【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、[1]本発明のLED照明の分光分布設計方法は、青色LEDと、緑色蛍光体と黄色蛍光体と赤色蛍光体1と赤色蛍光体2とを混合して得られる混合蛍光体とによって構成される白色LEDを用いて白色光を得る方法であって、次式の係数k
1〜
k5を負数とならない範囲で任意に変化させた(ただし、k
1=1−Σk
j(j=2,3,4,5)である)ときの白色光の分光分布P(λ)を下記式(1)で表し、設計する白色LEDの光源効率η(lm/W)を下記式(2)で表したとき、
【数1】
のうち、JIS Z8726に規定されている演色評価数の算出に用いられる試験色(以下、JIS試験色とする)No.1〜No.15を前記白色光で照らしたときと前記JIS
試験色No.1〜No.15を基準光で照らしたときのCIECAM02−UCSの各色差△E’
1〜△E’
15、またはL*a*b*表色系の各色差△E*ab1〜△E*ab15について、色みえ効果に関する視覚評価実験による印象評価との比較を行い、その結果から色みえの違いがないときの閾値をそれぞれ求め、CIECAM02−UCSの各色差△E’1〜△E’15を求めた閾値より小さい値に設定するか、またはL*a*b*表色系の各色差△E*ab1〜△E*ab15を求めた閾値より小さい値に設定し、かつη
が最大値となるようにすることを特徴とする。
【0008】
上記式において、
P(λ):求めたい白色光の分光分布
P
b(λ)
:青色LEDの分光分布(分光放射束)
P
g(λ):緑色蛍光体の分光分布(分光放射束)
P
y(λ):黄色蛍光体の分光分布(分光放射束)
P
r1(λ):赤色蛍光体1の分光分布(分光放射束)
P
r2(λ):赤色蛍光体2の分光分布(分光放射束)
λ:波長380nm〜780nm
k
1:青色LEDの混色比
k
2:緑色蛍光体の混色比
k
3:黄色蛍光体の混色比
k
4:赤色蛍光体1の混色比
k
5:赤色蛍光体2の混色比
η:求めたい白色LEDの光源効率(lm/W)
Φ:求めたい白色LEDの全光束(lm)
p:求めたい白色LEDの消費電力(W)
である。
【0009】
[2]また、本発明のLED照明の分光分布設計方法は、青色LEDと、緑色蛍光体と黄色蛍光体と赤色蛍光体1と赤色蛍光体2とを混合して得られる混合蛍光体とによって構成される白色LEDを用いて白色光を得る方法であって、次式の係数k
1〜k
5を負数とならない範囲で任意に変化させた(ただし、k
1=1−2k
j(j=2,3,4,5)である)ときの白色光の分光分布P(λ)を下記式(1)で表し、設計する白色LEDの光源効率η(lm/W)を下記式(2)で表したとき、
【数2】
のうち、JIS試験色No.1〜No.15を前記白色光で照らしたときと前記JIS試験色No.1〜No.15を基準光で照らしたときのCIECAM02−UCSのブライトネス差△Q
1〜△Q
15、カラフルネス差△M
1〜△M
15、またはL*a*b*表色系のCIE1976明度差△L*1〜△L*15、abクロマ差△C*ab1〜C*ab15について、色みえ効果に関する視覚評価実験による印象評価との比較を行い、その結果から計算した△QMn=a1△Qn+a2△Mn(n=1〜15)、または△L*C*abn=a1’△L*n+a2’△C*abn(n=1〜15)の昼光に比べて鮮やかかつ明るく感じるときの閾値をそれぞれ求め、CIECAM02−UCSの△QM
n=a
1△Q
n+a
2△M
n(n=1〜15)
のいずれかを求めた閾値より大きい値に設定しかつCIECAM02−UCSの色相角の差△h1〜△h15の積和を設定値より小さくするか、またはL
*a
*b
*表色系の△L
*nC
*abn=a
1’△L
n*+a
2’△C
*abn(n=1〜15)
のいずれかを求めた閾値より大きい値に設定しかつL*a*b*表色系のab色相角の差△hab1〜△hab15の積和を設定値より小さくし、さらにη
が最大値となるようにすることを特徴とする。
【0010】
上記式において、
P(λ):求めたい白色光の分光分布(分光放射束)
P
b(λ)
:青色LEDの分光分布(分光放射束)
P
g(λ):緑色蛍光体の分光分布(分光放射束)
P
y(λ):黄色蛍光体の分光分布(分光放射束)
P
r1(λ):赤色蛍光体1の分光分布(分光放射束)
