(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、理解の容易のため、それぞれの図のスケールと、以下の説明に記載のスケールとが異なる場合がある。
【0024】
(1)第1実施形態
図1は第1実施形態の荷重検知センサユニットの構成を示す分解図であり、
図2は第1実施形態の荷重検知センサユニットが座席装置のSばねに取り付けられた様子を示す断面図である。なお、
図2は、座席装置の左右方向に沿った面における荷重検知センサユニットの断面図である。
図1、
図2に示すように、荷重検知センサユニット1は、台座2、押圧部材4及び荷重検知センサ5を主な構成として備える。
【0025】
台座2は、荷重検知センサ5が載置される載置部21と、当該載置部21に連結される一対のフック部22とを有する。載置部21の上側の面は載置面21Sである。この載置面21S上にはメインブロック50mが配置される。メインブロック50mは、載置部21の載置面21Sに対向する面である台座対向面50mps全体が載置部21に接着されておらず、当該載置面21Sと台座対向面50mpsとは当接される。また、載置部21には、載置面21Sから載置部21の下側の面(載置面21Sと反対側の面)まで貫通する複数の貫通孔20H(
図1)が形成され、また複数のフック用開口24(
図1)が形成されている。
【0026】
一対のフック部22は、載置部21を挟んで互いに対向する位置にそれぞれ設けられており、車両の座席装置におけるフレームの開口に並べて張り渡される複数のSばね100(
図2)のうち隣接する一対のSばね100にそれぞれ嵌め込まれる。従って、それぞれのフック部22は、台座2をSばね100に係止する係止部である。本実施形態では、一対のフック部22は座席装置の横方向に並び、当該横方向に隣接する一対のSばね100に嵌め込まれるように形成される。また、一対のフック部22がこのように隣接する一対のSばね100に嵌め込まれた状態で、載置部21は複数のSばね100上に載置されるシートクッションSC(
図2)の下方に位置し、さらに、複数のSばねを上方から見る場合に載置部21は当該一対のSばね100の間に配置される。上記のように一対のフック部22が一対のSばね100に嵌め込まれた状態で、本実施形態では、載置面21Sは、それぞれのSばね100の下端部よりも下側に位置する。また、本実施形態の場合、金属板を成形して台座2が得られ、この場合の板厚は例えば0.8mmとされる。
【0027】
押圧部材4は、載置部21の載置面21Sに載置されるメインブロック50mを覆ってメインブロック50mのスイッチSW(
図2)などを保護する部材である。また、押圧部材4は、シートクッションSCに押圧されることで荷重検知センサ5のスイッチSWを押圧する押圧部材でもある。
【0028】
この押圧部材4は、頂壁45及び枠壁48を有する。頂壁45は概ね円形とされる板状の部材である。また、押圧部材4の枠壁48は複数に分割されて、頂壁45の外周状に接続されている。複数に分割されている枠壁48の各間において、フック片47が頂壁45に接続されている。それぞれのフック片47は、台座2の載置部21に形成されるフック用開口24に嵌め込まれる構成とされる。それぞれのフック片47がフック用開口24に嵌め込まれることで、台座2と押圧部材4との載置面21S方向における相対的な移動が規制される。
【0029】
なお、押圧部材4は、シートクッションSCよりも硬質な材料から形成されている。従って、押圧部材4の一部である押圧部46もシートクッションSCよりも硬質な材料から形成されている。一般的にシートクッションSCは発泡されたウレタン樹脂からなるため、このような押圧部材4の材料としては、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
【0030】
図3は、押圧部材4を
図1とは異なる視点で示す図である。
図3に示すように、押圧部材4の頂壁45には、台座2の載置部21に対向される底面から突出する押圧部46が設けられている。この押圧部46は、荷重検知センサ5(
図1又は
図2)のうち金属板60におけるスイッチシート50の一方の面50mcsに対向する面とは逆の面側から押圧する部位であり、当該押圧部46の先端は凸状の曲面形状とされる。なお、押圧部46の先端は平面形状とされても良い。
