(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上面が開口した矩形状の箱体を成し、外周縁にフランジ部を有する有底上面開口容器に果菜類を収容した状態で、前記有底上面開口容器の複数を収容して輸送する果菜類輸送容器であって、
対向する側壁の内面に設けた段部である、水平面から傾斜した側壁傾斜支持面と、
前記側壁傾斜支持面を有する前記側壁に直交する方向から見て前記側壁傾斜支持面と重なる、前記側壁の内面に対向する側面を有する仕切壁に設けた仕切壁傾斜支持面と
からなる、
傾斜角度が等しい一対の前記側壁傾斜支持面及び前記仕切壁傾斜支持面により、前記有底上面開口容器のフランジ部を支持し、
前記有底上面開口容器のフランジ部を支持する前記側壁傾斜支持面及び前記仕切壁傾斜支持面を、傾斜角度を変えて複数種類設けることにより、
大きさの異なる複数種類の前記有底上面開口容器を収容可能とし、
前記有底上面開口容器を傾斜させて静止させた状態を保持して輸送することを特徴とする、
果菜類輸送容器。
【背景技術】
【0002】
イチゴ、イチジク、桃等の果菜類は、単体で市販されている外周縁にフランジ部を有する有底上面開口容器(特許文献1:パックP、特許文献2:パック、特許文献3:いちごパック、特許文献4:イチゴのパック詰めトレーT、特許文献5:ソフトパックC、特許文献6:いちごパック)に詰めた状態(以下、この状態の前記有底上面開口容器及び前記果菜類を「パック詰め果菜類」という)で、それらの複数を輸送容器内に水平に収容して輸送するのが一般的である。
【0003】
ここで、特許文献1及び2は、収容する複数のパック詰め果菜類を仕切る仕切部材(例えば、特許文献1の仕切体2)を備えたダンボール製の輸送容器である。
また、特許文献3は、プラスチック製の運搬用パレットであり、それによりパック詰め果菜類を仕切った状態で、プラスチック製の輸送容器(折り畳み可能なプラスチックコンテナ)に収容して輸送する。
さらに、特許文献4ないし6は、収容する複数のパック詰め果菜類を仕切る仕切部材(他例えば、特許文献5の仕切壁F)を備えた発泡合成樹脂製の輸送容器である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
果菜類を詰める、外周縁にフランジ部を有する有底上面開口容器の大きさ(サイズ)は、産地で異なるとともに、各産地において大きさの異なる複数種類の前記有底上面開口容器が使用される。
ダンボール製、プラスチック製及び発泡合成樹脂製の何れの輸送容器においても、同じ輸送容器に大きさの異なる前記有底上面開口容器を収容することはできず、前記有底上面開口容器の大きさ毎に異なる輸送容器を使用する必要がある。
ダンボール製、プラスチック製及び発泡合成樹脂製の何れの輸送容器においても、同じ輸送容器に大きさの異なる前記有底上面開口容器を収容することはできず、前記有底上面開口容器の大きさ毎に異なる輸送容器を使用する必要があり、大きさの異なる輸送容器毎に製造し、運搬する手間が発生すると共に、これらの保管スパースの確保、管理などの手間が生ずる。
その上、従来の果菜類輸送容器において、大きさの異なる前記有底上面開口容器を収容する輸送容器を、前記有底上面開口容器の大きさ毎に設計する場合、外形の平面寸法を同じにすると、前記有底上面開口容器の大きさによっては輸送容器の収容スペースに無駄が生じる場合がある。
【0006】
