(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コンタクト面(202)に配置された第1のコンタクト電極(210)および第2のコンタクト電極(220)をそれぞれが備える複数の発光ダイオードチップ(200)、
を備え、
前記複数の発光ダイオードチップ(200)は、多層回路基板(300)の上面(301)に配置されており、
前記第1のおよび第2のコンタクト電極(210,220)は、前記多層回路基板(300)の前記上面(301)に配置された第1のメタライゼーション層(330)に電気接続されており、
導電性ダイアタッチフィルム(380)のパターニングされた区画部分が前記複数の発光ダイオードチップ(200)のそれぞれの前記コンタクト面(202)に配置されており、該区画部分は、前記複数の発光ダイオードチップ(200)のそれぞれの前記第1のおよび第2のコンタクト電極(210,220)を前記第1のメタライゼーション層(330)に電気接続している、
ビデオウォールモジュール(100)。
異方性導電膜(390)が前記多層回路基板(300)の前記上面(301)に配置されており、前記異方性導電膜は、前記複数の発光ダイオードチップ(200)の前記第1のおよび第2のコンタクト電極(210,220)を前記第1のメタライゼーション層(330)に電気接続している、
請求項1に記載のビデオウォールモジュール(100)。
前記複数の発光ダイオードチップ(200)は、前記多層回路基板(300)の前記上面(301)に配置されたポッティング材(370)に少なくとも部分的に埋め込まれている、
請求項1または2に記載のビデオウォールモジュール(100)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、ビデオウォールモジュールを提供することを1つの目的とする。本発明のもう1つの目的は、ビデオウォールモジュールの製造方法を特定することである。これらの目的は、各独立請求項に係るビデオウォールモジュールおよびビデオウォールモジュールの製造方法によって実現される。様々な発展形態が従属請求項において特定される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ビデオウォールモジュールが複数の発光ダイオードチップを備え、複数の発光ダイオードチップは、それぞれ、コンタクト面に配置された第1のコンタクト電極および第2のコンタクト電極を備える。各発光ダイオードチップは、多層回路基板の上面に配置されている。各コンタクト電極は、多層回路基板の上面に配置された第1のメタライゼーション層に電気接続されている。
【0005】
有利なことに、本ビデオウォールモジュールの発光ダイオードチップの場合、第1のコンタクト電極および第2のコンタクト電極は、発光ダイオードチップの同じ面に配置されている。その結果、本ビデオウォールモジュールの発光ダイオードチップは、容易に電気的に接触されうる。具体的には、本ビデオウォールモジュールの場合、発光ダイオードチップの上方に接触用の構造を配置する必要がない。その結果、本ビデオウォールモジュールは、高い費用効率で製造され得、また、頑丈に、かつダメージを受けにくく形成されている。
【0006】
本ビデオウォールモジュールの一実施形態では、各発光ダイオードチップのコンタクト面に、導電性ダイアタッチフィルムのパターニングされた区画部分(section)が配置されている。導電性ダイアタッチフィルムは、発光ダイオードチップのコンタクト電極を第1のメタライゼーション層に電気接続している。これにより、有利なことに、各発光ダイオードチップの辺長が非常に小さく、各発光ダイオードチップのコンタクト電極が互いに非常に接近して配置されている場合でも、各発光ダイオードチップの電気的接触を容易にかつ高い信頼性で行うことができる。具体的には、各発光ダイオードチップのコンタクト電極を第1のメタライゼーション層に電気接続するために導電性ダイアタッチフィルムの上記区画部分を設けることによって、各発光ダイオードチップのコンタクト電極間の短絡が回避されうる。
【0007】
本ビデオウォールモジュールの一実施形態では、異方性導電膜が回路基板の上面に配置されており、この異方性導電膜は、各発光ダイオードチップのコンタクト電極を第1のメタライゼーション層に電気接続している。有利なことに、異方性導電膜を設けることによって、各発光ダイオードチップの辺長が小さい場合でも、各発光ダイオードチップの電気的接触を容易にかつ高い信頼性で行うことができる。具体的には、異方性導電膜を設けることによって、各発光ダイオードチップのコンタクト電極間における短絡の発生が防止されうる。
【0008】
本ビデオウォールモジュールの一実施形態では、各発光ダイオードチップは、回路基板の上面に配置されたポッティング材に少なくとも部分的に埋め込まれている。これにより、有利なことに、各発光ダイオードチップは、外的影響によるダメージから保護されている。また、ポッティング材は、ビデオウォールモジュールの上面に有利な、平滑および均一な表面を形成しており、この表面の光反射率を、用途に応じて所望の高さ/低さとしてもよい。この目的のために、適した光学反射特性のポッティング材を選択してもよい。
【0009】
本ビデオウォールモジュールの一実施形態では、回路基板は、第2のメタライゼーション層を備える。この場合、第1のメタライゼーション層のいくつかの区画部分と第2のメタライゼーション層のいくつかの区画部分とは、回路基板に配置されたスルーコンタクトによって互いに電気接続されている。有利なことに、本ビデオウォールモジュールの回路基板の各メタライゼーション層により、ビデオウォールモジュールの各発光ダイオードチップ複雑な電気配線が可能になる。具体的には、第1のメタライゼーション層および第2のメタライゼーション層の存在によって、導線が交差することもできる。
