(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
サビキ釣りやカゴ釣りは、仕掛けの途中または下端部分に取り付けた撒き餌カゴにアミエビやオキアミ等の撒き餌を詰めて、この撒き餌を水中で徐々に散らせながら魚を釣る効率的な釣りであり、特に前者のサビキ釣りは対象魚が手軽なアジ、サバ、イワシ等であること、また釣り針に餌を付けなくてよいことなどから、非常に多くの釣り人に親しまれている。
【0003】
しかし、上記撒き餌カゴを使用する釣りにおいては、上述のごとく釣り針に餌を付けなくてよい場合がある反面、仕掛けの投入毎に撒き餌カゴに新たに撒き餌を詰めなければならず、従来はそのためにバケツ等に解凍した撒き餌を入れ、しゃもじ状のもので、一々これを掬って上記撒き餌カゴに詰め込まなければならなかった。
【0004】
撒き餌の詰め込みに際して上記しゃもじ状のものをあてがう方法では、カゴに充填するべき撒き餌量を詰め込むには作業しづらいことが多く、作業時間がかかるため、時合いが限られる回遊魚等を釣りあげる機会を逃しているという不都合がある。また、撒き餌を撒き餌カゴに入れる際に、撒き餌カゴを手で持ち続けて安定させる必要があるので、手が撒き餌によって汚れてしまう。
【0005】
これらの問題を解決するために、例えば、特許文献1には、撒き餌詰め器を使用する方法が開示されている。この撒き餌詰め器は、撒き餌カゴが遊嵌する有底の縦穴部と、縦穴部の周囲に形成され縦穴部の開口部に向かってすり鉢状に下降傾斜する斜面部と、斜面部から上方および下方に延設された周壁とを有している。撒き餌カゴが入れられる縦穴部の周面からは、斜面部に貫通した3本のスリット状の流路が形成されている。
【0006】
この特許文献1の撒き餌詰め器では、まず撒き餌と適量の海水などを撒き餌詰め器の中へ入れ、水と混ざった撒き餌の中へ撒き餌カゴを上方から落とすようにする。縦穴部に撒き餌カゴが入れられると、縦穴部内の液状の撒き餌は撒き餌カゴに押し出されて、スリット状の流路へと移動して、液体と共に撒き餌が上方に移動した後、撒き餌カゴに入るように構成されている。
【0007】
特許文献2には、特許文献1と同様の餌詰め用内装容器が開示されている。この特許文献2の餌詰め用内装容器は、上面開口容器の底部内側に撒き餌カゴが上下方向に出入り可能な筒形の凹部を付設し、この筒形の凹部はその周囲の容器底部内側面に連続する傾斜面を有している。そして、筒形の凹部は撒き餌カゴを出入りさせた際に撒き餌カゴの周囲に上下方向の水流が発生可能な隙間が形成される大きさに形成されている。
【0008】
一方、特許文献3には、撒き餌を収納する密閉型の収容容器と、収容容器に空気を送り込むポンプ装置を備え、ポンプ装置のポンプ作用に伴って海水と共に撒き餌を吐出する吐出管を有した撒き餌カゴへの撒き餌充填装置が開示されている。この撒き餌カゴ充填装置では、吐出管の下方に撒き餌カゴを保持して撒き餌カゴに撒き餌を充填するように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1および2に開示された容器は、手を汚すことを防ぐことはできるが、撒き餌をカゴ詰めするためには、撒き餌カゴを撒き餌の液中に浸した後、水中に浮遊する撒き餌がカゴ内に降下沈殿するのを待たなければならない。そのため、時間を要するという問題があった。また、氷塊状態で販売されている撒き餌を使用する場合、容器内に氷塊状態の撒き餌があるうちはカゴの上下運動の邪魔になるという問題もある。
【0011】
また、特許文献3に開示されたポンプを用いる装置では、構造が複雑であるうえに、重量やサイズの点で釣り人が携行するうえで難点がある。また、釣行後、かなりの手間をかけて装置全体を洗浄しておかないと、器具に撒き餌の臭いが残りやすい。また、撒き餌カゴの保持位置上部に吐出管が位置するため、撒き餌カゴを保持位置に導く際に吐出管が邪魔になるという問題がある。
【0012】
