【文献】
Journal of Nutritional Science and Vitaminology,2015年11月,Vol.61, p.465-470
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
フェヌグリーク(Trigonella foenum graecum)はマメ科の1年草である。その種子はスパイスとしてインドや中近東の国々にて古くから用いられており、特にカレーの香りや色味、粘性を出すための原料として広く知られている。また、フェヌグリーク種子の抽出物が、α−アミラーゼを阻害する作用を有することが報告されている(特許文献1)。
【0003】
一方、フェヌグリーク種子やその粉砕物は、強い苦味や豆臭さ(青臭さ)等の不快な異味を有すること、また水に添加した際に強い黄色味を生じたり、また濁りや沈殿を生じたりすることが知られている。このため、フェヌグリーク種子やその粉砕物の医薬品や飲食品への利用態様には制限があり、当該分野においては、強い苦味や豆臭さ(青臭さ)等の不快な異味や、呈色や濁り、沈殿の発生が低減され、様々な態様にて利用することができるフェヌグリーク種子加工物が切望されていた。
【0004】
本発明者らはこれまでに、フェヌグリーク種子の抽出物をβ−ガラクトシダーゼで処理することによって、その強い苦みを低減することができることを報告している(特許文献1)。しかしながら、当該β−ガラクトシダーゼ処理物は、依然としてその他の不快な異味を生じたり、呈色や濁り、沈殿を生じたりするものであり、上記問題を十分に解決し得るものではなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は強い苦味や豆臭さ(青臭さ)等の不快な異味や呈色、濁り、沈殿の発生が低減されたフェヌグリーク種子加工物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、フェヌグリーク種子より水不溶物を除去して得られた水溶物にβ−グルコシダーゼを作用させ、得られた処理物より水溶物を除去して得られるフェヌグリーク種子加工物が、処理前の材料と比較して苦味が抑制されていると共にその他の不快な異味や、呈色や濁り、沈殿の発生が低減されている一方で、サポニン等の有用な成分は保持していることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は以下の発明を包含する。
【0008】
[1]フェヌグリーク種子加工物の製造方法であって、次の工程(1)、(2)及び(3)を含む上記方法:
(1)フェヌグリーク種子粉砕物より水不溶物を除去する工程;
(2)水不溶物を除去したフェヌグリーク種子粉砕物をβ−グルコシダーゼで処理する工程;及び
(3)酵素処理物より水溶物を除去する工程。
[2]フェヌグリーク種子粉砕物が種皮やガラクトマンナンが除去されたフェヌグリーク種子粉砕物である、[1]の方法。
[3]工程(1)が、フェヌグリーク種子粉砕物と水溶物抽出溶媒とを混合し、その後固液分離する工程を含む、[1]又は[2]の方法。
[4]固液分離を行う前に、フェヌグリーク種子粉砕物を水溶物抽出溶媒と共に80℃以上の条件で加熱処理することを含む、[3]の方法。
[5]フェヌグリーク種子の水溶物のβ−グルコシダーゼ処理物の水不溶物。
[6][5]の水不溶物を含有する飲食品組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、強い苦味や豆臭さ(青臭さ)等の不快な異味や呈色、濁り、沈殿の発生が低減されたフェヌグリーク種子加工物及びその製造方法を提供することができる。本発明のフェヌグリーク種子加工物は上記の特徴により、様々な態様の医薬品や飲食品に利用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.フェヌグリーク種子加工物の製造方法
本発明方法は概ね以下の工程を含む:
(1)フェヌグリーク種子粉砕物より、水不溶物を除去する工程;
(2)水不溶物を除去したフェヌグリーク種子粉砕物をβ−グルコシダーゼで処理する工程;及び
(3)酵素処理物より水溶物を除去する工程。
【0012】
以下、各工程について説明する。
(1)フェヌグリーク種子粉砕物より、水不溶物を除去する工程
本発明において使用するフェヌグリーク種子粉砕物は、フェヌグリーク種子を粉砕して得ることができる。フェヌグリーク種子は発芽前の種子であってもよいし、発芽後の種子であってもよい。粉砕物の形態や大きさは特に限定されるものではないが、例えば、ふるいの目開きにして1700μm以下、好ましくは1000μm以下、より好ましくは300μm以下を通過することができる粉末の形態とすることができる。粉砕の手段は特に限定されず、例えばミル、ホモジナイザー、ミキサーなどの通常の粉砕装置を利用することができる。
