日】2018年5月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】518187570
【氏名又は名称】ムン、サンピル
【氏名又は名称原語表記】MOON, SANG PIL
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ムン、サンピル
【審査官】
河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−134610(JP,A)
【文献】
特開2013−037842(JP,A)
【文献】
実開昭51−039379(JP,U)
【文献】
特許第6353143(JP,B1)
【文献】
米国特許第03562512(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 21/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに係止されるランプホルダとカバーとを含むシーリングライトであって、
前記ランプホルダには、天井上の電源コネクタに螺合されるシーリングライトアセンブリが設けられ、
前記シーリングライトアセンブリは、
電源接続用内側固定部材と、
前記電源接続用内側固定部材に外嵌され、前記電源接続用内側固定部材をランプホルダに固定するための電源接続用外側固定部材と、
前記電源接続用内側固定部材と前記電源接続用外側固定部材との空間に内蔵される回り止め係止アセンブリと、
前記電源接続用内側固定部材の貫通孔から延出し、前記電源コネクタの螺合溝内に係止される係止部材と、を備え、
前記電源接続用外側固定部材は、
ケースと、
前記ケースの窪み部の底面に凹設され、前記電源接続用内側固定部材の溝に適合する異形溝と、
外側に突出するように前記電源接続用外側固定部材に設けられ、前記回り止め係止アセンブリを位置決めするための円柱溝と、
前記ケースの縁部からそれぞれ対称的に外側へ延伸して形成されるねじ孔付きの取付けパネルと、を備えることを特徴とするシーリングライト。
【請求項2】
前記電源接続用内側固定部材は、
パネルと、
前記パネルに凹設される長方形の溝と、
前記溝の1つの短辺において長辺に沿って成形される切欠き部と、
前記切欠き部のザグリ穴に隣接する端に設けられる斜面と、
前記切欠き部及びその対向端にそれぞれ開設され、前記係止部材を挿通するための貫通孔と、
前記斜面の部位に位置する前記パネルに凹設され、前記回り止め係止アセンブリを固設するためのザグリ穴及び対応するロック機構と、
前記パネルの底面から外周に突出するリング状フレームと、
前記貫通孔の付近の前記パネルの底面にそれぞれ設けられ、前記係止部材を固定するためのスタッドと、
前記パネルの縁部からそれぞれ径方向に沿って外側に延伸して形成される対称なU状孔付きの取付けパネルと、を備えることを特徴とする請求項1に記載のシーリングライト。
【請求項3】
前記ロック機構は、
前記パネルの底面の前記ザグリ穴の外周に沿って突出し環状となる円弧部材と、
各前記円弧部材同士の間の係止溝と、
隣接する前記係止溝の1つの端壁に設けられる拡径シュート壁と、
前記円弧部材よりも高くなるように前記シュート壁の外側に突出して形成される補強リブと、を備えることを特徴とする請求項2に記載のシーリングライト。
【請求項4】
前記回り止め係止アセンブリは、
柱体と、
前記柱体の一端において径方向に突出して形成されるネックリング体と、
前記ネックリング体から径外方向に突出して形成され、前記ロック機構の前記係止溝内に係止される凸歯と、
前記ネックリング体から軸方向に突出して形成され、前記電源接続用内側固定部材の前記ザグリ穴に係止される段状5角体と、
前記柱体に外嵌されるばねと、
前記柱体の端部の芯軸孔内に螺着されたねじと、
前記柱体の端部に沿って前記柱体に外嵌されるハンドルと、を備えることを特徴とする請求項3に記載のシーリングライト。
【請求項5】
前記係止部材は、
ねじ孔付きのベース部材と、
前記ベース部材の一端に設けられる垂直部材と、
前記垂直部材の端部を前記ベース部材とは逆の方向に垂直に湾曲させて形成される係合部材と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のシーリングライト。
【請求項6】
請求項1に記載のシーリングライトの電気的接続及び組立方法であって、