そこで、本発明はかかる問題点に鑑みて、撒き餌カゴに撒き餌を詰める際に手を汚しにくく、釣り場で迅速に撒き餌を詰めることが可能であり、さらに釣行後の洗浄が容易な撒き餌カゴ用撒き餌詰め補助具および収容容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の撒き餌カゴ用撒き餌詰め補助具は、上方へ向かうにつれて拡幅する傾斜面を持つ傾斜案内部と、前記傾斜案内部の下方に連接された撒き餌カゴ保持部とを備えた撒き餌カゴ用撒き餌詰め補助具であって、前記撒き餌カゴ保持部はその上部に撒き餌カゴと流体状の撒き餌が導入可能な導入部を有し、撒き餌カゴ開口部が上向きの状態で、前記傾斜案内部の下縁よりも下方に位置するように保持するとともに、前記撒き餌カゴに流入された流体状の撒き餌に含まれる余分な水分と撒き餌カゴには入らなかった余分な撒き餌を流下排出する排出部を持ち、前記保持部に前記撒き餌カゴが保持された状態で、前記傾斜案内部の上方から流体状の撒き餌が流入されると、前記傾斜案内部により前記撒き餌カゴ開口部に集中して流入され、余分な水分は前記撒き餌カゴにてろ過された後、前記排出部から流下排出されることで、前記撒き餌カゴに密に撒き餌をつめることができる。
【0014】
また、前記傾斜案内部の前記傾斜面が、逆円錐台状または略扇状であることが好ましい。
【0015】
また、前記撒き餌カゴ保持部が略筒状に形成され、前記導入部は、前記撒き餌カゴ保持部の上端において上方に向かって開口した開口部であり、前記排出部は、前記撒き餌カゴ保持部の下側の端面において開口した開口部であることが好ましい。
【0016】
また、前記撒き餌カゴ保持部が略筒状に形成され、前記導入部は、前記撒き餌カゴ保持部の上端において上方に向かって開口した開口部であり、前記排出部は、前記撒き餌カゴ保持部の下側の側面において開口した開口部であることが好ましい。
【0017】
また、前記撒き餌カゴ保持部が、前記撒き餌カゴ保持部の長手方向に伸縮可能な伸縮部を有していることが好ましい。
【0018】
また、前記撒き餌カゴ保持部は、使用状態において、水平方向に長く、上方が開放した箱状に形成され、前記撒き餌カゴ保持部は、前記撒き餌カゴ保持部の長手方向の両端に設けられた一対の端壁と、前記一対の端壁をつなぐ側壁とを有し、前記側壁に前記排出部が形成され、前記一対の端壁の少なくとも一方に、前記撒き餌カゴ保持部に水平に保持される撒き餌カゴに接続された釣り糸を挿通可能なスリットを有していることが好ましい。
【0019】
また、前記撒き餌カゴ用撒き餌詰め補助具がさらに、前記撒き餌が収容される収容容器に係止して、前記撒き餌カゴ用撒き餌詰め補助具を収容容器の所定の位置で保持させることが可能な係止部を有していることが好ましい。
【0020】
また、本発明の収容容器は、撒き餌を収容することができ、上記撒き餌カゴ用撒き餌詰め補助具が一体化されている。
【発明の効果】
【0021】
本発明の撒き餌カゴ用撒き餌詰め補助具および収容容器によれば、撒き餌カゴに撒き餌を詰める際に手を汚しにくく、釣り場で迅速に撒き餌を詰めることが可能であるため時合いの限られる回遊魚等を釣り上げる機会が増えるとともに、釣行後の洗浄が容易であり器具に臭いが残りにくい。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照し、本発明の撒き餌カゴ用撒き餌詰め補助具および収容容器を詳細に説明する。なお、以下の実施形態はあくまで一例であり、本発明の撒き餌カゴ用撒き餌詰め補助具および収容容器は、以下の説明および添付図面によって限定されるものではない。
【0024】
<第1実施形態>
図1〜
図3に示されるように、本実施形態の撒き餌カゴ用撒き餌詰め補助具(以下、単に補助具という)1は、上方へ向かうにつれて拡幅する傾斜面31(
図2および
図3参照)を持つ傾斜案内部3と傾斜案内部3の下方に連接された撒き餌カゴ保持部2(以下、単に保持部2という)とを備えている。保持部2は、撒き餌カゴC(
