(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
平面視円環状に形成されたスクリーン部と、前記スクリーン部の内周面に光を投射する複数のプロジェクタと、複数の前記プロジェクタを支持する支持フレーム部と、を備え、
前記スクリーン部が、平面視円環の筒状に形成されたスクリーン本体と、前記スクリーン本体と一体に形成され、前記スクリーン本体の上端部から径方向において前記スクリーン本体の内側に延びる天板部と、前記スクリーン部の外周面から突出すると共に前記スクリーン部の下端部から上端部まで延びて形成され、前記スクリーン部の周方向に間隔をあけて配された複数のスクリーン外側リブと、を備え、
前記スクリーン外側リブの上端部が、前記天板部の上面から突出すると共に、径方向において前記天板部の中途部まで延びる天板部上側リブを含み、
前記支持フレーム部が、前記天板部の上面に配され、
前記プロジェクタが、前記支持フレーム部上に配されているシミュレータドーム。
前記支持フレーム部が、平面視環状に形成されると共に径方向において前記スクリーン部の内側に配され、前記プロジェクタを支持する環状枠部と、前記環状枠部から前記スクリーン部の上端部まで径方向に延びて形成され、前記環状枠部の周方向に間隔をあけて配された複数の梁部と、を備え、
前記スクリーン部の上端部側に位置する各梁部の外側端部が、各スクリーン外側リブの上端部に連結されている請求項1又は請求項2に記載のシミュレータドーム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種のシミュレータドームは、乗物の運転状況を模擬するために、並進機構などの駆動機構によって移動したり揺動したりすることがある。しかしながら、上記従来のシミュレータドームでは、プロジェクタが天井の内面に吊るされているため、シミュレータドームが移動や揺動した際に、プロジェクタがスクリーンに対して振動する虞がある。プロジェクタがスクリーンに対して振動すると、スクリーン内面に投射された映像や画像がブレてしまい、好ましくない。
また、プロジェクタが天井の内面に吊るされていると、シミュレータドームの製造時やメンテナンス時において、プロジェクタを取り付けたり取り外したりする際に、作業者がプロジェクタを支持する必要がある。すなわち、プロジェクタの取付作業、メンテナンス作業等の各種作業が面倒である、という問題もある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みたものであって、スクリーンに対するプロジェクタの振動を抑制でき、かつ、プロジェクタを取り扱う各種作業を容易に行うことが可能なシミュレータドームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によるシミュレータドームは、平面視円環状に形成されたスクリーン部と、前記スクリーン部の内周面に光を投射する複数のプロジェクタと、複数の前記プロジェクタを支持する支持フレーム部と、を備え、
前記スクリーン部が、平面視円環の筒状に形成されたスクリーン本体と、前記スクリーン本体と一体に形成され、前記スクリーン本体の上端部から径方向において前記スクリーン本体の内側に延びる天板部と、前記スクリーン部の外周面から突出すると共に前記スクリーン部の下端部から上端部まで延びて形成され、前記スクリーン部の周方向に間隔をあけて配された複数のスクリーン外側リブと、を備え、前記スクリーン外側リブの上端部が、前記天板部の上面から突出すると共に、径方向において前記天板部の中途部まで延びる天板部上側リブを含み、前記支持フレーム部が、
前記天板部の上面に配され、に配され、前記プロジェクタが、前記支持フレーム部上に配されていることを特徴とする。
前記シミュレータドームは、前記スクリーン部の上方の開口を覆う天井部を備えてもよい。
【0007】
上記構成のシミュレータドームによれば、プロジェクタが支持フレーム部上に配されることで、従来のようにプロジェクタを天井部の内面に吊るす場合と比較して、プロジェクタがスクリーン部に対して振動することを抑制できる。
