【実施例】
【0047】
以下、実験例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。
【0048】
[実験例1]
Cz−1を、クロロホルムに溶解して、Cz−1を含む溶液を調製した。
Cz−1を含む溶液の濃度は、1.0mg/mLであった。
この溶液を、厚さ10mmのガラス基板上に塗布し、乾燥して、ガラス基板上に、厚さ0.1μmのCz−1からなる実験例1の薄膜を形成した。
得られた薄膜について、フォトルミネッセンス(PL)装置(JASCO社製)により、PLスペクトルを測定した。結果を
図3および
図4に示す。
図3は、実験例1の薄膜のPLスペクトルを示す図であり、実線は波長350nmの自然光(励起光)を照射した場合の発光のスペクトルを示し、破線は波長405nmのレーザー光を照射した場合の発光のスペクトルを示す。
図3の結果から、実験例1の薄膜は、波長350nmの自然光を照射した場合には、波長420nmの光を発光し、波長405nmのレーザー光を照射した場合には、波長420nmから700nmの光からなる白色光を発光することが分かった。
また、
図4は、実験例1の薄膜に波長405nmのレーザー光を照射した場合の発光を撮影した光学顕微鏡写真である。この写真からも、実験例1の薄膜は、波長405nmのレーザー光を照射した場合には白色光を発光することが確認された。
【0049】
[実験例2]
Cz−2を、クロロホルムに溶解して、Cz−2を含む溶液を調製した。
Cz−2を含む溶液の濃度は、1.0mg/mLであった。
この溶液を、厚さ10mmのガラス基板上に塗布し、乾燥して、ガラス基板上に、厚さ0.1μmのCz−2からなる実験例2の薄膜を形成した。
得られた薄膜について、実験例1と同様にして、PLスペクトルを測定した。結果を
図5および
図6に示す。
図5は、実験例2の薄膜のPLスペクトルを示す図であり、実線は波長350nmの自然光(励起光)を照射した場合の発光のスペクトルを示し、破線は波長405nmのレーザー光を照射した場合の発光のスペクトルを示す。
図5の結果から、実験例2の薄膜は、波長350nmの自然光を照射した場合には、波長420nmの光を発光し、波長405nmのレーザー光を照射した場合には、波長420nmから700nmの光からなる白色光を発光することが分かった。
また、
図6は、実験例2の薄膜に波長405nmのレーザー光を照射した場合の発光を撮影した光学顕微鏡写真である。この写真からも、実験例2の薄膜は、波長405nmのレーザー光を照射した場合には白色光を発光することが確認された。
【0050】
[実験例3]
Cz−3を、クロロホルムに溶解して、Cz−3を含む溶液を調製した。
Cz−3を含む溶液の濃度は、1.0mg/mLであった。
この溶液を、厚さ10mmのガラス基板上に塗布し、乾燥して、ガラス基板上に、厚さ0.1μmのCz−3からなる実験例3の薄膜を形成した。
得られた薄膜について、実験例1と同様にして、PLスペクトルを測定した。結果を
図7および
図8に示す。
図7は、実験例3の薄膜のPLスペクトルを示す図であり、実線は波長350nmの自然光(励起光)を照射した場合の発光のスペクトルを示し、破線は波長405nmのレーザー光を照射した場合の発光のスペクトルを示す。
図7の結果から、実験例3の薄膜は、波長350nmの自然光を照射した場合には、波長420nmの光を発光し、波長405nmのレーザー光を照射した場合には、波長420nmから700nmの光からなる白色光を発光することが分かった。
また、
図8は、実験例3の薄膜に波長405nmのレーザー光を照射した場合の発光を撮影した光学顕微鏡写真である。この写真からも、実験例3の薄膜は、波長405nmのレーザー光を照射した場合には白色光を発光することが確認された。
【0051】
[実験例4]
Cz−4を、クロロホルムに溶解して、Cz−4を含む溶液を調製した。
Cz−4を含む溶液の濃度は、1.0mg/mLであった。
この溶液を、厚さ10mmのガラス基板上に塗布し、乾燥して、ガラス基板上に、厚さ0.1μmのCz−4からなる実験例4の薄膜を形成した。
