特許第6652386号(P6652386)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6652386
(24)【登録日】2020年1月27日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】ギアユニット
(51)【国際特許分類】
   F16H 21/16 20060101AFI20200210BHJP
【FI】
   F16H21/16
【請求項の数】6
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-1443(P2016-1443)
(22)【出願日】2016年1月7日
(65)【公開番号】特開2017-122476(P2017-122476A)
(43)【公開日】2017年7月13日
【審査請求日】2018年12月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】高橋 紳祐
【審査官】 増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭55−93755(JP,U)
【文献】 特開2016−198265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 21/16
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体と、前記移動体を第1方向に移動可能に支持する支持体と、前記移動体を前記第1方向の一方側に移動させる第1駆動機構と、前記移動体を前記第1方向の他方側に移動させる第2駆動機構と、を備え、
前記支持体は、前記第1方向に延在するガイド軸を備え、
前記移動体は、前記ガイド軸に沿って前記第1方向に移動する移動体ガイド部を備え、
前記第1駆動機構は、第1ギヤと、前記第1ギヤの回転軸上に設けられた第1ワンウェイクラッチと、前記第1ワンウェイクラッチを介して前記第1ギヤの回転が伝達される第1カムと、前記第1カムの回転によって前記第1方向に移動する第1伝達部材と、前記第1伝達部材を前記第1方向の一方側へ付勢する第1バネ部材と、を備え、
前記第2駆動機構は、第2ギヤと、前記第2ギヤの回転軸上に設けられた第2ワンウェイクラッチと、前記第2ワンウェイクラッチを介して前記第2ギヤの回転が伝達される第2カムと、前記第2カムの回転によって前記第1方向に移動する第2伝達部材と、前記第2伝達部材を前記第1方向の他方側へ付勢する第2バネ部材と、を備え、
前記第1駆動機構および前記第2駆動機構は、前記第1ギヤと前記第2ギヤが同一方向に回転するように連結され、
前記第2ワンウェイクラッチの回転可能方向は、前記第1ワンウェイクラッチの回転可能方向と逆方向であることを特徴とするギアユニット。
【請求項2】
前記移動体が前記第1方向の一方側の所定位置に移動したとき、前記移動体の前記第1方向の他方側への移動を規制するロック機構を有し、
前記ロック機構は、前記第2伝達部材と、前記移動体に設けられたスナップ部と、前記支持体に設けられたロック解除部と、を備え、
前記第2伝達部材は、前記第2カムに設けられたカムピンと係合するカム溝が形成された第2伝達部と、前記ガイド軸に沿って前記第1方向に移動する第2伝達部ガイド部と、前記第2伝達部と前記第2伝達部ガイド部との間に配置された弾性部材と、を備え、
前記スナップ部は、前記第2伝達部材に対し、前記第1方向と直交する第2方向の一方側から係合する係合部を備え、
前記ロック解除部は、前記第2伝達部材に対し、前記第2方向の一方側から当接する第2伝達部材ガイド面を備え、
前記第2伝達部材ガイド面は、前記第1方向の他方側に向かうに従って前記第2方向の他方側に後退する傾斜面であることを特徴とする請求項1に記載のギアユニット。
【請求項3】
前記ガイド軸は、前記第1伝達部材をガイドする第1ガイド軸および前記第2伝達部材をガイドする第2ガイド軸を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のギアユニット。
【請求項4】
前記移動体ガイド部は、前記第1ガイド軸に沿って移動する第1ガイド軸ガイド部と、前記第2ガイド軸に沿って移動する第2ガイド軸ガイド部と、を備えることを特徴とする請求項3に記載のギアユニット。
【請求項5】
前記第1バネ部材は、前記第1伝達部材を介して前記第1ガイド軸ガイド部を前記第1方向の一方側へ付勢し、
前記第2バネ部材は、前記第2伝達部材を介して前記第2ガイド軸ガイド部を前記第1方向の他方側へ付勢することを特徴とする請求項4に記載のギアユニット。
【請求項6】
前記第1カムに設けられたカムピンが前記第1カムの回転中心に対して前記第1方向の他方側に位置する死点に位置決めされると、前記第1バネ部材が前記第1伝達部材と前記支持体との間で圧縮状態で保持され、
前記第2カムに設けられたカムピンが前記第2カムの回転中心に対して前記第1方向の一方側に位置する死点に位置決めされると、前記第2バネ部材が前記第2伝達部材と前記支持体との間で圧縮状態で保持されることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のギアユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体を動かすための駆動機構を備えるギアユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機は、遊技者によって操作されるボタンやレバーなどの操作体を備える。操作体は、遊技者に特別感・期待感を与えるための演出に用いられる。特許文献1には、この種の操作体を備える遊技機用操作装置が開示されている。特許文献1の遊技機用操作装置は、操作体としてレバーおよびチャンススイッチを備える。特別演出時には自動あるいは手動でレバーを動かすことができるようになる。また、チャンススイッチのボタンが飛び出して操作可能となる。レバーやチャンススイッチのボタンを動かす動作は、レバー駆動モータおよび昇降モータを用いた駆動装置により行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−84881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の遊技機用操作装置は、特別演出のときにレバーを動かせるようになること、および、チャンススイッチのボタンが飛び出してくることによって遊技者に特別感・期待感を与えるものである。しかしながら、遊技機においては、遊技者に与える特別感・期待感をさらに高めることができる動きを実現できる機構が求められている。例えば、モータの駆動力をギアユニットを介してレバーやスイッチなどの移動体に伝達する機構において、移動体に従来よりも目立つ動きをさせることが求められている。
