(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像取得部は、前記第1カメラによって撮像された後で傾き補正が施された前記第1画像と、前記第2カメラによって撮像された後で傾き補正が施された前記第2画像とを取得する、請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
前記第1カメラによって撮像された画像及び前記第2カメラによって撮像された画像の少なくともいずれかに基づいて、前記飛行物体の飛行速度、飛行方向、及び飛行ルート予測の少なくともいずれかを導出する飛行情報導出部
をさらに備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、画像処理装置100による画像処理を説明する説明図である。画像処理装置100は、第1高度から第1高度よりも低い高度の方向を撮像するカメラ10によって撮像された画像14をカメラ10から取得する。画像処理装置100は、有線接続を介してカメラ10から画像14を受信してよい。また、画像処理装置100は、無線接続を介してカメラ10から画像14を受信してもよい。画像処理装置100は、任意のネットワークを介してカメラ10から画像14を受信してもよい。第1高度は、カメラ10の高度であってよい。カメラ10は、例えば、飛行体に搭載されて地上を撮像するカメラである。カメラ10は、高層建築物の上層、例えば、最上層に配置されて地上を撮像するカメラであってもよい。カメラ10は、可視光カメラであってよい。カメラ10は、赤外線カメラであってもよい。カメラ10は、マルチスペクトルカメラであってもよい。カメラ10は、いわゆるレーダーであってもよい。
【0014】
また、画像処理装置100は、第2高度から第2高度よりも低い高度の方向を撮像するカメラ20によって撮像された画像24をカメラ20から取得する。画像処理装置100は、有線接続を介してカメラ20から画像24を受信してよい。また、画像処理装置100は、無線接続を介してカメラ20から画像24を受信してもよい。画像処理装置100は、任意のネットワークを介してカメラ20から画像24を受信してもよい。第2高度は、カメラ20の高度であってよい。カメラ20は、例えば、飛行体に搭載されて地上を撮像するカメラである、また、カメラ20は、高層建築物の上層、例えば、最上層に配置されて地上を撮像するカメラであってもよい。カメラ20は、可視光カメラであってよい。カメラ20は、赤外線カメラであってもよい。カメラ20は、マルチスペクトルカメラであってもよい。カメラ20は、いわゆるレーダーであってもよい。
【0015】
画像処理装置100は、第1領域を被写体として含む画像14と、第1領域を被写体として含む画像24とを用いて、第1高度及び第2高度よりも低い高度の飛行物体を検出する。画像14の撮像範囲12と、画像24の撮像範囲22とが同一である場合、第1領域は画像14及び画像24の全体であってよい。画像14の撮像範囲12と、画像24の撮像範囲22とがずれている場合、第1領域は、画像14と画像24に共通して含まれる領域であってよい。
【0016】
カメラ10とカメラ20とは水平方向に距離が離れており、画像14及び画像24に含まれる被写体のうち、より高い高度に位置する被写体ほど、画像14内における位置と、画像24内における位置が異なることになる。
図1では、他の被写体に比べて飛行物体40の高度が高く、画像14内における飛行物体16の位置と、画像24内における飛行物体26の位置とがずれている。
【0017】
画像処理装置100は、画像14内の第1領域と画像24内の第1領域との差分に基づいて、飛行物体を検出する。例えば、画像処理装置100は、
図1に例示するように、画像14と画像24との差分画像30を生成し、差分として抽出された飛行物体16と飛行物体26とが同一物であると判定できる場合に、飛行物体16及び飛行物体26を一つの飛行物体として検出する。画像14と画像24の撮像時刻は同一であってよい。
【0018】
画像処理装置100は、画像14内の第1領域と画像24内の第1領域との差分と、地形及び建物の情報を含む地図データ中の第1領域に対応する範囲内の地形及び建物の情報とに基づいて、飛行物体を検出してもよい。画像14及び画像24の被写体のうち、飛行物体16及び飛行物体26の他にも、比較的高度の高い高層建築物及び山等が差分として検出されることになるが、画像処理装置100は、差分として検出された対象物のうち、地図データに含まれる高層建築物及び山等を除外してよい。これにより、飛行物体16及び飛行物体26の検出精度を向上させることができる。