また、プロジェクタが支持フレーム部上に配されることで、シミュレータドームの製造時やメンテナンス時において、プロジェクタを取り付けたり取り外したりする際に、作業者がプロジェクタを支持する必要が無くなる。すなわち、プロジェクタの取付作業、メンテナンス作業等の各種作業を容易に行うことが可能となる。
【0009】
上記構成のシミュレータドームによれば、支持フレーム部を安定した状態でスクリーン部の上端部に配置できる。
【0010】
また、前記シミュレータドームでは、前記支持フレーム部が、平面視環状に形成されると共に径方向において前記スクリーン部の内側に配され、前記プロジェクタを支持する環状枠部と、前記環状枠部から前記スクリーン部の上端部まで径方向に延びて形成され、前記環状枠部の周方向に間隔をあけて配された複数の梁部と、を備え
、前記スクリーン部の上端部側に位置する各梁部の外側端部が、各スクリーン外側リブの上端部に連結されてもよい。
【0011】
上記構成のシミュレータドームにおいて、スクリーン外側リブは、スクリーン部の剛性を向上させる役割を果たす。そして、支持部フレーム部の各梁部は、スクリーン部のうち剛性の高いスクリーン外側リブの上端部に連結されているため、支持フレーム部をスクリーン部によって安定した状態で支持することができる。また、シミュレータドーム全体の強度も向上できる。
【0012】
さらに、前記シミュレータドームでは
、前記梁部の外側端部が、前記天板部の上面に配されると共に前記天板部上側リブに連結されてもよい。
【0013】
上記構成のシミュレータドームによれば、梁部の外側端部を、径方向においてスクリーン外側リブの上端部をなす天板部上側リブに突き当てることができるため、シミュレータドーム全体の強度をさらに向上できる。
【0014】
また、前記シミュレータドームは、前記スクリーン部の上方の開口を覆う天井部を備え、前記天井部は、前記スクリーン部の径方向における前記天井部の中央部が前記スクリーン部の上端部に対向する前記天井部の外周端部に対して上方に膨らむように形成され、前記天井部の外周端部のうち周方向において複数の前記スクリーン外側リブに各々対応する位置に、径方向において内側に突出する複数の天井内側リブが形成され、各天井内側リブが、各梁部の外側端部に連結されてもよい。
【0015】
上記構成のシミュレータドームによれば、スクリーン部の各スクリーン外側リブ、支持フレーム部の各梁部、及び、天井部の各天井内側リブが、相互に連結されるため、シミュレータドーム全体の強度をさらに向上できる。
【0016】
さらに、前記シミュレータドームでは、前記環状枠部が、平面視正多角形の環状に形成され、前記環状枠部側に位置する各梁部の内側端部が、前記環状枠部の各角部に連結されてもよい。
【0017】
上記構成のシミュレータドームによれば、各梁部の内側端部が平面視正多角形とされた環状枠部の角部に連結されているため、外力が各梁部を介して環状枠部に作用しても、環状枠部が変形することを好適に抑制できる。これにより、シミュレータドーム全体の強度をさらに向上できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、スクリーン部に対するプロジェクタの振動を抑制でき、かつ、プロジェクタを取り扱う各種作業を容易に行うことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、
図1〜7を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1〜4に示すように、本実施形態に係るシミュレータドーム1は、スクリーン部2と、天井部3と、複数のプロジェクタ4と、支持フレーム部5と、を備える。
【0021】
スクリーン部2は、平面視円環状に形成されている。スクリーン部2は、平面視円環の筒状に形成されたスクリーン本体11と、スクリーン本体11の上端部から径方向においてスクリーン本体11の内側に延びる天板部12と、を備える。
【0022】