【0031】
また、押圧部材4の頂壁45には、台座2の載置部21に対向される底面から突出する複数の押付部材30が設けられている。この押付部材30は、押圧部46で荷重検知センサ5の金属板60(
図1又は
図2)が押圧されたときに金属板60の端部を、当該金属板60におけるスイッチシート50の一方の面50mcsに対向する面とは逆の面側から押さえ付ける部材である。
【0032】
この押付部材30は、本実施形態の場合、例えば直方体形状とされ、押圧部46で金属板60が押圧され第1電極56eと第2電極57eとが接触するとき、その金属板60の端部を押さえ付け得るように、押圧部46を基準として点対称となる位置関係で2つ設けられる。それぞれの押付部材30は押圧部材4と一体に形成される。
【0033】
これら押付部材30には、それぞれ、台座2の載置部21に対向される面側から突出するリブ31が設けられている。これらのリブ31は、本実施形態の場合、例えば断面が円でなる棒形状とされ、台座2の載置部21に形成される複数の貫通孔20Hと重なる位置関係で、対応する押付部材30と一体に形成される。台座2の載置部21に載置される荷重検知センサ5を押圧部材4が覆いそれぞれのフック用開口24にそれぞれのフック片47が嵌め込まれた状態では、各リブ31は対応する貫通孔20Hに挿入される。これにより荷重検知センサ5のシート面全体が載置部21に接着されていなくても、当該荷重検知センサ5のスイッチSWと押圧部材4の押圧部46との載置面21S方向における相対的な移動がリブ31によって規制される。
【0034】
なお、載置部21に載置される荷重検知センサ5を押圧部材4が覆い各フック用開口24に対応するフック片47が嵌め込まれた状態では、
図2に示すように、押圧部46の先端は荷重検知センサ5に接触する一方、押付部材30の先端は荷重検知センサ5に接触していない。
【0035】
このような荷重検知センサユニット1が一対のSばね100に取り付けられた状態では、押圧部材4の頂壁45における上面45Sは、シートクッションSCの下面と所定の距離を空けて対向する。この上面45Sは平面状とされる。上面45SはシートクッションSCからの押圧を受ける受圧面であり、当該上面45Sの面積は押圧部46における荷重検知センサ5のスイッチSWと接触する部分の面積よりも大きくされている。
【0036】
荷重検知センサ5は、可撓性を有するスイッチシート50と、金属板60と、スイッチシート50と金属板60とを接着する接着層70(
図2)とを備える。
【0037】
スイッチシート50は、シート状のメンブレンスイッチとされ、概ね矩形のメインブロック50mと、メインブロック50mに接続されメインブロック50mよりも幅の狭いテールブロック50tとを有する。メインブロック50mにはスイッチSWが設けられている。また、テールブロック50tには幅の広い羽根部50fが形成されている。また、メインブロック50mには、貫通孔50Hが形成されている。
【0038】
金属板60は、スイッチシート50に比べると撓み難い程度の可撓性を有する金属の板材から成る。金属板60の材料としては、導電性を有する金属である限り特に限定するものではないが、例えば銅やステンレスなどが挙げられる。本実施形態の場合、金属板60は、スイッチシート50のメインブロック50mと概ね同じ形状とされる。
【0039】
この金属板60は、
図2に示すように、スイッチシート50のスイッチSWを覆うようにしてスイッチシート50における一方の面に接着層70により貼り付けられる。具体的に本実施形態では、スイッチシート50の一部であるメインブロック50mのうち、座席装置のシートクッションSC側となる面であるクッション側面50mcsに接着層70により貼り付けられる。なお、クッション側面50mcsには、当該クッション側面50mcsに直交する方向においてスイッチシート50のスイッチSWと重なる領域が含まれる。
【0040】
金属板60には、スイッチシート50の貫通孔50Hと同様の位置に貫通孔60Hが形成されている。すなわち、スイッチシート50と金属板60とを接着層70により貼り合わせた場合には、スイッチシート50の貫通孔50Hと金属板60の貫通孔60Hとは互いに重なるようになっている。
【0041】