また、特許文献1又は2のようなダンボール製の輸送容器、又は特許文献3のようなプラスチック製の運搬用パレットを収容したプラスチック製の輸送容器から、特許文献4ないし6のような発泡合成樹脂製の輸送容器に切り替える場合、ダンボール製の輸送容器、又はプラスチック製の輸送容器と同じ外形の平面寸法で発泡合成樹脂製の輸送容器を製造すると、発泡合成樹脂製のものは、肉厚が例えば15mm程度と厚くなることから、収容スペースが縮小する。よって、ダンボール製又はプラスチック製の輸送容器と同じ平面形寸法の発泡合成樹脂製の輸送容器では、ダンボール製又はプラスチック製の輸送容器と同量の前記有底上面開口容器を収容できないという不都合がある。
【0007】
上述の背景に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、
(1)外形の平面寸法を同じにして、大きさの異なる前記有底上面開口容器を収容する複数の容器を、前記有底上面開口容器の大きさ毎に設計する場合における、輸送容器の収容スペースの無駄を抑制すること、
(2)ダンボール製又はプラスチック製の輸送容器と外形の平面寸法が同じ発泡合成樹脂製の輸送容器でも、ダンボール製又はプラスチック製の輸送容器と同量の前記有底上面開口容器を収容可能にすること、
(3)同一の輸送容器に大きさの異なる複数種類の前記有底上面開口容器を収容可能にすること、
である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る果菜類輸送容器は、前記課題解決のために、上面が開口した矩形状の箱体を成し、外周縁にフランジ部を有する有底上面開口容器に果菜類を収容した状態で、前記有底上面開口容器の複数を収容して輸送する果菜類輸送容器であって、
対向する側壁の内面に設けた段部である、水平面から傾斜した側壁傾斜支持面と、
前記側壁傾斜支持面を有する前記側壁に直交する方向から見て前記側壁傾斜支持面と重なる、前記側壁の内面に対向する側面を有する仕切壁に設けた仕切壁傾斜支持面と
からなる、
傾斜角度が等しい一対の前記側壁傾斜支持面及び前記仕切壁傾斜支持面により、前記有底上面開口容器のフランジ部を支持し、
前記有底上面開口容器のフランジ部を支持する前記側壁傾斜支持面及び前記仕切壁傾斜支持面を、傾斜角度を変えて複数種類設けることにより、
大きさの異なる複数種類の前記有底上面開口容器を収容可能とし、
前記有底上面開口容器を傾斜させて静止させた状態を保持して輸送することを特徴とする(請求項1)。
【0009】
このような構成によれば、側壁傾斜支持面及び仕切壁傾斜支持面で有底上面開口容器のフランジ部を支持するので、側壁傾斜支持面及び仕切壁傾斜支持面の傾斜角度を変えることにより、有底上面開口容器の平面投影面積を変えることができる。
よって、外形の平面寸法を同じにして、大きさの異なる有底上面開口容器を収容する複数の容器を、有底上面開口容器の大きさ毎に設計する場合において、前記傾斜角度を変えながら輸送容器の収容スペースを確保すると共に無駄なスペースを抑制するように設計できる。
その上、例えば、ダンボール製又はプラスチック製の輸送容器と外形の平面寸法を同じにする条件で、ダンボール製又はプラスチック製の輸送容器から発泡合成樹脂製の輸送容器に切り替える場合であっても、側壁傾斜支持面及び仕切壁傾斜支持面でフランジ部を支持された有底上面開口容器は傾斜することから、有底上面開口容器の平面投影面積を小さくできるので、ダンボール製又はプラスチック製の輸送容器と同量の有底上面開口容器を収容するように設計できる。
その上さらに、傾斜角度を変えて複数種類設けた側壁傾斜支持面及び仕切壁傾斜支持面により、大きさの異なる複数種類の有底上面開口容器を収容できる。よって、有底上面開口容器の大きさ毎に異なる輸送容器を使用することなく、同一の輸送容器で大きさの異なる複数種類の有底上面開口容器を収容して輸送できる。
【0012】
また、前記側壁傾斜支持面を、水平面からの傾斜が逆方向となる第1側壁傾斜支持面及び第2側壁傾斜支持面とし、
