(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6652487
(24)【登録日】2020年1月27日
(45)【発行日】2020年2月26日
(54)【発明の名称】ナノスケールのフィラメント構造を有するSiOxの調製のためのプロセス及びリチウムイオンバッテリにおける陽極材料としてのその使用
(51)【国際特許分類】
C01B 33/113 20060101AFI20200217BHJP
H01M 4/48 20100101ALI20200217BHJP
【FI】
C01B33/113 A
H01M4/48
【請求項の数】33
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-528819(P2016-528819)
(86)(22)【出願日】2014年11月28日
(65)【公表番号】特表2017-503738(P2017-503738A)
(43)【公表日】2017年2月2日
(86)【国際出願番号】CA2014051141
(87)【国際公開番号】WO2015077892
(87)【国際公開日】20150604
【審査請求日】2017年11月27日
(31)【優先権主張番号】2,835,583
(32)【優先日】2013年11月28日
(33)【優先権主張国】CA
(73)【特許権者】
【識別番号】513138072
【氏名又は名称】ハイドロ−ケベック
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ルブラン, ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ジェルフィ, アブデルバスト
(72)【発明者】
【氏名】ザジーブ, カリム
(72)【発明者】
【氏名】ホビントン, ピエール
(72)【発明者】
【氏名】トロッティアー, ジュリー
【審査官】
廣野 知子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−231957(JP,A)
【文献】
特開2005−225691(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2012−0089073(KR,A)
【文献】
特開2013−180935(JP,A)
【文献】
特開2013−171628(JP,A)
【文献】
特開昭62−027318(JP,A)
【文献】
特開2002−154819(JP,A)
【文献】
特開2001−220125(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/00−33/193
H01M 4/00−4/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SiOxナノフィラメント粒子の調製のためのプロセスであって、xが0.8乃至1.2の間であり、前記プロセスが、
気体一酸化シリコン(気体SiO)を生成するための、シリカ(SiO2)、シリコン(Si)、及び炭素源(C)の間での、少なくともおよそ1410℃の温度での融合反応からなる工程と、
前記SiOxナノフィラメント粒子を生成するための、前記気体SiOの凝縮からなる工程と、
を含む、プロセス。
【請求項2】
前記SiO2が固形の形状であり、前記Siが液体の形状である、請求項1記載のプロセス。
【請求項3】
前記融合反応が、誘導炉、電気アーク炉、またはサブマージアーク炉で行われる、請求項1記載のプロセス
【請求項4】
前記気体SiOの凝縮が、炉の低温領域で行われ、前記気体SiOが、ベクトルガスによって前記低温領域に移動する、請求項1記載のプロセス。
【請求項5】
前記ベクトルガスが、不活性ガス、酸化剤ガス、還元ガス、揮発性炭化水素、またはそれらの組み合わせである、請求項4記載のプロセス。
【請求項6】
前記不活性ガスが、Ar、He、またはN2であり、そして/または前記酸化剤ガスが、空気、H2O、O2、またはCO2であり、そして/または前記還元ガスが、COまたはH2である、請求項5記載のプロセス。
【請求項7】
前記融合反応が、真空下で行われる、請求項1記載のプロセス。
【請求項8】
前記融合反応が、不活性雰囲気下で行われる、請求項1記載のプロセス。
【請求項9】
前記不活性雰囲気が、Ar、HeまたはN2からなる、請求項8記載のプロセス。
【請求項10】
前記融合反応における前記温度が、およそ1450℃乃至およそ1700℃の間である、請求項1記載のプロセス。
【請求項11】
前記融合反応における前記温度が、およそ1450℃乃至およそ1500℃の間である、請求項10記載のプロセス。
【請求項12】
前記炭素源が、黒鉛、木炭、石油コークス、木材またはそれらの組み合わせからなる、請求項1記載のプロセス。
【請求項13】
SiOxナノフィラメント粒子の調製のためのプロセスであって、xが0.8乃至1.2の間であり、前記プロセスが、以下の
SiO2及び炭素源を炉に導入し、温度を少なくともおよそ1410℃にして、金属シリコン(Si)及び気体一酸化シリコン(気体SiO)を生成する工程と、
前記気体SiOを、ベクトルガスを用いて前記炉の低温領域に移動させて凝縮し、前記SiOxナノフィラメント粒子を得る工程と、
を含む、プロセス。
【請求項14】
前記炉が、サブマージアーク炉である、請求項13記載のプロセス。
【請求項15】
前記炭素源が、黒鉛、木炭、石油コークス、木材またはそれらの組み合わせからなる、請求項13記載のプロセス。
