(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記パッド保護層は、前記平坦化膜と同じ層に同じ物質で形成され、前記平坦化膜とは離隔しており、前記パッド保護層は、前記平坦化膜の厚さよりも薄い厚さを有し、前記パッド保護層の下の前記層間絶縁膜は、前記パッド領域の前記パッド保護層の側面の周縁で露出する、請求項1に記載の有機発光表示装置。
前記ソース電極、ドレイン電極、前記上側パッド部、及び前記第2補助電極の少なくとも一つは3層からなる金属層が積層された構造を含む、請求項3に記載の有機発光表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施例を説明する。明細書全般にわたって同じ参照番号は実質的に同じ構成要素を意味する。以下の説明で、本発明に係わる技術あるいは構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにすることができると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、以下の説明で使われる構成要素の名称は容易な明細書作成を考慮して選択されたもので、実際製品の部品の名称と違うこともあり得る。
【0012】
位置関係についての説明の場合、例えば‘〜上に’、‘〜上部に’、‘〜下部に’、‘〜のそばに’などのように二つの部分の位置関係が説明される場合、‘直ぐ’又は‘直接’が使われない限り、二つの部分の間に一つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0013】
たとえば、第1、第2などが多様な構成要素を敍述するために使われるが、これらの構成要素はこれらの用語に制限されない。これらの用語はただ一構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。よって、以下で言及される第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素であってもよい。
【0014】
図面に示した各構成のサイズ及び厚さは説明の便宜のために示したものであり、本発明が図示の構成のサイズ及び厚さに必ずしも限定されるものではない。
【0015】
以下、添付図面に基づいて本発明の多様な実施例を詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の実施例による有機発光表示装置を説明するための概略図である。
【0017】
本発明による有機発光表示装置は表示領域A/Aとパッド領域P/Aを含む。
【0018】
本発明による有機発光表示装置は、表示領域A/Aに位置する薄膜トランジスタT、薄膜トランジスタTと電気的に連結された第1電極51、有機発光層52、第2電極53、及び前記第2電極53と電気的に連結された補助電極30を含む。また、本発明による有機発光表示装置はパッド領域P/Aに位置するパッド電極40を含む。
【0019】
薄膜トランジスタTは、活性層20、ゲート絶縁膜26、ゲート電極27及びソース/ドレイン電極24、25を含む。
【0020】
補助電極30は、第1補助電極31、第2補助電極32及び第3補助電極33を含む。
【0021】
そして、パッド電極40は、下側パッド部41及び上側パッド部42を含む。
【0022】
これを
図1に基づいてより詳細に説明する。
図1を参照すると、基板10上にはバッファー層11が位置する。バッファー層11は基板10から平坦化膜13を通じての水分又は不純物の浸透を防止し、基板10の上部を平坦化する役目をする。バッファー層11はSiNx又はSiOxなどの無機絶縁物質で形成できる。
【0023】
バッファー層11上には、半導体、例えばシリコン又は酸化物半導体などからなる活性層20が形成される。活性層20上にはゲート絶縁膜26が位置し、ゲート絶縁膜26上にはゲート電極27が位置する。ゲート電極27は、ゲート絶縁膜26を挟んでアクティブ層21のチャネル領域21と重畳するように位置する。ゲート電極27は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)及び銅(Cu)のいずれか1種又はそれらの合金からなる単層又は多層の構造であってもよい。
