(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検査路(26)の前記第1の部分(26a)に沿ったタイムインターバルの数は、前記検査路(26)の前記第2の部分(26b)に沿ったタイムインターバルの数に等しい、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
前記検査路(26)の前記第1の部分(26a)に沿った検査のシーケンスは、前記検査路(26)の前記第2の部分(26b)に沿った検査のシーケンスと等しい、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
タイヤ(2)の前記検査路(26)からの退出/前記検査路(26)への進入と、次のタイヤ(2)の退出/進入との合間の検査サイクル時間(Tc)は、約25秒〜約35秒の間に含まれる、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
前記第1の検査ユニット(19)および前記第2の検査ユニット(23)は一致し、前記逆転および移送装置(22)は、前記検査ユニット(19、23)の前記出口(25)から来た前記タイヤ(2)を逆転させ、その前記タイヤ(2)を同じ前記検査ユニット(19、23)の前記入口(20)に移送するように構成される、請求項16に記載の装置。
前記第1の検査ユニット(19)および前記第2の検査ユニット(23)は別々であり、空間に連続して配置され、前記逆転および移送装置(22)は、前記第1の検査ユニット(19)から来た前記タイヤ(2)を逆転させ、その前記タイヤ(2)を前記第2の検査ユニット(23)に移送するように構成される、請求項16に記載の装置。
前記第1の検査ユニット(19)、前記逆転および移送装置(22)、ならびに前記第2の検査ユニット(23)は、実質的に直線状の進路に沿って、相互に一列に整列する、請求項16および請求項18〜21のいずれか1項に記載の装置。
前記第1の検査ユニット(19)および前記第2の検査ユニット(23)は相互に重なり、前記逆転および移送装置(22)は、前記第1の検査ユニット(19)の出口(21)、および前記第2の検査ユニット(23)の入口(24)に置かれる、請求項16および請求項18〜21のいずれか1項に記載の装置。
各検査ステーション(27a、27b、27c)は、2〜8の間に含まれる複数の検査ツール(43a、43b、43c、43d、43e、43f、43g、43h)を含む、請求項27に記載の装置。
前記支持および移動装置は、前記枠体(28)の前記上側部分(30)に拘束された少なくとも1つの関節ロボットアーム(40a、40b、40c、40d、40e、40f)を含む、請求項16〜28のいずれか1項に記載の装置。
各関節ロボットアーム(40a、40b、40c、40d、40e、40f)は、少なくとも2つの検査ツール(43a、43b、43c、43d、43e、43f、43g、43h)を担持する、請求項29に記載の装置。
【発明の概要】
【0001】
発明の分野
本発明の対象は、車両ホイール用のタイヤを製造するプロセスおよびプラントにおいて、タイヤを検査する方法および装置である。
【0002】
特に、本発明は、好ましくは成形および加硫されたタイヤに対して行われ、設計仕様との同一性の順守を検証し、順守したものを保管庫に送り、不良品を廃棄することを可能にするのに適した品質検査の分野に属する。
【0003】
車両ホイール用のタイヤは、通常、それぞれの固定環状構造体と係合し、一般に「ビード部」という名称で特定される領域に組み込まれた軸方向両側の端部フラップを有する少なくとも1つのカーカスプライを含むカーカス構造体を含む。カーカス構造体は、互いに対して、およびカーカスプライに対して半径方向に重ね合わせて置かれた1つまたは複数のベルト層を含むベルト構造体に結合される。ベルト構造体に対して半径方向外側位置に、タイヤを構成する他の半製品と同様にエラストマー材料でできたトレッドバンドが付加される。それぞれがトレッドバンドの横縁部の1つからビード部のそれぞれの固定環状構造体まで延びるカーカス構造体の横面には、エラストマー材料でできたそれぞれのサイドウオールが、軸方向外側位置に同様に付加される。
【0004】
それぞれの半製品の組み付けによって行われた未硬化タイヤの構築後、製造サイクルは、トレッドバンドに所望のトレッド構造を付与し、サイドウオールに他との区別を可能にするグラフィックマークを付与するだけでなく、エラストマー材料を架橋することで、タイヤの構造的安定性を図ることを目的として、成形および加硫処理を行って終わる。
【0005】
「エラストマー材料」という用語の場合、この用語は、少なくとも1つのエラストマー性ポリマーと少なくとも1つの強化フィラとを含む組成物を意味する。好ましくは、そのような組成物は、架橋剤および/または可塑剤などの添加剤も含む。架橋剤が存在することで、そのような材料は、加熱により最終工業製品を形成するように架橋することができる。
【0006】
タイヤに関する「検査」という用語の場合、この用語は、タイヤの(半径方向外側面および/または半径方向内側面の)起こり得る外部欠陥、および/またはタイヤの(構造的)内部欠陥を検出することを可能にするすべての非破壊作業を一般的に意味する。前記検査は、例えば、光学式(写真、シェアログラフィ、ホログラフィ、放射線写真など)、超音波式、機械式、またはそれらの組み合わせとすることができる。
【0007】
「下側の」、「上側の」、「底部」、「上部」、「〜の下の」、および「〜の上の」という用語の場合、地面に対する要素の相対位置が特定されるか(そのような要素とは、タイヤの構成要素、タイヤ、装置、デバイスなどである)、または別の要素に対する前記要素の1つの相対位置が特定される。
【0008】
「タイヤの半体」という用語の場合、この用語は、タイヤの軸方向半体、すなわち、タイヤの主回転軸に直交し、かつタイヤ自体のビード部から等距離の軸方向対称/中心線平面によって定まる半体を意味する。
【0009】
「タイヤの少なくとも1つの半体」とは、上記に定義した完全な半体に、場合によっては、前述の対称/中心線平面から軸方向に延びる他方の半体のさらなる部分を加えたものを意味する。
【0010】
「タイヤが同時に1ステップずつ進む」とは、実質的に一定のタイムインターバルで、固定ステップの進路に沿って配置された複数のタイヤの同時移動を意味する。
【0011】
「構築/製造サイクル時間」とは、1つの構築された/完成したタイヤの構築/製造ラインからの退出と、次のタイヤの退出との間の経過時間を意味する。
【0012】
「検査サイクル時間」とは、検査装置によって検査された1つのタイヤの退出と、次のタイヤの退出との間の経過時間を意味する。
【0013】
好ましくは加硫後、タイヤは、起こり得る欠陥の存在を検証するために、品質検査を受ける。
【0014】
発明の背景
文献、独国特許第102008037356号は、品質検査を行い、安全に関係するリスクを軽減するためにタイヤを試験するシステムについて説明している。そのような試験は、欠陥部分の認識を可能にする。システムは、タイヤを特定するように構成された、識別名を読み取るためのリーダ装置と、タイヤを移送方向に沿って移送するために、複数の移送セクションを設けられた移送システムと、少なくとも1つの試験装置と、リーダ装置、移送システム、および試験装置を検査するように構成された少なくとも1つの検査装置とを含む。移送システムには、移送セクションにおけるタイヤの存在を検出する複数のセンサが設けられる。検査装置は、移送セクションにおけるタイヤの位置を記録し、タイヤ自体の移動路を管理するように構成される。そのような文献の一実施形態では、2つの試験装置が示され、順に配置され、様々な測定方法を用いてタイヤを試験することを意図される。
【0015】
文献、欧州特許第1436789号は、タイヤを検査する方法および装置について説明している。検査されるタイヤは、最初に、2つの部分で形成されたリムに結合され、組立ステーションで空気を注入され、次いで、複数の検査ステーションに順次運ばれ、検査ステーションでは、検査作業を実施している間、タイヤは、リムと共に回転し、次いで、タイヤは、分解ステーションに運ばれ、分解ステーションでは、タイヤは空気を抜かれ、リムの部分がタイヤから取り外される。
【0016】
文献、米国特許出願公開第2012/0134656号は、タイヤ自体の形状の異常を検出できるタイヤ用の照明装置および検査装置について説明している。写真装置は、ガイド装置が、タイヤおよび検査装置をタイヤの回転軸のまわりに互いに対して回転させている間に、タイヤの内側面を撮影する。その間、タイヤの周縁内側面に沿って配置された光ユニットは、タイヤ自体の周方向に光を放射する。そのような文献の一実施形態は、タイヤが移送部分を用いて順次送られる、3つの連続して並んだ検査部分を示している。第1の検査部分にあるタイヤは、第2の検査部分の回転テーブルに移動し、第2の検査部分にあるタイヤは、第3の検査部分の回転テーブルに移動し、第3の検査部分にあるタイヤは、出口テーブルに移動する。
【0017】
上記のものと同様の、製造ラインから出たタイヤの検査用自動システムに関して、本出願人は、各単一タイヤを完全に、かつ入念に検査するのに実際に必要な時間は、現状の製造ライン(構築および加硫)の高い生産性に技術的に適合していないことに気付いた。現状のプラントでは、これは、製造されたすべてのタイヤを検査するが、様々な検査のうちのいくつかを諦めることを、または代替案として、一部のタイヤに対してのみ入念に検査する(ランダム検査)ことを意味する。
【0018】
特に、本出願人は、公知のシステムが、構築/製造ラインで設定された時間内にすべてのタイヤを入念に検査できない、すなわち、検査されるタイヤが溜まることなく、ラインでそのような検査を行うことができないことに気付いた。
【0019】
本出願人はまた、公知の自動システムが、一部の事例では非常にかさばり(例えば、文献独国特許第102008037356号を参照のこと)、他の事例では、(文献、米国特許出願公開第2012/0134656号および欧州特許第1436789号に記載されたもののように)構造的に複雑であり、したがって、費用がかかり、あまり信頼性が高くないことを検証した。
【0020】
概要
そのようなことを背景にして、本出願人は、検査時間を最適化することで、特に、1つのタイヤの構築/製造ラインからの退出と、次のタイヤの退出との間の経過時間を意味する、構築/製造ラインで設定された構築/製造サイクル時間に合わせた時間およびモードですべての検査を行うことで、構築/製造ラインから出たすべてのタイヤを検査するという目的を設定した。
