(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6651475
(24)【登録日】2020年1月24日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】ドライブレコーダー
(51)【国際特許分類】
G07C 5/00 20060101AFI20200210BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-25101(P2017-25101)
(22)【出願日】2017年2月14日
(65)【公開番号】特開2018-132891(P2018-132891A)
(43)【公開日】2018年8月23日
【審査請求日】2018年10月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】516177656
【氏名又は名称】センスシングスジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】金 泓錫
【審査官】
毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−105530(JP,A)
【文献】
特開2009−040276(JP,A)
【文献】
特開2008−024194(JP,A)
【文献】
特開平10−328099(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2017/0006225(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 5/00− 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車外を撮影可能な撮影部及び当該撮影部で撮影された画像データを記憶する記憶部を内蔵する本体部と、
自動車に取り付けて前記本体部を支持する支持部とを備え、
前記支持部は、中空の円筒形に形成される開口部を有し、
前記本体部は、外周が前記支持部の開口部の内周と略同一であり、前記開口部に挿入可能な円筒形の挿入部を有し、
前記本体部は、前記挿入部を前記開口部に挿入した状態で、前記挿入部の中心軸を回動軸として、回動することで前記撮影部が撮影する方向を調整可能とし、
前記開口部は、内周面に周期的に凹凸部を複数有し、
前記挿入部は前記開口部が有する凹部と対となる凸部が先端に形成されるU字形状の切り込み部が施され、
前記複数の凹凸部は凹部が互いに連接するように配置され、前記切り込み部に形成される凸部が前記支持部の開口部の中心軸の方向に可動され、前記本体部に内蔵される前記撮影部が撮影する方向を調整可能とする、ドライブレコーダー。
【請求項2】
前記支持部は、自動車のウィンドウに接着する接着機構と、前記本体部が挿入される支持機構とを備え、当該支持機構は、接着機構からスライドにより取り外し可能であることを特徴とする、請求項1に記載のドライブレコーダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブレコーダーであって、撮影方向を自在に変更可能であるものである。
【背景技術】
【0002】
近年、安全で快適なドライブを確保するため、ドライブレコーダーの利用が高まっている。ドライブレコーダーは、例えば、車内においてウィンドウに取り付け、走行中等に車外を撮影するものである。ドライブレコーダーの取り付け対象である自動車は、様々なタイプがある。具体的には、車高、ウィンドウの形状等は多種多様である。したがって、ドライブレコーダーは、どのタイプの自動車に取り付けたとしても、必要な画像を撮影可能とする必要がある。
【0003】
一般的には、自動車のウィンドウは、左右方向(水平方向)の傾きが大きく異なることは少ない。一方、ウィンドウの上下方向(垂直方向)の傾きは、自動車のタイプによって大きく異なる。したがって、ドライブレコーダーは、取り付けた自動車によってその上下方向の傾きを調整する必要があることが多い。
【0004】
従来、ドライブレコーダーの傾きを調節する技術が検討されている(特許文献1参照)。特許文献1では、第一の回動手段でフロントガラスに固定された場合に、カメラを備える第1の部材の向きを調整可能とする技術が記載されている。しかしながら、どのような構成で係合爪を撓ませることができるのか不明である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−109093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、特許文献1では、係合爪を撓ませる構成が不明であるため、カメラの向きを調整する構成を十分に理解することができない。
【0007】
上記課題に鑑み、本発明は、ウィンドウに取り付けた際に、撮影方向を自在に調整するドライブレコーダーに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るドライブレコーダーは、車外を撮影可能な撮影部及び当該撮影部で撮影された画像データを記憶する記憶部を内蔵する本体部と、自動車に取り付けて本体部を支持する支持部とを備え、支持部は、中空の円筒形に形成される開口部を有し、本体部は、外周が前記支持部の開口部の内周と略同一であり、開口部に挿入可能な円筒形の挿入部を有し、本体部は、挿入部を開口部に挿入した状態で、挿入部の中心軸を回動軸として、回動することで撮影部が撮影する方向を調整可能とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様に係るドライブレコーダーは、ウィンドウに取り付けた際に、撮影方向を自在に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係るドライブレコーダーの正面図である。
【
図2】ドライブレコーダーの各部を取り外した正面図である。
【
