特許第6652086号(P6652086)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6652086
(24)【登録日】2020年1月27日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】仕分け設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20200210BHJP
【FI】
   B65G1/137 A
   B65G1/137 E
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-22670(P2017-22670)
(22)【出願日】2017年2月10日
(65)【公開番号】特開2018-127344(P2018-127344A)
(43)【公開日】2018年8月16日
【審査請求日】2019年2月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩井 正美
(72)【発明者】
【氏名】楠部 浩幸
【審査官】 土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−233810(JP,A)
【文献】 特開平05−043004(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0036675(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の仕分け作業を行う複数の仕分けエリアと、物品を収容する容器を前記複数の仕分けエリア間で搬送する容器搬送装置と、を備える仕分け設備であって、
前記仕分けエリアは、
前記物品の仕分け作業を行う仕分けゾーンと、
前記仕分けゾーンと独立して設けられ、前記仕分けゾーンでの物品の仕分け作業終了後に、前記物品の仕分け作業を行う仕分け待ちゾーンと、
を少なくとも備え、
前記容器搬送装置は、仕分け先の物品要求情報に応じて前記仕分けゾーンに搬送すべき容器が、前記仕分けゾーンを備える仕分けエリア以外の他の仕分けエリアに先行して搬送される場合には、前記仕分け待ちゾーンに搬送すべき容器を、前記仕分けゾーンに搬送すべき容器より先行して前記仕分け待ちゾーンに搬送すること
を特徴とする仕分け設備。
【請求項2】
前記容器搬送装置は、前記仕分け待ちゾーンでの前記物品の仕分け作業中に、前記他の仕分けエリアに搬送されていた容器が前記仕分けゾーンに搬送可能である場合には、前記他の仕分けエリアに搬送されていた容器を、前記仕分け待ちゾーンに搬送すべき容器より先行して前記仕分けゾーンに搬送すること
を特徴とする請求項1に記載の仕分け設備。
【請求項3】
前記容器搬送装置は、
前記仕分けゾーンにおいて前記物品の仕分け作業を行う場合には、前記容器を前記仕分けゾーンに停止させ、
前記仕分け待ちゾーンにおいて前記物品の仕分け作業を行う場合には、前記容器を前記仕分け待ちゾーンに停止させること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の仕分け設備。
【請求項4】
前記容器搬送装置は、仕分け先の物品要求情報に応じて前記仕分けゾーンに搬送した容器が前記仕分け待ちゾーンにも搬送すべき容器である場合には、前記容器を前記仕分けゾーンに搬送した後、続けて前記仕分け待ちゾーンに搬送すること
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項5】
物品が収容される複数の容器を収納する容器収納手段を備え、
前記容器搬送装置は、前記容器収納手段から出庫される前記容器を前記仕分けエリアに搬送すること
を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項6】
前記仕分けエリアは、
容器搬送装置により搬送される容器に収容される物品を仕分ける前記仕分けゾーンと、
前記仕分けゾーンと独立して設けられ、前記仕分けゾーンでの物品の仕分け作業終了後に、容器搬送装置により搬送される容器に収容される物品を仕分ける前記仕分け待ちゾーンと、
前記仕分けゾーン及び前記仕分け待ちゾーンと独立して設けられ、前記仕分けゾーンでの物品の仕分け作業終了後に、前記仕分けゾーンで仕分けされた物品を、容器搬送装置により搬送される容器とは異なる容器に仕分ける再仕分けゾーンと、
を少なくとも備えること
を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項7】
前記仕分けゾーン、前記仕分け待ちゾーン及び前記再仕分けゾーンには、前記容器搬送装置により搬送される容器に収容される物品を収納する物品収納棚が設けられ、
前記物品収納棚は、
その一方側に設けられ、前記仕分けゾーン及び前記仕分け待ちゾーンにおいて、前記物品を投入するための投入間口と、
その他方側に設けられ、前記再仕分けゾーンにおいて、内部に収納されている物品を取り出すための取出間口と、
を備えること、
を特徴とする請求項6に記載の仕分け設備。
【請求項8】
前記仕分けゾーンは、前記仕分けゾーンでの物品の仕分け終了後に、前記再仕分けゾーンに変更可能に構成され、
前記仕分け待ちゾーンは、前記仕分けゾーンでの物品の仕分け終了後に、前記仕分けゾーンに変更可能に構成され、
前記再仕分けゾーンは、前記再仕分けゾーンでの物品の仕分け終了後に、前記仕分け待ちゾーンに変更可能に構成されること
を特徴とする請求項6及び請求項7に記載の仕分け設備。
【請求項9】
物品の仕分け作業を行う仕分けエリアを備える仕分け設備であって、
前記仕分けエリアは、
前記物品の仕分け作業を行う仕分けゾーンと、
前記仕分けゾーンと独立して設けられ、前記仕分けゾーンでの物品の仕分け作業終了後に、前記物品の仕分け作業を行う仕分け待ちゾーンと、
を少なくとも備え、
前記仕分けゾーンは、前記物品の仕分け作業の状況に応じて、前記仕分け待ちゾーンに変更可能に構成され、
前記仕分け待ちゾーンは、前記物品の仕分け作業の状況に応じて、前記仕分けゾーンに変更可能に構成されること
