(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一定の作業期間の単位作業履歴情報を利用して、前記一定の作業期間において行われた作業の実績を示す作業実績情報を生成し、生成した作業実績情報に応じた態様により出力する作業実績情報出力部
をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の作業分析装置。
前記クレーンにより運搬する運搬物に関連する運搬物情報を、運搬物の運搬に際して掛かる荷重と運搬物の移動先の位置と対応させた運搬物管理情報を記憶する運搬物管理情報記憶部をさらに備え、
前記作業実績情報出力部は、
前記クレーン稼働情報における荷重と前記クレーン稼働情報に基づいて求めた運搬物の移動終了タイミングにおける前記クレーンのフック位置との組合せに対応付けられた運搬物情報を前記運搬物管理情報から検索し、検索した運搬物情報を対応の単位作業の単位作業履歴情報に含める
ことを特徴とする請求項5に記載の作業分析装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[作業管理システムの構成例]
図1は、本実施形態における作業分析システムの構成例を示す模式図である。本実施形態における作業分析システムは、作業現場1に配備されるクレーン100と、事務所2に設置された作業分析装置200とを備える。なお、本実施形態においては、クレーン100がタワークレーンである場合を例に挙げる。
【0011】
クレーン100は、マスト101の上端部に対して旋回体102が設けられている。旋回体102は、マスト101を回転軸として例えば水平方向において旋回することができる。また、旋回体102には運転席が設けられる。
旋回体102にはジブ103が取り付けられる。ジブ103の先端には、フック105aを備えるフックブロック105がワイヤー104によって吊り下げられている。
【0012】
本実施形態におけるクレーン100は、センサ部110と、クレーン情報処理装置120と、通信装置130とを備える。
センサ部110は、クレーン100の旋回角、起伏角、揚程、荷重を検出する。
旋回角は、旋回体102が旋回する角度である。
起伏角は、ジブ103の起伏している角度である。
揚程は、ジブ103の先端からフック105aまでの距離であり、例えばワイヤー104の巻き上げ量に応じて変化する。
荷重は、フック105aに掛かる荷重である。より詳しくは、荷重は、ワイヤー104に懸る張力である。
センサ部110により検出された旋回角、起伏角、揚程、荷重の情報は、クレーン情報処理装置120に入力される。
【0013】
クレーン情報処理装置120は、センサ部110から入力される旋回角、起伏角、揚程、荷重の情報を時刻に対応させて時系列データとしたクレーン稼働情報を生成する。クレーン情報処理装置120は、生成したクレーン稼働情報を通信装置130から作業分析装置200に対して送信させる。
【0014】
通信装置130は、作業分析装置200と通信を実行する。通信装置130は、スリップリング(静止体から回転体に対して電力と電気信号を伝達することができる回転コネクタ)を介して作業分析装置200と有線で通信を実行する。なお、通信装置130は作業分析装置200と無線で通信を行ってもよい。
【0015】
作業分析装置200は、クレーン100の通信装置130から受信したクレーン稼働情報に基づいて、1揚重サイクルに対応した単位作業において区分された区分作業が開始された時刻(区分作業開始時刻)を特定する。ここで、揚重サイクルは、クレーンを用いた作業において、玉掛けすべき運搬物までのクレーンの移動、玉掛け、玉掛けした運搬物の移動、移動先での運搬物の玉外しという作業を含むサイクルである。以降において、このような作業のサイクルについては「揚重サイクル」と呼ぶ。
作業分析装置200は、受信したクレーン稼働情報に含まれる荷重の情報(荷重情報)に基づいて、1揚重サイクルに対応した単位作業に関連する仮開始時刻と仮終了時刻とを特定する。作業分析装置200は、特定した仮開始時刻から仮終了時刻までの期間において、受信したクレーン稼働情報に含まれる荷重の情報に基づいて、荷重の最大値を示す最大荷重を特定する。作業分析装置200は、特定した最大荷重と、特定した仮開始時刻と、特定した仮終了時刻と、受信したクレーン稼働情報に含まれる荷重の情報とに基づいて、対応する単位作業における区分ごとの区分作業開始時刻を特定する。
また、作業分析装置200は、1揚重サイクルに対応した単位作業の終了時刻(単位作業終了時刻)を特定する。
【0016】
[センサ部の構成例]
図2は、本実施形態におけるクレーン100が備えるセンサ部の構成例と作業分析装置200の機能構成例を示すブロック図である。
図2を参照して、クレーン100が備えるセンサ部110の構成例と作業分析装置200の機能構成例とについて説明する。なお、同図において、
図1と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
まず、クレーン100が備えるセンサ部110の構成例について説明する。
図2に示すように、クレーン100におけるセンサ部110は、旋回角、起伏角、揚程、荷重をそれぞれ検出するために、旋回角センサ111と、起伏角センサ112と、揚程センサ113と、荷重センサ114とを備える。
【0017】
旋回角センサ111は、クレーン100の旋回角を検出するセンサである。具体的に、旋回角センサ111は、所定の位置を基準とする旋回体102の旋回角度を検出する。
起伏角センサ112は、クレーン100の起伏角を検出するセンサである。具体的には、起伏角センサ112は、例えば、水平に対するジブ103の角度を検出する。
揚程センサ113は、クレーン100の揚程を検出するセンサである。具体的には、揚程センサ113は、例えば、ジブ103の先端からフック105aまでの距離に基づき、作業現場1の状況等に応じて設定される基準レベルからフック105aまでの高さを揚程として検出する。
荷重センサ114は、フック105aに掛かる荷重を検出するセンサである。より詳しくは、荷重センサ114は、ワイヤー104に懸る張力を荷重として検出する。つまり、時系列荷重データに含まれる荷重の値は、ワイヤー104に懸る張力を荷重センサ114で検出したものである。したがって、ワイヤー104自体の重量等により、例えば、運搬物がフック105aに吊られていない場合であっても、検出される荷重が0を示さない場合もある。
【0018】
なお、旋回角センサ111、起伏角センサ112、揚程センサ113及び荷重センサ114のそれぞれにおける検出方式については特に限定されない。
また、起伏角センサ112、揚程センサ113及び荷重センサ114は、それぞれ、クレーン100における所定の位置に個別に備えられていてよい。
【0019】
クレーン情報処理装置120は、クレーン稼働情報を生成するために、例えば以下のように処理を実行する。
つまり、クレーン情報処理装置120は、旋回角センサ111、起伏角センサ112、揚程センサ113及び荷重センサ114から継続して旋回角、起伏角、揚程、荷重それぞれについての情報を入力する。そして、入力した旋回角、起伏角、揚程、荷重の情報のそれぞれに対して時刻を対応付けて時系列化したデータ(時系列旋回角データ、時系列起伏角データ、時系列揚程データ、時系列荷重データ)を生成する。
【0020】
クレーン情報処理装置120は、生成した時系列旋回角データと、時系列起伏角データと、時系列揚程データと、時系列荷重データとによりクレーン稼働情報を生成する。クレーン情報処理装置120は、生成したクレーン稼働情報を、通信装置130から作業分析装置200に対して送信する。
【0021】
[作業分析装置の構成例]
次に、同じ
図2を参照して、作業分析装置200の機能構成例について説明する。同図に示す作業分析装置200は、通信部201と、制御部202と、記憶部203と、操作部204と、表示部205とを備える。
【0022】
通信部201は、クレーン100に備えられる通信装置130と通信を実行する。
制御部202は、作業分析装置200における各種の制御、処理を実行する。
本実施形態における制御部202は、クレーン100から入力したクレーン稼働情報を利用して作業分析を行うための機能部として、クレーン稼働情報取得部221と、仮時刻特定部222と、最大荷重特定部223と、区分作業開始時刻特定部224と、単位作業履歴情報管理部225と、作業実績情報出力部226とを備える。
【0023】
クレーン稼働情報取得部221は、クレーン稼働情報を取得する。クレーン100のクレーン情報処理装置120から送信されたクレーン稼働情報は、作業分析装置200の通信部201にて受信される。クレーン稼働情報取得部221は、通信部201が受信したクレーン稼働情報を取得する。
クレーン稼働情報取得部221は、取得したクレーン稼働情報を、記憶部203におけるクレーン稼働情報記憶部231に記憶させる。
【0024】
仮時刻特定部222は、クレーン稼働情報取得部221が取得したクレーン稼働情報に基づいて、クレーン100を利用して行われる1揚重サイクルに対応した単位作業の仮開始時刻と仮終了時刻を特定する。
最大荷重特定部223は、クレーン稼働情報取得部221が取得したクレーン稼働情報に基づいて、仮時刻特定部222が特定した仮開始時刻から仮終了時刻までの期間における最大荷重を特定する。
【0025】