【0024】
前記薄膜トランジスタTが位置した領域の下部には遮光層8が位置する。遮光層8は活性層20に入射する光を遮断し、薄膜トランジスタTと各種配線(図示せず)の間に発生する寄生キャパシタンスを減少させる役目をすることができる。遮光層8は、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、金(Au)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、ネオジム(Nd)などの金属のうち一種又はこれらの合金で形成できる。
【0025】
ゲート電極27上には層間絶縁膜12が位置する。層間絶縁膜12は表示領域A/Aから伸び、パッド領域P/Aの下側パッド部41を含む基板10の一面全面に位置する。層間絶縁膜12はSiNx又はSiOxなどの無機絶縁物質の単層又は複層の構造に形成できる。
【0026】
この際、層間絶縁膜12には、活性層20のソース領域22を露出する第1コンタクトホールH1、及びドレイン領域23を露出する第2コンタクトホールH2が備えられる。
【0027】
ソース電極24は第1コンタクトホールH1を通じてソース領域22と接続され、ドレイン電極25は第2コンタクトホールH2を通じてドレイン領域23と接続される。この際、ドレイン電極25、活性層20及び遮光層8の間に等電位を形成するため、ドレイン電極25は前記層間絶縁膜12及びバッファー層11の一部が除去されて形成された第3コンタクトホールH3を通じて遮光層8とさらに接続できる。このように、ドレイン電極25、活性層21及び遮光層8の間に等電位が形成されれば、ドレイン電極25と活性層21の間又は活性層21と遮光層8の間に寄生キャパシタンスが発生することが防止される。
【0028】
ソース電極24及びドレイン電極25は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)及び銅(Cu)のずれか1種又はこれらの合金からなる単層又は多層で形成できるが、これに限定されない。しかし、本発明による有機発光表示装置は、従来の有機発光表示装置とは違い、薄膜トランジスタT上に無機絶縁物質などからなるパッシベーション層が備えられず、直ぐ前に説明した有機絶縁物質から平坦化膜13が構成される。よって、ソース電極24及びドレイン電極25を外部の酸素又は水分などから保護するために多層構造に形成し、最下層及び最上層は耐食性の高い材料で形成することにより、中間部に位置する電極層をキャッピング(Capping)して保護することが好ましい。
【0029】
例えば、ソース電極24は、第1ソース分割層24a、第2ソース分割層24b及び第3分割層24cの3重レイヤーでなることができる。同様に、ドレイン電極25も、第1ドレイン分割層25a、第2ドレイン分割層25b及び第3ドレイン分割層25cの3重レイヤーでなることができる。
【0030】
この際、第1〜第3ソース/ドレイン分割層24a〜24c、25a〜25cはMoTi/Cu/MoTiの順に積層された3重レイヤーであってもよい。しかし、第1〜第3ソース/ドレイン分割層24a〜24c、25a〜25cは前記物質に限定されず、多様な物質で形成可能である。
【0031】
薄膜トランジスタT上には平坦化膜13が位置する。平坦化膜13は薄膜トランジスタTが位置する基板10の上部を平坦にする役目をする。平坦化膜13は、例えばアクリル系樹脂(acrylresin)、エポキシ樹脂(epoxyresin)、フェノール樹脂(phenolicresin)、ポリアミド系樹脂(polyamideresin)、ポリイミド系樹脂(polyimideresin)などでなることができる。
【0032】
平坦化膜13上には第1電極51が形成される。第1電極51は基板10上の発光領域を定義する開口部511に備えられ、薄膜トランジスタTと電気的に連結される。この際、第1電極51は平坦化膜13に備えられ、ドレイン電極25を露出させる第4コンタクトホールH4を通じて薄膜トランジスタTのドレイン電極25と電気的に接続される。
【0033】
