(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
外装ケースと、この外装ケースに収納してなる少なくとも1以上の二次電池を有する電池ブロックと、この電池ブロックに接続してなる回路基板と、前記電池ブロックからの出力電流を出力する出力リードと接続してなる電源コネクタとを備える電源装置であって、
前記電源コネクタは、前記外装ケースの固定面にフローティング状態で取り付けられ、
前記回路基板は、前記固定面と前記電池ブロックの間で、前記固定面と直交する第1の方向に平行な姿勢で配置されて、
前記出力リードが前記回路基板の下側又は上側に設けてなる配線スペースに配置されて、前記電池ブロックに接続されてなり、
前記出力リードは、前記電源コネクタから前記電池ブロックに向かって延びる第1領域を備えており、前記第1領域の前記電池ブロック側を、保護素子と前記回路基板のいずれか又は両方を介して前記電池ブロックに接続してなることを特徴とする電源装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための電源装置を例示するものであって、本発明は電源装置を以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0013】
本発明の電源装置は、サーバーラックにセットされて、停電時にサーバーがシャットダウン動作を終了するまで動作電力を供給する用途に最適である。ただ、本発明は、電源装置の用途をサーバーラックにセットされる装置には特定せず、たとえば、出力電流を50A以上や100A以上とする大電流で充放電される他の全ての用途に使用できる。
【0014】
図1の垂直断面図に示す電源装置100は、サーバーラック50に脱着自在にセットされて、停電時にサーバー60が正常にシャットダウン動作を終了するまで動作電力を供給する。すなわち、停電時にサーバー60を終了させるための電源装置である。図のサーバーラック50は、電源装置100を水平方向に出し入れして脱着できる収納スペース51を設けている。収納スペース51には、ここに挿入される電源装置100の電源コネクタ3を接続するための電源ライン53を配置している。電源ライン53は水平姿勢に配置している金属板である。2枚の金属板は左右に分離されて、水平姿勢で同一平面上に配置されて、正負の電源ライン53としている。ただ、電源ライン53である2枚の金属板は、上下に分離して、水平姿勢で互いに平行に配置することもできる。2枚の金属板は、互いに絶縁してサーバーラック50に固定している。
【0015】
電源装置100は、サーバーラック50の収納スペース51に挿入されて、電源コネクタ3を電源ライン53に電気接続して、サーバー60に動作電力を供給する。この電源装置100は、
図2の長手方向に切断している垂直断面図と、
図3の横断面図と、
図4のブロック図とに示すように、外装ケース2と、この外装ケース2に収納している複数の二次電池1を有する電池ブロック10と、この電池ブロック10に接続している回路基板4と、外装ケース2の固定面2Xにフローティング状態で取り付けられて二次電池1の出力側に出力リード5を介して接続している電源コネクタ3とを備える。
【0016】
図4は電源装置100のブロック図を示している。
図4に示す電源装置100は、複数の二次電池1を直列又は並列に、あるいは直列と並列に接続している電池ブロック10と、この電池ブロック10の出力側に接続している半導体スイッチング素子7と、半導体スイッチング素子7をオンオフに制御する保護回路6と、出力側を電源ライン53に接続する電源コネクタ3とを備えている。
【0017】
保護回路6は、電池ブロック10を構成する複数の二次電池1を保護するように、充放電電流をコントロールする。保護回路6は、電池ブロック10を構成する二次電池1の電圧、温度、電流を検出して、電池ブロック10の充放電の電流をコントロールする。保護回路6は、二次電池1の電圧と残容量とを設定範囲とするように、半導体スイッチング素子7をオンオフに制御する。たとえば、保護回路6は、充放電している二次電池1の電圧が最高電圧よりも上昇し、あるいは最低電圧よりも低下し、あるいは二次電池1の残容量[SOC(%)]が最大値よりも大きくなり、または最低値よりも小さくなると半導体スイッチング素子7をオフに切り換える。
【0018】