前記仕切壁傾斜支持面を、前記側壁傾斜支持面を有する前記側壁に直交する方向から見て、前記第1側壁傾斜支持面と重なる第1仕切壁傾斜支持面、及び前記第2側壁切壁傾斜支持面と重なる第2仕切壁傾斜支持面とし、
前記第1側壁傾斜支持面及び前記第1仕切壁傾斜支持面とで前記有底上面開口容器のフランジ部を支持する場合と、前記第2側壁傾斜支持面及び前記第2仕切壁傾斜支持面とで前記有底上面開口容器のフランジ部を支持する場合とで、
大きさの異なる2種類の前記有底上面開口容器を収容可能としてなるのも好ましい実施態様である(請求項
2)。
【0013】
このような構成によれば、第1側壁傾斜支持面及び第1仕切壁傾斜支持面とで有底上面開口容器のフランジ部を支持する場合と、第2側壁傾斜支持面及び第2仕切壁傾斜支持面とで有底上面開口容器のフランジ部を支持する場合とで、大きさの異なる2種類の有底上面開口容器を収容できる。よって、有底上面開口容器の大きさ毎に異なる輸送容器を使用することなく、同一の輸送容器で大きさの異なる2種類の有底上面開口容器を収容して輸送できる。
【0014】
さらに、発泡合成樹脂製であるのが一層好ましい実施態様である(請求項
3)。
【0015】
このような構成によれば、側壁傾斜支持面及び仕切壁傾斜支持面を備える輸送容器を、例えば型内発泡成形により容易かつ確実に成形できる。その上、発泡ポリスチレン系樹脂、発泡ポリエチレン系樹脂、発泡ポリプロピレン系樹脂等の発泡ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン変性発泡ポリエチレン等のポリスチレン変性発泡ポリオレフィン系樹脂、硬質発泡ウレタン系樹脂等で成形することにより、軽量で断熱性に優れるので、果菜類輸送容器として好適な実施態様となる。特に発泡ポリスチレン製にするのが、コスト面から一層好ましい実施態様である。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明に係る果菜類輸送容器によれば、主に以下に示すような効果を奏する。
(1)外形の平面寸法を同じにして、大きさの異なる有底上面開口容器を収容する複数の容器を、有底上面開口容器の大きさ毎に設計する場合において、前記傾斜角度を変えながら輸送容器の収容スペースを確保すると共に無駄なスペースを抑制するように設計できる。
(2)ダンボール製又はプラスチック製の輸送容器と外形の平面寸法を同じにする条件で、ダンボール製又はプラスチック製の輸送容器から発泡合成樹脂製の輸送容器に切り替える場合であっても、ダンボール製又はプラスチック製の輸送容器と同量の有底上面開口容器を収容するように設計できる。
(3)有底上面開口容器のフランジ部を支持する側壁傾斜支持面及び仕切壁傾斜支持面を、傾斜角度を変えて複数種類設け
ているので、有底上面開口容器の大きさ毎に異なる輸送容器を使用することなく、同一の輸送容器で大きさの異なる複数種類の有底上面開口容器を収容して輸送できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】
図1に対して鉛直軸まわりに180°視点を変えて示した果菜類輸送容器の斜視図である。
【
図3】(a)は果菜類輸送容器の縦断面斜視図、(b)は果菜類輸送容器の縦断面正面図(一方の長辺側側壁の内面に向かって見た図)である。
【
図4】(a)は
図3(a)に対して鉛直軸まわりに180°視点を変えて示した果菜類輸送容器の縦断面斜視図、(b)は果菜類輸送容器の縦断面背面図(他方の長辺側側壁の内面に向かって見た図)である。
【
図6】有底上面開口容器の例を示す斜視図であり、(a)は小型のものを、(b)は大型のものを示している。
【
図7】平面図であり、(a)は果菜類輸送容器に小型の有底上面開口容器を収容している状態の説明図、(b)は果菜類輸送容器に大型の有底上面開口容器を収容している状態の説明図である。