【0010】
本ビデオウォールモジュールの一実施形態では、各発光ダイオードチップは、マトリクスの行列に論理的に(logically)分布している。この場合、各発光ダイオードチップの第1のコンタクト電極は、第1のメタライゼーション層によって、列単位で互いに電気接続されている。各発光ダイオードチップの第2のコンタクト電極は、第2のメタライゼーション層によって、行単位で互いに電気接続されている。したがって、本ビデオウォールモジュールの各発光ダイオードチップは、交差マトリクス配線(cross-matrix interconnection)で配置されている。有利なことに、この交差マトリクス配線によって、マトリクスの1つの論理行の発光ダイオードチップのすべてを、マトリクスの残りの行の発光ダイオードチップが駆動されていない状態で、同時に互いに独立して駆動することができる。マトリクスの個々の行を、マルチプレックス動作(multiplexing operation)において一時的に連続的に駆動してもよい。これにより、ビデオウォールモジュールの各発光ダイオードチップに個別の独立した制御用導線を設ける必要なく、本ビデオウォールモジュールの各発光ダイオードチップを、ビデオウォールモジュールの残りの発光ダイオードチップとは独立して駆動することができる。
【0011】
本ビデオウォールモジュールの一実施形態では、回路基板は、第3のメタライゼーション層を備える。この場合、第2のメタライゼーション層のいくつかの区画部分と第3のメタライゼーション層のいくつかの区画部分とは、回路基板に配置されたスルーコンタクトによって互いに電気接続されている。有利なことに、第3のメタライゼーション層を設けることによって、ビデオウォールモジュールの電気的インタフェースの設計における自由度を高めることができる。
【0012】
本ビデオウォールモジュールの一実施形態では、第3のメタライゼーション層は、ビデオウォールモジュールの外側電気コンタクトパッドを形成する。有利なことに、この場合、第3のメタライゼーション層によって、外側電気コンタクトパッドの幾何学的形状を、所望の適用分野に合わせて適合することができる。外側電気コンタクトパッドの数をビデオウォールモジュールの発光ダイオードチップの数より少なくしてもよいため、ビデオウォールモジュールがコンパクトな外寸で形成され得、また容易に電気的に接触可能でありうることが、本ビデオウォールモジュールの1つの利点でありうる。
【0013】
本ビデオウォールモジュールの一実施形態では、回路基板は、組み込まれた電子部品を備える。回路基板に組み込まれた電子部品は、ビデオウォールモジュールの各発光ダイオードチップの駆動に役立ちうる。一例を挙げると、回路基板に組み込まれた電子部品は、ビデオウォールモジュールの、マルチプレックス動作において交差マトリクス配線で配線された各発光ダイオードチップの駆動に役立ちうる。有利なことに、本ビデオウォールモジュールは、回路基板に駆動用電子部品を組み込むことによって特に容易に使用可能になりうる。
【0014】
本ビデオウォールモジュールの一実施形態では、2つまたは3つの隣接した発光ダイオードチップが、1つのピクセルを形成している。この場合、1つのピクセルを共に形成する各発光ダイオードチップを、異なる色の光を出射するように構成してもよい。一例を挙げると、赤色の波長域で出射する発光ダイオードチップ、緑色の波長域で出射する発光ダイオードチップ、および青色の波長域で出射する発光ダイオードチップがビデオウォールモジュールの1つのピクセルを形成していてもよい。したがって、有利なことに、本ビデオウォールモジュールでは、カラーで表示することができる。
【0015】
本ビデオウォールモジュールの一実施形態では、各ピクセルは、回路基板の上面に矩形格子状に配置されている。それにより、有利なことに、本ビデオウォールモジュールは、ピクセルから構成される画像を表示することに適している。
【0016】
本ビデオウォールモジュールの一実施形態では、1つのピクセルの各発光ダイオードチップは、互いに直線的に並置されている。これにより、有利なことに、ビデオウォールモジュールの画像が特に高品質になりうる。
【0017】
ビデオウォールモジュールの製造方法が、第1のメタライゼーション層が多層回路基板の上面に配置された多層回路基板を設けるステップと、複数の発光ダイオードチップを設けるステップと、多層回路基板の上面に各発光ダイオードチップを配置するステップと、を含み、各発光ダイオードチップは、第1のコンタクト電極および第2のコンタクト電極が配置されたコンタクト面を備え、各コンタクト電極は、第1のメタライゼーションに電気接続される。
【0018】
有利なことに、本方法では、第1のコンタクト電極および第2のコンタクト電極が発光ダイオードチップの共通の面に配置された発光ダイオードチップを使用することができる。その結果、本製造方法では、各発光ダイオードチップの上に配置される配線構造を設ける必要がないため、本方法によって得られるビデオウォールモジュールは、頑丈にかつ障害が生じにくいように形成されうる。
【0019】
本方法の一実施形態では、各発光ダイオードチップを設けるステップでは、導電性ダイアタッチフィルムの区画部分を各発光ダイオードチップのコンタクト面に配置し、導電性ダイアタッチフィルムの、第1のコンタクト電極に接触する部分と第2のコンタクト電極に接触する部分とが互いに電気的に絶縁されるように導電性ダイアタッチフィルムをパターニングする。本方法のこの実施形態では、各発光ダイオードチップは、導電性ダイアタッチフィルムの区画部分が、それぞれ、コンタクト電極を第1のメタライゼーション層に電気接続するように回路基板の上面に配置される。それにより、有利なことに、本方法では、形成された各発光ダイオードチップにおいて辺長が小さくかつ各コンタクト電極間の距離が小さい場合でも、容易にかつ高い信頼性で各電気発光ダイオードチップの電気的接触を行うことができる。この場合、特に、導電性ダイアタッチフィルムを使用することによって、各発光ダイオードチップのコンタクト電極間の短絡が形成されなくなる。
