特許第6652712号(P6652712)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6652712
(24)【登録日】2020年1月28日
(45)【発行日】2020年2月26日
(54)【発明の名称】端末装置及び表示制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20200217BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20200217BHJP
   G09G 5/38 20060101ALI20200217BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20200217BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20200217BHJP
【FI】
   G09G5/00 550C
   G09G5/36 530Y
   G09G5/38 A
   G06F3/0488
   G06F3/01 510
【請求項の数】5
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-7707(P2017-7707)
(22)【出願日】2017年1月19日
(65)【公開番号】特開2018-116192(P2018-116192A)
(43)【公開日】2018年7月26日
【審査請求日】2019年2月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】特許業務法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河原 正範
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 誠
(72)【発明者】
【氏名】安孫子 幸弘
(72)【発明者】
【氏名】仙波 聡史
(72)【発明者】
【氏名】羽佐田 理恵
【審査官】 小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−212636(JP,A)
【文献】 特開2013−37556(JP,A)
【文献】 特開2013−205931(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0220900(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0169934(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00−5/42
G06F 3/048−3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報が撮影された認証画像を得る際に、生体情報の読取操作を示すタッチ場所のガイド表示のうち次回表示するタッチ場所の位置を、前記ガイド表示を行うディスプレイのリフレッシュレートと、取得すべき認証画像の枚数と、該ガイド表示を更新する距離とから決定する位置決定部を有する、
端末装置。
【請求項2】
決定した前記次回表示するタッチ場所の位置に、タッチ場所の表示を行う表示部を有し、
前記位置決定部は、前記 次回表示するタッチ場所の位置を、前記読取操作に対するガイド表示の応答時間に応じて決定する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記読取操作に対するガイド表示の応答時間は、0.2秒以内である、
請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記読取操作のタッチ位置を取得する取得部を有し、
前記位置決定部は、取得した前記読取操作のタッチ位置が、次回表示すべきタッチ場所の位置の許容範囲を超えている場合、次回表示するタッチ場所の位置を、決定した前記次回表示するタッチ場所の位置から、取得した前記読取操作のタッチ位置に応じた所定距離加算した位置に決定する、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項5】
生体情報が撮影された認証画像を得る際に、生体情報の読取操作を示すタッチ場所のガイド表示のうち次回表示するタッチ場所の位置を、前記ガイド表示を行うディスプレイのリフレッシュレートと、取得すべき認証画像の枚数と、該ガイド表示を更新する距離とから決定する処理、
をコンピュータに実行させるための表示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置及び表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タブレット端末等の携帯端末の中には、生体認証機能を備えた装置がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、生体情報を一括して読み取りできるカメラに代えて、ディスプレイの横側にラインカメラを配置し、そのラインカメラの上を、手のひらを移動させて生体情報を読み取る端末装置が開示されている。これにより、省スペース化を図っている。
【0003】
特許文献1では、手のひらを移動させる際、生体情報の読み取りエラーを減らすために、ディスプレイの上にタッチ場所をガイド表示して、そのタッチ場所に従って指を移動させることで、ラインカメラの上を手のひらが通過し、手のひらの生体情報を取得できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−16248号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】“Designing with the Mind in Mind.Second Edition.PP.156 Author:J Johnson,Release Date:10 Feb 2014”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
認証に必要な生体情報の画像を取得するために必要な時間は短くしたい。また、指を置く位置を示すタッチ場所の一つ前の表示位置とその次の表示位置との間隔が広くなると、ガイド表示がジャンプするように見えるため、ガイド表示がスムーズに動いているように見える間隔でタッチ場所を表示したい。
【0007】
一方、カメラの上を手のひらが通過する速度が速いと、カメラが一の画像を撮影してから次画像を撮影するまでに必要な時間間隔によっては、生体認証に必要な精度の画像を必要な枚数だけ撮影できない場合がある。また、タッチ場所の位置の表示を更新する時間間隔が短くなると、システムに負荷がかかり、画面がちらついて見えたり、カメラの画像取得に失敗したりすることがある。
【0008】
そのため、単にタッチ場所の位置を早く移動させて、そのガイド表示に沿って手や指を早く移動させただけでは、画面がちらつき、かつ、生体認証に必要な精度の画像を必要な枚数だけ取得できず、認証に必要な撮像を取得するために要する時間は短くはならない。
【0009】
そこで、1つの側面では、本発明は、生体情報が撮影された認証のための画像を得る際のガイド表示のちらつきを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの実施態様では、生体情報が撮影された認証画像を得る際に、生体情報の読取操作を示すタッチ場所のガイド表示のうち次回表示するタッチ場所の位置を、前記ガイド表示を行うディスプレイのリフレッシュレートと、取得すべき認証画像の枚数と、該ガイド表示を更新する距離とから決定する位置決定部を有する、端末装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
