特許第6652425号(P6652425)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6652425
(24)【登録日】2020年1月27日
(45)【発行日】2020年2月26日
(54)【発明の名称】板状部材の接合構造
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/02 20060101AFI20200217BHJP
   F16B 43/00 20060101ALI20200217BHJP
   E04B 1/61 20060101ALI20200217BHJP
【FI】
   F16B5/02 F
   F16B43/00 Z
   E04B1/61 502L
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-65017(P2016-65017)
(22)【出願日】2016年3月29日
(65)【公開番号】特開2017-3108(P2017-3108A)
(43)【公開日】2017年1月5日
【審査請求日】2019年1月31日
(31)【優先権主張番号】特願2015-117080(P2015-117080)
(32)【優先日】2015年6月10日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 ちひろ
(72)【発明者】
【氏名】原口 圭
(72)【発明者】
【氏名】田中 有
(72)【発明者】
【氏名】大高 一将
(72)【発明者】
【氏名】吉田 卓矢
(72)【発明者】
【氏名】中川 環
【審査官】 熊谷 健治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−119883(JP,A)
【文献】 特開2015−034397(JP,A)
【文献】 特開平4−238780(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 5/00− 5/12
F16B 23/00−43/02
E04B 1/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状部材同士を重ね合せて接合する板状部材の接合構造であって、
高力ボルトとナットとを有し前記板状部材同士を接合する高力ボルトユニットと、
前記板状部材の重畳部分の厚みよりも厚く形成されるとともに、前記板状部材の板厚方向に貫通する貫通孔を形成可能な中間材と、
を備え、
前記板状部材の重畳部分には、長孔形状のボルト挿通孔が形成され、
前記中間材は、前記ボルト挿通孔内に配置されており、
前記高力ボルトは、前記ボルト挿通孔内に配置された前記中間材により形成される前記貫通孔に挿通され、前記中間材が介在した状態で前記ナットと螺合され
前記中間材は、前記ボルト挿通孔内での自由回転を規制する角部を有していることを特徴とする板状部材の接合構造。
【請求項2】
前記中間材は、六角ナットであることを特徴とする請求項に記載の板状部材の接合構造。
【請求項3】
板状部材同士を重ね合せて接合する板状部材の接合構造であって、
高力ボルトとナットとを有し前記板状部材同士を接合する高力ボルトユニットと、
前記板状部材の重畳部分の厚みよりも厚く形成されるとともに、前記板状部材の板厚方向に貫通する貫通孔を形成可能な中間材と、
を備え、
前記板状部材の重畳部分には、長孔形状のボルト挿通孔が形成され、
前記中間材は、前記ボルト挿通孔内に配置されており、
前記高力ボルトは、前記ボルト挿通孔内に配置された前記中間材により形成される前記貫通孔に挿通され、前記中間材が介在した状態で前記ナットと螺合され、
前記中間材は、対向配置されることで前記貫通孔を形成する複数個の中間材構成体を備えていることを特徴とする板状部材の接合構造。
【請求項4】
前記高力ボルトユニットは、前記ボルト挿通孔内に配置された前記中間材と接合されるワッシャと、前記ワッシャまたは前記高力ボルトと前記中間材構成体との間に設けられ当該中間材構成体の離反方向への移動を抑止可能な移動抑止手段と、を備えていることを特徴とする請求項に記載の板状部材の接合構造。
【請求項5】
前記高力ボルトユニットは、前記複数個の中間材構成体同士を繋ぎ止める手段を備えていることを特徴とする請求項に記載の板状部材の接合構造。
【請求項6】
前記高力ボルトユニットは、前記ボルト挿通孔内に配置された前記中間材と接合されるワッシャを備え、前記ワッシャまたは前記中間材構成体に、前記ボルト挿通孔内に配置された前記複数個の中間材構成体が前記高力ボルトユニットの外周から離れる方向へ移動するのを阻止する手段が設けられていることを特徴とする請求項に記載の板状部材の接合構造。
【請求項7】