スクリーン本体11は、例えば単純な円筒状に形成されてもよいが、本実施形態では中空の楕円体の一部をなすように形成されている。より具体的に説明すれば、本実施形態のスクリーン本体11は、その軸方向の中途部が、径方向においてスクリーン本体11の軸方向の両端部よりも外側に膨らむように形成されている。
スクリーン本体11の下方の開口は、床板部6によって覆われている。また、スクリーン本体11には、シミュレータドーム1に出入りするためのドア13が設けられている。
【0023】
天板部12は、スクリーン本体11の周方向全体に形成されている。すなわち、天板部12は、平面視円環の板状に形成されている。径方向における天板部12の長さは、少なくとも複数のプロジェクタ4が径方向において天板部12よりも内側に位置できるように設定されればよい。
【0024】
図1〜6に示すように、本実施形態のスクリーン部2は、スクリーン本体11の外周面から突出すると共にスクリーン本体11の下端部から上端部まで延びて形成されたスクリーン外側リブ14を複数備える。複数のスクリーン外側リブ14は、スクリーン本体11の周方向に間隔をあけて配されている。本実施形態において、複数のスクリーン外側リブ14は等間隔で配列されている。スクリーン外側リブ14は、スクリーン部2の剛性を向上させる役割を果たす。
【0025】
図3〜6に示すように、各スクリーン外側リブ14の上端部は、天板部12の上面から突出すると共に、径方向において天板部12の外周縁から中途部まで延びる天板部上側リブ15を含む。スクリーン外側リブ14の上端部が天板部上側リブ15を含むことで、スクリーン外側リブ14は、スクリーン本体11に対する天板部12の剛性を向上させる役割を果たす。
【0026】
複数のプロジェクタ4は、スクリーン本体11の内周面に光(映像又は画像)を投射する。スクリーン本体11においてプロジェクタ4の光が投射される投射領域は、例えば内周面全体であってもよいが、本実施形態では、内周面のうち上端領域及び下端領域を除く領域となっている。すなわち、本実施形態における投射領域の上端及び下端は、スクリーン本体11の内周面の上端及び下端よりも若干内側に位置している。
【0027】
図3、5〜7に示すように、スクリーン本体11の内周面のうち投射領域の外側の領域(前述した内周面の上端領域、下端領域)には、スクリーン内側リブ16A〜16Dが形成されている。スクリーン内側リブ16A〜16Dは、スクリーン本体11の内周面から突出すると共にスクリーン本体11の軸方向に延びている。スクリーン内側リブ16A〜16Dは、スクリーン本体11の周方向に間隔をあけて複数配列されている。本実施形態において、複数のスクリーン内側リブ16A〜16Dは、等間隔で配列されている。
【0028】
一部のスクリーン内側リブ16A,16Cは、周方向において前述したスクリーン外側リブ14に対応する位置に形成されている。また、残りのスクリーン内側リブ16B,16Dは、周方向において隣り合うスクリーン外側リブ14の中間に形成されている。
スクリーン本体11の内周面の上端領域に形成されたスクリーン内側リブ16C,16Dは、天板部12の下面に接続されて天板部12を下側から支持する天板支持リブ16C,16Dである。周方向においてスクリーン外側リブ14に対応する位置に形成された天板支持リブ16Cは、天板部12の内周縁まで到達している。
【0029】
本実施形態において、スクリーン部2は、
図1〜5に示すように、周方向に配列された複数のスクリーン分割体20をネジ止め等によって連結することで構成されている。各スクリーン分割体20は、スクリーン本体11を構成する本体分割部21と、天板部12を構成する天板分割部22と、を備える。
周方向における各スクリーン分割体20の両端には、天板部上側リブ15を含むスクリーン外側リブ14、及び、天板支持リブ16Cを含むスクリーン内側リブ16A,16Cが形成されている。周方向に隣り合う二つのスクリーン分割体20は、互いのスクリーン外側リブ14及びスクリーン内側リブ16A,16Cを、周方向に重ね合せた上でネジ止め等により相互に連結することで、互いに固定される。
【0030】