1つの側面では、本発明は、生体情報が撮影された認証のための画像を得る際のガイド表示のちらつきを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係る端末装置のガイド画面の一例を示す図。
図2】一実施形態に係るガイド画面を用いた読取操作を説明するための図。
図3】一実施形態に係る読取操作による読取範囲を説明するための図。
図4】一実施形態に係るガイドボタンの更新の一例を示す図。
図5】一実施形態に係る端末装置のハードウェア構成の一例を示す図。
図6】一実施形態に係る端末装置の機能構成の一例を示す図。
図7】一実施形態に係るガイド位置情報テーブルの一例を示す図。
図8】一実施形態に係るガイドボタンの配置の一例を示す図。
図9】一実施形態に係る生体認証装置の機能構成の一例を示す図。
図10】一実施形態に係るガイド画面を用いた読取操作を説明するための図。
図11】一実施形態に係るガイド画面を用いた読取操作を説明するための図。
図12】一実施形態に係るガイド表示制御処理の一例を示すフローチャート。
図13】一実施形態に係る更新処理1の一例を示すフローチャート。
図14】一実施形態に係る更新処理1のガイド更新の条件成立例を示す図。
図15】一実施形態に係る更新処理2の一例を示すフローチャート。
図16】一実施形態に係る更新処理2のガイド更新の条件成立例を示す図。
図17】一実施形態に係る更新処理2のガイド更新の条件成立例を示す図。
図18】一実施形態に係る更新処理2のガイド更新の条件成立例(ジャンプ)を示す図。
図19】一実施形態に係る更新処理3の一例を示すフローチャート。
図20】一実施形態に係る更新処理3の終了位置ポイント到達条件成立例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0014】
[生体認証]
生体認証技術では、指紋、顔、手のひら、虹彩、静脈などの個人毎に異なる特徴的な生体情報を用いて本人確認が行われる。例えば、手のひら認証は、掌紋、掌形、手のひら静脈などの生体情報を用いて生体認証を行う。以下の説明では、タブレット端末など、生体認証機能を備えた端末装置における手のひら認証を例に説明するが、生体認証は手のひら認証に限定されるものではない。
【0015】
本発明の一実施形態に係る端末装置は、生体情報の読取装置及び生体認証装置を搭載可能である。生体情報の読取装置は、生体認証装置に含まれていても良い。
【0016】
端末装置には、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット端末、スマートフォン、携帯端末などが含まれる。以下に示す例では、端末装置1は、タブレット端末、スマートフォン等の携帯端末である。
【0017】
[ガイド画面]
まず、本実施形態に係る端末装置1のガイド画面の一例について、図1を参照しながら説明する。生体認証機能を備えた端末装置1は、例えば筐体1Aに設けられたカメラ17で生体を撮影する。この例では、端末装置1には、平面図上で略長方形を有する筐体1Aの上面にタッチパネルが積層された内蔵ディスプレイ21が設けられ、内蔵ディスプレイ21を囲む筐体1Aの横側中央の位置に、カメラ17が設けられている。ただし、カメラ17の位置は、これに限らず、筐体1Aのいずれかの位置に設けられていればよい。端末装置1は、カメラ17の上を、手のひらを移動させて生体情報を読み取ることで、省スペース化を図っている。
【0018】
手のひらを移動させる際、生体情報の読み取りエラーを減らすために、内蔵ディスプレイ21には、指のタッチ場所425が表示されている。タッチ場所425の表示には、内蔵ディスプレイ21の上に、指を置く始点(以下、「開始位置ポイント」ともいう。)を示す円状のスタートガイドボタン425Sと、指を置く終点(以下、「終了位置ポイント」ともいう。)を示す円状のエンドガイドボタン425Eとが含まれる。また、タッチ場所425の表示には、指をスタートガイドボタン425Sからエンドガイドボタン425EまでスライドさせるガイドラインLと指をスライドさせる方向を示す矢印とが含まれる。表示の例では、2本のタッチ場所425に従って2本の指をスタートガイドボタン425Sからエンドガイドボタン425Eまで移動させることで、カメラ17の上を手のひらが通過し、手のひらの生体情報を取得できるようにしている。
【0019】
[ガイド画面を用いた読取操作]
図2に、一実施形態に係るガイド画面を用いた読取操作の一例を示す。図2に示す例では、内蔵ディスプレイ21のガイドラインL上に、スタートガイドボタン425S、ガイドボタン425n、エンドガイドボタン425Eが示されたタッチ場所425が2本表示されている。
【0020】
ユーザ100は、図2に示すように、指先(この例では親指、及び人差し指)で2本のタッチ場所425を同時になぞる。そうすると、カメラ17はその間撮像範囲17A内で手のひら100Aを撮像する。
【0021】
ユーザ100が複数の指先でタッチ場所425に対して同時にスライドしてタッチする操作を行う場合、複数の指先が内蔵ディスプレイ21上を同時にスライドする間、手のひら100Aの内蔵ディスプレイ21に対する角度は安定しており大きく変化することはない。このため、端末装置1とユーザ100の手との相対的な角度のずれを低減して、カメラ17により手のひら100Aを安定に撮像できる。
【0022】
なお、図2では、タッチ場所425の2本のガイドラインLを夫々連続的に内蔵ディスプレイ21上に表示しているが、間欠的に表示しても良い。また、ガイドラインLの表示はなくてもよい。
【0023】
この例では、タッチ開始位置を示すスタートガイドボタン425Sと、ガイドラインLと、タッチ終了位置を示すエンドガイドボタン425Eを各タッチ場所425について表示する。このとき、操作済みのタッチ場所425と未操作のタッチ場所425で、ガイドラインLやスタートガイドボタン425S、ガイドボタン425n、エンドガイドボタン425Eの色の濃淡や線種を変えて表示してもよい。
【0024】
ガイドボタン425nは、スタートガイドボタン425Sとエンドガイドボタン425Eの間にてタッチする指の位置に基づき、指が次に触れるべきタッチ場所をガイドする。矢印は移動方向を表示する。ガイドボタン425nは、濃いハッチングで表示してもよい。
【0025】
図3に、手のひらの画像の取得イメージの一例を示す。ガイド表示のタッチ場所に指をタッチさせ、ガイドボタン425nによるガイド表示に従い指の移動を促すことで、カメラ17の撮影範囲を手のひらが通過する。カメラ17は、ガイド表示に従い通過する手のひらを撮影する。カメラ17は、認証に必要な精度の画像を必要な枚数だけ又はそれ以上撮像する。この結果、撮影1回分の読取範囲に応じて、生体情報が撮影された1枚目の画像P1からN枚目の画像Pnが撮影され、N回分撮影したトータルの読取範囲の画像が得られる。
【0026】
[ガイドボタンの更新]
図4に、一実施形態に係るガイドボタンの更新の一例を示す。ガイド表示において、タッチ開始位置とタッチ終了位置の間にガイド位置更新ポイント(以下、「更新ポイント」ともいう。)が等間隔に設定されている。タッチ開始位置にはスタートガイドボタン425Sが表示され、タッチ終了位置にはエンドガイドボタン425Eが表示され、ガイド位置更新ポイントにはガイドボタン425nが表示される。ガイドボタン425nの表示では、指がガイド位置更新ポイントに到達するとガイドボタン425nの表示位置を指の進行方向より先に更新する。ガイド位置の更新ポイントは、タッチ場所425の一例である。本実施形態では、更新ポイントの間隔ΔDは、画面のちらつきを防止し、かつ認証に必要な精度の画像を必要な枚数だけ取得可能な距離になるように予め算出されている。
