(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フレキシブルプリント回路基板は、前記環状空間内に収容されたメインフレキシブルプリント回路基板と、前記メインフレキシブルプリント回路基板と前記外部接続端子とに接続され前記メインフレキシブルプリント回路基板の長手方向に対して角度を持って延在するサブフレキシブルプリント回路基板とを有し、
前記接続ランドは、前記サブフレキシブルプリント回路基板に設けられている
請求項1に記載の回転コネクタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、フラットケーブルの課題として(1)絶縁フィルムにPET(polyethylene terephthalate) が使用されており耐熱性が低い、(2)微細ピッチが困難なため信号線が増えるとフラットケーブルの本数も増える、等がある。
【0005】
また、従来では、フラットケーブルの接続端子に外部接続端子をスポット溶接にて接続している。そのため、回転コネクタの製造には、大掛かりなスポット溶接装置が必要であると共に、スポット溶接装置へのフラットケーブルのセッティングを行うため、組み立て効率が悪いという問題がある。
【0006】
本発明は、接続用ケーブルと外部接続端子との接続を安定させることができ、且つ組み立て効率がよい回転コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した従来技術の問題点を解決し、上述した目的を達成するために、本発明の回転コネクタは、ステータと、前記ステータに対して相対的に回転可能に配置されたロータと、前記ステータと前記ロータとの間の環状空間内に収納され、その両端が前記ステータと前記ロータにそれぞれ接続されたフレキシブルプリント回路基板と、前記フレキシブルプリント回路基板に接続された複数の外部接続端子を一体保持し、前記ロータ及び前記ステータの少なくとも一方に固定されるリードブロックと、を有し、前記フレキシブルプリント回路基板は、前記外部接続端子が半田を介して接続されている接続ランドを有
し、前記フレキシブルプリント回路基板の前記接続ランドを含む領域を前記リードブロックとの間に挟みこんで保持する保持部材をさらに有する。
【0008】
この構成によれば、接続ランドを備えたフレキシブルプリント回路基板を用い、且つ複数の外部接続端子を一体保持してロータ及びステータの少なくとも一方に固定されたリードブロックを用いたことで、外部接続端子を半田を介して接続しても、フレキシブルプリント回路基板と外部接続端子とを安定して接続できる。そのため、製造工程において、フレキシブルプリント回路基板と外部接続端子とを半田付けにて接続できるので、組み立てが容易となる。
また、この構成によれば、フレキシブルプリント回路基板の接続ランドを含む領域をリードブロックと保持部材との間に挟みこんで保持することにより、フレキシブルプリント回路基板と外部接続端子とがぐらつくことなく確実に保持できる。
【0009】
好適には本発明の回転コネクタの前記フレキシブルプリント回路基板は、前記環状空間内に収容されたメインフレキシブルプリント回路基板と、前記メインフレキシブルプリント回路基板と前記外部接続端子とに接続され前記メインフレキシブルプリント回路基板の長手方向に対して角度を持って延在するサブフレキシブルプリント回路基板とを有し、前記接続ランドは、前記サブフレキシブルプリント回路基板に設けられている。
【0010】
この構成によれば、メインフレキシブルプリント回路基板の長手方向に対して角度を持って延在するサブフレキシブルプリント回路基板に接続ランドを設けたことで、設計の自由度を高めることができる。
【0011】
好適には、前記サブフレキシブルプリント回路基板は、前記メインフレキシブルプリント回路基板の一端部が取り付けられる配線部を有し、前記保持部材は、前記環状空間内において、前記サブフレキシブルプリント回路基板の前記配線部と前記メインフレキシブルプリント回路基板の前記一端部とを位置決め保持するための第1保持部を有する。
【0012】
好適には、前記第1保持部において前記サブフレキシブルプリント回路基板の前記配線部が取り付けられる面には、前記配線部と、前記配線部に重ね合わされ取り付けられる前記メインフレキシブルプリント回路基板の前記一端部とを位置決めするための複数の位置決め用カシメピンが突設されており、前記サブフレキシブルプリント回路基板の前記配線部及び前記メインフレキシブルプリント回路基板の前記一端部には、前記複数の位置決め用カシメピンに挿入される複数のピン挿入孔が形成されている。