【0005】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、移動体に目立つ動きをさせることが可能なギアユニットを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明のギアユニットは、移動体と、前記移動体を第1方向に移動可能に支持する支持体と、前記移動体を前記第1方向の一方側に移動させる第1駆動機構と、前記移動体を前記第1方向の他方側に移動させる第2駆動機構と、を備え、前記支持体は、前記第1方向に延在するガイド軸を備え、前記移動体は、前記ガイド軸に沿って前記第1方向に移動する移動体ガイド部を備え、前記第1駆動機構は、第1ギヤと、前記第1ギヤの回転軸上に設けられた第1ワンウェイクラッチと、前記第1ワンウェイクラッチを介して前記第1ギヤの回転が伝達される第1カムと、前記第1カムの回転によって前記第1方向に移動する第1伝達部材と、前記第1伝達部材を前記第1方向の一方側へ付勢する第1バネ部材と、を備え、前記第2駆動機構は、第2ギヤと、前記第2ギヤの回転軸上に設けられた第2ワンウェイクラッチと、前記第2ワンウェイクラッチを介して前記第2ギヤの回転が伝達される第2カムと、前記第2カムの回転によって前記第1方向に移動する第2伝達部材と、前記第2伝達部材を前記第1方向の他方側へ付勢する第2バネ部材と、を備え、前記第1駆動機構および前記第2駆動機構は、前記第1ギヤと前記第2ギヤが同一方向に回転するように連結され、前記第2ワンウェイクラッチの回転可能方向は、前記第1ワンウェイクラッチの回転可能方向と逆方向であることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、第1駆動機構は、移動体を第1方向の一方側に飛び出させる動作を第
1バネ部材の付勢力によって行う。また、第2駆動機構は、移動体を第1方向の他方側に引き込む動作を第2バネ部材の付勢力によって行う。また、第1駆動機構と第2駆動機構は、第1ギヤと第2ギヤが同一方向に回転するように連結され、且つ、第2ワンウェイクラッチの回転可能方向が第1ワンウェイクラッチの回転可能方向と逆方向になっている。本発明は、このような構成により、共通のモータによって第1駆動機構と第2駆動機構を駆動できるとともに、モータの回転方向を切り換えることによって第1駆動機構と第2駆動機構を選択的に駆動できる。そして、バネ力を利用することによって、モータの回転速度とギヤ比によって決まる速度よりも素早く移動体を動かすことができる。従って、コンパクトな構造で、且つ簡単な制御により、移動体に目立つ動きを行わせることができる。
【0008】
本発明において、前記移動体が前記第1方向の一方側の所定位置に移動したとき、前記移動体の前記第1方向の他方側への移動を規制するロック機構を有し、前記ロック機構は、前記第2伝達部材と、前記移動体に設けられたスナップ部と、前記支持体に設けられたロック解除部と、を備え、前記第2伝達部材は、前記第2カムに設けられたカムピンと係合するカム溝が形成された第2伝達部と、前記ガイド軸に沿って前記第1方向に移動する第2伝達部ガイド部と、前記第2伝達部と前記第2伝達部ガイド部との間に配置された弾性部材と、を備え、前記スナップ部は、前記第2伝達部材に対し、前記第1方向と直交する第2方向の一方側から係合する係合部を備え、前記ロック解除部は、前記第2伝達部材に対し、前記第2方向の一方側から当接する第2伝達部材ガイド面を備え、前記第2伝達部材ガイド面は、前記第1方向の他方側に向かうに従って前記第2方向の他方側に後退する傾斜面であることが望ましい。このようにすると、ロック機構によって移動体を飛び出した状態で保持できる。また、ロック機構は、支持体に設けられた傾斜面(第2伝達部材ガイド面)に沿って第2伝達部材が退避方向(第2方向の他方側)に後退してロック解除がなされる。従って、移動体を引き込む際の部材の動作によって自動的にロック解除を行うことができる。
【0009】
本発明において、前記ガイド軸は、前記第1伝達部材をガイドする第1ガイド軸および前記第2伝達部材をガイドする第2ガイド軸を備えることが望ましい。このようにすると、2組のガイド軸に2組の駆動機構をそれぞれ、分離して設けることができる。従って、ギアユニットの構成の単純化および小型化に有利である。また、第1ガイド軸に第1バネ部材を設け、第2ガイド軸に第2バネ部材を設けることにより、バネ力の方向を安定させることができる。
【0010】
本発明において、前記移動体ガイド部は、前記第1ガイド軸に沿って移動する第1ガイド軸ガイド部と、前記第2ガイド軸に沿って移動する第2ガイド軸ガイド部と、を備えることが望ましい。このようにすると、2本のガイド軸によって移動体ガイド部がガイドされるので、移動体の姿勢を安定させることができる。
【0011】
本発明において、前記第1バネ部材は、前記第1伝達部材を介して前記第1ガイド軸ガイド部を前記第1方向の一方側へ付勢し、前記第2バネ部材は、前記第2伝達部材を介して前記第2ガイド軸ガイド部を前記第1方向の他方側へ付勢することが望ましい。このようにすると、第1、第2ガイド軸に沿って移動する第1、第2ガイド軸ガイド部に対し、第1、第2伝達部材を介してバネ力を伝達するとともに、第1、第2伝達部材を介して第1、第2カムの駆動力を伝達できる。従って、単純な構造で、モータの駆動力とバネ力を併用して移動体を移動させることができる。
【0012】
本発明において、前記第1カムに設けられたカムピンが前記第1カムの回転中心に対して前記第1方向の他方側に位置する死点に位置決めされると、前記第1バネ部材が前記第1伝達部材と前記支持体との間で圧縮状態で保持され、前記第2カムに設けられたカムピンが前記第2カムの回転中心に対して前記第1方向の一方側に位置する死点に位置決めさ
れると、前記第2バネ部材が前記第2伝達部材と前記支持体との間で圧縮状態で保持されることが望ましい。このようにすると、回転カムの死点を利用して、第1バネ部材および第2バネ部材を圧縮状態で保持できる。また、回転カムが死点から外れるときにバネ力による動作を行わせることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、移動体の動作をバネ力によって行うので、モータの回転速度とギヤ比によって決まる速度よりも素早く移動体を動かすことができる。また、第1駆動機構と第2駆動機構は、第1ギヤと第2ギヤが同一方向に回転するように連結され、且つ、第2ワンウェイクラッチの回転可能方向が第1ワンウェイクラッチの回転可能方向と逆方向になっている。従って、コンパクトな構造で、且つ、簡単な制御により、移動体に目立つ動きを行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明を適用したギアユニットを備える遊技機用操作装置の動作説明図である。
図2】ギアユニットおよび操作体をケースから取り外した遊技機用操作装置の斜視図である。
図3】ケースを取り外した遊技機用操作装置を第1駆動機構側から見た分解斜視図である。
図4】ケースを取り外した遊技機用操作装置を第2駆動機構側から見た分解斜視図である。
図5】第1駆動機構および第2駆動機構の説明図である。
図6】第1カムおよび第2カムの縦断面図である。
図7】ギアユニットおよび操作体の動作説明図(初期状態)である。
図8】ギアユニットおよび操作体の動作説明図(飛び出し状態)である。
図9】ギアユニットおよび操作体の動作説明図(引き込み状態)である。
図10】ギアユニットおよび操作体の側面図である。
図11】ロック機構の斜視図である。
図12】操作体の内部構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したギアユニットを備える遊技機用操作装置の実施の形態を説明する。
【0016】
(遊技機用操作装置)
図1は本発明を適用したギアユニットを備える遊技機用操作装置の動作説明図であり、図1(a)は操作体が飛び出していない状態、図1(b)は操作体が飛び出した状態を示す。また、図2はギアユニットおよび操作体をケースから取り外した遊技機用操作装置の斜視図である。遊技機用操作装置1は、箱型のケース2と、ケース2の上端に配置される操作体3と、ケース2の内部に配置されるギアユニット4と、ギアユニット4の駆動源であるモータ5と、モータ5を制御する制御部100(図2参照)を備える。本明細書において、第1方向Z、第2方向Y、第3方向Xの3方向は互いに直交する方向であり、第1方向Zの一方側を+Z、他方側を−Zで示し、第2方向Yの一方側を+Y、他方側を−Yで示し、第3方向の一方側を+X、他方側を−Xで示す。第1方向Zは操作体3の移動方向であり、+Z方向が操作体3の飛び出し方向(反支持体側)、−Z方向が操作体3の引き込み方向(支持体側)である。