【請求項16】
気体SiOを生成する前記工程が、真空下で行われる、請求項13記載のプロセス。
【請求項17】
気体SiOを生成する前記工程が、不活性雰囲気下で行われる、請求項13記載のプロセス。
【請求項18】
前記不活性雰囲気が、Ar、HeまたはN2からなる、請求項17記載のプロセス。
【請求項19】
前記温度が、およそ1450℃乃至1700℃の間である、請求項13記載のプロセス。
【請求項20】
前記温度が、およそ1450℃乃至およそ1500℃の間である、請求項19記載のプロセス。
【請求項21】
前記ベクトルガスが、不活性ガス、酸化剤ガス、還元ガス、揮発性炭化水素、またはそれらの組み合わせである、請求項13記載のプロセス。
【請求項22】
前記不活性ガスが、Ar、He、またはN2であり、そして/または前記酸化剤ガスが、空気、H2O、O2、またはCO2であり、そして/または前記還元ガスが、COまたはH2である、請求項21記載のプロセス。
【請求項23】
xが、およそ1である、請求項1乃至22のいずれか1項記載のプロセス。
【請求項24】
SiO2が、石英またはケイ石の形状であるか、またはSiO2のいくらかが、石英であり、SiO2のいくらかが、ケイ石である、請求項1乃至23のいずれか1項記載のプロセス。
【請求項25】
前記SiOxナノフィラメント粒子が、ナノフィラメントからなる球状の凝集物状であり、各々の凝集物が直径およそ2乃至10μmを有する、請求項1乃至24のいずれか1項記載のプロセス。
【請求項26】
前記ナノフィラメントが各々、直径およそ50nmを有し、直径およそ100乃至150nmを各々有する球体によって連結される、請求項25記載のプロセス。
【請求項27】
前記得られたナノフィラメントSiOx粒子が、非晶質SiO2、結晶Si、及びSiCの少なくとも1つを含む、請求項1乃至26のいずれか1項記載のプロセス。
【請求項28】
前記SiCがβ型である、請求項27記載のプロセス。
【請求項29】
陽極材料の加工における、請求項1乃至28のいずれか1項によって画定された前記プロセスによって得られたSiOxナノフィラメント粒子の使用。
【請求項30】
SiOxナノフィラメント粒子を含む陽極であって、前記SiOxナノフィラメント粒子が、ナノフィラメントからなる球状の凝集物状であり、各々の凝集物が直径およそ2乃至10μmを有する、陽極。
【請求項31】
前記ナノフィラメントが各々、直径およそ50nmを有し、直径およそ100乃至150nmを各々有する球体によって連結される、請求項30に記載の陽極。
【請求項32】
前記SiOxナノフィラメント粒子が、非晶質シリカ(SiO2)、結晶シリコン(Si)、及びβ型の炭化ケイ素(SiC)を含む、請求項30または31に記載の陽極。
【請求項33】
請求項30、31または32で画定された陽極を含むバッテリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2013年11月28日出願のカナダ国出願CA2、835、583の利益を主張する。
【0002】
本発明は、一般に、リチウムイオン(Li−ion)バッテリのための陽極材料に関する。より具体的には、本発明は、ナノスケールのフィラメント構造を有するSiO
xの調製のためのプロセス及びリチウムイオンバッテリにおける陽極材料としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
90年代前半の間にソニー株式会社によってリチウムイオンバッテリの分野での研究が開始されて以来、このタイプのバッテリは、広く用いられており、商業的な成功につながっている。典型的には、当該技術は、電極材としてのリチウム挿入材料の使用を基礎としている。詳細には、酸化コバルトを陰極材料(J.B.Goodenoughにより発明)として用い、炭素系材料(コークスまたは黒鉛化炭素)を陽極材料として用いる。
【0004】
それ以来、リチウムイオンバッテリは、次第にNi−Cd及びNi−MHバッテリに取って代わってきた。実際に、多くの電子用途では、リチウムイオンバッテリは、Ni−Cd及びNi−MHバッテリよりも良好に機能する。しかしながら、リチウムイオンバッテリの生産コストが高いため、かつそれらの本質的な安定が概して過酷な状況下に曝されるため、小型のリチウムイオンバッテリのみが首尾よく実用化されてきた。
【0005】
今日、当該技術は、黒鉛を含有する陽極材料の使用を主に基礎とする。しかしながら、そのような炭素系陽極の使用は、一定のエネルギ容量に対して372mAh/gの制限を、さらに増大させる可能性なく課することが考えられる。
【0006】
陽極材料としての金属リチウムの使用が調査されてきた。実際に、金属リチウムは、高いエネルギ密度を提示し、高比エネルギ容量につながる場合がある。しかしながら、金属リチウムの使用には、安全性の問題が関連している。このことは、使用中のデンドライトの成長に起因する。さらに、多くの充放電サイクル後の寿命の制限が指摘されてきた。これらの不利点は、研究者らが他の解決策を探す原因となっている。たとえば、高容量の陽極材料として可能性のあるシリコン(Si)、スズ(Sn)及びそれらの合金の使用が研究されている。
【0007】
実際に、シリコンについては、この金属は、シリコンとリチウムとの間の反応、5Si+22Li→Si
5Li