区分作業開始時刻特定部224は、仮時刻特定部222が特定した仮開始時刻と仮終了時刻と、最大荷重特定部223が特定した最大荷重と、クレーン稼働情報取得部221が取得したクレーン稼働情報とに基づいて、クレーン100を利用して行われる1揚重サイクルに対応した単位作業において区分される区分作業ごとの区分作業開始時刻を特定する。
【0026】
具体的に、クレーン100を利用した作業は、運搬物(作業対象物)への玉掛け、玉掛けした運搬物の移動先への移動、移動先での運搬物の玉外しというようにさらに区分された一連の作業を含む揚重サイクルの繰り返しとなる。ここでの1揚重サイクルに対応した単位作業とは、1揚重サイクルに含まれる複数の作業である。区分作業開始時刻特定部224は、1揚重サイクルに対応した単位作業において区分される所定の区分作業が開始された時刻を区分作業開始時刻として特定する。
また、区分作業開始時刻特定部224は、クレーン稼働情報取得部221が取得したクレーン稼働情報に基づいて、クレーン100を利用して行われる1揚重サイクルに対応した単位作業終了時刻を特定する。
【0027】
単位作業履歴情報管理部225は、仮時刻特定部222に、1揚重サイクルに対応した単位作業における仮開始時刻と仮終了時刻を特定させる。また、単位作業履歴情報管理部225は、最大荷重特定部223に、仮開始時刻から仮終了時刻までの期間における最大荷重を特定させる。また、単位作業履歴情報管理部225は、区分作業開始時刻特定部224に、1揚重サイクルに対応した単位作業における区分作業開始時刻を特定させる。
単位作業履歴情報管理部225は、区分作業開始時刻特定部224が特定した区分作業開始時刻に基づいて、1揚重サイクルに対応した単位作業における区分作業ごとの区分作業時間を算出する。
【0028】
単位作業履歴情報管理部225は、単位作業履歴情報を生成する。単位作業履歴情報は、単位作業ごとの実績を示す情報である。単位作業履歴情報は、区分作業開始時刻特定部224が特定した区分作業開始時刻と、単位作業履歴情報管理部225が算出した区分作業時間を含む。
【0029】
また、単位作業履歴情報管理部225は、例えば、クレーン稼働情報における荷重と、クレーン稼働情報に基づいて求めた運搬物の移動終了タイミングに対応するクレーンのフック位置(座標)とを利用して、単位作業によって運搬された運搬物を運搬物管理情報から検索する。
運搬物管理情報は、記憶部203において運搬物管理情報記憶部233が予め記憶しており、運搬物情報ごとに、クレーンにより運搬すべき運搬物を引き揚げたときにフック105aに掛かる荷重と、運搬物の移動先の位置に対応する座標とを対応させた情報である。
単位作業履歴情報管理部225は、検索した運搬物を対応の単位作業の単位作業履歴情報に含める。
【0030】
なお、単位作業履歴情報管理部225は、例えば、運搬物に取り付けられたIC(Integrated Circuit)タグやバーコード等から取得される情報を利用して、単位作業によって運搬された運搬物を運搬物管理情報から検索してもよい。あるいは、単位作業履歴情報管理部225は、例えば、建設工事作業におけるオペレータが目視によって判断しシステム上で記録した運搬物の情報を利用して、単位作業によって運搬された運搬物を運搬物管理情報から検索してもよい。
【0031】
このように、単位作業履歴情報には、単位作業における区分作業開始時刻と、単位作業における区分作業時間と、対応の単位作業により運搬された運搬物に関連する運搬物情報が含まれる。単位作業履歴情報管理部225は、生成した単位作業履歴情報を、記憶部203における単位作業履歴情報記憶部232に記憶させる。
【0032】
作業実績情報出力部226は、一定の作業期間の単位作業履歴情報を利用して、この一定の作業期間において行われた作業の実績を示す作業実績情報を生成し、生成した作業実績情報を所定の態様により出力する。
具体的に、作業実績情報出力部226は、一定の作業期間として1日分の単位作業履歴情報を利用して、この1日において行われた作業の実績を示す作業実績情報を生成する。このように生成された1日分の作業実績情報は、1日分のクレーン作業の実績を示す「日報」として扱われる。作業実績情報出力部226は、このように生成した日報としての作業実績情報を、所定の態様によって表示部205に表示させる。
【0033】
記憶部203は、作業分析装置200が利用する各種の情報を記憶する。同図に示す記憶部203は、クレーン稼働情報を利用した作業分析に関連して、クレーン稼働情報記憶部231と、単位作業履歴情報記憶部232と、運搬物管理情報記憶部233とを備える。
【0034】
クレーン稼働情報記憶部231は、クレーン稼働情報取得部221により取得されたクレーン稼働情報を記憶する。クレーン稼働情報記憶部231は、例えばクレーン稼働情報テーブルとしての構造によりクレーン稼働情報を記憶する。
図3は、クレーン稼働情報テーブルの構造例を示す図である。同図に示すクレーン稼働情報テーブルは、日付(例えば、年月日)ごとに対応して、時系列旋回角データと、時系列起伏角データと、時系列揚程データと、時系列荷重データとが記憶される。これらの時系列旋回角データ、時系列起伏角データ、時系列揚程データ、時系列荷重データは、それぞれ、日付が示す1日において取得されたデータである。
【0035】
単位作業履歴情報記憶部232は、単位作業履歴情報管理部225が生成した単位作業履歴情報を記憶する。単位作業履歴情報記憶部232は、単位作業履歴情報テーブルの構造により単位作業履歴情報を記憶する。
図4は、単位作業履歴情報テーブルの構造例を示す図である。同図に示すように、単位作業履歴情報テーブルは、1つの日付に対して単位作業ごとに対応する単位作業履歴情報#1〜#Nを格納した構造である。これらの単位作業履歴情報#1〜#Nは、日付が示す1日において行われた単位作業のそれぞれに対応し、#1〜#Nの番号は、対応の単位作業が行われた順番に対応する。このように、単位作業履歴情報は、1日ごとに区分されるように管理される。これにより、例えば、1日単位の作業実績情報である日報の作成を効率的に行うことが可能になる。
【0036】
図5は、
図4に示す単位作業履歴情報テーブルにおいて格納される1つの単位作業履歴情報の構造例を示す図である。
単位作業履歴情報は、図示するように、運搬物情報と、開始時刻と、区分作業開始時刻と、終了時刻を含む。また、単位作業履歴情報は、区分作業時間及び所要時間を含む。
運搬物情報は、対応の単位作業によりクレーン100が運搬した運搬物に関連する情報である。具体的に、運搬物情報は、例えば運搬物の名称の情報を含む。また、運搬物情報には、運搬物を吊り下げたときの荷重等の情報も含めてよい。
開始時刻は、対応の単位作業が開始された時刻である単位作業開始時刻を示す。
終了時刻は、対応の単位作業が終了した時刻である単位作業終了時刻を示す。
【0037】
区分作業開始時刻は、対応の単位作業において区分される区分作業ごとの区分作業が開始された時刻を示す。本実施形態において、単位作業における区分作業の種別は、玉掛け、揚重、調整、玉外しの4つである。これに対応して、
図5に示す区分作業時間は、玉掛け開始時刻と、揚重開始時刻と、調整開始時刻と、玉外し開始時刻とを含む。
【0038】
区分作業としての玉掛けは、単位作業における最初の作業であり、今回の単位作業により運搬すべき運搬物をクレーン100のフック105aに掛ける作業である。区分作業開始時刻における玉掛け開始時刻は、玉掛けの作業が開始された時刻を示す。
また、玉掛け開始時刻は、単位作業履歴情報の開始時刻における単位作業開始時刻と一致する。
【0039】
揚重は、玉掛けの作業によってフック105aに掛けられた運搬物をクレーン100により引き揚げて、玉外しすべき所定の位置にまで移動させる作業である。区分作業開始時刻における揚重開始時刻は、揚重の作業が開始された時刻を示す。
【0040】
調整は、揚重の作業によって所定の位置にまで移動された運搬物が正しく置かれるように、運搬物の位置や向きを調整する作業である。区分作業開始時刻における調整開始時刻は、調整が開始された時刻を示す。
【0041】
玉外しは、調整の作業によって正しい位置に置かれた状態の運搬物からフック105aを外す作業である。区分作業開始時刻における玉外し開始時刻は、玉外しが開始された時刻を示す。なお、玉外し開始時刻は、運搬物の移動終了タイミングと一致する。
単位作業履歴情報の開始時刻における単位作業終了時刻は、玉外し終了時刻と一致する。玉外し終了時刻は、玉外しが終了した時刻である。
【0042】
区分作業時間は、対応の単位作業において区分される区分作業ごとに要した時間を示す。本実施形態において、単位作業における区分作業の種別は、玉掛け、揚重、調整、玉外しの4つである。これに対応して、
図5に示す区分作業時間は、玉掛け時間と、揚重時間と、調整時間と、玉外し時間とを含む。
区分作業時間における玉掛け時間は、玉掛けの作業に要した時間を示す。
区分作業時間における揚重時間は、揚重の作業に要した時間を示す。
区分作業時間における調整時間は、調整に要した時間を示す。
区分作業時間における玉外し時間は、玉外しに要した時間を示す。
所要時間は、対応の単位作業を開始してから完了するまでの時間であり、単位作業開始時刻から単位作業終了時刻までの時間と同じになる。
【0043】
運搬物管理情報記憶部233は、運搬物管理情報を記憶する。
図6は、運搬物管理情報のデータ構造例を示している。同図に示すように、運搬物管理情報は、運搬物情報(例えば運搬物の名称)に対して、荷重と座標とが対応付けられている。前述のように、運搬物管理情報における荷重は、対応の運搬物情報が示す運搬物をクレーン100により吊り下げたときの荷重を示す。運搬物管理情報に格納する荷重の値は、例えば、予めのシミュレーションや計算等により求めてもよいし、実際に対応の運搬物を吊り下げて測定した値を用いてもよい。
