特許第6652083号(P6652083)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6652083
(24)【登録日】2020年1月27日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】物品搬送設備
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20200210BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20200210BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20200210BHJP
【FI】
   G05D1/02 P
   B65G1/00 501C
   G05B19/418 Z
【請求項の数】6
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-21572(P2017-21572)
(22)【出願日】2017年2月8日
(65)【公開番号】特開2018-128863(P2018-128863A)
(43)【公開日】2018年8月16日
【審査請求日】2019年2月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】高原 正裕
(72)【発明者】
【氏名】西川 智晶
(72)【発明者】
【氏名】上村 剛
【審査官】 中田 善邦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−33256(JP,A)
【文献】 特開2013−30003(JP,A)
【文献】 特開2000−181501(JP,A)
【文献】 特開2009−58997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D1/00−1/12
B65G1/00
G05B9/00−9/03,19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する複数の搬送装置を制御する制御システムを備えた物品搬送設備であって、
前記制御システムは、管理装置と機械的に分離されると共に、前記管理装置からの第一搬送情報に基づいて複数の前記搬送装置に向けて第二搬送情報を送信する第一サーバー及び第二サーバーを備え、
前記第一サーバーは、第一記憶部と第一指示部とを備え、
前記第二サーバーは、前記第一サーバーと機械的に分離されると共に、第二記憶部と第二指示部とを備え、
前記第一記憶部は、前記管理装置からの前記第一搬送情報を受信して記憶すると共に前記第一搬送情報を前記第一指示部又は前記第二指示部に送信可能に構成され、
前記第二記憶部は、前記管理装置からの前記第一搬送情報を受信して記憶すると共に前記第一搬送情報を前記第一指示部又は前記第二指示部に送信可能に構成され、
前記第一指示部は、前記第一記憶部又は前記第二記憶部からの前記第一搬送情報と、複数の前記搬送装置の状態を示す装置情報と、に基づいて、複数の前記搬送装置のうちから対象搬送装置を選択して前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信可能に構成され、
前記第二指示部は、前記第一搬送情報と前記装置情報とに基づいて、前記対象搬送装置を選択して前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信可能に構成され、
前記制御システムの制御状態には、前記第一記憶部が受信した前記第一搬送情報に基づいて、前記第一指示部と前記第二指示部とのうち、前記第一指示部から前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信する第一状態と、前記第一記憶部が受信した前記第一搬送情報に基づいて、前記第一指示部と前記第二指示部とのうち、前記第二指示部から前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信する第二状態と、が含まれ、
前記第一記憶部及び前記第一指示部が正常に動作している状態では、前記第一状態となり、前記第一状態において前記第一指示部が正常に動作しなくなった場合で且つ前記第二指示部が正常に動作している場合に、前記第二状態となり、
前記第一状態では、前記第一記憶部が、前記第一搬送情報を前記第一指示部に送信すると共に、前記第一指示部が、前記装置情報と前記第一搬送情報とに基づいて前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信し、且つ、前記第二指示部に前記装置情報及び前記第一搬送情報を送信して、前記第一指示部と前記第二指示部とで指示部情報を共有し、
前記第二状態では、前記第一記憶部が、前記第一搬送情報を前記第二指示部に送信すると共に、前記第二指示部が、前記指示部情報に基づいて前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信する物品搬送設備。
【請求項2】
前記制御システムの制御状態には、更に、前記第二記憶部が受信した前記第一搬送情報に基づいて、前記第一指示部と前記第二指示部とのうち、前記第一指示部から前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信する第三状態が含まれ、
前記第一状態において前記第一記憶部が正常に動作しなくなった場合で且つ前記第二記憶部が正常に動作している場合に、前記第三状態となり、
前記第一状態では、前記第一搬送情報を前記第二記憶部に送信して、前記第一記憶部と前記第二記憶部とで記憶部情報を共有し、
前記第三状態では、前記第二記憶部が、前記記憶部情報に基づいて前記第一搬送情報を前記第一指示部に送信すると共に、前記第一指示部が、前記装置情報と前記第一搬送情報とに基づいて前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信する請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項3】
前記制御システムは、前記第一状態において第一アップデート処理を行い、
前記第一アップデート処理は、前記第二記憶部の前記管理装置からの受信及び前記第一記憶部からの受信を切断し、前記第二記憶部のアップデートを行い、前記第一アップデート処理が完了した後、前記第一記憶部から前記第二記憶部に情報を送信して、前記第一記憶部と前記第二記憶部とで前記記憶部情報を共有し、その後、前記第一記憶部及び前記第一指示部の動作と並行して前記第二記憶部及び前記第二指示部を動作させてこれら前記第二記憶部及び前記第二指示部の動作確認処理を行う請求項2に記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記制御システムは、前記第一アップデート処理後における動作確認処理において問題が生じなければ、前記第一状態から前記第三状態に切り換えた後、第二アップデート処理を行い、
第二アップデート処理は、前記第一記憶部が前記管理装置からの受信及び前記第二記憶部からの受信を切断し、前記第一記憶部のアップデートを行い、前記第二アップデート処理が完了した後、前記第二記憶部から前記第一記憶部に情報を送信して、前記第一記憶部と前記第二記憶部とで前記記憶部情報を共有し、その後、前記第二記憶部及び前記第一指示部の動作と並行して前記第一記憶部及び前記第二指示部の動作確認処理を行い、この動作確認処理が完了した後、前記第一状態に復帰する請求項3に記載の物品搬送設備。
【請求項5】
前記制御システムの制御状態には、更に、前記第二記憶部が受信した搬送情報に基づいて、前記第一指示部と前記第二指示部とのうち、前記第二指示部から前記対象搬送装置に前記搬送情報を送信する第四状態が含まれ、
