(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
充電履歴、充電スケジュール、充電ステータス、デバイスIDおよびそれらの組合せからなる群から選択された、前記少なくとも1つのユーザーデバイスに関連する情報を記憶するのに適切な少なくとも1つのデータベースを更に備える、請求項1に記載のシステム。
前記少なくとも1つの送信機マネージャーは、前記少なくとも1つのデータベースに記憶された前記情報に少なくとも部分的に基づいて、前記少なくとも1つの電力受信機による伝送の受容を制限するようにも構成される、請求項2に記載のシステム。
前記少なくとも1つの送信機マネージャーは、前記第1の電力送信機および前記第2の電力送信機に、前記少なくとも1つのデータベースから取得された、前記ユーザーデバイスに関連する情報を提供するようにも構成される、請求項2に記載のシステム。
前記少なくとも1つの送信機マネージャーは、前記第1の電力送信機および前記第2の電力送信機に、前記少なくとも1つのデータベースから取得された、前記少なくとも1つの電力受信機に関連する情報を提供するようにも構成される、請求項2に記載のシステム。
前記第1の所定の信号強度は、前記送信機マネージャーに接続された全ての他の電力送信機によって測定された前記ユーザーデバイスの信号強度レベルの50〜1700%に対応する値である、請求項1に記載のシステム。
前記少なくとも1つの送信機マネージャーは、Bluetooth(登録商標)、WiFiおよびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの通信プロトコルを介して前記少なくとも1つのユーザーデバイスと通信する、請求項1に記載のシステム。
前記少なくとも1つの送信機マネージャーは、前記第1の電力送信機および前記第2の電力送信機に対する前記ユーザーデバイスの位置を決定するように構成されたアンテナマネージャーを更に備える、請求項6に記載のシステム。
前記少なくとも1つの送信機マネージャーは、少なくとも1つの遠隔サーバーに、前記第1の電力送信機および前記第2の電力送信機の性能に関連する情報、前記少なくとも1つの電力受信機の性能に関連する情報、または前記ユーザーデバイスに関連する情報を通信可能に送達する、請求項1に記載のシステム。
前記少なくとも1つの送信機マネージャーは、充電履歴、充電スケジュール、充電ステータス、デバイスIDおよびそれらの組合せからなる群から選択された、前記少なくとも1つのユーザーデバイスに関連する情報を記憶するのに適切な少なくとも1つのデータベースと通信している、請求項11に記載の方法。
前記少なくとも1つの送信機マネージャーは、前記少なくとも1つのデータベースに記憶された前記情報に少なくとも部分的に基づいて、前記少なくとも1つの電力受信機による伝送の受容を制限するようにも構成される、請求項12に記載の方法。
前記少なくとも1つの送信機マネージャーは、前記第1の電力送信機および前記第2の電力送信機に、前記データベースから取得された、前記少なくとも1つのユーザーデバイスに関連する情報を提供する、請求項12に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0041] ここで、本明細書の一部をなす図面に示される実施形態を参照して本開示が詳細に説明される。本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を用いることができ、および/または他の変更を行うことができる。詳細な説明に記載される説明的な実施形態は、本明細書に提示される主題を限定することを意図するものではない。更に、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の様々なコンポーネントおよび実施形態を組み合わせて、明示的に記載されていない更なる実施形態を形成することができる。
【0021】
[0042] ここで、図面に示されている例示的な実施形態を参照し、本明細書において、これらの実施形態を説明するために特定の言い回しが用いられる。それにもかかわらず、それによって本発明の範囲を制限することは意図されていないことを理解されたい。関連技術分野における、本開示を保有する当業者が思いつくであろう、本明細書に示される発明的特徴の変形および更なる変更、ならびに本明細書に示される本発明の原理の更なる応用は、本発明の範囲内にあるとみなされる。
【0022】
I.ワイヤレス電力伝送のためのシステムおよび方法
A.コンポーネントシステム実施形態
[0043]
図1は、エネルギーポケット104を形成することによるワイヤレス電力伝送のためのシステム100を示す。システム100は、送信機101と、受信機103と、クライアントデバイス105と、ポケット検出器107とを備えることができる。送信機101は、受信機103によって捕捉することができる電力伝送波を含む電力伝送信号を送信することができる。受信機103は、捕捉された波を、受信機103に関連付けられたクライアントデバイス105の代わりに電気エネルギーの使用可能なソースに変換することができるアンテナ、アンテナ素子および他の回路部(以下で詳述する)を含むことができる。いくつかの実施形態では、送信機101は、電力伝送波の位相、利得および/または他の波形特徴を操作することによって、および/または異なる送信アンテナを選択することによって、1つ以上の軌道において、電力伝送波から作成された電力伝送信号を送信することができる。そのような実施形態では、送信機101は、基礎をなす電力伝送波が空間内のある位置において収束するように電力伝送信号の軌道を操作することができ、結果として、ある特定の形の干渉が生じる。電力伝送波の収束時に生成される1つのタイプの干渉「強め合う干渉(constructive interference)」は、電力伝送波が共に合わさり、その位置に集中するエネルギーを強化させるような、電力伝送波の収束によって生じるエネルギー場とすることができる。これは、「弱め合う干渉(destructive interference)」と呼ばれる、電力伝送波が互いから減算されるように共に合わさり、その位置に集中するエネルギーを減衰させる干渉とは対照的である。強め合う干渉における十分なエネルギーの累積によって、エネルギー場または「エネルギーポケット(pocket of energy)」104を確立することができ、このエネルギーポケットは、受信機103のアンテナが電力伝送信号の周波数で動作するように構成されているとすると、これらのアンテナによって取り入れることができる。したがって、電力伝送波は、受信機103が電力伝送波を受信し、取り入れ、使用可能な電気エネルギーに変換することができる空間内の位置において、エネルギーポケット104を確立し、これによって、関連付けられた電気クライアントデバイス105に電源供給するかまたはこれらを充電することができる。検出器107は、電力伝送信号の受信に応答して通知またはアラートを生成することが可能な受信機103を備えるデバイスとすることができる。例として、ユーザーのクライアントデバイス105を充電するために受信機103の最適な配置を探索しているユーザーは、LEDライト108を備える検出器107を用いることができ、このLEDライト108は、検出器107が単一のビームまたはエネルギーポケット104からの電力伝送信号を捕捉するときに明るさを増すことができる。
【0023】
1.送信機
[0044] 送信機101は、デバイス105に関連付けられた受信機103に電力伝送信号を送信またはブロードキャストすることができる。後述する実施形態のうちのいくつかは、無線周波数(RF)波として電力伝送信号を記載しているが、電力伝送は、空間を通じて伝播されることが可能であり、かつ電気エネルギー源103に変換されることが可能な物理的媒体とすることができることが理解されるべきである。送信機101は、受信機103に向けられた単一のビームとして電力伝送信号を送信することができる。いくつかの場合、1つ以上の送信機101が、複数の方向において伝播される複数の電力伝送信号を送信することができ、物理的障害物(例えば、壁)を外れるように偏波することができる。複数の電力伝送信号が、3次元空間内の位置において収束し、エネルギーポケット104を形成することができる。エネルギーポケット104の境界内の受信機103は、電力伝送信号を捕捉し、使用可能なエネルギー源に変換することができる。送信機101は、電力伝送信号の位相および/または相対振幅調整に基づくポケット形成を制御して、強め合う干渉パターンを形成することができる。
【0024】
[0045] 例示的な実施形態は、RF波送信技法の使用を挙げているが、ワイヤレス充電技法は、RF波送信技法に限定されるべきではない。むしろ、可能なワイヤレス充電技法は、送信されたエネルギーを電力に変換する受信機にエネルギーを送信するための任意の数の代替的なまたは更なる技法を含むことができることが理解されるべきである。受信デバイスによって電力に変換することができるエネルギーのための非限定的な例示的な伝送技法は、超音波、マイクロ波、共鳴磁場および誘導磁場、レーザー光、赤外線、または他の形態の電磁エネルギーを含むことができる。超音波の場合、例えば、受信デバイスに向かって超音波を送信するトランスデューサーアレイを形成するように1つ以上のトランスデューサー素子を配置することができ、この受信デバイスは、超音波を受信し、超音波を電力に変換する。共鳴磁場および誘導磁場の場合、送信コイルにおいて磁場が生じ、受信機コイルによって電力に変換される。更に、例示的な送信機101が、潜在的に複数の送信機(送信アレイ)を含む単一のユニットとして示されているが、電力のRF送信、およびこの段落で述べられた他の電力伝送方法の双方の場合に、送信アレイは、小型の規則的構造ではなく、空間の周りに物理的に拡散した複数の送信機を含むことができる。送信機は、アンテナが電力伝送信号を送信するために用いられるアンテナアレイを含む。各アンテナは電力伝送波を送信し、ここで、送信機は、異なるアンテナから送信された信号に異なる位相および振幅を適用する。エネルギーポケットの形成と同様に、送信機は、送信される信号の遅延したバージョンのフェーズドアレイを形成することができ、次に、信号の遅延したバージョンに異なる振幅を適用し、次に、適切なアンテナから信号を送信する。RF信号、超音波、マイクロ波等のような正弦波形の場合、信号を遅延させることは、信号に位相シフトを適用することと同様である。
【0025】
2.エネルギーポケット
[0046] エネルギーポケット104は、送信機101によって送信された電力伝送信号の強め合う干渉パターンの位置において形成することができる。エネルギーポケット104は、エネルギーポケット104内に位置する受信機103によってエネルギーを取り入れることができる3次元場として現れることができる。ポケット形成中に送信機101によって生成されるエネルギーポケット104を、受信機103によって取り入れ、電荷に変換し、次に、受信機103(例えば、ラップトップコンピューター、スマートフォン、充電池)に関連付けられた電子クライアントデバイス105に提供することができる。いくつかの実施形態では、様々なクライアントデバイス105に電源供給する複数の送信機101および/または複数の受信機103が存在する場合がある。いくつかの実施形態では、アダプティブポケット形成は、電力レベルを調節し、および/またはデバイス105の動きを識別するために、電力伝送信号の送信を調整することができる。
【0026】
3.受信機
[0047] 受信機103は、関連付けられたクライアントデバイス105に電源供給するかまたはこれを充電するために用いることができる。クライアントデバイス105は、受信機103に結合または一体化された電気デバイスとすることができる。受信機103は、1つ以上の送信機101から生じた1つ以上の電力伝送信号からの電力伝送波を受信することができる。受信機103は、送信機101によって生成された単一のビームとして電力伝送信号を受信することができるか、または受信機103は、エネルギーポケット104から電力伝送波を取り入れることができる。これは、1つ以上の送信機101によって生成される複数の電力伝送波の収束の結果として生じる空間内の3次元場とすることができる。受信機103は、電力伝送信号から電力伝送波を受信し、単一のビームまたはエネルギーポケット104の電力伝送信号からエネルギーを取り入れるように構成されたアンテナ112のアレイを含むことができる。受信機103は回路部を含むことができ、この回路部は、次に、電力伝送信号(例えば、無線周波数電磁放射)のエネルギーを電気エネルギーに変換する。受信機103の整流器は、電気エネルギーをACからDCに変換することができる。他のタイプの調整も適用することができる。例えば、電圧調整回路は、クライアントデバイス105による要求に応じて、電気エネルギーの電圧を増減させることができる。次に、継電器は、受信機103からの電気エネルギーをクライアントデバイス105に伝達することができる。
【0027】
[0048] いくつかの実施形態では、受信機103は、データをリアルタイムでまたはほぼリアルタイムで交換するために、制御信号を送信機101に送信する通信コンポーネントを備えることができる。制御信号は、クライアントデバイス105、受信機103または電力伝送信号に関するステータス情報を含むことができる。ステータス情報は、数あるタイプの情報の中でも、例えば、デバイス105の現在の位置情報、受け取った電荷量、使用した電荷量、およびユーザーアカウント情報を含むことができる。更に、いくつかの用途では、受信機103は、受信機が収容する整流器を含めて、クライアントデバイス105に一体化することができる。実際的には、受信機103、配線111およびクライアントデバイス105は、単一のパッケージ内に含まれる単一のユニットとすることができる。
【0028】
4.制御信号
[0049] いくつかの実施形態では、制御信号は、電力伝送信号の生成および/またはポケット形成の制御を担う様々なアンテナ素子によって用いられるデータ入力としての役割を果たすことができる。制御信号は、外部電源(図示せず)および局部発振器チップ(図示せず)を用いて受信機103または送信機101によって生成することができ、これはいくつかの場合、圧電材料を用いることを含むことができる。制御信号は、Bluetooth(登録商標)、RFID、赤外線、近距離通信(NFC)等のプロセッサ間でデータを通信することが可能なRF波または任意の他の通信媒体もしくはプロトコルとすることができる。後に詳述するように、制御信号は、送信機101と受信機103との間で、電力伝送信号を調整するのに用いられる情報を伝達するのに用いることができ、また、ステータス、効率性、ユーザーデータ、電力消費、課金、ジオロケーションに関する情報、および他のタイプの情報を含むことができる。
【0029】
5.検出器
[0050] 検出器107は、検出器107が1つ以上の送信機101から生じた電力伝送信号を受信することを可能にすることができる、受信機103に類似のハードウェアを含むことができる。ユーザーによって検出器107を用いてエネルギーポケット104の位置を特定することができ、それによって、ユーザーは、受信機103の好ましい配置を決定することができる。いくつかの実施形態では、検出器107は、検出器がエネルギーポケット104内に配置されたときを示すインジケータライト108を備えることができる。例として、
図1において、検出器107a、107bは、送信機101によって生成されたエネルギーポケット104内に位置し、これによって、検出器107a、107bがエネルギーポケット104の電力伝送信号を受信していることに起因して、それぞれのインジケータライト108、108bをオンにするように検出器107a、107bをトリガーすることができるのに対し、エネルギーポケット104の外側に位置する第3の検出器107cのインジケータライト108cは、第3の検出器107cが送信機101からの電力伝送信号を受信していないことに起因してオフにされる。代替的な実施形態において、インジケータライト等の検出器の機能も、受信機またはクライアントデバイスに一体化されてもよいことが理解されるべきである。
【0030】
6.クライアントデバイス
[0051] クライアントデバイス105は、連続電気エネルギーを必要とするかまたは電池からの電力を必要とする任意の電気デバイスとすることができる。クライアントデバイス105の非限定的な例は、数あるタイプの電気デバイスの中でも、ラップトップ、携帯電話、スマートフォン、タブレット、音楽プレーヤー、玩具、電池、フラッシュライト、ランプ、電子時計、カメラ、ゲームコンソール、機器、GPSデバイス、および装着可能なデバイスまたはいわゆる「ウェアラブル」(例えば、フィットネスブレスレット、歩数計、スマートウォッチ)を含むことができる。
【0031】
[0052] いくつかの実施形態では、クライアントデバイス105aは、クライアントデバイス105aに関連付けられた受信機103aと別個の物理デバイスとすることができる。そのような実施形態では、クライアントデバイス105aは、変換された電気エネルギーを受信機103aからクライアントデバイス105aに伝達する配線111を介して受信機に接続することができる。いくつかの場合、電力消費ステータス、電力使用メトリック、デバイス識別子および他のタイプのデータ等の他のタイプのデータを、配線111を介してトランスポートすることができる。
【0032】
[0053] いくつかの実施形態では、クライアントデバイス105bは、受信機103bに恒久的に一体化するかまたは取り外し可能に結合し、それによって単一の一体化された製品またはユニットを形成することができる。例として、クライアントデバイス105bは、組込み受信機103aを有し、デバイス105bの電源入力に取り外し可能に結合することができるスリーブ内に配置することができる。この電源入力は、通常、デバイス105bの電池を充電するのに用いることができる。この例において、デバイス105bは、受信機から分離することができるが、デバイス105bが電荷を必要としているか否かまたはデバイス105bが用いられているか否かに関わらず、スリーブ内に留まることができる。別の例では、デバイス105bのための電荷を保持する電池を有する代わりに、デバイス105bは、明瞭に区別されない(indistinct)製品、デバイスまたはユニットを形成するようにデバイス105bに恒久的に一体化することができる、一体化された受信機105bを備えることができる。この例において、デバイス105bは、エネルギーポケット104を取り入れることによって電気エネルギーを生成するために、一体化された受信機103bにほぼ全面的に依拠することができる。当業者には、受信機103とクライアントデバイス105との間の接続を有線111とすることができるか、または回路基板もしくは集積回路上の電気接続とすることができるか、または更には、誘導もしくは磁気等のワイヤレス接続とすることができることが明らかであるべきである。
【0033】
B.ワイヤレス電力伝送の方法
[0054]
図2は、例示的な方法200の実施形態によるワイヤレス電力伝送のステップを示す。
【0034】
[0055] 第1のステップ201において、送信機(TX)は、接続を確立するかまたは他の形で受信機(RX)と連携する。すなわち、いくつかの実施形態では、送信機および受信機は、電気デバイスの2つのプロセッサ間で情報を送信することが可能なワイヤレス通信プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標)低エネルギー(BLE)、Wi-Fi、NFC、ZigBee(登録商標))を用いることにより制御データを通信することができる。例えば、Bluetooth(登録商標)またはBluetooth(登録商標)の変形形態を実施する実施形態において、送信機は、受信機のブロードキャストするアドバタイズメント信号をスキャンすることができるか、または受信機はアドバタイズメント信号を送信機に送信することができる。アドバタイズメント信号は、受信機の存在を送信機に知らせることができ、送信機と受信機との間の関連付けをトリガーすることができる。本明細書に記載されるとき、いくつかの実施形態では、アドバタイズメント信号は、様々なデバイス(例えば、送信機、クライアントデバイス、サーバーコンピューター、他の受信機)によって、ポケット形成手順を実行および管理するのに用いることができる情報を通信することができる。アドバタイズメント信号内に含まれる情報は、デバイス識別子(例えば、MACアドレス、IPアドレス、UUID)、受信した電気エネルギーの電圧、クライアントデバイス電力消費、および電力伝送に関連する他のタイプのデータを含むことができる。送信機は、送信されたアドバタイズメント信号を使用して受信機を特定することができ、いくつかの場合、2次元空間内または3次元空間内で受信機を位置特定することができる。送信機が受信機を特定すると、送信機は、送信機において受信機と関連付けられた接続を確立し、送信機および受信機が第2のチャネルを介して信号を通信することを可能にすることができる。
