(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6653772
(24)【登録日】2020年1月30日
(45)【発行日】2020年2月26日
(54)【発明の名称】ギヤレス型風力発電装置の同期発電機並びに同期発電機の製造方法および成形コイルの使用
(51)【国際特許分類】
H02K 1/16 20060101AFI20200217BHJP
H02K 3/04 20060101ALI20200217BHJP
H02K 15/085 20060101ALI20200217BHJP
【FI】
H02K1/16 B
H02K3/04 E
H02K15/085
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-559235(P2018-559235)
(86)(22)【出願日】2017年5月2日
(65)【公表番号】特表2019-515636(P2019-515636A)
(43)【公表日】2019年6月6日
(86)【国際出願番号】EP2017060352
(87)【国際公開番号】WO2017194344
(87)【国際公開日】20171116
【審査請求日】2018年12月27日
(31)【優先権主張番号】102016108712.2
(32)【優先日】2016年5月11日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512197272
【氏名又は名称】ヴォッベン プロパティーズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】WOBBEN PROPERTIES GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 充
(72)【発明者】
【氏名】ツィームス、ヤン カルシュテン
(72)【発明者】
【氏名】レール、ヨッヒェン
【審査官】
宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第104617689(CN,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0175994(US,A1)
【文献】
独国特許出願公開第102014200947(DE,A1)
【文献】
特開2009−189078(JP,A)
【文献】
特開2013−162721(JP,A)
【文献】
国際公開第2015/155934(WO,A1)
【文献】
特開2015−211603(JP,A)
【文献】
特開昭62−181648(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0043759(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/16
H02K 3/04
H02K 15/085
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータ(106)とステータ(132)を含む、ギヤレス型風力発電装置の同期発電機であって、
前記ステータ(132)は、歯(34)を備えるステータリング(30)と、歯の間に配置された、ステータ巻線を受け入れるための溝(32)とを有し、
前記ステータリング(30)は、それぞれ同数の溝(32)を備えるステータセグメント(36)に周方向に分割されており、
一セグメント(36)内において複数の溝(32)は互いに周方向に実質的に同じ間隔(33)を有し、
2つのセグメント(36)の少なくとも1つの接続領域(38,40)において、2つの異なるセグメント(36)のそれぞれ一方に配設された、隣接する少なくとも2つの溝(32)の間隔(42)は、一セグメント(36)内の溝(32)の間隔(33)とは異なっており、
前記ステータ巻線は成形コイル(10)によって形成されており、
前記成形コイル(10)は異なる材料から作製されており、
互いの間隔(42)が一セグメント(36)内の溝(32)の間隔(33)よりも小さい隣接する溝(32)には、第1の比抵抗を備える成形コイル(10)の一柄部(12)が装着されており、残りの多数の溝(32)には、比較的に高い比抵抗を備える成形コイル(10)のそれぞれ1つの柄部(12)が装着されている、同期発電機。
【請求項2】
前記成形コイル(10)はそれぞれ2つの柄部(12)を有し、該柄部(12)は、2つのコイルヘッド(14)によって互いに接続されており、前記成形コイル(10)は、それぞれ2つの接続端子(16)を前記コイルヘッド(14)の一方の領域に有し、
前記両接続端子(16)は別にして、ステータ巻線のすべての成形コイル(10)の柄部(12)とコイルヘッド(14)は実質的に同じ形状を有する、請求項1に記載の同期発電機。
【請求項3】
前記ステータ(132)にある各成形コイル(10)の柄部(12)は、前記ステータ(132)の同じ半径領域に配置されている、請求項1または2に記載の同期発電機。