【0013】
好ましくは、本発明において使用するフェヌグリーク種子粉砕物は、種皮やガラクトマンナンが除去されたフェヌグリーク種子粉砕物、より好ましくは胚部分に由来する粉砕物である。種皮やガラクトマンナンを除去することによって最終生成物であるフェヌグリーク種子加工物における異味や呈色、不要な粘性等を低減することができる。
【0014】
種皮やガラクトマンナンの分離手段は特に限定されないが、例えば、フェヌグリーク種子をふるいの目開きにして1.7mm以下、好ましくは1.4mm以下、より好ましくは1.0mm以下、特に好ましくは0.7mm〜1.0mmを通過することができる大きさに粗粉砕した後、比重選別機を利用して、種皮やガラクトマンナンを分離・除去することにより行うことができる。フェヌグリーク種子を上記の大きさに粗粉砕することにより、比重選別機を利用した種皮やガラクトマンナンの分離を効率的に行うことができる。種皮やガラクトマンナンが分離・除去された粗粉砕物を、上記のとおりさらに粉砕、粉末化することによって、種皮やガラクトマンナンが除去されたフェヌグリーク種子粉砕物を得ることができる。ここで「種皮やガラクトマンナンが除去されたフェヌグリーク種子粉砕物」とは、種皮やガラクトマンナンを含む部分が完全に除去されたものだけでなく、種皮やガラクトマンナンを含む部分を30重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下の割合で含むものも意味する。
【0015】
また、フェヌグリーク種子を吸水させた後に、マスコロイダーのような粉砕装置を用いて、種子から種皮を分離した処理物もフェヌグリーク種子粉砕物として用いることができる。
【0016】
本発明において使用するフェヌグリーク種子粉砕物は脱脂処理されたものであってもよい。脱脂処理を施すことにより、フェヌグリーク種子に含まれる油脂由来の不快なにおい(Spices: flavor chemistry and antioxidant properties., Imre Blank et al., “The Principal Flavor Components of Fenugreek (Trigonella foenum-graecum L.)”, page 12-28, American Chemical Society, 1997)を、より多く除去することができる。脱脂処理はヘキサン、ジエチルエーテル、アセトン等の有機溶媒とフェヌグリーク種子粉砕物とを混合し、溶媒中に油脂分を溶出した後、固液分離して液体部分を除去することにより行うことができる。溶媒とフェヌグリーク種子粉砕物との混合は、各溶媒中にフェヌグリーク種子粉砕物を5℃〜50℃にて1時間〜72時間程度浸漬して行うことができる。必要に応じて、振盪や攪拌を加えてもよい。固液分離は一般的な手法により行うことができ、遠心分離やろ過等の手段を用いることができる。
【0017】
水不溶物の除去は、フェヌグリーク種子粉砕物と水溶物抽出溶媒とを混合し、水溶物を溶出させた後に固液分離することにより行うことができる。抽出溶媒としては熱水もしくは水、又は低級アルコール(メタノール、エタノール等)、あるいはこれらの混合物を利用することができ、特に好ましくは、熱水もしくは水、又はエタノール、あるいはこれらの混合液である。抽出溶媒とフェヌグリーク種子粉砕物との混合は、各溶媒中にフェヌグリーク種子粉砕物を5℃〜60℃にて3分以上(例えば1時間〜72時間、好ましくは18時間〜72時間)浸漬して行うことができる。必要に応じて、振盪や攪拌を加えてもよい。振盪や攪拌の方法は、実施者において適宜決定することができる。フェヌグリーク種子粉砕物に加える抽出溶媒の量は、フェヌグリーク種子粉砕物1重量部に対して1〜500重量部、好ましくは3〜100重量部、より好ましくは5〜50重量部である。加える抽出溶媒の量が少なくなりすぎると水溶物を十分に抽出することができない場合があり、反対に多すぎるとその後の操作の作業効率や酵素反応効率が低下すると共に、コスト的に好ましくないという問題が生じる場合がある。
【0018】
次いで、抽出溶媒を固液分離して液体部分を回収することにより、水不溶物が除去されたフェヌグリーク種子粉砕物を得ることができる。水不溶物が除去されたフェヌグリーク種子粉砕物は、フェヌグリーク種子粉砕物の水溶物を含む。固液分離は一般的な手法により行うことができ、遠心分離やろ過等の手段を用いることができる。なお、抽出溶媒としてアルコールを利用する場合、下記酵素反応前に、加熱等によりアルコールを除去し、酵素反応を可能とする水溶液と置換しておくことが好ましい。
【0019】
