(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1スイッチング素子及び前記第5スイッチング素子がオン、前記第4スイッチング素子がオフとなり、前記保持容量素子に前記第3スイッチング素子を介して前記第2信号線からリファレンス電位が印加され、前記第3電源線から前記駆動トランジスタの前記入出力端子の他方に第3電位が印加されるリセット期間と、
前記第1スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子がオンとなり、前記第5スイッチング素子がオフとなり、前記保持容量素子の前記他方の端子に前記第2スイッチング素子を介して前記第1信号線からデータ信号に基づく電位が与えられ、前記第1電源線から前記駆動トランジスタの前記入出力端子の他方に第1電位が印加される信号書込及びオフセットキャンセル期間と、
前記第1スイッチング素子がオフ、前記第4スイッチング素子及び前記第5スイッチング素子がオンとなり、前記保持容量素子の他方の端子に前記第3スイッチング素子を介してリファレンス電位が印加され、前記第1電源線から前記駆動トランジスタを介して流れる電流によって前記発光素子が発光する発光期間と、を含む請求項1に記載の表示装置。
前記第1スイッチング素子及び前記第5スイッチング素子がオン、前記第4スイッチング素子がオフとなり、前記保持容量素子に前記第3スイッチング素子を介して前記第2信号線からリファレンス電位が印加され、前記第3電源線から前記駆動トランジスタの前記入出力端子の他方に第3電位が印加されるリセット期間と、
前記第1スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子がオンとなり、前記第5スイッチング素子がオフとなり、前記保持容量素子の前記他方の端子に前記第2スイッチング素子を介して前記第1信号線からデータ信号に基づく電位が与えられ、前記第1電源線及び前記第3電源線から前記駆動トランジスタの前記入出力端子の他方に第1電位が印加される信号書込及びオフセットキャンセル期間と、
前記第1スイッチング素子がオフ、前記第4スイッチング素子及び前記第5スイッチング素子がオンとなり、前記保持容量素子の他方の端子に前記第3スイッチング素子を介してリファレンス電位が印加され、前記第1電源線及び前記第3電源線から前記駆動トランジスタを介して流れる電流によって前記発光素子が発光する発光期間と、を含む請求項1に記載の表示装置。
前記第1スイッチング素子、前記第2スイッチング素子及び前記第5スイッチング素子が一導電型のトランジスタで設けられ、前記第3スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子が一導電型とは逆の導電型のトランジスタで設けられる、請求項1に記載の表示装置。
前記第1スイッチング素子、前記第2スイッチング素子、前記第5スイッチング素子及び前記第6スイッチング素子が一導電型のトランジスタで設けられ、前記第3スイッチング素子、前記第4スイッチング素子及び前記第7スイッチング素子が一導電型とは逆の導電型のトランジスタで設けられる、請求項1に記載の表示装置。
少なくとも2つの入出力端子と、前記2つの入出力端子間を流れる電流を制御するゲートとを備えた駆動トランジスタと、前記入出力端子の一方と前記ゲートとの接続を制御する第1スイッチング素子と、一方の端子が前記ゲートに接続される保持容量素子と、前記保持容量素子の他方の端子と、データ信号が与えられる第1信号線との接続を制御する第2スイッチング素子と、前記第2スイッチング素子と並列に配置され、前記保持容量素子の他方の端子と、リファレンス信号が与えられる第2信号線との接続を制御する第3スイッチング素子と、前記入出力端子の他方と、第1電位が与えられる第1電源線との接続を制御する第4スイッチング素子と、前記駆動トランジスタから一方の端子に駆動電流が供給され、他方の端子が前記第1電位より低電位の第2電位を与える第2電源線と接続される発光素子と、前記駆動トランジスタの一方の端子と前記発光素子の一方の端子との間の接続を制御する第5スイッチング素子と、を含み、前記駆動トランジスタは、前記入出力端子の他方に、前記第1電位より低く前記第2電位よりも高い第3電位の印加を制御する第6スイッチング素子と接続された第3電源線が接続された画素を有する表示装置の駆動方法であって、
リセット期間において、前記第1スイッチング素子及び前記第5スイッチング素子がオン、前記第4スイッチング素子がオフとなり、前記保持容量素子に前記第3スイッチング素子を介して前記第2信号線からリファレンス電位が印加され、前記第3電源線から前記駆動トランジスタの前記入出力端子の他方に第3電位が印加され、
信号書込及びオフセットキャンセル期間において、前記第1スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子がオンとなり、前記第5スイッチング素子がオフとなり、前記保持容量素子の前記他方の端子に前記第2スイッチング素子を介して前記第1信号線からデータ信号に基づく電位が与えられ、前記第1電源線から前記駆動トランジスタの前記入出力端子の他方に第1電位が印加され、
発光期間において、前記第1スイッチング素子がオフ、前記第4スイッチング素子及び前記第5スイッチング素子がオンとなり、前記保持容量素子の他方の端子に前記第3スイッチング素子を介してリファレンス電位が印加され、前記第1電源線から前記駆動トランジスタを介して流れる電流によって前記発光素子が発光する、ことを含み、
前記第3電源線は、前記第1電位の印加を制御する第7スイッチング素子とも接続され、
前記信号書込及びオフセットキャンセル期間において、前記第1電源線及び前記第3電源線から前記駆動トランジスタの前記入出力端子の他方に前記第1電位が印加され、
前記第1電源線が列方向に配設され、前記第3電源線が行方向に配設され、前記第1電源線及び前記第3電源線から、前記駆動トランジスタの前記入出力端子の他方に前記第1電位が印加される、
ことを特徴とする表示装置の駆動方法。
前記発光期間において、前記第1スイッチング素子は、前記第1スイッチング素子をオンにする第1電圧レベルよりも低く、前記第1スイッチング素子をオフにする第2電圧レベルよりも高い第3電圧レベルの制御信号が印加される、請求項9に記載の表示装置の駆動方法。
前記第1画素乃至前記第4画素のそれぞれにおいて、前記第1スイッチング素子及び前記第5スイッチング素子がオン、前記第4スイッチング素子がオフとなり、前記保持容量素子に前記第3スイッチング素子を介して前記第2信号線からリファレンス電位が印加され、前記第3電源線から前記駆動トランジスタの前記入出力端子の他方に第3電位が印加されるリセット期間と、
前記第1画素及び第2画素においてそれぞれ、前記第1スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子がオンとなり、前記第5スイッチング素子がオフとなり、前記保持容量素子の前記他方の端子に前記第2スイッチング素子を介して前記第1信号線からデータ信号に基づく電位が与えられ、前記第1電源線から前記駆動トランジスタの前記入出力端子の他方に第1電位が印加され、かつ前記第3画素及び前記第4画素においてそれぞれ、第1スイッチング素子がオフである第1の信号書込及びオフセットキャンセル期間と、