【0019】
画像処理装置100は、カメラ10によって撮像された画像及びカメラ20によって撮像された画像の少なくともいずれかに基づいて、飛行物体を識別してもよい。画像処理装置100は、飛行物体の形状及び飛行物体の動きの少なくともいずれかによって飛行物体を識別してよい。画像処理装置100は、例えば、飛行物体がドローン等の無人航空機であるか否かを識別する。また、例えば、画像処理装置100は、飛行物体が鳥類であるか否かを識別する。飛行物体が鳥類であり、カメラ10及びカメラ20が、赤外線カメラ及びハイパースペクトルカメラである場合、画像処理装置100は、画像14及び画像24の少なくともいずれかに基づいて、鳥の種類を識別してもよい。
【0020】
画像処理装置100は、カメラ10によって撮像された画像及びカメラ20によって撮像された画像の少なくともいずれかに基づいて、飛行物体の飛行速度、飛行方向、及び飛行ルート予測の少なくともいずれかを導出してもよい。例えば画像処理装置100は、時間的に連続する画像から、飛行物体の飛行速度及び飛行方向を導出する。また、例えば、画像処理装置100は、導出した飛行速度及び飛行方向から、飛行ルート予測を導出する。
【0021】
図2は、飛行体200の一例を概略的に示す。飛行体200は、画像処理装置100として機能してよい。飛行体200は、カメラ210及びカメラ220を有する。カメラ210は飛行体200の翼の一端に配置され、カメラ220は飛行体200の翼の他端に配置されている。カメラ210及びカメラ220は、カメラ10及びカメラ20の一例であってよい。
図2に示す飛行体200は、プロペラ、太陽電池パネル、バッテリ及びアンテナを有する成層圏プラットフォームである。
図2では、飛行体200が成層圏プラットフォームである場合を例に挙げて説明するが、これに限らず、飛行体200は、飛行機、無人航空機、及び気球等であってもよい。飛行体200が前後に長い形状を有する場合、カメラ210は、飛行体200の先端に配置され、カメラ220は、飛行体200の後端に配置されてもよい。
【0022】
飛行体200は、地上局300を介してネットワーク80と通信する。ネットワーク80は、例えば、インターネット及び携帯電話網を含む。
【0023】
飛行体200は、カメラ210及びカメラ220によって撮像した画像から、飛行物体を検出する。飛行体200は、飛行物体を検出した場合、地上局300及びネットワーク80を介して、任意の通信機器に警告を送信してよい。飛行体200は、さらに、飛行物体の画像、飛行物体の飛行速度、飛行方向、及び飛行ルート予測等を当該通信機器に対して送信してもよい。
【0024】
図3は、飛行体200のハードウエア構成の一例を概略的に示す。飛行体200は、飛行制御CPU(Central Processing Unit)202、通信装置204、アンテナ205、DB(DataBase)206、カメラ210、カメラ220、及び画像処理CPU230を備える。飛行制御CPU202、通信装置204、DB206、画像処理CPU230は、データバス208を介して接続されている。
【0025】
飛行制御CPU202は、飛行体200の飛行を制御する。通信装置204は、アンテナ205を介した通信を実行する。通信装置204は、例えば、アンテナ205を介して地上局300と通信する。
【0026】
DB206は、各種データを格納する。DB206は、例えば、地形及び建物の情報を含む地図データを格納する。DB206は、例えば、通信装置204が地上局300及びネットワーク80を介して、任意の通信機器から受信した地図データを格納する。DB206は、カメラ210によって撮像された画像を格納してよい。DB206は、カメラ220によって撮像された画像を格納してよい。
【0027】
画像処理CPU230は、カメラ210が撮像した画像及びカメラ220が撮像した画像を処理する。画像処理CPU230は、カメラ210が撮像した画像内の第1領域と、カメラ220が撮像した画像内の第1領域との差分に基づいて、飛行体200よりも低い高度の飛行物体を検出する。
【0028】
図4は、飛行体200による処理の流れの一例を概略的に示す。飛行体200は、例えば、