好ましくは、固液分離を行う前に、フェヌグリーク種子粉砕物は抽出溶媒と共に加熱処理に付すことができる。加熱処理により変性したタンパク質に由来する凝集物が形成され、水不溶物の除去をより効率的に行うことができ、水不溶物に含まれる濁り・沈殿及び不快なにおいの原因となる物質の除去を効率的に行うことができる。加熱処理は、80℃以上、好ましくは80℃〜100℃にて5分以上行うことができ、上記浸漬終了後から固液分離を行う前(好ましくは直前)の間で行うことができる。
【0020】
(2)水不溶物を除去したフェヌグリーク種子粉砕物をβ−グルコシダーゼで処理する工程
本発明に使用するβ−グルコシダーゼとしては、微生物由来、植物由来等、特に限定されるものではないが、微生物由来のものを使用する方が酵素活性の強さ、基質の適合性の点から好ましく、当該微生物としては、Trichoderma reesei(Trichoderma reesei RUT−C30(ATCC No.56765)、Trichoderma reesei QM9414(ATCC No.26921))を例示することができる。植物由来のものとしては、アーモンド由来のβ−グルコシダーゼが挙げられる。
【0021】
また、β−グルコシダーゼとしては、精製したβ−グルコシダーゼの他に、β−グルコシダーゼを含む酵素製剤を用いることもできる。酵素製剤としては、微生物由来のMultifect BGL、ナリンギナーゼ(田辺製薬)、セルラーゼSS(ナガセケムテックス)等が挙げられる。β−グルコシダーゼの添加量は、上記(1)にて最初に投入されるフェヌグリーク種子粉砕物の量や、β−グルコシダーゼの種類によって変わり得るが、例えば、β−グルコシダーゼ含有酵素製剤としてセルラーゼSSを使用する場合、フェヌグリーク種子粉砕物1gあたりセルラーゼSSを10μL〜50μL添加すればよい。
【0022】
β−グルコシダーゼによる処理は、例えば、20℃以上、好ましくは40℃〜60℃にて、48時間以下、好ましくは2時間〜24時間程度行うことができる。当該処理後、β−グルコシダーゼを加熱失活させるべく、例えば80℃〜100℃で5分間〜10分間の加熱処理をすることができる。
【0023】
上記反応温度を保つためには適当な加温手段を用いることができる。また酵素反応中は静置しておくよりも、振盪や攪拌を行うことが好ましい。これによって、酵素を均一に分散し、酵素反応の効率化を行うと共に、不均一な塊の発生を効果的に防ぐことができる。振盪や攪拌の方法は、実施者において適宜決定することができる。
【0024】
本工程にて、β−ガラクトシダーゼ処理を行うことにより、最終生成物であるフェヌグリーク種子加工物において強い苦みを低減することができる(特開2008−285465号)。
【0025】
(3)酵素処理物より水溶物を除去する工程
上記酵素反応終了後、酵素反応液を回収し、必要に応じて冷却した後、固液分離することにより酵素処理物の水溶物と水不溶物とを分離することができ、液体部分を除去することにより、酵素処理物より水溶物を除去することができる。固液分離は一般的な手法により行うことができ、遠心分離やろ過等の手段を用いることができる。
【0026】
水溶物が除去された酵素処理物には、酵素処理物の水不溶物が含まれる。
固液分離にて回収された水溶物が除去された酵素処理物は、そのままフェヌグリーク種子加工物として使用することもできるが、更に乾燥を行ってもよく、例えば、水分含量6質量%以下、好ましくは2〜6質量%にまで乾燥する。また乾燥物は適宜粉砕してもよい。
【0027】
乾燥方法は、熱風乾燥や噴霧乾燥等の一般的な方法でよいが、風味面から凍結乾燥が好ましい。凍結乾燥方法は、常法により実施すればよい。
【0028】
粉砕に用いる粉砕手段としては、例えばスタンプミル、マスコロイダー、コミトロール、擂粉木等が挙げられる。粉砕物の粒度は必要に応じて篩で調整することもできる。
【0029】
2.フェヌグリーク種子加工物
上記製造方法により得られる本発明のフェヌグリーク種子加工物は、フェヌグリーク種子が有する強い苦味が低減されていると共に、豆臭さ、青臭い不快臭、後味の異味、ベタつき、イガイガ感が低減されており、水に添加した際に認められる黄色味、濁り、沈殿の発生が低減されている。一方、本発明のフェヌグリーク種子加工物にはサポニンをはじめとする様々な有用な成分が含まれる。これらの特徴から、本発明のフェヌグリーク種子加工物は特定の利用態様に制限されることなく、様々な飲食品や医薬品に添加して利用することができる。
【0030】
すなわち、本発明のフェヌグリーク種子加工物は、医薬上許容される担体、添加物、賦形剤等と必要に応じて組み合わせて製剤化し、医薬組成物の形態で使用することができる。当該医薬組成物の投与形態としては、特に制限はなく、必要に応じ適宜選択されるが、一般には錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、液剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤等の経口剤、又は注射剤、点滴剤、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、貼付剤、軟膏剤等の非経口剤として投与され得る。当該医薬組成物における担体、添加物、賦形剤等は、投与経路に応じて適宜選択され得る。当該医薬組成物が治療又は予防し得る疾患としては糖尿病、肥満等が挙げられる(特開2008−285465号)。
