(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ユニット側基準面には、前記プローブ本体に対して電気的に接続されると共に、前記プロービング機構の前記機構側基準面に設けられている機構側接続用電極に接触させられるユニット側接続用電極が設けられている請求項1記載のプローブユニット。
プローブ本体と、当該プローブ本体を支持する支持部とを備えたプローブユニットを取付け可能に構成されて当該プローブ本体をプロービング対象にプロービング可能に構成されたプロービング機構であって、
当該プロービング機構に取り付けるためのユニット側取付部と、前記プローブ本体が前記プロービング対象にプロービングさせられる際のプロービングの向きとは逆向きへの当該プローブ本体の直動または近似的な直動を許容する弾性変形部とを有して前記支持部が構成された前記プローブユニットを取付け可能な機構側取付部を備え、
前記機構側取付部は、前記ユニット側取付部の基部に設けられたユニット側基準面が面的に接触させられる機構側基準面が前記プロービングの向きと交差するように設けられると共に、軸部および当該軸部の径よりも広い広径部を有して当該軸部の径が前記ユニット側基準面に設けられた固定用開口部の開口幅よりも狭く、かつ当該広径部の径が当該固定用開口部の開口幅よりも広く規定された固定部材を備え、前記機構側基準面には、前記プローブユニットの前記ユニット側基準面に配設されたユニット側位置決め用穴に挿入可能な機構側位置決め用ピン、および前記プローブユニットの前記ユニット側基準面に配設されたユニット側位置決め用ピンを穴に挿入可能な機構側位置決め用穴の少なくとも一方が配設され、前記広径部を前記機構側基準面に接近させて前記基部における前記固定用開口部の口縁部を当該広径部と当該機構側基準面との間に挟み込むことによって当該機構側取付部に前記プローブユニットを取付け可能に構成されているプロービング機構。
前記機構側取付部は、前記固定部材を備えると共に、前記広径部を前記機構側基準面から離間させる向きおよび当該広径部を当該機構側基準面に接近させる向きに前記軸部の軸線方向に沿って当該固定部材を移動させるアクチュエータを備えている請求項3記載のプロービング機構。
前記機構側基準面には、前記プローブユニットの前記ユニット側基準面に設けられて前記プローブ本体に対して電気的に接続されたユニット側接続用電極に接触させられる機構側接続用電極が設けられている請求項3または4記載のプロービング機構。
【背景技術】
【0002】
この種のプローブユニットおよびプロービング機構を備えた基板検査装置として、出願人は、プローブユニットおよびプローブ案内機構を備えて検査対象の回路基板を電気的に検査可能に構成された回路基板検査装置を下記の特許文献に開示している。
【0003】
この場合、出願人が開示している回路基板検査装置のプローブユニットでは、プリント基板およびベース部を備えて構成されたプローブ保持部によって一対のコンタクトプローブが保持されている。また、プリント基板は、ベース部をプローブ案内機構に固定する固定具としての機能に加え、両コンタクトプローブのプローブピンをプローブ案内機構に対して電気的に接続する接続具としての機能を有するように構成されている。具体的には、プリント基板には、プローブ案内機構に固定するための取付用ねじを挿通可能な取付用孔と、プローブ案内機構に配設されている位置決め用ピンを挿通可能な位置決め用孔とが形成されると共に、後述するようにプローブ案内機構に配設されている接続用パターンに接してこれに電気的に接続される接続用パターンが形成されて両プローブピンが信号ケーブルを介して接続されている。
【0004】
一方、プローブ案内機構には、プローブユニットを取り付けるための上記の取付用ねじをねじ込み可能なねじ穴が形成され、かつプローブユニットの位置決め用孔に挿入される位置決め用ピンが配設されると共に、プローブユニットの接続用パターンに接して電気的に接続される接続用パターンが形成されたプリント基板が取り付けられている。なお、以下の説明においては、プローブユニットのプリント基板を「ユニット側基板」ともいい、プローブ案内機構のプリント基板を「機構側基板」ともいう。
【0005】
このプローブ案内機構にプローブユニットを取り付ける際には、まず、プローブユニットを持ってプローブ案内機構の位置決め用ピンを位置決め用孔に挿通させるようにして機構側基板にユニット側基板を当接させる。この際には、機構側基板の接続用パターンとユニット側基板の接続用パターンとが接して両パターンおよび信号ケーブルを介してプローブピンがプローブ案内機構に接続された状態になると共に、ユニット側基板の取付用孔とプローブ案内機構のねじ穴とが連通した状態となる。次いで、一方の手でプローブユニットを押さえて機構側基板にユニット側基板を当接させた状態を維持しつつ、他方の手で取付用ねじを持ち、その先端部を取付用孔に挿通させてねじ穴にねじ込む。
【0006】
続いて、一方の手でプローブユニットを押さえた状態を維持しつつ、他方の手でドライバを持って取付用ねじを規定のトルクで締め込む。これにより、位置決め用孔に挿通させられている位置決め用ピンによってプローブユニットがプローブ案内機構に対して位置決めされた状態で、ねじ穴にねじ込んだ取付用ねじによってプローブ案内機構からのプローブユニットの離脱が規制された状態となる。以上により、プローブ案内機構に対するプローブユニットの取付けが完了する。この後、プローブ案内機構によってプローブユニットが任意のX−Y−Z方向に案内されて(移動させられて)検査対象の回路基板上の導体パターンにプローブピンがプロービングされ、回路基板が電気的に検査される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、出願人が上記特許文献に開示している回路基板検査装置(プローブユニットおよびプローブ案内機構)には、以下のような改善すべき課題が存在する。すなわち、出願人が開示している回路基板検査装置では、ユニット側基板の取付用孔を挿通させた取付用ねじをプローブ案内機構のねじ穴にねじ込んで締め付けることでプローブ案内機構にプローブユニットを取り付ける構成が採用されている。
【0009】