二次電池1の残容量[SOC(%)]を検出するために、電源装置は電池ブロック10と直列に接続している電流検出抵抗8を備え、また二次電池1の温度を検出するために二次電池1に熱結合状態に配置している温度センサ19を備える。また、電源装置は、過電流を防止するヒューズ9を電池ブロック10と直列に接続している。電流検出抵抗8とヒューズ9は、出力リード5に接続されており、電池ブロック10と直列に接続されている。ヒューズ9は、出力リード5に過電流が流れると、電池ブロック10の電流を遮断する。なお、出力リード5に接続されるヒューズ9や電流検出抵抗8は、二次電池1や電源装置100の保護を目的として配置される電子部品であるため、本明細書においては、保護素子17に包含されるものとする。また、本実施例では、電池ブロック10の電流を遮断する保護素子17としてヒューズ9を使用するが、保護素子にはブレーカやPTCを使用することもできる。
【0019】
半導体スイッチング素子7や、電圧や電流を検出して半導体スイッチング素子7をオンオフに切り換える保護回路6は回路基板4に実装され、電流検出抵抗8やヒューズ9は外装ケース2内に配置され、電流検出抵抗8はリード線14を介して回路基板4の保護回路6に接続している。
【0020】
外装ケース2は、
図2と
図5に示すように、細長い中空の箱形で、二次電池を収納する電池収納部11と回路基板4を収納する基板収納部12とを長手方向に区画して設けている。外装ケース2は、
図1に示すように、サーバーラック50の収納スペース51に挿入される状態で、前面プレート22をサーバーラック50に収納しているサーバー60の前面と同一平面となる長さとして、全体を細長い箱形としている。外装ケース2は、
図2に示すように、背面プレート21を固定面2Xとして電源コネクタ3を取り付け、基板収納部12を外装ケース2の背面プレート21側に、電池収納部11を前面プレート22側に設けて、基板収納部12を電池収納部11よりも背面プレート21側としている。
【0021】
外装ケース2は2枚の金属板を折曲加工して製作している。
図2に示すように、下側の金属プレート2Aは、細長い金属板の両端部を直角に折曲して、底プレート20の両端に背面プレート21と前面プレート22とを連結している。
図3に示すように、上側の金属プレート2Bは、横断面形状をコ字状に折曲加工して、上面プレート23の両側に側面プレート24、24を連結している。下側の金属プレート2Aは、
図2、
図3、及び
図5に示すように、底プレート20の両側と、背面プレート21及び前面プレート22の両側と上端部とを内側に折曲して折曲縁25を設けて、折曲縁25に雌ねじ孔26を設けている。上側の金属プレート2Bは、雌ねじ孔26にねじ込む止ネジ29を挿通する貫通孔(図示せず)を設けている。この外装ケース2は、貫通孔に止ネジ29を挿入し、雌ねじ孔26にねじ込んで2枚の金属板を連結できる。
【0022】
固定面2Xである背面プレート21は、
図5に示すように、電源コネクタ3を挿入してフローティング状態で連結するコネクタ窓27を設けている。コネクタ窓27は、電源コネクタ3の外形よりも内形を大きく、ここに挿入して連結される電源コネクタ3を、背面プレート21の表面と平行な方向に移動できるフローティング状態で取り付けている。フローティング状態の電源コネクタ3は、背面プレート21の表面と平行な方向には移動できるが、背面プレート21の表面と垂直方向には移動しないように取り付けられる。
【0023】
外装ケース2は、固定面2Xである背面プレート21と電池ブロック10の間に回路基板4を配置している。この回路基板4は、固定面2Xと直交する第1の方向に平行な姿勢で配置される。
図2に示す外装ケース2は、電池収納部11に電池ブロック10を配置して、基板収納部12に回路基板4を配置している。
図2と
図3の電源装置100は、回路基板4を水平姿勢で、基板収納部12の上部に配置して、回路基板4の下方に出力リード5の配線スペース13を設けている。配線スペース13は、先端を電源コネクタ3に接続している出力リード5を配置している。
【0024】
出力リード5は、配線スペース13において、固定面2Xである背面プレート21と直交する第1の方向、つまり、外装ケース2の長手方向に延びる姿勢で配置されて、フローティング状態の電源コネクタ3を動きやすくしている。出力リード5は、外装ケース2の長手方向に直線状に延びる姿勢で配線され、あるいは部分的に湾曲される状態で配線され、あるいはループ状に曲げる状態で配線スペース13に配置することができる。
【0025】
図2と