得られた薄膜について、実験例1と同様にして、PLスペクトルを測定した。結果を
図9および
図10に示す。
図9は、実験例4の薄膜のPLスペクトルを示す図であり、実線は波長350nmの自然光(励起光)を照射した場合の発光のスペクトルを示し、破線は波長405nmのレーザー光を照射した場合の発光のスペクトルを示す。
図9の結果から、実験例4の薄膜は、波長350nmの自然光を照射した場合には、波長420nmの光を発光し、波長405nmのレーザー光を照射した場合には、波長420nmから700nmの光からなる白色光を発光することが分かった。
また、
図10は、実験例4の薄膜に波長405nmのレーザー光を照射した場合の発光を撮影した光学顕微鏡写真である。この写真からも、実験例4の薄膜は、波長405nmのレーザー光を照射した場合には白色光を発光することが確認された。
【0052】
[実験例5]
Cz−5を、クロロホルムに溶解して、Cz−5を含む溶液を調製した。
Cz−5を含む溶液の濃度は、1.0mg/mLであった。
この溶液を、厚さ10mmのガラス基板上に塗布し、乾燥して、ガラス基板上に、厚さ0.1μmのCz−5からなる実験例5の薄膜を形成した。
得られた薄膜について、実験例1と同様にして、PLスペクトルを測定した。結果を
図11および
図12に示す。
図11は、実験例5の薄膜のPLスペクトルを示す図であり、実線は波長350nmの自然光(励起光)を照射した場合の発光のスペクトルを示し、破線は波長405nmのレーザー光を照射した場合の発光のスペクトルを示す。
図11の結果から、実験例4の薄膜は、波長350nmの自然光を照射した場合には、波長420nmの光を発光し、波長405nmのレーザー光を照射した場合には、波長420nmから700nmの光からなる白色光を発光することが分かった。
また、
図12は、実験例5の薄膜に波長405nmのレーザー光を照射した場合の発光を撮影した光学顕微鏡写真である。この写真からも、実験例5の薄膜は、波長405nmのレーザー光を照射した場合には白色光を発光することが確認された。
【0053】
[実験例6]
実験例1の薄膜について、UV−VISスペクトル測定装置(JASCO社製)により、吸収スペクトルを測定した。この吸収スペクトルの測定結果と、
図3に示す実験例1におけるPLスペクトルの測定結果とを、
図13に示す。
図13において、実線は実験例1の薄膜の吸収スペクトル、1点鎖線は実験例1の薄膜に波長350nmの自然光(励起光)を照射した場合の発光のスペクトルを示す。
【0054】
[実験例7]
実験例2の薄膜について、実験例6と同様にして、吸収スペクトルを測定した。この吸収スペクトルの測定結果と、
図5に示す実験例2におけるPLスペクトルの測定結果とを、
図13に示す。
図13において、破線は実験例2の薄膜の吸収スペクトル、2点鎖線は実験例2の薄膜に波長350nmの自然光(励起光)を照射した場合の発光のスペクトルを示す。
【0055】
[実験例8]
Cz−1を、クロロホルムに溶解して、Cz−1を含む溶液を調製した。
Cz−1を含む溶液の濃度は、0.5mg/mLであった。
次いで、アセトニトリル5mLを容れた密閉容器内の中央に、Cz−1を含む溶液2mLを容れた容器を配置し、恒温漕の中に、25℃で3日静置した。このとき、密閉容器内に配置する容器は、蓋をすることなく、開放しておいた。
密閉容器内では、アセトニトリルの蒸気が、容器内のCz−1を含む溶液に徐々に移行して、溶液中に、Cz−1からなる、実験例8の球状構造体が析出した。
得られた球状構造体の走査型電子顕微鏡像を
図14に示す。
この球状構造体の中から、粒径2.0μm、2.1μm、2.64μm、2.75μm、2.79μm、2.9μm、2.93μm、3.02μm、3.03μm、3.07μmのものを選別し、実験例1と同様にして、PLスペクトルを測定した。なお、これらの球状構造体は、凝集していない一次粒子である。結果を
図15に示す。
