特許第6652589号(P6652589)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6652589
(24)【登録日】2020年1月27日
(45)【発行日】2020年2月26日
(54)【発明の名称】目地部用耐火部材の取付構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/94 20060101AFI20200217BHJP
   E04B 1/68 20060101ALI20200217BHJP
【FI】
   E04B1/94 H
   E04B1/68 100Z
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-84730(P2018-84730)
(22)【出願日】2018年4月26日
(65)【公開番号】特開2019-190151(P2019-190151A)
(43)【公開日】2019年10月31日
【審査請求日】2018年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110365
【氏名又は名称】ドーエイ外装有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
(74)【代理人】
【識別番号】100194261
【弁理士】
【氏名又は名称】栢原 崇行
(72)【発明者】
【氏名】後藤 英夫
【審査官】 土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−224745(JP,A)
【文献】 特開2000−320178(JP,A)
【文献】 特開2002−242333(JP,A)
【文献】 特開平05−306550(JP,A)
【文献】 特開2009−275345(JP,A)
【文献】 特開平11−081520(JP,A)
【文献】 実開平04−123904(JP,U)
【文献】 中国実用新案第205348422(CN,U)
【文献】 実開平04−073112(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/94
E04B 1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方と他方の左右の躯体間の目地部にかけ渡すように設けられる目地部用耐火部材の取付構造であって、
前記一方の躯体の壁面に一端部が当接するように取り付けられているとともに、前記他方の躯体の壁面に他端部が当接するように取り付けられた目地部用耐火部材と、該目地部用耐火部材の前記各端部にそれぞれ当接するように設けられた耐火シール部材充填部と、該耐火シール部材充填部に、前記目地部用耐火部材の前記各端部にそれぞれ当接し、かつ、前記一方の躯体の壁面又は前記他方の躯体の壁面にそれぞれ当接するように充填された耐火シール部材とで構成され、
前記目地部用耐火部材は、柔軟性を有する耐火材と、該耐火材の少なくとも表面及び裏面を覆う被覆部材とで構成される目地部用耐火部材の取付構造。
【請求項2】
一方と他方の左右の躯体間の目地部にかけ渡すように設けられる目地部用耐火部材の取付構造であって、
前記目地部にかけ渡すように設けられたリンク部材と、該リンク部材の少なくとも1つの枢支部に設けられた取付部材と、前記一方の躯体に一端部が取り付けられ、他端部が前記取付部材に取り付けられる一方の目地部用耐火部材と、一端部が他方の躯体の壁面に取り付けられ、他端部が取付部材に取り付けられる他方の目地部用耐火部材と、該一方及び他方の目地部用耐火部材の前記左右の躯体の壁面に取り付けられた一端部にそれぞれ略当接するように設けられた耐火シール部材充填部と、前記目地部用耐火部材の前記各一端部にそれぞれ当接し、かつ、前記一方の躯体の壁面又は前記他方の躯体の壁面にそれぞれ当接するように充填された耐火シール部材とで構成され、
前記目地部用耐火部材は、柔軟性を有する耐火材と、該耐火材の少なくとも表面及び裏面を覆う被覆部材とで構成される目地部用耐火部材の取付構造。
【請求項3】
一方の目地部用耐火部材と他方の目地部用耐火部材の間に、両端部が前記取付部材に取り付けられる中間目地部用耐火部材を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の目地部用耐火部材の取付構造。
【請求項4】
前記目地部用耐火部材は、その端部付近の部位が躯体に固定された取付具を介して取り付けられるとともに、この取付具よりも端部よりの部位が躯体の壁面に当接状態で取り付けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の目地部用耐火部材の取付構造。
【請求項5】
前記目地部用耐火部材は、その端部が躯体の壁面に直接取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の目地部用耐火部材の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一方と他方の躯体間の目地部に設けられる目地部用耐火部材の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一方と他方の躯体(左右の躯体)間の目地部に設けられる目地部用耐火部材としては、「耐火物の表面及び裏面を金属シートで覆うとともに、この金属シートの両端部を左右の躯体にそれぞれ固定する耐火帯」が特許文献1に記載されている。
