(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記所望の場所への前記カテーテルおよび前記マイクロ波アブレーションプローブのナビゲーションを促進するように、電磁ナビゲーションシステムをさらに備える、請求項1または請求項2に記載のシステム。
前記カテーテルまたは前記アブレーションプローブは、電磁場内のその場所を識別するように、前記電磁ナビゲーションシステムと関連付けられる電磁センサを含む、請求項3に記載のシステム。
前記減圧源は、前記所望の場所に近接する前記領域の前記誘電定数に影響を及ぼすように、前記カテーテルを介して、前記所望の場所に近接する前記領域に吸引を印加する、請求項5に記載のシステム。
前記所望の場所に近接する前記領域に供給される前記流体の前記誘電定数は、前記マイクロ波アブレーションプローブを通して循環する冷却流体の誘電定数と実質的に同一である、請求項1または請求項2に記載のシステム。
前記マイクロ波アブレーションプローブの前記遠位端は、露出され、前記マイクロ波アブレーションプローブ用の前記冷却流体は、前記所望の場所に近接する前記領域の前記誘電定数に影響を及ぼすために、前記所望の場所に近接する前記領域の中へ注入される前記流体として使用される、請求項14に記載のシステム。
【背景技術】
【0003】
(2.関連技術の論議)
電磁場は、腫瘍を加熱、修正、破壊するために使用されることができる。例えば、癌細胞の処置は、アブレーションプローブを癌性腫瘍が識別された組織の中に挿入することを伴い得、いったんアブレーションプローブが適切に位置付けられると、アブレーションプローブは、腫瘍細胞を死滅させるように、アブレーションプローブを取り囲む組織内に電磁場を誘発させる。
【0004】
癌等の疾患の処置の際、あるタイプの腫瘍細胞は、通常、健康な細胞への傷害となる温度を若干下回る、高温で変性することが見出されている。発熱療法等の公知の処置方法は、隣接する健康な細胞を不可逆的細胞破壊が生じる温度を下回って維持しながら、罹患細胞を41℃を上回る温度まで加熱する。これらの方法は、電磁場を印加し、組織を加熱またはアブレーションすることを伴う。
【0005】
電磁場を利用するデバイスが、種々の使用および用途のために開発されている。典型的には、アブレーション手技において使用するための装置は、エネルギーを標的組織に指向するために、エネルギー源および外科手術用器具(例えば、アンテナアセンブリを有するマイクロ波アブレーションプローブ)として機能する、電力発生源、例えば、マイクロ波発生器を含む。この発生器および外科手術用器具は、典型的には、エネルギーを発生器から器具に伝送するため、かつ制御、フィードバック、および識別信号を器具と発生器との間で通信するため、複数の導体を有するケーブルアセンブリによって動作可能に結合される。
【0006】
例えば、組織アブレーション用途において使用され得る、モノポール、ダイポール、および螺旋等のいくつかのタイプのマイクロ波プローブがある。モノポールおよびダイポールアンテナアセンブリでは、マイクロ波エネルギーは、概して、導体の軸から垂直に放射する。モノポールアンテナアセンブリは、典型的には、単一伸長導体を含む。典型的ダイポールアンテナアセンブリは、直線状に整列され、その間に電気絶縁体が設置され、相互に対して端と端とが接するように位置付けられる、2つの伸長導体を含む。螺旋アンテナアセンブリは、種々の寸法、例えば、直径および長さの螺旋形状の導体構成を含む。螺旋アンテナアセンブリの主要動作モードは、螺旋によって放射される場が螺旋軸に垂直な平面において最大である、通常モード(ブロードサイド)と、最大放射が螺旋軸に沿う、軸方向モード(エンドファイア)である。
【0007】
熱アブレーションのための組織の加熱は、印加される表面または要素からの熱の伝導、電極から接地パッドに流れる電流によるイオン撹拌、光学波長吸収、またはマイクロ波アブレーションの場合、アンテナ電磁場内の水分子の誘電緩和を含む、種々のアプローチを通して遂行される。アブレーションゾーンは、2つの構成要素、すなわち、能動的アブレーションゾーンおよび受動的 アブレーションゾーンに分けられることができる。
【0008】
能動的アブレーションゾーンは、アブレーションデバイスに最も近く、大血管または気道の周囲およびその中等、非常に急速に流れる流体の面積を除き、所与の印加時間で熱組織破壊を保証するために十分に高いエネルギー吸収を受ける、組織の体積を包囲する。能動的アブレーションゾーンサイズおよび形状は、アブレーションデバイス設計によって決定される。能動的アブレーションゾーンは、したがって、組織の所与の形状および体積にわたって予測可能アブレーション性効果を生成するために使用されることができる。能動的アブレーションゾーン内のアブレーションは、典型的には5分以内に、迅速に起こる。
【0009】
受動的アブレーションゾーンは、能動的ゾーンを取り囲み、より低い強度のエネルギー吸収を被る、組織の体積を包囲する。受動的アブレーションゾーン内の組織は、所与の印加時間で組織破壊を被る場合もあり、またはそうではない場合もある。生理学的冷却は、より低いレベルエネルギー吸収からの加熱に対抗し、したがって、十分な加熱を受動的ゾーン内で生じさせず、組織を死滅させることを可能にしない場合がある。受動的ゾーン内の罹患または低灌流組織は、他の組織より加熱を受けやすくあり得、また、アブレーションゾーン内のより高温の面積から熱伝導をより受けやすくあり得る。これらの場合の受動的ゾーンは、予想外に大アブレーションゾーンをもたらし得る。標的生理学内の空間を横断するこれらの様々なシナリオに起因して、熱アブレーションを行うために受動的ゾーンに依拠することは、予測不能結果を伴って困難である。
【0010】
電磁場が、マイクロ波プローブによってある距離に誘発され得るにつれて、マイクロ波アブレーションは、大規模な能動的ゾーンを生成する潜在性を有し、その形状は、設計によって決定され、一定に保持されることができる。さらに、形状およびサイズは、具体的医療用途に適合するように設計を通して決定されることができる。不確定の受動的アブレーションゾーンに依拠せずに、所定の能動的ゾーンを利用して、予測可能アブレーションゾーンを生成することによって、マイクロ波アブレーションは、他のアブレーション性技法を用いて不可能である、あるレベルの予測精度および手技適合性を提供することができる。
【0011】
アンテナを中心とする能動的ゾーンの形状は、動作の周波数、アンテナの幾何学形状、アンテナの材料、およびアンテナを取り囲む媒体によって決定される。加熱組織等の電気特性を動的に変化させる媒体内でアンテナを動作させることは、電磁場の形状変化、したがって、能動的ゾーンの変化をもたらす。マイクロ波アンテナを中心とする能動的ゾーンの形状を維持するために、周囲媒体の電気特性の電磁場に及ぼす影響の程度は、低減される。
【0012】
アンテナを中心とする能動的ゾーンのサイズは、マイクロ波発生器からアンテナに送達され得る、エネルギーの量によって決定される。より多くのエネルギーがアンテナに送達されると、より大きい能動的ゾーンが、生成され得る。マイクロ波発生器から導波管を通してマイクロ波アンテナまでのエネルギー伝達を最大限にすることは、各システム構成要素が、同一インピーダンスを有するか、またはインピーダンス整合されることを要求する。発生器および導波管のインピーダンスは、典型的には、固定されるが、マイクロ波アンテナのインピーダンスは、動作の周波数、アンテナの幾何学形状、アンテナの材料、およびアンテナを取り囲む媒体によって決定される。加熱組織内等の動的に変化する電気特性の媒体内でアンテナを動作させることは、アンテナインピーダンスの変化およびアンテナへの可変エネルギー送達、その結果、能動的ゾーンのサイズの変化をもたらす。マイクロ波アンテナを中心とする能動的ゾーンのサイズを維持するために、周囲媒体の電気特性のアンテナインピーダンスに及ぼす影響の程度は、低減されなければならない。