図15は、実験例8の球状構造体に波長405nmのレーザー光を照射した場合のPLスペクトルを示す図である。
図15の結果から、実験例8の球状構造体は、2.0μm〜3.07μmの範囲において、粒径を変えても、波長420nmから700nmの光からなる白色光を発光することが分かった。また、実験例8の球状構造体の発光は、波長400nm〜500nmの青色領域、波長500nm〜540nmの緑色領域、波長540nm〜560nmの黄色領域、波長560nm〜600nmの橙色領域および波長600nm〜800nmの赤色領域のそれぞれに発光成分を有することが分かった。
【0056】
[実験例9]
Cz−2を、クロロホルムに溶解して、Cz−2を含む溶液を調製した。
Cz−2を含む溶液の濃度は、0.5mg/mLであった。
次いで、アセトニトリル5mLを容れた密閉容器内の中央に、Cz−2を含む溶液2mLを容れた容器を配置し、恒温漕の中に、25℃で3日静置した。このとき、密閉容器内に配置する容器は、蓋をすることなく、開放しておいた。
密閉容器内では、アセトニトリルの蒸気が、容器内のCz−2を含む溶液に徐々に移行して、溶液中に、Cz−2からなる、実験例9の球状構造体が析出した。
得られた球状構造体の走査型電子顕微鏡像を
図16に示す。
この球状構造体の中から、粒径2.24μm、2.28μm、2.38μm、2.53μm、2.64μm、2.82μm、3.01μmのものを選別し、実験例1と同様にして、PLスペクトルを測定した。なお、これらの球状構造体は、凝集していない一次粒子である。結果を
図17に示す。
図17は、実験例9の球状構造体に波長405nmのレーザー光を照射した場合のPLスペクトルを示す図である。
図17の結果から、実験例9の球状構造体は、2.24μm〜3.01μmの範囲において、粒径を変えても、波長420nmから700nmの光からなる白色光を発光することが分かった。また、実験例9の球状構造体の発光は、波長400nm〜500nmの青色領域、波長500nm〜540nmの緑色領域、波長540nm〜560nmの黄色領域、波長560nm〜600nmの橙色領域および波長600nm〜800nmの赤色領域のそれぞれに発光成分を有することが分かった。
【0057】
[実験例10]
貧溶媒としてメタノールを用いたこと以外は実験例8と同様にして、溶液中に、Cz−1からなる、実験例10の球状構造体を析出させた。
この球状構造体の中から、粒径4.0μm、4.3μm、4.6μm、4.7μm、5.0μm、5.2μmのものを選別し、実験例1と同様にして、PLスペクトルを測定した。なお、これらの球状構造体は、凝集していない一次粒子である。結果を
図18に示す。
図18は、実験例10の球状構造体に波長405nmのレーザー光を照射した場合のPLスペクトルを示す図である。
図18の結果から、実験例10の球状構造体は、4.0μm〜5.2μmの範囲において、粒径を変えても、波長420nmから700nmの光からなる白色光を発光することが分かった。また、実験例10の球状構造体の発光は、波長400nm〜500nmの青色領域、波長500nm〜540nmの緑色領域、波長540nm〜560nmの黄色領域、波長560nm〜600nmの橙色領域および波長600nm〜800nmの赤色領域のそれぞれに発光成分を有することが分かった。
【0058】
[実験例11]
レーザー光の強度を0.03μW、0.06μW、0.1μW、0.15μW、0.35μW、0.6μW、0.7μW、1.2μW、2.0μWとした以外は実験例1と同様にして、実験例1の薄膜のPLスペクトルを測定した。結果を
図19に示す。
図19は、実験例1の薄膜のPLスペクトルを示す図である。なお、
図19には、参考として、実験例1の薄膜に自然光(0.03μW)を照射した場合の発光スペクトルを示す(
図19に示す破線)。
図19の結果から、実験例1の薄膜は、レーザー光の強度に依存することなく、波長405nmのレーザー光を照射した場合には、波長420nmから700nmの光からなる白色光を発光することが分かった。
【0059】
[実験例12]