を特徴とする仕分け設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の仕分け作業を行う複数の仕分けエリアと、物品を収容する容器を複数の仕分けエリア間で搬送する容器搬送装置と、を備える仕分け設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の仕分け作業を行う複数の仕分けエリア間において、物品を収容した容器を搬送することによって物品の仕分けを行う仕分け設備においては、物品を収容した容器、或いは物品を仕分けるため容器が複数の仕分けエリアに向けて搬送され、搬送先のそれぞれの仕分けエリアにおいて、容器内の物品が各仕分けエリアの仕分け棚等に仕分けられ、或いは各仕分けエリアの仕分け棚等の物品が容器内に仕分けられる。
【0003】
例えば、特許文献1においては、パレットに積載された物品をパレット単位で入出庫可能な自動倉庫と、複数のパレットを搭載可能な貯留コンベアを配置して成り且つ出庫したパレット上の物品をピッキングして仕分け作業を行う複数の仕分けゾーンと、自動倉庫と仕分けゾーンの間の循環経路を移動し且つこれらの間でパレットを受渡しする搬送台車と、を備え、仕分け作業開始の際には、該当するパレットを自動倉庫から出庫して搬送台車に載せ換えて、当該搬送台車を所定の仕分けゾーンへ移動させ、仕分け作業終了の際には、余剰の物品が積載されたパレットを仕分けゾーンから搬送台車に乗せ換えて、当該搬送台車を自動倉庫へ移動させる様に構成される仕分け設備が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−126668号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の仕分け設備では、仕分け対象である1つの容器を複数の仕分けエリアに搬送して物品の仕分け作業を行う場合、仕分け対象の物品は、当該容器が搬送されている仕分けエリアにおいて物品の仕分け作業が終了するまで、仕分け対象の物品の仕分けを行うべき他の仕分けエリアには搬送されず、その間は、仕分け対象の物品について仕分け作業を行うことができない。そのため、物品の仕分けの効率が悪いという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、仕分け対象である1つの容器を複数の仕分けエリアに搬送して物品の仕分け作業を行う場合であっても、物品の仕分け作業を効率良く行うことが可能な仕分け設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上であり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、本発明は、物品の仕分け作業を行う複数の仕分けエリアと、物品を収容する容器を前記複数の仕分けエリア間で搬送する容器搬送装置と、を備える仕分け設備であって、前記仕分けエリアは、前記物品の仕分け作業を行う仕分けゾーンと、前記仕分けゾーンと独立して設けられ、前記仕分けゾーンでの物品の仕分け作業終了後に、前記物品の仕分け作業を行う仕分け待ちゾーンと、を少なくとも備え、前記容器搬送装置は、仕分け先の物品要求情報に応じて前記仕分けゾーンに搬送すべき容器が、前記仕分けゾーンを備える仕分けエリア以外の他の仕分けエリアに先行して搬送される場合には、前記仕分け待ちゾーンに搬送すべき容器を、前記仕分けゾーンに搬送すべき容器より先行して前記仕分け待ちゾーンに搬送するものである。
上記構成では、仕分けゾーンに搬送すべき容器が、仕分けゾーンを備える仕分けエリア以外の他の仕分けエリアに先行して搬送される場合には、仕分け待ちゾーンに搬送すべき容器が、仕分けゾーンに搬送すべき容器より先行して仕分け待ちゾーンに搬送される。
【0009】
本発明は、上記の仕分け設備において、前記容器搬送装置は、前記仕分け待ちゾーンでの前記物品の仕分け作業中に、前記他の仕分けエリアに搬送されていた容器が前記仕分けゾーンに搬送可能である場合には、前記他の仕分けエリアに搬送されていた容器を、前記仕分け待ちゾーンに搬送すべき容器より先行して前記仕分けゾーンに搬送するものである。
上記構成では、仕分け待ちゾーンでの物品の仕分け作業中に、他の仕分けエリアに搬送されていた容器が仕分けゾーンに搬送可能である場合には、他の仕分けエリアに搬送されていた容器が、仕分け待ちゾーンに搬送すべき容器より先行して仕分けゾーンに搬送される。
【0010】
本発明は、上記の仕分け設備において、前記容器搬送装置は、前記仕分けゾーンにおいて前記物品の仕分け作業を行う場合には、前記容器を前記仕分けゾーンに停止させ、前記仕分け待ちゾーンにおいて前記物品の仕分け作業を行う場合には、前記容器を前記仕分け待ちゾーンに停止させるものである。
上記構成では、仕分けゾーンにおいて物品の仕分け作業を行う場合には、容器が仕分けゾーンに停止し、仕分け待ちゾーンにおいて物品の仕分け作業を行う場合には、容器が仕分け待ちゾーンに停止する。
【0011】
本発明は、上記の仕分け設備において、前記容器搬送装置は、仕分け先の物品要求情報に応じて前記仕分けゾーンに搬送した容器が前記仕分け待ちゾーンにも搬送すべき容器である場合には、前記容器を前記仕分けゾーンに搬送した後、続けて前記仕分け待ちゾーンに搬送するものである。
上記構成では、仕分け先の物品要求情報に応じて仕分けゾーンに搬送された容器が、仕分け待ちゾーンにも搬送すべき容器である場合には、第1の仕分けゾーンに搬送された後、続けて第2の仕分けゾーンに搬送される。
【0012】
本発明は、上記の仕分け設備において、物品が収容される複数の容器を収納する容器収納手段を備え、前記容器搬送装置は、前記容器収納手段から出庫される前記容器を前記仕分けエリアに搬送するものである。
【0013】