このような耐火帯(目地部用耐火部材)は、耐火物の全体を金属シートで覆っているため、柔軟性が低く、地震による左右の躯体の揺れ動きにスムーズに対応できないという問題点があった。
【0003】
また、左右の躯体に耐火帯を取付具等を介さずに直接取り付けており、耐火帯の両端部に耐火シール部材等を充填することが困難であった。
更に付言すると、取付具等を使用して耐火帯の両端部が躯体の壁面と間隔を隔てて取り付けた場合、その取付具の部分が熱橋(ヒートブリッジ)となってしまい、断熱することが難しいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2572916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、震による左右の躯体の揺れ動きにスムーズに対応できるとともに、確実に耐火性・シール性を向上させることができる目地部用耐火部材の取付構造を提供することを目的としている。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の目地部用耐火部材の取付構造は、一方と他方の左右の躯体間の目地部にかけ渡すように設けられる目地部用耐火部材の取付構造であって、前記一方の躯体の壁面に一端部が当接するように取り付けられているとともに、前記他方の躯体の壁面に他端部が当接するように取り付けられた目地部用耐火部材と、該目地部用耐火部材の前記各端部にそれぞれ当接するように設けられた耐火シール部材充填部と、該耐火シール部材充填部に、前記目地部用耐火部材の前記各端部にそれぞれ当接し、かつ、前記一方の躯体の壁面又は前記他方の躯体の壁面にそれぞれ当接するように充填された耐火シール部材とで構成され、前記目地部用耐火部材は、柔軟性を有する耐火材と、該耐火材の少なくとも表面及び裏面を覆う被覆部材とで構成されることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の目地部用耐火部材の取付構造は、一方と他方の左右の躯体間の目地部にかけ渡すように設けられる目地部用耐火部材の取付構造であって、前記目地部にかけ渡すように設けられたリンク部材と、該リンク部材の少なくとも1つの枢支部に設けられた取付部材と、前記一方の躯体に一端部が取り付けられ、他端部が前記取付部材に取り付けられる一方の目地部用耐火部材と、一端部が他方の躯体の壁面に取り付けられ、他端部が取付部材に取り付けられる他方の目地部用耐火部材と、該一方及び他方の目地部用耐火部材の前記左右の躯体の壁面に取り付けられた一端部にそれぞれ略当接するように設けられた耐火シール部材充填部と、前記目地部用耐火部材の前記各一端部にそれぞれ当接し、かつ、前記一方の躯体の壁面又は前記他方の躯体の壁面にそれぞれ当接するように充填された耐火シール部材とで構成され、前記目地部用耐火部材は、柔軟性を有する耐火材と、該耐火材の少なくとも表面及び裏面を覆う被覆部材とで構成されることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の目地部用耐火部材の取付構造は、一方の目地部用耐火部材と他方の目地部用耐火部材の間に、両端部が前記取付部材に取り付けられる中間目地部用耐火部材を更に備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の目地部用耐火部材の取付構造は、前記目地部用耐火部材は、その端部付近の部位が躯体に固定された取付具を介して取り付けられるとともに、この取付具よりも端部よりの部位が躯体の壁面に当接状態で取り付けられることを特徴とする。
請求項5に記載の目地部用耐火部材の取付構造は、前記目地部用耐火部材は、その端部が躯体の壁面に直接取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1及び請求項2に記載の各発明においては、柔軟性を有する被覆部材を用いているので、地震による左右の躯体の揺れ動きにスムーズに追従することができる。
(2)また、目地部用耐火部材が躯体の壁面にその端部が面接触状態で接するように取り付けられているので、ヒートブリッジ等も防止でき、確実に耐火性を向上させることができる。
(3)目地部用耐火部材の端部に略当接するように設けられた耐火シール部材充填部を設け、この耐火シール部材充填部に耐火シール部材を充填しているので、シール性を向上させることができる。
(4)請求項3乃至請求項5に記載の各発明においても、前記(1)〜(3)と同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1乃至図4は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図5乃至図7は本発明の第2の実施形態を示す説明図である。
図8乃至図10は本発明の第3の実施形態を示す説明図である。
図1】第1の実施形態の目地部用耐火部材の取付構造を示す平面図。
