(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、二ナトリウムである、請求項5に記載の化合物。
【技術分野】
【0001】
本発明は、慢性腎疾患(CKD)、末期腎疾患(ESRD)を有する透析患者、および関連する循環器疾患に関連するリン酸過剰または高リン血症を治療するための化合物を提供する。
【0002】
慢性腎疾患および末期腎疾患を有する透析患者などの腎機能障害を有する患者においては、生体内にリンが蓄積し、血中のリン濃度が上昇し、リン酸が過剰になる。
【0003】
一部の患者においては、このリン酸負荷は高リン血症と呼ばれる状態に達する。CKDおよびESRDにおけるリン酸塩負荷の上昇は、副甲状腺ホルモンの過剰分泌、すなわち二次性副甲状腺機能亢進症を引き起こし、そして骨病変を引き起こす。高リン血症は冠状動脈および大動脈の石灰化、ならびに心血管死亡率および全死因死亡率と関連している。血管石灰化は心臓の機能不全を促進して死をもたらすと考えられている。リン酸調節の機能不全は臨床的に重大な結果をもたらし、そして正常または正常に近い範囲内における血清リン酸レベルのわずかな増加でさえ、罹患率および死亡率の増加と相関し得ることが研究によって示されている。CKDステージ3および4の患者におけるリン酸過剰、およびリン酸過剰に対する生体の代償性反応は、関連する心血管系の罹患率および死亡率に関係している。CKDステージ3および4の患者におけるリン酸吸収の減少は、これらの反応を軽減または予防し、心血管の健康を維持する可能性がある。CKDの早期にリン酸塩負荷を制御することは、罹患患者における罹患率および死亡率を軽減または予防する可能性がある(C.S.Ritter and E.Slatopolsky,Phosphate Toxicity in CKD:The Killer Among Us,Clin.J.Am.Soc.Nephrol.11:1088−1100,2016)。
【0004】
NaPi−IIの3つのアイソフォームが同定されている。NaPi−IIa(IIa型、SLC34A1とも呼ばれる)は主に腎臓で発現し、NaPi−IIb(IIb型、SLC34A2とも呼ばれる)は小腸で発現し、ビタミンDによって調節され得る。NaPi−IIc(IIc型、SLC34A3とも呼ばれる)も腎臓において発現する。消化管におけるリン酸塩吸収は、大部分がNaPi−IIbによって行われるのに対して、血中のリン酸塩は腎糸球体によってろ過され、必要量で主に腎尿細管内のNaPi−IIaおよびNaPi−IIcによって再吸収される(Miyamoto,et al.Sodium−Dependent Phosphate Cotransporters:Lessons from Gene Knockout and Mutation Studies,J.Pharm.Science,100(9):3719−30,2011)。
【0005】
過剰なリン酸塩、および/または高リン血症の治療の進歩にもかかわらず、これらの症状を治療するための安全で効果的な治療に対する未だに満たされていない大きな必要性が存在する。現在の治療は、消化管におけるリン酸吸収を抑制するためにリン酸吸着剤を使用している。これらには、例えば、非金属ポリマー吸着剤、例えば炭酸セベラマーおよび塩酸セベラマー、カルシウム塩調製物、例えば沈降炭酸カルシウム、および金属吸着剤、例えば炭酸ランタンが含まれる。しかしながら、これらの薬剤はそれぞれ、便秘、下痢、高カルシウム血症、および金属蓄積などの有害作用を有することが報告されている。さらに、吸着剤による治療は、数グラム程度の吸着剤の毎日の摂取を必要とし、そして療法の不適合は一般的な問題である。したがって、改善された安全性、有効性、および利便性を提供する、リン酸過剰、および/または高リン血症の治療に対する満たされていない必要性が残っている。
【0006】
NaPi−IIbの阻害は、消化管におけるリン酸吸収を抑制し、高リン血症を治療するためのアプローチとして血中リン酸濃度の低下をもたらし得る(Sabbagh et al,Intestinal Phosphate Transport,Adv.Chronic Kidney Dis.,18(2):85−90,2011)。NaPi−IIbの阻害によるリン酸塩吸収の抑制は、現在のリン酸塩吸着剤と比較して異なる作用機序を使用し、リン酸塩過剰および/または高リン血症の予防および/または治療に臨床的に有用な利点を提供し得る。さらに、NaPi−IIb輸送体阻害剤は、二次性副甲状腺機能亢進症、慢性腎疾患、および/またはより一般的には慢性腎疾患に関連する心血管疾患に対して、食事性リン酸塩の吸収を減少させることによってさらなる恩恵を提供し得る。
【0007】
本発明の化合物は、NaPi−IIb輸送体の阻害剤であり、そしてNaPi−IIbの強力な阻害を示す。そのように、本発明の化合物は、NaPi−IIb媒介性のリン酸吸収が役割を果たす状態、例えば慢性腎疾患および高リン血症の治療に有用であると考えられる。
【0008】
米国特許出願公開第2013/0053369号は、NaPi−IIbの阻害剤として特定のテトラヒドロベンゾチオフェン化合物を開示し、高リン血症を含む多くの疾患を治療するのに有用であるとしてその化合物を記載している。
【0009】
吸着剤、または当該技術分野で知られている他の薬剤が有する不利な点を伴わずに、リン酸過剰、高リン血症、慢性腎疾患、および/または慢性腎疾患に関連する心血管疾患の安全で利便性を有する治療の必要性は、患者の腎疾患の治療にとって重要であり続ける。本発明は、リン酸塩過剰、高リン血症、慢性腎疾患、および/または慢性腎疾患に関連する心血管疾患の治療に有用な代替的な化合物を提供する。さらに、提供される化合物は、改善された有効性および/または有利な副作用および耐容性プロファイルを有する、NaPi−IIb活性に関連した状態の治療の必要性に対処する。
【0010】
本発明は、下記式
【化1】
式II
(式中、Yは縮合シクロヘキサン環または縮合フェニル環であり、
Aが、
【化2】
であり、交差線は、式IIのコアとの結合点の結合を示し、破線はR
2との結合点の結合を示し、
式中、R
2は、
−CH
3、−(CH
2)
3OH、−(CH
2)
3OCH
3、−(CH
2)
3CO
2H、−COOCH
3、−COCH
3、−CO(CH
2)
3CH
3、−COCH(CH
3)
2、−CO(CH
2)
2CO
2H、−COCH
2NH
2、−COCH
2N(CH
3)
2、−SO
2N[(CH
2)
2OCH
3]
2、−SO
2NHCH
3、−SO
2(CH
2)
2OCH
3、−CONH(CH
2)
4OH、−CONH(CH
2)
4OCH
3、−CONHCH
3、−CONH(CH
2)
2CO
2H、−CONH(CH
2)
2OCH
3、−CON(CH
2CH
2OCH
3)
2、−CSNHCH
3、
【化3】
からなる群から選択され、式中、破線は結合点を表し、
式中、R’は−CO
2Hまたは−CONH
2である)の化合物、
またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0011】
本発明はさらに、Yが縮合シクロヘキサン環であり、Aが
【化4】
であり、そしてR’が−CO
2Hである上記のような式IIの化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0012】
本発明はさらに、Yが縮合シクロヘキサン環であり、Aが
【化5】
であり、そしてR’が−CO
2Hである上記のような式IIの化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0013】
さらに、本発明は、下記式
【化6】
式I
(式中、Rは、−(CH
2)
3OH、−(CH
2)
3OCH
3、−(CH
2)
3CO
2H、−CONH(CH
2)
4OH、−COCH
2NH
2、−SO
2N[(CH
2)
2OCH
3]
2、−CONH(CH
2)
4OCH
3、および−CO(CH
2)
2CO
2Hからなる群から選択され、
式中、R’は−CO
2Hまたは−CONH
2である)の化合物、
またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0014】
本発明はさらに、R’が−CO
2Hである上記の式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0015】
以下の特定の実施形態は、式Iおよび/またはIIの化合物および/または塩である。
【0016】
本発明は、4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸である化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0017】
本発明は、4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(3−ヒドロキシプロピル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸である化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0018】
本発明は、4−[2−[4−[[2−[[3−[[4−[ビス(2−メトキシエチル)スルファモイル]−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸である化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0019】
本発明は、4−[2−[4−[[2−[[3−[[4−(3−カルボキシプロピル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸である化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0020】
本発明は、4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(3−メトキシプロピル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸である化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0021】
本発明は、4−[2−[4−[[2−[[3−[[4−(2−アミノアセチル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸である化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0022】
本発明は、4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−メトキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸である化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0023】
本発明は、4−[4−[[3−[[3−[[4−[2−(4−カルバアモイルフェニル)エチル]−3,5−ジフルオロ−フェニル]カルバモイル]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−2−イル]カルバモイル]フェニル]メチル]−3,3−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−4−オキソ−酪酸である化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0024】
本発明は、4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、二ナトリウムである塩を提供する。
【0025】
本発明は、4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、二ナトリウムの固体分散体製剤を提供し、ここで、製剤は、30%の4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、二ナトリウム、および70%のポリビニルピロリドン−ビニルアセテートを含む。
【0026】
本発明はさらに、以下からなる群から選択される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[(2,2,4−トリメチルピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸ギ酸塩、
4−[2−[4−[[2−[[3−[[2,2−ジメチル−4−(メチルカルバモイル)ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸、
4−[2−[4−[[2−[[3−[[2,2−ジメチル−4−(メチルカルバモチオイル)ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸、
4−[2−[4−[[2−[[3−[[4−(2−カルボキシエチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸、
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−(メチルカルバモイル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル])アミノ]ベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、ギ酸塩、
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[(4−メトキシカルボニル−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、
4−(2,6−ジフルオロ−4−(2−(3−(((1R,5S)−8−ペンタノイル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)メチル)ベンズアミド)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−3−カルボキサミド)フェネチル)安息香酸、
4−[2−[4−[[2−[[3−[[2,2−ジメチル−4−(メチルスルファモイル)ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸、
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−(テトラヒドロピラン−4−イルカルバモイル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、
4−[2−[4−[[2−[[3−[(8−アセチル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]ベンゾエート、
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−(2−メトキシエチルスルホニル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]ベンゾエート、
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−(2−メトキシエチルカルバモイル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]ベンゾエート、
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−(4−メトキシブチルカルバモイル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]ベンゾエート、
4−[2−[4−[[2−[[3−[[8−[ビス(2−メトキシエチル)カルバモイル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]ベンゾエート、
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−(2−メチルプロパノイル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]ベンゾエート、
4−[2−[4−[[2−[[3−[[8−[2−(ジメチルアミノ)アセチル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸、
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−[1−(メトキシメチル)シクロプロパンカルボニル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)アセチル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]ベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、および
4−[2−[4−[[2−[[3−[(4−アセチル−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸。
【0027】
さらに、本発明は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を含む薬学的組成物を提供する。さらに、本発明は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を含む薬学的組成物を提供する。
【0028】
さらに、本発明は、療法における使用のための、式IもしくはIIの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。本発明は、療法における使用のための、4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、二ナトリウムである塩を提供する。
【0029】
さらに、本発明は、高リン血症の治療における使用のための、式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。さらに、本発明は、高リン血症の治療における使用のための、式IIの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。さらに、本発明は、慢性腎疾患の治療における使用のための、式IもしくはIIの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。本発明は、高リン血症の治療における使用のための、4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、二ナトリウムである塩を提供する。本発明は、高リン血症の治療における使用のための、4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、二ナトリウムの固体分散体製剤を提供し、ここで、製剤は、30%の4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、二ナトリウム、および70%のポリビニルピロリドン−ビニルアセテートを含む。
【0030】
本発明は、慢性腎疾患の治療における使用のための、4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、二ナトリウムである塩を提供する。本発明は、慢性腎疾患の治療における使用のための、4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、二ナトリウムの固体分散体製剤を提供し、ここで、製剤は、30%の4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、二ナトリウム、および70%のポリビニルピロリドン−ビニルアセテートを含む。
【0031】
本発明は、慢性腎疾患に関連する心血管疾患の治療における使用のための、4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩である、化合物または塩を提供する。本発明は、慢性腎疾患に関連する心血管疾患の治療における使用のための、4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、二ナトリウムである塩を提供する。本発明は、慢性腎疾患に関連する心血管疾患を治療する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩である、化合物または塩を投与することを含む方法を提供する。
【0032】
さらに、本発明は、高リン血症、および/または慢性腎疾患の治療のための医薬の製造のための、式IもしくはIIの化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0033】