【0021】
本出願人は、想定できる欠陥をなくすことができるように、または検査したタイヤの実際の欠陥ではない異常を解消し、次のタイヤに実際の欠陥が生じないように、構築/製造ラインの改善に遡及的に取り組み、プロセスパラメータを調整することができるようにするために、上記はもちろんのこと、再現性があり、信頼できる、正確な態様でそのような検査を行うことはきわめて有益であると気付いた。
【0022】
本出願人はまた、サイズ(取付け、サイドウオール高さ、トレッド幅など)およびタイプ(乗用車、オートバイ、トラック、冬用、夏用、自己封止型、ランフラット型など)に関して互いに全く異なることさえあるタイヤモデルに対してそのような検査を行い、それと同時に、それらのタイヤモデル専用の装置のサイズ、複雑性、およびコストを限定する必要性を検証した。
【0023】
したがって、本出願人は、検査される各タイヤが1ステップずつ進むことができる検査路を得ることで、および各タイヤを複数の前もって確立された検査にかけることで、特に、構築/製造サイクル時間との整合性と、結果の再現性および信頼性と、各タイヤモデルに合わせる検査システム全体の適応性とに関して、上記の必要性を満たすことが可能であることが分かった。
【0024】
より正確には、本出願人は、タイヤが検査路に沿って同時に、かつ1ステップずつ進んでいる間に、最初に各タイヤの一方の軸方向半体、次いで、他方の軸方向半体に対して複数の検査を行うことで、前述の要件を満たすことができることを発見した。そのような検査は、1つの前進ステップと次との間で、各タイヤがその回転軸のまわりに自転し、検査ツールが、そのような回転軸に対して固定位置に置かれている間に行われる。
【0025】
より詳細には、一態様によれば、本発明は、タイヤを検査する方法に関し、各タイヤは、主回転軸および軸方向中心線平面を有する。
【0026】
好ましくは、タイヤを検査路に沿って1ステップずつ同時に進め、次のステップとの間のタイムインターバルの間、前記タイヤを検査すると規定される。
【0027】
好ましくは、各タイヤに対して、検査路の第1の部分に沿って複数の検査を行うことで、タイヤの少なくとも1つの第1の半体を検査すると規定され、第1の半体は、前記軸方向中心線平面によって範囲が定まるタイヤの軸方向半体である。
【0028】
好ましくは、各タイヤに対して、検査路の前記第1の部分から出た後、前記タイヤを逆転軸のまわりに逆転させると規定される。
【0029】
好ましくは、各タイヤに対して、前記タイヤを検査路の第2の部分の入口に送ると規定される。
【0030】
好ましくは、各タイヤに対して、検査路の前記第2の部分に沿って、同じ複数の検査を行うことで、前記タイヤの少なくとも1つの第2の半体を検査すると規定され、第2の半体は、前記軸方向中心線平面によって範囲が定まるタイヤの他方の軸方向半体である。
【0031】
異なる態様によれば、本発明は、タイヤを検査する装置に関し、各タイヤは、主回転軸および軸方向中心線平面を有する。
【0032】
好ましくは、第1の検査ユニットは、タイヤ用の入口を有し、複数の検査ツールを含むと規定される。
【0033】
好ましくは、第2の検査ユニットは、タイヤ用の出口を有し、複数の検査ツールを含むと規定される。
【0034】
好ましくは、逆転および移送装置は、第1の検査ユニットと第2の検査ユニットとの間に動作可能に挿入されると規定される。
【0035】
好ましくは、第1の検査ユニット、第2の検査ユニット、ならびに逆転および移送装置は、各タイヤが1ステップずつ移動するように構成された検査路を画定する。
【0036】
好ましくは、第1の検査ユニットおよび第2の検査ユニットは、タイヤの少なくともそれぞれの軸方向半体に対して同じ検査を行うように構成された同じ検査ツールを含む。
【0037】
好ましくは、前記逆転および移送装置は、タイヤを逆転軸のまわりに逆転させるように構成される。
【0038】
さらなる態様によれば、本発明は、本発明に従って説明され、特許請求の範囲で主張される、タイヤを検査する方法を含む、車両ホイール用のタイヤを製造するプロセスに関する。
【0039】
好ましくは、プロセスは、好ましくは少なくとも1つのドラム上で、それぞれの構成要素を組み付けることで未硬化タイヤを構築することと、タイヤを成形および加硫することとを含み、タイヤを検査する方法は、成形加硫後に行われる。
【0040】
さらなる態様によれば、本発明は、本発明に従って説明され、特許請求の範囲で主張される、タイヤを検査する装置を含む、車両ホイール用のタイヤを製造するプラントに関する。
【0041】
好ましくは、プラントは、未硬化タイヤを構築する装置と、構築装置より下流に動作可能に配置された少なくとも1つの加硫ユニットとを含む製造ラインを含み、タイヤを検査する装置は、加硫ユニットより下流に動作可能に置かれる。
【0042】
好ましくは、未硬化タイヤ構築装置は、
・好ましくはトロイド状の1つまたは複数の構築ドラムが、加工されるタイヤの構成要素を各構築ドラム上に形成するように構成された様々な加工ステーション間を移動する構築ラインを含む。
【0043】
好ましくは、未硬化タイヤ構築装置は、
・1つまたは複数の構築ドラムが、各構築ドラム上にカーカススリーブを形成するように構成された様々な加工ステーション間を移動するカーカス構築ラインと、
・1つまたは複数の形成ドラムが、各形成ドラム上に外側スリーブを形成するように構成された様々な加工ステーション間を移動する外側スリーブ構築ラインと、
・外側スリーブがカーカススリーブに結合される組立ステーションと、
を含む。
【0044】
本出願人は、本発明による検査装置の構成および方法の実施とにより、検査時間を最適にし、専用の検査領域空間の範囲を限定することが可能になり、製造されるタイヤごとのコストの点でかなりの節減になると考える。
【0045】
本出願人は、特に、本発明が、上流に配置された構築/製造ラインによって設定された構築/製造サイクル時間に合わせた時間およびモードで、必要なすべての検査を実施することを可能にすると考える。特に、検査路への1つのタイヤの進入(退出)と次のタイヤの進入(退出)との間の経過時間は、構築/製造サイクル時間に等しく設定することができる。言い換えると、検査サイクル時間は、構築/製造サイクル時間に等しくすることができる。
【0046】
本出願人は、本発明が、
・必要な検査を様々な検査ステーション/タイムインターバルにグループ分けすることと、
・複数の検査ステーションまたはタイムインターバルのうちの1つで複数の検査サイクルを行うことと、
・様々な検査ステーションに置かれた複数のタイヤに対して、並行して検査を行うことと、
・検査サイクル中、1つのタイヤに対して複数の検査を同時に行うことと、
を可能にすると考える。
【0047】
本出願人はまた、ツールが作動して、最初に各前記タイヤの一方の軸方向半体に対して、次いで、他方の半体に対して同じ検査を行うことができるので、本発明が、正確かつ単純にタイヤを検査することを可能にすると考える。本出願人はまた、本発明が、検査時間および専用検査空間にマイナスの影響を及ぼすことなく、欠陥を特定する高い能力と高い信頼性とで、検査を実施するのを可能にすると考える。これらの態様は、規格に準拠すると宣言された製造済みタイヤの品質にプラスの影響を及ぼす。
【0048】
最後に、本出願人は、本発明が高い適応性を保証し、比較的単純かつ迅速に、実行される検査のタイプを変更することと、検査を付加および/または削除することと、検査の時間的および/または空間的順序を変えることと、より一般的に装置のすべての機能パラメータを調整することとを可能にすると考える。その結果として、本発明は、サイズおよび/または形状の点で互いに全く異なることさえあるタイヤモデルを検査することを可能にし、さらに、将来的に開発されるタイヤモデルを検査できるようにするために、1つのタイプから他のタイプに迅速に移るのを可能にする。
【0049】
本発明は、前述の態様の少なくとも1つにおいて、以下に説明する好ましい特徴の1つまたは複数を有することができる。
【0050】
好ましくは、前記逆転軸は、前記主軸に対して垂直であり、前記軸方向中心線平面に属する。
【0051】
一実施形態では、検査路の前記第1の部分は、検査路の前記第2の部分と一致する。言い換えると、各タイヤは、経路の同じ部分を二度移動する。
【0052】
異なる実施形態では、検査路の前記第1の部分は、検査路の前記第2の部分とは別である。言い換えると、各タイヤは、経路の第1の部分および第2の部分を一度だけ連続して移動する。
【0053】
好ましくは、検査路の第1の部分に沿ったタイムインターバルの数は、検査路の第2の部分に沿ったタイムインターバルの数に等しい。したがって、各タイヤの各軸方向半体は、同じタイムインターバルの数で細分された検査を受ける。
【0054】
好ましくは、全タイムインターバルの数は、2〜10であり、好ましくは4〜8であり、より好ましくは6である。したがって、各タイヤの各軸方向半体が検査を受ける間のタイムインターバルの数は1〜5、好ましくは2〜4、より好ましくは3である。
【0055】
好ましくは、検査路の第1の部分に沿った検査のシーケンスは、検査路の第2の部分に沿った検査のシーケンスと同じである。2つのシーケンスは同一で、かつ連続し、したがって、完全に同一であるハードウェア(検査ツール、駆動システムなど)およびソフトウェアを用いて実施することができ、コストおよび設置/管理/保守時間の点で節減になる。
【0056】
好ましくは、前記複数の検査の検査数は、20〜40であり、好ましくは約30である。各半体部分は、同数の前記複数の検査を受ける。
【0057】
好ましくは、各前記タイムインターバル中に、タイヤは、少なくとも1つの検査サイクル、好ましくは複数の連続する検査サイクル、好ましくは2〜8つの複数の検査サイクル、より好ましくは4つの検査サイクルにかけられる。単一のタイムインターバルでは、検査サイクルは、次々と順に行われ、場合によっては並行しても行われる。同数の検査サイクルを各タイムインターバルで行うことができるし、または異数の検査サイクルを異なるタイムインターバルで行うこともできる。
【0058】
好ましくは、各前記検査サイクル中に、タイヤは、それぞれの主軸のまわりに回転する。タイヤの主回転軸は、タイヤが主回転軸のまわりに回転している間、固定されたままである。タイヤの円形対称性は、検査ツールの数量および複雑性を最小限に制限するために利用される。