【0020】
本方法の一実施形態では、導電性ダイアタッチフィルムのパターニングは、レーザーによって行われる。それにより、有利なことに、導電性ダイアタッチフィルムのパターニングは、特に容易に、速やかに、かつ正確に実行可能である。
【0021】
本方法の一実施形態では、導電性ダイアタッチフィルムは、複数の発光ダイオードチップを含むチップウェハに配置される。この場合、各発光ダイオードチップは、導電性ダイアタッチフィルムのパターニングプロセス後に導電性ダイアタッチフィルムと共に個片化される。したがって、導電性ダイアタッチフィルムのパターニングは、発光ダイオードチップがまだウェハ集合体の中にある間に行われる。その結果、本方法を、特に容易に、速やかに、かつ高い費用効果で実行することができる。
【0022】
本方法の一実施形態において、回路基板の上面に各発光ダイオードチップを配置するステップでは、回路基板の上面に異方性導電膜を配置し、異方性導電膜が各発光ダイオードチップのコンタクト電極を第1のメタライゼーション層に電気接続するように各発光ダイオードチップを回路基板の上面に配置する。有利なことに、本方法では、各発光ダイオードチップの大きさが小さくかつ各発光ダイオードチップにおいて各コンタクト電極間の距離が小さい場合でも、高い信頼性で各発光ダイオードチップの電気的接触を行うことができる。具体的には、異方性導電膜を使用することによって、各発光ダイオードチップのコンタクト電極間の短絡が形成されるリスクが低減されうる。
【0023】
本方法の一実施形態では、回路基板の上面に各発光ダイオードチップを配置するステップでは、回路基板の上面に電気絶縁性接着剤を塗布し、回路基板の上面に各発光ダイオードチップを配置する。この場合、各発光ダイオードチップのコンタクト電極の、および/または第1のメタライゼーション層の微細な金属先端部は、局所的に電気絶縁性接着剤を貫通し、各発光ダイオードチップのコンタクト電極を第1のメタライゼーション層に電気接続する。有利なことに、本方法では、各発光ダイオードチップの大きさが小さくかつ各発光ダイオードチップにおいてコンタクト電極間の距離が小さい場合でも、容易にかつ高い信頼性で各発光ダイオードチップを回路基板の上面に固着することができ、かつ同時に、高い信頼性で各発光ダイオードチップの電気的接触を行うことができる。
【0024】
本方法の一実施形態では、本方法は、ポッティング材を回路基板の上面に配置するさらなるステップを含む。各発光ダイオードチップは、ポッティング材に少なくとも部分的に埋め込まれる。有利なことに、各発光ダイオードチップは、ポッティング材の中に埋め込まれることによって外的な影響によるダメージから保護される。また、ポッティング材は、所望の光学反射特性を有する均質の上面を形成してもよい。
【0025】
本発明の上記性質、特徴、および、利点、ならびにそれらの実現方法は、それぞれが概略図を示す図面に関連して詳細に説明される例示的な実施形態の以下の記述に関連してさらに明らかとなり、またさらに明確に理解される。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、ビデオウォールモジュール100の非常に概略的な平面図である。ビデオウォールモジュール100の基本的な幾何学的形状を例示するために、ビデオウォールモジュール100の
図1における例示は、完全なものではなく、簡素化されている。
【0028】
ビデオウォールモジュール100は、さらに大きなビデオウォールを構築するためのモジュールとして役立ちうる。この場合、ビデオウォールは、同種のビデオウォールモジュール100を複数備えうる。ビデオウォールは、単色または多色の静止画または動画を表示することに役立ちうる。
【0029】
ビデオウォールモジュール100は、規則的な2次元の矩形格子120の形に配置された複数のピクセル110を含む。
図1の例では、矩形格子120には、列122が16列、行121が16行含まれている。したがって、ビデオウォールモジュール100は、16×16個のピクセル110を含む。しかしながら、異なる数のピクセル110を有するビデオウォールモジュール100を構成することができる。例えば、8×8個のピクセル110、4×4個のピクセル110、または32×32個のピクセル110を有するビデオウォールモジュールを構成することができる。ビデオウォールモジュール100の矩形格子120の行121の数が矩形格子120の列122の数と異なることもできる。この場合、ビデオウォールモジュール100は、例えば8×16個のピクセル110を含んでいてもよい。
【0030】
ビデオウォールモジュール100のピクセル110は、
図1の例では正方形状に構成されている。矩形格子120も
図1の例では正方形であるため、ビデオウォールモジュール100は、全体として正方形である。しかしながら、ピクセル110を矩形状に構成してもよい。この場合、ビデオウォールモジュール100は、正方形ではない矩形状でありうる。正方形ではない矩形状のピクセル110を構成し、ビデオウォールモジュール100が全体として正方形になるように異なる数の行121および列122を有する矩形格子120を構成することも考えられる。
【0031】
矩形格子120の2×2個の隣接ピクセル110が、それぞれ、関連ピクセル110のブロック130を形成する。したがって、
図1の例では、ビデオウォールモジュール100の矩形格子120は、8×8個のブロック130を含む。
【0032】
