(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記半導体基板に集積されている複数の光感知素子は、第1波長領域の光を感知する第1光感知素子と、前記第1波長領域と異なる第2波長領域の光を感知する第2光感知素子とを含むことを特徴とする請求項6に記載のイメージセンサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来のイメージセンサにおける問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、ピクセル大きさを一定の大きさ以下に縮小しながらも各画素別に波長選択性を高め、感度および光効率を改善することができるイメージセンサを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記イメージセンサを含む電子装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明によるイメージセンサ
は、複数の光感知素子が集積されている半導体基板と、前記半導体基板の上部に位置し、複数のナノパターンを有するナノパターン層と、を有し、前記複数のナノパターンに含まれる単一のナノパターンは、前記複数の光感知素子に含まれる単一の光感知素子に対応する位置に配置さ
れ、前記ナノパターン層は、互いに異なる屈折率を有する第1誘電物質及び第2誘電物質を含み、前記第1誘電物質及び第2誘電物質が互いに異なる領域に形成され、前記ナノパターンは、前記第1誘電物質と第2誘電物質間との境界面によって定義(define)され、前記単一のナノパターンは、平面図上で、円形環の形状を有し、前記円形環の内部は前記第1誘電物質または前記第2誘電物質を含み、前記円形環の外側領域及び内側領域は、それぞれ前記円形環の内部の誘電物質ではない、前記第2誘電物質または前記第1誘電物質を含むことを特徴とする。
【0007】
前記
単一のナノパターンは、対応する位置にある光感知素子が感知する波長領域の光を透過させることが好ましい。
前記ナノパターンの大きさは、100ナノメートル以上1マイクロメートル未満であることが好まし
い。
前記
第1及び第2誘電物質は、0.2以上の屈折率差を有することが好ましい。
前記ナノパターン層の厚さは、1マイクロメートル未満であることが好ましい。
前記ナノパターン層の上部に位置する有機光電素子をさらに含み、前記有機光電素子は互いに対向する第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に位置する有機光電変換層とを含むことが好ましい。
前記半導体基板に集積されている複数の光感知素子は、第1波長領域の光を感知する第1光感知素子と、前記第1波長領域と異なる第2波長領域の光を感知する第2光感知素子と、を含むことが好ましい。
前記有機光電変換層は、前記第1波長領域及び前記第2波長領域と異なる第3波長領域の光を吸収することが好ましい。
【0008】
前記第1光感知素子と前記第2光感知素子は水平方向に離隔して位置し、前記第1光感知素子に対応して位置するナノパターンの大きさと、前記第2光感知素子に対応して位置するナノパターンの大きさは、互いにとは、互いに異なることが好ましい。
前記第1光感知素子に対応して位置するナノパターンは、第1波長領域の光を選択的に透過し、前記第2光感知素子に対応して位置するナノパターンは、第2波長領域の光を選択的に透過することが好ましい。
前記第1波長領域は青色波長領域であり、前記第2波長領域は赤色波長領域であり、前記第3波長領域は緑色波長領域であることが好ましい。
前記赤色波長領域は580nm超過700nm以下で最大吸収波長(λ
max)を有し、前記青色波長領域は400nm以上500nm未満で最大吸収波長(λ
max)を有し、前記緑色波長領域は、500nm以上580nm以下で最大吸収波長(λ
max)を有することが好ましい。
前記第1光感知素子と前記第2光感知素子は、前記半導体基板の表面から互いに異なる深さに配置されることが好ましい。
前記第1光感知素子は、前記第2光感知素子より長波長領域の光を感知し、
前記第1光感知素子の位置は、前記第2光感知素子の位置より前記半導体基板の表面から深い位置に位置することが好ましい。
