(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
以下、本開示の第1実施形態のLED照明装置について、
図1、
図2、
図3、
図4A、及び
図4Bを用いて説明する。なお、照明装置が天井に取り付けられた場合に天井側を上方UDとし、床側を照明装置の下方LDとして説明する場合がある。
【0016】
図2に示すように、複数のLED素子10を有する光源ユニット1A,1Bと、LED素子10に電力を供給する電源部2と、光源ユニット1A,1Bが取り付けられるフレーム本体30と、天井等の被取付面にフレーム本体30を取り付けるため取付部材31と、LED素子10を覆う透光性カバー4と、光源ユニット1A,1B及び電源部2をフレーム本体30と共に覆うカバーフレーム32と、を有する。カバーフレーム32は、透光性カバー4を露出する矩形状の開口32hを有する。LED素子10が発光した光は、透光性カバー4及びカバーフレーム32の開口32hを通過して被照射面に至る。LED素子10から被照射面に至る光の経路には、筒状反射体12及び透光性カバー4のみが存在する。なお、図示の都合上、
図2以外の図には透光性カバー4を図示していない。
【0017】
本実施形態では、
図3に示すように、下方LDから上方UDを見た平面視において、2つの光源ユニット1A,1Bが間隔を開けて配置されている。2つの光源ユニット1A,1Bの間に電源部2が配置されている。このように、上下方向に沿って見た場合に、光源ユニット1A,1Bと電源部2が重ならないので、光源ユニットの放熱効果を向上させている。
図2に示すように、2つの光源ユニット1A,1B及び電源部2は、フレーム本体30に固定されている。フレーム本体30は、一対の起立片30aが端に形成されている。取付部材31は、側面視でU字状をなし、一対の起立片30aにネジ止めされる。LED照明装置は、下方を向く姿勢で取り付けられるのであれば、真下を向いていても斜め下を向いていてもよい。
【0018】
図2に示すように、光源ユニット1A,1Bは、複数のLED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)素子10と、複数のLED素子10が取り付けられる放熱部材11と、複数のLED素子10のそれぞれに対応して設けられる筒状反射体12と、を有する。放熱部材11は、アルミなどの伝熱性を有する金属部材で形成され、LED素子が取り付けられる平板状の素子取付面11aと、素子取付面11aの裏側へ起立する放熱フィン11bとを有する。素子取付面11aと放熱フィン11bとは同部材に一体に形成されている。本実施形態では、LED素子10が4つ設けられる。LED素子10は、1つあたりの消費電力が
0.8W以上且つ2W以下であるハイパワーLEDである。勿論、LED素子10の数や素子1つの消費電力は適宜変更可能である。例えば、素子1つの消費電力として
1Wにすることが好ましい。
【0019】
図2に示すように、LED素子10は、素子10で生ずる熱を素子取付面11aに伝熱可能に面接触した状態で取り付けられている。本実施形態では、LED素子10はネジなどの締着具で素子取付面11aに固定されているが、固定方法はこれに限定されない。複数のLED素子10は、筒状反射体12に対応して1列に等間隔で配置されている。
図2及び
図3に示すように、複数のLED素子10は、各々の発光面の中心が素子取付面11aの幅方向の中心線上(例えば
図3のA−A補助線)にあるように取り付けられている。勿論、LED素子10の配置はこれに限定されず、種々変更可能である。
【0020】
筒状反射体12は、内面が反射面に形成されており、LED素子10から発光される光の入射側開口13及び平面視にて入射側開口13よりも拡がった出射側開口14を有する。
図4A及び
図4Cに示すように、反射面は、回転放物面に形成されており、回転軸ax及び焦点fpが設定される。出射側開口14を形成する開口縁14sは同一平面sf上に形成されている。なお、本実施形態では、LED素子10の発光面の中心と回転放物面の焦点fpが一致しているが、これに限定されない。例えば、LED素子10の発光面の中心と回転放物面の焦点fpが一致していなくてもよい。
【0021】
図3に示すように、出射側開口14を形成する開口縁14sは、第1方向D
1の幅W
1が、第1方向D
1に直交する第2方向D
2の幅W
2よりも大きい。それは、
図4A及び
図4Cに示すように、開口縁14sを通る平面sfの垂線plに対して、回転放物面の回転軸axが傾斜しているからである。本実施形態では、開口縁14sの形状は楕円形状である。なお、反射面は回転放物面であるが、これに限定されず、テーパ状の平坦面でもよい。