【0059】
好ましくは、各前記検査サイクル中に、検査ツールは、それぞれのタイヤがそれぞれの主軸のまわりに回転している間、前もって確立された検査位置に配置される。
【0060】
好ましくは、前記検査位置は、検査されるタイヤのタイプの機能に応じて前もって確立される。ツールは、ツールを前述の検査位置に持って行くためだけに、空間内を移動するのが好ましい。各ツールは、各瞬間にタイヤの限定された円周部分で機能するのが好ましい。検査中に、ツールは移動するのではなくて、むしろ、タイヤが、前記ツールの前/下で回転する。したがって、タイヤの完全な一回転中に検査される領域は、前記タイヤの環状部分である。この選択により、ツールの移動の管理と装置の管理とが全体としてかなり簡単になる。
【0061】
好ましくは、1つの検査サイクルと次の検査サイクルとの合間に、検査ツールは、異なる検査位置に移動する。必要に応じて、異なるサイクル時に、同じタイヤの異なる領域を検査するのに、同じ検査ツールが使用される。同じ検査ツールは、例えば、タイヤ内またはタイヤ外で、タイヤに対して様々な軸方向または半径方向位置に配置することができる。
【0062】
好ましくは、各前記検査サイクル中に、タイヤは、それぞれの主軸のまわりに少なくとも360°の、好ましくは360°を超える、より好ましくは約360°〜約400°の、さらにより好ましくは約365°〜約375°の回転角で回転する。言い換えると、前述の環状部分の各地点は、サイクル中に少なくとも一度ツールの下/前を通過する。好ましくは、前述の環状部分の各地点は、ツールが二度機能する(約5°−15°の)オーバラップ領域内を除いて、サイクル中に一度だけツールの下/前を通過する。このようにして、実際上環状部分全体が検査されるのを保証する。
【0063】
好ましくは、各前記検査サイクル中に、タイヤは、検査されるタイヤのサイズとは無関係な所定の周速で回転する。好ましくは、前記周速は一定である。
【0064】
好ましくは、各前記検査サイクル中に、各タイヤの各前記少なくとも1つの半体で、複数の検査が行われる。タイヤの回転中に、好ましくは複数の検査ツールを同時に使用して、複数の検査を同時に行うことが可能である。
【0065】
好ましくは、前記複数の検査は2〜6回、好ましくは3回である。行われる検査の総計が同じとすると、複数の検査の同時組み合わせにより、サイクル数および/またはタイムインターバルの数を削減することが可能になる。
【0066】
好ましくは、1つのタイヤの検査路からの退出/検査路への進入と次のタイヤの退出/進入との間の検査サイクル時間は、約20秒〜約60秒、好ましくは約25秒〜約35秒、より好ましくは約30秒である。そのような値は、上流に置かれた構築/製造ラインのサイクル時間と一致する。
【0067】
一実施形態では、第1の検査ユニットおよび第2の検査ユニットは一致し、逆転および移送装置は、前記検査ユニットの出口からのタイヤを逆転させ、そのタイヤを同じ検査ユニットの入口に移送するように構成される。言い換えると、通常1つだけの検査ユニットがあり、各タイヤは、最初に一方のサイドウオールを支えとして当接し、次いで、他方のサイドウオールを支えとして当接して、前記単一の検査ユニットを通る二度の通過を完了する。
【0068】
好ましくは、装置は、前記単一の検査ステーションの出口とその入口との間に動作可能に挿入された補助移送装置を含む。
【0069】
異なる実施形態では、第1の検査ユニットおよび第2の検査ユニットは別々であり、空間に連続して配置され、逆転および移送装置は、第1の検査ユニットからのタイヤを逆転させ、そのタイヤを第2の検査ユニットに移送するように構成される。言い換えると、各タイヤは、順に置かれた各検査ユニットを一度だけ通過する。
【0070】
好ましくは、第1の検査ユニットおよび第2の検査ユニットはそれぞれ、少なくとも1つの検査ステーション、好ましくは複数の検査ステーション、好ましくは2〜4つの複数の検査ステーション、より好ましくは3つの検査ステーションを含む。各検査ステーションは、少なくとも各タイヤの半体が検査を受けるタイムインターバルに対応する。
【0071】
好ましくは、第1の検査ユニットおよび第2の検査ユニットは、同じ数量の検査ステーションを含む。装置は、全体として、少なくとも2つの検査ステーション、好ましくは4〜8つの複数の検査ステーション、より好ましくは6つの検査ステーションを含む。
【0072】
好ましくは、第1の検査ユニットおよび第2の検査ユニットは、実質的に同一である。したがって、装置は、同じ構造を有し、前後に置かれ、逆転および移送装置から分離した2つの検査ユニットによって形成される。この特徴は、装置設計、製造、および保守のコストを抑えることを可能にする。
【0073】
好ましくは、第1の検査ユニット、逆転および移送装置、ならびに第2の検査ユニットは、実質的に直線の進路に沿って相互に整列する。この構成は、構築/製造ラインを収容することを意図された領域への容易な配置を可能にし、さらに、第1の検査ユニットから第2の検査ユニットへのタイヤの移送を簡単にする。
【0074】
好ましくは、第1の検査ユニットおよび第2の検査ユニットは、相互に重ねられ、逆転および移送装置は、前記第1の検査ユニットの出口および前記第2の検査ユニットの入口に置かれる。逆転および移送装置は、タイヤを第1の検査ユニットから第2の検査ユニットに運ぶために、タイヤを昇降させるように構成されるのが好ましい。そのような構成は、平面図で見てコンパクトであり、比較的狭い空間への設置を可能にする。
【0075】
好ましくは、各検査ステーションは、検査されるタイヤ用の支持体と、少なくとも1つの検査ツールと、タイヤを前記検査ステーションから同じ検査ユニットの次の検査ステーションに、または逆転および移送装置に移送する移送装置とを含む。各ステーションは、他の外部装置の介在を必要とすることなく、タイヤに対する作業に必要なすべての要素を内蔵する。
【0076】
好ましくは、支持体は、タイヤのサイドウオールを受けて支持するように構成された、少なくとも1つの実質的に水平な当接領域を有する。サイドウオールを支えとして当接することで、すべての試験時に、タイヤに空気を注入する必要なく、タイヤの形状が常に同じであることが保証される。(空気を抜いて)静止したタイヤは、空気を注入したタイヤと比べて振動を抑制し、検査の品質、特に、得られる画像の品質を改善する。サイドウオールを支えにして当接することで、タイヤの完全性と画像の品質とを損なう恐れのある大きな機械的ストレスの発生が防止される。サイドウオールを支えにして当接することで、検査の基準系に対する中心位置調整を容易にすることもできる。
【0077】
好ましくは、支持体は、それぞれの鉛直回転軸のまわりに回転するテーブルである。回転テーブルは、タイヤを回転させるのに加えて、安定した支持を保証する。
【0078】
好ましくは、移送装置は、支持体に結合された少なくとも1つの可動移送面、好ましくは少なくとも1つのコンベアベルトを含む。その結果、回転テーブルの形態の支持体は、単純かつ安価な構造と、検査および移送時のタイヤの安定した支持と、タイヤの中心位置調整と、検査時の回転と、次のステーションに向かう移送のための並進とを含む4つの機能を実施する。
【0079】
好ましくは、各検査ステーションは、支持体を担持する下側部分と、ツールを支持および移動装置を担持する上側部分とを設けられた枠体を含む。前記支持および移動装置は、タイヤ自体に干渉するリスクなしに、タイヤの上に配置されて移動する。
【0080】
好ましくは、各検査ステーションは、複数の検査ツール、好ましくは2〜8つ、好ましくは4〜6つ、より好ましくは3つの複数の検査ツールを含む。したがって、検査サイクルにおいて、複数の検査を同時に行うことができる。
【0081】
好ましくは、支持および移動装置は、枠体の上側部分に拘束された少なくとも1つの関節ロボットアーム、好ましくは複数の関節ロボットアーム、より好ましくは2つの関節ロボットアームを含む。関節ロボットアームは、自由度が高いために、プログラミングを用いて、検査時のツールの位置、検査のシーケンスなどを容易に変えることができることから高い適応性を保証する。
【0082】
好ましくは、各関節ロボットアームは、少なくとも1つの検査ツール、好ましくは少なくとも2つの検査ツールを担持する。単一のアームに複数の検査ツールを組み入れることで、アーム数および装置の複雑性/コストを低減することが可能になる。
【0083】
好ましくは、進行および検査時に、タイヤは、サイドウオールを支えにして当接して置かれる。
【0084】
好ましくは、各前記ステップ時に、タイヤは、前記検査路に沿って並進する。単純な並進により、ステップの継続時間を制限することが可能になる。さらに、タイヤの主軸は、タイヤのサイズ/タイプとは無関係に、ほぼ常に同じ位置にあるので、1つの検査ステーションから次の検査ステーションまでの並進時間および速度は同じままである。
【0085】
好ましくは、逆転時に、タイヤは、その回転軸に垂直な逆転軸のまわりに回転する。好ましくは、逆転軸は水平である。好ましくは、逆転軸は、回転軸と交差する。このようにして、逆転時の慣性が最小になる。
【0086】
好ましくは、各タイムインターバルの継続時間は、約20秒〜約60秒、好ましくは約25秒〜40秒、より好ましくは約30秒である。好ましくは、すべてのタイムインターバルは、同じ継続時間である。そのような同じ継続時間は、1つのタイヤの検査路/検査装置への進入(退出)と、次のタイヤの進入(退出)との間の時間に実質的に等しい。そのような同じ継続時間は、上流に置かれた構築/製造ラインの構築/製造サイクル時間に一致する。
【0087】
好ましくは、各検査サイクルの継続時間は、約2秒〜約8秒、好ましくは約4秒〜6秒、より好ましくは約5秒である。したがって、各検査インターバルには、複数の連続する検査サイクルが含まれる。
【0088】
好ましくは、前記所定の周速は、約0.1m/秒〜約1.0m/秒、より好ましくは約0.2m/秒〜約0.8m/秒である。そのような周速により、検査サイクルの継続時間を限定することが可能になり、同時に、完全な安全性および精度で動作するのを可能にする。
【0089】
好ましくは、各前記検査サイクル中に、タイヤは、検査されるタイヤのサイズに応じた角速度で回転する。
【0090】
好ましくは、前記角速度は、約0.63rad/秒(360°/10秒)〜約3.14rad/秒(360°/2秒)、より好ましくは約0.79rad/秒(360°/8秒)〜約2.09rad/秒(360°/3秒)である。