図3参照)を保持し、傾斜案内部3は、保持部2に保持された撒き餌カゴCへと、流体状の撒き餌GBを集中させつつ案内することが可能である。また、保持部2は、
図3に示されるように、その上部に撒き餌カゴCと流体状の撒き餌GBが導入可能な導入部21を有している。導入部21は、撒き餌カゴCが保持部2に保持されたときに、撒き餌カゴCの撒き餌カゴ開口部Caと同方向に開口している。また、保持部2は、撒き餌カゴ開口部Caが上向きの状態で、傾斜案内部3の下縁よりも下方に位置するように保持するとともに、撒き餌カゴCに流入された流体状の撒き餌GBに含まれる余分な水分と撒き餌カゴCには入らなかった余分な撒き餌GB1を流下排出する排出部22を持っている。なお、
図1においてオキアミなど、撒き餌カゴCに充填されるべき餌自体を参照符号GB1として説明し、水と混合されて流体状となった状態のものを参照符号GBとして説明する。
【0025】
本実施形態の補助具1は、詳細は後述するが、撒き餌GB1を充填する必要のある撒き餌カゴCを
図3に示されるように保持部2に入れて、柄杓などによって流体状の撒き餌GBを上方から補助具1に流し入れることによって、撒き餌GB1を撒き餌カゴCに容易に充填することができるものである。なお、本明細書において、「上」、「下」という場合、補助具1の通常の使用状態(すなわち、撒き餌カゴCの撒き餌カゴ開口部Caが上方に向かって開口しているとき)における、上下をいうものである。たとえば、本実施形態では、補助具1は、保持部2の長手方向が略鉛直方向となるように配置され、保持部2の上側が、流体状の撒き餌GBが供給される側となり、保持部2の下側が、流体状の撒き餌GBおよび保持された撒き餌カゴCによって水切りされた余分な水分が重力によって排出される側となる。
【0026】
本実施形態では、補助具1は、
図1に示されるように、バケツなどの収容容器Bに取り付けて使用される。たとえば、釣り具屋などで購入した冷凍された撒き餌と水とが収容容器B内に収容され、水と混ざりあって解凍され流体状となった撒き餌GBを、撒き餌カゴCに充填する際に補助具1が用いられる。なお、本明細書において「撒き餌」という場合、釣り具屋などにおいて市販されている、ブロック状の撒き餌やチューブ状容器に収容された撒き餌など、各種の撒き餌をいい、特にその種類は限定されない。また、本明細書における「撒き餌」には、市販されている撒き餌単体だけでなく、撒き餌と水とが混ざった状態のものも含まれる。
【0027】
撒き餌カゴCは、たとえばサビキ釣りなどに用いられる、各種のカゴを用いることができる。撒き餌カゴCは、
図3に示されるように、略筒状に形成され、撒き餌GB1を充填するための撒き餌カゴ開口部Caと、撒き餌GB1が充填される筒部Cbとを有している。撒き餌カゴCは釣り糸Tを介して図示しない釣竿に接続される。本実施形態では、撒き餌カゴCの下端に錘Ccが設けられている。なお、補助具1に用いられる撒き餌カゴCの形状や構造は特に限定されない。たとえば、撒き餌カゴCは、錘が付いていないものであってもよいし、蓋付きのものであってもよい。また、撒き餌カゴCは、様々な大きさのものを用いることができる。
【0028】
傾斜案内部3は、補助具1の上方から供給された流体状の撒き餌GBを傾斜面31によって撒き餌カゴCの撒き餌カゴ開口部Caへと案内する部位である。傾斜案内部3の傾斜面31は、保持部2の上側開口縁としての導入部21に連接されており、傾斜面31に載せられた流体状の撒き餌GBが導入部21へ向かって集まりつつ流下するように傾斜している。傾斜案内部3の傾斜面31の角度は、撒き餌GBが保持部2の導入部21に向かって流れるように傾斜していれば特にその角度は限定されない。
【0029】
傾斜案内部3は、本実施形態では、
図2に示されるように、上方へ向かうにつれて拡幅している。具体的には、
