(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
【0011】
(実施形態)
図1は、本発明による操作入力装置100の実施形態を示す斜視図である。
図2は、操作入力装置100を上方から見た図である。
なお、
図1及び
図2を含め、以下に示す各図において、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
また、以下の説明では、
図1、
図3、
図4等における上方、
図2における紙面手前側を上とし、その反対側を下として説明を行うが、この向きは、説明の便宜上用いるものであり、実際の使用状況をこの向きに限定するものではない。
【0012】
図1及び
図2に示すように、本実施形態における操作入力装置100は、下ケース101,上ケース102の上方に、操作ノブ104が配置されている。操作入力装置100は、例えば、車両の操作パネル部に配置され、下ケース101及び上ケース102は、車両の内装部材の内側に配置され、操作ノブ104が利用者側に露出して配置される。
利用者は、操作体としての操作ノブ104に対して、操作ノブ104の軸線まわりに回転する回転操作と、下方へ押下する押下操作と、操作ノブ104の軸線を傾ける傾動操作とを行うことができる。よって、利用者は操作ノブ104の操作だけで、様々な操作入力が可能であるので、例えば、カーナビゲーションシステムの操作に利用すれば、回転操作により地図の拡大縮小操作や項目選択をしたり、押下操作により決定入力操作をしたり、傾動操作によりポインタの移動操作や項目選択をしたりすることができ、非常に操作性が良好である。なお、この操作入力装置100は、例えば、空調装置の操作に利用してもよく、操作対象の機器はどのようなものであってもよいし、車両以外に用いてもよい。
なお、本実施形態の説明中での、軸線、軸方向等の軸を表す記載は、特に言及しない限り、操作ノブ104、又は、
図3等に示すノブシャフト108、シャフト部材112の軸を指すものとする。
【0013】
次に、操作入力装置100の構成を、より詳しく説明する。
図3は、操作入力装置100の分解斜視図である。
図4は、非操作時の操作入力装置100を
図2中の矢印A−Aの位置で切断した断面図である。
図3及び
図4に示すように、操作ノブ104は、操作ノブベース106に対して固定されている。図示しないが、操作ノブ104の内側には、爪部が突出しており、操作ノブベース106にも、操作ノブ104の爪部に対応した爪部が突出しており、これら爪部同士の係合により、操作ノブ104は、操作ノブベース106に対して固定されている。
【0014】
操作ノブベース106は、ネジ107を用いて、ノブシャフト108に対して一体となるように固定されている。したがって、操作ノブ104は、操作ノブベース106を介して、ノブシャフト108に一体的に設けられている。
【0015】
図4に示すように、操作ノブベース106の内側には、多数の節度溝106aが周方向に並んで略上下方向に延在して形成されている。また、傾動部材111には、回転節度部材119がスプリング120によって外周方向に向けて付勢された状態で配置されている。回転節度部材119は、節度溝106aに先端の球凸部119aが係合している。この回転節度部材119を設けていることにより、操作ノブ104は、回転方向の位置を適度な力で保持されており、かつ、回転操作時には、節度感を利用者に与えることができる。
【0016】
ノブシャフト108は、傾動部材111に回転可能、かつ、シャフト部材112の軸線方向に移動可能な状態で保持されている。
ノブシャフト108には、連動部材109がスプライン結合している。したがって、ノブシャフト108と連動部材109とは、回転方向において連結しており、ノブシャフト108の回転は、連動部材109に伝わり、ノブシャフト108と連動部材109とが、ともに回転する。一方、ノブシャフト108の軸方向における移動については、連動部材109に伝わらず、両者の連動は行われない。また、連動部材109は、操作ノブ104の傾動に追従してノブシャフト108とともに傾動する。
また、ノブシャフト108は、下端側がシャフト部材112に収容された後述する第1押下部材113に嵌合しており、シャフト部材112とともに傾動可能で、かつ、シャフト部材112に対して回転可能に第1押下部材113を介してシャフト部材112に軸支されている。
連動部材109の外周部分には、外側へ突出して第1連結部109aが等角度間隔で4箇所設けられている。
【0017】