【
図8】果菜類輸送容器に小型の有底上面開口容器を収容している状態を示す斜視図である。
【
図9】
図8に対して鉛直軸まわりに180°視点を変えて示した斜視図である。
【
図10】果菜類輸送容器に大型の有底上面開口容器を収容している状態を示す斜視図である。
【
図11】
図10に対して鉛直軸まわりに180°視点を変えて示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
本明細書において、果菜類輸送容器を水平面に置いた状態を基準として上下方向を定義する。また、矩形状の箱体を成す果菜類輸送容器1の長辺方向(長辺側側壁2,3の長手方向)を前後方向、果菜類輸送容器1の短辺方向(短辺側側壁4,5の長手方向)を左右方向とする。
なお、添付図面に示す外周縁にフランジ部F1,F2を有する有底上面開口容器E1,E2には、実際には果菜類が収容されるが、図面の見やすさ等のために有底上面開口容器E1,E2のみを記載している。
【0019】
<果菜類輸送容器>
図1及び
図2の斜視図に示すように、本発明の実施の形態に係る果菜類輸送容器1は、上面開口1Aを有する矩形状の箱体を成し、
図8〜
図11の斜視図に示すように、外周縁にフランジ部を有する有底上面開口容器E1,E1,…又はE2,E2,…に図示しないに果菜類を収容した状態で、有底上面開口容器E1,E1,…又はE2,E2,…を収容して輸送するものである。
果菜類輸送容器1は、対向する長辺側側壁2,3、及び対向する短辺側側壁4,5、底板6、並びに、長辺側側壁2の内面2Aに対向する側面7A、及び長辺側側壁3の内面3Aに対向する側面7Bを有する仕切壁7を備える。
また、果菜類輸送容器1は、側壁2,3,4,5の下部に、通気孔である側壁下部貫通穴8,8,…を備えるとともに、仕切壁7の下部に、仕切壁下部底板貫通穴9,9を備える。
【0020】
図1及び
図2の斜視図に示すように、果菜類輸送容器1は、対向する長辺側側壁2,3の内面2A,3Aに設けた段部である、水平面から傾斜した側壁傾斜支持面A,Bを有する。
また、仕切壁7は、側面7Aに、左右方向(長辺側側壁2,3に直交する方向)から見て側壁2の側壁傾斜支持面Aと重なる、仕切壁傾斜支持面Cを有し、側面7Bに、左右方向から見て側壁3の側壁傾斜支持面Bと重なる、仕切壁傾斜支持面Dを有する。
【0021】
果菜類輸送容器1は、軽量であるとともに断熱性に優れた、発泡ポリスチレン系樹脂、発泡ポリエチレン系樹脂、発泡ポリプロピレン系樹脂等の発泡ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン変性発泡ポリエチレン等のポリスチレン変性発泡ポリオレフィン系樹脂、硬質発泡ウレタン系樹脂等の発泡合成樹脂製であり、主にコスト面から発泡ポリスチレンが好ましい。
果菜類輸送容器1を発泡合成樹脂製にすることにより、側壁傾斜支持面A,B及び仕切壁傾斜支持面C,Dを備える輸送容器1を、例えば型内発泡成形により容易かつ確実に成形できる。
【0022】
<側壁傾斜支持面、及び仕切壁傾斜支持面の構成例>
図3(a)の縦断面斜視図、及び
図3(b)の縦断面正面図に示すように、側壁2の内面2Aの側壁傾斜支持面Aは、側壁4から側壁5へ向かう方向に行くにしたがって下降するように傾斜する第1側壁傾斜支持面A1,A1,…、及び側壁4から側壁5へ向かう方向に行くにしたがって上昇するように傾斜する第2側壁傾斜支持面A2,A2,…からなる。
図4(a)の縦断面斜視図、及び
図4(b)の縦断面背面図に示すように、側壁3の内面3Aの側壁傾斜支持面Bは、側壁4から側壁5へ向かう方向に行くにしたがって下降するように傾斜する第1側壁傾斜支持面B1,B1,…、及び側壁4から側壁5へ向かう方向に行くにしたがって上昇するように傾斜する第2側壁傾斜支持面B2,B2,…からなる。