【0017】
操作体3は第3方向Xに長い横長のレバーである。操作体3は、ケース2の上端に設けられた凹部6に収容される引き込み位置3A(図1(a)参照)と、凹部6から+Z方向
に飛び出した飛び出し位置3B(図1(b)参照)に移動する。操作体3は、飛び出し位置3Bに移動すると、遊技者による操作が可能になる。本形態では、第3方向Xに延在する揺動軸Lを中心とする揺動方向R(図1(b)参照)に操作体3を揺動させる操作を行うことができる。
【0018】
遊技機用操作装置1は、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機に設けられる。遊技機は、遊技球が移動する領域やリール等が設けられた遊技盤を備える。遊技盤には、遊技球を案内する部材や可動役物、遊技球を受け入れる入賞口などが設けられる。また、遊技機には、演出用の各種の装置が設けられるとともに、遊技に伴う制御を行う制御ユニットが設けられる。制御ユニットは、遊技球の動きやリール等の状態に応じて入賞や大当たりなどを発生させるとともに、演出用の装置を制御して遊技を盛り上げる演出を行う。例えば、演出として、発光部を所定の態様で発光させる演出、表示部に所定の表示を行う演出、音声や効果音による演出などを行う。遊技機用操作装置1を制御する制御部100は、遊技機の制御ユニット内に設けられる。あるいは、遊技機の制御ユニットとは別に制御部100を設け、遊技機の制御ユニットからの制御信号に基づいて制御部100が遊技機用操作装置1を制御してもよい。
【0019】
遊技機は、通常遊技中に特別遊技の発生条件を満たした場合、例えば所定の入賞口に遊技球が入賞した場合に通常遊技から特別遊技に移行する。特別遊技は、通常遊技とは異なる遊技である。例えば、特別遊技中に所定の入賞口に遊技球が入賞した場合、通常遊技中には行われない有利な条件で遊技を行うことができる。また、特別遊技中は、通常遊技中とは異なる特別演出が行われる。
【0020】
遊技機には、遊技球が払い出される皿が設けられる。遊技機用操作装置1は、遊技球が払い出される皿の近傍に設けられる。なお、皿の近傍とは異なる位置に遊技機用操作装置1を設けてもよい。遊技機用操作装置1の制御部100は、遊技機が通常遊技を行う間は、操作体3を引き込み位置3Aに保持する。引き込み位置3Aは、遊技者が操作体3を操作することができない位置である。また、制御部100は、遊技機が通常遊技から特別遊技に移行すると、操作体3を飛び出し位置3Bに飛び出させる。飛び出し位置3Bは、遊技者が操作体3を操作することができる位置である。制御部100は、遊技機が特別遊技を行う間は、操作体3を飛び出し位置3Bに保持する。遊技機が特別遊技を行う間は、操作体3の位置や動きに基づいて遊技や演出の制御が行われる。
【0021】
ケース2は、上端が開口する箱型の第1ケース7Aと、第1ケース7Aの上端開口に取り付けられる第2ケース7Bを備える。第1ケース7Aの内部には、第2方向Yに延在する第1壁8Aと第2壁8Bが設けられている。ギアユニット4は、第1壁8Aと第2壁8Bの間に配置され、第1壁8Aと第2壁8Bによって第3方向Xの両側から支持される。第1壁8Aには、ギアユニット4から+X方向に突出する支点部4Aと係合する係合凹部801が形成されている。また、第2壁8Bには、ギアユニット4から−X方向に突出する支点部4Bと係合する係合凹部802が形成されている。操作体3はギアユニット4の上端に取り付けられ、第2ケース7Bの凹部6に形成された開口部9を通ってケース2の外部に配置されている。
【0022】
(ギアユニット)
図3はケース2を取り外した遊技機用操作装置1を第1駆動機構側から見た分解斜視図であり、図4はケース2を取り外した遊技機用操作装置1を第2駆動機構側から見た分解斜視図である。ギアユニット4は、操作体3が取り付けられる移動体10と、移動体10をZ軸方向に移動可能に支持する支持体20と、移動体10を第1方向Zの一方側(+Z方向)に移動させる駆動機構としての第1駆動機構30と、移動体10を第1方向Zの他方側(−Z方向)に移動させる駆動機構としての第2駆動機構40と、検出機構50を備
える。検出機構50は、移動体10、第1駆動機構30、および第2駆動機構40の動作を検出する。
【0023】
支持体20は、第3方向Xに長い板状のベース部材21と、ベース部材21から第1方向Zの一方側(+Z方向)に延びる4本のガイド軸22〜25と、ベース部材21の+X方向の端部、および、−X方向の端部に配置される支柱60、70と、ベース部材21の中央に配置されるフレーム26を備える。4本のガイド軸22〜25は、第1駆動機構30が設けられる側(−Y方向側)に位置する2本の第1ガイド軸22、23と、第2駆動機構40が設けられる側(+Y方向側)に位置する2本の第2ガイド軸24、25からなる。第1ガイド軸22、23と第2ガイド軸24、25は、それぞれ第3方向Xに所定寸法離れて配置される。フレーム26は、第1ガイド軸22、23の間、および第2ガイド軸24、25の間に配置される。
【0024】
ベース部材21の+X方向の端部には、第1ガイド軸22と第2ガイド軸24、および支柱60が固定されている。支柱60は、第1ガイド軸22の−Z方向の端部に装着される第1ガイド軸固定部61と、第2ガイド軸24の+Z方向の端部に装着される第2ガイド軸固定部62を備える。第1ガイド軸固定部61は支柱60の−Z方向の端部から第1ガイド軸22に向けて−X方向に突出する。また、第2ガイド軸固定部62は支柱60の+Z方向の端部から第2ガイド軸24に向けて−X方向に突出する。また、支柱60には上述した支点部4Aが形成されている。支点部4Aは、支柱60の+Z方向の端部から+X方向に突出する筒状部63と、筒状部63から径方向に突出する突出部64を備える。
【0025】
ベース部材21の−X方向の端部には、第1ガイド軸23と第2ガイド軸25、および支柱70が固定されている。支柱70は、第1ガイド軸23の−Z方向の端部に固定される第1ガイド軸固定部71と、第2ガイド軸25の−Z方向の端部に固定される第2ガイド軸固定部72を備える。第1ガイド軸固定部71は支柱70の−Z方向の端部から第1ガイド軸23に向けて+X方向に突出する。また、第2ガイド軸固定部72は支柱70の+Z方向の端部から第2ガイド軸25に向けて+X方向に突出する。また、支柱70には上述した支点部4Bが形成されている。支点部4Bは、支柱70の+Z方向の端部から−X方向に突出する筒状部73と、筒状部73から径方向に突出する突出部74を備える。支点部4A、4Bは、操作体3を揺動させる操作に伴い移動体10が移動する際の支点となっている。支点部4Bには、移動体10の変位を検出する変位検知部75が設けられている。変位検知部75は、筒状部73の中心から−X方向に突出するDカット軸76を備えており、移動体10の変位に伴うDカット軸76の回転を検出する。
【0026】