図2に示されるように、筒状の保持部2の上側において周方向全体に設けられた漏斗状に形成され、上方へ向かうにつれて拡径した逆円錐台形状を呈している。この場合、撒き餌カゴCの下端が傾斜案内部3の上端の開口部を通ると、撒き餌カゴCが傾斜面31に沿って保持部2に向かって案内される。したがって、撒き餌カゴCを保持部2に入れやすい。さらに、傾斜案内部3が保持部2の上側において周方向全体に設けられている場合、流体状の撒き餌GBが撒き餌カゴCに入らずに補助具1の外部へ漏れ出てしまうことが抑制される。なお、傾斜案内部3は、保持部2の上側において、保持部2の周方向の少なくとも一部に設けられていればよい。たとえば、
図4に示される変形例のように、傾斜案内部3は、保持部2の周方向に部分的に設けられていてもよい。
図4に示す変形例では、傾斜案内部3は、上方へ向かうにつれて水平方向に拡幅した略扇状に形成されている。なお、傾斜案内部3は、流体状の撒き餌GBを案内することができれば、
図2や
図4に示される形状に限定されるものではない。
【0030】
保持部2は、撒き餌カゴCを保持する部位である。保持部2は、撒き餌カゴCを保持することができれば、その形状は特に限定されない。本実施形態では、
図1〜
図3に示されるように、保持部2は略筒状に形成され、導入部21が保持部2の上端において上方に向かって開口した開口部として形成されている。
【0031】
導入部21は、保持部2へと撒き餌カゴCを導入でき、かつ、流体状の撒き餌GBを撒き餌カゴCへと導入できるように開口している。本実施形態では、
図2および
図3に示されるように円形の開口部として示されているが、導入部21は、撒き餌カゴCおよび流体状の撒き餌GBを導入することができれば、その形状は特に限定されない。たとえば、
図4の変形例に示されるように、導入部21は略半円状の開口部など、円形以外の他の形状であってもよい。
【0032】
保持部2の形状は、撒き餌カゴCを保持することができれば特に限定されない。本実施形態では、保持部2は、略筒状に形成され、撒き餌カゴCの外形に対応した形状とされている。この場合、保持部2が撒き餌カゴCの外周を取り囲むので、撒き餌カゴCを安定して保持することができる。なお、保持部2は、略角筒状であってもよいし、
図4の変形例のように、円筒を長手方向に半分に切断した形状の略半円筒状であってもよい。保持部2は、使用される撒き餌カゴCとの間に形成されるクリアランスが小さいことが好ましいが、保持部2の大きさは特に限定されない。また、保持部2は、本実施形態では、略鉛直状に配置されているが、撒き餌カゴ開口部Caを上向きに保持できるように鉛直線に対して傾斜して配置されていてもよい。
【0033】
排出部22は、補助具1の上方から保持部2内に保持された撒き餌カゴCに供給された流体状の撒き餌GBに含まれた水分と撒き餌カゴCに入らなかった余分な撒き餌を排出する部位である。排出部22は、水分と撒き餌カゴCに入らなかった余分な撒き餌を排出できるように開口した開口部として形成されている。
【0034】
本実施形態では、保持部2は、
図3に示されるように、保持部2の下側の端面において開口した排出部22aを有している。排出部22aが保持部2の下側の端面に形成されていることによって、保持部2と撒き餌カゴCとの間を通って下側に移動した水分および余分な撒き餌が容易に流下排出される。また、保持部2の下側の端面において開口した排出部22aを有している場合、補助具1の使用後、洗浄する際に、保持部2の軸方向の両端が開放しているので、洗浄時に水の流れが阻害されない。したがって、補助具1の洗浄時に、撒き餌に含まれるエビなどが保持部2内に留まることが抑制され、補助具1の洗浄が非常に容易となる。なお、保持部2の下側の端面において開口した排出部22aを形成する場合、保持部2に入れられた撒き餌カゴCが落下しないように、補助具1は、撒き餌カゴCの下端と当接して撒き餌カゴCの落下を防止する当接部23を有している。当接部23は、撒き餌カゴCの落下を防止することができれば、その構造は特に限定されない。当接部23は、本実施形態のように、1本の棒状に形成されていてもよいし、複数の棒状、ネット状など、他の形状であってもよい。