前記第1光感知素子と前記第2光感知素子は、上下に積層されて配置されることが好ましい。
前記複数のナノパターンは、前記第3波長領域の光を前記有機光電変換層に選択的に反射することが好ましい。
前記イメージセンサは、有機カラーフィルタを含まないことが好ましい。
前記有機光電変換層はp型半導体とn型半導体を含み、前記p型半導体と前記n型半導体はpn接合を形成することが好ましい。
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明による電子装置は、上記本発明によるイメージセンサを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るイメージセンサ及びこれを含む電子装置によれば、ピクセルの大きさを一定の大きさ以下に縮小しながらも各画素別に波長選択性を高めてイメージセンサの感度及び光効率を改善することができるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係るイメージセンサ及びこれを含む電子装置を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0013】
図面において、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書全体にわたって類似の部分については同一の図面符号を付けた。層、膜、領域、基板などの部分が他の部分の“上”にあるという時、これは他の部分の“直上”にある場合だけでなく、その中間に他の構成要素がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の“直上”にあるという時はその中間に他の構成要素がないことを意味する。
【0014】
図1を参照して本発明の一実施形態によるCMOSイメージセンサを説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるCMOSイメージセンサの構成を示す一部断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態によるCMOSイメージセンサ1000は半導体基板110及び半導体基板110の上部に位置するナノパターン層70を含む。
【0015】
半導体基板110は、シリコン基板であってもよく、単結晶のシリコン基板であってもよい。
半導体基板110は、複数の光感知素子50及び伝送トランジスタ(図示せず)が集積されている。
複数の光感知素子50は、光ダイオード(photodiode)であってもよい。
【0016】
図1では、隣接した青色画素、緑色画素、及び赤色画素を例示的に説明するが、これに限定されるのではない。
以下で、図面符号に‘B’が含まれている構成要素は青色画素に含まれている構成要素であり、図面符号に‘G’が含まれている構成要素は緑色画素に含まれている構成要素であり、図面符号に‘R’が含まれている構成要素は赤色画素に含まれている構成要素を示す。
【0017】
光感知素子50及び伝送トランジスタは、各画素ごとに集積され、図面のように、光感知素子50は青色画素の青色光感知素子50B、緑色画素の緑色光感知素子50G、及び赤色画素の赤色光感知素子50Rを含む。
光感知素子50は、光をセンシングし、光感知素子50によってセンシングされた情報は伝送トランジスタによって伝達される。
【0018】
半導体基板110の上にはまた、金属配線(図示せず)及びパッド(図示せず)が形成される。
金属配線及びパッドは、信号遅延を減らすために低い比抵抗を有する金属、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(g)及びこれらの合金から形成できるが、これに限定されるものではない。
【0019】
金属配線及びパッドの上には絶縁層60が形成される。
絶縁層60は、酸化ケイ素及び/又は窒化ケイ素のような無機絶縁物質、又はSiC、SiCOH、SiCO、及びSiOFのような低誘電率(low K)物質から形成できる。
絶縁層60は、各画素の光感知素子(50B、50G、50R)をそれぞれ露出させるトレンチ(図示せず)を有する。トレンチは、充填材によって満たされている。