前記第一記憶部、前記第一指示部、前記第二記憶部、及び前記第二指示部が正常に動作している状態では、前記第一状態となり、前記第一状態において前記第一記憶部及び前記第一指示部の双方が正常に動作しなくなった場合には、前記第四状態となり、
前記第四状態は、前記第二記憶部が、前記記憶部情報に基づいて、前記第一搬送情報を前記第二指示部に送信すると共に、前記第二指示部が、前記指示部情報に基づいて前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信する請求項2から4のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項6】
複数の前記搬送装置が、天井近くに設置された走行レールに沿って走行して物品を搬送する天井搬送車であって、
前記第一搬送情報及び前記第二搬送情報が、前記天井搬送車によって物品を搬送する搬送元と搬送先とを示す情報である請求項1から5のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送する複数の搬送装置を制御する制御システムを備えた物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品搬送設備の従来例が、特開2013−030003号公報(特許文献1)に記載されている。特許文献1の物品搬送設備は、管理装置(上位コントローラJC)から送信された第一搬送情報を受信する制御システム(搬送コントローラHC)が備えられており、この制御システムは、管理装置からの第一搬送情報と複数の搬送装置の状態を示す装置情報とに基づいて、複数の搬送装置のうちから対象搬送装置を選択して対象搬送装置に第二搬送情報を送信可能に構成されている。第二搬送情報を受信した対象搬送装置は、第二搬送情報に基づいて物品を搬送するように作動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−030003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の物品搬送設備では、制御システムの一部、例えば、対象搬送装置を選択するためのアプリケーションが異常終了した場合は、第二搬送情報を対象搬送装置に送信できなくなるため、搬送装置による物品の搬送が停止してしまう虞がある。また、このように制御システムに異常が生じた場合には、第一搬送情報を受け付けなくなる、又は、管理装置が制御システムの異常を検知することによって、管理装置が第一搬送情報を搬送システムに送信することを停止し、搬送システムに送信すべき第一搬送情報が上位コントローラに蓄積されて、管理装置の負荷が増大することが考えられる。
【0005】
そこで、搬送システムに異常が生じたとしても継続して搬送装置に第二搬送情報を送信することができながら、管理装置の負荷の増大を回避できる物品搬送設備の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記に鑑みた、物品搬送設備の特徴構成は、物品を搬送する複数の搬送装置を制御する制御システムを備え、
前記制御システムは、管理装置と機械的に分離されると共に、前記管理装置からの第一搬送情報に基づいて複数の前記搬送装置に向けて第二搬送情報を送信する第一サーバー及び第二サーバーを備え、前記第一サーバーは、第一記憶部と第一指示部とを備え、前記第二サーバーは、前記第一サーバーと機械的に分離されると共に、第二記憶部と第二指示部とを備え、前記第一記憶部は、前記管理装置からの前記第一搬送情報を受信して記憶すると共に前記第一搬送情報を前記第一指示部又は前記第二指示部に送信可能に構成され、前記第二記憶部は、前記管理装置からの前記第一搬送情報を受信して記憶すると共に前記第一搬送情報を前記第一指示部又は前記第二指示部に送信可能に構成され、前記第一指示部は、前記第一記憶部又は前記第二記憶部からの前記第一搬送情報と、複数の前記搬送装置の状態を示す装置情報と、に基づいて、複数の前記搬送装置のうちから対象搬送装置を選択して前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信可能に構成され、前記第二指示部は、前記第一搬送情報と前記装置情報とに基づいて、前記対象搬送装置を選択して前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信可能に構成され、前記制御システムの制御状態には、前記第一記憶部が受信した前記第一搬送情報に基づいて、前記第一指示部と前記第二指示部とのうち、前記第一指示部から前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信する第一状態と、前記第一記憶部が受信した前記第一搬送情報に基づいて、前記第一指示部と前記第二指示部とのうち、前記第二指示部から前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信する第二状態と、が含まれ、前記第一記憶部及び前記第一指示部が正常に動作している状態では、前記第一状態となり、前記第一状態において前記第一指示部が正常に動作しなくなった場合で且つ前記第二指示部が正常に動作している場合に、前記第二状態となり、前記第一状態では、前記第一記憶部が、前記第一搬送情報を前記第一指示部に送信すると共に、前記第一指示部が、前記装置情報と前記第一搬送情報とに基づいて前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信し、且つ、前記第二指示部に前記装置情報及び前記第一搬送情報を送信して、前記第一指示部と前記第二指示部とで指示部情報を共有し、前記第二状態では、前記第一記憶部が、前記第一搬送情報を前記第二指示部に送信すると共に、前記第二指示部が、前記指示部情報に基づいて前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信する点にある。
【0007】
これらの特徴構成によれば、第一状態の搬送システムでは、第一記憶部は、管理装置からの第一搬送情報を第一指示部に送信し、第一指示部は、第一記憶部からの第一搬送情報と複数の搬送装置の状態を示す装置情報とに基づいて、複数の搬送装置のうちから対象搬送装置を選択して対象搬送装置に第二搬送情報を送信することができる。また、この第一状態の搬送システムでは、第二指示部にも装置情報及び第一搬送情報が送信されているため、第一指示部と第二指示部とで、装置情報及び第一搬送情報を含む指示部情報を共有できる。
そして、搬送システムが第一状態で運用している状態において第一指示部に異常が生じた場合には、搬送システムの制御状態を第一状態から第二状態に切り換えることによって、第二指示部が、指示部情報に基づいて対象搬送装置に第二搬送情報を送信する。つまり、上述の如く、第一指示部に異常が生じた場合でも、第二搬送情報を対象搬送装置に送信できるため、搬送装置による物品の搬送の停止を回避できる。
そして、搬送システムは、制御状態が第一状態の場合と第二状態の場合との双方で管理装置からの第一搬送情報を受信できるため、搬送システムに送信すべき第一搬送情報が管理装置に蓄積することによる管理装置の負荷の増大を回避できる。
【0008】
ちなみに、制御システムの制御状態が第一状態から第二状態に切り換えられた当初は、第二状態になったから第二指示部が新たに第一搬送情報や装置情報を受信していない場合があり、このような場合は、第二指示部は、第一状態において共有していた指示部情報に基づいて対象物品搬送車を選択して当該対象物品搬送車に第二搬送情報を送信できる。
そして、制御システムの制御状態が、第一状態から第二状態に切り換えられた後、対象物品搬送車を選択して当該対象物品搬送車に第二搬送情報を送信することが可能となる分の第一搬送情報と装置情報を第二指示部が受信している場合は、第二指示部は、第一状態の第一指示部と同様に、第二状態に切り換わってから受信した第一搬送情報と装置情報とに基づいて対象物品搬送車を選択して当該対象物品搬送車に第二搬送情報を送信できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】物品搬送設備の平面図
