(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出力手段は、前記状況および前記メンバーの前記特性の両方に関連付けられたコミュニケーションを取得し、前記取得されたコミュニケーションのうちの前記評価が良いコミュニケーションが前記メンバーに対して有効なコミュニケーションであるというアドバイス、および、前記取得されたコミュニケーションのうちの前記評価が悪いコミュニケーションが前記メンバーに対して有効でないコミュニケーションであるというアドバイスのうちの少なくとも1つを出力する、請求項1または請求項2に記載のコンピュータシステム。
前記第1の人物に対して過去になされたコミュニケーションは、第2の人物によってなされたものであり、前記第2の人物は、前記管理者と同一または類似する特性を有する、請求項5に記載のコンピュータシステム。
コミュニケーションについてのアドバイスを提供するためのプログラムであって、前記プログラムは、プロセッサ部を備えるコンピュータシステムにおいて実行され、前記プログラムは、
組織内のメンバーの特性を受信することと、
前記メンバーが複数の状況のうちのある状況下にあることを決定することと、
前記決定された前記メンバーの状況と同じ状況下にある第1の人物に対して過去になされたコミュニケーションの前記第1の人物による評価を取得することと、
前記状況と、前記メンバーの前記特性と、前記評価とに基づいて、前記状況下の前記メンバーに対するコミュニケーションについてのアドバイスを出力することと
を含む処理を前記プロセッサ部に実行させる、プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
1.組織のメンバーの特性分析に基づいたアドバイス提供
図1Aは、組織におけるメンバーの特性を分析するために用いられるアンケート表10の一例を示す。
【0023】
アンケート表10は、複数の質問を含んでおり、複数の質問は、概して、あるシーンにおいて選択する行動を問う質問、および、あるシーンに対する感じ方を問う質問である。組織における各メンバーは、各質問に対して、多肢選択式で回答する。例えば、アンケート表10の右端にチェックマークを記入して、該当する選択肢を選択することによって回答する。
【0024】
本例では、仕事上の組織におけるメンバーの特性を分析することを説明する。あるシーンにおいて選択する行動を問う質問は、例えば、「これまでに社内で例のない新しい業務を担当してほしいと上司から言われました。他のメンバーは未定の状態です。どのような業務ならチャレンジしたいと思いますか?」という質問であり、「メディアで話題になりそうな案件」、「経験やスキルが活かせる案件」等の選択肢から回答させる。あるシーンにおいて選択する行動を問う質問は、例えば、「チームの業績目標に対して達成が難しい見通しとなっていることが分かりました。あなた自身の目標は達成の見直しの時、あなたはどうしますか?」という質問であり、「自分の当初の目標達成に向けて取り組む」、「チームのために自分の当初目標以上を目指す」等の選択肢から回答させる。
【0025】
あるシーンに対する感じ方を問う質問は、例えば、「今期の目標設定に関して上司から話がありました。今期はチームも大きな目標をもつことになり、あなたにも高い目標を持ってほしい、出来るか分からないと感じるかもしれないが、一緒に頑張ろうと言われました。あなたは、前向きに取り組めそうですか?」という質問であり、「全くやる気が出ない」〜「全く問題なく取り組める」の5段階の選択肢から回答させる。
【0026】
なお、アンケート表10の質問およびその選択肢は一例であり、他の質問および選択肢であってもよい。また、選択肢の数は、2以上の任意の数であり得る。
【0027】
組織の各メンバーによるアンケート表10の回答結果は、本発明のコンピュータシステムに入力され、分析される。
【0028】
図1Bおよび
図1Cは、アンケート表10の回答結果を本発明のコンピュータシステムによって分析した結果を表示する結果表示画面20−1、20−2の一例を示す。結果表示画面20−1、20−2は、結果表示画面20−1を下にスクロールすると結果表示画面20−2が表示されるようにしてもよいし、別個の画面として表示されるようにしてもよい。
【0029】
結果表示画面20−1、20−2は、一例として、アンケート表10に回答したAAAさんの回答結果を本発明のコンピュータシステムによって分析した結果を表示している。
【0030】
結果表示画面20−1は、例えば、第1の表示部21、第2の表示部22、および第3の表示部23を含む。第1の表示部21は、AAAさんの回答結果から決定されたAAAさんの特性に基づいて、AAAさんがより力を発揮するために意識した方がよいことに関するアドバイスを表示する部分である。第2の表示部22は、AAAさんの回答結果から決定されたAAAさんの欲求の特性を表示する部分である。ここでは、「仕事における欲求」という観点において、「難しい問題を解きたい」、「サポートしたい」、「影響力を発揮したい」、「オリジナリティを出したい」、「自信を得たい」、「目標達成したい」の項目を有するレーダーチャートで、AAAさんの欲求の特性を表示している。第3の表示部23は、AAAさんの回答結果から決定されたAAAさんの脳内伝達物質の特性を表示する部分である。ここでは、「仕事において力が発揮されやすい状態」という観点において、「“やらないといけない”と感じている時」、「“理解されている”という気持ちになっている時」、「“安心・安全”を感じている時」、「“やりたい”という気持ちになっている時」の項目を有するレーダーチャートで、AAAさんの脳内伝達物質の特性を表示している。
【0031】
例えば、
図1Bの第2の表示部22は、AAAさんが、例えば、「サポートしたい」、「自信を得たい」という仕事における欲求が高いことを示しており、
図1Bの第3の表示部23は、AAAさんが、例えば、「“理解されている”という気持ちになっている時」、「“安心・安全”を感じている時」に仕事がはかどることを示している。
【0032】
このような特性を有するAAAさんに対して、本発明のコンピュータシステムは、例えば、「自分が担当する業務について、“どのように周囲の役に立っているのか”、“周囲にとってそれがどのくらい大切な役割なのか”を謙遜しすぎることなく理解すること」等が、AAAさんが力を発揮するために意識した方がよいことであると決定し、第1の表示部21に表示する。ここでは、「仕事においてやる気を高めるために」意識した方がよいことが表示されている。例えば、「仕事をはかどらせるために」意識した方がよいことが表示されるようにしてもよい。これにより、AAAさんは、アンケート表10に回答するだけで、自分がより力を発揮するためにどのようなことに意識すべきかのアドバイスを受けることができる。
【0033】
結果表示画面20−2は、例えば、第4の表示部24、第5の表示部25、および第6の表示部26を含む。第4の表示部24は、AAAさんの回答結果から決定されたAAAさんの特性に基づいて、AAAさんがより力を発揮するために意識した方がよいことに関するアドバイスを表示する部分である。第5の表示部25は、AAAさんの回答結果から決定されたAAAさんの拘りの特性を表示する部分である。ここでは、「仕事を進めるうえで重視すること」という観点において、「気持ち」、「お互いの理解」、「チームワーク」、「進捗管理」、「事実分析」、「完璧度」、「役割範囲」の項目を有する面グラフで、AAAさんの拘りの特性を表示している。第6の表示部26は、AAAさんの回答結果から決定されたAAAさんのストレスの感じ方の特性を表示する部分である。ここでは、「仕事においてストレスを感じるポイント」という観点において、「曖昧な目標」、「明確な目標」、「手が届く目標」、「高い目標」、「業務のやり方が不明瞭」、「背景や理由が不明瞭」、「必要に応じて報告・相談」、「頻度の高い報告・相談」、「計画が変わる」、「計画を決めておく」、「長いスパンの業務」、「短いスパンの業務」、「同じ人と関わる」、「新しい人と関わる」、「誰かを巻き込む」、「自分で進める」の項目を有する面グラフで、AAAさんのストレスの感じ方の特性を表示している。
【0034】
例えば、