【0035】
[0056] 次のステップ203において、送信機は、アドバタイズメント信号を用いて、電力伝送信号を送信するための1組の電力伝送信号特徴を決定し、次にエネルギーポケットを確立することができる。電力伝送信号の特徴の非限定的な例は、数ある中でも、位相、利得、振幅、大きさおよび方向を含むことができる。送信機は、受信機のアドバタイズメント信号または受信機から受信される後続の制御信号に含まれる情報を用いて、受信機が電力伝送信号を受信することができるように電力伝送信号をどのように生成および送信するかを決定することができる。いくつかの場合、送信機は、エネルギーポケットを確立するように電力伝送信号を送信することができ、このエネルギーポケットから受信機は電力エネルギーを取り入れることができる。いくつかの実施形態では、送信機は、電力伝送信号から受信機によって取り入れられる電気エネルギーの電圧等の、受信機から受信される情報に基づいて、エネルギーポケットを確立するのに必要とされる電力伝送信号特徴を自動的に特定することが可能なソフトウェアモジュールを実行するプロセッサを含むことができる。いくつかの実施形態では、プロセッサおよび/またはソフトウェアモジュールの機能は、特定用途向け集積回路(ASIC)において実施することができることを理解するべきである。
【0036】
[0057] 更にまたは代替的に、いくつかの実施形態では、第2の通信チャネルを介して受信機によって送信されるアドバタイズメント信号または後続の信号は、1つ以上の電力伝送信号特徴を示すことができ、次に、送信機がこれらの1つ以上の電力伝送信号特徴を用いて、電力伝送信号を生成および送信し、エネルギーポケットを確立することができる。例えば、いくつかの場合、送信機は、デバイスの位置およびデバイスまたは受信機のタイプに基づいて電力伝送信号を送信するのに必要な位相および利得を自動的に特定することができ、いくつかの場合、受信機は、送信機に、電力伝送信号を効果的に送信するための位相および利得を通知することができる。
【0037】
[0058] 次のステップ205において、送信機は、電力伝送信号を送信するときに使用するのに適切な特徴を決定した後、制御信号と別個のチャネルを介して電力伝送信号の送信を開始することができる。電力伝送信号を送信して、エネルギーポケットを確立することができる。送信機のアンテナ素子は、電力伝送信号が受信機の周りの2次元空間または3次元空間において収束するように電力伝送信号を送信することができる。受信機の周りに結果として得られる場は、受信機が電気エネルギーを取り入れることができるエネルギーポケットを形成する。1つのアンテナ素子を用いて、電力伝送信号を送信し、2次元エネルギー伝送を確立することができ、いくつかの場合、第2のまたは追加のアンテナ素子を用いて、3次元エネルギーポケットを確立するために電力伝送信号を送信することができる。いくつかの場合、複数のアンテナ素子を用いて、エネルギーポケットを確立するために電力伝送信号を送信することができる。更に、いくつかの場合、複数のアンテナは、送信機における全てのアンテナを含んでもよく、いくつかの場合、複数のアンテナは、送信機の全てのアンテナより少ない、送信機におけるいくつかのアンテナを含んでもよい。
【0038】
[0059] 上述したように、送信機は、電力伝送信号特徴の決定された組に従って、電力伝送信号を生成および送信することができる。この組は、外部電源、および圧電材料を含む局部発振器チップを用いて生成および送信することができる。送信機は、受信機から受信した電力伝送およびポケット形成に関連する情報に基づいて電力伝送信号の生成および送信を制御するRFICを含むことができる。この制御データは、BLE、NFCまたはZigBee(登録商標)等のワイヤレス通信プロトコルを用いて、電力伝送信号と異なるチャネルを介して通信することができる。送信機のRFICは、必要に応じて、電力伝送信号の位相および/または相対的大きさを自動的に調整することができる。ポケット形成は、強め合う干渉パターンを形成するように電力伝送信号を送信する送信機によって達成される。
【0039】
[0060] 送信機のアンテナ素子は、ポケット形成中に電力伝送信号を送信するときに、波干渉の概念を用いて、ある特定の電力伝送信号特徴(例えば、送信方向、電力伝送信号波の位相)を決定することができる。アンテナ素子は、強め合う干渉の概念を用いてエネルギーポケットを生成することもできるが、弱め合う干渉の概念を利用して特定の物理的位置における送信ヌルを生成することもできる。
【0040】
[0061] いくつかの実施形態では、ポケット形成を用いて複数の受信機に電力を提供することができ、これには送信機が複数のポケット形成のための手順を実行することが必要となる場合がある。複数のアンテナ素子を備える送信機は、それぞれの受信機に電力伝送信号を送信する任務を課せられた送信機のアンテナ素子ごとに、伝送信号波の位相および利得を自動的に形成することによって、複数ポケット形成を達成することができる。送信機のアンテナ素子によって、電力伝送信号を受信機のそれぞれのアンテナ素子に送信するための、電力伝送信号ごとの複数の波経路を生成することができるので、送信機は、位相および利得を独立して計算することができる。
【0041】
[0062] 2つの信号を送信する送信機の2つのアンテナ素子について位相/利得調整を計算する例として、XおよびYを仮定する。ここで、YはXを180°位相シフトしたものである(Y=−X)。累積受信波形がX−Yである物理的位置において、受信機はX−Y=X+X=2Xを受信するのに対し、累積受信波形がX+Yである物理的位置において、受信機はX+Y=X−X=0を受信する。
【0042】
[0063] 次のステップ207において、受信機は、単一のビームまたはエネルギーポケットの電力伝送信号から電気エネルギーを取り入れるかまたは他の形で受信することができる。受信機は、整流器およびAC/DC変換器を備えることができ、整流器およびAC/DC変換器は、電気エネルギーをAC電流からDC電流に変換することができ、次に、受信機の整流器は、電力エネルギーを整流し、結果として、ラップトップコンピューター、スマートフォン、電池、玩具または他の電気デバイス等の受信機に関連付けられたクライアントデバイスのための使用可能な電気エネルギーを得ることができる。受信機は、ポケット形成中に送信機によって生成されたエネルギーポケットを利用して、電子デバイスに充電するかまたは他の形で電力供給することができる。
【0043】
[0064] 次のステップ209において、受信機は、受信機電力伝送信号を提供する単一のビームまたはエネルギーポケットの効率性を示す情報を含む制御データを生成することができる。次に、受信機は、制御データを含む制御信号を送信機に送信することができる。制御信号は、送信機および受信機が同期して通信している(すなわち、送信機が受信機からの制御データを受信することを予期している)か否かに依拠して、断続的に送信することができる。更に、送信機は、送信機および受信機が制御信号を通信しているか否かに関わらず、電力伝送信号を受信機に連続的に送信することができる。制御データは、電力伝送信号を送信し、および/または効果的なエネルギーポケットを確立することに関する情報を含むことができる。制御データにおける情報のうちのいくつかは、送信機に、電力伝送信号の特徴をどのように効果的に生成および送信し、いくつかの場合には調整するかを通知することができる。制御信号は、BLE、NFC、Wi−Fi等の電力伝送信号および/またはポケット形成に関連する制御データを送信することが可能なワイヤレスプロトコルを用いて、電力伝送信号と独立して、第2のチャネルを介して送信および受信することができる。
【0044】
[0065] 上述したように、制御データは、単一のビームの電力伝送信号の効果を示すかまたはエネルギーポケットを確立する情報を含むことができる。制御データは、受信機に関連付けられた受信機および/またはクライアントデバイスの様々な態様を監視する受信機のプロセッサによって生成することができる。制御データは、電力伝送信号および/またはポケット形成を調整するのに有用な数あるタイプの情報の中でも、電力伝送信号から受信した電気エネルギーの電圧、電力伝送信号受信の品質、充電の品質または電力受信の品質、および受信機の位置または動き等の様々なタイプの情報に基づくことができる。
【0045】
[0066] いくつかの実施形態では、受信機は、送信機から送信された電力伝送信号から受信した電力量を決定することができ、次に、送信機が電力伝送信号をより強力でない電力伝送信号に「分割」するかまたは分けるべきであることを示すことができる。より強力でない電力伝送信号は、デバイスの近傍の物体または壁から跳ね返ることができ、それによって、送信機から受信機に直接送信される電力量が低減する。
【0046】
[0067] 次のステップ211において、送信機は、電力伝送信号を送信するアンテナを較正することができ、それによって、アンテナは、より効果的な特徴組(例えば、方向、位相、利得、振幅)を有する電力伝送信号を送信する。いくつかの実施形態では、送信機のプロセッサは、受信機から受信した制御信号に基づいて、電力伝送信号を生成および送信するための、より効果的な特徴を自動的に決定することができる。制御信号は制御データを含むことができ、任意の数のワイヤレス通信プロトコル(例えば、BLE、Wi-Fi、ZigBee(登録商標))を用いて受信機によって送信することができる。制御データは、電力伝送波のためのより効果的な特徴を明示的に示す情報を含むことができるか、または送信機は、制御信号の波形特徴(例えば、形状、周波数、振幅)に基づいて、より効果的な特徴を自動的に決定することができる。次に、送信機は、新たに決定されたより効果的な特徴に従って、再較正された電力伝送信号を送信するようにアンテナを自動的に再構成することができる。例えば、送信機のプロセッサは、数ある電力伝送特徴のうちの特徴の中でも、電力伝送信号の利得および/または位相を調整し、ユーザーが、エネルギーポケットが確立された3次元空間の外側に受信機を動かした後に、受信機の位置の変化について調整することができる。
【0047】
C.電力伝送システムのシステムアーキテクチャ
[0068] 例示的な実施形態によれば、
図3は、ポケット形成を用いたワイヤレス電力伝送のためのアーキテクチャ300を示す。「ポケット形成」は、3次元空間内の位置において収束する2つ以上の電力伝送波342を生成し、結果としてその位置に強め合う干渉パターンを生成することを指すことができる。送信機302は、3次元空間において収束することができる制御された電力伝送波342(例えば、マイクロ波、電波、超音波)を送信および/またはブロードキャストすることができる。これらの電力伝送波342は、位相および/または相対的振幅調整を通じて、エネルギーポケットが意図される位置において強め合う干渉パターン(ポケット形成)を形成するように制御することができる。送信機は、同じ原理を用いて、ある位置における弱め合う干渉を生じさせ、それによって、送信ヌル、すなわち、送信された電力伝送波が互いに実質的に相殺し、大きなエネルギーを受信機によって収集することができない位置を生じさせることができることも理解されるべきである。通常の使用事例では、受信機の位置における電力伝送信号の照準合わせが目的であり、他の事例では、特定の位置への電力伝送を特に回避することが望ましい場合があり、他の事例では、電力伝送をある位置に照準合わせする一方で、同時に、第2の位置への送信を特に回避することが望ましい場合がある。電力伝送のためにアンテナを較正するとき、送信機は使用事例を考慮に入れる。
【0048】
[0069] 送信機302のアンテナ素子306は、単一のアレイ、対のアレイ、4つ組のアレイ、または所望の用途に従って設計することができる任意の他の適切な構成で動作することができる。エネルギーポケットは、電力伝送波342が、3次元エネルギー場を形成するように蓄積する強め合う干渉パターンにおいて形成することができ、その周りに、弱め合う干渉パターンによって特定の物理的位置における1つ以上の対応する送信ヌルを生成することができる。特定の物理的位置における送信ヌルは、電力伝送波342の弱め合う干渉パターンに起因してエネルギーポケットが形成されない空間のエリアまたは領域を指すことができる。
【0049】
[0070] 次に、受信機320は、送信機302によって放射される電力伝送波342を利用して、電子デバイス313に充電または電力供給し、これによりワイヤレス電力伝送を効果的に提供するためのエネルギーポケットを確立することができる。エネルギーポケットは、エネルギーまたは電力が、電力伝送波342の強め合う干渉パターンの形態で蓄積することができる空間のエリアまたは領域を指すことができる。他の状況では、様々な電子機器、例えば、スマートフォン、タブレット、音楽プレーヤー、玩具等に同時に電力供給するための複数の送信機302および/または複数の受信機320が存在することができる。他の実施形態では、アダプティブポケット形成を用いて、電子デバイスに対する電力を調節することができる。アダプティブポケット形成は、1つ以上の標的とされる受信機に対する電力を調節するようにポケット形成を動的に調整することを指すことができる。
【0050】
[0071] 受信機320は、送信機302に対する受信機320の位置を示すために、アンテナ素子324を通じて短い信号を生成することによって送信機302と通信することができる。いくつかの実施形態では、受信機320は、ネットワークインターフェースカード(図示せず)または同様のコンピューターネットワーキングコンポーネントを更に利用してネットワーク340を通じて、送信機302のいくつかの集合体を管理するクラウドコンピューティングサービス等の、システム300の他のデバイスまたはコンポーネントと通信することができる。受信機320は、アンテナ素子324によって捕捉された電力伝送信号342を、電気デバイス313および/またはデバイスの電池315に提供することができる電気エネルギーに変換するための回路部308を備えることができる。いくつかの実施形態では、回路部は、受信機の電池335に電気エネルギーを提供することができ、受信機の電池335は、電気デバイス313が受信機320に通信可能に結合されることなくエネルギーを蓄えることができる。
【0051】
[0072] 通信コンポーネント324は、受信機320が、ワイヤレスプロトコルを介して制御信号345を送信することによって送信機302と通信することを可能にすることができる。ワイヤレスプロトコルは、専用プロトコルとすることもできるし、Bluetooth(登録商標)、BLE、Wi−Fi、NFC、ZigBee等の従来のワイヤレスプロトコルを用いることもできる。次に、通信コンポーネント324を用いて、電子デバイス313のための識別子等の情報、ならびに電池レベル情報、地理的位置データ、または電力をいつ受信機320に送信するか、および電力伝送波342を送達してエネルギーポケットを生じさせる位置を決定する際に送信機302に有用とすることができる他の情報を転送することができる。他の実施形態では、アダプティブポケット形成を用いて、電子デバイス313に提供される電力を調節することができる。そのような実施形態において、受信機の通信コンポーネント324は、受信機320において受信される電力量、および/または電子デバイス313bもしくは電池315に提供される電圧量を示す電圧データを送信することができる。
【0052】
[0073] 送信機302が受信機320を識別し、位置特定すると、制御信号345のためのチャネルまたは経路を確立することができ、このチャネルまたは経路を通じて、送信機302は、受信機320から到来する制御信号345の利得および位相を知ることができる。送信機302のアンテナ素子306は、制御された電力伝送波342(例えば、無線周波数波、超音波)の送信またはブロードキャストを開始することができ、制御された電力伝送波342は、少なくとも2つのアンテナ素子306を用いて、それぞれのアンテナ素子306から放射された電力伝送波342を操作することによって、3次元空間において収束することができる。これらの電力伝送波342は、適切な圧電材料を用いて外部電源および局部発振器チップを用いることによって生成することができる。電力伝送波342は、送信機回路部301によって制御することができ、送信機回路部301は、電力伝送波342の位相および/または相対的な大きさを調整するための専用チップを含むことができる。電力伝送波342の位相、利得、振幅および他の波形は、アンテナ素子306が強め合う干渉パターンおよび弱め合う干渉パターンを形成する(ポケット形成)ための入力としての役割を果たすことができる。いくつかの実施態様では、送信機302のマイクロコントローラー310または他の回路は電力伝送信号を生成することができ、電力伝送信号は電力伝送波342を含み、送信機回路部301に接続されたアンテナ素子306の数に依拠して、送信機回路部301によって複数の出力に分割することができる。例えば、4つのアンテナ素子306a〜306dが1つの送信機回路301aに接続されている場合、電力伝送信号は、4つの異なる出力に分割され、各出力は、アンテナ素子306に向かい、それぞれのアンテナ素子306から生じる電力伝送波342として送信される。
【0053】
[0074] ポケット形成は、干渉を利用して、アンテナ素子306の指向性を変更することができる。ここで、強め合う干渉はエネルギーポケットを生成し、弱め合う干渉は送信ヌルを生成する。次に、受信機320は、電子デバイスを充電し、電子デバイスに電源供給するためのポケット形成によって生成されるエネルギーポケットを利用し、それによってワイヤレス電力伝送を効果的に提供することができる。
【0054】
[0075] 送信機302の各アンテナ306から各受信機320への位相および利得を計算することによって、複数のポケット形成を達成することができる。
【0055】
D.エネルギーポケットを形成するシステムのコンポーネント
[0076]
図4は、ポケット形成手順を用いてワイヤレス電力伝送の例示的なシステム400のコンポーネントを示す。システム400は、1つ以上の送信機402と、1つ以上の受信機420と、1つ以上のクライアントデバイス446とを備えることができる。
【0056】
1.送信機
[0077] 送信機402は、本明細書に記載されるように、ワイヤレス電力伝送のためのRF波442とすることができるワイヤレス電力伝送信号をブロードキャストすることが可能な任意のデバイスとすることができる。送信機402は、ポケット形成、アダプティブポケット形成および複数のポケット形成を含むことができる電力伝送信号を送信することに関係するタスクの実行を担うことができる。いくつかの実施態様では、送信機402は、RF波の形態でワイヤレス電力伝送を受信機420に送信することができ、このRF波は、任意の周波数または波長を有する任意の無線信号を含むことができる。送信機402は、1つ以上のアンテナ素子406と、1つ以上のRFIC408と、1つ以上のマイクロコントローラー410と、1つ以上の通信コンポーネント412と、電源414と、送信機402のための全ての要求されたコンポーネントを配置することができるハウジングとを備える。送信機402の様々なコンポーネントは、メタマテリアル、回路のマイクロプリント、ナノマテリアル等を含むことができ、および/またはこれらを用いて製造することができる。
【0057】