【0013】
熱アブレーションでは、能動的ゾーンサイズおよび形状変化の主要原因は、電磁波の伸長である。波長伸長は、組織脱水に起因して、加熱組織内に生じる。脱水は、誘電定数を低下させ、マイクロ波場の波長を伸長させる。波長伸長はまた、組織タイプ間の可変誘電定数に起因して、マイクロ波デバイスが種々の組織タイプを横断して使用されるときにも遭遇される。例えば、電磁波は、肝臓組織内よりも肺組織内で有意に長くなる。
【0014】
波長伸長は、標的組織上へのマイクロ波エネルギーの集束を損なわせる。大体積アブレーションを用いて、略球状の能動的ゾーンが、エネルギーを略球状組織標的上に集束させることが好ましい。波長伸長は、デバイスの長さに沿って発生器に向かって電磁場を伸展させ、略彗星または「ホットドッグ」形状の能動的ゾーンをもたらす。
【0015】
波長伸長は、米国出願公開第2014/0276033号および第2014/0046174号(それぞれの開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、不変誘電定数を有する材料を用いてアンテナ幾何学形状を誘電的に緩衝することによって、医療マイクロ波アンテナ内で有意に低減されることができる。不変誘電定数の材料は、アンテナを取り囲み、アンテナ波長に及ぼす組織電気特性の影響を低減させる。誘電緩衝を通して波長伸長を制御することによって、アンテナインピーダンス整合および場形状は、維持され、所定のロバストな形状を伴う大規模な能動的アブレーションゾーンを可能にすることができる。
【0016】
生理食塩水または水等の循環流体を用いて誘電緩衝を提供することによって、これらの材料の高誘電定数は、アンテナ幾何学形状設計において活用されることができ、さらに、循環流体は、同時に、同軸供給線およびアンテナを含む、マイクロ波構成要素を冷却するために使用されることができる。マイクロ波構成要素の冷却はまた、より多くのエネルギーをアンテナに送達し、より大きい能動的ゾーンを生成するために使用され得る、構成要素のより高い電力取扱量を可能にする。
【0017】
上記で説明されるように、アンテナの周囲の能動的ゾーンの形状は、部分的に、アンテナの幾何学形状によって決定される。通常のアブレーションアンテナは、マイクロ波場形状を効果的に制御するために、波長緩衝と組み合わせてアンテナ幾何学形状を利用しない。これらのアンテナは、球形の能動的ゾーン形状を作成するわけではなく、能動的ゾーンが、組織型にわたって、または組織加熱中に堅調かつ不変であるわけでもない。これらのアンテナは、マイクロ波エネルギーがデバイス先端から発生器に向かってデバイスの外部導体に沿って拡散することを可能にする。シャフトに沿ったマイクロ波エネルギーの拡散は、彗星または「ホットドッグ」形状の能動的ゾーンをもたらす。
【0018】
マイクロ波アンテナは、インピーダンス整合を向上させ、また、所定の形状にマイクロ波エネルギーを集束することにも役立ち得る、アンテナ幾何学形状の構成要素である、バランまたはチョークを具備されることができる。波長緩衝と組み合わせられるとき、バランまたはチョークは、種々の組織型にわたって、かつ組織加熱中に、発生器に向かって外部導体に沿った電磁場の後方伝搬を効果的に遮断し、堅調な球形の能動的ゾーンにエネルギーを集束することができる。
【0019】
バランの一実装は、同軸ケーブルの外側導体上に配置されるバラン誘電体と、バラン誘電体上に配置される外側バラン導体とを含む。バランは、同軸ケーブルの外側導体がバランの内側導体である、内側同軸ケーブルの周囲に配列される同軸導波管の短い区分を作成する。バランは、アンテナの給電部の付近で同軸ケーブルの周囲に配置され、一実装では、λがバラン内の電磁波の波長である、λ/4の長さを有する。バラン外側導体および内側導体は、λ/4短絡バランを作成するように、近位端においてともに短絡させられる。
【0020】
λ/4短絡バランの機能を説明する1つの方法は、以下の通りである。電磁波が、アンテナの放射区分に沿って近位に伝搬し、バランに進入し、バランの短絡近位端から反射し、バランの遠位端まで前方に伝搬し、アンテナ放射区分上に戻るようにバランから退出する。バラン長の本配列を用いると、電磁波がバランの遠位端に到達し、アンテナ放射区分上に戻るとき、電磁波は、完全なλの相変化を蓄積している。これは、バラン内で前方に進行したλ/4距離、バラン内で後方に進行したλ/4距離、およびバランの短絡近位端からの反射とともに起こるλ/2相変化によるものである。結果は、発生器に向かってケーブルの外面に沿って伝搬するのではなく、アンテナ放射区分上の他の波動と位相同期してアンテナの遠位先端に向かって戻るように再指向される波動である、電磁波である。
【0021】
しかしながら、バランは、マイクロ波アンテナならびにマイクロ波アンテナが通過する針の直径を実質的に増大させる。針のサイズは、特に、反復処置があるときに、低侵襲手技におけるマイクロ波アンテナの用途を限定し得る。
【0022】
球形アブレーションの生成は、Emprint
TMマイクロ波アブレーションシステム等の商品において実行可能として実証されているが、そのようなシステムの改良は、常に望ましい。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(詳細な説明)
本開示は、球形アブレーションを生成し、能動的アブレーションゾーンを最大限にし、予測可能な処置結果を提供するために、熱制御(例えば、アンテナ冷却)、電磁場制御(例えば、バランの使用)、および波長制御(例えば、誘電定数に影響を及ぼす)を利用する、改良型システムおよび方法を対象とする。
【0035】
上記の3つのタイプの制御のうち、2つは以前に対処されており、第3のものは、EMPRINT
TMアブレーションシステムの開発によって部分的に対処されている。
図1に示されるように、ハブ101と、その上に形成された近位および遠位放射区分104、106を有する供給ライン102とを含む、ウォータージャケット付きマイクロ波アブレーションプローブ100が描写されている。近位および遠位放射区分104ならびに106の詳細は、
図2Aでさらに詳細に描写される。
【0036】
図1で描写されるように、供給ライン102、遠位放射区分104、および近位放射区分106を、内側冷却ジャケット108および外側冷却ジャケット110が取り囲んている。冷却流体は、流入ポート112を通って流入チャンバ114の中へ流入する。流入チャンバ114は、内側冷却ジャケット108に流体的に接続され、冷却流体は、内側冷却ジャケット108と供給ライン102との間の間隙116に流入させられる。冷却流体は、供給ライン102、近位放射区分106、および遠位放射区分104に沿って流動し、アブレーションプローブ100の遠位先端118に近接する間隙116から退出する。冷却流体は、間隙116から退出し、遠位放射区分104を冷却するようにチャンバ120の周囲で循環し、次いで、内側冷却ジャケット108と外側冷却ジャケット110との間に形成される第2の間隙122に進入する。外側冷却ジャケット110はまた、アブレーションプローブ100のシャフトを形成し、患者にアブレーションプローブ100を挿入するための剛性および支持を提供する。冷却流体は、流出チャンバ124の中へ流れて流出ポート126から出るまで、近位に第2の間隙122を通って遠位先端118から離れて流動し続ける。
図1で描写されるようなマイクロ波アブレーションプローブのさらなる構造詳細は、その内容全体が参照することによって本明細書に組み込まれる、「MICROWAVE ENERGY DELIVERY DEVICE AND SYSTEM」と題された米国特許出願公開第2014/0276739号で見出されることができる。
【0037】
図2Aは、遠位先端118に近接するマイクロ波アブレーションプローブ100の構造の詳細な図を描写する。