【0020】
絶縁膜60の上には複数のナノパターンを有するナノパターン層70が形成される。
複数のナノパターンに含まれる単一のナノパターンは、光感知素子(50R、50G、50B)と一対一に対応して配置され、互いに異なる屈折率を有する少なくとも2種の誘電物質(dielectric substances)を含む。
これに関しては、
図2及び
図3を参照して説明する。
【0021】
図2は、
図1の‘A’部分を拡大して示す断面図である。
図2に示すように、複数の光感知素子50が集積されている半導体基板110の上部に複数のナノパターンPを有するナノパターン層70が形成される。
それぞれのナノパターン(P1、P2、P3)は、それぞれの光感知素子(50B、50G、50R)に対応して配置される。
【0022】
ナノパターンPは、数ナノメートル(nm)乃至数百ナノメートル(nm)の大きさを有し、例えば、可視光波長領域と近似する大きさを有する。
可視光波長領域と近似する大きさを有するナノパターンは、可視光との可干渉性が高くなり、パターンの形状制御を通じて透過する光の波長領域を選択することができるので、所定の大きさを有するナノパターンは、所定の波長領域を有する光を選択的に透過できる。
【0023】
ナノパターンの大きさ(d1、d2、d3)は、例えば1ナノメートル(nm)以上1マイクロメートル(μm)未満、10ナノメートル(nm)以上1マイクロメートル(μm)未満、100ナノメートル(nm)以上1マイクロメートル(μm)未満、又は150ナノメートル(nm)以上1マイクロメートル(μm)未満であってもよいが、これに限定されるのではない。
ここで、ナノパターンの大きさとは、ナノパターン層70を水平方向に切断した断面において一つのナノパターンが有する最長横長さ(幅)を意味する。
一例として、ナノパターンが円形環の形状を有する場合、パターンの大きさは外側円(outer circle)の直径になる。
【0024】
図3は、本発明の一実施形態によるイメージセンサに適用したナノパターンを通じて特定領域の波長が選択される原理を説明するための図である。
図3に示すように、ナノパターンPに入射した光の波面(wavefronts)はナノパターンPを構成する屈折率が互いに異なる誘電物質M1、M2の間で干渉を起こし、これにより、特定領域の波長の光がナノパターンPを透過できるようになる。
ここで、誘電物質とは、電場の中で分極する(誘電分極:dielectric polarization)が電気を通さない絶縁体物質を意味し、一例として2種の誘電物質M1、M2は、0.2以上の屈折率差を有する。
【0025】
図4は、本発明の一実施形態によるイメージセンサに適用したナノパターンの多様な形状を例として示す平面図である。
図4に示すナノパターンPは、(a)、(b)の円形環、又は(c)の四角環の形状を有するものが示したが、円形、四角形、三角形などその形状は特に限定されない。
【0026】
図4に示すように、ナノパターンPは、屈折率n1、n2が互いに異なる2種の誘電物質の間の境界面によって定義(define)される。
図4の(a)に示すように、円形環部分は屈折率がn1である誘電物質で構成され、円形環a部分と境界面を形成する外側領域及び内側領域は屈折率がn2である誘電物質で構成されるものを示したが、これは一例に過ぎず、円形環部分は屈折率n1である誘電物質で構成され、円形環の外周部分と境界面を形成する外側領域は屈折率n2である誘電物質で構成され、円形環の内周部分と境界面を形成する内側領域は屈折率n3である誘電物質で構成されてもよい(n1≠n2≠n3)。
【0027】
図5は、本発明の一実施形態によるイメージセンサに適用したナノパターン層の一例を示す平面図であり、
図6は、
図5のI−I線に沿った断面図である。
図5及び
図6に示すように、ナノパターン層は、円形形状を有する複数のナノパターンP1、P2、P3を含む。
【0028】
ナノパターン層は、互いに異なる屈折率n1、n2を有する2種の誘電物質を含み、2種の誘電物質は互いに異なる領域に形成される。
複数のナノパターンの大きさd1、d2、d3は互いに同一であってもよく、異なってもよい。