図4に示す処理を定期的に実行する。飛行体200は、地上局300から指示を受領したことに応じて、
図4に示す処理を実行してもよい。
【0029】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102では、カメラ210及びカメラ220が画像を撮像する。S104では、画像処理CPU230が、カメラ210及びカメラ220によって撮像された画像を補正する。画像処理CPU230は、例えば、画像に傾き補正を施す。
【0030】
S106では、画像処理CPU230が、S104において補正した画像を突合する。画像処理CPU230は、DB206に格納されている地図データを参照して、突合した画像から、既知の建築物及び山等を除外してよい。
【0031】
S108では、画像処理CPU230が、画像内に不審飛行物体が有るか否かを判定する。有ると判定した場合、S110に進み、無いと判定した場合、S112に進む。S110では、画像処理CPU230が、通信装置204に、地上局300及びネットワーク80を介して予め設定された機器に対して警報を発令させるとともに、不審飛行物体の画像を送信させる。
【0032】
S112では、処理を終了するか否かを判定する。終了しないと判定した場合、S102に戻り、終了すると判定した場合、処理を終了する。
【0033】
図5は、画像処理CPU230の機能構成の一例を概略的に示す。画像処理CPU230は、画像取得部232、飛行物体検出部234、地図データ参照部236、物体識別部238、飛行情報導出部240、高度導出部242、及び送信制御部244を有する。
【0034】
画像取得部232は、カメラ210が撮像した画像を取得する。画像取得部232は、カメラ220が撮像した画像を取得する。
【0035】
飛行物体検出部234は、画像取得部232が取得した画像に基づいて、飛行物体を検出する。地図データ参照部236は、DB206に格納されている地図データを参照する。飛行物体検出部234は、画像取得部232が取得した画像と、地図データ参照部236が参照した地図データとに基づいて飛行物体を検出してよい。
【0036】
物体識別部238は、画像取得部232が取得したカメラ210及びカメラ220によって撮像された画像に基づいて、飛行物体検出部234が検出した飛行物体を識別する。物体識別部238は、例えば、飛行物体が無人航空機であるか否かを判定する。物体識別部238は、飛行物体が鳥類であるか否かを識別してもよい。
【0037】
飛行情報導出部240は、画像取得部232が取得したカメラ210及びカメラ220によって撮像された画像に基づいて、飛行物体検出部234が検出した飛行物体の飛行速度、飛行方向、及び飛行ルート予測の少なくともいずれかを導出する。
【0038】
高度導出部242は、飛行物体検出部234が検出した飛行物体の高度を導出する。高度導出部242は、例えば、カメラ210から飛行物体までの距離と、カメラ210の高度に基づいて、飛行物体の高度を導出する。高度導出部242は、例えば、飛行体200が有する高度計によって測定された高度をカメラ210の高度とする。また、高度導出部242は、例えば、カメラ210によって撮像された画像と、カメラ220によって撮像された画像に対して、三角測量を用いた手法等の公知の手法を適用して、カメラ210と飛行物体との距離を導出する。そして、高度導出部242は、カメラ210の高度から、カメラ210と飛行物体との距離を減算することによって、飛行物体の高度を導出する。
【0039】
送信制御部244は、各種情報を通信装置204に送信させる。送信制御部244は、例えば、飛行物体検出部234が飛行物体を検出した場合に、警告情報を通信装置204に、予め設定された通信機器に向けて送信させる。送信制御部244は、警告出力部の一例であってよい。送信制御部244は、物体識別部238による識別結果を通信装置204に送信させてもよい。送信制御部244は、飛行情報導出部240によって導出された情報を通信装置204に送信させてもよい。送信制御部244は、高度導出部242によって導出された高度を通信装置204に送信させてもよい。
【0040】
なお、
図2から