図2Aに示されるように、供給ライン102は、内側導体128と、外側導体130と、その間に形成される絶縁体132とを備える。近位放射区分106と遠位放射区分104との間で、供給ライン102の外側導体130の一部が除去され、絶縁体132を露出し、供給間隙134を形成する。内側導体128は、供給間隙134の絶縁体132を通って延在し、遠位放射区分104を形成するラジエータ136に接続する。
【0038】
バランまたはチョーク138が、近位放射区分106の近位に形成される。バラン138は、外側導体130に外接する絶縁体140と、同様に外側導体130に外接し、絶縁体140の近位に形成されるバランショート142とから形成される。絶縁体140およびバランショート142に、伝導性フィルム144および非伝導性フィルム146(例えば、熱収縮管類)が外接している。非伝導性フィルム146は、単純に、供給ライン102上で定位置に絶縁体140、バランショート142、および伝導性フィルムを保持する。伝導性フィルム144および非伝導性フィルム146は、絶縁体140の遠位部分がそれらのそれぞれの遠位端を通り過ぎて遠位に延在するように配置される。アブレーションプローブ100の一実施形態が、
図1および2Aに関してここで説明されるが、本開示の範囲から逸脱することなく、他の配向ならびに構造が可能である。1つのそのような代替案は、その内容全体が参照することによって本明細書に組み込まれる、「MICROWAVE ABLATION CATHETER AND METHOD OF UTILIZING THE SAME」と題された米国特許第9,044,254号でさらに詳細に説明される。第’254号特許で説明される1つの区別は、伝導性フィルム144およびバランショート142の代わりの編組導体の使用である。編組導体は、絶縁体140に外接し、同軸ケーブルの外側導体130に電気的に短絡させられる。別の区別は、流入および流出冷却ジャケット108、110ではなく、別個の流入および流出管腔を有するカテーテルが使用され、これらの管腔が、放射区分104、106に近接してオリフィスを有することである。流入および流出管腔は、冷却ジャケット108、110と実質的に同一の機能を果たすが、供給ライン102、バラン138、および放射区分104、106の場所の半径方向に周囲の種々の配列のうちの1つを有してもよい。
【0039】
マイクロ波アブレーションプローブ100は、
図2Bで描写されるように、エネルギー源170および冷却流体源172に接続可能である。流体源172は、マイクロ波アブレーションプローブ100を往復して流体を運搬するように、カテーテル174、176に接続する。カテーテル174および176は、流入ならびに流出ポート112および126に接続する。マイクロ波アブレーションプローブ100のハブ101は、同軸ケーブル178を介して、マイクロ波アブレーションプローブ100をエネルギー源170に接続する。実施例として、エネルギー源は、EMPRINT
TMマイクロ波アブレーション発生器であってもよい。
【0040】
上記のように、
図1および2Aのアブレーションプローブ100は、熱制御および電磁場制御に対処し、かつ波長制御に部分的に対処する。バラン138の使用は、外部導体130に沿った電磁波の後方伝搬を実質的に排除し、したがって、電磁場制御の実施例を表す。ウォータージャケットは、熱制御を効果的に提供し、組織の炭化、およびそれが挿入される組織へのアブレーションプローブ100の付着を防止することに役立つ。最終的に、ウォータージャケットは、波長制御に部分的に対処する。すなわち、アンテナを通して水を循環させることによって、電磁場誘電定数の一部が、実際に、処置プロセスの全体を通して実質的に一定に保たれる。しかしながら、当業者は、近接場(能動的アブレーションが電磁場制御によって最も良好に制御されることができる領域)が、アブレーションプローブ100の領域を十分に越えて、処置されている組織の中へ延在することを即時に認識するであろう。したがって、近接場の全体、または少なくとも処置を受容するであろう近接場のその部分で波長制御を効果的に提供するために、本近接場内の誘電定数は、より一定かつ予測可能な値に調節される必要がある。
【0041】
近接場またはその一部の誘電定数を調節する必要性は、肺で、および他の組織でも特に重要であり、アブレーション領域にわたる誘電定数は、非常に異なり得る。肺に関して、誘電定数の差異は、身体の他の領域と対照的に、肺には、非常に高い誘電定数を有する大量の空気があるという事実から生じる。さらに、肺は、血液が非常に豊富であり、多数の血管を有する。なおもさらに、その上さらなる誘電定数を有する、さらに別の物質を提供する、肺で産生される大量の粘液がある。また、空気、組織、血液、粘液等の間の各境界は、誘電定数のさらなる変化が観察され得る、境界効果を生成する。
【0042】
殆どのマイクロ波アブレーションプローブは、それらの構造により、かつ主に近接場内の組織を処置するため、空気によって取り囲まれる領域中で比較的不十分に機能する。部分的に、これは、誘電定数に打ち勝つために必要な電力が、近接場および非近接場の両方で望ましくない放射パターンをもたらすためである。
【0043】
本開示の一実施形態は、処置が所望される領域中で両方とも誘電定数に影響を及ぼすために使用されることができる、方法およびデバイスを対象とする。組織の誘電定数に影響を及ぼすときに検討するべき2つの要因は、空気および水和である。予期されるであろうように、空気は主に、肺の処置のみにとって問題である。
【0044】
このより一貫した誘電定数を達成するために、肺のために特に有用である1つの方法は、処置が所望される肺の部分内の空気を除去することである。これは、処置される領域に近接する所望の場所までカテーテルを患者の肺に挿入することによって、行われることができる。タンポナーデが、肺の残りの部分から処置の領域を分離するために利用されることができる。これは、気道内で実質的に気密性のシールを形成するために利用されることができる、膨張式カフまたは他の拡張可能部材であってもよい。次いで、減圧がカテーテルに印加される。肺の組織が、概して、非常に可撓性であるため、組織は、カテーテルの方向に圧潰する。結果は、空気の除去であり、したがって、処置される領域中の主要な誘電定数に影響を与えるもののうちの1つを排除する。手技の本時点で、マイクロ波アブレーションプローブが、経皮的に、または気管支内にのいずれかで、処置のために現在圧潰されている領域に挿入されてもよく、エネルギーが、印加されることができる。そのようなシステムの詳細は、以下で提示される。
【0045】
減圧を介した肺からの空気の除去の代替案は、標的領域を圧縮するように、着目領域の周囲の組織を機械的に変形させることである。一実施形態では、例えば、1つまたはそれを上回るバルーンが、膨張させられたときに、処置される領域中の組織を強制的に圧縮させるように、気道もしくは胸腔に挿入される。そのような方法は、処置される組織を所望の方向に強制的に圧縮させ、その中に含有された空気を放出し、したがって、本領域中でより均一な誘電定数を達成するために、バルーンによって印加される力に遭遇するように患者の生理機能(例えば、胸郭、健康な肺組織、および横隔膜)に部分的に依拠する。バルーンの代わりに、流体もまた、所望の圧縮を達成するように注入され得る。なおもさらに、1つまたはそれを上回る機械的把持装置等の純粋に機械的な手段が、着目組織を把持して圧縮するように、カテーテルから展開され得る。
【0046】
処置のために領域の中および周囲の組織の誘電定数を制御するさらなる方法は、処置領域の水和レベルを制御することである。これは、種々の手段によって行われることができる。第1のものは、処置される領域が、単純に、生理食塩水等の流体で浸水させられ得ることであり、本浸水の結果として、例えば、肺では、空気が取って代わられ、生理食塩水、血液、および組織の誘電定数が、相互にはるかに近く、したがって、その平均値または平均の構成要素部分をより密接に表す、平均値または平均誘電定数が計算されることができる。本値は、処置のための電力決定、さらにアンテナ設計のための基礎として利用されることができる。処置領域を浸水させる方法が、以下でさらに詳細に説明される。