本発明は、上記の仕分け設備において、前記仕分けエリアは、容器搬送装置により搬送される容器に収容される物品を仕分ける前記仕分けゾーンと、前記仕分けゾーンと独立して設けられ、前記仕分けゾーンでの物品の仕分け作業終了後に、容器搬送装置により搬送される容器に収容される物品を仕分ける前記仕分け待ちゾーンと、前記仕分けゾーン及び前記仕分け待ちゾーンと独立して設けられ、前記仕分けゾーンでの物品の仕分け作業終了後に、前記仕分けゾーンで仕分けされた物品を、容器搬送装置により搬送される容器とは異なる容器に仕分ける再仕分けゾーンと、を少なくとも備えるものである。
上記構成では、仕分けエリアには、物品の仕分け作業の内容に応じた区画が形成されている。
【0014】
本発明は、上記の仕分け設備において、前記仕分けゾーン、前記仕分け待ちゾーン及び前記再仕分けゾーンには、前記容器搬送装置により搬送される容器に収容される物品を収納する物品収納棚が設けられ、前記物品収納棚は、その一方側に設けられ、前記仕分けゾーン及び前記仕分け待ちゾーンにおいて、前記物品を投入するための投入間口と、その他方側に設けられ、前記再仕分けゾーンにおいて、内部に収納されている物品を取り出すための取出間口と、を備えるものである。
上記構成では、物品収納棚の一方側と他方側とで、物品の仕分け作業の内容が異なる。
【0015】
本発明は、上記の仕分け設備において、前記仕分けゾーンは、前記仕分けゾーンでの物品の仕分け終了後に、前記再仕分けゾーンに変更可能に構成され、前記仕分け待ちゾーンは、前記仕分けゾーンでの物品の仕分け終了後に、前記仕分けゾーンに変更可能に構成され、前記再仕分けゾーンは、前記再仕分けゾーンでの物品の仕分け終了後に、前記仕分け待ちゾーンに変更可能に構成されるものである。
上記構成では、物品の仕分け作業の状況に応じて、各ゾーン(仕分けゾーン、仕分け待ちゾーン、再仕分けゾーン)での作業内容が変更される。
【0016】
本発明は、物品の仕分け作業を行う仕分けエリアを備える仕分け設備であって、前記仕分けエリアは、前記物品の仕分け作業を行う仕分けゾーンと、前記仕分けゾーンと独立して設けられ、前記仕分けゾーンでの物品の仕分け作業終了後に、前記物品の仕分け作業を行う仕分け待ちゾーンと、を少なくとも備え、前記仕分けゾーンは、前記物品の仕分け作業の状況に応じて、前記仕分け待ちゾーンに変更可能に構成され、前記仕分け待ちゾーンは、前記物品の仕分け作業の状況に応じて、前記仕分けゾーンに変更可能に構成されるものである。
上記構成では、物品の仕分け作業の状況に応じて、各ゾーン(仕分けゾーン、仕分け待ちゾーン)での作業内容が変更される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の仕分け設備によれば、仕分けゾーンへの容器の搬送が停滞している場合に、仕分けゾーンでの仕分け作業の完了を待つことなく、先行して仕分け待ちゾーンの仕分け作業を行うことができるため、仕分け対象である1つの容器を複数の仕分けエリアに搬送して物品の仕分け作業を行う場合であっても、各仕分けゾーンにおける物品の仕分け作業を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る仕分け設備の平面図である。
図2】本発明に係る仕分け設備に設けられる第1仕分けエリアの側面図である。
図3】本発明に係る仕分け設備に設けられる第1仕分けエリアの正面斜視図である。
図4】本発明に係る仕分け設備に設けられる第2仕分けエリアの正面斜視図である。
図5】本発明に係る仕分け設備内を搬送する容器の搬送制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[仕分け設備10]
本発明に係る仕分け設備10について説明する。
仕分け設備10は、店舗(「仕分け先」の一例)からの注文(「物品要求情報」の一例)に応じて物品を仕分け、その仕分けた物品を店舗に納入するための設備である。図1に示すように、仕分け設備10においては、設備内に入荷された物品が容器84に収容されて自動倉庫20(「容器収納手段」の一例)に保管される。物品を収容した容器84は、店舗からの注文に応じて、自動倉庫20から対象の第1及び第2仕分エリア40、60(「仕分けエリア」の一例)まで搬送される。作業者H(図2)は、搬送された容器84に関して物品の仕分け作業を行う。
仕分け設備10は、物品が収容された容器84を収納する自動倉庫20と、物品の仕分け作業を行う第1及び第2仕分けエリア40、60と、自動倉庫20と、第1及び第2仕分エリア40、60との間で容器84を搬送する搬送コンベヤ30(「容器搬送装置」の一例)と、を備える。
【0020】
[自動倉庫20]
図1に示すように、仕分け設備10においては、複数の自動倉庫20が並列に配置されている。各自動倉庫20には、物品が収容された複数の容器84を収納する収納棚21と、収納棚21間に形成される作業通路を自動走行するスタッカークレーン22と、が設けられている。また、自動倉庫20には、入庫コンベヤ23と、出庫コンベヤ24と、が上下2段に配置されている。
入庫コンベヤ23は、自動倉庫20内に容器84を入庫させるためのコンベヤである。入庫コンベヤ23は、入荷場80から設備内に入荷された物品を自動倉庫20に搬送する入荷コンベヤ81と、後述する戻りコンベヤ32(搬送コンベヤ30)と、に接続され、入荷コンベヤ81及び戻りコンベヤ32から搬送される容器84を自動倉庫20内に搬送する。また、入庫コンベヤ23は、空の容器84を入荷場80に払い出す払い出しコンベヤ82と接続され、戻りコンベヤ32から搬送される空の容器84(物品の仕分け作業が終了した容器84)を払い出しコンベヤ82に払い出す。
出庫コンベヤ24は、自動倉庫20内の容器84を出庫させるためのコンベヤである。出庫コンベヤ24は、後述する送りコンベヤ31(搬送コンベヤ30)に接続され、自動倉庫20から出庫した容器84を送りコンベヤ31に搬送する。
【0021】
[搬送コンベヤ30]
図1に示すように、搬送コンベヤ30は、送りコンベヤ31と、戻りコンベヤ32と、迂回コンベヤ33と、により構成される。