[0078] 例示的なシステム400において、送信機402は、3次元空間内の位置において収束し、それによってエネルギーポケット444を形成する制御されたRF波442を送信するか、または他の形でブロードキャストすることができる。これらのRF波は、位相および/または相対振幅調節を通じて制御され、強め合う干渉パターンまたは弱め合うパターンを形成することができる(すなわち、ポケット形成)。エネルギーポケット444は、強め合う干渉パターンにおいて形成される場とすることができ、3次元の形状とすることができるのに対し、特定の物理的位置における送信ヌルは、弱め合う干渉パターンにおいて生成することができる。受信機420は、電子クライアントデバイス446(例えば、ラップトップコンピューター、携帯電話)を充電するかまたはこれに電源供給するためにポケット形成によって生成されるエネルギーポケット444から電気エネルギーを取り入れることができる。いくつかの実施形態では、システム400は、様々な電子機器に電力供給するための複数の送信機402および/または複数の受信機420を含むことができる。クライアントデバイス446の非限定的な例は、スマートフォン、タブレット、音楽プレーヤー、玩具等を同時に含むことができる。いくつかの実施形態では、アダプティブポケット形成を用いて、電子デバイスに対する電力を調節することができる。
【0058】
2.受信機
[0079] 受信機420は、少なくとも1つのアンテナ素子424、1つの整流器426、1つの電力変換器428および通信コンポーネント430を含めることができるハウジングを含むことができる。
【0059】
[0080] 受信機420のハウジングは、信号または波の送信および/または受信を容易にすることが可能な任意の材料、例えば、プラスチックまたは硬質ゴムから作製することができる。ハウジングは、例えば、ケースの形態で異なる電子機器に付加することができる外付けハードウェアとすることができるか、または電子機器内に組み込むこともできる。
【0060】
3.アンテナ素子
[0081] 受信機420のアンテナ素子424は、送信機402Aによって用いられる周波数帯域において信号を送信および/または受信することが可能な任意のタイプのアンテナを含むことができる。アンテナ素子424は、垂直偏波もしくは水平偏波、右偏波もしくは左偏波、楕円偏波、または他の偏波、および任意の数の偏波の組合せを含むことができる。複数の偏波を用いることは、使用中の好ましい向きがないか、または向きが経時的に連続して変化する場合があるデバイス、例えば、スマートフォンまたはポータブルゲーミングシステムにおいて有利であり得る。明確に定義された予期される向きを有するデバイス(例えば、両手を使うビデオゲームコントローラー)の場合、アンテナの好ましい偏波が存在する場合があり、これにより、複数のアンテナについて所与の偏波の比を指定することができる。受信機420のアンテナ素子424におけるアンテナのタイプは、約1/8インチ〜約6インチの高さと、約1/8インチ〜約6インチの幅とを有することができるパッチアンテナを含むことができる。パッチアンテナは、好ましくは、接続性に依拠した偏波を有することができ、すなわち、偏波は、いずれの側からパッチが供給されるかに依拠して変動することができる。いくつかの実施形態では、アンテナのタイプは、ワイヤレス電力伝送を最適化するようにアンテナ偏波を動的に変動させることが可能な、パッチアンテナ等の任意のタイプのアンテナとすることができる。
【0061】
4.整流器
[0082] 受信機420の整流器426は、アンテナ素子424によって生成された交流(AC)電圧を直流(DC)電圧に整流するための、ダイオード、レジスタ、インダクタ、および/またはキャパシタを備えることができる。整流器426は、技術的に可能な限りアンテナ素子424Bの近くに配置し、電力伝送信号から収集された電力エネルギーにおける損失を最小にすることができる。AC電圧を整流した後、結果として得られるDC電圧を、電力変換器428を用いて調節することができる。電力変換器428は、入力に関わらず、電子デバイスに、またはこの例示的なシステム400におけるように電池に、一定の電圧出力を提供するのに役立つことができるDC/DC変換器とすることができる。通常の電圧出力は、約5ボルト〜約10ボルトとすることができる。いくつかの実施形態では、電力変換器は、高い効率性を提供することができる電子切り替えモードDC/DC変換器を含むことができる。そのような実施形態では、受信機420は、電力変換器428の前に電気エネルギーを受信するように位置を定められたキャパシタ(図示せず)を備えることができる。キャパシタは、十分な電流が電子切り替えデバイス(例えば、切り替えモードDC/DC変換器)に提供され、それによって電子切り替えデバイスが効果的に動作することができることを確実にすることができる。電子デバイス、例えば電話またはラップトップコンピューターを充電するとき、電子切り替えモードDC/DC変換器の動作を起動するのに必要とされる最小電圧を超えることができる初期高電流が必要とされる場合がある。そのような場合、キャパシタ(図示せず)を受信機420の出力に付加して、必要とされる追加のエネルギーを提供することができる。その後、低電力を提供することができる。例えば、電話またはラップトップにまだ電荷を蓄積させている間に、総初期電力の1/80を用いることができる。
【0062】
5.通信コンポーネント
[0083] 受信機420の通信コンポーネント430は、他の受信機420、クライアントデバイス、および/または送信機402等の、システム400の1つ以上の他のデバイスと通信することができる。以下の実施形態において説明されるように、受信機に関して、異なるアンテナ、整流器または電力変換器構成が可能である。
【0063】
E.複数のデバイスのためのポケット形成の方法
[0084]
図5は、例示的な実施形態による、複数の受信機デバイスに電源供給するステップを示す。
【0064】
[0085] 第1のステップ501において、送信機(TX)は、接続を確立するか、または他の形で受信機(RX)と連携する。すなわち、いくつかの実施形態では、送信機および受信機は、電気デバイスの2つのプロセッサ間で情報を送信することが可能なワイヤレス通信プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標)、BLE、Wi-Fi、NFC、ZigBee(登録商標))を用いることにより制御データを通信することができる。例えば、Bluetooth(登録商標)またはBluetooth(登録商標)の変形形態を実施する実施形態において、送信機は、受信機のブロードキャストするアドバタイズメント信号をスキャンすることができるか、または受信機はアドバタイズメント信号を送信機に送信することができる。アドバタイズメント信号は、受信機の存在を送信機に知らせることができ、送信機と受信機との間の関連付けをトリガーすることができる。後に記載されるように、いくつかの実施形態では、アドバタイズメント信号は、様々なデバイス(例えば、送信機、クライアントデバイス、サーバーコンピューター、他の受信機)によって、ポケット形成手順を実行および管理するのに用いることができる情報を通信することができる。アドバタイズメント信号内に含まれる情報は、デバイス識別子(例えば、MACアドレス、IPアドレス、UUID)、受信した電気エネルギーの電圧、クライアントデバイス電力消費、および電力伝送波に関連する他のタイプのデータを含むことができる。送信機は、送信されたアドバタイズメント信号を使用して受信機を特定することができ、いくつかの場合、2次元空間内または3次元空間内の受信機を位置特定することができる。送信機が受信機を特定すると、送信機は、送信機において受信機と関連付けられた接続を確立し、送信機および受信機が第2のチャネルを介して制御信号を通信することを可能にすることができる。
【0065】
[0086] 例として、Bluetooth(登録商標)プロセッサを備える受信機が通電されるか、または送信機の検出範囲内に入れられるとき、Bluetooth(登録商標)プロセッサは、Bluetooth(登録商標)規格に従って受信機のアドバタイズメントを開始することができる。送信機は、アドバタイズメントを認識し、制御信号および電力伝送信号を通信するための接続の確立を開始することができる。いくつかの実施形態では、アドバタイズメント信号は一意の識別子を含むことができ、それによって、送信機は、そのアドバタイズメントを区別し、最終的に、範囲内の近傍にある全ての他のBluetooth(登録商標)デバイスとその受信機を区別することができる。
【0066】
[0087] 次のステップ503において、送信機がアドバタイズメント信号を検出すると、送信機は、その受信機との通信接続を自動的に形成することができ、これによって、送信機および受信機が、制御信号および電力伝送信号を通信することを可能にすることができる。次に、送信機は、受信機がリアルタイムサンプルデータの送信を開始するかまたはデータを制御することを命令することができる。送信機は、送信機のアンテナアレイのアンテナからの電力伝送信号の送信も開始することができる。
【0067】
[0088] 次のステップ505において、次に、受信機は、受信機のアンテナによって受信される電気エネルギーに基づいて、電力伝送信号の効率性に関係する数ある基準の中でも、電圧を測定することができる。受信機は、測定情報を含む制御データを生成することができ、次に、制御データを含む制御信号を送信機に送信することができる。例えば、受信機は、例えば、毎秒100回の速度で受信した電気エネルギーの電圧測定値をサンプリングすることができる。受信機は、制御信号の形態で、毎秒100回電圧サンプル測定値を送信機に返送することができる。
【0068】
[0089] 次のステップ507において、送信機は、受信機から受信した電圧測定値等の基準を監視する1つ以上のソフトウェアモジュールを実行することができる。アルゴリズムは、送信機のアンテナによって電力伝送信号の生成および送信を変動させ、受信機の周りのエネルギーポケットの効率性を最大にすることができる。例えば、送信機は、受信機によって受信される電力が、受信機の周りで効率的に確立されたポケットエネルギーを示すまで、送信機アンテナが電力伝送信号を送信する位相を調整することができる。アンテナのための最適な構成が特定されると、送信機のメモリは、その最も高いレベルで送信機ブロードキャストを保持するように構成を記憶することができる。
【0069】
[0090] 次のステップ509において、送信機のアルゴリズムは、電力伝送信号を調整することが必要であるときを判断し、そのような調整が必要であるという判断に応答して、送信アンテナの構成を変更することもできる。例えば、送信機は、受信機から受信されるデータに基づいて、受信機において受信される電力が最大未満であると判断することができる。次に、送信機は、電力伝送信号の位相を自動的に調整することができるが、同時に、受信機から折り返し報告される電圧の受信および監視も継続することができる。
【0070】
[0091] 次のステップ511において、特定の受信機と通信するための定められた期間の後、送信機は、送信機の範囲内にあることができる他の受信機からのアドバタイズメントをスキャンし、および/または自動的に検出することができる。送信機は、第2の受信機からのBluetooth(登録商標)アドバタイズメントに応答して第2の受信機への接続を確立することができる。
【0071】
[0092] 次のステップ513において、第2の受信機との第2の通信接続を確立した後、送信機は、送信機のアンテナアレイにおける1つ以上のアンテナの調整に進むことができる。いくつかの実施形態では、送信機は、第2の受信機にサービス提供するためのアンテナのサブセットを特定し、それによって、アレイを、受信機に関連付けられたアレイのサブセットにパースすることができる。いくつかの実施形態では、アンテナアレイ全体が、所与の期間にわたって第1の受信機にサービス提供することができ、次に、アレイ全体が、その期間にわたって第2の受信機にサービス提供することができる。
【0072】
[0093] 送信機によって実行される手動または自動のプロセスは、第2の受信機にサービス提供するためのアレイのサブセットを選択することができる。この例において、送信機のアレイを半分に分割し、2つのサブセットを形成することができる。結果として、アンテナの半分を、電力伝送信号を第1の受信機に送信するように構成することができ、アンテナの半分を第2の受信機のために構成することができる。現在のステップ513において、送信機は、第2の受信機のためのアンテナのサブセットを構成または最適化するために上記で論考した同様の技法を適用することができる。電力伝送信号を送信するためのアレイのサブセットを選択する間、送信機および第2の受信機は制御データを通信することができる。結果として、送信機が第1の受信機と通信すること、および/または新たな受信機についてスキャンすることに交替して戻るまでに、送信機は、送信機のアンテナアレイの第2のサブセットによって送信される波の位相を調整し、電力伝送波を第2の受信機に効果的に送信するのに十分な量のサンプルデータを受信している。
【0073】
[0094] 次のステップ515において、電力伝送信号を第2の受信機に送信するように第2のサブセットを調整した後、送信機は、第1の受信機と制御データを通信すること、または更なる受信機についてスキャンすることに交替して戻ることができる。送信機は、第1のサブセットのアンテナを再構成し、次に、所定の間隔で第1の受信機と第2の受信機とを交互に切り替えることができる。
【0074】
[0095] 次のステップ517において、送信機は、受信機間で交互に切り替えることを継続し、所定の間隔で新たな受信機についてスキャンすることができる。各新たな受信機が検出されるとき、送信機は接続を確立し、それに応じて、電力伝送信号の送信を開始することができる。
【0075】
[0096] 1つの例示的な実施形態において、受信機は、スマートフォンのようなデバイスに電気的に接続することができる。送信機のプロセッサは、任意のBluetooth(登録商標)デバイスについてスキャンすることができる。受信機は、これがBluetooth(登録商標)デバイスであるというアドバタイズメントを、Bluetooth(登録商標)チップを通じて開始することができる。アドバタイズメント内で、一意の識別子が存在することができ、それによって、送信機は、そのアドバタイズメントをスキャンしたときに、そのアドバタイズメントを区別し、最終的に、範囲内の近傍にある全ての他のBluetooth(登録商標)デバイスとその受信機を区別することができる。送信機がそのアドバタイズメント信号を検出すると、これが受信機であることを認識し、次に送信機は、その受信機との通信接続をすぐに形成し、その受信機がリアルタイムサンプルデータの送信を開始することを命令することができる。
【0076】
[0097] 次に、受信機は、自身の受信アンテナにおいて電圧を測定し、その電圧サンプル測定値を送信機に返送する(例えば、毎秒100回)。送信機は、位相を調整することによって、送信アンテナの構成の変更を開始することができる。送信機が位相を調整するとき、送信機は、受信機から返送される電圧を監視する。いくつかの実施態様において、電圧が高いほど、より大きなエネルギーがポケット内に存在し得る。アンテナ位相は、電圧が最高レベルになり、受信機の周りに最大エネルギーポケットが存在するまで変えることができる。送信機は、電圧が最高レベルにあるように特定の位相にアンテナを保持することができる。
【0077】
[0098] 送信機は、一度に1つずつ、各個々のアンテナを変更することができる。例えば、送信機内に32個のアンテナが存在し、各アンテナが8つの位相を有する場合、送信機は、第1のアンテナから開始することができ、第1のアンテナが8つ全ての位相を経るようにする。次に、受信機は、第1のアンテナの8つの位相の各々について電力レベルを返送することができる。次に、送信機は、第1のアンテナの最高の位相を記憶することができる。送信機は、第2のアンテナについてこのプロセスを繰り返し、8つの位相を経るようにすることができる。受信機は、再び、各位相からの電力レベルを返送することができ、送信機は最も高いレベルを記憶することができる。次に、送信機は、第3のアンテナについてプロセスを繰り返し、32個全てのアンテナが8つの位相を経るまで、プロセスを繰り返し続けることができる。プロセスの終了時に、送信機は、最も効率的な方式で受信機に最大電圧を送信することができる。
【0078】
[0099] 別の例示的な実施形態では、送信機は、第2の受信機のアドバタイズメントを検出し、第2の受信機との通信接続を形成することができる。送信機が第2の受信機との通信を形成するとき、送信機は、第2の受信機に向けて元の32個のアンテナの照準合わせを行い、第2の受信機に照準合わせされた32個のアンテナの各々について位相プロセスを繰り返すことができる。プロセスが完了すると、第2の受信機は、送信機から可能な限り多くの電力を得ることができる。送信機は、1秒間第2の受信機と通信し、次に、所定の期間(例えば、1秒)にわたって第1の受信機に交替して戻り、送信機は、所定の間隔で第1の受信機と第2の受信機との間を交互に切り替えて往復し続けることができる。
【0079】
[0100] 更に別の実施態様では、送信機は、第2の受信機のアドバタイズメントを検出し、第2の受信機との通信接続を形成することができる。第1に、送信機は第1の受信機と通信し、第1の受信機に照準合わせされた例示的な32個のアンテナの半分を再割当てし、16個のみを第1の受信機に専用にすることができる。次に、送信機は、アンテナの第2の半分を第2の受信機に割り当て、16個のアンテナを第2の受信機に専用にすることができる。送信機は、アンテナの第2の半分のための位相を調整することができる。16個のアンテナが8つの位相の各々を経たとき、第2の受信機は、受信機にとって最も効率的な方式で最大電圧を得ていることができる。
【0080】
F.選択的範囲を用いたワイヤレス電力伝送
1.強め合う干渉
[0101]
図6Aおよび
図6Bは、例示的なポケット形成プロセス中に実施することができるワイヤレス電力伝送原理を実施する例示的なシステム600を示す。アンテナアレイに複数のアンテナを含む送信機601は、送信機601のアンテナから送信された電力伝送波607の数ある可能な属性の中でも、位相および振幅を調整することができる。
図6Aに示すように、位相または振幅調整がない場合、アンテナの各々から送信することができる電力伝送波607aは、異なる位置に到達し、異なる位相を有することになる。これらの差は、多くの場合、送信機601aの各アンテナ素子から、それぞれの位置にある1つまたは複数の受信機605aへの異なる距離に起因する。
【0081】
[0102]
図6Aを続けて参照すると、受信機605aは、送信機601aの複数のアンテナ素子から、各々が電力伝送波607aを含む複数の電力伝送信号を受信することができ、これらの電力伝送信号の合成物は、この例において、電力伝送波が弱め合うように共に合わさることに起因して、本質的に0とすることができる。すなわち、送信機601aのアンテナ素子は、厳密に同じ電力伝送信号(すなわち、位相および振幅等の同じ特徴を有する電力伝送波607aを含む)を送信することができ、したがって、それぞれの電力伝送信号の電力伝送波607aが受信機605aに到達するとき、これらは互いから180°オフセットされる。したがって、これらの電力伝送信号の電力伝送波607aは、互いに「相殺する」。通常、このように互いにオフセットする信号は、「弱め合う」と言うことができ、このため、結果として「弱め合う干渉」を生成することができる。
【0082】
[0103] 対照的に、
図6Bに示すように、いわゆる「強め合う干渉」信号の場合、互いに厳密に「同相で」受信機に到達する電力伝送波607aを含む信号は、各信号の振幅を増大させるように結合し、結果として、構成成分信号の各々よりも強力な合成物が得られる。
図6Aにおける説明的な例では、送信信号における電力伝送波607aの位相は、伝送の位置において同じであり、次に、最終的に、受信機605aの位置において弱め合うように合わさる。対照的に、
