(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6652989
(24)【登録日】2020年1月28日
(45)【発行日】2020年2月26日
(54)【発明の名称】報知灯
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20200217BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20200217BHJP
F21V 31/00 20060101ALI20200217BHJP
F21V 5/02 20060101ALI20200217BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20200217BHJP
G08B 5/00 20060101ALI20200217BHJP
【FI】
F21S2/00 663
F21V33/00 430
F21V31/00 100
F21V5/02 300
F21V5/00 510
G08B5/00 S
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-103770(P2018-103770)
(22)【出願日】2018年5月30日
(65)【公開番号】特開2019-207832(P2019-207832A)
(43)【公開日】2019年12月5日
【審査請求日】2019年2月27日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2018年4月6日インテックス大阪6号館C・Dゾーンにおいて開催された第44回ジャンボびっくり見本市で公開
(73)【特許権者】
【識別番号】599128206
【氏名又は名称】株式会社日惠製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100074125
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 昌夫
(74)【代理人】
【識別番号】100129986
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓生
(72)【発明者】
【氏名】恩田 惠
【審査官】
杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−080216(JP,A)
【文献】
特開2011−034019(JP,A)
【文献】
特開2011−188423(JP,A)
【文献】
特開2012−044605(JP,A)
【文献】
特開2004−327051(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/161164(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 5/00
F21V 5/02
F21V 31/00
F21V 33/00
G08B 5/00
H04R 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面を取り付け面とした短筒体からなると共に、その上部に、プリズム放光体及び発光素子を含む発光装置を備えた本体部と、
本体部の上部を覆って取り付けられるドーム状のグローブと、
グローブの頂部中央に形成された中央孔の上方を覆って取り付けられる蓋状の拡声プレートと、
グローブの前記中央孔の下方を覆ってグローブの内側に取り付けられる防水スピーカと、を具備してなり、
前記防水スピーカは、上方へ解放した円柱状のフレームと、フレームの上部周囲から円柱内を覆って取り付けられた振動板とを、連続した防水構造で有すると共に、フレームの上部周囲に環状の止水材が係止され、
前記フレームの上部周囲の環状の止水材がグローブの中央孔の周囲に圧着することで、止水構造をなすことを特徴とする報知灯。
【請求項2】
前記防水スピーカは、フレーム上部周囲に鍔状の張出部が一体的に形成されると共に、この張出部の下面の一部分にて結線部を有し、また、前記張出部と当接してグローブの頂部内面に圧着固定される短環状の固定具をさらに具備してなる、請求項1に記載の報知灯。
【請求項3】
前記拡声プレートは、複数の立設脚部を有した円板又は多角形板からなり、板中央に凹状の窪み部を有すると共に窪み部には多数の小孔が形成される、請求項1又は2に記載の報知灯。
【請求項4】