接着層70は、スイッチシート50と金属板60とを貼り合わす層状の部材である。本実施形態では、接着層70は、金属板60と同等の大きさとされる。この接着層70の材料としては、スイッチシート50と金属板60とを貼り合わすことができる限り、どのような材料でも良いが、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂や光硬化樹脂等が挙げられる。ここで、接着層70のガラス転移点Tgとしては、85℃以上であることが好ましい。ガラス転移点Tgが、85℃以上であることで、炎天下の自動車の車内の様に高温になる環境においても、流動しづらくいため、接着層70の流動による着座の誤検知を抑制することができる。
【0042】
次に、スイッチシート50についてより詳細に説明する。
【0043】
図4は、スイッチシート50の分解図である。
図4に示すように、スイッチシート50は、第1電極シート56とスペーサ58と第2電極シート57とを備える。第1電極シート56は、第1絶縁シート56sと、第1電極56eと、第1端子56cとを主な構成として有する。
【0044】
第1絶縁シート56sは、可撓性を有する樹脂製の絶縁シートとされる。この第1絶縁シート56sは、スイッチシート50のメインブロック50mと同形状のメインブロック56mと、メインブロック56mに接続されスイッチシート50のテールブロック50tと概ね同形状のテールブロック56tとから成る。テールブロック56tの形状は、メインブロック56mと反対側の先端部位がテールブロック56tの他の部位よりも狭い幅となっている点において、スイッチシート50のテールブロック50tの形状と異なる。また、メインブロック56mには、スイッチシート50の貫通孔50Hと同様の位置に貫通孔56Hが形成されている。このような第1絶縁シート56sの材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)又はポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂を挙げることができる。なお、第1絶縁シート56sにおけるメインブロック56mのうち、スペーサ58と対向する側とは反対側の面が、上記のように、スイッチシート50におけるメインブロック50mの台座対向面50mpsとなる(
図2)。
【0045】
第1電極56eは、メインブロック56mの概ね中央における一方の面上に設けられている。第1電極56eは、導体の層からなり、例えば略円形の金属印刷層とされる。第1端子56cは、導体の層からなり、例えば略四角形の金属層とされる。第1端子56cは、テールブロック56tの上記先端部位における第1電極56eが設けられている側の面上に設けられている。また、第1電極56eと第1端子56cとは第1配線56wを介して互いに電気的に接続されている。
【0046】
第2電極シート57は、第2絶縁シート57sと、第2電極57eと、第2端子57cとを主な構成として有する。
【0047】
第2絶縁シート57sは、第1電極シート56よりもシートクッションSC側に配置され(
図2)、第1絶縁シート56sと同様に樹脂製の絶縁シートとされる。本実施形態の場合、第2絶縁シート57sは、第1絶縁シート56sのメインブロック56mと同じ形状のメインブロック57mと、メインブロック57mに接続され第1絶縁シート56sのテールブロック56tと先端部位以外の形状が同じ形状のテールブロック57tとから成る。テールブロック57tの先端部位はテールブロック57tの他の部位よりも狭い幅とされており、第1絶縁シート56sと第2絶縁シート57sとを重ねたときに、第1絶縁シート56sのテールブロック56tにおける先端部位と第2絶縁シート57sのテールブロック57tにおける先端部位とが互いに重ならないようにされている。また、メインブロック57mには、第1絶縁シート56sと同様にして、スイッチシート50の貫通孔50Hと同様の位置に貫通孔57Hが形成されている。第2絶縁シート57sの材料としては、第1絶縁シート56sと同様に、PET、PI又はPEN等の樹脂を挙げることができ、第2絶縁シート57sの材料は、第1絶縁シート56sの材料と同じであっても異なっていても良い。
【0048】