さらに、本発明は、高リン血症を治療する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法を提供する。さらに、本発明は、高リン血症を治療する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の式IIの化合物またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法を提供する。
【0034】
さらに、本発明は、高リン血症を治療する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法を提供する。さらに、本発明は、高リン血症を治療する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、二ナトリウムを投与することを含む方法を提供する。さらに、本発明は、高リン血症を治療する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、二ナトリウムの固体分散体製剤を投与することを含む方法を提供し、ここで、製剤は、30%の4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、二ナトリウム、および70%のポリビニルピロリドン−ビニルアセテートを含む。
【0035】
用語「薬学的に許容可能な塩」は、式IもしくはIIの化合物の塩基性部分と結合して存在する酸付加塩、または式IもしくはIIの化合物の酸性部分と結合して存在する塩基付加塩を含む。そのような塩は、例えば、当業者に知られている、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use,P.H.Stahl and C.G.Wermuth(Eds.),Wiley−VCH,New York,2002に列挙されるような薬学的に許容可能な塩を含む。
【0036】
薬学的に許容可能な塩に加えて、他の塩も本発明において企図される。それらは、化合物の精製、または他の薬学的に許容可能な塩の調製において、中間体としての役割を担い得るか、または、本発明の化合物の同定、分析、または精製のために有用である。
【0037】
本明細書において使用されるとき、用語「患者」は、哺乳動物などの温血動物を指し、ヒトを含む。ヒトは好ましい患者である。
【0038】
慢性腎疾患に関連する心血管疾患は、突然の心臓死、不整脈、狭心症、心筋梗塞、および心不全を含み得る(Kestenbaum et al.,Serum Phosphate Levels and Mortality Risk Among People with Chronic Kidney Disease,J.Am.Soc.Nephrol.16:520−528,2005)。
【0039】
当業者は、現在症状を示している患者に有効量の式Iの化合物を投与することによって、高リン血症および/または慢性腎疾患を治療することができる。したがって、用語「治療」および「治療すること」は、存在する障害、および/またはその症状の進行の緩徐化、妨害、抑止、制御、または停止が存在し得る全てのプロセスを指すことが意図されるが全ての症状の完全な排除を示すことは、かならずしも必要ではない。
【0040】
当業者は、高リン血症および/または慢性肝疾患の認識されている危険因子を有する患者に有効量の式Iの化合物を投与することによって、高リン血症および/または慢性腎疾患を治療することができる。例えば、高血圧症および/または糖尿病などの他の要因を考慮して、正常範囲の上限にリン酸レベルを有する患者は、高リン血症および/または慢性腎疾患、ならびに慢性腎疾患に関連する心血管疾患のリスクを認識しているとみなされ得る。
【0041】
本明細書において使用されるとき、式IまたはIIの化合物の用語「有効量」は、本明細書において記載される高リン血症および/または慢性腎疾患などの障害を治療するのに有効な量を指す。当業者は、従来の技術の使用により、そして現在の患者にとって情報価値があると考えられる状況下で得られた結果を観察することにより有効量を決定することができる。式IまたはIIの化合物の有効量または用量を決定する際には、式IまたはIIのどの化合物を投与するか、他の薬剤の同時投与が存在するかどうか、哺乳類の種、その大きさ、年齢、そして全体的な健康状態、高リン血症および/または慢性腎疾患などの障害の関与の程度または重症度、個々の患者の反応、投与モード、投与された製剤の生物学的利用能特性、選択された投与計画、その他の関連する状況を含む多数の要因が考慮される。
【0042】
本発明の化合物は、単独で、または薬学的に許容可能な担体もしくは賦形剤と組み合わせた薬学的組成物の形態で投与することができ、その割合および性質は、選択された化合物の溶解性および安定性を含む化学的性質、選択された投与経路、および標準的な薬務によって決定される。本発明の化合物は、それ自体有効ではあるが、それらの薬学的に許容可能な塩の形態で製剤化および投与することもできる。
【0043】
製剤を調製する当業者は、選択された化合物の特定の特徴、治療される障害または状態、障害または状態の段階、および他の関連する状況に応じて適切な形態および投与モードを容易に選択することができる(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,L.V.Allen,Editor,22
nd Edition,Pharmaceutical Press,2012を参照)。
【0044】
特定の略語は以下のように定義される:「AcOH」は酢酸を指し、「ACN」はアセトニトリルを指し、「BOP」はベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートを指し、「DCM」はジクロロメタンまたは塩化メチレンを指し、「DIPEA」は、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを指し、「DMF」は、N,N−ジメチルホルムアミドを指し、「DMSO」はジメチルスルホキシドを指し、「EDCI」は、3−(エチルイミノメチレンアミノ)−N,N−ジメチルプロパン−1−アミンを指し、「EtOAc」は酢酸エチルを指し、「EtOH」はエタノールを指し、「FBS」はウシ胎仔血清を指し、「HATU」は、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェートを指し、「HEPES」は、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]エタンスルホン酸を指し、「HOBT」は、ヒドロキシベンゾトリアゾールを指し、「hr」は1時間または複数の時間を指し、「IC
50」は、その薬剤について可能な最大阻害応答の50%を生じる薬剤の濃度を指し、「LC−ES/MS」は液体クロマトグラフィーエレクトロスプレー質量分析を指し、「minは分または複数の分を指し、「MeOH」はメタノールまたはメチルアルコールを指し、「MTBE」はメチル−tert−ブチルエーテルを指し、「
33P」はリン−33を指し、「psi」は1平方インチあたりのポンド数を表し、「PyBOP」は、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェートを指し、「RT」は室温を指し、「TEA」はトリエチルアミンを指し、「TFA」はトリフルオロ酢酸を指し、「THF」はテトラヒドロフランを指し、「Tris」は、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオールを指し、「U/mL」はミリリットル当たりの単位を指し、「PVP−VA」はポリビニルピロリドン−酢酸ビニルを指す。
スキーム1
【化7】
【0045】
スキーム1は式Ixの化合物への合成経路を示す。一般に、ハロゲン化アルキル化合物IIは、例えばアミンとTEA、DIPEAなどの適切な非求核性塩基とを使用して、またはTHF、ACN、もしくはDMFなどの適切な有機溶媒中で、当該技術分野において周知の様々な条件下でアミノ化することができる。より具体的には、約2当量のtert−ブチル3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレートを、ACN中の約1当量のハロゲン化アルキルIIおよび約12当量のDIPEAの存在下でマイクロ波反応容器内で110℃に加熱して、アルキルアミンIIIを得ることができる。化合物IIIのBoc保護基は、当該技術分野において十分に記載されている酸性条件下で除去することができる。より具体的には、化合物IIをDCM中の1,4−ジオキサン中の過剰のHClによって処理して、塩酸塩IVを得ることができる。
【0046】
引き続く化合物IVのアルキル化は、DCM、ACNまたはDMFなどの適切な有機溶媒中の、TEA、DIPEA、ピリジン、または1,8−ジアザビシクロウンデカ−7−エンなどの非求核塩基の存在下で、アルキル化条件下でのハロゲン化アルキルによる処理、例えば適切に置換されたアルキルハライドおよびアミンIVによる処理のような当該分野で周知の広範な条件下で行われ得る。さらに、化合物IVのアルキル化は、MeOH、EtOH、ACN、DCM、THF、またはDMFなどの適切な有機溶媒中で、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、またはシアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤、および触媒量のAcOHまたはTFAなどの有機酸の存在下で適切に置換されたアルデヒドを用いるなどの還元的アミノ化条件下で行われ得る。より具体的には、化合物IVを約2当量のDIPEAで処理し、続いてDCM中約2当量のナトリウムトリアセトキシボロヒドリドおよび触媒AcOHの存在下で、3−メトキシプロピオンアルデヒドまたは4−オキソブタン酸メチルエステルで処理して、それぞれ、化合物VaとVbを得る。
【0047】
化合物IVのアシル化またはスルホニル化は、当該技術分野で周知の条件下で、例えば、DCM、THF、ACN、またはDMFなどの適切な有機溶媒中、過剰の適切な非求核塩基、例えばTEAまたはDIPEAを用いて塩基性条件下でアシルハライドまたはスルホニルハライドを用いて達成し得る。より具体的には、化合物IVを、約1:10のMeOH:ACNの混合物中、約4当量のDIPEAおよび約2当量のN−(4−ヒドロキシブチル)−3,3−ジメチル−ピペラジン−1−カルボキサミドヒドロクロリドで処理することができ、そしてマイクロ波反応器中100℃で加熱して化合物Vcを得る。アミンIVのアシル化はまた、当該技術分野において周知の標準的なアミドカップリング条件下で、例えば、TEAまたはDIPEAなどの非求核塩基の存在下で、およびMeOH、ACN、THF、DCM、もしくはDMF、またはそれらの組み合わせなどの適切な有機溶媒中で、EDCIおよびHOBT、HATU、BOP、またはPyBOPを使用して行われ得る。より具体的には、約1.2当量の化合物IVを、約0.9当量の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンで処理し、続いて、DMF中の、約1当量のN−(tert−ブトキシカルボニル)グリシン、0.5当量のHOBT、および1.2当量のEDCIで処理して、化合物Vdを得ることができる。化合物IVのスルホニル化は、加熱しながらDMF中の約1.5当量のビス(2−メトキシエチル)スルファモイルクロリドおよび約5当量のTEAの存在下で達成することができ、化合物Veを得る。
【0048】
さらに、塩基性条件下でのアミンのイソシアネートへの求核付加による、尿素を得るためのアミンのアシル化もまた、当該技術分野において十分に記載されている。具体的には、DCM中約4当量のTEAの存在下で、約1当量の化合物IVを約2当量の1−イソシアナト−4−メトキシ−ブタンで処理して化合物Vfを得ることができる。
【0049】
式Ixの化合物は、当該技術分野で周知のように、酸性または塩基性のいずれかの条件下で化合物Vのメチルエステル部分を鹸化することによって調製され得る。より具体的には、化合物Va〜VfをTHF、MeOH、H
2O、またはそれらの適切な混合物中の約1〜5当量のLiOHで処理して、式Ia〜fの化合物を得ることができる。これらの条件は化合物Vb中の追加のエステル部分を同時に鹸化することができる。エステル鹸化が完了した後、追加の保護基は、周知の方法によって、例えば、ジオキサン中の過剰の4MのHClでの化合物Veの処理によって除去することができる。さらに、追加のヘテロ原子保護アルキルアルデヒド、具体的には3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−プロパナールを上記のような還元的アミノ化条件下において化合物IVで処理し、その場で脱保護し、そして最終的に上記のように鹸化することができる。より具体的には、3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−プロパナールおよび化合物IVを、上記のように水素化トリアセトキシホウ素ナトリウムおよび触媒AcOHを用いて還元的アミノ化条件に処理し、その後過剰な1,4−ジオキサン中のHClを用いて、その場でシリル基を除去する。上記のように、LiOHによって最終鹸化を行って式Igの化合物を得ることができる。
スキーム2
【化8】
【0050】
式Icの化合物の代替的な合成はスキーム2に示される。DCM中の約1当量の4−[2−(4−アミノ−2,6−ジフルオロ−フェニル)エチル]安息香酸メチルXIIと1.1当量の3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−2−カルボン酸(Aurum Pharmatech)との混合物を、約5当量のDIPEAの存在下で、約1.25当量のビス−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリドで処理して、生成物化合物VIIを得て、当該技術分野で周知の標準条件、具体的には溶媒としての1,4−ジオキサンおよびDCM中の過剰の4NのHClによって脱保護して、アミン化合物VIIIを得ることができる。溶媒としてDCMを用いてピリジンの存在下でアミンVIIIを、具体的には約1.1当量の塩化3−(クロロメチル)ベンゾイルを用いる上記のようなアシル化条件に供し、化合物IXを得ることができる。塩化アルキルIXは、当技術分野で周知の広範なアミノ化条件下で、より具体的には、上記のようなACN/MeOHの混合物中の約4当量のDIPEAの存在下で、約2当量のN−(4−ヒドロキシブチル)−3,3−ジメチル−ピペラジン−1−カルボキサミド塩酸塩によってアミノ化して化合物Xを得ることができ、続いて上記のように鹸化して式Icの化合物を得ることができる。
スキーム3
【化9】
【0051】
アニリン化合物XIIの合成はスキーム3に示される。一般に、ハロゲン化アリールと置換アセチレンとの間のパラジウム−銅媒介Sonogashiraクロスカップリングは当該技術分野において周知である。具体的には、約1当量の3,5−ジフルオロ−4−ヨードアニリン(AstaTech)および約1当量の4−エチニル安息香酸メチル(Alfa Aesar)を、THF中の約0.4当量のビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)ジクロリドと約10当量のDIPEAを含む約0.07当量のCuIとの存在下で加熱してジアリールアセチレン化合物XIを得、これは当該技術分野でよく記載されている標準条件下、具体的にはTHF/H
2Oの溶媒混合物中のパラジウム黒存在下で約60psiでの触媒水素化によって還元して、必要なアニリン化合物XIIを得ることができる。
スキーム4
【化10】
【0052】
スキーム4はアミンXVの合成を説明する。反応溶媒としてDCMを用いて3当量のDIPEAの存在下で1当量のt−ブチル−2,2−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレートを約1.1当量の4−イソシアナトブタン酸メチルに求核付加すると、尿素化合物XIIIを得ることができる。エステル部分の還元は、BH3、水素化ホウ素リチウム、および水素化ジイソブチルアルミニウムを含む、文献に十分に記載されている広範な条件を用いて達成することができる。より具体的には、1当量のエステルXIIをTHF中の約3当量の水素化ホウ素リチウムで処理して還元生成物XIVを得ることができ、続いて上記のようにBOC保護基を除去すると、必要な化合物XVが得られる。
スキーム5
【化11】
【0053】
スキーム5は、式Iyの化合物の合成を示す。化合物XVI中のエステル部分の加水分解は、水性、有機または二相溶媒混合物中のNaOH、KOH、またはLiOHなどのアルカリ性塩基によるものなど、当該技術分野で周知の条件下で達成することができる。より具体的には、エステルXVIを、THF水溶液の混合物中、5当量のLiOHで処理することができ、鹸化された酸を穏やかに酸性化すると、化合物XVIIが得られる。その後の酸塩化物による直接アミド化は穏やかな条件下で達成することができる(E.Valeur and M.Bradley,Chem.Soc.Rev.,2009,38,606−631)。より具体的には、酸化合物XVIIの酸塩化物は、室温で1.2〜2.5当量のビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリドを用いてその場で生成し、続いて過剰のアンモニアで処理して所望の一級アミドXVIIIを得ることができる。上記のようにBOC保護基を除去すると、上記の必要な化合物XIXが得られる。マスクされていないピペリジン窒素のアシル化は、当該技術分野で周知の条件下で、具体的には無水コハク酸などのアシル化剤の存在下でのDIPEAなどの5当量の好適な非求核塩基による化合物XIXの処理によって達成されて、式Iyの化合物を得ることができる。式Iおよび/またはIIの他の化合物は、適切な出発物質および必要に応じて修飾を使用して、本明細書に記載のものと類似の手順によって当業者によって調製することができる。
【化12】
【0054】
化合物Xの合成はスキーム6に示される。BOPCl媒介アミドカップリングにより、化合物Aが得られる。上記のようにBOC保護基を除去すると、必要な化合物Bが得られる。アミノ基のアシル化は、当該技術分野で周知の条件下で、具体的にはピリジンの存在下での3−(クロロメチル)−ベンゾイルクロリドによるBの処理によって達成され、化合物Cを得ることができる。ベンジルクロライドを置換ピペラジンで求核置換すると、安息香酸メチルDが得られる。上記のようなその後の鹸化により、化合物Xが得られる。
【0055】
調製物および実施例
以下の調製物および実施例は、本発明をさらに例示し、本発明の化合物の典型的な合成を表す。試薬および出発材料は、当業者が容易に入手可能であるか、または当業者によって容易に合成され得る。調製物および実施例は限定ではなく例示により説明され、当業者により様々な変更が行われ得ることが理解されるべきである。
【0056】
LC−ES/MSはAGILENT(登録商標)HP1100液体クロマトグラフィーシステムにおいて実施される。エレクトロスプレー質量分析測定(ポジティブおよび/またはネガティブモードで取得される)は、HP1100HPLCと連動する質量選択検出器四重極質量分析計上で行われる。LC−MS条件(低pH):カラム:PHENOMENEX(登録商標)GEMINI(登録商標)NX C18 2.1×50mm 3.5μm、勾配:3分間で5〜100%B、その後0.75分間で100%B、または1.5分間で5〜95%B、その後0.25分間で95%B、カラム温度:50℃±10℃、流速:1.2mL/分、溶媒A:0.1%HCOOHを含む脱イオン水、溶媒B:0.1%ギ酸を含むACN、波長214nm。代替的なLC−MS条件(高pH):カラム:XTERRA(登録商標)MS C18カラム2.1×50mm、3.5μm、勾配:0.25分間で5%の溶媒A、3分間で5%〜100%の勾配の溶媒B、および0.5分間で100%の溶媒B、または3分間で10%〜100%の勾配の溶媒B、および0.75分間で100%の溶媒B、または1.5分間で5〜95%のB、次いで0.25分間で95%のB、カラム温度:50℃±10℃、流速:1.2mL/分、溶媒A:10mMのNH
4HCO
3 pH 9、溶媒B:ACN、波長214nm。
【0057】
核磁気共鳴スペクトルは、Bruker AVIII HD 400MHz NMR SpectrometerまたはVarian VNMRS 300MHzまたは400MHz NMR Spectrometerにおいて実施され、ppmで報告されるCDCl
3またはDMSO−d
6溶液として得られ、標準試料として残りの溶媒[CDCl
3、7.26ppm、DMSO−d
6、2.50ppm]を用いる。ピーク重複度が報告される場合、下記の略語、s(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、q(四重項)、m(多重項)、br−s(ブロードな一重項)、dd(二重の二重項)、dt(二重の三重項)が使用され得る。カップリング定数(J)は、報告されるとき、ヘルツ(Hz)で報告される。
【0058】
調製物1
4−[2−(4−アミノ−2,6−ジフルオロ−フェニル)エチニル]安息香酸メチル
【化13】