図2】物品搬送設備の通信構成を示す図
図3】搬送車制御システムを示す図
図4】第一状態の搬送車制御システムを示す図
図5】第一指示部に異常が生じた搬送車制御システムを示す図
図6】第二状態の搬送車制御システムを示す図
図7】第一記憶部に異常が生じた搬送車制御システムを示す図
図8】第三状態の搬送車制御システムを示す図
図9】第一記憶部と第一指示部との双方に異常が生じた搬送車制御システムを示す図
図10】第四状態の搬送車制御システムを示す図
図11】第二指示部のアップデート中の搬送車制御システムを示す図
図12】第二指示部のアップデート後の搬送車制御システムを示す図
図13】第一指示部のアップデート中の搬送車制御システムを示す図
図14】第一指示部のアップデート後の搬送車制御システムを示す図
図15】アップデート後に第一状態に切り換えた搬送車制御システムを示す図
図16】第二記憶部のアップデート中の搬送車制御システムを示す図
図17】第二記憶部のアップデート後の搬送車制御システムを示す図
図18】第一記憶部のアップデート中の搬送車制御システムを示す図
図19】第一記憶部のアップデート後の搬送車制御システムを示す図
図20】アップデート後に第一状態に切り換えた搬送車制御システムを示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.実施形態
物品搬送設備の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品搬送設備は、走行経路1に沿って設置された走行レール2(図2参照)上を走行経路1に沿って走行する物品搬送車3と、物品を収納する自動倉庫Rと、を備えている。走行レール2は、天井近くに設置されており、物品搬送車3は、走行レール2に沿って走行して物品を搬送する。尚、物品搬送車3が、物品を搬送する搬送装置(天井搬送車)に相当する。また、本実施形態では、物品搬送車3は、半導体基板を収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)を物品として搬送する。
【0011】
図1に示すように、走行経路1は、2つの主経路4と、複数の物品処理部Pを経由する複数の副経路5と、を備えている。2つの主経路4及び複数の副経路5の夫々は、環状に形成されている。
2つの主経路4は、2重の環状となる状態で設けられている。これら2つの環状の主経路4は、物品搬送車3が同じ方向周り(反時計回り)で走行する経路である。尚、図1においては、物品搬送車3の走行方向を、矢印にて示している。
【0012】
2つの主経路4のうち、内側の主経路4を第一主経路4Aとし、外側の主経路4を第二主経路4Bとして、説明する。
第一主経路4Aは、複数の自動倉庫Rを経由するように設定されている。第一主経路4Aを、自動倉庫Rとの間で物品を移載するために物品搬送車3を停止させる物品移載用の経路として用い、第二主経路4Bを、物品搬送車3を連続して走行させる連続走行用の経路として用いている。
【0013】
走行経路1には、短絡経路6、分岐経路7、合流経路8、及び、乗継経路9が備えられている。
短絡経路6は、第一主経路4Aにおける互いに平行で且つ直線状に延びる一対の部分の夫々に接続されている。この短絡経路6は、第一主経路4Aにおける直線状に延びる一対の部分の一方から他方又は他方から一方に物品搬送車3を走行させるための経路である。
分岐経路7は、第二主経路4Bと副経路5とに接続されており、第二主経路4Bから副経路5に物品搬送車3を走行させるための経路である。合流経路8は、副経路5と第二主経路4Bとに接続されており、副経路5から第二主経路4Bに物品搬送車3を走行させるための経路である。
乗継経路9は、第一主経路4Aと第二主経路4Bとに接続されており、第一主経路4Aから第二主経路4B又は第二主経路4Bから第一主経路4Aに物品搬送車3を走行させるための経路である。
【0014】
物品搬送車3は、物品処理部Pに対応する位置に停止した状態で物品処理部Pとの間で物品を授受可能に構成されており、自動倉庫Rに対応する位置に停止した状態で自動倉庫Rとの間で物品を授受可能に構成されている。そして、物品搬送車3は、複数の物品処理部P及び複数の自動倉庫Rのうちの一つを搬送元、残る複数の物品処理部P及び複数の自動倉庫Rのうちの一つを搬送先として、搬送元から搬送先に物品を搬送する。
【0015】
詳細な説明は省略するが、自動倉庫Rは、搬送コンベヤ、スタッカークレーン、物品収納棚を備えている。物品収納棚は、物品を収納する収納部が複数備えられている。自動倉庫Rは、天井搬送車から受け取った物品は入出庫部10に支持されており、搬送コンベヤとスタッカークレーンとによって、入出庫部10から複数の収納部の一つに搬送する。また、自動倉庫Rは、物品収納棚の収納部に収納されている物品を、スタッカークレーンと搬送コンベヤとによって、入出庫部10に搬送する。
【0016】
図2に示すように、物品搬送設備は、上位管理装置13と下位管理装置14と搬送車制御システム15と倉庫制御システム16とが備えられている。これら上位管理装置13と下位管理装置14と搬送車制御システム15と倉庫制御システム16とは、機械的に分離されている。そして、上位管理装置13と下位管理装置14とは通信回線Lにより互いに接続されており、上位管理装置13と下位管理装置14との間で情報を通信可能に構成されている。また、下位管理装置14と搬送車制御システム15及び倉庫制御システム16とも通信回線Lにより互いに接続されており、下位管理装置14と搬送車制御システム15及び倉庫制御システム16との間で情報を通信可能に構成されている。尚、搬送車制御システム15は、物品を搬送する複数の物品搬送車3(搬送装置)に制御する制御システムに相当する。また、下位管理装置14は、搬送車制御システム15に第一搬送情報を送信する管理装置に相当する。
【0017】
上位管理装置13は、物品の搬送元と搬送先とを示す搬送情報を下位管理装置14に送信する。具体的には、例えば、複数の物品処理部Pのうちの一つを搬送元、複数の自動倉庫Rの一つにおける搬送した物品を収納する収納部を搬送先として、これらを搬送元と搬送先とを示す情報を搬送情報として下位管理装置14に送信する。
【0018】
下位管理装置14は、複数の物品処理部P及び複数の自動倉庫Rのうちの一つを第一搬送元、残る複数の物品処理部P及び複数の自動倉庫Rのうちの一つを第一搬送先として、これらの第一搬送元と第一搬送先とを示す第一搬送情報を、搬送車制御システム15に送信する。具体的には、例えば、下位管理装置14は、搬送情報において搬送元として示されている物品処理部Pを第一搬送元、搬送情報において搬送先として示されている収納部を有する自動倉庫Rを第一搬送先として、これらを第一搬送元と第一搬送先とを示す第一搬送情報を、搬送車制御システム15に送信する。このように、下位管理装置14は、搬送情報に基づいて、物品搬送車3が搬送可能な範囲内において第一搬送元と第一搬送先とを設定して、これら第一搬送元と第一搬送先とを示す第一搬送情報を搬送車制御システム15に送信する。
【0019】
また、下位管理装置14は、入出庫部10及び複数の収納部のうちの一つを第二搬送元、残る入出庫部10及び複数の収納部のうちの一つを第二搬送先として、これらの第二搬送元と第二搬送先とを示す第三搬送情報を、倉庫制御システム16に送信する。具体的には、例えば、下位管理装置14は、入出庫部10を第二搬送元、搬送情報において搬送先として示されている収納部を第二搬送先として、これらの第二搬送元と第二搬送先とを示す第三搬送情報を、倉庫制御システム16に送信する。
【0020】