【0027】
まず、ガイド表示画面に指がタッチする前の時刻tには、タッチ開始位置にスタートガイドボタン425Sが表示される。このとき、例えばタッチ開始位置にてスタートガイドボタン425Sが赤色で表示され、タッチ終了位置にてエンドガイドボタン425Eがグレーで表示されてもよい。
【0028】
スタートガイドボタン425Sに指がタッチされると、ガイドボタン425nの表示位置を指の進行方向より先に更新する。このとき、例えばスタートガイドボタン425Sの隣のガイドボタン425nが赤で表示され、スタートガイドボタン425Sは非表示またはグレーで表示されてもよい。スタートガイドボタン425Sとエンドガイドボタン425Eの間では、活性なガイド位置更新ポイントにガイドボタン425nを表示し、不活性なガイド位置更新ポイントにはガイドボタン425nを表示しないようにする。
【0029】
より具体的には、指の移動と共にガイドボタン425nの表示位置を指の進行方向より先に更新する。例えば、図4では、時刻tに活性になっているガイド位置更新ポイントに表示されたガイドボタン425nに指は到達していないが、時刻tに同ガイドボタン425nに指が到達している。指がガイド位置更新ポイントに到達するとガイドボタン425nの表示位置を指の進行方向より先に更新する。このようにして指が次に移動すべきガイド位置更新ポイントが不活性から活性になると、活性になったポイントにガイドボタン425nが表示される。
【0030】
[ハードウェア構成]
まず、本実施形態に係る端末装置1のハードウェア構成の一例について、図5を参照しながら説明する。端末装置1は、CPU(Central Processing Unit)11、システムコントローラ12、グラフィックコントローラ13、メモリ14、HDD(Hard Disk Drive)15、不揮発性メモリ16、カメラ17、タッチパネル18及び内蔵ディスプレイ21を有する。
【0031】
端末装置1が通信機能を有する場合には、送受信を行う周知の通信インターフェースをさらに有しても良い。また、端末装置1がインターネットなどの外部のネットワークと接続する機能を有する場合には、周知の外部インターフェースをさらに有しても良い。
【0032】
システムコントローラ12は、端末装置1の全体を制御する。システムコントローラ12は、CPU11と接続されている。また、システムコントローラ12は、バスBを介して、グラフィックコントローラ13、メモリ14、HDD15、不揮発性メモリ16、カメラ17、タッチパネル18及び内蔵ディスプレイ21と接続されている。更に、バスBには、例えばPCI Express又はPCI等の拡張スロットが接続されていてもよい。
【0033】
CPU11は、認証処理プログラムを含むコンピュータプログラムを実行することにより、生体認証を含む端末装置1の種々の機能を実現できる。また、CPU11は、表示制御プログラムを実行することにより、タッチ場所425の表示位置を制御する機能を実現できる。
【0034】
グラフィックコントローラ13は、システムコントローラ12を介してCPU11からの指示に従い、内蔵ディスプレイ21を制御し、タッチ場所425の表示等、種々の画面表示を実行する。
【0035】
メモリ14は、CPU11が実行する認証処理プログラム、表示制御プログラムを含むコンピュータプログラム、各種データなどを格納してもよい。メモリ14は、例えばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)により構成されてもよい。メモリ14は、記憶部の一例である。
【0036】
HDD15は、種々のプログラムや種々のデータを記憶する。HDD15には、OS15aが実装される。また、HDD15にはタッチ場所425の表示制御を行うためのアプリケーションがインストールされている。
【0037】
不揮発性メモリ16には、BIOS(Basic Input / Output System)16aが実装される。BIOS16aは、端末装置1の電源がオンされたときにPOST(Power-On Self Test:自己診断テスト)等を実行する。不揮発性メモリ16は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)により構成されてもよい。
【0038】
カメラ17は、ユーザが内蔵ディスプレイ21のタッチ場所425にタッチし、タッチ場所425のガイドに従い指を操作させる間に、カメラ17の上を移動する手のひらを撮像する。タッチパネル18は、内蔵ディスプレイ21に積層され、ユーザの指がタッチした座標を検出する。
【0039】
カメラ17は、生体情報の読取装置の一例である。生体情報の読取装置は、例えば手のひらの掌紋や掌形、顔などを撮像するカメラ17で形成可能である。また、生体情報の読取装置は、例えば手のひらの静脈、指の静脈、虹彩などを撮像する近赤外波長領域に感度を持つイメージセンサ(または、カメラ)と近赤外光照明光源とを含む近赤外センサ(または、近赤外カメラ)で形成可能である。また、生体情報の読取装置は、近赤外波長領域以外の波長領域に感度を持つカメラと、近赤外センサとの両方を含んでも良い。
【0040】
内蔵ディスプレイ21は、文字、図、メッセージなどに加え、ユーザの指の操作位置を示すタッチ位置の始点や終了位置ポイント、ユーザの指の移動方向、タッチ位置の移動指示などのタッチ場所425等を表示する。
【0041】
[機能構成]
次に、本実施形態に係る端末装置1の機能構成の一例について、図6を参照しながら説明する。端末装置1は、記憶部31、算出部32、取得部33、位置決定部34及び表示部35を有する。
【0042】
記憶部31は、更新間隔保存テーブル38及びガイド位置情報テーブル39を有する。更新間隔保存テーブル38は、算出要件の条件を考慮して予め算出した更新ポイントの間隔を記憶する。算出要件の条件は、画面のちらつきを防止し、かつ認証に必要な精度の画像を必要な枚数だけ取得するための条件である。更新ポイントの間隔の算出については後述する。
【0043】
ガイド位置情報テーブル39の一例を図7に示す。ガイド位置情報テーブル39には、上部ガイドラインY座標GY1、下部ガイドラインY座標GY2が記憶されている。また、ガイド位置情報テーブル39には、更新ポイントX配列(1)GX1、更新ポイントX配列(i)(i=2,3・・・、N−1)GXi、更新ポイントX配列(N)GXN、ガイドボタンの半径GRPの各情報が記憶されている。ガイド位置情報テーブル39は、例えばHDD15に記憶されている。
【0044】
図8の端末装置1には、基準点Stから上段のタッチ場所425のY座標を示す上部ガイドラインY座標GY1、基準点Stから下段のタッチ場所425のY座標を示す下部ガイドラインY座標GY2及びガイドボタンの半径GRPが表示されている。
【0045】
上段と下段の開始位置と終了位置の間に等間隔に、ガイド位置更新ポイントの配列が存在する。また、配列の先頭(i=1)は開始位置を示し、最後(i=N)が終了位置を示す。図8には、ガイドボタンのX軸に配列する更新ポイントX配列(1)GX1、更新ポイントX配列(i)GXi及び更新ポイントX配列(N)GXNが表示されている。
【0046】