図1,3に示すように、天井部3は、上記したスクリーン部2の上方の開口を覆っている。天井部3は、平面視円形状に形成されている。天井部3は、スクリーン部2の径方向における天井部3の中央部が、スクリーン部2の上端部に対向する天井部3の外周端部に対して上方に膨らむように形成されている。すなわち、天井部3は、内側に空間を有し、下方に向けて開口する椀状に形成されている。
さらに、本実施形態の天井部3は、スクリーン本体11と共に中空の楕円体(球体を含む)の一部を構成している。このため、天井部3の内面及び外面は、それぞれスクリーン本体11の内周面及び外周面に滑らかに連なる。
【0031】
本実施形態の天井部3は、
図1〜3,5,6に示すように、その外面から突出すると共に、天井部3の外周端部から中央部まで延びる天井外側リブ31を複数備える。複数の天井外側リブ31は、周方向において複数のスクリーン外側リブ14に各々対応する位置に形成されている。
天井外側リブ31は、天井部3がスクリーン部2上に配された状態で、スクリーン外側リブ14の上端に当接し、スクリーン外側リブ14の上端から延長するように位置する。
【0032】
また、本実施形態の天井部3は、
図3,5〜7に示すように、複数の天井内側リブ32を備える。各天井内側リブ32は、径方向において天井部3の内側に突出している。各天井内側リブ32は、天井部3の外周端部のうち周方向において天井外側リブ31(スクリーン外側リブ14)に対応する位置に形成されている。
【0033】
また、天井部3には、
図1〜3,5〜7に示すように、天井部3の内側から外側に貫通する窓部33A,33Bが形成されている。また、天井部3には、窓部33A,33Bを開閉するカバー部34が設けられている。
【0034】
窓部33A,33Bは、天井部3に複数形成されている。複数の窓部33A,33Bは、天井部3の外周端部及び中央部の各近傍において、周方向に間隔をあけて配列されている。複数の窓部33A,33Bには、天井外側リブ31の近傍に形成された第一窓部33Aと、天井部3の外周端部において、周方向に隣り合う二つの天井外側リブ31の中間に形成された第二窓部33Bと、が含まれている。第一窓部33Aは、周方向において同一の天井外側リブ31の両側に形成されている。
【0035】
カバー部34は、天井部3の外側から窓部33A,33Bを開閉するように設けられている。カバー部34は、例えば蝶番などによって天井部3に対して回動自在に設けられてもよいが、本実施形態ではネジ止め等によって天井部3に対して着脱自在に設けられている。
【0036】
本実施形態において、天井部3は、
図1〜3,5に示すように、スクリーン部2の場合と同様に、周方向に配列された複数の天井分割体35をネジ止め等によって連結することで構成されている。
周方向における各天井分割体35の両端には、天井外側リブ31及び天井内側リブ32が形成されている。周方向に隣り合う二つの天井分割体35は、互いの天井外側リブ31及び天井内側リブ32を周方向に重ね合せた上で、互いの天井外側リブ31をネジ止め等により相互に連結することで、互いに固定される。
【0037】
本実施形態のシミュレータドーム1において、上記の天井部3をスクリーン部2上に配した状態では、
図5,7に示すように、天井部3の外周端部がスクリーン部2の天井部3上側リブの上端のみに当接する。このため、スクリーン本体11や天板部12の上端と天井部3の外周端部との間には、隙間Gが生じる。この隙間Gは、化粧板部7によってスクリーン部2及び天井部3の外側から覆われる。化粧板部7は、スクリーン部2及び天井部3に対してネジ止め等によって着脱自在に取り付けられている。
また、本実施形態のシミュレータドーム1において、スクリーン部2と天井部3とは、後述する支持フレーム部5の梁部42を介してネジ止め等によって着脱自在に連結(固定?)される。
【0038】
支持フレーム部5は、
図3〜5に示すように、複数のプロジェクタ4を支持する。すなわち、複数のプロジェクタ4は、支持フレーム部5上に配されている。支持フレーム部5は、スクリーン部2の上端部に配される。本実施形態において、支持フレーム部5は、前述したスクリーン部2の天板部12の上面に配されている。