図2図1の2−2線断面図。
図3】要部拡大図。
図4】使用状態の説明図。
図5】第2の実施形態の目地部用耐火部材の取付構造を示す平面図。
図6図5の6−6線断面図。
図7】要部拡大図。
図8】第3の実施形態の目地部用耐火部材の取付構造を示す平面図。
図9図8の9−9線断面図。
図10】要部拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書では図1を基準として左右方向、前(図面上方)後(図面下方)方向という。また、図2を基準として上(図面上方)下(図面下方)方向という。
また、本発明において躯体とは、車両が通行する道路を主に想定しているが、人が通行する部分の目地プレートに設けることも可能であるため、建物、スラブ、エレベーターシャフト等の目地プレートを設置可能な建造物をも含むものである。
【0013】
図1乃至図4に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は本実施の形態においては、目地部2を介して設けられた一方と他方の躯体3、4間に設置される目地部用耐火部材の取付構造である。
【0014】
この目地部用耐火部材の取付構造1は、図1及び図2に示すように一方の躯体3の壁面に一端部が取り付けられ、他方の躯体4の壁面に他端部が取り付けられた目地部用耐火部材5と、この目地部用耐火部材5の両端部に略当接するように設けられた耐火シール部材充填部6と、この耐火シール部材充填部6に充填された耐火シール部材7とで構成されている。
【0015】
目地部用耐火部材5は、柔軟性を有する耐火材9、柔軟性を有する袋状で、内部に耐火材9が充填された被覆部材8とで構成されている。
【0016】
前記被覆部材8は、本実施形態では方形状で、柔軟性を有するシートで、この被覆部材8も耐火性の材料で形成されていることが望ましい。この1対の被覆部材8は、上下に重ねられて周縁部が接着、溶着、縫着等により固定されて中空の袋状に形成されており、耐火材9が内包されている。
【0017】
耐火材9は、本実施形態では、例えばロックウール等の耐火性及び柔軟性を有する綿状の材料で形成されている。
【0018】
なお、本実施形態では、耐火材9を袋状の被覆部材8の内部に充填し、耐火材9の全周を被覆部材8で覆っているが、例えばシート状の耐火材を用いる場合には、1対の被覆部材8を用いてその表面及び裏面を覆ってもよい。
【0019】
この目地部用耐火部材5は、その両端部がそれぞれ左右の躯体3、4の壁面に面接触するように取り付けられており、本実施形態では、ボルト10によって固定されている。このボルト10は、目地部用耐火部材5の両端部付近に前後方向に延在する略アングル状の固定金具11を介して左右の躯体3、4の壁面に固定される。
【0020】
このように左右の躯体3、4の壁面に面接触するように取り付けることにより、目地部2が断熱され、ヒートブリッジ等の発生も防止することができる。
例えば図3に示すように、左右の躯体3、4の壁面には、目地部用耐火部材5の両端部に取り付けられた固定金具11と所定間隔を隔てて前後方向に延在する略アングル状のレール部材12が固定されており、固定金具11とレール部材12との間の空間が耐火シール部材充填部6を形成している。
【0021】
この耐火シール部材充填部6には耐火シール部材7が充填されており、目地部用耐火部材5の両端部と耐火シール部材7が当接状態となっている。
ところで、略当接とは、目地部用耐火部材5の端部に直接耐火シール部材7が当接する場合、目地部用耐火部材5の端部に金具等を介して間接的に耐火シール部材7が当接する場合、目地部用耐火部材5の端部と若干の空間を隔てて耐火シール部材7が充填される場合を含むものである。
【0022】
使用状態においては、目地部用耐火部材1の上方には、図4に示すように目地プレート13が設けられ、目地部2が塞がれる。
なお、目地部用耐火部材1の底面を支持できるように支持アーム等(図示せず)を設けてもよい。
【0023】
この使用状態において、地震によって左右の躯体3、4が揺れ動き、目地部2が狭くなった場合には、目地部用耐火部材1が大きく垂れ下がるとともに、目地プレート13が他方の躯体4の床面に形成された傾斜面に乗り上がり地震による揺れ動きを吸収する。
地震によって左右の躯体3、4が揺れ動き、目地部2が広くなった場合には、目地部用耐火部材1が略水平状態となるとともに、目地プレート13が他方の躯体4の床面をスライド移動し地震による揺れ動きを吸収する。
【0024】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図5乃至図10に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0025】
図5乃至図7に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、目地部2にかけ渡すように設けられ、取付部材14を備える複数個のリンク部材15と、一端部が一方の躯体の壁面に取り付けられ、他端部が前記リンク部材15の取付部材14に取り付けられる一方の目地部用耐火部材5と、一端部が他方の躯体3の壁面に取り付けられ、他端部が耐火部材取付部14に取り付けられる他方の目地部用耐火部材5とで構成した点で、このような目地部用耐火部材の取付構造1Aにしても前記本発明を実施するための第1の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0026】