運搬物管理情報における座標は、運搬物の移動先の位置として三次元空間における位置を表す。この座標は、例えばクレーン100の回転軸(例えば、ジブ103の支点)を原点とする座標空間と、基準レベルからフック105aまでの高さ方向を表す空間座標とに基づく座標で示される。例えば、柱1は、荷重が4.9(t)であり、座標が(X
1,Y
1,Z
1)である。
【0044】
説明を
図2に戻す。
操作部204は、作業分析装置200に備えられる操作デバイスや操作子を一括して示している。作業管理者は、例えば、操作部204により、日報を表示させるための操作を行うことができる。この操作に応じて、作業実績情報出力部226は、指定された日付の日報を表示部205に表示させる。
表示部205は、制御部202の制御に応じて画像を表示する。上記したように、作業実績情報出力部226の制御に応じて、表示部205は、日報の画面を表示させる。
【0045】
[単位作業履歴情報を生成する処理の一例]
続いて、単位作業履歴情報管理部225が、1つの単位作業に対応する単位作業履歴情報を生成するための処理の一具体例について説明する。
本実施形態における単位作業履歴情報管理部225は、単位作業履歴情報を生成するにあたり、クレーン100のフック105aの位置を三次元の座標として表すことができる。この点について
図7を参照して説明する。
【0046】
図7(a)は、平面方向におけるフック105aの位置を示している。また、
図7(b)は、
図7(a)に対応する高さ方向のフック105aの位置を示している。
図7(a)に示すXY座標の原点Oは、例えばジブ103の支点(旋回の中心)に対応する。同図においては、Y軸に対応する基準旋回角(0°)から旋回角がαの位置にジブ103が在る状態が示されている。このときのクレーン100のジブ103の起伏角は、
図7(b)に示すようにβである。
【0047】
平面方向におけるフック105aの位置はジブ103の先端と対応する。したがって、フック105aの位置の平面方向におけるフック位置座標P(X,Y,Z)は、
図7(a)に示されるように、旋回角がαで原点Oからジブ103の先端までの距離に対応する位置となる。このように、平面方向におけるフック位置座標P(X,Y,Z)は、ジブ103の支点から先端までの距離が既知であれば旋回角と起伏角とにより求めることができる。
【0048】
また、
図7(b)に示される基準レベルからフック105aまでの高さZが揚程である。揚程は、ジブ103の先端からフック105aまでの垂直方向の距離γ、起伏角β、ジブ103の長さと支点座標等から求めることができる。
このように、フック105aの位置は、平面方向におけるX,Y座標と、高さ方向におけるZ座標との三次元座標によって表すことができる。
【0049】
単位作業履歴情報管理部225は、1つの単位作業に対応する単位作業履歴情報を生成するにあたり、仮時刻特定部222に、1つの単位作業における仮開始時刻と仮終了時刻を特定させる。また、単位作業履歴情報管理部225は、最大荷重特定部223に、仮開始時刻から仮終了時刻までの期間における最大荷重を特定させる。また、単位作業履歴情報管理部225は、区分作業開始時刻特定部224に、1つの単位作業における区分作業開始時刻を特定させる。
【0050】
図8は、区分作業開始時刻の特定手順例を示すタイミングチャートである。
図8のタイミングチャートを参照して、仮時刻特定部222が、1つの単位作業における仮開始時刻と仮終了時刻を特定する手順例について説明する。次に、最大荷重特定部223が、仮開始時刻から仮終了時刻までの期間における最大荷重を特定する手順例について説明する。次に、区分作業開始時刻特定部224が、1つの単位作業における区分作業開始時刻を特定する手順例について説明する。
【0051】
図8においては、1回の単位作業に対応する荷重、揚程、作業半径、旋回角と、区分作業(玉掛け、揚重、調整、玉外し)の時間帯が時間経過にしたがって示されている。なお、作業半径は、平面方向におけるフック105aの原点Oからの距離であり、フック位置座標P(X,Y,Z)のX及びYの座標値から求めることができる。
【0052】
以降の説明にあたり、区分作業開始時刻特定部224は、揚程、作業半径、旋回角の変化の有無を判定するにあたって、時系列揚程データ、時系列起伏角データ、時系列旋回角データが示す値の変化の有無を利用してもよい。あるいは、区分作業開始時刻特定部224は、巻き速度、起伏速度及び旋回速度が0であるか否かにより、揚程、作業半径、旋回角の変化の有無を判定するようにしてもよい。なお、巻き速度、起伏速度及び旋回速度については、それぞれ、時系列揚程データが示す揚程、時系列起伏角データが示す起伏角、時系列旋回角データが示す旋回角を微分することにより求められる。
【0053】
まず、仮時刻特定部222が、1つの単位作業における仮開始時刻と仮終了時刻を特定する手順例について説明する。仮時刻特定部222は、以下の手順により、1つの単位作業における仮開始時刻と仮終了時刻を特定する。
仮時刻特定部222は、1つの単位作業に対応する区分作業開始時刻の特定にあたり、クレーン稼働情報における前回の単位作業の終了時刻以降の時系列荷重データ、時系列揚程データ、時系列起伏角データ、時系列旋回角データを解析対象とする。
【0054】
そのうえで、まず、仮時刻特定部222は、探索対象の時系列荷重データの変化を時系列にしたがって解析する。この解析において、仮時刻特定部222は、荷重が第1の荷重閾値を上回る状態に変化する時刻tsを探索する。第1の荷重閾値は、クレーンの特性や運搬物等に応じて予め定められた閾値である。仮時刻特定部222は、探索した時刻tsを仮開始時刻tsとして特定する。なお、ここでの第1の荷重閾値を上回るについての検出対象となる荷重は、例えば吊り治具の分による荷重を除いた部材のみによる荷重の成分である。
なお、第1の荷重閾値は、任意に設定されてよい。第1の荷重閾値は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって任意に設定されてよい。第1の荷重閾値は、クレーンを利用して行われる作業の実績に基づいて設定されるのが好ましい。
【0055】
また、仮時刻特定部222は、特定した仮開始時刻tsから所定の時間が経過した時刻以降の探索対象の時系列荷重データの変化を時系列にしたがって解析する。所定の時間は、クレーンを利用して行われる作業において予め定められた時間である。この解析において、仮時刻特定部222は、荷重が第2の荷重閾値を上回る状態に変化する時刻のうち、仮開始時刻tsに隣接する時刻teを探索する。第2の荷重閾値は、クレーンの特性や運搬物等に応じて予め定められた閾値である。仮時刻特定部222は、探索した時刻teを仮終了時刻teとして特定する。
所定の時間は、例えば、運搬物の吊り直し等によって、荷重が第2の荷重閾値付近で変動する影響を除去するために予め定められた時間である。所定の時間は、例えば、運搬物がクレーン100によって揚重されるまでに要する平均的な時間により決まってよい。
なお、所定の時間は、任意に設定されてよい。所定の時間は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって任意に設定されてよい。所定の時間は、クレーンを利用して行われる作業の実績に基づいて設定されるのが好ましい。
なお、第2の荷重閾値は、任意に設定されてよい。第2の荷重閾値は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって任意に設定されてよい。第2の荷重閾値は、クレーンを利用して行われる作業の実績に基づいて設定されるのが好ましい。
【0056】
ここで、本実施形態における仮時刻特定部222は、時系列荷重データの変化を時系列にしたがって解析していく。この解析において、仮時刻特定部222は、荷重が第1の荷重閾値を上回る状態に変化する仮開始時刻tsを探索している。また、仮時刻特定部222は、仮開始時刻tsから所定の時間が経過した後の時系列荷重データの変化を時系列にしたがって解析していく。この解析において、仮時刻特定部222は、荷重が第2の荷重閾値を上回る状態に変化する仮終了時刻teを探索している。
これにより、仮時刻特定部222は、暫定的に、対象の1つの単位作業に相当する期間を定めている。つまり、解析の対象となる期間を限定することができる。したがって、区分作業開始時刻の探索の精度が高まる。
【0057】
また、本実施形態においては、仮終了時刻teを探索するにあたり、仮開始時刻tsから所定の時間が経過した後の時系列荷重データの変化を時系列にしたがって解析する。これにより、例えば、運搬物の吊り直し等により荷重が第2の荷重閾値付近で変動する影響を除去することができる。つまり、運搬物の吊り直し等による荷重の変動に影響されずに、仮終了時刻teを探索することができる。つまり、解析の対象となる期間を限定する精度が高まる。したがって、区分作業開始時刻の探索の精度が高まる。
【0058】
次に、最大荷重特定部223が、仮開始時刻から仮終了時刻までの期間における最大荷重を特定する手順例について説明する。最大荷重特定部223は、以下の手順により、仮開始時刻から仮終了時刻までの期間における最大荷重を特定する。