(1)ロックするとき、ランプホルダ上のシーリングライトアセンブリの1対の導電係止部材を電源コネクタの円弧形状のナイフハンドルのような形の螺合溝に挿入して溝の細端まで回転させ、電源が接続され、回り止め係止アセンブリの凸歯をロック機構の係止溝内に係止させることで、ランプホルダをロックすること、及び、
(2)アンロックするとき、回り止め係止アセンブリの凸歯がロック機構の係止溝から離脱するように回り止め係止アセンブリのハンドルを引き、ランプホルダ上のシーリングライトアセンブリの1対の導電係止部材を溝の細端から溝の太端まで回転させることで、ランプホルダを電源コネクタから離脱させること、を含むことを特徴とするシーリングライトの電気的接続及び組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シーリングライト、その電気的接続及び組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、LED光源とLEDドライバの一体化を実現し、組み立ての作業を簡素化させ便利させるためのLEDシーリングライトが開示されている。具体的には、シーリングホルダと、シーリングホルダに取り付けられるLED光源モジュールと、カバーとを含むLEDシーリングライトを提供する。カバーとシーリングホルダに、互いに接続させるための回転係止構造が設けられ、カバーとシーリングホルダは、回転係止の方式により接続されるため、その組み立ては便利である。LED光源モジュールは、複数の短冊形のLED光源パネルと、LEDドライバとからなり、ドライバカバーの上蓋の側壁の内側面に溝が設けられ、ドライバカバーの基板の縁部に係止エッジが設けられ、係止エッジを対応する溝に係止することにより、上蓋とドライバカバーの基板を係止して接続させる。これにより、ドライバカバーが形成されるため、その組み立ては便利である。LEDドライバには、複数のスロットが設けられ、LED光源パネルの端部が対応するスロットに挿入されることでLEDドライバと一体になるため、組み立ては簡単であり、取付けも便利である。これにより、製造時の組み立てプロセス及びカバーの取付けプロセルの簡素化が図られたが、使用者がシーリングライトを取り付けるとき、電気的接続とシーリングライトの固定をそれぞれ行わなければならないため、不便である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国実用新案公告第206280851号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、低コストで透明なランプホルダ−シーリングライトアセンブリを用いて電源コネクタと螺合するシーリングライトを提供することを一つの目的とする。本発明は、また、ランプホルダ−シーリングライトアセンブリの導電係止部材を導電性の電源コネクタの螺合溝に係入して、回り止め係止アセンブリによってランプホルダをロックするシーリングライトの電気的接続及び組立方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するために、互いに係止されるランプホルダとカバーとを含むシーリングライトを提供する。前記ランプホルダには、天井上の電源コネクタに螺合されるシーリングライトアセンブリが設けられ、前記シーリングライトアセンブリは、電源接続用内側固定部材と、前記電源接続用内側固定部材に外嵌され、前記電源接続用内側固定部材をランプホルダに固定するための電源接続用外側固定部材と、前記電源接続用内側固定部材と前記電源接続用外側固定部材との空間に内蔵される回り止め係止アセンブリと、前記電源接続用内側固定部材の貫通孔から延出し、前記電源コネクタの螺合溝内に係止される係止部材と、を備えることを特徴とする。
【0006】
好ましくは、前記電源接続用外側固定部材は、ケースと、前記ケースの窪み部の底面に凹設され、前記電源接続用内側固定部材の溝に適合する異形溝と、外側に突出するように前記電源接続用外側固定部材に設けられ、前記回り止め係止アセンブリを位置決めするための円柱溝と、前記ケースの縁部からそれぞれ対称的に外側へ延伸して形成されるねじ孔付きの取付けパネルと、を備える。
【0007】
好ましくは、前記電源接続用内側固定部材は、パネルと、パネルに凹設される長方形の溝と、溝の1つの短辺において長辺に沿って成形される切欠き部と、切欠き部のザグリ穴に隣接する端に設けられる斜面と、切欠き部及びその対向端にそれぞれ開設され、前記係止部材を挿通するための貫通孔と、斜面の部位に位置するパネルの底面に凹設され、回り止め係止アセンブリを固設するためのザグリ穴及び対応するロック機構と、パネルの底面から外周に突出するリング状フレームと、貫通孔の付近のパネルの底面にそれぞれ設けられ、係止部材を固定するためのスタッドと、パネルの縁部からそれぞれ径方向に沿って外側に延伸して形成される対称なU状孔付きの取付けパネルと、を備える。