第1電極51は、薄膜トランジスタTのタイプによってアノード電極又はカソード電極の役目をする。この実施例で、第1電極51は有機発光素子のアノード電極の機能をする。この際、第1電極51は仕事関数値が比較的大きい透明導電性物質、例えばITO、IZO、ZnO、IGZOなどでなる。また、第1電極51は反射率に優れた金属物質、例えばアルミニウム(Al)、銀(Ag)、APC(Ag/Pb/Cu)などを含むように構成できる。これは、上部発光(TopEmission)における発光素子の効率及び寿命向上のために、有機発光素子の下側に入射する光を上方に反射して発光素子の発光に寄与するようにするためである。この際、前記アルミニウム(Al)又は銀(Ag)のような反射率の高い金属物質は外部の酸素又は水分などによる酸化に弱い。したがって、第1電極51も第1電極下層部51a、第1電極重層部51b及び第1電極上層部51cの3層でなり、重層部51bはAgのような反射率の高い物質を含み、下層部51a及び上層部51cは透明導電性物質で形成することによって重層部51bの高反射率の金属層を保護することが好ましい。この際、第1電極上層部51cは透明導電性物質でなることにより、第1電極重層部51bで反射された光が第1電極上層部51cを透過して有機発光素子の上側に発光する。前記特徴によって、本発明による有機発光表示装置は、有機発光素子の下側に入射する光が上方に反射されて有機発光素子の発光に寄与することにより、有機発光素子の効率及び寿命が増加する効果を有する。
【0034】
バンク絶縁膜14は第1電極51の一部を覆うように形成され、発光領域である開口部511を定義する。バンク絶縁膜14はアクリル系樹脂(acrylresin)、エポキシ樹脂(epoxyresin)、フェノール樹脂(phenolicresin)、ポリアミド系樹脂(polyamideresin)、ポリイミド系樹脂(polyimideresin)などでなることができる。
【0035】
有機発光層52は第1電極51上に備えられる。この際、有機発光層52は、正孔注入層(HIL)/正孔輸送層(HTL)/発光層(EML)/電子輸送層(ETL)/電子注入層(EIL)の構造を有するように構成できる。これに加え、有機発光層52には発光層の発光効率及び寿命などを向上させるための少なくとも一つの機能層、例えば電荷を生成する電荷生成層、追加的な電子輸送層及び正孔輸送層などをさらに含むことができる。
【0036】
有機発光層52は、マスク低減などのために、バンク絶縁膜14の上部を覆うように延設できる。この際、有機発光層52の発光層は第1電極51にだけ備えられ、他の領域には形成されなくてもよい。
【0037】
第2電極53は有機発光層52及びバンク絶縁膜14の上部を覆うように構成される。第1電極51がアノード電極の役目をする場合、第2電極53はカソード電極の役目をする。上部発光(TopEmission)型有機発光表示装置において、第2電極53は光を透過することができる程度の非常に薄い厚さ(例えば、約200Å以下)を有し、仕事関数が低い金属性物質で形成されることにより、有機発光層52からの光が第2電極53を透過し、よって上部発光が可能である。第2電極53に使用可能な物質は、例えば銀(Ag)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、又は銀(Ag)とマグネシウム(Mg)の合金などのような物質のうち少なくとも1種であってもよい。また、第2電極53にはITO、IZO、IGZO、ZnOなどの透明導電性物質が使われることによって有機発光層52からの光が第2電極53を透過して上部発光を行うことができる。
【0038】
このように、非常に薄い厚さの金属又は透明導電性物質からなる第2電極53は相対的に高い抵抗を有する。第2電極53がカソード(cathode)の場合、前記第2電極53の抵抗が高くなれば、有機発光素子に供給される低電位電圧(VSS)が上昇して有機発光素子の輝度、効率及び寿命が減少し得る。このような問題点を解決するために、第2電極53の抵抗を低めるために、第2電極53は補助電極30と電気的に接続される。補助電極30は相対的に低い抵抗を有する物質で形成されることで、第2電極53が補助電極30と接続されることによって第2電極53の抵抗を低める役目をする。
【0039】