物品搬送設備には、複数の無線通信部18が備えられている。搬送車制御システム15と無線通信部18とは通信回線Lにより互いに接続されており、搬送車制御システム15と無線通信部18との間で情報を通信可能に構成されている。また、複数の物品搬送車3は無線通信部18との間で無線通信可能に構成されている。つまり、搬送車制御システム15は、通信回線Lと無線通信部18を介して、物品搬送車3との間で情報を通信可能に構成されている。
搬送車制御システム15は、下位管理装置14からの第一搬送情報に基づいて複数の物品搬送車3(詳しくは、複数の物品搬送車3から選択した1台の物品搬送車3)に向けて第二搬送情報を送信する。また、搬送車制御システム15は、複数の物品搬送車3から送信された装置情報を受信する。この装置情報は、例えば、物品搬送車3の位置情報や第二搬送情報に対して物品搬送車3が物品の搬送が完了したことを示す情報である。ちなみに、第二搬送情報を受信した物品搬送車3は、第一搬送元から第一搬送先に物品を搬送するように動作する。
【0021】
自動倉庫Rには、搬送コンベヤを制御するコンベヤ制御部19やスタッカークレーンを制御するクレーン制御部20が備えられている。倉庫制御システム16とコンベヤ制御部19やクレーン制御部20とは通信回線Lにより互いに接続されており、倉庫制御システム16とコンベヤ制御部19やクレーン制御部20との間で情報を通信可能に構成に構成されている。倉庫制御システム16は、下位管理装置14からの第三制御情報に基づいて、コンベヤ制御部19やクレーン制御部20に情報を送信する。倉庫制御システム16から情報を受信したコンベヤ制御部19やクレーン制御部20は、第二搬送元から第二搬送先に物品を搬送するように、搬送コンベヤやスタッカークレーンを制御する。
【0022】
次に、搬送車制御システム15について説明を加える。
図3に示すように、搬送車制御システム15は、第一サーバー23及び第二サーバー24を備えている。第一サーバー23は、下位管理装置14からの第一搬送情報に基づいて複数の物品搬送車3に向けて第二搬送情報を送信可能に構成されている。第二サーバー24も、第一サーバー23と同様に、下位管理装置14からの第一搬送情報に基づいて複数の物品搬送車3に向けて第二搬送情報を送信可能に構成されている。
下位管理装置14は、第一サーバー23と第二サーバー24との双方に第一搬送情報を送信する。また、第一サーバー23及び第二サーバー24は、装置情報等の各種情報を下位管理装置14に送信する。
【0023】
第一サーバー23は、第一記憶部25と第一指示部27とを備えている。第二サーバー24は、第一サーバー23と機械的に分離されると共に、第二記憶部26と第二指示部28とを備えている。説明を加えると、第一サーバー23は、アプリケーションを記憶部層と指示部層との二層構造となっており、第一サーバー23の記憶部層に第一記憶部25が備えられており、第一サーバー23の指示部層に第一指示部27が備えられている。また、第二サーバー24も、第一サーバー23と同様に、アプリケーションを記憶部層と指示部層との二層構造となっており、第二サーバー24の記憶部層に第二記憶部26が備えられており、第二サーバー24の指示部層に第二指示部28が備えられている。
【0024】
第一記憶部25及び第二記憶部26は、通信回線Lを介して上位管理装置13に接続されており、上位管理装置13との間で情報を通信可能に構成されている。第一指示部27及び第二指示部28は、通信回線Lを介して無線通信部18に接続されており、複数の物品搬送車3との間で情報を通信可能に構成されている。
また、第一記憶部25と第一指示部27とは、第一サーバー23内において情報を通信可能に構成されており、第二記憶部26と第二指示部28とは、第二サーバー24内において情報を通信可能に構成されている。また、第一サーバー23と第二サーバー24とは回線(図示せず)により通信可能に接続されており、第一記憶部25と第二記憶部26、第一記憶部25と第二指示部28、第一指示部27と第二記憶部26、第一指示部27と第二指示部28、の間で情報を通信可能に構成されている。
【0025】
第一記憶部25は、第一搬送情報を第一指示部27及び第二指示部28に送信し、第一指示部27は、第一記憶部25からの第一搬送情報を受信したことを示す応答情報を第一記憶部25に送信すると共に、第二指示部28は、第一記憶部25からの第一搬送情報を受信したことを示す応答情報を第一記憶部25に送信する。そして、第一記憶部25は、第一搬送情報を第一指示部27に送信した後、一定時間内に第一指示部27からの応答情報がない場合に、第一指示部27との通信が途切れたとして、第一指示部27が正常に動作しなくなったと判断する。また、第一記憶部25は、第一搬送情報を第二指示部28に送信した後、一定時間内に第二指示部28からの応答情報がない場合に、第二指示部28との通信が途切れたとして、第二指示部28が正常に動作しなくなったと判断する。
また、第一記憶部25は、装置情報を第二記憶部26に送信し、第二記憶部26は、第一記憶部25から装置情報を受信したことを示す応答情報を第一指示部27に送信する。そして、第一記憶部25は、装置情報を第二記憶部26に送信した後、一定時間内に第二記憶部26からの応答情報がない場合に、第二記憶部26との通信が途切れたとして、第二記憶部26が正常に動作しなくなったと判断する。
また、同様に、第二記憶部26は、第一搬送情報を第一指示部27に送信した後、一定時間内に第一指示部27からの応答情報がない場合に、第一指示部27との通信が途切れたとして、第一指示部27が正常に動作しなくなったと判断する。第二記憶部26は、第一搬送情報を第二指示部28に送信した後、一定時間内に第二指示部28からの応答情報がない場合に、第二指示部28との通信が途切れたとして、第二指示部28が正常に動作しなくなったと判断する。第二記憶部26は、装置情報を第一記憶部25に送信した後、一定時間内に第一記憶部25からの応答情報がない場合に、第一記憶部25との通信が途切れたとして、第一記憶部25が正常に動作しなくなったと判断する。
【0026】
第一記憶部25は、上位管理装置13からの第一搬送情報を受信して記憶すると共に第一搬送情報を第一指示部27又は第二指示部28に送信可能に構成されている。
第二記憶部26は、管理装置からの第一搬送情報を受信して記憶すると共に第一搬送情報を第一指示部27又は第二指示部28に送信可能に構成されている。
第一指示部27は、第一記憶部25又は第二記憶部26からの第一搬送情報と、複数の物品搬送車3の状態を示す装置情報と、に基づいて、複数の物品搬送車3のうちから対象物品搬送車3Tを選択して対象物品搬送車3Tに第二搬送情報を送信可能に構成されている。
第二指示部28は、第一搬送情報と装置情報とに基づいて、対象物品搬送車3Tを選択して対象物品搬送車3Tに第二搬送情報を送信可能に構成されている。
【0027】
搬送車制御システム15の制御状態には、第一状態(図4参照)と第二状態(図6参照)と第三状態(図8参照)と第四状態(図10参照)とがある。
図4に示すように、第一状態では、第一記憶部25が受信した第一搬送情報に基づいて、第一指示部27と第二指示部28とのうち、第一指示部27から対象物品搬送車3Tに第二搬送情報を送信する。図6に示すように、第二状態では、第一記憶部25が受信した第一搬送情報に基づいて、第一指示部27と第二指示部28とのうち、第二指示部28から対象物品搬送車3Tに第二搬送情報を送信する。図8に示すように、第三状態では、第二記憶部26が受信した第一搬送情報に基づいて、第一指示部27と第二指示部28とのうち、第一指示部27から対象物品搬送車3Tに第二搬送情報を送信する。図10に示すように、第四状態では、第二記憶部26が受信した第一搬送情報に基づいて、第一指示部27と第二指示部28とのうち、第二指示部28から対象物品搬送車3Tに搬送情報を送信する。
【0028】
次に、搬送車制御システム15の各制御状態について説明を加える。