図5では、飛行体200が画像処理装置100として機能する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、地上局300が画像処理装置100として機能してもよい。この場合、地上局300は、カメラ210及びカメラ220によって撮像された画像を飛行体200から受信して、受信した画像に基づいて飛行物体を検出する。また、例えば、ネットワーク80に接続された通信機器が画像処理装置100として機能してもよい。この場合、当該通信機器は、カメラ210及びカメラ220によって撮像された画像を飛行体200、地上局300、及びネットワーク80を介して受信して、受信した画像に基づいて飛行物体を検出する。
【0041】
図6は、飛行体400及び飛行体500の一例を概略的に示す。飛行体400は、カメラ410を有する。カメラ410は、カメラ10の一例であってよい。飛行体500は、カメラ510を有する。カメラ510は、カメラ20の一例であってよい。
図6に示す飛行体400及び飛行体500は、成層圏プラットフォームである。
図6では、飛行体400及び飛行体500が成層圏プラットフォームである場合を例に挙げて説明するが、これに限らず、飛行体400及び飛行体500は、飛行機、無人航空機、及び気球等であってもよい。
【0042】
飛行体400は、地上局300を介してネットワーク80と通信する。飛行体500は、地上局600を介してネットワーク80と通信する。地上局300は、画像処理装置として機能してよい。
【0043】
地上局300は、カメラ410によって撮像された画像を飛行体400から受信する。また、地上局300は、カメラ510によって撮像された画像を、飛行体500、地上局600、及びネットワーク80を介して受信する。地上局300は、カメラ410によって撮像された画像と、カメラ510によって撮像された画像から飛行物体を検出する。地上局300は、飛行物体を検出した場合、ネットワーク80を介して、任意の通信機器に警告を送信してよい。地上局300は、さらに、飛行物体の画像、飛行物体の飛行速度、飛行方向、及び飛行ルート予測等を当該通信機器に対して送信してもよい。
【0044】
図7は、飛行体400、飛行体500、及び地上局300のハードウエア構成の一例を概略的に示す。飛行体400は、飛行制御CPU402、通信装置404、アンテナ405、カメラ410、及び画像処理CPU420を備える。飛行制御CPU402、通信装置404、及び画像処理CPU420は、データバス408を介して接続されている。
【0045】
飛行制御CPU402は、飛行体400の飛行を制御する。通信装置404は、アンテナ405を介した通信を実行する。通信装置404は、例えば、アンテナ405を介して地上局300と通信する。
【0046】
画像処理CPU420は、カメラ410が撮像した画像を処理する。画像処理CPU420は、例えば、カメラ410が撮像した画像を、通信装置404に、地上局300に向けて送信させる。画像処理CPU420は、カメラ410が撮像した画像に対して傾き補正を施してもよい。
【0047】
飛行体500は、飛行制御CPU502、通信装置504、アンテナ505、カメラ510、及び画像処理CPU520を備える。飛行制御CPU502、通信装置504、及び画像処理CPU520は、データバス508を介して接続されている。
【0048】
飛行制御CPU502は、飛行体500の飛行を制御する。通信装置504は、アンテナ505を介した通信を実行する。通信装置504は、例えば、アンテナ505を介して地上局600と通信する。
【0049】
画像処理CPU520は、カメラ510が撮像した画像を処理する。画像処理CPU520は、例えば、カメラ510が撮像した画像を、通信装置504に、地上局600に向けて送信させる。画像処理CPU520は、カメラ510が撮像した画像に対して傾き補正を施してもよい。
【0050】
地上局300は、インターネット接続部302、通信装置304、アンテナ305、DB306、及び画像処理CPU308を備える。インターネット接続部302、通信装置304、DB306、及び画像処理CPU308は、データバス309を介して接続されている。
【0051】
インターネット接続部302は、ネットワーク80に接続して、インターネット上の通信機器と通信する。通信装置304は、アンテナ305を介した通信を実行する。通信装置304は、例えば、アンテナ305を介して飛行体400と通信する。
【0052】