図6Bにおいて、送信信号の電力伝送波607bの位相は、送信の位置において調整され、それによって、これらの電力伝送波は位相が位置合わせされた状態で受信機605bに到達し、その後、強め合うように合わさる。この説明的な例では、
図6Bにおける受信機605bの周りに位置する、結果として得られるエネルギーポケットが存在し、
図6Aにおける受信機の周りに位置する送信ヌルが存在することになる。
【0083】
[0104]
図7は、送信機702が電気デバイス701に関連付けられた複数の受信機のためのポケット形成を生成することができる選択的範囲700を用いたワイヤレス電力伝送を示す。送信機702は、選択的範囲700を用いたワイヤレス電力伝送を通じてポケット形成を生成することができ、この選択的範囲は、特定の物理的位置706に、1つ以上のワイヤレス充電半径704および1つ以上の送信ヌル半径を含むことができる。ワイヤレス充電範囲704において、複数の電子デバイス701を充電するかまたはこれらに電力供給することができる。このため、いくつかのエネルギースポットを生じさせることができ、そのようなスポットは、電子デバイス701に電力供給し、電子デバイスを充電するための制約を可能にするために用いることができる。例として、制約は、ワイヤレス充電半径704内に含まれる特定のまたは限られたスポットにおいて特定の電子機器を動作させることを含むことができる。更に、選択的範囲700を有するワイヤレス電力伝送を用いることによって安全制約を実施することができ、そのような安全制約は、エネルギーが回避される必要があるエリアまたはゾーンにわたってエネルギーポケットを回避することができ、そのようなエリアは、エネルギーポケットに対し敏感な機器および/またはエネルギーポケットを自身の上および/または付近に望まない人々を含むエリアを含むことができる。
図7に示す実施形態等の実施形態では、送信機702は、サービングされるエリアにおいて電気デバイス701に関連付けられた受信機と異なる平面に見られるアンテナ素子を含むことができる。例えば、電気デバイス701の受信機は、送信機702が天井に取り付けられる部屋内にあることができる。電力伝送波を用いてエネルギーポケットを確立するための選択的範囲は、送信機702のアンテナアレイを天井または他の高い位置に配置することによって、同心円として表すことができ、送信機702は、エネルギーポケットの「円錐」を生成する電力伝送波を放射することができる。いくつかの実施形態では、送信機701は、各充電半径704の半径を制御し、これによって、より低い平面にあるエリアまで下に向けられたエネルギーポケットを生じさせるようにサービスエリアの間隔を確立する。これにより、アンテナの位相および振幅の適切な選択を通じて円錐の幅を調整することができる。
【0084】
[0105]
図8は、送信機802が複数の受信機806のためのポケット形成を生成することができる選択的範囲800を用いたワイヤレス電力伝送を示す。送信機802は、選択的範囲800を用いたワイヤレス電力伝送を通じてポケット形成を生成することができ、この選択的範囲は、1つ以上のワイヤレス充電スポット804を含むことができる。ワイヤレス充電スポット804において、複数の電子デバイスを充電するかまたはこれらに電力供給することができる。複数の受信機806にわたって、それらを取り囲む障害物804に関わらず、エネルギーポケットを生成することができる。エネルギーポケットは、本明細書に記載の原理に従って、ワイヤレス充電スポット804内に強め合う干渉を生じさせることによって生成することができる。エネルギーポケットの位置特定は、受信機806を追跡することによって、および、数ある中でも、Bluetooth(登録商標)技術、赤外線通信、Wi−Fi、FM無線等の多岐にわたる通信システムにより複数の通信プロトコルを可能にすることによって、実行することができる。
【0085】
G.ヒートマップを用いた例示的なシステムの実施形態
[0106]
図9Aおよび
図9Bは、例示的な実施形態による、クライアントコンピューティングプラットフォームをワイヤレス充電するためのアーキテクチャ900A、900Bの図を示す。いくつかの実施態様において、ユーザーは、部屋の中にいる場合があり、手に電子デバイス(例えば、スマートフォン、タブレット)を保持している場合がある。いくつかの実施態様では、電子デバイスは、部屋の中の家具の上にある場合がある。電子デバイスは、電子デバイスに組み込まれるか、または電子デバイスに接続された別個のアダプタとしての受信機920A、920Bを含むことができる。受信機920A、920Bは、
図11に記載される全てのコンポーネントを含むことができる。送信機902A、902Bは、ユーザーのすぐ後ろの部屋の壁のうちの1つに掛かっている場合がある。送信機902A、902Bも、
図11に記載される全てのコンポーネントを含むことができる。
【0086】
[0107] ユーザーが受信機920A、920Bと送信機902A、902Bとの間の経路を遮るように見える場合があるとき、RF波は、受信機920A、920Bに対し線形方向に容易に照準合わせされない場合がある。しかし、受信機920A、920Bから生成される短い信号は、用いられるアンテナ素子のタイプについて無指向性とすることができ、これらの信号は、送信機902A、902Bに到達するまで、壁944A、944Bにわたって跳ね返ることができる。ホットスポット944A、944Bは、RF信号波を反射する部屋内の任意のアイテムとすることができる。例えば、壁上の大きな金属の時計を用いて、RF波をユーザーの携帯電話に反射することができる。
【0087】
[0108] 送信機におけるマイクロコントローラーは、受信機から受信した信号に基づいて、各アンテナから送信される信号を調整する。調整は、受信機から受信した信号位相の共役を形成することと、アンテナ素子の組み込まれた位相を考慮に入れた、送信アンテナ位相の更なる調整を含むことができる。アンテナ素子は、所与の方向にエネルギーをステアリングするように同時に制御することができる。送信機902A、902Bは、部屋をスキャンし、ホットスポット944A、944Bを探すことができる。較正が行われると、送信機902A、902Bは、最も効果的な経路とすることができる経路を辿るチャネルにおけるRF波に焦点を当てることができる。その後、RF信号942A、942Bは、ユーザーおよび家具等の障害物を回避しながら、第1の電子デバイスにおけるエネルギーポケットおよび第2の電子デバイスにおける別のエネルギーポケットを形成することができる。
【0088】
[0109] サービスエリア、すなわち、
図9Aおよび
図9Bにおける部屋をスキャンするとき、送信機902A、902Bは、様々な方法を用いることができる。説明的な例として、ただし、用いることができる可能な方法を制限することなく、送信機902A、902Bは、受信機から到来する信号の位相および振幅を検出し、これらを用いて、例えば、これらの共役を計算し、送信時にこれらを適用することによって、送信位相および大きさの組を形成することができる。別の説明的な例として、送信機は、後続の送信において、送信アンテナの全ての取り得る位相を一度に1つずつ適用し、受信機920A、920Bからの信号に関連する情報を観測することによって各組合せにより形成されるエネルギーポケットの強度を検出することができる。次に、送信機902A、902Bは、この較正を周期的に繰り返す。いくつかの実施態様において、送信機902A、902Bは、全ての可能な位相を探索する必要がなく、以前の較正値に基づいて強力なエネルギーポケットを生成する可能性がより高い位相の組内を探索することができる。更に別の説明的な例では、送信機902A、902Bは、アンテナのための送信位相のプリセット値を用いて、部屋内の異なる位置に向けられたエネルギーポケットを形成することができる。送信機は、例えば、後続の送信におけるアンテナのためのプリセット位相値を用いることによって、部屋内の物理的空間を上から下および左から右にスキャンすることができる。次に、送信機902A、902Bは、受信機920a、920bからの信号を観測することによって、受信機920a、920bの周りの最も強力なエネルギーポケットを結果として生成する位相値を検出する。本明細書において記載される実施形態の範囲または趣旨から逸脱することなく用いることができるヒートマッピングのためのサービスエリアを操作するための他の可能な方法が存在することを理解されるべきである。いずれの方法が用いられようと、スキャン結果は、サービスエリア(例えば、部屋、店)のヒートマップであり、そこから、送信機902A、902Bは、受信機の周りのエネルギーポケットを最大にするために送信アンテナのために用いる最良の位相および大きさの値を示すホットスポットを特定することができる。
【0089】
[0110] 送信機902A、902Bは、Bluetooth(登録商標)接続を用いて受信機920A、920Bの位置を決定することができ、RF帯域の異なる重複しない部分を用いて、異なる受信機920A、920Bに対しRF波をチャネル設定することができる。いくつかの実施態様では、送信機902A、902Bは、部屋のスキャンを行って、受信機920A、920Bの位置を判断することができ、重複しないRF送信帯域によって、互いに直交するエネルギーポケットを形成する。複数のエネルギーポケットを用いてエネルギーを受信機に向けることは、いくつかの代替的な電力伝送方法よりも本質的に安全であり得る。なぜなら、いずれの単一の送信もあまり強力ではない一方、受信機において受信される合計の電力伝送信号は強力であるためである。
【0090】
H.例示的なシステム実施形態
[0111]
図10Aは、1つの送信機1002Aおよび少なくとも2つ以上の受信機1020Aを含むことができる複数ポケット形成1000Aを用いたワイヤレス電力伝送を示す。受信機1020Aは送信機1002Aと通信することができ、これについては
図11において更に説明される。送信機1002Aが受信機1020Aを識別し、位置特定すると、受信機1020Aから到来する利得および位相を知ることによって、チャネルまたは経路を確立することができる。送信機1002Aは、2つのアンテナ素子の最小値を用いることによって、3次元空間において収束することができる制御されたRF波1042Aの送信を開始することができる。これらのRF波1042Aは、適切な圧電材料を用いて、外部電源および局部発振器チップを用いて生成することができる。RF波1042Aは、RFICによって制御することができ、RFICは、アンテナ素子が強め合う干渉パターンおよび弱め合う干渉パターンを形成する(ポケット形成)ための入力としての役割を果たすことができるRF信号の位相および/または相対的な大きさを調整するための専用チップを含むことができる。ポケット形成は、干渉を利用してアンテナ素子の指向性を変更することができ、ここで、強め合う干渉はエネルギーポケット1060Aを生成し、弱め合う干渉は送信ヌルを生成する。次に、受信機1020Aは、電子デバイス、例えば、ラップトップコンピューター1062Aおよびスマートフォン1052Aを充電するかまたはこれに電源供給し、これによりワイヤレス電力伝送を効率的に提供するためにポケット形成によって生成されたエネルギーポケット1060Aを利用することができる。
【0091】
[0112] 送信機1002Aの各アンテナから各受信機1020Aへの位相および利得を計算することによって複数ポケット形成1000Aを達成することができる。送信機1002Aからのアンテナ素子によって受信機1020Aからのアンテナ素子まで複数の経路を生成することができるため、計算は独立して行うことができる。
【0092】
I.例示的なシステム実施形態
[0113]
図10Bは、複数アダプティブポケット形成1000Bの例示的な説明である。この実施形態において、ユーザーは、部屋の中にいる場合があり、手に電子デバイスを保持している場合がある。この事例では、電子デバイスはタブレット1064Bとすることができる。更に、スマートフォン1052Bは、部屋の中の家具の上にあることができる。タブレット1064Bおよびスマートフォン1052Bは、各電子デバイスに組み込まれるか、またはタブレット1064Bおよびスマートフォン1052Bに接続された別個のアダプタとしての受信機を含むことができる。受信機は、
図11に記載される全てのコンポーネントを含むことができる。送信機1002Bは、ユーザーのすぐ後ろの部屋の壁のうちの1つに掛かっている場合がある。送信機1002Bも、
図11に記載される全てのコンポーネントを含むことができる。ユーザーが受信機と送信機1002Bとの間の経路を遮るように見える場合があるとき、RF波1042Bは、各受信機に対し視線内で容易に照準合わせされない場合がある。しかし、受信機から生成される短い信号は、用いられるアンテナ素子のタイプについて無指向性とすることができ、これらの信号は、送信機1002Bを見つけるまで、壁にわたって跳ね返ることができる。ほぼ即時に、送信機1002B内に存在するマイクロコントローラーは、各受信機によって送信される受信信号に基づいて、利得および位相を調整し、「弱め合う干渉」と呼ばれる、電力伝送波が互いから減算されるように共に合わさり、その位置に集中するエネルギーを減衰させる干渉とは対照的に、電力伝送波が共に合わさり、その位置に集中するエネルギーを強化させるように電力伝送波の収束を形成し、受信機から受信した信号位相の共役を形成し、アンテナ素子の組み込まれた位相を考慮に入れた、送信アンテナ位相の更なる調整を行うことによって、送信信号を再較正することができる。較正が行われると、送信機1002Bは、最も効率的な経路を辿るRF波に焦点を当てることができる。その後、ユーザーおよび家具等の障害物を考慮に入れながら、タブレット1064Bにおいてエネルギーポケット1060Bを形成し、スマートフォン1052Bにおいて別のエネルギーポケット1060Bを形成することができる。上記特性は、各エネルギーポケットに沿った送信があまり強力でないため、複数ポケット形成1000Bを用いたワイヤレス電力伝送が、本質的に安全とすることができるという点、およびRF送信が通常、生体組織から反射し、貫通しないという点で有利とすることができる。
【0093】
[0114] 送信機1002Bが受信機を識別し、位置特定すると、受信機から到来する利得および位相を知ることによって、チャネルまたは経路を確立することができる。送信機1002Bは、2つのアンテナ素子の最小値を用いることによって、3次元空間において収束することができる制御されたRF波1042Bの送信を開始することができる。これらのRF波1042Bは、適切な圧電材料を用いて、外部電源および局部発振器チップを用いて生成することができる。RF波1042Bは、RFICによって制御することができ、RFICは、アンテナ素子が強め合う干渉パターンおよび弱め合う干渉パターンを形成する(ポケット形成)ための入力としての役割を果たすことができるRF信号の位相および/または相対的な大きさを調整するための専用チップを含むことができる。ポケット形成は、干渉を利用してアンテナ素子の指向性を変更することができ、ここで、強め合う干渉はエネルギーポケットを生成し、弱め合う干渉は、特定の物理的位置においてヌルを生成する。次に、受信機は、電子デバイス、例えば、ラップトップコンピューターおよびスマートフォンを充電するかまたはこれに電源供給し、これによりワイヤレス電力伝送を効率的に提供するためにポケット形成によって生成されたエネルギーポケットを利用することができる。
【0094】
[0115] 送信機の各アンテナから各受信機への位相および利得を計算することによって複数ポケット形成1000Bを達成することができる。送信機からのアンテナ素子によって、受信機からのアンテナ素子まで複数の経路を生成することができるため、計算は独立して行うことができる。
【0095】
[0116] 少なくとも2つのアンテナ素子の計算の例は、受信機からの信号の位相を決定し、受信パラメーターの共役を送信のためのアンテナ素子に適用することを含むことができる。
【0096】
[0117] いくつかの実施形態では、2つ以上の受信機が異なる周波数において動作し、ワイヤレス電力伝送中の電力損失を回避することができる。これは、複数の組み込まれたアンテナ素子のアレイを送信機1002Bに含めることによって達成することができる。1つの実施形態では、アレイ内の各アンテナによって単一の周波数を送信することができる。他の実施形態では、アレイ内のアンテナのうちのいくつかを用いて、異なる周波数で送信することができる。例えば、アレイ内のアンテナの1/2は2.4GHzで動作することができ、他方の1/2は5.8GHzで動作することができる。別の例では、アレイ内のアンテナの1/3は900MHzで動作することができ、別の1/3は2.4GHzで動作することができ、アレイ内の残りのアンテナは5.8GHzで動作することができる。
【0097】
[0118] 別の実施形態では、アンテナ素子の各アレイは、ワイヤレス電力伝送中に1つ以上のアンテナ素子に仮想的に分割することができ、ここで、アレイ内のアンテナ素子の各組は、異なる周波数で送信することができる。例えば、送信機のアンテナ素子は、2.4GHzで電力伝送信号を送信することができるが、受信機の対応するアンテナ素子は、5.8GHzで電力伝送信号を受信するように構成することができる。この例において、送信機のプロセッサは、送信機のアンテナ素子を調整して、アレイ内のアンテナ素子を、独立して供給することができる複数のパッチに仮想的にまたは論理的に分割することができる。結果として、アンテナ素子のアレイの1/4は、受信機に必要な5.8GHzで送信可能とすることができる一方、アンテナ素子の別の組は、2.4GHzで送信することができる。したがって、アンテナ素子のアレイを仮想的に分割することによって、受信機に結合された電子デバイスは、ワイヤレス電力伝送を受信し続けることができる。上記は、例えば、アンテナ素子の1つの組が約2.4GHzで送信することができ、他のアンテナ素子が5.8GHzで送信することができ、このため、異なる周波数で動作する受信機と共に機能するときに所与のアレイにおける複数のアンテナ素子を調整することができることに起因して、有利とすることができる。この例において、アレイはアンテナ素子の等しい組(例えば、4つのアンテナ素子)に分割されるが、アレイは、異なる量のアンテナ素子の組に分割されてもよい。代替的な実施形態では、各アンテナ素子は、選択周波数間で交互に切り替えることができる。
【0098】
[0119] ワイヤレス電力伝送の効率および(ポケット形成を用いて)送達することができる電力量は、所与の受信機および送信機システムにおいて用いられるアンテナ素子1006の総数の関数とすることができる。例えば、約4.57メートル(15ft)で約1ワットを送達するために、受信機は、約80個のアンテナ素子を含むことができる一方、送信機は約256個のアンテナ素子を含むことができる。別の同一のワイヤレス電力伝送システム(約4.57メートル(15ft)で約1ワット)は、約40個のアンテナ素子を有する受信機と、約512個のアンテナ素子を有する送信機とを備えることができる。受信機におけるアンテナ素子の数を半分に低減することは、送信機におけるアンテナ素子の数を2倍にすることを必要とする。いくつかの実施形態では、システム規模の展開において、送信機の数が受信機よりもはるかに少ないので、コストに起因して、受信機におけるよりも送信機におけるアンテナ素子の数を多くすることが有利である場合がある。一方、送信機1002Bに少なくとも2つのアンテナ素子がある限り、例えば、送信機よりも受信機により多くのアンテナ素子を配置することによって、反対のことが達成され得る。
【0099】
II.ワイヤレス電力ソフトウェア管理システム
A.ワイヤレス電力ネットワークにおけるワイヤレス電力受信機のスマート登録のためのシステムおよび方法
[0120]
図11は、実施形態による、ワイヤレス電力送信機マネージャー1102を用いたワイヤレス電力システム1100を示す。ワイヤレス電力送信機マネージャー1102は、プロセッサに結合されたランダムアクセスメモリ(RAM)(図示せず)等のコンピューター可読媒体を有するプロセッサを含むことができる。プロセッサの例は、数ある中でも、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、およびフィールドプログラマブルオブジェクトアレイ(FPOA)を含むことができる。