【0047】
代替として、種々の疎水性または親水性材料が、水(体液)を着目領域に引き込むか、または着目領域から水を放出するかのいずれかのために、着目領域に適用されてもよい。例えば、処置される領域への塩の適用は、加塩領域中で均一な誘電定数を達成するように、加塩領域から水を引き出す効果を有するであろう。これらの方法は、塩または他の材料が組織に作用する時間を有することを可能にするように、処置の1日またはそれより前に行われてもよい。理解され得るように、そのような技法は、肺組織だけでなく、身体の他の場所でも可能である。
【0048】
図3Aは、本開示に従って提供される電磁ナビゲーション(EMN)システム200を描写する。1つのそのようなEMNシステムは、ELECTROMAGNETIC NAVIGATION BRONCHOSCOPY(登録商標)システムである。EMNシステム200を使用して行われ得る他のタスクの中でも、標的組織への経路を計画すること、位置付けアセンブリを標的組織まで操縦すること、生検ツールを使用して標的組織から組織サンプルを取得するように、ツールを標的組織まで操縦すること、組織サンプルが取得された場所をデジタル的に印付けること、標的もしくはその周囲に1つまたはそれを上回るエコー源性マーカを配置すること、および(例えば、可撓性マイクロ波アブレーションプローブを使用して)標的組織を処置することがある。
【0049】
EMNシステム200は、概して、患者を支持するように構成される手術台202と、患者の口および/または鼻を通して患者の気道に挿入するために構成される気管支鏡204と、気管支鏡204から受信されるビデオ画像を表示するために気管支鏡204に結合される監視機器206と、追跡モジュール210、複数の基準センサ212、および電磁場発生器214を含む、追跡システム208と、経路計画、標的組織の識別、標的組織へのナビゲーション、ならびに生検場所をデジタル的に印付けることを促進するために使用されるソフトウェアおよび/またはハードウェアを含む、ワークステーション216とを含む。
【0050】
図3Aはまた、2つのタイプのカテーテルガイドアセンブリ218、220も描写する。両方のカテーテルガイドアセンブリ218、220は、EMNシステム200とともに使用可能であり、いくつかの共通構成要素を共有する。各カテーテルガイドアセンブリ218、220は、拡張作業チャネル(EWC)224に接続されるハンドル222を含む。EWC224は、気管支鏡204の作業チャネルの中へ配置するためのサイズにされる。一実施形態の動作では、電磁(EM)センサ228を含む、場所を確認できるガイド(LG)226が、EWC224に挿入され、EMセンサ228がEWC224の遠位先端230を越えて所望の距離に延在するように定位置に係止される。電磁場発生器214によって生成される電磁場内のEMセンサ228、したがって、EWC224の遠位端の場所は、追跡モジュール210およびワークステーション216によって導出されることができる。カテーテルガイドアセンブリ218、220は、異なる動作機構を有するが、それぞれ、LG226およびEWC224の遠位先端230を操向するように回転ならびに圧縮によって操作されることができる、ハンドル222を含む。カテーテルガイドアセンブリ218は、現在、SUPERDIMENSION(登録商標)手技キットという名称の下で市販されている。同様に、カテーテルガイドアセンブリ220は、現在、EDGE
TM手技キットという名称下にある。両キットは、ハンドル222と、EWC224と、LG226とを含む。カテーテルガイドアセンブリ218、220のさらに詳細な説明については、上記で参照することによって組み込まれた米国特許第9,044,254号を参照されたい。
【0051】
図3Aに図示されるように、気管支鏡204が患者の口を通して患者の気道に挿入された状態で、患者は、手術台202の上に横たわって示されている。気管支鏡204は、照明源と、ビデオ撮像システム(明示的に示されていない)とを含み、気管支鏡204のビデオ撮像システムから受信されるビデオ画像を表示するために、監視機器206、例えば、ビデオディスプレイに結合される。
【0052】
LG226と、EWC224とを含む、カテーテルガイドアセンブリ218、220は、気管支鏡204の作業チャネルを通して患者の気道に挿入するために構成される(但し、カテーテルガイドアセンブリ218、220は、代替として、気管支鏡204を伴わずに使用されてもよい)。LG226およびEWC224は、係止機構234を介して、相互に対して選択的に係止可能である。例えば、それぞれの内容全体が参照することによって本明細書に組み込まれる、米国特許第6,188,355号ならびに公開されたPCT出願第WO 00/10456号および第WO 01/67035号で開示されるものに類似する、6自由度電磁追跡システム208、または任意の他の好適な位置測定システムが、ナビゲーションを行うために利用されるが、他の構成も企図される。追跡システム208は、以下で詳述されるように、患者の気道を通ってEWC224と併せて移動するにつれて、EMセンサ228の位置を追跡するように、カテーテルガイドアセンブリ218、220とともに使用するために構成される。
【0053】
図3Aに示されるように、電磁場発生器214は、患者の下に位置付けられる。電磁場発生器214および複数の基準センサ212は、各基準センサ212の場所を導出する追跡モジュール210と相互接続される。基準センサ212のうちの1つまたはそれを上回るものは、患者の胸部に取り付けられる。基準センサ212の座標は、患者の座標フレームを計算するためにセンサ212によって収集されるデータを使用するアプリケーションを含む、ワークステーション216に送信される。
【0054】
また、
図3Aには、標的へのナビゲーションおよびLG226の除去後に、カテーテルガイドアセンブリ218、220に挿入可能であるツール234(生検ツールとして描写されているが、マイクロ波アブレーションプローブ等の任意のツールであり得る)も示されている。以下で詳述されるように、ツール234はさらに、標的組織へのツール234のナビゲーション、組織サンプルを取得し、および/または標的組織を処置するように、標的組織に対して操作される際のツール234の追跡、ならびに/もしくは組織サンプルが取得された場所を印付けることを促進するように、追跡システム208と併せて使用するために構成される。
【0055】
ナビゲーションが、LG226に含まれているEMセンサ228に関して上記で詳述されるが、EMセンサ228が、ツール234内に埋め込まれるか、または組み込まれ得ることも想定される。そのような場合において、ツール234は、代替として、LG226の必要性またはLG226の使用が要求する必要なツール交換を伴わずに、ナビゲーションに利用されてもよい。種々の使用可能なツールは、それぞれの内容全体が参照することによって本明細書に組み込まれ、本明細書に説明されるようなEMNシステム200とともに使用可能である、両方ともDEVICES, SYSTEMS, AND METHODS FOR NAVIGATING A BIOPSY TOOL TO A TARGET LOCATION AND OBTAINING A TISSUE SAMPLE USING THE SAMEと題される米国特許公開出願第2015/0141869号および第2015/0141809号、ならびに同一の題名を有し、2014年12月9日に出願された米国特許出願第14/564,779号で説明される。
【0056】