送りコンベヤ31は、自動倉庫20から出庫された容器84を第1及び第2仕分けエリア40、60に搬送するコンベアであり、戻りコンベヤ32の下方に配置される。すなわち、搬送コンベヤ30は、送りコンベヤ31と、戻りコンベヤ32と、が上下二段に配置されて構成される。送りコンベヤ31は、その上流側始端が出庫コンベヤ24に接続され、その下流側端部が第1及び第2仕分けエリア40、60に配置される。送りコンベヤ31は、その下流側が複数に分岐され、分岐された下流側端部のそれぞれに対応して第1及び第2仕分けエリア40、60が設けられている。
戻りコンベヤ32は、第1及び第2仕分けエリア40、60において仕分け作業が終了した容器84を自動倉庫20に搬送するコンベヤであり、送りコンベヤ31の上方に配置される。戻りコンベヤ32は、その上流側端部が第1及び第2仕分けエリア40、60に配置され、その下流側終端が入庫コンベヤ23に接続される。戻りコンベヤ32は、その上流側が複数に分岐され、分岐された上流側端部のそれぞれに対応して第1及び第2仕分けエリア40、60が設けられている。また、戻りコンベヤ32は、その上流側始端が送りコンベヤ31の下流側終端に接続され、送りコンベヤ31から搬送される容器84を引き継いで搬送する。これにより、容器84が、自動倉庫20と、第1及び第2仕分けエリア40、60と、の間を循環して搬送される。
迂回コンベヤ33は、戻りコンベヤ32に搬送されている容器84を送りコンベヤに搬送するコンベヤである。迂回コンベヤ33は、その上流側端部が戻りコンベヤ32に接続され、その下流側端部が送りコンベヤ31に接続される。これにより、容器84が、自動倉庫20に戻ることなく、送りコンベヤ31と、戻りコンベヤ32との間(第1及び第2仕分けエリア40、60)を循環して搬送される。
【0022】
[第1及び第2仕分けエリア40、60]
図1に示すように、仕分け設備10においては、複数の第1及び第2仕分けエリア40、60が並列に設けられ、送りコンベヤ31の下流側端部(戻りコンベヤ32の上流側端部)のそれぞれに対応して設けられる。
[第1仕分けエリア40、物品収納棚41]
第1仕分けエリア40は、送りコンベヤ31により搬送される容器84に収容される物品を物品収納棚41に仕分けし、物品収納棚41に仕分けした物品を、店舗に出荷するための出荷容器83に再度仕分けするエリアである。
図2及び図3に示すように、第1仕分けエリア40に設けられる物品収納棚41は、容器84に収容される物品を仕分けて収納するための棚である。物品収納棚41は、その内部に物品を収納するための収納部42が、上下方向に複数段且つ棚横幅方向に複数列配置されている。物品収納棚41は、その一方側(表側)に、送りコンベヤ31により搬送される容器84に収容される物品を投入するための投入間口43を備え、その他方側(裏側)に、物品収納棚41の収納部42に収納されている物品を取り出すための取出間口44を備える。また、物品収納棚41は、その間口(投入間口43及び取出間口44)毎に、間口表示器45を備える。間口表示器45は、送りコンベヤ31により搬送された容器84、或いは後述する出荷容器搬送コンベヤ85により搬送された出荷容器83に関して、物品の仕分け作業を行うべき間口(投入間口43及び取出間口44)を点灯により表示する表示ランプと、仕分け作業を行うべき物品の数量を表示するデジタル表示器と、から構成される。
また、図2に示すように、第1仕分けエリア40は、物品収納棚41を中心とした一方側(物品収納棚41の表側、図2における右側)に投入エリア46が設けられ、他方側(物品収納棚41の裏側、図2における左側)に取出エリア47が設けられる。
投入エリア46は、送りコンベヤ31により搬送される容器84に収容される物品を物品収納棚41の所定の投入間口43に投入するエリアである。投入エリア46は、戻りコンベヤ32の上流側端部に沿って設けられる。つまり、投入エリア46は、容器84内の物品を物品収納棚41に仕分けるためのエリアである。投入エリア46においては、作業者Hが、戻りコンベヤ32により搬送される容器84に収容される物品を、間口表示器45の表示ランプが点灯する投入間口43に随時投入することにより、物品の仕分け作業を行う。
取出エリア47は、物品収納棚41の所定の取出間口44から物品を取り出して出荷容器83に仕分けるエリアである。取出エリア47は、出荷容器83を搬送する出荷容器搬送コンベヤ85の下流側端部に沿って設けられる。ここで、出荷容器搬送コンベヤ85は、その上流側端部に設けられる出荷容器投入エリア91から投入される出荷容器83を、第1仕分けエリア40に搬送するコンベヤである。取出エリア47においては、作業者Hが、間口表示器45の表示ランプが点灯する取出間口44から物品を取り出し、取り出した物品を出荷容器搬送コンベヤ85により搬送される出荷容器83に投入することにより、物品の再仕分け作業を行う。物品が投入された出荷容器83は、ドーリー86上に積み重ねられて、出荷先の店舗に出荷される。
【0023】
[仕分けゾーン51、仕分け待ちゾーン52、再仕分けゾーン53]
図3に示すように、第1仕分けエリア40は、その長手方向に、仕分けゾーン51と、仕分け待ちゾーン52と、再仕分けゾーン53と、を備える。
仕分けゾーン51は、送りコンベヤ31により搬送される容器84に収容される物品を物品収納棚41に仕分けるための区画である。
仕分け待ちゾーン52は、仕分けゾーン51と独立して設けられ、仕分けゾーン51における物品の仕分け作業終了後に、送りコンベヤ31により搬送される容器84に収容される物品を物品収納棚41に仕分けるための区画である。すなわち、仕分け待ちゾーン52は、仕分けゾーン51における物品の仕分け作業に引き続いて物品収納棚41への物品の仕分け作業を行うための区画である。
再仕分けゾーン53は、仕分けゾーン51及び仕分け待ちゾーン52と独立して設けられ、物品収納棚41に収納されている物品を出荷容器83に仕分けるための区画である。すなわち、再仕分けゾーン53は、仕分けゾーン51における物品の仕分け作業終了後に、仕分けゾーン51の物品収納棚41に仕分けた物品を、その物品収納棚41の他方側(裏側)から出荷容器83に仕分けるための区画である。