図1Cの第5の表示部25は、AAAさんが、例えば、「気持ち」、「チームワーク」、「お互いの理解」を仕事を進めるうえで重視することを示しており、
図1Cの第6の表示部26は、AAAさんが、例えば、「業務のやり方が不明瞭」、「新しい人と関わる」、「自分で決める」、「誰かを巻き込む」ことにストレスを感じることを示している。
【0035】
このような特性を有するAAAさんに対して、本発明のコンピュータシステムは、例えば、「上司や同僚ともすり合わせをしながら、目標や課題のクリアーに向けて、常に“いつ・何を・どのような状態にすれば、ゴールへ到達できそうだ”というイメージを持てるようにして、業務を進めること」等が、AAAさんがより力を発揮するために意識した方がよいことであると決定し、第4の表示部24に表示する。ここでは、「ストレスを軽減しながら仕事を進めるために」意識した方がよいことが表示されている。例えば、「仕事を進めるうえで重視することをより活かすために」意識した方がよいことが表示されるようにしてもよい。これにより、AAAさんは、アンケート表10に回答するだけで、自分がより力を発揮するためにどのようなことに意識すべきかのアドバイスを受けることができる。
【0036】
上述した例では、本発明のコンピュータシステムがAAAさんの特性を決定し、AAAさんへのアドバイスを提供することを説明したが、本発明のコンピュータシステムは、AAAさん以外の組織の各メンバーに対しても、
図1Bおよび
図1Cに示されるように特性を決定し、その特性に基づいて、より力を発揮するためにどのようなことに意識すべきかのアドバイスを提供することができる。
【0037】
上述した例では、アンケート表10の回答結果に基づいて、組織のメンバーの特性を決定することを説明したが、本発明のコンピュータシステムは、例えば、組織のメンバーの行動に基づいて、組織のメンバーの特性を決定することができる。例えば、組織のメンバーの行動(動作)をカメラを介して捕捉し、行動を分析することにより、組織のメンバーの特性を決定することも可能である。例えば、組織のメンバーの行動(発話)をマイクを介して捕捉し、行動を分析することにより、組織のメンバーの特性を決定することも可能である。
【0038】
図2Aは、組織におけるメンバーが、本発明のコンピュータシステムを用いて、各メンバーの様子をマネージャ(管理者)に報告するための報告画面30の一例を示す。
【0039】
報告画面30は、一例として、AAAさんがチームのメンバーの様子を報告するための画面を表示している。
【0040】
報告画面30は、メンバー表示部31と、選択部32と、気づきタイムライン表示部33を含む。メンバー表示部31は、組織におけるメンバーを表示する部分である。組織におけるすべてのメンバーが表示されるようにしてもよいし、一部のメンバー、例えば、管理職を除くメンバーが表示されるようにしてもよい。
【0041】
AAAさんは、メンバー表示部31から様子を報告したいメンバーを選択する。次いで、AAAさんは、そのメンバーの様子について、複数の状況のうちから1つを選択し、その状況がポジティブな状況(良い状況)にあるか、ネガティブな状況(悪い状況)にあるかを選択する。例えば、AAAさんが、CCCさんの様子について、業務のやり方や進め方に困っていそうだと感じたときは、メンバー表示部31からCCCさんを選択し、選択部32のうちの「業務のやり方や進め方」の欄の「困っていそう!」ボタンを選択することにより、その旨をマネージャに報告することができる。例えば、AAAさんが、LLLさんの様子について、今の仕事を続けることに前向きになってきていると感じたときは、メンバー表示部31からLLLさんを選択し、選択部32のうちの「今の仕事をつづけること」の欄の「前向きになってきている!」ボタンを選択することにより、その旨をマネージャに報告することができる。例えば、AAAさんは、自身の様子について自己申告で報告してもよい。この場合、メンバー表示部31からAAAさんを選択し、選択部32のうちの該当するボタンを選択する。
【0042】
なお、報告画面30に表示される複数の状況は一例であり、他の状況であってもよい。例えば、「チームでの人間関係」に「困っていそう!」または「良好そう!」という状況、「チームでの意見の調整」に「困っていそう!」または「上手く進んでいそう!」という状況、「今の仕事をつづけること」に「不安がありそう!」または「いきいき取り組んでいる!」という状況、「目の前の仕事への集中」が「できていなさそう!」または「集中していそう!」という状況、「心身の状態」が「すぐれていなさそう!」または「すごくよさそう!」という状況等であってもよい。また、良い状況にあるか悪い状況にあるかの2択に限定されず、選択肢の数は、2以上の任意の数であり得、多段階的に状況を評価して報告するようにしてもよい。
【0043】
組織におけるあるメンバーの様子が、ポジティブな状況(良い状況)であることの報告は、マネージャ(管理者)およびそのメンバーに通知され得る。これにより、マネージャが組織におけるメンバーの状況を把握することができるとともに、そのメンバーのモチベーションを高めることもできる。組織におけるあるメンバーの様子が、ネガティブな状況(悪い状況)であることの報告は、そのメンバーには通知されず、マネージャ(管理者)に通知され得る。
【0044】
気づきタイムライン表示部33には、組織内のあるメンバーが他のメンバーまたは自身の状況を報告したこと、および、報告に対して組織内の管理者が行ったコミュニケーションが時系列に表示される。これにより、組織内のメンバーは、他のメンバーの状況や、その状況に対して管理者がどのようなコミュニケーションを行ったかを把握することができる。
【0045】
図2Bは、組織におけるメンバーがネガティブな状況にあることを通知するための通知画面40の一例を示す。
【0046】
通知画面40は、一例として、AAAさんが計画どおりに業務を進めることに困っているという状況にあることを通知するための画面を表示している。通知画面40は、例えば、報告画面30においてAAAさんがネガティブな状況にあることの報告がされたことをトリガとして、表示され得る。通知画面40は、例えば、マネージャ等の組織を管理する権限を有している者のみが閲覧可能とすることができる。
【0047】
通知画面40は、報告者表示部41と、第1のアドバイス表示部42と、第2のアドバイス表示部43とを含む。
【0048】
報告者表示部41には、AAAさんが計画どおりに業務を進めることに困っていそうと報告した人が表示される。ここでは3人のメンバー(EEEさん、FFFさん、KKKさん)が表示されている。報告者表示部41には、例えば、報告した人の数のみが表示されるようにしてもよいし、報告した人の名前および報告した時間が表示されるようにしてもよい。
【0049】
第1のアドバイス表示部42には、AAAさんの特性を踏まえて、現在の状況のAAAさんに有効なコミュニケーションが表示される。現在の状況のAAAさんに有効なコミュニケーションは、例えば、「積極的に声をかけること」、「些細なことでもほめること」、「計画の見直しを提案すること」等であり得る。
【0050】
第2のアドバイス表示部43には、AAAさんの特性を踏まえて、現在の状況のAAAさんに有効でないコミュニケーションが表示される。現在の状況のAAAさんに有効でないコミュニケーションは、例えば、「業務が進んでいないことを注意すること」、「他のメンバーと比較すること」、「『がんばれ』と声をかけること」等であり得る。
図2Bに示される例では、現在の状況のAAAさんに有効なコミュニケーションおよび有効でないコミュニケーションが箇条書きで表示されているが、例えば、文章で表示されるようにしてもよいし、フレーズで表示されるようにしてもよい。
【0051】
組織のマネージャは、通知画面40に表示されたAAAさんに有効なコミュニケーションおよび有効でないコミュニケーションを参考にして、計画どおりに業務を進めることに困っているAAAさんに対してコミュニケーションをすることができる。さらに、AAAさんは、マネージャから受けたコミュニケーションが良かったか悪かったかを評価してフィードバックをすることができる。例えば、AAAさんは、評価画面(図示せず)に受けたコミュニケーションとその評価とを入力することができる。