【0100】
[0121] ワイヤレス電力送信機マネージャー1102は、3D空間において顧客デバイス1106を充電するかまたはこれに電力供給するためのワイヤレス電力受信機1104に収束することができる電力伝送信号として動作する制御されたRF波を送信することができる。例示的な実施形態は、電力伝送信号としてのRF波の使用を述べているが、電力伝送信号は、送信されたエネルギーを電力に変換するワイヤレス電力受信機にエネルギーを送信するための任意の数の代替え的なまたは更なる技法を含むことができる。これらのRF波を、位相および/または想定的な振幅調整を通じて制御し、強め合う干渉パターンおよび弱め合う干渉パターンを形成する(ポケット形成)することができる。エネルギーポケットは、強め合う干渉パターンにおいて形成することができ、3次元形状をとることができるのに対し、強め合う干渉パターンの外側にヌル空間が存在することができる。
【0101】
[0122] ワイヤレス電力受信機1104は顧客デバイス1106とペアリングすることができるか、または顧客デバイス1106内に組み込むことができる。顧客デバイス1106の例は、数ある中でも、ラップトップコンピューター、モバイルデバイス、スマートフォン、タブレット、音楽プレーヤーおよび玩具を含むことができる。ワイヤレス電力送信機マネージャー1102は、ワイヤレス電力受信機1104が、ワイヤレス電力送信機マネージャー1102に対し、システム1100内のいかなる他のワイヤレス電力送信機マネージャー1102よりも近いか否かを検出する目的で、ワイヤレス電力受信機1104によって放出されたアドバタイズメントから顧客デバイスの信号強度を受信することができる。
【0102】
[0123] 顧客デバイス1106は、グラフィカルユーザーインターフェース1112(GUI)を含むことができる。グラフィカルユーザーインターフェース1112(GUI)は、ワイヤレス電力受信機1104がグラフィカルユーザーインターフェース1112(GUI)とペアリングされているか否かを検出する目的で、ワイヤレス電力受信機1104によって放出されるアドバタイズメントから顧客デバイスの信号強度を受信することができる。
【0103】
[0124] この実施形態のいくつかの態様によれば、ワイヤレス電力送信機マネージャー1102はデバイスデータベース1116を含むことができ、ここで、デバイスデータベース1116は、数ある中でも、汎用一意識別子(UUID)、シリアル番号、信号強度、ペアリングされたパートナーデバイスの識別情報、顧客デバイスの電力スケジュールおよびマニュアルオーバーライド;顧客デバイスの過去のおよび現在の動作ステータス、電池レベルおよび充電ステータス、ハードウェア値測定、障害、エラーおよび大きなイベント;名称、顧客の認証または権限付与名、およびシステムを実行する構成の詳細等の、全てのネットワークデバイスに関する情報を記憶することができる。デバイスデータベース1116は、数ある中でも、ワイヤレス電力送信機マネージャー、ワイヤレス電力受信機、エンドユーザーハンドヘルドデバイスおよびサーバー等の全てのシステムデバイスに関する情報も記憶することができる。
【0104】
[0125] ワイヤレス電力送信機マネージャー1102の制御下で、ワイヤレス電力システム1100は、9.14メートル(30ft)までの範囲で電力を送信することができる。
【0105】
[0126] ワイヤレス電力送信機マネージャー1102は、ワイヤレス電力受信機の電力レコードに対する制御を用いて、特定のワイヤレス電力受信機1104への電力の送信を可能にすることができる。1つの実施形態では、ワイヤレス電力送信機マネージャー1102は、デバイスデータベース1116内のワイヤレス電力受信機の電力レコードを制御するために2つの条件を満たす必要がある場合がある。すなわち、顧客デバイスの信号強度閾値が、全ての他のワイヤレス電力送信機マネージャー1102によって測定される信号強度の50%よりも大幅に大きくなくてはならず(例えば、55%)、かつ、最小時間量にわたって50%よりも大幅に大きいままでなくてはならない。
【0106】
[0127] ワイヤレス電力送信機マネージャー1102は、ワイヤレス電力受信機1104との通信リンク1108および顧客デバイスのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)との制御リンク1110を確立するために、限定ではないが、Bluetooth(登録商標)低エネルギー(BLE)を用いることができる。ワイヤレス電力送信機マネージャー1102は、制御リンク1110を用いて、顧客デバイスのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)からコマンドを受信し、ペアリング情報を受信することができる。
【0107】
[0128] ワイヤレス電力送信機マネージャー1102は、顧客デバイス1106を追跡するためのアンテナマネージャーソフトウェア1114を含むことができる。アンテナマネージャーソフトウェア1114は、リアルタイムテレメトリを用いて、顧客デバイス1106において受信される電力状態を読み出すことができる。
【0108】
[0129] ワイヤレス電力送信機マネージャー1102は、システム内の全ての動きに関する情報を含むワイヤレスエネルギーエリアモデルを生じさせることができる。この情報は、デバイスデータベース1116に記憶することができる。
【0109】
[0130] 他の状況では、複数のおよび様々な顧客デバイス1106に電力供給するための複数のワイヤレス電力送信機マネージャー2902および/または複数のワイヤレス電力受信機1104が存在することができる。
【0110】
[0131]
図12は、別の実施形態による、ワイヤレス電力ネットワーク内のワイヤレス電力受信機のスマート登録1200のためのシステムアーキテクチャを示す。
【0111】
[0132] ワイヤレス電力ネットワークにおいて、1つ以上のワイヤレス電力送信機マネージャーおよび/または1つ以上のワイヤレス電力受信機を、様々な顧客デバイスに電力供給するために用いることができる。
【0112】
[0133] ワイヤレス電力ネットワークにおける各ワイヤレス電力デバイスは、汎用一意識別子(UUID)を含むことができる。ワイヤレス電力デバイスの例は、数ある中でも、ワイヤレス電力送信機マネージャーと、ワイヤレス電力受信機と、エンドユーザーハンドヘルドまたはモバイルデバイスと、サーバーとを含むことができる。
【0113】
[0134] ワイヤレス電力送信機マネージャー1202は、プロセッサに結合されたランダムアクセスメモリ(RAM)(図示せず)等のコンピューター可読媒体を有するプロセッサを含むことができる。プロセッサの例は、数ある中でも、マイクロプロセッサと、特定用途向け集積回路(ASIC)と、フィールドプログラマブルオブジェクトアレイ(FPOA)とを含むことができる。
【0114】
[0135] この実施形態のいくつかの態様によれば、顧客によって購入される各ワイヤレス電力デバイスは、購入時に登録することができるか、またはエネルギードメインサービス1214に通信する、アクセス可能なパブリックウェブページまたはスマートデバイスアプリケーションを用いて顧客によって後に登録することができる。デバイスは、エネルギードメインサービス1214に記憶されたレジストリを介してワイヤレス電力ネットワークに登録することができる。
【0115】
[0136] エネルギードメインサービス1214は、1つ以上のクラウドベースのサーバーとすることができ、各クラウドベースのサーバーは、顧客によって購入されたワイヤレス電力デバイスごとにレジストリを記憶することができるデータベースを含むことができる。クラウドベースのサーバーは、例えば、MySQL、PostgreSQL、SQLite、Microsoft SQLサーバー、Microsoft Access、Oracle、SAP、dBASE、FoxPro、IBM DB2、LibreOffice Base、FileMaker Pro、および/またはデータの集合を編成することができる任意の他のタイプのデータベース等の、当該技術分野において既知のデータベース管理システム(DBMS)を通じて実施することができる。レジストリは、数ある中でも、顧客名、顧客のクレジットカード、Pay Palアカウント、または任意の他の支払い方法、アドレス、およびワイヤレス電力デバイスのUUIDを含むことができる。レジストリは、ワイヤレス電力送信機マネージャー1202が、事業用であるか、商用であるか、市町村用であるか、政府用であるか、軍用であるか、または自宅用であるかを示すことができる。レジストリは、ワイヤレス電力送信機マネージャー1202ごとに、その用途に応じて、異なるアクセスポリシーを含むこともでき、例えば、ワイヤレス電力送信機マネージャー1202が事業用である場合、顧客は電力転送が料金を請求されるか否かを定義する必要がある場合がある。
【0116】
[0137] この実施形態の異なる態様において、ワイヤレス電力受信機1204は、ワイヤレス電力送信機マネージャー1202の汎用一意識別子(UUID)を記憶するための不揮発性メモリを含むことができる。不揮発性メモリの例は、数ある中でも、リードオンリーメモリ、フラッシュメモリ、強誘電体RAM(F-RAM)ハードディスク、フロッピーディスクおよび光ディスクを含むことができる。ワイヤレス電力受信機1204は、顧客デバイス1206とペアリングすることができるか、または顧客デバイス1206内に埋め込むことができる。顧客デバイス1206の例は、数ある中でも、ラップトップコンピューター、モバイルデバイス、スマートフォン、タブレット、音楽プレーヤーおよび玩具を含むことができる。顧客デバイス1206は、パブリックアプリケーションストアからダウンロードおよびインストールされたワイヤレス電力システムソフトウェアの一部として、グラフィカルユーザーインターフェース1208(GUI)を含むことができる。
【0117】
[0138] この実施形態のいくつかの態様によれば、ワイヤレス電力送信機マネージャー1202はデバイスデータベース1210を含むことができ、ここで、デバイスデータベース1210は、数ある中でも、汎用一意識別子(UUID)、シリアル番号、信号強度、ペアリングされたパートナーデバイスの識別情報、顧客デバイスの電力スケジュールおよびマニュアルオーバーライド;顧客デバイスの過去のおよび現在の動作ステータス、電池レベルおよび充電ステータス、ハードウェア値測定、障害、エラーおよび大きなイベント;名称、顧客の認証または権限付与名、およびシステムを実行する構成の詳細等の、全てのネットワークデバイスに関する情報を記憶することができる。
【0118】
[0139] ワイヤレス電力送信機マネージャー1202は、9.14メートル(30ft)までの範囲で電力を送信することができる。
【0119】
[0140] この実施形態のいくつかの態様によれば、ワイヤレス電力送信機マネージャー1202は、ワイヤレス電力受信機1204がグラフィカルユーザーインターフェース1208(GUI)とペアリングされているか否かを検出する目的で、グラフィカルユーザーインターフェース1208(GUI)によって放出されるアドバタイズメントから顧客デバイスの信号強度を受信することができる。ワイヤレス電力送信機マネージャー1202は、ワイヤレス電力受信機1204が、ワイヤレス電力送信機マネージャー1202に対し、ワイヤレス電力ネットワーク内のいかなる他のワイヤレス電力送信機マネージャー1202よりも近いか否かを、ワイヤレス電力システム1200における各デバイスデータベースレコードの解析を通じて検出することもできる。各レコードは、各ワイヤレス電力受信機1204のリスト、およびワイヤレス電力送信機マネージャー1202に対する、ワイヤレス電力送信機マネージャー1202によって検出されるそのワイヤレス電力受信機の信号強度を含むことができる。次に、ワイヤレス電力受信機1204をワイヤレス電力送信機マネージャー1202に割り当てることができ、ワイヤレス電力送信機マネージャー1202は、ワイヤレス電力受信機1204が別のワイヤレス電力送信機マネージャー1202により近い新たな位置に動くまで、分散システムデバイスデータベース1210におけるワイヤレス電力受信機のレコードを変更するための排他的制御および権限を有することができる。ワイヤレス電力受信機1204が、別のワイヤレス電力送信機マネージャー1202により近い新たな位置に変更する場合、ワイヤレス電力送信機マネージャー1202は、(ワイヤレス電力受信機1204に対する制御を用いて)自身のUUIDを用いてワイヤレス電力受信機のレコードを更新することができる。
【0120】
[0141] ワイヤレス電力受信機1204がワイヤレス電力送信機マネージャー1202を用いて充電することを試行する場合、ワイヤレス電力送信機マネージャー1202は、エネルギードメインサービス1214を用いて、自身がワイヤレス電力受信機1204に電力を送信する権限を付与されているか否かを検証することができる。したがって、ワイヤレス電力送信機マネージャー1202は、ワイヤレス電力受信機1204との通信接続を確立して、自身の汎用一意識別子(UUID)を要求することができる。ワイヤレス電力受信機1204は、UUIDをワイヤレス電力送信機マネージャー1202に送信することができる。ワイヤレス電力送信機マネージャー1202は、エネルギードメインサービス1214との通信接続を確立することができ、次に、自身のUUIDおよびワイヤレス電力受信機1204のUUIDを、インターネットクラウド1212を通じてエネルギードメインサービス1214に送信する。ここで、インターネットクラウド1212は、数ある中でも、例えば、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)、広域ネットワーク(WAN)およびインターネット等の、コンピューター間の任意の適切な接続とすることができる。エネルギードメインサービス1214は、ワイヤレス電力送信機のUUIDおよびワイヤレス電力受信機1204のUUIDを受信すると、UUIDを用いてワイヤレス電力送信機マネージャー1202のためのレジストリを調査することができる。レジストリは、ワイヤレス電力送信機マネージャー1202のためのアクセスポリシーを含むことができる。エネルギードメインサービス1214は、アクセスポリシーを通じて、ワイヤレス電力送信機マネージャー1202が、電力を受信するために支払いを行う必要があるか否かを決定することができる。ワイヤレス電力送信機マネージャー1202のアクセスポリシーが、UUIDを有するワイヤレス電力受信機1204が電力を受信するために支払いを行う必要があることを述べる場合、エネルギードメインサービス1214は、クレジットカード、Pay Palまたは他の支払い方法がワイヤレス電力受信機1204のレジストリ内で示され得るか否かを検出することができる。支払い方法がワイヤレス電力受信機1204に関連付けられている場合、エネルギードメインサービス1214は、ワイヤレス電力受信機1204への電力転送に権限付与するメッセージをワイヤレス電力送信機マネージャー1202に送信することができる。ワイヤレス電力送信機マネージャー1202は、ワイヤレス電力受信機の所有者の後続の課金のために、エネルギー消費統計をエネルギードメインサービス1214に報告することができる。エネルギー消費統計は、デバイスデータベース1210に記憶することができ、エネルギードメインサービス1214に送信し、ワイヤレス電力受信機のレジストリに保存することもできる。
【0121】
[0142] 支払い方法がワイヤレス電力受信機1204に関連付けられていない場合、エネルギードメインサービス1214は、ワイヤレス電力受信機1204への電力転送を拒否するメッセージをワイヤレス電力送信機マネージャー1202に送信することができる。
【0122】
[0143] ワイヤレス電力送信機マネージャー1202のアクセスポリシーが、あるワイヤレス電力受信機1204に料金請求が適用されないことを述べる場合、エネルギードメインサービス1214は、ワイヤレス電力受信機1204がワイヤレス電力送信機マネージャー1202から電力を受信することを許可されているか否かを確認することができる。ワイヤレス電力受信機1204が、ワイヤレス電力送信機マネージャー1202から電力を受信することを許可されている場合、エネルギードメインサービス1214は、ワイヤレス電力受信機1204への電力転送の権限を付与するメッセージをワイヤレス電力送信機マネージャー1202に送信することができる。そうでない場合、エネルギードメインサービス1214は、ワイヤレス電力受信機1204への電力転送を拒否するメッセージをワイヤレス電力送信機マネージャー1202に送信することができる。
【0123】
[0144] この実施形態のいくつかの態様によれば、顧客は、GUIデバイスを通じて、いずれのワイヤレス電力受信機1204がワイヤレス電力送信機マネージャー1202から電荷を受信することができるかを選択することが可能であり得る。GUIデバイスにおいて、顧客は、ワイヤレス電力送信機マネージャー1202の近くの各ワイヤレス電力受信機1204を視覚化することが可能であり得、次に、顧客は、いずれのワイヤレス電力受信機1204がワイヤレス電力送信機マネージャー1202から電荷を受信することを許可されるかを選択することができる。この情報は、デバイスデータベース1210に記憶することができ、エネルギードメインサービス1214に送信することもできる。
【0124】
[0145] この実施形態の異なる態様において、ワイヤレス電力システムを所有する営利事業所または小売事業所の経営者または事務員は、GUIデバイスを通じて、ワイヤレス電力受信機1204の電力範囲内の1つ以上のワイヤレス電力送信機マネージャー1202から電力を受信するためのワイヤレス電力受信機1204を選択可能であり得る。経営者または事務員によって、事業所における事前に権限付与されたワイヤレス電力受信機1204を顧客に与えることができる。ワイヤレス電力受信機1204は、顧客のデバイスに取り付けることができる。経営者または事務員は、GUIデバイスに、顧客の支払い方法(数ある中でも、クレジットカード、Pay Pal、現金)を指定することができる。即時に、事業所に属するワイヤレス電力送信機マネージャー1202は、事前に権限付与されたワイヤレス電力受信機1204に取り付けられた顧客デバイスへの電力の送信を開始することができる。提供される電力に対して、事業所の代わりに顧客が課金され得る。また、GUIデバイスにおいて、経営者または事務員は、ワイヤレス電力受信機1204によって受信された電力および受信された電力に対する課金量を可視化することが可能であり得る。この情報を、分散システムデバイスデータベース1210に記憶することができ、エネルギードメインサービス1214に送信することもできる。
【0125】
[0146]
図13は、更なる実施形態による、ワイヤレス電力ネットワーク内のワイヤレス電力受信機のスマート登録1300のための方法のフローチャートである。
【0126】
[0147] ワイヤレス電力ネットワークにおいて、1つ以上のワイヤレス電力送信機マネージャーおよび/または1つ以上のワイヤレス電力受信機を、様々な顧客デバイスに電力供給するために用いることができる。ワイヤレス電力ネットワークにおける各ワイヤレス電力デバイスは、汎用一意識別子(UUID)を含むことができる。ワイヤレス電力デバイスの例は、数ある中でも、ワイヤレス電力送信機マネージャー、ワイヤレス電力受信機、エンドユーザーハンドヘルドまたはモバイルデバイス、およびサーバーを含むことができる。
【0127】
[0148] 本方法は、ステップ1302において、ワイヤレス電力送信機マネージャーが顧客デバイスを検出するときに開始することができる。顧客デバイスをワイヤレス電力受信機とペアリングすることができるか、またはワイヤレス電力受信機を顧客デバイスに組み込むことができる。顧客デバイスの例は、スマートフォン、モバイルデバイス、タブレット、音楽プレーヤー、玩具等を同時に含むことができる。顧客デバイスは、パブリックアプリケーションストアからダウンロードおよびインストールされるワイヤレス電力システムソフトウェアの一部としてグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を含むことができる。