最大荷重特定部223は、仮時刻特定部222が特定した仮開始時刻tsから仮終了時刻teまでの期間内において、探索対象の時系列荷重データの変化を時系列にしたがって解析する。この解析において、最大荷重特定部223は、荷重の最大値を探索する。最大荷重特定部223は、探索した荷重の最大値を最大荷重として特定する。
【0059】
次に、区分作業開始時刻特定部224が、1つの単位作業における区分作業開始時刻を特定する手順例について説明する。区分作業開始時刻特定部224は、以下の手順により、上記の4つの区分作業ごとの区分作業開始時刻を特定する。
【0060】
まず、区分作業開始時刻特定部224は、最大荷重特定部223が特定した最大荷重に基づいて、第1の係数を用いて第3の荷重閾値を設定する。具体的には、区分作業開始時刻特定部224は、例えば、最大荷重に第1の係数を乗算する。区分作業開始時刻特定部224は、乗算して求められた結果を、第3の荷重閾値として設定する。また、区分作業開始時刻特定部224は、最大荷重に基づいて、第2の係数を用いて第4の荷重閾値を設定する。具体的には、区分作業開始時刻特定部224は、例えば、最大荷重に第2の係数を乗算する。区分作業開始時刻特定部224は、乗算して求められた結果を、第4の荷重閾値として設定する。
【0061】
第1の係数は、例えば、クレーンの特性や運搬物等に応じて予め定められた係数である。具体的には、第1の係数とは、例えば、0.9である。この場合、第3の荷重閾値は、最大荷重に第1の係数である0.9を乗算して求められる。
第2の係数は、例えば、クレーンの特性や運搬物等に応じて予め定められた係数である。具体的には、第2の係数とは、例えば、0.1である。この場合、第4の荷重閾値は、最大荷重に第2の係数である0.1を乗算して求められる。
なお、第1の係数及び第2の係数は、任意に設定されてよい。第1の係数及び第2の係数は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって任意に設定されてよい。第1の係数及び第2の係数は、クレーンを利用して行われる作業の実績に基づいて設定されるのが好ましい。
なお、第3の荷重閾値及び第4の荷重閾値を設定するにおいて、乗算以外の演算方法が用いられてもかまわない。
【0062】
次に、区分作業開始時刻特定部224は、仮開始時刻tsから仮終了時刻teまでの期間内において、探索対象の時系列荷重データの変化を時系列にしたがって解析する。この解析において、区分作業開始時刻特定部224は、荷重の変化が増加傾向であって、荷重が第3の荷重閾値を上回る状態に変化する時刻t2を探索する。探索された時刻t2は、クレーン100のワイヤー104の張力がほぼ最大値に達するタイミングである。つまり、探索された時刻t2は、揚重作業を開始するためのタイミングであるとみてよい。区分作業開始時刻特定部224は、探索した時刻t2を揚重開始時刻t2として特定する。揚重開始時刻t2は、クレーン稼働情報から解析において用いられる稼働情報を探索する際の基準となる時刻(基準時刻)の1つである。
【0063】
また、区分作業開始時刻特定部224は、探索対象の時系列揚程データを解析して、基準時刻の1つである揚重開始時刻t2における揚程を探索する。区分作業開始時刻特定部224は、探索した揚程に基づいて揚重開始座標(X,Y,Z)として特定する。
また、区分作業開始時刻特定部224は、探索対象の時系列旋回角データと時系列起伏角データとを利用して、基準時刻の1つである揚重開始時刻t2におけるフック位置座標P(X,Y,Z)を求める。区分作業開始時刻特定部224は、求めたフック位置座標P(X,Y,Z)を揚重開始座標(X,Y,Z)として特定する。
【0064】
次に、区分作業開始時刻特定部224は、仮開始時刻tsから仮終了時刻teまでの期間内において、探索対象の時系列荷重データの変化を時系列にしたがって解析する。この解析において、区分作業開始時刻特定部224は、荷重の変化が減少傾向であって、荷重が第4の荷重閾値を下回る状態に変化する時刻t4を探索する。探索された時刻t4は、クレーン100のワイヤー104の張力がほぼ0に達するタイミングである。すなわち、探索された時刻t4は、運搬物を移動先にまで移動させて置いたタイミングである。つまり、クレーン100は、探索された時刻t4以降において玉外し作業が可能である。したがって、探索された時刻t4は、玉外し作業を開始するためのタイミングであるとみてよい。区分作業開始時刻特定部224は、探索した時刻t4を玉外し開始時刻t4として特定する。玉外し開始時刻t4は、クレーン稼働情報から解析において用いられる稼働情報を探索する際の基準時刻の1つである。
【0065】
また、区分作業開始時刻特定部224は、探索対象の時系列揚程データを解析して、基準時刻の1つである玉外し開始時刻t4における揚程を探索する。区分作業開始時刻特定部224は、探索した揚程を、玉外し開始座標(X,Y,Z)として特定する。
また、区分作業開始時刻特定部224は、探索対象の時系列旋回角データと時系列起伏角データとを利用して、基準時刻の1つである玉外し開始時刻t4におけるフック位置座標P(X,Y,Z)を求める。区分作業開始時刻特定部224は、求めたフック位置座標P(X,Y,Z)を、玉外し開始座標(X,Y,Z)として特定する。
【0066】
ここで、本実施形態における区分作業開始時刻特定部224は、仮開始時刻tsから仮終了時刻teまでの期間内において、最大荷重を特定する。区分作業開始時刻特定部224は、特定した最大荷重に基づいて、第3の荷重閾値及び第4の荷重閾値を設定する。区分作業開始時刻特定部224は、設定した第3の荷重閾値と、設定した第4の荷重閾値と、時系列荷重データとに基づいて、揚重開始時刻t2と玉外し開始時刻t4とを探索している。
【0067】
ここで、例えば、揚重開始時刻t2を探索する際の条件として、「これまで変化していなかった揚程が変化するタイミング」を設定した場合、この条件に合致するタイミングは揚重開始時刻t2以外のタイミングでも発生する可能性がある。同様に、玉外し開始時刻t4を探索する際の条件として、「旋回角、起伏角及び揚程のいずれもが停止して変化しなくなったタイミング」を設定した場合も、この条件に合致するタイミングは玉外し開始時刻t4以外のタイミングで発生する可能性がある。この点を考慮すると、例えば、時系列揚程データ、時系列旋回角データ、時系列起伏角データ、またはこれらの任意の組み合わせを用いて揚重開始時刻t2、玉外し開始時刻t4を探索しようとした場合、揚重開始時刻t2、玉外し開始時刻t4を誤って探索する可能性が高くなる。
一方、揚重開始時刻t2としての荷重の掛かりがほぼ最大値となるタイミングは、玉掛けが完了して運搬物の揚重を開始したときにのみ現れる。また、玉外し開始時刻t4としての荷重の掛かりがほぼ0となるタイミングは、玉外しを開始するときにのみ現れる。
【0068】
そこで、本実施形態では、区分作業開始時刻特定部224は、仮開始時刻tsから仮終了時刻teまでの期間内において、最大荷重を特定する。区分作業開始時刻特定部224は、特定した最大荷重に基づいて、第3の荷重閾値及び第4の荷重閾値を設定する。区分作業開始時刻特定部224は、設定した第3の荷重閾値と、設定した第4の荷重閾値と、時系列荷重データとに基づいて揚重開始時刻t2、玉外し開始時刻t4を探索する。これにより、旋回角、起伏角及び揚程は探索対象ではなくなる。したがって、揚重開始時刻t2及び玉外し開始時刻t4についての探索の精度が高まる。
【0069】
次に、区分作業開始時刻特定部224は、玉外し開始時刻t4から仮終了時刻teまでの期間内において、探索対象の時系列揚程データを時系列にしたがって解析する。この解析において、区分作業開始時刻特定部224は、揚程が玉外し開始座標(X,Y,Z)に対して第1の揚程閾値を上回って高くなった時刻t5を探索する。第1の揚程閾値は、稼働閾値の一つである。稼働閾値は、クレーン稼働情報に関連した閾値である。稼働閾値は、例えば、揚程に関連した閾値である1または複数の揚程閾値、フック105aの平面方向の位置に関連した閾値である1または複数の平面座標閾値を含む。第1の揚程閾値は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって予め定められた閾値である。探索された時刻t5は、玉外しが終了してクレーン100のワイヤー104が巻き上げられ、その結果、フック105aの垂直方向の位置が高くなるタイミングである。つまり、探索された時刻t5は、玉外し作業を終了するためのタイミングであるとみてよい。
なお、第1の揚程閾値は、任意に設定されてよい。第1の揚程閾値は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって任意に設定されてよい。第1の揚程閾値は、クレーンを利用して行われる作業の実績に基づいて設定されるのが好ましい。また、第1の揚程閾値は、玉外し開始座標(X,Y,Z)に基づいて算出され設定されたものであってもよい。
【0070】
また、区分作業開始時刻特定部224は、探索対象の時系列旋回角データと時系列起伏角データとを利用して、玉外し開始時刻t4から仮終了時刻teまでの期間内における時刻ごとのフック位置座標P(X,Y,Z)を求める。区分作業開始時刻特定部224は、求めた時刻ごとのフック位置座標P(X,Y,Z)を時系列にしたがって解析する。この解析において、区分作業開始時刻特定部224は、フック位置座標P(X,Y,Z)が玉外し開始座標(X,Y,Z)から第1の三次元座標閾値を上回って変化した位置となった時刻t6を探索する。第1の三次元標閾値は、稼働閾値の1つである。第1の三次元座標閾値は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって予め定められた閾値である。探索された時刻t6は、玉外しが終了してクレーン100のフック105aの平面方向の位置が第1の三次元座標閾値を上回って移動したタイミングである。作業者によっては、玉外し終了時点で、フック105aを巻き上げる前に、フック105aの水平方向の位置を変化させる場合もある。つまり、時刻t6もまた、玉外し作業を終了するためのタイミングであるとみてよい。