DB306は、各種データを格納する。DB306は、例えば、地形及び建物の情報を含む地図データを格納する。DB306は、例えば、インターネット接続部302がネットワーク80を介して任意の通信機器から受信した地図データを格納する。DB306は、通信装置304が飛行体400から受信したカメラ410による撮像画像を格納してよい。DB306は、インターネット接続部302が、ネットワーク80及び地上局600を介して飛行体500から受信したカメラ510による撮像画像を格納してよい。
【0053】
画像処理CPU308は、カメラ410による撮像画像及びカメラ510による撮像画像を処理する。画像処理CPU308は、カメラ410による撮像画像内の第1領域と、カメラ510による撮像画像内の第1領域との差分に基づいて、飛行体400及び飛行体500よりも低い高度の飛行物体を検出する。
【0054】
図8は、地上局300による処理の流れの一例を概略的に示す。地上局300は、例えば、
図8に示す処理を定期的に実行する。
【0055】
S202では、飛行体400及び飛行体500によって撮像された画像を受信する。S204では、画像処理CPU308が、S202において受信した画像を補正する。画像処理CPU308は、例えば、画像に傾き補正を施す。
【0056】
S206では、画像処理CPU308が、S204において補正した画像を突合する。画像処理CPU308は、DB306に格納されている地図データを参照して、突合した画像から、既知の建築物及び山等を除外してよい。
【0057】
S208では、画像処理CPU308が、画像内に不審飛行物体が有るか否かを判定する。有ると判定した場合、S210に進み、無いと判定した場合、S212に進む。S210では、画像処理CPU308が、通信装置304に、ネットワーク80を介して予め設定された通信機器に対して警報を発令させるとともに、不審飛行物体の画像を送信させる。
【0058】
S212では、処理を終了するか否かを判定する。終了しないと判定した場合、S202に戻り、終了すると判定した場合、処理を終了する。
【0059】
図9は、画像処理CPU308の機能構成の一例を概略的に示す。画像処理CPU308は、画像取得部332、飛行物体検出部334、地図データ参照部336、物体識別部338、飛行情報導出部340、高度導出部342、送信制御部344、推定高度取得部352、及び調整制御部354を有する。
【0060】
画像取得部332は、カメラ410が撮像した画像を取得する。画像取得部332は、カメラ510が撮像した画像を取得する。
【0061】
飛行物体検出部334は、画像取得部332が取得した画像に基づいて、飛行物体を検出する。地図データ参照部336は、DB306に格納されている地図データを参照する。飛行物体検出部334は、画像取得部332が取得した画像と、地図データ参照部336が参照した地図データとに基づいて飛行物体を検出してよい。
【0062】
物体識別部338は、画像取得部332が取得したカメラ410及びカメラ510によって撮像された画像に基づいて、飛行物体検出部334が検出した飛行物体を識別する。物体識別部338は、例えば、飛行物体が無人航空機であるか否かを判定する。物体識別部338は、飛行物体が鳥類であるか否かを識別してもよい。
【0063】
飛行情報導出部340は、画像取得部332が取得したカメラ210及びカメラ220によって撮像された画像に基づいて、飛行物体検出部334が検出した飛行物体の飛行速度、飛行方向、及び飛行ルート予測の少なくともいずれかを導出する。
【0064】
高度導出部342は、飛行物体検出部334が検出した飛行物体の高度を導出する。高度導出部342は、例えば、カメラ410から飛行物体までの距離と、カメラ410の高度に基づいて、飛行物体の高度を導出する。高度導出部342は、例えば、飛行体400が有する高度計によって測定された高度をカメラ410の高度とする。また、高度導出部342は、例えば、カメラ410によって撮像された画像と、カメラ510によって撮像された画像に対して、三角測量を用いた手法等の公知の手法を適用して、カメラ410と飛行物体との距離を導出する。そして、高度導出部342は、カメラ410の高度から、カメラ410と飛行物体との距離を減算することによって、飛行物体の高度を導出する。
【0065】
