特許第6652945号(P6652945)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6652945-荷役用パレットの支持装置 図000002
  • 特許6652945-荷役用パレットの支持装置 図000003
  • 特許6652945-荷役用パレットの支持装置 図000004
  • 特許6652945-荷役用パレットの支持装置 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6652945
(24)【登録日】2020年1月28日
(45)【発行日】2020年2月26日
(54)【発明の名称】荷役用パレットの支持装置
(51)【国際特許分類】
   B66C 1/22 20060101AFI20200217BHJP
【FI】
   B66C1/22 B
【請求項の数】4
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-85067(P2017-85067)
(22)【出願日】2017年4月24日
(65)【公開番号】特開2018-184227(P2018-184227A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2019年1月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】592193269
【氏名又は名称】株式会社スリーエッチ
(74)【代理人】
【識別番号】100095647
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】片岡 幸造
【審査官】 羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−005724(JP,U)
【文献】 特開平09−039968(JP,A)
【文献】 特開2000−159474(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 1/00− 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷役用パレットの通孔に2本の角パイプを平行に挿通し、前記2本の角パイプの両端にワイヤを設けて前記荷役用パレットを懸吊する際に、前記荷役用パレットから飛び出た前記角パイプに挿通して使用する支持装置であり、当該支持装置は前記2本の角パイプの両端が挿通する位置決め孔を両側に複数並列に並べ、当該両側の位置決め孔を上下から一対の鋼板で挟み込んで一体としたことを特徴とするパレットの支持装置。
【請求項2】
各位置決め孔の上部には、鋼板を含んでビス孔を穿孔した請求項1記載のパレットの支持装置。
【請求項3】
上面側の鋼板の中央部にはハンドルがさらに設けられた請求項1または2記載のパレットの支持装置。
【請求項4】
両側の位置決め孔の中間部は鋼板の補強壁面がさらに設けられた請求項1〜3のいずれか記載のパレットの支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、荷役用に利用するパレットに装着する装置で、パレット表面が撓むことなく吊り下げることができる支持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
荷役用パレットとしては、表裏面には並列に配した長方形状の平板と、表裏面の中間部に桁材を打ち付けた基本的構造が広く知られている。そして、桁材によって形成された空間部にフォークリフトの2本のフォークを挿入し、パレットを上下させて移動させるのが一般的である。また、パレットを構成する素材としても重量物を積載する必要があるため、合成樹脂やアルミ材などより強い素材を用いた構造も提案されている。
【0003】
ところで、荷役用パレットの利用法としてはフォークリフトによって搬送するだけでなく、フォークリフトでは届かない高い位置まで搬送するために、パレットの四隅にリング状の取付部を取り付け、この取付部に先端にフックを設けたワイヤロープを引っ掛け、クレーン装置で懸吊するような用法も広く採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−159474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は出願人が先に発明したものであり、パレットの両側に各パイプなどの支持材を通し、その両端に設けられた回転自在な掛止リングにワイヤ先端のフックを掛けて懸吊する構成である。そして、支持材がワイヤによる懸吊時に中央部に寄らないように2本の支持材の距離を固定するための寄り止め材を支持材に架け渡している。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では比較的軽量の積載物であれば確実に支持材間の距離を固定することができるが、重量物を積載した場合にはパレットが撓み、これによって支持材がその撓みに応じて幾分内側方向に傾いてしまう。そうすると、両側の支持材の傾きによって寄り止め材が外れてしまうという問題があった。
【0007】
本発明はこのような従来の問題を解決するもので、パレットに重量物を積載した場合でも安定してパレットを搬送することができるパレットの支持装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するために本発明では、荷役用パレットの通孔に2本の角パイプを平行に挿通し、前記2本の角パイプの両端にワイヤを設けて前記荷役用パレットを懸吊する際に、前記荷役用パレットから飛び出ている前記角パイプに挿通して使用する支持装置であり、この支持装置はパレットの通孔に挿通した2本の角パイプの両端が挿通する位置決め孔を両側に複数並列に並べ、これら両側の位置決め孔を上下から一対の鋼板で挟み込んで一体とすることによって、目的を達成する。2本の角パイプはパレットを懸吊する際のパレットの両側を均等の引き上げ力によって持ち上げるためのものであり、位置決め孔は2本の角パイプが偏らない位置に設定するための構成である。また、一対の鋼板は各位置決め孔を確実に固定するための構成であると同時に、パレット表面に積載した荷物によってパレットが撓む方向に変形することを矯正する作用を行う。すなわち、位置決め孔は一対の鋼板によって挟み込まれて回転方向の位置規制をされているので、この位置決め孔に挿通した角パイプもこれによって回転方向の動きが規制される。