回転部材110は、下ケース101によって、回転可能に保持されている。回転部材110の連動部材109に対向する側面である内周面には、第1連結溝部110aが、上述の連動部材109の第1連結部109aに対応して等角度間隔で4箇所設けられている。第1連結溝部110aは、連動部材109の第1連結部109aが嵌合できる所定の幅に形成されており、回転部材110の回転中心線に沿った方向に延在している。この第1連結溝部110aに連動部材109の第1連結部109aが係合しているので、利用者によって操作ノブ104が回転させられると、連動部材109が回転し、これに連動して回転部材110も回転する。回転部材110の下端部には、回路基板115上の回転検出用フォトリフレクタ115aと対向可能な位置に、回転方向に沿って凹凸が並んでいる凹凸形状が形成されている。
【0018】
回路基板115は、その上面側にラバーシート114が配置された状態で、下ケース101とスライダガイド部材123とに挟まれて固定されている。
回路基板115の上面には、回転検出用フォトリフレクタ115aが操作ノブ104の回転操作を検出する回転検出部として配置されている。回転検出用フォトリフレクタ115aは、その上方にある回転部材110に対して光を照射し、その反射光を受光して回転部材110の回転を検出する。上述したように、回転部材110の下端部には、回転方向に沿って凹凸が並んでいる凹凸形状が形成されており、反射光の光量が凹凸形状の高さに応じて変化する。これにより、回転検出用フォトリフレクタ115aの出力が変化するため、回転部材110の回転を検出できる。
また、回路基板115の下面には、傾動検出用フォトリフレクタ115bが操作ノブ104の傾動操作を検出する傾動検出部として配置されている。なお、傾動検出については、後述する。
【0019】
ラバーシート114は、回路基板115の上面側に配置されており、ラバーコンタクト114aを有している。ラバーコンタクト114aは、押下されると、その下面側に設けられた導電部が回路基板115上の接点部と接触することにより、操作ノブ104の押下操作を検出する押下検出部として機能する。
【0020】
中ケース105は、ドーム状に形成されており、下ケース101に固定されている。中ケース105の上側表面は、傾動ガイド部105aとして形成されている。傾動ガイド部105aは、その表面が球面形状の一部となっている。
また、上ケース102の内側には、上述の傾動ガイド部105aに対して所定幅のスペースを空けて、傾動ガイド部102aが形成されている。この傾動ガイド部102aの形状も、その内面形状が球面形状の一部となっている。
なお、下ケース101と上ケース102とは、爪部101bと係合部102bとの係合により互いが固定され、また、内部の中ケース105も、爪部101cと係合部105bとの係合により固定されており、これらが一体化されて1つのケースとして構成されている。
【0021】
傾動部材111は、鍔部111aを備えており、この鍔部111aは、傾動ガイド部105aと傾動ガイド部102aとに沿って傾動可能な曲面(球面)形状を外面及び内面の両側に有したドーム状に一体になって形成されている。鍔部111aは、上述の傾動ガイド部105aと傾動ガイド部102aとの間に設けられた所定幅のスペースに配置されており、傾動ガイド部105a及び傾動ガイド部102aに傾動可能に保持され、かつ、傾動をガイドされている。また、傾動部材111の中心には、ノブシャフト108が、その軸線方向に移動可能、かつ、回転方向で非連動の状態で軸支されている。よって、傾動部材111は、ノブシャフト108の傾動に伴って傾動可能である。なお、後述する付勢部材117の軸方向上方への付勢力によって、ノブシャフト108の略中央部に円周方向に突出して形成されたリング部108aが傾動部材111のリング溝111dに軸方向で係合している。
また、傾動部材111の外周部分には、外側へ突出して第2連結部111bが等角度間隔で4箇所設けられている。この第2連結部111bに対応する下ケース101の位置、すなわち、下ケース101の傾動部材111に対向する側面である内周面には、所定幅に形成された第2連結溝部101aが第1連結溝部110aの延在する方向に沿った方向に延在している。この第2連結部111bと第2連結溝部101aとが係合しているので、傾動部材111は、回転を規制されている。
【0022】
シャフト部材112は、その凹部112bに、傾動連結部材118の凸部118aが嵌合することにより、
図4中の紙面奥行き方向(以下、第1方向と呼ぶ)に回動可能に傾動連結部材118によって支持されている。
また、傾動連結部材118は、その凹部118bに、下ケース101の凸部101fが嵌合することにより、
図4中の紙面左右方向(以下、第2方向と呼ぶ)に回動可能に下ケース101によって支持されている。
シャフト部材112と傾動連結部材118と下ケース101とによる上述した直交する2方向における嵌合関係によって、いわゆるユニバーサルジョイントが形成されており、シャフト部材112は、下ケース101を基準として、360°いずれの方向にも傾動することが可能である。すなわち、操作ノブ104は、直交する4方向のみならず、操作方向に対し90°の整数倍から外れた角度位置となることが許容されている。