この際、補助電極30は第1補助電極31、第2補助電極32及び第3補助電極33を含む3層構造となることができ、第2電極53はバンク絶縁膜14の一部が除去されて露出された第3補助電極33と電気的に接続できる。
【0040】
補助電極30の構造をより詳細に説明すれば次のようである。
【0041】
第1補助電極31は遮光層8と同一の層、つまり基板10上に形成され、バッファー層11で覆われる構造を有することができる。この際、第1補助電極31は遮光層8と同じ物質で形成できる。前述したように、層間絶縁膜12は基板10の全面に備えられるので、第1補助電極31上にはバッファー層11及び層間絶縁膜12が備えられる。
【0042】
層間絶縁膜12の第1補助電極31と重畳する領域には第2補助電極32が備えられる。第2補助電極32は前記バッファー層11及び層間絶縁膜12の一部を除去することによって第1補助電極31を露出する第5コンタクトホールH5を通じて第1補助電極31と接続される。
【0043】
第2補助電極32はソース/ドレイン電極24、25と同一の層に同じ物質で形成できる。すなわち、ソース/ドレイン電極24、25が第1〜第3分割層でなることと同様に、第2補助電極32も第1補助電極分割層32a、第2補助電極分割層32b及び第3補助電極分割層32cの3層構造となることができるが、これに限定されず、第2補助電極32は単層又は多層で形成できる。例えば、ソース/ドレイン電極24、25がMoTi/Cu/MoTiの順に積層された3重レイヤーの場合、前記第1補助電極分割層32a及び第3補助電極分割層32cはMoTiで成り、第2補助電極分割層32bはCuでなることで、前記第2補助電極32はMoTi/Cu/MoTiの順に積層された3重レイヤーで形成できる。この際、第2補助電極32を成す物質は前記物質に限定されず、前述したソース/ドレイン電極24、25を形成する金属が多様に適用できる。
【0044】
平坦化膜13は前記薄膜トランジスタTの上側に形成されるとともに、前記第2補助電極32の上部まで延設される。この際、前記平坦化膜13の前記第2補助電極32と重畳する領域の一部には、前記平坦化膜13が除去されて第2補助電極32の上部を露出する第6コンタクトホールH6が備えられる。
【0045】
平坦化膜13上には第3補助電極33が形成される。第3補助電極33は第1電極51と同一の層に同じ物質で形成されることにより、追加的な工程なしに第3補助電極33を形成することができる。
【0046】
第1電極51が第1電極下層部51a、第1電極重層部51b及び第1電極上層部51cの3層構造を成すように形成できることと同様に、第3補助電極33も3層構造に形成できるが、必ずしもこれに限定されず、第1電極51は単層又は多層構造を有することができる。第3補助電極33が3層構造の場合、第3補助電極33は第4補助電極分割層33a、第5補助電極分割層33b及び第6補助電極分割層33cの3層構造を有することができる。
【0047】
第3補助電極33も第1電極51と同様に、第5補助電極分割層33bはAgのような反射率の高い物質を含み、第4補助電極分割層33a及び第6補助電極分割層33cは透明導電性物質で形成することによって重層部51bの反射率の高い金属層を保護する構造を有することができる。
【0048】
第3補助電極33の上部にもバンク絶縁膜14が備えられることができる。バンク絶縁膜14は前記第1電極51の一部を覆うとともに、第3補助電極33の上部まで延設される。この際、第3補助電極33上にはバンク絶縁膜14の一部が除去されて前記第3補助電極33を露出する有機ホール512が備えられる。
【0049】
有機ホール512上には隔壁54がさらに備えられることができる。隔壁54は側面端部が逆テーバー(reversedtaper)状を有するように形成できるが、これに限定されない。前記隔壁54はバンク絶縁膜14と同じ材料で形成できるが、これに限定されない。隔壁54は両側面が逆テーバー状を有することによって隔壁54の上側に有機発光層52の一部が不連続的に形成できるが、隔壁54の周辺部には有機発光層52が形成されない。よって、隔壁54の周辺部では第3補助電極33の第6補助電極分割層33cが露出され、このような隔壁54の周辺部で第2電極53と第3補助電極33間のコンタクトが発生する。