検出機構50は、センサ51〜53および被検出部54〜56を備える。図3に示すように、支柱60には第1駆動機構30の動作を検出するセンサ51が第1方向Zに離れた2か所に取り付けられ、且つ、第2駆動機構40の動作を検出するセンサ52が第1方向Zに離れた2か所に取り付けられている。また、図4に示すように、支柱70には移動体10の位置を検出するセンサ53が第1方向Zに離れた2か所に取り付けられている。第1駆動機構30にはセンサ51による検出位置を経由して移動する被検出部54が設けられ、第2駆動機構40はセンサ52による検出位置を経由して移動する被検出部55が設けられている。また、移動体10にはセンサ53による検出位置を経由して移動する被検出部56が設けられている。センサ51〜53の信号は制御部100に入力される。制御部100は、センサ51〜53の信号に基づいて遊技機用操作装置1を駆動する。
【0027】
移動体10は、第1ガイド軸22および第2ガイド軸24に沿って第1方向Zに移動する移動体ガイド部11と、第1ガイド軸23および第2ガイド軸25に沿って第1方向Zに移動する移動体ガイド部12を備える。操作体3の下端には、移動体ガイド部11の上端に嵌る第1凸部301と、移動体ガイド部12の上端に嵌る第2凸部302が形成され
ている。第1凸部301および第2凸部302を介して、操作体3、移動体ガイド部11、および移動体ガイド部12の3部材が一体に連結される。操作体3が引き込み位置3Aから飛び出し位置3Bまでの範囲を移動するとき、移動体ガイド部11は下端位置11A(図3図4図7参照)から上端位置11B(図8参照)までの範囲を移動し、移動体ガイド部12は下端位置12A(図3図4図7参照)から上端位置12B(図8参照)までの範囲を移動する。
【0028】
移動体ガイド部11は、第1ガイド軸22に沿って移動する第1ガイド軸ガイド部13と、第2ガイド軸24に沿って移動する第2ガイド軸ガイド部14と、連結部15を備える。第2ガイド軸ガイド部14は筒状であり、第1方向Zに所定の長さで延在する連結部15の−Z方向の端部に設けられる。移動体ガイド部11は、下端位置11Aに位置するとき、第2ガイド軸ガイド部14が支柱60の第2ガイド軸固定部62に当接する。移動体ガイド部11の−Z方向側の移動範囲は、第2ガイド軸固定部62によって規制される。
【0029】
同様に、移動体ガイド部12は、第1ガイド軸23に沿って移動する第1ガイド軸ガイド部16と、第2ガイド軸25に沿って移動する第2ガイド軸ガイド部17と、連結部18を備える。第2ガイド軸ガイド部16は筒状であり、第1方向Zに所定の長さで延在する連結部18の−Z方向の端部に設けられる。移動体ガイド部12は、下端位置12Aに位置するとき、第2ガイド軸ガイド部17が支柱70の第2ガイド軸固定部72に当接する。移動体ガイド部12の−Z方向側の移動範囲は、第2ガイド軸固定部72によって規制される。
【0030】
移動体ガイド部11の第1ガイド軸ガイド部13、および移動体ガイド部12の第1ガイド軸ガイド部16は、それぞれ、第2ガイド軸ガイド部14、17よりも長い筒状であり、連結部15、18の+Z方向の端部に設けられる。第1ガイド軸ガイド部13、16の上端には、上述した操作体3の第1凸部301および第2凸部302が嵌る開口端部が設けられている。
【0031】
図3に示すように、移動体ガイド部12の連結部18には、支柱70に向けて−X方向に突出する被検出部56が形成されている。被検出部56は、移動体ガイド部12が下端位置12Aに位置するときに支柱70に設けられたセンサ53の一方によって検出される。また、移動体ガイド部12が上端位置12Bに位置するときに、支柱70に設けられたセンサ53の他方によって被検出部56が検出される。つまり、センサ53および被検出部56は、移動体ガイド部12が下端位置12Aおよび上端位置12Bに移動したことを検出する。
【0032】
(駆動機構)
図5は第1駆動機構30および第2駆動機構40の説明図であり、2つの駆動機構を分離した状態を第2駆動機構40の側(+Y方向側)から見た状態を示す。また、図6は第1カムおよび第2カムの縦断面図である。第1駆動機構30は、第1ギヤ31と、第1ギヤ31の回転軸上に設けられた第1ワンウェイクラッチ32と、第1ワンウェイクラッチ32を介して第1ギヤ31の回転が伝達される第1カム33と、第1カム33の回転によって第1方向Zに移動する第1伝達部材34と、第1伝達部材34を第1方向Zの一方側へ付勢する第1バネ部材35と、第1ギヤ31にモータ5の回転を伝達する第1ギヤ列36を備える。第1ギヤ列36は、ピニオン361、伝達ギヤ362、および出力ギヤ363を備える。ピニオン361はモータ5の出力軸に固定される。出力ギヤ363はピニオン361と噛み合う。伝達ギヤ362は、出力ギヤ363と噛み合う大径歯車部および第1ギヤ31と噛み合う小径歯車部を備える。
【0033】
第2駆動機構40は、第2ギヤ41と、第2ギヤ41の回転軸上に設けられた第2ワンウェイクラッチ42と、第2ワンウェイクラッチ42を介して第2ギヤ41の回転が伝達される第2カム43と、第2カム43の回転によって第1方向Zに移動する第2伝達部材44と、第2伝達部材44を第1方向Zの他方側へ付勢する第2バネ部材45と、第2ギヤ41に第1駆動機構30の出力ギヤ363の回転を伝達する第2ギヤ列46を備える。第2ギヤ列46は、入力ギヤ461および伝達ギヤ462を備える。入力ギヤ461は、第1駆動機構30の出力ギヤ363と同軸に配置される。伝達ギヤ462は、入力ギヤ461と噛み合う大径歯車部、および第2ギヤ41と噛み合う小径歯車部を備える。
【0034】
第1駆動機構30の出力ギヤ363と第2駆動機構40の入力ギヤ461は、軸体38の両端に組み付けられている。従って、出力ギヤ363と入力ギヤ461は一体に回転し、第1駆動機構30の第1ギヤ31と第2駆動機構40の第2ギヤ41に同一方向の回転を伝達する。つまり、第1駆動機構30と第2駆動機構40は、第1ギヤ31と第2ギヤ41が同一方向に回転するように連結されている。
【0035】
図6に示すように、第1駆動機構30は、第1ギヤ31と第1カム33の回転中心を通るように配置された軸体37を備えており、軸体37と第1ギヤ31は一体に回転する。一方、軸体37と第1カム33の間には第1ワンウェイクラッチ32が設けられている。第1ワンウェイクラッチ32は、軸体37が予め設定した第1回転方向R1(図5参照)に回転するときは軸体37の回転を第1カム33に伝達し、軸体37が第1回転方向R1と逆方向の第2回転方向R2に回転するときは軸体37の回転を第1カム33に伝達しないように構成されている。
【0036】
同様に、第2駆動機構40は、第2ギヤ41と第2カム43の回転中心を通るように配置された軸体47を備えており、軸体47と第2ギヤ41は一体に回転する。一方、軸体47と第2カム43の間には第2ワンウェイクラッチ42が設けられている。第2ワンウェイクラッチ42は、軸体47が第1回転方向R1と逆向きの第2回転方向R2に回転するときは軸体47の回転を第2カム43に伝達し、軸体47が第1回転方向R1に回転するときは軸体47の回転を第2カム43に伝達しない。つまり、第1駆動機構30と第2駆動機構40は、第2ワンウェイクラッチ42の回転可能方向が、第1ワンウェイクラッチ32の回転可能方向と逆方向となるように構成されている。
【0037】
第1駆動機構30および第2駆動機構40は、支持体20のベース部材21に固定されるフレーム26(図3図4図6参照)によって支持される。フレーム26は、第1駆動機構30およびモータ5を支持する第1側板部261と、第2駆動機構40を支持する第2側板部262と、第1側板部261と第2側板部262とを連結する上板部263を備える。第1側板部261と第2側板部262は第2方向Yに所定寸法離れた位置に配置される。モータ5は、第1側板部261に設けられた貫通孔に−Y方向側から取り付けられる。モータ5の出力軸は、第1側板部261の+Y方向側に突出し、第1駆動機構30のピニオン361と連結される。第1側板部261+Y方向側の面には、第1ギヤ31および第1ギヤ列36を構成する歯車が−Y方向側から回転可能に組み付けられる。また、第1ギヤ31の回転中心を通る軸体37および第1ワンウェイクラッチ32を介して、第1カム33が第1側板部261に回転可能に組み付けられる。