板状部材同士を重ね合せて接合する板状部材の接合構造であって、
高力ボルトとナットとを有し前記板状部材同士を接合する高力ボルトユニットと、
前記板状部材の重畳部分の厚みよりも厚く形成されるとともに、前記板状部材の板厚方向に貫通する貫通孔を形成可能な中間材と、
を備え、
前記板状部材の重畳部分には、長孔形状のボルト挿通孔が形成され、
前記中間材は、前記ボルト挿通孔内に配置されており、
前記高力ボルトは、前記ボルト挿通孔内に配置された前記中間材により形成される前記貫通孔に挿通され、前記中間材が介在した状態で前記ナットと螺合され、
前記中間材は、対向配置されて前記貫通孔を形成する複数の中間材構成部とそれらの中間材構成部を結合する結合部とを備え一体に構成されていることを特徴とする板状部材の接合構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状部材の接合構造に関し、例えば鉄骨架構の接合箇所に利用して有効な板状部材の接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄材や鋼材を組み立てて鉄骨架構を形成する場合、その接合部分が外れたり緩んだりしないように、高い軸力での締め付け固定が可能である高力ボルトを用いた接合が行われている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、高い軸力での締め付けができないような場合において、ボルトの緩みを確実に防止するために、ナットを2段重ねて、これを中ボルトによって共締めする手法も提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
しかし、鉄骨架構の接合部分(継手部分)を高力ボルトで締結すると、構造体が振動等の外力を受けた場合や構造体に温度による膨張・収縮が生じた場合等に、接合部分が構造体の動きに追従できず、接合部分の板状部材やボルト等の部品に大きな応力が加わり、これによって構造体や接合部分を構成する部品等が破損してしまうおそれがある。
【0004】
この点、火災により構造体に熱膨張が生じた際に、これに対応して接合部分の板状部材を移動できるようにする構成として、座金を介してナットが高力ボルトに結合され、ナットを締め付けることで構造体同士が連結される場合に、火災時にはその熱により座金の一部又は全部が溶けるようにし、長孔内でボルトが移動できるようにして、構造体の熱膨張を吸収する構成が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−034397号公報
【特許文献2】特開平11−082465号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】ハードロック工業株式会社「ハードロックナットとは」http://www.hardlock.co.jp/hl/index.php
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、鉄骨架構の接合部分(継手部分)を可動させることが必要な場面は火災時のように大きな温度変化が生じる場合に限られない。
むしろ日常的な温度変化による構造体の膨張・収縮や、風や地震等による構造体の振動等に対応して、できる限り構造体自体やその接合部分を構成する部品等の損傷を回避し、大規模な補修や部品交換等をしなくて済むような構成が望まれる場合もある。
【0008】
他方で、当該鉄骨架構の接合部分(継手部分)においては、ボルト・ナットの緩みによって接合部分が外れたり破損したりすることも確実に防止しなければならず、緩みの防止と、振動や温度収縮等による構造体の動きへの追従性という2つの要請を満たすような適切な締結を行う必要がある。
【0009】
なお、高力ボルトには、それぞれ締め付けトルクのトルク係数値等がJIS規格等により規定されているが、当該接合部では一般的に中ボルトが使用されている。中ボルトを使用する場合(ダブルナット)には、高力ボルトにおけるような具体的な締結方法(トルク係 数値等)や、施工管理手法が決まっていない。
このため、緩みの防止と、振動や温度収縮等による構造体の動きへの追従性という2つの要請を満たそうとすると、ボルトが緩みすぎて接合部分の強度が低下したり、逆に中ボルトを締め付けすぎると接合部分の板状部材の移動が阻害されて変形等を生ずるおそれがあり、適切な施工管理を行うことが困難であるという問題がある。
【0010】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、鉄骨架構の接合部分(継手部分)において、接合の緩みを防止するとともに、振動や温度収縮等による構造体の動きへの追従性を確保することのできる板状部材の接合構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本出願の発明である板状部材の接合構造は、