【0039】
本実施形態の支持フレーム部5は、環状枠部41と、複数の梁部42と、を備える。
環状枠部41は、平面視環状に形成されると共に径方向においてスクリーン部2(特に天板部12)の内側に配され、複数のプロジェクタ4を支持する。環状枠部41は、例えば平面視円形の環状に形成されてもよいが、本実施形態では平面視正多角形の環状に形成されている。
【0040】
環状枠部41は、例えば径方向に所定の幅寸法を有する環状の板材によって構成されてもよいが、本実施形態では径寸法が互いに異なる二つの環状枠43によって構成されている。
各環状枠43は、直線状に延びる複数の棒状部材44を連結して構成されている。各棒状部材44は、例えばプロジェクタ4が配置される環状枠部41の上面が平坦になるように形成されているとよい。二つの環状枠43は、後述する複数の梁部42によって、中心及び高さ位置が互いに一致する位置に保持されている。
本実施形態において、各プロジェクタ4は、上記した二つの環状枠43の両方に支持されるように環状枠部41上に配される。
【0041】
各梁部42は、環状枠部41からスクリーン部2の上端部まで径方向に延びて形成されている。複数の梁部42は、環状枠部41の周方向に間隔をあけて配されている。複数の梁部42は、等間隔で配列されている。
【0042】
本実施形態において、環状枠部41側に位置する各梁部42の内側端部は、平面視正多角形とされた環状枠部41の各角部にネジ止め等によって連結されている。各梁部42の内側端部は、例えば環状枠部41の上側に配されてもよいが、本実施形態ではプロジェクタ4を環状枠部41上に容易に配置できるように、環状枠部41の下側に配されている。
【0043】
本実施形態において、スクリーン部2の上端部側に位置する各梁部42の外側端部は、
図4〜6に示すように、天板部12の上面に配されると共に、ネジ止め等によって天板部上側リブ15に連結されている。また、各梁部42の外側端部は、天井部3の各天井内側リブ32の下側に配され、ネジ止め等によって各天井内側リブ32に連結されている。すなわち、本実施形態の支持フレーム部5では、環状枠部41の角部の数、及び、梁部42の数が、スクリーン部2のスクリーン外側リブ14の数や、天井部3の天井内側リブ32の数と一致している。
【0044】
上記の点についてより具体的に説明すれば、各梁部42の外側端部が天板部12の上面に配された状態では、各梁部42の外側端部が、天板部12の外周縁から内側に延びる天板部上側リブ15の先端に当接し、天板部上側リブ15の先端から延長するように位置している。また、各梁部42の外側端部は、天板支持リブ16Cの上側に位置している。
さらに、天井部3をスクリーン部2上に配した状態では、各梁部42の外側端部が、天板部12の上面と、天井部3の天井内側リブ32との間に挟み込まれる。
また、本実施形態において、各梁部42の外側端部は、周方向に隣り合う二つの天板分割部22の両方の上面に配され、周方向に隣り合う二つの天井分割体35の天井内側リブ32の両方の下側に配されている。
【0045】
以上説明したように、本実施形態のシミュレータドーム1では、プロジェクタ4が支持フレーム部5上に配されている。このため、従来のようにプロジェクタ4を天井部3の内面に吊るす場合と比較して、プロジェクタ4がスクリーン部2に対して振動することを抑制できる。
また、プロジェクタ4が支持フレーム部5上に配されることで、シミュレータドーム1の製造時やメンテナンス時において、プロジェクタ4を取り付けたり取り外したりする際に、作業者がプロジェクタ4を支持する必要が無くなる。すなわち、プロジェクタ4の取付作業、メンテナンス作業等の各種作業を容易に行うことが可能となる。
【0046】
また、本実施形態のシミュレータドーム1では、支持フレーム部5がスクリーン部2の天板部12の上面に配されている。このため、支持フレーム部5を安定した状態でスクリーン部2の上端部に配置できる。
また、本実施形態のシミュレータドーム1では、スクリーン本体11と天板部12とが一体に形成されているため、スクリーン部2全体の強度も向上できる。