【0013】
好適には本発明の回転コネクタは、前記リードブ
ロックを固定して収容し、当該リードブロックの前記外部接続端子に対向する位置に開口部を備え、前記ロータ及び前記ステータの少なくとも一方に設けられたコネクタ部をさらに有する。
【0014】
この構成によれば、ロータ及びステータの少なくとも一方に、開口部を介して外部から接続可能な形態でリードブロックを安定して固定できる。
【0015】
好適には本発明の回転コネクタは、前記ロータ及び前記ステータの少なくとも一方と前記保持部材とがスナップイン機構により結合されている。
【0016】
この構成によれば、フレキシブルプリント回路基板の接続ランドを含む領域を、保持部材と、ロータ及び前記ステータの少なくとも一方との間に挟んでスナップイン結合するだけ、フレキシブルプリント回路基板と外部接続端子とを簡単な構成で安定して結合でき、作業効率がよい。
【0017】
好適には本発明の回転コネクタの前記保持部材は、前記環状空間内において、前記フレキシブルプリント回路基板の前記環状空間内に位置する部分を位置決めして固定する第1保持部と、前記接続ランドを含む領域を前記リードブロックとの間に挟みこんで保持する第2保持部とが一体形成されている。
【0018】
この構成によれば、フレキシブルプリント回路基板の環状空間内に位置する部分を位置決めして固定する第1保持部と、接続ランドを含む領域を前記リードブロックとの間に挟みこんで保持する第2保持部とを一体形成したことで、部品点数を増やすことがなく、組み立て性を良くできる。
【0019】
好適には本発明の回転コネクタの前記ステータは、外筒体を有し、前記ロータは、前記外筒体に対向する内筒体を有し、前記ステータと同軸配置されており、前記フレキシブルプリント回路基板は、前記外筒体と前記内筒体との間の前記環状空間内に収納されている。
【0020】
この構成によれば、ステータの外筒体とロータの内筒体との間に一定幅の環状空間を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係る回転コネクタについて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る回転コネクタの外観斜視図である。
図2は、
図1に示す回転コネクタの要部分解斜視図である。
図3は、第1メインFPC4及び第2メインFPC5の両端部と外部接続端子7A,9Aとの接続関係を説明するための斜視図である。
【0023】
図4は、ロータ2、外部接続端子7A、第1サブFPC6及び第1保持部材18を内側から見た分解斜視図である。
図5は、ロータ2、外部接続端子7A、第1サブFPC6及び第1保持部材18を1外側から見た分解斜視図である。
図6は、第1サブFPC6、第1メインFPC4及び第2メインFPC5の一端部4A,5Aの拡大斜視図である。
【0024】
(回転コネクタの全体構成)
回転コネクタ1は、車両のステアリングコラム(図示は省略する)とステアリングシャフト(図示は省略する)との間で電気信号を伝送するための接続装置である。
【0025】
図1および
図2に示すように、回転コネクタ1は、ステアリンコラムに内包されたステアリングシャフトが中心部に挿入される合成樹脂からなる環状のロータ2と、ステアリングコラムに取り付けられロータ2が回転自在に組み付けられる合成樹脂からなる環状のステータ3を備えている。
【0026】
回転コネクタ1の本体内には、ロータ2とステータ3との組み合わせにより、ロータ2の内筒部2Aとステータ3の外筒部3Aとの間に形成される環状空間部(図示は省略する)が形成されている。この環状空間部内にはロータ2とステータ3との間で電気的導通を確保するための第1メインフレキシブルプリント配線基板(以下、第1メインFPCと言う)4と第2メインフレキシブルプリント配線基板(以下、第2メインFPCと言う)5が重ね合わされ渦巻き状に巻回されて収納されている。
【0027】
図3〜
図6に示すように、第1メインFPC4の一端部4Aと第2メインFPC5の一端部5Aは第1サブフレキシブルプリント配線基板(以下、第1サブFPCと言う)6に取り付けられている。そして、第1サブFPC6は複数の外部接続端子7Aを備えたロータ側リードブロック7に取り付けられている。