板状部材同士を重ね合せて接合する板状部材の接合構造であって、
高力ボルトとナットとを有し前記板状部材同士を接合する高力ボルトユニットと、
前記板状部材の重畳部分の厚みよりも厚く形成されるとともに、前記板状部材の板厚方向に貫通する貫通孔を形成可能な中間材と、
を備え、
前記板状部材の重畳部分には、長孔形状のボルト挿通孔が形成され、
前記中間材は、前記ボルト挿通孔内に配置されており、
前記高力ボルトは、前記ボルト挿通孔内に配置された前記中間材により形成される前記貫通孔に挿通され、前記中間材が介在した状態で前記ナットと螺合されるように構成したものである。
【0012】
このように構成することで、中間材がスペーサとして機能し、高力ボルトによる高い締め付け力が板状部材に伝達されないため、高い軸力による締め付けを行った後でも接合部分の板状部材の相対的な移動が保証され、構造体の動きを吸収して変形等の発生を防止することができる。
【0013】
ここで、好ましくは、前記中間材は、前記ボルト挿通孔内での自由回転を規制する角部を有しているようにする。
また、好ましくは、前記中間材は、六角ナットで構成する。
このように構成することで、市販の六角ナットを中間材として用いることができる。そして、高力ボルト締結時には、6つの角部のいずれかがボルト挿通孔の内側面に突き当たって中間材の自由回転を規制することができる。
【0014】
さらに、好ましくは、前記中間材は、対向配置されることで前記貫通孔を形成する複数個の中間材構成体を備えるようにする。
このように構成することで、ボルト挿通孔の幅を増大させることなく、高力ボルトとナットの締め付けを行った後でも接合部分の板状部材の相対的な移動を保証し、構造体の動きを吸収して変形等の発生を防止することができる。そのため、既設の構造物における鉄骨プレート同士の接合部分に適用する際に、施工対象の構造物のある現場にてボルト挿通孔の幅を大きくする切削加工を行う必要がなく、作業時間を短縮することができる。
【0015】
また、好ましくは、前記高力ボルトユニットは、前記ボルト挿通孔内に配置された前記中間材と接合されるワッシャと、前記ワッシャまたは前記高力ボルトと前記中間材構成体との間に設けられ当該中間材構成体の離反方向への移動を抑止可能な移動抑止手段とを備えるようにする。
これにより、ボルト挿通孔内に配置された中間材構成体が振動等でボルト挿通孔内から抜け落ちるのを防止することができる。
【0016】
また、前記高力ボルトユニットは、前記複数個の中間材構成体同士を繋ぎ止める手段を備えるようにする。
また、前記高力ボルトユニットは、前記ボルト挿通孔内に配置された前記中間材と接合されるワッシャを備え、前記ワッシャまたは前記中間材構成体に、前記ボルト挿通孔内に配置された前記複数個の中間材構成体が前記高力ボルトユニットの外周から離れる方向へ移動するのを阻止する手段を設けるようにしても良い。
上記のような構成によっても、ボルト挿通孔内に配置された中間材構成体が振動等でボルト挿通孔内から抜け落ちるのを防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、板状部材の重畳部分の厚みよりも厚く形成された中間材を介して高力ボルトユニットのボルトがナットと螺合される。
このため、中間材がスペーサとして機能し、高力ボルトにナットを強く締めつけた場合でも板状部材の表面と高力ボルトやナットとの間に隙間が確保され、板状部材に直接高力ボルトによる締め付け力が伝達されない。
これにより、接合部分の緩み防止と、振動や温度収縮等による構造体の動きへの追従性の確保とを両立させることができる。
すなわち、接合部分の緩み防止のために高い軸力による締め付けを行った後でも、振動や温度変化により構造体が動いて接合部分の板状部材に強い力が加わった場合には、板状部材同士が長孔であるボルト挿通孔の延在方向に沿って相互に相対移動することが可能であり、接合部分が円滑に可動することにより、接合部分に無理な力が加わって接合部分の部品等が破壊されたり構造体が変形・損傷したりするのを防ぐことができるとの効果を奏する。
【0018】
また、中間材にボルト挿通孔内での自由回転を規制する角部を設けた場合には、中間材としてナットを用いる場合でも、高力ボルト締結時の供回りを防止して、円滑に高力ボルトの締め付け作業を行うことができる。
特に、中間材が六角ナットである場合には、市販品を用いることができ、便宜である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係る板状部材の接合構造を示す上面図である。
図2図1に示す板状部材の接合構造の側面図である。