22、を通したリチウムイオンの可逆的な挿入及び脱挿入を可能にし、これは4200mAh/gの理論容量に相当する。この容量は、炭素系材料についての容量よりも著しく高い。しかしながら、シリコン系陽極は、シリコンの高い体積膨張(最大でおよそ320%)に起因して、サイクル中は不安定である。
【0008】
シリコン系陽極材料の粒子サイズを低減させること(たとえば、ナノスケールの粒子の使用)は、より良好なサイクル特性につながる。実際に、ナノスケールの粒子の使用は、大きな体積の増大に関連する内部的かつ機械的な制約の緩和を可能にする(非特許文献1)。1つの手法は、ナノスケールのフィラメント構造を有する材料を用いることからなる。実際に、そのような構造は、繊維の半径方向の変形を受け入れることができ、それによってシリコンの微粉化及び電気的接触の損失を回避することができる(非特許文献1及び2)。
【0009】
堆積膨張を減少させるための別の手法は、変形を受け入れることができるシリコン及び不活性成分の混和物を調製することからなる。たとえば、機械的な制約を緩和し、電気的導通を保証する不活性マトリックスでのシリコンの微細分散が調製されている(非特許文献1及び3)。そのような歩み寄りは、Si/SiO
2、の混合物を用いて、シリコン容量の部分的な損失を代償にして達成され得る。この点において、アニーリングされた一酸化シリコン(SiO
x、ここでx=1)の使用は、不均化反応、2SiO→SiO
2+Siを可能にする。反応均衡外のSiO
xの非晶相は、シリコンを非晶質SiO
2マトリックスに沈殿させ、このことは、1338mAh/gの理論容量を有する材料につながる(非特許文献4)。
【0010】
SiO
xの第1の合成は、1907年にPotterによって行われた(特許文献1)。Potterは、1000℃よりも高い温度で、シリコン(Si)と酸化シリコン(SiO
2)との間で速やかな反応が生じることに注目した。彼はさらに、不活性雰囲気下で反応が生じた場合、反応生成物が褐色で明るく、非常に微細かつ大量の粉末として現れることに注目した。
【0011】
SiO
xは、現在市販されている。適度な高温(およそ1250℃)で、真空下で、以下の反応によって生産される(非特許文献5)。
【化1】
【0012】
管内のSiO
2粉末及びSi粉末の等モル混合物を、真空下で、温度が1250℃に達するまで加熱する。形成されたSiO気体を、管のより冷えた領域に向かわせて凝縮させる。管を冷却して再加圧し、固形のSiO
xを再生する。次いで、固形SiO
xを、所望の粒度分布に達するまで粉砕プロセスにかける。
【0013】
本プロセスにおけるおよそ1250℃の比較的低い温度は、ステンレス鋼で作られた真空管(レトルト炉)の使用を可能にする。しかしながら、その代わりに、管内のSiO気体の分圧は、非常に低いレベルに維持され、このことは、プロセスの生産性に大きく影響する。走査型電子顕微鏡によって撮影された顕微鏡写真は、そのX線回折分析を通した当該材料の典型的な態様を示す(
図1)。X線回折分析は、材料の非晶質性を示す。実際に、回折画像は観測されていない。これは、急速に冷却され、いかなる不均化反応も経ていない非晶質SiOに典型的である。
【0014】
そのような材料を、不活性雰囲気下で900℃よりも高い温度でアニーリングすることは、SiOの不均化反応を促進させる。これが、非常に微細なシリコン相を、非晶質シリコンマトリックスに沈殿させることにつながることは知られている(非特許文献3)。
【化2】
【0015】
実際に、Takamiらは、1000℃での一酸化シリコンの不均化及びフルフリル酸の重合によって、Si、SiO
x及びCの複合体を調製した(非特許文献3)。彼らは、200サイクル毎におよそ700mAh/gの可逆容量を報告した。
【0016】
依然として、高いエネルギ容量を有する材料が求められている。すなわち、有利には、容量は、サイクル数ごとに可逆である。したがって、これらの材料を調製するためのプロセスもまた求められており、有利には、プロセスは効率的であり、かつ費用対効果が高い。
【0017】
高いエネルギ容量を有する材料は、結晶Siの非晶質SiO
2マトリックスでのナノメートルの分散を可能にする。Lamontagneらは、そのような材料の調製のためのプロセスを開示している。当該プロセスは、SiO
2フュームを用い、また当該プロセスは、さまざまな触媒の使用をさらに包含する(非特許文6)。
【0018】
Takamiらによって、Si、SiO
x及びCの複合体に関係して得られた結果によって後押しされて[3]、発明者らの調査グループは、SiO
xinの、Li−ionバッテリ内の電極材としての使用のさらなる精査を取り上げた。発明者らは、リチウムイオンバッテリ内の陽極材料として、黒鉛と混合されたSiO
x及びSiO
xの使用を各々検討した[4]。第1の充放電サイクルのクーロン効率及びSiO
xの導電性が低いという事実にもかかわらず、SiO
x電極の理論上の比容量は、1338mAh/gと良好である。発明者らは、SiO
xへの黒鉛の添加を考慮に入れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】米国特許第1,104,384号明細書
【非特許文献】
【0020】
【非特許文献1】Uday Kasavajjula, Chunsheng Wang, A. John Appleby; Nano− and bulk−silicon−based insertion anodes for lithium−ion secondary cells, Journal of Power Sources 163 (2007) 1003−1039.