ビデオウォールモジュール100の個々のピクセル110の辺長を、例えば0.3mm〜2mmとしてもよく、特に例えば0.5mm〜1mmとしてもよい。したがって、ピクセル110を正方形状に構成する場合、ピクセル110の大きさを、例えば1mm×1mmとしてもよい。この場合、ビデオウォールモジュール100の辺長は、例えば16mmでありうる。公差を補償するためにビデオウォールモジュール100の辺長が若干小さい(例えば辺長が15.9mmである)ことが好都合でありうる。
【0033】
ビデオウォールモジュール100の各ピクセル110は、
図1の例では3つの発光ダイオードチップ(LEDチップ)200を備える。ピクセル110の3つの発光ダイオードチップ200を、異なる色の光を出射するように構成してもよい。一例を挙げると、ピクセル110の3つの発光ダイオードチップ200を赤色光、緑色光、および青色光を出射するように構成してもよい。ピクセル110の発光ダイオードチップ200によって出射された放射の加法混色によって、各ピクセル110は、広範に調節可能な色を有する光を発することができる。
【0034】
しかしながら、1つのピクセル110あたりの発光ダイオードチップ200の数が異なるビデオウォールモジュール100を構成することもできる。一例を挙げると、ビデオウォールモジュール100の各ピクセル110は、1つの発光ダイオードチップ200、2つの発光ダイオードチップ200、または4つ以上の発光ダイオードチップ200を備えていてもよい。この場合、各発光ダイオードチップ200を、例えば青色光、緑色光、黄色光、赤色光、または橙色光を出射するように構成してもよい。
【0035】
図1の例では、1つのピクセル110の個々の発光ダイオードチップ200は、互いに直線的に並置されている。この場合、発光ダイオードチップ200は複数列に配置されており、ビデオウォールモジュール100の矩形格子120の1つの行121のすべてのピクセル110のすべての発光ダイオードチップ200は、共通の行に配置されている。しかしながら、ビデオウォールモジュール100の矩形格子120の1つの列122のすべてのピクセル110のすべての発光ダイオードチップ200が共通の列に配置されるように、1つのピクセル110の各発光ダイオードチップ200を互いに一列に直線的に並置することもできる。1つのピクセル110の個々の発光ダイオードチップ200を、直線的にではなく、例えば三角形状にまたは縦方向にずらして並置することもできる。ビデオウォールモジュール100の1つのピクセル110の個々の発光ダイオードチップ200の直線的配置によって、ビデオウォールモジュール100によって実現可能な画像品質の利点がもたらされうる。
【0036】
1つのピクセル110の個々の発光ダイオードチップ200の間隔(発光ダイオードチップと発光ダイオードチップの間隔)を、例えば、30μm〜60μmの間としてもよい。この場合、個々の発光ダイオードチップ200の辺長は、例えば、0.1mm〜0.5mmの間である。
【0037】
図2は、ビデオウォールモジュール100の一部の概略的な断面側面図である。断面の境界の経路を
図1に示す。
【0038】
各発光ダイオードチップ200は、放射出射面201および放射出射面201の反対側のコンタクト面202を備える。各発光ダイオードチップ200を、フリップチップとして構成してもよい。各発光ダイオードチップ200は、電磁放射を放射出射面201において出射するように構成されている。
【0039】
第1のコンタクト電極210および第2のコンタクト電極220が、それぞれ、各発光ダイオードチップ200のコンタクト面202に配置されている。例えば、第1のコンタクト電極210を、発光ダイオードチップ200のアノードとしてもよい。この場合、第2のコンタクト電極220は、発光ダイオードチップ200のカソードを形成する。しかしながら、第1のコンタクト電極210が発光ダイオードチップ200のカソードを形成し、第2のコンタクト電極220がアノードを形成することもできる。第1のコンタクト電極210および第2のコンタクト電極220の両電極は、コンタクト面202の様々な位置に、特に例えば交錯配置(interlaced arrangement)で配置された複数の部分電極に細分されていてもよい。
【0040】
ビデオウォールモジュール100の各発光ダイオードチップ200は、多層回路基板300の上面301に配置されている。回路基板300を、プリント回路基板(PCB:printed circuit board)ともいう。各発光ダイオードチップ200は、発光ダイオードチップ200のコンタクト面202が回路基板300の上面301と対向し、発光ダイオードチップ200の放射出射面201が回路基板300の上面301とは反対側を向くように回路基板300の上面301に配置されている。
【0041】
図2の例では、多層回路基板300は、第1の回路基板層310および第2の回路基板層320を備える。第1の回路基板層310が第2の回路基板層320の上に配置されているため、第2の回路基板層320よりも第1の回路基板層310が発光ダイオードチップ200の近くに配置されている。
【0042】
第1のメタライゼーション層330が、第1の回路基板層310の発光ダイオードチップ200と対向する上面に配置されている。第1のメタライゼーション層と第1の回路基板層310の上面とが回路基板300の上面301を形成している。第2のメタライゼーション層340が、第1の回路基板層310と第2の回路基板層320の間に配置されている。第3のメタライゼーション層350が、第2の回路基板層320の第1の回路基板層310とは反対側の下面に配置されている。第2の回路基板層320の下面と第3のメタライゼーション層350とが、ビデオウォールモジュール100の後面102を形成している。
【0043】