前記本体部は、短筒体の上部に、拡散プリズム及び発光素子を備えた報知光の発光基板を有すると共に、短筒体の内部に、発光素子の発光及び防水スピーカの報知音を制御する制御基板を有し、これら発光基板及び制御基板とによって二重に離間配置された発光装置を構成する、請求項1、2、又は3のいずれかに記載の報知灯。
【請求項5】
前記本体部は、短筒体の下部の下枠内に、三方又は四方の部分方形状の嵌め込み枠を設けると共に、当該嵌め込み枠に嵌め込まれる箱状の取付け板を具備し、さらに、嵌め込み枠に嵌め込まれた取付け板を固定する固定ビスを具備した取付け構造を有する、請求項1、2、3、又は4のいずれかに記載の報知灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場、駐車場などの壁面又は天井面に設置され、外部からのセンサ検知信号又は操作信号によって、周囲へ警告光及び警告音を発する報知灯に関する。
【背景技術】
【0002】
信号光の報知を行う回転警告灯として、従来、透光性を有するグローブと、第1シャーシに装着され、該グローブ内に内蔵した回転灯ユニットから光機部分を構成する。後ケースと、スピーカを一体的に形成した前ケースのそれぞれ上縁に該第1シャーシを、下縁に第2シャーシを介して組み付けた本体部分を構成する。回転警告灯は、上記光機部分と、本体部分を一体に組み立てて構成し、該後ケース内に配線や回路基板などを収容しうる適宜空間を設けたものが開示される(特許文献1参照)。上記の構成によって、大型のスピーカを採用しつつ、複数の回路基板を効率よく収容して、スピーカ内蔵の回転警告灯をコンパクトに提供することができた、とされる。
【0003】
また従来、パネル式警告灯として、一方の平面に表面処理を施した両翼若しくは片翼の透光性材料からなる薄型導光板パネルと、天井面及び壁面に設置可能な本体取付台と、本体取付台を覆う化粧カバーと、本体取付台に化粧カバーを固定する固着具と、本体取付台上部にて薄型導光板パネルの内側端面から外側に向くように配置された複数のカラーLED素子列及び制御回路で構成される光源と、電力を供給する電源装置とを具備したものが開示される(特許文献2参照)。地震通報システムを通じて地震の主要動が到達する前に警告を視覚に伝えるうえで、遠方からの視認性を得るだけの十分な光量を有し、また、どの方角からも良好な視認性を継続して有するとともに、人に対する威圧感がない警告灯を提供する、とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−282362号公報
【特許文献2】特開2017−59514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている回転警告灯をはじめ、従来のスピーカ一体型の警告灯の多くは、スピーカが本体下部に設けられるものであった。このため、本体下部に備えるスピーカの発生方向が限定されてしまい、報知音を取り付け面の正面(法線)側へ効率的に拡声することができなかった。
一方、上記特許文献2に開示されている警告灯のように横長のグローブを使用している場合、その形状から、報知光をその周囲から効率的に拡光することができなかった。なお、意匠登録1390864号に示されるように、横長のグローブの上部にスピーカが取り付けられることはあっても、その形態の多くは、横長のグローブを左右に分離させるようにして組み込まれるものであった。このため、報知音を取り付け面の正面(法線)側ないしその周囲へ効率的に拡声すると共に、報知光をその周囲から効率的に拡光することは、スピーカ及び発光部の配置上、困難であった。
【0006】
また、仮に、周囲へ回転警告を行う特許文献1の形状のグローブの報知光において、グローブ中央上部にスピーカを一体的に取り付けようとすると、報知音の拡声のため、スピーカ取付け部に拡声孔を設ける必要が生じる。このため、屋外へ設置する際にこの孔からグローブ内に浸水して発光部が故障してしまうという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、スピーカと報知灯とを上部に一体化させたコンパクトな構成とすることで、報知音を取り付け面の正面(法線)側ないしその周囲へ効率的に拡声すると共に、報知光をその周囲から効率的に拡光することができ、さらに止水性に優れた報知灯を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑みて、本発明においては、以下の手段を講じるものとしている。但し以下において構成の名称に続けて記載する数字乃至アルファベットは、図面の理解のために便宜的に付した符号であり、これによって構成の概念ないし形状、構造を限定する趣旨ではない。