【非特許文献2】Candace K. Chan, Hailin Peng, Gao Liu, Kevin McIlwrath, Xiao Feng Zhang, Robert A. Huggins and Yi Cui; High−performance lithium battery anodes using silicon nanowires, Nature Nanotechnology, vol. 3, January 2008, pp. 31−35.
【非特許文献3】T. Morita, N. Takami, Nano Si Cluster−SiO−C Composite Material as High−Capacity Anode Material for Rechargeable Lithium, Journal of the Electrochemical Society, 153 (2) A425−A430 (2006).
【非特許文献4】A. Guerfi, P. Charest, M. Dontigny, J. Trottier, M. Lagace, P. Hovington, A. Vijh, K. Zaghib; SiOx−graphite as negative for high energy Li−ion batteries, Journal of Power Sources, Volume 196, Issue 13, 1 July 2011, pages 5667−5673.
【非特許文献5】H.−D. Klein, F. Konig, Production, Properties and Application of Silicon Monoxide, in: R. Corriu, P. Jutzi (Eds.), Tailor−made silicon−oxygen compounds−from molecules to materials, Vieweg, Braunschweig, Weiesbaden, 1996, pp. 141−145.
【非特許文献6】P. Lamontagne, G. Soucy, J. Veilleux, F. Quesnel, P. Hovington, W. Zhu and K. Zaghib; Synthesis of silicon nanowires from carbothermic reduction of silica fume in RF thermal plasma; Phys. Status Solidi A, 1−7 (2014).
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0021】
発明者らは、ナノスケールのフィラメント構造(ナノフィラメント、ナノ構造粒子)を有するSiO
x材料の調製のためのプロセスを企画して行った。本発明のプロセスは、SiO気体の形成につながるSiO
2とSiとの間の高温融合反応と、常圧(標準圧)下または減圧下での一酸化シリコンフュームの凝縮反応とを含む。好ましい実施形態によれば、本プロセスは、炭素の使用を含む。本発明の材料は、リチウムイオンバッテリのための高性能の陽極の加工を可能にする。
【0022】
一態様によれば、本発明は、
(1)SiO
xナノフィラメント粒子の調製のためのプロセスであって、xが0.8乃至1.2の間であり、プロセスが、気体一酸化シリコン(SiO)を生成するための、シリカ(SiO
2)とシリコン(Si)との間での、少なくともおよそ1410℃の温度での融合反応からなる工程と、
SiOxナノフィラメント粒子を生成するための、SiO気体の凝縮からなる工程とを含む、プロセスと、
(2)SiOxナノフィラメント粒子の調製のためのプロセスであって、xが0.8乃至1.2の間であり、プロセスが、
気体一酸化シリコン(SiO)を生成するための、シリカ(SiO
2)、シリコン(Si)、及び炭素源(C)の間での、少なくともおよそ1410℃の温度での融合反応からなる工程と、
SiO
xナノフィラメント粒子を生成するための、SiO気体の凝縮からなる工程とを含む、プロセスと、
(3)SiO
2が固形の形状であり、Siが液体の形状である、(1)または(2)項記載のプロセスと、
(4)融合工程が、誘導炉、電気アーク炉、またはサブマージアーク炉で行われる、(1)または(2)項記載のプロセスと、
(5)凝縮工程が、炉の低温領域で行われ、SiO気体が、ベクトルガスによって低温領域に移動する、(1)または(2)項記載のプロセスと、
(6)ベクトルガスが、不活性ガス、好ましくはAr、He、N
2であるか、酸化剤ガス、好ましくは空気、H