仕分けゾーン51、仕分け待ちゾーン52、及び再仕分けゾーン53は、自動倉庫20における容器84の収納能力、物品の仕分け作業を行う作業者Hの処理能力等に応じて、その区画の大きさ(広さ、幅等)が決定される。
仕分けゾーン51、仕分け待ちゾーン52、及び再仕分けゾーン53のそれぞれには、物品収納棚41が設けられている。すなわち、3台の物品収納棚41が、戻りコンベヤ32の上流端部に沿って配置される。
【0024】
また、第1仕分けエリア40の各ゾーン(仕分けゾーン51、仕分け待ちゾーン52、再仕分けゾーン53)は、各ゾーンにおける物品の仕分け作業の進捗状況に応じて、そのゾーンで行われる物品の仕分け作業の内容が切り替わる。具体的には、図3に示すように、第1仕分けエリア40の一端側(図3の左側)から他端側(図3の右側)に向けて、仕分けゾーン51、仕分け待ちゾーン52、再仕分けゾーン53の順で各ゾーンが設定されている場合、一端側の仕分けゾーン51における物品の仕分け作業が終了すると、その一端側の仕分けゾーン51は、再仕分けゾーン53に切り替わり、物品収納棚41の裏側で、物品収納棚41から出荷容器83への物品の仕分け作業が行われる。それと同時に、中央の仕分け待ちゾーン52は、仕分けゾーン51に切り替わり、物品収納棚41の表側で、容器84から物品収納棚41への物品の仕分け作業が行われる。一方、他端側の再仕分けゾーン53は、物品収納棚41から出荷容器83への物品の仕分け作業が終了すると、仕分け待ちゾーン52に切り替わり、切り替わった中央の仕分けゾーン51における物品の仕分け作業が終了するまで、物品の仕分け作業が待ち状態となる。
このように、第1仕分けエリア40の各ゾーンは、物品の仕分け作業の進捗状況に応じて、仕分けゾーン51、再仕分けゾーン53、仕分け待ちゾーン52の順で、物品の仕分け作業の内容が切り替わる。すなわち、物品の仕分け作業の進捗状況に応じて、仕分け作業を行う物品収納棚41の位置が切り替わり、それと合わせて各ゾーン(仕分けゾーン51、再仕分けゾーン53、仕分け待ちゾーン52)が切り替わる。
【0025】
[第2仕分けエリア60]
第2仕分けエリア60は、送りコンベヤ31により搬送される容器84に収容される物品を、ドーリー86上に積み重ねられたオリコン87に仕分けするエリアである。第2仕分けエリア60は、第1仕分けエリア40とは異なり、容器84に収容された物品をオリコン87に投入する投入エリア61のみから構成される。
図4に示すように、第2仕分けエリア60に設けられるオリコン87は、その一側面に、容器84に収容された物品を投入するための投入口88が開閉可能に設けられている。また、オリコン87は、投入口88を前面として、ドーリー86上に積み重ねられる。さらに、ドーリー86に積み重ねられたオリコン87の前側(投入口88側)には、表示器付フレーム62が配置される。
表示器付フレーム62は、床に垂直に設置された2本の支柱部63の間であって、ドーリー86に積み重ねられた各オリコン87の底部の位置と略同位置の高さで水平に配置される表示器レール64と、2本の支柱部63に取り付けられて、ドーリー86に積み重ねられたオリコン87を案内する案内脚部65と、表示器レール64に配置されてオリコン87の各投入口88に対応させた間口表示器66と、を有する。 間口表示器66は、物品を投入すべき投入口88であることを点灯により表示する表示ランプと、投入口88に投入すべき物品の数量を表示するデジタル表示器と、から構成される。
また、第2仕分けエリア60は、ドーリー86に積み重ねられたオリコン87の前側(投入口88側)に投入エリア61が設けられる。投入エリア61は、送りコンベヤ31により搬送される容器84に収容される物品を、ドーリー86に積み重ねられたオリコン87の所定の投入口88に投入するエリアである。投入エリア46は、戻りコンベヤ32の上流側端部に沿って設けられる。投入エリア61においては、作業者Hが、戻りコンベヤ32により搬送される容器84に収容される物品を、間口表示器66の表示ランプが点灯する投入口88に随時投入することにより、物品の仕分け作業を行う。物品が投入されたオリコン87は、ドーリー86に積み重ねられた状態で出荷先の店舗に出荷される。
【0026】
[仕分けゾーン67、仕分け待ちゾーン68]
図4に示すように、第2仕分けエリア60は、その長手方向に、仕分けゾーン67と、仕分け待ちゾーン68と、を備える。
仕分けゾーン67は、送りコンベヤ31により搬送される容器84に収容される物品をオリコン87に仕分けるための区画である。
仕分け待ちゾーン68は、仕分けゾーン67における物品の仕分け作業終了後に、送りコンベヤ31により搬送される容器84に収容される物品をオリコン87に仕分けるための区画である。すなわち、仕分け待ちゾーン68は、仕分けゾーン67における物品の仕分け作業に引き続いて、オリコン87への物品の仕分け作業を行うための区画である。
仕分けゾーン67及び仕分け待ちゾーン68のそれぞれには、ドーリー86上に積み重ねられたオリコン87と、そのオリコン87を案内する表示器付フレーム62と、が設けられている。すなわち、ドーリー86上に積み重ねられたオリコン87が2組、戻りコンベヤ32の上流端部に沿って配置される。
【0027】
また、第2仕分けエリア60の各ゾーン(仕分けゾーン67、仕分け待ちゾーン68)は、各ゾーンにおける物品の仕分け作業の進捗状況に応じて、そのゾーンで行われる物品の仕分け作業の内容が切り替わる。具体的には、図4に示すように、第2仕分けエリア60の一端側(図4の左側)から他端側(図4の右側)に向けて、仕分けゾーン67、仕分け待ちゾーン68の順で各ゾーンが設定されている場合、一端側の仕分けゾーン67における物品の仕分け作業が終了すると、仕分けゾーン67に配置されているオリコン87を仕分けゾーン67から出荷場90(図1)に移動させ、ドーリー86上に積み重ねられた空のオリコン87と入れ替えることで、仕分け待ちゾーン68に切り替えられる。それと同時に、他端側の仕分け待ちゾーン68が、仕分けゾーン67に切り替わり、容器84からオリコン87への物品の仕分け作業が行われる。