【0071】
なお、第1の三次元座標閾値は、任意に設定されてよい。第1の三次元座標閾値は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって任意に設定されてよい。第1の三次元座標閾値は、クレーンを利用して行われる作業の実績に基づいて設定されるのが好ましい。また、第1の三次元座標閾値は、玉外し開始座標(X,Y,Z)に基づいて算出され設定されたものであってもよい。
【0072】
なお、第1の三次元座標閾値を設定するかわりに、旋回角と起伏角それぞれについて予め定められた閾値が設定されてもよい。その場合、第1の三次元座標閾値は、旋回角と起伏角それぞれについて設定された閾値を用いて算出できる。
なお、旋回角と起伏角それぞれについて設定された閾値は、任意に設定されてよい。旋回角と起伏角それぞれについて設定された閾値は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって任意に設定されてよい。旋回角と起伏角それぞれについて設定された閾値は、クレーンを利用して行われる作業の実績に基づいて設定されるのが好ましい。
【0073】
区分作業開始時刻特定部224は、探索した時刻t5と探索した時刻t6のうち、玉外し開始時刻t4と隣接する時刻を玉外し終了時刻として特定する。
図8の例では、時刻t5が、玉外し終了時刻として特定される。玉外し作業の終了は、すなわち、対象の単位作業の終了である。つまり、玉外し終了時刻は、単位作業終了時刻であるとしてよい。区分作業開始時刻特定部224は、玉外し終了時刻t5を単位作業終了時刻t5として特定する。
【0074】
次に、区分作業開始時刻特定部224は、探索対象の時系列旋回角データと時系列起伏角データとを利用して、玉外し開始時刻t4から仮開始時刻tsまでの期間内における時刻ごとのフック位置座標P(X,Y,Z)を求める。区分作業開始時刻特定部224は、求めた時刻ごとのフック位置座標P(X,Y,Z)について、時間を遡って解析する。この解析において、区分作業開始時刻特定部224は、フック位置座標P(X,Y,Z)が玉外し開始座標(X,Y,Z)から第2の三次元座標閾値を上回って変化した位置となった時刻t3を探索する。第2の三次元座標閾値は、稼働閾値の1つである。第2の三次元座標閾値は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって予め定められた閾値である。探索された時刻t3は、揚重が開始された後でフック105aの平面方向の位置がほぼ一定となったタイミングである。つまり、探索された時刻t3は、調整を開始するためのタイミングであるとみてよい。調整とは、移動先まで移動させた運搬物を一旦置いたのであるが、置かれた向きが違っている等したために、もう一度運搬物を少しだけ吊り上げて運搬物の方向の修正等を行う作業である。区分作業開始時刻特定部224は、探索した時刻t3を調整開始時刻t3として特定する。
【0075】
なお、第2の三次元座標閾値は、任意に設定されてよい。第2の三次元座標閾値は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって任意に設定されてよい。第2の三次元座標閾値は、クレーンを利用して行われる作業の実績に基づいて設定されるのが好ましい。また、第2の三次元座標閾値は、玉外し開始座標(X,Y,Z)に基づいて算出され設定されたものであってもよい。
【0076】
なお、第2の三次元座標閾値を設定するかわりに、旋回角と起伏角それぞれについて予め定められた閾値が設定されてもよい。その場合、第2の平面座標閾値は、旋回角と起伏角それぞれについて設定された閾値を用いて算出できる。
なお、旋回角と起伏角それぞれについて設定された閾値は、任意に設定されてよい。旋回角と起伏角それぞれについて設定された閾値は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって任意に設定されてよい。旋回角と起伏角それぞれについて設定された閾値は、クレーンを利用して行われる作業の実績に基づいて設定されるのが好ましい。
【0077】
なお、区分作業開始時刻特定部224は、以下の手順により調整開始時刻を特定してもよい。具体的には、区分作業開始時刻特定部224は、探索対象の時系列揚程データと時系列旋回角データと時系列起伏角データとを利用して、玉外し開始時刻t4から仮開始時刻tsまでの期間内における時刻ごとの揚程とフック位置座標P(X,Y,Z)を求める。次に、区分作業開始時刻特定部224は、求めた時刻ごとの揚程とフック位置座標P(X,Y,Z)とについて、時間を遡って解析する。この解析において、区分作業開始時刻特定部224は、玉外し開始時刻t4におけるフック105aの位置を基準点として、三次元座標における、基準点から所定の距離の範囲外にフック105aが移動した時刻を探索する。所定の距離は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって予め定められた距離である。区分作業開始時刻特定部224は、探索した時刻を調整開始時刻として特定する。
【0078】
揚重作業から調整作業へ移行する時点では、フック105aの平面方向における位置だけでなく、フック105aの垂直方向における位置(揚程)も変化する場合がある。つまり、フック位置座標P(X,Y,Z)と揚程とに基づいて玉掛け開始時刻を探索することで、調整開始時刻を探索する精度が高まる。したがって、上述のように、玉外し開始時刻t4におけるフック105aの位置を基準点として、三次元座標における、基準点から所定の距離の範囲外にフック105aが移動した時刻を探索することで、調整開始時刻についての探索の精度が高まる。
【0079】
なお、所定の距離は、任意に設定されてよい。所定の距離は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって任意に設定されてよい。所定の距離は、クレーンを利用して行われる作業の実績に基づいて設定されるのが好ましい。また、所定の距離は、玉外し開始座標(X,Y,Z)に基づいて算出され設定されたものであってもよい。
【0080】
次に、区分作業開始時刻特定部224は、探索対象の時系列旋回角データと時系列起伏角データとを利用して、仮開始時刻tsから対象の単位作業の1つ前の単位作業終了時刻までの期間内における時刻ごとのフック位置座標P(X,Y,Z)を求める。なお、クレーン100が起動した直後であって対象の単位作業の1つ前の単位作業が存在しない場合もある。その場合、区分作業開始時刻特定部224は、探索対象の時系列旋回角データと時系列起伏角データとを利用して、仮開始時刻tsからクレーンの起動時刻までの期間内における時刻ごとのフック位置座標P(X,Y,Z)を求める。区分作業開始時刻特定部224は、求めた時刻ごとのフック位置座標P(X,Y,Z)について、時間を遡って解析する。この解析において、区分作業開始時刻特定部224は、フック位置座標P(X,Y,Z)が揚重開始座標(X,Y,Z)から第3の三次元座標閾値を上回って変化した位置となった時刻t1を探索する。第3の三次元座標閾値は、稼働閾値の1つである。第3の三次元座標閾値は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって予め定められた閾値である。探索された時刻t1は、揚重が開始される前にフック105aの水平方向の位置がほぼ一定となるタイミングである。玉掛け作業の際には、フック105aの位置は、玉掛け作業がしやすい位置で定位している。したがって、探索された時刻t1は、玉掛けを開始するためのタイミングであるとみてよい。区分作業開始時刻特定部224は、探索した時刻t1を玉掛け開始時刻t1として特定する。
【0081】
なお、第3の三次元座標閾値は、任意に設定されてよい。第3の三次元座標閾値は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって任意に設定されてよい。第3の三次元座標閾値は、クレーンを利用して行われる作業の実績に基づいて設定されるのが好ましい。また、第3の三次元座標閾値は、揚重開始座標(X,Y,Z)に基づいて算出され設定されたものであってもよい。
【0082】
なお、第3の三次元座標閾値を設定するかわりに、旋回角と起伏角それぞれについて予め定められた閾値が設定されてもよい。その場合、第3の三次元座標閾値は、旋回角と起伏角それぞれについて設定された閾値を用いて算出できる。
なお、旋回角と起伏角それぞれについて設定された閾値は、任意に設定されてよい。旋回角と起伏角それぞれについて設定された閾値は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって任意に設定されてよい。旋回角と起伏角それぞれについて設定された閾値は、クレーンを利用して行われる作業の実績に基づいて設定されるのが好ましい。
【0083】