3,5−ジフルオロ−4−ヨードアニリン(14.7g、55.9mmol)、CuI(0.745g、3.91mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(1.59g、2.24mmol)、メチル4−エチニルベンゾエート(9.05g、55.9mmol)、TEA(114mL)およびTHF(44.1mL)の懸濁液を60℃で3時間撹拌する。混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧下で蒸発乾固する。EtOAc(100mL)およびH
2O(100mL)を添加し、そして得られた固体を珪藻土でろ過する。ろ液からの有機層を分離し、MgSO
4上で乾燥し、そして減圧下で蒸発乾固する。得られた残渣にDCM:ヘプタンの1:1混合物(400mL)を加え、混合物を室温で一晩撹拌する。得られた固体をろ過により回収し、そして真空下で乾燥して、表題化合物(8.0g、収率45.8%)を褐色の固体として得る。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6) δ 3.86(s,3H)、6.26−6.37(m,4H)、7.59(d,J=8.2Hz,2H)、7.96(d,J=8.5Hz,2H)。
【0059】
調製物2
4−[2−(4−アミノ−2,6−ジフルオロ−フェニル)エチル]安息香酸メチル
【化14】
500mLのParrシェーカーにN
2下でPd黒(0.53g、5.0mmol)を充填する。MeOH/THF(25mL)の脱気4:1溶液を添加し、続いて、N
2下で、MeOH/THFの4:1混合物(25mL)中の4−[2−(4−アミノ−2,6−ジフルオロ−フェニル)エチニル]安息香酸メチル(1.17g、3.38mmol)の脱気溶液を加える。得られた混合物をN
2でパージし、そしてH
2で60psiに加圧する。密封容器を40℃で14時間加熱する。得られた懸濁液をN
2下で珪藻土のパッドを通してろ過し、そして真空中で蒸発乾固する。得られた残渣を、ヘキサン/THFの25〜35%の勾配で溶離するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製して、真空下での溶媒蒸発および乾燥後に表題化合物を白色固体として得る(404mg、収率40%)。
1H NMR(400.13MHz,DMSO−d
6) δ 2.71−2.83(m,4H)、3.84(s,3H)、5.52(s,2H)、6.10−6.15(m,2H)、7.28(d,J=8.3Hz,2H)、7.85(d,J=8.2Hz,2H)。LC−ES/MS(m/z)292[M+1]。
【0060】
調製物3
4−[(4−メトキシ−4−オキソ−ブチル)カルバモイル]−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化15】
30mLのシンチレーションバイアルに、2,2−ジメチルピペラジン−1−カルボン酸t−ブチル(500mg、2.28mmol)およびDCM(12mL)を充填する。得られた溶液を氷/水浴中で冷却し、DIPEA(1.20mL、6.85mmol)を一度に添加する。DCM(3mL)中の4−イソシアナトブタン酸メチル(447mg、2.97mmol)の溶液を5分間かけて滴下する。反応混合物をゆっくり室温に温め、さらに15分間撹拌する。混合物を5%クエン酸水溶液(100mL)とDCM(20mL)との間で分配する。有機層を分離し、水層をDCM(各20mL)でさらに2回抽出する。合わせた有機抽出物を飽和NaHCO
3水溶液(30mL)および飽和NaCl水溶液(30mL)で順次洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で蒸発させる。得られた残渣を、ヘキサン/アセトンの30〜50%の勾配で溶離するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製して、真空下での溶媒除去および乾燥後に表題化合物を無色の粘性油として得る(848mg、収率95%)。
1H NMR(399.8MHz,CDCl
3) δ 1.34(s,6H)、1.45(s,9H)、1.83(t,J=6.9Hz,2H)、2.37(t,J=7.1Hz,2H)、3.25−3.30(m,2H)、3.37(t,J=5.7Hz,2H)、3.47(s,2H)、3.65(s,3H)、3.71(t,J=5.7Hz,2H)、4.65−4.68(m,1H)。LC−ES/MS(m/z)358[M+1]。
【0061】
調製物4
4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化16】
THF中のLiBH
4の2M溶液(3.02mL、6.04mmol)を、tert−ブチル4−[(4−メトキシ−4−オキソ−ブチル)カルバモイル]−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(783mg、2.01mmol)およびTHF(2mL)を含む100mLの丸底フラスコに室温で滴下する。反応混合物を室温で12時間撹拌する。反応混合物を0.5mLのMeOHでクエンチし、室温で20分間撹拌し、5%NaHCO
3水溶液(150mL)とDCM(50mL)との間で分配する。有機層を分離し、水層をDCM(各50mL)でさらに2回抽出する。合わせた有機層を飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で蒸発乾固させて、表題化合物を白色の固体として得る(634mg、収率96%)。
1H NMR(399.8MHz,CDCl
3) δ 1.36(s,6H)、1.46(s,9H)、1.58−1.63(m,4H)、3.31−3.28(m,2H)、3.49(s,2H)、3.66−3.69(m,2H)、3.71−3.74(m,2H)、3.37−3.39(m,2H)。LC−ES/MS(m/z)330[M+1]。
【0062】
調製物5
N−(4−ヒドロキシブチル)−3,3−ジメチル−ピペラジン−1−カルボキサミド塩酸塩
【化17】
30mLシンチレーションバイアルに、DCM(20mL)中の4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(631mg、1.92mmol)の溶液を充填する。ジオキサン中の4NのHCl溶液(2.4mL、9.58mmol)を5分かけて滴下し、得られた溶液を室温で2時間撹拌する。揮発物を真空中で除去し、残渣を真空下で乾燥させて、さらに精製することなく次のステップで使用するのに適した表題化合物を吸湿性の白色油状固体として得る(収率100%、定量的)。LC−ES/MS(m/z)230[M+1]。
【0063】
調製物6
4−[2−[4−[[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル
【化18】
100mL丸底フラスコに4−[2−(4−アミノ−2,6−ジフルオロ−フェニル)エチル]安息香酸メチル(2.11g、7.24mmol)、3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4,5、6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−2−カルボン酸(2.37g、7.97mmol)、およびDCM(60mL)を充填する。得られた懸濁液を氷/水浴中で冷却し、DIPEA(5.05mL、29.0mmol)を滴下して、黄褐色の濁った溶液を得る。固体ビス−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(2.30g、9.05mmol)を0℃で30分かけて少しずつ加える。次いで反応混合物を室温に温め、24時間撹拌する。追加の固体3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−2−カルボン酸(0.6g、2.0mmol)を添加し、続いて追加のDIPEA(1.26mL、7.25mmol)および固体ビス−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(0.58g、2.26mmol)を5分かけて少しずつ加える。得られた濁った褐色の反応混合物を室温で12時間撹拌する。反応混合物を5%クエン酸水溶液(150mL)とDCM(25mL)との間で分配し、有機層を分離し、そして水性層をDCM(各50mL)でさらに2回抽出する。合わせた有機抽出物を10%NaHCO
3水溶液(50mL)、飽和NaCl水溶液(50mL)で順次洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮する。得られた褐色油状固体を、ヘキサン/(DCM中10%MTBE)の15〜40%の勾配で溶離するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製する。所望の生成物を含む収集した画分を合わせ、そして減圧下で濃縮し、そして得られた残渣をMTBE(15mL)と共に粉砕する。得られた固体をろ過により回収し、そして真空下で乾燥して、表題化合物(2.75g、収率66%)を得る。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6) δ 1.44(s,9H)、1.69−1.77(m,4H)、2.53−2.65(m,4H)、2.91(br s,4H)、3.84(s,3H)、7.30−7.34(m,4H)、7.86(d,J=8.3Hz,2H)、9.80(br s,1H)、9.94(s,1H)。LC−ES/MS(m/z)569[M−1]。
【0064】
調製物7
4−[2−[4−[(2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル)アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル塩酸塩
【化19】
30mLシンチレーションバイアルに、4−[2−[4−[[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル(351mg、0.61mmol)およびDCM(6mL)を充填する。得られた淡黄色の溶液を穏やかなN
2流に通過させることにより脱気する。ジオキサン中の4NのHCl溶液(155mL、6.1mmol)を5分かけて滴下し、得られた溶液を室温で12時間撹拌する。反応混合物を真空中で濃縮し、そして得られた淡黄色残渣を最少量のDCMで粉砕する。得られた固体をろ過により集め、そして真空下で乾燥して、標題化合物をオフホワイトの粉末として得る(337mg、収率99%)。
1H NMR(399.8MHz,DMSO−d
6) δ 1.73−1.75(m,4H)、2.40−2.44(m,2H)、2.56−2.59(m,2H)、2.85(s,4H)、3.80(s,3H)、7.26−7.28(m,4H),7.81−7.83(m,2H)、9.21(s,1H)。LC−ES/MS(m/z)571[M+1]。
【0065】
調製物8
4−[2−[4−[[2−[[3−(クロロメチル)ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル
【化20】
250mL丸底フラスコ内のDCM(80mL)中の4−[2−[4−[(2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル)アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル塩酸塩(2.43g、4.55mmol)の懸濁液を、氷/水浴で0℃に冷却する。ピリジン(0.92mL、11mmol)を5分間かけて撹拌しながら滴下する。得られた淡黄色溶液を0℃でさらに5分間撹拌し、DCM(20mL)中の3−(クロロメチル)ベンゾイルクロリド(0.71mL、5.0mmol)の溶液を5分かけて滴下する。反応混合物を0℃でさらに30分間撹拌する。反応混合物を150mLの10%クエン酸水溶液で希釈し、室温で1時間撹拌する。有機層を分離し、水層をDCM(各50mL)でさらに2回抽出する。合わせた有機抽出物を5%NaHCO
3水溶液(2×50mL)および飽和NaCl水溶液(50mL)で順次洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で蒸発させて乾燥する。得られた残渣をEtOH(30mL)で粉砕し、そして得られた固体をろ過により集め、EtOH(15mL)で洗浄し、そして真空下で乾燥させて表題化合物を黄褐色固体として得る(2.61g、収率92%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6) δ)、1.73−1.81(m,4H)、2.68(m,4H)、2.92(s,4H)、3.84(s,3H)、4.83(s,2H)、7.32(d,J=8.3Hz,2H) 7.38−7.344(m,2H)、7.56(t,J=7.7Hz,1H)、7.69(d,J=7.8Hz,1H)、7.82(d,J=7.9Hz,1H)、7.87(d,J=8.2Hz,2H)、7.96(br s,1H)、10.10(s,1H)、11.34(s,1H)。LC−ES/MS(m/z−)621[M−1]。
【0066】
調製物9
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル
【化21】
2mLのマイクロ波バイアルに、ACN(1.5mL)とMeOH(50μL)の混合物中の4−[2−[4−[[2−[[3−(クロロメチル)ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル(50mg、0.08mmol)、N−(4−ヒドロキシブチル)−3,3−ジメチル−ピペラジン−1−カルボキサミド塩酸塩(42.7mg、0.16mmol)、およびDIPEA(0.056mL、0.32mmol)を充填する。得られた黄色懸濁液をBIOTAGE(登録商標)イニシエーターマイクロ波シンセサイザー内で110℃で4時間加熱する。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を5%NaHCO
3水溶液(75mL)とDCM(25mL)との間で分配する。有機層を分離し、水層をDCM(各25mL)でさらに2回抽出し、合わせた有機抽出物を飽和NaCl水溶液(25mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で蒸発させて乾燥する。得られた残渣を、H
2O/ACN中の5%HCOOHの混合物の0%〜100%の勾配で溶離するC−18シリカ上の逆相クロマトグラフィーにより精製して、溶媒蒸発後に表題化合物を淡黄色泡状固体として得る(30.2mg、収率46%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6) δ 1.05(s,6H)、1.37−1.44(m,4H)、1.80−1.85(m,4H)、2.25−2.27(m,2H)、2.65−2.677(m,4H)、2.91(br s,4H)、2.96−3.05(m,2H)、3.12(s,2H)、3.17−3.26(m,2H)、3.35−3.41(m,2H)、3.51(s,2H)、3.84(s,3H)、4.36(t,J=5.1Hz,1H)、6.35−6.39(m,1H)、7.32(d,J=8.3Hz,2H)、7.51−7.56(m,4H)、7.70−7.80(m,1H)、7.87(m,3H)、10.01(br s,1H)、11.45(br s,1H)。LC−ES/MS(m/z)816[M+1]。
【0067】
調製物10
4−[[3−[[3−[[3,5−ジフルオロ−4−[2−(4−メトキシカルボニルフェニル)エチル]フェニル]カルバモイル]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−2−イル]カルバモイル]フェニル]メチル]−3,3−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化22】
20mLのマイクロ波反応容器に、15mLのACN中の4−[2−[4−[[2−[[3−(クロロメチル)ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル(1.85g、2.97mmol)、3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.91g、4.16mmol)、およびDIPEA(2.07mL、11.9mmol)を充填する。得られた黄色懸濁液をBIOTAGE(登録商標)イニシエーターマイクロ波シンセサイザー内で110℃で4時間加熱する。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を5%NaHCO
3水溶液(150mL)とDCM(50mL)との間で分配する。有機層を分離し、水層をDCM(2×25mL)で抽出する。合わせた有機層を飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮乾固する。得られた残渣を、ヘキサン中の9:1のDCM/アセトンの混合物の0%〜100%の勾配で溶離するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製して、溶媒蒸発後に表題化合物を黄色固体として得る(1.63g、収率69%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6) δ 1.04(s,6H)、1.38(s,9H)、1.81−1.74(m,4H)、2.28(t,J=5.0Hz,2H)、2.70(br s,4H)、2.91(s,4H)、3.13(s,2H)、3.26(s,2H)、3.52(s,2H)、3.84(s,3H)、7.31(d,J=8.3Hz,2H)、7.44−7.39(m,2H)、7.55−7.46(m,2H)、7.75(d,J=7.6Hz,1H)、7.87(m,3H)、9.99(s,1H)、11.49(s,1H)。LC−ES/MS(m/z)801[M+1]。
【0068】
調製物11
4−[2−[4−[[2−[[3−[(2,2−ジメチルピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチルジヒドロクロリド
【化23】
DCM(14.1mL)中の4−[[3−[[3−[[3,5−ジフルオロ−4−[2−(4−メトキシカルボニルフェニル)エチル]フェニル]カルバモイル]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−2−イル]カルバモイル]フェニル]メチル]−3,3−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.13g、1.41mmol)の溶液を室温で撹拌し、ジオキサン中4NのHCl(3.5mL、14.1mmol)をシリンジを介して添加する。添加完了後、反応物を室温で一晩撹拌し、減圧下で濃縮乾固する。固体をDCM/Et
2Oで粉砕し、得られた沈殿物を真空ろ過により集め、そしてろ過ケークを真空オーブン中50℃で乾燥させて表題化合物を白色固体として得る(0.93g、1.20mmol、収率85%)。LC−ES/MS(m/z)701[M+1]。
【0069】
調製物12
4−[2−[4−[[2−[[3−[[4−[ビス(2−メトキシエチル)スルファモイル]−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル
【化24】
4mLのTHF中の4−[2−[4−[[2−[[3−[(2,2−ジメチルピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチルジヒドロクロリド(190.8mg、0.24mmol)およびTEA(0.165mL、1.18mmol)の溶液に、4mLのTHF中のビス(2−メトキシエチル)スルファモイルクロリド(87mg、0.36mmol)を滴下する。得られた混合物を50℃で18時間加熱する。室温に冷却した後、反応混合物を5%NaHCO
3水溶液(75mL)とDCM(25mL)の混合物で希釈する。層を分離し、水層を追加のDCM(2×25mL)で洗浄する。有機抽出物を合わせ、飽和NaCl水溶液(25mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮する。得られた残渣を、ヘキサン中のアセトンの混合物の10%〜30%の勾配で溶離するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製して、溶媒蒸発後に所望の生成物を淡黄色固体として得る(150.1mg、収率70.8%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6) δ 1.13(s,6H)、1.85−1.70(m,4H)、2.43−2.36(m,2H)、2.75−2.65(m,4H)、3.03−2.86(m,8H)、3.24(s,6H)、3.36−3.32(m,4H)、3.44(t,J=5.8Hz,4H)、3.54(s,2H)、3.84(s,3H)、7.32(d,J=8.3Hz,2H)、7.52−7.38(m,3H)、7.56(d,J=7.6Hz,1H)、7.74(d,J=7.6Hz,1H)、7.91−7.84(m,3H)、10.00(s,1H)、11.47(s,1H)。LC−ES/MS(m/z)896[M+1]。