【請求項4】
各セグメント(36)は、それぞれ第1の接続端子(16)と第2の接続端子(16)を備えるそれぞれ6つ、または6の倍数の成形コイル(10)を有し、
一セグメント(36)の成形コイル(10)の6つの接続端子(16)は、周方向でその前方にある一セグメント(36)の成形コイル(10)の6つの接続端子(16)、および周方向でその後方にある一セグメント(36)の成形コイル(10)の6つの接続端子(16)と接続されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の同期発電機。
【請求項5】
異なる成形コイル(10)の2つの接続端子(16)の接続はU字形の接続要素によって行われ、U字形の両端部はそれぞれ1つの接続端子(16)と接続されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の同期発電機。
【請求項6】
互いの間隔(42)が一セグメント(36)内の溝(32)の間隔(33)よりも小さい隣接する溝(32)には、銅によりまたは銅から作製された成形コイル(44)の一柄部(12)が装着されており、残りの多数の溝(32)には、アルミニウムによりまたはアルミニウムから作製された成形コイル(10)のそれぞれ1つの柄部(12)が装着されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の同期発電機。
【請求項7】
異なる成形コイル(10)の少なくとも2つの接続端子(16)の接続は、アルミニウムから作製された接続要素であって、銅製成形コイルの作製時にステータの装着前に、冷間圧接、攪拌摩擦溶接、プレスろう付け、または圧接により銅製成形コイルの接続端子と接続された接続要素によって行われ、
前記銅製成形コイルの接続端子は、ステータの装着後に、アルミニウム製成形コイルの接続端子と接続される、請求項1から6のいずれか一項に記載の同期発電機。
【請求項8】
アルミニウムによりまたはアルミニウムから作製された成形コイル(10)の少なくとも1つの接続端子(16)は、銅によりまたは銅から作製された成形コイル(10)の少なくとも1つの接続端子(16)と接続されており、
当該接続は、銅アルミニウム合金から作製された接続要素によって、または接続端子の接続前に1つの部分に互いに接続される2つの導体材料から作製された接続要素によって行われる、請求項1から7のいずれか一項に記載の同期発電機。
【請求項9】
前記ステータ(132)のステータリング(30)は、少なくとも2つの箇所において、複数のステータリング部分から作製されており互いに接続されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の同期発電機。
【請求項10】
前記成形コイル(10)は、それぞれコイルヘッド(14)の領域において以下の形状の1つを有する、即ち、
・ステータリング(30)の外部において、柄部(12)が反対方向にクランク状に曲げられており、前記柄部(12)を接続する180度曲り部(26)まで平行に延在する形状、または
・ステータリング(30)の外部において、柄部(12)が異なる間隔(20,22)で同じ方向に曲げられており、柄部(12)を接続する180度曲り部(26)まで平行に延在し、前記曲り部(26)は同じ方向に0から90度の範囲の角度を有する形状、または
・ステータリング(30)の外部では、柄部(12)が異なる間隔(20,22)で同じ方向に曲げられており、柄部(12)を接続する180度曲り部(26)まで平行に延在し、前記曲り部(26)は同じ方向に90度の範囲の角度を有する形状、
を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の同期発電機。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の同期発電機(130)の製造方法であって、前記同期発電機(130)は、複数のセグメント(36)に分割されたステータリング(30)を有しており、
各セグメント(36)にはそれぞれ6つ、または6の倍数の成形コイル(10)が装着され、
各成形コイル(10)は2つの接続端子(16)を有し、一セグメント(36)の成形コイル(10)の6つの接続端子(16)は、周方向でその前方にある一セグメント(36)の成形コイル(10)の6つの接続端子(16)、および周方向でその後方にある一セグメント(36)の成形コイル(10)の6つの接続端子(16)と接続される、製造方法。
【請求項12】
前記成形コイル(10)は、1つまたは複数の平行に配置されたワイヤを、巻線コアの周りに巻回すことにより、溝(32)にそれぞれ装着される前に巻回され、
そこから得られたコイルは、2つの柄部(12)の所望の間隔が一セグメント(36)内の溝(32)の所定の間隔に相当して得られるまで拡開され、