なお、区分作業開始時刻特定部224は、以下の手順により玉掛け開始時刻を特定してもよい。具体的には、区分作業開始時刻特定部224は、探索対象の時系列旋回角データと時系列起伏角データとを利用して、仮開始時刻tsから対象の単位作業の1つ前の単位作業終了時刻までの期間内における時刻ごとの揚程とフック位置座標P(X,Y,Z)を求める。なお、クレーン100が起動した直後であって対象の単位作業の1つ前の単位作業が存在しない場合もある。その場合、区分作業開始時刻特定部224は、探索対象の時系列旋回角データと時系列起伏角データとを利用して、仮開始時刻tsからクレーンの起動時刻までの期間内における時刻ごとのフック位置座標P(X,Y,Z)を求める。次に、区分作業開始時刻特定部224は、求めた時刻ごとの揚程とフック位置座標P(X,Y,Z)とについて、時間を遡って解析する。この解析において、区分作業開始時刻特定部224は、揚重開始時刻t2におけるフック105aの位置を基準点として、三次元座標における、基準点から所定の距離の範囲外にフック105aが移動した時刻を探索する。所定の距離は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって予め定められた距離である。区分作業開始時刻特定部224は、探索した時刻を玉掛け開始時刻として特定する。
【0084】
前回の単位作業終了時点から対象の単位作業における玉掛け作業へ移行する時点では、フック105aの平面方向における位置だけでなく、フック105aの垂直方向における位置(揚程)も変化する場合がある。つまり、フック位置座標P(X,Y,Z)と揚程とに基づいて玉掛け開始時刻を探索することで、玉掛け開始時刻を探索する精度が高まる。したがって、上述のように、揚重開始時刻t2におけるフック105aの位置を基準点として、三次元座標における、基準点から所定の距離の範囲外にフック105aが移動した時刻を探索することで、玉掛け開始時刻についての探索の精度が高まる。
【0085】
なお、所定の距離は、任意に設定されてよい。所定の距離は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって任意に設定されてよい。所定の距離は、クレーンを利用して行われる作業の実績に基づいて設定されるのが好ましい。また、所定の距離は、揚重開始座標(X,Y,Z)に基づいて算出され設定されたものであってもよい。
【0086】
単位作業履歴情報管理部225は、区分作業開始時刻特定部224が上記のように探索した時刻に基づいて、単位作業における区分作業(玉掛け、揚重、調整、玉外し)ごとの区分作業時間(玉掛け時間、揚重時間、調整時間、玉外し時間)を算出する。
具体的に、まず、単位作業履歴情報管理部225は、区分作業開始時刻特定部224から玉掛け開始時刻t1と、揚重開始時刻t2と、調整開始時刻t3と、玉外し開始時刻t4と、単位作業終了時刻t5とを取得する。
【0087】
単位作業履歴情報管理部225は、玉掛け開始時刻t1を単位作業開始時刻t1として特定する。玉掛け開始時刻t1が存在しない場合、単位作業履歴情報管理部225は、揚重開始時刻t2を単位作業開始時刻t2として特定する。また、玉掛け開始時刻t1と揚重開始時刻t2のいずれも存在しない場合、単位作業履歴情報管理部225は、対象の単位作業の1つ前の単位作業の単位作業終了時刻を単位作業開始時刻として特定する。さらに、玉掛け開始時刻t1と揚重開始時刻t2のいずれも存在せず、また、クレーンの起動の直後であって対象の単位作業の1つ前の単位作業が存在しない場合もある。その場合、単位作業履歴情報管理部225は、クレーンの起動時刻を単位作業開始時刻として特定する。
【0088】
次に、単位作業履歴情報管理部225は、玉掛け開始時刻t1から揚重開始時刻t2までの時間を玉掛け時間として算出する。
単位作業履歴情報管理部225は、揚重開始時刻t2から調整開始時刻t3までの時間を揚重時間として算出する。
単位作業履歴情報管理部225は、調整開始時刻t3から玉外し開始時刻t4までの時間を調整時間として算出する。
単位作業履歴情報管理部225は、玉外し開始時刻t4から単位作業終了時刻t5までの時間を玉外し時間として算出する。
【0089】
また、単位作業履歴情報管理部225は、クレーン稼働情報に基づいて求めた運搬物の移動終了タイミングにおけるフック105aの位置を示す座標とクレーン稼働情報における荷重との組合せに対応付けられた運搬物情報を、運搬物管理情報から検索する。単位作業履歴情報管理部225は、検索した運搬物情報を、対応の単位作業の単位作業履歴情報に含める。
【0090】
具体的に、単位作業履歴情報管理部225は、玉外し開始時刻t4を運搬物の移動終了タイミングとして、玉外し開始時刻t4における玉外し開始座標(X,Y,Z)を取得する。玉外し開始時刻t4において、平面方向におけるフック位置である玉外し開始座標(X,Y,Z)は、運搬物の移動先とほぼ一致している。また、単位作業履歴情報管理部225は、最大荷重特定部223から最大荷重を取得する。そして、単位作業履歴情報管理部225は、運搬物管理情報における運搬物情報から、玉外し開始座標(X,Y,Z)と同じ座標と最大荷重が示す値と同じ値を持つ荷重とが対応付けられている運搬物情報を検索する。
【0091】
なお、運搬物情報を取得するにあたっての移動終了タイミングは、上記の玉外し開始時刻t4でなくともよい。例えば、調整作業が行われている場合には、調整開始時刻t3を移動終了タイミングとしてもよい。つまり、この場合の単位作業履歴情報管理部225は、調整開始時刻t3におけるフック位置座標P(X,Y,Z)と最大荷重とを取得すればよい。
【0092】
なお、単位作業履歴情報管理部225は、運搬物情報を取得するにあたって、例えば、運搬物に取り付けられたICタグやバーコードから取得される情報を利用してもよい。あるいは、単位作業履歴情報管理部225は、例えば、建設工事作業におけるオペレータが目視によって判断しシステム上で記録した運搬物の情報を利用してもよい。
【0093】
単位作業履歴情報管理部225は、区分作業開始時刻特定部224が特定した区分作業開始時刻と、算出した区分作業時間と、上記のように検索した運搬物情報とを含めて、
図5に示す単位作業履歴情報を生成する。なお、
図5の単位作業履歴情報における開始時刻における単位作業開始時刻と終了時刻における単位作業終了時刻は、それぞれ、区分作業開始時刻の算出に際して得られた玉掛け開始時刻t1と単位作業終了時刻t5とを反映させればよい。また、単位作業履歴情報における所要時間は、区分作業時間のそれぞれを合計する、あるいは、単位作業開始時刻から単位作業終了時刻までの時間を算出することにより得られる。
【0094】
[単位作業履歴情報テーブル生成のための処理手順例]
図9は、本実施形態における作業分析装置200において、単位作業履歴情報管理部225が1日分の単位作業履歴情報テーブルを生成するための処理手順例を示すフローチャートである。なお、単位作業履歴情報管理部225は、1つの単位作業に対応する単位作業履歴情報テーブルを生成するにあたり、仮時刻特定部222に、1つの単位作業における仮開始時刻と仮終了時刻とを特定させる。また、単位作業履歴情報管理部225は、最大荷重特定部223に、仮開始時刻から仮終了時刻までの期間における最大荷重を特定させる。また、単位作業履歴情報管理部225は、区分作業開始時刻特定部224に、1つの単位作業における区分作業開始時刻を特定させる。
【0095】
単位作業履歴情報管理部225は、1日における単位作業の順番に対応した番号を示す変数nについて初期値として1を代入する(ステップS901)。
また、単位作業履歴情報管理部225は、探索対象データとして、単位作業履歴情報テーブルを生成すべき日の日付に対応する時系列荷重データ、時系列揚程データ、時系列起伏角データ、時系列旋回角データをクレーン稼働情報記憶部231から読み込む(ステップS902)。
【0096】
単位作業履歴情報管理部225は、以降のステップS903〜S909により区分作業の区分に対応する開始時刻を探索するにあたり、仮時刻特定部222、最大荷重特定部223、及び区分作業開始時刻特定部224に、時系列荷重データ、時系列揚程データ、時系列起伏角データ、時系列旋回角データのうちから必要なデータを適宜対象として解析させる。
この際、1番目の単位作業との対応では、時系列荷重データ、時系列揚程データ、時系列起伏角データ、時系列旋回角データの先頭から解析を開始すればよい。また、2番目以降の単位作業の単位作業との対応では、時系列旋回角データ、時系列起伏角データ、時系列揚程データ、時系列荷重データについて、仮開始時刻及び仮終了時刻に基づいて解析を開始すればよい。
【0097】
単位作業履歴情報管理部225は、1つの単位作業における仮開始時刻と仮終了時刻とを、仮時刻特定部222に探索させる。仮時刻特定部222は、荷重が第1の荷重閾値を上回る状態に変化する時刻tsを探索する。仮時刻特定部222は、探索した時刻tsを仮開始時刻tsとして特定する。また、仮時刻特定部222は、特定した仮開始時刻tsから所定の時間が経過した時刻以降に荷重が第2の荷重閾値を上回る状態に変化する時刻のうち、tsに隣接する時刻teを探索する。仮時刻特定部222は、探索した時刻teを仮終了時刻teとして特定する(ステップS903)。
【0098】
次に、単位作業履歴情報管理部225は、仮開始時刻tsから仮終了時刻teまでの期間内における荷重の最大値を、最大荷重特定部223に探索させる。最大荷重特定部223は、仮開始時刻tsから仮終了時刻teまでの期間内において、荷重の最大値を探索する。最大荷重特定部223は、探索した荷重の最大値を最大荷重として特定する(ステップS904)。