2O、O
2、CO
2であるか、還元ガス、好ましくはCO、H
2であるか、揮発性炭化水素であるか、またはそれらの組み合わせである、(6)項記載のプロセスと、
(7)融合工程が、真空下で行われる、(1)または(2)項記載のプロセスと、
(8)融合工程が、不活性雰囲気下で行われる、(1)または(2)項記載のプロセスと、
(9)不活性雰囲気が、Ar、HeまたはN
2からなる、(8)項記載のプロセスと、
(10)融合工程における温度が、およそ1450℃乃至およそ1700℃の間、好ましくはおよそ1500℃である、(1)または(2)項記載のプロセスと、
(11)炭素源が、黒鉛、木炭、石油コークス、木炭、木材またはそれらの組み合わせからなる、(2)項記載のプロセスと、
(12)SiO
xナノフィラメント粒子の調製のためのプロセスであって、xが0.8乃至1.2の間であり、プロセスが、以下の
液体シリコン(Si)を炉に導入し、温度を少なくともおよそ1410℃にする工程と、
混交物を撹拌しながら、固体シリカ(SiO
2)を炉に導入し、気体一酸化シリコン(SiO)を生成する工程と、
SiO気体を、ベクトルガスを用いて炉の低温領域に移動させて凝縮し、SiO
xナノフィラメント粒子を得る工程と、
を含む、プロセスと、
(13)SiO
xナノフィラメント粒子の調製のためのプロセスであって、xが0.8乃至1.2の間であり、プロセスが、以下の
液体シリコン(Si)及び炭素源を炉に導入し、温度を少なくともおよそ1410℃にして、金属シリコン(Si)及び気体一酸化シリコン(SiO)を生成する工程と、
SiO気体を、ベクトルガスを用いて炉の低温領域に移動させて凝縮し、SiO
xナノフィラメント粒子を得る工程とを含む、プロセスと、
(14)炉が、誘導炉、電気アーク炉、またはサブマージアーク炉である、(12)項記載のプロセスと、
(15)炉が誘導炉であり、撹拌が、炉によって生成された磁界から生じる、(12)項記載のプロセスと、
(16)炉にシリカを導入する工程が、その間に存在する酸素を除去するパージプロセスによって達成される、(12)項記載のプロセと、
(17)炉が、サブマージアーク炉である、(13)項記載のプロセスと、
(18)炭素源が、黒鉛、木炭、石油コークス、木炭、木材またはそれらの組み合わせからなる、(13)項記載のプロセスと、
(19)SiO気体を生成する工程が、真空下で行われる、(12)または(13)項記載のプロセスと、
(20)SiO気体を生成する工程が、不活性雰囲気下で行われる、(12)または(13)項記載のプロセスと、
(21)不活性雰囲気が、Ar、HeまたはN
2からなる、(20)項記載のプロセスと、
(22)温度が、およそ1450及びおよそ1700℃の間であり、好ましくはおよそ1500℃である、(12)または(13)項記載のプロセスと、
(23)ベクトルガスが、不活性ガス、好ましくはAr、He、N
2であるか、酸化剤ガス、好ましくは空気、H
2O、O
2、CO
2であるか、還元ガス、好ましくはCO、H
2であるか、揮発性炭化水素であるか、またはそれらの組み合わせである、(12)または(13)項記載のプロセスと、
(24)xが、およそ1である、(1)乃至(23)項のいずれか1項記載のプロセスと、
(25)SiO
2が、石英、ケイ石、またはそれらの組み合わせの形状である、(1)乃至(24)項のいずれか1項記載のプロセスと、
(26)SiO
x粒子が、ナノフィラメントからなる球状の凝集物状であり、各々の凝集物が直径およそ2乃至10μmを有する、(1)乃至(25)のいずれか1項記載のプロセスと、
(27)ナノフィラメントが各々、直径およそ50nmを有し、凝集物が、直径およそ100乃至150nmを各々有する球体によって連結される、(1)乃至(26)項のいずれか1項記載のプロセスと、
(28)得られたナノフィラメントSiO
x粒子が、非晶質SiO
2、結晶Si、及びSiCの少なくとも1つを含み、好ましくはSiCはβ型である、(1)乃至(27)のいずれか1項記載のプロセスと、
(29)(1)乃至(28)項のいずれか1項によって画定されたプロセスによって得られたSiO
xナノフィラメント粒子と、
(30)(1)乃至(28)項のいずれか1項によって画定されたプロセスによって得られたSiO
xナノフィラメント粒子を含む、材料と、
(31)陽極材料の加工における、(1)乃至(28)のいずれか1項によって画定されたプロセスによって得られたSiO
xナノフィラメント粒子の使用と、
(32)(1)乃至(28)項のいずれか1項によって画定されたプロセスによって得られたSiO
xナノフィラメント粒子を含む陽極と、