ガイドボタンの一例として、半径GRPのスタートガイドボタン425S、エンドガイドボタン425E、ガイドボタン425nが表示されている。以上のように、ガイド位置情報テーブル39には、予め設定された生体情報の読取操作をガイドするタッチ場所425が表示され得る位置が記憶されている。
【0047】
記憶部31には、表示制御プログラム40がインストールされている。表示制御プログラム40は、CPU11にガイド表示制御を行うためのプログラムである。OS15aは、表示制御プログラム40をメモリ14に展開させ、表示制御のためのアプリケーションを起動させてガイド表示の制御を行う。
【0048】
算出部32は、ガイドボタン425nを表示するための更新ポイントの間隔ΔDを算出し、記憶部31の更新間隔保存テーブル38に保存する。更新ポイントの間隔ΔDは、表示制御のためのアプリケーションによりガイド表示の制御が開始される前に予め計算され、更新間隔保存テーブル38に保存されている。例えば、端末装置1の出荷前に算出されていてもよいし、表示制御のためのアプリケーションが動作する直前までに算出されていればよい。また、更新ポイントの間隔ΔDは、リフレッシュレートやフレームレートが変わったときにアプリケーションが再計算し、更新間隔保存テーブル38を書き替えるようにしてもよい。この場合、アプリケーションが起動したら、アプリケーションが、端末装置1の認証処理前にリフレッシュレートやフレームレートが変わったかを判定し、変わっていたら更新ポイントの間隔ΔDを再計算して、最新の更新ポイントの間隔ΔDにて更新間隔保存テーブル38を更新してもよい。
【0049】
本実施形態では、事前に更新ポイントの間隔ΔDが算出され、予め更新ポイントの配列が決められている。更新ポイントの間隔ΔDは、カメラ17により取得すべき認証画像の枚数と、カメラ17のフレームレートと、ガイド表示の始点から終点までの長さと、内蔵ディスプレイ21のリフレッシュレートとに基づき予め算出される。算出された更新ポイントの間隔ΔDが保存される更新間隔保存テーブル38は、例えば、HDD15などのストレージにより実現可能である。
【0050】
取得部33は、更新間隔保存テーブル38に記憶されている更新ポイントの間隔ΔDを取得する。表示部35は、更新ポイントの間隔ΔDに基づきガイド表示の描画を行う。また、取得部33は、ガイド表示に従い読取操作を行う指のタッチ位置を検出する。
位置決定部34は、生体情報が撮影された認証画像を得る際に、生体情報の読取操作を示すタッチ場所のガイド表示のうち次回表示するタッチ場所の位置を決定する。位置決定部34は、次回表示するタッチ場所の位置を、ガイド表示を行うディスプレイのリフレッシュレートと、取得すべき認証画像の枚数と、ガイド表示を更新する距離とから決定する。ガイド表示を更新する距離は、ガイド表示のタッチ開始位置ポイントと終了位置ポイントの間の長さである。
【0051】
位置決定部34は、次回表示するタッチ場所の位置を、ガイド表示を行うディスプレイのリフレッシュレートと、取得すべき認証画像の枚数と、ガイド表示を更新する距離の算出要件に、タッチ場所の表示に対する読取操作の応答時間の条件を加えて決定してもよい。タッチ場所の表示に対する読取操作の応答時間は、0.1秒以内であることが好ましい。ただし、タッチ場所の表示に対する読取操作の応答時間は、0.2秒以内であってもよい。なお、ここでの読取操作は、ガイド表示に従ったユーザの指のタッチ及びスライド移動をいう。
【0052】
位置決定部34は、検出した読取操作のタッチ位置が、決定した次回表示するタッチ場所の位置の許容範囲を超えている場合、次回表示するタッチ場所の位置を、決定した次回表示するタッチ場所の位置から所定距離だけ加算した位置に再決定してもよい。表示部35は、決定した次回表示するタッチ場所の位置に、タッチ場所の表示としてガイドボタン425nを表示する。
【0053】
算出部32、取得部33及び位置決定部34の各部は、表示制御プログラム40が、CPU11に実行させる処理により実現可能である。表示部35は、例えば内蔵ディスプレイ21により実現可能である。
【0054】
なお、図6は機能に着目したブロック図を描いており、これらの機能ブロックで示した各部のソフトウェアを実行するプロセッサはハードウェアである。記憶部31は、端末装置1の内部の記憶領域又は端末装置1とネットワークを介して接続可能なデータベースを形成しても良い。
【0055】
[生体認証装置]
本実施形態に係る端末装置1に搭載されている本実施形態に係る生体認証装置41の機能構成の一例について、図9を参照しながら説明する。本実施形態に係る生体認証装置41は、生体撮像部42、特徴抽出部43、認証部44及び記憶部45を有する。
【0056】
生体撮像部42は、ユーザの生体情報を撮像する。生体撮像部42は、例えばカメラ17により実現可能である。特徴抽出部43は、生体撮像部42が撮像したユーザの生体情報の画像から特徴情報を抽出する。認証部44は、抽出した特徴情報からユーザの生体認証を行う。
【0057】
生体認証装置41が実行する生体認証処理では、予め記憶部45に登録されている特徴情報と、本人確認時に生体撮像部42が撮像したユーザの生体情報から特徴抽出部43が抽出した特徴情報とを、認証部44が比較照合する。認証部44は、比較照合の結果が所定の閾値の範囲内で一致するか否かを判定して本人確認結果を出力する。認証部44は、比較照合の結果が一致すれば生体認証が成功したと判定し、ユーザが本人であることを表す本人確認結果を出力する。
【0058】
予め登録されている特徴情報は、例えば登録テンプレート46と呼ばれる場合がある。登録テンプレートの登録処理では、上記生体認証処理の場合と同様に、生体撮像部42が撮像したユーザの生体情報の画像から特徴抽出部43が特徴情報を抽出する。そして、登録テンプレートは、このように抽出した特徴情報を記憶部45に供給することで登録される。なお、記憶部45に登録される登録テンプレートは、特徴情報に処理を施されたものであっても良い。
【0059】
記憶部45は、図9の例では生体認証装置41内に設けられているが、生体認証装置41外の記憶部に記憶されていても良い。例えば、記憶部45の一例であるHDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリなどが、USB(Universal Serial Bus)などのインターフェースを介して生体認証装置41に外部接続されていても良い。また、記憶部45は、生体認証装置41とネットワークを介して接続可能なデータベースを形成しても良い。
【0060】
なお、本実施形態では、生体認証装置41の特徴抽出部43及び認証部44の機能は、プログラムにより実行される。端末装置1にインストールされた該プログラムがCPU11により実行されることにより端末装置1にて上記認証処理が実現される。
【0061】
[ガイド表示の他の例]
図10に、一実施形態に係るガイド表示の他の例を示す。図10に示す例のように、複数のタッチ場所425について単一の操作表示526を共通のガイドとして表示してもよい。単一の操作表示526は、バー形状を有する。この場合も、指がガイド位置更新ポイントに到達するとガイドボタン425nの表示位置を指の進行方向より先に更新する。
【0062】
ユーザ100は、ガイドボタン425nを見ながらタッチ操作を行う。このとき、図10に示すガイド画面の表示によれば、操作表示526をユーザ100の指と指の間から目視可能なバー形状とすることで、ガイドボタン425nに合わせた指のタッチ操作をさらに容易にすることができる。なお、2本のガイドボタン425nを1つに繋ぎ合わせる操作表示526の形状及び表示形式は、特に限定されない。