【0023】
シャフト部材112の中心軸上には、略円筒内側形状に形成された収容部112aが設けられている。また、収容部112aの押下方向(底面部)の所定箇所には、複数(本実施形態では4つ)の貫通孔112cが形成されている(
図7及び
図8参照)。この貫通孔112cの間には当接部112dが設けられている。そして、この当接部112dを含む収容部112aの底面部の外周面は球面状に形成されている。
【0024】
収容部112a内には、第1押下部材113が嵌合しており、この第1押下部材には、ノブシャフト108の下端側が嵌合している。
また、収容部112aの下底部には、付勢部材117が配置されており、第1押下部材113を操作ノブ104の押下操作に対抗する方向に付勢している。付勢部材117は、操作ノブ104が押下操作されたとき、適度な操作感(節度感)を利用者に与える。
また、この付勢部材117の付勢力は、第1押下部材113からノブシャフト108に伝達され、ノブシャフト108のリング部108aから傾動部材111のリング溝111dを介して鍔部111aを傾動ガイド部102aに接触させるように作用し、操作ノブ104のガタツキを防止している。
【0025】
シャフト部材112の下端部には、スプリング121と、ボール122とが配置されている。ボール122は、スプリング121の付勢力によって、カバー103の当接面103aに向けて押し付けられている。当接面103aは、中心方向に向かうにつれて下方に下がる円錐状の傾斜面により構成されている。また、当接面103aの中心部は、一段低く構成されている。したがって、傾動操作時の操作感(節度感)を利用者に与えることができ、また、非操作時にシャフト部材112を
図4に示す中立位置に自動的に復帰させ、かつ、その位置を適度な力で保持することができる。
【0026】
図5は、非操作時の操作入力装置100を
図2中の矢印C−Cの位置で切断した断面図である。
図6は、
図5中の中央付近を示す拡大図である。
図7は、第1押下部材113及びシャフト部材112を下方から見た斜視図である。
図4から
図6に示すように、第1押下部材113は、操作ノブ104の押下操作に連動して軸方向に移動可能な状態で収容部112aに収容されている。また、第1押下部材113は、操作ノブ104の回転操作には非連動の状態でノブシャフト108に連結されている。
第1押下部材113は、押下方向である下方に延在して形成された複数(本実施形態では4つ)の操作腕部113aを備えている。そして、シャフト部材112に設けられた貫通孔112cから操作腕部113aが突出可能となるように、操作ノブ104の操作ストロークに相当する長さのスライド溝部113bが第1押下部材113に設けられている。操作ノブ104が押下されていない
図4から
図6の状態では、付勢部材117が第1押下部材113を操作ノブ104へ向けて付勢しているので、操作腕部113aは、貫通孔112cより下方へは、突出することはない。そのため、操作腕部113aが貫通孔112cから突出して下ケース101に係合して、操作不良となることはない。
【0027】
第2押下部材116は、下ケース101に上下方向(非操作時における軸方向)に移動可能に配置されている。第2押下部材116は、円筒状の突状部116aと、押下操作部116bとを備えている。
突状部116aは、第2押下部材116の上端側にあって、操作ノブ104が
図4から
図6に示す押下可能位置にあるときに、貫通孔112cを介して操作腕部113aと対向している。
押下操作部116bは、第2押下部材116の下端側にあって、操作ノブ104が押下操作されたときに、ラバーコンタクト114aを押下する。押下操作部116bの下端面は、非操作時には、ラバーコンタクト114aの上面に接触しているが、ラバーコンタクト114aの復元力により、
図4から
図6に示す非押下位置に保持されている。
また、第2押下部材116は、ラバーコンタクト114aの復元力によって突状部116aが収容部112aの底面部の当接部112dに接触する構造となっている。よって、第2押下部材116がガタつくことなく所定位置に保持することができるため、操作ノブ104が押下操作されたときのストロークロスをなくすことができる。(
図4参照)
【0028】
下ケース101には、第2押下部材116を軸方向に移動可能に保持する押下ガイド部101dが貫通孔の形態で形成されている。
また、押下ガイド部101dの周縁部は、操作ノブ104が傾動位置にあるときに貫通孔112cを介して操作腕部113aと対向する位置であり、操作腕部113aが当接することで操作ノブ104の押下操作を阻止する押下阻止部101eとなっている。
【0029】
図8は、傾動操作時の操作入力装置100を
図2中の矢印C−Cの位置で切断した断面図である。この
図8は、