【0052】
第1のアドバイス表示部42に表示される有効なコミュニケーションおよび第2のアドバイス表示部43に表示される有効でないコミュニケーションは、AAAさんの特性、AAAさんの状況、および、AAAさんによる評価に応じて変化する。これにより、有効なコミュニケーションおよび有効でないコミュニケーションは、人物の特性、現在の状況、およびその人物の感じ方に合ったものとなるため、マネージャは、経験則や感覚に基づいたアドバイスではなく、人物の特性、現在の状況、およびその人物の感じ方に合ったアドバイスを受けることができるようになる。
【0053】
上述した例では、組織内のメンバーの状況を組織の管理者に報告し、組織のメンバーとのコミュニケーションについてのアドバイスを組織の管理者に提供することを説明したが、本発明は、これに限定されない。組織のメンバーの状況を、組織の管理者に限定されない任意の他のメンバーに報告し、組織のメンバーとのコミュニケーションについてのアドバイスを、当該他のメンバーに提供することも本発明の範囲内である。例えば、当該他のメンバーは、組織内のメンバーの同僚であり得、同僚は、特定の状況下のメンバーに対してどのようなコミュニケーションが有効で、どのようなコミュニケーションが有効でないかを知ることができ、不具合のないコミュニケーションを行うことができる。なお、本明細書において、「コミュニケーション」は、ある人が他の人に対して行う任意の行為のことを言い、行為をしないことも含む。例えば、「コミュニケーション」は、ある人が他の人に対して言葉をかけること、ある人が他の人に対して言葉をかけないこと、ある人が他の人に対して態度を示すこと、ある人が他の人に対して態度を示さないこと、ある人が他の人に対して動作をすること、ある人が他の人に対して動作をしないこと等を含み得る。
【0054】
上述した例では、仕事上の組織におけるメンバーの特性を分析し、仕事上のコミュニケーションについてアドバイスを提供することを説明したが、本発明はこれに限定されない。任意の組織におけるメンバーの特性を分析し、任意の場面におけるコミュニケーションについてのアドバイスを提供することができる。例えば、スポーツチームにおけるメンバーの特性を分析し、スポーツの試合または練習の場におけるコミュニケーションについてのアドバイスを提供するようにしてもよい。例えば、学校のクラスのメンバーの特性を分析し、学校生活におけるコミュニケーションについてのアドバイスを提供するようにしてもよい。
【0055】
以下では、上述したように、コミュニケーションについてのアドバイスを提供することができる本発明のコンピュータシステム100について説明する。
【0056】
2.コンピュータシステム100の構成
図3Aは、コミュニケーションについてのアドバイスを提供することができる本発明のコンピュータシステム100の構成の一例を示す。
【0057】
コンピュータシステム100は、インターフェース部110と、プロセッサ部120と、メモリ130部とを備える。コンピュータシステム100は、データベース部200に接続されている。
【0058】
インターフェース部110は、コンピュータシステム100の外部と情報のやり取りを行う。コンピュータシステム100のプロセッサ部120は、インターフェース部110を介して、コンピュータシステム100の外部から情報を受信することが可能であり、コンピュータシステム100の外部に情報を送信することが可能である。インターフェース部110は、任意の形式で情報のやり取りを行うことができる。
【0059】
インターフェース部110は、例えば、コンピュータシステム100に情報を入力することを可能にする入力部を備える。入力部が、どのような態様でコンピュータシステム100に情報を入力することを可能にするかは問わない。例えば、入力部がタッチパネルである場合には、ユーザがタッチパネルにタッチすることによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がマウスである場合には、ユーザがマウスを操作することによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がキーボードである場合には、ユーザがキーボードのキーを押下することによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がマイクである場合には、ユーザがマイクに音声を入力することによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がカメラである場合には、カメラが撮像した情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がデータ読み取り装置である場合には、コンピュータシステム100に接続された記憶媒体から情報を読み取ることによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部が受信器である場合、受信器がネットワークを介してコンピュータシステム100の外部から情報を受信することにより入力してもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。例えば、受信器は、インターネットを介して情報を受信してもよいし、LANを介して情報を受信してもよい。
【0060】
インターフェース部110は、例えば、コンピュータシステム100から情報を出力することを可能にする出力部を備える。出力部が、どのような態様でコンピュータシステム100から情報を出力することを可能にするかは問わない。例えば、出力部が表示画面である場合、表示画面に情報を出力するようにしてもよい。あるいは、出力部がスピーカである場合には、スピーカからの音声によって情報を出力するようにしてもよい。あるいは、出力部がデータ書き込み装置である場合、コンピュータシステム100に接続された記憶媒体に情報を書き込むことによって情報を出力するようにしてもよい。あるいは、出力部が送信器である場合、送信器がネットワークを介してコンピュータシステム100の外部に情報を送信することにより出力してもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。例えば、送信器は、インターネットを介して情報を送信してもよいし、LANを介して情報を送信してもよい。
【0061】
プロセッサ部120は、コンピュータシステム100の処理を実行し、かつ、コンピュータシステム100全体の動作を制御する。プロセッサ部120は、メモリ部130に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、コンピュータシステム100を所望のステップを実行するシステムとして機能させることが可能である。プロセッサ部120は、単一のプロセッサによって実装されてもよいし、複数のプロセッサによって実装されてもよい。
【0062】
メモリ部130は、コンピュータシステム100の処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムの実行に必要とされるデータ等を格納する。メモリ部130は、コミュニケーションについてのアドバイスを提供するための処理をプロセッサ部120に行わせるためのプログラム(例えば、後述する
図4、
図6に示される処理を実現するプログラム)を格納してもよい。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部130に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部130にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、ネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部130にインストールされるようにしてもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。メモリ部130は、任意の記憶手段によって実装され得る。
【0063】