手技計画中に、ワークステーション216は、患者の気道の3Dモデルを生成して視認するためにコンピュータ断層撮影(CT)画像データを利用し、(自動的に、半自動的に、または手動で)3Dモデル上の標的組織の識別を可能にし、患者の気道を通した標的組織への経路の選択を可能にする。より具体的には、CTスキャンは、処理されて3D体積に組み立てられ、次いで、患者の気道の3Dモデルを生成するために利用される。3Dモデルは、ワークステーション216と関連付けられるディスプレイモニタ上で、または任意の他の好適な様式で提示されてもよい。ワークステーション216を使用して、3D体積の種々のスライスおよび3Dモデルの表示が、提示されてもよく、および/または標的の識別ならびに標的にアクセスするための患者の気道を通した好適な経路の選択を促進するように、臨床医によって操作されてもよい。3Dモデルはまた、日付、時間、および取得される組織サンプルに関する他の識別情報を含む、以前の生検が行われた場所の印を示してもよい。これらの印はまた、経路が計画され得る標的として選択されてもよい。いったん選択されると、経路は、ナビゲーション手技中に使用するために保存される。好適な経路計画システムおよび方法の例は、それぞれの内容全体が参照することによって本明細書に組み込まれる、全てPATHWAY PLANNING SYSTEM AND METHODと題され、Bakerによって2014年3月15日に出願された、米国公開特許出願第2014/0281,961号、第2014/027441号、および第2014/0282216号で説明される。
【0057】
ナビゲーション中に、EMセンサ228は、追跡システム208と併せて、患者の気道を通して前進させられるにつれて、EMセンサ228および/またはツール234の追跡を可能にする。
【0058】
当業者によって理解されるように、標的組織に近接する場所まで操縦されたEWC224は、水等の流体を供給して標的領域を浸水させ、それによって、領域中の誘電定数に影響を及ぼすために利用されることができる。例えば、
図2Cに示されるように、EWC224の遠位端から延在する、可撓性マイクロ波アブレーションプローブ100が描写されている。可撓性マイクロ波アブレーションプローブ100は、
図1および2Aで描写されるものと比較して、同一またはわずかに修正された構造を有してもよい。マイクロ波アブレーションプローブ100は、標的領域240に挿入されているものとして描写されている。流体は、標的領域240を浸水させるようにEWC224から流れるものとして描写されている。上記で説明されるように、本流体の本効果は、マイクロ波アブレーションカテーテルの周囲の近接場の誘電定数を改変し、より一様なエネルギー分布およびより一様な球形アブレーションの形成をもたらすことである。
図2Cに示されるように、外側冷却ジャケット110は、それがマイクロ波アブレーションプローブ100の随意の構成要素であることを表す鎖線とともに示されている。外側冷却ジャケット110を除去することによって、マイクロ波アブレーションプローブ100を冷却するために使用される流体は、漏出し、標的領域240を浸水させる。加えて、または代替として、サイズ制約に応じて、流体はまた、EWC224を直接通して供給されることもできる。そのような代替案では、内側冷却ジャケット108(
図2Bに示されていない)は、保定されるが、標的領域240中の流体の加熱を制限するように、および流体が加熱するにつれて誘電定数の変化に対処するように、供給ライン102およびマイクロ波アブレーションプローブ100の他の部分を経由した冷却流を維持するために、流体帰還として使用され得る。本実施形態の別の側面は、アブレーションプローブ100上に形成されているバランではなく、またはそれに加えて、バラン138が、EWC224の外部上に配置され得ることである。本バラン138はまた、アブレーションプローブ100の供給ライン102に短絡させられ得る。EWC224上のチョーク130はさらに、EWC224、気管支鏡204(
図3A)、および患者を保護することに役立つ。
図1および2Aに関して上記で説明されるものに類似する構造が、EWC224上に形成されるバラン138に使用されてもよい。
【0059】
本開示によって検討される、その上さらなる修正は、マイクロ波アブレーションプローブ100の外側冷却ジャケット110内のEMセンサ228の配置である。
図3Aに関して上記で描写されるように、LG226は、それを通してマイクロ波アブレーションプローブ100等のツール234を配置するために、EWC224から除去されなければならない。この結果は、LGの除去後に、臨床医が、EWC224またはアブレーションプローブ100の場所を完全には確信していないことである。マイクロ波アブレーションプローブ100内にEMセンサ228を配置することによって、マイクロ波アブレーションプローブ100の精密な場所が決定されてもよい。しかしながら、EMセンサ228が若干脆弱であり、肺の気道等の蛇行経路を通して操縦させられているときに破損し得ることが経験されている。したがって、アブレーションプローブ100内のセンサ228の剛性配置は、センサ228が破損した場合に、アブレーションプローブ100およびセンサ228の両方を動作不能にさせるであろう。これに対処するために、ワイヤを介してマイクロ波アブレーションプローブ100の近位端に接続され、外側ジャケット110内から除去可能である、取り外し可能なセンサ228が企図される。一実施形態では、センサ228は、供給間隙134に近接するが、放射区分104および106から半径方向に離れて位置する。これは、処置領域240の中央のセンサの正確な識別および配置を可能にする。アブレーションプローブ100の近位端上で、ルアーロックまたは他の係合が、必要に応じてセンサ228の除去および挿入を可能にするために使用されてもよい。これは、アブレーションプローブ100を用いて標的領域240まで操縦されている間に破損した場合に、センサ228を交換する能力を提供する。ここではアブレーションプローブ100内に配置されているものとして説明されるが、そのようなセンサ228はまた、
図8に関してさらに詳細に説明されるように、サイドカー配列で配置され、EWC224とともに進行するが、その外側にあり得る。
【0060】
EWC224はまた、合理的に一貫した水和242の領域を生成するように、塩または(疎水性であるか親水性あるかにかかわらず)他の材料を標的領域240に注入するために使用されてもよく、したがって、これは、波長制御を行い、上記で説明されるような一貫した球形アブレーションを生成するために利用されることができる、規定することが可能な誘電定数を有する。これは、具体的組織の穿刺が、
図4に示されるように、注入のために必要とされる場合に、針カテーテル236または他の機構と組み合わせて行われてもよい。
【0061】
さらに、EWC224は、肺内の所望の場所で減圧を印加し、空気を除去するために利用されてもよい。これは、EWC224の周囲でタンポナーデ244を使用して、もしくは1つまたはそれを上回る一方向弁246の配置後のいずれか一方で、行われてもよい。タンポナーデ244および弁246が、
図5に示されている。減圧がEWC224を通して印加されると、空気の除去が、標的領域240の周囲の領域を圧潰し、標的領域240の誘電定数を低減させる。
【0062】
上記のようなもののさらなる実施形態は、機械的圧力を肺の組織に印加するための1つまたはそれを上回るバルーン254の使用である。
図6は、2つのそのような代替案を描写する。1つの代替案によると、ポート250が、患者に挿入され、トロカール252が、それを通して挿入される。バルーン254は、肺の外側の胸腔に挿入され、膨張させられる。バルーン254の膨張は、バルーン254に近接する組織に対して圧力を生成し、肺組織の拡張のための余地の量を制限する。これは、横隔膜256および肺258による胸腔内の空間の画定と組み合わせて、肺組織を効果的に圧縮するように稼働する。適切に配置された場合、そのようなバルーン254は、標的240の領域中の組織を圧縮し、肺のその部分から外へ空気を押進させ、標的領域240の誘電定数を均一にするために使用されることができる。代替案として、EWC224は、上記で説明されるようなのと同一の効果を生じるように、一時的に気道内の肺の部分または標的領域240の付近の組織に1つまたはそれを上回るバルーン254を挿入するために使用されてもよい。トロカール252を介して挿入されるバルーン254の使用に対するさらなる代替案は、肺の葉または葉下領域を覆って嵌合し、処置に先立って領域から外へ空気を押進させるように葉または葉下領域を圧縮する、圧縮デバイスの使用である。