【0009】
さらに、各位置決め孔の上部に鋼板を含んでビス孔を穿孔するという手段を選択的に用いた。これによって、角パイプは挿通方向の動きを規制され、不用意に脱落することがないだけでなく、2本の角パイプと一対の支持装置によって強固なフレームを構成することになり、ねじれなどに対しても強い耐力を有する。上面の鋼板の中央部にハンドルを設ける手段を採用する場合には、比較的重量がある支持装置の運搬を容易とする。
【0010】
さらに、両側の位置決め孔の中間部には鋼板の補強壁面をさらに設けるという手段を用いた。この補強壁面は支持装置の撓み方向に対する応力を受けるように作用し、支持装置の撓みを確実に防止する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、パレットの支持装置は両側に複数個並列に設けられた通孔を上下2枚の鋼板で挟み込んでいるので重量物を積載した場合でもパレットに挿通した角材を確実に固定することができ、パレット自体の撓みに対する補強とすることができるとともに、支持装置が角材から外れることがない。したがって、安全なパレットの支持装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の支持装置をパレットに装着し、角材をパレットに挿通してワイヤで懸吊した状態を示す斜視図。
図2】同、パレットと支持装置の分解斜視図。
図3】同、本発明の支持装置の正面図。
図4】同、斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1は本発明の一実施形態を示す斜視図、図2は分解斜視図であって、公知のパレットに本発明の支持装置を取り付けた状態を示す。ここで、1はパレット本体で、表裏面板2・3、及び桁材4によって構成されている。なお、パレット本体は本発明においては構成要素ではないので、公知のパレットであって表裏面材2・3の間に奥行方向に通孔5が形成されているものであれば足りる。6・6はパレット本体1の通孔5に挿通する角パイプであり、2本を並行してパレット本体1の通孔5に差し込んでいる。7は角パイプ6の両端に設けられたワイヤの係止部として機能するリング状の掛止輪であって、回転自在、あるいは回転しないいずれの構成であってもよい。そして、四隅に出現する掛止輪7にワイヤ8〜8を掛け、クレーン装置(図示せず)などによって懸吊する。
【0014】
角パイプ6・6は、パレット1の通孔5の両側に平行に挿通したうえで、本発明の支持装置9によって位置決めされる。支持装置9の構成は、図3および図4に詳細に示したように、両側にそれぞれ4個の位置決め孔10…10が設けられている。より具体的には、位置決め孔10は引き抜きで成形した角パイプを均等幅で切断して得る。ただし、位置決め孔10を製造する方法はこれに限定するものではなく、角パイプ6を密に挿通することができる内側口径を有する構造であれば公知の方法で製造することが可能である。そして、位置決め孔10をそれぞれ両側に4個並べた状態で、上下を鋼板11・11で挟み込んで接続し、一例として溶接などで固定している。なお、位置決め孔10は本実施形態では両側に4個ずつ設けているが、位置決め孔10を設ける意味は角パイプ6を挿通する位置によって角パイプ6・6間の距離を適宜決定するためであるから、4個に制限する必要はない。また、位置決め孔10とは、単に「孔」を意味するのではなく、この孔を形成するための周囲のフレーム部を含んだ概念を指し、物理的に幅を有しているものである。また、鋼板11についても、位置決め孔10の幅に見合った幅を有する鋼板を採用する。ただし、位置決め孔10の幅と鋼板11の幅を正確に一致させる必要はない。12は持ち運びのためのハンドルである。基本的な構成としては、両側に設けられた位置決め孔10と、鋼板11・11で十分であるが、撓み強度を補強するために、本実施形態では一番内側の位置決め孔10a間に鋼材の補強壁面13を前後側に設けている。したがって、支持装置9の中央部は断面が縦長の矩形になっている。14は各位置決め孔10に対応して位置決め孔10の上部に鋼板11を含んで穿孔されたビス孔であり、角パイプ6を挿通した状態でビス15をビス孔14に羅合して角パイプ6を締め付けることによって、角パイプ6が動かないように固定している。
【0015】
このように構成された装置を用いる場合には、先ずパレット1の内部の通孔5に角パイプ6・6を挿通し、それぞれをパレット1の幅方向両側に据え置く。次に本発明装置の支持装置9を角パイプ6・6がパレット1から飛び出ている場所に適応し、位置決め孔10に角パイプ6・6を挿通する。この場合、角パイプ6を4個の位置決め孔10の何れに挿通するかについては、角パイプ6・6をワイヤなどによって懸吊した際に傾かないように均等位置になる位置決め孔10を決定する。両側の支持装置9・9の位置決め孔10に角パイプ6・6を挿通した後に、ビス15をビス孔14に予め形成された内ネジに羅合することによって完成する。その後は角パイプ6の両側端部に設けられた掛止輪7にワイヤを引っ掛けて作業が完了する。
【0016】
本実施形態では、パレット1の表面板2に荷物を積載した場合、これらの荷物が比較的重量物である場合でも一対の支持装置9・9と一対の角パイプ6・6によってフレームを形成しているので、パレット1に加わる荷重はこのフレームで受けることになるから、パレット1が不必要に撓むことがない。
【符号の説明】
【0017】
1 パレット
2 表面板
3 裏面板
4 桁材
5 通孔
6 角パイプ
7 掛止輪
9 支持装置
10 位置決め孔
11 鋼板
12 ハンドル
13 補強壁面
14 ビス孔
15 ビス
図1
図2
図3
図4