【0070】
調製物13
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−メトキシ−4−オキソ−ブチル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル
【化25】
4mLのDCM中の4−[2−[4−[[2−[[3−[[2,2−ジメチルピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチルジヒドロクロリド(148.4mg、0.1688mmol)、DIPEA(60μL、0.34mmol)および4−オキソブタン酸メチルエステル(40mg、0.34mmol)の溶液に、AcOH(0.01mL)を添加し、続いてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.073g、0.34mmol)を添加する。得られた反応混合物を室温で12時間撹拌する。反応混合物を5%NaHCO
3水溶液(75mL)とDCM(25mL)の混合物で希釈する。層を分離し、水層を追加のDCM(2×25mL)で洗浄する。有機抽出物を合わせ、飽和NaCl水溶液(25mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮する。得られた残渣を、ヘキサン中の9:1のEtOH/DCM混合物の35%〜40%の勾配を使用するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製して、溶媒蒸発後に所望の生成物を淡黄色固体として得る(132.1mg、収率91.8%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6) δ 1.09(s,6H)、1.70−1.58(m,2H)、1.87−1.70(m,4H)、2.20−2.09(m,2H)、2.36−2.27(m,4H)、2.63−2.54(m,2H)、2.75−2.64(m,4H)、2.92(s,4H)、3.30−3.28(m,2H)、3.65−3.53(m,5H)、3.84(s,3H)、7.32(d,J=8.3Hz,2H)、7.58−7.37(m,4H)、7.72−7.69(m,1H)、7.91−7.83(m,3H)、9.99(s,1H)、11.45(s,1H)。LC−ES/MS(m/z)801[M+1]。
【0071】
調製物14
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(3−メトキシプロピル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル
【化26】
4mLのDCM中の4−[2−[4−[[2−[[3−[(2,2−ジメチルピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチルジヒドロクロリド(0.108g、0.13mmol)、3−メトキシプロピオンアルデヒド(0.023g、0.25mmol)、およびDIPEA(0.043mL、0.25mmol)の溶液に、AcOH(0.01mL)を添加し、続いてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.053g、0.25mmol)を添加する。得られた反応混合物を室温で12時間撹拌する。反応混合物を5%NaHCO
3水溶液(75mL)およびDCM(25mL)で希釈する。層を分離し、水層を追加のDCM(2×25mL)で洗浄する。有機抽出物を合わせ、飽和NaCl水溶液(25mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮する。得られた残渣を、ヘキサン中のアセトンの25%〜80%の勾配を使用するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製して、溶媒蒸発後に所望の生成物を淡黄色固体として得る(26.2mg、収率27.6%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6) δ 11.44(m,1H)、9.98(m,1H)、7.92−7.82(m,3H)、7.76−7.70(m,1H)、7.57−7.38(m,4H)、7.36−7.27(m,2H)、3.84(s,4H)、3.27−3.16(m,4H)、2.97−2.87(m,4H)、2.76−2.64(m,4H)、2.37−2.28(m,2H)、2.25−2.15(m,2H)、1.90−1.71(m,4H)、1.67−1.54(m,2H)、1.09(s,6H)。LC−ES/MS(m/z)773[M+1]。
【0072】
調製物15
4−[2−[4−[[2−[[3−[[4−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル
【化27】
丸底フラスコに、4−[2−[4−[[2−[[3−[(2,2−ジメチルピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチルジヒドロクロリド(500mg、1.4mmol)、DMF(25mL)、および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.19mL、1.27mmol)を添加する。混合物を短時間撹拌し、HOBT(103mg、0.67mmol)、EDCI(250mg、1.6mmol)、およびN−(tert−ブトキシカルボニル)グリシン(132mg、0.75mmol)で処理する。混合物を、室温で18時間、撹拌する。混合物を水(25mL)で希釈し、得られたスラリーを室温で3時間撹拌する。得られた淡黄色固体をろ過により集め、水で洗浄し、そして風乾した。得られた粉末をDCMに溶解し、無水MgSO
4上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮する。得られた残渣を、DCM中の15%EtOAcで20分間、次いで、DCM中の25%EtOAcで溶離する、シリカ上のクロマトグラフィーにより精製して、溶媒蒸発後に表題化合物を得る(451mg、収率38%)。
1H NMR(400.13MHz,DMSO) δ 11.52−11.46(m,1H)、9.99(s,1H)、7.90−7.86(m,3H)、7.76−7.74(m,1H)、7.57−7.55(m,1H)、7.52−7.47(m,1H)、7.44−7.39(m,2H)、7.33(d,J=7.6Hz,2H)、6.76−6.71(m,1H)、3.84(s,3H)、3.81−3.76(m,2H)、3.57−3.54(m,2H)、3.43−3.38(m,2H)、3.32(s,12H,水)、3.28−3.22(m,2H)、2.91(s,4H)、2.70(s,4H)、2.51−2.50(m,16H,DMSO)、2.39−2.35(m,2H)、1.87−1.81(m,4H)、1.40−1.35(m,10H)、1.29−1.25(m,1H)、1.07(d,J=21.1Hz,6H)。LC−ES/MS(m/z)858[M+1]。
【0073】
調製物16
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−メトキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル
【化28】
30mLシンチレーションバイアル中で、DCM(3mL)中の4−[2−[4−[[2−[[3−[(2,2−ジメチルピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチルジヒドロクロリド(120mg、0.155mmol)およびTEA(63mg、0.62mmol)の溶液を、室温で撹拌し、DCM(1mL)中の1−イソシアナト−4−メトキシ−ブタン(30mg、0.23mmol)を溶液としてシリンジを介して添加する。得られた反応混合物を室温で4時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、EtOAc/ヘキサンの0〜100%の勾配で溶離するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製して、溶媒蒸発後に表題化合物を黄褐色泡状物として得る(102mg、収率79%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6) δ 1.03(s,6H)、1.35−1.45(m,4H)、1.68−1.82(m,4H)、2.21−2.25(m,2H)、2.63−2.70(m,4H)、2.89(s,4H)、2.95−3.02(m,2H)、3.095(s,2H)、3.18(s,3H);3.15−3.22(m,2H)、3.25−3.30(m,2H)、3.48(s,2H)、3.815(s,3H)、6.334(t,J=5.5Hz,1H)、7.30(d,J=7.9Hz,2H)、7.35−7.42(m,2H)、7.42−7.50(m,1H)、)、7.50−7.55(m,1H)、7.71(d,J=7.6Hz,1H)、7.83−7.89(m,3H)、9.981(s,1H)、11.44(s,1H)。LC−ES/MS(m/z)830[M+1]。
【0074】
調製物17
4−[2−[4−[[2−[[3−[(4−tert−ブトキシカルボニル−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸
【化29】
60mLのシンチレーションバイアルに、4−[[3−[[3−[[3,5−ジフルオロ−4−[2−(4−メトキシカルボニルフェニル)エチル]フェニル]カルバモイル]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−2−イル]カルバモイル]フェニル]メチル]−3,3−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(3.92g、4.8mmol)、水酸化リチウム(570mg、24mmol)、THF(20mL)、MeOH(10mL)、およびH
2O(10mL)を充填し、得られた懸濁液を室温で12時間撹拌する。反応混合物をH
2O(40mL)で希釈し、真空中で約1/2の容積に濃縮する。得られた混合物のpHを10%クエン酸水溶液で約5〜6に調整し、得られた無色の懸濁液を150mLの水と50mLの4:1クロロホルム/イソプロパノールとの間で分配する。有機層を分離し、水層のpHを10%クエン酸水溶液で再びpH約5に調整し、混合物を追加の4:1クロロホルム/イソプロパノール(2×50mL)で2回抽出する。有機層を合わせ、飽和NaCl水溶液で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮して表題化合物をオフホワイトの固体として得(3.7g、収率>99%)、それはさらなる精製をせずに次のステップで使用され得る。LC−ES/MS(m/z)787[M+1]。
【0075】
調製物18
4−[[3−[[3−[[4−[2−(4−カルバアモイルフェニル)エチル]−3,5−ジフルオロ−フェニル]カルバモイル]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−2−イル]カルバモイル]フェニル]メチル]−3,3−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化30】
500mLの丸底フラスコに、DCM(75mL)中の4−[2−[4−[[2−[[3−[(4−tert−ブトキシカルボニル−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸の溶液(3.50g、4.45mmol)およびDIPEA(3.1mL、17.8mmol)を充填する。この溶液に、固体ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(1.4g、5.3mmol)を10分かけて少しずつ添加し、得られた懸濁液を室温で10分間撹拌する。1,4−ジオキサン中0.5MのNH
3溶液(40mL、22.25mmol)を一度に添加し、得られた懸濁液を室温で2時間撹拌する。追加のビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(0.7g、2.7mmol)を5分かけて少しずつ添加し、得られた懸濁液を室温で12時間撹拌しつつ放置する。再び、追加のビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(0.7g、2.7mmol)を少量ずつ5分かけて再び加え、得られた懸濁液を室温で12時間撹拌したままにする。得られた反応混合物を300mLの5%NaHCO
3水溶液と50mLのDCMとの間で分配する。層を分離し、水層を追加のDCM(2×100mL)で2回抽出する。合わせた有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして真空下で濃縮乾固する。得られた黄色泡状残渣をアセトン/DCMの10〜12%の勾配で溶離し、次いで移動相を35%MeOH/DCMに切り替えるシリカ上のクロマトグラフィーにより精製する。所望の生成物を含む収集した画分を合わせ、そして減圧下で濃縮し、そして残渣をDCMと共に粉砕する。得られた固体をろ過により回収し、そして真空下で乾燥して、表題化合物を得る。粉砕ろ液を回収し、真空中で蒸発乾固する。得られた残渣を、DCM中のMeOHの5〜10%の勾配で溶離するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製し、所望の生成物を含む集めた画分を合わせて蒸発させ、最初の精製から得られた物質に添加し、表題化合物を淡黄色の固体として得る(2.43g、収率70%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6) δ 1.05(s,6H)、1.39(s,9H)、1.68−1.90(m,4H)、2.29(m,2H)、2.70(m,4H)、2.89(m,4H)、3.14(s,2H)、3.28(s,2H)、3.51(s,2H)、7.16−7.34(m,3H)、7.36−7.58(m,4H)、7.68−7.73(m,3H)、7.90(m,2H)、10.00(s,1H)、11.49(s,1H)。LC−ES/MS(m/z)786[M+1]。
【0076】
調製物19
N−[4−[2−(4−カルバモイルフェニル)エチル]−3,5−ジフルオロ−フェニル]−2−[[3−[(2,2−ジメチルピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボキサミドジヒドロクロリド
【化31】
250mLの丸底フラスコ中のDCM(80mL)とMeOH(8mL)の混合物中の4−[[3−[[3−[[4−[2−(4−カルバアモイルフェニル)エチル]−3,5−ジフルオロ−フェニル]カルバモイル]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−2−イル]カルバモイル]フェニル]メチル]−3,3−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(2.43g、3.1mmol)の溶液を窒素下で十分に脱気し、1,4−ジオキサン中の4NのHCl溶液(16mL、62mmol)を10分かけて滴下する。得られた溶液を室温で12時間撹拌する。揮発物を真空中で除去して、表題化合物を黄色の吸湿性固体として得て(2.45g、>99%)、これはさらに精製することなく次のステップで使用することができる。
【0077】
調製物20
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[(2,2,4−トリメチルピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル
【化32】
5mLのマイクロ波反応容器に、3mLのACN中の4−[2−[4−[[2−[[3−(クロロメチル)ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル(225mg、361mmol)、および1,3,3−トリメチルピペラジン−1−カルボン酸(65mg、0.488mmol)の溶液、およびDIPEA(0.25mL、1.4mmol)を充填する。得られた黄色懸濁液をBIOTAGE(登録商標)イニシエーターマイクロ波シンセサイザー内で110℃で3時間加熱する。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を5%NaHCO
3水溶液(75mL)とDCM(25mL)との間で分配する。有機層を分離し、水層をDCM(2×25mL)で抽出する。合わせた有機層を飽和NaCl水溶液(25mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮乾固する。得られた残渣を、MTBE中のdcm中の10%の7NのNH
3/MeOHの混合物の20%〜50%の勾配で溶離するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製して、溶媒蒸発後に表題化合物を淡黄色固体として得る(195mg、収率76%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6):δ 1.11(two s,6H).1.90−1.64(m,4H)、2.25−1.94(m,4H)、2.40−2.26(m,2H)、2.50(残留dmso共鳴下、3H)、2.79−2.60(br s,4H)、2.92(s,4H)、3.77−3.76(br,2H)、3.84(s,3H)、7.32(m,2H)、7.60−7.36(m,4H)、7.79−7.67(m,1H)、7.87(m,3H)、9.99(s,1H)、11.46(s,1H)。LC−ES/MS(m/z)715[M+1]。
【0078】
調製物21
4−[(3−メトキシ−3−オキソ−プロピル)カルバモイル]−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化33】
20mLシンチレーションバイアルに、DCM(12mL)中の2,2−ジメチルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(500mg、2.29mmol)の溶液を充填し、氷浴で冷却する。冷却しながら、DIPEA(1.20mL、6.86mmol)を添加し、続いてDCM(3mL)中の3−イソシアナトプロパン酸メチル(404mg、2.97mmol)の溶液を5分間かけて滴下する。得られた混合物を室温に温め、室温で15分間撹拌する。反応混合物を5%クエン酸水溶液(100mL)およびDCM(25mL)で希釈し、層を分離する。水層をDCM(2×25mL)で抽出する。有機抽出物を合わせ、飽和NaCl水溶液(25mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮する。得られた残渣を、ヘキサン中のアセトンの30%〜53%の勾配で溶離するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製して、溶媒蒸発後に表題化合物を無色の濃い油状物として得る(726mg、物質は約10%の残留DCMを含む、収率83%)。
1H NMR(399.8MHz,CDCl
3):δ 1.34(s,6H)、1.45(s,9H)、2.58−2.48(m,2H)、3.37(t,J=5.7Hz,2H)、3.54−3.43(m,4H)、3.75−3.62(m,5H)、5.08−4.99(m,1H)。LC−ES/MS(m/z)344[M+1]。
【0079】
調製物22
3−[(3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボニル)アミノ]プロパン酸メチル塩酸塩
【化34】
DCM(7mL)中の4−[(3−メトキシ−3−オキソ−プロピル)カルバモイル]−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(250mg、0.65mmol)の溶液を含む20mLのシンチレーションバイアルに、ジオキサン中の4Nの塩酸(1.63mL、6.54mmol)を撹拌しながら滴下する。得られた懸濁液を室温で1時間撹拌し、真空中で濃縮し、そして残渣を真空下で乾燥して表題化合物を白色の吸湿性固体として得て、それをそのままで次のステップに使用する。LC−ES/MS(m/z)244[M+1]。
【0080】
調製物23
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(3−メトキシ−3−オキソ−プロピル)カルバモイル−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル
【化35】
5mLのマイクロ波反応容器に、3mLのACNと0.5mLのMeOHの混合物中の4−[2−[4−[[2−[[3−(クロロメチル)ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル(180mg、0.29mmol)、3−[(3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボニル)アミノ]プロパン酸メチルヒドロクロリド(162mg、0.58mmol)の溶液、およびN,N−DIPEA(0.202mL、1.16mmol)を充填する。得られた黄色懸濁液をBIOTAGE(登録商標)イニシエーターマイクロ波シンセサイザー内で110℃で3時間加熱する。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を5%NaHCO
3水溶液(75mL)とDCM(25mL)との間で分配する。有機層を分離し、水層をDCM(2×25mL)で抽出する。合わせた有機層を飽和NaCl水溶液(25mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮乾固する。得られた残渣を、0.1%ギ酸/H
2O中の0.1%ギ酸/ACNの混合物の15〜80%の勾配で15分間溶離するC−18シリカ上のクロマトグラフィーにより精製して、溶媒蒸発後に表題化合物を淡橙色固体として得る(81mg、収率34%)。LC−ES/MS(m/z)830[M+1]。
【0081】
調製物24
3−[[3−[[3−[[3,5−ジフルオロ−4−[2−(4−メトキシカルボニルフェニル)エチル]フェニル]カルバモイル]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−2−イル]カルバモイル]フェニル]メチル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチル
【化36】
20mLのマイクロ波反応容器に、ACN(12mL)中の4−[2−[4−[[2−[[3−(クロロメチル)ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル(1.80g、2.89mmol)、および3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチル(760mg、3.47mmol)の溶液、およびDIPEA(1.01mL、5.78mmol)を充填する。得られた黄色懸濁液をBIOTAGE(登録商標)イニシエーターマイクロ波シンセサイザー内で110℃で1時間加熱する。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を5%NaHCO
3水溶液(150mL)とDCM(50mL)との間で分配する。有機層を分離し、水層をDCM(2×50mL)で抽出する。合わせた有機層を飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮乾固する。得られた残渣を、ヘキサン中のEtOAcの15%〜45%の勾配で溶離するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製して、溶媒蒸発後に表題化合物を淡黄色固体として得る(2.23g、収率97%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6):δ 1.38(s,9H)、1.95−1.60(m,8H)、2.16(d,J=10.0Hz,2H)、2.57(d,J=10.0Hz,1H)、2.70(br s,4H)、2.92(s,4H)、3.51(s,2H)、3.84(s,3H)、4.08−3.96(m,2H)、7.35−7.26(m,2H)、7.45−7.35(m,2H)、7.58−7.45(m,2H)、7.79−7.72(m,1H)、7.92−7.79(m,3H)、10.00(s,1H)、11.41(s,1H)。LC−ES/MS(m/z)799[M+1]。
【0082】
調製物25
4−[2−[4−[[2−[[3−(3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルメチル)ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル二塩酸塩
【化37】
N
2下で、DCM(45mL)中の3−[[3−[[3−[[3,5−ジフルオロ−4−[2−(4−メトキシカルボニルフェニル)エチル]フェニル]カルバモイル]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−2−イル]カルバモイル]フェニル]メチル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチル(2.23g、2.79mmol)の溶液を含む250mLのRBFに、ジオキサン中の4Nの塩酸(7.0mL、28mmol)を撹拌しながら滴下する。得られた懸濁液を室温で12時間撹拌し、真空中で濃縮し、そして残渣を真空下で乾燥して表題化合物を淡黄色固体として得て、それをそれ以上精製することなく次のステップで使用する。LC−ES/MS(m/z)699[M+1]。
【0083】
調製物26
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−(メチルカルバモイル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−ベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル
【化38】
20mLシンチレーションバイアルに、4−[2−[4−[[2−[[3−(3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルメチル)ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチルジヒドロクロリド(1.04g、1.27mmol)、DCM(8mL)、およびTEA(0.89mL、6.4mmol)を充填する。得られた懸濁液を、全ての固形物が溶解するまで室温で撹拌する。2mLのDCM中の塩化メチルアミノホルミル(144mg、1.46mmol)の溶液を撹拌しながら滴下し、撹拌をさらに15分間継続する。反応混合物を5%NaHCO
3水溶液(150mL)およびDCM(50mL)で希釈し、層を分離する。水層をDCM(2×50mL)で抽出する。有機抽出物を合わせ、飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮する。得られた残渣を、5分間かけてACN中の10mMの重炭酸アンモニウム中の5%MeOHの混合物の10〜20%の勾配で溶離し、15分かけてACN中の10mMの重炭酸アンモニウム中の5%MeOHの混合物の20〜80%の勾配で溶離する、C−18シリカ上のクロマトグラフィーにより精製し、溶媒蒸発後にオフホワイトの固体として表題化合物を得る(53mg、収率68%)。混合物の少量成分としての標題化合物を黄緑色の固体として単離した(177mg、収率17%)。物質は、追加の精製をせずに次のステップで使用される。LC−ES/MS(m/z)752[M+1]。
【0084】
調製物27
4−[2−[4−[[2−[[3−[(2,2−ジメチルピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル
【化39】
DCM(5mL)中の4−[[3−[[3−[[3,5−ジフルオロ−4−[2−(4−メトキシカルボニルフェニル)エチル]フェニル]カルバモイル]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−2−イル]カルバモイル]フェニル]メチル]−3,3−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(480mg、0.599mmol)の溶液を室温で撹拌し、ジオキサン中4NのHCl(4mL、16mmol)をシリンジを介して添加する。添加完了後、反応物を室温で2時間撹拌し、その間に沈殿物が形成した。得られた混合物を真空中で濃縮して淡黄色の固体とし、次いで周囲温度で16時間高真空下でさらに乾燥させて、464mgの中間体ヒドロクロリドを淡黄色の固体として得る。この固体を飽和重炭酸ナトリウムと酢酸エチルとの間で分配する。層を分離し、水性部分を追加量の酢酸エチルで洗浄する。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、デカントし、次いで真空中で濃縮し、そして真空下55℃で16時間乾燥させ、表題生成物を黄褐色の固体として得る(323mg、0.461mmol、収率77%)。LC−ES/MS(m/z)701[M+1]。
【0085】
調製物28
4−[2−[4−[[2−[[3−[(4−アセチル−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル
【化40】
ジクロロメタン(10mL)中の4−[2−[4−[[2−[[3−[(2,2−ジメチルピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル(226mg、0.322mmol)の溶液を室温で撹拌し、塩化アセチル(46μL、0.645mmol)で処理する。得られた混合物に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)をゆっくり添加する。混合物を室温で1時間急速に撹拌してから飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)およびジクロロメタン(15mL)で希釈する。層を分離し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥する。混合物をろ過し、ろ過ケークをジクロロメタンでろ過する。得られたろ液を真空乾燥する。粗生成物をアイソクラチック条件下で3:1の酢酸エチル/ヘキサンで溶離する順相フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、240nMの画分を集める。生成物含有画分をプールし、そして真空中で濃縮して、表題生成物を淡黄色固体として得る(169mg、227mmol、収率71%)。LC−ES/MS(m/z)741[M−1]。
【0086】
調製物29
4−(2,6−ジフルオロ−4−(2−(3−(((1R,5S)−8−ペンタノイル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)メチル)ベンズアミド)))−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−3−カルボキサミド)フェネチル)安息香酸メチル
【化41】
2.60mLのDCM中のメチル4−(4−(2−(3−(((1R,5S)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)メチル)ベンズアミド))−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−3−カルボキサミド)−2,6−ジフルオロフェネチル)安息香酸メチルジヒドロクロリド(200mg、0.24mmol)およびTEA(0.145mL、4.0当量、1.04mmol)の溶液に、0.5mLのDCMに溶解した塩化ペンタノイル(87mg、1.5当量、0.39mmol)を注射器を介して添加する。得られた混合物を室温で6時間撹拌する。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を水(15mL)とEtOAc(10mL)との間で分配する。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×10mL)で抽出する。合わせた有機層を飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、そして減圧下で濃縮乾固させて、所望の生成物を淡黄色固体として得る(214mg、収率100%)。LC−ES/MS(m/z)783[M+1]。
【0087】
調製物30
4−(4−(2−(3−(((1R,5S)−8−(ジメチルグリシル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)メチル)ベンズアミド)))−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−3−カルボキサミド)−2,6−ジフルオロフェネチル)安息香酸メチル
【化42】
DCM(2.6mL)中の4−[2−[4−[[2−[[3−(3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルメチル)ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル;ジヒドロクロリド(200mg、0.2592mmol)、2−(ジメチルアミノ)酢酸(40mg、0.39mmol)、トリエチルアミン(4当量、1.037mmol)、EDCI(74mg、1.5当量、0.39mmol)、および1−ヒドロキシ−7−アゾベンゾトリアゾール(53mg、1.5当量、0.39mmol)の溶液を室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を水(15mL)とEtOAc(10mL)との間で分配する。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×10mL)で抽出する。合わせた有機層を飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮乾固する。残渣をカラムクロマトグラフィー(0〜5%のMeOH/DCM)で精製して、所望の生成物を淡黄色固体として得る(135mg、収率66%)。LC−ES/MS(m/z)785[M+1]。
【0088】
調製物31
4−[[3−[[3−[[3,5−ジフルオロ−4−[2−(4−メトキシカルボニルフェニル)エチル]フェニル]カルバモイル]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−2−イル]カルバモイル]フェニル]メチル]−3,3−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸メチル
【化43】
3mLのDCM中の4−[2−[4−[[2−[[3−[(2,2−ジメチルピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチルジヒドロクロリド(200mg、0.26mmol)およびTEA(0.146mL、1.03mmol)の溶液に、1mLのDCM中のメチルクロロホルメート(36mg、0.39mmol)を滴下する。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈して希釈し、水で分配する。生成物をEtOAcで抽出した。全ての有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮した。得られた残渣を、ヘキサン中のEtOAcの混合物の0〜30%の勾配で溶離するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製して、溶媒蒸発後に所望の生成物を黄褐色泡状物として得る(157mg、収率80%)。LC−ES/MS(m/z)757[M−1]。
【0089】
調製物32
4−[2−[4−[[2−[[3−[[2,2−ジメチル−4−(メチルスルファモイル)ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル
【化44】
3mLのDCM中の4−[2−[4−[[2−[[3−[(2,2−ジメチルピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチルジヒドロクロリド(201mg、0.26mmol)およびTEA(0.146mL、1.03mmol)の溶液に、1mLのDCM中のN−メチルスルファモイルクロリド(50mg、0.39mmol)を滴下する。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈して希釈し、水で分配する。生成物をEtOAcで抽出した。全ての有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮した。得られた残渣を、ヘキサン中のEtOAcの混合物の0〜50%の勾配で溶離するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製して、溶媒蒸発後に所望の生成物を黄褐色泡状物として得る(55mg、収率27%)。LC−ES/MS(m/z)792[M−1]。
【0090】
調製物33
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−[1−(メトキシメチル)シクロプロパンカルボニル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル
【化45】
DCM(2.6mL)中の4−[2−[4−[[2−[[3−(3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルメチル)ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル;ジヒドロクロリド(150mg、0.194mmol)、1−(メトキシメチル)シクロプロパンカルボン酸(30mg、0.233mmol)、トリエチルアミン(4当量、0.972mmol)、EDCI(56mg、1.5当量、0.29mmol)、および1−ヒドロキシ−7−アゾベンゾトリアゾール(39mg、1.5当量、0.29mmol)の溶液を室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を水とEtOAcとの間で分配する。有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出する。合わせた有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮乾固する。残渣をカラムクロマトグラフィー(0〜100%のEtOAc/ヘキサン)で精製して、所望の生成物を白色泡状物として得る(128mg、収率81%)。LC−ES/MS(m/z)810[M−1]。
【0091】
調製物34
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)アセチル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル
【化46】
DMF(2.6mL)中の4−[2−[4−[[2−[[3−(3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルメチル)ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル;ジヒドロクロリド(200mg、0.26mmol)、2−(4−メチルピペラジン−1−イル)酢酸(62mg、0.39mmol)、ヒューニッヒ塩基(0.17g、1.30mmol)、およびHATU(127mg、0.32mmol)の溶液を室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を水とEtOAcとの間で分配する。有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出する。合わせた有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮乾固する。残渣をカラムクロマトグラフィー(0〜10%MeOH/DCM)で精製して、所望の生成物を白色の泡状物として得た(220mg、収率100%)。LC−ES/MS(m/z)840[M+1]。
【0092】
以下の調製物35〜41を調製物29と実質的に同様の方法で調製する。
【0093】
調製物35
【化47】
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−(テトラヒドロピラン−4−イルカルバモイル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル
4−イソシアントテトラヒドロピランを用いて調製、収率52%、MS(m/z)824[M−1]
【0094】
調製物36
【化48】
4−[2−[4−[[2−[[3−[(8−アセチル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル
塩化アセチルを用いて製造、収率83%、MS(m/z)741[M+1]
【0095】
調製物37
【化49】
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−(2−メトキシエチルスルホニル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル
塩化2−メトキシエタンスルホニルを用いて調製、収率64%、MS(m/z)820[M−1]
【0096】
調製物38
【化50】
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−(2−メトキシエチルカルバモイル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル
1−イソシアナト−2−メトキシ−エタンを用いて調製、収率95%、MS(m/z)800[M+1]
【0097】
調製物39
【化51】
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−(4−メトキシブチルカルバモイル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル
1−イソシアナト−4−メトキシ−ブタンを用いて調製、収率90%、MS(m/z)827[M−1]
【0098】
調製物40
【化52】
4−[2−[4−[[2−[[3−[[8−[ビス(2−メトキシエチル)カルバモイル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル
N,N−ビス(2−メトキシエチル)カルバモイルクロリドを用いて調製、収率54%、MS(m/z)857[M−1]
【0099】
調製物41
【化53】
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−(2−メチルプロパノイル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル
塩化2−メチルプロパノイルを用いて調製、収率100%、MS(m/z)767[M−1]
【0100】
調製物42
4−[[3−[[3−[[3,5−ジフルオロ−4−[2−(4−メトキシカルボニルフェニル)エチル]フェニル]カルバモイル]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−2−イル]カルバモイル]フェニル]メチル]−3,3−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化54】
20mLのマイクロ波反応容器に、15mLのACN中の4−[2−[4−[[2−[[3−(クロロメチル)ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル(1.85g、2.97mmol)、3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.91g、4.16mmol)、およびDIPEA(2.07mL、11.9mmol)を充填する。得られた黄色懸濁液をBIOTAGE(登録商標)イニシエーターマイクロ波シンセサイザー内で110℃で4時間加熱する。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を5%NaHCO
3水溶液(150mL)とDCM(50mL)との間で分配する。有機層を分離し、水層をDCM(2×25mL)で抽出する。合わせた有機層を飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮乾固する。得られた残渣を、ヘキサン中の9:1のDCM/アセトンの混合物の0%〜100%の勾配で溶離するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製して、溶媒蒸発後に表題化合物を黄色固体として得る(1.63g、収率69%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6) δ 1.04(s,6H)、1.38(s,9H)、1.81−1.74(m,4H)、2.28(t,J=5.0Hz,2H)、2.70(br s,4H)、2.91(s,4H)、3.13(s,2H)、3.26(s,2H)、3.52(s,2H)、3.84(s,3H)、7.31(d,J=8.3Hz,2H)、7.44−7.39(m,2H)、7.55−7.46(m,2H)、7.75(d,J=7.6Hz,1H)、7.87(m,3H)、9.99(s,1H)、11.49(s,1H)。LC−ES/MS(m/z)801[M+1]。
【0101】
調製物43
4−[2−[4−[[2−[[3−[(2,2−ジメチルピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル二塩酸塩
【化55】
DCM(14.1mL)中の4−[[3−[[3−[[3,5−ジフルオロ−4−[2−(4−メトキシカルボニルフェニル)エチル]フェニル]カルバモイル]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−2−イル]カルバモイル]フェニル]メチル]−3,3−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.13g、1.41mmol)の溶液を室温で撹拌し、ジオキサン中4NのHCl(3.5mL、14.1mmol)をシリンジを介して添加する。添加完了後、反応物を室温で一晩撹拌し、減圧下で濃縮乾固する。固体をDCM/Et
2Oで粉砕し、得られた沈殿物を真空ろ過により集め、そしてろ過ケークを真空オーブン中50℃で乾燥させて表題化合物を白色固体として得る(0.93g、1.20mmol、収率85%)。LC−ES/MS(m/z)701[M+1]。
【0102】
調製物44
4−[2−[4−[[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル
【化56】
丸底フラスコに、2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ベンゾチオフェン−3−カルボン酸(2.60g、8.87mmol)、4−[2−(4−アミノ−2,6−ジフルオロ−フェニル)エチル]安息香酸メチル(2.35g、8.07mmol)、および30mLのCH
2Cl
2を充填する。得られた懸濁液を氷/水浴中で冷却し、DIPEA(5.63mL、32.3mmol)を滴下して、黄褐色の濁った溶液を得る。固体ビス−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(2.57g、10.1mmol)を0℃で30分かけて少しずつ加える。次いで反応混合物を室温に温め、48時間撹拌する。追加の固体3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ベンゾチオフェン−3−カルボン酸(1.3g、4.43mmol)を添加し、続いて追加のDIPEA(2.8mL)および固体ビス−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(1.3g、5.1mmol)を5分かけて少しずつ加える。得られた濁った褐色の反応混合物を室温で12時間撹拌する。反応混合物を40mLの塩化メチレンで希釈し、次いで5%クエン酸水溶液(150mL)、ブライン(2×25mL)で洗浄する。有機層を分離し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮する。得られた褐色泡状固体をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して表題化合物(2.2g、収率48%)を得る。LC−ES/MS(m/z)565[M−1]。
【0103】
調製物45
4−[2−[4−[(2−アミノベンゾチオフェン−3−カルボニル)アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル塩酸塩
【化57】
丸底フラスコに、30mLのCH
2Cl
2中の4−[2−[4−[[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル(2.2g、3.9mmol)を充填する。ジオキサン中4NのHCl(9.7mL、39mmol)を滴下した。得られた混合物を室温で12時間静置する。淡黄色の懸濁液を真空下で濃縮乾固して2.0g(100%)の表題化合物を得た。LC−ES/MS(m/z)467[M+1]。
【0104】
調製物46
4−[2−[4−[[2−[[3−(クロロメチル)ベンゾイル]アミノ]ベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル
【化58】
丸底フラスコに、24mLのCH
2Cl
2中の4−[2−[4−[(2−アミノベンゾチオフェン−3−カルボニル)アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル;ヒドロクロリド(2g、3.976mmol)を充填する。得られた懸濁液を氷浴中で0℃に冷却する。ピリジン(0.804mL、9.940mmol)を滴下した。得られた黄色懸濁液に、6mLのCH
2Cl
2中の3−(クロロメチル)−ベンゾイルクロリド(0.622mL、4.374mmol)の溶液を5分間かけて滴下して添加し、暗黄色溶液を得た。それを室温まで1時間温める。反応混合物を75mLの10%NaHCO
3水溶液で希釈する。水層をCH
2Cl
2(2×25mL)で洗浄する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗生成物を20mLのEtOHを用いて粉砕する。得られたスラリーを室温で30分間撹拌し、次いでろ過して2.2g(89%)の表題化合物を淡黄色の固体として得る。LC−ES/MS(m/z)617[M−1]。
【0105】
調製物47
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]ベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル
【化59】
マイクロ波フラスコに、12mLのCH
3CN中の4−[2−[4−[[2−[[3−(クロロメチル)ベンゾイル]−アミノ]ベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル(0.98g、1.6mmol)、N−(4−ヒドロキシブチル)−3,3−ジメチル−ピペラジン−1−カルボキサミド;ヒドロクロリド(0.59g、2.2mmol)、およびDIPEAの溶液(1.1mL、6.3mmol)を充填する。反応混合物をマイクロ波で4時間110℃で加熱する。得られた黄色溶液を室温に冷却し、真空下で濃縮乾固する。残渣を25mLのCH
2Cl
2と75mLの5%NaHCO
3水溶液の間で分配する。有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。1.3g(100%)の表題化合物が黄色泡状固体として得られる。LC−ES/MS(m/z)812[M+1]。
【0106】
実施例1
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸
【化60】
30mLシンチレーションバイアルに、4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル(196mg、0.24mmol)、水酸化リチウム一水素化物(17.2mg、0.72mmol)、THF(4mL)、MeOH(2mL)、およびH
2O(2mL)を充填する。得られた懸濁液を室温で12時間撹拌する。反応混合物を4mLのH
2Oで希釈し、減圧下で約1/2の容積に濃縮する。1NのHCl水溶液を滴下して濃いオフホワイトの懸濁液を得、これを真空中で蒸発乾固させる。得られた残渣を、H
2O/ACN中の5%NH
4HCO
3の混合物の0%〜100%の勾配で溶離するC−18シリカ上の逆相クロマトグラフィーにより精製して、溶媒蒸発後に表題化合物を淡黄色固体として得る(82.5mg、収率41%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6) δ 1.05(s,6H) 1.37−1.42(m,4H)、1.74−1.85(m,4H)、2.25−2.30(m,2H)、2.64−2.76(m,4H)、2.91(s,4H)、2.96−3.02(m,2H)、3.12−3.15(m,2H)、3.17−3.25(m,2H)、3.35−3.40(m,2H)、3.51(s,2H)、4.36(t,J=5.1Hz,1H)、6.36(t,J=5.4Hz,1H)、7.30(d,J=8.3Hz,2H)、7.45−7.55(m,4H)、7.74−7.79(m,1H)、7.84−7.87(m,4H)、10.01(s,1H)、11.45(s,1H)、12.82(br s,1H)。LC−ES/MS(m/z)802[M+1]。
【0107】
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、二ナトリウムの噴霧乾燥固体分散体は、30%の4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、二ナトリウム、および70%のPVP−VA(ポリビニルピロリドン−ビニルアセテート)を含む非晶質生成物として調製される。全ての物質はイオン交換クロマトグラフィーにより試験され、そして意図された化学量論と一致することが示される。蒸発光散乱検出(ELSD)を用いた陽イオン交換クロマトグラフィーを用いて、活性医薬成分(API)である4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、およびこの活性医薬成分の固体分散体製剤中のナトリウムのレベルを定量する。陽イオン交換クロマトグラフィー(HPLC)は以下の条件下で実施される:ELSD:60℃、ポンプ:2.0mL/分、窒素:1.4L/分、カラム温度:30℃、カラム:PHENOMENEX(登録商標)LUNA(登録商標)5μ SCX 100A(15cm×4.6mm、5μm)、注入量:50μL、移動相A:0.1Mギ酸アンモニウム緩衝液、pH4.5、移動相B:100%ACN、実行時間:4分。
【0108】
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、二ナトリウムのスケールアップは、126mgの4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、遊離塩基を、1000rpmで撹拌しながら60℃で5mLのアセトン中に入れて実施され、白色固体のスラリーを得る。18μLの水酸化ナトリウム(2.17当量)を添加する。試料は黄色に変わり、偏光顕微鏡法は半アモルファス固体を示す。黄色の固体を真空ろ過により単離して、鮮黄色の物質のケークを得る。102mgが回収される。粉末X線回折(XRD)は結晶性の低い固体を示す。
【0109】
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、二ナトリウムの固体分散体は、30%の4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、二ナトリウム/70%PVP−VAとして製剤化される。4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸の30%の薬物充填を含む噴霧乾燥固体分散体のスケールアップは、1040.5mgの4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、遊離塩基および2426.7mgのPVP−VAを50mLのメタノールに入れることによって実施される。物質を攪拌して白色スラリーを得る。0.519mLの5Nの水酸化ナトリウム(2.0モル当量)をスラリーに添加し、透明な黄色の溶液が形成されるまで浴で超音波処理する。この溶液を熱い窒素流と共に噴霧乾燥機にゆっくりとポンプで送り込み、その結果得られる固体粉末を集め、そしてさらに50℃の真空オーブン中で一晩真空乾燥して乾燥させる。
噴霧乾燥の条件は以下の通りである。
【表1】
【0110】
回収された噴霧乾燥物質は、直径が約2.5μmの微視的に非複屈折性の粒子であることが観察された。
【0111】
活性医薬成分および活性医薬成分の固体分散製剤中のナトリウムの観察されたレベルを以下に示す:
【表2】
【0112】
実施例2
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(3−ヒドロキシプロピル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸
【化61】
DCM(4mL)中のDCM(4mL)中の4−[2−[4−[[2−[[3−[(2,2−ジメチルピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチルジヒドロクロリド(214.6mg、0.28mmol)、DIPEA(0.097mL、0.55mmol)の溶液に3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−プロパノール(55mg、0.28mmol)およびAcOH(25μL)を添加する。得られた溶液を室温で30分間撹拌する。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.12g、0.55mmol)を一度に添加する。混合物を室温で12時間撹拌し、10%NaHCO
3水溶液(75mL)およびDCM(25mL)で希釈し、層を分離する。水層をDCM(2×25mL)で抽出する。有機抽出物を合わせ、飽和NaCl水溶液(25mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮する。得られた残渣をDCM(3mL)に溶解し、1,4−ジオキサン中の4MのHClを添加する。得られた溶液を室温で24時間撹拌する。有機溶媒を減圧下で除去して黄色固体を得る。物質をMeOH(2mL)に溶解し、LiOH(0.36g、1.4mmol)を添加する。得られた混合物を室温で16時間撹拌し、H
2O(4mL)で希釈し、減圧下で体積の約50%に濃縮する。1NのHCl水溶液を添加し(5mL)、混合物を減圧下で濃縮する。得られた残渣を、0.1%ギ酸/H
2O中0.1%ギ酸/CH
3CNの混合物の15〜20%の勾配で5分間溶離し、次いで0.1%ギ酸/H
2O中の0.1%ギ酸/CH
3CNの混合物の20〜50%の勾配で20分かけて溶離するC−18シリカ上のクロマトグラフィーにより精製し、溶媒蒸発後に一ギ酸塩として表題化合物を、黄色の固体として得る(73mg、収率33%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6):δ 1.10(s,6H)、1.55(五重線,J=6.7Hz,2H)、1.85−1.69(m,4H)、2.41−2.09(m,8H)、2.81−2.61(m,4H)、2.91(s,4H)、3.65−3.36(m,4H)、7.29(d,J=8.2Hz,2H)、7.57−7.36(m,4H)、7.75−7.72(m,1H)、7.94−7.80(m,3H)、8.15(s,1H)、11.1−9.1(br,3H)。LC−ES/MS(m/z)745[M+1]。
【0113】
実施例3
4−[2−[4−[[2−[[3−[[4−[ビス(2−メトキシエチル)スルファモイル]−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル
【化62】
THF:MeOH:H
2Oの2:1:1混合物(6mL)中の4−[2−[4−[[2−[[3−[[4−[ビス(2−メトキシエチル)スルファモイル]−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル(148.4mg、0.17mmol)およびLiOH(0.016g、0.66mmol)を室温で12時間撹拌する。反応混合物をH
2O(2mL)で希釈し、減圧下で約1/3の容積に濃縮し、そして1NのHCl(4mL)を添加する。その後、混合物を減圧下で濃縮乾固し、得られた残渣を、0.1%ギ酸/H
2O中0.1%ギ酸/CH
3CNの混合物の15〜20%の勾配で5分間溶離し、次いで0.1%ギ酸/H
2O中の0.1%ギ酸/CH
3CNの混合物の20〜50%の勾配で20分かけて溶離するC−18シリカ上のクロマトグラフィーにより精製し、溶媒蒸発後に表題化合物を黄色の固体として得る(99.0mg、収率67.8%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6) δ 1.13(s,6H)、1.87−1.70(m,4H)、2.44−2.36(m,2H)、2.76−2.64(m,4H)、3.02−2.91(m,8H)、3.24(s,6H)、3.36−3.31(m,4H)、3.44(t,J=5.8Hz,4H)、3.54−3.49(br s,2H)、7.30(d,J=8.3Hz,2H)、7.59−7.39(m,4H)、7.75(d,J=7.6Hz,1H)、7.90−7.81(m,3H)、10.01(s,1H)、11.47(s,1H)、12.83(s,1H)。LC−ES/MS(m/z)883[M+1]。