【0022】
図3に示すように、第1光源ユニット1Aを構成する第1〜4の筒状反射体(12A〜D)は、平面視で第1直線L
1に沿って一列に配列されている。各々の筒状反射体(12A〜12D)の第1方向D
1が列方向CDに一致している。
図3、
図4A及び
図4Cに示すように、第1〜4の筒状反射体(12A〜12D)の回転軸axは、出射側開口14が平面視で列方向CDの一方CD1を向くように、素子取付面11aに対して(つまり、平面sfの垂線plに対して)傾斜している。第1〜4の筒状反射体(12A〜12D)の傾斜角度(θ
A、θ
B、θ
C、θ
D)は、それぞれ5度、10度、20度、20度である。すなわち、第1〜3の筒状反射体(12A〜12C)のうち少なくとも2つの筒状反射体は、入射側開口13の中心と出射側開口14の中心とを結ぶ中心軸(回転軸ax)が非平行に設定されている。同様に、少なくとも2つの筒状反射体は、平面視で列方向のうち反傾斜側CD2から傾斜側CD1に向かって中心軸の傾斜角度が大きくなるように配置されている。
【0023】
列方向CDのうち最も傾斜側CD1にある筒状反射体12Dと、当該筒状反射体12Dの隣にある筒状反射体12Cとは、中心軸の傾斜角度が同一に設定されている。最も傾斜角度が大きい筒状反射体は、列方向に隣り合って複数設けられている。この構成によれば、最も遠方を照らす傾斜角度を有する筒状反射体を複数(例えば12C、12D)設けることで、補強効果により最も遠方の照度を適切に確保可能となる。勿論、最大傾斜角度だけでなく、所定の傾斜角度を有する筒状反射体を複数設けてもよい。そうすれば、特定のポイントを明るく照らすことも可能となる。
【0024】
図4A及び
図4Cに示すように、第1〜4の筒状反射体(12A〜12D)は、出射側開口14を形成する開口縁14s同士が連結板15で接続され、連結板15と共に一体に形成されている。第1〜4の筒状反射体(12A〜12D)は、樹脂製であることが好ましい。なお、本実施形態では、一列に並ぶ複数の筒状反射体12が一体で形成されているが、各々の個別に形成して、素子取付面11aに実装してもよい。
【0025】
図3に示すように、第2光源ユニット1Bを構成する第5〜8の筒状反射体(12E〜12H)は、平面視で第2直線L
2に沿って一列に配列されている。各々の筒状反射体(12E〜12H)の第1方向D
1が列方向CDに一致している。第1直線L
1と第2直線L
2は平行である。
図3及び
図4Bに示すように、第5〜8の筒状反射体(12E〜12H)の回転軸axは、出射側開口14が平面視で列方向CDの他方CD2を向くように、素子取付面11aに対して(つまり、平面sfの垂線plに対して)傾斜している。第5〜8の筒状反射体(12E〜12H)の傾斜角度(θ
E、θ
F、θ
G、θ
H)は、それぞれ5度、10度、20度、20度である。すなわち、第5〜7の筒状反射体(12E〜12G)のうち少なくとも2つの筒状反射体は、入射側開口13の中心と出射側開口14の中心とを結ぶ中心軸が非平行に設定されている。同様に、少なくとも2つの筒状反射体は、平面視で列方向CDのうち反傾斜側CD1から傾斜側CD2に向かって中心軸の傾斜角度が大きくなるように配置されている。
【0026】
図4Bに示すように、第5〜8の筒状反射体(12E〜12H)は、出射側開口14を形成する開口縁14s同士が連結板15で接続され、連結板15と共に一体に形成されている。第5〜8の筒状反射体は、樹脂製であることが好ましい。
【0027】
図3に示すように、第1光源ユニット1Aは、少なくとも2つの筒状反射体(12A〜12D)が、平面視で第1直線L
1に沿って一列に配置された第1群G1を有する。第2光源ユニット1Bは、少なくとも2つの筒状反射体(12E〜12H)が、平面視で第1直線L
1と平行な第2直線L
2に沿って一列に配置された第2群G2を有する。列方向CDに直交する方向に沿って見た場合に、第1群G1を構成する筒状反射体(12A〜12D)と第2群G2を構成する筒状反射体(12E〜12H)は、少なくとも一部が重なり合う位置に配置されている。第1群G1を構成する筒状反射体(12A〜12D)は、列方向CDのいずれか一方CD1を向いている。第2群G2を構成する筒状反射体(12E〜12H)は、列方向のいずれか他方CD2を向いている。
【0028】