前記第3画素及び第4画素においてそれぞれ、前記第1スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子がオンとなり、前記第5スイッチング素子がオフとなり、前記保持容量素子の前記他方の端子に前記第2スイッチング素子を介して前記第1信号線からデータ信号に基づく電位が与えられ、前記第1電源線から前記駆動トランジスタの前記入出力端子の他方に第1電位が印加され、かつ前記第1画素及び前記第2画素においてそれぞれ、第1スイッチング素子がオフである第2の信号書込及びオフセットキャンセル期間と、
前記第1画素乃至前記第4画素のそれぞれにおいて、前記第1スイッチング素子がオフ、前記第4スイッチング素子及び前記第5スイッチング素子がオンとなり、前記保持容量素子の他方の端子に前記第3スイッチング素子を介してリファレンス電位が印加され、前記第1電源線から前記駆動トランジスタを介して流れる電流によって前記発光素子が発光する発光期間と、を含む請求項11に記載の表示装置。
前記第1画素乃至前記第4画素のそれぞれにおいて、前記リセット期間と前記第1および第2の信号書込及びオフセットキャンセル期間との間に、前記第1スイッチング素子がオフとなり、前記第2スイッチング素子がオフ及び第3スイッチング素子がオンの状態を維持して記保持容量素子に前記第3スイッチング素子を介して前記第2信号線からリファレンス電位が印加され、前記第5スイッチング素子がオンからオフに変化し、続いて前記第4スイッチング素子がオフからオンに変化し、第6スイッチング素子がオンからオフに変化して、前記駆動トランジスタの前記入出力端子の他方に第1電位が印加される、待機期間をさらに有する、請求項12に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0013】
本明細書において、ある部材又は領域が他の部材又は領域の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限りこれは他の部材又は領域の直上(又は直下)にある場合のみでなく他の部材又は領域の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の部材又は領域の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。
【0014】
本明細書において、電気的に接続とは、電圧の経路、電流の経路が形成されている状態あるいは形成される状態をいうものとする。例えば、たとえば、第1のトランジスタと第2のトランジスタ間に、第3のトランジスタが配置されていても、第1のトランジスタと第2のトランジスタは電気的に接続されている。また、本明細書において、接続を、電気的に接続の意味として使用する場合がある。
【0015】
[表示装置の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置100の概要を斜視図で示す。表示装置100は、複数の画素104が配列する画素領域102、走査線駆動回路106、データ線駆動回路108を含む。これらは第1基板110に設けられている。第1基板110には信号が入力される端子部109が設けられる。端子部109には配線基板111が接続される。配線基板111はフレキシブル回路基板(FPC基板)とも呼ばれ、表示装置100に信号を与える外部機器との接続に用いられる。画素領域102は、大気に晒されないように封止材112で覆われている。封止材112は、ガラス基板のような硬質基板であってもよいが、有機樹脂フィルム基板又は有機樹脂層であってもよい。
【0016】
図2は、表示装置100における画素領域102に設けられる配線の構成を示す。
図2は、画素領域102に、画素104がm行n列に配列する場合の一例を示す。この場合、画素領域102における画素数はm×n個となる。なお、
図2は、画素104が正方配列する例を示すが、本発明これに限定されずデルタ配列等、他の配列形式も適用可能である。
【0017】
画素104には表示素子が設けられる。各画素104は走査線駆動回路106及びデータ線駆動回路108によって駆動される。本発明の一実施形態において、表示素子として発光素子が用いられる。発光素子として、例えば、有機エレクトロルミネセンス材料を用いた有機エレクトロルミネセンス素子が用いられる。
【0018】
走査線駆動回路106は、第1走査信号線TG1〜TGm、第2走査信号線IG1〜IGm、第3走査信号線BG1〜BGm、第4走査信号線EG1〜EGmが接続される。走査線駆動回路106はシフトレジスタを含んで構成され、各走査線には順次制御信号が出力される。画素領域102において、第1走査信号線TG1〜TGm、第2走査信号線IG1〜IGm、第3走査信号線BG1〜BGm、第4走査信号線EG1〜EGmは、画素の各行に対応して配設されている。また、走査線駆動回路106からは各行に対応して電源線PVD1〜PVDmが接続される。電源線の詳細は後述される。
【0019】
データ線駆動回路108は、第1信号線VS1〜VSnと、第2信号線VR1〜VRnとが接続される。データ線駆動回路108は、第1信号線VS1〜VSnに映像を表示するデータ信号を出力する。また、データ線駆動回路108は、第2信号線VR1〜VRmにリファレンス信号を出力する。画素領域102において、第1信号線VS及び第2信号線VRは、各列に対応して配設される。
【0020】
なお、上記の説明において、なお、便宜上使用する符号「m」、「n」は整数であり、画素領域102に配設される各々の信号線の本数に対応する。
【0021】
[画素の回路構成1]
図3は、画素104の回路構成を示す。本発明の一実施形態に係る表示装置100の画素104は、駆動トランジスタDRT、第1スイッチング素子TCT、第2スイッチング素子ICT1、第3スイッチング素子ICT2、第4スイッチング素子BCT3、第5スイッチング素子EMT、発光素子EMD、保持容量素子CSを含んで構成される。
【0022】
本発明の一実施形態に係る表示装置100の画素104は、以下で説明するように、第1スイッチング素子TCT、第2スイッチング素子ICT1及び第5スイッチング素子EMTが一導電型のトランジスタで設けられ、第3スイッチング素子ICT2及び第4スイッチング素子BCT3が一導電型とは逆の導電型のトランジスタで設けられている。
【0023】
駆動トランジスタDRTは、少なくとも2つの入出力端子と、この入出力端子間を流れる電流を制御する制御端子としてのゲートとを備えている。駆動トランジスタDRTは、入出力端子としてソース及びドレインを備えている。駆動トランジスタDRTは、例えば、絶縁ゲート型電界効果トランジスタが用いられ、好適には絶縁ゲート型電界効果トランジスタの一種として薄膜トランジスタが用いられる。
【0024】
本発明の一実施形態において、駆動トランジスタDRTはpチャネル型トランジスタが用いられる。駆動トランジスタDRTは、入出力端子の一方が第1電源線PVH側に配置され、他方の端子が第2電源線PVS側に配置される。以下の説明では、便宜上、駆動トランジスタDRTにおいて、第1電源線PVH側の入出力端子をソース、第2電源線PVS側の入出力端子をドレインとする。
【0025】
第1電源線PVHには第1電位PVDD_Hが印加され、第2電源線PVSには第2電位PVSSが印加される。ここで、第1電位PVDD_Hは第2電位PVSSより高電位であるものとする。
【0026】