【0114】
実施例4
4−[2−[4−[[2−[[3−[[4−(3−カルボキシプロピル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸
【化63】
THF:MeOH:H
2Oの2:1:1混合物(4mL)中の4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−メトキシ−4−オキソ−ブチル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ−チオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル(120.8mg、0.14mmol)およびLiOH(0.017g、0.71mmol)の混合物を、室温で12時間撹拌する。得られた溶液をH
2O(2mL)で希釈し、次いで減圧下で約1/3の容積に濃縮する。1NのHCl水溶液(4mL)を添加し、そして溶媒を減圧下で除去する。得られた残渣を、0.1%ギ酸/H
2O中0.1%ギ酸/CH
3CNの混合物の15〜20%の勾配で5分間溶離し、次いで0.1%ギ酸/H
2O中の0.1%ギ酸/CH
3CNの混合物の20〜50%の勾配で20分かけて溶離するC18シリカ上のクロマトグラフィーにより精製し、溶媒蒸発後に表題化合物を黄色の固体として得る(72.5mg、収率62.3%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6) δ 1.11(s,6H)、1.68−1.55(m,2H)、1.88−1.69(m,4H)、2.40−2.03(m,10H)、2.79−2.61(m,4H)、2.91(s,4H)、3.70−3.40(m,2H)、7.29(d,J=8.3Hz,2H)、7.58−7.36(m,4H)、7.79−7.69(m,1H)、7.92−7.79(m,3H)、10.00(br s,1H)、11.45(br s,1H)、12.54(br,2H)。LC−ES/MS(m/z)773[M+1]。
【0115】
実施例5
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(3−メトキシプロピル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、ギ酸塩
【化64】
THF:MeOH:H
2Oの2:1:1混合物(4mL)中の4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(3−メトキシプロピル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル(22.7mg、0.029mmol)およびLiOH(7mg、0.3mmol)の混合物を、室温で16時間撹拌する。得られた混合物をH
2O(3mL)で希釈し、そして減圧下で約1/2の容積に濃縮する。1NのHCl水溶液(5mL)を添加し、そして溶媒を減圧下で除去する。得られた残渣を、10分間の15%〜70%の勾配で溶離するC−18シリカ上のクロマトグラフィーにより精製して、溶媒蒸発後に表題化合物を黄色固体として得る(16.2mg、収率68.3%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6) δ 1.11(s,6H)、1.68−1.55(m,2H)、1.88−1.69(m,4H)、2.43−2.07(m,6H)、2.79−2.62(m,4H)、2.91(s,4H)、3.20(s,3H)、3.62−3.23(m,6H)、7.29(d,J=8.3Hz,2H)、7.58−7.36(m,4H)、7.79−7.68(m,1H)、7.85(d,J=8.2Hz,3H)、8.14(s,1H)、10.00(br s,1H)、11.45(br s,1H)、13.14−12.45(br,1H)。LC−ES/MS(m/z)759[M+1]。
【0116】
実施例6
4−[2−[4−[[2−[[3−[[4−(2−アミノアセチル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸
【化65】
25mLのマイクロ波反応バイアルに4−[2−[4−[[2−[[3−[[4−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチル(0.451g、0.53mmol)、THF(12mL)、MeOH(8mL)、およびTHF中の1NのLiOH(2.5mL、2.5mmol)を充填する。混合物をマイクロ波により100℃で30分間加熱する。この混合物に1NのHCl水溶液(2.5mL)を添加し、得られた混合物を窒素流下で撹拌して揮発物を蒸発させる。得られた油状残渣をEtOAc(25mL)に溶解し、飽和NaCl水溶液(10mL)で希釈し、そして層を分離する。有機層をMgSO
4で乾燥し、ろ過し、そしてろ過ケークを溶媒で洗浄する。ろ液を減圧下で濃縮して、粗製の表題化合物(0.431g)を淡黄色の粉末として得る。丸底フラスコに、粗製の表題化合物(0.422g、0.56mmol)、DCM(25mL)、およびジオキサン中4NのHCl(1.25mL、5mmol)を添加する。混合物をTHF(10mL)で希釈し、窒素下室温で24時間、次いで50℃で4時間撹拌する。この時点で、さらなる部分のジオキサン中の4NのHCl(1.25mL、5mmol)を添加する。加熱を2時間継続し、混合物を室温に冷却する。得られたスラリーをヘキサン(50mL)で希釈し、ろ過して粗生成物(364mg)を集める。粗物質をMeOH/DMSOに溶解し、6分間かけて85mL/分でMeOH中の10mMの重炭酸アンモニウム水溶液/ACNの混合物の27〜50%の勾配で、205および237nmでモニターしながら溶離する、Waters XBRIDGE(登録商標)30×75mm 5μm C−18 OBDカラムでの逆相HPLCにより精製する。適切な画分を減圧下で濃縮乾固させ、40℃で18時間乾燥させて表題化合物を得る(0.16g、収率43%)。
1H NMR(400.13MHz,DMSO) δ 7.93(s,1H)、7.88−7.79(m,3H)、7.46(t,J=6.3Hz,1H)、7.42−7.36(m,3H)、7.31−7.28(m,2H)、4.00−3.97(m,30H,ブロード、可動プロトン)、2.89−2.86(m,4H)、2.86−2.78(m,3H)、2.58−2.54(m,2H)、2.51−2.50(m,18H,DMSO)、2.44−2.41(m,3H)、1.76−1.72(m,4H)、1.06(d,J=12.3Hz,6H)。LC−ES/MS(m/z)744[M+1]。
【0117】
実施例7
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−メトキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸
【化66】
LiOH(14mg、0.56mmol)を一度に添加するとき、THF:MeOH:水の3:2:1混合物(3mL)中の4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−メトキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル(93mg、0.11mmol)の溶液を室温で撹拌する。得られた反応混合物をRTで6時間撹拌し、真空中で濃縮する。得られた残渣を、10mMの重炭酸アンモニウム水溶液(pH約10)およびACN中の5%MeOHの混合物の23〜57%の勾配で7分かけて溶離する、PHENOMENEX(登録商標)GEMINI−NX(登録商標)C−18カラム上の逆相クロマトグラフィーにより精製して、溶媒蒸発後に表題化合物を淡黄色泡状固体として得る(83mg、収率91%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6) δ 1.03(s,6H)、1.38−1.43(m,4H)、1.72−1.76(m,4H)、2.22−2.28(m,2H)、2.60−2.67(m,2H)、2.67−2.75(m,2H)、2.88(s,4H)、2.95−3.02(m,2H)、3.095(s,2H)、3.18(s,3H);3.15−3.22(m,2H)、3.23−3.28(m,2H)、3.49(s,2H)、6.34(t,J=4.8Hz,1H)、7.27(d,J=7.9Hz,2H)、7.35−7.42(m,2H)、7.40−7.48(m,1H),)、7.47−7.52(m,1H)、7.72−7.77(m,1H)、7.81−7.88(m,3H)、10.01(br s,1H)、11.49(br s,1H)、12.75(br s,1H)。LC−ES/MS(m/z)816[M+1]。
【0118】
実施例8
4−[4−[[3−[[3−[[4−[2−(4−カルバアモイルフェニル)エチル]−3,5−ジフルオロ−フェニル]カルバモイル]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−2−イル]カルバモイル]フェニル]メチル]−3,3−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−4−オキソ−酪酸
【化67】
DIPEA(0.1mL、0.55mmol)をDCM(4mL)中のN−[4−[2−(4−カルバモイルフェニル)エチル]−3,5−ジフルオロ−フェニル]−2−[[3−[(2,2−ジメチルピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボキサミドジヒドロクロリド(92.0mg、0.11mmol)に添加し、続いて無水コハク酸(160mg、1.65mmol)を一度に添加する。得られた溶液を室温で20分間撹拌し、追加の無水コハク酸(53.4 mg、0.05mmol)を加え、得られた混合物をさらに20分間撹拌する。反応混合物をMeOH(0.5mL)の添加によりクエンチし、揮発物を真空中で除去し、そして得られた黄色油状残渣を、10mMの重炭酸アンモニウム水溶液(pH約10)およびACN中の5%MeOHの混合物の20〜70%の勾配で6分かけて溶離する、PHENOMENEX(登録商標)GEMINI−NX(登録商標)C−18カラム上の逆相クロマトグラフィーにより精製して、溶媒蒸発後に表題化合物を淡黄色固体として得る(50.9mg、収率61%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6) δ 1.03(s,3H)、1.09(s,3H)、1.62−1.89(m,4H)、2.28(m,1H)、2.30(m,1H)、2.40−2.47(m,2H)、2.58−2.81(br m,4H)、2.88(s,4H)、3.27(s,2H)、3.30(m,2H,残留水ピークと一部重なり)、3.38(br s,2H)、3.54(s,2H)、7.19−7.31(m,3H)、7.31−7.59(m,3H)、7.78(d,J=8.1Hz,3H)、7.92−7.85(m,2H)、8.36(br s,1H)、8.56(br s,1H)、9.99(br s,1H)、11.51(br s,1H)、11.93(br s,1H)。LC−ES/MS(m/z)786[M+1]。
【0119】
実施例9
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[(2,2,4−トリメチルピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸ギ酸塩
【化68】
THF:MeOH:H
2Oの2:1:1混合物(6mL)中の4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[(2,2,4−トリメチルピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル(167mg、0.233mmol)および水酸化リチウム(22mg、0.93mmol)の溶液を、室温で12時間撹拌する。反応混合物を水(2mL)で希釈し、減圧下で約1/3の容積に濃縮し、そして1NのHCl(3mL)を添加する。その後、混合物を減圧下で濃縮乾固し、得られた残渣を、0.1%ギ酸/H
2O中0.1%ギ酸/ACNの混合物の15〜20%の勾配で5分間溶離し、次いで0.1%ギ酸/H
2O中の0.1%ギ酸/ACNの混合物の20〜50%の勾配で20分かけて溶離するC−18シリカ上のクロマトグラフィーにより精製し、溶媒蒸発後に表題化合物を黄色の固体として得る(122mg、収率68%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6):δ 1.11(s,6H)、1.89−1.67(m,4H)、2.15(s,3H)、2.41−2.30(m,4H)、2.70(m,4H)、2.91(s,4H)、4.10−3.10(br,4H)、7.29(m,2H)、7.57−7.36(m,4H)、7.75(m,1H)、7.90−7.81(m,3H)、8.15(s,1H)、10.8−9.7(br,1H)、12.9−11.1(br,1H)。LC−ES/MS(m/z)701[M+1]。
【0120】
実施例10
4−[2−[4−[[2−[[3−[[2,2−ジメチル−4−(メチルカルバモイル)ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸
【化69】
20mLシンチレーションバイアルに、DCM(2mL)中の4−[2−[4−[[2−[[3−[(2,2−ジメチルピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチルジヒドロクロリド(145mg、0.187mmol)およびTEAの溶液(0.13mL、0.94mmol)を充填する。得られた懸濁液をそれが透明になるまで撹拌する。1mLのDCM中の塩化N−メチルカルバモイル(21mg、0.22mmol)の溶液を滴下する。得られた溶液を室温で15分間撹拌した。反応混合物を5%水性NaHCO
3(75mL)およびDCM(25mL)で希釈し、層を分離する。水層をDCM(2×25mL)で抽出する。有機抽出物を合わせ、飽和NaCl水溶液(25mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮する。得られた粗製物質および水酸化リチウム(23mg、0.94mmol)をTHF:MeOH:H
2O(4mL)の2:1:1混合物に懸濁し、そして室温で12時間撹拌する。反応混合物を水(3mL)で希釈し、減圧下で約1/3の容積に濃縮し、そして1NのHCl(4mL)を添加する。その後、混合物を減圧下で濃縮乾固し、得られた残渣を、0.1%ギ酸/H
2O中0.1%ギ酸/ACNの混合物の10〜15%の勾配で5分間溶離し、次いで0.1%ギ酸/H
2O中の0.1%ギ酸/ACNの混合物の15〜50%の勾配で20分かけて溶離するC−18シリカ上のクロマトグラフィーにより精製し、溶媒蒸発後に表題化合物を淡黄色の固体として得る(108mg、収率77%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6):δ 1.06(s,6H)、1.88−1.65(m,4H)、2.27(s,2H)、2.55(d,J=4.3Hz,3H)、2.70(m,4H)、2.91(s,4H)、3.10(s,2H)、3.25−3.15(m,2H)、3.51(s,2H)、6.33(m,1H)、7.34−7.24(m,2H)、7.59−7.37(m,4H)、7.83−7.79(m,1H)、7.93−7.80(m,3H)、10.02(br s,1H)、11.46(br s,1H)、12.79(br s,1H)。LC−ES/MS(m/z)744[M+1]。
【0121】
実施例11
4−[2−[4−[[2−[[3−[[2,2−ジメチル−4−(メチルカルバモチオイル)ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸
【化70】
20mLシンチレーションバイアルに、DCM(3mL)中の4−[2−[4−[[2−[[3−[(2,2−ジメチルピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチルジヒドロクロリド(165mg、0.212mmol)およびTEAの溶液(0.15mL、1.1mmol)を充填する。得られた懸濁液をそれが透明になるまで撹拌する。1mLのDCM中のメチルイソチオシアネート(18mg、0.24mmol)の溶液を滴下する。得られた溶液を室温で15分間撹拌した。反応混合物を5%水性NaHCO
3(75mL)およびDCM(25mL)で希釈し、層を分離する。水層をDCM(2×25mL)で抽出する。有機抽出物を合わせ、飽和NaCl水溶液(25mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮する。得られた粗製物質および水酸化リチウム(26mg、1.1mmol)をTHF:MeOH:H
2O(4mL)の2:1:1混合物に懸濁し、そして室温で12時間撹拌する。反応混合物を水(3mL)で希釈し、減圧下で約1/3の容積に濃縮し、そして1NのHCl(4mL)を添加する。その後、混合物を減圧下で濃縮乾固し、得られた残渣を、0.1%ギ酸/H
2O中0.1%ギ酸/ACNの混合物の15〜20%の勾配で5分間溶離し、次いで0.1%ギ酸/H
2O中の0.1%ギ酸/ACNの混合物の20〜60%の勾配で20分かけて溶離するC−18シリカ上のクロマトグラフィーにより精製し、溶媒蒸発後に表題化合物をオフホワイトの固体として得る(73mg、収率45%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6):δ 1.06(s,6H)、1.89−1.68(m,4H)、2.34(m,2H)、2.77−2.61(m,4H)、2.99−2.82(m,7H)、3.52(s,2H)、3.60(s,2H)、3.71(br s,2H)、7.35−7.22(m,2H)、7.53−7.35(m,3H)、7.68−7.53(m,2H)、7.80−7.68(m,1H)、7.94−7.80(m,3H)、10.02(br s,1H)、11.47(br s,1H)、12.79(br s,1H),.LC−ES/MS(m/z)760[M+1]。
【0122】
実施例12
4−[2−[4−[[2−[[3−[[4−(2−カルボキシエチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸
【化71】
THF:MeOH:H
2Oの2:1:1混合物(6mL)中の4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−[(3−メトキシ−3−オキソ−プロピル)カルバモイル]−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル(80mg、0.097mmol)および水酸化リチウム(12mg、0.49mmol)の溶液を、室温で12時間撹拌する。反応混合物をH
2O(3mL)で希釈し、減圧下で約1/3の容積に濃縮し、そして1NのHCl(2mL)を添加する。その後、混合物を減圧下で濃縮乾固し、得られた残渣を、0.1%ギ酸/H
2O中0.1%ギ酸/ACNの混合物の10〜15%の勾配で1分間溶離し、次いで0.1%ギ酸/H
2O中の0.1%ギ酸/ACNの混合物の15〜50%の勾配で20分かけて溶離するC−18シリカ上のクロマトグラフィーにより精製し、溶媒蒸発後に表題化合物をオフホワイトの固体として得る(53mg、収率68%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6):δ 1.05(s,6H)、1.88−1.66(m,4H)、2.31−2.20(m,2H)、2.42−2.31(m,2H)、2.79−2.60(m,4H)、2.91(s,4H)、3.11(m,2H)、3.27−3.15(m,4H)、3.51(s,2H)、6.48(m,1H)、7.35−7.23(m,2H)、7.60−7.36(m,4H)、7.80−7.68(m,1H)、7.94−7.80(m,3H)、10.02(br s,1H)、11.46(br s,1H)、12.78−12.15(br,1H)。LC−ES/MS(m/z)802[M+1]。
【0123】
実施例13
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−(メチルカルバモイル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル])アミノ]ベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸、ギ酸塩
【化72】
THF:MeOH:H
2Oの2:1:1混合物(4mL)中の4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−(メチルカルバモイル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]ベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル(100mg、0.13mmol)および水酸化リチウム(15mg、0.63mmol)の溶液を、室温で12時間撹拌する。反応混合物を水(3mL)で希釈し、減圧下で約1/3の容積に濃縮し、そして1NのHCl(3mL)を添加する。その後、混合物を減圧下で濃縮乾固し、得られた残渣を、0.1%ギ酸/H