図3図1における一点鎖線で囲んだ部分IIIの拡大図である。
図4図2における一点鎖線で囲んだ部分IVの拡大図である。
図5】従来の板状部材の接合構造の一例を示す上面図である。
図6図5に示す板状部材の接合構造の側面図である。
図7図5における一点鎖線で囲んだ部分VIIの拡大図である。
図8図6における一点鎖線で囲んだ部分VIIIの拡大図である。
図9】(a)は、従来の板状部材の接合構造を適用した防風壁の一例を示す斜視図であり、(b)は、(a)における一点鎖線で囲んだ部分bの拡大図である。
図10】第2の実施形態における中間材の第1の具体例を示すもので、(a)は上面図、(b)は断面側面図である。
図11】第2の実施形態における中間材の第2の具体例を示すもので、(a)は上面図、(b)は断面側面図である。
図12】第2の実施形態における中間材の第3の具体例を示す上面図である。
図13】第2の実施形態の変形例を示すもので、(a)はワッシャと中間材の係合状態を示す上面図、(b)はその側面図である。
図14】第2の実施形態の他の変形例を示す断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1から図9(a)及び図9(b)を参照しつつ、本発明に係る板状部材の接合構造の一実施形態について説明する。
以下に述べるように、本実施形態における板状部材の接合構造は、板状部材1,2(図1等参照)同士を重ね合せて接合する板状部材の接合構造であって、板状部材1,2同士を相対的に移動可能に接合するものである。本実施形態の板状部材1,2の接合構造は、異なる性状を持った構造体同士を分割して力を伝達しないようにする継目であるエキスパンションジョイント(Expansion joint)において使用することが想定される。
【0021】
具体的には、第1に、地震等による振動に対して,構造体に大きな応力が生じないようにするために本実施形態の接合構造を構造体同士の接合部分に用いる場合であり、土木構造体等のエキスパンションジョイントを跨ぐような建築物への適用が考えられる。
例えば、旅客上家と跨線橋との接合部分や、屋根と階段との接合部分、駅舎とその屋根との接合部分等が挙げられる。
また、第2に、熱膨張や収縮に対して、構造体に大きな応力が生じないようにするために本実施形態の接合構造を構造体同士の接合部分に用いる場合であり、例えば、長大な建築物を複数の構造体に分割した場合に、各構造体同士を繋ぐ接合部分に適用することが考えられる。
具体的には、複数のパネル(構造体)を繋ぎ合わせて構成される防風壁や、複数の構造体で構成される旅客上家、検修庫、大空間建築物等における構造体同士の接合部分等が挙げられる。
いずれの場合も、接合部分において鉛直方向(図2における縦方向)の荷重は負担させるが、水平力(水平方向、すなわち図2における横方向の力)は負担させず、板状部材1,2同士の水平方向における相対的な移動を可能とすることで、構造体の動きを吸収し、構造体に大きな応力が生じることを防ぐ構成となっている。
以下、本実施形態における板状部材の接合構造の具体的な構成について詳細に説明する。
【0022】
図1は、本実施形態に係る板状部材の接合構造を示す上面図であり、図2は、板状部材の接合構造の側面図である。また、図3は、図1における一点鎖線で囲んだ部分IIIの拡大図であり、図4は、図2における一点鎖線で囲んだ部分IVの拡大図である。
【0023】
板状部材の接合構造は、板状部材1,2同士を重ね合せて接合する場合の接合部分に設
けられる。ここで、板状部材1,2は、例えば接合対象となる図示しない構造体の一端に設けられ、構造体同士の接合部分を構成する継手プレートである。
図1から図4に示すように、板状部材1,2の重畳部分には、長孔形状のボルト挿通孔11,21が長手方向に並列して2つ形成されている。
後述するように、本実施形態では、高力ボルト3の軸部31がボルト挿通孔11,21内を移動可能に構成されていることで板状部材1,2同士が相対的に移動可能となっており、ボルト挿通孔11,21の長手方向の長さは、板状部材1,2同士の移動可能量をどの程度とするか、すなわち、接合部分における可動範囲をどの程度とするかに応じて適宜設定される。
また、本実施形態では、後述するように、高力ボルトユニット30を構成するナット4の外径と同程度の外径を有する中間材6がボルト挿通孔11,21内に配置されるため、ボルト挿通孔11,21の長手方向に直交する短方向の長さは、中間材6の外径よりも大きく形成される。
なお、以下の実施形態では、板状部材1,2双方の対応位置に長孔を設ける例を示すが、板状部材1,2のうち、いずれか一方のみに長孔を設けて、他方の板状部材1,2には丸穴を設けるようにしてもよい。
【0024】