(33)(30)項で画定された材料を含む陽極と、
(34)(32)または(33)項で画定された陽極を含むバッテリとに関する。
【0023】
本発明の他の目的、利点及び特徴は、添付の図面を参照し、例示のみを目的として提供された、以下に続くその詳細な実施形態の非限定的な説明を読むと、明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】市販のSiO材料の典型的な態様、すなわち、電子顕微鏡及びX線回折分析によって撮影された顕微鏡写真を示す。
【
図2】市販のSiO
xが用いられた場合、ならびにSiO
x及び黒鉛の混合物が用いられた場合の陽極の容量を示す。
【
図4】本発明のプロセスによって得られたSiO
xのナノフィラメントを示す。
【
図5】本発明のプロセスによって得られたSiO
xナノフィラメント粒子のX線回折分析を示す。
【
図6】サイクル形成(電気化学試験)の結果を示す。
【
図7】サイクル安定性(電気化学試験)の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、SiO
x材料の調製のためのプロセスに関し、ここでxは、およそ0.8乃至およそ1.2の間であり、好ましくは、xはおよそ1である。本発明によるSiO
x材料は、ナノスケールのフィラメント構造(ナノフィラメント、ナノ構造粒子)を有する。
【0026】
本発明のプロセスは、以下に概説した高温冶金プロセスによって得られたSiO気体の凝縮からのSiO
x粒子の合成を含む。
【0027】
SiO(g)を生成するための、Si(l)とSiO
2(l、s)との間の融合反応を含む工程が、制御された雰囲気化で行われる。たとえば、誘導炉、プラズマ炉、電気アーク炉、またはサブマージアーク炉における融合である。融合反応は、以下の反応に従って進行する。
【化3】
【0028】
その後、気体または気体の混合物を媒介物として用いて、凝縮のためにSiO(g)を冷領域に移動させる。固形SiO
xナノ構造粒子の核生成及び成長は、凝縮中に生じる。
【0029】
1つの態様によれば、融合工程は、以下の反応によって表されるようなSiO
2の炭素熱還元工程に置き換えられてもよい。さまざまな炭素源、たとえば黒鉛(
図2)、石炭、石油コークス、木炭、木材またはそれらの組み合わせが用いられ得る。シリカは、石英、ケイ石、またはそれらの組み合わせの形状であってもよい。
【化4】
【0030】
SiO気体を移動させるための媒介物として用いられる気体混合物は、不活性ガス(たとえばAr、He、N
2)、酸化剤ガス(たとえば空気、H
2O、O
2、CO
2)、還元ガス(たとえばCO、H
2、揮発性炭化水素)またはそれらの組み合わせを含み得る。
【実施例】
【0031】
以下の実施例は、例示的な実施形態としてのみ提供され、いずれの点においても、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0032】
実施例1
冶金グレードシリコン(Si)を、黒鉛坩堝を具備する誘導炉で溶解させる。当該実験システムは、坩堝のためのカバーと、アルゴンをベクトルガスとして供給するための供給口と、コンデンサとをさらに含む(
図3)。
【0033】
液体シリコンを1500℃に加熱する。シリカ(SiO
2)を、液体(Si)面で加える。次いで、坩堝カバーを適所に置き、アルゴンを供給するプロセスを始める。誘導炉は、液体の回転を起こさせる磁界を生成し、結果としてSiO
2(s)がSi(l)内部で分散する。はじめからシステム内に存在する酸素がひとたび完全にパージされると、シリカフュームを生成する副反応が停止し(2SiO(g)+O
2(g)→2SiO
2(s))、SiO
x粒子を生成する反応を始める(SiO(g)→SiO(am))。生成物の色は、白色(シリカフューム、SiO
2)から褐色(SiO
x)に変化する。
【0034】
得られた材料を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、高倍率下で検査する。得られたSiO
xは、直径2乃至10μμmを有し、ナノスケールの繊維性構造を有する球状の凝集物を提示する。ナノフィラメントは、直径およそ50nmを有し、直径およそ100乃至150nmを有する球体によって結合する(
図4)。
【0035】
X線回折分析によれば(
図5)、粒子は、非晶質シリカ(SiO
2)、結晶シリコン(Si)、及び炭化ケイ素(SiC)を含む(β型)。このように、SiO
xは、不均化反応を経て、結果的に結晶Siを非晶質SiO
2マトリックスにナノメートルで分散させる。
【0036】