発光素子EMDは2端子素子でありダイオード特性を示す。発光素子EMDは、順方向バイアスされ、発光しきい値電圧以上の電圧が印加されると発光する。発光素子EMDは、通常の動作の範囲内において電流量の増減に比例して発光強度が変化する。発光素子EMDは一方の端子(例えば、アノード)が駆動トランジスタDRTの一方の端子(ドレイン)と電気的に接続され、他方の端子(例えば、カソード)が第2電源線PVSと電気的に接続される。
【0027】
駆動トランジスタDRTのゲートには保持容量素子CSが接続される。また、駆動トランジスタDRTのゲートとドレインとの間には、第1スイッチング素子TCTが設けられる。第1スイッチング素子TCTは、駆動トランジスタDRTの入出力端子の一方とゲートとの接続を制御する。
【0028】
なお、スイッチング素子は、オンのとき導通状態を形成し、オフのとき非導通状態を形成する素子であるものとする。スイッチング素子は、例えば、トランジスタを用いて形成される。
【0029】
第1スイッチング素子TCTは第1走査信号線TGの制御信号(振幅VGH/VGL)でオン及びオフの状態が制御される。第1スイッチング素子TCTがオンになると、ゲートとドレインが電気的に接続され、駆動トランジスタDRTはダイオード接続された状態となる。本発明の一実施形態において、第1スイッチング素子TCTは、nチャネル型トランジスタにより形成される。
【0030】
なお、走査信号線により与えられる制御信号として振幅VGHの信号は、nチャネル型トランジスタをオンにし、pチャンルトランジスタをオフにする電圧レベルを有し、振幅VGL(又は「振幅VGL1」とも表記される。)の信号は、nチャネル型トランジスタをオフにし、pチャンルトランジスタをオンにする電圧レベルを有するものとする。
【0031】
保持容量素子CSは、一方の端子が駆動トランジスタDRTのゲートと電気的に接続され、他方の端子が第2スイッチング素子ICT1及び第3スイッチング素子ICT2の一方の端子と接続される。第2スイッチング素子ICT1と第3スイッチング素子ICT2とは並列に配置され、信号が出力される側の一方の端子が共に保持容量素子CSの他方の端子と電気的に接続される。
【0032】
第2スイッチング素子ICT1の信号入力側である他方の端子は、データ信号が与えられる第1信号線VSと電気的に接続される。第3スイッチング素子ICT2の信号入力側である他方の端子は、リファレンス信号が与えられる第2信号線VRと電気的に接続される。第2スイッチング素子ICT1と第3スイッチング素子ICT2とは、第2走査信号線IGの制御信号(振幅VGH/VGL)によってオン及びオフの動作が制御される。
【0033】
第2スイッチング素子ICT1と第3スイッチング素子ICT2とは排他的な動作をする。すなわち、同じ制御信号(振幅VGH/VGL)が印加されたとき、第2スイッチング素子ICT1及び第3スイッチング素子ICT2の一方はオンとなり他方がオフとなる動作をする。第2スイッチング素子ICT1と第3スイッチング素子ICT2とによる回路は、2つの入力信号に対し一つの信号を出力する選択回路とみなすこともできる。このような動作を実現するために、第2スイッチング素子ICT1が一導電型のトランジスタで形成される場合、第3スイッチング素子ICT2は一導電型とは逆の導電型のトランジスタで形成される。
図3は、第2スイッチング素子ICT1がnチャネル型トランジスタで形成され、第3スイッチング素子ICT2がpチャネル型トランジスタで形成される場合を示す。
【0034】
駆動トランジスタDRTの他方の端子(ソース)は、第4スイッチング素子BCT3を介して第1電源線PVHと電気的に接続される。第4スイッチング素子BCT3がオンのとき、駆動トランジスタDRTのソースは第1電源線PVHと導通状態となり、第1電位PVDD_Hが印加される。
【0035】
また、駆動トランジスタDRTのソースには、第3電源線PVDが電気的に接続されている。第3電源線PVDには、第3電位PVDD_Lが印加される。なお、第3電位PVDD_Lは、第1電位PVDD_Hよりも低く、第2電位PVSSよりも高い、第1電位PVDD_Hと第2電位PVSSとの間の電位であるものとする。
【0036】
第3電源線PVDは、第6スイッチング素子BCT2と接続される。第3電源線PVDは、第6スイッチング素子BCT2を介して第3電位PVDD_Lが印加される。第6スイッチング素子BCT2は、第3電源線PVDに第3電位PVDD_Lを与えるタイミングを制御する。第6スイッチング素子BCT2は、画素104及び画素領域102に設けられていなくてもよく、例えば、走査線駆動回路106の領域に配設される。
【0037】
第6スイッチング素子BCT2は、第3走査信号線BGの制御信号(振幅VGH/VGL)によってオン及びオフの動作が制御される。すなわち、第4スイッチング素子BCT3と第6スイッチング素子BCT2とは同じ第3走査信号線BGの制御信号(振幅VGH/VGL)によってオン及びオフの動作が制御される。ここで、第4スイッチング素子BCT3と第6スイッチング素子BCT2とは排他的な動作をする。すなわち、同じ制御信号(振幅VGH/VGL)が印加されたとき、第4スイッチング素子BCT3及び第6スイッチング素子BCT2の一方はオンとなり他方がオフとなる動作をする。このような動作を実現するために、第4スイッチング素子BCT3が一導電型のトランジスタで形成される場合、第6スイッチング素子BCT2は一導電型とは逆の導電型のトランジスタで形成される。
図3は、第4スイッチング素子BCT3がpチャネル型トランジスタで形成され、第6スイッチング素子BCT2がnチャネル型トランジスタで形成される場合を示す。
【0038】
第4スイッチング素子BCT3、第6スイッチング素子BCT2は、いずれも第3走査信号線BGの制御信号(振幅VGH/VGL)によって制御される。第1電源線PVHと第3電源線PVDが共に駆動トランジスタDRTのソースに接続されているので、この2つの電源線から異なるレベルの電位が印加されることは好ましくない。そこで、第4スイッチング素子BCT3と第6スイッチング素子BCT2とは、排他的な動作をするように構成されている。すなわち、第4スイッチング素子BCT3が一導電型のトランジスタで形成されるとき、第6スイッチング素子BCT2は一導電型とは逆の導電型のトランジスタで形成される。
図3は、第4スイッチング素子BCT3がpチャネル型トランジスタで形成され、第6スイッチング素子BCT2がnチャネル型トランジスタで形成される場合を示す。これにより、第4スイッチング素子BCT3及び第6スイッチング素子BCT2に第3走査信号線BGから同じ制御信号(振幅VGH/VGL)が印加されても、両者のスイッチング素子が同時にオンにならないようにすることができる。
【0039】
発光素子EMDに流れる電流は駆動トランジスタDRTにより制御される。発光素子EMDの一方の端子(アノード)と駆動トランジスタDRTの一方の端子(ドレイン)との間には、第5スイッチング素子EMTが設けられる。第5スイッチング素子EMTは、発光素子EMDの一方の端子(アノード)と駆動トランジスタDRTの一方の端子(ドレイン)との電気的な接続を制御する。第5スイッチング素子EMTのオン及びオフの動作は、第4走査信号線EGの制御信号(振幅VGH/VGL)によって制御される。
図3は、第5スイッチング素子EMTが、nチャネル型トランジスタで形成される一例を示す。第5スイッチング素子EMTがオンのとき、駆動トランジスタDRTからドレイン電流が発光素子EMDに流れ発光する。