【0099】
単位作業履歴情報管理部225は、区分作業に対応する各時刻を、以下のステップS905〜S909により、区分作業開始時刻特定部224に探索させる。
まず、区分作業開始時刻特定部224は、第1の係数を用いて、ステップS904において特定した最大荷重に基づいて第3の荷重閾値を設定する。また、区分作業開始時刻特定部224は、仮開始時刻tsから仮終了時刻teまでの期間内において、荷重の変化が増加傾向であって、荷重が設定した第3の荷重閾値を上回る状態に変化する時刻t2を探索する。区分作業開始時刻特定部224は、探索した時刻t2を基準時刻の1つである揚重開始時刻t2として特定する。さらに、区分作業開始時刻特定部224は、揚重開始時刻t2における揚重開始座標(X,Y,Z)を特定する(ステップS905)。
【0100】
次に、区分作業開始時刻特定部224は、第2の係数を用いて、ステップS904において特定した最大荷重に基づいて第4の荷重閾値を設定する。区分作業開始時刻特定部224は、仮開始時刻tsから仮終了時刻teまでの期間内において、荷重の変化が減少傾向であって、荷重が設定した第4の荷重閾値を下回る状態に変化する時刻t4を探索する。区分作業開始時刻特定部224は、探索した時刻t4を基準時刻の1つである玉外し開始時刻t4として特定する。さらに、区分作業開始時刻特定部224は、揚重開始時刻t4における玉外し開始座標(X,Y,Z)を特定する(ステップS906)。
【0101】
次に、区分作業開始時刻特定部224は、玉外し開始時刻t4から仮終了時刻teまでの期間内において、揚程が、玉外し開始座標(X,Y,Z)に対して稼働閾値の1つである第1の揚程閾値を上回って高くなった時刻t5を探索する。また、区分作業開始時刻特定部224は、玉外し開始時刻t4から仮終了時刻teまでの期間内における時刻ごとのフック位置座標P(X,Y,Z)が、玉外し開始座標(X,Y,Z)から稼働閾値の1つである第1の三次元座標閾値を上回って変化した位置となった時刻t6を探索する。区分作業開始時刻特定部224は、探索した時刻t5と探索した時刻t6のうち、玉外し開始時刻t4と隣接する時刻を単位作業終了時刻として特定する。例えば、
図8の例では、時刻t5が単位作業終了時刻t5として特定される。つまり、区分作業開始時刻特定部224は、時刻t5を単位作業終了時刻t5として特定する(ステップS907)。
【0102】
次に、区分作業開始時刻特定部224は、玉外し開始時刻t4から仮開始時刻tsまで遡って、フック位置座標P(X,Y,Z)が玉外し開始座標(X,Y,Z)に対して稼働閾値の1つである第2の平面座標閾値を上回って高くなった時刻t3を探索する。区分作業開始時刻特定部224は、探索した時刻t3を調整開始時刻t3として特定する(ステップS908)。
【0103】
なお、区分作業開始時刻特定部224は、玉外し開始時刻t4から仮開始時刻tsまで遡って、揚程とフック位置座標P(X,Y,Z)が示す位置が、玉外し開始時刻t4におけるフック105aの位置を基準点として、三次元座標における、基準点から所定の距離の範囲外の位置になった時刻を探索してもよい。この場合、区分作業開始時刻特定部224は、探索した時刻を調整開始時刻として特定してもよい。
【0104】
次に、区分作業開始時刻特定部224は、仮開始時刻tsから対象の単位作業の1つ前の単位作業終了時刻まで遡って、フック位置座標P(X,Y,Z)が揚重開始座標(X,Y,Z)から稼働閾値の1つである第3の三次元座標閾値を上回って変化した位置となった時刻t1を探索する。なお、クレーン100が起動した直後であって対象の単位作業の1つ前の単位作業が存在しない場合もある。その場合、区分作業開始時刻特定部224は、仮開始時刻tsからクレーンの起動時刻まで遡って、フック位置座標P(X,Y,Z)が、揚重開始座標(X,Y,Z)から第3の三次元座標閾値を上回って変化した位置となった時刻を探索する。区分作業開始時刻特定部224は、探索した時刻t1を玉掛け開始時刻t1として特定する(ステップS909)。
【0105】
なお、区分作業開始時刻特定部224は、仮開始時刻tsから対象の単位作業の1つ前の単位作業終了時刻まで遡って、揚程とフック位置座標P(X,Y,Z)が示す位置が、揚重開始時刻t2におけるフック105aの位置を基準点として、三次元座標における、基準点から所定の距離の範囲外の位置になった時刻を探索してもよい。この場合、区分作業開始時刻特定部224は、探索した時刻を玉掛け開始時刻として特定してもよい。
なお、クレーン100が起動した直後であって対象の単位作業の1つ前の単位作業が存在しない場合もある。その場合、区分作業開始時刻特定部224は、仮開始時刻tsからクレーンの起動時刻まで遡って、揚程とフック位置座標P(X,Y,Z)が示す位置が、揚重開始時刻t2におけるフック105aの位置を基準点として、三次元座標における、基準点から所定の距離の範囲外の位置になった時刻を探索し、探索した時刻を玉掛け開始時刻として特定してもよい。
【0106】
次に、単位作業履歴情報管理部225は、区分作業開始時刻特定部224が上記のように探索した時刻に基づいて、単位作業における区分作業ごとの区分作業時間を算出する(ステップS910)。
具体的に、まず、単位作業履歴情報管理部225は、区分作業開始時刻特定部224から玉掛け開始時刻t1と、揚重開始時刻t2と、調整開始時刻t3と、玉外し開始時刻t4と、単位作業終了時刻t5とを取得する。
単位作業履歴情報管理部225は、玉掛け開始時刻t1を単位作業開始時刻t1として特定する。玉掛け開始時刻t1が存在しない場合、単位作業履歴情報管理部225は、揚重開始時刻t2を単位作業開始時刻t2として特定する。また、玉掛け開始時刻t1と揚重開始時刻t2のいずれも存在しない場合、単位作業履歴情報管理部225は、対象の単位作業の1つ前の単位作業の単位作業終了時刻を単位作業開始時刻として特定する。
【0107】
単位作業履歴情報管理部225は、玉掛け開始時刻t1から揚重開始時刻t2までの時間を玉掛け時間として算出する。
単位作業履歴情報管理部225は、揚重開始時刻t2から調整開始時刻t3までの時間を揚重時間として算出する。
単位作業履歴情報管理部225は、調整開始時刻t3から玉外し開始時刻t4までの時間を調整時間として算出する。
単位作業履歴情報管理部225は、玉外し開始時刻t4から単位作業終了時刻t5までの時間を玉外し時間として算出する。
なお、ステップS910による区分作業時間の算出の処理については、算出の順序が変更されて構わない。
【0108】
また、単位作業履歴情報管理部225は、n番目の単位作業により運搬された運搬物についての運搬物情報を運搬物管理情報から検索する(ステップS911)。この際、単位作業履歴情報管理部225は、最大荷重が示す荷重と玉外し開始座標(X,Y,Z)を検索条件として、運搬物管理情報から運搬物情報を検索する。
【0109】
単位作業履歴情報管理部225は、ステップS905〜S910により探索した区分作業開始時刻と、ステップS910により算出した区分作業時間と、ステップS911により検索した運搬物情報を含む単位作業履歴情報#nを生成する。なお、運搬物情報には、最大荷重が示す荷重の値を、運搬物の荷重として含めてよい。
単位作業履歴情報管理部225は、生成した単位作業履歴情報#nを、該当の日付に対応する単位作業履歴情報テーブルに格納する(ステップS912)。
【0110】
次に、単位作業履歴情報管理部225は、変数nをインクリメントしたうえで(ステップS913)、変数nが、該当の日付において行われた単位作業数Nより大きいか否かについて判定する(ステップS914)。
変数nが単位作業数N以下である場合には(ステップS914;NO)、未だ単位作業履歴情報を生成していない単位作業が残っている。この場合、単位作業履歴情報管理部225は、ステップS903に戻ることにより、次の単位作業に対応する単位作業履歴情報を生成する処理に移行する。
そして、1日における全ての単位作業に対応する単位作業履歴情報#1〜#Nが生成され、単位作業履歴情報テーブルに格納されると、単位作業履歴情報管理部225は、変数nが単位作業数Nを越えたことを判定し(ステップS914;YES)、単位作業履歴情報生成のための処理を終了する。
この後、例えば他の1日分の単位作業履歴情報を生成する必要があれば、単位作業履歴情報管理部225は、他の1日分のクレーン稼働情報と運搬物管理情報とを利用して、同図に示す処理を実行すればよい。
【0111】
[日報の表示態様例]
本実施形態における作業分析装置200における作業実績情報出力部226は、上記のように生成された1日分の単位作業履歴情報を利用して、日報としての作業実績情報を生成することができる。また、作業実績情報出力部226は、生成した日報を、表示部205に表示させることができる。
ここで、作業実績情報出力部226が日報を表示するための制御は、例えば作業管理者等によって日報の表示を指示する操作が操作部204に対して行われるのに応じて実行されるようにすればよい。あるいは、作業実績情報出力部226は、予め定められた時刻において自動的に日報を表示部205に表示させるようにしてもよい。
【0112】
図10は、日報の表示態様例を示している。同図に示す日報は、1〜Nの作業番号ごとに、運搬物、荷重、開始時刻、終了時刻、所要時間及び作業時間内訳の各項目が表示されている。
作業番号の項目は、1日において行われた単位作業のそれぞれに付した番号が表示される。作業番号は、例えば単位作業が行われた順番と対応している。