【0091】
好ましくは、前記タイムインターバル中に、タイヤは、さらに基準系に対して中心配置される。
【0092】
好ましくは、中心配置調整は、約0.5秒〜約5秒の、好ましくは約2秒の時間だけ続く。
【0093】
好ましくは、各前記ステップの継続時間は、約3秒〜約7秒、好ましくは約5秒である。
【0094】
好ましくは、第1の検査ユニットおよび第2の検査ユニットは互いに、180°の角度、あるいは約90°の角度をなす。第1および第2のユニットは、装置が置かれる空間にそれら装置を合わせるために、角度をなして配置することができる。
【0095】
好ましくは、各検査ステーションは、支持体より上に配置されたツールを支持して移動させる装置を含む。
【0096】
好ましくは、各関節ロボットアームは、少なくとも5つの回転軸、好ましくは6軸、より好ましくは7軸を有する。関節ロボットアームに自由度があることで、検査されるタイヤに対して検査ツールを任意の位置に配置することが可能になる。
【0097】
好ましくは、検査ツールは、関節ロボットアームの末端部で担持される。
【0098】
好ましくは、検査サイクル中に、ツールは、タイヤに対して半径方向外側位置に配置される。
【0099】
好ましくは、検査サイクル中に、ツールは、タイヤに対して半径方向内側位置に配置される。
【0100】
好ましくは、検査サイクル中に、ツールは、タイヤの上に配置される。
【0101】
好ましくは、検査ツールは、検査装置の動作時および/または本発明による方法の実行時に、それぞれの関節ロボットアームに一体的に取り付けられる。言い換えると、(構築/製造作業に対応した)検査作業時に、一部を配置し、他のものを取り外してツールを交換する必要はない。そのような取換えは、装置保守/修理および/または改良作業を行うために、1つの作業と次の作業との合間に行われることがあり得る。
【0102】
好ましくは、逆転および移送装置は、好ましくは水平であるそれぞれの逆転ピンのまわりに回転可能な、平行に離間した1対の支持体を含む。逆転装置の構造は、単純で信頼性があり、費用がかからない。
【0103】
好ましくは、逆転および移送装置の支持体の少なくとも1つは、少なくとも1つの可動移送面、好ましくは少なくとも1つのコンベアベルトを含む。
【0104】
好ましくは、枠体、支持体、および関節ロボットアームは、すべての検査ステーションで実質的に同一である。
【0105】
好ましくは、各検査ユニットの検査ステーションは、場合によっては管理される検査ツールを除いて、互いに同一である。
【0106】
好ましくは、前記検査は、光学式(例えば、写真、シェアログラフィ、ホログラフィ、放射線写真など)、超音波式、機械式、またはそれらの組み合わせである。
【0107】
好ましくは、前記検査は、タイヤの外側面(例えば、トレッド、ショルダ部、サイドウオール、ビード部)、および/またはタイヤの内側面(例えば、不透過性エラストマー材料層、すなわちライナ)、および/またはタイヤの内部で行うことができる。
【0108】
好ましくは、検査ツールには、カメラ、光源(レーザ光、LEDなど)、ミラー、圧力要素(ホイール、シリンダ)、放射線撮影装置を含む。
【0109】
本発明による検査装置および方法は、高い適応性を保証し、その理由は、本発明による検査装置および方法が、例えば、検査ステーション/タイムインターバルの追加または削除と、1つまたは複数のタイムインターバル内の検査サイクル数の変更と、検査サイクルのシーケンスの変更と、1つまたは複数の検査ステーションでの関節ロボットアームの追加または削除と、検査ツールの、例えば、性能がより良好な検査ツールとの交換とを可能にするからである。
【0110】
図面の説明
さらなる特徴および利点が、本発明による、車両ホイール用のタイヤを製造するプロセスおよびプラントにおいてタイヤを検査する方法および装置の好ましいが、限定的ではない実施形態についての詳細な説明から、より明らかになるであろう。
【0111】
そのような説明は、非限定的な例としてのみ提示される一連の図面を参照して下記に記述される。
【発明を実施するための形態】
【0113】
詳細な説明
図1を参照して、参照番号1は、車両ホイール用のタイヤを製造するプラントを全体的に示している。
【0114】
前記プラントで作製されるタイヤ2が
図7に示され、基本的に、2つのカーカスプライ4a、4bを有するカーカス構造体3を含む。不透過性エラストマー材料層、すなわち、いわゆるライナ5は、1つまたは複数のカーカスプライ4a、4b内に貼り付けられている。半径方向外側位置のエラストマーフィラ6bを担持した、いわゆるビードコア6aをそれぞれが含む2つの固定環状構造体6は、カーカスプライ4a、4bのそれぞれの端部フラップと係合している。固定環状構造体6は、通常、「ビード部」7という名称で特定される領域に近接して組み込まれ、このビード部7において、タイヤ2とそれぞれの取付リムとの間の係合が通常行われる。ベルト層8a、8bを含むベルト構造体8は、カーカスプライ4a、4bのまわりで周方向に加えられ、トレッドバンド9は、ベルト構造体8に周方向に重ねられている。ベルト構造体8は、それぞれがカーカスプライ4a、4bとベルト構造体8の軸方向両側の終端縁部の1つとの間に置かれた、いわゆる「アンダーベルト挿入体」10と結合することができる。それぞれが対応するビード部7からトレッドバンド9の対応する横縁部に延びる2つのサイドウオール11は、カーカスプライ4a、4b上で横方向両側位置に付加されている。各サイドウオール11のうちのトレッドバンド9の横縁部に近い部分は、タイヤのショルダ部として公知である。
【0115】
タイヤ2は、それぞれのビード部7から等距離にあり、タイヤが使用されているときの主回転軸「X−X」に垂直な中心線平面「M」(
図7)を有する。中心線平面「M」は、タイヤ2を第1の軸方向半体2aおよび第2の軸方向半体2bに分割し、第1の軸方向半体2aおよび第2の軸方向半体2bは、(前述の中心線軸「M」に関して対称でないトレッド構造を除いて)互いに実質的に鏡像をなす。
【0116】
図1に示すプラント1は、未硬化タイヤ構築装置13と、構築装置13より下流に動作可能に配置された少なくとも1つの成形および加硫ユニット14とによって形成されたタイヤ2製造ライン12を含む。
【0117】
図1に示すプラント1の非限定的な実施形態では、構築装置13は、カーカス構築ライン15を含み、カーカス構築ライン15において、図示しない成形ドラムが、カーカスプライ4a、4bと、ライナ5と、固定環状構造体と、場合によってはサイドウオール11の少なくとも一部とを含むカーカススリーブを、各成形ドラム上に形成するように構成された、半製品を供給するための様々なステーション間を移動する。
【0118】
同時に、外側スリーブ構築ライン16では、図示しない1つまたは複数の補助ドラムが、少なくともベルト構造体8と、トレッドバンド9と、場合によってはサイドウオール11の少なくとも一部とを含む外側スリーブを、各補助ドラム上に形成するように構成された、様々な加工ステーション間を順次移動する。
【0119】
構築装置13はまた、外側スリーブがカーカススリーブに結合される組立ステーション17も含む。
【0120】
図示しないプラント1の他の実施形態では、構築装置13は、様々なタイプとすることができ、例えば、前述の構成要素すべてを単一ドラム上に形成するように構成することができる。
【0121】
最後に、構築されたタイヤ2は、成形および加硫ユニット14に移送される。
【0122】
完成したタイヤ2は、製造ライン12から、特に、成形および加硫ユニット14から、所定の頻度および対応する所定の製造サイクル時間「Tcp」で次々に順に出て行く。そのようなサイクル時間「Tcp」は、例えば、約27秒とすることができる。
【0123】
好ましくは製造ライン12より下流に、プラント1は、成形および加硫を行った後、前記タイヤ2の検査を行うように構成されたタイヤ検査装置18を含む。
【0124】
プラント1は、それと組み合わせて、または代替案として、構築の終了時で、成形および加硫ステップの前に、前記タイヤ2の検査を行うように構成された同じタイヤ検査装置18を含むことができる。
【0125】
図1、2、3の実施形態では、成形および加硫ユニット14より下流に置かれた上記のタイヤ検査装置18は、製造ライン12からの検査される完成タイヤ2用の入口20と、その出口21とを有する第1の検査ユニット19を含む。第1の検査ユニット19より下流で、前記第1の検査ユニット19の出口21に、逆転および移送装置22が配置されている。逆転および移送装置22より下流には、第2の検査ユニット23が配置されており、第2の検査ユニット23は、逆転および移送装置22からの完成タイヤ2用の入口24と、その出口25とを有する。第1の検査ユニット19の入口20は、タイヤ検査装置18の入口である。第2の検査ユニット23の出口25は、タイヤ検査装置18の出口である。検査されるタイヤ2は、入口20に次々と順に入り、検査路26を順にたどってタイヤ検査装置18の内部に入り、出口25から出て行く。タイヤ2は、下記に説明されるモードに従って、存在し得る欠陥の有無を検証するために、
図1、2に示す実施形態では直線である検査路26に沿って品質検査を受ける。
【0126】
図示しない変形版の実施形態では、第1の検査ユニット19および第2の検査ユニット23は、検査路26の2つの直線部分を画定するように、互いに対して角度をなす。
【0127】
図3に示す変形版のさらなる実施形態では、第1の検査ユニット19および第2の検査ユニット23は相互に重なっている。第2の検査ユニット23は、第1の検査ユニット19の上に置かれ、逆転および移送装置22は、前記第1の検査ユニット19および第2の検査ユニット23の末端に置かれている。前記逆転および移送装置22はまた、タイヤ2を第1の検査ユニット19から第2の検査ユニット23に運ぶような態様で、タイヤ2を持ち上げるように構成されている。
【0128】
上記の実施形態のすべてにおいて、第1の検査ユニット19は、検査路26に沿って、前後に順に置かれた第1の検査ステーション27a、第2の検査ステーション27b、および第3の検査ステーション27cを含む。
【0129】
各前述の検査ステーション27a、27b、27cは、地面に当接するように構成された下側部分29と、下側部分29の上に延びる上側部分30とを有する枠体28を含む(第1の検査ステーション27aを示す