第1のメタライゼーション層330のいくつかの区画部分と第2のメタライゼーション層340のいくつかの区画部分とは、第1の回路基板層310に配置された第1の上側スルーコンタクト311および第1の回路基板層310に配置された第2の上側スルーコンタクト312を介して互いに電気接続されている。第2のメタライゼーション層340のいくつかの区画部分と第3のメタライゼーション層350のいくつかの区画部分とは、回路基板300の第2の回路基板層320に配置された下側スルーコンタクト321を介して互いに電気接続されている。
【0044】
ビデオウォールモジュール100の回路基板300のメタライゼーション層330,340,350は、交差マトリクス配線140を形成している。交差マトリクス配線からの抜粋部分を
図3に概略的に例示する。論理行141および論理列142を含む論理マトリクスの各発光ダイオードチップ200は、交差マトリクス配線140で配置されている。発光ダイオードチップ200の1つは、1つの論理行141と1つの論理列142の交差点に配置されている。
【0045】
最も単純な場合では、交差マトリクス配線140の論理行141は、ビデオウォールモジュール100のピクセル110の矩形格子120の行121と一致している。交差マトリクス配線140の論理列142は、ピクセル110の矩形格子120の列122のように伸長している。ただし、ピクセル110あたりの発光ダイオードチップ200が3つである図の例では、ピクセル110の矩形格子120の1つの列122につき3つの論理列142が存在している。
【0046】
交差マトリクス配線140では、各発光ダイオードチップ200の各論理列142の第1のコンタクト電極210は、列ライン331によって互いに電気接続されている。したがって、列ライン331の数は、交差マトリクス配線140の論理列142の数に一致している。交差マトリクス配線140の各論理行141の各発光ダイオードチップ200の第2のコンタクト電極220は、行ライン341によって互いに電気接続されている。したがって、行ライン341の数は、交差マトリクス配線140の論理行141の数に一致している。
【0047】
交差マトリクス配線140によって、1つの論理行141のすべての発光ダイオードチップ200を同時に互いに独立して駆動することができる。その間、他のすべての論理行141の発光ダイオードチップ200は駆動されない。交差マトリクス配線140の個々の論理行141を一時的に連続的に駆動してもよく(マルチプレックス法(multiplexing method))、これにより、交差マトリクス配線140で配置されたすべての発光ダイオードチップ200が互いに独立して扱われる。
【0048】
図4は、ビデオウォールモジュール100の回路基板300の第1の回路基板層310の上面に配置された第1のメタライゼーション層330の概略平面図である。理解をより容易にするために、ビデオウォールモジュール100のピクセル110の矩形格子120を
図4にさらに示す。ピクセル110の矩形格子120を示すのは、以下に説明する
図5〜8についても同様である。
【0049】
第1のメタライゼーション層330は、交差マトリクス配線140の列ライン331を形成している。列ライン331は、ピクセル110の矩形格子120の列122と平行に伸長している。ピクセル110の1つの列122につき3つの列ライン331が存在している。各発光ダイオードチップ200は、発光ダイオードチップ200の第1のコンタクト電極210が列ライン331に電気接続されるように回路基板300の上面301に配置されている。個々の列ライン331は、互いに電気的に絶縁されている。
【0050】
図5は、ビデオウォールモジュール100の回路基板300の第1の回路基板層310に配置された第1の上側スルーコンタクト311および第2の上側スルーコンタクト312の配置を示す概略図である。
【0051】
回路基板300は、1つの列ライン331につき1つの第1の上側スルーコンタクト311を備える(すなわち、交差マトリクス配線140の1つの論理列142につき1つの上側スルーコンタクト311を備える)。各列ライン331は、第1の上側スルーコンタクト311に電気接続されている。
図5の例では、第1の上側スルーコンタクト311は、ピクセル110の各行121の間の境界に配置されている。しかしながら、第1の上側スルーコンタクト311を他の位置に配置することができる。
【0052】
さらに、回路基板300は、ビデオウォールモジュール100の1つの発光ダイオードチップ200につき1つの第2の上側スルーコンタクト312を備える(すなわち、1つのピクセル110につき3つの発光ダイオードチップ200を備えるビデオウォールモジュール100の例では、1つのピクセル110につき3つの第2の上側スルーコンタクト312を備える)。各発光ダイオードチップ200は、発光ダイオードチップ200の第2のコンタクト電極220が第2の上側スルーコンタクト312の1つに電気接続されるように回路基板300の上面301に配置されている。第1の回路基板層310の上面における第1のメタライゼーション層330は、
図4には示していないが、発光ダイオードチップ200の第2のコンタクト電極220を第2の上側スルーコンタクト312に電気接続する金属部分を備えていてもよい。
【0053】
図6は、ビデオウォールモジュール100の回路基板300の第1の回路基板層310と第2の回路基板層320との間に配置された第2のメタライゼーション層340の概略平面図である。
【0054】
第2のメタライゼーション層340は、交差マトリクス配線140の行ライン341を形成している。行ライン341は、ピクセル110の矩形格子120の行121と平行に伸長している。ピクセル110の1つの行121につき1つの行ライン341が存在している。
【0055】