このように、第2仕分けエリア60の各ゾーンは、物品の仕分け作業の進捗状況に応じて、仕分けゾーン67、仕分け待ちゾーン68の順で、物品の仕分け作業の内容が切り替わる。すなわち、物品の仕分け作業の進捗状況に応じて、仕分け作業を行うオリコン87(表示器付フレーム62)の位置が切り替わり、それと合わせて各ゾーン(仕分けゾーン67、仕分け待ちゾーン68)が切り替わる。
【0028】
[容器84の搬送]
次に、仕分け設備10内を搬送する容器84の搬送制御について説明する。
図1に示すように、入荷場80に入荷された物品は、容器84に詰められて入荷コンベヤ81及び入庫コンベヤ23を介して自動倉庫20まで搬送される。自動倉庫20に収納される容器84は、店舗からの注文に応じて、対象となる第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60まで、出庫コンベヤ24及び送りコンベヤ31を介して搬送される。第1仕分けエリア40まで搬送された容器84は、対象となる仕分けゾーン51に設けられる物品収納棚41の前で停止する。第2仕分けエリア60まで搬送された容器84は、対象となる仕分けゾーン67に設けられるオリコン87の前で停止する。そして、容器84に収容されている物品が、物品収納棚41又はオリコン87に仕分けられる。物品の仕分け作業が終了した容器84は、戻りコンベヤ32及び入庫コンベヤ23を介して自動倉庫20まで搬送される。また、物品の仕分け作業が終了した容器84に収容されている物品が、他の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60においても仕分けるべき物品である場合には、当該容器84は、自動倉庫20まで戻らずに迂回コンベヤ33を介して送りコンベヤ31に搬送され、対象となる他の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60に搬送される。
このように、仕分け設備10においては、仕分け対象である1つの容器84を複数の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60に搬送して物品を仕分ける場合には、第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60において仕分け作業が終了した後に、当該容器84が迂回コンベヤ33を迂回して対象となる次の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60に搬送される。このため、当該容器84が仕分け対象の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60において停止している間は、当該容器84に収容されている物品の仕分けを行うべき他の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60では、当該容器84が搬送されるまで、物品の仕分け作業を行うことができず、作業効率が悪い。
そこで、仕分け設備10においては、搬送コンベヤ30を制御して容器84の搬送を以下のように行うことで、第1及び第2仕分けエリア40、60における物品の仕分け作業を効率良く行う。なお、以下の判断は、仕分け設備10の制御装置(図示せず)により行う。
【0029】
図5に示すように、まず、仕分け対象である第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60の仕分けゾーン51において仕分け対象の容器84が、他の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60において仕分け作業中であるか否かを判断する(S1)。仕分け対象の容器84が他の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60において仕分け作業中であると判断した場合(S1−Yes)、仕分け対象である第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60の仕分けゾーン51において仕分け対象の容器84が他にあるか否かを判断する(S2)。仕分け対象の容器84が他にあると判断した場合(S2−Yes)、当該仕分け対象の容器84が他の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60において仕分け作業中であるか否かを判断する(S1)。
また、仕分け対象の容器84が他にないと判断した場合(S2−No)、仕分け待ちゾーン52に仕分け対象の容器84があるか否かを判断する(S3)。仕分け待ちゾーン52に仕分け対象の容器84がないと判断した場合(S3−No)、仕分けゾーン51において仕分け対象の容器84が、他の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60において仕分け作業中であるか否かを判断する(S1)。
また、仕分け待ちゾーン52に仕分け対象の容器84があると判断した場合(S3−Yes)、当該仕分け対象の容器84が他の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60において仕分け作業中であるか否かを判断する(S4)。当該仕分け対象の容器84が他の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60において仕分け作業中であると判断した場合(S4−Yes)、仕分け待ちゾーン52において仕分け対象の容器84が他にあるか否かを判断する(S5)。仕分け対象の容器84が他にあると判断した場合(S5−Yes)、当該仕分け対象の容器84が他の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60において仕分け作業中であるか否かを判断する(S4)。また、仕分け対象の容器84が他にないと判断した場合(S5−YNo)、仕分けゾーン51において仕分け対象の容器84が、他の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60において仕分け作業中であるか否かを判断する(S1)。