板状部材の接合構造は、板状部材1,2同士を接合する高力ボルトユニット30と、ボルト挿通孔11,21内に配置される中間材6とを備えている。
なお、高力ボルトユニット30及び中間材6は、2つのボルト挿通孔11,21についてそれぞれ1つずつ設けられている。各ボルト挿通孔11,21と、これら各ボルト挿通孔11,21それぞれについて設けられている高力ボルトユニット30及び中間材6の構成は同じであるため、以下においては、一のボルト挿通孔11,21及びこれに設けられる高力ボルトユニット30、中間材6について説明する。
【0025】
高力ボルトユニット30は、高力ボルト3とナット4とを備えている。
高力ボルト3は、高い引張力に耐えることができる鋼で作られた強度のボルトであり、雄ねじが切られた軸部31とねじ頭32とを有する。
ナット4には、高力ボルト3の雄ねじと螺合する雌ねじが形成されている。本実施形態では、ナット4は上面視における形状が六角形状である六角ナットである。
【0026】
また、本実施形態では、高力ボルト3のねじ頭32と一方の板状部材1,2(本実施形態では、図2及び図4において上側に配置された板状部材1)との間、及びナット4と他方の板状部材1,2(本実施形態では、図2及び図4において下側に配置された板状部材2)との間に座金5(5a,5b)が配置されている。
座金5(5a,5b)は、本実施形態において図示している円形状の他、楕円形状、四角形状等、どのような形状でもよい。
また、座金5(5a,5b)の大きさは、座金5(5a,5b)が板状部材1,2のボルト挿通孔11,21内に入り込まない大きさとする必要があり、座金はボルト挿通孔11,21の短方向の幅よりも大きな外径を有するように形成されている。
なお、本実施形態では、高力ボルト3のねじ頭32と板状部材1との間、及びナット4と板状部材2との間にそれぞれ1つずつ座金5(5a,5b)を配置する場合を例示したが、座金5(5a,5b)の数や配置はこれに限定されない。例えば、高力ボルト3のねじ頭32と板状部材1との間及びナット4と板状部材2との間にそれぞれ複数の座金5を配置してもよい。また、複数の座金5を設けた場合、これら複数の座金5を一体化してもよい。
【0027】
中間材6は、面方向におけるほぼ中央部に板状部材1,2の板厚方向に貫通する貫通孔61を有するリング状の部材である。
なお、中間材6の形状等は特に限定されないが、本実施形態では、高力ボルトユニット
30のナット4と同様の六角形状に形成された六角ナットを中間材6として用いている。
このように中間材6がナットである場合、ボルト挿通孔11,21内で自由に回転すると高力ボルト3を締める際に高力ボルト3の軸部31と供回りして作業しにくい。このため、中間材6にはボルト挿通孔11,21内で自由回転を規制する角部62を設けることが好ましい。
本実施形態では、上記のように上面視における形状が六角形状となるように中間材6を形成して、中間材6に6つの角部62を設けている。これにより、高力ボルト3を締める際に中間材6が供回りしようとしても、いずれかの角部62がボルト挿通孔11,21の内側面に突き当たり、ボルト挿通孔11,21内における中間材6の自由回転が規制される。
【0028】
図4等に示すように、中間材6は、2つの板状部材1,2の重畳部分の厚みよりも厚く形成されており、高力ボルトユニット30の高力ボルト3を座金5(5a,5b)を介してナット4に締め付けた際、座金5(5a,5b)と板状部材1,2との間にわずかな隙間が生じるようになっている。
なお、中間材6を形成する材料は特に限定されないが、中間材6は高力ボルトユニット30による強力な締め付けに耐え得るものである必要があり、高度な強度を有する鋼材等で形成されていることが好ましい。
【0029】
次に、本実施形態における板状部材の接合構造の作用について説明する。
本実施形態の接合構造によって鉄骨架構の継手プレート等の板状部材1,2を接合する場合には、まず、接合対象である構造体の継手プレート等の板状部材1,2同士を、ボルト挿通孔11,21がほぼ重なり合うように位置を合わせて重ね合わせる。
そして、ボルト挿通孔11,21内に中間材6を配置し、この中間材6を上下から挟むように、高力ボルト3のねじ頭32と板状部材1との間及びナット4と板状部材2との間にそれぞれ座金5(5a,5b)を配置する。
さらに、高力ボルト3の挿入方向(本実施形態では図2及び図4における上から下に向かう方向)の奥側(本実施形態では図2及び図4における下側)の座金5bの裏面側(本実施形態では図2及び図4における下側)にナット4を配置する。
【0030】