この場合、出願人が開示している回路基板検査装置では、プローブ案内機構においてプローブユニットに接する面(「機構側基板」の表面:以下、「機構側基準面」ともいう)、およびプローブユニットにおいてプローブ案内機構に接する面(「ユニット側基板」の表面:以下、「ユニット側基準面」ともいう)が、プローブ案内機構によるプローブユニットの案内方向(プロービングの向き)と平行になるようにそれぞれ規定されている。また、出願人が開示している回路基板検査装置では、プローブ案内機構に対するプローブユニットのスムーズな着脱を可能とするために、位置決め用ピンの周面と、位置決め用孔の内面との間に僅かな隙間が生じるようにプローブ案内機構およびプローブユニットがそれぞれ構成されている。
【0010】
このため、出願人が開示している回路基板検査装置では、位置決め用ピンと位置決め用孔との間に生じた上記の僅かな隙間に起因して、プローブ案内機構に対してプローブユニットが僅かに傾いた状態で取り付けられるおそれがある。また、出願人が開示している回路基板検査装置では、プローブ案内機構による案内に従ってプローブピンの先端部をプロービングの向きとは逆向きに直動または近似直動させるようにプローブユニットが構成されているものの、プローブ案内機構に対してプローブユニットが傾いた状態で取り付けられている場合には、回路基板の基板面に大きな接触痕(プローブピンの先端部の引摺り痕)が形成されるおそれがある。
【0011】
具体的には、
図15に示すように、プローブ案内機構に対してプローブユニット2xが角度θだけ傾いた状態で取り付けられた場合には、そのプローブユニット2xがプローブ案内機構によって矢印Aの向きに案内させられてプローブピン11xの先端部11axが回路基板(導体パターン)に当接し、その状態からプローブ案内機構によって矢印Aの向きにさらに移動させられたときに、プローブピン11xを保持している「弾性変形部(図示せず)」の弾性変形により、同図に破線で示すようにプローブピン11xが「基部(図示せず)」に対して矢印B2の向き(矢印Aの向きの逆向きに対して角度θだけ傾いた向き)に相対的に移動させられる。
【0012】
このため、プローブピン11x(先端部11ax)が直動または近似直動するようにプローブユニット2xが構成され、かつ、プローブ案内機構がそのプローブユニット2xを回路基板の基板面に対して垂直な矢印Aの向きに移動させているにも拘わらず、プローブピン11xの先端部11axが回路基板の基板面上を矢印Cの向きに距離Lxだけ移動させられる結果、回路基板の基板面(導体パターン)に距離Lxの接触痕(先端部11axの引摺り痕)が形成されるおそれがある。したがって、出願人が開示している回路基板検査装置では、プローブ案内機構に対してプローブユニットが傾かないように取り付ける必要があり、プローブ案内機構に対するプローブユニットの取り付け作業が煩雑になっている。したがって、この点を改善するのが好ましい。
【0013】
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、プロービング機構に対して正確かつ容易に取付け可能なプローブユニット、プローブユニットを容易に取付け可能なプロービング機構、およびそれらを備えた基板検査装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成すべく、請求項1記載のプローブユニットは、プローブ本体と、当該プローブ本体を支持する支持部とを備えたプローブユニットであって、前記支持部は、当該プローブユニットをプロービング機構に取り付けるためのユニット側取付部と、前記プロービング機構によって当該プローブ本体がプロービング対象にプロービングさせられる際のプロービングの向きとは逆向きへの当該プローブ本体の直動または近似的な直動を許容する弾性変形部とを備え、前記ユニット側取付部は、前記プロービング機構に設けられた機構側基準面に対して面的に接触させられるユニット側基準面が当該プロービング機構による前記プロービングの向きと交差するように設けられると共に、軸部および当該軸部の径よりも広い広径部を有して前記プロービング機構に配設された固定部材における当該広径部の径よりも狭い開口幅で、かつ当該軸部の径よりも広い開口幅の固定用開口部が前記ユニット側基準面に設けられた基部を備え、
前記ユニット側基準面には、前記プロービング機構の前記機構側基準面に配設された機構側位置決め用ピンを挿入可能なユニット側位置決め用穴、および前記プロービング機構の前記機構側基準面に配設された機構側位置決め用穴に挿入可能なユニット側位置決め用ピンの少なくとも一方が配設され、前記広径部が前記機構側基準面に接近させられて前記基部における前記固定用開口部の口縁部が当該広径部と当該機構側基準面との間に挟み込まれることによって当該プローブユニットを前記プロービング機構に取付け可能に構成されている。
【0015】
また、請求項2記載のブローブユニットは、請求項1記載のプローブユニットにおいて、前記ユニット側基準面には、前記プローブ本体に対して電気的に接続されると共に、前記プロービング機構の前記機構側基準面に設けられている機構側接続用電極に接触させられるユニット側接続用電極が設けられている。
【0017】
また、請求項
3記載のプロービング機構は、プローブ本体と、当該プローブ本体を支持する支持部とを備えたプローブユニットを取付け可能に構成されて当該プローブ本体をプロービング対象にプロービング可能に構成されたプロービング機構であって、当該プロービング機構に取り付けるためのユニット側取付部と、前記プローブ本体が前記プロービング対象にプロービングさせられる際のプロービングの向きとは逆向きへの当該プローブ本体の直動または近似的な直動を許容する弾性変形部とを有して前記支持部が構成された前記プローブユニットを取付け可能な機構側取付部を備え、前記機構側取付部は、前記ユニット側取付部の基部に設けられたユニット側基準面が面的に接触させられる機構側基準面が前記プロービングの向きと交差するように設けられると共に、軸部および当該軸部の径よりも広い広径部を有して当該軸部の径が前記ユニット側基準面に設けられた固定用開口部の開口幅よりも狭く、かつ当該広径部の径が当該固定用開口部の開口幅よりも広く規定された固定部材を備え、