【0009】
(1)本発明に係る報知灯は、
下面を取り付け面とした短筒体からなると共に、その上部に、プリズム放光体13及び発光素子を含む発光装置を備えた本体部1と、
本体部1の上部を覆って取り付けられるドーム状のグローブ2と、
グローブ2の頂部中央に形成された中央孔20の上方を覆って取り付けられる蓋状の拡声プレート3と、
グローブ2の前記中央孔20の下方を覆ってグローブ2の内側に取り付けられる防水スピーカ4と、を具備してなり、
前記防水スピーカ4は、上方へ解放した円柱状のフレームと、フレームの上部周囲から円柱内を覆って取り付けられた振動板とを、連続した防水構造で有すると共に、フレームの上部周囲に環状の止水材4Gが係止され、
前記フレームの上部周囲の環状の止水材4Gがグローブ2の中央孔20の周囲に圧着することで、止水構造をなすことを特徴とする。
【0010】
すなわち、拡声プレートと止水材たるパッキンと防水スピーカとをドーム状のグローブの中央頂部に密着して組み合わせることで、コンパクトな全体形状からなる、止水性に優れた報知灯をなすことができる。
【0011】
(2)前記報知灯において、防水スピーカ4は、フレーム上部周囲に鍔状の張出部が一体的に形成されると共に、この張出部の下面の一部分にて結線部を有し、また、前記張出部と当接してグローブの頂部内面に圧着固定される短環状の固定具5をさらに具備してなることが好ましい。
上記構造によって、グローブの中央孔を塞いで防水スピーカがグローブ上部内面に圧着状態で吊持されると共に、張出部の上面とグローブの内面との間に止水材4Gが介設されることで確実な止水構造をなす。また、張出部の下面にてスピーカ結線され、結線部を固定具5で圧着することで結線部の防水を保ちながら断線を防止することができる。
【0012】
(3)前記報知灯において、拡声プレート3は、複数の立設脚部を有した円板又は多角形板からなり、板中央に凹状の窪み部30を有すると共に窪み部30には多数の小孔3Hが形成されることが好ましい。中央の拡声プレートの上面窪みと多孔穴とにより、報知音が効率的に拡声される。
【0013】
また拡声プレート3の窪み部30の中央部分にはさらに上面が凹状に窪んだ、矩形状の第二窪み301が形成され、また複数の立設脚部間には側方へ解放した側部開口320が複数個形成される。
矩形状の第二窪み301によって拡声プレート3の中央の窪み部30の一部が薄板で構成され、グローブ2の中央孔20からの報知音を薄板部分で乱反射させることができる。また、この乱反射した報知音を、複数の側部開口320から外部へ発生させることで、ドーム形状の周囲へ報知音を拡声させた状態で発音することができる。また、複数の小孔3Hや側部開口320によって、グローブ2内の放熱機能を備えたものとなる。なお、拡声プレート3がアルミニウム金属などの導電性材からなる場合、さらに放熱機能を備えたものとなる。
【0014】
すなわち、拡声プレート3が複数の立設脚部を有し、板中央に凹状の窪み部30を有した円板又は多角形板からなることで、中央孔の防水化だけでなく、中央孔20からの拡声と放熱機能を備えた報知灯となる。
【0015】
(4)前記報知灯において、本体部1は、短筒体の上部に、拡散プリズム及び発光素子を備えた報知光の発光基板12を有すると共に、短筒体の内部に、発光素子の発光及び防水スピーカの報知音を制御する制御基板11を有し、これら発光基板及び制御基板とによって二重に離間配置された発光装置を構成することが好ましい。
【0016】
動作時に比較的高熱となる発光基板12の下方に、高熱化しない制御基板11が短筒内収容されることで、上下二重の離間基板によって発光装置を構成する。グローブ内に開放した上部に発熱基板を設け、非発熱基板と分離構成することで、上部では動作時にグローブ側へ排熱しやすく、内部に浸水しにくい構造となっている。発光基板12はその上面に、基板配線された複数の発光素子を、板中心の周りに複数個離間配置してなると共に、この発光素子の上部を覆って、透明の三角柱体を放射状に組み合わせた上方凸状の立体からなる拡散プリズム13が取り付けられる。これにより、万一発光基板12まで浸水した場合でも、より下方への浸水を抑制することができる。すなわち、万一発光部へ浸水した場合でも発光基板12上面の大部分を拡散プリズム13が覆うことで基板の下方への浸水を妨げることができる。一方、拡散プリズム13の三角柱体によって、発光素子の光をグローブ内で所定の方向を中心として拡散させるプリズム拡散効果を得ることができる。
【0017】