図4に示すように、ロータ側リードブロック7は、ロータ2の上方フランジ部2Aに開口形成されたリードブロック挿入孔2A1に外周を圧入状態で挿入して上方フランジ部2A上に突設されたロータ側コネクタ部2Bに組み込まれている。つまり、ロータ側コネクタ部2Bは、ロータ側リードブロック7をリードブロック挿入孔2A1の内壁にガタ無く勘合させて固定して外部接続端子7Aを収容する。
ロータ側コネクタ部2Bの外部接続端子7Aと対向する位置には開口部2B1が形成されている。開口部2B1を介して外部接続端子7Aが回転コネクタ1の外部装置の端子と接続される。
【0028】
図2〜
図5に示すように、ロータ側リードブロック7は、第1サブFPC6の接続ランド17に電気的に直接接続された複数の外部接続端子7Aを一体保持する。第1サブFPC6は、ロータ2のロータ側コネクタ部2Bに収容及び固定される。
外部接続端子7Aと第1サブFPC6の接続ランド17とは半田を介して接続されている。なお半田は、リフロー等の工程により加熱された後冷却されて、機械的及び電気的に互いを接続している。
【0029】
図2〜
図5に示すように、第1保持部材18は、第1サブFPC6の接続ランド17を含む領域をロータ側リードブロック7との間に挟みこんで保持する。これにより、第1サブFPC6の接続ランド17と外部接続端子7Aとが安定して固定される。
【0030】
(第1メインFPCと第2メインFPC)
図7は、第1メインFPC4及び第2メインFPC5の一端部4A,5Aを示す図である。
図8は、第1サブFPC6の拡大正面図である。
図9は、
図8のVII−VII線断面図である。
図7に示すように、第1メインFPC4は耐熱性を有し、幅方向に並列に配置された複数の銅箔等からなる帯状導体40をポリイミド等からなる透過性を有する一対の絶縁フイルム41、41間で挟み込むことにより構成されている。帯状導体40は、第1メインFPC4をフォトリソにより製造する工程でエッチングにより形成され、帯状導体40は微細ピッチで形成されている。
【0031】
第1メインFPC4は、長さが約50cmの長尺に形成され、両側縁は直線状で平行に対向して形成されている。第1メインFPC4は環状空間部内に渦巻き状に巻回された状態で摺動自在となるように収納されている。このように、第1メインFPC4を渦巻き状に巻回して環状空間部内に収納することにより、第1メインFPC4の巻締め又は巻戻しが可能となり、ステアリングホイール(図示は省略する)の回転操作が許容される。
【0032】
図7に示すように、第1メインFPC4の一端部4Aには、帯状導体40に接続された金属からなる複数の接続端子10が並列に配置されている。第1メインFPC4の一端部4Aにおいて、一対の絶縁フイルム41、41の背面側の絶縁フイルム41の一部は剥離され、接続端子10が露出されている。
【0033】
図7に示すように、第2メインFPC5も第1メインFPC4と同様に、耐熱性を有し、幅方向に並列に配置された複数の銅箔等からなる帯状導体40をポリイミド等からなる透過性を有する一対の絶縁フイルム41、41間で挟み込むことにより構成されている。帯状導体40は、第2メインFPC5をフォトリソにより製造する工程でエッチングにより形成され、帯状導体40は微細ピッチで形成されている。
【0034】
第2メインFPC5も第1メインFPC4と同様に、長さが約50cmの長尺に形成され、両側縁は直線状で並行に対向して形成されている。第2メインFPC5を渦巻き状に巻回して環状空間部内に収納することにより、第2メインFPC5の巻締め又は巻戻しが可能となり、ステアリングホイール(図示は省略する)の回転操作が許容される。
【0035】
図7に示すように、第2メインFPC5の一端部5Aには、帯状導体40に接続された金属からなる複数の接続端子11が並列に配置されている。第2メインFPC5一端部5Aにおいて、一対の絶縁フイルム41、41の背面側の絶縁フイルム41の一部は剥離され、接続端子11が露出されている。
【0036】
(第1サブFPC)
図6に示すように、第1サブFPC6は各メインFPC4、5の周方向に対して直交する方向に突出するように配置されている。各メインFPC4、5の一端部4A、5Aは、第1サブFPC6の第1配線部6A上で突き合わされ、各メインFPC4、5の長手方向が直線状となるように第1配線部6Aに取り付けられている。