第2のメタライゼーション層340の行ライン341は、ピクセル110の1つの行121のすべての発光ダイオードチップ200の第2のコンタクト電極220が、それぞれ、第2の上側スルーコンタクト312を介して共通の行ライン341に電気接続されるように配置されている。したがって、各行ライン341は、ビデオウォールモジュール100のピクセル110の1つの行121のすべての発光ダイオードチップ200の第2のコンタクト電極220を電気的に短絡させる。個々の行ライン341は、互いに電気的に絶縁されている。
【0056】
行ライン341に加えて、第2のメタライゼーション層340が行接続構造342および列接続構造343を備える。行接続構造342および列接続構造343は、それぞれ、行ライン341の間に配置されている。行接続構造342は、行ライン341に電気接続されている。この場合、各行ライン341は1つの行接続構造342に接続され、各行接続構造342は1つの行ライン341に接続されている。各列接続構造343は、互いに電気的に絶縁され、行ライン341および行接続構造342からも電気的に絶縁されている。
【0057】
図6に例示された第2のメタライゼーション層340の各列接続構造343は、第1の回路基板層310の、
図5に示される第1の上側スルーコンタクト311の正確に1つに電気接続されている。その結果、第2のメタライゼーション層340の各列接続構造343は、
図4に示される第1のメタライゼーション層330の正確に1つの列ライン331に電気接続されている。列接続構造343の数は、列ライン331の数に一致している。
【0058】
図7は、ビデオウォールモジュール100の回路基板300の第2の回路基板層320に配置された下側スルーコンタクト321の配置を示す概略図である。下側スルーコンタクト321の数は、ビデオウォールモジュール100のピクセル110のブロック130の数に一致している。1つのブロック130につき1つの下側スルーコンタクト321が設けられている。ここで、図の例では、下側スルーコンタクト321は、それぞれ、ブロック130を形成する4つのピクセル110が接する点に配置されている。しかしながら、下側スルーコンタクト321を他の位置に配置することができる。
【0059】
図6に例示された第2のメタライゼーション層340の各行接続構造342および各列接続構造343は、
図7に例示された下側スルーコンタクト321の正確に1つに電気接続されている。各下側スルーコンタクト321は、正確に1つの行接続構造342に、または正確に1つの列接続構造343に電気接続されている。この場合、行接続構造342は、行ライン341と、行ライン341に割り当てられた下側スルーコンタクト321の位置との接続を形成している。列接続構造343は、第1の上側スルーコンタクト311の位置と、割り当てられた各下側スルーコンタクト321の位置との接続を形成している。
【0060】
図8は、ビデオウォールモジュール100の回路基板300の第2の回路基板層320の下面に配置された第3のメタライゼーション層350の概略図である。ビデオウォールモジュール100の電気コンタクトパッド351は、第3のメタライゼーション層350に形成されている。電気コンタクトパッド351は、ビデオウォールモジュール100の電気的接触ためのビデオウォールモジュール100の外側コンタクトパッドとして役立ちうる。ビデオウォールモジュール100は、例えば、リフローはんだ付けによる表面実装等の表面実装(SMT実装)用に提供されうる。
【0061】
第3のメタライゼーション層350に形成された電気コンタクトパッド351の数は、回路基板300の第2の回路基板層320に配置された下側スルーコンタクト321の数に一致し、したがって、ビデオウォールモジュール100のピクセル110のブロック130の数にも一致している。各下側スルーコンタクト321は、第3のメタライゼーション層350における電気コンタクトパッド351に割り当てられている。この場合、関連付けられた下側スルーコンタクト321と同様に、各電気コンタクトパッド351は、ビデオウォールモジュール100のブロック130を形成する4つのピクセル110の交差点を中心としている。図の例では、電気コンタクトパッド351のそれぞれは正方形であるが、例えば、円板形または他の形であってもよい。
【0062】
第3のメタライゼーション層350に形成された各電気コンタクトパッド351は、回路基板300の第2の回路基板層320の、割り当てられた下側スルーコンタクト321に電気接続されている。その結果、第1の回路基板層310の第1の上側スルーコンタクト311、第2のメタライゼーション層340の列接続構造343、および第2の回路基板層320の下側スルーコンタクト321を介して、第1のメタライゼーション層330の各列ライン331は、第3のメタライゼーション層350の正確に1つの電気コンタクトパッド351に電気接続されている。また、第2のメタライゼーション層340の行接続構造342および第2の回路基板層320の下側スルーコンタクト321を介して、第2のメタライゼーション層340の各行ライン341は、第3のメタライゼーション層350の正確に1つの電気コンタクトパッド351に電気接続されている。したがって、ビデオウォールモジュール100の電気コンタクトパッド351によって、ビデオウォールモジュール100のすべての発光ダイオードチップ200を、回路基板300に形成された交差マトリクス配線140を介して電気的に駆動することができる。
【0063】
第1の回路基板層310、第2の回路基板層320、第1のメタライゼーション層330、上側スルーコンタクト311,312、第2のメタライゼーション層340、下側スルーコンタクト321、および第3のメタライゼーション層350を有するビデオウォールモジュール100の回路基板300を事前に製造してもよい。