LECOによって測定された酸素の総量は、市販のSiO
xと、実施例1で得られたSiO
xとに同等のレベルの酸素を示す。
【0037】
実施例2
金属シリコンを、サブマージアーク炉を用いて、石炭鉱物、木炭、または石油コークス等の材料の還元による石英(SiO
2)の炭素熱還元によって調製する。反応中、シリコンのおよそ80%が、以下のグローバル反応に従って還元される。
【化5】
【0038】
中間反応が生じ、これによって、以下の反応に従って、炉(アーク)の最も高温な領域においてSiO気体が生成される。
【化6】
【0039】
SiO
x試料の抽出を可能にするために、アーク炉に対して、黒鉛電極の一方に長手方向開口を作成することからなる改変を行った。反応領域を離れるSiO気体を、開口を通して吸引した。電極を通って流れるSiO気体は、いったんより冷たい領域に酸素が欠乏した状態で到達すると、以下の反応に従って凝縮する。
【化7】
得られたSiO
xは、第1の合成のように繊維質であり、実施例1における試料について得られたものと同じディフラクトグラムを提示する。すなわち、一定量のSiOが不均化を経て金属シリコン及び非晶質石英に至り、さらに炭素に富む雰囲気が、微量の炭化ケイ素(SiC)の生成につながる。
【0040】
実施例3
複合電極を、活物質(SiO
x)と、カーボンブラック(デンカブラック(Denkablack))25重量パーセント及び結合剤(アルギン酸ナトリウム、Aldrich)25重量パーセントとを、脱イオン水からなる溶媒中で混合して均一な分散を得て、次いでこれを、銅で作られた電流コレクタ上に付着させることによって製造する。電極を、真空下で、110℃で20時間乾燥させる。ボタン電池CR2032型を、ヘリウムを充填したグローブボックス内で組み立てる。用いられた電解質は、炭酸エチレン(EC)及び炭酸ジエチル(DEC)と、炭酸ビニレン(VC)(Ube)2重量パーセントとの3:7(v/v)混合物中のLiPF
6(1M)である。対向電極は、リチウム薄膜である。バッテリに対する電気化学試験を、0.005乃至2.5Vの電位内かつC/24の速度での定電流モードにおける充放電サイクリングによって行う(
図6)。ひとたび可逆の容量が測定されると、バッテリのサイクリングは、C/6の速度でのその安定性を測定するために行われる(
図7)。
【0041】
本発明は、その特定の実施形態によって説明されているが、さまざまな変形及び改変が、これらの実施形態に関連付けられ得ることが理解されるべきである。本発明は、そのような発明の改変、使用、または適用を全体として包含し、本発明の原理は、発明の分野において知られているかまたは慣例的であるあらゆる変形を含み、特許請求の範囲に従って上記に示された必須の要素に適用し得る。
【0042】
特許請求の範囲は、実施例に述べられた好ましい実施形態によって限定されるべきではなく、全体として明細書と整合している最も広い解釈が提供されるべきである。
(項目1)
SiOxナノフィラメント粒子の調製のためのプロセスであって、xが0.8乃至1.2の間であり、前記プロセスが、
気体一酸化シリコン(SiO)を生成するための、シリカ(SiO2)とシリコン(Si)との間での、少なくともおよそ1410℃の温度での融合反応からなる工程と、
前記SiOxナノフィラメント粒子を生成するための、前記SiO気体の凝縮からなる工程と、
を含む、プロセス。
(項目2)
SiOxナノフィラメント粒子の調製のためのプロセスであって、xが0.8乃至1.2の間であり、前記プロセスが、
気体一酸化シリコン(SiO)を生成するための、シリカ(SiO2)、シリコン(Si)、及び炭素源(C)の間での、少なくともおよそ1410℃の温度での融合反応からなる工程と、
前記SiOxナノフィラメント粒子を生成するための、前記SiO気体の凝縮からなる工程と、
を含む、プロセス。
(項目3)
前記SiO2が固形の形状であり、前記Siが液体の形状である、項目1または2記載のプロセス。
(項目4)
前記融合工程が、誘導炉、電気アーク炉、またはサブマージアーク炉で行われる、項目1または2記載のプロセス
(項目5)
前記凝縮工程が、炉の低温領域で行われ、前記SiO気体が、ベクトルガスによって前記低温領域に移動する、項目1または2記載のプロセス。
(項目6)
前記ベクトルガスが、不活性ガス、好ましくはAr、He、N2であるか、酸化剤ガス、好ましくは空気、H2O、O2、CO2であるか、還元ガス、好ましくはCO、H2であるか、揮発性炭化水素であるか、またはそれらの組み合わせである、項目6記載のプロセス。
(項目7)
前記融合工程が、真空下で行われる、項目1または2記載のプロセス。