2O中0.1%ギ酸/ACNの混合物の10%で5分間溶離し、次いで0.1%ギ酸/H
2O中の0.1%ギ酸/ACNの混合物の10〜65%の勾配で15分かけて溶離するC−18シリカ上のクロマトグラフィーにより精製し、溶媒蒸発後に表題化合物を黄色がかった黄褐色の固体として得る(67mg、収率67%)。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6):δ 1.77−1.57(m,2H)、1.97−1.79(m,2H)、2.19(d,J=10.2Hz,2H)、2.52(残留dmso共鳴との重なり、2H)、2.56(m,3H)、2.94(s,4H)、3.53(s,2H)、4.13(br s,2H)、6.37(m,1H)、7.65−7.25(m,8H)、8.08−7.78(m,6H)、8.14(s,1H)、10.63(s,1H)、11.93(s,1H)、12.79(br s,1H)。LC−ES/MS(m/z)738[M+1]。
【0124】
実施例14
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[(4−メトキシカルボニル−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸
【化73】
25mLのシンチレーションバイアルに、4−[[3−[[3−[[3,5−ジフルオロ−4−[2−(4−メトキシカルボニルフェニル)エチル]フェニル]カルバモイル]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−2−イル]カルバモイル]フェニル]メチル]−3,3−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸メチル(152mg、0.20mmol)、水酸化リチウム(25mg、5mmol)、THF(1.5mL)、MeOH(1.0mL)、およびH
2O(0.5mL)を充填し、得られた懸濁液を室温で8時間撹拌する。反応混合物を蒸発させ、DMSO(2mL)中に再構成し、そして勾配溶離を利用してPhenomenex Kinetex EVO C18カラム上で精製する。(アセトニトリル/10mMの重炭酸アンモニウム水溶液pH10/5%MeOHの32〜67%)。溶離液を減圧下で濃縮して、表題化合物(124mg、収率83%)をオフホワイトの固体として得る。LC−ES/MS(m/z)746[M+1]。
【0125】
実施例15
4−[2−[4−[[2−[[3−[[2,2−ジメチル−4−(メチルスルファモイル)ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸
【化74】
25mLのシンチレーションバイアルに、4−[[3−[[3−[[3,5−ジフルオロ−4−[2−(4−メトキシカルボニルフェニル)エチル]フェニル]カルバモイル]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−2−イル]カルバモイル]フェニル]メチル]−3,3−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸メチル(152mg、0.20mmol)、水酸化リチウム(25mg、5mmol)、THF(1.5mL)、MeOH(1.0mL)、およびH
2O(0.5mL)を充填し、得られた懸濁液を室温で8時間撹拌する。反応混合物を蒸発させ、DMSO(2mL)中に再構成し、そして勾配溶離を利用してPhenomenex Kinetex C18カラム上で精製する。(アセトニトリル/10mMの重炭酸アンモニウム水溶液pH10/5%MeOHの32〜67%)。溶離液を減圧下で濃縮して、表題化合物(124mg、収率83%)をオフホワイトの固体として得る。LC−ES/MS(m/z)746[M+1]。
【0126】
実施例16
4−(2,6−ジフルオロ−4−(2−(3−(((1R,5S)−8−ペンタノイル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)メチル)ベンズアミド)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−3−カルボキサミド)フェネチル)安息香酸
【化75】
60mLシンチレーションバイアルに、4−(2,6−ジフルオロ−4−(2−(3−(((1R,5S)−8−ペンタノイル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)メチル)ベンズアミド)))−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン−3−カルボキサミド)フェネチル)安息香酸メチル(214mg、0.27mmol)、水酸化リチウム(33mg、6.0当量、1.37mmol)、THF(1.5mL)、MeOH(1.0mL)、およびH
2O(0.5mL)を充填し、得られた懸濁液を室温で12時間撹拌する。反応混合物をH
2O(5mL)で希釈し、真空中で約1/2の容積に濃縮する。得られた混合物のpHを10%クエン酸水溶液で約5〜6に調整し、得られた無色の懸濁液を15mLの水と5mLの4:1クロロホルム/イソプロパノールとの間で分配する。有機層を分離し、水層のpHを10%クエン酸水溶液で再びpH約5に調整し、混合物を追加の4:1クロロホルム/イソプロパノール(2×15mL)で2回抽出する。有機層を合わせ、飽和NaCl水溶液で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮して表題化合物をオフホワイトの固体として得る(114mg、収率54%)。LC−ES/MS(m/z)769[M+1]。
以下の実施例17〜27は、実施例16と実質的に同様の方法で調製される。
【0127】
実施例17
【化76】
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−(テトラヒドロピラン−4−イルカルバモイル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸
収率17%、MS m/z 812[M+1]
【0128】
実施例18
【化77】
4−[2−[4−[[2−[[3−[(8−アセチル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]ベンゾエート
収率85%、MS m/z 727[M+1]
【0129】
実施例19
【化78】
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−(2−メトキシエチルスルホニル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]ベンゾエート
収率70%、MS m/z 807[M+1]
【0130】
実施例20
【化79】
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−(2−メトキシエチルカルバモイル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]ベンゾエート
収率28%、MS m/z 786[M+1]
【0131】
実施例21
【化80】
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−(4−メトキシブチルカルバモイル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]ベンゾエート
収率84%、MS m/z 815[M+1]
【0132】
実施例22
【化81】
4−[2−[4−[[2−[[3−[[8−[ビス(2−メトキシエチル)カルバモイル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]ベンゾエート
23%の収率、MS m/z 844[M+1]
【0133】
実施例23
【化82】
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−(2−メチルプロパノイル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]ベンゾエート
62%収率、MS m/z 755[M+1]
【0134】
実施例24
【化83】
4−[2−[4−[[2−[[3−[[8−[2−(ジメチルアミノ)アセチル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸
収率73%、MS m/z 770[M+1]
【0135】
実施例25
【化84】
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−[1−(メトキシメチル)シクロプロパンカルボニル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸
収率98%、MS m/z 797[M+1]
【0136】
実施例26
【化85】
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[8−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)アセチル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸
収率59%、MS m/z 825[M+1]
【0137】
実施例27
4−[2−[4−[[2−[[3−[(4−アセチル−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸
【化86】
25mLのマイクロ波反応バイアルに4−[2−[4−[[2−[[3−[(4−アセチル]−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]−2,6−ジフルオロ−フェニル]エチル]安息香酸メチルメチル(169mg、0.227mmol)、テトラヒドロフラン(12mL、148mmol)、メタノール(8mL、197mmol)、および1Mの水酸化リチウム水溶液(1.14mL、1.14mmol)を充填する。バイアルに栓をして、得られた混合物を撹拌し、マイクロ波照射により100℃で30分間加熱する。次いで反応混合物を1M塩酸水溶液(1.14mL、1.14mmol)で注意深く処理し、反応混合物のpHを約4にする。得られた混合物を真空中で濃縮乾固し、そして生成物を低pH逆相クロマトグラフィーにより精製する。
1H NMR(400.1MHz,DMSO−d
6) δ 1.04(s,3H)、1.09(s,3H)、1.84−1.72(m,4H)、1.97(bs,3H)、2.29−2.27(m,1H)、2.37−2.33(m,1H)、2.75−2.65(m,4H)、2.91(s,4H)、3.25−3.3.24(m,2H)、3.38−3.34(m,2H)、3.54(s,2H)、7.29(d,J=7.6Hz,2H)、7.45−7.37(m,2H)、7.51−7.46(m,1H)、7.55(d,J=7.5Hz,1H)、7.76(d,J=7.5Hz,1H)、7.85(d,J=8.0Hz,2H)、7.91(s,1H)、9.99(s,1H)、11.49(s,1H)、12.84(s,1H)。LC−ES/MS(m/z)729[M+1]。
【0138】
実施例28
4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル)メチル]ベンゾイル]アミノ]ベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸
【化87】
8mLの混合溶媒(2:1:1の比のTHF/CH
3OH/H
2O)中の4−[2−[2,6−ジフルオロ−4−[[2−[[3−[[4−(4−ヒドロキシブチルカルバモイル)−2,2−ジメチル−ピペラジン−1−イル]メチル]ベンゾイル]アミノ]ベンゾチオフェン−3−カルボニル]アミノ]フェニル]エチル]安息香酸メチル(0.20g、0.25mmol)の溶液に、LiOH(18mg、0.75mmol)を添加する。得られた混合物を室温で12時間放置する。追加のLiOH(18mg、0.75mmol)を添加する。そして混合物を室温で48時間静置し、ジオキサン中4NのHClの1mLで希釈する。溶媒を真空下で除去する。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、120mg(57%)の標記化合物を白色固体として得る。
1H NMR(399.80MHz,DMSO−d
6):d 1.06(s,6H)、1.31−1.48(m,4H)、2.34(s,2H)、2.87−2.97(m,4H)、3.07−3.09(m,2H)、3.09−3.18(s,2H)、3.18−3.28(m,2H)、3.38(水のピークと一部重なり,1H)、3.54(s,2H)、4.38(m,2H)、6.33(m,2H)、7.25−7.71(m,8H)、7.73−8.08(m,6H)、10.64(s,1H)、11.99(s,1H)、12.8(br s,1H)。LC−ES/MS(m/z)798[M+1]。
【0139】
インビトロでのNaPi−IIbの阻害
33P取り込みの阻害は、ヒトおよびマウスのNaPi−IIb T−REX(商標)−CHO安定細胞株において測定される。NaPi−IIbのcDNAをプラスミドSLC34A2 pcDNA5/TO(ヒト)およびSLC34A2 pcDNA5/TO(マウス)にサブクローニングし、安定細胞株をそれぞれヒトとマウスの両方についてのクローン単離から作製する。マウスおよびヒトの安定株を増殖培地(ダルベッコ改変イーグル培地:栄養混合物F−12(3:1)、10%熱不活性化FBS、1%ペニシリン/ストレプトマイシン/ FUNGIEZONE(登録商標)(HYCLONE(商標))、20mMのHEPES、250μg/mLのハイグロマイシン、5μg/mLのブラスチシジン)中で連続培養で維持する。0.25%トリプシンを用いてT225細胞培養フラスコ(CORNING(登録商標))から細胞を採取し、100μLの増殖培地+100ng/mLのテトラサイクリン中に40,000細胞/ウェルで96穴CYTOSTAR−T(商標)シンチレーションマイクロプレート(Amersham Systems)に播種する。細胞プレートを37℃および5%CO
2で一晩インキュベートする。翌日、化合物を100%DMSO中の1:3希釈を用いて段階希釈する。アッセイする準備ができるまで、細胞プレートをインキュベーター内に残し得る。細胞プレートをインキュベーターから取り出し、培地を除去する。細胞を、200μlのアッセイ緩衝液(137mMのNaCl、5.4mMのKCl、2.8mMのCaCl
2、1.2mMのMgSO
4、および14mMのTris−HCl緩衝液、pH約7.5)で3回洗浄し、洗浄の間にバッファーを除去する。DMSO中で段階希釈した化合物をアッセイ緩衝液でさらに50倍希釈し、50μLをCYTOSTAR−T(商標)アッセイプレートに添加し、続いてすぐに50μLの
33P溶液(PERKIN−ELMER(登録商標),Walton,MA;0.05μCi/50μL)を添加する。CYTOSTAR−T(商標)アッセイプレートを光から保護するためにホイルで覆い、そして室温で60分間インキュベートする。60分のインキュベーション後、100μLの停止溶液(アッセイ緩衝液+400μMのフロレチン)をアッセイプレートに添加して
33Pの取り込みを停止させる。停止溶液をウェル当たり1分刻みで加えた後、プレートを直ちにWallac MICROBETA(登録商標)Trilux液体シンチレーションカウンターおよびルミノメーターで読み取る。各々のプレートは別々に処理し得、時間的にずらされてもよいので、停止液が添加された後の計数において遅延がないようにすることができる。試験したすべての濃度における阻害パーセント(最終アッセイ濃度100〜0.005μM)を、1%DMSO(最小効果)、および100μMの十分に有効なNaPi−IIb阻害剤の効果(最大効果)に対して計算する。4パラメータロジスティック曲線フィッティング式を用いてIC
50値を計算した。提示された数字は標準偏差(SD)を計算した幾何平均であり、nは実験回数である。したがって、表1は、ヒトNaPi−IIbおよびマウスNaPi−IIbのそれぞれに対する実施例1〜28の相対IC
50値を記載する。
表1.T−REX(商標)チャイニーズハムスター卵巣安定細胞株におけるヒトおよびマウスのNaPi−IIbインビトロデータに対する実施例1〜28の相対IC
50(rel IC
50)値。
【表3】
【0140】
インビボでのNaPi−IIbの阻害
試験試料およびビヒクル対照の調製のために、ビヒクル、水中20%ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPBCD)を試験試料に添加する。必要に応じて超音波水浴中で粒子サイズを小さくするために超音波処理する。必要に応じて、ポリトロンを使用して試験試料溶液中の可視性の粒子を全て分解する。以下の表2に示すように1NのNaOHを添加する。ビヒクル対照のpHを1NのNaOHで8.0〜8.5に調整する。
表2 示した試験化合物に添加する1NのNaOHの量。
【表4】
【0141】
放射性リン酸の調製:ビヒクルとして0.9%生理食塩水を使用して16.25mMのNa
2HPO
4溶液を調製する。透明な溶液が形成されるまで混合する。pHを約7.4に調整する。滅菌0.2μmポリエーテルスルホン膜を用いてろ過する。放射性リン酸投与溶液の最終調製のために、1mLのNa
2HPO
4あたり0.5μlのストックH
333PO
4を添加する。十分に混合し、次いで投与前に0.2μmのポリエーテルスルホン膜を用いてH
333PO
4+Na
2HPO
4溶液を滅菌ろ過する。シンチレーションカウンターで各々のサンプルの放射能を測定する。DPMが100,000から150,000の間であれば、投薬を進める。
【0142】
インビボプロトコル:約8〜9週齢のオスのC57Bl6オスマウスを試験の前日に16時間絶食させる。それらは試験日の体重に基づいて処置群に割り当てられる。マウスに、上記のように調製した試験試料またはビヒクル対照のいずれかを10ml/kgの用量で経口投与する。15分後、放射性ホスフェート投与溶液を強制経口投与により投与する。15分後、血液は眼窩出血によって採血する。血漿を調製し、そして各々のマウスからの50μlのEDTA血漿を10mlのシンチレーション液と混合し、そして計数をシンチレーション計数により決定する。試験試料の効果は、試験試料処置動物からの血漿中の計数と、ビヒクル対照処置動物の血漿中の計数とを比較することによって決定される[パーセント阻害=(試験試料処置動物の血漿中の計数/ビヒクル処置動物の血漿中の計数)×100%]。阻害パーセントは、化合物またはビヒクルの投与後30分および標識リン酸の投与後15分に測定される。示した実施例についての阻害パーセントを以下の表3に示す。
表3:実施例化合物4、6、および8のインビボデータ
【表5】
【0143】
様々な濃度の代替的なビヒクル、例えばポリ−1−ビニルピロリドン−コ−ビニルアセテート(PVP−VA)を使用することができる。実施例1は、PVP−VA中でアッセイすることができ、そしてこの試験のために、化合物を実施例1の固体分散体製剤に記載されているように製剤化し、続いて水中に溶解し、次いで強制経口投与によって投与する。ビヒクル対照は、実施例1の最高用量、実施例1の最低用量、および実施例1の中間用量に見られる濃度と一致する、様々な濃度のPVP−VAを有する水である。いくつかの試験にわたって、放射性標識リン酸の取り込みに対する様々なPVP−VAの影響が観察されていないため、すべてのビヒクルを平均して阻害パーセントを計算する。
表4:PVP−VA製剤における実施例1のインビボデータ
【表6】
【0144】
試験化合物の胃内容排出に対する効果は、インビボでNaPi−IIbを阻害する化合物の能力を評価するために使用されるのと同様の方法で、化合物および放射性標識リン酸を投与することによって評価することができる。マウスを出血させた後、それらを犠牲にし、そしてそれらの胃を採取した。採取した胃を10mlの1NのNaOH中で一晩消化し、そして回収された放射標識リン酸DPMをシンチレーション計数により測定する。胃内容排出速度に対する化合物媒介性の効果は、化合物で処置した動物の胃の中のdpmをビヒクルで処置した動物のそれと比較することによって決定される。
【0145】
本発明、例えば実施例1の化合物は、有効性、インビボ分布、インビボ有効性、および前臨床試験における好ましい毒性の欠如などの有利な薬理学的特性を示す。例えば実施例1は、インビボでの胃内容排出の阻害に関して、驚くほど有利なNaPi−IIb阻害の限界を示す。さらに、実施例1は、4日間、正常なラットにインビボで投与された場合、概して良好な耐容性を示し、そしてこのインビボ実験において有利な毒性の欠如を示す。