【0063】
その上さらなる実施形態として、水または他の流体で標的領域240を浸水させるのではなく、標的領域240に近接する組織が、標的領域240に対して圧縮し、標的領域240から外へ空気および粘液を押進させるために、浸水させられてもよい。これは、肺からの水もしくは他の流体の逆流を制限するように、標的領域240を取り囲む気道内の1つまたはそれを上回る一方向弁の配置と併せて行われてもよい。
【0064】
これらの技法は、概して、特に、癌に罹患している患者について、肺内の腫瘍および他の病変の処置との関連で上記に説明されるが、類似方法が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)等の他の疾患の処置に使用されてもよい。COPDの1つの側面は、より少ない非常に大型の肺胞をもたらす、肺内の肺胞(空気嚢)の構造の崩壊(肺気腫とも呼ばれる)によって、ならびに気道の炎症および過剰な粘液産生(慢性気管支炎とも呼ばれる)によって顕れる。これらの症状、具体的には、肺気腫の結果は、血液を往復するガス交換のための縮小した表面積が存在することである。加えて、肺胞は、崩壊しているため、もはや弾性ではなく、過剰に膨張させられることができなくなり、肺胞から戻して空気を押進させるために十分な力が本組織に印加されることができないため、経時的に、単純に吸入空気を留保し始め得る。これは、肺内で本質的に死腔を生成させる。しかしながら、肺は極めて弾性であり、もはや胸腔内の空間を占めなくなるように、肺の損傷した部分が処置されることができる場合、残りのより健康な組織が、失われた肺容量を補償するように拡張するであろう。本アプローチは、残りの肺葉が機能するための余地を提供するように、肺葉全体が除去される、外科的肺容量減少手術で現在使用されている。
【0065】
理解されるように、本開示のシステムおよび方法は、COPD、具体的には、肺気腫を処置するために利用されてもよい。1つの方法では、空気が肺胞から流出することを可能にするが、逆流しないように、一方向弁が配置される。バルーン、流体、または圧力を罹患した肺胞の外部に印加する他の方法を使用して、その中に閉じ込められた空気は、外へ押進させられることができ、したがって、肺の健康な部分のために胸腔内の空間を増大させる。そのような方法は、以前に提案されているが、刺激物および感染性物質が常に吸引されている、肺等の環境内の弁および同等物の長期挿入は、そのような弁を、おそらく感染源にし、または最低でも、患者にとって炎症および不快感の原因にする。
【0066】
本開示は、本明細書に説明されるシステムおよび方法を利用する代替的アプローチを提供する。上記で説明されるように、EWCが、標的場所240まで操縦されることができ、減圧が、組織を圧潰し、空気を除去するように、標的場所において印加されることができる。理解されるように、本開示の範囲から逸脱することなく、流体またはバルーン圧潰方法も利用され得る。次いで、マイクロ波アブレーションプローブ100は、経皮的に、または気管支内に、圧潰標的領域に挿入されることができるが、組織を切除するのではなく、組織が致死以下の温度まで加熱される。吸収されるエネルギーは、組織が変性し、コラーゲンマトリックスに凝固するために十分である必要がある。本プロセスを使用することの結果は、個々の肺胞が識別されて標的にされ得、肺胞の組織が凝固させられ得ることである。そのような凝固は、肺系から肺胞を効果的に除去し、肺容量減少手術で起こるように、健康な肺胞が同様に補償することを可能にする。実際に、説明されるものは、非常に選択的な肺容量減少手技である。
【0067】
個々または小さいグループの肺胞を凝固させるために必要な詳細の程度を達成するために、エネルギー源170(例えば、マイクロ波発生器)を予測して制御するための1つまたはそれを上回る制御アルゴリズムが必要である。その内容が参照することによって本明細書に組み込まれる、SYSTEM FOR MONITORING ABLATION SIZEと題された米国特許第8,568,401号は、種々のそのようなアルゴリズムを教示する。具体的には、制御アルゴリズムは、特定のマイクロ波アンテナ、例えば、マイクロ波アブレーションプローブ100と関連付けられる複素インピーダンス(例えば、複素インピーダンスの実および仮想部分)を、組織死または壊死を示すために使用され得る具体的半径を有する標的領域240と相関させるという概念を採用してもよい。より具体的には、マイクロ波アブレーションプローブ100と関連付けられる複素インピーダンスは、温度上昇によって引き起こされる組織の複合誘電率変化に起因して、アブレーションのサイクルの過程にわたって変動する。時間の関数としての複素インピーダンスの関係が、定義されてもよい。マイクロ波アブレーションプローブ100が、最大到達可能温度まで組織を加熱したとき、対応する半径を有する標的領域240が達成されている。本最大温度で、切除組織と関連付けられる誘電定数および伝導度は、定常状態条件に達する(本定常状態条件は、マイクロ波アブレーションプローブ100と関連付けられる定常状態複素インピーダンス(Zss)に対応する時間(tss)で起こる)。すなわち、切除組織がアブレーションプローブ100の「近接場」内にあるため、切除組織は、本質的に、マイクロ波アブレーションプローブ100の一部になる。したがって、切除組織と関連付けられる誘電定数および伝導度が定常状態条件に達するとき、マイクロ波アブレーションプローブ100における複素インピーダンスはまた、定常状態条件、例えば、Zssに達し、Zssは、実部分Zrssと、仮想部分Zissとを含む。
【0068】
Zssは、所与のマイクロ波アンテナによって変動し得ることに留意されたい。所与のマイクロ波アンテナの具体的Zssに寄与し得る要因は、マイクロ波アンテナと関連付けられる寸法(例えば、長さ、幅等)、銅、銀等のマイクロ波アンテナ(またはそれと関連付けられる部分、例えば、放射区分)を製造するために使用される材料のタイプ、ならびに放射区分(例えば、ダイポール、モノポール等)および/またはマイクロ波アンテナと関連付けられる伝導性先端(例えば、鋭利、鈍的、曲線等)の構成を含むが、それらに限定されない。
【0069】
制御アルゴリズムは、tss、すなわち、切除組織が定常状態条件にある時間を超えない規定時間範囲(例えば、t1−tss)内でアブレーションプローブ100と関連付けられるZssを計算するように、1つまたはそれを上回るモデル方程式を実装する。より具体的には、それぞれ、アブレーションプローブ100のZssの実および仮想部分ZrssならびにZissは、エネルギー源170によって生成される信号(もしくはパルス)の監視および/または測定を介して計算されてもよい。より具体的には、アブレーション手技中にエネルギー源170によって生成される信号(またはパルス)と関連付けられる(複素インピーダンスの仮想インピーダンスZissを計算するための)位相および(複素インピーダンスの実インピーダンスZrssを計算するための)規模が、サンプリングされて監視されてもよい。例えば、エネルギー源170によって生成される信号(もしくはパルス)と関連付けられる1つまたはそれを上回る電気性質(例えば、電圧、電流、電力、インピーダンス等)が、サンプリングされて監視されてもよい。例えば、1つの特定の実施形態では、それぞれ、組織を切除するための信号の前方および反射電力PfwdならびにPrefが、エネルギー源170内のコントローラによって測定される。その後、電力定在波比(PSWR)が、以下の方程式を使用して計算される。