図4に示す出力リード5は、電源コネクタ3から電池ブロック10に向かって延びる第1領域5Aを備えており、この第1領域5Aの電池ブロック10側を、ヒューズ9や電流検出抵抗8等の保護素子17を介して、回路基板4や電池ブロック10に接続している。図の電源装置は、電源コネクタ3に2本の出力リード5を接続している。一方の出力リード5は、電源コネクタ3に接続されて電池ブロック10に向かって延びる第1領域5Aと、回路基板4の第1の接続端子4aに接続されて電池ブロック10に向かって延びる第2領域5Bとを有する。さらに、回路基板4の第2の接続端子4bと電池ブロック10とを接続する第3領域5Cを有しており、第1領域5Aと第2領域5Bの間にヒューズ9を接続している。他方の出力リード5は、電源コネクタ3から電池ブロック10に向かって延びる第1領域5Aを備えており、この第1領域5Aの電池ブロック10側を、電流検出抵抗8を介して電池ブロック10に接続している。ヒューズ9と電流検出抵抗8は、回路基板4が配置された基板収納部12内に配置されている。
【0026】
また、基板収納部12内に配置されるヒューズ9と電流検出抵抗8は、電源コネクタ3から延びる出力リード5の第1領域5Aが長くなるように、第1領域5Aとの接続点5a、5bを電池収納部11の電池ブロック10に接近する位置としている。すなわち、ヒューズ9と第1領域5Aとの接続点5a、及び電流検出抵抗8と第1領域5Aとの接続点5bは、固定面2Xである背面プレート21よりも電池ブロック10に近い部位(基板収納部12内の電池収納部11に近い1/2の領域、好ましくは1/4の領域)に配置されている。ここで、基板収納部12内に配置されるヒューズ9や電流検出抵抗8等の保護素子17は、保護素子本体の大きさや基板収納部12のスペース等の制約により、必ずしも電池ブロック10に接近した位置に配置できるとは限らない。しかしながら、第1領域5Aとの接続点5a、5bの位置を、固定面2Xである背面プレート21よりも電池ブロック10に近い位置とすることで、第1領域5Aの長さを充分に確保することが可能となる。
【0027】
図2と
図4の出力リード5は、ヒューズ9が接続される一方の出力リード5を、回路基板4を介して電池ブロック10に接続し、電流検出抵抗8が接続される他方の出力リード5を、回路基板4を介することなく電池ブロック10に接続している。ただ、出力リードは、電流検出抵抗が接続される出力リードを、回路基板を介して電池ブロックに接続し、ヒューズが接続される出力リードを、回路基板を介することなく電池ブロックに接続することも、ヒューズが接続される出力リードと電流検出抵抗が接続される出力リードの両方を、回路基板を介して電池ブロックに接続することもできる。また、出力リードは、ヒューズと電流検出抵抗の直列回路を介して電池ブロックに接続することもできる。この場合、ヒューズと電流検出抵抗の直列回路が接続される一方の出力リードを、回路基板を介して電池ブロックに接続し、他方の出力リードを直接に電池ブロックに接続することができる。あるいは、ヒューズと電流検出抵抗の直列回路が接続される一方の出力リードを電池ブロックに接続し、他方の出力リードを回路基板を介して電池ブロックに接続することができる。
【0028】
以上のように、出力リード5は、電源コネクタ3から電池ブロック10に向かって延びる第1領域5Aの電池ブロック10側が、ヒューズ9や電流検出抵抗8等の保護素子17や回路基板4に接続され、あるいは直接に電池ブロック10に接続される。このように、第1領域5Aの電池ブロック10側をヒューズ9や電流検出抵抗8等の保護素子17や回路基板4に接続し、あるいは直接に電池ブロック10に接続する構造は、電源コネクタ3から電池ブロック10に向かって延びる出力リード5を、電源コネクタ3から離れた位置で固定できる。このため、第1領域5Aの電池ブロック10側が固定された部位を支点として第1領域5Aを可動できる構造として、第1領域5Aの先端に接続された電源コネクタ3をスムーズに、しかも安定してフローティングできる。
【0029】
フローティング状態の電源コネクタ3が上下左右に移動する状態で、出力リード5には変形する可撓性が要求される。出力リード5の可撓性は、フローティング状態の電源コネクタ3の動きを制限し、変形できない出力リードは、電源コネクタを実質的にはフローティング状態で外装ケースに取り付けできなくなる。回路基板4の下方に設けた配線スペース13に配置される出力リード5は、電源コネクタ3から電池ブロック10に向かって延びる第1領域5Aを設けることで、電源コネクタ3に接続する先端までを長くできる。配線スペース13に配置される長い出力リード5は、電源コネクタ3を上下に、あるいは左右に移動させる状態で、短い出力リードよりも折曲角度を小さくできる。大電流が流れる太い出力リード5は、硬くて曲げ難いので、フローティング状態の電源コネクタ3の移動を制限するが、出力リード5を配線スペース13に配置して長くすることで、電源コネクタ3を移動しやすくできる。それは、電源コネクタ3が移動して、出力リード5の折曲角度を小さくできるからである。