【0035】
また、本実施形態では、保持部2は、保持部2の下側の側面において開口した排出部22bをさらに有している。排出部22bを設ける場合、
図1〜
図3に示されるように、保持部2の側面において複数の開口として形成することが好ましいが、排出部22bの数は特に限定されない。また、本実施形態では排出部22bは、所定の径を有する円形の貫通孔として示されているが、排出部22bの形状や大きさは、特に限定されない。たとえば、排出部22bは、
図4の変形例に示されるように、収容される撒き餌カゴCの側面の一部が露出するように切り欠かれた切欠部としてもよい。
【0036】
また、排出部22bは、少なくとも保持部2の側面の下側に設けられていればよく、たとえば、保持部2全体をメッシュ状に形成することなどによって、排出部22bが保持部2の側面の上側にも設けられていてもよい。保持部2の側面において開口した排出部22bが設けられている場合、たとえば、撒き餌カゴCの下端が錘によって閉鎖されている場合であっても、撒き餌カゴCの側面から排出された水を容易に保持部2の外部へ排出することができる。したがって、撒き餌カゴCへの餌詰めを迅速にすることができる。
【0037】
また、本実施形態の補助具1はさらに、
図1〜
図3に示されるように、流体状の撒き餌GBが収容される収容容器Bに係止して、補助具1を収容容器Bの所定の位置で保持させることが可能な係止部4を有している。係止部4が設けられていることにより、
図1および
図3に示されるように、補助具1を収容容器Bの縁部Baに係止させ、保持部2および排出部22を収容容器Bの内部に位置付けて支持することができる。これにより、補助具1は収容容器Bに収容された流体状の撒き餌GBの液面の上方に位置付けられ、撒き餌GB1を撒き餌カゴCに充填する際に、余分な撒き餌や水分は、収容容器B内で排出部22から排出される。したがって、撒き餌カゴCに撒き餌GB1を充填する際にオキアミなどの撒き餌が無駄にならず、釣り場を汚すことが抑制される。
【0038】
係止部4の形状や構造は、補助具1を収容容器Bに係止させることができれば、特に限定されない。本実施形態では、係止部4は、
図1〜
図3に示されるように、保持部2の上端から水平に延びた後、下方に向けて延びる略L字状に形成されている。なお、係止部4は、本実施形態のように、保持部2から延びていてもよいし、
図4の変形例のように、傾斜案内部3から延びていてもよい。また、係止部4は、保持部2または傾斜案内部3に対して一体的に設けられていてもよいし、着脱可能に設けられていてもよい。
【0039】
つぎに、本実施形態の補助具1の使用方法について説明する。
【0040】
まず、釣り場において、市販されている撒き餌と適量な海水などの水をバケツなどの収容容器(以下、単にバケツという)Bに入れ柄杓などでかき混ぜて、水と撒き餌を混合し撒き餌カゴCに流しいれやすい流体状とする。このとき氷塊状態の撒き餌を使用する場合でも、その一部が水に溶け出ればよい。
【0041】
釣竿の釣り糸Tにサビキ釣り用の仕掛け(図示せず)や撒き餌カゴCの取り付けが完了すると、バケツBに補助具1を取り付けて、撒き餌カゴCに撒き餌GB1を充填する。使用者は、釣り糸Tを持って、保持部2へと撒き餌カゴCを移動させる。本実施形態では、傾斜案内部3の上方の開口から撒き餌カゴCを入れる。このとき、傾斜案内部3の傾斜面31に沿って、撒き餌カゴCの下端が摺動しながら、保持部2の導入部21へと案内され、撒き餌カゴCを容易に保持部2内へと移動させることができる。
【0042】
撒き餌カゴCが