【0040】
駆動トランジスタDRTは、発光素子EMDに流れる電流量を制御し、第5スイッチング素子EMTは、発光素子EMDの発光タイミングを制御するスイッチング素子として機能する。このような機能を有する第5スイッチング素子EMTを設けることで、画素ごとに発光タイミングを制御することが可能となる。
【0041】
図3で示す画素104において、第1電源線PVHは、少なくとも画素の配列に対して列方向に対応して配設される。また、第1電源線PVHは、画素に配列に対して、行方向及び列方向に網目状に配設されていてもよい。これにより、画素領域内の各画素に均一に第1電位PVDD_Hを印加することができる。それにより、画像表示の均一化を図ることができる。
【0042】
[表示装置の動作1]
次に、
図3で示す画素の動作について説明する。表示装置100は、リセット期間、信号書込及びオフセットキャンセル期間、発光期間の少なくとも3つの期間を含んで駆動される。リセット期間と、信号書込及びオフセットキャンセル期間との間には、走査線に印加する制御信号の波形が遷移する待機期間(アイドル期間)が含まれていてもよい。
【0043】
図4は、第1走査信号線TG、第2走査信号線IG、第3走査信号線BG及び第4走査信号線EGのタイミングチャートを示す。また、これらの走査信号線の制御信号と同期する、第1信号線VSに与えられるデータ信号Vsig(以下、データ信号に基づく電位を「データ電位Vsig」ともいう。)と、第2信号線VRに与えられるリファレンス信号Vref(以下、リファレンス信号に基づく電位を「リファレンス電位Vref」ともいう。)を示す。
【0044】
リセット期間は、保持容量素子CSを放電させ、リファレンス電位Vrefで充電する動作が行われる。このときの画素回路の状態を
図5に示す。なお、
図5は、簡単のために、第1スイッチング素子TCT、第2スイッチング素子ICT1、第3スイッチング素子ICT2、第4スイッチング素子BCT3、第5スイッチング素子EMT及び第6スイッチング素子BCT2をスイッチ記号で示している。
【0045】
第1走査信号線TGの制御信号(振幅VGH/VGL)がハイレベルの電位(振幅VGH)となり、第1スイッチング素子TCTはオンになる。第2走査信号線IGの制御信号(振幅VGH/VGL)はローレベルの電位(振幅VGL)であり、第2スイッチング素子ICT1がオフ、第3スイッチング素子ICT2がオンとなり、保持容量素子CSの他方の端子は第2信号線VRと接続されリファレンス電位Vrefが印加される。
【0046】
第4走査信号線EGの制御信号(振幅VGH/VGL)はハイレベルの電位(振幅VGH)であり、第5スイッチング素子EMTはオンになる。保持容量素子CSの一方の端子は、第1スイッチング素子TCT、第5スイッチング素子EMT及び発光素子EMDを介して第2電源線PVSと接続された状態となる。これにより、保持容量素子CSに充電されていた電荷(前フレームで充電された電荷)が放電される。
【0047】
保持容量素子CSは、発光素子EMDの一方の端子(駆動トランジスタDRTのドレインと接続される側の端子)の電位が、第2電位PVSSに発光素子EMDのしきい値電圧Vemを加えた電位(PVSS+Vem)に収束するまで放電する。第3走査信号線BGの制御信号(振幅VGH/VGL)はハイレベルの電位(振幅VGH)であり、第3スイッチング素子BCT3はオフ、第6スイッチング素子BCT2はオンになり、駆動トランジスタDRTのソースには第3電源線PVDから第3電位PVDD_Lが印加される。これにより、駆動トランジスタDRTのソース及びドレインが第3電位PVDD_Lと同電位にリセットされる。リセット期間において保持容量素子CSは、第2信号線VRに接続され、リファレンス電位Vrefで充電されるので、前フレームで書き込まれたデータ信号のデータが消去される。
【0048】
待機期間(アイドル期間)では、保持容量素子CSが第2電源線PVSから切り離され、駆動トランジスタDRTのソースに第1電位PVDD_Hが印加される。このときの画素回路の状態を
図6に示す。第1走査信号線TGの制御信号(振幅VGH/VGL)はローレベルの電位(振幅VGL)となり、第1スイッチング素子TCTはオフとなる。第2走査信号線IGの制御信号(振幅VGH/VGL)はローレベルの電位(振幅VGL)であり、第2スイッチング素子ICT1がオフ、第3スイッチング素子ICT2がオンとなり、保持容量素子CSの一方の端子には第2信号線VRからリファレンス電位Vrefが印加された状態が維持される。
【0049】
第4走査信号線EGの制御信号(振幅VGH/VGL)はハイレベルからローレベルの電位(振幅VGL)に変化し、第5スイッチング素子EMTはオンからオフに変化する。これにより、駆動トランジスタDRTと発光素子EMDとの接続が遮断される。その後、第3走査信号線BGの制御信号(振幅VGH/VGL)がハイレベルからローレベルの電位(振幅VGL)に変化し、第6スイッチング素子BCT2がオフ、第3スイッチング素子BCT3がオンになる。これにより、駆動トランジスタDRTのソースには、第1電源線PVHから第1電位PVDD_Hが印加される。
【0050】
信号書込及びオフセットキャンセル期間では、駆動トランジスタDRTのしきい値電圧Vthを補償する動作が行われ、保持容量素子CSにはデータ信号が書き込まれる。このときの画素回路の状態を
図7に示す。第2走査信号線IGの制御信号(振幅VGH/VGL)はローレベルからハイレベルの電位(振幅VGH)に変化し、第2スイッチング素子ICT1がオン、第3スイッチング素子ICT2はオフとなり、保持容量素子CSの他方の端子には第1信号線VSからデータ電位Vsigが印加される。
【0051】
その後、第1走査信号線TGの制御信号(振幅VGH/VGL)がハイレベルの電位(振幅VGH)となり、第1スイッチング素子TCTはオンとなる。これにより、駆動トランジスタDRTのドレインとゲートが導通状態となる。第3走査信号線BGの制御信号(振幅VGH/VGL)はローレベルの電位(振幅VGL)であり、第3スイッチング素子BCT3がオン、第6スイッチング素子BCT2がオフになる。これにより、駆動トランジスタDRTのソースには、第1電源線PVHから第1電位PVDD_Hが印加される。
【0052】
第4走査信号線EGの制御信号(振幅VGH/VGL)は最初ローレベルの電位(振幅VGL)であり、第5スイッチング素子EMTはオフ状態である。これにより駆動トランジスタDRTのドレインは、第1電位PVDD_Hからしきい値電圧Vth分低下した電位に収束する(PVDD_H−Vth)。保持容量素子CSには、第1信号線VSからデータ電位Vsigが印加されているので、保持容量素子CSの両端子間の電圧はVsig−(PVDD_H−Vth)となる。このとき、第5スイッチング素子EMTはオフとなっているので、発光素子EMDには発光しきい値電圧以上の電圧は印加されず、非発光の状態となっている。
【0053】
発光期間では、発光素子EMDに駆動トランジスタDRTからドレイン電流が流れ、その電流量に応じた強度で発光する。このときの画素回路の状態を
図8に示す。第1走査信号線TGの制御信号(振幅VGH/VGL)はハイレベルからローレベルの電位(振幅VGL)に変化しており、第1スイッチング素子TCTはオフとなっている。第2走査信号線IGの制御信号(振幅VGH/VGL)はハイレベルからローレベルの電位(振幅VGL)に変化し、第2スイッチング素子ICT1がオフ、第3スイッチング素子ICT2がオンとなり、保持容量素子CSの他方の端子にはリファレンス電位Vrefが印加される。それにより、保持容量素子CSの電圧はVref−Vsig+(PVDD_H−Vth)となる。