第2電極57eは、第1電極56eと同様の構成とされ、第2絶縁シート57sのメインブロック57mの概ね中央における一方の面上に設けられている。また、第2電極57eが設けられる位置は、第1電極シート56と第2電極シート57とを重ねたときに第1電極56eと重なる位置とされる。第2端子57cは、第1端子56cと同様の構成とされ、テールブロック57tの上記先端部位における第2電極57eが設けられている側の面上に設けられている。また、上記のように、第1絶縁シート56sと第2絶縁シート57sとを重ねるとき、それぞれの絶縁シートの先端部位が互いに重ならないため、第1端子56c及び第2端子57cは、第1絶縁シート56sと第2絶縁シート57sとの間に位置せずに露出する。また、第2電極57eと第2端子57cとは第2配線57wを介して互いに電気的に接続されている。
【0049】
スペーサ58は、第1電極シート56及び第2電極シート57の間に配置され、可撓性を有する樹脂製の絶縁シートとされる。このスペーサ58は、メインブロック58mと、メインブロック58mに接続されるテールブロック58tとから成る。メインブロック58mは、外形が第1絶縁シート56s、第2絶縁シート57sのメインブロック56m,57mの外形と同様とされる。また、メインブロック58mには、中央に開口58cが形成されており、また、第1絶縁シート56s、第2絶縁シート57sと同様にして、スイッチシート50の貫通孔50Hと同様の位置に貫通孔58Hが形成されている。テールブロック58tは、第1絶縁シート56s、第2絶縁シート57sのテールブロック56t,57tにおける幅が狭い先端部位を除く形状とされる。
【0050】
開口58cは、略円形の形状であり、第1電極56e及び第2電極57eの直径よりも直径が僅かに小さく形成されている。そして、開口58cは、スペーサ58を第1電極シート56及び第2電極シート57と重ね合わせて、スペーサ58を平面視する場合に、開口58cが第1電極56e及び第2電極57e周縁の内側に位置するように形成されている。さらにスペーサ58には、開口58c内の空間とスイッチシート50の外部の空間とを接続するスリット58bが形成されている。このスリット58bは、第1電極シート56、スペーサ58、第2電極シート57をそれぞれ重ねたときに、エアベントとされる。なお、スペーサ58を第1電極シート56及び第2電極シート57と重ね合わせて、スペーサ58を平面視する場合に、開口58cが第1電極56e及び第2電極57e周縁の外側に位置するように形成してもよい。
【0051】
スペーサ58の材料としては、第1絶縁シート56s及び第2絶縁シート57sと同様に、PET、PI又はPEN等の樹脂を挙げることができる。なお、スペーサ58の材料は、第1絶縁シート56s又は第2絶縁シート57sの材料と同じであっても異なっていても良い。また、スペーサ58の両面には、第1電極シート56及び第2電極シート57と接着されるための図示しない接着剤が塗布されている。
【0052】
これらの第1電極シート56とスペーサ58と第2電極シート57とがこの順に貼着された状態で、第1電極シート56の第1電極56e、第1配線56w、及び、第2電極シート57の第2電極57e、第2配線57wは、第1絶縁シート56sと第2絶縁シート57sとの間に位置する。そして、第1電極56eと第2電極57eとが開口58cを介して対向してスイッチSWを構成する。また、第1電極シート56とスペーサ58と第2電極シート57とが重ねられた状態で、それぞれの貫通孔56H,57H,58Hが互いに重なり、スイッチシート50の貫通孔50Hとなる。
【0053】
また、スイッチシート50の第1端子56c及び第2端子57cには、不図示の制御装置に接続される信号ケーブル19がそれぞれ接続されている。第1端子56c及び第2端子57cとそれぞれの信号ケーブル19とは導電性ペーストやはんだ付け等により接続される。信号ケーブル19が接続された第1端子56c及び第2端子57cを含むスイッチシート50のテールブロック50tの端部は、
図1に示すように、端子封止樹脂18により覆われている。この端子封止樹脂18は、例えば、ホットメルトや光硬化樹脂等から成る。こうして、それぞれの信号ケーブル19がそれぞれの第1端子56c及び第2端子57cから外れることが抑制されると共に、第1端子56c及び第2端子57cが導電性の塵埃等により短絡することが抑制されている。