図2中の矢印D方向へ操作ノブ104を傾動操作したときの状態を示している。
図8に示すように、傾動操作時には、シャフト部材112に収容された第1押下部材113も、ノブシャフト108とともに傾動する。このとき、第1押下部材113の操作腕部113aは、下ケース101の押下阻止部101eと対向する位置にある。したがって、傾動操作時に、操作腕部113aの押下方向への移動が阻止され、押下操作が行われることを防止できる。
なお、この下ケース101の押下阻止部101e及び第2押下部材116の突状部116aは、球面状に形成されており、収容部112aの底面部の当接部112dが摺動するため、操作ノブ104を傾動操作したときの引っ掛かりが生じることはない。
【0030】
図9は、押下操作時の操作入力装置100を
図2中の矢印C−Cの位置で切断した断面図である。
操作ノブ104を押下すると、ノブシャフト108に押下されて、第1押下部材113が下方に移動する。第1押下部材113の操作腕部113aがシャフト部材112の貫通孔112cに挿通して、下ケース101の押下ガイド部101dにガイドされ、かつ、第2押下部材116の突状部116aを押下する。これにより第2押下部材116の押下操作部116bがラバーコンタクト114aを押下して押下操作が検出される。このとき、第1押下部材113の操作腕部113aが下ケース101の押下ガイド部101dに進入しているため、押下操作時に傾動操作が行われることを防止することができる。
【0031】
図10は、操作入力装置100の傾動検出機構を下方から見た図である。
操作入力装置100は、操作ノブ104の傾動操作を検出する傾動検出機構として、スライダガイド部材123と、第1スライダ124と、第2スライダ125と、4つの傾動検出用フォトリフレクタ115bとを備えている。
【0032】
スライダガイド部材123は、カバー103とともに下ケース101に対してネジ126により固定されている。スライダガイド部材123の下面には、第1方向への第1スライダ124の移動と、第2方向への第2スライダ125の移動とをそれぞれガイドする溝部123a、123bが設けられている。
【0033】
第1スライダ124及び第2スライダ125には、それぞれに、シャフト部材112が係合する係合孔124a,125aが設けられている。第1スライダ124は、シャフト部材112の傾動に対して、第1方向のみに移動するように構成されており、第2スライダ125は第2方向のみに移動するように構成されている。
【0034】
回路基板115の下面には、傾動検出用フォトリフレクタ115bが設けられており、下方にある第1スライダ124又は第2スライダ125に光を照射し、その反射光を受光して傾動操作を検出する。シャフト部材112が傾動すると、第1スライダ124又は第2スライダ125がその傾動方向に応じて変位し、傾動検出用フォトリフレクタ115bの照射光を反射する位置まで移動する。傾動検出用フォトリフレクタ115bは、第1スライダ124及び第2スライダ125の少なくとも一方からの反射光を受光することにより傾動操作を判定する。
具体的には、傾動方向の判定は、例えば、第1スライダ124が
図10中のY2方向に移動して、
図10中の上方にある傾動検出用フォトリフレクタ115bが第1スライダ124の存在を検出している場合は、シャフト部材112は、その反対方向に傾動しているため、操作ノブがY1方向に傾動操作されていると判定する。
【0035】
図11は、非操作時の操作入力装置100を
図4中の矢印B−Bの位置で切断した断面図である。
図12は、
図11における第1連結部109a付近を拡大して示した図である。
図11及び
図12に示すように、連動部材109の第1連結部109aは、回転部材110の第1連結溝部110aに対応する部位にあって、中央部の幅が第1連結溝部110aの所定幅と嵌合する幅に形成されている。また、連動部材109の第1連結部109aは、第1連結溝部110aの延在する方向(図中の上下方向)において中央部から離れるにしたがい幅が徐々に狭くなるように形成された傾斜部109bを有している。そして、第1連結部109aは、第1連結溝部110aの延在方向、すなわち、
図12中の上下方向に移動可能に嵌合して設けられている(傾斜許容回転結合機構−1)。
【0036】
図13は、傾動操作時の操作入力装置100を
図4中の矢印B−Bの位置で切断した断面図である。
図14は、
図13における第1連結部109a付近を拡大して示した図である。
図11から
図14に示すように、第1連結部109aは、略菱形状に形成されており、第1連結溝部110aとの間に、中央部の上下において隙間があるので、連動部材109が傾斜することができる。また、第1連結部109aは、第1連結溝部110a内を軸方向へ移動可能であるので、連動部材109がいずれの方向に対しても傾動することが可能となる。
すなわち、