図4に示すように、第一状態では、第一記憶部25は、下位管理装置14からの第一搬送情報を第一指示部27及び第二指示部28に送信すると共に、第一指示部27からの装置情報を下位管理装置14に送信し、更に、第一搬送情報及び装置情報を記憶する。また、第一状態では、第一指示部27は、装置情報と第一搬送情報とに基づいて対象物品搬送車3Tに第二情報を送信すると共に、複数の物品搬送車3からの装置情報を第一記憶部25に送信する。
そして、第一状態において、第二記憶部26が正常に動作している状態では、第二記憶部26に装置情報及び第一搬送情報を送信して、第一指示部27と第二指示部28とで記憶部情報を共有する。説明を加えると、下位管理装置14からの第一搬送情報は、第一記憶部25と第二記憶部26との双方で受信すると共に、第一指示部27からの装置情報は、第一記憶部25が第二記憶部26に送信することで、第一記憶部25と第二記憶部26とで第一搬送情報と装置情報とを共有している。このように、第一記憶部25と第二記憶部26とで第一搬送情報や装置情報を含む記憶部情報を共有している。尚、第二記憶部26への第一搬送情報の送信については、下位管理装置14から直接に送信するのではなく、第一記憶部25が受信した第一搬送情報を第二記憶部26に送信するようにしてもよい。
また、第一状態において、第二指示部28が正常に動作している状態では、第二指示部28に第一搬送情報、装置情報及び対象物品搬送車3Tの情報を送信して、第一指示部27と第二指示部28とで指示部情報を共有する。説明を加えると、第一記憶部25からの第一搬送情報は、第一指示部27と第二指示部28との双方で受信すると共に、複数の物品搬送車3からの装置情報及び対象物品搬送車3Tの情報は、第一指示部27が第二指示部28に送信することで、第一指示部27と第二指示部28とで第一搬送情報と対象物品搬送車3Tの情報とを共有している。このように、第一指示部27と第二指示部28とで第一搬送情報、装置情報及び対象物品搬送車3Tの情報を含む指示部情報を共有している。尚、第二指示部28への第一搬送情報の送信については、第一記憶部25から送信するのではなく、第一指示部27が受信した第一搬送情報を第二指示部28に送信するようにしてもよい。
【0029】
このように、第一状態の搬送車制御システム15は、第一記憶部25を主の記憶部(図4では、Masterと表記)とし、第一指示部27を指示用の指示部(図4では、Inと表記)として、第一記憶部25(主の記憶部)と第一指示部27(指示用の指示部)とを用いて、下位管理装置14や複数の物品搬送車3との間で各種情報を送受信している。そして、第一状態の搬送車制御システム15は、第二記憶部26が正常に動作している場合は、第二記憶部26を副の記憶部(図4では、Shadowと表記)として、第一記憶部25(主の記憶部)と第二記憶部26(副の記憶部)とで記憶部情報を共有する。また、第一状態の搬送車制御システム15は、第二指示部28が正常に動作している場合は、第二指示部28を非指示用の指示部(図4では、Outと表記)として、第一指示部27(指示用の指示部)と第二指示部28(非指示用の指示部)とで指示部情報を共有する。
【0030】
図6に示すように、第二状態では、第一状態に対して、第一指示部27と第二指示部28との役割が入れ替わる。つまり、第二状態の搬送車制御システム15は、第一記憶部25を主の記憶部とし、第二指示部28を指示用の指示部として、第一記憶部25(主の記憶部)と第二指示部28(指示用の指示部)とを用いて、下位管理装置14や複数の物品搬送車3との間で各種情報を送受信している。そして、第二状態の搬送車制御システム15は、第二記憶部26が正常に動作している場合は、第二記憶部26を副の記憶部として、第一記憶部25(主の記憶部)と第二記憶部26(副の記憶部)とで記憶部情報を共有する。また、第二状態の搬送車制御システム15は、第一指示部27が正常に動作している場合は、第一指示部27を非指示用の指示部として、第二指示部28(指示用の指示部)と第一指示部27(非指示用の指示部)とで指示部情報を共有する。
【0031】
図8に示すように、第三状態では、第一状態に対して、第一記憶部25と第二記憶部26との役割が入れ替わる。つまり、第三状態の搬送車制御システム15は、第二記憶部26を主の記憶部とし、第一指示部27を指示用の指示部として、第二記憶部26(主の記憶部)と第一指示部27(指示用の指示部)とを用いて、下位管理装置14や複数の物品搬送車3との間で各種情報を送受信している。そして、第三状態の搬送車制御システム15は、第一記憶部25が正常に動作している場合は、第一記憶部25を副の記憶部として、第二記憶部26(主の記憶部)と第一記憶部25(副の記憶部)とで記憶部情報を共有する。また、第三状態の搬送車制御システム15は、第二指示部28が正常に動作している場合は、第二指示部28を非指示用の指示部として、第一指示部27(指示用の指示部)と第二指示部28(非指示用の指示部)とで指示部情報を共有する。
【0032】
図10に示すように、第四状態では、第一状態に対して、第一指示部27と第二指示部28との役割が入れ替わると共に、第一記憶部25と第二記憶部26との役割が入れ替わる。つまり、第四状態の搬送車制御システム15は、第二記憶部26を主の記憶部とし、第二指示部28を指示用の指示部として、第二記憶部26(主の記憶部)と第二指示部28(指示用の指示部)とを用いて、下位管理装置14や複数の物品搬送車3との間で各種情報を送受信している。そして、第四状態の搬送車制御システム15は、第一記憶部25が正常に動作している場合は、第一記憶部25を副の記憶部として、第二記憶部26(主の記憶部)と第一記憶部25(副の記憶部)とで記憶部情報を共有する。また、第四状態の搬送車制御システム15は、第一指示部27が正常に動作している場合は、第一指示部27を非指示用の指示部として、第二指示部28(指示用の指示部)と第一指示部27(非指示用の指示部)とで指示部情報を共有する。
【0033】
次に、第一状態において、第一指示部27が正常に動作しなくなった場合について説明する。
搬送車制御システム15は、第一状態において、第一指示部27が正常に動作しなくなったと第一記憶部25が判断した場合は、図5に示すように、指示用の指示部を第一指示部27から第二指示部28に切り換えて、搬送車制御システム15の制御状態を第二状態に切り換える。
このように、搬送車制御システム15の制御状態は、第一記憶部25及び第一指示部27が正常に動作している状態では、第一状態となり、第一状態において第一指示部27が正常に動作しなくなった場合で且つ第二指示部28が正常に動作している場合に、第二状態となる。そして、搬送車制御システム15は、第二状態において、第一記憶部25が、第一搬送情報を第二指示部28に送信すると共に、第二指示部28が、第一搬送情報と装置情報と指示部情報とに基づいて対象物品搬送車3Tに第二搬送情報を送信する。
対象物品搬送車3Tに第二搬送情報を送信することについて説明を加えると、搬送車制御システム15の制御状態が第一状態から第二状態に切り換えられた当初は、第二状態になったから第二指示部28が新たに第一搬送情報や装置情報を受信していない場合があり、このような場合は、第二指示部28は、第一状態において共有していた指示部情報のみに基づいて対象物品搬送車3Tを選択して当該対象物品搬送車3Tに第二搬送情報を送信する。そして、搬送車制御システム15の制御状態が、第一状態から第二状態に切り換えられた後、対象物品搬送車3Tを選択して当該対象物品搬送車3Tに第二搬送情報を送信することが可能となる分の第一搬送情報と装置情報を第二指示部28が受信している場合は、第二指示部28は、第二状態に切り換わってから受信した第一搬送情報と装置情報とに基づいて対象物品搬送車3Tを選択して当該対象物品搬送車3Tに第二搬送情報を送信する。
【0034】
次に、第一状態において、第一記憶部25が正常に動作しなくなった場合について説明する。
搬送車制御システム15は、第一状態において、第一記憶部25が正常に動作しなくなったと第二記憶部26が判断した場合は、図7に示すように、主の記憶部を第一記憶部25から第二記憶部26に切り換えて、搬送車制御システム15の制御状態を第三状態に切り換える。