成形コイル(10)の部分を所定の装置に固定することによりコイルヘッド(14)が曲げられ、
前記装置は、成形コイル(10)の所望の形状が可塑的変形により得られるまで、互いに運動される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
成形コイル(10)がクランク状に曲げられている場合、前記成形コイルは、前記柄部(12)が拡開される前に前記コイルヘッド(14)の領域でまず互いに反対方向にクランク状に曲げられる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
種々異なる成形コイル(10)の接続端子はU字形の接続部材と、冷間溶接、プレスろう付け、または攪拌摩擦溶接により接続される、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同期発電機、とりわけギヤレス型風力発電装置の4極同期リング発電機に関する。さらに本発明は、この種の同期発電機の製造方法並びに成形コイルの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電装置は、一般的に公知であり、これは風から発電機によって電流を発電する。現代のギヤレス型風力発電装置は、大きな空隙直径を備える4極同期リング発電機をしばしば有する。ここで空隙の直径は少なくとも4mであり、通常はほぼ5mにまで達する。それどころか組み立てられた同期発電機は、約10mの空隙直径を有することがある。
【0003】
風力発電装置、すなわち該当する同期発電機の稼働時には振動によってノイズが発生する。この振動は、大型の構造形式を通って例えば風力発電装置のナセル外装のような大きな共振体にも伝達され、それによりこのノイズはさらに増幅される。機能に起因してギヤレス型風力発電装置のこのような同期発電機は非常に緩慢に回転する発電機であり、典型的には約5から35回転/分の回転数で回転する。さらにこの緩慢な回転数は、とりわけ例えば1,500または3,000回転/分のような高い回転速度で回転する発電機と比較して、特別のノイズを助長することもある。
【0004】
ギヤレス型風力発電装置のこのような同期発電機は、すなわち発電装置自体も、持続的に運転するため持続的な障害ノイズ源となり得る。昨今、現代の特に大型の風力発電装置は、集落からますます離れた距離に設置され、そこで稼働される。そのため、風力発電装置の場合によるノイズもさほど障害として知覚されない。
【0005】
したがって、このノイズ発生を低減するために、ロータおよびステータを有する同期発電機が公知であり、このステータは、ノイズ発生に対抗作用するために特別の構造を有している。例えば、ステータの巻線、すなわちステータ巻線を受け入れる溝と歯を、均等ではなく、ステータの周方向に不均等に位置決めすることが公知である。
【0006】
これにより周方向に均等に分散されたロータ極ないし回転子極がロータの回転運動の際に、互いにずらされた、または十字に配置された対応の歯ないし溝に、それぞれ正確に同時には達しないことが達成される。これにより振動が低減され、もってこの種の発電機のノイズ発生、ひいてはすべての発電装置自体のノイズ発生も低減される。
【0007】
この種の発電機のステータの巻線は、通常、例えば銅から作製された絶縁エンドレスワイヤにより形成される。さらに1つのストランドのワイヤはそれぞれ複数の巻線ターン(Windungen)を有する複数の溝に巻き付けられ、したがって1つのストランドは連続するワイヤ部材から作製される。ステータのこの巻付けは非常に手間暇が掛かり、とりわけ湾曲箇所においてワイヤの非障害性(Unversehrtheit)並びにワイヤの絶縁性を巻付けの際にすでに監視するために、有利には手作業で行わなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】WO 2012/097107 A1
【特許文献2】EP 2 454 802 B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって本発明の基礎とする課題は、前記問題の少なくとも1つに対処し、とりわけ連続するストランドを手作業でステータに巻付ける方法よりも手間暇の掛からない解決策を提案することである。少なくともこれまで公知の解決策に取り代わる代替的な解決策を提案することが望まれる。
【0010】
ドイツ特許商標庁は、本出願の優先出願においてWO 2012/097107 A1とEP 2 454 802 B1を調査した。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の視点により、下記の同期発電機が提供される。該同期発電機は、
ロータとステータを含む、ギヤレス型風力発電装置の同期発電機であって、
前記ステータは、歯を備えるステータリングと、歯の間に配置された、ステータ巻線を受け入れるための溝とを有し、