【0038】
第1駆動機構30の出力ギヤ363と第2駆動機構40の入力ギヤ461とを連結する軸体38は、フレーム26の第2側板部262に設けられた貫通孔を通り、第2側板部262の−Y方向側に突出する。第2側板部262−Y方向側の面には、第2ギヤ41および第2ギヤ列46を構成する歯車が−Y方向側から回転可能に組み付けられる。また、第2ギヤ41の回転中心を通る軸体47および第2ワンウェイクラッチ42を介して、第2カム43が第2側板部262に回転可能に組み付けられる。
【0039】
第1伝達部材34は、第3方向Xに延在する直線状の第1伝達部341と、第1伝達部341の両端に設けられた第1伝達部ガイド部342、343を備える。第1伝達部ガイド部342は第1ガイド軸22にスライド可能に装着され、第1伝達部ガイド部343は第1ガイド軸23にスライド可能に装着される。従って、第1伝達部材34は、第1ガイド軸22、23に沿って第1方向Zに移動可能に支持される。
【0040】
第1ガイド軸22、23には、それぞれ、第1伝達部材34を+Z方向側に付勢する第1バネ部材35が取り付けられている。第1バネ部材35はコイルばねであり、第1伝達部ガイド部342、343に対して−Z方向側から当接する。上述したように、第1ガイド軸22の−Z方向側の端部には支柱60の第1ガイド軸固定部61が固定され、第1ガイド軸23の−Z方向側の端部には支柱70の第1ガイド軸固定部71が固定されている。第1バネ部材35は、第1ガイド軸固定部61と第1伝達部ガイド部342の間、および、第1ガイド軸固定部71と第1伝達部ガイド部343の間に圧縮状態で配置される。従って、第1伝達部材34は、第1バネ部材35によってその両端が+Z方向に付勢される。
【0041】
第1伝達部ガイド部342、343の−Z方向側には、第1ガイド軸22にスライド可能に取り付けられた移動体ガイド部11の第1ガイド軸ガイド部13、および、第1ガイド軸23にスライド可能に取り付けられた移動体ガイド部12の第1ガイド軸ガイド部16が配置されている。すなわち、第1駆動機構30は、第1伝達部材34を介して、第1バネ部材35によって移動体10の移動体ガイド部11、12を+Z方向に付勢する。
【0042】
第1伝達部材34は、第1伝達部341に形成されたカム溝344を備える。カム溝344には、第1駆動機構30の第1カム33に形成されたカムピン39が係合する。第1伝達部材34は、第1カム33が1回転する間に、カムピン39によって第1方向Zに1往復させられる。上述したように、第1カム33には、第1ワンウェイクラッチ32を介して第1回転方向R1の回転が伝達される。従って、モータ5によって第1ギヤ31が第1回転方向R1に回転すると、カムピン39を介して第1伝達部材34が下端位置34A(図8参照)と上端位置34B(図7参照)の間を移動する。
【0043】
第2駆動機構40の第2伝達部材44、第2バネ部材45、および第2カム43は、第2バネ部材45による第2伝達部材44の付勢方向が第1バネ部材35による第1伝達部材34の付勢方向と逆であること、および、第2カム43の回転方向(第2回転方向R2)が第1カム33の回転方向(第1回転方向R1)と逆方向であることを除き、上述した第1駆動機構30の第1伝達部材34、第1バネ部材35、および第1カム33と同様に構成されている。すなわち、第2伝達部材44は、第3方向Xに延在する直線状の第2伝達部441と、第2伝達部441の両端に設けられた第2伝達部ガイド部442、443を備える。第2伝達部材44は、第2ガイド軸24,25にスライド可能に装着された第2伝達部ガイド部442、443を介して、第2ガイド軸24、25に沿って第1方向Zに移動可能に支持される。
【0044】
第2バネ部材45はコイルばねであり、第2伝達部ガイド部442、443に対して+Z方向側から当接する。第2バネ部材35は、第2ガイド軸固定部62と第2伝達部ガイド部442の間、および、第2ガイド軸固定部72と第1伝達部ガイド部343の間に圧縮状態で配置される。従って、第2伝達部材44は、第2バネ部材45によってその両端が−Z方向側に付勢される。
【0045】
第2伝達部ガイド部442、443の−Z方向側には、第2ガイド軸24にスライド可能に取り付けられた移動体ガイド部11の第2ガイド軸ガイド部14、および、第2ガイ
ド軸25にスライド可能に取り付けられた移動体ガイド部12の第2ガイド軸ガイド部17が配置されている。すなわち、第2駆動機構40は、第2伝達部材44を介して、第2バネ部材45によって移動体10の移動体ガイド部11、12を−Z方向に付勢する。
【0046】
第2伝達部材44は、第2伝達部441に形成されたカム溝444を備える。カム溝444には、第2駆動機構40の第2カム43に形成されたカムピン49が係合する。第2伝達部材44は、第2カム43が1回転する間に、カムピン49によって第1方向Zに1往復させられる。上述したように、第2カム33には、第2ワンウェイクラッチ42を介して第2回転方向R2の回転が伝達される。従って、モータ5によって第2ギヤ41が第2回転方向R2に回転すると、カムピン49を介して第2伝達部材44が下端位置44A(図7参照)と上端位置44B(図8参照)の間を移動する。
【0047】
第1駆動機構30と第2駆動機構40は、モータ5の回転方向の切り換えによってどちらか一方だけが選択的に駆動される。すなわち、上述したように、第1ギヤ31と第2ギヤ41は、モータ5の回転に基づいて同一方向に回転する。そして、第1回転方向R1への回転時には、第1ワンウェイクラッチ32を介して第1カム33に回転が伝達されるので、第1伝達部材34だけが第1方向Zに移動する。一方、第2回転方向R2への回転時には、第2ワンウェイクラッチ42を介して第2カム43に回転が伝達されるので、第2伝達部材44だけが第1方向Zに移動する。
【0048】
(操作体の飛び出し動作および引き込み動作)
図7図9はギアユニットおよび操作体の動作説明図であり、フレーム26の図示を省略した図である。図7図9において、(a)は第1駆動機構30の側から見た図、(b)は第2駆動機構40の側から見た図を示す。図7は操作体3が飛び出す前の状態(待機状態)を示し、図8は操作体3が飛び出し位置3Bに飛び出した状態(飛び出し状態)を示し、図9は操作体3を引き込み位置3Aに引き込んだ状態(引き込み状態)を示す。遊技機用操作装置1の制御部100は、遊技機が通常遊技状態である間は、ギアユニット4を図7に示す待機状態にして遊技機用操作装置1を待機させる。図7に示すように、待機状態は、第1伝達部材34が下端位置34Aに位置し、第2伝達部材44が上端位置44Bに位置する状態である。また、図8に示すように、飛び出し状態は、第1伝達部材34が上端位置34Bに位置し、第2伝達部材44が上端位置44Bに位置する状態である。そして、図9に示すように、引き込み状態は、第1伝達部材34が下端位置34Aに位置し、第2伝達部材44が下端位置44Aに位置する状態である。
【0049】