図6に示すように、所定の大きさを有するナノパターンは可視光線領域の中の所定の波長領域(例えば、青色、緑色、赤色波長領域)の光を選択的に透過させることができ、ナノパターンの大きさd(d1、d2、d3)は透過させようとする波長領域によって選択される。
一例として、ナノパターンの大きさd1、d2、d3は、それぞれ独立的に1μm未満、10nm以上1μm未満、100nm以上1μm未満、又は150nm以上1μm未満であってもよい。
【0029】
上述のイメージセンサは、所定の大きさのナノパターンを有するナノパターン層を備えることによって別途の有機カラーフィルタ層を備える必要なく、高い色分離特性を有する。
例えば、厚さ約50nm以上1マイクロメートル未満、または約200nm以上500nm以下のナノパターン層を導入することによって、相対的に大きい厚さを有する有機カラーフィルタ層を省略することができるようになり、ピクセル大きさの小型化を実現することができる。
また、ナノパターン層が光を集束させる特性を有するので、別途のマイクロレンズを備えなくても集光特性を確保することができる。
【0030】
以下では、本発明の他の実施形態によるイメージセンサについて説明する。
図7は、本発明の他の実施形態によるCMOSイメージセンサの構成を示す一部断面図である。
図7に示すように、本実施形態によるイメージセンサ2000は、前述の実施形態と同様に、半導体基板110及び半導体基板110の上部に位置するナノパターン層70を含む。
【0031】
半導体基板110は、シリコン基板であってもよく、単結晶のシリコン基板であってもよい。
半導体基板110は、青色光感知素子50B、赤色光感知素子50R、電荷貯蔵所55、及び伝送トランジスタ(図示せず)が集積される。
青色光感知素子50B及び赤色光感知素子50Rは、光ダイオード(photodiode)であってもよい。
【0032】
青色光感知素子50B、赤色光感知素子50R、伝送トランジスタ及び/又は電荷貯蔵所55は、各画素ごとに集積されており、一例として、
図7に示すように青色光感知素子50Bは青色画素に含まれ、赤色光感知素子50Rは赤色画素に含まれる。
電荷貯蔵所55は、緑色画素にのみ示したが、青色画素及び赤色画素も青色光感知素子50Bと接続される電荷貯蔵所及び赤色光感知素子50Rと接続される電荷貯蔵所をそれぞれ含むことができる。
【0033】
青色光感知素子50B、赤色光感知素子50Rは、光をセンシングし、センシングされた情報は伝送トランジスタによって伝達され、緑色画素の電荷貯蔵所55は後述の有機光電素子100と電気的に接続されており、電荷貯蔵所55の情報は伝送トランジスタによって伝達される。
【0034】
半導体基板110の上にはまた、金属配線(図示せず)及びパッド(図示せず)が形成される。
金属配線及びパッドは、信号遅延を減らすために低い比抵抗を有する金属、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(g)、及びこれらの合金で形成できるが、これに限定されるのではない。
しかし、上記構造に限定されず、金属配線及びパッドが光感知素子(50B、50R)の下部に配置されてもよい。
金属配線及びパッドの上には下部絶縁層60が形成されており、前述の実施形態で説明した通りである。
【0035】
下部絶縁膜60の上には複数のナノパターンを有するナノパターン層70が形成される。
複数のナノパターンに含まれる単一のナノパターンは、光感知素子(50R、50B)に一対一に対応して配置される。これについては
図8を参照して説明する。
【0036】
図8は、
図7の‘B’部分を拡大して示す断面図である。
図8に示すように、複数の光感知素子(50R、50B)が集積されている半導体基板110の上部に複数のナノパターンPを有するナノパターン層70が形成されている。
それぞれのナノパターンP1、P3は、それぞれの光感知素子50B、50Rに対応して配置される。
上述のように、ナノパターンPは、数nm以上数百nm以下の大きさを有し、例えば可視光波長領域と近似する大きさを有してもよい。
可視光波長領域と近似する大きさを有するナノパターンPは、可視光との可干渉性が高くなり、パターンの形状制御を通じて透過する光の波長領域を選択することができる。
【0037】