図5)。図示した枠体28は、平面図で見て正方形または長方形の頂点に配置された4つの鉛直直立材31によって形成されたフレームである。鉛直直立材31は、(検査路26に平行に向けられた)1対の長手方向の上側横材32aと、(検査路26に垂直に向けられた)複数の横方向の上側横材32bとによる上側部分30に上側部で連結されている。
【0130】
同じ鉛直直立材31は、複数の長手方向の下側横材33aと、複数の横方向の下側横材33bとによる下側部分29に下側部で連結されている。
【0131】
下側横材33a、33bは、回転テーブルによって画定される支持体34を担持し、支持体34は、検査される完成タイヤ2のサイドウオール11を受けて支持するように構成された、実質的に水平の当接領域35を有する。そのような当接領域35は、同封の図には詳細に示されておらず、支持体34の一部を構成するコンベアベルト36の上側ブランチによって画定することができる。コンベアベルトは、1つの検査ステーション27a、27b、27cから、同じ検査ユニット19、23の次の検査ステーション27b、27cか、または逆転および移送装置22にタイヤ2を移送する移送装置36を画定する。
【0132】
より詳細には、
図5に示す実施形態では、支持体34は、鉛直回転軸「Y」を中心として、下側部分29にヒンジ式に取り付けられた回転テーブルを含む。回転テーブルは、並進移動時に移送方向「X」を画定するコンベアベルト36に連結されるのが好ましい。
【0133】
図示しない、異なる実施形態では、コンベアベルトの代わりに、タイヤ2が直接載る複数のモータ付きローラがあり得る。
【0134】
2つの関節ロボットアーム40a、40bは、支持体34より上に取り付けられ、横方向上側横材32bに拘束される。前述の各関節ロボットアーム40a、40bは、横方向上側横材32bに結合されたベース部分41と、ベース部分41を起点として連続して配置され、ジョイントによって連結された一連の要素とを有する。関節ロボットアーム40a、40bは、例えば、6つまたは7つの軸/自由度を有する。
【0135】
各関節ロボットアーム40a、40bは、横方向上側横材32bから当接領域35より上に突出した形で延びる。図示した実施形態では、関節ロボットアーム40a、40bの2つのベース部分41は、長手方向上側横材32aの両側の長手方向端部で、枠体28の両側のコーナに取り付けられている。したがって、前記ベース部分41は、支持体34のまっすぐ上に位置するのではなくて、支持体34の両側に引き離されている。
【0136】
関節ロボットアーム40a、40bの末端部は、1つまたは複数の検査ツール43a、43b、43cを担持している。枠体28は、当接領域35と前述の横方向上側横材32bとの間で、関節ロボットアーム40a、40bおよび検査ツール43用の操作空間44の範囲を定める。関節ロボットアーム40a、40bは、ツール43a、43b、43cを支持して移動させる装置を形成している。
【0137】
第1の検査ステーション27a、第2の検査ステーション27b、および第3の検査ステーション27cは、それぞれの関節ロボットアーム40a、40b、40c、40d、40e、40fによって担持されたツール43a、43b、43c、43d、43e、43f、43g、43hのタイプを除いて、上記と同じ構造を有する。
【0138】
例として、第1の検査ステーション27aの第1の関節ロボットアーム40aは、第1のデジタルカメラと、タイヤ2の、第1のデジタルカメラによって撮影される部分を拡散光および/または実質的に第1のカメラの光軸としての指向性光で、あるいはグレージング光および/または前記第1のカメラの光軸に対して傾斜した指向性光で照明するように構成された光源、例えば、LEDと、を含む第1の検査ツール43aを担持する。同じ第1の関節ロボットアーム40aはまた、第2のカメラと、例えば、トレッドバンド9の半径方向内側部分またはサイドウオール11の半径方向外側部分でのタイヤ2の特定の輪郭を際立たせることができるような態様で、前記第2のカメラの光軸に対して傾斜したレーザ指向性光と、を含む第2の検査ツール43bを担持する。
【0139】
第1の検査ステーション27aの第2の関節ロボットアーム40bは、第3のデジタルカメラと、(例えば、適切な小枠体を用いて)第3のカメラから離間し、タイヤ2自体の浮き出た欠陥、例えば、トレッドバンド9のブロック間に出てきたコードを際立たせることができるグレージング光をタイヤ2に投射するように、前記第3のカメラの光軸に対して、好ましくは約60°〜100°、例えば、約90°の角度に向けられた光源と、を含む単一の第3の検査ツール43cを担持する。同じ検査ツール43bは、タイヤ2の特定の輪郭、例えば、トレッドバンド9の半径方向内側部分を走査できるように、低解像度のスキャナを含むのが好ましい。
【0140】
第2の検査ステーション27bに属する第3の関節ロボットアーム40cは、第1の検査ツール43aと同様または同一の第4の検査ツール43dであって、第4のデジタルカメラと、タイヤ2の、第4のデジタルカメラによって撮影される部分を拡散光および/または実質的に第4のカメラの光軸としての指向性光で、あるいはグレージング光および/または前記第4のカメラの光軸に対して傾斜した指向性光で照明するように構成された光源と、を含む第4の検査ツール43dを担持する。同じ第3の関節ロボットアーム40cはまた、第5のカメラと、タイヤ2の特定の輪郭、例えば、トレッドバンド9またはビード部7の半径方向外側部分を際立たせることができるように、前記第5のカメラの光軸に対して傾斜した指向性レーザ光と、を含む第5の検査ツール43eを担持する。
【0141】
第2の検査ステーション27bに属する第4の関節ロボットアーム40dは、第6のカメラと、タイヤ2、例えば、サイドウオール11の特定の輪郭を際立たせることができるように、前記第6のカメラの光軸に対して傾斜した指向性レーザ光と、を含む単一の第6の検査ツール43fを担持する。第6の検査ツール43fはまた、例えば、サイドウオール11、ショルダ部5、またはビード部7に対応するタイヤ2の半径方向内側部分を写真のフレームに入れるために、第6のカメラの光軸を遮断するミラーを含む。前述のミラーはまた、レーザ光を遮断して、そのレーザ光を写真のフレームに入る領域に向かって投射する。
【0142】
第3の検査ステーション27cに属する第5の関節ロボットアーム40eは、第1の検査ツール43aと同様または同一である単一の第7の検査ツール43gであって、第7のデジタルカメラと、タイヤ2の、第7のデジタルカメラによって撮影される部分を拡散光および/または実質的に第7のカメラの光軸としての指向性光で、あるいはグレージング光および/または前記第7のカメラの光軸に対して傾斜した指向性光で照明するように構成された光源と、を含む第7の検査ツール43gを担持する。
【0143】
第3の検査ステーション27cに属する第6の関節ロボットアーム40fは、やはり第1の検査ツール43aと同様または同一の第8の検査ツール43hであって、第8のデジタルカメラと、タイヤ2の、第8のデジタルカメラによって撮影される部分を拡散光および/または実質的に第8のカメラの光軸としての指向性光で、あるいはグレージング光および/または前記第8のカメラの光軸に対して傾斜した指向性光で照明するように構成された光源と、を含む第8の検査ツール43hを担持する。前記第8の検査ツール43hはまた、タイヤ2の半径方向内側部分を写真のフレームに入れるために、第8のカメラの光軸を遮断するミラーを含む。
【0144】
第3の検査ステーション27cでは、電気式、空気式、または水圧式アクチュエータによって移動し、枠体28に拘束され、関節式ロボットアームから独立した、例えば、ローラまたはホイールなどの圧力要素42も設置されている。そのような圧力要素42は、サイドウオールのあり得る構造的欠陥を際立たせるために(「弱体サイドウオール」欠陥検査)、タイヤ2のサイドウオール11に押し当てられる。
【0145】
同様に、第2の検査ユニット23は、検査路26に沿って、前後に順に置かれた第1の検査ステーション27a、第2の検査ステーション27b、および第3の検査ステーション27cを含む。第2の検査ユニット23の前記検査ステーション27a、27b、27cは、(検査ツール43a、43b、43c、43d、43e、43f、43g、43hを含む)第1の検査ユニット19の前記検査ステーション27a、27b、27cと実質的に同一であるので、第1の検査ユニット19の検査ステーション27a、27b、27cと同じ参照番号とした。したがって、第2の検査ユニット23の検査ステーション27a、27b、27cは、下記に詳細に説明されない。
【0146】
逆転および移送装置22は、地面に載るように構成されたそれぞれの枠体45を含む(
図6)。枠体45は、水平逆転軸「Z」を画定する逆転ピン46を中心として枠体45にヒンジ式に取り付けられた、1対の平行に離間した横壁47を担持している。図示した実施形態では、壁47は、鉛直横方向プレートである。コンベアローラ48からなる2つの連続体が壁47間に延びて、前記壁47に回転可能に連結されている。各連続体は、タイヤ2用の可動移送面を有する支持体を画定するような態様で、平行であり、水平であり、同じ平面上に置かれた複数のコンベアローラ48を含む。あるいは、コンベアローラ48からなる2つの連続体の代わりに、2つのコンベアベルトがあってもよい。前述のコンベアローラ48からなる2つの連続体は相互に離間し、逆にされるタイヤ2を受けるために、2つの連続体間に座部49が画定される。座部49は、下記に詳述するように、タイヤ2の通過を可能にする対向した開口50を有する。空間49の1つまたは両方の開口50は、ストッパ要素51、例えば、閉位置と開位置との間を移動可能な一種のゲートによって選択的に閉じられる。
【0147】
壁47自体およびコンベアローラ48によって形成されたアセンブリを逆転軸「Z」のまわりに回転させるために、図示しないモータが横壁47に動作可能に連結される。支持体47およびコンベアローラ48によって形成された前記アセンブリは、一方の連続体のコンベアローラ48が、下に、かつ地面に平行に置かれた第1の位置と、他方の連続体のコンベアローラ48が下に置かれた第2の位置との間で前記逆転軸「Z」のまわりに回転可能である。
【0148】