前記機構側基準面には、前記プローブユニットの前記ユニット側基準面に配設されたユニット側位置決め用穴に挿入可能な機構側位置決め用ピン、および前記プローブユニットの前記ユニット側基準面に配設されたユニット側位置決め用ピンを穴に挿入可能な機構側位置決め用穴の少なくとも一方が配設され、前記広径部を前記機構側基準面に接近させて前記基部における前記固定用開口部の口縁部を当該広径部と当該機構側基準面との間に挟み込むことによって当該機構側取付部に前記プローブユニットを取付け可能に構成されている。
【0018】
また、請求項
4記載のプロービング機構は、請求項
3記載のプロービング機構において、前記機構側取付部は、前記固定部材を備えると共に、前記広径部を前記機構側基準面から離間させる向きおよび当該広径部を当該機構側基準面に接近させる向きに前記軸部の軸線方向に沿って当該固定部材を移動させるアクチュエータを備えている。
【0019】
さらに、請求項
5記載のプロービング機構は、請求項
3または
4記載のプロービング機構において、前記機構側基準面には、前記プローブユニットの前記ユニット側基準面に設けられて前記プローブ本体に対して電気的に接続されたユニット側接続用電極に接触させられる機構側接続用電極が設けられている。
【0021】
また、請求項
6記載の基板検査装置は、請求項1記載のプローブユニットと、請求項
3または
4記載のプロービング機構とを備え、前記プロービング対象としての検査対象基板を検査可能に構成されている。
【0022】
また、請求項
7記載の基板検査装置は、請求項2記載の
プローブユニットと、請求項
5記載の
プロービング機構とを備え、前記プロービング対象としての検査対象基板を検査可能に構成されている。
【発明の効果】
【0024】
請求項1記載のプローブユニットでは、プロービング機構の機構側基準面に対して面的に接触させられるユニット側基準面がプロービング機構によるプロービングの向きと交差するように設けられると共に、プロービング機構の固定部材における広径部の径よりも狭い開口幅で、かつ固定部材における軸部の径よりも広い開口幅の固定用開口部がユニット側基準面に設けられた基部を備えてユニット側取付部が構成され、広径部が機構側基準面に接近させられて基部における固定用開口部の口縁部が広径部と機構側基準面との間に挟み込まれることによってプローブユニットをプロービング機構に取付け可能に構成されている。
また、請求項1記載のプローブユニットでは、プロービング機構の機構側基準面に配設された機構側位置決め用ピンを挿入可能なユニット側位置決め用穴、およびプロービング機構の機構側基準面に配設された機構側位置決め用穴に挿入可能なユニット側位置決め用ピンの少なくとも一方がユニット側基準面に配設されている。
【0025】
また、請求項
3記載のプロービング機構では、プローブユニットのユニット側基準面が面的に接触させられる機構側基準面がプロービングの向きと交差するように設けられると共に、軸部および軸部の径よりも広い広径部を有して軸部の径がユニット側基準面に設けられた固定用開口部の開口幅よりも狭く、かつ広径部の径が固定用開口部の開口幅よりも広く規定された固定部材を備えて機構側取付部が構成され、広径部を機構側基準面に接近させてプローブユニットの基部における固定用開口部の口縁部を広径部と機構側基準面との間に挟み込むことによって機構側取付部にプローブユニットを取付け可能に構成されている。
また、請求項3記載のプロービング機構では、プローブユニットのユニット側基準面に配設されたユニット側位置決め用穴に挿入可能な機構側位置決め用ピン、およびプローブユニットのユニット側基準面に配設されたユニット側位置決め用ピンを穴に挿入可能な機構側位置決め用穴の少なくとも一方が機構側基準面に配設されている。
【0026】
さらに、請求項
6記載の基板検査装置では、上記のプローブユニットとプロービング機構とを備え、プロービング対象としての検査対象基板を検査可能に構成されている。
【0027】
したがって、請求項1記載のプローブユニット、請求項
3記載のプロービング機構、および請求項
6記載の基板検査装置によれば、プローブユニットのユニット側基準面が接する機構側基準面に沿ってプローブユニットがプロービング機構に対して回動した状態となっても、プロービング機構に対してプローブユニットが傾いた状態で取り付けられる事態が回避されるため、プロービング機構に対するプローブユニットの取り付けに際して傾きが生じないように慎重に作業を行う必要がなくなる結果、プロービング機構に対してプローブユニットを正確かつ容易に取り付けることができる。また、プロービング機構に対する傾きが生じない状態でプローブユニットが取り付けられることにより、プロービングに際して支持部の弾性変形部が基部に対してプローブ本体を近似直動させることで、プローブ本体の先端部をプロービング対象(検査対象基板)に対して大きく移動させることなくプロービング対象に先端部を接触させた状態を維持できるため、大きな接触痕を形成せずにプロービングを行って検査することができる。
また、位置決め用のピンや位置決め用の孔が存在しない構成とは異なり、プロービング機構における固定部材の軸部、および軸部が挿通させられた状態となる固定用開口部の存在と相俟ってプロービング機構に対するプローブユニットの取付け姿勢が一義的に定まる結果、プロービング機構に対してプローブユニットをどのような向きで取り付けるべきかを悩むことなく、これを正確かつ容易に取り付けることができる。また、機構側基準面に沿ったプロービング機構に対するプローブユニットの回動を好適に阻止することができるため、多数回のプロービングを行う際に、プロービング機構に対してプローブユニットが機構側基準面に沿って回動してプローブ本体の先端部が意図しない位置にプロービングされる状態となることを好適に回避することができる。
【0028】
請求項2記載のプローブユニットでは、プローブ本体に対して電気的に接続されると共に、プロービング機構の機構側基準面に設けられている機構側接続用電極に接触させられるユニット側接続用電極がユニット側基準面に設けられている。また、請求項
5記載のプロービング機構では、プローブユニットのユニット側基準面に設けられてプローブ本体に対して電気的に接続されたユニット側接続用電極に接触させられる機構側接続用電極が機構側基準面に設けられている。さらに、請求項
7記載の基板検査装置では、上記の
プローブユニットとプロービング機構とを備え、プロービング対象としての検査対象基板を検査可能に構成されている。
【0029】
したがって、請求項2記載のプローブユニット、請求項