ナノパターンの大きさ(d1、d3)は、透過させようとする波長領域によって調節される。
ナノパターンの大きさ(d1、d3)は、例えば、1nm以上1μm未満、10nm以上1μm未満、100nm以上1μm未満、又は150nm以上1μm未満であってもよいが、これに限定されるのではない。
【0038】
再び、
図7を参照すると、ナノパターン層70の上には上部絶縁層80が形成される。
上部絶縁層80及び下部絶縁層60は、パッドを露出させる接触口(図示せず)と、緑色画素の電荷貯蔵所55を露出させる貫通口85とを有する。
上部絶縁層80の上には有機光電素子100が形成される。
【0039】
有機光電素子100は、互いに対向する第1電極10と第2電極20、そして第1電極10と第2電極20の間に位置する有機光電変換層30を含む。
有機光電変換層30は、例えば、p型半導体とn型半導体を含むことができ、p型半導体とn型半導体はpn接合(pn junction)を形成する。
p型半導体とn型半導体の内の少なくとも一つは、緑色波長領域の光を選択的に吸収することができ、緑色波長領域の光を選択的に吸収してエキシトン(exciton)を生成した後、生成されたエキシトンを正孔と電子に分離して光電効果を出すことができる。
【0040】
p型半導体物質は、例えば、キナクリドン(quinacridone)又はその誘導体、サブフタロシアニン(subphthalocyanine)、又はその誘導体であり得、n型半導体物質は、例えば、シアノビニル基を有するチオフェン誘導体(cyanovinyl group containing thiophene derivative)、サブフタロシアニン(subphthalocyanine)、又はその誘導体、フラーレン又はフラーレン誘導体であり得るが、これに限定されるのではない。
【0041】
有機光電変換層30は、単一層であってもよく、複数層であってもよい。
有機光電変換層30は、例えば、真性層(intrinsic layer、I層)、p型層/I層、I層/n型層、p型層/I層/n型層、p型層/n型層など多様な組み合わせであり得る。
ここでいう真性層(I層)とは、p型半導体とn型半導体が、約1:100〜約100:1の厚さ比の範囲内で形成されて含まれるものである。
上記範囲内で、約1:50〜50:1の厚さ比で含まれるか、上記範囲内で約1:10〜10:1の厚さ比で含まれるか、上記範囲内で約1:1の厚さ比で含まれ得る。
p型半導体とn型半導体が上記範囲内の組成比を有することによって、効果的なエキシトン生成及びpn接合形成に有利である。
p型層はp型半導体を含み、n型層はn型半導体を含む。
【0042】
有機光電変換層30は、約1nm〜500nmの厚さを有してもよい。
上記範囲内で約5nm〜300nmの厚さを有してもよい。
上記範囲内の厚さを有することによって、光を効果的に吸収し正孔と電子を効果的に分離及び伝達することによって、光電変換効率を効果的に改善することができる。
【0043】
第2電極20は、有機光電変換層30の上部に位置し、光が入射する透光電極である。
第2電極20は、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウム亜鉛オキサイド(IZO)のような透明導電体から形成されるか、数nm〜数十nmの厚さの薄い厚さで形成された金属薄膜、又は金属酸化物がドーピングされた数nm〜数十nmの厚さの薄い厚さで形成された単一層又は複数層の金属薄膜であってもよい。
第1電極10と第2電極20の内の一つはアノードであり、他の一つはカソードである。
【0044】
第1電極10、有機光電変換層30、及び第2電極20は有機光電素子を形成し、第2電極20側から光が入射して有機光電変換層30が緑色波長領域の光を吸収すると、内部でエキシトンが生成される。
エキシトンは、有機光電変換層30で正孔と電子に分離され、分離された正孔は第1電極10と第2電極20の内の一つであるアノード側に移動し、分離された電子は第1電極10と第2電極20の内の他の一つであるカソード側に移動して、電流が流れるようになる。
分離された電子又は正孔は、電荷貯蔵所55に集められる。
緑色波長領域を除いた残りの波長領域の光は、第1電極10を通過して青色光感知素子50B又は赤色光感知素子50Rによってセンシングされる。