タイヤ2は、座部49にある場合に、下に位置する、コンベアローラ48からなる連続体上でサイドウオール11を支えとして当接して置かれる。コンベアローラ48を回転させ、コンベアローラ48に接触して置かれたタイヤ2を並進させるために、図示しない別のモータが、コンベアローラ48の少なくとも一方に動作可能に連結される。ストッパ要素51は、逆転動作時に、タイヤ2が逆転および移送装置22の外に落ちるのを防止するように機能する。
【0149】
図1および
図2の実施形態では、逆転および移送装置22は、第1の検査ユニット19に属する第3の検査ステーション27cと、第2の検査ユニット23に属する第1の検査ステーション27aとの間に置かれている。逆転軸「Z」は、検査路26に対して垂直であり、第1または第2の位置において、下に置かれた連続体のコンベアローラ48は、第1の検査ユニット19に属する第3の検査ステーション27cと、第2の検査ユニット23に属する第1の検査ステーション27aとの当接領域35と実質的に同じ高さに位置する。
【0150】
第1の検査ユニット19はまた、入口20に置かれた、図示しないバーコードリーダを含むことができ、このバーコードリーダは、各前記タイヤ2に置かれた、進入タイヤ2を特定するバーコードを読み取るように構成されている。類似のバーコードリーダも、さらに識別検査を行うために、第2の検査ユニット23の出口25に置くことができる。リーダは、タイヤ2の上側サイドウオールまたは下側サイドウオールに置かれたバーコードを読み取るために、第1の検査ユニット19の第1の検査ステーション27aおよび第2の検査ユニット23の第3の検査ステーション27cの枠体の上側または下側部分に配置することができる。
【0151】
さらに、例えば、マクロ欠陥を際立たせるのに適したタイヤの第1の予備検査を行うために、図示しない、低解像度の1つまたは複数の固定補助カメラが、第1の検査ユニット21の入口20および/または第2の検査ユニット23の入口24に置かれる。
【0152】
タイヤ検査装置18には、第1の検査ユニット19および第2の検査ユニット23の関節ロボットアーム40a、40b、40c、40d、40e、40fと、検査ツール43a、43b、43c、43d、43e、43f、43g、43hと、支持体34の回転を可能にするモータ38と、コンベアベルト36を移動させるモータと、装置18自体に配置される、想定できるさらなる検査ツールおよび想定できるセンサと、逆転および移送装置22のモータとに動作可能に接続される、図示しない電子管理ユニットも設けられる。
【0153】
前記電子管理ユニットは、プラント1全体の同じ電子管理ユニットとすることができるし、または前記電子管理ユニットは、プラント1の他の部分に専用の1つまたは複数の他のユニットに動作可能に接続することもできる。電気管理ユニットは、上流に置かれた製造ライン12と連携するタイヤ検査装置18の機能を管理する。
【0154】
使用時、および本発明によるタイヤを検査する方法によれば(および
図1、2を参照すると)、完成タイヤ2が加硫ユニット14から出ていく度に、完成タイヤ2は、例えば、コンベアによって、第1の検査ユニット19の第1の検査ステーション27aに移送される。リムに取り付けられていない(したがって空気の抜けた)タイヤ2は、サイドウオール11でそれぞれのコンベアベルト36の上側ブランチに置かれる。前述のコンベアベルト36は、その移送方向「X」が、検査路26の方向と一致するような態様で向きを合わされる。サイドウオール11を支えにして置かれたタイヤ2は、コンベアベルト36に隣接する第2の軸方向半体2bと上向きの第1の軸方向半体2aとを有する。
【0155】
第1の検査ユニット19の第1の検査ステーション27aへの進入時に、バーコードリーダは、例えば、タイヤ2の上向きのサイドウオール11上の通知コードを読み取り、バーコードリーダ内の通知データは、電子管理ユニットによって受信され、その結果、電子管理ユニットは、例えば、タイヤ2のタイプに基づいて、(例えば、製造ライン12から出てきたタイヤ2が最初のものである場合に)所定の検査プログラムをセットするか、または実行されているプログラムがタイヤ2用の適切なプログラムであることを検証する。
【0156】
直前まで第1の検査ステーション27aの外にあったタイヤ2は、約5秒の継続時間「Ts」のステップで移動し、コンベアベルト36によって、支持体34の中心まで運ばれる。次いで、コンベアベルト36は停止し、タイヤ2の並進もそれと共に停止する。
【0157】
タイヤ2は、第1のタイムインターバルの間、前記第1の検査ステーション27aに留まる。前記第1のタイムインターバルの継続時間「Ti1」中に、複数の作業がタイヤ2に対して行われる。
【0158】
まず第1に、電子管理ユニットは、(タイヤ2の主回転軸「X−X」に中心がある)タイヤ2の基準系を、第1の関節ロボットアーム40aおよび第2の関節ロボットアーム40bと、第1の検査ツール43a、第2の検査ツール43b、および第3の検査ツール43cとの基準系の中心と一致させる態様で、中心位置調整ルーチンを実行する。中心位置調整ルーチンは、約2秒の継続時間「Tcent」を有する。
【0159】
次に、第1の関節ロボットアーム40aおよび第2の関節ロボットアーム40bは、それぞれの第1の検査ツール43a、第2の検査ツール43b、および第3の検査ツール43cをタイヤ2まで持って行くまで、操作空間44内を移動する。
【0160】
特に、第1の関節ロボットアーム40aは、ある位置、すなわち、第1のツール43aの第1のデジタルカメラが、タイヤ2の上で、タイヤ2のサイドウオール11の半径方向外側部分の真向かいに置かれ、第2のツール43bの第2のカメラが、同じサイドウオール11の隣接部分をフレームに入れる位置に、動かされる。第2の関節ロボットアーム40bは、ある位置、すなわち、第3のツール43cの第3のデジタルカメラが、タイヤ2に対して半径方向内側位置に動かされ、前記タイヤ2の上を向いた第1の軸方向半体2aに属し、トレッドに配置されたタイヤ2の部分、すなわち、ライナ5を内側からフレームに入れる位置に、動かされる。第1の関節ロボットアーム40aおよび第2の関節ロボットアーム40bのそのような動作に必要な時間は、約1秒の継続時間「Tmov」を有する。
【0161】
次に、検査ツール43a、43b、43cを固定位置に保持して、タイヤ2が約370°の回転角による回転を完了するまで、支持体34を用いて、タイヤ2を約0.5m/秒の所定の一定周速で(速度は、検査されるタイヤ2の直径が異なっても変わらない)、その主回転軸「X−X」のまわりに回転させる。
【0162】
例えば、255/55 R19タイプのタイヤ2の場合、そのような所定の周速は、約1.33rad/秒の回転角速度である。
【0163】
そのような回転中に、前述の部分は照明され、カメラの正面で回転し、カメラは、受像列を取得する。回転角は、周角よりも大きいので、最初と最後の画像は重なる。
【0164】
第1の検査サイクルをなし、約5秒の継続時間「Tc1」を有するそのような回転中に、3つの検査が行われる。
この段階で、第1の関節ロボットアーム40aおよび第2の関節ロボットアーム40bは、それぞれの第1の検査ツール43a、第2の検査ツール43b、第3の検査ツール43cが第1の検査サイクルに対して異なる位置に動かされるまで、再度駆動される(Tmov=1秒)。
【0165】
特に、第1の関節ロボットアーム40aは、ある位置、すなわち、第1のツール43aの第1のデジタルカメラが、タイヤ2のショルダ部の外側部分の正面に置かれ、第2のツール43bの第2のカメラが、同じショルダ部の隣接部分をフレームに入れる位置に、動かされる。第2の関節ロボットアーム40bは、ある位置、すなわち、第3のツール43cの第3のデジタルカメラが、タイヤ2の外側に動かされ、上向きの第1の軸方向半体2aに属するビード部を外側からフレームに入れる位置に、動かされる。
【0166】
次に、検査ツール43a、43b、43cを固定位置に保持して、タイヤが約370°の回転を完了するまで、支持体34を用いて、タイヤをその主回転軸「X−X」のまわりに上記の周速で再度回転させる。第2の検査サイクルをなし、約5秒の継続時間「Tc2」を有するそのような回転中に、3つの他の検査が行われる。
【0167】
この段階で、第1の関節ロボットアーム40aおよび第2の関節ロボットアーム40bは再度移動し(Tmov=1秒)、第3の検査サイクルが開始され、第3の検査サイクル中に、さらなる3つの検査が、第3の検査サイクルの約5秒の継続時間「Tc3」にわたって行われる。第1のツール43aの第1のデジタルカメラは、上向きの第1の軸方向半体2aに属するタイヤの半径方向内側部分(ライナ)の正面に置かれ、第2のツール43bの第2のカメラは、やはり、上向きの第1の軸方向半体2aに属する同じライナの隣接する部分をフレームに入れる。第2の関節ロボットアーム40bは、ある位置、すなわち、第3のツール43cの第3のデジタルカメラが、上向きの第1の軸方向半体2aに属するトレッドの一部分を外側からフレームに入れる位置に、動かされる。
【0168】
そのような第3の検査サイクルの終わりに、第1の関節ロボットアーム40aおよび第2の関節ロボットアーム40bは再度移動し(Tmov=1秒)、第4の検査サイクルが開始され、第4の検査サイクルの継続時間「Tc4」はやはり約5秒であり、第4の検査サイクル中に、3つのさらなる検査が行われる。第1のツール43aの第1のデジタルカメラは、上向きの第1の軸方向半体2aに属するタイヤの別の半径方向内側部分(ライナ)の正面に置かれ、第2のツール43bの第2のカメラは、やはり、上向きの第1の軸方向半体2aに属する同じライナの隣接する部分をフレームに入れる。第2の関節ロボットアーム40bは、ある位置、すなわち、第3のツール43cの第3のデジタルカメラが、タイヤ2に対して半径方向外側位置に置かれ、上を向いた第1の軸方向半体2aに属するトレッドの別の部分を外側からフレームに入れる位置に、動かされる。
【0169】
第4の検査サイクルが終了すると、第1の関節ロボットアーム40aおよび第2の関節ロボットアーム40bは、ダイヤ2から離れる方向に移動する(Tmov=1秒)。
【0170】
第4の検査サイクルの終了時点では、12回の検査が、第1の検査ステーション27aにおいて、第1のタイムインターバルのアーク(arc)内で実施されている。前記第1のタイムインターバルの継続時間「Ti1」は約27秒である(Ti1=Tcent+Tmov+Tc1+Tmov+Tc2+Tmov+Tc3+Tmov+Tc4+Tmov)。
【0171】