【0054】
第3走査信号線BGの制御信号(振幅VGH/VGL)はハイレベルの電位(振幅VGH)であり、第4スイッチング素子BCT3がオンになり、第6スイッチング素子BCT2がオフになる。これにより駆動トランジスタDRTのソースには、第1電源線PVHから第1電位PVDD_Hが印加される。そして、第4走査信号線EGの制御信号(振幅VGH/VGL)がローレベルからハイレベルの電位(振幅VGH)に変化して、第5スイッチング素子EMTがオンになる。駆動トランジスタDRTのゲート電圧で制御されたドレイン電流が流れ、発光素子EMDは発光する。駆動トランジスタDRTの実質的なゲート電圧は、Vref−Vsigとなるので、しきい値電圧Vthの影響がキャンセルされる。
【0055】
本発明の一実施形態に係る表示装置100は、第1スイッチング素子TCT及び第5スイッチング素子EMTがオン、第4スイッチング素子BCT3がオフとなり、保持容量素子CSに第3スイッチング素子ICT2を介して第2信号線VRからリファレンス電位Vrefが印加され、第3電源線PVDから駆動トランジスタDRTの入出力端子の他方に第3電位PVDD_Lが印加されるリセット期間と、第1スイッチング素子TCT及び第4スイッチング素子BCT3がオンとなり、第5スイッチング素子EMTがオフとなり、保持容量素子CSの他方の端子に第2スイッチング素子ICT1を介して第1信号線VSからデータ信号Vsigに基づく電位が与えられ、第1電源線PVHから駆動トランジスタDRTの入出力端子の他方に第1電位PVDD_Hが印加される信号書込及びオフセットキャンセル期間と、第1スイッチング素子TCTがオフ、第4スイッチング素子BCT3及び第5スイッチング素子EMTがオンとなり、保持容量素子CSの他方の端子に第3スイッチング素子ICT2を介してリファレンス電位Vrefが印加され、第1電源線PVHから駆動トランジスタDRTを介して流れる電流によって発光素子EMDが発光する発光期間と、を含むことにより、駆動トランジスタDRTのしきい値電圧のばらつきに影響を受けない表示をすることができる。また、表示装置100は、画素領域102の面内(特に水平方向における)における輝度のばらつきがない画像表示をすることができる。
【0056】
駆動トランジスタDRTのソースに高電位である第1電位PVDD_Hが印加され、第5スイッチング素子EMTがオフされることで、駆動トランジスタDRTのドレイン側の電圧は、しきい値電圧Vthを取得するオフセットキャンセル期間内に第1電位PVDD_Hからしきい値電圧Vth分低下した電位に収束し、確実にオフセットキャンセルの動作をすることができる。高電位である第1電位PVDD_Hでオフセットキャンセル動作をすることで、画素数が増加して1フレーム期間内で許容されるオフセットキャンセル期間が短縮される場合でも、確実に駆動トランジスタDRTのしきい値電圧を補償することが可能となる。さらに、網目状に電源線が配設されていることで、電源線の配線抵抗による電圧降下の影響が緩和され、画素領域102内でオフセットキャンセルのばらつきを低減することができる。さらに第5スイッチング素子EMTがオフとなっているのでオフセットキャンセル期間において大電流が電源線を介して流れるようなことはなく、配線抵抗に起因した電圧降下の影響が緩和され、画素領域102内でオフセットキャンセルのばらつきを低減することができる。
【0057】
第1電源線PVHは、発光期間において各画素に第1電位PVDD_Hを印加する。すなわち、発光素子EMDは、駆動トランジスタDRTを介して第1電源線PVHから駆動電流が供給される。上述のように電源線が網目状に配設されていることで、電源線の配線抵抗による電圧降下の影響が緩和され、画素領域102内で発光強度のばらつきが低減される。
【0058】
[変形例1]
図9で示す画素104bのように、第3電源線PVDに、第6スイッチング素子BCT2に加え、第7スイッチング素子BCT1を並列に接続し、第1電位PVDD_Hが印加されるようにしてもよい。すなわち、第3電源線PVDに印加される電源電位を切り替え可能とし、その制御を駆動回路に設けられた第6スイッチング素子BCT2及び第7スイッチング素子BCT1により行うようにする。第6スイッチング素子BCT2及び第7スイッチング素子BCT1の一方の端子は、第3電源線PVDと電気的に接続される。第6スイッチング素子BCT2の信号入力側である他方の端子は第3電位PVDD_Lが印加され、第7スイッチング素子BCT1の信号入力側である他方の端子は第1電位PVDD_Hと接続される。
【0059】
ここで、第6スイッチング素子BCT2と第7スイッチング素子BCT1とは排他的な動作をする。すなわち、同じ第3走査信号線BGの制御信号(振幅VGH/VGL)が印加されたとき、第6スイッチング素子BCT2及び第7スイッチング素子BCT1の一方はオンとなり他方がオフとなる動作をする。このような動作を実現するために、第6スイッチング素子BCT2が一導電型のトランジスタで形成される場合、第7スイッチング素子BCT1は一導電型とは逆の導電型のトランジスタで形成される。図
9は、第6スイッチング素子BCT2がnチャネル型トランジスタで形成され、第7スイッチング素子BCT1がpチャネル型トランジスタで形成される場合を示す。
【0060】
第4スイッチング素子BCT3、第6スイッチング素子BCT2及び第7スイッチング素子BCT1は、いずれも第3走査信号線BGの制御信号(振幅VGH/VGL)によって制御される。第3電源線PVDと第1電源線PVHが共に駆動トランジスタDRTのソースに接続されているので、この2つの電源線から異なるレベルの電位が印加されることは好ましくない。本実施形態では第3電位PVDD_Lを印加するときにオンになる第6スイッチング素子BCT2に対し、第1電位PVDD_Hを印加するときにオンになる第4スイッチング素子BCT3及び第7スイッチング素子BCT1は異なる導電型のトランジスタによって形成される。それにより、第4スイッチング素子BCT3及び第6スイッチング素子BCT2に第3走査信号線BGから同じ制御信号(振幅VGH/VGL)が印加されても、両者のスイッチング素子が同時にオンにならないようにすることができる。図
9は、第4スイッチング素子BCT3及び第7スイッチング素子BCT1がpチャネル型トランジスタで形成され、第6スイッチング素子BCT2がnチャネル型トランジスタで形成される一例を示す。
【0061】
図
9で示すように、駆動トランジスタDRTは、行方向に延伸する第3電源線PVDと、列方向に延伸する第1電源線PVHとがスイッチング素子を介して電気的に接続される。すなわち、行方向に延伸する第3電源線PVDは第7スイッチング素子BCT1を介して駆動トランジスタDRTのソースに接続され、第1電源線PVHは第4スイッチング素子BCT3を介して駆動トランジスタDRTのソースと接続される。これにより、オフセットキャンセル期間において、第1電源線PVH及び第3電源線PVDから第1電位PVDD_Hが印加される。
【0062】
すなわち、