5記載のプロービング機構、および請求項
7記載の基板検査装置によれば、プロービング機構にプローブユニットを取り付けるだけでユニット側接続用電極および機構側接続用電極を介してプローブ本体がプロービング機構に電気的に接続されるため、信号ケーブル等の配線作業が不要となる分だけ、プロービング機構に対するプローブユニットの取付け作業を一層容易にすることができる。また、プロービング機構からプローブユニットを取り外すだけでプローブ本体とプロービング機構との電気的な接続が解除されるため、信号ケーブル等の配線作業が不要となる分だけ、プロービング機構からのプローブユニットを容易に取り外すことができる。
【0032】
また、請求項
4記載のプロービング機構では、固定部材を備えると共に、広径部を機構側基準面から離間させる向きおよび広径部を機構側基準面に接近させる向きに軸部の軸線方向に沿って固定部材を移動させるアクチュエータを備えて機構側取付部が構成されている。また、請求項
6記載の基板検査装置では、請求項1記載のプローブユニットと上記のプロービング機構とを備え、プロービング対象としての検査対象基板を検査可能に構成されている。
【0033】
したがって、請求項
4記載のプロービング機構、および請求項
6記載の基板検査装置によれば、ねじ(ボルト)やナットを固定部材として備えた構成とは異なり、ドライバやレンチなどの工具を使用せずにプローブユニットを着脱することができるため、プロービング機構に対してプローブユニットを一層容易に着脱することができる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、プローブユニット、プロービング機構および基板検査装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0036】
図1に示す基板検査装置1は、「基板検査装置」の一例であって、プローブユニット2およびプロービング機構3、並びに図示しない測定装置や制御装置などを備えて検査対象の回路基板(「プロービング対象」の一例:図示せず)を電気的に検査可能に構成されている。
【0037】
プローブユニット2は、「プローブユニット」の一例であって、
図2〜7に示すように、「プローブ本体」の一例であるプローブピン11と、「支持部」の一例である支持部12と、プローブピン11および支持部12を相互に接続する信号ケーブル13とを備えてプロービング機構3に取付け可能に構成されている。この場合、プローブピン11は、先端部11aが尖った円柱状に形成され、プロービング機構3によってプローブユニット2が移動させられたときにプロービング対象の回路基板における導体パターンに先端部11aがプロービング(接触)させられる。
【0038】
また、支持部12は、「基部」の一例である基部12aと、「弾性変形部」の一例である弾性変形部12bとを備え、プローブピン11を支持可能に構成されると共に、プロービング機構3に対して取付け可能に構成されている。具体的には、支持部12は、接続用基板21、取付用ブロック22、プローブ保持具23および固定用ネジ24,25を備えて構成されている。
【0039】
接続用基板21は、取付用ブロック22、およびプローブ保持具23の固定部35と相俟って基部12aを構成する部材であって、後述するようにプロービング機構3に配設されているアクチュエータ42のロッド62(「固定部材」の一例:
図8〜10参照)を挿通可能な挿通用孔21aが形成されると共に、固定用ネジ25,25によって取付用ブロック22の上面に固定されている。この場合、本例のプローブユニットでは、この接続用基板21によって「ユニット側取付部」が構成されている。
【0040】
具体的には、本例の接続用基板21では、
図5〜7に示すように、ロッド62における頭部62b(「広径部」の一例)の挿通が可能に頭部62bの径(直径:シャフト部62aの軸線方向と直交する向きの幅)よりも広い開口幅に形成された幅広部21a1と、ロッド62における頭部62bの挿通を規制可能に頭部62bの径よりも狭い開口幅で、かつロッド62におけるシャフト部62a(「軸部」の一例)の挿通が可能にシャフト部62aの径(直径:軸線方向と直交する向きの幅)よりも広い開口幅に形成された幅狭部21a2(「固定用開口部」の一例)とが連続して(前後方向で並んで)形成されて上記の挿通用孔21aが構成されている。
【0041】
また、本例のプローブユニット2では、接続用基板21の上面に規定された基準面F2が「ユニット側基準面」に相当する。この場合、本例のプローブユニット2(基板検査装置1)では、この基準面F2が、検査対象の回路基板における基板面と平行で、かつプロービング機構3がプローブユニット2を案内する際のZ方向(回路基板の基板面に対して垂直な向き)に対して直交するように規定されている。
【0042】
さらに、本例のプローブユニット2では、
図3に示すように、接続用基板21の基準面F2に、電極パターン31、および「ユニット側位置決め用穴」の一例である位置決め用穴32,32が形成されている。なお、本例のプローブユニット2では、電極パターン31が「ユニット側接続用電極」に相当し、後述するように、接続用基板21の内層パターン(図示せず)および信号ケーブル13を介してプローブピン11に対して電気的に接続されている。
【0043】
取付用ブロック22は、接続用基板21およびプローブ保持具23を一体化させるための部材であって、正面視(背面視も)逆L字状に形成されると共に、
図4〜7に示すように、接続用基板21の挿通用孔21aを挿通させたロッド62の頭部62bを収容可能に頭部62bの径よりも広い開口幅の凹部22aが上面中央部に形成されている。この凹部22aは、
図5〜7に示すように、取付用ブロック22に接続用基板21が取り付けられた状態において接続用基板21の挿通用孔21a(幅広部21a1および幅狭部21a2)と上下方向において重なるように形成されている。
【0044】
プローブ保持具23は、固定部35、アーム36,37およびヘッド部38を備えて4節リンク機構が構成されると共に、プローブピン11を保持可能に構成されて接続用基板21および取付用ブロック22に対するプローブピン11(先端部11a)の近似直動(「プローブ本体の直動または近似的な直動」の一例)を許容するように構成されている。固定部35は、プローブ保持具23を取付用ブロック22に固定するための部位であって、挿通用穴35a,35a(