【0063】
図2及び図10に示すタッチ場所425では、例えば一方のガイドボタン425nに合わせた指のタッチ操作が行われていれば、他方のガイドボタン425nに合わせた指のタッチ操作が行われていなくても、ユーザ100が操作するいずれかの指がガイドラインLの配列のn個(n=2,3・・・、x−1)のポイントを通過するたびにタッチ場所425のガイド表示を更新してもよい。この場合、2つのガイドボタン425nの夫々に対する操作に応じて次のタッチを誘導するガイドボタン425nを更新する場合と比較すると、計算量を減らすことができる。また、ガイド画面には、1本のガイドボタン425nのみが表示されてもよい。
【0064】
ただし、カメラ17による撮像開始を1本のガイドラインLに対する操作のみに基づいて判定すると、手の姿勢が安定していない状態を許容する可能性がある。このため、ガイド画面には、複数本のタッチ場所425が表示されていることが好ましく、特にカメラ17による撮像開始の判定は、複数本のガイドラインLに対するタッチ操作が同時に行われていることを条件にすることが望ましい。
【0065】
図11に示すように、縦長に配置された端末装置1に縦方向に3本のタッチ場所425が表示されてもよい。この場合、ユーザ100は、指先(この例では人差し指、中指、及び薬指)で3本のタッチ場所425を同時になぞり、カメラ17はその間撮像範囲17A内で手のひら100Aを撮像する。この場合も、指がガイド位置更新ポイントに到達するとガイドボタン425nの表示位置を指の進行方向より先に更新する。
【0066】
[更新ポイントの間隔の算出方法]
次に、更新ポイントの間隔ΔDの算出方法の一例について説明する。図4に示すように、更新ポイントの間隔ΔDは、ガイドボタン425nが表示されるポイントの間隔であり、スタートガイドボタン425Sとエンドガイドボタン425Eとの間にて等間隔に設けられている。更新ポイントの間隔ΔDは、(1)〜(4)の条件に基づき算出される。
(1)認証に最低限必要な画像の枚数(固定値)
(2)カメラのフレームレート(単位時間当たりの撮影枚数)(固定値)
(3)タッチ開始位置とタッチ終了位置の間の長さ(一般的な手のひらの大きさとして固定値)
(4)リフレッシュレート(内蔵ディスプレイ21の設定により決まる固定値又は可変値)
算出部32は、(1),(2),(3)の条件から手のひらの移動速度の最大値を算出する。(1),(2),(3)の条件はすべて固定値であるため、算出した手のひらの移動速度の最大値は固定値となる。
【0067】
算出部32は、算出した手のひらの移動速度の最大値からガイドボタン425nによりスライドを誘導する速度(以下、「スライドを誘導する速度」という。)を算出する。
【0068】
算出部32は、タッチ開始位置とタッチ終了位置の間の長さと、スライドを誘導する速度と、リフレッシュレートとから、ガイド表示の更新頻度がリフレッシュレートを超えないように更新ポイントの間隔ΔDを算出する。
【0069】
このようにして本実施形態に係る端末装置1では、更新ポイントの間隔ΔDを、取得すべき認証画像の枚数と、カメラ17のフレームレートと、タッチ開始位置とタッチ終了位置の間の長さと、内蔵ディスプレイ21のリフレッシュレートとに基づき予め算出し、更新間隔保存テーブル38に保存する。これにより、更新頻度がリフレッシュレートを超えないように更新ポイントの間隔ΔDを決定することができる。
【0070】
図4に示すように、算出した更新ポイントの間隔ΔDに基づき、タッチ開始位置とタッチ終了位置の間に等しい間隔ΔDでガイド位置更新ポイントが用意される。指がガイド位置更新ポイントに到達するとガイド位置(つまり、ガイドボタン425nの表示位置)を指の進行方向よりも先に更新する。
【0071】
ガイド表示の更新頻度がリフレッシュレートを超えると、端末装置1に負荷がかかる。そうするとリフレッシュレートに応じて画面が更新されるタイミングにCPU11が行うべき処理が追いつかなくなる場合が生じ、画面がちらつく原因となる。また、OS15aの指示に応じたカメラ17の撮影タイミングが遅れたり、撮影した手のひらの画像データがCPU11により取得されなかったりすることが生じ得るため、認証に必要な撮像を取得するために要する時間は短くはならない。
【0072】
リフレッシュレートの画面の更新間隔時間をTとし、ガイド表示の更新頻度サイクル時間をSとし、ガイド表示の更新処理時間は十分に短いものとする。この条件で、リフレッシュレートの画面の更新間隔時間T<ガイド表示の更新頻度サイクル時間Sの条件が満たされるとき、画面のちらつきを防止することができる。
【0073】
算出した更新ポイントの間隔ΔDを調整することで、ガイド表示の更新頻度サイクル時間Sが調整される。そこで、本実施形態では、リフレッシュレートの画面の更新間隔時間T<ガイド表示の更新頻度サイクル時間Sの条件を満たすように予め更新ポイントの間隔ΔDを算出し、記憶部31に記憶しておく。ガイド表示の際には、算出した更新ポイントの間隔ΔDにガイド位置更新ポイントを用意し、ガイド表示の更新を行う。これにより、リフレッシュレートよりも頻繁にガイド表示が更新されることを防止する。この結果、画面のちらつきを防止し、かつ、より短時間に認証可能な撮像を得ることができる。
【0074】
更新ポイントの間隔ΔDの具体的算出方法を以下に示す。まず、スライドを誘導する速度の許容範囲を決定する。以下の算出要素から決定される。
【0075】
[速度制御の算出要素]
・タッチ開始位置からタッチ終了位置までの長さDを、手のひらの大きさから10cmとする。
・タッチ開始からタッチ終了までの時間(最小値)Tminを0.5秒とする。
・生体情報が形成可能な最低限の画像を取得するために必要な時間は、認証に必要な画像の最低枚数を11枚とし、カメラのフレームレート(FPS)を30(回/秒)とすると0.5秒(15枚撮影可能)となる。
・タッチ開始からタッチ終了までの時間(最大値)(Tmax)を、カメラ17の消費電力とカメラ17の近傍に取付けられたLEDの消費電力を考慮して5秒とする。
【0076】
[速度計算]
スライドを誘導する速度の許容範囲は、以下のように算出される。
最高速度Vmax=D/Tmin=10/0.5=20cm/秒
最低速度Vmin=D/Tmax=10/5=2cm/秒
次に、スライドを誘導する速度Vtypをスライドを誘導する速度の許容範囲であるVmax(=20cm/秒)とVmin(2cm/秒)の間で決定する。本実施形態では、ガイド表示の更新処理に係る想定処理時間Ttypを1秒とし、スライドを誘導する速度Vtypを10cm/秒とする。
【0077】
次に、以下の条件を満たす更新ポイントの間隔ΔDの許容値(下限値と上限値)を算出する。本実施形態では、以下に示すように、リフレッシュレートに関する条件(a)に加え、カメラのフレームレートに関する条件(b)及びユーザ操作に対するソフトウェアの反応時間に関する条件(c)を考慮して3つの条件を設定している。ユーザ操作に対するソフトウェアの反応時間とは、指による読取操作(ガイド表示のタッチ及びスライド移動)に対するガイド表示の応答時間をいう。
(a)更新ポイントの更新時間(間隔ΔD)がリフレッシュレート(RFR、本実施形態では60Hzとする)より短くならない。
ΔD>=Vtyp/RFR=10/60=0.16cm
(b)更新ポイントの更新時間(間隔ΔD)がフレームレート(FPS、本実施形態では30fps)より短くならない。
ΔD>=Vtyp/FPS=10/30=0.33cm
(c)更新ポイントの更新時間(間隔ΔD)がソフトウェア反応時間(Tuser,本実施形態では0.1秒)より長くならない。
