特許第6652402号(P6652402)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6652402
(24)【登録日】2020年1月27日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】針位置検出機能付き指針時計
(51)【国際特許分類】
   G04C 3/00 20060101AFI20200210BHJP
【FI】
   G04C3/00 E
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-31582(P2016-31582)
(22)【出願日】2016年2月23日
(65)【公開番号】特開2017-150863(P2017-150863A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2018年11月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126583
【弁理士】
【氏名又は名称】宮島 明
(72)【発明者】
【氏名】矢野 結資
(72)【発明者】
【氏名】森田 翔一郎
【審査官】 榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−54043(JP,A)
【文献】 特開2010−32230(JP,A)
【文献】 特開2015−225007(JP,A)
【文献】 特開2004−271449(JP,A)
【文献】 特開平5−209970(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0097111(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 13/00 − 13/02
G04B 19/00 − 19/34
G04C 3/00 − 3/18
G04C 9/00 − 9/08
G01D 5/26
G01D 5/347
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子が、基板に設けられた導光穴と針位置検出車に設けられた検出穴とを通して、
受光素子と対向する針位置検出機能付き指針時計において、
前記導光穴は、前記発光素子に対向する入射口の開口面積が、前記受光素子に対向する出射口の開口面積より大きく、前記入射口から前記出射口に向かって、テーパー形状を有することを特徴とする針位置検出機能付き指針時計。
【請求項2】
前記導光穴は、前記出射口近傍にストレート形状を有する
ことを特徴とする請求項に記載の針位置検出機能付き指針時計。
【請求項3】
前記検出穴における入射口側の開口面積が、前記検出穴における出射口側の開口面積より大きい
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の針位置検出機能付き指針時計。
【請求項4】
前記針位置検出車を複数有し、
前記出射口の位置で、前記検出穴が互いに重なるように構成される
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の針位置検出機能付き指針時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、針位置検出機能を備えた指針時計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、時刻表示用の時針、分針、秒針や、機能表示用の機能針を備えた多針の指針時計が広く普及している。そしてこのような多針時計では指針機能や電波修正機能において、指針の位置検出を行って指針の位置を確認する必要がある。
【0003】
この指針の位置検出方法としてはいろいろあるが、実際に採用されている方式としては発光素子と受光素子を組み合わせた光学検出方式があり、この光学検出方式の提案が多くなされている(例えば特許文献1)。
【0004】
以下特許文献1に記載された多針時計に付いて説明する。
特許文献1に示された多針時計における光学検出装置は、特許文献1の図7に示す如く発光素子と受光素子の間に配置された基板(軸受部材)と針位置検出車に形成された光透過孔を有している。
そして、基板に形成された光透過孔と、回転してきた針位置検出車との光透過孔とが重なった時に、発光素子の出射光が基板の光透過孔と針位置検出車の光透過孔を通過して受光素子に受光され、この検出信号により針位置が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−7965号公報(図7図8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に示される従来例は、基板(軸受部材)や針位置検出車に形成された光透過孔はいずれもストレート形状を有している。
しかしこのようなストレート形状の光透過孔の場合、発光素子が光透過孔の中心位置に正確に実装されている場合には良好な光学的検出が行われるが、発光素子の実装位置が光透過孔の中心位置から外れると、発光素子の出射光のうち光透過孔に入射される光量が減少するため、受光素子の受光量の減少により正しい光学検出が行われなくなるという問題が発生する。
【0007】