P
r2(λ):赤色蛍光体2の分光分布
(分光放射束)
λ:波長380nm〜780nm
k
1:青色LEDの混色比
k
2:緑色蛍光体の混色比
k
3:黄色蛍光体の混色比
k
4:赤色蛍光体1の混色比
k
5:赤色蛍光体2の混色比
η:求めたい白色LEDの光源効率(lm/W)
Φ:求めたい白色LEDの全光束(lm)
p:求めたい白色LEDの消費電力(W)
a
1、a
2、a
1’、a
2’:回帰定数
である。
【0011】
[3]また、本発明のLED照明の分光分布設計方法は、青色発光素子と黄色蛍光体とによって構成される白色LEDと、青色LEDと、青緑色LEDと、緑色LEDと、赤色LED
1と、赤色LED2を用い、前記白色、青色、青緑色、緑色、赤色
1、赤色2それぞれのLEDからの光を加法混色して白色光を得る方法であって、次式の係数k
1〜
k6を負数とならない範囲で任意に変化させたときの白色光の分光分布P(λ)を下記式
(3)で表し、設計する白色LEDの光源効率η(lm/W)を下記式(2)で表したとき、
【数3】
のうち、JIS
試験色No.1〜No.15を前記白色光で照らしたときと前記JIS
試験色No.1〜No.15を基準光で照らしたときのCIECAM02−UCSの各色差△E’
1〜△E’
15、またはL*a*b*表色系の各色差△E*ab1〜△E*ab15について、色みえ効果に関する視覚評価実験による印象評価との比較を行い、その結果から色みえの違いがないときの閾値をそれぞれ求め、CIECAM02−UCSの各色差△E’1〜△E’15を求めた閾値より小さい値に設定するか、またはL*a*b*表色系の各色差△E*ab1〜△E*ab15を求めた閾値より小さい値に設定し、かつη
が最大値となるようにすることを特徴とする。
【0012】
上記式において、
P(λ):求めたい白色光の分光分布
P
w(λ):白色LEDの分光分布(定格出力時の分光放射束)
P
b(λ):青色LEDの分光分布(定格出力時の分光放射束)
P
bg(λ):青緑色LEDの分光分布(定格出力時の分光放射束)
P
g(λ):緑色LEDの分光分布(定格出力時の分光放射束)
P
r1(λ):赤色LED1の分光分布(定格出力時の分光放射束)
P
r2(λ):赤色LED2の分光分布(定格出力時の分光放射束)
λ:波長380nm〜780nm
k
1:白色LEDの放射束比(白色LEDの定格出力時を1とする)
k
2:青色LEDの放射束比(青色LEDの定格出力時を1とする)
k
3:青緑色LEDの放射束比(青緑色LEDの定格出力時を1とする)
k
4:緑色LEDの放射束比(緑色LEDの定格出力時を1とする)
k
5:赤色LED1の放射束比(赤色LED1の定格出力時を1とする)
k
6:赤色LED2の放射束比(赤色LED2の定格出力時を1とする)
η:求めたい白色LEDの光源効率(lm/W)
Φ:求めたい白色LEDの全光束(lm)
p:求めたい白色LEDの消費電力(W)
である。
【0013】
[4]また、本発明のLED照明の分光分布設計方法は、青色発光素子と黄色蛍光体とによって構成される白色LEDと、青色LEDと、青緑色LED、緑色LEDと、赤色LED
1と、赤色LED2を用い、前記白色、青色、青緑色、緑色、赤色
1、赤色2それぞれのLEDからの光を加法混色して白色光を得る方法であって、次式の係数k
1〜
k6を負数とならない範囲で任意に変化させたときの白色光の分光分布P(λ)を下記式
(3)で表し、設計する白色LEDの光源効率η(lm/W)を下記式(2)で表したとき、
【数4】
のうち、JIS試験色No.1〜No.15を前記白色光で照らしたときと前記JIS試験色No.1〜No.15を基準光で照らしたときのCIECAM02−UCSのブライトネス差△Q
1〜△Q
15、カラフルネス差△M
1〜△M
15、またはL*a*b*表色系のCIE1976明度差△L*1〜△L*15、abクロマ差△C*ab1〜△C*ab15について、色みえ効果に関する視覚評価実験による印象評価との比較を行い、その結果から計算した△QMn=a1△Qn+a2△Mn(n=1〜15)、または△L*C*abn=a1’△Ln*+a2’△C*abn(n=1〜15)の昼光に比べて鮮やかかつ明るく感じるときの閾値をそれぞれ求め、CIECAM02−UCSの△QM
n=a
1△Q
n+a
2△M
n(n=1〜15)