図3】ドライブレコーダーの接着機構を表わす斜視図である。
【
図4】ドライブレコーダーの支持機構を表わす斜視図である。
【
図5】ドライブレコーダーの支持部の開口部を表わす斜視図である。
【
図6】ドライブレコーダーの本体部の挿入部を表わす斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、図面を用いて本発明の実施形態に係るドライブレコーダーについて説明する。
図1及び
図2に示すように、実施形態に係るドライブレコーダー1は、車外を撮影可能な撮影部及び撮影部で撮影された画像データを記憶する記憶部を内蔵する本体部2と、自動車に取り付けて本体部を支持する支持部3とを備える。また、ドライブレコーダー1は、支持部3に支持される本体部2が支持部3から外れないように止める蓋部4を備えてもよい。
図1は、本体部2、支持部3及び蓋部4が全て組み立てられる状態を表わす。また、
図2は、本体部2、支持部3及び蓋部4が取り外された状態を表わす。ドライブレコーダー1は、一般的なドライブレコーダーであって、自動車のフロントウィンドウやバックウィンドウに取り付けられ、ドライブの様子等を撮影するものである。
【0012】
撮影部は、ドライブ映像等を撮影するカメラ等の装置である。カメラのレンズ部20は、
図1に示すように、ウィンドウに取り付けした際に車外を撮影可能に本体部2に内蔵される。また、記憶部は、撮影部で撮影された映像データを記憶するメモリ等の装置である。このように、ドライブレコーダー1は、本体部2に撮影部に加えて、記憶部が内蔵されることで、ユーザの利便性を向上させることができる。なお、撮影部及び記憶部の構成については、限定されない。また、本体部2が内蔵する撮影部及び記憶部の図示を用いた詳細な説明は省略する。
【0013】
また、図示は省略するが、本体部2は、ドライブレコーダー1が取り付けられる自動車で生じた衝撃を特定するデータを検出する衝撃センサを有してもよい。この衝撃センサで検出されたデータは、記憶部で記憶される。さらに、本体部2は、ドライブレコーダー1で必要な電力を供給するバッテリーを有してもよい。
【0014】
支持部3は、自動車のウィンドウに接着する接着機構30と、本体部2が挿入される支持機構31とを備える。接着機構30は、例えば、ウィンドウとの接着面に粘着テープ等を有しており、この粘着テープを利用して自動車に取り付けることができる。
【0015】
支持機構31は、
図2に示すように、接着機構30からスライドにより取り外し可能である。具体的には、
図3に示すように、接着機構30の支持機構31と接する面には、凹部301が形成される。また、
図4に示すように、支持機構31の接着機構30と接する面には、凸部311が形成される。この凸部311は、可動部310を押下したうえで、凸部311の方向にスライド移動することで、接着機構30から取り外すことができる。これにより、ユーザは、容易に本体部2を車内から車外に持ち運ぶことができる。なお、
図4では、支持機構31から本体部2が取り外された状態の図を示すが、支持機構31に本体部2が挿入された状態で支持機構31を取り外すことができる。
【0016】
例えば、ドライブレコーダー1の記憶部に記憶される撮影されたデータを確認したい場合、ユーザは、記憶部が内蔵される本体部2を車外に持ち出すことができる。これにより、ユーザは、ドライブレコーダー1をパーソナルコンピュータ等の情報処理装置に接続し、この情報処理装置を利用して記憶部に記憶されるデータを確認することができる。なお、記憶部で記憶される撮影部で撮影されたデータや、衝撃センサで記憶されたデータが外部の記憶装置に出力されると、記憶部に記憶される外部に出力されたデータを削除して記憶部の記憶容量を更新するようにしてもよい。または、記憶部で記憶されるデータを、外部の記憶装置に出力後、新たに記憶部や衝撃センサで取得されたデータは、既に外部に出力されたデータに上書きして記憶することで、記憶容量を確保することができる。
【0017】
図5に示すように、支持部3は、中空の円筒形に形成される開口部32を有する。開口部32は、内周面に周期的に凹凸部321を複数有する。具体的には、開口部32の内周面に凹凸部321として、複数の凹部321a及び凸部321bが繰り返し形成される。また、各凹部321aはそれぞれ同一の形状である。また、各凸部321bはそれぞれ同一の形状である。
【0018】
図6に示すように、本体部2は、撮影部及び記憶部を内蔵する内蔵部21を有する。また、本体部2は、外周が支持部3の開口部32の内周と略同一であり、支持部3の開口部32に挿入可能な円筒形の挿入部22を有する。また、挿入部22は開口部32が有する凹部321aと対となる凸部222が先端に形成されるU字形状の切り込み部221が施される。ここで、U字形状の切込み部221の形状は、先端が
図6に示すようにカーブされている必要はなく、先端部に角を有してもよい。
【0019】
本体部2は、挿入部22を開口部32に挿入した状態で、挿入部22の中心軸を回転軸として、回動することができる。具体的には、本体部2を回動させると、切り込み部221に形成される凸部222が支持部3の挿入部22の中心軸の方向に押されて可動され、撮影部を備える本体部2が支持部3に支持された状態で撮影する方向を調整可能とする。これにより、ドライブレコーダー1は、撮影部が撮影する方向を調整可能とする。したがって、ドライブレコーダー1は、どのようなタイプの自動車のウィンドウに取り付けたとしても、必要な情報を撮影可能にその角度を変更することで、撮影方向を調整することができる。
【0020】
上記実施の形態に示した構成並びに参考例に示した構成は適宜組み合わせることとしてもよい。
【符号の説明】
【0021】
1 ドライブレコーダー
2 本体部
20 レンズ部
21 内蔵部
22 挿入部
221 切り込み部
222 凸部
3 支持部
30 接着機構
301 凹部
31 支持機構
310 可動部
311 凸部
32 開口部
321 凹凸部
321a 凹部
321b 凸部
4 蓋部