図4参照)を挿通させた固定用ネジ24,24をねじ込むことによって取付用ブロック22に固定されて、前述したように、接続用基板21および取付用ブロック22と相まって基部12aを構成する。
【0045】
アーム36は一端部に形成された円弧切欠き支点36aを介して固定部35に連結されると共に他端部に形成された円弧切欠き支点36aを介してヘッド部38に連結されている。同様にして、アーム37は一端部に形成された円弧切欠き支点37aを介して固定部35に連結されると共に他端部に形成された円弧切欠き支点37aを介してヘッド部38に連結されている。なお、本例のプローブユニット2では、円弧切欠き支点36a,36aが形成されたアーム36、および円弧切欠き支点37a,37aが形成されたアーム37によって「弾性変形部」に相当する弾性変形部12bが構成されている。
【0046】
ヘッド部38は、プローブピン11を嵌入可能な嵌入用溝38a(
図4参照)が形成されると共にアーム36,37を介して固定部35に連結されている。この場合、本例のプローブユニット2では、嵌入用溝38aに嵌入された状態のプローブピン11が、導電性接着剤等によってヘッド部38に固定されると共に、信号ケーブル13および接続用基板21の内層パターンを介して基準面F2の電極パターン31に電気的に接続されている。
【0047】
一方、プロービング機構3は、上記のプローブユニット2を取付け可能に構成されると共に、制御装置の制御に従ってプローブユニット2を任意のX−Y−Z方向に移動させることによってプローブピン11の先端部11aを検査対象の回路基板における導体パターンにプロービングさせる。この場合、本例のプロービング機構3では、プロービング機構3がプローブユニット2のプローブピン11を回路基板に対して接触させる向き(
図12,13における矢印Aの向き)が「プロービングの向き」に相当し、プロービング機構3がプローブユニット2のプローブピン11を回路基板から離間させる向き(
図12,13における矢印Bの向き)が「プロービングの向きとは逆向き」に相当する。
【0048】
このプロービング機構3は、
図8〜11に示すように、基部41a〜41c、アクチュエータ42、位置決め用ピン43,43および固定用ネジ44,44,45,45を備え、これらの構成要素41a〜41c,42〜45によって「機構側取付部」が構成されている。なお、実際のプロービング機構3(基板検査装置1)では、上記の各構成要素(機構側取付部)の他に、基部41aを任意のX−Y−Z方向に移動させるガイドレールやサーボモータなどを備えているが、「プロービング機構」の構成についての理解を容易とするために、それらについての図示および説明を省略する。
【0049】
この場合、基部41aには、固定用ネジ44,44によって基部41b,41cを固定するための図示しないねじ孔が形成されると共に、
図9に示すように、固定用ネジ45,45によってアクチュエータ42を取り付けるためのねじ孔49,49が形成されている。また、同図に示すように、基部41b,41cには、位置決め用ピン43,43を挿通可能な挿通孔46,46と、固定用ネジ44,44を挿通可能な挿通孔47,47と、アクチュエータ42におけるロッド62の挿通が可能な挿通孔48とが形成されている。
【0050】
なお、本例のプロービング機構3では、基部41cの底面(下面)に規定された基準面F3が「機構側基準面」に相当する。また、本例のプロービング機構3(基板検査装置1)では、上記の基準面F3が、検査対象の回路基板における基板面と平行で、プロービング機構3がプローブユニット2を案内する際のZ方向(回路基板に基板面に対して垂直な向き)と直交するように規定されている(「機構側基準面がプロービングの向きと交差するように設けられる」との構成の一例)。
【0051】
さらに、本例のプロービング機構3では、
図11に示すように、プローブユニット2の電極パターン31に接して電極パターン31と電気的に接続される電極パターン51(「機構側接続用電極」の一例)が基部41c(接続用基板)の基準面F3に形成されている。
【0052】
なお、本例のプロービング機構3では、一例として、基部41b,41cに形成された挿通孔47,47を挿通させた固定用ネジ44,44を基部41aの底面に形成されたねじ孔にねじ込むことによって基部41b,41cが基部41aに固定され、これにより、各基部41a〜41cが一体化される構成が採用される。このような構成に代えて、例えば、金属材料の切削加工によって基部41a,41bを一体化させたのと同形状の部材を製作し、その部材に基部41c(接続用基板)を取り付ける構成を採用することもできる(図示せず)。
【0053】
アクチュエータ42は、「アクチュエータ」の一例である双方向可動型エアアクチュエータであって、
図8〜10に示すように、本体部61、ロッド62およびエア給排口63a,63bを備え、固定用ネジ45,45によって基部41aに固定されている。この場合、本例のプロービング機構3(アクチュエータ42)では、一例として、図示しないエア供給源からエア給排口63aを介して本体部61に圧縮空気が供給されることによってロッド62が本体部61に対して下向き(「広径部を機構側基準面から離間させる向き」の一例)に移動させられると共に、エア供給源からエア給排口63bを介して本体部61に圧縮空気が供給されることによってロッド62が本体部61に対して上向き(「広径部を機構側基準面に接近させる向き」の一例)に移動させられる構成が採用されている。
【0054】
また、ロッド62は、前述したように「固定部材」の一例であって、「軸部」の一例であるシャフト部62aと、「広径部」の一例である頭部62bとが一体形成されると共に、シャフト部62aの基端部(上端部)が本体部61内のエアシリンダに連結されている。さらに、エア給排口63a,63bは、上記のエア供給源に接続された図示しないエアホースを接続可能に構成されている。
【0055】
なお、アクチュエータ42のようなエアアクチュエータに代えて、電動式アクチュエータを備えて「プロービング機構」を構成することもできるが、電動式アクチュエータを採用した場合には、後述するようにプローブユニット2の着脱に際して「固定部材」を移動させるときや、プローブユニット2が取り付けられた状態を維持させるときに、「アクチュエータ」に供給される電力に起因してノイズが生じるおそれがある。このため、本例のプロービング機構3におけるアクチュエータ42のように電力供給が不要なエアアクチュエータを採用することにより、正確な検査が可能となる。