このように、搬送車制御システム15の制御状態は、第一記憶部25及び第一指示部27が正常に動作している状態では、第一状態となり、第一状態において第一記憶部25が正常に動作しなくなった場合で且つ第二記憶部26が正常に動作している場合に、第三状態となる。そして、搬送車制御システム15は、第三状態において、第二記憶部26が、第一搬送情報と記憶部情報とに基づいて第一搬送情報を第一指示部27に送信すると共に、第一指示部27が、装置情報と第一搬送情報とに基づいて対象物品搬送車3Tに第二搬送情報を送信する。
対象物品搬送車3Tに第二搬送情報を送信することについて説明を加えると、搬送車制御システム15の制御状態が第一状態から第三状態に切り換えられた当初は、第一状態において下位管理装置14から第一搬送情報を受信しているにも関わらず当該第一搬送情報を第一指示部27に送信していない場合があり、このような場合は、第二記憶部26は、第一状態において共有していた記憶部情報のみに基づいて第一指示部27に第一搬送情報を送信する。そして、搬送車制御システム15の制御状態が、第一状態から第三状態に切り換えられた後、新たに第一搬送情報を受信した場合に、この第一搬送情報に基づいて第一搬送情報を第一指示部27に送信する。
【0035】
次に、第一状態において、第一記憶部25と第一指示部27との双方が正常に動作しなくなった場合について説明する。
搬送車制御システム15は、第一状態において、第一指示部27と第一記憶部25との双方が正常に動作しなくなったと第二記憶部26が判断した場合は、図9に示すように、指示用の指示部を第一指示部27から第二指示部28に切り換えると共に、主の記憶部を第一記憶部25から第二記憶部26に切り換えて、搬送車制御システム15の制御状態を第四状態に切り換える。
このように、搬送車制御システム15の制御状態は、第一記憶部25及び第一指示部27が正常に動作している状態では、第一状態となり、第一状態において第一指示部27と第一記憶部25との双方が正常に動作しなくなった場合で且つ第二指示部28及び第二記憶部26が正常に動作している場合に、第四状態となる。そして、搬送車制御システム15は、第四状態において、第二記憶部26が、第一搬送情報と記憶部情報に基づいて、第一搬送情報を第二指示部28に送信すると共に、第二指示部28が、第一搬送情報と装置情報と指示部情報に基づいて対象物品搬送車3Tに第二搬送情報を送信する。
【0036】
次に、図16から図20に基づいて、第一状態において、第一記憶部25及び第二記憶部26をアップデートする場合について説明する。第一記憶部25及び第二記憶部26のアップデートは、例えば、搬送車制御システム15にアップデート用の端末を接続し、その端末を操作することで開始される。
搬送車制御システム15は、第一状態において第一記憶部25及び第二記憶部26をアップデートする場合は、次のように、第一アップデート処理、第一アップデート処理後の動作確認処理、第二アップデート処理、第二アップデート処理後の動作確認処理を行う。
【0037】
図16に示すように、第一アップデート処理では、第二記憶部26と下位管理装置14及び第一記憶部25との通信を切断し、第二記憶部26のアップデートを行う。つまり、第一アップデート処理を実行している間は、第二記憶部26と下位管理装置14や第一記憶部25との間での情報の通信は行われない。
そして、図17に示すように、第一アップデート処理が完了した後、第一記憶部25から第二記憶部26に装置情報を送信して、第一記憶部25と第二記憶部26とで記憶部情報を共有する。その後、第一記憶部25及び第一指示部27の動作と並行して第二記憶部26及び第二指示部28を動作させてこれら第二記憶部26及び第二指示部28の動作確認処理を行う。第一アップデート処理後の動作確認処理では、第二記憶部26と第二指示部28との間で装置情報や第一搬送情報等の情報を送受信すると共に、これら第二記憶部26と第二指示部28とを作動させて、第二記憶部26と第二指示部28とが正常に動作するか確認する。
【0038】
搬送車制御システム15は、第一アップデート処理後における動作確認処理において、第二記憶部26と第二指示部28との双方に問題が生じなければ、第一状態から第三状態に切り換えた後、第二アップデート処理を行う。
図18に示すように、第二アップデート処理では、第一記憶部25の下位管理装置14からの受信及び第二記憶部26からの受信を切断し、第一記憶部25のアップデートを行う。つまり、第二アップデート処理を実行している間は、第一記憶部25と下位管理装置14や第二記憶部26との間での情報の送受信は行われない。
そして、図19に示すように、第二アップデート処理が完了した後、第二記憶部26から第一記憶部25に第一搬送情報を送信して、第一記憶部25と第二記憶部26とで記憶部情報を共有し、その後、第二記憶部26及び第一指示部27の動作と並行して第一記憶部25及び第二指示部28の動作確認処理を行い、この動作確認処理が完了した後、図20に示すように、第一状態に復帰する。第二アップデート処理後の動作確認処理では、第一記憶部25と第二指示部28との間で装置情報や第一搬送情報等の情報を送受信すると共に、これら第一記憶部25と第二指示部28とを動作させて、第一記憶部25と第二指示部28とが正常に動作するか確認する。
【0039】
次に、図11から図15に基づいて、第一状態において、第一指示部27及び第二指示部28をアップデートする場合について説明する。第一指示部27及び第二指示部28のアップデートは、例えば、搬送車制御システム15にアップデート用の端末を接続し、その端末を操作することで開始される。
搬送車制御システム15は、第一状態において第一指示部27及び第二指示部28をアップデートする場合は、次のように、第三アップデート処理、第三アップデート処理後の動作確認処理、第四アップデート処理、第四アップデート処理後の動作確認処理を行う。
【0040】
図11に示すように、第三アップデート処理では、第二指示部28と第一記憶部25及び第一指示部27との通信を切断し、第二指示部28のアップデートを行う。つまり、第三アップデート処理を実行している間は、第二指示部28と第一記憶部25や第一記憶部25との間での情報の送受信は行われない。
そして、図12に示すように、第三アップデート処理が完了した後、第一指示部27から第二指示部28に情報を送信して、第一指示部27と第二指示部28とで指示部情報を共有する。その後、第一記憶部25及び第一指示部27の動作と並行して第二記憶部26及び第二指示部28を動作させてこれら第二記憶部26及び第二指示部28の動作確認処理を行う。第三アップデート処理後の動作確認処理では、第二記憶部26と第二指示部28との間で装置情報や第一搬送情報等の情報を送受信すると共に、これら第二記憶部26と第二指示部28とを動作させて、第二記憶部26と第二指示部28とが正常に動作するか確認する。
【0041】
搬送車制御システム15は、第三アップデート処理後における動作確認処理において、第二記憶部26と第二指示部28との双方に問題が生じなければ、第一状態から第二状態に切り換えた後、第四アップデート処理を行う。
図13に示すように、第四アップデート処理では、第一指示部27と第二記憶部26及び第二指示部28との通信を切断し、第一指示部27のアップデートを行う。つまり、第四アップデート処理を実行している間は、第一指示部27と第二記憶部26や第二指示部28との間での情報の送受信は行われない。
そして、図14に示すように、第四アップデート処理が完了した後、第二指示部28から第一指示部27に情報を送信して、第一指示部27と第二指示部28とで指示部情報を共有し、その後、第一記憶部25及び第二指示部28の動作と並行して第二記憶部26及び第一指示部27の動作確認処理を行い、この動作確認処理が完了した後、図15に示すように、第一状態に復帰する。第四アップデート処理後の動作確認処理では、第二記憶部26と第一指示部27との間で装置情報や第一搬送情報等の情報を送受信すると共に、これら第二記憶部26と第一指示部27とを動作させて、第二記憶部26と第一指示部27とが正常に動作するか確認する。