データベース部200には、例えば、提供され得るアドバイスが格納されている。提供され得るアドバイスは、例えば、組織内のメンバーの特性と関連付けられて格納され得る。例えば、組織内のメンバーの特性が少なくとも4つの観点を含む場合、提供され得るアドバイスは、少なくとも4つの観点のうちの少なくとも1つと関連付けられて格納される。例えば、データベース部200には、各観点について、その観点の値が低いメンバーのためのアドバイス、その観点の値が中程度のメンバーのためのアドバイス、その観点の値が高いメンバーのためのアドバイス等が格納されてもよい。例えば、データベース部200には、各観点について、その観点の値の差異が大きいメンバー/チームのためのアドバイス、その観点の値の差異が小さいメンバー/チームのためのアドバイス等が格納されてもよい。例えば、少なくとも4つの観点のそれぞれが複数の項目に細分される場合、提供され得るアドバイスは、少なくとも4つの観点のそれぞれの複数の項目のうちの少なくとも1つと関連付けられて格納される。例えば、データベース部200には、各観点の複数の項目のそれぞれについて、その項目の値が低いメンバーのためのアドバイス、その項目の値が中程度のメンバーのためのアドバイス、その項目の値が高いメンバーのためのアドバイス等が格納されてもよい。例えば、データベース部200には、各観点の複数の項目のそれぞれについて、その項目の値の差異が大きいメンバー/チームのためのアドバイス、その項目の値の差異が小さいメンバー/チームのためのアドバイス等が格納されてもよい。
【0064】
データベース部200に格納されるアドバイスは、例えば、組織の属性に関連付けられて格納されてもよい。例えば、データベース部200に格納されるアドバイスは、第一次産業の組織向けのアドバイス、第二次産業の組織向けのアドバイス、第三次産業の組織向けのアドバイスに区分されて格納され得る。これにより、属性が異なる組織毎に異なるアドバイスを提供することができるようになる。
【0065】
データベース部200において、提供され得るアドバイスは、例えば、複数の状況のうちの特定の状況と、組織のメンバーの特性とに関連付けられて格納され得る。
【0066】
図3Bは、データベース部200に格納されるデータ構成の一例を示す図である。
【0067】
例えば、データベース部200は、「計画通りに業務を進めることにおいて困っている」という状況と、組織のメンバーの特性と、組織のメンバーに対するコミュニケーションとが関連付けられて格納された第1のデータベース201と、「業務のやり方や進め方において困っている」という状況と、組織のメンバーの特性と、組織のメンバーに対するコミュニケーションとが関連付けられて格納された第2のデータベース202とを含み得る。
【0068】
例えば、各データベースには、同一または類似する特性を有する組織内の他のメンバーまたは組織外のユーザがそのコミュニケーションを受けたときにそのコミュニケーションを評価した結果も関連付けられて格納され得る。例えば、「目標を達成したい」という特性を有する組織内の他の複数のメンバーまたは組織外の複数のユーザが、「計画通りに業務を進めることにおいて困っている」状況下で「積極的に声をかける」というコミュニケーションを受けたとき、このコミュニケーションが良かったと評価した者とこのコミュニケーションが悪かったと評価した者との割合が90:10として、第1のデータベース201に格納され得る。例えば、「目標を達成したい」という特性を有する組織内の他の複数のメンバーまたは組織外の複数のユーザが、「計画通りに業務を進めることにおいて困っている」状況下で「些細なことでもほめる」というコミュニケーションを受けたとき、このコミュニケーションが良かったと評価した者とこのコミュニケーションが悪かったと評価した者との割合が65:35として、第1のデータベース201に格納され得る。例えば、「影響力を発揮したい」という特性を有する組織内の他の複数のメンバーまたは組織外の複数のユーザが、「計画通りに業務を進めることにおいて困っている」状況下で「積極的に声をかける」というコミュニケーションを受けたとき、このコミュニケーションが良かったと評価した者とこのコミュニケーションが悪かったと評価した者との割合が20:80として、第1のデータベース201に格納され得る。
【0069】
提供され得るアドバイスは、例えば、複数の状況のうちの特定の状況と、組織のメンバーの特性とに加えて、組織のメンバーに対してコミュニケーションを行う人物(例えば、組織の管理者、または組織の他のメンバー)の特性と関連付けられて格納されるようにしてもよい。
【0070】
図3Aに示される例では、データベース部200は、コンピュータシステム100の外部に設けられているが、本発明はこれに限定されない。データベース部200をコンピュータシステム100の内部に設けることも可能である。このとき、データベース部200は、メモリ部130を実装する記憶手段と同一の記憶手段によって実装されてもよいし、メモリ部130を実装する記憶手段とは別の記憶手段によって実装されてもよい。いずれにせよ、データベース部200は、コンピュータシステム100のための格納部として構成される。データベース部200の構成は、特定のハードウェア構成に限定されない。例えば、データベース部200は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。例えば、データベース部200は、コンピュータシステム100の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワークを介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよい。
【0071】
図3Cは、プロセッサ部120の構成の一例を示す。
【0072】
プロセッサ部120は、受信手段121と、決定手段122と、取得手段123と、出力手段124とを少なくとも備える。
【0073】
受信手段121は、インターフェース部110から情報を受信するように構成され得る。
【0074】
受信手段121は、少なくとも1人の組織内のメンバーの特性を受信する第1の受信手段1211を含み得る。第1の受信手段1211は、例えば、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力されたメンバーの特性を、インターフェース部110から受信してもよいし、プロセッサ部120が備え得る第2の決定手段(図示せず)が決定した組織内のメンバーの特性を、第2の決定手段から受信してもよい。このとき、第2の決定手段は、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力されたデータをインターフェース部110から受信し得る。
【0075】
受信手段121は、少なくとも1人の組織内の管理者(例えば、組織のマネージャー)の特性を受信する第2の受信手段1212をさらに含み得る。第2の受信手段1212は、例えば、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力された管理者の特性を、インターフェース部110から受信してもよいし、プロセッサ部120が備え得る第2の決定手段(図示せず)が決定した管理者の特性を、第2の決定手段から受信してもよい。このとき、第2の決定手段は、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力されたデータをインターフェース部110から受信し得る。
【0076】
受信手段121の第1の受信手段1211、第2の受信手段1212は、同一の受信手段によって構成されてもよいし、複数の受信手段によって構成されてもよい。
【0077】