図9で示す画素104bは、第3電源線PVDに、第7スイッチング素子BCT1を並列に接続し、第1電位PVDD_Hが印加されることにより、信号書込及びオフセットキャンセル期間において、第1スイッチング素子TCT及び第4スイッチング素子BCT3がオンとなり、第5スイッチング素子EMTがオフとなり、保持容量素子CSの他方の端子に第2スイッチング素子ICT1を介して第1信号線VSからデータ信号Vsigに基づく電位が与えられ、第1電源線PVH及び第3電源線PVDから駆動トランジスタDRTの入出力端子の他方に第1電位PVDD_Hが印加され、発光期間において、第1スイッチング素子TCTがオフ、第4スイッチング素子BCT3及び第5スイッチング素子EMTがオンとなり、保持容量素子CSの他方の端子に第3スイッチング素子ICT2を介してリファレンス電位Vrefが印加され、第1電源線PVH及び第3電源線PVDから駆動トランジスタDRTを介して流れる電流によって発光素子EMDが発光するように動作させることができる。
【0063】
第1電源線PVH及び第3電源線PVDは、発光期間において各画素に第1電位PVDD_Hを印加する。すなわち、発光素子EMDは、駆動トランジスタDRTを介して第1電源線PVH及び第3電源線PVDから駆動電流が供給される。上述のように電源線が網目状に配設されていることで、電源線の配線抵抗による電圧降下の影響が緩和され、画素領域102内で発光強度のばらつきが低減される。
【0064】
[変形例2]
駆動トランジスタDRTのしきい値電圧を補償するオフセットキャンセル期間の後において、第1走査信号線TGのローレベルの電位VGL1は、第1スイッチング素子TCTをオフにするために、本来であれば十分に低い電圧レベルが求められる。しかし、このようなローレベルの電位VGL1は、発光期間において第1スイッチング素子TCTに大きな逆バイアス状態を作り、駆動トランジスタDRTのドレインからリーク電流が流れてしまう問題が生じる場合がある。それにより、駆動トランジスタDRTのドレイン電流が増加し、発光素子EMDの輝度が高くなってしまう問題が生じる。すなわち、画素領域102に輝点欠陥を生成する問題が生じることが懸念される。
【0065】
図10は、第1走査信号線TGの制御信号を、ハイレベルの電位VGH及びローレベルの電位VGL1に加え、これらの中間の電位VGL2を追加して、3レベルの信号で第1スイッチング素子を駆動する一例を示す。信号書込及びオフセットキャンセル期間の後において、第1走査信号線TGの電位を、ハイレベルの電位VGHより低くローレベルの電位VGL1の電位より高いVGL2とすることで、第1スイッチング素子TCTのゲートは通常のオフ状態よりも高い電圧が印加されている。これにより、発光期間において第1スイッチング素子TCTの逆バイアス状態は緩和され、リーク電流を低減することが可能となる。なお、ローレベルの電位VGL2は、第1スイッチング素子TCTのオフ状態を維持できる電位である。
【0066】
図10で示すような、3レベルの波形で第1スイッチング素子TCTを駆動することにより、駆動トランジスタDRTのしきい値電圧を補償しつつ、発光期間においては輝点の発生を防止することができる。
【0067】
[画素の回路構成2]
図3で示す画素104において、第1電源線PVHと駆動トランジスタDRTとの接続を制御する第4スイッチング素子BCT3は、複数の画素間で共有することができる。すなわち、行方向及び/又は列方向に隣接する画素間で、第1電源線PVHとの接続を制御する第4スイッチング素子BCT3を共有することができる。
【0068】
図11は、行方向及び列方向に配列する4つの画素(第1画素104_11、第2画素104_12、第3画素104_21、第4画素104_22)で第4スイッチング素子BCT3を共有する一例を示す。第1画素104_11には、駆動トランジスタDRT11、発光素子EMD11、保持容量素子CS11、第1スイッチング素子TCT11、第5スイッチング素子EMT11が含まれている。第2画素104_12、第3画素104_21、第4画素104_22についても同様である。
【0069】
第1画素104_11の保持容量素子CS11の他方の端子と接続される第2スイッチング素子ICT11及び第3スイッチング素子ICT21は、第3画素104_21と共有するように設けられている。これは、第2画素104_12と第4画素104_22に対する第2スイッチング素子ICT12及び第3スイッチング素子ICT22ついても同様である。すなわち、保持容量素子CS11及び保持容量素子CS21と、第1信号線VS1との接続を制御する第2スイッチング素子ICT11及び第2信号線VR1との接続を制御する第3スイッチング素子ICT21は、複数の画素で共有するように設けることができる。このように、第2スイッチング素子ICT11及び第3スイッチング素子ICT21、並びに、第2スイッチング素子ICT12及び第3スイッチング素子ICT22を、隣接する列方向の画素間で共有することにより、実質的に1画素当たりのトランジスタ数を減少させることができる。
【0070】
電源線についてみると、4つの画素(第1画素104_11、第2画素104_12、第3画素104_21、第4画素104_22)に対して、第1電源線PVHが第4スイッチング素子BCT3を介して接続され、第3電源線PVDが第6スイッチング素子BCT2を介して接続されている。第4スイッチング素子BCT3は、複数の画素で共有して設けられることにより、実質的に1画素当たりのトランジスタ数を減少させることができる。このような構成は、画素微細化して高精細化を図る上で有利である。
【0071】
なお、
図9を参照して説明したように、第6スイッチング素子BCT2に並列に、第7スイッチング素子BCT1を接続して、第1電位PVDD_Hを第3電源線PVDに印加できるようにしてもよい。それにより、より一層、水平方向の輝度分布の均一化を図ることができる。
【0072】
[表示装置の動作2]
図12は、
図11で示す4つの画素(第1画素104_11、第2画素104_12、第3画素104_21、第4画素104_22)の動作を説明するタイミングチャートを示す。
【0073】
リセット期間では、第1走査信号線TG1の制御信号(振幅VGH/VGL)及び第1走査信号線TG2の制御信号(振幅VGH/VGL)がハイレベルの電位(振幅VGH)となり、第1スイッチング素子TCT11、第1スイッチング素子TCT12、第1スイッチング素子TCT21及び第1スイッチング素子TCT22はオンになる。
【0074】
第2走査信号線IGの制御信号(振幅VGH/VGL)はローレベルの電位(振幅VGL)であり、第2スイッチング素子ICT11及び第2スイチング素子ICT12がオフ、第3スイッチング素子ICT21及び第3スイッチング素子ICT22がオンとなり、保持容量素子CS11及び保持容量素子CS21の一端は第2信号線VR1と接続され、保持容量素子CS12及び保持容量素子CS22の一端は第2信号線VR2と接続されリファレンス電位Vrefが印加される。
【0075】
第4走査信号線EGの制御電位(振幅VGH/VGL)はハイレベルの電位(振幅VGH)であり、第5スイッチング素子EMT11〜第5スイッチング素子EMT22はオンになる。第1画素104_11では、保持容量素子CS11の他端は、第1スイッチング素子TCT11、第5スイッチング素子EMT11及び発光素子EMD11を介して第2電源線PVSと接続された状態となる。この状態は、第2画素104_12、第3画素104_21、第4画素104_22についても同様である。これにより、各画素の保持容量素子CSに充電されていた電荷が放電される。リセット期間における各画素の保持容量素子CSの放電は、