のいずれかを求めた閾値より大きい値に設定しかつCIECAM02−UCSの色相角の差△h1〜△h15の積和を設定値より小さくするか、またはL
*a
*b
*表色系の△L
*C
*abn=a
1’△L
n*+a
2’△C
*abn(n=1〜15)
のいずれかを求めた閾値より大きい値に設定しかつL*a*b*表色系のab色相角の差△hab1〜△hab15の積和を設定値より小さくし、さらにη
が最大値となるようにすることを特徴とする。
【0014】
上記式において、
P(λ):求めたい白色光の分光分布
P
w(λ):白色LEDの分光分布(定格出力時の分光放射束)
P
b(λ):青色LEDの分光分布(定格出力時の分光放射束)
P
bg(λ):青緑色LEDの分光分布(定格出力時の分光放射束)
P
g(λ):緑色LEDの分光分布(定格出力時の分光放射束)
P
r1(λ):赤色LED1の分光分布(定格出力時の分光放射束)
P
r2(λ):赤色LED2の分光分布(定格出力時の分光放射束)
λ:波長380nm〜780nm
k
1:白色LEDの放射束比(白色LEDの定格出力時を1とする)
k
2:青色LEDの放射束比(青色LEDの定格出力時を1とする)
k
3:青緑色LEDの放射束比(青緑色LEDの定格出力時を1とする)
k
4:緑色LEDの放射束比(緑色LEDの定格出力時を1とする)
k
5:赤色LED1の放射束比(赤色LED1の定格出力時を1とする)
k
6:赤色LED2の放射束比(赤色LED2の定格出力時を1とする)
η:求めたい白色LEDの光源効率(lm/W)
Φ:求めたい白色LEDの全光束(lm)
p:求めたい白色LEDの消費電力(W)
a
1、a
2、a
1’、a
2’:回帰定数
である。
【0015】
[5]また、本発明のLED照明の分光分布設計方法は、青色LEDと、青緑色LEDと、青色LEDと緑色蛍光体とによって構成される緑色LEDと、青色LEDと黄色蛍光体とによって構成される黄色LEDと、青色LEDと赤色蛍光体1とによって構成される赤色LED1と、青色LEDと赤色蛍光体2とによって構成される赤色LED2を用い、前
記青色、青緑色、緑色、黄色、赤色1、赤色2それぞれのLEDからの光を加法混色して白色光を得る方法であって、次式の係数k
1〜
k6を負数とならない範囲で任意に変化させたときの白色光の分光分布P(λ)を下記式
(4)で表し、設計する白色LEDの光源効率η(lm/W)を下記式(2)で表したとき、
【数5】
のうち、JIS
試験色No.1〜No.15を前記白色光で照らしたときと前記JIS
試験色No.1〜No.15を基準光で照らしたときのCIECAM02−UCSの各色差△E’
1〜△E’
15、またはL*a*b*表色系の各色差△E*ab1〜△E*ab15について、色みえ効果に関する視覚評価実験による印象評価との比較を行い、その結果から色みえの違いがないときの閾値をそれぞれ求め、CIECAM02−UCSの各色差△E’1〜△E’15を求めた閾値より小さい値に設定するか、またはL*a*b*表色系の各色差△E*ab1〜△E*ab15を求めた閾値より小さい値に設定し、かつη
が最大値となるようにすることを特徴とする。
【0016】
上記式において、
P(λ):求めたい白色光の分光分布(分光放射束)
P
b(λ):青色LEDの分光分布(定格出力時の分光放射束)
P
bg(λ):青緑色LEDの分光分布(定格出力時の分光放射束)
P
g(λ):緑色LEDの分光分布(定格出力時の分光放射束)
P
y(λ):黄色LEDの分光分布(定格出力時の分光放射束)
P
r1(λ):赤色LED1の分光分布(定格出力時の分光放射束)
P
r2(λ):赤色LED2の分光分布(定格出力時の分光放射束)
λ:波長380nm〜780nm
k
1:青色LEDの放射束比(青色LEDの定格出力時を1とする)
k
2:青緑色LEDの放射束比(青緑色LEDの定格出力時を1とする)
k
3:緑色LEDの放射束比(緑色LEDの定格出力時を1とする)
k
4:黄色LEDの放射束比(黄色LEDの定格出力時を1とする)
k
5:赤色LED1の放射束比(赤色LED1の定格出力時を1とする)
k
6:赤色LED2の放射束比(赤色LED2の定格出力時を1とする)
η:求めたい白色LEDの光源効率(lm/W)
Φ:求めたい白色LEDの全光束(lm)
p:求めたい白色LEDの消費電力(W)
である。