決定手段122は、組織内のメンバーが複数の状況のうちのある状況下にあることを決定するように構成され得る。決定手段122は、例えば、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力されたデータに応じて、組織内のメンバーが複数の状況のうちのある状況下にあることを決定し得る。決定手段122は、例えば、組織内のメンバーが自身が特定の状況下にあることの報告を自身の端末装置(例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等)に入力したとき、その報告インターフェース部110を介して受信し、その報告に基づいて、そのメンバーが特定の状況下にあることを決定する。あるいは、決定手段122は、例えば、組織内の他のメンバーが組織内のメンバーが特定の状況下にあることの報告を自身の端末装置(例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等)に入力したとき、その報告をインターフェース部110を介して受信し、その報告に基づいて、そのメンバーが特定の状況下にあることを決定する。あるいは、決定手段122は、例えば、組織内の管理者が組織内のメンバーが特定の状況下にあることの報告を自身の端末装置(例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等)に入力したとき、その報告をインターフェース部110を介して受信し、その報告に基づいて、そのメンバーが特定の状況下にあることを決定する。あるいは、決定手段122は、例えば、カメラまたはマイク等を用いて捕捉された組織内のメンバーの行動に基づいて、そのメンバーが特定の状況下にあることを決定する。例えば、決定手段122は、マイクを用いて捕捉された組織内のメンバーのネガティブな発話に基づいて、そのメンバーが悪い状況下にあることを決定する。このとき、決定手段122は、例えば、動作認識技術、音声認識技術、自然言語処理技術等の公知の技術を用いて組織内のメンバーの行動を解析することができる。
【0078】
組織内のメンバーが複数の状況のうちのある状況下にあることの報告は、例えば、組織内のメンバーが、良い状況にあることを示す報告、悪い状況にあることを示す報告を含む。複数の状況は、例えば、仕事をするうえで直面する複数の状況であり得、例えば、
図2Aに示されるように、「計画通りに業務を進めることにおいて困っている状況」、「計画通りに業務を進めることにおいて順調に進んでいる状況」、「業務のやり方や進め方において困っている状況」、「業務のやり方や進め方において順調に進んでいる状況」等を含み得るがこれに限定されない。
【0079】
取得手段123は、第1の人物に対して過去になされたコミュニケーションの第1の人物による評価を取得する。取得手段123は、例えば、データベース部200に格納されている評価をデータベース部200から取得するようにしてもよいし、システム100の外部から送信された評価を受信することにより、評価を取得するようにしてもよい。
【0080】
第1の人物は、組織内のメンバーと同一の組織内の人物であってもよいし、当該組織外の人物であってもよい。当該組織外の人物である場合には、例えば、当該組織と同一の業種を有する組織内に人物であってもよいし、当該組織と同一の職種を有する組織内の人物であってもよい。
【0081】
ここで、第1の人物は、例えば、組織内のメンバーと同一または類似する特性を有する人物であることが好ましい。同一または類似する特性を有する人物が、どのようなコミュニケーションを良いと感じ、どのようなコミュニケーションを悪いと感じたかを考慮に入れることにより、本発明のコンピュータシステム100から出力されるアドバイスが、特定の特性を有する組織のメンバーに、より適したものになり得るからである。本明細書において、類似する特性とは、特性を数値で表した場合に、数値の差異が所定の範囲内にある特性のことをいう。例えば、特性が複数の項目に細分され、各項目が数値で表される場合(例えば、
図1Bに示されるように、特性がレーダーチャートで表される場合)、類似する特性は、例えば、各項目の数値の差異それぞれが所定の範囲内にある特性であってもよいし、各項目の数値の差異のうちの所定数の差異が所定の範囲内にある特性であってもよいし、各項目の数値の差異のうち最大の差異が所定の閾値以下である特性であってもよいし、各項目の数値の差異のうち最小の差異が所定の閾値以下である特性であってもよい。所定の範囲は、適宜設定され得、例えば、数値の±1%〜±20%であってもよく、例えば、数値の±1%、±5%、±10%、±15%、±20%等であり得る。
【0082】
また、第1の人物に対して過去になされたコミュニケーションは、決定手段122によって決定された組織内のメンバーが置かれた状況と同一の状況下の第1の人物に対して過去になされたコミュニケーションであることが好ましい。同一の状況下においてコミュニケーションを受けた人物が、どのようなコミュニケーションを良いと感じ、どのようなコミュニケーションを悪いと感じたかを考慮に入れることにより、本発明のコンピュータシステム100から出力されるアドバイスが、特定の状況下の組織のメンバーに、より適したものになり得るからである。
【0083】
取得手段123は、例えば、第1の人物が自身の端末装置(例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等)に入力した、過去に受けたコミュニケーションの評価をインターフェース部110を介して取得する。ここで、第1の人物は、組織内のメンバーであってもよいし、組織内のメンバーとは異なる人物(例えば、組織内の他のメンバーまたは組織外のユーザ)であってもよい。例えば、第1の人物が過去に受けたコミュニケーションは、コンピュータシステム100によってアドバイスを提供される人物(例えば、組織内のメンバーを管理する管理者、または組織内の他のメンバー)と同一または類似する特性を有する第2の人物によってなされたものであり得る。第2の人物は、例えば、コンピュータシステム100によってアドバイスを提供される人物自身であってもよいし、その他の人物(例えば、組織外のユーザ)であってもよい。第2の人物がその他の人物である場合には、第2の人物は、第1の人物に対してコミュニケーションを取り得る人物である必要がある。
【0084】
取得手段123は、システム100の外部から送信された評価を取得する場合、例えば、評価とともに、第1の人物の特性、第1の人物の状況、および第1の人物が受けたコミュニケーションを示す情報を取得するようにしてもよい。取得手段123によって取得された評価は、第1の人物の特性および第1の人物の状況とともに第1の人物が受けたコミュニケーションに関連付けられてデータベース部200に格納され得る。取得手段123は、例えば、第2の人物の特性も受信するようにしてもよい。取得手段123によって取得された評価は、第1の人物の特性、第1の人物の状況、および第2の人物の特性とともに第1の人物が受けたコミュニケーションに関連付けられてデータベース部200に格納され得る。
【0085】
出力手段124は、情報処理を行い、特定の出力を提供する。出力手段124からの出力は、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100の外部に出力され得る。
【0086】
出力手段124は、例えば、受信手段121から提供された組織のメンバーの特性と、決定手段122から提供された組織のメンバーの状況と、取得手段123から提供された評価とに基づいて、出力を提供する。このとき、出力手段124は、決定手段122が決定した状況における組織内のメンバーに対するコミュニケーションについてのアドバイスを出力することができる。コミュニケーションについてのアドバイスは、例えば、特定の状況下の組織内のメンバーに対して有効なコミュニケーションが何であるか、および、特定の状況下の組織内のメンバーに対して有効でないコミュニケーションが何であるかの少なくとも1つを含み得る。出力手段124は、決定手段122が受信した報告の入力を行ったメンバーの情報、例えば、メンバーの数、メンバーの名前等を出力してもよい。
【0087】
上述したように、プロセッサ部120は、第2の決定手段(図示せず)を備え得る。
【0088】
第2の決定手段は、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力されたデータをインターフェース部110から受信し、そのデータから組織内のメンバーまたは管理者の特性を決定する。第2の決定手段は、例えば、少なくとも4つの観点について組織内のメンバーまたは管理者の特性を決定する。4つの観点は、例えば、