そして、上記のように、中間材6の上下に座金5(5a,5b)が介在した状態で、高力ボルト3をボルト挿通孔11,21内に配置された中間材6の貫通孔61に、図2及び図4における上から下に向かって挿通させ、高い軸力によりきつく締め付けを行う。このとき、例えば一次締め、本締めと二度締めをすることが好ましい。これにより、高力ボルト3が中間材6を介してナット4と螺合される。高力ボルト3を締め付ける際、中間材6はその角部62がボルト挿通孔11,21の内側面に突き当たることで自由回転が規制されるため、供回りせずに容易に締め付け作業を行うことができる。
本実施形態における板状部材の接合構造では、高力ボルト3による高い軸力による締め付けを行っても、軸方向の締め付け力は中間材6にかかるのみであり、板状部材1,2自体には締め付け力がかからない。このため、高力ボルト3による締め付け後、板状部材1,2は、ボルト挿通孔11,21の短方向(図2において縦(鉛直)方向)には移動が規制されるが、ボルト挿通孔11,21の長手方向(図2において横(水平)方向)にはボルト挿通孔11,21の長さの範囲内において相対的に移動することが可能である。
【0031】
ここで、図5から図9(a)及び図9(b)を参照しつつ、従来の板状部材の接合構造について説明する。
図5は、従来の板状部材の接合構造の一例を示す上面図であり、図6は、図5に示す板状部材の接合構造の側面図である。また、図7は、図5における一点鎖線で囲んだ部分VIIの拡大図であり、図8は、図6における一点鎖線で囲んだ部分VIIIの拡大図である。
【0032】
図5から図8に示すように、従来の接合構造では、板状部材1,2に、ボルト7の軸部の径よりも広い幅の長孔であるボルト挿通孔12,22を設ける。なお、従来の接合構造では、ボルト挿通孔12,22はボルト7の軸部が挿通可能な幅を有していればよく、図1等に示す本実施形態の接合構造におけるボルト挿通孔11,21よりも狭い幅で足りる。
板状部材1,2の接合時には、まず、接合対象である構造体の継手プレート等の板状部材1,2同士を、ボルト挿通孔12,22がほぼ重なり合うように位置を合わせて重ね合わせる。
そして、板状部材1,2の上下にそれぞれ座金9(9a,9b)を配置する。
また、ボルト7の挿入方向(本実施形態では図6及び図8における上から下に向かう方向)の奥側(本実施形態では図6及び図8における下側)の座金9bの裏面側(本実施形態では図6及び図8における下側)にナット8a,8bを2つ重ねて配置する。
そして、板状部材1,2の上下に座金9(9a,9b)が介在した状態で、ボルト7をボルト挿通孔12,22内に、図6及び図8における上から下に向かって挿通させて締め付けを行う。
【0033】
このようにナット8a,8bを2段重ねることにより、より確実な締め付けが期待でき、ボルト7の緩みを防止することができる。
他方で、ボルトによる締め付けを行うと、板状部材1,2が座金9(9a,9b)によって上下から挟み込まれた状態となる。このため、ボルト挿通孔12,22を長孔としても板状部材1,2が移動することができず、鉄骨架構を構成する構造体が地震等による振動を受けた場合や、構造体に熱膨張や収縮等が生じた場合に、構造体の動きを接合部分において吸収することができず、構造体同士を接合する接合部分(継手部分)に大きな応力が生じてしまう。その結果、例えば、接合部分(継手部分)の板状部材1、2等の部品に座屈等が生じるおそれがある。
【0034】
例えば、図9(a)は、従来の板状部材の接合構造を適用した防風壁の一例を示す斜視図であり、図9(b)は、図9(a)における一点鎖線で囲んだ部分bの拡大図である。
図9(a)及び図9(b)に示すように、防風パネル103が複数設けられた長尺の防風壁100を複数の構造体に分割し、一の構造体の縦方向鉄骨101の継手プレート104にこれと隣接する構造体の横方向鉄骨102とを接合することで構造体同士を接合し一体化する場合、従来は、ボルト111を座金113を介してボルト挿通孔105に挿入し、ナット112と螺合させることによって2つの板状部材(すなわち、縦方向鉄骨101の継手プレート104と構造体の横方向鉄骨102)を挟み込むように締め付けていた。
【0035】
このような接合構造において、接合部分(継手部分)の変形追従性が確保される程度の適正な締め付け力によってボルト111が締め付けられている場合には、縦方向鉄骨101の継手プレート104と横方向鉄骨102とが相対的にスライド移動することができ、力を逃がすことができる。しかし、ボルト111がきつく締め付けられ過ぎていると、各構造体が強風や地震等による振動を受けた場合や、温度変化による熱膨張や収縮を生じた場合に縦方向鉄骨101の継手プレート104と横方向鉄骨102とが相対移動することができず、構造体同士の接合部分(継手部分)が振動や膨張・収縮に伴う動きに追従することができない。このために、ボルト111やボルト挿通孔105が損傷したり、図9(b)に示すように、継手プレート104等の板状部材自体が変形・破損するおそれがある。
【0036】