図3に示されるように、保持部2に保持されると、柄杓などによって流体状の撒き餌GBを掬い、傾斜案内部3の上方から流体状の撒き餌GBを撒き餌カゴCに向かって流し込む。流体状の撒き餌GBは、直接撒き餌カゴC内に入らないものは、傾斜案内部3の傾斜面31に沿って流れる。これにより、導入部21を介して、保持部2の上方から保持部2に保持された撒き餌カゴCの撒き餌カゴ開口部Caへ向けて流体状の撒き餌GBが流入される。さらに、撒き餌カゴCに流入した流体状の撒き餌GB中の水分は、撒き餌カゴCで水切りされた後、重力によって排出部22から排出される。この操作により、撒き餌GB1が撒き餌カゴCに密に充填される。一度の操作で充分な撒き餌が充填されなければ、この操作を複数回繰り返すことにより、充填が完了する。撒き餌GB1の充填が完了すると、釣り糸Tを持って撒き餌カゴCを保持部2から引き上げ、釣りを行うことができる。餌がなくなると、補助具1を用いて、撒き餌カゴCへ再度撒き餌GB1の充填が行われる。
【0043】
上述したように、本実施形態では、撒き餌カゴCに撒き餌GB1を充填する際に、撒き餌カゴCが保持部2によって保持されている。そのため、撒き餌GB1の充填が容易であり、かつ、手を汚しにくい。また、本実施形態の補助具1は、構造が非常にシンプルで、部品点数が非常に少なく、モータや電源など重い部材も必要がない。そのため、補助具1を釣り場に手軽に携行することができる。
【0044】
また、撒き餌GB1を撒き餌カゴCに充填する際には、流体状の撒き餌GBを補助具1に保持された撒き餌カゴCの上方から、撒き餌カゴCの撒き餌カゴ開口部Caより面積の大きい傾斜案内部3へと流し込むだけで、流体状の撒き餌GBは傾斜面31を伝って、撒き餌カゴC内に流れ込む。そのため、手が汚れにくいだけでなく、揺れる船上であっても、また子供のように、柄杓の先端などを撒き餌カゴCの餌詰め用開口部Caへ、うまくあてがい続けることができない者であっても、容易に撒き餌GB1を撒き餌カゴCに充填させることができる。また、本実施形態によれば、撒き餌カゴCを上下に移動させるなどの煩雑な動作は不要である。なお、傾斜案内部3の大きさは、導入部21を介して撒き餌カゴ開口部Caへと容易に流体状の撒き餌GBを流し込むことができれば特に限定されないが、傾斜面31の面積は、一般的な撒き餌カゴCの撒き餌カゴ開口部Caの開口面積が7〜12cm
2であるので、その4〜6倍である、28〜72cm
2とすることが好ましい。
【0045】
また、本実施形態では、補助具1をバケツBの縁部Baに係止させ排出部22をバケツB内に配置することができるので、重力で落ちた余分な水分や撒き餌GB1は、バケツB内に戻り、釣り場が汚れない。
【0046】
また、本実施形態の補助具1では、上述した先行技術文献の発明とは異なり、氷塊状態で釣り場に持ち込まれた撒き餌GB1が完全に解凍されていない場合であっても、一部解凍されて流体状となった撒き餌GBの部分を掬って撒き餌カゴCへと速やかに充填することができる。
【0047】
また、本実施形態の補助具1は、釣りが終了した際の洗浄が容易である。補助具1は、保持部2の上側と下側との両方に開口(導入部21、排出部22)を有しているため、水道水で洗い流すと、導入部21から排出部22へと(または排出部22から導入部21へと)水が抜けて排出される。したがって、補助具1に付着した撒き餌GBを容易に洗い流すことができる。水道の設備がない釣り場も多いが、そのような場合であっても、海水などに浸けることによって、補助具1を容易に洗浄することができる。
【0048】
<第2実施形態>
つぎに、第2実施形態の補助具1について、
図5を用いて説明する。なお、以下の説明において、上述した実施形態と共通する事項についての説明は省略し、相違点を中心に説明する。なお、本実施形態の構成と、第1実施形態で説明した内容とを組み合わせて用いることができる。
【0049】
本実施形態の補助具1は、第1実施形態の縦長の撒き餌カゴCと異なり、たとえば、ヒンジにより開閉される蓋を有する横型の撒き餌カゴ(図示せず)に撒き餌GB1を充填させる際に用いられる。
【0050】
本実施形態の補助具1は、
図5に示されるように、保持部2と、傾斜案内部3と、係止部4とを有している。保持部2は、