上述したように、操作体3は、移動体10の移動体ガイド部11、12に取り付けられている。そして、移動体ガイド部11、12には第1駆動機構30の第1伝達部材34が−Z方向側から当接し、且つ、第2駆動機構40の第2伝達部材44が+Z方向側から当接する。従って、移動体10は、第1伝達部材34を下端位置34Aから上端位置34Bに向けて+Z方向に移動させるように第1駆動機構30を駆動することにより、+Z方向に押し上げられる。これにより、操作体3が+Z方向に飛び出す。また、移動体10は、第2伝達部材44を上端位置44Bから下端位置44Aに向けて−Z方向に移動させるように第2駆動機構40を駆動することにより、−Z方向に引き下げられる。これにより、操作体3が−Z方向に引き込まれる。
【0050】
(飛び出し動作)
第1駆動機構30は、第1伝達部材34が下端位置34Aに位置するとき、カムピン39は第1カム33の回転中心P1に対して−Z方向側に位置する下死点39A(図7(b)、図9(b)参照)に位置決めされる。また、第1伝達部材34が上端位置34Bに位置するとき、カムピン39は第1カム33の回転中心P1に対して+Z方向側に位置する上死点39B(図8(b)参照)に位置決めされる。下死点39Aおよび上死点39Bは
、第1バネ部材35の付勢力が第1伝達部材34を介してカムピン39に加わったとき、カムピン39に加わる力が回転方向の成分を含まない位置である。従って、カムピン39が下死点39Aおよび上死点39Bに位置決めされた状態では、第1カム33は第1バネ部材35の付勢力で回転することはなく、第1バネ部材35は圧縮状態で保持される。
【0051】
カムピン39が下死点39Aに位置決めされた状態(図7(b)参照)でモータ5が駆動され、第1カム33が上死点39Bに向けて回転を始めると、カムピン39が下死点39Aから外れる。このとき、カムピン39に作用する第1バネ部材35の付勢力は、回転方向(第1回転方向R1)と同じ方向の成分を含む。従って、このときは、カムピン39はモータ5の回転速度とギヤ比によって決まる速度ではなく、第1バネ部材35の付勢力によって決まる速度で回転する。よって、第1伝達部材34は、下端位置34Aから上端位置34Bまで移動するときは、モータ5の回転速度とギヤ比によって決まる速度ではなく、第1バネ部材35の付勢力によって決まる移動速度で移動する。つまり、操作体3は、飛び出し動作の際には、バネ力に応じた速度で移動する。
【0052】
一方、カムピン39が上死点39Bに位置決めされた状態でモータ5が駆動され、第1カム33が下死点39Aに向けて回転を始めるときは、カムピン39が上死点39Bから外れたことによってカムピン39に作用する第1バネ部材35の付勢力は、回転方向(第1回転方向R1)とは逆向きの成分を含む。従って、このときは、カムピン39は第1バネ部材35の付勢力に抗してモータ5の駆動力によって回転することになる。従って、カムピン39の回転速度はモータ5の回転速度とギヤ比によって決まる速度となるので、第1伝達部材34は、モータ5の回転速度とギヤ比によって決まる速度で上端位置34Bから下端位置34Aまでが移動する。また、このとき、第1バネ部材35が第1伝達部材34によって圧縮される。カムピン39が下死点39Aに戻ると、第1バネ部材35は再び圧縮状態で保持される。
【0053】
(引き込み動作)
第2伝達部材44は、第2バネ部材45によって−Z方向に付勢されている。従って、第2伝達部材44が第2バネ部材45による付勢方向に移動するとき、すなわち第2伝達部材44が上端位置44Bから下端位置44Aへ向けて−Z方向に移動するときは、第2カム43の回転速度によって決まる移動速度ではなく、第2バネ部材45の付勢力によって決まる移動速度で第2伝達部材44が移動する。つまり、操作体3は、飛び出し位置3Bから引き込み位置3Aに向けて−Z方向に引っ込むときは、第2バネ部材45の付勢力(バネ力)による移動速度で引っ込む。
【0054】
第2駆動機構40は、第2伝達部材44が下端位置44Aに位置するとき、カムピン49は第2カム43の回転中心P2に対して−Z方向側に位置する下死点49Aに位置決めされる。また、第2伝達部材44が上端位置44Bに位置するとき、カムピン49は第2カム43の回転中心P2に対して+Z方向側に位置する上死点49Bに位置決めされる。第1駆動機構30と同様に、下死点49Aおよび上死点49Bは、第2バネ部材45の付勢力が第2伝達部材44を介してカムピン49に加わったとき、カムピン49に加わる力が回転方向の成分を含まない位置である。従って、カムピン49が下死点49Aおよび上死点49Bに位置決めされた状態では、第1カム43は第2バネ部材45の付勢力で回転することはなく、第2バネ部材45は圧縮状態で保持される。
【0055】
カムピン49が下死点49Aに位置決めされた状態でモータ5が駆動され、第2カム43が上死点49Bに向けて回転を始めると、カムピン49が下死点49Aから外れる。このとき、カムピン49に作用する第2バネ部材45の付勢力は、回転方向(第2回転方向R2)と逆方向の成分を含む。従って、このときは、カムピン49は第2バネ部材45の付勢力に抗してモータ5の駆動力によって回転することになる。その結果、カムピン49
の回転速度はモータ5の回転速度とギヤ比によって決まる速度となり、モータ5の回転速度とギヤ比によって決まる速度で下端位置44Aから上端位置44Bまで第2伝達部材44が移動する。また、このとき、第2バネ部材45が第2伝達部材44によって圧縮される。カムピン49が上死点49Bに戻ると、第2バネ部材45は再び圧縮状態で保持される。
【0056】
一方、カムピン49が上死点49Bに位置決めされた状態でモータ5が駆動され、第2カム43が下死点49Aに向けて回転を始めるときは、カムピン49が上死点49Bから外れたことによってカムピン49に作用する第2バネ部材45の付勢力は、回転方向(第2回転方向R2)の成分を含む。従って、このときは、カムピン49はモータ5の回転速度とギヤ比によって決まる速度ではなく、第2バネ部材45の付勢力によって決まる速度で回転する。よって、第2伝達部材44は、上端位置44Bから下端位置44Aまで移動するときは、モータ5の回転速度とギヤ比によって決まる速度ではなく、第2バネ部材45の付勢力によって決まる移動速度で移動する。つまり、操作体3は、引き込み動作の際には、モータ5の回転速度とギヤ比によって決まる速度で移動する。
【0057】
(ロック機構)
ギアユニット4は、操作体3を飛び出し位置3Bに飛び出させた状態で移動体10の−Z方向への移動を規制するロック機構80を備える。ロック機構80は、移動体10を第1方向Zの一方側(+Z方向側)の所定位置で保持する。本形態では、移動体10が保持される位置は、移動体ガイド部11、12の上端位置11B、12Bである。ロック機構80は、移動体ガイド部11、12が上端位置11B、12Bから下端位置11A、下端位置12Aへ向けて−Z方向に移動することを規制する。
【0058】
図11はロック機構80の斜視図である。以下、図7図11を参照して、ロック機構80について説明する。図7(b)、図8(b)、図9(b)に示すように、ロック機構80は第2駆動機構40に設けられる。ロック機構80は、第2伝達部材44と、移動体10に設けられたスナップ部81と、支持体20に設けられたロック解除部90とを備える。スナップ部81は第3方向Xに直線状に延在する。スナップ部81は、第3方向Xの両端に形成された固定部82、83を介して、移動体ガイド部11の第2ガイド軸ガイド部14、および移動体ガイド部12の第2ガイド軸ガイド部17に固定されている。従って、スナップ部81は移動体ガイド部11、12と一体になって第1方向Zに移動する。
【0059】