上記発光素子の実装位置を、光透過孔の中心位置に正確に合わせることは、量産上 かなり困難であり、量産される針位置検出機能付き指針時計においては、各指針時計ごとに発光素子の実装位置が一定範囲でバラツキを有するため針位置の検出状態に変化が生じ、針位置検出性能の安定した指針時計を量産することが困難となる。
【0008】
本発明は、上記問題を解決し、量産上で発生する発光素子の実装位置のバラツキに対して針位置の検出状態を安定化し、針位置検出性能の安定した指針時計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため本発明の針位置検出機能付き指針時計における構成は、発光素子が、基板に設けられた導光穴と針位置検出車に設けられた検出穴とを通して、受光素子と対向する針位置検出機能付き指針時計において、導光穴は発光素子に対向する入射口の開口面積が、受光素子に対向する出射口の開口面積より大きく、入射口から出射口に向かって、テーパー形状を有することを特徴とする。
【0010】
上記構成により、本発明の針位置検出機能付き指針時計は、導光穴の発光素子に対向する入射口の開口面積を、受光素子に対向する出射口の開口面積より大きくすることによって、導光穴の入射口に対する発光素子の実装位置が多少変化しても、発光素子の出射光を効率良く受光素子へ伝達することができ、針位置検出性能の安定した指針時計の量産が可能となる。
【0012】
導光穴は、出射口の近傍にストレート形状を有していても良い。
【0013】
上記構成により、導光穴の入射口からの入射光をテーパー形状によって効率良く出射口に集光させることができ、針位置検出性能の安定化が可能となる。
【0014】
検出穴における入射口側の開口面積が、検出穴における出射口側の開口面積より大きくても良い。
上記構成により、針位置検出車の検出穴を通過する検出光の損失を少なくすることができる。
【0015】
針位置検出車を複数有し、出射口の位置で検出穴が互いに重なるように構成されても良い。
【発明の効果】
【0016】
上記のとおり、本発明の針位置検出機能付き指針時計は、導光穴の発光素子に対向する入射口の開口面積を、受光素子に対向する出射口の開口面積より大きくすることによって、導光穴の入射口に対する発光素子の実装位置が多少変化しても、発光素子の出射光を効率良く受光素子へ伝達することができ、針位置検出性能の安定した指針時計の量産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態の位置検出機能付き指針時計における要部断面図である。
図2図1に示す位置検出機能付き指針時計の針位置検出部の拡大断面図である。
図3図2に示す針位置検出部の導光状態を示す要部断面図である。
図4図2に示す導光穴と発光素子の実装位置との関係を示す平面図である。
図5】導光穴と発光素子の実装位置との関係の参考例を示す平面図である。
図6】第2実施形態の針位置検出機能付き指針時計における要部断面図である。
図7】第3実施形態の針位置検出機能付き指針時計における要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の思想を具体化するための針位置検出機能付き指針時計を例示するものであって、本発明を以下の構成に特定するわけではない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。以下の説明において、同一部品、同一構成要素には同一の名称、符号を付し詳細説明を適宜省略することがある。
【0019】
(第1実施形態)
図1図5を用いて本発明の第1実施形態の針位置検出機能付き指針時計(以後「指針時計」と略記する)について説明する。
【0020】
図1は第1実施形態の指針時計における要部断面図である。図2図1に示す指針時計の針位置検出部の拡大断面図である。図3図2に示す針位置検出部の導光状態を示す要部断面図である。図4図2に示す導光穴と発光素子の実装位置との関係を示す平面図である。図5は導光穴と発光素子の実装位置との関係の参考例を示す平面図である。
【0021】
(第1実施形態における指針時計の構成説明・図1
図1は第1実施形態における指針時計の要部断面図であり、指針時計のムーブメントにおける針位置検出に必要な部分のみを示している。10は指針時計であり、地板を構成する基板1と輪列受2に設けられた軸受穴1a、2aに針位置検出車3が軸支されている。さらに基板1の下面側に発光素子6を実装した回路基板4が設けられ、輪列受2の上面側に受光素子7を実装した回路基板5が設けられている。
【0022】
基板1には導光穴8が設けられ、針位置検出車3には、基板1の導光穴8と対応する位置に検出穴9が設けられている。そして発光素子6と受光素子7とが、導光穴8と検出穴9を通して対向位置に実装されており、発光素子6の出射光が導光穴8と検出穴9を通して受光素子7に受光される。
【0023】
図1において点線Aで囲む部分が本発明における針位置検出部であり、基板1に設けられた導光穴8、針位置検出車3に設けられた検出穴9、導光穴8と検出穴9の位置に対応して設けられた発光素子6と受光素子7とによって構成されている。
【0024】
(第1実施形態における指針時計の動作説明・図1