【0050】
前述したように、第2電極53は開口部511及びバンク絶縁膜14の上部に共に形成される。すなわち、前記第6補助電極分割層33cが位置する領域上には第2電極53が形成され、隔壁54の上部の不連続した有機発光層52上にも第2電極53の一部が不連続的に形成される。
【0051】
この際、第2電極53は、有機発光層52とは違い、隔壁54の周辺部まで開口部511の第2電極から連続する特徴を有する。よって、有機ホール512を通じて一部領域が露出された第3補助電極33と前記連続した第2電極53は隔壁54の周辺部で電気的に連結される。
【0052】
前述したように、第2電極53が補助電極30と接続されることにより、第2電極53が有する高い抵抗が減少する特徴を有する。特に、本発明の実施例による有機発光表示装置において、補助電極30は順次積層された第1〜第3補助電極31〜33を含む特徴を有するので、補助電極30の面積が従来に比べて大きく増加し、第2電極53の抵抗を効果的に減少させることができる特徴を有する。特に、このように補助電極30を3層構造に形成する場合、第1電極51と同一の層に形成される第3補助電極33の面積を大きくしなくても第2電極53の抵抗は効果的に減少する。よって、従来の有機発光表示装置のように補助電極の面積を大きくするために第1電極51とドレイン電極25の間に連結電極を挿入する必要がないので、有機発光表示装置の厚さが減少するだけでなく、連結電極の形成のために必要なマスクを低減することができるので、有機発光表示装置の工程が簡素化し、製造コストが低減される。
【0053】
図面に示されてはいないが、第2電極53上には密封部が備えられることができる。密封部は外部の衝撃から有機発光素子及び薄膜トランジスタTなどの素子を保護し、水分の浸透を防止する役目をする。この際、密封部はSiOx、SiNxなどの無機絶縁物質で単層の構造又は前記無機絶縁物質が交差して積層された複層の構造に形成できる。
【0054】
パッド部P/Aの基板10上にはパッド電極40が位置する。これを
図1に基づいてより詳細に説明すれば、パッド電極40は下側パッド部41と上側パッド部42を含む。
【0055】
図1には示されてはいないが、パッド電極40には有機発光表示装置を駆動するための駆動回路(図示せず)との接続のための駆動配線(図示せず)がコンタクトされる。そして、駆動回路は前記パッド電極40を介して有機発光表示装置を駆動するための多数の駆動信号を供給する。本発明によるパッド電極40は下側パッド部41及び上側パッド部42の2層構造を備えることによってパッド電極40の抵抗を減少させ、相対的に上層でコンタクトされるので、容易なコンタクトが可能である。
【0056】
下側パッド部41は基板10の一面全面に備えられたバッファー層11のパッド領域P/A上に備えられる。下側パッド部41は薄膜トランジスタTのゲート電極27と同じ物質で形成できる。
【0057】
下側パッド部41上には層間絶縁膜12が位置する。層間絶縁膜12は表示領域A/Aから伸びて基板10の全面に形成されるので、下側パッド部41を覆うように構成できる。この際、前記下側パッド部41に対応する領域には、層間絶縁膜12の一部が除去されて下側パッド部41の上部を露出するパッド部コンタクトホールH7が備えられる。すなわち、層間絶縁膜12は下側パッド部41の側面を覆うように備えられることによって下側パッド部41を成す金属が腐食されることを防止する。
【0058】
層間絶縁膜12の下側パッド部41と重畳する領域上には上側パッド部42が備えられる。
【0059】
上側パッド部42はソース/ドレイン電極24、25と同じ物質でなることができる。すなわち、上側パッド部42はソース/ドレイン電極24、25を形成することができるモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)及び銅(Cu)のいずれか1種又はこれらの合金からなる単層又は多層で形成できるが、これに限定されない。
【0060】