図1Bおよび
図1Cを参照して上述した、欲求の特性、脳内伝達物質の特性、拘りの特性、ストレスの感じ方の特性であり得る。第2の決定手段は、上記4つの観点に変えて、または加えて、他の観点から組織内のメンバーまたは管理者の特性を決定するようにしてもよい。
【0089】
第2の決定手段に提供されるデータは、例えば、
図1Aに示されるようなユーザに対する質問の回答結果を示すデータであってもよいし、例えば、組織内メンバーまたは管理者の行動を示すデータであってもよい。組織内のメンバーまたは管理者の行動を示すデータは、例えば、カメラまたはマイクで捕捉されたデータから抽出され得る。カメラまたはマイクで捕捉されたデータからユーザの行動を示すデータを抽出する技術は、例えば、公知の動作認識技術、音声認識技術、自然言語処理技術等を用いて達成され得る。
【0090】
なお、上述したコンピュータシステム100の各構成要素は、単一のハードウェア部品で構成されていてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されていてもよい。複数のハードウェア部品で構成される場合は、各ハードウェア部品が接続される態様は問わない。各ハードウェア部品は、無線で接続されてもよいし、有線で接続されてもよい。本発明のコンピュータシステム100は、特定のハードウェア構成には限定されない。プロセッサ部120をデジタル回路ではなくアナログ回路によって構成することも本発明の範囲内である。本発明のコンピュータシステム100の構成は、その機能を実現できる限りにおいて上述したものに限定されない。
【0091】
3.コンピュータシステム100による処理
図4は、コンピュータシステム100において行われる、コミュニケーションについてのアドバイスを提供するための処理400の一例を示す。コンピュータシステム100は、処理400を行うことによって、特定の状況下の組織内のメンバーに対してどのようなコミュニケーションをとるべきかのアドバイスを提供することができる。アドバイスは、例えば、マネージャ等の組織の管理者に提供されてもよく、組織内の他のメンバーに提供されてもよい。これにより、組織内のメンバーと、組織内の管理者または他のメンバーとのコミュニケーションにおける不具合を解消することができ、また、客観的な分析に基づいた適切なコミュニケーションを行うことができるようになる。
【0092】
ステップS401において、プロセッサ部120の受信手段121が、組織のメンバーの特性を受信する。受信手段121は、インターフェース部110を介して入力された組織のメンバーの特性を受信してもよいし、受信手段121は、インターフェース部110を介して入力されたデータに基づいて第2の決定手段が決定した組織のメンバーの特性を受信してもよい。
【0093】
組織のメンバーの特性は、例えば、少なくとも4つの観点を有し得る。4つの観点は、例えば、欲求の特性、脳内伝達物質の特性、拘りの特性、ストレスの感じ方の特性であり得る。組織のメンバーの特性は、例えば、少なくとも4つの観点についてインターフェース部110を介して入力されるようにしてもよいし、第2の決定手段によって少なくとも4つの観点について決定されるようにしてもよい。第2の決定手段は、例えば、インターフェース部110を介して入力されたデータと、少なくとも4つの観点とを関連付ける対応表を用いて、組織のメンバーの特性を決定する。
【0094】
図5は、組織のメンバーの特性を決定するための対応表500の一例である。
【0095】
対応表500は、
図1Aに示されるアンケート表10における各質問の選択肢と、4つの観点についてのメンバーの特性とを関連付ける。縦欄に各質問の選択肢が示されており、横欄に4つの観点についてのメンバーの特性が示されている。
【0096】
4つの観点の各々は、複数の項目に細分されている。例えば、欲求の特性は、「目標を達成したい」、「難しい問題を解きたい」等の6つの項目に細分されている。例えば、拘りの特性は、「気持ち」、「つながり」等の7つの項目に細分されている。これらの項目は、例えば、
図1Bおよび
図1Cの第2の表示部22、第3の表示部23、第5の表示部25、および第6の表示部26に表示される項目に対応し得る。
【0097】
対応表500では、各質問の選択肢に、各項目に対する素点が割り振られており、各質問の選択肢に応じて、各項目に素点が加算されていくようになっている。例えば、質問1に対して「メディアで話題になりそうな案件」と回答すると、選択肢「メディアで話題になりそうな案件」に割り振られた素点が各項目に加算され、質問2に対して「チーム内で作戦会議を提案する」と回答すると、選択肢「チーム内で作戦会議を提案する」に割り振られた素点が各項目に加算されるようになっている。このようにして、すべての質問に対する回答された選択肢に割り振られた素点を加算することにより、その項目の点数が算出され、各項目の点数分布によってメンバーの特性を決定することができる。なお、素点を加算する際に、点数の入りやすさを考慮して重みづけをすることにより、より精度よく点数を算出できるようになる。また、各質問の選択肢のそれぞれに、複数の項目が関連付けられて素点を割り振られている。これにより、メンバーが、妥当な回答や推奨される回答を意識して回答するようなバイアスのかかった回答を低減することができ、より精度を高くメンバーの特性を決定できるようになっている。
【0098】
対応表500における素点の割り振りは、組織毎に変更するようにしてもよいし、組織毎に不変であってもよい。また、組織の状況に応じて、または、経時的に変動するようにしてもよいし、不変であってもよい。質問の選択肢と各項目とが適切に相関するように素点を割り振るように留意すべきである。
【0099】
図5に示される例では、
図1Aに示されるアンケート表10における各質問の選択肢を4つの観点と関連付けることを説明したが、4つの観点と関連付けられる対象は、各質問の選択肢に限定されない。4つの観点と関連付けられる対象は、インターフェース部110を介して入力され得るデータからメンバーの特性を決定できる限り任意のものであり得る。例えば、メンバーの行動が4つの観点と関連付けられ得る。例えば、メンバーの特定の発言、特定の所作等に、各項目に対する素点を割り振るようにしてもよい。これにより、例えば、メンバーをカメラおよびマイクを用いて観察し、特定の発言が認識されたときに、その特定の発言に割り振られた素点を加算し、特定の所作が認識されたときに、その特定の所作に割り振られた素点を加算することにより、その項目の点数が算出され、各項目の点数分布によって組織のメンバーの特性を決定することができる。
【0100】
上述した組織内のメンバーの特性は一例であり、組織内のメンバーの特性として他の任意の特性を用いることができる。
【0101】
図4を再び参照して、ステップS402において、プロセッサ部120の決定手段122が、組織内のメンバーが複数の状況のうちのある状況下にあることを決定する。プロセッサ部120の決定手段122は、例えば、組織内のメンバーが複数の状況のうちのある状況下にあることの報告が、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力されることに応答して、組織内のメンバーが複数の状況のうちのある状況下にあることを決定することができる。
【0102】
組織内のメンバーが複数の状況のうちのある状況下にあることの報告は、例えば、
図2に示される報告画面30における選択部32を選択することによって入力され得る。報告は、例えば、組織内のメンバー自身が入力したものであってもよいし、組織内の他のメンバーが入力したものであってもよいし、組織内の管理者が入力したものであってもよい。
【0103】
決定手段122は、例えば、カメラまたはマイク等を用いて捕捉された組織内のメンバーの行動に基づいて、そのメンバーが特定の状況下にあることを決定するようにしてもよい。
【0104】
ステップS403において、プロセッサ部120の取得手段123が、第1の人物に対して過去になされたコミュニケーションの第1の人物による評価を取得する。取得手段123は、例えば、データベース部200に格納されている評価をデータベース部200から取得するようにしてもよいし、システム100の外部から送信された評価を受信することにより、評価を取得するようにしてもよい。