ΔD<=Vtyp×Tuser=10×0.1=1.0cm
条件(b)については、更新ポイントの更新時間がフレームレートより短いと、カメラの各撮像の間にガイドの更新処理が入り、システムの負荷により撮像が失敗する場合があるためである。また、条件(c)については、非特許文献1において、ユーザ操作に対するソフトウェアの反応が0.1秒以上待たされると因果関係が薄れるという記述に基づく。
【0078】
ただし、人が視覚情報から判断して手の操作に反映されるまでの時間である0.2秒を条件(c)の替わりに設定してもよい。しかしながら、ガイド表示がなめらかにスライドして見える条件(c)の0.1秒の方がより好ましい。
【0079】
以上に説明した更新ポイントの間隔の許容値から、更新ポイントの更新間隔ΔDを決める。本実施形態では確実に画像を撮影するためにΔD=1.0cmを選択する。
【0080】
なお、本実施形態に係るガイド表示では、掌紋認証など手のひらに基づいた認証方式やその他の生体認証の適用が可能であり、上述の個々の数値は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において変更してもよい。また、本実施形態では、事前に更新ポイントの間隔ΔDを算出したがこれに限らない。例えば、アプリケーションが、前回認証時のユーザによる指のスライド速度を次回のスライドの誘導速度Vtypに設定してもよい。
【0081】
また、システムの負荷状況からスライドの誘導速度Vtypを遅くしたりするなど、スライドを誘導する速度Vtypを可変にしてもよい。例えば、システムの負荷が高いときにはスライドの誘導速度Vtypを遅くしてもよい。これにより、確実にカメラ17により手のひらの撮影を行うことができる。アプリケーションがガイド表示の際にその都度最適な更新ポイントの間隔ΔDを算出しても良い。
【0082】
[ガイド表示制御処理]
次に、本実施形態に係るガイド表示制御処理の一例について、図12を参照しながら説明する。本処理が開始されると、取得部33は、ガイド位置情報テーブル39からガイド表示の各座標を取得する(ステップS10)。表示部35は、取得した各座標から各指のスライド操作用の始点(タッチ開始位置)、終点(タッチ終了位置)および始点と終点を結ぶラインを描画する(ステップS12)。なお、読み出された更新ポイントの座標はX軸に等間隔で配置されているが、その間隔は前述の計算式で求めたΔDとなっている。
【0083】
その後、取得部33は、指のタッチイベント(タッチ操作)がOS15aから通知されたか否かを判定し(ステップS14)、通知されるまでステップS14を繰り返す。取得部33は、指のタッチイベントが通知された場合には、OS15a上で動作するガイド表示用のアプリケーションを用いて指のタッチ座標配列(FXj、FYj)(j=1,2・・・,M)を取得する(ステップS16)。
【0084】
次に、取得部33は、活性化している更新ポイントの配列番号n(N≧n≧1)を取得する(ステップS18)。本実施形態では、上段および下段の活性化ポイント配列のX座標の値は同じであり、また、活性化するのは同じ配列番号となるものとする。n=1は、更新ポイントのタッチ開始位置を示し、n=Nは、更新ポイントのタッチ終了位置を示す。
【0085】
続いて、ガイド更新判定処理が行われる。位置決定部34は、変数nの値を判定し(ステップS20)、位置決定部34は、変数nが1に等しいと判定した場合、更新ポイントのタッチ開始位置が活性化していると判定し、更新処理1を実行する(ステップS22)。また、位置決定部34は、変数nがNよりも小さく、かつ1よりも大きいと判定した場合、開始位置と終了位置の間の更新ポイントが活性化していると判定し、更新処理2を実行する(ステップS24)。また、位置決定部34は、変数nがNに等しいと判定した場合、更新ポイントのタッチ終了位置が活性化していると判定し、更新処理3を実行する(ステップS26)。
【0086】
各ステップS22〜S26を実行後、ステップS28が実行される。以下では、ステップS22の更新処理1(図13)、ステップS24の更新処理2(図15)及びステップS26の更新処理3(図19)の順に詳細に説明する。
【0087】
(更新処理1)
活性化している更新ポイントがタッチ開始位置の場合、図13の更新処理1に従ってガイド更新処理が行われる。位置決定部34は、上部および下部のタッチ開始位置と各指のタッチ位置の間の距離を計算する。そして、位置決定部34は、上部および下部のタッチ開始位置の一定距離RL以内に指のタッチ位置が存在していると判定した場合、ガイド更新処理を実行し、隣接する次の更新ポイントを活性化させる。
【0088】
具体的には、更新処理1が開始されると、位置決定部34は、変数jに1を設定する(ステップS40)。次に、位置決定部34は、指のタッチ座標配列(FXj、FYj)と、上部のタッチ開始位置(GX1,GY1)から各指のタッチ位置と上部のタッチ開始位置の距離USjを計算する(ステップS42)。
【0089】
次に、位置決定部34は、上部のタッチ開始位置から一定距離RL内に指のタッチ位置が存在するかを判定する(ステップS44)。図14に示すように、RLは隣接する更新ポイントの間隔ΔDに等しい長さに設定される。例えば、指が図14の位置P2に存在する場合、距離USj>RLとなり、位置決定部34は、上部のタッチ開始位置から一定距離RL内に指のタッチ位置が存在しないと判定し、ステップS46に進み、全ての指のタッチ位置をチェックしたかを判定する。このとき、変数j=Mの場合、全ての指のタッチ位置をチェックしたと判定される。Mは、タッチされている指の本数に相当する。そのため、ガイド表示の数によらず、Mは1以上の値を取る。
【0090】
変数j≠Mの場合、変数jに「1」を加算し(ステップS48)、ステップS42に戻り、ステップS42、S44を実行する。ステップS44において、例えば、指が図14の位置P1に存在する場合、距離USj≦RLとなり、位置決定部34は、ステップS44において上部のタッチ開始位置から一定距離RL内に指がタッチされていると判定し、ステップS50に進む。全ての指のタッチ位置が上部のタッチ開始位置から一定距離RL内に存在しない場合(すなわち、j=Mの場合)、ステップS46からステップS62に進み、変数dに「0」が設定された後(ステップS62)、本処理を終了する。変数dが「0」の場合、ガイド表示の更新不要であることを示す。
【0091】
ステップS44において、上部のタッチ開始位置から一定距離RL内にいずれかの指のタッチ位置が存在すると判定された場合、位置決定部34は、変数jに1を設定する(ステップS50)。次に、位置決定部34は、指のタッチ座標の配列(FXj、FYj)と、下部のタッチ開始位置(GX1,GY2)から各指のタッチ位置と下部のタッチ開始位置の距離DSjを計算する(ステップS52)。
【0092】
次に、位置決定部34は、下部のタッチ開始位置から一定距離RL内に指のタッチ位置が存在するかを判定する(ステップS54)。位置決定部34は、距離DSj>RLの場合、下部のタッチ開始位置から一定距離RL内に指のタッチ位置が存在しないと判定し、全ての指のタッチ位置をチェックしたかを判定する(ステップS56)。変数j=Mの場合、全ての指のタッチ位置をチェックしたと判定され、変数dに「0」が設定され(ステップS62)、本処理を終了する。変数j≠Mの場合、変数jに「1」加算され(ステップS58)、ステップS52に戻り、ステップS52、S54が実行される。指が図14の位置P3に存在する場合、距離DSj≦RLとなり、ステップS54において、位置決定部34は、下部のタッチ開始位置から一定距離RL内に指のタッチ位置が存在すると判定し、変数dに「1」を設定し(ステップS60)、本処理を終了する。