有機光電素子100は、イメージセンサの全面に形成され、これによりイメージセンサの全面で光を吸収することができ、光面積を高めて高い吸光効率を得ることができる。
【0045】
図7及び
図8に示したように、青色波長領域の光を感知する青色光感知素子50Bと赤色波長領域の光を感知する赤色光感知素子50Rは水平方向に離隔して位置する。
青色光感知素子50Bに対応して位置するナノパターンP1と赤色光感知素子50Rに対応して位置するナノパターンP3の形状が同一である場合、青色光感知素子50Bに対応して位置するナノパターンP1の大きさd1と赤色光感知素子50Rに対応して位置するナノパターンの大きさd3は互いに異なる。
【0046】
図7では青色波長領域の光を感知する青色光感知素子50Bと赤色波長領域の光を感知する赤色光感知素子50Rが半導体基板110内に集積されており、有機光電素子100が緑色波長領域の光を選択的に吸収する有機光電変換層30を含む構造を示したが、これに限定されず、青色波長領域の光を感知する光感知素子と緑色波長領域の光を感知する光感知素子が半導体基板110内に集積され、有機光電素子100が赤色波長領域の光を選択的に吸収する有機光電変換層を含む構造であるか、赤色波長領域の光を感知する光感知素子と緑色波長領域の光を感知する光感知素子が半導体基板110内に集積され、有機光電素子100が青色波長領域の光を選択的に吸収する有機光電変換層を含む構造にも同一に適用できる。
【0047】
ここで、赤色波長領域は、例えば約580nm超過700nm以下で最大吸収波長(λ
max)を有し、青色波長領域は、例えば約400nm以上500nm未満で最大吸収波長(λ
max)を有し、緑色波長領域は、例えば約500nm以上580nm以下で最大吸収波長(λ
max)を有し得る。
【0048】
本実施形態によるイメージセンサは、上述の実施形態のように、所定の大きさのナノパターンを有するナノパターン層を備えることによって、別途の有機カラーフィルタ層を備える必要なく高い色分離特性を得ることができる。
また、ナノパターン層70の導入による干渉の発生によって緑色波長領域の光を有機光電変換層30に選択的に反射させることによって有機光電変換層30の緑色光吸収率をさらに高めることができる。
【0049】
図7及び
図8に示したイメージセンサ2000は、青色光感知素子50Bと赤色光感知素子50Rが半導体基板110の表面から同じ深さに位置しているが、これに限定されるものではなく、青色光感知素子50Bと赤色光感知素子50Rが半導体基板110の表面から実質的に互いに異なる深さに配置されてもよい。
一例として、赤色光感知素子50Rが青色光感知素子50Bより半導体基板110の表面から深く配置されてもよい。
【0050】
図9は、本発明のさらに他の実施形態によるCMOSイメージセンサの構成を示す一部断面図である。
図9に示すように、本実施形態によるイメージセンサ3000は、上述の実施形態と同様に、半導体基板110、半導体基板110の上部に位置するナノパターン層70、そしてナノパターン層70の上部に位置する有機光電素子100を含む。
【0051】
半導体基板110はシリコン基板であってもよく、単結晶のシリコン基板であってもよい。
半導体基板110は、青色光感知素子50B、赤色光感知素子50R、電荷貯蔵所55、及び伝送トランジスタ(図示せず)が集積される。
青色光感知素子50B及び赤色光感知素子50Rは光ダイオード(photodiode)であってもよい。
しかし、本実施形態によるイメージセンサ3000は、上述の実施形態とは異なり、青色光感知素子50Bと赤色光感知素子50Rが重畳して積層されている。
青色光感知素子50Bと赤色光感知素子50Rは電荷貯蔵所(図示せず)と電気的に接続されており、情報は伝送トランジスタによって伝達される。
【0052】
前述のように緑色波長領域の光を選択的に吸収する有機光電素子が積層された構造を有し、赤色光感知素子と青色光感知素子が積層された構造を有することによって、イメージセンサの大きさをさらに減らし、イメージセンサの厚さの増加によるクロストークを減らすことができる。