【0023】
図2の斜視図に示すように、仕切壁7の側面7Aの仕切壁傾斜支持面Cは、側壁4から側壁5へ向かう方向に行くにしたがって下降するように傾斜する第1仕切壁傾斜支持面C1,C1,…、及び側壁4から側壁5へ向かう方向に行くにしたがって上昇するように傾斜する第2仕切壁傾斜支持面C2,C2,…からなる。
図1の斜視図に示すように、仕切壁7の側面7Bの仕切壁傾斜支持面Dは、側壁4から側壁5へ向かう方向に行くにしたがって下降するように傾斜する第1仕切壁傾斜支持面D1,D1,…、及び側壁4から側壁5へ向かう方向に行くにしたがって上昇するように傾斜する第2仕切壁傾斜支持面D2,D2,…からなる。
以上のとおり、第1側壁傾斜支持面A1,B1と第2側壁傾斜支持面A2,B2とは、水平面からの傾斜が逆方向であり、同様に、第1仕切壁傾斜支持面C1,D1と第2傾斜支持面C2,D2とは水平面からの傾斜が逆方向である。
【0024】
図3(a)及び
図3(b)に示す第1側壁傾斜支持面A1,A1,…と、
図2に示す第1仕切壁傾斜支持面C1,C1,…とは、左右方向から見て重なる位置に、
図5の平面図に示すように左右方向に所定距離離間させて形成される。
また、
図3(a)及び
図3(b)に示す第2側壁傾斜支持面A2,A2,…と、
図2に示す第2仕切壁傾斜支持面C2,C2,…とは、左右方向から見て重なる位置に、
図5の平面図に示すように左右方向に所定距離離間させて形成される。
【0025】
図4(a)及び
図4(b)に示す第1側壁傾斜支持面B1,B1,…と、
図1に示す第1仕切壁傾斜支持面D1,D1,…とは、左右方向から見て重なる位置に、
図5の平面図に示すように左右方向に所定距離離間させて形成される。
また、
図4(a)及び
図4(b)に示す第2側壁傾斜支持面B2,B2,…と、
図1に示す第2仕切壁傾斜支持面D2,D2,…とは、左右方向から見て重なる位置に、
図5の平面図に示すように左右方向に所定距離離間させて形成される。
【0026】
<外周縁にフランジ部を有する有底上面開口容器の例>
本発明の実施の形態に係る果菜類輸送容器1に収容可能な有底上面開口容器は、
図6(a)の斜視図に示す小型の有底上面開口容器E1、及び
図6(b)の斜視図に示す大型の有底上面開口容器E2の2種類である。
有底上面開口容器E1は、その上部外周縁にフランジ部F1を有し、フランジ部F1は、長辺フランジ部F1A,F1A、及び短辺フランジ部F1B,F1Bからなる。
また、有底上面開口容器E2は、その上部外周縁にフランジ部F2を有し、フランジ部F2は、長辺フランジ部F2A,F2A、及び短辺フランジ部F2B,F2Bからなる。
これらのような有底上面開口容器E1,E2は、高さが例えば40mm程度であるとともに、上部のフランジ部F1,F2の平面寸法が大きく、容器部分は下方行くにしたがって平面寸法が漸減する形状であるので、長辺方向に平行な水平軸又は短辺方向に平行な水平軸まわりに傾斜させると、平面投影面積が小さくなる。
【0027】
<果菜類輸送容器に有底上面開口容器を収容している状態の説明>
図7(a)の平面図、並びに
図8及び
図9の斜視図に示すように、果菜類輸送容器1内には、小型の有底上面開口容器E1,E1,…を10個収容できる。
すなわち、側壁2側の5個の有底上面開口容器E1,E1,…は、短辺フランジ部F1B,F1Bを第1側壁傾斜支持面A1及び第1仕切壁傾斜支持面C1で支持し、側壁3側の5個の有底上面開口容器E1,E1,…は、短辺フランジ部F1B,F1Bを第1側壁傾斜支持面B1及び第1仕切壁傾斜支持面D1で支持する。