【0105】
ここで、第1の人物は、例えば、組織内のメンバーと同一または類似する特性を有する人物であることが好ましい。また、第1の人物に対して過去になされたコミュニケーションは、決定手段122によって決定された組織内のメンバーが置かれた状況と同一の状況下の第1の人物に対して過去になされたコミュニケーションであることが好ましい。組織内のメンバーの状況および特性に対応する人物の過去のコミュニケーションを参照することができ、システム100によって提供されるアドバイスが、組織のメンバーの状況および特性により適したものになるからである。
【0106】
第1の人物はコミュニケーションを受けたときに、そのコミュニケーションが良かったか、悪かったかを評価することができる。評価は、例えば、良いか悪いか、または役に立ったか役に立たなかったか等の2段階での評価であってもよいし、2よりも多い多段階での評価であってもよい。評価は、中間の評価よりも良ければ高評価とみなされ、中間の評価よりも悪ければ低評価とみなされ得る。
【0107】
ここで、第1の人物は、組織内のメンバーであってもよいし、組織内のメンバーとは異なる人物(例えば、組織内の他のメンバーまたは組織外のユーザ)であってもよい。例えば、第1の人物が過去に受けたコミュニケーションは、コンピュータシステム100によってアドバイスを提供される人物(例えば、組織内のメンバーを管理する管理者、または組織内の他のメンバー)と同一または類似する特性を有する第2の人物によってなされたものであり得る。第2の人物は、例えば、コンピュータシステム100によってアドバイスを提供される人物(例えば、管理者)自身であってもよいし、その他の人物(例えば、組織外のユーザ)であってもよい。第2の人物がその他の人物である場合には、第2の人物は、第1の人物に対してコミュニケーションを取り得る人物である必要がある。
【0108】
ステップS404において、プロセッサ部120の出力手段124は、ステップS401で受信された組織内のメンバーの特性と、ステップS402で決定された状況と、ステップS403で取得された評価とに基づいて、決定された状況下の組織内のメンバーに対するコミュニケーションについてのアドバイスを出力する。出力手段124は、例えば、インターフェース部110を介して、コンピュータシステム100の外部にアドバイスを出力することができる。
【0109】
例えば、出力手段124は、データベース部200に格納されているコミュニケーションを参照し、ステップS402で決定された状況およびステップS401で受信されたメンバーの特性の両方に関連付けられたコミュニケーションをデータベース部から取得する。そのとき、そのコミュニケーションに対する評価を参照し、評価が良いコミュニケーションが組織内のメンバーに対して有効なコミュニケーションであるというアドバイス、および、評価が悪いコミュニケーションが組織内のメンバーに対して有効でないコミュニケーションであるとのアドバイスの少なくとも1つを出力することができる。出力手段124は、例えば、取得されたコミュニケーションが複数ある場合、それらのコミュニケーションに対する評価を参照し、評価が良い順に降順または昇順で並べ替えて、組織内のメンバーに対して有効なコミュニケーションとして出力するようにしてもよいし、評価が悪い順に降順または昇順で並べ替えて、組織内のメンバーに対して有効でないコミュニケーションとして出力するようにしてもよい。あるいは、出力手段124は、例えば、評価が所定の閾値よりも高いまたは低いコミュニケーションのみを組織内のメンバーに対して有効なコミュニケーションまたは組織内のメンバーに対して有効でないコミュニケーションとして出力するようにしてもよい。
【0110】
例えば、データベース部200において、コミュニケーションが
図3Bに示されるように関連付けられて格納されている場合、「計画通りに業務を進めることにおいて困っている」状況下の組織内のメンバーが、「目標を達成したい」という欲求の特性を有しているとき、出力手段124は、格納されている評価を参照して、「積極的に声をかけること」、「些細なことでもほめること」、「他のメンバーと比較すること」の順に、組織内のメンバーに対して有効なコミュニケーションとして出力するようにしてもよいし、高評価が60%以上の「積極的に声をかけること」、「些細なことでもほめること」のみを組織内のメンバーに対して有効なコミュニケーションとして出力するようにしてもよい。
【0111】
例えば、出力手段124は、組織のメンバーの特性とは正反対の特性を有する第1の人物が悪いと評価したコミュニケーションをデータベース部200から取得し、組織のメンバーにとっては有効なコミュニケーションであるとして出力するようにしてもよい。
【0112】
このようにして出力されたアドバイスは、例えば、
図2Bに示される通知画面40の第1のアドバイス表示部42または第2のアドバイス表示部43に表示され得る。例えば、組織内のメンバーに有効なコミュニケーションは、
図2Bに示される通知画面40の第1のアドバイス表示部42に表示され得、組織内のメンバーに有効でないコミュニケーションは、
図2Bに示される通知画面40の第2のアドバイス表示部43に表示され得る。
【0113】
このように、組織内のメンバーが置かれている状況と、組織内のメンバーの特性と、コミュニケーションに対する評価とに基づいて、組織内のメンバーとのコミュニケーションについてのアドバイスを提供することにより、特定の状況下のメンバーに対してどのようなコミュニケーションをとるべきかのアドバイスを提供することができる。特に、過去になされたコミュニケーションとその評価とが考慮されるため、自身または他人の過去の成功または失敗を踏まえたコミュニケーションについてのアドバイスが提供されることになる。さらに、第1の人物が組織内のメンバーと同一または類似する特性を有する人物である場合には、組織内のメンバーの特性により適したアドバイスが提供されるようになる。また、第1の人物に対して過去になされたコミュニケーションが、組織内のメンバーが置かれた状況と同一の状況下の第1の人物に対して過去になされたコミュニケーションである場合には、組織内のメンバーの状況により適したアドバイスが提供されるようになる。このようにして、本発明のコンピュータシステム100は、一人ひとりのメンバーに対する最適なコミュニケーションの仕方についてアドバイスを提供することができるのである。組織の管理者は、経験則や感覚、主観的な認識等の不確定な変動要素に基づくのではなく、客観的な分析に基づいたアドバイスを受けることができ、組織内のメンバーとの適切なコミュニケーションをすることができるようになる。これにより、組織内の管理者と組織内のメンバーとのコミュニケーションが円滑になり、組織内のメンバーによる協働が促進され、ひいては、効率の改善につながる。また、組織のマネジメントを効果的にすることを促すことも可能である。
【0114】
上述した例では、組織内のメンバーに対して有効なコミュニケーションまたは有効でないコミュニケーションとしてアドバイスを出力することを説明したが、出力の態様はこれに限定されない。例えば、組織内のメンバーに対して有効なコミュニケーションを「真似すべき他の管理者による対応」として出力するようにしてもよいし、組織のメンバーに対して有効でないコミュニケーションを「真似すべきではない他の管理者による対応」として出力するようにしてもよい。出力手段124によって出力される「組織内のメンバーに対して有効なコミュニケーション」は、組織内の管理者−メンバーと同一の特性関係を有する他の管理者−メンバーにおいて、他の管理者が取ったコミュニケーションのうち高い評価を得たものであり、組織内の管理者が真似すべき対応であるといえる。同様に、出力手段124によって出力される「組織内のメンバーに対して有効でないコミュニケーション」は、組織内の管理者−メンバーと同一の特性関係を有する他の管理者−メンバーにおいて、他の管理者が取ったコミュニケーションのうち低い評価を得たものであり、組織内の管理者が真似すべきでない対応であるといえる。
【0115】