図4で説明した内容と同様である。各画素の保持容量素子CSは、第2信号線VRに接続され、リファレンス電位Vrefで充電されるので、前フレームで書き込まれたデータ信号のデータが消去される。
【0076】
待機期間(アイドル期間)では、第1走査信号線TG1の制御信号(振幅VGH/VGL)及び第1走査信号線TG2の制御信号(振幅VGH/VGL)がローレベルの電位(振幅VGL)となり、第1スイッチング素子TCT11、第1スイッチング素子TCT12、第1スイッチング素子TCT21及び第1スイッチング素子TCT22はオフになる。
【0077】
また、第1画素104_11では、保持容量素子CS11が第3電源線PVDから切り離され、駆動トランジスタDRT11のソースに第1電位PVDD_Hが印加される。第1走査信号線TG1の制御信号(振幅VGH/VGL)はローレベルの電位(振幅VGL)となり、第1スイッチング素子TCT11はオフとなる。第2走査信号線IGの制御信号(振幅VGH/VGL)はローレベルの電位(振幅VGL)のままであり、第2スイッチング素子ICT11がオン、第3スイッチング素子ICT21がオフとなり、保持容量素子CS11の一方の端子には第2信号線VR1からリファレンス電位Vrefが印加される。第4走査信号線EGの制御信号(振幅VGH/VGL)はハイレベルからローレベルの電位(振幅VGL)に変化し、各画素の第5スイッチング素子EMTはオンからオフに変化する。その後、第3走査信号線BGの制御信号(振幅VGH/VGL)がハイレベルからローレベルの電位(振幅VGL)に変化し、第4スイッチング素子BCT3がオン、第6スイッチング素子BCT2がオフになる。このような動作は他の画素でも同様である。これにより、各画素の駆動トランジスタDRTのソースには第1電位PVDD_Hが印加される。
【0078】
信号書込及びオフセットキャンセル期間において、第1画素104_11では、第2走査信号線IGの制御電位(振幅VGH/VGL)がローレベルからハイレベルの電位(振幅VGH)に変化し、第2スイッチング素子ICT11がオン、第3スイッチング素子ICT21がオフとなり、保持容量素子CS11の一方の端子には第1信号線VS1からデータ電位Vsig1が印加される。第1走査信号線TG1の制御電位(振幅VGH/VGL)はハイレベルの電位(振幅VGH)となり、第1スイッチング素子TCT11はオンとなる。これにより、駆動トランジスタDRT11のドレインとゲートが導通状態となる。第3走査信号線BGの制御信号(振幅VGH/VGL)はハイレベルの電位(振幅VGH)であり、第3スイッチング素子BCT3がオン、第6スイッチング素子BCT2がオフになる。これにより、駆動トランジスタDRT11のソースには、第1電源線PVHから第1電位PVDD_Hが印加される。第4走査信号線EGの制御信号(振幅VGH/VGL)はローレベルの電位(振幅VGL)のままであり、第5スイッチング素子EMT11はオフ状態を維持する。これにより駆動トランジスタDRT11のドレインは、第1電位PVDD_Hからしきい値電圧分低下した電位に収束する(PVDD_H−Vth)。保持容量素子CS11には、第1信号線VSからデータ電位Vsig1が印加されているので、保持容量素子CS11の両端子間の電圧はVsig1−(PVDD_H−Vth)となる。このような動作は、同じ第1走査信号線TG1が与えられる第2画素104_12についても同様であり、第2スイッチング素子ICT12がオフ、第3スイッチング素子ICT22がオンとなり、保持容量素子CS12の一方の端子には第1信号線VS2からデータ電位Vsig1が印加される。すなわち、第1画素104_11は第1信号線VS1から、第2画素104_12は第1信号線VS2から、それぞれデータ信号が与えられる。それ以外の点については、第1画素104_11と第2画素104_12とは同様の動作をする。
【0079】
その後、第1画素104_11では、第1走査信号線TG1の制御信号(振幅VGH/VGL)がローレベルの電位(振幅VGL)となり、第1スイッチング素子TCT11はオフになる。第2画素104_12も同様である。
【0080】
続いて、第3画素104_21についてみると、第1走査信号線TG2の制御信号(振幅VGH/VGL)がローレベルからハイレベルの電位(振幅VGH)となり、第1スイッチング素子TCT21はオンとなる。そして、駆動トランジスタDRT21対しては上記と同様に、第1電源線PVHから第1電位PVDD_Hが印加され、保持容量素子CS21には、第1信号線VS1からデータ電位Vsig2が印加され、保持容量素子CS21の両端子間の電圧はVsig2−(PVDD_H−Vth)となる。第4画素104_22では、第1信号線VS2からデータ電位Vsig2が印加され、保持容量素子CS22の両端子間の電圧はVsig2−(PVDD_H−Vth)となる。
【0081】
このように第1走査信号線TG1と第1走査信号線TG2のオンタイミングを、信号書込及びオフセットキャンセル期間において切り替えることで、信号線の信号がデータ電位Vsig1からVsig2に切り替わることに伴って、列方向の画素104間にて第一信号線VSや第二信号線VRを共用していても、各画素に必要なデータ電位を書き込むことができる。
【0082】
発光期間において、第1画素104_11では、第1走査信号線TG1の制御信号(振幅VGH/VGL)はハイレベルからローレベルの電位(振幅VGL)に変化しており、第1スイッチング素子TCT11はオフとなっている。第2走査信号線IGの制御信号(振幅VGH/VGL)はハイレベルからローレベルの電位(振幅VGL)に変化し、第2スイッチング素子ICT11がオフ、第3スイッチング素子ICT21がオンとなり、保持容量素子CS11の一方の端子にはリファレンス電位Vrefが印加される。それにより、保持容量素子CS11の電圧はVref−Vsig1+(PVDD_H−Vth)となる。第3走査信号線BGの制御信号(振幅VGH/VGL)はハイレベルの電位(振幅VGH)であり、第4スイッチング素子BCT3がオン、第6スイッチング素子BCT2がオフになる。これにより駆動トランジスタDRT11のソースには、第1電源線PVHから第1電位PVDD_Hが印加される。そして、第4走査信号線EGの制御信号(振幅VGH/VGL)がローレベルからハイレベルの電位(振幅VGH)に変化して、第5スイッチング素子EMT11がオンになる。これにより、駆動トランジスタDRT11のゲート電圧で制御されたドレイン電流が発光素子EMD11に流れ発光する。駆動トランジスタDRT11の実質的なゲート電圧は、Vref−Vsig1となるので、しきい値電圧Vthの影響がキャンセルされる。これにより、駆動トランジスタDRT11のしきい値電圧のばらつきに影響を受けない表示をすることができる。発光期間におけるこのような動作は、第2画素104_12についても同様である。第3画素104_21及び第4画素104_22においては、駆動トランジスタDRT11の実質的なゲート電圧は、Vref−Vsig2となることを除いて同様である。
【0083】
図11を参照して説明したように、本発明の一実施形態によれば、複数の画素で第1電位PVDD_Hを供給する第1電源線PVHとの接続を制御する第4スイッチング素子BCT3を共有することができ、画素回路を構成するのに必要なスイッチング素子ング素子(トランジスタ)の数を削減することができる。また、複数の画素で、リファレンス信号及びデータ信号を保持容量素子に書き込むときに用いられる第2スイッチング素子ICT1及び第3スイッチング素子ICT2を共有することができ、画素回路を構成するのに必要なスイッチング素子ング素子(トランジスタ)の数を削減することができる。すなわち、