【0042】
2.その他の実施形態
次に、物品搬送設備のその他の実施形態について説明する。
【0043】
(1)上記実施形態では、第一状態において、第一指示部27が正常に動作しなくなった場合は、搬送車制御システム15は、第一状態から第二状態に切り換えた後、第一指示部27が正常に動作するようになっても第二状態を維持させたが、搬送車制御システム15は、第一状態から第二状態に切り換えた後、第一指示部27が正常に動作するようになるに伴って第一状態を復帰させてもよい。
また、同様に、搬送車制御システム15は、第一状態から第三状態に切り換えた後、第一記憶部25が正常に動作するようになるに伴って第一状態を復帰させてもよい。また、搬送車制御システム15は、第一状態から第四状態に切り換えた後、第一記憶部25及び第一指示部27が正常に動作するようになるに伴って第一状態を復帰させてもよい。
【0044】
(2)上記実施形態では、第一記憶部25及び第二記憶部26をアップデートが完了した後、第一状態に復帰させたが、第一記憶部25及び第二記憶部26のアップデートが完了した後、第一状態に復帰させなくてもよい。また、第一指示部27及び第二指示部28をアップデートが完了した後、第一状態に復帰させたが、第一指示部27及び第二指示部28のアップデートが完了した後、第一状態に復帰させなくてもよい。
【0045】
(3)上記実施形態では、第一アップデート処理後の動作確認処理において、第二記憶部26と第二指示部28との動作確認を行ったが、第一アップデート処理後の動作確認処理において、アップデートした第二記憶部26のみの動作確認を行ってもよい。
また、第二アップデート処理後の動作確認処理において、第一記憶部25と第二指示部28との動作確認を行ったが、第二アップデート処理後の動作確認処理において、アップデートした第一記憶部25のみの動作確認を行ってもよい。
また、第三アップデート処理後の動作確認処理において、第二記憶部26と第二指示部28との動作確認を行ったが、第三アップデート処理後の動作確認処理において、アップデートした第二指示部28のみの動作確認を行ってもよい。
また、第四アップデート処理後の動作確認処理において、第二記憶部26と第一指示部27との動作確認を行ったが、第四アップデート処理後の動作確認処理において、アップデートした第一指示部27のみの動作確認を行ってもよい。
【0046】
(4)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0047】
3.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した物品搬送設備の概要について説明する。
【0048】
物品搬送設備は、物品を搬送する複数の搬送装置を制御する制御システムを備え、
前記制御システムは、管理装置と機械的に分離されると共に、前記管理装置からの第一搬送情報に基づいて複数の前記搬送装置に向けて第二搬送情報を送信する第一サーバー及び第二サーバーを備え、前記第一サーバーは、第一記憶部と第一指示部とを備え、前記第二サーバーは、前記第一サーバーと機械的に分離されると共に、第二記憶部と第二指示部とを備え、前記第一記憶部は、前記管理装置からの前記第一搬送情報を受信して記憶すると共に前記第一搬送情報を前記第一指示部又は前記第二指示部に送信可能に構成され、前記第二記憶部は、前記管理装置からの前記第一搬送情報を受信して記憶すると共に前記第一搬送情報を前記第一指示部又は前記第二指示部に送信可能に構成され、前記第一指示部は、前記第一記憶部又は前記第二記憶部からの前記第一搬送情報と、複数の前記搬送装置の状態を示す装置情報と、に基づいて、複数の前記搬送装置のうちから対象搬送装置を選択して前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信可能に構成され、前記第二指示部は、前記第一搬送情報と前記装置情報とに基づいて、前記対象搬送装置を選択して前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信可能に構成され、前記制御システムの制御状態には、前記第一記憶部が受信した前記第一搬送情報に基づいて、前記第一指示部と前記第二指示部とのうち、前記第一指示部から前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信する第一状態と、前記第一記憶部が受信した前記第一搬送情報に基づいて、前記第一指示部と前記第二指示部とのうち、前記第二指示部から前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信する第二状態と、が含まれ、前記第一記憶部及び前記第一指示部が正常に動作している状態では、前記第一状態となり、前記第一状態において前記第一指示部が正常に動作しなくなった場合で且つ前記第二指示部が正常に動作している場合に、前記第二状態となり、前記第一状態では、前記第一記憶部が、前記第一搬送情報を前記第一指示部に送信すると共に、前記第一指示部が、前記装置情報と前記第一搬送情報とに基づいて前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信し、且つ、前記第二指示部に前記装置情報及び前記第一搬送情報を送信して、前記第一指示部と前記第二指示部とで指示部情報を共有し、前記第二状態では、前記第一記憶部が、前記第一搬送情報を前記第二指示部に送信すると共に、前記第二指示部が、前記指示部情報に基づいて前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信する。
【0049】
この構成によれば、第一状態の搬送システムでは、第一記憶部は、管理装置からの第一搬送情報を第一指示部に送信し、第一指示部は、第一記憶部からの第一搬送情報と複数の搬送装置の状態を示す装置情報とに基づいて、複数の搬送装置のうちから対象搬送装置を選択して対象搬送装置に第二搬送情報を送信することができる。また、この第一状態の搬送システムでは、第二指示部にも装置情報及び第一搬送情報が送信されているため、第一指示部と第二指示部とで、装置情報及び第一搬送情報を含む指示部情報を共有できる。
そして、搬送システムが第一状態で運用している状態において第一指示部に異常が生じた場合には、搬送システムの制御状態を第一状態から第二状態に切り換えることによって、第二指示部が、指示部情報に基づいて対象搬送装置に第二搬送情報を送信する。つまり、上述の如く、第一指示部に異常が生じた場合でも、第二搬送情報を対象搬送装置に送信できるため、搬送装置による物品の搬送の停止を回避できる。
そして、搬送システムは、制御状態が第一状態の場合と第二状態の場合との双方で管理装置からの第一搬送情報を受信できるため、搬送システムに送信すべき第一搬送情報が管理装置に蓄積することによる管理装置の負荷の増大を回避できる。
【0050】
ちなみに、制御システムの制御状態が第一状態から第二状態に切り換えられた当初は、第二状態になったから第二指示部が新たに第一搬送情報や装置情報を受信していない場合があり、このような場合は、第二指示部は、第一状態において共有していた指示部情報に基づいて対象物品搬送車を選択して当該対象物品搬送車に第二搬送情報を送信できる。
そして、制御システムの制御状態が、第一状態から第二状態に切り換えられた後、対象物品搬送車を選択して当該対象物品搬送車に第二搬送情報を送信することが可能となる分の第一搬送情報と装置情報を第二指示部が受信している場合は、第二指示部は、第一状態の第一指示部と同様に、第二状態に切り換わってから受信した第一搬送情報と装置情報とに基づいて対象物品搬送車を選択して当該対象物品搬送車に第二搬送情報を送信できる。
【0051】