このように傾斜角度が等しい一対の側壁傾斜支持面A1及び仕切壁傾斜支持面C1、並びに傾斜角度が等しい一対の側壁傾斜支持面B1及び仕切壁傾斜支持面D1により、有底上面開口容器E1のフランジ部F1を支持し、有底上面開口容器E1を傾斜させて静止させた状態を保持して輸送する。
【0028】
図7(b)の平面図、並びに
図10及び
図11の斜視図に示すように、果菜類輸送容器1内には、大型の有底上面開口容器E2,E2,…を7個収容できる。
すなわち、側壁2側の4個の有底上面開口容器E2,E2,…は、短辺フランジ部F2B,F2Bを第2側壁傾斜支持面A2及び第2仕切壁傾斜支持面C2で支持し、側壁3側の3個の有底上面開口容器E2,E2,…は、長辺フランジ部F2A,F2Aを第2側壁傾斜支持面B2及び第2仕切壁傾斜支持面D2で支持する。
このように傾斜角度が等しい一対の側壁傾斜支持面A2及び仕切壁傾斜支持面C2、並びに傾斜角度が等しい一対の側壁傾斜支持面B2及び仕切壁傾斜支持面D2により、有底上面開口容器E2のフランジ部F2を支持し、有底上面開口容器E2を傾斜させて静止させた状態を保持して輸送する。
【0029】
以上のような本発明の実施の形態に係る果菜類輸送容器1によれば、第1側壁傾斜支持面A1及び第1仕切壁傾斜支持面C1、並びに第1側壁傾斜支持面B1及び第1仕切壁傾斜支持面D1とで有底上面開口容器E1のフランジ部F1を支持する場合と、第2側壁傾斜支持面A2及び第2仕切壁傾斜支持面C2、並びに第2側壁傾斜支持面B2及び第2仕切壁傾斜支持面D2とで有底上面開口容器E2のフランジ部F2を支持する場合とで、大きさの異なる2種類の有底上面開口容器E1,E2を収容できる。よって、有底上面開口容器の大きさ毎に異なる輸送容器を使用することなく、同一の輸送容器で大きさの異なる2種類の有底上面開口容器E1,E2を収容して輸送できる。
【0030】
以上の実施の形態においては、有底上面開口容器のフランジ部を支持する、傾斜角度が等しい一対の側壁傾斜支持面及び仕切壁傾斜支持面を、傾斜角度を変えて二種類設ける構成、すなわち第1側壁傾斜支持面及び第1仕切壁傾斜支持面、並びに第2側壁傾斜支持面及び第2仕切壁傾斜支持面を設ける構成を示したが、傾斜角度が等しい一対の側壁傾斜支持面及び仕切壁傾斜支持面を、傾斜角度を変えて三種類以上設ける構成としてもよい。
【0031】
また、傾斜角度が等しい一対の側壁傾斜支持面及び仕切壁傾斜支持面を一種類のみとしてもよい。そのような構成により、側壁傾斜支持面及び仕切壁傾斜支持面の傾斜角度を変えることにより、有底上面開口容器の平面投影面積を変えることができるので、外形の平面寸法を同じにして、大きさの異なる有底上面開口容器を収容する複数の容器を、有底上面開口容器の大きさ毎に設計する場合において、前記傾斜角度を変えながら輸送容器の収容スペースを確保すると共に無駄なスペースを抑制するように設計できる。
その上、ダンボール製又はプラスチック製の輸送容器と外形の平面寸法を同じにする条件で、ダンボール製又はプラスチック製の輸送容器から発泡合成樹脂製の輸送容器に切り替える場合であっても、側壁傾斜支持面及び仕切壁傾斜支持面でフランジ部を支持された有底上面開口容器は傾斜することから、有底上面開口容器の平面投影面積を小さくできるので、ダンボール製又はプラスチック製の輸送容器と同量の有底上面開口容器を収容するように設計できる。なお、有底上面開口容器の底が輸送容器の底板と接触せず、宙吊り状態に設計できるので、例え、有底上面開口容器が傾斜したとしても、パック詰め果菜類が輸送時の振動などで損傷し難い。それでも損傷が危惧される場合には、傾斜の角度をゆるくしたり、より損傷し難い果菜類を扱うなり種々の対応が可能である。
【0032】
さらに、以上の実施の形態の説明では、果菜類輸送容器が発泡合成樹脂製である例を示したが、果菜類輸送容器は非発泡合成樹脂製であってもよい。