【0054】
次に、本実施形態の荷重検知センサユニット1による着座の検知について説明する。
【0055】
図5は、荷重検知センサユニット1におけるスイッチSWのオン状態を示す図である。
図5に示すように、座席装置に人が着座すると、シートクッションSCの下面が下方に移動して押圧部材4の上面45Sに接触し、当該押圧部材4がシートクッションSCによって押圧される。
【0056】
さらにシートクッションSCの下面が下方に移動すると、押圧部材4の押圧部46が金属板60を押圧し始める。
【0057】
また、押圧部46の押圧によって金属板60が撓むと、当該金属板60に接着層70で接着される第2絶縁シート57sのメインブロック57mは、スペーサ58のメインブロック58mに形成される開口58cに入り込むように撓む。この結果、互いに離間していたスイッチSWを構成する第1電極56e及び第2電極57eのうち、当該第2電極57eが第1電極56e側に移動して接触し、スイッチSWがオンになる。押圧部46で金属板60が押圧され第1電極56eと第2電極57eとが接触するとき、押付部材30によって押圧部46で金属板60が押圧される側から金属板60の端部が押さえ付けられる。そして、信号ケーブル19に接続される図示せぬ車両用制御ユニットによって着座が検出される。
【0058】
以上の通り、本実施形態の荷重検知センサユニット1では、押圧部材4の押圧部46で荷重検知センサ5の金属板60が押圧される。このとき、金属板60の端部にはスイッチシートの50一方の面から離れる方向に力が生じる。
【0059】
これに対し本実施形態の荷重検知センサユニット1では、金属板60が押圧され第1電極56eと第2電極57eとが接触するとき、当該金属板60の端部は、荷重検知センサ5のスイッチシート50の一方の面に対向する面とは逆の面側から押付部材30によって押さえ付けられるようになっている。
【0060】
このため、金属板60の端部が浮き上がることを防止することができる。これにより、一対の電極56e,57eが接触するまでに要する荷重量のばらつきが低減される。こうして、本実施形態の荷重検知センサユニット1は、荷重を適切に検知することができる。
【0061】
ところで本実施形態の場合、押付部材30は、押圧部材4と一体に形成されている。このため、押付部材30と押圧部材4とが別体である場合に比べて、当該部材間の位置関係が一定になる。したがって、押圧部材4が押圧部46により金属板60を押圧した時点で適切に押付部材30が金属板60の端部を押さえ付けることができる。
【0062】
また本実施形態の場合、金属板60とスイッチシート50とにおけるシート面方向の相対的な動きを規制するリブ31が押圧部材4に備えられており、そのリブ31と押付部材30が一体に形成されている。
【0063】
このため、上記のように、押圧部46で金属板60が押圧されたときにその金属板60の端部を適切に押さえ付けつつも、その押圧に応じて一対の電極56e,57eが接触するまでに振動等が生じてもスイッチSW部分を押圧部46で適切に押圧することができる。また、押付部材30がリブ31と一体に形成されていることで、当該押付部材30とリブ31とを接続する部材等を省略することができ、部品点数を削減することができる。
【0064】
また本実施形態の場合、金属板60とスイッチシート50とは接着層70を介して接着されている。一般的に金属は樹脂と比べるとクリープが生じにくいため、金属板60に押し癖がつきづらい。一方、スイッチシート50にクリープが生じても、金属板60に対する押圧が解除され、非押圧時の位置にまで金属板60が戻るときに、接着層70により当該位置にまで金属板60がスイッチシート50を戻すことができる。したがって、押し癖に起因する荷重の誤検知を抑制し易くなる。
【0065】
(2)第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態を説明するにあたり、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0066】
図6は、第2実施形態の荷重検知センサユニットの一部を
図2と同様の視点で示す図である。
図6に示すように、本実施形態の荷重検知センサユニットでは、第1実施形態の押付部材30に代えて押付部材80が採用されている点で、当該第1実施形態と相違している。