【数1】
式中、Pfwdは、生成された信号(すなわち、前方信号)と関連付けられる電力であり、Prefは、反射信号と関連付けられる電力である。当業者は、PSWRを用いて、マイクロ波アブレーションプローブ100の定常状態、例えば、Zssにおける複素インピーダンスを計算するために使用され得るPfwdおよびPrefが、計算され得ることを理解することができる。具体的には、前方と反射電力との間の位相差が、複素インピーダンスの仮想部分Zissを計算するために使用されてもよく、前方と反射電力との間の規模差が、複素インピーダンスの実部分Zrssを計算するために使用されてもよい。ZrssおよびZissが把握されると、Zssが計算され、引き続き、所望のアブレーションサイズに対応する所定の閾値Zssが満たされているかどうかを決定するように、エネルギー源170内のコントローラに伝達および/または中継されてもよい。
【0070】
ある場合において、同軸ケーブル178または
図2Bで描写されるシステムの他の構成要素と関連付けられる公知の特徴的インピーダンスが、Zssを決定するために採用されてもよい。より具体的には、Zssの測定は、以下の方程式を使用して決定されてもよい。
【数2】
式中、Zoは、例えば、同軸ケーブル178と関連付けられる特徴的インピーダンスである。特徴的インピーダンスZoは、同軸ケーブル178のインピーダンスの正確な尺度であり、任意のコネクタと関連付けられる線路損失等を考慮している。Zssの測定は、アブレーションゾーンに隣接するマイクロ波アンテナ100における定常状態インピーダンスZssの正確な表現であり得る。
【0071】
前述のアルゴリズムおよび/または方程式は、アブレーションゾーンのリアルタイム監視が達成され得るように、マイクロ波アブレーションプローブ100と関連付けられるZssを計算するために採用され得る、多くのアルゴリズムおよび/または方程式のうちの2つである。例えば、Zss、Ziss、Zrss、PSWR、Pref、もしくは他の性質のモデル曲線を表す、1つまたはそれを上回るモデル関数f(t)が、Zssに関連する付加的情報を取得するために、前述の方程式と併せて(または単独で)利用されてもよい。例えば、同軸ケーブル178のモデルインピーダンス曲線の導関数(dz/dt)が、付加的情報、例えば、時間に対する複素インピーダンスの変化速度を提供してもよい。時間に対する複素インピーダンスと関連付けられる本変化速度は、例えば、アブレーション手技を完了するために要する時間を決定するために利用されてもよい。アブレーションサイズを制御することのさらなる側面が、以下で本明細書に説明される。
【0072】
上記では、処置領域240の中へ流体を注入する方法が説明されている。これをより容易に達成し、同時に組織を処置することができるために、
図7−9で描写されるもの等の修正されたEWCが保証されてもよい。
図7は、そこから延在するEWC224を有する、気管支鏡204を描写する。市販されている現在のEWCと異なり、
図7のEWC224は、2つの管腔を有する。底部管腔260は、流体および/または減圧がEWC224を通して注入され、もしくは引き出されるためのアクセス点を提供する一方で、上部管腔262は、LG226およびツール234のための別個の経路を提供する。
【0073】
図8は、サイドカー配列が採用される、代替実施形態を示す。気管支鏡204の作業チャネルを下って、縮小直径の2つの管腔を伴うEWC224を押進させようとするのではなく、第2のカテーテル264が、気管支鏡204の外側に摺動して取り付けられ、設定中にEWC224の外側に固定して取り付けられる。いったん気管支鏡204が患者の気道内に楔着されると、EWC224は、そのナビゲーションを開始し、そしてEWC224に固定して取り付けられるが、気管支鏡204には摺動して取り付けられるのみである、第2のカテーテル264を取る。これは、上記で説明されるように、EWCが標的領域240まで操縦されるにつれて、第2のカテーテル264が(サイドカー配列で)EWC224とともに引き込まれることを可能にする。1つの配列では、第2のカテーテル264は、所与の手技のために必要に応じて、流体、親水性もしくは疎水性材料、塩、および/または減圧を供給するために使用される。次いで、EWC224は、LG226ならびに生検およびマイクロ波アブレーションツール等のツール234の展開に自由に使用される。
【0074】
図7−9に関して説明される2つの管腔または2つのカテーテルシステムを利用する、なおもさらなる実施形態は、処置のために組織を把持または穿刺し、EWCに向かって組織を引き込むために使用され得る、1つまたはそれを上回る把持ツールの使用を伴う。
図10Aでは、把持/穿刺ツール266は、EWC224の管腔262から外へ延在し、複数の有刺ワイヤ268を含む。これらの有刺ワイヤ268は、気道504の遠位端において肺胞502の中へ拡張し、肺胞502内の組織を穿刺し、またはそれに添着する。次いで、把持ツール266は、
図10Bに示されるように、EWC224の管腔262に戻って引き込まれる。結果は、肺胞502の圧潰であり、実質的に低減した空気量を伴い、主に肺胞502の組織で形成される標的領域240を作成する。マイクロ波アブレーションプローブ100(この場合、可撓性のプローブ)は、第2の管腔260に挿入され、現在圧潰されている肺胞502で形成される標的領域240内に配置され、肺胞502を処置するように通電させられてもよい。当業者は、ここでは単一の肺胞502との関連で示されているが、単一の手技で複数の肺胞または肺組織のより大きい部分を把持して圧潰するように、同一のアプローチが行われ得ることを理解するであろう。さらに、マイクロ波エネルギーを用いて処置するのではなく、
図10Bの圧潰肺胞502は、肺胞502がその元の形状に戻ることを防止し、再度、患者のための肺容量の低減に影響を及ぼすために利用されることができる、1つまたはそれを上回る接着剤もしくはシーラントの適用によって処置され得る。
【0075】
本明細書の上記では、球形アブレーションの形成の確実性においてさらなる予測可能性を生成するために、処置領域240の誘電定数に影響を及ぼす種々のデバイスおよび方法が説明される。具体的には、上記で説明されるように、熱、電磁場制御、および波長制御の概念が、詳細に説明されている。これらの制御の領域をさらに精緻化するために、フィードバック機構が提供されなければならない。マイクロ波アブレーションの技術分野で公知であるように、マイクロ波アブレーションプローブ100内の場所に1つまたはそれを上回る温度センサを配置することが周知である。例えば、
図1は、バランショート142と接触して位置する、1つのそのような温度センサ148を示す。そのような温度センサ148は、バランショート142の温度の非常に正確な示度値を提供する。同様に、温度センサ152は、外側冷却ジャケット110の温度の正確なインジケータを提供するとともに、外側冷却ジャケット110に近接する組織の温度の指標を提供する、外側冷却ジャケット110内に位置する。温度センサ152および148は、熱電対であってもよく、エネルギー源の制御を提供するように、エネルギー源170(
図2B)に戻って接続されてもよい。
【0076】
温度を感知することに加えて、組織からの放射を感知する放射測定もまた、温度、組織の状態、含水量、および処置されている組織の他の側面を決定するように、処置されている組織を調査するための公知の技法である。典型的には、エネルギー源170(
図2B)内で、または供給ライン102からエネルギー源170(