【0037】
図8及び
図9に示すように、第1サブFPC6は耐熱性を有し、ポリイミド等からなる透過性を有するシート状の絶縁フイルム14上に銅箔等からなる複数の導体15を並列に配置することにより構成されている。
【0038】
第1サブFPC6は各メインFPC4、5の各一端部4A、5Aが取り付けられる第1配線部6Aと、ロータ側リードブロック7が取り付けられる第2配線部6Bと、第1配線部6Aと第2配線部6B間を繋ぐ第3配線部6Cから構成されている。
【0039】
第1配線部6Aには、各メインFPC4、5の各一端部4A、5Aに設けられた接続端子10、11に接続される複数の接続端子16が並列に配置されている。第2配線部6Bにはロータ側リードブロック7の外部接続端子7Aに接続される複数の接続ランド17が並列に配置されている。第3配線部6Cには各配線部6A、6Bの接続端子16、17間を接続する複数の導体(図示は省略する)が配置されている。第3配線部6Cの導体は一対の絶縁フイルム14、14間に挟み込まれ、被覆されている。
【0040】
(第1保持部材)
図2〜
図5に示すように、回転コネクタ1は、各メインFPC4、5の各一端部4A、5Aと第1サブFPC6を位置決め保持するための第1保持部材18を備えている。第1保持部材18はロータ2の内筒部2Cの外周に取り付けられている。第1保持部材18は合成樹脂によりL字形状のブロック体に成形されている。
【0041】
図10は、
図1に示す第1保持部材18の外観斜視図である。
図10に示すように、第1保持部材18は、ロータ2とステータ3との間に形成される環状空間内において、第1サブFPC6の第1配線部6Aと各メインFPC4、5の各一端部4A、5Aを位置決め保持するための第1保持部18Aを備えている。
第1保持部18A上に保持された第1配線部6A上に各メインFPC4、5の各一端部4A、5Aを重ね合わせられることにより、
図6に示すように第1配線部6Aの接続端子16と各メインFPC4、5の各一端部4A、5Aの各接続端子10、11は所定の位置で正確に接続される。
【0042】
また、各メインFPC4、5の各一端部4A、5Aが第1保持部18Aに保持されることにより、各メインFPC4、5は幅方向に立ち上がった状態で環状空間部内に収納されている。したがって、各メインFPC4、5は環状空間部内でスムーズに摺動することができる。
【0043】
第1保持部材18には、第1サブFPC6の第2配線部6Bを保持する第2保持部18Bが備えられている。第2保持部18B上にはロータ側リードブロック7が載置され、第2配線部6Bの接続ランド17をロータ側リードブロック7との間に挟み込んで保持する。これにより、
図6に示す第1サブFPC6の接続ランド17と外部接続端子7Aとが安定して接続される。
【0044】
第1保持部材18は、第1サブFPC6の第3配線部6Cを保持する第3保持部18Cを備えている。
【0045】
図10に示すように、第1保持部材18の第1保持部18Aには、ロータ2の内筒部2Cに形成された取り付け部(図示は省略する)に係止されるフック部19が形成されている。また、第1保持部材18の第2保持部18Bには、ロータ2の上方フランジ部2Aに形成された取り付け部(図示は省略する)に係止されるフック部20、20が形成されている。
【0046】
第1保持部材18の第1保持部18Aにおいて、第1サブFPC6の第1配線部6Aが取り付けられる面には、第1配線部6Aと、第1配線部6Aに重ね合わされ取り付けられる各メインFPC4、5の一端部4A、5Aを位置決めするための複数の位置決め用カシメピン21が突設されている。
図7及び
図8に示すように、第1サブFPC6の第1配線部6A及び各メインFPC4、5の一端部4A、5Aには、位置決め用カシメピン21に挿入される複数のピン挿入孔22が形成されている。
【0047】
次に、各メインFPC4、5の各一端部4A、5Aと第1サブFPC6及び第1保持部材18の取り付け方法を説明する。
先ず、
図6に示す第1サブFPC6の第2配線部6Bの接続ランド17にリフロー等の工程によりロータ側リードブロック7を半田接続する。次に、第1サブFPC6の第1配線部6Aに形成されている接続端子16が正面側を向くように第1サブFPC6を第1保持部材18上に配置する。
次に、