【0067】
この押付部材80は、金属板60の一面とは直交する方向に弾性を有するばね形状とされ、押圧部材4と一体に形成される。なお、ばねの形状は、
図6では弓状とされているが、例えばコイル状であっても良い。シート面と直交する方向に弾性を有する種々の形状を採用することができる。
【0068】
また、押付部材80は、湾曲部分の内側が対向するように押圧部46を基準として点対称となる位置関係で2つ設けられおり、押圧部材4と金属板60との間に配置される。それぞれの押付部材80の一端側は押圧部材4における頂壁45の底面側と一体に形成され、当該押付部材80の他端側はリブ31の端部と一体に形成される。
【0069】
さらに、それぞれの押付部材80の他端側のうちリブ31の端部と繋がる部分の周辺部位は金属板60の一面に当接されており、当該押付部材80は押圧部46で金属板60が押圧されていない非押圧時にも金属板60の端部を押さえ付けるようになっている。
【0070】
図7は、第2実施形態の荷重検知センサユニットにおけるスイッチのオン状態を
図5と同じ視点で示す図である。
図7に示すように、座席装置に人が着座すると、シートクッションSCの下面が下方に移動して押圧部材4の上面45Sに接触し、さらにシートクッションSCの下面が下方に移動することで押圧部材4の押圧部46が金属板60を押圧し始める。
【0071】
本実施形態では、金属板60に対して押付部材80が押圧を開始する以前から、押付部材80は金属板60の端部を押さえ付けている。このため、金属板60の端部に対してスイッチシート50の一方の面から離れる方向に力が加わる開始直後においても金属板60の端部が浮き上がることを防止できる。
【0072】
また、振動等が生じても、金属板60の端部が押付部材80によって押さえ付けられているため、当該金属板60とスイッチシート50との相対的な位置関係のずれを抑制することができる。
【0073】
押圧部46の押圧によって金属板60が撓むと、上記第1実施形態と同様に、互いに離間していたスイッチSWを構成する第1電極56eと第2電極57eとが接触し、当該スイッチSWがオンになる。
【0074】
以上の通り、本実施形態の荷重検知センサユニット1では、金属板60が押圧され第1電極56eと第2電極57eとが接触するとき、押付部材80が、荷重検知センサ5のスイッチシート50の一方の面に対向する面とは逆の面側から金属板60の端部を押さえ付けるようになっている。
【0075】
このため、上記第1実施形態と同様に金属板60の端部が浮き上がることを防止することができ、一対の電極56e,57eが接触するまでに要する荷重量のばらつきが低減される。こうして、本実施形態の荷重検知センサユニットであっても、荷重を適切に検知することができる。
【0076】
ところで本実施形態の場合、押付部材80は弾性を有している。このため、押付部材80に加わる力が過度であり、当該押付部材80が金属板60の端部を過度に押し付けようとしても、この力は押付部材80により吸収されて緩和され、スイッチSWを損傷させることを防止できる。また、金属板60を押圧する押圧部46の押圧力が過度であった場合にはその押圧力が押付部材80により吸収されて緩和されるため、当該押圧部46の押圧によりスイッチSWを損傷させることなく適切にオンさせることができる。
【0077】
また本実施形態の場合、押付部材80は、押圧部46で金属板60が押圧されていない非押圧時にも金属板60の端部を押さえ付けるようになっている。このため、金属板60に対して押付部材80が押圧を開始する以前から、押付部材80は金属板60の端部を押さえ付けている。したがって、金属板60の端部に対してスイッチシート50の一方の面から離れる方向に力が加わる開始直後においても金属板60の端部が浮き上がることを防止できる。したがって、より荷重を適切に検知することができる。また、振動等が生じても、金属板60の端部が押付部材80によって押さえ付けられているため、当該金属板60とスイッチシート50との相対的な位置関係のずれを抑制することができる。このため、押圧部46が金属板60を介してスイッチシート50のスイッチ部分を適切に押圧することができる。
【0078】
(3)変形例