前記ステータリングは、それぞれ同数の溝を備えるステータセグメントに周方向に分割されており、
一セグメント内において複数の溝は互いに円周方向に実質的に同じ間隔を有し、
2つのセグメントの少なくとも1つの接続領域において、2つの異なるセグメントのそれぞれ一方に配設された、隣接する少なくとも2つの溝の間隔は、一セグメント内の溝の間隔とは異なっており、
前記ステータ巻線は成形コイルによって形成されている。
より詳しくは、前記第1の視点において、ロータとステータを含む、ギヤレス型風力発電装置の同期発電機であって、前記ステータは、歯を備えるステータリングと、歯の間に配置された、ステータ巻線を受け入れるための溝とを有し、前記ステータリングは、それぞれ同数の溝を備えるステータセグメントに周方向に分割されており、一セグメント内において複数の溝は互いに周方向に実質的に同じ間隔を有し、2つのセグメントの少なくとも1つの接続領域において、2つの異なるセグメントのそれぞれ一方に配設された、隣接する少なくとも2つの溝の間隔は、一セグメント内の溝の間隔とは異なっており、前記ステータ巻線は成形コイルによって形成されており、前記成形コイルは異なる材料から作製されており、互いの間隔が一セグメント内の溝の間隔よりも小さい隣接する溝には、第1の比抵抗を備える成形コイルの一柄部が装着されており、残りの多数の溝には、比較的に高い比抵抗を備える成形コイルのそれぞれ1つの柄部が装着されていること。
本発明の第2の視点において、
第1の視点による同期発電機の製造方法が提供される。該製造方法において、前記同期発電機は、複数のセグメントに分割されたステータリングを有しており、各セグメントにはそれぞれ6つ、または6の倍数の成形コイルが装着され、各成形コイルは2つの接続端子を有し、一セグメントの成形コイルの6つの接続端子は、周方向でその前方にある一セグメントの成形コイルの6つの接続端子、および周方向でその後方にある一セグメントの成形コイルの6つの接続端子と接続される。
従属請求項の記載事項は、各視点についての展開形態を示す。
尚、本願の特許請求の範囲に付記されている図面参照符号は、専ら本発明の理解の容易化のためのものであり、図示の形態への限定を意図するものではないことを付言する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明によればギヤレス型風力発電装置の同期発電機が提案される。この同期発電機は、とりわけギヤレス型風力発電装置の4極同期リング発電機である。ギヤレス型風力発電装置のそのような4極同期リング発電機は、複数のステータ極、とりわけ少なくとも48のステータ歯、それどころかしばしば特に96のステータ歯のように格段に多数のステータ歯を有する。発電機の磁気的に活性な領域、すなわち回転子とも称することのできるロータとステータの磁気的活性領域は、同期発電機の回転軸を中心にリング状の領域内に配置されている。したがって空隙の半径の0から50%の領域には、同期発電機の電流または電界を導く材料が存在しない。とりわけこの内部空間は完全に空いており、基本的に歩くことができる。しばしばこの領域は空隙半径の0〜50%超、とりわけ0〜70%、またはそれどころか空隙半径の0〜80%である。構造に応じてこの内部空間に支持構造体を設けることができる。しかしこの支持構造体は、いくつかの実施形態では軸方向にずらして構成することができる。
【0013】
したがって同期発電機はロータとステータを含み、ステータは、歯(複数)を備えるステータリングと、歯の間に配置され、ステータ巻線を受け入れるための溝(複数)とを有する。ステータリングは、本発明によれば周方向にステータセグメント(複数)に分割されている。各ステータセグメントは同数の溝を有し、一セグメント内の溝は周方向に実質的に同じ間隔を互いに有する。
【0014】
とりわけ、2つのセグメントが周方向に並んで配置されていて隣り合っている、または接触している領域に対応する2つのセグメントの接続領域では、2つの隣接する溝、すなわち2つの異なるセグメントのそれぞれ一方、すなわちこの接続領域に並んで配置されたセグメントのそれぞれ一方に割り当てられた2つの溝の間隔は、一セグメント内の溝が互いに有する間隔とは異なっている。したがって隣接して並ぶ2つの異なるセグメントの2つの溝は、一セグメント内の溝の間隔よりも大きいか、または小さい間隔を有する。さらにステータ巻線は成形コイルと共に(を介して)形成される。ここで成形コイルは、とりわけ導電性導体から作製されており、この成形コイルはあらかじめ規定された形状の複数の巻線ターンで取り付けられており、2つの端子(接続端子)を有する。これらの接続端子により成形コイルは、発電機の直列に接続された複数のコイルによって1つのストランドを形成するために、さらなる成形コイルと接続することができる。
【0015】