【0030】
出力リード5は、電流容量を大きくするために、導電部の断面積を8mm
2とするリード線である。ただ、出力リード5には、導電部の断面積を、例えば3mm
2以上、好ましくは5mm
2以上、さらに好ましくは7mm
2以上であって、15mm
2以下とするリード線が使用できる。また、出力リード5には、導電部の断面積を、例えば3mm
2以上、好ましくは5mm
2以上、さらに好ましくは7mm
2以上であって、15mm
2以下とする金属板も使用できる。
【0031】
電源コネクタ3は、外装ケース2の固定面2Xである背面プレート21に、フローティング状態で取り付けられる。
図1の電源装置100は、水平姿勢で水平方向に配置される金属板の電源ライン53に電源コネクタ3を接続する。この電源コネクタ3は、
図6〜
図8の拡大断面図に示すように、水平姿勢で水平方向に延びるように固定している電源ライン53に接続される弾性接点15を絶縁材のプラスチックケース30に配置している。
図5〜
図8に示す電源コネクタ3のプラスチックケース30は、外装ケース2の背面プレート21に取り付けられる鍔部32と、この鍔部32に連結されて背面プレート21に設けたコネクタ窓27に挿入されて外装ケース2の外側に表出するカバー部31と、このカバー部31とコネクタ窓27との間にできる隙間を閉塞する閉塞部37とを一体的に成形している。カバー部31は、電源ライン53の金属板を挿入する2列のガイド溝33を左右に並べて、外装ケース2の背面側に設けている。2列のガイド溝33は、同一平面上に、水平方向に延びるように設けられて、電源ライン53を挿入できる形状としている。
図5に示すカバー部31は、2列のガイド溝33の間に絶縁壁36を設けて、2列のガイド溝33を絶縁している。閉塞部37は、カバー部31の上下の端縁に沿って延びる鍔状で、プラスチックケース30の上下面から突出して形成されている。閉塞部37は、電源コネクタ3が上下にフローティングする状態で、カバー部31とコネクタ窓27との間にできる隙間を閉塞できるように形成されている。
【0032】
弾性接点15は、電源ライン53の金属板に押圧される先端部をガイド溝33に配置して、後端をプラスチックケース30から外装ケース2の内側に突出させて出力リード5の接続端子16として、中間部をプラスチックケース30に固定している。外装ケース2の内側に突出する接続端子16には、出力リード5がネジ止めされ、あるいはハンダ付けして固定される。一端を接続端子16に固定している出力リード5は、他端を二次電池1の出力側、
図4においては、ヒューズ9や電流検出抵抗8に接続している。ただし、電源装置は、出力リード5を必ずしもヒューズ9や電流検出抵抗8に接続せず、たとえば、出力側に半導体スイッチング素子7を接続している装置にあっては、出力リード5が半導体スイッチング素子7に接続される。
【0033】
電源コネクタ3は、プラスチックケース30のカバー部31を背面プレート21のコネクタ窓27に挿入し、鍔部32と閉塞部37を外装ケース2の背面プレート21の内側に配置して、フローティング状態で外装ケース2に取り付けられる。
図5〜
図8の電源コネクタ3は上下方向に移動して、左右方向には移動しないように外装ケース2に取り付けられる。したがって、コネクタ窓27は、挿入されるカバー部31を上下に移動できる大きさに開口される。すなわち、コネクタ窓27は、カバー部31の上下に隙間ができる大きさに開口される。この隙間は、電源コネクタ3が上下に移動できるストロークを特定する。カバー部31はコネクタ窓27の内側で上下に移動できるので、カバー部31の両側とコネクタ窓27の内側にもわずかな隙間が設けられる。コネクタ窓27の内側がカバー部31の両側に密着すると、電源コネクタ3を上下にフローティングできなくなるからである。この隙間は、カバー部31の両側をコネクタ窓27の内側に接触させない程度で十分である。
【0034】
プラスチックケース30の鍔部32は、カバー部31の両側に突出して背面プレート21の内側に配置される。鍔部32は、
図5、
図6、及び
図8に示すように、背面プレート21に設けた連結穴28に挿入される連結ボス34を一体的に成形して設けている。連結ボス34は筒状で、ここに止ネジ35がねじ込まれて背面プレート21に取り付けられる。連結ボス34は、上下方向に移動できるように連結穴28に挿入される。言い換えると、連結穴28は連結ボス34を上下方向に移動できる内形、すなわち、上下方向に細長い形状としている。連結ボス34の上下面と、連結穴28の上下の内面との隙間は、電源コネクタ3を上下方向に移動できるストロークを特定する。したがって、この隙間も、カバー部31とコネクタ窓27の隙間と同じように、電源コネクタ3を所定のストロークで、たとえば、上方と下方とに各々1mm〜5mmストロークできるように開口される。