以上、上記実施形態を一例として荷重検知センサユニット1が説明されたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0079】
例えば、上記実施形態では、押付部材30,80がリブ31と一体に成形された。しかしながら、押付部材30,80がリブ31と別部材とされ、接着剤等により連結されていても良い。
また、押付部材30,80に代えて、リブ31とは連結されることなく、当該リブ31とは別部位に設けられる押付部材が適用可能である。例えば、
図8に示す押付部材90が適用可能である。この押付部材90は、枠壁48と一体に形成され、当該枠壁48からスイッチシート50のシート面に沿って延在する。押付部材90の端部は、金属板60の端部であって、当該金属板60におけるスイッチシート50に対向する面とは逆側の面から所定距離を隔てて配置される。このような押付部材90であっても、上記第1実施形態と同様に、金属板60が押圧され第1電極56eと第2電極57eとが接触するとき、荷重検知センサ5のスイッチシート50の一方の面に対向する面とは逆の面側から金属板60の端部を押さえ付けることができる。
また例えば、
図9に示す押付部材100が適用可能である。この押付部材100は、弓状に湾曲した形状を有し、当該押付部材100の一端側は押圧部材4における頂壁45の底面側と一体に形成される。また、押付部材100の他端側は金属板60におけるスイッチシート50に対向する面とは逆側の面に当接され、当該押付部材100は押圧部46で金属板60が押圧されていない非押圧時にも金属板60の端部を押さえ付けるようになっている。このような押付部材100であっても、上記第2実施形態と同様に、押付部材100が金属板60の端部を過度に押し付けようとしても、当該力は押付部材100により吸収されて緩和され、スイッチSWを損傷させることを防止できる。
また例えば、
図10に示すように、押圧部材74の自重によって金属板60の端部を押し付ける押付部材110が適用可能である。この押圧部材74は、金属板60と同形同大の板部材74Aと、当該板部材74Aのうち金属板60に対向する底面側に設けられる押圧部46とを有する。板部材74Aには、
図11に示すように、複数の開口74OPが設けられている。このような開口74OPが設けられている分だけ板部材74Aが撓み易くなり、板部材74Aが変形することで押圧部46を金属板60に押し付ける。このため、押圧部材74の受圧面である上面74Sで受けた押圧力を押圧部46により一段と伝え易くすることができる。
押付部材110は、板部材74Aのうち金属板60に対向する底面側の周縁部位に設けられており、金属板60の端部に固定される。このため、押圧部46で金属板60が押圧されていない非押圧時であっても、当該押圧部46で金属板60が押圧される押圧時であっても、板部材74Aの自重によって押付部材110が金属板60の端部を押さえ付けることができる。
【0080】
上記実施形態では、押付部材30,80が押圧部材4に設けられた。また、
図8及び
図9に示す押付部材90,100も押圧部材4に設けられ、
図10に示す押付部材110も押圧部材74に設けられた。しかしながら、押圧部材4,74以外の部材に設けられる押付部材が採用されていても良い。
例えば、
図12に示すように、金属板60に押付部材121,122を設けることが可能である。これら押付部材121,122は、金属板60における互いに対向する両端部に形成される。
押付部材121は、矩形の金属板60における1辺の真ん中から外側に向かって延伸する帯状部分であり、根元側が金属板60の一面に対して傾斜し先端側が金属板60の一面に対して平行になるよう折り曲げられて板ばね状とされる。この押付部材121の根元部位は金属板60の端部に位置される。
押付部材122は、矩形の金属板60における押付部材121が設けられる辺に対向する辺の真ん中から外側に向かって延伸する帯状部分であり、押付部材121と同様に折り曲げ加工されて板ばね状とされる。この押付部材122の根元部位は、金属板60の端部であって、押付部材121の根元部位が位置される側とは反対側に位置される。
金属板60は、