送信制御部344は、各種情報を通信装置304に送信させる。送信制御部344は、例えば、飛行物体検出部334が飛行物体を検出した場合に、警告情報を通信装置304に、予め設定された通信機器に向けて送信させる。送信制御部344は、物体識別部338による識別結果を通信装置304に送信させてもよい。送信制御部344は、飛行情報導出部340によって導出された情報を通信装置304に送信させてもよい。送信制御部344は、高度導出部342によって導出された高度を通信装置304に送信させてもよい。
【0066】
なお、
図6から
図9では、地上局300が画像処理装置100として機能する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、地上局600が画像処理装置100として機能してもよい。この場合、地上局600は、カメラ410によって撮像された画像を地上局300及びネットワーク80を介して飛行体400受信し、カメラ510によって撮像された画像を飛行体500から受信し、受信した画像に基づいて飛行物体を検出する。また、例えば、ネットワーク80に接続された通信機器が画像処理装置100として機能してもよい。この場合、当該通信機器は、カメラ410によって撮像された画像を地上局300及びネットワーク80を介して受信し、カメラ510によって撮像された画像を地上局600及びネットワーク80を介して受信し、受信した画像に基づいて飛行物体を検出する。
【0067】
推定高度取得部352は、飛行物体の推定高度を取得する。推定高度取得部352は、例えば、ネットワーク80上の通信機器から、飛行物体の推定高度を取得する。推定高度は、例えば、検出対象の飛行物体の平均的な高度である。
【0068】
調整制御部354は、推定高度取得部352が取得した推定高度に応じて、飛行体400と飛行体500との間の距離を調整させる。調整制御部354は、例えば、飛行体400と飛行体500との間の距離を調整すべく、飛行体400の飛行制御データを飛行体400に向けて通信装置304に送信させ、飛行体500の飛行制御データを飛行体500に向けてインターネット接続部302に送信させる。
【0069】
推定高度取得部352は、飛行物体の推定位置をさらに取得してもよく、この場合調整制御部354は、推定高度及び推定位置に応じて、飛行体400と飛行体500との間の距離、飛行体400の高度、及び飛行体500の高度を調整させてよい。
【0070】
図10は、飛行体400及び飛行体500による画像430及び画像530に対する傾き補正を説明する説明図である。画像430に対する傾き補正は、飛行体400によって実行されてよい。また、地上局300が画像処理装置として機能する場合、画像430に対する傾き補正は地上局300によって実行されてもよい。また、ネットワーク80上の通信機器が画像処理装置として機能する場合、画像430に対する傾き補正は当該通信機器によって実行されてもよい。
【0071】
画像530に対する傾き補正は、飛行体500によって実行されてよい。また、地上局600が画像処理装置として機能する場合、画像530に対する傾き補正は地上局600によって実行されてもよい。また、ネットワーク80上の通信機器が画像処理装置として機能する場合、画像530に対する傾き補正は当該通信機器によって実行されてもよい。
【0072】
画像430を傾き補正した補正画像432と、画像530を傾き補正した補正画像532とは、画像処理装置100によって突合されてよい。
【0073】
図11は、飛行物体800の検出精度を説明する説明図である。ここでは、カメラ410及びカメラ510による撮像画像の総画素数が1億ピクセルであり、縦ピクセル数が1万ピクセル、横ピクセル数が1万ピクセルであり、カメラ410及びカメラ510による撮像範囲が1km四方であり、カメラ410とカメラ510との距離710が2km、カメラ410とカメラ510の高度が20km、対象の飛行物体800である無人航空機の地上高が10mである場合を例に挙げて説明する。
【0074】
この場合、1ピクセルサイズは0.1mとなる。無人航空機の上と下は相似形であるので、高度730/高度720=距離740/距離710となり、距離740は1mとなり、ずれピクセル数は10ピクセルとなる。
【0075】
図11に示したように、例えば、高度20kmを飛行する飛行体400及び飛行体500が、2km離れた位置から撮像した場合、地上高10mの無人航空機を検出することは理論的に可能である。
【0076】
上記実施形態では、飛行体200が地上局300を介してネットワーク80と通信する例を主に挙げて説明したが、これに限らない。飛行体200は、衛星通信を実行してもよい。