スナップ部81は、+X方向に突出する係合部84、85を備える。係合部84、85は、スナップ部81の第3方向Xの中央を基準として対称な2箇所に配置される。図10図11に示すように、係合部84、85の+Z方向の先端には−Y方向に突出する爪部86が形成されている。図8(b)に示すように、係合部84、85は、第2伝達部材44の第2伝達部441に対し、第1方向Zと直交する第2方向Yの一方側(+Y方向)から係合する。係合部84、85が第2伝達部441と係合することにより、爪部86によってスナップ部81の−Z方向への移動が規制される。その結果、スナップ部81が固定された移動体ガイド部11、12の−Z方向への移動が規制され、移動体10および操作体3の−Z方向への移動が規制される。
【0060】
上述したように、第2伝達部材44は、カム溝444が形成された第2伝達部441と、第2ガイド軸24、25に沿って第1方向Zに移動する第2伝達部ガイド部442、443とを備える。第2伝達部441と第2伝達部ガイド部442との間、および第2伝達部441と第2伝達部ガイド部443との間には、それぞれ、第2方向Yに伸縮可能な弾性部材445が配置されている。第2伝達部441は、弾性部材445によって+Y方向側に付勢されている。また、第2伝達部441の+Y方向を向く面には、カム溝444の第3方向Xの両側にそれぞれ、第1方向Zに延在する溝部446、447が形成されてい
る。
【0061】
ロック解除部90は、第1方向Zに延在する2本のロック解除部材91、92を備える。ロック解除部材91、92は第2ガイド軸24、25に対して第3方向Xの内側に配置され、その両端部はフレーム26の側に突出してフレーム26に固定される。図10に示すように、ロック解除部材91、92の両端部を除く部分はフレーム26との間に隙間を空けて配置され、この隙間に第2伝達部材44の第2伝達部441が配置される。第2伝達部441はロック解除部材91、92と直交する方向に延在し、フレーム26とロック解除部材91、92との間を通って第1方向Zに移動する。
【0062】
図11に示すように、ロック解除部材91、92は、それぞれ、第2伝達部材44の第2伝達部441に対して第2方向Yの一方側(+Y方向)から当接する第2伝達部材ガイド面93を備える。第2伝達部材ガイド面93は、第1方向Zの他方側(−Z方向)に向かうに従って第2方向Yの他方側(−Y方向)に移動する傾斜面である。ロック解除部材91、92は第2伝達部441に形成された溝部446、447に配置される。上述したように、第2伝達部441は弾性部材445によって+Y方向側に付勢されているので、第2伝達部441の+Y方向側の面は、弾性部材445によって第2伝達部材ガイド面93に当接する。第2伝達部441は、第1方向Zに移動するとき、第2伝達部材ガイド面93に案内されて第2方向Yに移動する。より具体的には、第2伝達部441は、−Z方向に移動するに従ってスナップ部81が位置する側と逆の側(−Y方向)に退避する。
【0063】
ギアユニット4が図7(b)、図10(a)に示す待機状態であるとき、ロック機構80はロック解除状態80Aである。ロック解除状態80Aでは、スナップ部81の係合部84、85と第2伝達部441との係合状態は解除されている。スナップ部81は第2ガイド軸24、25の下端近傍に位置する。一方、第2伝達部材44は上端位置44Bに位置する。
【0064】
ギアユニット4が図8(b)、図10(b)に示す飛び出し状態であるとき、ロック機構80はロック状態80Bである。ロック状態80Bでは、スナップ部81は上端位置44Bに位置する第2伝達部材44の近傍まで上昇しており、スナップ部81の係合部84、85と第2伝達部441とが係合されている。係合部84、85の爪部86には+Z方向に向かうに従って+Y方向に後退する傾斜面87が形成されている。従って、上述した操作体3の飛び出し動作によって移動体ガイド部11、12が+Z方向に移動するとき、第2伝達部441が傾斜面87を押圧して係合部84、85を+Y方向に撓ませる。第2伝達部441が傾斜面87を乗り越えると、係合部84、85の撓みが解消され、爪部86が第2伝達部441に対して+Z方向側から係合する。つまり、ロック機構80は、操作体3の飛び出し動作により、自動的にロック状態80Bが形成される。
【0065】
ロック機構80は、ギアユニット4が図8(b)、図10(b)に示す飛び出し状態から図9(b)、図10(c)に示す引き込み状態に移行するとき、自動的にロック解除が行われる。引き込み状態への移行時には、第2伝達部材44か下端位置44Aに向けて−Z方向に移動するが、このとき、上述したように第2伝達部材ガイド面93にガイドされて第2伝達部441が移動する。第2伝達部441の移動方向は、−Z方向に向かうに従って−Y方向(スナップ部81が位置する側と逆の側)に向かう方向である。従って、第2伝達部材44を下端位置44Aに向けて移動させることにより、第2伝達部441と係合部84、85との係合状態が解除される。
【0066】
(操作体の内部構造)
図12は操作体3の内部構造を示す分解図である。操作体3は、ケース303と、ケース303に内蔵される発光部304を備える。発光部304は、遊技機用操作装置1の制
御部100からの制御信号に基づき、所定の態様で発光する。例えば、制御部100は、操作体3の飛び出し動作が行われるとき、所定の態様で発光部304を発光させる。また、遊技者によって操作体3の操作が行われたとき、操作に応じた態様で発光部304を発光させる。あるいは、遊技の状況に応じた態様で発光部304を発光させる。例えば、発光部304として、1列に配列したLEDを発光させながら回転させて残像で文字や図柄を表示させるバーサライタを用いることができる。
【0067】
操作体3は、発光部304でなく振動部を内蔵していてもよい。また、発光部304と振動部の両方を内蔵していてもよい。振動部を内蔵させた場合は、操作体3を遊技者の操作や遊技状況に応じた態様で振動を行わせる。
【0068】
(作用効果)
以上のように、本形態のギアユニット4は、移動体10を第1方向Zに移動させる第1駆動機構30と第2駆動機構40を備えている。第1駆動機構30は、移動体10を第1方向Zの一方側(+Z方向)に飛び出させる動作を第1バネ部材35の付勢力によって行う。また、第2駆動機構40は、移動体10を第1方向Zの他方側(−Z方向)に引き込む動作を第2バネ部材45の付勢力によって行う。また、第1駆動機構30と第2駆動機構40は、第1ギヤ31と第2ギヤ41が同一方向に回転するように連結され、且つ、第2ワンウェイクラッチ42の回転可能方向が第1ワンウェイクラッチ32の回転可能方向と逆方向になっている。本発明は、このような構成により、共通のモータ5によって第1駆動機構30と第2駆動機構40を駆動できるとともに、モータ5の回転方向を切り換えることによって第1駆動機構30と第2駆動機構40を選択的に駆動できる。そして、バネ力を利用することによって、モータ5の回転速度とギヤ比によって決まる速度よりも素早く移動体10を動かすことができる。従って、コンパクトな構造で、且つ簡単な制御により、移動体10に目立つ動きを行わせることができる。また、駆動源として1つのモータ5を設けるだけでよいので、小型化およびコスト削減に有利である。
【0069】
また、本形態のギアユニット4はロック機構80を備えているので、移動体10および操作体3を飛び出した状態で保持できる。また、ロック機構80は、支持体20に設けられた傾斜面(第2伝達部材ガイド面93)に沿って第2伝達部材44が動くことによって第2伝達部材44が退避方向(−Y方向)に移動し、ロック解除が行われる。更に、スナップ部81に形成された係合部84、85には傾斜面87が形成されており、傾斜面87を第2伝達部材44が乗り越えることによってロック状態が形成される。従って、移動体10を飛び出させる際、および引き込む際の部材の動作により、自動的にロック状態およびロック解除状態を切り換えることができる。