また、前述のように、ナノパターン層70の導入による干渉の発生によって緑色波長領域の光を有機光電変換層30に選択的に反射させることによって有機光電変換層30の緑色光吸収率をさらに高めることができる。
【0053】
前述のイメージセンサは、半導体基板の上部に所定のパターン大きさを有するナノパターン層を備えることによって、特定波長領域の光を選択的に透過及び反射させることにより、別途の有機カラーフィルタ層を備える必要なく高い色分離特性を有するだけでなく、有機光電変換層の光吸収度を高めて光変換効率を増加させることができる。
また、イメージセンサの厚さが小さくなることにより、別途のマイクロレンズを備えなくても集光特性を確保することができる。
【0054】
本発明のイメージセンサは多様な電子装置に適用することができ、例えば、モバイルフォン、デジタルカメラ、生体認識センサなどに適用することができるが、これに限定されるのではない。
以下、実施例を通じて上述の本発明の実施形態をより詳細に説明する。
但し、下記の実施例は単に説明の目的のためのものであり、本発明の範囲を制限するのではない。
【0055】
〔実施例〕
・波長選択性評価
(実施例1)
本発明の一実施形態によるナノパターン層を適用したイメージセンサの波長選択性を確認するために光学シミュレーションを用いて評価する。
光学シミュレーションは、Finite−difference Time−domain(FDTD)方式で計算され、Lumerical FDTD Solutionプログラムを使用する。
【0056】
図10は、本実施例によるナノパターン層の1つのナノパターンを示す平面図である。
図10に示すように、本実施例によるナノパターン層は円環形態のナノパターンを有し、円環部分に該当する領域は屈折率(n)=2の誘電物質から形成され、その他の領域(外周領域、円環内領域)は屈折率(n)=1.5の誘電物質から形成されると仮定し、円環の外周円の直径は400nm、内周円の直径は340nmであると仮定する。
【0057】
図11は、本実施例によるナノパターン層を上部に導入したシリコン(Si)フォトダイオードでの青色電場分布図(a)及び赤色電場分布図(b)である。
図11に示すように、横軸はシリコン(Si)フォトダイオードのピクセル大きさ(800nm)を意味し、縦軸はシリコン(Si)フォトダイオードの厚さ(1500nm)を意味し、シリコン(Si)フォトダイオードの上には
図10で示したナノパターン層が位置する。
【0058】
図11に示すように、所定の大きさのナノパターンを有するナノパターン層が上部に位置するシリコン(Si)フォトダイオードは、別途の有機カラーフィルタを備えなくても青色波長領域に対する波長選択性を有するのを確認することができる。
【0059】
(実施例2)
本発明の一実施形態によるナノパターン層を適用したイメージセンサの波長選択性を確認するために光学シミュレーションを用いて評価する。
光学シミュレーションは、実施例1で使用されるプログラムと同一のものを使用する。
図12は、本実施例によるナノパターン層の1つのナノパターンを示す平面図である。
【0060】
図12に示すように、本実施例によるナノパターン層は円環形態のパターンを有し、円環部分に該当する領域は屈折率(n)=1.5の誘電物質から形成され、その他の領域(外周領域、円環内領域)は屈折率(n)=2の誘電物質から形成されると仮定し、円環の外周円の直径は300nm、内周円の直径は100nmであると仮定する。
【0061】
図13は、本実施例によるナノパターン層を上部に導入したシリコン(Si)フォトダイオードでの青色電場分布図(a)及び赤色電場分布図(b)である。
図13に示すように、横軸はシリコン(Si)フォトダイオードのピクセル大きさ(800nm)を意味し、縦軸はシリコン(Si)フォトダイオードの厚さ(1500nm)を意味し、シリコン(Si)フォトダイオードの上には
図12で示したナノパターン層が位置する。
【0062】
図13に示すように、所定の大きさのナノパターンを有するナノパターン層が上部に導入されたシリコン(Si)フォトダイオードは、別途の有機カラーフィルタを備えなくても赤色波長領域に対する波長選択性を有するのを確認することができる。
【0063】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。