【0056】
位置決め用ピン43,43は、「機構側位置決め用ピン」の一例であって、その基端部(上端部)が基部41aの底部に圧入固定されると共に、先端部(下端部)が基部41b,41cに形成されている挿通孔46,46に挿通させられて基準面F3から下向きに突出させられている。
【0057】
次に、プロービング機構3に対するプローブユニット2の着脱方法、および基板検査装置1による回路基板の検査方法(プロービング方法)について、添付図面を参照して説明する。
【0058】
プロービング機構3にプローブユニット2を取り付ける際には、まず、プロービング機構3におけるアクチュエータ42のエア給排口63aに圧縮空気を供給することで本体部61に対してロッド62を下向きに移動させる。この際には、基準面F3からのロッド62の突出長が十分に長くなり、ロッド62の頭部62bと基準面F3との間のシャフト部62aの軸線方向に沿った距離La(
図10参照)が、プローブユニット2における接続用基板21(挿通用孔21aが形成されている部材)の厚みT(
図7参照)よりも長い状態となる。具体的には、エア給排口63aに圧縮空気を供給したロッド62を下方に移動させた状態においては、基準面F3と頭部62bとの間の距離Laが、接続用基板21の厚みTと、基準面F3からの位置決め用ピン43,43の突出長Lb(
図10参照)との合計長よりも長い距離となる。
【0059】
次いで、一例として、基準面F2を上向きにした状態でプローブユニット2を持ってプロービング機構3における基部41c(基準面F3)の下方に位置させた後にプローブユニット2を上向きに移動させることにより、挿通用孔21aにロッド62を挿通させる。この際には、ロッド62の頭部62bよりも幅広に開口されている幅広部21a1にロッド62を挿通させることにより、頭部62bが接続用基板21における基準面F2の裏面側(すなわち、取付用ブロック22の凹部22a内)に位置した状態になると共に、シャフト部62aが幅広部21a1に挿通させられた状態となる。
【0060】
続いて、基準面F2,F3に沿ってプローブユニット2を後ろ向き(正面から背面に向かう向き)に移動させる。この際には、
図7に示すように、ロッド62のシャフト部62aがプローブユニット2(接続用基板21)の幅狭部21a2に挿通させられた状態になると共に、位置決め用穴32,32の上方に位置決め用ピン43,43が位置した状態となる(図示せず)。
【0061】
次いで、アクチュエータ42のエア給排口63bに対する圧縮空気の供給を開始することで本体部61に対してロッド62を上向きに移動させ(「広径部を機構側基準面に接近させる」との状態の一例)、エア給排口63bに対する圧縮空気の供給を継続させることで、その状態を維持させる。この際には、基準面F3からのロッド62の突出長が短くなる結果、ロッド62(頭部62b)に引き上げられるようにしてプローブユニット2がプロービング機構3に向かって上昇させられて、プローブユニット2の基部12a(接続用基板21)における挿通用孔21a(幅狭部21a2)の口縁部がロッド62の頭部62bと基準面F3との間に挟み込まれた状態となる。
【0062】
これにより、位置決め用穴32,32内に位置決め用ピン43,43が挿入された状態となってプロービング機構3に対するプローブユニット2の基準面F3に沿ったスライドや回転が規制されると共に、
図12,13に示すように、プローブユニット2の基準面F2(基部12aを構成する接続用基板21の上面)がプロービング機構3の基準面F3(「機構側取付部」を構成する基部41cの下面)に押し付けられた状態となり、プロービング機構3からのプローブユニット2の離脱が規制される。
【0063】
また、上記したように基準面F2,F3が互いに接した状態となることにより、プローブユニット2(接続用基板21)の電極パターン31がプロービング機構3(基部41c)の電極パターン51に接した状態となり、これにより、電極パターン31に電気的に接続されているプローブピン11がプロービング機構3に接続された状態となる。
【0064】
以上により、プロービング機構3に対するプローブユニット2の取付け作業が完了し、プローブユニット2を介して回路基板を電気的に検査する準備が整う。また、基板検査装置1による回路基板の電気的検査に際しては、プロービング機構3が制御装置の制御に従ってプローブユニット2のプローブピン11における先端部11aを回路基板上の任意の導体パターンにプロービングさせ、その状態において測定装置による測定処理が行われると共に、測定結果と検査用基準値との比較によって回路基板の良否が判定される。
【0065】
この場合、本例の基板検査装置1では、
図14に示すように、プローブユニット2がプロービング機構3によって矢印Aの向き(「プロービングの向き」の一例:Z方向)に移動させられてプローブピン11の先端部11aが回路基板(導体パターン)に当接し、その状態からプロービング機構3によって矢印Aの向きにさらに移動させられたときに、弾性変形部12b(アーム36,37における円弧切欠き支点36a,36a,37a,37aの部位)の弾性変形により、同図に破線で示すようにプローブピン11が基部12aに対して矢印B1の向き(矢印Aの向きの逆向き)に相対的に移動させられる。
【0066】
この際に、本例の基板検査装置1では、プロービング機構3の基準面F3、およびプローブユニット2の基準面F2がプロービングの向き(矢印Aの向き)に対して直交するように規定されている。このため、前述したような手順に従ってプロービング機構3にプローブユニット2を取り付ける際に、プローブユニット2が基準面F2,F3に沿って僅かに回動した状態でロッド62が締め込まれたとしても、プロービング機構3に対してプローブユニット2が傾いた状態で固定される事態が好適に回避される。
【0067】