ここで、前記制御システムの制御状態には、更に、前記第二記憶部が受信した前記第一搬送情報に基づいて、前記第一指示部と前記第二指示部とのうち、前記第一指示部から前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信する第三状態が含まれ、前記第一状態において前記第一記憶部が正常に動作しなくなった場合で且つ前記第二記憶部が正常に動作している場合に、前記第三状態となり、前記第一状態では、前記第一搬送情報を前記第二記憶部に送信して、前記第一記憶部と前記第二記憶部とで記憶部情報を共有し、前記第三状態では、前記第二記憶部が、前記記憶部情報に基づいて前記第一搬送情報を前記第一指示部に送信すると共に、前記第一指示部が、前記装置情報と前記第一搬送情報とに基づいて前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信すると好適である。
【0052】
この構成によれば、第一状態の搬送システムでは、第二記憶部にも第一搬送情報が送信されているため、第一記憶部と第二記憶部とで、第一搬送情報を含む記憶部情報を共有できる。
そして、搬送システムが第一状態で運用している状態において第一記憶部に異常が生じた場合には、搬送システムの制御状態を第一状態から第三状態に切り換えることによって、第一記憶部が、記憶部情報に基づいて第一搬送情報を第一指示部に送信でき、第一指示部は、装置情報と第一搬送情報とに基づいて対象搬送装置に第二搬送情報を送信できる。つまり、上述の如く、第一記憶部に異常が生じた場合でも、第一搬送情報を第一指示部に送信できるため、搬送装置による物品の搬送の停止を回避できる。
そして、搬送システムは、制御状態が第三状態の場合でも管理装置からの第一搬送情報を受信することができるため、搬送システムに送信すべき第一搬送情報が管理装置に蓄積することによる管理装置の負荷の増大を回避できる。
【0053】
また、前記制御システムは、前記第一状態において第一アップデート処理を行い、前記第一アップデート処理は、前記第二記憶部の前記管理装置及び前記第一記憶部との通信を切断し、前記第二記憶部のアップデートを行い、前記第一アップデート処理が完了した後、前記第一記憶部から前記第二記憶部に情報を送信して、前記第一記憶部と前記第二記憶部とで前記記憶部情報を共有し、その後、前記第一記憶部及び前記第一指示部の動作と並行して前記第二記憶部及び前記第二指示部を動作させてこれら前記第二記憶部及び前記第二指示部の動作確認処理を行うと好適である。
【0054】
この構成によれば、第一状態において第一アップデート処理を行うことで、第二記憶部と管理装置及び第一記憶部との通信を切断し、第二記憶部のアップデートを行う。このように第一アップデート処理行うことによって、第一搬送情報を受信する第一記憶部や第二搬送情報を送信する第一指示部に影響を与えることなく、第二記憶部のアップデートを行うことができる。
また、第一アップデート処理が完了した後に、第一記憶部と第二記憶部とで記憶部情報を共有し、その後、第一記憶部及び第一指示部の動作と並行して第二記憶部及び第二指示部を動作させてこれら第二記憶部及び第二指示部の動作確認処理を行うことで、第一搬送情報を受信する第一記憶部や第二搬送情報を送信する第一指示部に影響を与えることなく、第二記憶部の動作確認、及び、第二記憶部と第二指示部との間で通信を行ったときの動作確認を行うことができる。
【0055】
また、前記制御システムは、前記第一アップデート処理後における動作確認処理において問題が生じなければ、前記第一状態から前記第三状態に切り換えた後、第二アップデート処理を行い、第二アップデート処理は、前記第一記憶部と前記管理装置及び前記第二記憶部との通信を切断し、前記第一記憶部のアップデートを行い、前記第二アップデート処理が完了した後、前記第二記憶部から前記第一記憶部に情報を送信して、前記第一記憶部と前記第二記憶部とで前記記憶部情報を共有し、その後、前記第二記憶部及び前記第一指示部の動作と並行して前記第一記憶部及び前記第二指示部の動作確認処理を行い、この動作確認処理が完了した後、前記第一状態に復帰すると好適である。
【0056】
この構成によれば、第三状態において第二アップデート処理を行うことで、第一記憶部と管理装置及び第二記憶部との通信を切断し、第一記憶部のアップデートを行う。このように第二アップデート処理行うことによって、第一搬送情報を受信する第二記憶部や第二搬送情報を送信する第一指示部に影響を与えることなく、第一記憶部のアップデートを行うことができる。
また、第二アップデート処理が完了した後に、第一記憶部と第二記憶部とで記憶部情報を共有し、その後、第二記憶部及び第一指示部の動作と並行して第一記憶部及び第二指示部を動作させてこれら第二記憶部及び第二指示部の動作確認処理を行うことで、第一搬送情報を受信する第一記憶部や第二搬送情報を送信する第一指示部に影響を与えることなく、第一記憶部の動作確認、及び、第一記憶部と第二指示部との間で通信を行ったときの動作確認を行うことができる。
【0057】
また、前記制御システムの制御状態には、前記第一状態、前記第二状態及び前記第三状態に加えて、前記第二記憶部が受信した搬送情報に基づいて、前記第一指示部と前記第二指示部とのうち、前記第二指示部から前記対象搬送装置に前記搬送情報を送信する第四状態が含まれ、前記第一記憶部、前記第一指示部、前記第二記憶部、及び前記第二指示部が正常に動作している状態では、前記第一状態となり、前記第一状態において前記第一記憶部及び前記第一指示部の双方が正常に動作しなくなった場合には、前記第四状態となり、前記第四状態は、前記第二記憶部が、前記記憶部情報に基づいて、前記第一搬送情報を前記第二指示部に送信すると共に、前記第二指示部が、前記指示部情報に基づいて前記対象搬送装置に前記第二搬送情報を送信すると好適である。
【0058】
この構成によれば、搬送システムが第一状態で運用している状態において第一記憶部と第一指示部との双方に異常が生じた場合には、搬送システムの制御状態を第一状態から第四状態に切り換えることによって、第二記憶部が、記憶部情報に基づいて第一搬送情報を第一指示部に送信でき、第二指示部は、装置情報と第一搬送情報とに基づいて対象搬送装置に第二搬送情報を送信できる。つまり、上述の如く、第一記憶部と第一指示部との双方に異常が生じた場合でも、第一搬送情報を対象搬送装置に送信できるため、搬送装置による物品の搬送の停止を回避できる。
そして、搬送システムは、制御状態が第四状態の場合でも管理装置からの第一搬送情報を受信することができるため、搬送システムに送信すべき第一搬送情報が管理装置に蓄積することによる管理装置の負荷の増大を回避できる。
【0059】
また、複数の前記搬送装置が、天井近くに設置された走行レールに沿って走行して物品を搬送する天井搬送車であって、
前記第一搬送情報及び前記第二搬送情報が、前記天井搬送車によって物品を搬送する搬送元と搬送先とを示す情報であると好適である。
【0060】
この構成によれば、第一指示部に異常が生じた場合でも、搬送元と搬送先とを示す第二搬送情報を天井搬送車に送信できるため、天井搬送車は第二搬送情報に基づいて物品を搬送元から搬送先に搬送することができ、天井搬送車による物品の搬送の停止を回避できる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本開示に係る技術は、物品を搬送する複数の搬送装置を制御する制御システムを備えた物品搬送設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0062】
3:物品搬送車(搬送装置、天井搬送車)
14:下位管理装置(管理装置)
15:搬送車制御システム(制御システム)
23:第一サーバー
24:第二サーバー
25:第一記憶部
26:第二記憶部
27:第一指示部
28:第二指示部
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