このように、列方向CDに直交する方向から見て、第1群G1及び第2群G2が重なりあうので、列方向CDの寸法を抑えることができる。また、第1群G1が列方向CDの一方CD1を照らし、第2群G2が列方向CDの他方CD2を照らすので、列方向CDの両側の照度を十分に確保することが可能となる。
【0029】
本実施形態では、開口縁14sの形状は、楕円形状であるが、これに限定されない。例えば、長方形、ひし形などでもよい。
【0030】
<第2実施形態>
第2実施形態のLED照明装置について、
図5〜6を用いて説明する。第2実施形態のLED照明装置は、第2光源ユニット1Bの筒状反射体12の構造が第1実施形態と異なる。
【0031】
図5、
図6A、及び
図6Bに示すように、第1光源ユニット1Aは、少なくとも2つの筒状反射体(12A〜12D)が、平面視で第1直線L
1に沿って一列に配置された第1群G1を有する。第2光源ユニット1Bは、少なくとも2つの筒状反射体(12E〜12H)が、平面視で第1直線L
1と平行な第2直線L
2に沿って一列に配置された第2群G2を有する。列方向CDに直交する方向に沿って見た場合に、第1群G1を構成する筒状反射体(12A〜12D)と第2群G2を構成する筒状反射体(12E〜12H)は、少なくとも一部が重なり合う位置に配置されている。第1群G1を構成する筒状反射体(12A〜12D)および第2群G2を構成する筒状反射体(12E〜12H)は、いずれも列方向CDのいずれか一方CD1を向いている。
【0032】
図6A及び
図6Bに示すように、第1光源ユニット1A及び第2光源ユニット1Bを構成する各々の筒状反射体12の傾斜角度は、第1実施形態の第1光源ユニット1Aと同じである。
【0033】
このように、列方向CDに直交する方向から見て、第1群G1及び第2群G2が重なりあうので、列方向CDの寸法を抑えることができる。また、第1群G1及び第2群G2が共に列方向CDの一方CD1を照らすので、廊下の端に置くのに適している。
【0034】
<第3実施形態>
第3実施形態のLED照明装置について、
図7〜9を用いて説明する。第3実施形態のLED照明装置は、
図7〜9に示すように、第2実施形態の第1光源ユニット1A及び第2光源ユニット1Bを1セットとし、2セットを列方向に沿って配置し、第1セットK1の光源ユニット1A,1Bが列方向CDのいずれか一方CD1を向き、第2セットK2の光源ユニット1A,1Bが列方向CDのいずれか他方CD2を向くように、第2実施形態の装置を2つ連結したものである。
【0035】
以上のように、第1〜第3実施形態のLED照明装置は、
高所の天井に取り付けられる照明装置であって、
複数のLED素子10と、
複数のLED素子10のそれぞれに対応して設けられ、LED素子10から発光される光の入射側開口13及び平面視にて入射側開口13よりも拡がった出射側開口14を有し、内面が反射面に形成された筒状反射体12と、を備える。
出射側開口14を形成する開口縁14sは、第1方向D
1の幅W
1が、第1方向D
1に直交する第2方向D
2の幅W
2よりも大きい。
【0036】
このように、筒状反射体12の出射側開口14を形成する開口縁14sは、第2方向D
2の幅W
2よりも第1方向D
1の幅W
1が大きく形成されているので、出射側開口14を出た光は、第2方向D
2よりも第1方向D
1に拡がり一方向に長い領域に配光される。それでいて、筒状反射体12であれば、拡散シートに比べて光が拡がりすぎず、発光を遠方に到達させることができる。さらに、筒状反射体12だけで一方向に長く拡がる配光が実現できるので、集光レンズなどの他の部材を用いずにコストを抑制することが可能となる。
【0037】
第1〜第3実施形態において、少なくとも2つの筒状反射体(例えば12A,12B,12C)は、平面視で一列に並んでおり、各々の第1方向D
1が列方向CDに一致しており、入射側開口13の中心と出射側開口14の中心とを結ぶ中心軸が非平行に設定されている。
【0038】
この構成によれば、筒状反射体12が平面視で一列に並び且つ各々の第1方向D
1が列方向CDに一致しているので、ある一つの筒状反射体(例えば12A)が照射する領域と、他の一つの筒状反射体(例えば12B)が照射する領域に重なりが生じるので、十分に照度を確保可能となる。
【0039】
筒状反射体12の中心軸が鉛直方向に沿う場合には、真下を照射することになり、細長い領域に配光されにくい。一方、筒状反射体12の中心軸が鉛直方向に交差する場合には、斜め下を照射することになり、一方向に沿って長い領域に配光されやすい。第1方向D
1が一致している2つの筒状反射体(例えば12A,12B)の中心軸が非平行であれば、一方の筒状反射体が真下を向いたとしても、他方の筒状反射体は、第1方向D