【0093】
(更新処理2)
開始位置と終了位置の間の更新ポイントが活性化していると判定された場合、図15の更新処理2に従い、ガイド更新処理が行われる。上部及び下部のどちらか一方又は両方のガイドラインにて、指のタッチ位置が、活性化している更新ポイントよりも進行方向にあり、かつ、活性化している更新ポイントとのX座標の距離が一定以内にある場合、更新処理2が行われる。これにより、指のタッチ位置よりも進行方向に隣接している更新ポイントが活性化される。一定以内という条件があるのは、別の指が進行方向の画面に触れた場合にはガイド更新処理が行われないようにするためである。
【0094】
更新処理2が開始されると、位置決定部34は、変数jに1を設定し(ステップS70)、全ての指のタッチ位置をチェックしたかを判定する(ステップS72)。ステップS72において変数j=Mの場合、全ての指のタッチ位置がチェックされたと判定され、変数dに「0」が設定された後(ステップS86)、本処理を終了する。変数dが「0」の場合、ガイド表示の更新不要であることを示す。
【0095】
一方、ステップS72において変数j≠Mの場合、全ての指のタッチ位置をチェックしていないと判定され、位置決定部34は、活性化している更新ポイントよりも進行方向にタッチ位置が存在するかを判定する(ステップS74)。
【0096】
ステップS74において、FXj<GXnが成り立つ場合、活性化している更新ポイントよりも進行方向にタッチ位置が存在しないと判定され、ステップS78に進む。例えば、指が図16の位置P6に存在する場合、指のX軸の位置FXjと活性化した更新ポイントGXnとの大小関係は、FXj<GXnとなる。この場合、S78に進む。
【0097】
一方、例えば、指が図16の位置P4に存在する場合、指のX軸の位置FXjと活性化した更新ポイントGXnとの大小関係は、FXj≧GXnとなる。この場合、活性化している更新ポイントよりも進行方向にタッチ位置が存在すると判定され、位置決定部34は、活性化した更新ポイントから進行方向に一定距離LD以内にタッチ位置が存在するかを判定する(ステップS76)。
【0098】
指が図16の位置P5に存在する場合、FXj−GXn>LDが成り立つ。このため、ステップS78に進み、位置決定部34は、変数jに「1」を加算し、ステップS72に戻り、ステップS72以降の処理を行う。
【0099】
一方、例えば、指が図16の位置P4、図17の位置P7及び図18の位置P8に存在する場合、ステップS76において、FXj−GXn≦LDが成り立つ。このため、位置決定部34は、更新ポイントのジャンプが発生するかを判定する(ステップS80)。(FXj−GXn)/ΔD≧1が成り立つ場合、更新ポイントのジャンプが発生すると判定される。
【0100】
指が図16の位置P4及び図17の位置P7の場合、(FXj−GXn)/ΔD≧1は成り立たない。よって、位置決定部34は、dに「1」を設定し(ステップS84)、本処理を終了する。
【0101】
一方、指が図18の位置P8の場合、(FXj−GXn)/ΔD≧1が成り立つ。よって、位置決定部34は、dに、(FXj−GXn)/ΔD+1を設定し(ステップS82)、本処理を終了する。
【0102】
以上に説明したように、指が活性化されているガイドに重なっている場合(図16)、指が活性化されているガイドを追い越している場合(図17)、指が活性化した更新ポイントよりも先にタッチしていることを条件に活性化されているガイドの更新が行われる。これにより、新たに活性化されたガイドにガイドボタン425nが表示される。また、図18に示すように、次に活性化される更新ポイントは指のタッチ位置に依存し、進行方向に隣接するポイントが必ずしも次に活性化されない。
【0103】
なお、本実施形態では、上段および下段の活性化された更新ポイント配列のX座標の値は同じであり、また、活性化する更新ポイントは同じ配列番号となるものとした。しかし、上段および下段の活性化する更新ポイント配列のX座標を個別に保持したり、上段と下段の活性化している更新ポイントの配列番号が異なったりしてもよい。
【0104】
(更新処理3)
活性化している更新ポイントがタッチ終了位置の場合、図19の更新処理3に従ってガイド更新処理が行われる。更新処理3では、上部および下部のタッチ終了位置のどちらか一方又は両方にて、指のタッチ位置との距離がガイド表示の半径GRP以内であれば、終端に到達したとして、ガイド表示処理を終了する。
【0105】
更新処理3が開始されると、位置決定部34は、変数jに1を設定する(ステップS90)。次に、位置決定部34は、指のタッチ座標配列(FXj、FYj)と、上部のタッチ終了位置(GXN,GY1)から各指のタッチ位置と上部のタッチ終了位置との距離UEjを計算する(ステップS92)。次に、位置決定部34は、上部のタッチ終了位置からエンドガイドボタン425Eの半径GRP内に指のタッチ位置が存在するかを判定する(ステップS94)。図20に示すように、例えば、指が位置P9,P10に存在する場合、距離UEj>GRPとなり、位置決定部34は、上部のタッチ終了位置からエンドガイドボタン425Eの半径GRP内に指のタッチ位置が存在しないと判定する。この場合、位置決定部34は、全ての指のタッチ位置をチェックしたかを判定する(ステップS96)。変数j=Mの場合、全ての指のタッチ位置をチェックしたと判定され、ステップS100に進む。
【0106】
一方、変数j≠Mの場合、変数jに「1」が加算され(ステップS98)、ステップS92に戻り、ステップS92、S94が実行される。位置決定部34は、ステップS94において上部のタッチ終了位置からエンドガイドボタン425Eの半径GRP内に指のタッチ位置が存在すると判定した場合、dに「−1」を設定し(ステップS110)、本処理を終了する、変数dが「−1」の場合、ガイド表示の終了更新ポイントに到達したことを示す。
【0107】
ステップS100において、位置決定部34は、変数jに「1」を設定する。次に、位置決定部34は、指のタッチ座標配列(FXj、FYj)と、下部のタッチ終了位置(GXN,GY2)から各指のタッチ位置と下部のタッチ終了位置との距離DEjを計算する(ステップS102)。次に、位置決定部34は、下部のタッチ終了位置からエンドガイドボタン425Eの半径GRP内に指のタッチ位置が存在するかを判定する(ステップS104)。
【0108】
距離DEj>GRPとなる場合、位置決定部34は、上部終了位置ポイントからエンドガイドボタン425Eの半径GRP内に指のタッチ位置が存在しないと判定し、全ての指のタッチ位置をチェックしたかを判定する(ステップS106)。変数j=Mの場合、全ての指のタッチ位置をチェックしたと判定され、ステップS112にてdに「0」を設定し、本処理を終了する。
【0109】
ステップS106において変数j≠Mの場合、変数jに「1」加算し(ステップS108)、ステップS102に戻り、ステップS102、S104を実行する。例えば、指が図20の位置P11に存在する場合、距離DEj≦GRPとなり、位置決定部34は、ステップS104において下部のタッチ終了位置からエンドガイドボタン425Eの半径GRP内に指のタッチ位置が存在すると判定し、ステップS110に進む。位置決定部34は、ステップS110にてdに「−1」を設定し、本処理を終了する。
【0110】