上記から分かるように、4つの検査サイクルおよび12回の検査中に、第1の検査ツール43a、第2の検査ツール43b、および第3の検査ツール43cは、それぞれの第1の関節ロボットアーム40aおよび第2の関節ロボットアーム40bに常に固定されたままである。
【0172】
12回の検査のすべては、タイヤ2の上を向いた第1の軸方向半体2aの部分で行われ、その理由は、その部分が、タイヤ2自体の上に吊された検査ツール43a、43b、43cによって容易に到達され得るからである。
【0173】
この段階で、タイヤ2の回転は停止し、タイヤ2が置かれた第1の検査ステーション27aのコンベアベルト36は、まだ同じサイドウオール11を支えとして当接しているタイヤ2が、検査路26に沿ったステップを完了し、実質的に前記第2の検査ステーション27bの支持体34の中心に動かされるまで、第2の検査ステーション27bのコンベアベルト36と共に移動する。前記ステップ「Ts」の継続時間は約5秒である。次いで、コンベアベルト36は停止し、それと共に、コンベアベルト36が収容しているタイヤ2の並進も停止する。
【0174】
タイヤ2は、まだ第1の軸方向半体2aが上を向いた状態で、第2のタイムインターバルにわたって前記第2の検査ステーション27bに留まる。前記第2のタイムインターバルの継続時間「Ti2」中に、複数の作業がタイヤ2に対して行われる。
【0175】
まず第1に、電子管理ユニットが、約2秒の継続時間「Tcent」を有する中心位置調整ルーチンを再度実行する。
【0176】
次に、第3の関節ロボットアーム40cおよび第4の関節ロボットアーム40dが、それぞれの第4の検査ツール43d、第5の検査ツール43e、および第6の検査ツール43fがタイヤ2まで動かされるまで、駆動される(Tmov=1秒)。
【0177】
特に、第3の関節ロボットアーム40cは、ある位置、すなわち、第4のツール43dの第4のデジタルカメラが、タイヤ2に対して上で、または半径方向外側位置で、第1の軸方向半体2aに属するビード部7の半径方向外側部分の正面に置かれ、第5のツール43eの第5のカメラが、同じビード部7の隣接する部分をフレームに入れる位置に、動かされる。
【0178】
第4の関節ロボットアーム40dは、ある位置、すなわち、第6のツール43fの第6のデジタルカメラが、タイヤ2内に動かされ、第1の軸方向半体2aに属するタイヤ2の同じビード部7の半径方向内側部分を内側からフレームに入れる位置に、動かされる。
【0179】
次に、検査ツール43d、43e、43fを固定位置に保持して、タイヤ2が約370°の回転角による回転を完了するまで、支持体34を用いて、タイヤ2をその主回転軸「X−X」のまわりに約0.5m/秒の所定の一定周速で回転させる。そのような回転中に、前述の部分は照明され、カメラの正面でスライドし、カメラは、受像列を取得する。回転角は、周角よりも大きく、最初と最後の画像は重なる。第5の検査サイクルを構成し、約5秒の継続時間「Tc5」を有するそのような回転中に、3つの検査が行われる。
【0180】
この段階で、第3の関節ロボットアーム40cおよび第4の関節ロボットアーム40dは、それぞれの第4の検査ツール43d、第5の検査ツール43e、および第6の検査ツール43fが第5の検査サイクルに対して異なる位置に動かされるまで、再度駆動される(Tmov=1秒)。
【0181】
特に、第3の関節ロボットアーム40cは、タイヤ2の上で、ある位置、すなわち、第4のツール43dの第4のデジタルカメラが、タイヤ2のサイドウオール11の半径方向外側部分の正面に置かれ、第4のツール43eの第5のカメラが、同じサイドウオール11の隣接する部分をフレームに入れる位置に、動かされる。第4の関節ロボットアーム40dは、ある位置、すなわち、第6のツール43fの第6のデジタルカメラが、タイヤ2の内側に動かされ、上向きの第1の軸方向半体2aに属するサイドウオール11に対応するカーカス構造体の部分を内側からフレームに入れる位置に、動かされる。
【0182】
次に、検査ツール43d、43e、43fを固定位置に保持して、タイヤ2が約370°の回転を完了するまで、支持体34を用いて、タイヤ2をその主回転軸「X−X」のまわりに前述の周速で再度回転させる。第6の検査サイクルを構成し、約5秒の継続時間「Tc6」を有するそのような回転中に、3つの他の検査が行われる。
【0183】
この段階で、第3の関節ロボットアーム40cおよび第4の関節ロボットアーム40dは再度移動し(Tmov=1秒)、第7の検査サイクルが開始され、第7の検査サイクル中に、約5秒の第7の検査サイクルの継続時間「Tc7」にわたって、3つのさらなる検査が行われる。
【0184】
第4のツール43dの第4のデジタルカメラは、タイヤ2に対して半径方向外側位置で、上向きの第1の軸方向半体2aに属するトレッド9の半径方向外側部分の正面に置かれ、第5のツール43eの第5のカメラは、やはり第1の軸方向半体2aに属する同じトレッド9の隣接する部分をフレームに入れる。第4の関節ロボットアーム40dは、ある位置、すなわち、第6のツール43fの第6のデジタルカメラが、上向きの第1の軸方向半体2aに属するサイドウオール11に対応するカーカス構造体の部分を内側からフレームに入れる位置に、動かされる。
【0185】
第7の検査サイクルの終わりに、第3の関節ロボットアーム40cおよび第4の関節ロボットアーム40dは再度移動し(Tmov=1秒)、継続時間「Tc8」がやはり約5秒である第8の検査サイクルが開始され、第8の検査サイクル中に、3つのさらなる検査が行われる。
【0186】
第4のツール43dの第4のデジタルカメラは、上向きの第1の軸方向半体2aに属するトレッド9の別の半径方向外側部分の正面に置かれ、第5のツール43eの第5のカメラは、やはり、上向きの第1の軸方向半体2aに属する同じトレッド9の隣接する部分をフレームに入れる。第4の関節ロボットアーム40dは、ある位置、すなわち、第6のツール43fの第6のデジタルカメラが、タイヤ2に対して半径方向内側位置に置かれ、上向きの第1の軸方向半体2aに属するショルダ部の一部分を内側からフレームに入れる位置に、動かされる。
【0187】
第8の検査サイクルの終了時点では、12回の検査が、第2の検査ステーション27bにおいて、第2のタイムインターバルのアーク内で実施されている。前記第2のタイムインターバルの継続時間「Ti2」は約27秒である(Ti2=Tcent+Tmov+Tc5+Tmov+Tc6+Tmov+Tc7+Tmov+Tc8+Tmov)。
【0188】
上記から分かるように、4つの検査サイクルおよび12回の検査中に、第4の検査ツール43d、第5の検査ツール43e、および第6の検査ツール43fは、それぞれの第3の関節ロボットアーム40cおよび第4の関節ロボットアーム40dに常に固定されたままである。
【0189】
また、これら12回の検査は、タイヤ2の上を向いた第1の軸方向半体2aの部分で行われ、その理由は、その部分が、タイヤ自体2の上に吊された検査ツール43d、43e、43fによって容易に到達され得るからである。
【0190】
この段階で、タイヤ2の回転は停止し、タイヤ2が置かれた第2の検査ステーション27bのコンベアベルト36は、まだ同じサイドウオール11を支えとして当接しているタイヤ2が、検査路26に沿ったステップを完了し、実質的に前記第3の検査ステーション27cの支持体34中心に動かされるまで、第3の検査ステーション27cのコンベアベルト36と共に移動する。前記ステップ「Ts」の継続時間は約5秒である。次いで、コンベアベルト36は停止し、それと共に、タイヤ2の並進も停止する。
【0191】
タイヤ2は、まだ第1の軸方向半体2aが上を向いた状態で、第3のタイムインターバルにわたって前記第3の検査ステーション27cに留まる。前記第3のタイムインターバルの継続時間「Ti3」中に、複数の作業がタイヤ2に対して行われる。
【0192】
まず第1に、電子管理ユニットが、約2秒の継続時間「Tcent」を有する中心位置調整ルーチンを再度行う。
【0193】
次に、第5の関節ロボットアーム40eおよび第6の関節ロボットアーム40fが、それぞれの第7の検査ツール43gおよび第8の検査ツール43hがタイヤ2まで動かされるまで駆動される(Tmov=1秒)。
【0194】
特に、第5の関節ロボットアーム40eは、ある位置、すなわち、第7のツール43gの第7のデジタルカメラが、タイヤ2の上で、第1の軸方向半体2aに属するサイドウオール11の半径方向外側部分の正面に置かれる位置に、動かされる。第6の関節ロボットアーム40fは、ある位置、すなわち、第8のツール43hの第8のデジタルカメラが、タイヤ2内に動かされ、第1の軸方向半体2aに属するタイヤ2のショルダ部の一部分を内側からフレームに入れる位置に、動かされる。
【0195】
さらに、圧力要素42が下げられ、サイドウオール11に押し付けられる。
【0196】
次に、検査ツール43g、43hを固定位置に保持し、圧力要素42をサイドウオール11に押し付けられた状態を保つことにより、タイヤ2が約370°の回転角による回転を完了するまで、支持体34を用いて、タイヤ2をその主回転軸「X−X」のまわりに約0.5m/秒の所定の一定周速で回転させる。そのような回転中に、前述の部分は照明され、カメラの正面で回転し、カメラは、受像列を取得する。回転角は、周角よりも大きいので、最初と最後の画像は重なる。第9の検査サイクルを構成し、約5秒の継続時間「Tc9」を有するそのような回転中に、2つの検査が行われる。
【0197】
この段階で、第5の関節ロボットアーム40eおよび第6の関節ロボットアーム40fは、圧力要素42が、サイドウオール11に押し付けられたまま、それぞれの第7の検査ツール43gおよび第8の検査ツール43hが第9の検査サイクルに対して異なる位置まで動かされるまで、再度駆動される(Tmov=1秒)。
【0198】
特に、第5の関節ロボットアーム40eは、タイヤ2の上で、またはいずれにせよタイヤ2に対して半径方向外側位置で、ある位置、すなわち、第7のツール43gの第7のデジタルカメラが、タイヤ2のビード部7の半径方向外側部分の正面に置かれる位置に、動かされる。第6の関節ロボットアーム40fは、ある位置、すなわち、第8のツール43hの第8のデジタルカメラが、タイヤ2内に動かされ、上向きの第1の軸方向半体2aに属するビード部7を内側からフレームに入れる位置に、動かされる。
【0199】
次に、検査ツール43g、43hを固定位置に保持し、圧力要素42がサイドウオール11に押し付けられた状態に保つことにより、タイヤ2が約370°の回転を完了するまで、支持体34を用いて、タイヤ2をその主回転軸「X−X」のまわりに前述の周速で再度回転させる。第10の検査サイクルを構成し、約5秒の継続時間「Tc10」を有するそのような回転中に、2つの他の検査が行われる。