図12で示すように、2つの第1操作信号線TG1、TG2の立ち上がりのタイミングを異ならせることで、第1信号線VS1から、列方向に配列する第1画素104_11と第3画素104_21とへ順次データ信号を取り込むことが可能となる。この場合において、第1信号線VS1及び第2信号線VR1の接続を選択する第2スイッチング素子ICT11及び第3スイッチング素子ICT21、および第4スイッチング素子BCT3をこの2つの画素で共有できるので、画素回路を構成するのに必要なスイッチング素子の数を減らすことができる。
【0084】
なお、
図11で示す画素の構成においても、変形例1として説明したように、第3電源線PVDに、第7スイッチング素子BCT1を並列に接続し、第1電位PVDD_Hが印加されるようにしてもよい。それにより、変形例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0085】
また、
図11で示す画素の構成においても、変形例1として説明したように、第1走査信号線TG1及び第1走査信号線TG2に、3レベルの制御信号(振幅VGH/VGL1/VGL2)を印加して第1スイッチング素子TCTを制御するようにしてもよい。れにより、変形例2と同様の作用効果を得ることができる。
【0086】
[画素の構造]
図13は、本発明の一実施形態に適用され得る画素の部分構造を断面図で示す。
図13は、駆動トランジスタDRT及び発光素子EMDの一例を示す。駆動トランジスタDRTは、第1基板110に設けられている。駆動トランジスタDRTは、半導体層114、ゲート絶縁層116、ゲート電極118を含んで構成される。駆動トランジスタDRTの半導体層114は、非晶質又は多結晶のシリコン半導体、金属酸化物の半導体特性を利用した酸化物半導体で形成される。駆動トランジスタDRTは、半導体層114がゲート電極118と重なる領域にチャネルが形成され、チャネルを挟むようにソース領域及びドレイン領域が設けられている。
【0087】
ソース電極120及びドレイン電極122は第1層間絶縁層124を挟んで設けられている。ソース電極120及びドレイン電極122は、第1層間絶縁層124及びゲート絶縁層116に形成されたコンタクトホールを通って半導体層114のソース領域及びドレイン領域にそれぞれ接続されている。ソース電極120及びドレイン電極122上には第2層間絶縁層126が設けられている。
【0088】
発光素子EMDは画素電極128、発光層130、対向電極132を含んでいる。本発明の一本実施形態において、画素電極128はアノードであり、対向電極132はカソードである。画素電極128を囲むようにバンク層134が設けられている。発光層130は、画素電極128からバンク層134にかけて設けられている。発光層130は、低分子系又は高分子系の有機エレクトロルミネセンス材料等の発光材料が含まれている。発光材料として低分子系の有機材料を用いる場合、発光層130は発光性の有機材料を含む発光層に加え、当該発光層を挟むように正孔注入層や電子注入層、さらに正孔輸送層や電子輸送層等含んで構成されていてもよい。例えば、発光層130は、発光材料を含む層をホール注入層と電子注入層とで挟んだ構造を有する。また、発光層130には、ホール注入層と電子注入層に加え、ホール輸送層、電子輸送層、ホールブロック層、電子ブロック層などを適宜付加されていていてもよい。
【0089】
なお、本発明の一本実施形態において、発光素子EMDは、発光層130で発光した光を対向電極132側に放射する、いわゆるトップエミッション型の構造を有していてもよい。この場合、画素電極128は、発光層130で発光した光を対向電極側に反射させるため、反射率の高い金属膜、またはそのような金属膜を含む積層膜で形成されていることが好ましい。トップエミッション型の画素は、発光素子EMDの画素回路のトランジスタ等が設けられる側の面に対し反対側の面から光が出射される。そのため、画素に設けられるトランジスタ等の配置に影響を受けずに、高開口率の画素を構成することができる。
【0090】
発光層130がホール注入層、発光層、電子注入層の順に積層される場合、画素電極128は正孔注入性に優れるITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)を用いることが好ましい。ITOは透光性導電材料の一種であり、可視光帯域の透過率が高い反面、反射率は極めて低い特性を有している。そのため画素電極128に光を反射する機能を付加するためにITOやIZO(Indium Zinc Oxide:酸化インジウム亜鉛)に代表される透光性導電膜と光反射膜との積層構造を適用してもよい。光反射膜は、アルミニウム(Al)若しくは銀(Ag)、またはアルミニウム(Al)若しくは銀(Ag)の合金材料ないし化合物材料を用いて形成することが好ましい。例えば、光反射膜としてアルミニウム(Al)に数原子パーセントのチタン(Ti)を添加した合金材料ないし化合物材料を用いてもよい。これらの金属材料は、可視光帯域の光に対して高い反射率を有しているので、発光層130から画素電極128に入射する光の反射光量を高めることができる。なお、光反射膜はこれらの金属に限定されず、前述の金属材料の他に、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)などを用いてもよい。
【0091】
発光素子EMDの上層には封止層136が設けられる。封止層136に限定はないが、無機絶縁材料で形成される絶縁層と、有機樹脂材料で形成される絶縁層とが積層されていてもよい。封止層136は発光素子EMDを覆い、水分等の浸入を防ぐために設けられる。
図13に示すようなトップエミッション型の構造の場合、封止層136としては、窒化シリコンや酸化アルミニウムなどの被膜により透光性を有するものとすることが好ましい。また、封止層136の上部には第2基板が設けられ、その間に充填材が設けられていてもよい。
【0092】
以上説明したように、本発明の一実施形態によれば、信号書込及びオフセットキャンセル期間において、高電位である第1電位PVDD_Hを印加しつつ、第5スイッチング素子EMTをオフにして駆動トランジスタのしきい値電圧の補償を行うので、オフセットキャンセルに高いマージンを与えることができる。さらに第5スイッチング素子EMTがオフとなっているのでオフセットキャンセル期間において大電流が電源線を介して流れるようなことはなく、配線抵抗に起因した電圧降下の影響が緩和され、画素領域102内でオフセットキャンセルのばらつきを低減することができる。また、オフセットキャンセル時において、行方向及び列方向にメッシュ状に配設された電源線から高電位である第1電位PVDD_Hを印加することで、配線抵抗のよる電圧降下の影響が緩和され、特に水平方向の輝度分布を均一化することができる。さらに、駆動トランジスタのドレインとゲート間の接続を制御するスイッチング素子の制御信号をハイレベル、ローレベルの2値の電圧信号に加え、ローレベルよりも高い第2のローレベルの状態を加えた3レベルの波形で第1スイッチング素子を駆動することにより、駆動トランジスタのしきい値電圧を補償しつつ、発光期間においては輝点の発生を防止することができる。