【0047】
また、本実施形態のシミュレータドーム1では、支持フレーム部5の各梁部42の外側端部が、スクリーン部2のうち剛性の高いスクリーン外側リブ14の上端部に連結されている。このため、支持フレーム部5をスクリーン部2によって安定した状態で支持することができる。また、シミュレータドーム1全体の強度も向上できる。
【0048】
また、本実施形態のシミュレータドーム1では、各梁部42の外側端部が、天板部12の上面に配され、スクリーン外側リブ14のうち天板部12の上面から突出する天板部上側リブ15に連結されている。このため、梁部42の外側端部を天板部上側リブ15に突き当てることができ、シミュレータドーム1全体の強度をさらに向上できる。
【0049】
また、本実施形態のシミュレータドーム1では、スクリーン部2の各スクリーン外側リブ14、支持フレーム部5の各梁部42、及び、天井部3の各天井内側リブ32が、相互に連結されている。このため、シミュレータドーム1全体の強度をさらに向上できる。シミュレータドーム1は、その使用時に外力が作用して揺らされることが多いが、このようにシミュレータドーム1全体の強度(特に連結部分における剛性)が高められることで、シミュレータドーム1を揺れに強い構造とすることができる。
【0050】
さらに、本実施形態のシミュレータドーム1では、各梁部42の内側端部が平面視正多角形とされた環状枠部41の角部に連結されている。このため、外力が各梁部42を介して環状枠部41に作用しても、環状枠部41が変形することを好適に抑制できる。これにより、シミュレータドーム1全体の強度をさらに向上できる。
【0051】
また、平面視正多角形に形成された環状枠部41は、例えば直線状に延びる複数の棒状部材44を連結する等して製造できるため、平面視円形状に形成される場合と比較して、容易に製造することが可能である。
また、平面視正多角形に形成された環状枠部41では、プロジェクタ4が配置される環状枠部41の上面などの面を容易に平坦面とすることができる。例えば、環状枠部41を構成する棒状部材44は、押出成形などにより得ることができるため、棒状部材44の長手方向に直交する断面を簡単に多角形に設定することができる。環状枠部41に平坦面を形成できることで、プロジェクタ4等の部品を簡単に環状枠部41上に配置することが可能となる。
また、平面視正多角形に形成された環状枠部41は、正多角形の外接円を環状枠部41とする場合と比較して小さく形成できるため、支持フレーム部5及びこれを備えるシミュレータドーム1の軽量化を図ることができる。
【0052】
また、本実施形態のシミュレータドーム1では、天井部3に窓部33A,33Bが形成されている。このため、作業者の手を窓部33A,33Bからシミュレータドーム1の内部に入れることができる。これにより、スクリーン部2と天井部3とのネジ止め部分がシミュレータドーム1の内側にあっても、作業者はシミュレータドーム1の外側からネジ止め部分を操作することができる。すなわち、スクリーン部2に対する天井部3の着脱作業を容易に行うことができる。また、作業者は、シミュレータドーム1内に配されているプロジェクタ4等の各種部品の操作(例えばメンテナンス作業など)を、シミュレータドーム1の外側から行うこともできる。
【0053】
また、上記窓部33A,33Bはカバー部34によって閉じることができるため、シミュレータドーム1を使用する際に、窓部33A,33Bからシミュレータドーム1の内部に光が入り込むことを防止できる。
【0054】
また、本実施形態のシミュレータドーム1では、スクリーン部2の内周面のうち投射領域の外側の領域(上端領域、下端領域)に、スクリーン内側リブ16A〜16Dが形成されている。このため、スクリーン部2の投射領域に映し出される映像や画像に影響を与えることなく、かつ、シミュレータドーム1の外観意匠を良好に保ちながら、スクリーン部2の強度向上を図ることができる。
【0055】