図8に示す第1サブFPC6の第1配線部6Aに形成されているピン挿入孔22を第1保持部18Aに形成されている位置決め用カシメピン21に挿入させながら、第1配線部6Aを第1保持部18Aに押し付ける。これにより、第1配線部6Aは第1保持部18Aの所定の位置に位置決めされる。
【0048】
次に、
図7に示す各メインFPC4、5の各一端部4A、5Aの接続端子10、11が露出されている面が背面側を向くように各メインFPC4、5の各一端部4A、5Aを
図6に示す第1配線部6A上に配置する。
次に、各メインFPC4、5の各一端部4A、5Aに形成されているピン挿入孔22を位置決め用カシメピン21に挿入させながら、各メインFPC4、5の各一端部4A、5Aを第1配線部6Aに押し付ける。この時、各接続端子10、11と各配線部6Aの各接続端子16は半田を介して重ね合わせられる。
【0049】
次に、各メインFPC4、5の各一端部4A、5Aの表面から突出している
図10に示す第1保持部材18の位置決め用カシメピン21の先端をカシメ加工する。
これにより、各メインFPC4、5の各一端部4A、5Aと第1配線部6Aは
図10に示す第1保持部18A上で重ね合わせられ一体に位置決め保持される。この状態で半田がヒーターツール等により加熱された後冷却されて、各接続端子は機械的及び電気的に接続されている。
【0050】
次に、第1保持部材18の第2保持部18B上のロータ側リードブロック7と共に、各メインFPC4、5の一端部4A、5Aの表面をロータ2の内筒部2Cの外周に押し付け、各フック部19、20をロータ2に設けられた取り付け部にスナップイン機構により係止(結合)させる。このときロータ側リードブロック7はロータ2のリードブロック挿入孔2A1に挿入され外周を勘合状態で保持される。このようにして、第1保持部材18をロータ2の内筒部2Cの外周に取り付けることにより、各メインFPC4、5の各一端部4A、5Aと第1サブFPC6をロータ2の所定の位置に取り付けることができる。
【0051】
図11は、第2サブFPC8の周辺の部分拡大図である。
図11に示すように、第1メインFPC4の他端部4Bと第2メインFPC5の他端部5Bは、第2サブフレキシブルプリント配線基板(以下、第2サブFPCと言う)8に取り付けられている。そして、第2サブFPC8は
図2及び
図3に示す複数の外部接続端子9Aを備えたステータ側リードブロック9に取り付けられている。
【0052】
ステータ側リードブロック9はステータ3の外筒部3Aに開口形成されたリードブロック挿入孔(図示は省略する)を介してステータ3の外筒部3Aの外周に突設されたステータ側コネクタ部3Bに組み込まれている。
【0053】
(第2サブFPC)
図11に示すように、第1メインFPC4の他端部4Bには、帯状導体40に接続された金属からなる複数の接続端子12が並列に配置され、第2サブFPC8の第1配線部8A上に重ね合わされ取り付けられている。また、第2メインFPC5の他端部5Bには、帯状導体40に接続された金属からなる複数の接続端子13が並列に配置され、第2サブFPC8の第2配線部8Bに重ね合わされ取り付けられている。なお、第1配線部8Aと第2配線部8Bは連設されている。
【0054】
第2サブFPC8は耐熱性を有し、ポリイミド等からなる透過性を有するシート状の絶縁フイルム25上に銅箔等からなる複数の導体26を並列に配置することにより構成されている。
【0055】
第2サブFPC8には2個のステータ側リードブロック9がそれぞれ取り付けられる第3配線部8Cと第4配線部8Dを備えている。
第3配線部8Cと第4配線部8Dには、接続ランド(図示せず)が形成され、当該接続ランドにステータ側リードブロック9の外部接続端子9Aが接続されている。
【0056】
第1配線部8Aには複数の接続端子27が各メインFPC4、5の長手方向に並列に配置されている。第2配線部8Bにも複数の接続端子27が各メインFPC4、5の長手方向に並列に配置されている。
【0057】
(第2保持部材)
回転コネクタ1は、各メインFPC4、5の各他端部4B、5Bと第2サブFPC8の第1配線部8Aと第2配線部8Bを位置決め保持するための第2保持部材28を備えている。第2保持部材28はステータ3の外筒部3Aの外周に取り付けられている。第2保持部材28は合成樹脂により平板状に成形されている。
【0058】