したがって、弾性変形部12bの弾性変形によってプローブピン11(先端部11a)が同図に一点鎖線で示すように近似直動するようにプローブユニット2が構成されている本例の基板検査装置1では、プロービング機構3が回路基板の基板面に対して垂直な矢印Aの向きにプローブユニット2(基部12a)を移動させることで、プローブピン11の先端部11aが、プロービング機構3によるプローブユニット2(基部12a)の移動方向(矢印A)の向きと真逆の向き(矢印B1の向き)に相対的に移動する結果、プローブピン11の先端部11aが基板面(導体パターン)上の1点に接した状態が維持される。これにより、回路基板の基板面(導体パターン)に大きな接触痕(先端部11aの引摺り痕)が形成される事態が好適に回避される。
【0068】
一方、多数回のプロービングによってプローブユニット2が劣化したり、不良の回路基板に対するプロービング等によってプローブユニット2が破損したりしたときには、劣化または破損したプローブユニット2をプロービング機構3から取り外して新しいプローブユニット2を取り付ける(プローブユニット2を交換する)。具体的には、劣化または破損したプローブユニット2の取外しに際しては、まず、アクチュエータ42のエア給排口63aに対して圧縮空気を供給することで本体部61に対してロッド62を下向きに移動させる。
【0069】
この際には、ロッド62の移動に伴って頭部62bが下向きに移動する結果、挿通用孔21a(幅狭部21a2)における取付用ブロック22側の口縁部がロッド62の頭部62bに引っ掛かった状態でプローブユニット2が頭部62bと共に下降させられる。これにより、位置決め用ピン43,43が位置決め用穴32,32から離脱してプロービング機構3に対するプローブユニット2の位置決めが解除されると共に、プローブユニット2の基準面F2がプロービング機構3の基準面F3から離間した状態となって、各電極パターン31と各電極パターン51との接続が解除される。
【0070】
次いで、プローブユニット2を持ち、基準面F2,F3に沿って手前側に移動させる。この際には、ロッド62のシャフト部62aがプローブユニット2(接続用基板21)の幅広部21a1に挿通させられた状態となったときに、挿通用孔21aにおける取付用ブロック22側の口縁部に対する頭部62bの係合が解除されてプロービング機構3(ロッド62)に対してプローブユニット2を下向きに移動させることが可能な状態となる。この後、プローブユニット2を下向きに移動させて挿通用孔21a(幅広部21a1)からロッド62を離脱させることにより、プロービング機構3からのプローブユニット2の取り外しが完了する。この後、前述した取付け手順に従って新しいプローブユニット2をプロービング機構3に取り付けることにより、プローブユニット2の交換作業が完了する。
【0071】
このように、このプローブユニット2では、プロービング機構3の基準面F3に対して面的に接触させられる基準面F2がプロービング機構3によるプロービングの向きと交差するように設けられると共に、プロービング機構3のロッド62における頭部62bの径よりも狭い開口幅で、かつロッド62におけるシャフト部62aの径よりも広い開口幅の挿通用孔21a(幅狭部21a2)が基準面F2に設けられた基部12aを備えて「ユニット側取付部」が構成され、ロッド62の頭部62bが基準面F3に接近させられて基部12aにおける挿通用孔21a(幅狭部21a2)の口縁部が頭部62bと基準面F3との間に挟み込まれることによってプローブユニット2をプロービング機構3に取付け可能に構成されている。
【0072】
また、このプロービング機構3では、プローブユニット2の基準面F2が面的に接触させられる基準面F3がプロービングの向きと交差するように設けられると共に、シャフト部62aおよび頭部62bを有してシャフト部62aの径が基準面F2に設けられた挿通用孔21a(幅狭部21a2)の開口幅よりも狭く、かつ頭部62bの径が挿通用孔21a(幅狭部21a2)の開口幅よりも広く規定されたロッド62を「固定部材」として備えて「機構側取付部」が構成され、頭部62bを基準面F3に接近させてプローブユニット2の基部12aにおける挿通用孔21a(幅狭部21a2)の口縁部を頭部62bと基準面F3との間に挟み込むことによって「機構側取付部」にプローブユニット2を取付け可能に構成されている。
【0073】
さらに、この基板検査装置1では、上記のプローブユニット2とプロービング機構3とを備え、プロービング対象としての検査対象基板を検査可能に構成されている。
【0074】
したがって、このプローブユニット2、プロービング機構3および基板検査装置1によれば、プローブユニット2の基準面F2が接する基準面F3に沿ってプローブユニット2がプロービング機構3に対して回動した状態となっても、プロービング機構3に対してプローブユニット2が傾いた状態で取り付けられる事態が回避されるため、プロービング機構3に対するプローブユニット2の取り付けに際して傾きが生じないように慎重に作業を行う必要がなくなる結果、プロービング機構3に対してプローブユニット2を正確かつ容易に取り付けることができる。また、プロービング機構3に対する傾きが生じない状態でプローブユニット2が取り付けられることにより、プロービングに際して支持部12の弾性変形部12bが基部12aに対してプローブピン11を近似直動させることで、プローブピン11の先端部11aをプロービング対象(回路基板)に対して大きく移動させることなくプロービング対象に先端部11aを接触させた状態を維持できるため、大きな接触痕を形成せずにプロービングを行って検査することができる。
【0075】
また、このプローブユニット2では、プローブピン11に対して電気的に接続されると共に、プロービング機構3の基準面F3に設けられている電極パターン51に接触させられる電極パターン31が基準面F2に設けられている。また、このプロービング機構3では、プローブユニット2の基準面F2に設けられてプローブピン11に対して電気的に接続された電極パターン31に接触させられる電極パターン51が基準面F3に設けられている。さらに、この基板検査装置1では、上記のプローブユニット2およびプロービング機構3を備えてプロービング対象としての検査対象基板を検査可能に構成されている。
【0076】
したがって、このプローブユニット2、プロービング機構3および基板検査装置1によれば、プロービング機構3にプローブユニット2を取り付けるだけで電極パターン31,51を介してプローブピン11がプロービング機構3に電気的に接続されるため、信号ケーブル等の配線作業が不要となる分だけ、プロービング機構3に対するプローブユニット2の取付け作業を一層容易にすることができる。また、プロービング機構3からプローブユニット2を取り外すだけでプローブピン11とプロービング機構3との電気的な接続が解除されるため、信号ケーブル等の配線作業が不要となる分だけ、プロービング機構3からのプローブユニット2を容易に取り外すことができる。