【0128】
[0149] ワイヤレス電力送信機マネージャーは、ワイヤレス電力受信機がグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)とペアリングされているか否かを検出する目的で、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)によって放出されるアドバタイズメントから顧客デバイスの信号強度を受信することができる。ワイヤレス電力送信機マネージャーは、ワイヤレス電力受信機が、ワイヤレス電力送信機マネージャーに対し、ワイヤレス電力ネットワーク内のいかなる他のワイヤレス電力送信機マネージャーよりも近いか否かを、ワイヤレス電力システムにおける各デバイスデータベースレコードの解析を通じて検出することもできる。各レコードは、各ワイヤレス電力受信機のリスト、およびワイヤレス電力送信機マネージャーに対する、ワイヤレス電力送信機マネージャーによって検出されるそのワイヤレス電力受信機の信号強度を含むことができる。次に、ワイヤレス電力受信機をワイヤレス電力送信機マネージャーに割り当てることができ、ワイヤレス電力送信機マネージャーは、ワイヤレス電力受信機が別のワイヤレス電力送信機マネージャーにより近い新たな位置に動くまで、分散システムデバイスデータベースにおけるワイヤレス電力受信機のレコードを変更するための排他的制御および権限を有することができる。
【0129】
[0150] この実施形態のいくつかの態様によれば、デバイスデータベースは、数ある中でも、汎用一意識別子(UUID)、シリアル番号、信号強度、ペアリングされたパートナーデバイスの識別情報、顧客デバイスの電力スケジュールおよびマニュアルオーバーライド;顧客デバイスの過去のおよび現在の動作ステータス、電池レベルおよび充電ステータス、ハードウェア値測定、障害、エラーおよび大きなイベント;名称、顧客の認証または権限付与名、およびシステムを実行する構成の詳細等の、全てのネットワークデバイスに関する情報を記憶することができる。
【0130】
[0151] ワイヤレス電力送信機マネージャーは、電荷を受信する範囲内にあることを示すワイヤレス電力受信機との通信接続を確立することができる。ワイヤレス電力送信機マネージャーは、9.14メートル(30ft)までの範囲で電力を送信することができる。
【0131】
[0152] ワイヤレス電力受信機がワイヤレス電力送信機マネージャーから電荷を取得することを試行する場合、ワイヤレス電力送信機マネージャーは、エネルギードメインサービスを用いて、自身がワイヤレス電力受信機に電力を送信する権限を付与されているか否かを検証することができる。したがって、ワイヤレス電力送信機は、ワイヤレス電力受信機との通信接続を確立して、自身の汎用一意識別子(UUID)を要求することができる。ワイヤレス電力受信機は、UUIDをワイヤレス電力送信機マネージャーに送信することができる。ワイヤレス電力送信機マネージャーは、ステップ1904において、ワイヤレス電力受信機UUIDを読み出すことができる。
【0132】
[0153] エネルギードメインサービスは、1つ以上のクラウドベースのサーバーとすることができ、各クラウドベースのサーバーは、顧客によって購入されたワイヤレス電力デバイスごとにレジストリを記憶することができるデータベースを含むことができる。クラウドベースのサーバーは、例えば、MySQL、PostgreSQL、SQLite、Microsoft SQLサーバー、Microsoft Access、Oracle、SAP、dBASE、FoxPro、IBM DB2、LibreOffice Base、FileMaker Pro、および/またはデータの集合を編成することができる任意の他のタイプのデータベース等の、当該技術分野において既知のデータベース管理システム(DBMS)を通じて実施することができる。レジストリは、数ある中でも、顧客名、顧客のクレジットカード、アドレス、およびワイヤレス電力デバイスのUUIDを含むことができる。レジストリは、ワイヤレス電力送信機マネージャーが、事業用であるか、商用であるか、市町村用であるか、政府用であるか、軍用であるか、または自宅用であるかを示すことができる。レジストリは、ワイヤレス電力送信機マネージャーごとに、その用途に応じて、異なるアクセスポリシーを含むこともでき、例えば、ワイヤレス電力送信機マネージャーが事業用である場合、顧客は電力転送が料金を請求されるか否かを定義する必要がある場合がある。
【0133】
[0154] この実施形態のいくつかの態様によれば、顧客によって購入される各ワイヤレス電力デバイスは、購入時に登録することができるか、またはエネルギードメインサービスに通信する、アクセス可能なパブリックウェブページまたはスマートデバイスアプリケーションを用いて顧客によって後に登録することができる。
【0134】
[0155] ワイヤレス電力送信機マネージャーは、ステップ1306において、自身のUUIDおよび更にワイヤレス電力受信機のUUIDを、インターネットクラウドを通じてエネルギードメインサービスに送信する。インターネットクラウドは、数ある中でも、例えば、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)、広域ネットワーク(WAN)およびインターネット等の、コンピューター間の任意の適切な接続とすることができる。
【0135】
[0156] エネルギードメインサービスは、ステップ1308において、UUIDを用いてワイヤレス電力送信機マネージャーのためのレジストリを調査することができる。レジストリは、ワイヤレス電力送信機マネージャーのためのアクセスポリシーを含むことができる。
【0136】
[0157] エネルギードメインサービスは、ステップ1310において、アクセスポリシーを通じて、ワイヤレス電力送信機マネージャーが、電力を受信するために支払いを行う必要があるか否かを決定することができる。
【0137】
[0158] ワイヤレス電力送信機マネージャーのアクセスポリシーが、UUIDを有するワイヤレス電力受信機が電力を受信するために支払いを行う必要があることを述べる場合、エネルギードメインサービスは、ステップ1312において、クレジットカード、Pay Palまたは他の支払い方法がワイヤレス電力受信機のレジストリ内で示され得るか否かを検出することができる。
【0138】
[0159] 支払い方法がワイヤレス電力受信機レジストリに関連付けられている場合、エネルギードメインサービスは、ステップ1314において、ワイヤレス電力受信機への電力転送に権限付与するメッセージをワイヤレス電力送信機マネージャーに送信することができる。
【0139】
[0160] ワイヤレス電力送信機マネージャーは、ステップ1316において、ワイヤレス電力受信機の所有者の後続の課金のために、エネルギー消費統計をエネルギードメインサービスに報告することができる。エネルギー消費統計は、デバイスデータベースに記憶することができ、エネルギードメインサービスに送信し、ワイヤレス電力受信機のレジストリに保存することもできる。
【0140】
[0161] 支払い方法がワイヤレス電力受信機に関連付けられていない場合、エネルギードメインサービスは、ステップ1318において、ワイヤレス電力受信機への電力転送を拒否するメッセージをワイヤレス電力送信機マネージャーに送信することができる。
【0141】
[0162] そうではなく、ワイヤレス電力送信機マネージャーのアクセスポリシーが、ワイヤレス電力送信機マネージャーから電力を取得することを試行している場合がある、あるワイヤレス電力受信機に料金請求が適用されないことを述べる場合、エネルギードメインサービスは、ステップ1320において、ワイヤレス電力受信機がワイヤレス電力送信機マネージャーから電力を受信することを許可されているか否かを確認することができる。
【0142】
[0163] ワイヤレス電力受信機が、ワイヤレス電力送信機マネージャーから電力を受信することを許可されている場合、エネルギードメインサービスは、ステップ1314において、ワイヤレス電力受信機への電力転送の権限を付与するメッセージをワイヤレス電力送信機マネージャーに送信することができる。
【0143】
[0164] ワイヤレス電力送信機マネージャーは、ステップ1316において、エネルギー消費統計をエネルギードメインサービスに報告することができる。エネルギー消費統計は、デバイスデータベースに記憶することができ、エネルギードメインサービスに送信し、ワイヤレス電力受信機のレジストリに保存することもできる。
【0144】
[0165] そうではなく、ワイヤレス電力受信機が、ワイヤレス電力送信機から電力を受信することを許可されていない場合、エネルギードメインサービスは、ステップ1322において、ワイヤレス電力受信機への電力転送を拒否するメッセージをワイヤレス電力送信機マネージャーに送信することができる。
【0145】
[0166] この実施形態のいくつかの態様によれば、顧客は、GUIデバイスを通じて、いずれのワイヤレス電力受信機がワイヤレス電力送信機マネージャーから電荷を受信することができるかを選択することが可能であり得る。GUIデバイスにおいて、顧客は、ワイヤレス電力送信機マネージャーの近くの各ワイヤレス電力受信機を視覚化することが可能であり得、次に、顧客は、いずれのワイヤレス電力受信機がワイヤレス電力送信機マネージャーから電荷を受信することを許可されるかを選択することができる。この情報は、デバイスデータベースに記憶することができ、エネルギードメインサービスに送信することもできる。
【実施例】
【0146】
[0167] 実施例
[0168] 実施例#1は、
図12に示すコンポーネントに類似のコンポーネントを有するワイヤレス電力ネットワークである。顧客は、自宅にワイヤレス電力送信機マネージャーを有することができる。顧客は、フットボールの試合を見るために3人の友人を招く。3人の友人のうちの2人が、自身の携帯電話とペアリングされたワイヤレス電力受信機カバーを有する。双方のワイヤレス電力受信機がワイヤレス電力送信機マネージャーの範囲内にあるとき、それらは、自身が電力を受信するための範囲内にあることを示すメッセージをワイヤレス電力送信機マネージャーから受信することができる。ワイヤレス電力受信機のうちの1つが、ワイヤレス電力送信機マネージャーから電力を取得することを試行する場合があるが、まず、ワイヤレス電力送信機マネージャーは、ワイヤレス電力受信機が電力を受信する権限を付与されているか否かを検証することができる。したがって、ワイヤレス電力送信機マネージャーは、自身の独自のUUIDおよびワイヤレス電力受信機のUUIDをエネルギードメインサービスに送信することができる。エネルギードメインサービスは、ワイヤレス電力送信機マネージャーのためのアクセスポリシーを検証して、ワイヤレス電力送信機マネージャーを使用するために課金料金が適用されなくてはならないか否かを判断することができる。ワイヤレス電力送信機マネージャーのためのアクセスポリシーは、ワイヤレス電力送信機マネージャーを使用するために料金請求が適用されないこと、および任意のワイヤレス電力受信機がそこから電荷を受信することができることを示すことができる。エネルギードメインサービスは、ワイヤレス電力受信機レジストリを検証することができ、次に、エネルギードメインサービスは、ワイヤレス電力受信機に電力を送信するようにワイヤレス電力送信機マネージャーに権限を付与することができる。
【0147】
[0169] 実施例#2は、
図12に示されるコンポーネントに類似したコンポーネントを有するワイヤレス電力ネットワークである。レストランは、ワイヤレス電力送信機マネージャーを有することができる。レストラン内の顧客は、ワイヤレス電力受信機カバーを有する携帯電話を有する。顧客は、食事をしている間、自身の携帯電話を充電することを望む場合がある。顧客は、ワイヤレス電力送信機マネージャーを使用して自身の携帯電話の充電を試行し、ワイヤレス電力送信機マネージャーは、ワイヤレス電力受信機が電力を受信する権限を付与されているか否かを検証する必要がある場合がある。したがって、ワイヤレス電力送信機マネージャーは、自身の独自のUUIDおよびワイヤレス電力受信機UUIDをエネルギードメインサービスに送信することができる。エネルギードメインサービスは、ワイヤレス電力送信機マネージャーのためのアクセスポリシーを検証して、ワイヤレス電力送信機マネージャーを使用するために課金料金が適用されなくてはならないか否かを判断することができる。ワイヤレス電力送信機マネージャーのためのアクセスポリシーは、ワイヤレス電力送信機マネージャーを使用するために料金が適用されることを示すことができる。次に、エネルギードメインサービスは、ワイヤレス電力受信機レジストリを検証して、クレジットカードまたは他の方法等の支払い方法がワイヤレス電力受信機に関連付けられているか否かを判断することができる。支払い方法がレジストリファイル上にある場合、エネルギードメインサービスは、ワイヤレス電力受信機に電力を送信するようにワイヤレス電力送信機マネージャーに権限付与することができる。ワイヤレス電力送信機マネージャーは、ワイヤレス電力受信機に送信される電力量を追跡することができる。この情報は、デバイスデータベースに記憶することができ、レストランの代わりに請求書を生成するためにエネルギードメインサービスに送信することもできる。
【0148】
III.複数の送信機からの電力転送の管理
A.ワイヤレス電力送信機マネージャー間の通信を制御するシステムおよび方法
[0170]
図14は、送信機通信遷移1400を示す。本明細書において用いられるとき、送信機通信遷移とは、実施形態による、ワイヤレス電力伝送システムにおける1つのワイヤレス電力送信機と別のワイヤレス電力送信機との間での、ワイヤレス電力受信機との通信の遷移を指す。送信機通信遷移に関与する通信は、片道通信、往復通信、および電力のワイヤレス転送のうちの1つ以上を含むことができる。1つの実施形態において、送信機通信遷移とは、特に、1つのワイヤレス電力送信機マネージャーと別のワイヤレス電力送信機マネージャーとの間での、ワイヤレス電力受信機との通信の遷移を指す。
【0149】
[0171] ワイヤレス電力伝送システムにおいて、複数のワイヤレス電力送信機マネージャーおよび/または複数のワイヤレス電力受信機を、様々な顧客デバイス1402に電力供給するために用いることができる。ワイヤレス電力受信機1404は、顧客デバイス1402とペアリングすることができるか、または顧客デバイス1402に組み込むことができる。顧客デバイス1402の例は、スマートフォン、タブレット、音楽プレーヤー、玩具等を同時に含むことができる。顧客デバイス1402は、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を含むことができる。
【0150】
[0172] ワイヤレス電力伝送システム内の各ワイヤレス電力送信機マネージャーは、ワイヤレス電力受信機1404およびグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)によって放出されたアドバタイズメントから顧客デバイスの信号強度を受信することができる。
【0151】
[0173] ワイヤレス電力伝送システム内の各ワイヤレス電力送信機マネージャーは、デバイスデータベース1410を含むことができる。デバイスデータベース1410は、ワイヤレス電力送信機マネージャーに近いワイヤレス電力伝送システム内の顧客デバイス1402ごとに、数ある中でも、顧客デバイスの電力スケジュール、顧客デバイスのステータス、名称、顧客の署名、およびシステムを実行する詳細を記憶することができる。デバイスデータベース1410は、数ある中でも、ワイヤレス電力送信機マネージャー、ワイヤレス電力受信機、エンドユーザーハンドヘルドデバイスおよびサーバー等の全てのシステムデバイスに関する情報も記憶することができる。
【0152】
[0174] ワイヤレス電力送信機マネージャー1 1406と、ワイヤレス電力送信機マネージャー2 1408との間にWi−Fi接続1412を確立し、システムデバイス間で、数ある中でも、デバイスデータベースの電力レコード、品質制御情報、統計および問題報告を共有することができる。
【0153】
[0175] 各ワイヤレス電力送信機マネージャーが、システム内の全ての動きに関する情報を含むワイヤレスエネルギーエリアモデルを生じさせることができる。この情報は、デバイスデータベース1410に記憶することもできる。ワイヤレスエネルギーエリアモデルは、送信機通信遷移において、すなわち、ワイヤレス電力送信機マネージャー1 1406からワイヤレス電力送信機マネージャー2 1408までの通信および電力の転送の遷移において用いることができる。例えば、顧客デバイス1402が、ワイヤレス電力送信機マネージャー1 1406から、ワイヤレス電力送信機マネージャー2 1408のより近くまで移動する場合、この移動をワイヤレスエネルギーエリアモデルに登録することができる。
【0154】
[0176] この実施形態の別の態様において、ワイヤレス電力送信機マネージャーは、53.34メートル(175ft)〜9.14メートル(30ft)の範囲で電力を転送することができるが、ワイヤレス電力受信機の電力レコードに対する制御を有するワイヤレス電力送信機マネージャーのみが、特定のワイヤレス電力受信機に電力を送信することを可能にされ得る。更に、ワイヤレス電力送信機マネージャーは、ワイヤレス電力受信機の電力レコードを共有することできるが、ワイヤレス電力受信機の電力レコードに対する制御を有するワイヤレス電力送信機マネージャーのみが、デバイスデータベース1410内のその電力レコードについて記憶された情報を変更することができる。
【0155】
[0177] この実施形態のいくつかの態様によれば、ワイヤレス電力送信機マネージャーは、顧客デバイスにわたって電力転送を制御する2つの条件を満たす必要がある場合があり、顧客デバイスの信号強度閾値は、最小時間量にわたって全ての他のワイヤレス電力送信機マネージャーによって測定される信号強度の所定のパーセンテージよりも大幅に大きくなくてはならない。ここで、所定のパーセンテージは、通常、1700%を大幅に上回る。例えば、400%の所定のパーセンテージの場合、信号強度閾値は405%よりも大きくなくてはならない。複数のワイヤレス電力送信機マネージャーが所与のワイヤレス電力受信機との通信範囲内にあり、このワイヤレス電力受信機に電力を転送する場合、最も近いワイヤレス電力送信機マネージャーまたはワイヤレス電力受信機に最も近い最新のワイヤレス電力送信機マネージャーのみが、デバイスデータベース1410内のワイヤレス電力受信機の電力レコードの制御を有するが、各ワイヤレス電力送信機マネージャーは、個々におよび同時に電力レコードに電力を転送することができる。この場合、ワイヤレス電力受信機との通信は、複数のワイヤレス電力送信機マネージャー間で時間配分(共有)され、それによって、各々が、ワイヤレス電力受信機が移動中の場合にこのワイヤレス電力受信機の3D位置を追跡することができる。
【0156】
[0178] この実施形態の別の態様では、ワイヤレス電力送信機マネージャー1 1406およびワイヤレス電力送信機マネージャー2 1408は、クラウド1414を通じて顧客デバイスの情報を共有することができる。双方のワイヤレス電力送信機マネージャーは、ネットワーク接続(
図14に示されていない)を通じてクラウド1414に接続することができる。ネットワーク接続とは、数ある中でも、例えば、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)、広域ネットワーク(WAN)およびインターネット等の、コンピューター間の任意の適切な接続を指すことができる。クラウド1414を用いて、システムデバイス間で、数ある中でも、品質制御情報、統計および問題報告を共有することもできる。
【0157】