レーザー光の強度を0.03μW、0.06μW、0.1μW、0.15μW、0.35μW、0.6μW、0.7μW、1.2μW、2.0μWとした以外は実験例1と同様にして、実験例8の球状構造体のPLスペクトルを測定した。球状構造体としては、粒径2.5μmのものを用いた。結果を
図20に示す。
図20は、実験例8の球状構造体のPLスペクトルを示す図である。
図20の結果から、実験例8の球状構造体は、レーザー光の強度に依存することなく、波長405nmのレーザー光を照射した場合には、波長420nmから700nmの光からなる白色光を発光することが分かった。
【0060】
[実験例13]
Cz−1からなる球状構造体の凝集体(二次粒子)を作製した。得られた凝集体の粒径(二次粒径)は5mmであった。この凝集体は、フッ素化アルキルを表面に付加した石英基板に球状構造体のサスペンション液を滴下することにより作製した。
実験例1の薄膜、実験例8の球状構造体(粒径3μm)、前記の凝集体について、実験例1と同様にして、PLスペクトルを測定した。結果を
図21に示す。
図21は、実験例1の薄膜、実験例8の球状構造体(粒径3μm)、および、前記の凝集体のPLスペクトルを示す図であり、実線は実験例1の薄膜に波長405nmのレーザー光を照射した場合の発光のスペクトル、破線は実験例8の球状構造体に波長405nmのレーザー光を照射した場合の発光のスペクトル、1点鎖線は前記の凝集体に波長405nmのレーザー光を照射した場合の発光のスペクトル、2点鎖線は実験例1の薄膜に波長380nmの自然光を照射した場合の発光のスペクトルを示す。
図21の結果から、実験例1の薄膜は、波長380nmの自然光を照射した場合には、波長420nmの光を発光し、波長405nmのレーザー光を照射した場合には、波長420nmから700nmの光からなる白色光を発光することが分かった。また、球状構造体は、一次粒子でないと、波長405nmのレーザー光を照射しても、波長420nmから700nmの光からなる白色光を発光しないことが分かった。
【0061】
[実験例14]
Cz−2からなる球状構造体の凝集体(二次粒子)を作製した。得られた凝集体の粒径(二次粒径)は5mmであった。この凝集体は、フッ素化アルキルを表面に付加した石英基板に球状構造体のサスペンション液を滴下することにより作製した。
実験例2の薄膜、実験例9の球状構造体(粒径3μm)、前記の凝集体について、実験例1と同様にして、PLスペクトルを測定した。結果を
図22に示す。
図22は、実験例2の薄膜、実験例9の球状構造体(粒径3μm)、および、前記の凝集体のPLスペクトルを示す図であり、実線は実験例2の薄膜に波長405nmのレーザー光を照射した場合の発光のスペクトル、破線は実験例9の球状構造体に波長405nmのレーザー光を照射した場合の発光のスペクトル、1点鎖線は前記の凝集体に波長405nmのレーザー光を照射した場合の発光のスペクトル、2点鎖線は実験例2の薄膜に波長380nmの自然光を照射した場合の発光のスペクトルを示す。
図22の結果から、実験例2の薄膜は、波長380nmの自然光を照射した場合には、波長420nmの光を発光し、波長405nmのレーザー光を照射した場合には、波長420nmから700nmの光からなる白色光を発光することが分かった。また、球状構造体は、一次粒子でないと、波長405nmのレーザー光を照射しても、波長420nmから700nmの光からなる白色光を発光しないことが分かった。
【0062】
[実験例15]
実験例13における各発光の色度を、発光スペクトルから算出した。結果を
図23に示す。
図23は、実験例13における各発光の色度を示すxy色度図である。
図23において、□は実験例1の薄膜、△は実験例8の球状構造体、*は球状構造体の凝集体、○は実験例1の薄膜に波長405nmのレーザー光を照射した場合を示す。
図23の結果から、実験例1の薄膜および実験例8の球状構造体は、白色光を発光することが確認された。
【0063】
[実験例16]
実験例14における各発光の色度を、実験例15と同様にして測定した。結果を