なお、処理400では、ステップS401の後にステップS402、ステップS403を行うように説明したが、ステップS401〜ステップS403の順序はこれに限定されない。例えば、ステップS402の後にステップS401を行うようにしてもよい。
【0116】
図6は、コンピュータシステム100において行われる、コミュニケーションについてのアドバイスを提供するための処理の別の一例(処理600)を示す。処理600は、組織内のメンバーの特性に加えて、組織内の管理者の特性に基づいてアドバイスを提供する点で、処理400とは異なっている。コンピュータシステム100は、処理600を行うことによって、特定の状況下の組織内のメンバーに対してどのようなコミュニケーションをとるべきかのアドバイスをマネージャ等の組織の管理者に提供することができる。これにより、組織内のメンバーと、組織内の管理者とのコミュニケーションにおける不具合を解消することができ、また、客観的な分析に基づいた適切なコミュニケーションを行うことができるようになる。
【0117】
ステップS601において、プロセッサ部120の受信手段121が、組織のメンバーの特性を受信する。ステップS601は、ステップS401と同様の処理である。
【0118】
ステップS602において、プロセッサ部120の決定手段122が、組織内のメンバーが複数の状況のうちのある状況下にあることを決定する。ステップS602は、ステップS402と同様の処理である。
【0119】
ステップS603において、プロセッサ部120の受信手段121が、組織の管理者の特性を受信する。受信手段121は、インターフェース部110を介して入力された組織の管理者の特性を受信してもよいし、受信手段121は、インターフェース部110を介して入力されたデータに基づいて第2の決定手段が決定した組織の管理者の特性を受信してもよい。
【0120】
組織の管理者の特性は、組織のメンバーの特性と同様に、例えば、少なくとも4つの観点を有し得る。4つの観点は、例えば、欲求の特性、脳内伝達物質の特性、拘りの特性、ストレスの感じ方の特性であり得る。組織の管理者の特性は、例えば、少なくとも4つの観点についてインターフェース部110を介して入力されるようにしてもよいし、第2の決定手段によって少なくとも4つの観点について決定されるようにしてもよい。第2の決定手段は、例えば、組織のメンバーの特性と同様に、インターフェース部110を介して入力されたデータと、少なくとも4つの観点とを関連付ける対応表を用いて、組織の管理者の特性を決定することができる。
【0121】
ステップS604において、プロセッサ部120の取得手段123が、第1の人物に対してなされたコミュニケーションの第1の人物による評価を取得する。ステップS604は、ステップS403と同様の処理である。
【0122】
ステップS605において、プロセッサ部120の出力手段124は、ステップS601で受信された組織内のメンバーの特性と、ステップS602で決定された状況と、ステップS603で受信された組織内の管理者の特性と、ステップS604で取得された評価とに基づいて、決定された状況下の組織内のメンバーに対するコミュニケーションについてのアドバイスを出力する。出力手段124は、例えば、インターフェース部110を介して、コンピュータシステム100の外部にアドバイスを出力することができる。
【0123】
例えば、出力手段124は、データベース部200に格納されているコミュニケーションを参照し、ステップS602で決定された状況、ステップS601で受信されたメンバーの特性、およびステップS603で受信された管理者の特性のすべてに関連付けられたコミュニケーションをデータベース部から取得する。そのとき、そのコミュニケーションに対する評価を参照し、評価が良いコミュニケーションが組織内のメンバーに対して有効なコミュニケーションであるというアドバイス、および、評価が悪いコミュニケーションが組織内のメンバーに対して有効でないコミュニケーションであるとのアドバイスの少なくとも1つを出力することができる。出力手段124は、例えば、取得されたコミュニケーションが複数ある場合、それらのコミュニケーションに対する評価を参照し、評価が良い順に降順または昇順で並べ替えて、組織内のメンバーに対して有効なコミュニケーションまたは組織内のメンバーに対して有効でないコミュニケーションとして出力するようにしてもよい。あるいは、出力手段124は、例えば、評価が所定の閾値よりも高いまたは低いコミュニケーションのみを組織内のメンバーに対して有効なコミュニケーションまたは組織内のメンバーに対して有効でないコミュニケーションとして出力するようにしてもよい。
【0124】
このようにして出力されたアドバイスは、例えば、
図2Bに示される通知画面40の第1のアドバイス表示部42または第2のアドバイス表示部43に表示され得る。例えば、組織内のメンバーに有効なコミュニケーションは、
図2Bに示される通知画面40の第1のアドバイス表示部42に表示され得、組織内のメンバーに有効でないコミュニケーションは、
図2Bに示される通知画面40の第2のアドバイス表示部43に表示され得る。
【0125】
このように、組織内のメンバーが置かれている状況と、組織内のメンバーの特性と、組織内の管理者の特性と、コミュニケーションに対する評価とに基づいて、組織内のメンバーとのコミュニケーションについてのアドバイスを提供することにより、特定の状況下のメンバーに対してどのようなコミュニケーションをとるべきかのアドバイスをより高精度で提供することができる。特に、過去になされたコミュニケーションとその評価とが考慮されるため、自身または他人の過去の成功または失敗を踏まえたコミュニケーションについてのアドバイスが提供されることになる。さらに、第1の人物が組織内のメンバーと同一または類似する特性を有する人物である場合には、組織内のメンバーの特性により適したアドバイスが提供されるようになる。また、第1の人物に対して過去になされたコミュニケーションが、組織内のメンバーが置かれた状況と同一の状況下の第1の人物に対して過去になされたコミュニケーションである場合には、組織内のメンバーの状況により適したアドバイスが提供されるようになる。組織の管理者は、経験則や感覚、主観的な認識等の不確定な変動要素に基づくのではなく、客観的な分析に基づいたアドバイスを受けることができ、組織内のメンバーとの適切なコミュニケーションをすることができるようになる。これにより、組織内の管理者と組織内のメンバーとのコミュニケーションが円滑になり、組織内のメンバーによる協働が促進され、ひいては、効率の改善につながる。また、組織のマネジメントを効果的にすることを促すことも可能である。
【0126】
なお、処理600では、ステップS601の後にステップS602、ステップS603、ステップS604を行うように説明したが、ステップS601〜ステップS604の順序はこれに限定されない。例えば、ステップS602の後にステップS601を行うようにしてもよいし、ステップS603の後にステップS602、ステップS601を行うようにしてもよい。
【0127】
図4、
図6を参照して上述した例では、
図4、
図6に示される各ステップの処理は、プロセッサ部120とメモリ部130に格納されたプログラムとによって実現することが説明されたが、本発明はこれに限定されない。
図4、
図6に示される各ステップの処理のうちの少なくとも1つは、制御回路などのハードウェア構成によって実現されてもよい。
【0128】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
【課題】コミュニケーションにおける不具合を改善することができる、コミュニケーションについてのアドバイスを提供するコンピュータシステム、プログラム、方法を提供すること。
【解決手段】本発明のコンピュータシステムは、組織内のメンバーの特性を受信する受信手段と、前記メンバーが複数の状況のうちのある状況下にあることを決定する決定手段と、第1の人物に対して過去になされたコミュニケーションの前記第1の人物による評価を取得する取得手段と、前記状況と、前記メンバーの前記特性と、前記評価とに基づいて、前記状況下の前記メンバーに対するコミュニケーションについてのアドバイスを出力する出力手段とを備える。