一方、当該仕分け対象の容器84が他の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60において仕分け作業中でないと判断した場合(S4−No)、仕分け対象の容器84が、搬送コンベヤ30(戻りコンベヤ32)により仕分け待ちゾーン52まで搬送され、仕分け対象の物品収納棚41又はオリコン87の前で停止する(S6)。そして、容器84に収容される物品が仕分け待ちゾーン52の物品収納棚41又はオリコン87に仕分けられる(S7)。仕分け待ちゾーン52における物品の仕分け作業が終了すると、容器84に収容されている物品が他の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60の仕分けゾーン51においても仕分けすべき物品であるか否かを判断する(S8)。他の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60の仕分けゾーン51において仕分けすべき物品でないと判断した場合(S8−No)、容器84は、搬送コンベヤ30(戻りコンベヤ32)により自動倉庫20まで搬送される(S9)。また、他の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60の仕分けゾーン51においても仕分けすべき物品であると判断した場合(S8−Yes)、容器84は、自動倉庫20に搬送されることなく、迂回コンベヤ33を迂回して、対象となる他の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60の仕分けゾーン51に搬送される(S10)。
【0030】
一方、仕分け対象である第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60の仕分けゾーン51において仕分け対象の容器84が、他の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60において仕分け作業中でないと判断した場合(S1−No)、仕分け対象の容器84が、搬送コンベヤ30(戻りコンベヤ32)により仕分け対象である第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60の仕分けゾーン51まで搬送され、仕分け対象の物品収納棚41又はオリコン87の前で停止する(S11)。そして、容器84に収容される物品が仕分けゾーン51の物品収納棚41又はオリコン87に仕分けられる(S12)。仕分けゾーン51における物品の仕分け作業が終了すると、容器84に収容されている物品が仕分け待ちゾーン52においても仕分けすべき物品であるか否かを判断する(S13)。容器84に収容されている物品が仕分け待ちゾーン52においても仕分けすべき物品であると判断した場合(S13−Yes)、容器84が、搬送コンベヤ30(戻りコンベヤ32)により仕分け待ちゾーン52まで搬送され、仕分け対象の物品収納棚41又はオリコン87の前で停止する(S6)。そして、容器84に収容される物品が仕分け待ちゾーン52の物品収納棚41又はオリコン87に仕分けられる(S7)。また、容器84に収容されている物品が仕分け待ちゾーン52において仕分けすべき物品でないと判断した場合(S13−No)、容器84に収容されている物品が他の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60の仕分けゾーン51においても仕分けすべき物品であるか否かを判断した後(S8)、容器84は、仕分け待ちゾーン52を通過して、搬送コンベヤ30(戻りコンベヤ32)により自動倉庫20まで搬送され(S9)、又は、他の第1仕分けエリア40の仕分けゾーン51又は第2仕分けエリア60の仕分けゾーン51(S10)まで、搬送コンベヤ30(送りコンベヤ31)により搬送される。
なお、仕分けゾーン51又は仕分け待ちゾーン52における物品の仕分け作業が終了した時点で容器84内が空の場合には、容器84は、自動倉庫20に搬送されることなく、払い出しコンベヤ82により入荷場80に搬送される。
【0031】
このように、仕分け設備10においては、仕分けゾーン51において仕分けすべき容器84が、他の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60に搬送されて仕分け作業中の場合(仕分けゾーン51における物品の仕分け作業が停滞している場合)には、仕分け待ちゾーン52における仕分け作業を、仕分けゾーン51における仕分け作業より先行して行う。
仕分け設備10においては、仕分けゾーン51において仕分け作業を行った物品が、仕分け待ちゾーン52においても仕分け作業を行うべき物品である場合は、仕分けゾーン51において仕分け作業が終了した後に引き続いて仕分け待ちゾーン52においても仕分け作業を行う。この時、戻りコンベヤ32は、仕分けゾーン51に搬送した容器84を、仕分けゾーン51において仕分け作業が終了した後、続けて仕分け待ちゾーン52に搬送する。
【0032】
仕分け設備10においては、仕分けゾーン51における物品の仕分け作業より先行して仕分け待ちゾーン52において仕分け作業を行っている際に、他の第1仕分けエリア40又は第2仕分けエリア60に搬送されていた容器84が、仕分けゾーン51に搬送可能である場合(仕分けゾーン51における物品の仕分け作業の停滞が解消した場合)には、仕分け待ちゾーン52における仕分け作業が終了した後に引き続いて仕分け待ちゾーン52における仕分け作業を行わず、仕分けゾーン51における仕分け作業を先行して行う。すなわち、仕分けゾーン51において物品の仕分け作業が可能な場合には、仕分けゾーン51における物品の仕分け作業を優先して行う。この場合、搬送コンベヤ30は、仕分け待ちゾーン52における仕分け作業が終了した後は、仕分け待ちゾーン52に搬送すべき容器84を仕分け待ちゾーン52には搬送せず、仕分けゾーン51に搬送すべき容器84を優先して仕分けゾーン51に搬送する。