【0008】
好ましくは、前記ロック機構は、前記パネルの底面のザグリ穴の外周に沿って突出し環状となる円弧部材と、各円弧部材同士の間の係止溝と、隣接する係止溝の1つの端壁に設けられる拡径シュート壁と、円弧部材よりも高くなるようにシュート壁の外側に突出して形成される補強リブと、を備える。
【0009】
好ましくは、前記回り止め係止アセンブリは、柱体と、柱体の一端において径方向に突出して形成されるネックリング体と、ネックリング体の径方向において外側に突出して形成され、前記ロック機構の係止溝内に係止される凸歯と、ネックリング体の軸方向に突出して形成され、前記電源接続用内側固定部材のザグリ穴に係止される段状5角体と、柱体に外嵌されるばねと、柱体の端部の芯軸孔内に螺着されるねじと、柱体の端部に沿って柱体に外嵌されるハンドルと、を備える。
【0010】
好ましくは、前記係止部材は、ねじ孔付きのベース部材と、ベース部材の一端に設けられる垂直部材と、垂直部材の端部をベース部材とは逆の方向に垂直に湾曲させて形成される係合部材と、を備える。
【0011】
本発明の他の形態は、前記シーリングライトの電気的接続及び組立方法であって、具体的には、
(1)ロックするとき、ランプホルダ上のシーリングライトアセンブリの1対の導電係止部材を電源コネクタの円弧形状のナイフハンドルのような形の螺合溝に挿入して溝の細端まで回転させ、電源が接続され、回り止め係止アセンブリの凸歯をロック機構の係止溝内に係止させることで、ランプホルダをロックすること、及び、
(2)アンロックするとき、回り止め係止アセンブリの凸歯がロック機構の係止溝から離脱するように回り止め係止アセンブリのハンドルを引き、ランプホルダ上のシーリングライトの1対の導電係止部材を溝の細端から溝の太端まで回転させることで、ランプホルダを電源コネクタから離脱させること、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
従来の技術と比べ、本発明は、次の有益な効果を有する。
(1)シーリングライトアセンブリがランプホルダに内蔵されているため、従来に用いられるコストの高い電源コネクタ連結用部材の必要がなくなり、コストを大幅に削減できる。
(2)ランプホルダ内のシーリングライトアセンブリにおいては、少数の導電性部材以外に、全て透明な部材であるため、ロック操作とアンロック操作は、いずれも観察しながら行うことができる。
(3)照明器具の固定と電気的接続を一度に完了できるため、取付けの手順を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図4】本発明の回り止め係止アセンブリの概略図である。
【
図5】特定の角度から見た本発明のシーリングライトの分解図である。
【
図6】別の角度から見た本発明のシーリングライトの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明についてさらに詳しく説明する。
図1、
図2に示すように、本発明のシーリングライトは、互いに係止されるランプホルダ1とカバー4とを含み、ランプホルダ1には、天井上の電源コネクタ3に螺合されるシーリングライトアセンブリ2が設けられ、シーリングライトアセンブリ2は、電源接続用内側固定部材21と、電源接続用内側固定部材21に外嵌され、電源接続用内側固定部材21をランプホルダ1に固定するための電源接続用外側固定部材22と、電源接続用内側固定部材21と電源接続用外側固定部材22の空間に内蔵される回り止め係止アセンブリ23と、電源接続用内側固定部材21の貫通孔215から延出し、電源コネクタ3の螺合溝31内に係止される係止部材24とを備える。
【0015】
図1、
図2、
図5に示すように、電源接続用外側固定部材22は、ケース221と、ケースの窪み部222と、ケースの窪み部222の底面に凹設され、電源接続用内側固定部材21の溝212に適合する異形溝223と、外側に突出するように電源接続用外側固定部材22に設けられ、回り止め係止アセンブリ23を位置決めするための円柱溝224と、ケース221の縁部からそれぞれ対称的に外側へ延伸して形成される対称なねじ孔2251付きの取付けパネル225とを備える。