この点、本実施形態における板状部材の接合構造によれば、ボルト挿通孔11,21内に板状部材1,2の重畳部分の厚みよりも厚く形成された中間材6を配置し、高力ボルト3による締め付け固定を行う場合に、高力ボルト3とナット4とが座金5を介して中間材6を締め付ける構成とし、板状部材1,2自体に締め付け力が伝達されない構成としている。
このため、接合部分の緩み防止のために、高力ボルト3を用いて高い軸力による締め付け固定を行った場合でも、高力ボルト3及びナット4の締め付け程度に関わらず、板状部材1,2同士はボルト挿通孔11,21に沿う方向に移動することが可能であり、鉄骨架構を構成する構造体同士を接合する接合部分(継手部分)の変形追従性が確保される。
【0037】
以上のように、本実施形態によれば、板状部材1,2の重畳部分の厚みよりも厚く形成された中間材6を介して高力ボルト3をナット4と螺合させる。
このため、中間材6がスペーサとして機能し、高力ボルト3にナット4を強く締めつけた場合でも板状部材1,2の表面と高力ボルト3やナット4との間に隙間が確保される。
これにより、接合部分の緩み防止のために高い軸力による締め付けを行った後でも、振動や温度変化等により構造体が動いて接合部分の板状部材1,2に強い力が加わった場合には、板状部材1,2同士が長孔であるボルト挿通孔11,21の延在方向に沿って相互に相対移動することが可能であり、接合部分が円滑に可動することにより、接合部分に無理な力が加わって接合部分の部品等が破壊されたり構造体が変形・損傷したりするのを防ぐことができる。
また、接合部分(継手部分)の変形追従性の確保を気にせずに、高力ボルト3について定められている締め付けトルクの限界まで締め付け固定することができるため、接合部分の緩みを確実に防止することができ、緩みの防止と接合部分(継手部分)の変形追従性の確保との両立を実現することができる。
【0038】
また、本実施形態では、中間材6としてナットを用いているが、このようにナットを中間材として用いた場合でも角部62が中間材6の自由回転を規制するため、高力ボルト3の締結時には中間材6の供回りを防止して、円滑に高力ボルト3の締め付け作業を行うことができる。
特に本実施形態では、中間材6として六角ナットを用いるため、高力ボルト3の締結時には、6つの角部のいずれかがボルト挿通孔11,21の内側面に突き当たって自由回転を規制することができる。
また、市販の六角ナットを流用することも可能であるため、コストを抑えることができる。
【0039】
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0040】
例えば、本実施形態では、中間材6が上面視における形状が六角形状となる六角ナットである場合を例示したが、中間材6の形状は、高力ボルト3を締める際に中間材6が供回りしないような形状であればよく、六角形状に限定されない。
例えば、中間材6は、4つの角部を有する四角形状でもよいし、六角形状よりもさらに多くの角部を有する多角形状であってもよい。
また、中間材6の上面視における形状を円形状とした場合でも、円形状の周縁部の一部にボルト挿通孔11,21の内側面に突き当たるような突起部や鍔部等を設けることで中間材6の供回りを防止してもよい。さらに、中間材6の上面視における形状を、長径がボルト挿通孔11,21の短方向の長さよりも長い楕円形状とすることで、供回りしない構成としてもよい。
【0041】
また、本実施形態では、中間材6と座金5(5a,5b)とをそれぞれ別部材として設ける場合を例示したが、中間材6はこのような単独の部材である場合に限定されない。
例えば、中間材6を座金5bと一体化してもよい。この場合には、部品点数を少なくすることができるとともに、高力ボルトユニット30による締め付け作業の迅速化・効率化を図ることができる。
【0042】
また、本実施形態では、中間材6がナットである場合を例示したが、中間材6はナットである場合に限定されない。
例えば、中間材6は、面方向のほぼ中央部に貫通孔が形成された円形状のスペーサーであってもよい。
【0043】
また、本実施形態(第1の実施形態)では、板状部材1,2の重畳部分に、長孔形状のボルト挿通孔11,21が長手方向に並列して2つ形成されている場合を例示したが、ボルト挿通孔11,21の数はこれに限定されない。
例えば板状部材1,2の重畳部分に、3つ以上のボルト挿通孔11,21が形成されていてもよいし、ボルト挿通孔11,21が1つだけ形成されているものでもよい。