図13に示すように、スイッチシート50における一方の面に接着層70により貼り付けられ、当該金属板60に設けられる押付部材121,122によって押圧部材4が支持される。このため、押圧部46で金属板60が押圧されていない非押圧時であっても、当該押圧部46で金属板60が押圧される押圧時であっても、押圧部材4を支持する押付部材121,122によって主に金属板60の端部が押さえ付けられる。また、押付部材121,122は板ばね状とされているため、上記第2実施形態と同様に、過度の力が押付部材121,122により吸収されて緩和され、スイッチSWを損傷させることを防止できる。
このように、金属板60に押付部材121,122を設けることが可能である。
【0081】
また上記実施形態では、金属板60の貫通孔60H、スイッチシート50の貫通孔50H及び台座2の貫通孔20Hに挿通されるリブ31が、当該スイッチシート50のシート面方向の相対的な動きを規制する規制部材として採用された。しかしながら、規制部材として例えば荷重検知センサ5の側面を囲う枠部材が採用されても良く、当該規制部材は上記実施形態のリブ31に限定されるものではない。なお、上記実施形態のリブ31は、例えば
図10及び
図13に示すように、省略されていても良い。このリブ31が省略される場合、金属板60の貫通孔60H、スイッチシート50の貫通孔50H、台座2の貫通孔20Hも省略することができる。また、上記実施形態のリブ31の本数は2本とされたが、リブ31の本数が4本とされ、例えば、押圧部46を基準として点対称となるように4本のリブ31が対応する押付部材30の底面側に設けられていても良い。この場合、金属板60の貫通孔60H、スイッチシート50の貫通孔50H、台座2の貫通孔20Hもリブ31に対応して4カ所に形成される。なお、矩形の金属板60の各角付近に貫通孔60Hが形成され、当該貫通孔60Hに対応させてスイッチシート50に貫通孔50Hが設けられるとともに台座2に貫通孔20Hが設けられ、当該貫通孔60H,50H,20Hに挿通可能に4本のリブが対応する押付部材30に設けられても良い。
【0082】
また上記実施形態では、スイッチシート50と金属板60とが接着層70により接着された。しかしながら、接着層70は省略され、スイッチシート50と金属板60とが非接着とされていても良い。なお、接着層70が省略された場合であっても、規制部材としてのリブ31によって、スイッチシート50と金属板60とにおけるシート面方向とは直交する方向の相対的な動きを規制することができる。
【0083】
また上記実施形態では、スイッチシート50におけるスペーサ58の一方の面側に第1絶縁シート56sが配置され、当該スペーサ58の一方の面側に第2絶縁シート57sと金属板60との2層が配置された。しかしながら、第2絶縁シート57sは省略されていても良い。第2絶縁シート57sが省略する場合、第2電極57eと金属板60とが一体とされ、当該金属板60がスイッチシート50の第2電極57eを兼ねるようにすることができる。この場合、金属板60と同じ材料又は異なる材料の金属層が、第2電極57eとして、金属板60における第1電極56eと対向する部位に配置されていると理解することができる。同様に金属板60と同じ材料又は異なる材料の金属層が、第2端子57cや第2配線57wとして配置されていると理解することができる。なお、第1絶縁シート56sが、可橈性を有さない基板から構成されていても良い。
【0084】
なお、荷重検知センサユニット1における各構成要素は、上記実施形態や上記変形例に示された内容以外に、適宜、本願目的を逸脱しない範囲で組み合わせ、省略、変更、周知技術の付加などをすることができる。
【0085】
本発明は、荷重を検知すべき検知対象物に対する荷重を検知する限り利用可能性がある。すなわち、上記実施形態では車両用の座席装置のシートクッションSCの下方に荷重検知センサユニットが配置され、当該荷重検知センサユニットが人の着座に起因する荷重を検知したが、上記実施形態に限らず他の形態が採用可能である。例えば、介護用ベッド装置のシートクッション(ベッドマット)に荷重検知センサユニットの下方に荷重検知センサユニットが配置される形態が採用できる。この形態であっても、荷重検知センサユニットがシートクッション(ベッドマット)上に人が存在しているかを示すことが可能となる。また、本発明は、電子機器等のスイッチとして荷重検知センサユニットを配置し、荷重である押圧力を検知することにも用いることができる。