[0179] この実施形態のいくつかの態様によれば、サーバー1416は、ワイヤレス電力伝送システム内の全てのワイヤレス電力送信機マネージャーによって共有されるデバイスデータベース1410のバックアップとしてクラウド1414に接続することができる。
【0158】
[0180]
図15は、実施形態による、ワイヤレス電力伝送システムおける1つのワイヤレス電力送信機マネージャーと別のワイヤレス電力送信機マネージャーとの間の送信機通信遷移のフローチャート1500である。
【0159】
[0181] 2つのワイヤレス電力送信機マネージャーを有するワイヤレス電力伝送システムにおいて、プロセスは、ステップ1502において、ワイヤレス電力受信機が、あるワイヤレス電力送信機マネージャーから離れて別のワイヤレス電力受信機のより近くに移動するときに開始することができる。顧客デバイスは、ワイヤレス電力受信機とペアリングすることができる。顧客デバイスの例は、数ある中でも、スマートフォン、タブレット、音楽プレーヤーおよび玩具を含むことができる。顧客デバイスは、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を含むことができる。
【0160】
[0182] ワイヤレス電力送信機マネージャーは、ワイヤレス電力受信機およびグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)によって放出されるアドバタイズメントから顧客デバイスの信号強度を受信することができる。
【0161】
[0183] その後、ステップ1504において、双方のワイヤレス電力送信機マネージャーが、各送信機マネージャーによって測定される顧客デバイスの信号強度を用いてデバイスデータベースを更新することができる。
【0162】
[0184] ワイヤレス電力伝送システム内の各ワイヤレス電力送信機マネージャーは、デバイスデータベースを含むことができる。デバイスデータベースは、所与のワイヤレス電力送信機マネージャーに近い電力伝送システム内の顧客デバイスごとに、数ある中でも、顧客デバイスの電力スケジュール、顧客デバイスのステータス、名称、顧客の署名、およびシステムを実行する詳細を記憶することができる。デバイスデータベースは、数ある中でも、ワイヤレス電力送信機マネージャー、ワイヤレス電力受信機、エンドユーザーハンドヘルドデバイスおよびサーバー等の全てのシステムデバイスに関する情報も記憶することができる。
【0163】
[0185] この実施形態のいくつかの態様によれば、ワイヤレス電力受信機の電力レコードに対する制御を有するワイヤレス電力送信機マネージャーのみが、特定のワイヤレス電力受信機に電力を送信することを可能にされ得る。また、システム内のワイヤレス電力送信機マネージャーは、ワイヤレス電力受信機の電力レコードを共有することができるが、ワイヤレス電力受信機の電力レコードに対する制御を有するワイヤレス電力送信機マネージャーのみが、デバイスデータベース内のその電力レコードのために記憶された情報を変更することができる。
【0164】
[0186] ステップ1506において、双方のワイヤレス電力送信機マネージャーが、それらのうちのいずれが顧客デバイスから最初に最も強力な信号強度を受信するかを決めることができる。
【0165】
[0187] この実施形態のいくつかの態様によれば、ワイヤレス電力送信機マネージャーは、顧客デバイスに対する電力転送を制御するために、以下の2つの条件を満たす必要がある場合がある。顧客デバイスの信号強度閾値は、全ての他のワイヤレス電力送信機マネージャーによって最小時間量にわたって測定される信号強度の所定のパーセンテージよりも大幅に大きくなくてはならず、ここで、所定のパーセンテージは、通常、1700%を大幅に上回る。例えば、400%の所定のパーセンテージの場合、信号強度閾値は405%よりも大きくなくてはならない。複数のワイヤレス電力送信機マネージャーが所与のワイヤレス電力受信機との通信範囲内にあり、この所与のワイヤレス電力受信機に電力を転送する場合、最も近いワイヤレス電力送信機マネージャーまたはワイヤレス電力受信機に最も近い最新のワイヤレス電力送信機マネージャーのみが、デバイスデータベース内のワイヤレス電力受信機の電力レコードの制御を有するが、各ワイヤレス電力送信機マネージャーは、個々におよび同時に電力レコードに電力を転送することができる。この場合、ワイヤレス電力受信機との通信は、複数のワイヤレス電力送信機マネージャー間で時間配分(共有)され、それによって、各々が、ワイヤレス電力受信機が移動中の場合にこのワイヤレス電力受信機の3D位置を追跡することができる。
【0166】
[0188]顧客デバイスから最も強い信号強度を最初に受信するワイヤレス電力送信機マネージャーは、ステップ1508において、顧客デバイスの信号強度が最小時間量にわたって所定のパーセンテージよりも大幅に高い(例えば、400%の所定のパーセンテージの場合、405%よりも高い)か否かを検証することができる。
【0167】
[0189] ステップ1510において、最小の時間量にわたって顧客デバイスから最も強い信号強度を最初に受信するワイヤレス電力送信機マネージャーが、ワイヤレス電力受信機の電力レコードおよび電力転送の制御を行うことができる。
【0168】
[0190]
図16は、実施形態による、ワイヤレス電力伝送システムにおける、1つのワイヤレス電力送信機マネージャーと別のワイヤレス電力送信機マネージャーとの間の送信機通信遷移の例示的な実施形態1600である。
【0169】
[0191] ワイヤレス電力システム1608において、複数のワイヤレス電力送信機マネージャーおよび/または複数のワイヤレス電力受信機を、様々な顧客デバイスに電力供給するために用いることができる。
【0170】
[0192] 例示的な実施形態1600として、2つのワイヤレス電力送信機マネージャーが異なる部屋内に存在することができる。ワイヤレス電力送信機マネージャー1 1602は部屋B内に位置することができ、ワイヤレス電力送信機マネージャー2 1604は部屋A内に位置することができる。部屋AおよびBは互いに隣り合うことができる。
【0171】
[0193] ワイヤレス電力受信機1606は、部屋B内に位置することができ、ワイヤレス電力送信機マネージャー1 1602からの電力転送を受信することができる。顧客デバイスは、ワイヤレス電力受信機1606とペアリングすることができる。顧客デバイスの例は、スマートフォン、タブレット、音楽プレーヤー、玩具等を同時に含むことができる。顧客デバイスは、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を含むことができる。
【0172】
[0194] 顧客デバイス付近の各ワイヤレス電力送信機マネージャーは、ワイヤレス電力受信機1606およびグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)によって放出されるアドバタイズメントから顧客デバイスの信号強度を受信することができる。
【0173】
[0195] 電力伝送システム1608内の各ワイヤレス電力送信機マネージャーは、デバイスデータベースを有することができる。デバイスデータベースは、任意のワイヤレス電力送信機マネージャーに近い電力伝送システム1608内の顧客デバイスごとに、数ある中でも、顧客デバイスの電力スケジュール、顧客デバイスのステータス、名称、顧客の署名、およびシステムを実行する詳細を記憶することができる。デバイスデータベースは、数ある中でも、ワイヤレス電力送信機マネージャー、ワイヤレス電力受信機、エンドユーザーハンドヘルドデバイスおよびサーバー等の全てのシステムデバイスに関する情報も記憶することができる。
【0174】
[0196] 各ワイヤレス電力送信機マネージャーは、システム内の全ての移動に関する情報を含むワイヤレスエネルギーエリアモデルを生成することができる。この情報を用いて、ワイヤレス電力送信機マネージャー1 1602からワイヤレス電力送信機マネージャー2 1604への電力転送の制御を伴う送信機通信遷移を有効にすることができる。ワイヤレスエネルギーエリアモデルは、ワイヤレス電力送信機マネージャーごとに、対応するデバイスデータベースに記憶することができる。
【0175】
[0197] ワイヤレス電力受信機1606が部屋Bから部屋Aへの移動を開始するとき、ワイヤレス電力送信機マネージャー1 1602は、顧客デバイスの信号強度閾値が、全ての他のワイヤレス電力送信機マネージャーによって測定される信号強度の400%よりも大幅に大きい場合に、ワイヤレス電力受信機1606のための電力転送およびワイヤレス電力送信機の電力レコードに対する制御を有することができる。例えば、ワイヤレス電力送信機マネージャー1 1602が顧客デバイスから23B0%の信号強度を受信する場合、ワイヤレス電力送信機マネージャー1 1602は、電力転送およびワイヤレス電力受信機の電力レコードに対し依然として制御を有することができる。
【0176】
[0198] ワイヤレス電力受信機1606が部屋Aに向かって移動し続けるが、ワイヤレス電力送信機マネージャー1 1602が顧客デバイスから410%の信号強度を受信する場合、ワイヤレス電力送信機マネージャー1 1602は、依然として、電力転送およびワイヤレス電力受信機の電力レコードに対する制御を有することができる。
【0177】
[0199] ワイヤレス電力受信機1606は、部屋Aと部屋Bとの間で途中まで移動する場合がある。ワイヤレス電力送信機マネージャー1 1602およびワイヤレス電力送信機マネージャー2 1604が顧客デバイスから400%の信号強度を受信する場合、ワイヤレス電力送信機マネージャー1 1602は依然として、電力転送およびワイヤレス電力受信機の電力レコードに対し制御を有することができる。
【0178】
[0200] ワイヤレス電力受信機1606は、部屋Aに向かって移動し続ける。ワイヤレス電力送信機マネージャー1 1602が顧客デバイスから40%または45%の信号強度を受信することができ、ワイヤレス電力送信機マネージャー2 1604が最小時間量にわたって顧客デバイスから405%または410%の信号強度を受信することができる場合、ワイヤレス電力送信機マネージャー1 1602は、送信機通信遷移を有効にし、電力転送の制御を移すことができ、ワイヤレス電力受信機の電力レコードをワイヤレス電力送信機マネージャー2 1604に転送することができる。ワイヤレス電力送信機マネージャー2 1604は、電力転送およびワイヤレス受信機電力の電力レコードに対する制御を行うことができる。
【0179】
[0201] ワイヤレス電力受信機1606が部屋Aから移動して部屋Bに戻る場合、ワイヤレス電力送信機マネージャー2 1604は、信号強度が最小時間量にわたって45%以下まで降下するまで、ワイヤレス電力受信機1606のための電力転送に対する制御を有することができる。ワイヤレス電力送信機マネージャー1 1602は、顧客デバイスの信号強度が最小時間量にわたって405%以上に達するまで、電力転送に対する制御を行うことができる。
【0180】
[0202] 実施例
[0203] 実施例#1は、
図14に記載されるシステムのアプリケーションである。第1のワイヤレス電力送信機マネージャーは、居間に位置することができ、第2のワイヤレス電力送信機マネージャーは寝室に位置することができる。顧客が居間でテレビを見ている場合があり、同時に、顧客は、居間に位置するワイヤレス電力送信機マネージャーを用いて自身の携帯電話を充電することができる。顧客の携帯電話は、ワイヤレス電力受信機とペアリングすることができる。居間に位置するワイヤレス電力送信機マネージャーおよび寝室に位置するワイヤレス電力送信機マネージャーは、ワイヤレス電力受信機および携帯電話のグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)によって放出されるアドバタイズメントから、顧客携帯電話の信号強度を受信することができる。顧客は寝に行くことができ、携帯電話を携行することができ、顧客の携帯電話は、顧客の携帯電話の信号強度が45%以下に降下するまで、居間に位置するワイヤレス電力送信機マネージャーを用いて充電を継続することができる。携帯電話の信号強度が、居間に位置するワイヤレス電力送信機マネージャーについて45%以下に降下するとき、寝室に位置するワイヤレス電力送信機マネージャーは、最小時間量にわたって405%以上の信号強度を受信した後、電力転送の中断なしで電力転送に対する制御を行うことができる。顧客の携帯電話は、寝室に位置するワイヤレス電力送信機マネージャーを用いて充電を継続することができる。居間に位置するワイヤレス電力送信機マネージャーと、寝室に位置するワイヤレス電力送信機マネージャーとの間の送信機通信遷移は、顧客によって気づかれない場合がある。
【0181】
B.送信機のクラスター管理
[0204] ワイヤレス電力管理システムは、送信機のクラスター内の2つ以上の送信機から電力受信機への電力の転送を容易にするための、ある位置における複数の送信機または送信機のクラスターのクラスター管理を提供する。複数の送信機のクラスター管理において、送信機通信の遷移とは、複数の送信機または送信機のクラスターにおける1つのワイヤレス電力送信機と別のワイヤレス電力送信機との間のワイヤレス電力受信機との通信の遷移を指す。送信機通信遷移に関与する通信は、片道通信、往復通信および電力のワイヤレス転送のうちの1つ以上を含むことができる。1つの実施形態では、送信機通信の遷移とは、複数の送信機または送信機のクラスターにおける1つのワイヤレス電力送信機マネージャーと別のワイヤレス電力送信機マネージャーとの間のワイヤレス電力受信機との通信の遷移を特に指す。実施形態では、送信機通信の遷移は、電力受信機に関連付けられたモバイルデバイスが、送信機クラスターの位置へ、送信機クラスターの位置から、または送信機クラスターの位置内で移動するときに行われる。
【0182】
[0205] 例示的な送信機および受信機の実施形態では、受信機は、モバイルフォン等のデバイスに埋め込まれるかまたは他の形で合体される。以下で説明する実施形態において、送信機と受信機との間のステータス通信は、Bluetooth(登録商標)低エネルギー(BLE)ワイヤレス通信プロトコルを用いてホスティングされる。BLEは、送信機と受信機との間のステータス通信をホスティングすることが可能な広範にわたるワイヤレス通信プロトコル(例えば、Wi-Fi(IEEE23A02.11)、近距離通信(NFC)、ワイヤレス周波数識別(RFID)、iBeacon)の例であり、本送信機クラスターの管理方法は、特定のステータス通信プロトコルに限定されない。送信機および受信機はそれぞれ、Bluetooth(登録商標)低エネルギー(BLE)プロセッサを有することができる。使用時に、送信機のBLEプロセッサは、Bluetooth(登録商標)デバイスをスキャンする。受信機のBluetooth(登録商標)プロセッサは、起動するとき、自身がBluetooth(登録商標)デバイスであることのアドバタイズを開始する。アドバタイズメントは一意の識別子を含み、それによって、送信機は、アドバタイズメントをスキャンするとき、範囲内の全ての他のBluetooth(登録商標)デバイスから受信機のアドバタイズメントを区別する。この識別に応答して、送信機は、受信機との通信接続を迅速に形成し、受信機に命令する。
【0183】
[0206] 送信機と受信機との間のBLE通信を形成した後、送信機は、(例えば、毎秒3400回の速度で)受信機への電力転送信号の送信を始め、受信機は、送信機に電圧サンプル測定値を返送する。送信機は、最大電圧レベルを達成するまで、位相および利得における送信機アンテナの構成を変動させながら、これらの電圧測定値を解析する。このレベルにおいて、受信機の周りのポケット内に最大エネルギーが存在する。ワイヤレス電力転送管理システムは、システム内の全ての他の送信機および受信機と同様に、送信機からステータスおよび使用データを連続して受信し、送信機を通じて、受信機からステータスおよび使用情報を得る。例えば、エネルギーの取り入れに適用されるとき、受信機は、更新されたエネルギー取り込み値を毎秒1回送信機に通信する。送信機は、受信機から、および通信する任意の他の受信機からエネルギー取り入れ値等のデータを蓄積する。送信機は、周期的に、蓄積されたエネルギー情報をワイヤレス電力管理システムにアップロードする。
【0184】
[0207] 本送信機クラスター管理方法は、複数の送信機または送信機のクラスターが、ポケット形成を用いて、ある位置の所与の受信機に電力を提供する状況に対処する。2つ以上の送信機によって受信機において形成される複数のポケットが、通常、所与の受信機のための電力転送効率または制御を改善するので、これらの2つ以上の送信機が、各々、その受信機におけるポケット形成のための手順を実行することができる。
【0185】
[0208] 複数の送信機を用いて所与の受信機に電力を転送する際、各送信機は、単一の送信機と受信機との間の電力転送に適用する同じ通常の通信手順を実行することになる。それぞれの送信機と受信機との間のBLE通信接続を形成した後、送信機は受信機への電力転送信号の送信を開始することができ(例えば、毎秒3400回)、受信機は、電圧サンプル測定値を送信機に返送する。複数の送信機の各々は、最大電圧レベルに達するまで、位相および利得における送信機アンテナの構成を変動させながら、これらの電圧測定値を解析する。このレベルにおいて、そのそれぞれの送信機によって受信機の周りに形成されたポケット内に最大エネルギーが存在する。受信機への電力転送を実行している各送信機は、受信機のための累積されたエネルギー情報、ならびに他のステータスおよび使用情報を、ワイヤレス電力管理システムに周期的に通信する。
【0186】
[0209]
図17は、受信機RXへの電力転送を容易にするための、ある位置における複数の送信機TXまたは送信機TXのクラスターの、クラスター管理のステップを示す。初期ステップ1701において、受信機RXは、クラスター内の送信機TXとの通信を確立する。受信機RXとの通信の確立時に、送信機TXは、新たに識別された電力受信機RXの一意の識別子をワイヤレス電力管理システムに通信する。1つの実施形態では、送信機TXは、送信機のクラスターのための通信を管理するように指定されたマスター送信機である。ステップ1703において、ワイヤレス電力管理システムは、その位置におけるクラスター内のいずれの送信機が受信機RXに電力を転送するのに利用可能であるかを判断する。
【0187】
[0210] 1つの実施形態において、利用可能な送信機TXは、ステップ1701の送信機、および管理システムに報告される受信機の範囲内の任意の他のTXを含む、受信機RXに電力を転送することが可能なクラスター内の任意の送信機を含む。1つ以上のワイヤレス電力送信機は、Bluetooth(登録商標)低エネルギー等を含む適切な通信技術を用いて、通信接続を確立するのに十分近い任意の単一のワイヤレス電力受信機に電力を自動的に送信することができる。次に、ワイヤレス電力受信機は、電気的に接続されたクライアントデバイスに電力供給するかまたはこれに充電することができる。
【0188】
[0211] 一方、これは、いくつかの位置において、送信機のクラスターに当てはまらない場合がある。このシステムは、ワイヤレス電力管理システムによって、自動的な時間ベースのスケジューリングされた電力伝送の時刻もしくは時間、ワイヤレス電力受信機の物理的位置、クライアントデバイスの所有者、または他の適切な条件および/または判断基準等の、特定の判断基準または条件に依拠して、特定のワイヤレス電力受信機のみに電力を送信するように構成することができる。例えば、送信機のクラスターの送信機TXは、特定のユーザーの1つ以上のデバイスに電力供給するのに専用とすることができ、他のデバイスおよび受信機は、その送信機から電力を受信する権限を付与されない。以下の論考において、利用可能な送信機、または所与の受信機に利用可能な送信機への言及は、その受信機の電力転送範囲内にあり、ワイヤレス電力管理システムに記録された特定のシステム判断基準または条件における送信機の使用に対する任意の制限等の全ての他の検討事項に基づいて、その受信機に電力を転送するのに用いることができる送信機を意味する。
【0189】