【0017】
[6]また、本発明のLED照明の分光分布設計方法は、青色LEDと、青緑色LEDと、青色LEDと緑色蛍光体とによって構成される緑色LEDと、青色LEDと黄色蛍光体とによって構成される黄色LEDと、青色LEDと赤色蛍光体1とによって構成される赤色LED1と、青色LEDと赤色蛍光体2とによって構成される赤色LED2を用い、前
記青色、青緑色、緑色、黄色、赤色1、赤色2それぞれのLEDからの光を加法混色して白色光を得る方法であって、次式の係数k
1〜
k6を負数とならない範囲で任意に変化させたときの白色光の分光分布P(λ)を下記式
(4)で表し、設計する白色LEDの光源効率η(lm/W)を下記式(2)で表したとき、
【数6】
のうち、JIS試験色No.1〜No.15を前記白色光で照らしたときと前記JIS試験色No.1〜No.15を基準光で照らしたときのCIECAM02−UCSのブライトネス差△Q
1〜△Q
15、カラフルネス差△M
1〜△M
15、またはL*a*b*表色系のCIE1976明度差△L*1〜△L*15、abクロマ差△C*ab1〜△*Cab15について、色みえ効果に関する視覚評価実験による印象評価との比較を行い、その結果から計算した△QMn=a1△Qn+a2△Mn(n=1〜15)、または△L*C*abn=a1’△L*n+a2’△C*abn(n=1〜15)の昼光に比べて鮮やかかつ明るく感じるときの閾値をそれぞれ求め、CIECAM02−UCSの△QM
n=a
1△Q
n+a
2△M
n(n=1〜15)
のいずれかを求めた閾値より大きい値に設定しかつCIECAM02−UCSの色相角の差△h1〜△h15の積和を設定値より小さくするか、またはL
*a
*b
*表色系の△L
*nC
*abn=a
1’△L
*n+a
2’△C
*abn(n=1〜15)
のいずれかを求めた閾値より大きい値に設定しかつL*a*b*表色系のab色相角の差△hab1〜△hab15の積和を設定値より小さい値に設定し、さらにη
が最大値となるようにすることを特徴とする。
【0018】
上記式において、
P(λ):求めたい白色光の分光分布(分光放射束)
P
b(λ):青色LEDの分光分布(定格出力時の分光放射束)
P
bg(λ):青緑色LEDの分光分布(定格出力時の分光放射束)
P
g(λ):緑色LEDの分光分布(定格出力時の分光放射束)
P
y(λ):黄色LEDの分光分布(定格出力時の分光放射束)
P
r1(λ):赤色LED1の分光分布(定格出力時の分光放射束)
P
r2(λ):赤色LED2の分光分布(定格出力時の分光放射束)
λ:波長380nm〜780nm
k
1:青色LEDの放射束比(青色LEDの定格出力時を1とする)
k
2:青緑色LEDの放射束比(青緑色LEDの定格出力時を1とする)
k
3:緑色LEDの放射束比(緑色LEDの定格出力時を1とする)
k
4:黄色LEDの放射束比(黄色LEDの定格出力時を1とする)
k
5:赤色LED1の放射束比(赤色LED1の定格出力時を1とする)
k
6:赤色LED2の放射束比(赤色LED2の定格出力時を1とする)
η:求めたい白色LEDの光源効率(lm/W)
Φ:求めたい白色LEDの全光束(lm)
p:求めたい白色LEDの消費電力(W)
a
1、a
2、a
1’、a
2’:回帰定数
である。
【0019】
[7]また、本発明の照明器具は、青色LEDと、緑色蛍光体と黄色蛍光体と赤色蛍光体1と赤色蛍光体2とを混合して得られる混合蛍光体とによって構成される照明器具において、上記[1]または[2]に記載の分光分布を有することを特徴とする
。
【0020】
[8]また、本発明の照明器具は、青色発光素子と黄色蛍光体とによって構成される白色LEDと、青色LEDと、青緑色LEDと、緑色LEDと、赤色LED
1と、赤色LED2から構成される照明器具において、上記[3]または[4]に記載の分光分布を有することを特徴とする。
【0021】
[9]また、本発明の照明器具は、青色LEDと、青緑色LEDと、青色LEDと緑色蛍光体とによって構成される緑色LEDと、青色LEDと黄色蛍光体とによって構成される黄色LEDと、青色LEDと赤色蛍光体1とによって構成される赤色LED1と、青色LEDと赤色蛍光体2とによって構成される赤色LED2から構成される照明器具において、上記[5]または[6]に記載の分光分布を有することを特徴とする。