図2B)までのインライン構成要素の中でのいずれかで、放射計が位置付けられる。未処置組織でさえも、放射計によって検出されることができる、ある放射を有する。これらの放射は、ベースラインとしての機能を果たすことができ、単純に、マイクロ波アブレーションプローブ100を介して受信され、組織の性質を識別する有用なフィードバック信号を提供するように、放射計によってフィルタ処理され、検出され、増幅される。加えて、または代替として、マイクロ波アブレーションプローブ100を介して組織に伝送される非処置調査信号が使用されてもよい。本信号は、組織によって吸収され、組織の放射を改変する。調査信号の伝送が停止されるとき、アンテナは、放射を受信し、再度、これらの放射は、組織の性質に関するベースラインを作成するために使用されることができる。次いで、このベースラインは、マイクロ波アブレーションプローブ100からのマイクロ波エネルギーの印加後の組織の放射と比較されることができる。放射の検出された変化は、標的領域の組織および/または誘電定数の変化と相関があり得る。本相関はまた、上記で説明される検出された温度を伴ってもよい。放射の検出された変化およびエネルギー源170(
図2B)に提供される温度フィードバックは、エネルギー源170(
図2B)、誘電定数を調節するために使用されている流体の流速を制御し、標的領域への疎水性または親水性材料のさらなる適用の必要性を識別し、もしくは標的領域の全体が処置されており、マイクロ波エネルギーの伝達が停止するべきであることを決定するために、使用されることができる。温度測定および放射測定のさらなる側面は、その内容全体が参照することによって本明細書に組み込まれる、米国公開特許出願第2013/034569号で説明される。
【0077】
同様に、反射電力が、アンテナから反射される電力を表す電圧定在波比(VSWR)の関数として決定されてもよい。VSWRが小さいほど、より良好にアンテナが伝送線に合致させられ、より多くの電力がアンテナおよびアンテナを取り囲む組織に送達される。理解され得るように、アンテナ、またはこの場合、マイクロ波アブレーションプローブ100を取り囲む誘電定数は、インピーダンス整合および組織へのエネルギーの効率的な伝達の重要な側面である。したがって、反射電力の変化を検出することによって、誘電定数に関して決定が行われることができる。本情報は、単独で、または検出された温度および放射測定情報と組み合わせてのいずれかで、エネルギー源の多種多様なパラメータ、誘電定数を調節するために使用されている流体の流速を調節し、標的領域への疎水性または親水性材料のさらなる適用の必要性を識別し、もしくは標的領域の全体が処置されており、マイクロ波エネルギーの伝達が停止するべきであることを決定するために、使用されることができる。これらのフィードバック測定の解釈の目標は、特定の標的領域240の近似誘電定数を決定すること、および処置中にシステムのパラメータを調節することである。これらのフィードバック機構は、標的領域240において原位置(in−situ)で、組織、流体、および他の物質の具体的効果を確認するように、マイクロ波アンテナシステムの構成要素を分析するために使用されるもの等のベクトルネットワーク分析器に提供されてもよい。
【0078】
上記への代替的アプローチは、マイクロ波アブレーションプローブ100を設計し、および/または所与のマイクロ波アブレーションプローブ100を用いたアブレーション手技を計画するために、温度、放射測定、ならびに反射電力に関して上記で収集されるデータを利用することである。すなわち、公知の所望のアブレーションサイズ、例えば、2〜3cm直径、標的領域240(例えば、肺(中枢または末梢)、肝臓、腎臓等)の接近場所、およびその領域中の組織の誘電定数を用いて、領域の誘電定数を描写するマップが作成されてもよい。次いで、本マップは、標的領域240の誘電定数のさらに近い近似値が決定されるか、または少なくとも概算されるように、空気の抽出、流体の注入、組織の圧潰、および親水性もしくは疎水性材料の適用のいずれか一方による影響を受け得る。本情報を用いて、マイクロ波アブレーションプローブ100が設計される(すなわち、インピーダンス整合させられる)ことができ、電力レベルが、効果的で反復可能な一貫した球形アブレーションを達成するように、肺または肝臓もしくは他の身体部分を特異的に処置するために決定されることができる。
【0079】
所与の標的領域240の誘電定数を決定することのさらなる側面として、アブレーション手技分析中にリアルタイムCT撮像等の技術を使用することが、標的領域240の水和を査定するように行われることができる。本情報を用いて、水和レベルは、水和レベルを維持し、それとともに標的領域240の誘電定数を維持するように、上記で議論されるように制御されることができる。
【0080】
図3Aとの関連で、アブレーション手技の計画が、特に肺内の効果的処置の不可欠な部分であることが上記で説明される。本開示によると、誘電定数および水和レベルの所望の適合が、手技計画用途の一部にされ得ることが企図される。処置の広い領域に関して、球形アブレーションを一貫して反復可能に生成できることによって、計画ツールは、標的領域240の完全かつ効果的なアブレーションを確実にするように、重複球体の場所、電力設定、および水和要件を識別することができる。さらに、そのような計画ツールは、標的領域中の主要な血管の熱的効果に対処することができる。なおもさらに、標的領域中の組織、気道、血管等の識別によって、組織を効果的に処置するために必要とされる電力および時間の効果のさらに精密な決定が行われることができる。なおもさらに、計画は、所望のアブレーションのそれぞれを達成するように、標的領域240の誘電定数に影響を及ぼすことについての情報を提供することができる。理解されるように、そのような計画は、まだ考慮されていなかった特徴が手技中に発見されると、適応を必要とし得る。例えば、反射電力または放射測定に基づいて、血管が予測されるよりも多いまたは少ない影響を及ぼし、それに応じて処置計画が調節され得ることが決定されてもよい。そのような計画システムの目標は、いかなる部分も過剰に処置すること、または標的領域240の境界を越えて処置を拡張することなく、許容安全域を伴う標的領域中の全ての組織を効果的に処置することである。
【0081】
計画用途のさらなる側面は、いくつかの標的が単一のアブレーションプローブ100によって効果的に処置されず、組織に平行に挿入された2つのプローブによって最良に処置され得ることである。これは、肝臓およびより広いアブレーションゾーンが必要とされる領域中で、より頻繁に起こり得る。そのような場合において、マイクロ波発生器の中に、単一の電源から2つのアンテナに給電する電力スプリッタを含むことが望ましくあり得る。2つのアンテナはまた、アンテナのうちの一方が他方と90°位相外であることを可能にする、スイッチに結合されることもできる。結果は、非常に異なる形状のアブレーションゾーンである。同相であるとき、アブレーションは、概して、球形となり、アブレーションプローブの端部を中心とするであろう。位相外で、アブレーションゾーンは、アブレーションプローブに沿って伸長するであろう。そのような構成は、非常に異なる標的領域240が効果的に処置されることを可能にする。そのような効果は、マイクロ波アブレーションプローブが、相互に極めて近い、例えば、10mmまたはそれ未満で離間されるときに、特に良好に機能する。
【0082】
デバイス、そのようなデバイスを組み込むシステム、および同デバイスを使用する方法の詳細な実施形態が、本明細書で説明されている。しかしながら、これらの詳細な実施形態は、種々の形態で具現化され得る、本開示の実施例にすぎない。したがって、本明細書に開示される具体的構造および機能詳細は、限定的として解釈されないが、請求項の根拠として、ならびに当業者が事実上あらゆる適切な詳細構造で本開示を様々に採用することを可能にするための代表的根拠として、解釈されるにすぎないものである。先述の実施形態は、患者の気道の気管支鏡検査に関して説明されたが、当業者は、同一もしくは類似デバイス、システム、ならびに方法が、例えば、血管、リンパ管、および/または胃腸回路網等の他の管腔回路網でも使用され得ることを認識するであろう。