図示は省略したが、指針時計10のムーブメントにおける輪列機構の動作に従って検出しようとする輪列(例えば秒針検出の場合は秒針車)に連動して、針位置検出車3が回転している。針位置検出車3の回転位置によって、検出穴9の位置が基板1に設けた導光穴8の位置とずれていると、発光素子6からの出射光Pは針位置検出車3によって遮られて受光素子7に受光されず、針位置検出は行 われない。
【0025】
針位置検出車3が回転して行って、検出穴9の位置が基板1に設けた導光穴8の位置に一致すると発光素子6からの出射光Pは導光穴8、検出穴9を通過して受光素子7に検出光として受光され、受光素子7から針位置を知らせる検出信号が出力される。
【0026】
(針位置検出部の詳細説明・図2
次に、図2により図1における針位置検出部Aについて詳細に説明する。
図2は針位置検出部Aの拡大断面図であり、導光穴8の形状は発光素子6に対向する入射口8aの開口面積が、受光素子7に対向する出射口8bの開口面積より大きくなっている。そして入射口8aから出射口8bに向かってテーパー形状部8cが形成され、出射口8bの近傍部分にはストレート形状部8dが形成されている。
【0027】
また、導光穴8の形状は出射口8bの開口面積は針位置検出車3に設けられた検出穴9と略同じ開口面積を有するが、入射口8aの開口面積は発光素子6の発光面の面積より大きな開口面積を有している。
【0028】
(針位置検出部の光学検出動作の説明・図3図5
図3A図3B図2に示す針位置検出部Aにおける光学検出動作を示しており、図3Aは発光素子6が導光穴8の中心位置に正確に合わせて実装されている状態を示し、図3Bは発光素子6が導光穴8の中心位置からずれた位置に実装されている状態を示している。
【0029】
図3Aに示す如く、発光素子6の中心6eが導光穴8の中心位置8eに正確に実装され
ていると、発光素子6の中心の出射光P1、左側の出射光P2、右側の出射光P3はいずれも導光穴8の入射口8aの範囲内に入射して、導光穴8の出射口8b、針位置検出車3の検出穴9を通過して、すべての出射光が受光素子7に検出光として受光される。
【0030】
次に図3Bは、発光素子6の中心6eが導光穴8の中心位置8eからΔtだけ右側にずれて実装された状態を示している。しかし導光穴8の入射口8aの開口面積が発光素子6の発光面の面積より大きく形成されているため、発光素子6の実装位置がΔtだけ右にずれて実装されても発光素子6の発光面が、導光穴8の入射口8aの開口の範囲から外れることがなく、右側の出射光P3は上方に出射した後、導光穴8のテーパー形状部8cによって内側に反射されて出射口8bから出射される。この結果発光素子6からの出射光P1、P2、P3は導光穴8の出射口8b、針位置検出車3の検出穴9を通過して、すべての出射光が受光素子7に検出光として受光される。
【0031】
上記のごとく従来は、発光素子6の実装位置がずれた場合、受光素子7へ届く光量が減少するため、発光素子6の発光量を増やさないと受光素子7は検出光を十分に検出することができない。
【0032】
しかし、発光素子6の発光量を増やすと、消費電力が高くなり、検出穴を通過していない出射光が回折して受光素子7へ届き、誤検出が行わ れる等の問題がある。
【0033】
このため、本発明では導光穴8の入射口8aの開口面積を大きくし、内部にテーパー形状部8cを設けることで、低消費電力で誤検出の可能性を低くすることができる。
【0034】
また、導光穴8のテーパー部8cは中心からずれた出射光を内側に反射させる機能を有するため、反射性を良くするために鏡面仕上げを施したり、金属蒸着等を行うことが望ましい。
【0035】
次に図4図5を用いて導光穴8の入射口8aの開口面積と、発光素子6の実装位置ずれとの関係について説明する。
【0036】
図4は本発明における導光穴8の入射口8aの開口面積を大きくした場合の発光素子6の実装位置との関係を示し、図5は従来の導光穴18の入射口18aの開口面積を大きせず、ストレート形状として場合の発光素子6の実装位置との関係を対比のために示している。
【0037】
図4(a)は導光穴8の入射口8aと出射口8bに対する、発光素子6の実装位置を示しており、実線で示す発光素子6は導光穴8の入射口8aの中心位置に実装された状態であり、点線で示す発光素子6は導光穴8の入射口8aの中心位置から左右方向にずれて実装された状態を示している。
【0038】
図4(b)も導光穴8の入射口8aと出射口8bに対する、発光素子6の実装位置を示しており、実線で示す発光素子6は導光穴8の入射口8aの中心位置に実装された状態であり、点線で示す発光素子6は導光穴8の入射口8aの中心位置から上下方向にずれて実装された状態を示している。
【0039】
図4(a)、図4(b)に示すごとく、本発明の導光穴8の入射口8aの開口面積を大きくし、内部にテーパー形状部8cを設けて集光を行うことによって、発光素子6の実装位置が左右、上下に所定量ずれても、発光素子6からのすべての出射光を受光素子7は検出光として受光することができる。
【0040】
また、導光穴8の入射口8aの開口面積を大きくし、内部にテーパー形状部8cを設けて集光を行うことによる発光素子6の実装位置ずれの修正機能は、導光穴8の大きくした開口面積から発光素子6の発光面が外れない範囲となるが、実際の量産における実装範囲のバラツキを考えると、導光穴8の入射口8aと出射口8bとの関係は、入射口8aの拡大を出射口8bの2倍程度とし、その間をテーパー形状部8cで接続するのが望ましい。今回の実施形態では出射口8bの径250mmφに対し、入射口8aの径を400mmφとした。