運搬物の項目には、対応の単位作業により運搬された運搬物を示す情報として、例えば運搬物の名称が表示される。運搬物の項目の内容には、単位作業履歴情報における運搬物情報の内容が反映される。
荷重の項目には、対応の単位作業の下で運搬物を揚重した際に測定された荷重が表示される。
開始時刻の項目には、対応の単位作業が開始された時刻(単位作業開始時刻)が表示される。
終了時刻の項目には、対応の単位作業が終了した時刻が表示される。
所要時間の項目には、対応の単位作業に要した時間が表示される。
【0113】
区分作業時間の項目は、さらに、玉掛地切、移動取付、玉外し、復帰、合計時間の項目を含む。
玉掛地切の項目には、例えば、玉掛けされた運搬物が地切りした時刻が表示される。玉掛けされた運搬物が地切りした時刻は、例えば、揚重開始時刻である。
移動取付の項目には、例えば、地切りした状態から運搬物が移動されて取り付けが行われるまでの時間が表示される。地切りした状態から運搬物が移動されて取り付けが行われるまでの時間は、例えば、揚重時間と調整作業とを合算した時間である。
玉外しの項目には、玉外し作業に要した時間が表示される。
復帰の項目には、玉外しが完了してから、次の単位作業のために運搬物が置かれた位置にまでクレーン100の位置を復帰させるのに要した時間が表示される。玉外しが完了してから、次の単位作業のために運搬物が置かれた位置にまでクレーン100の位置を復帰させるのに要した時間は、例えば、対象の単位作業終了時刻から、それに続く単位作業の単位作業開始時刻までの時間である。
合計時間の項目には、上記の玉掛地切、移動取付、玉外し、復帰のそれぞれの作業に要した時間の合計が示される。
【0114】
作業実績情報出力部226は、
図10の日報における運搬物と荷重の項目の表示内容について、単位作業履歴情報における運搬物情報を利用して生成することができる。
また、
図10の日報における開始時刻と終了時刻に表示される時刻は、単位作業履歴情報における開始時刻及び終了時刻を利用して生成することができる。
図10の日報における所要時間は、単位作業履歴情報における所要時間を利用して生成することができる。
【0115】
また、作業時間内訳における玉掛地切、移動取付、玉外し、復帰の各項目に表示される時間または時刻は、単位作業履歴情報における区分作業開始時刻(玉掛け開始時刻、揚重開始時刻、調整開始時刻、玉外し開始時刻)及び区分作業時間(移動時間、玉掛け時間、揚重時間、調整時間、玉外し時間)のうちの所定の情報を利用して生成することができる。一例として、業時間内訳における玉外しに表示させるべき時間は、単位作業履歴情報における玉外し時間を利用して生成すればよい。
【0116】
[日報の表示のための処理手順例]
図11のフローチャートは、作業実績情報出力部226が日報を表示させるための処理手順例を示している。
図11に示す処理は、操作部204に対して日報の表示を指示する操作が行われるのに応じて実行される。
作業実績情報出力部226は、日報の表示を指示する操作によって指定された日付のクレーン稼働情報と単位作業履歴情報とを、それぞれ、クレーン稼働情報記憶部231と単位作業履歴情報記憶部232から取得する(ステップS1101)。
作業実績情報出力部226は、指定された日付における単位作業ごとの項目において表示させるべきデータを、ステップS1101により取得したクレーン稼働情報と単位作業履歴情報とを利用して生成する(ステップS1102)。このように、ステップS1102にて作業実績情報出力部226が生成したデータを含む全体の情報が本実施形態における作業実績情報であり、日報を表示させるための日報データである。
作業実績情報出力部226は、ステップS1102により生成したデータを利用して表示部205に日報を表示させる(ステップS1103)。
なお、作業実績情報出力部226は、ステップS1102により生成した作業実績情報を記憶部203に記憶させて保存するようにしてもよい。
【0117】
以上のように、本実施形態における作業分析装置200は、クレーンを使用する作業において、単位作業における区分作業ごとの区分作業開始時刻を特定することができる。また、作業分析装置200は、単位作業における区分作業ごとに要した区分作業時間を算出することができる。そのうえで、作業分析装置200は、特定した区分作業開始時刻と算出した区分作業時間とを利用して、例えば、
図10に示した日報において、単位作業ごとにおける作業時間の内訳等を表示させることができる。
つまり、本実施形態における作業分析装置200は、クレーン作業として行われる1揚重サイクルに対応した単位作業を同一の判断基準で作業分類できる。また、作業分析装置200は、クレーン作業として行われる1揚重サイクルに対応した単位作業における区分作業ごとの時間を管理することができる。これにより、例えば、区分作業ごとの作業状況を効率的、かつ、的確に把握することが可能になるために、工事の効率化や遅延の改善等を有効に図っていくことが可能になる。
【0118】
また、本実施形態における作業分析装置200は、時系列荷重データの変化を時系列にしたがって解析していく。この解析において、作業分析装置200は、荷重が第1の荷重閾値を上回る状態に変化する仮開始時刻tsを探索する。また、作業分析装置200は、仮開始時刻tsから所定の時間が経過した後の時系列荷重データの変化を時系列にしたがって解析していく。この解析において、作業分析装置200は、荷重が第2の荷重閾値を上回る状態に変化する仮終了時刻teを探索する。これにより、暫定的に、作業分析装置200は、クレーン作業として行われる1揚重サイクルに対応した単位作業に相当する期間を定める。これにより、作業分析装置200は、解析の対象となる期間を限定することができる。これにより、クレーン作業として行われる1揚重サイクルに対応した単位作業における区分作業ごとの区分作業開始時刻の探索の精度が高まる。
【0119】
また、上述した本実施形態における作業分析装置200は、仮終了時刻teを探索するにあたり、仮開始時刻tsから所定の時間が経過した後の時系列荷重データの変化を時系列にしたがって解析していく。これにより、運搬物の吊り直し等により荷重が第2の荷重閾値付近で変動する影響を除去することができる。つまり、運搬物の吊り直し等による荷重の変動に影響されずに、仮終了時刻teを探索することができる。したがって、解析の対象となる期間を限定する精度が高まる。これにより、クレーン作業として行われる1揚重サイクルに対応した単位作業における区分作業ごとの区分作業開始時刻の探索の精度が高まる。
【0120】
また、上述した本実施形態における作業分析装置200は、仮開始時刻tsから仮終了時刻teまでの期間内において、最大荷重を特定する。作業分析装置200は、特定した最大荷重に基づいて、第3の荷重閾値及び第4の荷重閾値を設定する。作業分析装置200は、設定した第3の荷重閾値と、設定した第4の荷重閾値と、時系列荷重データとに基づいて揚重開始時刻t2、玉外し開始時刻t4を探索する。つまり、旋回角、起伏角及び揚程は探索対象ではなくなる。これにより、揚重開始時刻t2、玉外し開始時刻t4についての探索の精度が高まる。
【0121】
ところで、時系列荷重データに含まれる荷重の値は、ワイヤー104に懸る張力を荷重センサ114で検出したものである。このため、ワイヤー104自体の重量等により、例えば、運搬物がフック105aに吊られていない場合であっても、検出される荷重が0を示さない場合もある。したがって、運搬物がフック105aに吊られているか否かを荷重に基づいて判定し、判定した結果に基づいて単位作業における区分作業ごとの区分作業開始時刻を特定しようとすると、誤った開始時刻を特定してしまう場合もある。
【0122】
これに対して、上述した本実施形態における作業分析装置200は、最大荷重に基づいて、揚重開始時刻t2と玉外し開始時刻t4とを探索する。さらに、作業分析装置200は、揚重開始座標(X,Y,Z)と玉外し開始座標(X,Y,Z)とに基づいて、調整開始時刻t3と玉掛け開始時刻t1とを探索する。つまり、作業分析装置200は、単位作業における区分作業ごとの区分作業開始時刻の探索において、荷重に基づいて運搬物がフック105aに吊られているか否かを判定することはない。つまり、作業分析装置200は、荷重に基づいて運搬物がフック105aに吊られているか否かを判定した結果に基づいて誤った開始時刻を特定することはない。これにより、クレーン作業として行われる1揚重サイクルに対応した単位作業における区分作業ごとの区分作業開始時刻の探索の精度が高まる。
【0123】
なお、これまでの説明においては、事務所2に設置された作業分析装置200によりクレーン作業の履歴、実績の情報を管理するようにしているが、例えば、クレーン100内に備えたコンピュータシステムによっても作業分析装置200と同等の機能が実行されるようにしてもよい。
また、これまでの説明においては、クレーン100がタワークレーンである場合を例に挙げているが、例えばクレーン100が移動式クレーン等である場合にも適用できる。
【0124】
なお、上述のクレーン100や作業分析装置200の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のクレーン100、作業分析装置200の処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0125】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。