【0044】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上記第1の実施形態にあっては、互いに接合される2枚の板状部材1,2に形成されているボルト挿通孔(ルーズホール)11,21に挿通される中間材6の幅が、締付け用の高力ボルト3のネジ部の径よりも大きいため、既設の構造物における鉄骨プレート同士の接合部分に適用しようとすると、構造物が存在する現場にてボルト挿通孔11,21の幅を大きくする切削加工を行う必要がある。そのため、作業時間が長くなってしまうとともに、元の座金よりも径の大きな座金に変える必要があるという課題がある。
【0045】
さらに、上記第1の実施形態にあっては、ボルト挿通孔11,21の幅を大きくする加工を行うことで、プレートの断面積が減少して強度が低下してしまう。また、新たに接合構造を設ける場合には、強度低下を回避するため、予め2枚のプレートの幅を広く形成しておく必要があり、重量およびコストの増加を招くという課題もある。
第2の実施形態は、上記のような第1の実施形態の有する課題を解決するための工夫を、中間材6やその周辺の部品に施したものである。以下、その幾つかの具体例について説明する。
【0046】
第2の実施形態における第1の具体例は、図10(a),(b)に示すように、中間材6を、2つに分割して、三日月状の中間材構成体6Aと6Bとにより構成したもので、中間材構成体6Aと6Bを対向配置させた際に、中央に、高力ボルト3のネジ部の径よりも僅かに大きい円形状の挿通孔Hが形成されるようになっている。中間材構成体6A,6Bの高さは、前記第1の実施形態における中間材6と同様に、互いに接合される2枚の板状部材を重ね合わせた厚みより少し大きく設定される。
【0047】
これにより、高力ボルト3を締め付けた際にも2枚の板状部材は互いにずれる方向へ移動することができ、地震等の振動で接合部分の板状部材やボルト等の部品に大きな応力が加わって構造体や接合部分を構成する部品が破損するのを防止することができる。しかも、既設の構造物の接合部分に適用する際に、ボルト挿通孔11,21の幅を大きくする加工を行う必要がなく、作業時間の短縮が図れる。さらに、幅を大きくする必要がないため、元の座金もしくは元と同じ大きさの座金を使用することができ、形の大きな座金を用意する必要がないという利点がある。
【0048】
ところで、上記第1の具体例における中間材は、互いに分離した2つの中間材構成体からなるため、取り扱いが面倒であるとともに、取付け後に中間材構成体がボルト挿通孔11,12内から抜け落ちてしまうおそれがある。
第2の具体例は、このような不具合を回避するため、図11(a),(b)に示すように、中間材構成体6A,6Bの一方の面に接合されるワッシャ17との間に、例えば両面テープ8を介在させて、中間材構成体6A,6Bとワッシャ17とを接着させるように構成したものである。
【0049】
これにより、第1の具体例と同様な利点を備える上、取付け後に中間材構成体がボルト挿通孔11,12内から抜け落ちてしまうような不具合が発生するのを防止することができるという利点がある。
なお、上記のように、中間材構成体6A,6Bとワッシャ17とを両面テープ8で接着させる代わりに、高力ボルト3のネジ部外周と中間材構成体6A,6Bの内周とを両面テープや接着剤を用いて接着させるようにしてもよい。
【0050】
第3の具体例は、図12に示すように、中間材構成体6Aと6Bの側面に跨る薄型のヒンジ6Cを設けて、中間材構成体6Aと6Bを開閉可能に構成したものである。このような構成にすることで、中間材構成体6Aと6Bとが一体化して取り扱いが容易になるとともに、取付け後に中間材構成体ボルト挿通孔11,21内から抜け落ちてしまうのを防止することができる。ヒンジ6Cは、シート状あるいは薄板状であれば良く、金属、合成樹脂など、どのような材質のもので形成しても良いし、両端をビス等で中間材構成体6A,6Bの側面に固定したもの、あるいは接着剤で接着させただけのものであっても良い。また、小型の蝶番であっても良い。
【0051】
さらに、図13(a),(b)に示すように、ワッシャ17の外縁部に、中間材構成体6A,6Bの外側面に接触可能な係止片17a,17bを形成し、この係止片17a,17bで中間材構成体6A,6Bが互いに離反する方向へ移動するのを阻止するように構成しても良い。
また、図14に示すように、中間材構成体6A,6Bの端面の内側縁部に、ワッシャ17の開口部と高力ボルト3の外周面との隙間に入り込む突起6a,6bを設けたものであっても良い。
【符号の説明】
【0052】
1 板状部材
2 板状部材
3 高力ボルト
4 ナット
5 座金
6 中間材
6A,6B 中間材構成体
17 ワッシャ
11 ボルト挿通孔
21 ボルト挿通孔
31 軸部
32 ねじ頭
61 貫通孔
62 角部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図13
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