本実施形態では、パンタグラフ状のリンク部材15の枢支部16に取付部材14が設けられており、この取付部材14に一方の目地部用耐火部材5の他端部と他方の目地部用耐火部材5の他端部を重ね合わせるように取り付けている。このように端部同士を重ね合わせ状態で取り付けることにより、確実に断熱することができる。
【0027】
この取付部材14は、略コ字状の一方の取付部材14aと平板状の他方の取付部材14bとで構成されており、一方の取付部材14aは、枢支部16を枢支している枢支ピン17によって枢支部16に取り付けられている。
【0028】
この一方の取付部材14aには本実施形態では、ボルト10が貫通しており、このボルト10は、一方の目地部用耐火部材5の他端部と他方の目地部用耐火部材5の他端部を重ね合わせ部を貫通し、他方の取付部材14bを介してナット18で固定されている。
このように一方の取付部材14a及び他方の取付部材14bによって一方の目地部用耐火部材5の他端部と他方の目地部用耐火部材5の他端部を重ね合わせ部が挟持状態で枢支部16に取り付けられる。
【0029】
ところで、本実施形態では、2つの目地部用耐火部材5を用いているが、例えば3つ以上の目地部用耐火部材5を用いて断熱してもよい。この場合、一方及び他方の目地部用耐火部材5の間に位置する中間目地部用耐火部材5は、その両端部がパンタグラフ状のリンク部材15の取付部材14に取り付けられて目地部2を塞いで断熱する。
【0030】
なお、本実施形態では、クランク状に形成した固定金具11Aを用いており、固定金具11Aと壁面3a、4aとの間の空間を耐火シール部材充填部6Aとしている。
【0031】
このリンク部材15は、前後方向に複数個、本実施形態では、前後方向に2つのリンク部材15が設けられており、また、このようにパンタグラフ状のリンク部材15を用いることにより、幅広の目地部2であっても、複数個の取付部14を設けることができ、複数個の目地部用耐火部材5を用いて目地部2の全体を耐火性の部材で覆うことができる。
【0032】
図8乃至図10に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、一方の躯体3及び他方の躯体4の壁面に固定され、鋭角に屈曲した固定金具11Bを用いて目地部用耐火部材5の両端部付近を固定するとともに、目地部用耐火部材5の端部を自由端となる状態で一方の躯体3の壁面3a及び他方の躯体の壁面4aに面接触させ、この目地部用耐火部材5の端部に当接するように耐火シール部材7を充填した点で、このような目地部用耐火部材の取付構造1Bにしても前記本発明を実施するための第1の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0033】
本実施形態では、鋭角に屈曲した固定金具11Bに固定されたボルト1を目地部用耐火部材5の端部付近に貫通させ、このボルト10に略コ字状の取付金具19を介してナット18を螺合させ、固定金具11B及び取付金具19で目地部用耐火部材5が挟持されるように取り付ける。
【0034】
この目地部用耐火部材5の端部付近には、レール部材12が固定されており、取付金具19とレール部材12との間の空間が耐火シール部材充填部6Bを形成している。
【0035】
なお、目地部用耐火部材を方形状に形成したものについて説明したが、略多角形状、円弧状等の形状に形成することができる。このような形状にした場合には、一方の躯体と他方の躯体に取り付けられるよう、周縁部の一部又は全周に取付部を設ける。
【0036】
以上の通りであるから、本発明の目地部用耐火部材は、一方と他方の左右の躯体間の目地部にかけ渡すように設けられる目地部用耐火部材の取付構造であって、前記躯体の壁面にその端部が当接するように取り付けられた目地部用耐火部材と、該目地部用耐火部材の端部に略当接するように設けられた耐火シール部材充填部と、該耐火シール部材充填部に充填された耐火シール部材とで構成され、前記目地部用耐火部材は、柔軟性を有する耐火材と、該耐火材の少なくとも表面及び裏面を覆う被覆部材とで構成されることを特徴とする。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は目地部用耐火部材を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0038】
1、1A、1B:目地部用耐火部材の取付構造、
2:目地部、 3:一方の躯体、
4:他方の躯体、 5:目地部用耐火部材、
6、6A、6B:耐火シール部材充填部、
7:耐火シール部材、 8:被覆部材、
9:耐火材、 10:ボルト、
11、11A、11B:固定金具、 12:レール部材、
13:目地プレート、 14:耐火部材取付部、
15:リンク部材、 16:枢支部、
17:枢支ピン、 18:ナット、
19:取付金具。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10