また、本実施形態のシミュレータドーム1では、スクリーン本体11及び天井部3が中空の楕円体(球体を含む)の一部を構成するように形成されている。このため、スクリーン部2(特にスクリーン本体11)や天井部3に曲げ荷重が生じ難くなり、剛性の高いシミュレータドーム1を提供することが可能となる。
【0056】
また、本実施形態のシミュレータドーム1において、天井部3は、スクリーン部2の径方向における天井部3の中央部が、スクリーン部2の上端部に対向する天井部3の外周端部に対して上方に膨らむように形成されている。これにより、天井部3の内面がスクリーン部2の上端部よりも上方に間隔をあけて位置するため、プロジェクタ4をスクリーン部2の天板部12上に配することができる。
また、プロジェクタ4の設置部分よりも上方に、シミュレータドーム1の内部空間が形成されるため、プロジェクタ4の設置部分と天井部3の内面との空間を作業スペースとして活用できる。したがって、シミュレータドーム1の組み立てやメンテナンスを容易に行うことができる。
【0057】
また、本実施形態のシミュレータドーム1では、天板部12が天板部上側リブ15や天板支持リブ16C,16Dによって支持されている。このため、天板部12の強度を向上できる。
また、本実施形態では、支持フレーム部5が天板支持リブ16C上に配される。このため、天板部12に支持フレーム部5やプロジェクタ4の荷重が作用しても、天板部12がスクリーン本体11に対して変形することを防止できる。
【0058】
また、本実施形態のシミュレータドーム1では、天井部3の内面のうち天井部3の外周端部に天井内側リブ32が形成されている。このため、シミュレータドーム1の外観意匠を良好に保ちながら、天井部3の強度向上を図ることができる。
【0059】
また、本実施形態のシミュレータドーム1では、スクリーン本体11や天板部12の上端と天井部3の外周端部との間の隙間Gが、シミュレータドーム1の外側に開口している。このため、作業者は、隙間Gに位置して周方向に隣り合う二つのスクリーン分割体20を互いに固定するネジ止め部分等の固定部分(例えば互いの天板部上側リブ15を固定する部分)を、シミュレータドーム1の外側から簡単に操作することができる。これにより、一部(例えば1〜3個)のスクリーン分割体20を、他のスクリーン分割体20や天井部3に対して容易に着脱することが可能となる。したがって、コックピット等の大型品を、シミュレータドーム1の側方からシミュレータドーム1の内外に出し入れする作業を容易に行うことができる。
また、本実施形態のシミュレータドーム1によれば、スクリーン部2と天井部3との隙間Gを利用して、一部のスクリーン分割体20を他のスクリーン分割体20や天井部3に対して容易に着脱することができる。
【0060】
以上、本発明の詳細について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
【0061】
例えば、スクリーン部2の各スクリーン外側リブ14は、天板部上側リブ15を含まなくてもよい。この場合、支持フレーム部5の各梁部42の外側端部は、例えば、スクリーン本体11の上端部まで径方向に延びて形成されることで、スクリーン外側リブ14の上端部に連結されてもよい。また、各梁部42の外側端部は、例えばスクリーン外側リブ14の上端部に連結されなくてもよい。
【0062】
スクリーン部2は、例えば天板部12を備えなくてもよい。この場合、支持フレーム部5(特に梁部42)は、スクリーン本体11の上端部に重ねて配されればよい。
【0063】
天井部3は、例えば天井内側リブ32を備えなくてもよい。すなわち、支持フレーム部5の梁部42は、例えば天井部3に連結されなくてもよい。
【0064】
天井部3は、例えば、その外周端部がスクリーン部2の上端部との間に隙間なく当接するように形成されてもよい。この場合、シミュレータドーム1は化粧板部7を備えなくてもよい。
また、天井部3は、例えばスクリーン部2に対して直接ネジ止め等によって着脱自在に連結されてもよい。
【0065】
また、本発明のシミュレータドームは、例えば
図8に示すように、天井部を備えなくてもよく、少なくともスクリーン部2及び支持フレーム部5を備えていればよい。