図14に示すように、第1連結部109aは、第1連結溝部110aとの隙間分だけ、傾斜することができる。これに加えて、連動部材109の傾動角度に応じて、第1連結部109aは、第1連結溝部110aに対して軸方向へ移動したり、傾斜したりするため、傾動操作時に連動部材109が回転部材110に対して回転方向に連動しないようにすることができる。
さらに、第1連結部109aは、傾動操作時に第1連結溝部110a内で移動と傾斜を行うだけであり、その中央部は、第1連結溝部110aと接触した状態を保っている。したがって、傾動操作状態から非操作状態に復帰するときに、強い衝突等が発生することがなく、損傷を防止できる。
【0037】
また、傾動部材111に設けられた第2連結部111b、及び、下ケース101に設けられた第2連結溝部101aの形状と構成については、上述した連動部材109の第1連結部109a、及び、回転部材110の第1連結溝部110aの形状と構成と同様である。したがって、
図12及び
図14中に、第2連結部111b、及び、第2連結溝部101aに関連する符号を、括弧を付して併記し、重複する図示を省略した。
すなわち、下ケース101の傾動部材111に対向する側面には、所定幅に形成された第2連結溝部101aが第1連結溝部110aの延在する方向に沿った方向(上下方向)に延在している。
そして、傾動部材111の第2連結溝部101aに対応する部位には、その中央部の幅が第2連結溝部101aの所定幅と嵌合する幅に形成され、かつ、第2連結溝部101aの延在する方向において中央部から離れるにしたがい幅が徐々に狭くなるように形成された傾斜部111cを有した第2連結部111bが突出して形成されている。また、第2連結部111bは、第2連結溝部101aの延在方向、すなわち、
図12中の上下方向に移動可能に嵌合して設けられている(傾斜許容回転結合機構−2)。
【0038】
これら傾動部材111に設けられた第2連結部111b、及び、下ケース101に設けられた第2連結溝部101aの作用及び効果についても、上述した連動部材109の第1連結部109a、及び、回転部材110の第1連結溝部110aの場合と同様である。すなわち、第2連結部111bは、第2連結溝部101aとの隙間分だけ、傾斜することができる。また、傾動部材111の傾動角度に応じて、第2連結部111bは、第2連結溝部101aに対して軸方向へ移動したり、傾斜したりすることができる。
なお、第2連結溝部101aは、下ケース101に設けられているため、下ケース101が回転することはないが、第2連結部111bの中央部の幅を第2連結溝部101aの所定幅と嵌合する幅に形成しているため、回転方向に結合してガタツキを防止することができる。これにより、操作ノブ104の回転に対して非連動である傾動部材111が摺動抵抗によって回転しようとしても、第2連結部111bは、第2連結溝部101aにより阻止され、良好な操作性を得ることができる。
さらに、第2連結部111bは、傾動操作時に第2連結溝部101a内で移動と傾斜を行うだけであり、その中央部は、第2連結溝部101aと接触した状態を保っている。したがって、傾動操作状態から非操作状態に復帰するときに、強い衝突等が発生することが無く、損傷を防止できる。
【0039】
先に説明したように、操作ノブ104は、360°いずれの方向にも傾動することが可能であり、すなわち、直交する4方向のみならず、操作方向に対し90°の整数倍から外れた角度位置となることが許容されている。そして、本実施形態の操作入力装置100は、上述した第1連結部109aと第1連結溝部110aとによる傾斜許容回転結合機構−1と、第2連結部111bと第2連結溝部101aとによる傾斜許容回転結合機構−2とを、上述したような傾斜部109b及び傾斜部111cを有する構成としたので、良好な操作性を維持しつつ、耐久性の優れたものとして実現されている。
【0040】
以上説明したように、本実施形態によれば、操作入力装置100は、第1押下部材113に貫通孔112cから突出可能な操作腕部113aを備え、さらに、操作ノブ104が傾動位置にあるときに貫通孔112cを介して操作腕部113aと対向する位置に、押下阻止部101eを備えている。よって、押下操作時に傾動操作が行われることを防止することができ、かつ、傾動操作時に、押下操作が行われることを防止できる。すなわち、押下操作と傾動操作とが同時に行われる誤操作を防ぐことができる。
また、操作入力装置100は、収容部112aに第1押下部材113を操作ノブ104の押下操作に対抗する方向に付勢する付勢部材117を設けたので、スペースを有効に使用することができ、かつ、押下操作において良好な節度感を付与することができる。
さらに、この付勢部材117により、操作ノブ104の軸方向のガタツキを抑制することができるので、誤操作を防止しつつ、良好な操作感を得ることができる機構を提供することができる。