【0077】
図12は、飛行体200の通信環境の一例を概略的に示す。ここでは、
図2と異なる点を主に説明する。
【0078】
飛行体200は、不図示の衛星通信部を備え、通信衛星900との間で衛星通信を実行する。飛行体200は、通信衛星900を介してネットワーク80と通信してよい。通信衛星900は、例えば、地上局910を介して、飛行体200とネットワーク80との間の通信を中継する。
【0079】
飛行体200は、飛行物体を検出した場合、通信衛星900、地上局910及びネットワーク80を介して、任意の通信機器に警告を送信してよい。飛行体200は、さらに、飛行物体の画像、飛行物体の飛行速度、飛行方向、及び飛行ルート予測等を当該通信機器に対して送信してもよい。
【0080】
図13は、飛行体400及び飛行体500の通信環境の一例を概略的に示す。ここでは、
図6と異なる点を主に説明する。
【0081】
飛行体400は、不図示の衛星通信部を備え、通信衛星900との間で衛星通信を実行する。飛行体400は、通信衛星900を介してネットワーク80と通信してよい。通信衛星900は、例えば、地上局910を介して、飛行体400とネットワーク80との間の通信を中継する。
【0082】
飛行体500は、不図示の衛星通信部を備え、通信衛星900との間で衛星通信を実行する。飛行体500は、通信衛星900を介してネットワーク80と通信してよい。通信衛星900は、例えば、地上局910を介して、飛行体500とネットワーク80との間の通信を中継する。
【0083】
地上局910は、不図示の衛星通信部を備え、カメラ410によって撮像された画像を、飛行体400及び通信衛星900を介して受信してよい。また、地上局910は、カメラ510によって撮像された画像を、飛行体500及び通信衛星900を介して受信してよい。地上局910は、カメラ410によって撮像された画像と、カメラ510によって撮像された画像から飛行物体を検出してよい。地上局910は、飛行物体を検出した場合、ネットワーク80を介して、任意の通信機器に警告を送信してよい。地上局910は、さらに、飛行物体の画像、飛行物体の飛行速度、飛行方向、及び飛行ルート予測等を当該通信機器に対して送信してもよい。
【0084】
飛行体400は、通信衛星900を介して飛行体500と通信してもよい。飛行体400は、例えば、カメラ510によって撮像された画像を、飛行体500及び通信衛星900を介して受信してよい。飛行体400は、カメラ410によって撮像した画像と、カメラ510によって撮像された画像から飛行物体を検出してよい。飛行体400は、飛行物体を検出した場合、通信衛星900、地上局910、及びネットワーク80を介して、任意の通信機器に警告を送信してよい。飛行体400は、さらに、飛行物体の画像、飛行物体の飛行速度、飛行方向、及び飛行ルート予測等を当該通信機器に対して送信してもよい。
【0085】
以上の説明において、画像処理装置100の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよい。また、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。また、プログラムが実行されることにより、コンピュータが、画像処理装置100として機能してもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、画像処理装置100の少なくとも一部を構成するコンピュータにインストールされてよい。
【0086】
コンピュータにインストールされ、コンピュータを本実施形態に係る画像処理装置100として機能させるプログラムは、CPU等に働きかけて、コンピュータを、画像処理装置100の各部としてそれぞれ機能させる。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータに読込まれることにより、ソフトウエアと画像処理装置100のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。
【0087】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0088】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。