[0212] ステップ1705において、受信機RXに電力を転送するために2つ以上の送信機TXが利用可能であることが仮定される。このステップにおいて、2つ以上の送信機が、実施形態(Bluetooth(登録商標)通信等)における受信機RXとの通信を調整し、ここで、一度に1つの送信機TXのみが受信機RXと通信することができる。以下で説明されるような1つの実施形態において、通信は、マスター送信機として選択される2つ以上の送信機のうちの1つによって調整される。ステップ1707において、利用可能な送信機TXは、ステップ1705において、通信の調整を受けながら受信機RXに電力を転送する。ステップ1709において、管理システムは、受信機RXと通信している送信機のクラスター内の送信機通信遷移を検出する。この送信機通信遷移は、利用可能な送信機が、(例えば、受信機RXがその送信機の範囲から出て移動することに起因して)受信機RXとの通信を止めること、新たな送信機TXが受信機RXとの通信を確立すること、またはこれらの発生の組合せのうちの1つを伴うことができる。通常、この場合、送信機通信遷移がクラスター内の送信機との受信機RXの全ての接続の終了を必要としない限り、遷移の後に利用可能な電力転送管理システムおよび送信機は、このクラスター管理方法のステップ1703〜1709を繰り返す。
【0190】
[0213]
図18は、モバイルフォンを手に持って、送信機TX1 1806、TX2 1808およびTX3 1810のクラスターを含む位置1804に入り、そこを通って進むユーザーの経路1802を示す。デバイスおよび受信機1802が、ノードA→B→C→D→E→Fを通って経路1802を進むとき、送信機TX1 1806、TX2 1808およびTX3 1810は、以下の送信機通信遷移を受ける。(A)TX1 1806が受信機を検出し、電力の送信を開始する;(B)受信機がTX1 1806の範囲から出て、TX1 1806が電力転送を止める;TX2 1808が受信機を検出し、電力の転送を開始する;(C)受信機がTX2 1808の範囲から出て、TX2 1808が電力転送を止める;TX3 1810が受信機を検出し、電力の転送を開始する;(D)受信機がTX3 1810の範囲内に留まり、TX3 1810が電力転送を継続する;TX1 1806が受信機を検出し、電力の転送を再開する;(E)受信機がTX1 1806およびTX3 1810の範囲内に留まり、TX1 1806およびTX3 1810が電力転送を継続する;TX2 1808が受信機を検出し、電力の転送を再開し、それによって3つ全ての送信機が電力を転送する;および(F)受信機がTX3 1810の範囲から出て、TX3 1810が電力転送を止める;受信機がTX1 1806およびTX2 1808の範囲内に留まり、TX1 1806およびTX2 1808が電力転送を継続する。
【0191】
[0214] 複数のワイヤレス電力送信機が、送信機と受信機との間のBLE通信を用いて単一の受信機への電力転送を実行しているとき、ワイヤレス電力送信機に組み込まれた1つ以上のワイヤレス電力送信機マネージャーは、それぞれの送信機および受信機間の通信を調整する。Bluetooth(登録商標)プロトコルは、ワイヤレス電力受信機と複数のワイヤレス電力送信機との間の一度に1つの通信接続のみを可能にする。ワイヤレス電力送信機マネージャー内のワイヤレス電力マネージャーアプリケーションソフトウェアは、複数のワイヤレス電力送信機(ワイヤレス電力送信機クラスター)の通信マネージャー間の通信を調整するための命令および/またはアルゴリズムの組として、ルーチンを実行することができる。このルーチンは、電力受信機とのそれぞれのワイヤレス電力送信機の同時通信を調整する。ワイヤレス電力送信機のクラスター管理のこの説明において用いられるとき、同時とは、少なくとも2つのワイヤレス電力送信機が、同じ全体期間中に電力受信機と通信することを意味するが、2つ以上のワイヤレス電力送信機が厳密に同時に電力受信機と通信することは意味していない。実施形態において、ワイヤレス電力マネージャーアプリケーションによって実行されるルーチンは、少なくとも2つのワイヤレス電力送信機と電力受信機との間の同時通信の時分割多重(TDM)を利用する。
【0192】
[0215] 集中制御方法を伴う1つの実施形態では、ワイヤレス電力管理システムは、マスター送信機として、送信機のうちの1つを選択する。マスター送信機は、受信機への電力転送を実行している複数の送信機間で、受信機との通信の順序およびタイミングを制御する。複数の送信機間の分散制御を伴う方法等の、この集中制御方法以外の通信を調整するための代替的方法も可能である。
【0193】
[0216]
図19に示されるシステム1902において、複数の送信機TX1 1904、TX2 1906、TX3 1908の各々またはこれらの送信機のクラスターが、Wi−Fiまたはイーサネット等の企業バス1910と接続される。システム1902がインストールされると、システム1902は、例えば、ローカルエリアネットワークサブネットを介して、ネットワーク制御のために構成される。送信機TX1 1904およびTX3 1908は、Wi−FiによってLAN1910に接続され、TX2 1906はイーサネットによって接続される。アクセスポイントは1912に含まれる。このため、送信機は、TCP/IPローカルエリアサブネットにわたって通信を交換し、TCPソケットを用いた保証された通信を確保することができる。この構成は、送信機がユーザーデータグラムプロトコル(UDP)等のインターネットプロトコルを用いて情報をブロードキャストし、Bluetooth(登録商標)アドバタイズに類似した通信を提供することも可能にする。
【0194】
[0217] 送信機TX1 1904、TX2 1906、TX3 1908が起動すると、送信機の各々が、送信機を識別する自身のIPアドレスおよび他の情報を含むメッセージをネットワークにわたって定期的にブロードキャストし始める。ネットワーク内の各送信機は、他の送信機のブロードキャストへのアクセスを有し、各送信機は、マスター送信機としての送信機のうちの1つの識別を含む、ネットワークの全ての送信機のリストを構築する。集中制御の第1の実施形態では、システムは、マスター送信機として、ここではIPアドレス192.168.000.3を有するTX3として示される、最も低いIP番号を有する送信機を識別する。マスター送信機による送信機−受信機通信の集中制御の通常の手法において、最低IP番号以外の他のアルゴリズムを用いてマスター送信機を決定してもよい。
【0195】
[0218] システムは、マスター送信機TX3がオフラインになった場合に、残りの送信機が残りの送信機のうちの1つをマスターとして再計算し割り当てるように、この手順を定期的に繰り返す。他の送信機が、ある設定期間(例えば15秒)以内にマスター送信機からのUDPブロードキャストメッセージを検知しない場合、これらの残りの送信機は、利用可能な送信機のリストを再計算し、適用可能なアルゴリズム(この実施形態では、最も低いIP番号)に基づいて、残りの送信機のうちの1つをマスターとして割り当てる。
【0196】
[0219] 受信機RX1 1916は、受信機を有するデバイスが位置2024(
図20に示す)に近づくと、Bluetooth(登録商標)アドバタイズメントを定期的にブロードキャストする。送信機TX3 1908は、最初に受信機RX1 1916(
図17の方法におけるステップ1701)からBLEアドバタイズメントを検出すると、受信機の一意のID(Bluetooth(登録商標)アドレス)を取得し、TX3は、この情報を、モデム1912を介して管理システム1920に送信する(双方の通信が時点T1において概略的に示される)。管理システム1920は、識別された受信機に関する情報、全ての送信機を含む低電力管理設備、受信機の権限付与に関する情報(受信機に関連付けられた企業またはアカウント)、価格情報、および通信を開始した送信機TXに関する情報等の他の適用可能な情報を参照することができる。この実施形態において、管理システム1920は、クラスターTX1、TX2およびTX3における全ての送信機が、受信機RX1 1916への電力転送のために利用可能であると判断し、このメッセージをマスター送信機に送信する(
図17の方法におけるステップ1703)。
【0197】
[0220]
図19および
図20は、位置(例えば、部屋2024)における送信機クラスター管理の方法を概略的に示す。時点T3において、管理システム1920は、送信機TX1 1904、TX2 1906、 TX3 1908によるワイヤレス電力伝送へのアクセスを受信機RX1に許可するメッセージをマスター送信機に送信する。時点T3における受信機RX1への電力転送の初期権限付与の後、
図20において、受信機RX1が様々な時点T4、T5およびT6において部屋2024に入り、部屋にわたって移動することが示される。時点T4において、受信機RX1は、送信機TX2およびTX3の範囲内にある。時点T5において、受信機RX1は送信機TX1の範囲に入り、3つ全ての送信機TX1、TX2およびTX3の範囲内にある。送信機TX1が最初に受信機RX1を検出すると、送信機TX1は、メッセージを管理システム1920に送信し、管理システム1920は、マスター送信機TX3に、受信機RX1への送信機TX1の電力転送を許可する戻り通信を送信する。
【0198】
[0221] T5に続く期間中、3つ全ての送信機TX1、TX2およびTX3が、受信機RX1に電力を転送するように利用可能であり、マスター送信機TX3による受信機RX1を有する3つの送信機の通信の調整を受ける(
図17の方法におけるステップ1705)。1つの実施形態では、マスター送信機TX3は、送信機TX1およびTX2に、受信機とのそれらの通信を、3秒の期間ごとに1秒に制限するように命令する(すなわち、それによって、送信機T1、T2およびT3の各々が、3秒の期間からの1秒を割り当てられる)。これは、例えば、マスター送信機TX3が、他の送信機のうちの1つに、この他の信号の送信機のための通信が生じる1秒の開始時に「オン」信号を送信することによって、および送信機TX3がその期間の終了時に「オフ」信号を送信することによって行うことができる。代替的に、マスター送信機TX3は、通信のための「オン」期間の開始時に、その「オン」期間の持続時間と結合された「オン」信号を送信することができる。所与の送信機が受信機RX1と通信していない期間中、送信機は、受信機から得られた最も近時の通信に基づいて、自身の送信アンテナの位相を制御する。各1秒の「オン」期間中に受信機RX1によって送信される大量通信を所与として、通信のそのような断続的期間は、動いている受信機に電力を送信するとき、各送信機が自身のアンテナ位相を調整して、電力転送を調節する(
図17における方法のステップ1707)ことを可能にするのに十分であることが観測された。
【0199】
[0222] 時点T6において、受信機RX3は、送信機TX1およびTX2の範囲内に留まりながら、送信機TX3の範囲を抜けた。送信機が識別された受信機に電力を送信するように権限付与された期間中、数あるデータの中でも、送信機が管理システム1920に通信するのは、受信機との送信機の通信の信号強度に関するデータであり、それによって、時点T6までに、管理システム1920は、送信機TX3が受信機RX1の範囲外であることを検出する(
図17の方法におけるステップ1709)。管理システム1920は、その際、受信機RX1のためのアクセス拒否メッセージを送信機TX3に送信し、残りの送信機(最も低いIP番号を有する送信機TX1)のうちの1つをマスター送信機として選択する。その後、送信機TX1は、受信機RX1と、受信機RX1に依然として電力を転送している送信機TX1およびTX2との間の通信を制御する。
【0200】
[0223] いずれの送信機が所与の受信機の範囲内にあるかを追跡することに加えて、管理システム1920は、例えば、安全性への懸念に基づいて、所与の受信機およびデバイスへの電力出力を制限することができる。様々なモバイルフォンは、4.0ワットまたは4.0ワット弱(例えば、3.96、3.97、3.98または3.99ワット)の最大DC電力レベルを有する。送信機クラスター管理が遷移する場合、すなわち、所与の受信機との通信における送信機の組に対する変化が生じる場合、管理システム1920は、任意の適用可能な最大電力レベルを遵守することを確保するメッセージをマスター送信機に送信することができる。このメッセージは、利用可能な送信機に、送信機のクラスター間の個々の送信機からの電力転送を制限し、それによって各送信機からの安全な電力転送を確保するように命令する。
【0201】
[0224] 上記の論考は、ワイヤレス電力管理システムとの送信機のクラスターのインタラクションを通じた送信機のクラスター管理の制御を説明し、好ましくは、ネットワーク化された遠隔サーバーを有するクラウドコンピューティング管理システムが、集中型データストレージ、およびデータ管理サービスへのオンラインアクセスのためにネットワーク化される。代替的な実施形態では、送信機のクラスターは、ワイヤレス電力管理システムによる監視なしで、送信機自体の制御下で送信機クラスター管理を達成する。これは、送信機自体が、送信機クラスター管理においてワイヤレス電力管理システムによって用いられる管理情報および機能のほとんどを複製することができるために可能である。
【0202】
[0225] 実施形態で論考した送信機クラスター管理方式は、送信機による所与の位置の受信機への電力転送を制御する際、本明細書において送信機クラスターと呼ばれる場合がある、その位置における全ての送信機の階層的管理を含む。階層構造の任意のレベルにおける送信機−受信機接続を管理することができる、他の送信機クラスター管理方式が可能である。例えば、管理システムは、ある位置における全ての送信機のサブセットとして所与の送信機クラスターを定義し、その位置における他の送信機と別個にこれらの送信機のみとの受信機インタラクションを管理することができる。更に、送信機クラスター管理方式は、送信機−受信機電力転送、および複数の近傍の位置にわたる通信を管理することができる。例えば、2つの近隣の家庭が各々、2つの送信機を有することができ、これらは、クラウドベースの電力転送管理システムによって管理される1つまたは2つのクラスターに編成することができる。システムは、近隣の位置をクラスターとして管理することができ、それによって、4つ全ての送信機を1つのクラスターの一部とすることができるか、またはシステムは各課金アドレスを別個のクラスターとして管理し、各々が2つの送信機を有する2つのクラスターが存在するようにすることができる。
【0203】
[0226] 様々な態様および実施形態が開示されたが、他の態様および実施形態が予期される。開示される様々な態様および実施形態は、説明を目的としており、限定を意図しておらず、真の範囲および趣旨は添付の特許請求の範囲によって示される。
【0204】
[0227] 上記の方法記述およびインターフェース構成は、単なる説明的な例として提供され、様々な実施形態のステップが提示される順序で実行されなくてはならないことを必要とするかまたは暗に意味するように意図されていない。当業者によって理解されるように、上記の実施形態におけるステップは任意の順序において実行することができる。「次に、」「次いで、」等の語は、ステップの順序を限定することを意図しておらず、これらの語は、単に、本方法の記述を通じて読み手を誘導するために用いられる。プロセスフロー図は、動作を連続したプロセスとして説明する場合があるが、動作の多くは、並列にまたは同時に実行することができる。更に、動作の順序は再配列することができる。プロセスは、方法、機能、手順、サブルーチン、サブプログラム等に対応することができる。プロセスが機能に対応するとき、その終了は、呼び出し機能またはメイン機能に機能が戻ることに対応することができる。
【0205】
[0228] 本明細書に開示される実施形態に関連して説明される様々な説明的な論理ブロック、モジュール、回路およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピューターソフトウェア、または双方の組合せとして実施することができる。ハードウェアおよびソフトウェアのこの交換可能性を明確に示すために、様々な説明的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路およびステップが、通常、それらの機能の観点で説明された。そのような機能がハードウェアとして実施されるかまたはソフトウェアとして実施されるかは、システム全体に課される特定の用途および設計制約に依拠する。当業者は、説明された機能を、特定の用途ごとに様々な方法で実施することができるが、そのような実施の決定は、本発明の範囲からの逸脱を生じるものとして解釈されるべきではない。
【0206】
[0229] コンピューターソフトウェアにおいて実施される実施形態は、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語またはそれらの任意の組合せで実施することができる。コードセグメントまたは機械実行可能命令は、プロシージャ、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、または命令、データ構造もしくはプログラム文の任意の組合せを表すことができる。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメーターまたはメモリコンテンツを渡すおよび/または受信することによって別のコードセグメントまたはハードウェア回路に結合することができる。情報、引数、パラメーター、データ等は、メモリ共有、メッセージ共有、トークンパッシング、ネットワーク送信等を含む任意の適切な手段を介して渡すか、転送するか、または送信することができる。
【0207】
[0230] これらのシステムおよび方法を実施するのに用いられる実際のソフトウェアコードまたは特殊化された制御ハードウェアは、本発明を限定するものではない。このため、システムおよび方法の動作および挙動は、特定のソフトウェアコードを参照することなく説明され、ソフトウェアおよび制御ハードウェアは、本明細書における説明に基づいてシステムおよび方法を実施するように設計することができると理解される。
【0208】
[0231] ソフトウェアで実施されるとき、機能は、非一時的コンピューター可読ストレージ媒体またはプロセッサ可読ストレージ媒体における1つ以上の命令またはコードとして記憶することができる。本明細書に開示される方法またはアルゴリズムのステップは、コンピューター可読ストレージ媒体またはプロセッサ可読ストレージ媒体上に存在することができるプロセッサ実行可能ソフトウェアモジュールに埋め込むことができる。非一時的コンピューター可読媒体またはプロセッサ可読媒体は、1つの場所から別の場所へのコンピュータープログラムの転送を容易にするコンピューターストレージ媒体および有形ストレージ媒体の双方を含む。非一時的プロセッサ可読ストレージ媒体は、コンピューターによってアクセス可能とすることができる任意の利用可能な媒体とすることができる。限定ではなく例として、そのような非一時的プロセッサ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、または、命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを記憶することができ、コンピューターもしくはプロセッサによってアクセスすることができる、任意の他の有形ストレージ媒体を含むことができる。ディスク(disk)およびディスク(disc)は、本明細書において用いられるとき、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスクおよびブルーレイディスクを含み、ここで、ディスク(disk)は通例、磁気的にデータを再生し、ディスク(disc)はレーザーを用いて光学的にデータを再生する。上記の組合せもコンピューター可読媒体の範囲内に含まれるべきである。更に、方法またはアルゴリズムの動作は、コンピュータープログラム製品に組み入れることができる、非一時的プロセッサ可読媒体および/またはコンピューター可読媒体上のコードおよび/または命令の1つまたは任意の組合せまたは組として存在することができる。