(項目8)
前記融合工程が、不活性雰囲気下で行われる、項目1または2記載のプロセス。
(項目9)
前記不活性雰囲気が、Ar、HeまたはN2からなる、項目8記載のプロセス。
(項目10)
前記融合工程における前記温度が、およそ1450℃乃至およそ1700℃の間、好ましくはおよそ1500℃である、項目1または2記載のプロセス。
(項目11)
前記炭素源が、黒鉛、木炭、石油コークス、木炭、木材またはそれらの組み合わせからなる、項目2記載のプロセス。
(項目12)
SiOxナノフィラメント粒子の調製のためのプロセスであって、xが0.8乃至1.2の間であり、前記プロセスが、以下の
液体シリコン(Si)を炉に導入し、温度を少なくともおよそ1410℃にする工程と、
前記混交物を撹拌しながら、固体シリカ(SiO2)を前記炉に導入し、気体一酸化シリコン(SiO)を生成する工程と、
前記SiO気体を、ベクトルガスを用いて前記炉の低温領域に移動させて凝縮し、前記SiOxナノフィラメント粒子を得る工程と、
を含む、プロセス。
(項目13)
SiOxナノフィラメント粒子の調製のためのプロセスであって、xが0.8乃至1.2の間であり、前記プロセスが、以下の
液体シリコン(Si)及び炭素源を炉に導入し、温度を少なくともおよそ1410℃にして、金属シリコン(Si)及び気体一酸化シリコン(SiO)を生成する工程と、
前記SiO気体を、ベクトルガスを用いて前記炉の低温領域に移動させて凝縮し、前記SiOxナノフィラメント粒子を得る工程と、
を含む、プロセス。
(項目14)
前記炉が、誘導炉、電気アーク炉、またはサブマージアーク炉である、項目12記載のプロセス。
(項目15)
前記炉が誘導炉であり、前記撹拌が、前記炉によって生成された磁界から生じる、項目12記載のプロセス。
(項目16)
前記炉に前記シリカを導入する前記工程が、その間に存在する酸素を除去するパージプロセスによって達成される、項目12記載のプロセス。
(項目17)
前記炉が、サブマージアーク炉である、項目13記載のプロセス。
(項目18)
前記炭素源が、黒鉛、木炭、石油コークス、木炭、木材またはそれらの組み合わせからなる、項目13記載のプロセス。
(項目19)
SiO気体を生成する前記工程が、真空下で行われる、項目12または13記載のプロセス。
(項目20)
SiO気体を生成する前記工程が、不活性雰囲気下で行われる、項目12または13記載のプロセス。
(項目21)
前記不活性雰囲気が、Ar、HeまたはN2からなる、項目20記載のプロセス。
(項目22)
前記温度が、およそ1450及びおよそ1700℃の間であり、好ましくはおよそ1500℃である、項目12または13記載のプロセス。
(項目23)
前記ベクトルガスが、不活性ガス、好ましくはAr、He、N2であるか、酸化剤ガス、好ましくは空気、H2O、O2、CO2であるか、還元ガス、好ましくはCO、H2であるか、揮発性炭化水素であるか、またはそれらの組み合わせである、項目12または13記載のプロセス。
(項目24)
xが、およそ1である、項目1乃至23のいずれか1項記載のプロセス。
(項目25)
SiO2が、石英、ケイ石、またはそれらの組み合わせの形状である、項目1乃至24のいずれか1項記載のプロセス。
(項目26)
前記SiOx粒子が、ナノフィラメントからなる球状の凝集物状であり、各々の凝集物が直径およそ2乃至10μmを有する、項目1乃至25のいずれか1項記載のプロセス。
(項目27)
前記ナノフィラメントが各々、直径およそ50nmを有し、前記凝集物が、直径およそ100乃至150nmを各々有する球体によって連結される、項目1乃至26のいずれか1項記載のプロセス。
(項目28)
前記得られたナノフィラメントSiOx粒子が、非晶質SiO2、結晶Si、及びSiCの少なくとも1つを含み、好ましくはSiCはβ型である、項目1乃至27のいずれか1項記載のプロセス。
(項目29)
項目1乃至28のいずれか1項によって画定された前記プロセスによって得られたSiOxナノフィラメント粒子。
(項目30)
項目1乃至28のいずれか1項によって画定された前記プロセスによって得られたSiOxナノフィラメント粒子を含む、材料。
(項目31)
陽極材料の前記加工における、項目1乃至28のいずれか1項によって画定された前記プロセスによって得られたSiOxナノフィラメント粒子の使用。
(項目32)
項目1乃至28のいずれか1項によって画定された前記プロセスによって得られたSiOxナノフィラメント粒子を含む陽極。
(項目33)
項目30で画定された材料を含む陽極。
(項目34)
項目32または33で画定された陽極を含むバッテリ。