図5に示されるように、使用状態において、水平方向に長く、上方が開放した箱状に形成されている。また、保持部2は、保持部2の長手方向の両端に設けられた一対の端壁2a、2bと、一対の端壁2a、2bをつなぐ側壁2cとを有している。一対の端壁2a、2bは互いに平行に設けられ、側壁2cは撒き餌カゴの形状に応じて湾曲した形状を有している。
【0051】
側壁2cには、複数の排出部22が形成されている。これにより、横型の撒き餌カゴを用いた場合であっても、上述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、排出部22は端壁2a、2bにも設けられていてもよい。
【0052】
また、本実施形態の補助具1は、一対の端壁2a、2bの少なくとも一方に、保持部2に水平に保持される撒き餌カゴに接続された釣り糸や釣り用金具などを挿通可能なスリットSLを有している。スリットSLに釣り糸Tや釣り用金具などを通すことができるので、横型の撒き餌カゴを容易に保持部2に水平状態で保持することができる。なお、本実施形態では、スリットSLは両方の端壁2a、2bに設けられている。
【0053】
<第3実施形態>
つぎに、第3実施形態の補助具1について、
図6(A)および(B)を用いて説明する。なお、以下の説明において、上述した実施形態と共通する事項についての説明は省略し、相違点を中心に説明する。なお、本実施形態の構成と、第1実施形態または第2実施形態で説明した内容とを組み合わせて用いることができる。
【0054】
本実施形態では、保持部2が、保持部2の長手方向に伸縮可能な伸縮部24を有している。伸縮部24は、保持部2の長手方向に伸縮可能な構造であれば特に限定されないが、たとえば、
図6(A)および(B)に示されるように、蛇腹状の伸縮部24とすることができる。
【0055】
本実施形態では、第1実施形態(または第2実施形態)で説明した効果を奏するとともに、補助具1の持ち運び時に収縮して(
図6(B)参照)、コンパクトに持ち運びをすることができる。また、バケツBの深さ、バケツB内での撒き餌GBの液面の高さ、または、撒き餌カゴCの長さに応じて補助具1の長さを調節することができる。
【0056】
<第4実施形態>
つぎに、第4実施形態の収容容器Bについて、
図7を用いて説明する。なお、以下の説明において、上述した実施形態と共通する事項(たとえば、保持部2、傾斜案内部3など)についての説明は省略し、相違点を中心に説明する。なお、本実施形態の構成と、第1実施形態、第2実施形態、または第3実施形態で説明した内容とを組み合わせて用いることができる。
【0057】
本実施形態の収容容器Bは、収容容器に補助具1が一体化した構成である。本実施形態の収容容器Bは、収容容器Bの縁部Baから傾斜案内部3が延びており、補助具1が一体化している。この構造の場合、上述した実施形態の効果に加えて、補助具1を収容容器Bにその都度取り付ける必要がない。また、補助具1が収容容器Bに一体化して固定されているので、保持部2がさらに安定して、撒き餌GBを充填することができる。
【課題】本発明は、撒き餌カゴに撒き餌を詰める際に手を汚しにくく、釣行後の洗浄が容易であり、さらに、釣り場で迅速に撒き餌を詰めることが可能な撒き餌カゴ用撒き餌詰め補助具の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の撒き餌カゴ用撒き餌詰め補助具1は、上方へ向かうにつれて拡幅する傾斜面31を持つ傾斜案内部3と、傾斜案内部3の下方に連接された撒き餌カゴ保持部2とを備え、撒き餌カゴ保持部2はその上部に撒き餌カゴと流体状の撒き餌が導入可能な導入部21を有し、撒き餌カゴ開口部が上向きの状態で、傾斜案内部3の下縁よりも下方に位置するように保持するとともに、撒き餌カゴに流入された流体状の撒き餌に含まれる余分な水分と撒き餌カゴには入らなかった余分な撒き餌を流下排出する排出部22を持っている。