【0016】
図1、
図2、
図4、
図5に示すように、電源接続用内側固定部材21は、パネル211と、パネル211に凹設される長方形の溝212と、溝212の1つの短辺において長辺に沿って成形される切欠き部213と、切欠き部213のザグリ穴219に隣接する端に設けられる斜面214と、切欠き部213及びその対向端にそれぞれ開設され、係止部材24を挿通するための貫通孔215と、斜面214の部位に位置するパネル211に凹設され、回り止め係止アセンブリ23を固設するためのザグリ穴219及び対応するロック機構216と、パネル211の底面から外周に突出するリング状フレーム2171と、貫通孔215の付近のパネル211の底面にそれぞれ設けられ、係止部材24を固定するためのスタッド2172と、パネル211の縁部からそれぞれ径方向に沿って外側に延伸して形成される対称なU状孔2181付きの取付けパネル218とを備える。
【0017】
図2、
図6に示すように、ロック機構216は、パネル底面のザグリ穴219の外周に沿って突出し環状となる円弧部材2161と、各円弧部材2161同士の間の係止溝2162と、隣接する係止溝2162の1つの端壁に設けられる拡径シュート壁2163と、円弧部材2161よりも高くなるようにシュート壁の外側に突出して形成される補強リブ2164とを備える。
【0018】
図2、
図4、
図6に示すように、回り止め係止アセンブリ23は、柱体231と、柱体231の一端において径方向に突出するネックリング体232と、ネックリング体232から径外方向に突出して形成され、ロック機構216の係止溝2162内に係止される凸歯233と、ネックリング体232から軸方向に突出して形成され、電源接続用内側固定部材21のザグリ穴219に係止される段状5角体234と、柱体231に外嵌されるばね235と、柱体231の端部の芯軸孔内に螺着されるねじ236と、柱体231の端部に沿って柱体231に外嵌されるハンドル237とを備える。
【0019】
図2、
図5、
図6に示すように、係止部材24は、ねじ孔2411付きのベース部材241と、ベース部材241の一端に設けられる垂直部材242と、垂直部材242の端部をベース部材241とは逆の方向に垂直に湾曲させて形成される係合部材243とを備える。
【0020】
図1〜
図6に示すように、本発明のシーリングライトの電気的接続及び組立方法は、具体的に、
(1)ロックするとき、ランプホルダ1上のシーリングライトアセンブリ2の1対の導電係止部材24を電源コネクタ3の円弧形状のナイフハンドルのような形の螺合溝31に挿入して溝の細端311まで回転させ、電源が接続され、回り止め係止アセンブリ23の凸歯233をロック機構216の係止溝2162に係止させることで、ランプホルダ1をロックすること、及び
(2)アンロックするとき、回り止め係止アセンブリ23の凸歯233がロック機構216の係止溝2162から離脱するように回り止め係止アセンブリ23のハンドル237を引き、ランプホルダ1上のシーリングライト2の1対の導電係止部材24を溝の細端311から溝の太端312まで回転させることで、ランプホルダ1を電源コネクタ3から離脱させること、を含む。
【0021】
以上に説明されたのは本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の特許請求の範囲に基づいて行う同等の変更や修飾などは、いずれも本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0022】
1 ランプホルダ
2 シーリングライトアセンブリ
21 電源接続用内側固定部材
211 パネル
212 溝
213 切欠き部
214 斜面
215 貫通孔
216 ロック機構
2161 円弧部材
2162 係止溝
2163 シュート壁
2164 補強リブ
2171 リング状フレーム
2172 スタッド
218 取付けパネル
2181 U状孔
219 ザグリ穴
22 電源接続用外側固定部材
221 ケース
222 ケースの窪み部
223 異形溝
224 円柱溝
225 取付けパネル
2251 ねじ孔
23 回り止め係止アセンブリ
231 柱体
232 ネックリング体
233 凸歯
234 5角体
235 ばね
236 ねじ
237 ハンドル
24 係止部材
241 ベース部材
2411 ねじ孔
242 垂直部材
243 係合部材
3 電源コネクタ
31 螺合溝
311 溝の細端
312 溝の太端
4 カバー