【0031】
また、本発明のフェヌグリーク種子加工物は、飲食品として許容される他の材料と必要に応じて組み合わせて、飲食品組成物の形態で使用することができる。当該飲食品組成物は、その本体、包装、説明書、宣伝物又は宣伝用電子的情報に効能の表示、例えば、α−アミラーゼ阻害作用を有する旨の表示、血糖値を下げる旨の表示などが付されたものであってもよい。飲食品組成物の形態は特に限定されず、固形、半固形、液体等の種々の形態のものであってよい。
【0032】
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0033】
実験1:風味及び外観の改善
フェヌグリーク種子加工物を以下の工程を含む方法により調製した。
(工程1)ホールのフェヌグリーク種子を石臼式粉砕機(ピュアファインミルKM1−15型、栗田機械製作所)にて粗砕し、比重選別機MH−310型(原島電機工業)により胚と種皮やガラクトマンナンに選別し、胚を回収した。得られた胚を粉砕して300μmの篩にかけ胚の粉末を得た。
(工程2)粉砕物1gに水20gを添加して、ボルテックスにて3分間撹拌した。
(工程3)遠心分離(20000rpm,10分間)し、デカントにて水不溶物を除去し、上清を回収した。
(工程4)90℃にて5分間加熱し、殺菌と内在性酵素の失活を行った。冷却後、酵素(セルラーゼSS,ナガセケムテクス)37μLを添加して、55℃にて18時間反応させた。酵素反応後、90℃にて15分間加熱して、酵素の失活を行い、その後冷却した。 (工程5)遠心分離(20000rpm,10分間)し、水溶物を除去し、沈殿を回収した。
(工程6)得られた試料を凍結乾燥した。
以下、上記工程1〜工程6を経て得られたサンプルを「実施例1」と記載する。
【0034】
一方、対照として、上記工程1〜2、工程4〜工程6(工程3を含まない)を経て得られたサンプルを比較例1とし、また上記工程1〜工程4、工程6(工程5を含まない)を経て得られたサンプルを比較例2とした。
【0035】
上記で得られた実施例1ならびに比較例1及び2を用いて官能評価を実施し、風味及び外観を評価した。評価に際して、まず、比較例2を水にて10倍希釈したサンプルを調製し、そのサポニン(ジオスシン)含有量を測定した。サポニン含有量の測定はHPLCにて行った。測定にはAgilent Compact LC 1120(Agilent Technologies)を用い、カラムはPEGASIL ODS SP100−3(φ4.6×150mm)(Senshu Scientific co.,ltd.)を用い、溶媒はアセトニトリル:水=1:1(0.7ml/min)を用いた。
【0036】
比較例2におけるサポニン含有量を基準とし、実施例1及び比較例1についてもサポニン含有量が揃うように水を加えてそれぞれサンプルを調製した。
【0037】
各サンプルについて審査官8名により、風味[豆臭さ、イガイガ感]及び外観[黄色味、濁り、沈殿]をそれぞれ5段階で評価した。各項目について評価基準は以下のとおりである。なお、風味評価は少量ずつ試飲してもらうことにより実施し、「豆臭さ」とは青臭い不快臭、「イガイガ感」とは後味の異味、ベタつきを意味する。
結果を、
図1に示す。
【0038】
実施例1においては、比較例1及び2と比較して、豆臭さやイガイガ感が低減されており風味が改善されていることが確認された。また、実施例1においては、比較例1及び2と比較して、黄色味が低減されており、また比較例1と比較して、濁り、及び沈殿が低減されており、外観が改善されていることが確認された。
【0039】
これらの結果より、酵素反応前に水不溶物を除去すること(工程3)及び酵素反応後に水溶物を除去すること(工程5)により、風味及び外観を改善できることが明らかとなった。
【0040】
実験2:加熱処理による水不溶物除去の促進
上記工程1にて得られた粉砕物を水に12重量%の濃度にて添加して撹拌した後、沸騰水浴中で5分間加熱処理した。冷却後、上記工程3〜6に付しフェヌグリーク種子加工物を得た。
【0041】
上記加熱処理に付すことにより、おぼろ豆腐のような凝集物ができ、遠心分離により水不溶物の沈殿・除去を容易にした。特に、粉砕物を水と撹拌した後、半日以上静置した場合には、遠心分離により上清が清澄化した。
【0042】
本手法により得られたフェヌグリーク種子加工物においては、特に、黄色味が低減されており、外観が改善されていることが確認された。