以上、図12のステップS22〜S26の更新処理1〜3について説明した。図12に戻り、更新処理1〜3のいずれかを実行した後、ステップS28において、位置決定部34は、ガイド表示の更新不要かを判定する。変数d=0のとき、ガイド表示の更新は不要と判定される。この場合、ステップS14に戻り、次の指のタッチイベントを待ち、タッチイベントがあった場合、ステップS16以降の処理が繰り返される。
【0111】
一方、ステップS28において、変数d≠0のとき、ガイド表示の更新は必要と判定される。この場合、位置決定部34は、指がガイド表示のタッチ終了位置に到達したか否かを判定する(ステップS30)。変数d=−1のとき、指がガイド表示のタッチ終了位置に到達したと判定され、本処理を終了する。
【0112】
ステップS30において、変数d≠−1のとき、指がガイド表示のタッチ終了位置に到達していないと判定され、位置決定部34は、変数nに変数dを加算する(ステップS32)。次に、位置決定部34は、次の更新ポイントnがガイド表示のタッチ終了位置を示す終点Nを超えたかを判定する(ステップS34)。n>Nの場合、次の更新ポイントがガイド表示のタッチ終了位置を超えたと判定され、本処理を終了する。
【0113】
他方、n≦Nの場合、次の更新ポイントがガイド表示のタッチ終了位置を超えていないと判定される。この場合、位置決定部34は、現在活性化している上部及び下部の更新ポイントを不活性にし、新しいn番目の更新ポイントを活性化する(ステップS36)。その後、ステップS14に戻り、次のタッチイベントに対してステップS16以降の処理が繰り返される。次のポイントがガイド表示のタッチ終了位置に達したか(ステップS30)又はタッチ終了位置を超えた(ステップS34)場合、本処理を終了する。
【0114】
以上に説明したように、本実施形態に係る端末装置1において、生体情報が撮影された認証画像を得る際に、ガイド表示の更新の時間間隔がディスプレイのリフレッシュレートよりも早ければ、ちらついて見える。そのため、ガイド表示の更新の時間間隔はリフレッシュレートよりも遅くする。このために、更新ポイントの間隔ΔDを、画像の更新の時間間隔がディスプレイのリフレッシュレートよりも遅くなるように設定しておく。
【0115】
タッチ開始位置とタッチ終了位置の間にガイド位置更新ポイントを等しい間隔ΔDに用意し、指が更新ポイントに到達するとガイド位置を指の進行方向より先に更新する。更新ポイントの間隔ΔDについては、タッチ開始位置とタッチ終了位置の長さ、スライドを誘導する速度およびリフレッシュレートから、更新頻度がリフレッシュレートを超えない更新ポイントの間隔を決定することができる。この更新ポイントの間隔ΔDをガイド表示の際に採用することで、ちらつきの生じず、かつ認証時間をより短時間にするガイド表示が可能となる。
【0116】
また、更新ポイントのジャンプが発生した場合には、指のタッチ位置に応じた所定距離加算した位置の更新ポイントを活性化し、次回表示するタッチ場所の位置とする。これにより、指の移動スピードに応じてスムーズにガイド表示を行うことができる。
【0117】
以上、端末装置及び表示制御プログラムを上記実施形態により説明したが、本発明に係る端末装置及び表示制御プログラムは上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。また、上記実施形態及び変形例が複数存在する場合、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【0118】
例えば、本実施形態に係る端末装置1では、ガイド表示の更新の時間間隔をリフレッシュレートよりも遅くするように更新ポイントの間隔ΔDを算出した。しかしながら、これに限らず、リフレッシュレートの替わりにフレームレートを用いて、ガイド表示の更新の時間間隔をフレームレートよりも遅くするように更新ポイントの間隔ΔDを算出してもよい。この場合、認証のための生体情報が撮影された画像を得る際に、生体情報の読取操作で移動させていくタッチ場所を示すガイド表示の次回表示位置を、該ガイド表示を行うディスプレイのフレームレートと、取得すべき認証画像の枚数と、該ガイド表示を更新する距離から決定する端末装置が提供される。
【0119】
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1)
生体情報が撮影された認証画像を得る際に、生体情報の読取操作を示すタッチ場所のガイド表示のうち次回表示するタッチ場所の位置を、前記ガイド表示を行うディスプレイのリフレッシュレートと、取得すべき認証画像の枚数と、該ガイド表示を更新する距離とから決定する位置決定部を有する、
端末装置。
(付記2)
決定した前記次回表示するタッチ場所の位置に、タッチ場所の表示を行う表示部を有し、
前記位置決定部は、前記 次回表示するタッチ場所の位置を、前記読取操作に対するガイド表示の応答時間に応じて決定する、
付記1に記載の端末装置。
(付記3)
前記読取操作に対するガイド表示の応答時間は、0.2秒以内である、
付記2に記載の端末装置。
(付記4)
前記読取操作のタッチ位置を取得する取得部を有し、
前記位置決定部は、取得した前記読取操作のタッチ位置が、次回表示すべきタッチ場所の位置の許容範囲を超えている場合、次回表示するタッチ場所の位置を、決定した前記次回表示するタッチ場所の位置から、取得した前記読取操作のタッチ位置に応じた所定距離加算した位置に決定する、
付記1〜3のいずれか一項に記載の端末装置。
(付記5)
生体情報が撮影された認証画像を得る際に、生体情報の読取操作を示すタッチ場所のガイド表示のうち次回表示するタッチ場所の位置を、前記ガイド表示を行うディスプレイのリフレッシュレートと、取得すべき認証画像の枚数と、該ガイド表示を更新する距離とから決定する処理、
をコンピュータに実行させるための表示制御プログラム。
(付記6)
決定した前記次回表示するタッチ場所の位置に、タッチ場所の表示を行い、
前記 次回表示するタッチ場所の位置を、前記読取操作に対するガイド表示の応答時間に応じて決定する、
付記5に記載の表示制御プログラム。
(付記7)
前記読取操作に対するガイド表示の応答時間は、0.2秒以内である、
付記6に記載の表示制御プログラム。
(付記8)
前記読取操作のタッチ位置を取得し、
取得した前記読取操作のタッチ位置が、次回表示すべきタッチ場所の位置の許容範囲を超えている場合、次回表示するタッチ場所の位置を、決定した前記次回表示するタッチ場所の位置から、取得した前記読取操作のタッチ位置に応じた所定距離加算した位置に決定する、
付記5〜7のいずれか一項に記載の表示制御プログラム。
(付記9)
認証のための生体情報が撮影された画像を得る際に、生体情報の読取操作で移動させていくタッチ場所を示すガイド表示の次回表示位置を、該ガイド表示を行うディスプレイのフレームレートと、取得すべき認証画像の枚数と、該ガイド表示を更新する距離から決定する位置決定部を有する、
端末装置。
【符号の説明】
【0120】
1 端末装置
11 CPU
12 システムコントローラ
13 グラフィックコントローラ
14 メモリ
15 HDD
15a OS
16 不揮発性メモリ
16a BIOS
17 カメラ
18 タッチパネル
21 内蔵ディスプレイ
31 記憶部
32 算出部
33 取得部
34 位置決定部
35 表示部
38 更新間隔保存テーブル
39 ガイド位置情報テーブル
40 表示制御プログラム
41 生体認証装置
42 生体撮像部
43 特徴抽出部
44 認証部
45 記憶部
46 登録テンプレート
425 タッチ場所
425S スタートガイドボタン
425E エンドガイドボタン
425n ガイドボタン
図1
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