(5)前記報知灯において、本体部1は、短筒体の下部の下枠15内に、三方又は四方の部分方形状の嵌め込み枠161,162を設けると共に、当該嵌め込み枠に嵌め込まれる箱状の取付け板6を具備し、さらに、嵌め込み枠に嵌め込まれた取付け板を固定する固定ビス62Bを具備した取付け構造を有することが好ましい。
この取付け構造は、取付け板6の周囲と下枠15との間に下部空間150が形成される。またさらに、取付け板ないし嵌め込み枠の一部には、嵌め込まれた取付け板ないし嵌め込み枠の対応部分を互いに係止させる係止構造が設けられることが好ましい。
【0018】
すなわち、本体部1の下枠15の底面形状よりも一回り小さな取付け板6をはめ込む取付け構造によって、取付け用のアングル部品や、壁面又は天井面から突出したりはみ出したりする部材を有することがない。このため、本発明の一体型の報知灯を、取付け面に沿って体裁よく取り付けることができる。また下枠内一杯に取付け板6が設けられるのではなく、下枠内と取付け板6との間に弦と円弧で囲われた部分円からなる下部空間150が複数個形成される。この下枠15と下部空間150の形成によって、取付け面との間に止水ないし浸水防止スペースが確保され、取付け面の防水機能に優れたものとなる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は上記手段を講じることで、スピーカと報知灯とを上部に一体化させたコンパクトな構成とすることで、報知音を取り付け面の正面(法線)側ないしその周囲へ効率的に拡声することができ、また、報知光をその周囲から効率的に拡光することができる。また、スピーカと報知灯とを上部に一体化したコンパクトな構成でありながら、止水性に優れた報知灯をなすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施例1の形態に係る報知灯の平面図である。
【
図2】実施例1の形態に係る報知灯の底面図である。
【
図3】実施例1の形態に係る報知灯の内部構造を示す、
図1のA−A断面図である。
【
図4】実施例1の形態に係る報知灯の内部の構成を示す、
図1のA−A断面相当部分の分解図である。
【
図5】実施例1の形態に係る報知灯の壁面への取付け途中の状態を示す、
図1のA−A断面図部分の分解図である。
【
図6】実施例1の形態に係る報知灯のグローブを取り外した状態を示す、
図4のB−B断面図部分の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る報知灯の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し以下において構成の名称に続けて記載する数字乃至アルファベットは、図面の理解のために便宜的に付した符号であり、これによって構成の概念ないし形状、構造を限定する趣旨ではない。
【0022】
本発明の報知灯100の構成は、
図1ないし
図6(実施例1)に示すように、
下面を取り付け面とした短筒体からなると共に、その上部に、プリズム放光体13及び発光素子を含む発光装置を備えた本体部1と、
本体部1の上部を覆って取り付けられるドーム状のグローブ2と、
グローブ2の頂部中央に形成された中央孔20の上方を覆って取り付けられる蓋状の拡声プレート3と、
グローブ2の前記中央孔20の下方を覆ってグローブ2の内側に取り付けられる防水スピーカ4と、を具備してなる。
【0023】
本発明の主な特徴として、
図2に示すように、本体部1は、短筒体の下部の下枠15内に、三方の部分方形状の嵌め込み枠161,162を設けると共に、当該嵌め込み枠に嵌め込まれる箱状の取付け板6を具備し、さらに、嵌め込み枠を貫通して嵌め込まれた取付け板を外方からビス固定する固定ビス62Bを具備した取付け構造を有する。この取付け構造はまた、取付け板6の周囲と下枠15との間に下部空間150が形成される。すなわち、本体部1の下枠15の底面形状よりも一回り小さな取付け板6をはめ込む取付け構造によって、取付け用のアングル部品や、壁面又は天井面から突出したりはみ出したりする部材を有することがない。
【0024】
このため、本発明の一体型の報知灯を、取付け面に沿って体裁よく取り付けることができる。また下枠内一杯に取付け板6が設けられるのではなく、下枠内と取付け板6との間に弦と円弧で囲われた部分円からなる下部空間150が複数個形成される。この下枠15と下部空間150の形成によって、取付け面との間に止水ないし浸水防止スペースが確保され、取付け面の防水機能に優れたものとなる。
【0025】