【0035】
連結ボス34は連結穴28に挿入される状態で止ネジ35がねじ込まれる。止ネジ35は、頭が連結穴28を通過できない大きさ、つまり、連結穴28の横幅より大きくしている。電源コネクタ3は、カバー部31をコネクタ窓27に挿入して、連結ボス34を連結穴28に挿入し、この状態で連結ボス34に止ネジ35をねじ込んで背面プレート21にフローティング状態で取り付けられる。連結ボス34が鍔部32の表面から突出する高さは、背面プレート21の厚さよりも高く、止ネジ35が連結ボス34にねじ込まれる状態で、止ネジ35の頭は背面プレート21を押圧しない。したがって、止ネジ35が連結ボス34にねじ込まれる状態で、鍔部32と止ネジ35の頭との間に背面プレート21を挟着しない状態で配置して、電源コネクタ3はフローティング状態で背面プレート21に取り付けられる。
【0036】
図5と
図7の電源コネクタ3は、カバー部31の両側に鍔部32を設けて、背面プレート21に取り付けているが、電源コネクタ3は、カバー部31の上下に鍔部を設けて背面プレート21に取り付けることができる。また、カバー部31の四隅部に鍔部を設けて背面プレート21に取り付けることもできる。
【0037】
本発明の電源装置100は、サーバーラック50に挿入される状態で、電源コネクタ3を上下方向にフローティングして、サーバーラック50に固定している金属板の電源ライン53に確実に電気接続される。それは、電源コネクタ3が、電源ライン53に電気接続されるのに理想的な位置に移動して、弾性接点15を電源ライン53に電気接続するからである。本発明の電源装置100は、水平方向に延びるように固定している電源ライン53に確実に電気接続するために、電源コネクタ3を上下方向にフローティングできるように、外装ケース2に取り付けているが、本発明の電源装置は、たとえば、上下方向に固定している電源ライン53に電気接続する構造にあっては、電源コネクタ3を左右方向にフローティングできるように外装ケース2に取り付けられる。
【0038】
なお、本実施の形態において、電源コネクタ3を背面プレート21に取り付けるとしたが、電源コネクタを前面プレートに取り付けるとしてもよい。また、電源コネクタを左右の側面プレートに取り付けるとしてもよい。つまり、基板収納部が電源コネクタを取り付ける固定面側になり、電池収納部が電源コネクタを取り付ける固定面と反対側になるように配置し、基板収納部を電池収納部よりも固定面側としている。こうすることで、電源コネクタを取り付ける固定面と電池ブロックの間に出力リードを配線する配線スペースを確保することができる。
【0039】
なお、本実施の形態において、電池ブロック10を複数の二次電池1で構成されるとしたが、電池ブロックを1個の大型の二次電池で構成するとしてもよい。また、本実施の形態において、電源装置100に1個の電池ブロック10を配置するとしたが、電源装置に直列又は並列接続された複数の電池ブロックを配置するとしてもよい。
【0040】
本実施例の電源装置は、出力リード5を、配線スペース13において第1の方向に延びる姿勢で配線することができる。
【0041】
本実施例の電源装置は、出力リード5を、導電部の断面積を3mm
2以上とするリード線とすることができる。
【0042】
本実施例の電源装置は、出力リード5は、電源コネクタ3から電池ブロック10に向かって延びる第1領域5Aを備えており、この第1領域5Aの電池ブロック10側を保護素子17と回路基板4のいずれか又は両方を介して電池ブロック10に接続することができる。
【0043】
本実施例の電源装置は、出力リード5に接続しているヒューズ9を備え、出力リード5の第1領域5Aとヒューズ9との接続点5aを固定面2Xよりも電池ブロック10に近い部位に配置することができる。
【0044】
本実施例の電源装置は、出力リード5に接続している電流検出抵抗8を備え、出力リード5の第1領域5Aと電流検出抵抗8との接続点5bを固定面2Xよりも電池ブロック10に近い部位に配置することができる。
【0045】
本実施例の電源装置は、回路基板4に出力電流をオンオフする半導体スイッチング素子7を実装することができる。
【0046】
本実施例の電源装置は、電源コネクタ3を外装ケース2の固定面2Xに上下にフローティング自在に取り付けることができる。
【0047】
本実施例の電源装置は、サーバーラック50にセットされる状態で、電源コネクタ3が、サーバーラック50の電源ライン53に連結されるようにすることができる。