【0064】
その後、事前に製造した発光ダイオードチップ200を、回路基板300の上面301に配置する。コンタクト電極210,220は、回路基板300の第1のメタライゼーション層330に電気接続される。
【0065】
各発光ダイオードチップ200のコンタクト電極210、220は、発光ダイオードチップ200のコンタクト面202において互いにわずかに離間していてもよい。これは、第1のコンタクト電極210および第2のコンタクト電極220が、回路基板300の第1のメタライゼーション層330への電気接続を形成するときに電気的に短絡するリスクにつながる場合がある。
【0066】
各発光ダイオードチップ200の第1のコンタクト電極210および第2のコンタクト電極220の間の短絡のリスクを低減するために、発光ダイオードチップ200のコンタクト電極210,220を第1のメタライゼーション層330に電気接続する、導電性ダイアタッチフィルム380のパターニングされた区画部分を各発光ダイオードチップ200のコンタクト面202に配置してもよい。この目的のために、導電性ダイアタッチフィルム380の上記区画部分は、はじめに各発光ダイオードチップ200のコンタクト面202に平面的に配置され、次いで導電性ダイアタッチフィルム380の、第1のコンタクト電極210に接触する部分と第2のコンタクト電極220に接触する部分とが互いに電気的に絶縁されるようにパターニングされる。例えば、レーザーによって導電性ダイアタッチフィルム380をパターニングしてもよい。
図9は、導電性ダイアタッチフィルム380の、対応するパターニングを施され、発光ダイオードチップ200のコンタクト面202に配置された区画部分を含む発光ダイオードチップ200の概略的な断面側面図である。
【0067】
次いで、各発光ダイオードチップ200は、導電性ダイアタッチフィルム380の上記区画部分が各発光ダイオードチップ200のコンタクト電極210,220を第1のメタライゼーション層330に電気接続するように回路基板300の上面301に配置される。
【0068】
各発光ダイオードチップ200をウェハ集合体において製造してもよい。この場合、一体的に連続した複数の発光ダイオードチップ200をチップウェハが含み、複数の発光ダイオードチップ200は、チップウェハの分割により製造プロセスの最後に個片化される。ウェハ集合体において初期に、導電性ダイアタッチフィルム380を、複数の発光ダイオードチップ200を備えるチップウェハに配置してもよい。次いで、各発光ダイオードチップ200が実際に個片化される前に、ウェハ集合体において導電性ダイアタッチフィルム380のパターニングも行う。導電性ダイアタッチフィルム380は、発光ダイオードチップ200の個片化プロセスにおいてチップウェハと共に分割される。
【0069】
代替として、各発光ダイオードチップ200のコンタクト電極210,220を第1のメタライゼーション層330に電気接続するために回路基板300の上面301に配置される異方性導電膜390を使用することによって、各発光ダイオードチップ200のコンタクト電極210,220の間の短絡のリスクを低減することができる。
【0070】
図10は、発光ダイオードチップ200のコンタクト面202のコンタクト電極210,220と回路基板300の上面301の第1のメタライゼーション層330の間に配置された、異方性導電膜390の区画部分を含む発光ダイオードチップ200の概略的な断面側面図である。異方性導電膜390は、はじめに回路基板300の上面301に平面的に配置される。次いで、各発光ダイオードチップ200は、異方性導電膜390が各発光ダイオードチップ200のコンタクト電極210,220を第1のメタライゼーション層330に電気接続するように回路基板300の上面301に配置される。これは、異方性導電膜390が、導電膜390の平面内での横方向(すなわち、回路基板300の上面301と平行)にではなく、異方性導電膜390の平面に対する直交方向(すなわち、回路基板300の上面301に対する直交方向)にのみ導電性を有することを利用している。異方性導電膜390のこの異方性の導電性は、発光ダイオードチップ200のコンタクト電極210,220によって異方性導電膜390に局所的に印加された圧力によってもたらされうるか、または増幅されうる。
【0071】
発光ダイオードチップ200のコンタクト電極210,220の間の短絡のリスクをほんのわずかなものにするように、各発光ダイオードチップ200を回路基板300の上面301に固着し接触させるさらなる代替的な可能性を、
図12に概略的に例示する。この変形形態では、各発光ダイオードチップ200を、電気絶縁性接着剤395によって回路基板300の上面301に固着する。例えば、電気絶縁性接着剤395を、各発光ダイオードチップ200を配置するプロセスの前に回路基板300の上面301に平面的に塗布してもよい。
図12は、発光ダイオードチップ200のコンタクト面202と回路基板300の上面301の間に配置された、電気絶縁性接着剤395の区画部分を含む発光ダイオードチップ200の概略的な断面側面図である。
【0072】
この変形形態では、各発光ダイオードチップ200のコンタクト電極210,220および/または第1のメタライゼーション層330は、微細な金属先端部211,221,332を含む。この金属先端部211,221,332は、各発光ダイオードチップ200を回路基板300の上面301に載置するプロセスの間に電気絶縁性接着剤395を局所的に貫通し、それにより各発光ダイオードチップ200のコンタクト電極210,220を第1のメタライゼーション層330に電気接続する。
【0073】
各発光ダイオードチップ200を回路基板300の上面301に配置するプロセス後、ポッティング材370を回路基板300の上面301に配置してもよい。この場合、各発光ダイオードチップ200は、ポッティング材370の中に部分的に埋め込まれる。