またさらに、取付け板及び嵌め込み枠の一部であって、固定ビス62Bのビス固定方向と逆の位置には、嵌め込まれた取付け板ないし嵌め込み枠の対応部分を互いに係止させる係止突起構造が設けられる。実施例では短距の嵌め込み枠162の先側に、先折れ片からなる係止突起16Tが設けられると共に、取付け板6には、これに係止する係止孔6Hが設けられる。
【0026】
本発明の主な特徴として、
図3に示すように、グローブ2の頂部には中央孔20が形成されると共に、中央孔20の周囲近傍の下部のグローブ2内側面に防水スピーカ4が固定され、中央孔の周囲近傍の上部のグローブ2外面に拡声プレート3が固定される。警告音の作動時には、防水スピーカ音が中央孔から拡声プレートによって拡声されることで、警告音を報知する。
【0027】
また、前記防水スピーカ4は、上方拡径した円錐状のフレームと、フレームの上部周囲から円錐内部にかけて取り付けられたすり鉢状の振動板と、振動板中央に取り付けられたセンターキャップとを、連続した防水構造で有すると共に、フレームの上部周囲に環状の止水材4Gが係止される。
図4ないし5に示すように、防水スピーカ4の周囲を上方へ圧着する固定具5によって前記フレームの上部周囲の環状の止水材4Gがグローブ2の中央孔20の周囲に圧着することで、上方からの浸水を確実に抑制する止水構造をなす。
【0028】
本発明の報知灯を壁又は天井の取付け面Wに取り付ける際は、
図5に示すように、先に取付け板6を止めビス66Bによって壁面に取り付けておき、取付け板6の係止孔6Hと係止突起16Tとが係止するように本体部1の下枠15を取り付け面Wに対して斜めに対向させてから、取付け板6を嵌め込み枠161,162の枠外に沿ってはめ込ませるように、下枠15の下端を取り付け面Wに合わせる。このとき、
図2に示すように、三方の嵌め込み枠161、162の開放部分に平行形成した2枚の規制枠163によって、取付け板6がずれないように規制される。その後、
図5に示すように、固定ビス62Bを2枚の規制枠163の間に挿入してビス固定する。
【0029】
図6に示すように、本体部の上面には、8個の発光素子が平面視周方向に配置されると共に、各発光素子の上部を覆って、平面視8方向の連続成形部からなるプリズム放光体13が固定される。警告光の作動時には、8個の発光素子が周方向に沿って隣り合う順に発光、もしくは一斉点滅し、この光がプリズム放光体によって反射及び放光されることで、警告光を回転灯様、もしくは点滅表示灯様に報知する。
【0030】
以下、実施例の各構成について詳述する。
【0031】
(本体部1)本体部1は、下面を取り付け面として内部に上下二段の孔あき仕切り板を設け、上方に開放した円形断面の短筒体からなると共に、その上部に、プリズム放光体13及び発光素子を含む発光基板を備え、その内部に、発光素子の発光及び防水スピーカの発声を制御する制御基板を備える。これら発光基板、制御基板及び各基板の附属品であるプリズム放光体13によって発光装置が構成される。
また本体部1は、短筒体の上部に、拡散プリズム及び発光素子を備えた報知光の発光基板12を有すると共に、短筒体の内部に、発光素子の発光及び防水スピーカの報知音を制御する制御基板11を有し、これら発光基板及び制御基板とによって二重に離間配置された発光装置を構成する。基板上面は
図6に示すように一部(
図6の左部)が直線的に欠けた円板からなり、発音種類の切り替えスイッチ12Sとボリュームスイッチ12Vが端部に備えられると共に、矩形の中央孔130が設けられる。プリズム放光体13は、中央孔130の周りを覆う、皿状の中央多角形板133と中央多角形板133の周囲に張り出した連接板132と、4つの三角柱が連接された8個の複合プリズム体131とを具備して一体的に構成される。
【0032】
動作時に比較的高熱となる発光基板12の下方に、高熱化しない制御基板11が短筒内収容されることで、上下二重の離間基板によって発光装置を構成する。グローブ内に開放した上部に発熱基板を設け、非発熱基板と分離構成することで、上部では動作時にグローブ側へ排熱しやすく、内部に浸水しにくい構造となっている。発光基板12はその上面に、基板配線された複数の発光素子を、板中心の周りに複数個離間配置してなると共に、この発光素子の上部を覆って、透明の三角柱体を放射状に組み合わせた上方凸状の立体からなる拡散プリズム13が取り付けられる。これにより、万一発光基板12まで浸水した場合でも、より下方への浸水を抑制することができる。すなわち、万一発光部へ浸水した場合でも発光基板12上面の大部分を拡散プリズム13が覆うことで基板の下方への浸水を妨げることができる。一方、拡散プリズム13の三角柱体によって、発光素子の光をグローブ内で所定の方向を中心として拡散させるプリズム拡散効果を得ることができる。