1に沿って斜め下を向くことになる。したがって、第1方向D
1に沿って細長い領域に照度を確保しやすくなる。
【0040】
第1〜第3実施形態において、少なくとも2つの筒状反射体(例えば12A,12B,12C)は、出射側開口14が平面視で列方向CDのいずれか一方CD1を向くように傾斜している。
【0041】
この構成によれば、列方向CDを廊下の長手方向にあわせれば、廊下に沿って複数の筒状反射体12が配置され、且つ、各々の筒状反射体12が廊下の長手方向の一方を向くことになるので、廊下に適した照明が可能となる。
【0042】
第1〜第3実施形態において、少なくとも2つの筒状反射体(例えば12A,12B,12C)は、平面視で列方向CDのうち反傾斜側CD2から傾斜側CD1に向かって中心軸の傾斜角度が大きくなるように配置されている。
【0043】
この構成によれば、平面視で列方向CDのうち傾斜側CD1にある筒状反射体の中心軸の傾斜角度が大きいので、傾斜側CD1の遠方と反傾斜側CD2の近場との両方を照らすことができる。
【0044】
第1〜第3実施形態において、少なくとも2つの筒状反射体(例えば12A,12B,12C,12D)は、開口縁14sが面一に形成されており、出射側開口14を形成する開口縁14s同士が連結板15で接続されている。
【0045】
この構成によれば、筒状反射体12の出射側開口14を形成する開口縁14sが面一なので、隣り合う筒状反射体12の高さ違いによる遮光がなく、複数の筒状反射体12を適切に配置可能になる。また、複数の筒状反射体12の高さを均一化させることも可能であり、組み付けが容易となる。さらに、出射側開口14を形成する開口縁14s同士が連結板15で接続されているので、成形と組み立てが容易となる。
【0046】
第1実施形態において、少なくとも2つの筒状反射体(12A〜12D)が、平面視で第1直線L
1に沿って一列に配置された第1群G1と、少なくとも2つの筒状反射体(12E〜12H)が、平面視で第1直線L
1と平行な第2直線L
2に沿って一列に配置された第2群G2と、を含む。列方向CDに直交する方向に沿って見た場合に、第1群G1を構成する筒状反射体(12A〜12D)と第2群G2を構成する筒状反射体(12E〜12H)は、少なくとも一部が重なり合う位置に配置されている。第1群G1を構成する筒状反射体(12A〜12D)は、列方向CDのいずれか一方CD1を向いており、第2群を構成する筒状反射体(12E〜12H)は、列方向CDのいずれか他方CD2を向いている。
【0047】
この構成によれば、列方向CDに直交する方向から見て、第1群G1及び第2群G2が重なりあうので、列方向CDの寸法を抑えることができる。また、第1群G1が列方向CDの一方CD1を照らし、第2群G2が列方向CDの他方CD2を照らすので、列方向CDの両側の照度を十分に確保することが可能となる。
【0048】
第2実施形態において、少なくとも2つの筒状反射体(12A〜12D)が、平面視で第1直線L
1に沿って一列に配置された第1群G1と、少なくとも2つの筒状反射体(12E〜12H)が、平面視で第1直線L
1と平行な第2直線L
2に沿って一列に配置された第2群G2と、を含む。列方向CDに直交する方向に沿って見た場合に、第1群G1を構成する筒状反射体(12A〜12D)と第2群G2を構成する筒状反射体(12E〜12H)は、一部が重なり合う位置に配置されている。第1群G1及び第2群G2を構成する筒状反射体(12A〜12H)は、いずれも列方向CDのいずれか一方CD1を向いている。
【0049】
この構成によれば、列方向CDに直交する方向から見て、第1群G1及び第2群G2が重なりあうので、列方向CDの寸法を抑えることができる。また、第1群G1及び第2群G2が共に列方向CDの一方CD1を照らすので、廊下の端に置くのに適している。
【0050】
本開示は上述した実施形態に何ら限定されるものではない。上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
【0051】
例えば、上記実施形態では、LED素子10の発光面の中心は、筒状反射体12の焦点fpに一致しているが、一致していなくてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、筒状反射体1つあたり1つのLED素子10が対応して設けられているが、筒状反射体1つあたり複数のLED素子10が対応して設けられていてもよい。
【0053】
上記実施形態では、各々の筒状反射体12の長手方向(第1方向D
1)が全て一致しているが、一致させてなくてもよい。