【0077】
また、このプローブユニット2では、プロービング機構3の基準面F3に配設された位置決め用ピン43,43を挿入可能な位置決め用穴32,32が基準面F2に配設されている。また、このプロービング機構3では、プローブユニット2の基準面F2に配設された位置決め用穴32,32に挿入可能な位置決め用ピン43,43が基準面F3に配設されている。さらに、この基板検査装置1では、上記のプローブユニット2およびプロービング機構3を備えてプロービング対象としての検査対象基板を検査可能に構成されている。
【0078】
したがって、このプローブユニット2、プロービング機構3および基板検査装置1によれば、位置決め用のピンや位置決め用の孔が存在しない構成とは異なり、プロービング機構3におけるロッド62のシャフト部62a、およびシャフト部62aが挿通させられた状態となる挿通用孔21a(幅狭部21a2)の存在と相俟ってプロービング機構3に対するプローブユニット2の取付け姿勢が一義的に定まる結果、プロービング機構3に対してプローブユニット2をどのような向きで取り付けるべきかを悩むことなく、これを正確かつ容易に取り付けることができる。また、基準面F3に沿ったプロービング機構3に対するプローブユニット2の回動を好適に阻止することができるため、多数回のプロービングを行う際に、プロービング機構3に対してプローブユニット2が基準面F3に沿って回動してプローブピン11の先端部11aが意図しない位置にプロービングされる状態となることを好適に回避することができる。
【0079】
また、このプロービング機構3では、「固定部材」としてのロッド62を備えると共に、頭部62bを基準面F3から離間させる向きおよび頭部62bを基準面F3に接近させる向きにシャフト部62aの軸線方向に沿ってロッド62を移動させるアクチュエータ42を備えて「機構側取付部」が構成されている。また、この基板検査装置1では、上記のプローブユニット2およびプロービング機構3を備え、プロービング対象としての検査対象基板を検査可能に構成されている。
【0080】
したがって、このプロービング機構3および基板検査装置1によれば、ねじ(ボルト)やナットを「固定部材」として備えた構成とは異なり、ドライバやレンチなどの工具を使用せずにプローブユニット2を着脱することができるため、プロービング機構3に対してプローブユニット2を一層容易に着脱することができる。
【0081】
なお、「基板検査装置」(「プローブユニット」および「プロービング機構」)の構成は、上記の基板検査装置1(プローブユニット2およびプロービング機構3)の構成の例に限定されない。例えば、双方向可動型のエアアクチュエータで構成されたアクチュエータ42を備えたプロービング機構3を例に挙げて説明したが、このような構成に代えて、電動式アクチュエータ(サーボモータ等を動力源とするアクチュエータ)を「アクチュエータ」として備えて「プロービング機構」を構成することができる(図示せず)。この場合、エアアクチュエータおよび電動式アクチュエータのいずれを採用した場合においても、「アクチュエータ」を備えて「機構側取付部」を構成することにより、「プロービング機構」に対する「プローブユニット」の着脱を自動化することができる。
【0082】
具体的には、例えば、エアアクチュエータで構成されたアクチュエータ42を備えた上記の基板検査装置1(プロービング機構3)の構成では、予め規定されたプローブユニット配設位置に、基準面F2を上向きにしてプローブユニット2を配置しておき、プローブユニット2が取り付けられていない状態のプロービング機構3(プロービング機構3における基部41a〜41cおよびアクチュエータ42等)をプローブユニット配設位置に移動させてプローブユニット2に向けて下降させることでロッド62を挿通用孔21a(幅広部21a1)に挿入する。
【0083】
次いで、プローブユニット2の前方に向かってプロービング機構3を移動させることで幅狭部21a2にシャフト部62aが挿通させられた状態とした後に、アクチュエータ42のエア給排口63bに圧縮空気を供給することで挿通用孔21aの口縁部を基準面F3と頭部62bとの間に挟み込む。これにより、プロービング機構3に対するプローブユニット2の取り付けが完了する。また、プローブユニット2の取り外しに際しては、上記の取り付け手順とは逆の手順でプロービング機構3を動作させる。このような構成を採用することにより、プロービング機構3に対するプローブユニット2の着脱に際してプローブユニット2を手に持って移動させることなく着脱することができる結果、プローブユニット2を一層容易に着脱することができる。
【0084】
さらに、電極パターン31や電極パターン51を設けずに、プローブピン11、またはプローブピン11に対して電気的に接続されている配線パターン(図示せず)などをプロービング機構3に対して信号ケーブルを介して直接接続する構成を採用することもできる(図示せず)。
【0085】
また、プロービング機構3の基部41b,41cを挿通させた位置決め用ピン43,43をプローブユニット2の位置決め用穴32,32に挿入して位置決めする構成を例に挙げて説明したが、このような構成に代えて(または、このような構成に加えて)、「プローブユニット」の「ユニット側基準面」に配設した「ユニット側位置決め用ピン」を、「プロービング機構」の「機構側基準面」に設けた「機構側位置決め用孔」に挿入して位置決めする構成を採用することもできる(図示せず)。
【0086】
さらに、基準面F2,F3を「プロービングの向き」と直交するように構成したプローブユニット2およびプロービング機構3を規定した構成を例に挙げて説明したが、「ユニット側基準面」や「機構側基準面」については、直交以外の任意の角度で「プロービングの向き」に対して交差するように規定することができる。また、「プロービング機構」に対する「プローブユニット」の傾きに起因する上記の「接触痕の形成」が、実質的に問題とはならないような用途で使用する場合には、「ユニット側基準面」や「機構側基準面」を「プロービングの向き」と平行に規定することもできる。