【0033】
(グローブ2)
グローブ2は、グローブ本体が透光性を有した着色体でドーム状に成形されると共に、ドーム状の頂部中央に円形の中央孔20が形成される。本体部1の上部を覆って螺子部2D,10Sによってネジ式に取り付けられる。中央孔20の周囲近傍のグローブ2内側面には、断面倒立U字型の、円溝を有した弾性一体材からなる止水材4が密着固定される(
図4)。この止水材4は、防水スピーカ4の周囲のフレーム上端周囲に形成された円形の係止枠が、円溝内に係止して弾性変形する。
【0034】
(拡声プレート3)
中央孔の周囲近傍の上部のグローブ2外面には蓋状の拡声プレート3がグローブ2の頂部中央に形成された中央孔20の上方を覆って固定される。警告音の作動時には、防水スピーカ音が中央孔から拡声プレートによって拡声されることで、警告音を報知する。
【0035】
(3)前記報知灯において、拡声プレート3は、複数の立設脚部を有した円板又は多角形板からなり、板中央に凹状の窪み部30を有すると共に窪み部30には多数の小孔3Hが形成されることが好ましい。中央の拡声プレートの上面窪みと多孔穴とにより、報知音が効率的に拡声される。
【0036】
また拡声プレート3の窪み部30の中央部分にはさらに上面が凹状に窪んだ、矩形状の第二窪み301が形成され、また複数の立設脚部間には側方へ解放した側部開口320が複数個形成される。
矩形状の第二窪み301によって拡声プレート3の中央の窪み部30の一部が薄板で構成され、グローブ2の中央孔20からの報知音を薄板部分で乱反射させることができる。また、この乱反射した報知音を、複数の側部開口320から外部へ発生させることで、ドーム形状の周囲へ報知音を拡声させた状態で発音することができる。また、複数の小孔3Hや側部開口320によって、グローブ2内の放熱機能を備えたものとなる。なお、拡声プレート3がアルミニウム金属などの導電性材からなる場合、さらに放熱機能を備えたものとなる。
【0037】
すなわち、拡声プレート3が複数の立設脚部を有し、板中央に凹状の窪み部30を有した円板又は多角形板からなることで、中央孔の防水化だけでなく、中央孔20からの拡声と放熱機能を備えた報知灯となる。
【0038】
(防水スピーカ4)
防水スピーカ4は、グローブ2の前記中央孔20の下方を覆ってグローブ2の内側に取り付けられる。防水スピーカ4は具体的には、上方へ解放した円柱状のフレームと、フレームの上部周囲から円柱内を覆って取り付けられた振動板とを、連続した防水構造で有すると共に、フレームの上部周囲に環状の止水材4Gが係止される。そして、前記フレームの上部周囲の環状の止水材4Gがグローブ2の中央孔20の周囲に圧着することで、止水構造をなす。また防水スピーカ4は、フレーム上部周囲に鍔状の張出部が一体的に形成されると共に、この張出部の下面の一部分にて結線部を有する。
【0039】
(固定具5)
また実施例では、前記張出部と当接してグローブの頂部内面に圧着固定される短環状の固定具5をさらに具備してなる。グローブ2の中央孔20を塞いで防水スピーカ40がグローブ2の上部内面に圧着状態で吊持されると共に、張出部の上面とグローブの内面との間に止水材4Gが介設されることで確実な止水構造をなす。また、張出部の下面にて防水スピーカ結線され、結線部を固定具5で圧着することで結線部の防水を保ちながら断線を防止することができる。
【0040】
本発明の報知灯は、煙センサ、温度センサ、人感センサ等の各種センサ或いはスイッチによって有線又は無線の信号が送信されることで作動する。各種の信号を集中制御する集中制御部を介して発音信号又は発行信号を送信するものとしてもよい。
【0041】
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明したが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本体部1の円形断面を多角形断面にしたり、防水スピーカ4を上方拡径型のものにしたり、防水スピーカ4や発光基板12の防水構造を、耐水フィルムで上面部分をラミネートする加飾成形によって達成するなど、本発明の範囲を逸脱することなく、種々の改良や変更を行うことができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0042】
本体部1
制御基板11
発光基板12
拡散プリズム13
下枠15
下部空間150
嵌め込み枠161,162
グローブ2
中央孔20
拡声プレート3
窪み部30
第二窪み301
側部開口320
小孔3H
防水スピーカ4
止水材4G
固定具5
取付け板6
固定ビス62B