第2保持部材28において、第2サブFPC8の第1配線部8A及び第2配線部8Bが取り付けられる面には、第2サブFPC8の各配線部8A、8Bと、各配線部8A、8B上に取り付けられる各メインFPC4、5の各他端部4B、5Bを位置決めするための複数の位置決め用カシメピン30が突設されている。第2サブFPC8の各配線部8A、8B及び各メインFPC4、5の各他端部4B、5Bには、位置決め用カシメピン30に挿入されるピン挿入孔31が形成されている。
【0059】
以上説明したように、回転コネクタ1では、接続ランド17を備えた第1サブFPC6及び第2サブFPC8を用い、且つ複数の外部接続端子7A,9Aを一体保持し、それぞれロータ2及びステータ3に固定されるロータ側リードブロック7及びステータ側リードブロック9を用いた。これにより、外部接続端子7A,9Aをリフロー等の工程により半田を介して接続して、第1サブFPC6及び第2サブFPC8と外部接続端子7A,9Aとを安定して接続できる。そのため、製造工程において、第1サブFPC6及び第2サブFPC8と外部接続端子7A,9Aとを一般的な半田付けにて接続できるので、組み立てが容易となる。すなわち、従来のようにスポット溶接を行う必要がない。
【0060】
回転コネクタ1では、ロータ側リードブロック7及びステータ側リードブロック9を固定して収容し、当該リードブロックの外部接続端子7A,9Aに対向する位置に開口部2B1,3B1を備え、ロータ2及びステータ3にそれぞれ設けられたロータ側コネクタ部2B及びステータ側コネクタ部3Bを有する。そのため、開口部2B1,3B1を介して回転コネクタ1の外部から接続可能な形態でロータ側リードブロック7及びステータ側リードブロック9をロータ2及びステータ3に安定して固定できる。
【0061】
また、回転コネクタ1では、第1サブFPC6の接続ランド17を含む領域をロータ側リードブロック7との間に挟みこんで保持する第1保持部材18を有する。これにより、外部接続端子7Aと第1保持部材18とを半田で接続しても、接続ランド17と外部接続端子7Aとの間の接続状態を安定にできる。
【0062】
また、回転コネクタ1では、第1保持部材18の第2保持部18B上にある第1サブFPC6の接続ランド17に半田接続したロータ側リードブロック7と共に、各メインFPC4、5の一端部4A、5Aの表面をロータ2の内筒部2Cの外周に押し付け、各フック部19、20をロータ2に設けられた取り付け部にスナップイン機構により係止(結合)させる。このようにして、第1保持部材18をロータ2の内筒部2Cの外周に取り付けることにより、各メインFPC4、5の各一端部4A、5Aと第1サブFPC6をロータ2の所定の位置に簡単な作業で取り付けることができる。
【0063】
また、
図10に示すように、第1保持部材18は、ロータ2とステータ3との間の環状空間内において、第1メインFPC4及び第2メインFPC5位置決めして固定する第1保持部18Aと、
図6に示す第1サブFPC6の接続ランド17を含む領域をロータ側リードブロック7との間に挟みこんで保持する第2保持部18Bとを一体形成している。そのため、部品点数を増やすことがなく、組み立て性を良くできる。
【0064】
回転コネクタ1では、上記環状空間内に収容される第1メインFPC4及び第2メインFPC5と、当該メインFPCの長手方向と直交する方向に延在する第1サブFPC6とを設けた。これにより、設計の自由度を高めることができる。
【0065】
また、回転コネクタ1では、2本のメインFPC4、5の一端部4A、5Aを1枚の第1サブFPC6に取り付けるとともに、2本のメインFPC4、5の他端部4B、5Bを1枚の第2サブFPC8に取り付けることができるので、部品点数を少なくすることができ、部品コストの低減化を図ることができる。
また、メインFPC4、5と各サブFPC6、8のヒーターツール等の加熱工程による接続作業において、メインFPC4、5と各サブFPC6、8を冶具にセットする場合、メインFPC4、5と各サブFPC6、8をそれぞれ1度で治具にセットすることができるため、組み立て性も良い。
【0066】
なお、本実施形態においては、2本のメインFPC4、5を用いた例を説明したが、本発明は1本のメインFPCの使用にも適用され、また3本以上の多数本のメインFPCの使用にも適用される。
【0067】
本発明は上述した実施形態には限定されない。すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。