【0041】
また、導光穴8のテーパー形状部8cに続いて出射口8bの近傍にストレート形状部8dを設けることによって、テーパー形状部8cで反射集光された出射光の針位置検出車3の検出穴9に対する導入がスムーズに行 えるようになった。
【0042】
次に図5により、対比のための参考例を説明する。
【0043】
図5は従来の導光穴18の入射口18aの開口面積を大きせず、ストレート形状として場合の発光素子6の実装位置との関係を対比のために示しており、図5(a)は図4(a)と同様に発光素子6は導光穴18の入射口18aの中心位置から左右方向にずれて実装された状態(点線で示す)を示している。
【0044】
また図5(b)は図4(b)と同様に発光素子6は導光穴18の入射口18aの中心位置から上下方向にずれて実装された状態(点線で示す)を示している。
【0045】
図5(a)、図5(b)に示すごとく、従来の導光穴18がストレート形状の場合は、発光素子6の実装位置が左右、上下にずれると、発光素子6からの出射光の一部が導光穴18の入射口18aに入射できなくなり、受光素子7の検出光が減少して正しい針位置検出ができなくなる。
【0046】
(第2実施形態)
次に図6により、本発明の第2実施形態の指針時計について説明する。
図6は第2実施形態の指針時計20における要部断面図であり、図1に示す第1実施形態の指針時計10と基本的構成は同じであり、同一要素には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0047】
図6に示す第2実施形態の指針時計20が、図1示す第1実施形態の指針時計10と異なるところは、基板1に設けた導光穴の構成である。すなわち指針時計10の導光穴8は内部形状として入射口8aから出射口8bに向かってテーパー形状部8cが形成され、さらに出射口8bの近傍にストレート形状部8dを設けられていた。これに対し指針時計20の導光穴18は内部形状として、入射口18aから出射口18bに向かってテーパー形状部18cのみが形成されており、出射口18bの近傍にストレート形状部がもうけられていないことである。
【0048】
この指針時計20の導光穴18は、内部形状として単純にテーパー形状部18cのみを形成すればよいため、加工が容易となり製造コストの点で有利となる。
【0049】
(第3実施形態)
次に図7により、本発明の第3実施形態の指針時計について説明する。
図7は第3実施形態の指針時計30における要部断面図であり、図1に示す第1実施形態の指針時計10と基本的構成は同じであり、同一要素には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0050】
図7に示す第3実施形態の指針時計30が、図1示す第1実施形態の指針時計10と異なるところは、針位置検出車の数及び形状の違いである。すなわち指針時計10の針位置検出車3に対応する、針位置検出車33の検出穴39の形状が異なっており、指針時計10の針位置検出車3における検出穴9が矩形状であったのに対し、指針時計30の針位置検出車33の検出穴39は、入射口39a側の開口面積が出射口39b側の開口面積より大きい台形形状となっていることである。
【0051】
さらに、指針時計30は第2の針位置検出車43を備えており、 検出穴49も針位置検出車33の検出穴39と同様、入射口側の開口面積が出射口側の開口面積より大きい台形形状となっている。
【0052】
指針時計30の検出動作は 、次のとおりである。すなわち、針位置検出車33と針位置検出車43とが回転していき、検出穴39と検出穴49との位置 が重なって、基板1に設けた導光穴8の位置に一致すると、発光素子6からの出射光Pは導光穴8、検出穴39、検出穴49を通過して受光素子7に検出光として受光され、受光素子7から針位置を知らせる検出信号が出力される。
【0053】
この検出穴39、検出穴49は入射口側の開口面積を出射口側の開口面積より大きくすることによって、入射口側の入射光の取り込みを容易にして出射光の損失を少なくすることができる。
【0054】
なお、この入射口側の開口面積を出射口側の開口面積より大きくする構成は、複数の針位置検出車を有する構成において効果が高いが、針位置検出車が1つの構成においても効果を有するものである。
【0055】
以上のように本発明の指針時計における針位置検出部は、光学検出機構において導光穴の形状に拡大した入射口とテーパー形状部を設け、入射光を反射集光することによって、発光素子の実装バラツキをカバーし、針位置検出性能の安定した指針時計を量産することが出来る。
【0056】
また、本実施形態では指針時計の秒針を検出する事例について説明したが、これに限定されるものではなく、針位置検出専用の車以外にも、あらゆる駆動用輪列及び他の回転体の検出に応用できる 。
【符号の説明】
【0057】
1 基板
2 輪列受
3、33、43 針位置検出車
4、5 回路基板
6 発光素子
7 受光素子
8、18 導光穴
8a、18a、39a 入射口
8b、18b、39b 出射口
8c、18c テーパー形状部
8d ストレート形状部
9、39,49 検出穴
10,20、30 指針時計
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7