上側パッド部42は、ソース/ドレイン電極24、25が3層構造を有することと同様に、3層構造を有するように形成されることもできる。例えば、ソース/ドレイン電極24、25が第1〜第3分割層でなったことと同様に、上側パッド部42が第1パッド部分割層42a、第2パッド部分割層42b及び第3パッド部分割層42cの3層構造となることができるが、これに限定されるものではない。この際、ソース/ドレイン電極24、25がMoTi/Cu/MoTiの順に積層された3重レイヤーの場合、前記第1パッド部分割層42a及び第3パッド部分割層42cはMoTiでなり、第2パッド部分割層42bはCuでなることによって前記上側パッド部42はMoTi/Cu/MoTiの順に積層された3重レイヤーで形成できるが、前記物質に限定されない。
【0061】
上側パッド部42の側面を覆うようにパッド保護膜45が備えられる。そして、パッド保護膜45は上側パッド部42の上面を全く覆わず、上側パッド部42の上側一部を露出する。このように、上面が露出された上側パッド部42を通じてパッド電極40が各種配線にコンタクトされることにより、有機発光表示装置を駆動するための駆動信号を受ける。
【0062】
パッド保護膜45は前記上側パッド部42の側面を覆うように形成される。上側パッド部42の第2パッド部分割層42bは耐食性の弱い銅(Cu)などの物質でなることができ、パッド保護膜45は前記第2パッド部分割層42bを取り囲むように形成されて前記第2パッド部分割層42bの腐食を防止する効果を有する。
【0063】
特に、上側パッド部42が前記ソース/ドレイン電極24、25と同時に形成される場合、第1電極51の形成過程の食刻工程に用いられるエッチャント(etchant)によって第2パッド部分割層42bの腐食される不良が発生し得るが、前記パッド保護膜45は第2パッド部分割層42bを取り囲むように形成されることによって第2パッド部分割層42bの腐食を防止する。
【0064】
パッド保護膜45は平坦化膜13と同じ物質で同時に形成できる。すなわち、パッド保護膜45は、平坦化膜13と同様に、アクリル系樹脂(acrylresin)、エポキシ樹脂(epoxyresin)、フェノール樹脂(phenolicresin)、ポリアミド系樹脂(polyamideresin)、ポリイミド系樹脂(polyimideresin)などでなることができる。この際、第2パッド部分割層42bは前述したように銅(Cu)のような金属で形成される。アクリル系樹脂(acrylresin)は前記銅(Cu)を含む第2パッド部分割層42bと接続されれば第2パッド部分割層42bに電飾が発生する可能性があるが、ポリイミド系樹脂(polyimideresin)はこのような現象が発生しない。よって、前記第2パッド部分割層42bを保護するために、前記パッド保護膜45はポリイミド系樹脂(polyimideresin)で形成されることが最も好ましく、よってパッド保護膜45と平坦化膜13が同時に形成される場合、平坦化膜13もポリイミド系樹脂で形成されることが好ましい。
【0065】
図2a〜
図2dは本発明による有機発光表示装置の製造方法を説明するための概略図である。
【0066】
まず、
図2aのように、基板10上に遮光層8及び第1補助電極31を形成した後、その上部を覆うように基板10の一面全面にバッファー層11を蒸着などの工程で形成する。遮光層8及び第1補助電極31は、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、金(Au)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、ネオジム(Nd)などの金属のいずれか1種又はこれらの合金を蒸着してからパターニングすることによって同時に形成できる。
【0067】
その後、
図2bのように、バッファー層11上には半導体物質からなった活性層20を形成する。そして、前記活性層20のチャネル領域21上にはゲート絶縁膜26及びゲート電極27を順次形成する。
【0068】
そして、ゲート電極27を形成する工程と同じ工程で下側パッド部41を形成する。ゲート電極27及び下側パッド部41は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)及び銅(Cu)のいずれか1種又はこれらの合金からなる単層又は多層構造となった第2金属層(図示せず)を蒸着した後、これをパターニングすることによって形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0069】