図2は、回路基板300の上面301に配置されたポッティング材370を示す。各発光ダイオードチップ200は、発光ダイオードチップ200の放射出射面201とコンタクト面202の間に伸長する側面はポッティング材370によって被覆されるが、発光ダイオードチップ200の放射出射面201はポッティング材370によって被覆されないようにポッティング材370に埋め込まれている。ポッティング材370は、発光ダイオードチップ200の放射出射面201と面一であってもよい。回路基板300の上面301の上に配置されたポッティング材370および各発光ダイオードチップ200の、ポッティング材370によって被覆されていない放射出射面201は、ビデオウォールモジュール100の前面101を形成する。
【0074】
ポッティング材370は、外的な影響によるダメージから各発光ダイオードチップ200を保護しうる。同時に、ポッティング材370は、ビデオウォールモジュール100の前面101の均一な外観をもたらしうる。ポッティング材370の光反射率は、用途に応じて高くても低くてもよい。ポッティング材370が光反射率が低い黒色である場合、発光ダイオードチップ200の放射出射用の放射出射面201と、ビデオウォールモジュール100の前面101の他の部分との間の特に高いコントラストが得られうる。
【0075】
ポッティング材370は、例えば、プラスチック材料(例えば、エポキシまたはシリコーン)を含みうる。ポッティング材370を、例えば、成形法(モールド方法)によって回路基板300の上面301に配置してもよい。ポッティング材370は、単純化した実施形態においては省略してもよい。
【0076】
図11は、さらなる実施形態に係るビデオウォールモジュール100の一部の概略的な断面側面図である。
図11の例示の断面は、
図2の例示とまったく同じ範囲のものである。
図11に示されるビデオウォールモジュール100の実施形態は、
図2に示されるビデオウォールモジュール100の実施形態に大部分が一致している。互いに一致する構成部品には、
図2および
図11において同じ引用符号を付す。
図2および
図11に示される実施形態の相違点のみを以下に説明する。
【0077】
図11に示すビデオウォールモジュール100の実施形態の場合、多層回路基板300が第1の回路基板層310および第2の回路基板層320に加えて第3の回路基板層360を備える。この場合、第2の回路基板層320は、第1の回路基板層310と第3の回路基板層360の間に配置されている。回路基板300の第3のメタライゼーション層350が、第2の回路基板層320と第3の回路基板層360の間に配置されている。
【0078】
第4のメタライゼーション層400が、回路基板300の第3の回路基板層360の、第2の回路基板層320とは反対側の下面に配置されている。第4のメタライゼーション層400は、ビデオウォールモジュール100の後面102を形成している。電気コンタクトパッド401が第4のメタライゼーション層400に形成されており、
図11のビデオウォールモジュール100の実施形態では、ビデオウォールモジュール100の電気的接触のためのビデオウォールモジュール100の外側電気コンタクトパッドを形成している。
図11に示すビデオウォールモジュール100の実施形態は、表面実装(例えば、リフローはんだ付けによる表面実装)のためのSMT部品として適しうる。
【0079】
第3のメタライゼーション層350のいくつかの区画部分を第4のメタライゼーション層400のいくつかの区画部分に電気接続するスルーコンタクトを第3の回路基板層360に配置してもよい。さらに、少なくとも1つの電子部品361が第3の回路基板層360に配置されている。複数の電子部品361を第3の回路基板層360に配置することもできる。電子部品361は、能動電子部品であっても受動電子部品であってもよく、例えば、抵抗器、コンデンサー、トランジスター、電子半導体チップ、または他の電子部品でありうる。電子部品361は、第3のメタライゼーション層350の電気コンタクトパッド351、および第4のメタライゼーション層400に形成された電気コンタクトパッド401に電気接続されている。
【0080】
第3の回路基板層360に配置された電子部品361は、例えば、マルチプレックス法で交差マトリクス配線140を介して各発光ダイオードチップ200を駆動するために役立ちうる。その結果、
図11に示すビデオウォールモジュール100の実施形態の場合、少なくとも発光ダイオードチップ200の駆動に必要な電子部品の一部がビデオウォールモジュール100に組み込まれている。その結果、
図11に示すビデオウォールモジュール100の実施形態は、特に容易に駆動されうる。
【0081】
ビデオウォールモジュール100のさらなる実施形態では、多層回路基板300は、
図2および
図11に示される実施形態と異なる形態に構成されている。一例を挙げると、回路基板300は、交差マトリクス配線140とは異なる配線を備えていてもよい。しかしながら、いずれの形態でも、回路基板300は、多層状に構成されており、回路基板300の上面301に配置された各発光ダイオードチップ200のコンタクト電極210,220が電気接続される第1のメタライゼーション層330を回路基板300の上面301に備える。
【0082】
好ましい例示的実施形態に基づき、本発明を詳細に例示および説明してきた。しかしながら、本発明は、開示された例に制限されるものではない。むしろ、当業者であれば、開示した例に基づき、本発明の保護範囲から逸脱することなく、他の変形形態を得ることができる。
【0083】
本特許出願は、独国特許出願第102016103324.3号の優先権を主張し、その開示内容は参照によって本明細書に援用される。