【0200】
この段階で、第5の関節ロボットアーム40e、第6の関節ロボットアーム40fは再度移動し(Tmov=1秒)、第11の検査サイクルが開始され、第11の検査サイクル中に、(約5秒の第11の検査サイクルの継続時間「Tc11」にわたって)さらなる検査が行われる。
【0201】
第7のツール43gの第7のデジタルカメラは、この第11の検査サイクルでは、第8のツール43hが使用されないので、タイヤ2の上の休止位置に配置される。
【0202】
第6の関節ロボットアーム40fは、上向きの第1の軸方向半体2aに属するサイドウオール11の内側部分の正面で、タイヤ2に対して半径方向内側位置に動かされる。
【0203】
第5の関節ロボットアーム40e、および第6の関節ロボットアーム40fは再度移動し(Tmov=1秒)、第12の検査サイクルが開始され(第12の検査サイクルの継続時間「Tc12」はやはり約5秒である)、第12の検査サイクル中に、2つのさらなる検査が行われる。
【0204】
第7のツール43gの第7のデジタルカメラは、上向きの第1の軸方向半体2aに属するショルダ部の半径方向外側部分の正面に置かれる。
【0205】
第8の関節ロボットアーム40fは、ある位置、すなわち、第8のツール43hの第8のデジタルカメラが、タイヤ2に対して半径方向内側位置に置かれ、上向きの第1の軸方向半体2aに属するサイドウオール11に対応するカーカス構造体の部分を内側からフレームに入れる位置に、動かされる。
【0206】
第12の検査サイクルの終了時点では、7回の検査が、第3の検査ステーション27cにおいて、第3のタイムインターバルのアーク内で実施されている。前記第3のタイムインターバルの継続時間「Ti3」はやはり約27秒である(Ti3=Tcent+Tmov+Tc9+Tmov+Tc10+Tmov+Tc11+Tmov+Tc12+Tmov)。
【0207】
上記から分かるように、4つの検査サイクルおよび7回の検査中に、第7の検査ツール43g、および第8の検査ツール43hは、それぞれの第5の関節ロボットアーム40eおよび第6の関節ロボットアーム40fに常に固定されたままである。
【0208】
また、これら7回の検査は、タイヤ2の上を向いた第1の軸方向半体2aの部分で行われ、その理由は、その部分が、タイヤ自体2の上に吊された検査ツール43g、43hによって容易に到達され得るからである。
【0209】
第1の検査ユニット19において、および前記第1のユニット19によって画定される検査路26の第1の部分26aに沿って、タイヤ2の第1の軸方向半体2aは、(タイムインターバルの継続時間「Ti1−Ti3」およびステップ「Ts」を合算した)総計時間約96秒で31回の検査を受ける。
【0210】
説明した検査はすべて光学式であり、第1の軸方向半体2aの面全体(内側および外側)を対象とする。
【0211】
より一般的には、そのような検査は、光学式(例えば、写真、シェアログラフィ、ホログラフィ、放射線写真など)、超音波式、機械式、またはそれらの組み合わせとすることができる。
【0212】
この段階で、タイヤ2の回転は停止し、タイヤ2が置かれた第3の検査ステーション27cのコンベアベルト36は、まだ同じサイドウオール11を支えとして当接しているタイヤ2が、検査路26に沿ったステップを完了し、実質的に逆転および移送装置22の中心に持って行かれるまで、逆転および移送装置22のコンベアローラ48と共に動作する。この態様では、逆転軸「Z」は、タイヤ2の主回転軸「X−X」の近くを通る、またはタイヤの主回転軸「X−X」に交差する。
【0213】
タイヤ2は、一方の開口50を通って進入するが、他方の開口50は、ストッパ要素51によって閉じられている。前記ステップの継続時間「Ts」は約5秒である。次いで、コンベアベルト36およびコンベアローラ48は停止し、それと共に、タイヤ2の並進も停止する。
【0214】
横壁47、コンベアローラ48、およびタイヤ2によって形成されたアセンブリは、逆転軸「Z」のまわりに180°逆転する。上に置かれたタイヤ2の第1の軸方向半体2aは、ここで、それぞれのサイドウオール7がコンベアローラ48に載った状態で底部の方に置かれる。下に置かれたタイヤ2の第2の軸方向半体2bは、ここで上向きになる。逆転中に、ストッパ要素51は、タイヤ2が逆転および移送装置22の外に滑り落ちるのを防止する。
【0215】
逆転動作が、きわめて短時間に行われたとしても、タイヤ2は、上記の3つの最長タイムインターバル継続時間「Ti1、Ti2、Ti3」に等しい時間にわたって逆転および移送装置22に留まる。説明した場合では、3つの間隔すべては同じ継続時間であり、滞留時間は、約27秒の継続時間「Tt」を有する。
【0216】
次に、コンベアローラ48と、第2の検査ユニット23に属する第1の検査ステーション27aのコンベアベルト36とを作動させることで、タイヤ2は、前記第2の検査ユニット23に移送され(Ts=5秒)、第2の検査ユニット23において、タイヤ2の第2の半体2bは、前記第1の軸方向半体2aに対して上記に説明したモードおよび時間で、検査路26の第2の部分26bに沿って、第1の軸方向半体2aと同じ検査を受ける(同じタイムインターバル数、同じ検査サイクル数、同じ検査数、同じ検査シーケンスなど)。
【0217】
第2の検査ユニット23の出口において、両方の軸方向半体2a、2bは、入念に検査済みである。検査路26を通るタイヤ2の総計通過時間「Ttran」は約202秒である(Ttran=Ts+Ti1+Ts+Ti2+Ts+Ti3+Ts+Tt+Ts+Ti1+Ts+Ti2+Ts+Ti3+Ts)。
【0218】
動作している状態において、各検査ステーション27a、27b、27c、第1の検査ユニット19および第2の検査ユニット23の両方、ならびに逆転および移送装置22は、加硫ユニット14から順次出てきたタイヤ2を収容する。前記タイヤ2は、1つの検査ステーションから他の検査ステーション27a、27b、27cに、または逆転および移送装置22に、検査路26に沿って同時に1ステップずつ進む(「ピルグリムステップ(pilgrim-step)」動作)。各前記ステップは、上記に示した継続時間(Tmov=5秒)を有する。次のステップとの合間に、前記タイヤ2は、それぞれの検査ステーション27a、27b、27cまたは逆転および移送装置22内に同じ時間(Ti1=Ti2=Ti3=Tt=27秒)にわたって留まる。
【0219】
これは、27秒ごとに、タイヤ2がタイヤ検査装置18に進入し、タイヤ2が前記装置18から出ていくことを意味する。したがって、タイヤ検査装置18によって検査された1つのタイヤ2の退出と、次のタイヤ2の退出との間に経過する検査サイクル時間「Tcc」は約27秒である(Tcc=Ti1=Ti2=Ti3=Tt=27秒)。このように、前記検査サイクル時間「Tcc」は、製造サイクル時間「Tcp」と実質的に等しいので、製造ライン12は、タイヤ検査装置18と同期することができる。製造ライン12から出た各タイヤ2は、中間補償領域(バッファ)を必要とすることなく、タイヤ検査装置18に直接進入することができる。同様に、上記の異なる実施形態において、タイヤ検査装置18が、構築装置13より下流で、成形および加硫ユニット14の前に設けられ、構築サイクル時間が検査サイクル時間に実質的に等しい場合、構築装置13は、前記装置18と同期可能であるので、同様に、構築装置13から出た各タイヤ2は、中間補償領域(バッファ)を必要とすることなく、装置18自体に直接進入することができる。
【0220】
上記と同じステップシーケンスは、
図3の実施形態の装置によっても行われる。唯一の相違は、逆転および移送装置22が、タイヤ2を逆転させるのに加えて、さらにタイヤ2を第2の検査ユニット23の高さまで持ち上げ、タイヤ2自体を取り出した後、再度下げることである。
【0221】
図4に示すタイヤ検査装置18の変形版のさらなる実施形態は、上記の第1の検査ユニット19および第2の検査ユニット23の機能を果たす単一の検査ユニット19、23と逆転および移送装置22とを含む。前記単一の検査ユニット19、23は、順に置かれ、上記に詳細に説明された3つの検査ステーション27a、27b、27cを含む。タイヤ検査装置18はまた、
図4に矢印で概略的に示し、前記単一の検査ステーション19、25の出口21、25と入口20、24との間に動作可能に挿入された補助移送装置52、例えば、別のコンベアベルトを含む。補助移送装置52は、単一の検査ステーション19、23から出たタイヤ2を再度入口に移送するように構成されている。
【0222】
例えば、
図4の装置を用いて行われる方法の1つの変形版では、(上記の)各タイヤ2は、最初に、第1の軸方向半体2aが上を向いた状態で、サイドウオール11を支えにして当接して、単一の検査ステーション19、23を1ステップずつ移動する。次いで、タイヤ2は、逆転および移送装置22によって逆転され、単一の検査ユニット19、23に再度挿入され、単一の検査ユニット19、23において、第2の軸方向半体2bが上を向いた状態で、反対側のサイドウオール11を支えにして当接して、再度同じ単一の検査ステーション19、23を1ステップずつ移動する。検査シーケンスは上記と同じである。
【0223】
構築ライン12から来るタイヤ2と、ライン12から来る次のタイヤ2との間で、すでに部分的に検査され(第1の軸方向半体2a)、同じ検査ユニット19、23から来たタイヤ2が検査ユニット19、23に挿入される。
【0224】
この実施形態では、検査サイクル時間「Tcc」は、製造サイクル時間「Tcp」の約2倍である。
【0225】
図1および
図2の実施形態に対する前述の時間(Ti1−3、Tc1−4、Ts、Tcent、Tmov)を考えると、タイヤ検査装置18からの1つのタイヤ2の退出と、次のタイヤ2の退出との間に経過する時間は、やはり27秒であるが(Ti1=Ti2=Ti3=Tt=27秒)、2つごとに1つのタイヤ2だけが完全に検査された(第1の軸方向半体2aおよび第2の軸方向半体2b)。その結果、検査サイクル時間「Tcc」(タイヤ検査装置18によって完全に検査された1つのタイヤ2の退出と、次の完全に検査されたタイヤ2の退出との間に経過する時間)は、約54秒である。
【0226】
製造ライン12とタイヤ検査装置18との間に、貯蔵庫またはバッファが配置されるのが好ましい。