図24に示す。
図24は、実験例14における各励起光の色度を示すxy色度図である。
図24において、□は実験例2の薄膜、△は実験例9の球状構造体、*は球状構造体の凝集体、○は実験例2の薄膜に波長405nmのレーザー光を照射した場合を示す。
図24の結果から、実験例2の薄膜および実験例9の球状構造体は、白色光を発光することが確認された。
【0064】
[実験例17]
実験例1の薄膜について、ピコ秒蛍光寿命測定装置(HORIBA社製)により、蛍光寿命を測定した。レーザー光の波長を405nmとした。結果を
図25および表1に示す。
図25において、実線は波長420nmの発光の蛍光寿命、破線は波長550nmの発光の蛍光寿命、1点鎖線は波長650nmの発光の蛍光寿命を示す。
図25および表1の結果から、実験例1の薄膜の本来の発光(レーザーで励起しない場合の発光)である波長420nmの蛍光寿命は数十ピコ秒であるのに対して、波長550nm(緑色領域)および波長650nm(赤色領域)の発光の蛍光寿命は数千ピコ秒であり、波長550nmおよび波長650nmでは蛍光寿命が大幅に増大していることが分かった。
【0065】
【表1】
【0066】
[実験例18]
実験例8の球状構造体(粒径3μm)について、実験例17と同様にして、蛍光寿命を測定した。結果を
図26および表2に示す。
図26において、実線は波長420nmの発光の蛍光寿命、破線は波長450nmの発光の蛍光寿命、1点鎖線は波長550nmの発光の蛍光寿命、2点鎖線は波長650nmの発光の蛍光寿命を示す。
図26および表2の結果から、実験例8の球状構造体の本来の発光である波長420nmの蛍光寿命は数十ピコ秒であるのに対して、波長450nm(紫色または青色領域)の発光の蛍光寿命は数百ピコ秒であり、波長550nm(緑色領域)および波長650nm(赤色領域)の発光の蛍光寿命は数千ピコ秒であり、波長450nm、波長550nmおよび波長650nmでは、蛍光寿命が大幅に増大していることが分かった。
【0067】
【表2】
【0068】
[実験例19]
実験例2の薄膜について、実験例17と同様にして、蛍光寿命を測定した。結果を
図27および表3に示す。
図27において、実線は波長450nmの発光の蛍光寿命、破線は波長550nmの発光の蛍光寿命、1点鎖線は波長650nmの発光の蛍光寿命を示す。
図27および表3の結果から、実験例2の薄膜の本来の発光である波長450nm(紫色または青色領域)の蛍光寿命は数十ピコ秒であるのに対して、波長550nm(緑色領域)および波長650nm(赤色領域)の発光の蛍光寿命は数千ピコ秒であり、波長550nmおよび波長650nmでは蛍光寿命が大幅に増大していることが分かった。
【0069】
【表3】
【0070】
[実験例20]
実験例9の球状構造体(粒径3μm)について、実験例17と同様にして、蛍光寿命を測定した。結果を
図28および表4に示す。
図28において、実線は波長450nmの発光の蛍光寿命、破線は波長550nmの発光の蛍光寿命、1点鎖線は波長650nmの発光の蛍光寿命を示す。
図28および表4の結果から、実験例9の球状構造体の本来の発光である波長450nm(紫色または青色領域)の蛍光寿命は数百ピコ秒であるのに対して、波長550nm(緑色領域)および波長650nm(赤色領域)の発光の蛍光寿命は数千ピコ秒であり、波長550nmおよび波長650nmでは、蛍光寿命が大幅に増大していることが分かった。
【0071】
【表4】
【0072】
[実験例21]
実験例8の球状構造体(粒径3μm)について、分光エリプソメトリー(J.A.Woollam Japan社製)を用いた偏光解析法により、屈折率を測定した。結果を
図29に示す。
図29の結果から、実験例8の球状構造体の屈折率は1.6〜1.8であった。
【0073】
[実験例22]
実験例9の球状構造体(粒径3μm)について、実験例21と同様にして、屈折率を測定した。結果を
図30に示す。
図30の結果から、実験例9の球状構造体の屈折率は1.6〜1.8であった。