その後、ゲート電極27をマスクとして活性層20に不純物をドープすることによってソース領域22及びドレイン領域23を形成する。活性層20が酸化物半導体からなった場合にはプラズマ処理などによって活性層20の両側を導体化することによってソース及びドレイン領域22、23を形成することができる。
【0070】
ついで、前記ゲート電極27及び下側パッド部41上の基板10の全面に層間絶縁膜12を形成する。層間絶縁膜12は、バッファー層11と同様に、無機絶縁物質でなることができる。
【0071】
その後、前記層間絶縁膜12をパターニングすることで、前記ソース領域22を露出する第1コンタクトホールH1とドレイン領域23を露出する第2コンタクトホールH2を形成する。この際、表示領域A/Aには、前記層間絶縁膜12及びバッファー層11の一部がパターニングされて遮光層8を露出する第3コンタクトホールH3及び前記第1補助電極31を露出する第5コンタクトホールH5が形成される。そして、パッド領域P/Aには層間絶縁膜12をパターニングすることで、下側パッド部41の上部を露出するパッド部コンタクトホールH7を形成する。
【0072】
その後、層間絶縁膜12上に、前記第1コンタクトホールH1を通じてソース領域22と接続されるように、ソース電極24を形成し、第2コンタクトホールH2を通じてドレイン領域23と接続されるドレイン電極25を形成する。この際、ドレイン電極25は第3コンタクトホールH3を通じて遮光層8と接続することができるが、これに限定されない。これと同時に、層間絶縁膜12上には、第5コンタクトホールH5を通じて第1補助電極31と接続する第2補助電極32と、第7コンタクトホールH7を通じて下側パッド部41と接続する上側パッド部42を形成することができる。
【0073】
この際、ソース電極24、ドレイン電極25、第2補助電極32及び上側パッド部42は前述したように複層構造に形成できる。これらがMoTi/Cu/MoTiの3重積層構造を有する場合を例とすれば、前記層間絶縁膜12の上部全面にMoTi/Cu/MoTiの3層金属を積層した後、これらを同時にパターニングすることによって同時に形成することができる。
【0074】
その後、
図2cのように、薄膜トランジスタT及び第2補助電極32上に平坦化膜13を形成する。平坦化膜13は、アクリル系樹脂(acrylresin)、エポキシ樹脂(epoxyresin)、フェノール樹脂(phenolicresin)、ポリアミド系樹脂(polyamideresin)、ポリイミド系樹脂(polyimideresin)などでなることができる。
【0075】
これと同時に、パッド領域P/Aに備えられたパッド電極40の上側パッド部42の側面を覆うようにパッド保護膜45を形成する。パッド保護膜45は平坦化膜13と同じ物質で形成される。
【0076】
平坦化膜13及びパッド保護膜45の形成時には、ハーフトーンマスクなどを用い、パッド保護膜45の厚さが平坦化膜13の厚さより薄く形成されるように、パターニングする。
【0077】
そして、前記平坦化膜13をパターニングすることで、ドレイン電極25の一部を露出する第4コンタクトホールH4と、第2補助電極32の一部を露出する第6コンタクトホールを形成する。これと同時に、パッド領域P/Aにはパッド保護膜45の一部をパターニングすることによって上側パッド部42の上面が露出される。そして、平坦化膜13上に第1電極51及び第3補助電極33を形成する。前述したように、第1電極51及び第3補助電極33は3層構造を成すように形成することができる。このために、第1電極51及び第3補助電極33は複数の金属層を蒸着した後、同時にパターニングすることによって形成することができる。
【0078】
例えば、第1電極51の下層部51a及び上層部51cと第3補助電極33の第4及び第6補助電極分割層33a、33cがITOでなり、第1電極51の重層部51b及び第5補助電極分割層33bがAgでなる場合を仮定すれば、ITO/Ag/ITOの順に金属層を順次積層した後、同時にパターニングすることによって形成することができる。この際、上側パッド部42を含むパッド電極40はCuのように耐食性の弱い金属を含むが、パッド保護膜45によって前記耐食性の弱い金属が形成された層の側面が密封され、パッド保護膜45の上部の相対的に耐食性が強い金属のみが露出されるので、前記第1電極51及び第3電極33を形成するパターニング工程で使われるエッチャントの影響が小さい。