仕分け設備10においては、仕分けゾーン51において物品の仕分け作業を行う場合、搬送コンベヤ30(戻りコンベヤ32)は、仕分けゾーン51の物品収納棚41の前、或いはドーリー86上に積み重ねられたオリコン87の前に、容器84を停止させる。また、仕分け待ちゾーン52において物品の仕分け作業を行う場合、搬送コンベヤ30(戻りコンベヤ32)は、仕分け待ちゾーン52の物品収納棚41の前、或いはドーリー86上に積み重ねられたオリコン87の前に、容器84を停止させる。このように、搬送コンベヤ30(戻りコンベヤ32)は、物品の仕分け作業を行うゾーンが切り替われば、そのたびに容器84の停止位置を変更させて容器84を停止させる。
【0033】
以上のように、仕分け設備10においては、仕分けゾーン51への容器84の搬送が停滞している場合に、仕分けゾーン51での仕分け作業の完了を待つことなく、先行して仕分け待ちゾーン52の仕分け作業を行うことができるため、仕分け対象である1つの容器84を複数の第1及び第2仕分けエリア40、60に搬送して物品の仕分け作業を行う場合であっても、各ゾーンにおける物品の仕分け作業を効率よく行うことができる。
仕分け設備10においては、仕分けゾーン51に搬送される容器の搬送状況に応じて、仕分けゾーン51と、仕分け待ちゾーン52と、の間で物品の仕分け作業の場所(区画)を変更することができる。
【0034】
なお、本実施の形態においては、第1仕分けエリア40が、仕分けゾーン51と、仕分け待ちゾーン52と、再仕分けゾーン53と、の3区画を備え、第2仕分けエリア60が、仕分けゾーン51と、仕分け待ちゾーン52と、の2区画を備えているが、これらの場合に限定されるものではなく、少なくとも、仕分けゾーン51と、仕分け待ちゾーン52と、を備えていれば、仕分けゾーン51或いは仕分け待ちゾーン52を2区画以上設けても構わない。
ここで、仕分け待ちゾーン52を2区画以上設けた(例えば、第1の仕分け待ちゾーン52と、第2の仕分け待ちゾーン52と、を設けた)第1及び第2仕分けエリア40、60において、仕分けゾーン51での物品の仕分け作業が停滞した場合には、先行して物品の仕分け作業を行う仕分け待ちゾーン52は、特に限定されない(例えば、第1の仕分け待ちゾーン52で先行して行っても、第2の仕分け待ちゾーン52で先行して行っても構わない。)。また、仕分けゾーン51での物品の仕分け作業が停滞した場合に、先行して物品の仕分け作業を行っていた仕分け待ちゾーン52においても物品の仕分け作業が停滞した場合には、他の仕分け待ちゾーン52において物品の仕分け作業を行っても構わない(例えば、第1の仕分け待ちゾーン52での物品の仕分けが停滞した場合には、第2の仕分け待ちゾーン52で物品の仕分けを行っても構わない。)。
本実施の形態においては、仕分けゾーン51、仕分け待ちゾーン52、再仕分けゾーン53の配置は、第1及び第2仕分けエリア40、60における配置に限定されるものではなく、例えば、第1及び第2仕分けエリア40、60の一方側から再仕分けゾーン53、仕分けゾーン51、仕分け待ちゾーン52の順で配置しても構わない。
本実施の形態においては、仕分け設備10内の仕分けエリアを、第1及び第2仕分けエリア40、60で構成しているが、これに限定されるものではなく、仕分け設備10内の仕分けエリアを、第1仕分けエリア40のみ、又は第2仕分けエリア60のみで構成しても構わない。
本実施の形態においては、物品を収容した容器84を、自動倉庫20から出庫し、第1及び第2仕分けエリア40、60に搬送することで、物品の仕分け作業を行っているが、これに限定されるものではなく、物品を収容した容器84を単に平積みしたエリア(倉庫)から容器84を搬送する場合、第1及び第2仕分けエリア40、60以外の他の仕分けエリア或いは作業エリアから搬送する場合等であっても構わない。つまり、本発明の容器収納手段は、自動倉庫20に限定されるものではなく、例えば、容器84を単に平積みしたエリア(倉庫)、容器84を収納する容器収納棚等であっても構わない。
本実施の形態においては、物品を収容した容器84を、搬送コンベヤ30により搬送しているが、これに限定されるものではなく、容器84を第1及び第2仕分けエリア40、60まで搬送可能な構成であれば、例えば、物品を移載自在な自動搬送台車や、天井側に設けられた吊り下げレールに沿って走行自在な天井搬送車であっても構わない。
本実施の形態においては、物品を収容した容器84に関して物品の仕分け作業を行っているが、これに限定されるものではなく、空の容器84に関して物品の仕分け作業を行っても構わない。この場合、仕分けゾーン51では、物品収納棚41に収納された物品を、送りコンベヤ31により搬送される空の容器84に仕分ける。仕分け待ちゾーン52では、仕分けゾーン51における物品の仕分け作業終了後に、物品収納棚41に収納された物品を、送りコンベヤ31により搬送される空の容器84に仕分ける。
本実施の形態においては、物品収納棚41を中心とした一方側(物品収納棚41の表側)に投入エリア46が設けられ、他方側(物品収納棚41の裏側)に取出エリア47が設けられる構成としているが、これに限定されるものではなく、例えば、物品収納棚41を中心とした一方側(物品収納棚41の表側)に、投入エリア46及び取出エリア47を設けても構わない。この場合、出荷容器83を搬送する出荷容器搬送コンベヤ85を、例えば、搬送コンベヤ30(送りコンベヤ31、戻りコンベヤ32)の上方に配置し、出荷容器搬送コンベヤ85と、搬送コンベヤ30と、が互いに干渉しないように配置する。
【符号の説明】
【0035】
10 仕分け設備
20 自動倉庫(容器収納手段)
30 搬送コンベヤ(容器搬送装置)
40 第1仕分けエリア(仕分けエリア)
41 物品収納棚
43 投入間口
44 取出間口
51 仕分けゾーン
52 仕分け待ちゾーン
53 再仕分けゾーン
60 第2仕分けエリア(仕分けエリア)
67 仕分けゾーン
68 仕分け待ちゾーン
84 容器

図1
図2
図3
図4
図5