【0070】
本形態のギアユニット4は、第1伝達部材34をガイドする第1ガイド軸22、23および第2伝達部材44をガイドする第2ガイド軸24、25を備える。このように、本形態では、2組のガイド軸に2組の駆動機構をそれぞれ、分離して設けている。従って、ギアユニット4の構成の単純化および小型化に有利である。また、第1ガイド軸22、23に第1バネ部材35を設け、第2ガイド軸24、25に第2バネ部材45を設けているので、バネ力の方向がガイド軸に沿う方向となる。従って、安定したバネ力を加えることができる。
【0071】
本形態では、移動体ガイド部11は、第1ガイド軸ガイド部13と第2ガイド軸ガイド部14により、2本のガイド軸によって第1方向Zに移動可能に支持される。また、移動体ガイド部12は、第1ガイド軸ガイド部16と第2ガイド軸ガイド部17により、2本のガイド軸によって第1方向Zに移動可能に支持される。このようにすると、2本のガイド軸によって移動体ガイド部11、12がガイドされるので、移動体10の姿勢を安定させることができる。
【0072】
本形態では、第1、第2ガイド軸22〜25に沿って移動する移動体ガイド部11、12に対し、第1、第2伝達部材34、44を介してバネ力を伝達するとともに、第1、第2伝達部材34、44を介して第1、第2カム33、43の駆動力を伝達する。従って、単純な構造で、モータ5の駆動力とバネ力を併用して移動体10を移動させることができる。
【0073】
本形態では、第1バネ部材35は、第1カム33のカムピン39が下死点39Aおよび上死点39Bに位置する状態では圧縮状態で保持される。また、第2バネ部材45は、第2カム43のカムピン49が下死点49Aおよび上死点49Bに位置する状態では圧縮状態で保持される。従って、回転カム(第1カム33、第2カム43)の死点を利用して、第1バネ部材35および第2バネ部材45を圧縮状態で保持できる。また、回転カム(第1カム33、第2カム43)が死点から外れるときにバネ力による動作を行わせることができる。
【0074】
本形態のギアユニット4は、遊技機用操作装置1に設けられている。遊技機用操作装置1の操作体3は移動体10に取り付けられているので、移動体10を支持体20から素早く飛び出させることにより、ケース2から操作体3を素早く飛び出させる演出を行うことができる。また、操作体3をバネ力によって飛び出し位置から素早く引き込むことができる。これにより、操作体3を飛び出させるとき、および引き込むときにその動きを目立たせる演出を行うことができるので、遊技者に与える特別感・期待感を高めることができる。また、ロック機構80により、特別演出の間は操作体3を飛び出し位置3Bに保持することができる。従って、操作体3が飛び出していることによって特別感・期待感を高めることができる。
【0075】
例えば、遊技機用操作装置1の制御部100は、遊技機において通常演出が行われる間は、移動体10を支持体20側に保持するようにモータ5を制御して、操作体3を引き込み位置3Aに保持する。また、遊技機において特別演出が発生したときに、移動体10を反支持体側(+Z方向)に飛び出させるようにモータ5を制御して、操作体3を飛び出し位置3Bに保持する。これにより、遊技機において特別演出が発生したときに、操作体3が目立つ動きをする演出を行うことができる。よって、特別演出に対する遊技者の特別感・期待感を高めることができる。
【0076】
本形態では、操作体3は、発光部304もしくは振動部、あるいはその両方を備える。従って、操作体に目立つ動きをさせることに加えて、操作体3を発光あるいは振動させてさらに目立たせることができる。従って、遊技者に与える特別感・期待感を高めることができる。
【0077】
(変形例)
(1)上記形態は、移動体10を飛び出させる動作と引き込む動作の両方をバネ力で行うものであったが、どちらか一方のみをバネ力で行うものとし、もう一方はモータ5の駆動力によって行うように構成してもよい。すなわち、第1伝達部材34と第2伝達部材44のいずれか一方だけをバネ部材で付勢する構造としてもよい。
【0078】
(2)上記形態は、第1ガイド軸22、23と第2ガイド軸24、25の4本のガイド軸を設けるものであったが、ガイド軸の数はこの数に限定されるものではない。例えば、ガイド軸を1本とし、1本のガイド軸に2組の駆動機構を設けることもできる。
【0079】
(他の実施形態)
ギアユニット4は、遊技機用操作装置1以外の装置に用いることもできる。例えば、物
体を素早く動かすことが求められる装置に用いることができる。例えば、待機状態から復帰するための準備動作、あるいは待機状態に移行するための動作を短時間で行うことが求められる装置に用いることができる。
【符号の説明】
【0080】
1…遊技機用操作装置、2…ケース、3…操作体、3A…引き込み位置、3B…飛び出し位置、4…ギアユニット、5…モータ、6…凹部、7A…第1ケース、7B…第2ケース、8A…第1壁、8B…第2壁、9…開口部、10…移動体、11…移動体ガイド部、11A…下端位置、11B…上端位置、12…移動体ガイド部、12A…下端位置、12B…上端位置、13…第1ガイド軸ガイド部、14…第2ガイド軸ガイド部、15…連結部、16…第1ガイド軸ガイド部、17…第2ガイド軸ガイド部、18…連結部、20…支持体、21…ベース部材、22、23…第1ガイド軸、24、25…第2ガイド軸、26…フレーム、30…第1駆動機構、31…第1ギヤ、32…第1ワンウェイクラッチ、33…第1カム、34…第1伝達部材、34A…下端位置、34B…上端位置、35…第1バネ部材、36…第1ギヤ列、37…軸体、38…軸体、39…カムピン、39A…下死点、39B…上死点、40…第1駆動機構、41…第2ギヤ、42…第2ワンウェイクラッチ、43…第2カム、44…第2伝達部材、44A…下端位置、44B…上端位置、45…第2バネ部材、46…第2ギヤ列、47…軸体、49…カムピン、49A…下死点、49B…上死点、50…検出機構、51〜53…センサ、54〜56…被検出部、60…支柱、61…第1ガイド軸固定部、62…第2ガイド軸固定部、63…筒状部、64…突出部、70…支柱、71…第2ガイド軸固定部、72…第2ガイド軸固定部、73…筒状部、74…突出部、75…変位検知部、76…Dカット軸、80…ロック機構、80A…ロック解除状態、80B…ロック状態、81…スナップ部、82、83…固定部、84、85…係合部、86…爪部、87…傾斜面、90…ロック解除部、91、92…ロック解除部材、93…伝達部材ガイド面、100…制御部、261…側板部、262…側板部、263…上板部、301…第1凸部、302…第2凸部、303…ケース、304…発光部、341…第1伝達部、342…第1伝達部ガイド部、343…第1伝達部ガイド部、344…カム溝、361…ピニオン、362…伝達ギヤ、363…出力ギヤ、441…第2伝達部、442…第2伝達部ガイド部、443…第2伝達部ガイド部、444…カム溝、445…溝部、445…弾性部材、461…入力ギヤ、462…伝達ギヤ、801、802…係合凹部、L…揺動軸、P1…第1カムの回転中心、P2…第2カムの回転中心、R…揺動方向、P1…第1カムの回転中心、P2…第2カムの回転中心、R1…第1回転方向、R2…第2回転方向、X…第3方向、Y…第2方向、Z…第1方向
図1
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図12