【0079】
その後、
図2dのように、第1電極51及び第3補助電極33上にバンク絶縁膜14を形成する。バンク絶縁膜14は、アクリル系樹脂(acrylresin)、エポキシ樹脂(epoxyresin)、フェノール樹脂(phenolicresin)、ポリアミド系樹脂(polyamideresin)、ポリイミド系樹脂(polyimideresin)などからなることができるが、これに限定されない。ついで、バンク絶縁膜14をパターニングして開口部511及び有機ホール512を形成する。
【0080】
一方、有機ホール512を通じて露出された第3補助電極33上には逆テーバー状を有する隔壁54を形成する。バンク絶縁膜14と隔壁54は同時に形成することもでき、相異なる工程で形成しても構わない。隔壁54はバンク絶縁膜14を形成するための材料と同じ材料で形成することができる。
【0081】
そして、第1電極51及びバンク絶縁膜14上に有機発光層52を形成する。
【0082】
有機発光層52は、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、発光層(EML)、電子輸送層(ETL)、及び電子注入層(EIL)を含むように形成することができる。
【0083】
第2電極53は基板10の一面全面に形成する。第2電極53は、銀(Ag)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、マグネシウム(Mg)などの低い仕事関数を有する物質又はこれらの合金で薄く形成するとか、ITO、IZO、IGZO、ZnOなどの透明導電性物質で形成することができる。第2電極53は、前述したように、隔壁54の周辺部で補助電極33の第3補助電極33とコンタクトすることができる。
【0084】
そして、前記下部基板10の全面に封止層(図示せず)を形成する。封止層はSiOx又はSiNxの少なくとも1種で単層の構造又はこれらが交差して複層構造に形成することができる。
【0085】
従来の有機発光表示装置は、ドレイン電極と第1電極の間に連結電極及び補助電極を備えた別個の層が備えられ、前記連結電極及び補助電極上には追加的な平坦化層が形成される構造を有する。その上、従来の有機発光表示装置は、パッド部を保護するために、無機膜からなるパッシベーション層をさらに備えた。
【0086】
一方、本発明による有機発光表示装置は、パッシベーション層が除去され、前記パッシベーションの特徴のために、3重積層構造のソース/ドレイン電極24、25、第2補助電極32及び上側パッド部42を形成するとともにポリイミド(PI)系の平坦化膜13を形成する工程によって上側パッド部42を保護するパッド保護膜45を形成する。その上、本発明による有機発光表示装置は、前記連結電極及び連結電極と同一層に位置する補助電極を形成する必要がないのみならず、平坦化層も単層で形成することができる。
【0087】
結果、本発明による有機発光表示装置は、パッシベーション層、追加的な平坦化膜、追加的な連結電極及び補助電極を形成しないながらも十分な面積を有する補助電極30を確保することができる特徴を有する。したがって、本発明による上部発光方式の有機発光表示装置は、従来に比べて3〜4枚のマスクが低減することによって工程が簡素化し、製造コストが低減され、有機発光表示装置の厚さが薄くなり、第2電極53の抵抗が効果的に低くなる効果を有する。
【0088】
以上の説明は本発明を例示的に説明したものに過ぎなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様な変形が可能であろう。したがって、本発明の明細書に開示された実施例は本発明を限定するものではない。本発明の範囲は以降の特許請求範囲によって解釈されなければならなく、それと均等な範囲内にある全ての技術も本発明の範囲に含まれるものとして解釈されなければならないであろう。