これまでは、溝が異なって離間しているため、この種のステータのための成形コイルは非経済的であることが当てはまった。なぜなら一ステータ内のこれらすべての成形コイルが同じ形状を有する場合にだけ成形コイルは経済的だからである。しかし溝間隔が異なる同期発電機においては、先ずもってこの利点は明らかに存在しない。なぜなら、異なる幅で離間された溝に配置することができるようにし、かつ同時に電力損失を勘案するためには、大きさの異なる成形コイルを選択しなければならないからである。
【0016】
しかし、ステータがそれぞれ同数の溝を有する複数のセグメントに分割される場合、一セグメント内に常に一定数の成形コイル、とりわけ単層成形コイルを設けることができ、したがって溝間隔が異なっていても同形状の成形コイルを使用することができることが認識された。したがってここでは、セグメントをも跨いで溝(複数)に装填される成形コイルを設けるのではなく、セグメントの成形コイルが互いに接続される。
【0017】
かくて、エンドレスワイヤによる高価な手巻きを使用せずに、非対称に分散された溝を有する比較的に有利な同期発電機が実現可能である。
【0018】
一実施形態によれば、成形コイルはそれぞれ2つの柄部(Schenkel)を有し、これらの柄部は、巻線ヘッドとも称される2つのコイルヘッドにより互いに接続されており、接続端子(複数)は好ましくは一方のコイルヘッドの領域に配置されている。接続端子の領域を除いて、ステータ巻線のすべての成形コイルの柄部とコイルヘッドは同じ形状を有する。これによりすべての成形コイルを、製造の際に実質的に同じ装置で予成形することができ、したがってロット数の大きな成形コイルを製造することができ、これにより製造コストがさらに低減される。
【0019】
さらなる一実施形態によれば、ステータにある各成形コイルの柄部は、ステータの同じ半径領域に配置されている。ここで1つの半径領域は、ステータ軸を中心に延在し、異なる半径を有する2つの円の間の領域に相当する。したがって有利にはステータにあるすべての成形コイルのすべての柄部は、ステータの中心点に対して同じ間隔を有する。成形コイルのこの配置は単層の配置に相当し、各溝には一成形コイルの1つの個別の柄部だけが配置されている。成形コイルを溝(複数)の中にこのように単層に配置することにより、さらに、同じ成形コイルの柄部を、2つのセグメントの接続領域において隣接するセグメント(複数)の溝(複数)に装填しなくてもよいことが保証される。このような装填は、単層以外にしばしば使用される2層の巻線の場合である。すなわち成形コイルが2層に配置される場合、例えば成形コイルもセグメントを跨いで(segmentuebergreifend)配置しなければならないことになる。ここでは形状の異なる成形コイルが再び必要となろう。すなわち、一セグメント内にあり、セグメントを跨ぐ溝(複数)を互いに接続するための形状を有する成形コイルが必要となろう。
【0020】
さらなる一実施形態によれば、各セグメントはそれぞれ6つの、または6の倍数の成形コイルを有する。さらにこの実施形態によれば、一セグメントの成形コイルの6つの接続端子が、周方向でこれの前方にあるセグメントの成形コイルの6つの接続端子、および周方向でこれの後方にあるセグメントの成形コイルの6つの接続端子と接続されている。これによりステータの6つのストランドが形成され、発電機は6相発電機として駆動することができる。さらにこれにより振動が緩和される。なぜならトルクリプルが、通常の3相ではなく6相であることに基づき低減されるからである。
【0021】
さらなる一実施形態によれば、接続端子のそれぞれ2つが、U字形状を有する接続要素と接続される。ここでU字形状の両端部は、別の成形コイルの一接続端子とそれぞれ接続されている。U字形の接続要素が特に有利である。なぜなら、これらは周方向に並んで互いに180度だけ回転して配置することができ、これによりU字形の1つまたは複数の端部が、他方の接続要素のU字形の2つの端部の間の中央空間に入り込むことができ、これによってスペースを節約する構造が可能だからである。
【0022】
さらなる一実施形態によれば、ステータに対して材料の異なる成形コイルが使用される。ここでは第1の比抵抗を備える成形コイルが、一セグメント内の溝の間隔よりも互いに小さい間隔を有する溝に少なくとも装填される。しかし残りの多数の溝には、第1の抵抗よりも比抵抗の大きい抵抗が装着される。
【0023】
動作時における成形コイルの柄部の熱発生は、成形コイルが作製された材料の比抵抗に直接的に関連している。すなわち、比抵抗が大きくなるにつれ、成形コイルを通って電流が流れる際の熱発生も増大する。
【0024】
したがって、成形コイルの2つの柄部が非常に密に並んで配置されている溝(複数)の領域では、ステータにおける熱発生全体を所定の限界値内に維持するために、他の溝におけるよりも比較的に小さな熱発生に抑えることが必要である。したがって、少なくとも互いに比較的小さな間隔を有する溝に比抵抗が比較的に小さい成形コイルを装着することは、互いに比較的大きな間隔を有する溝に装着するよりも特に有利な結果をもたらす。
【0025】
さらなる有利な一実施形態によれば、一セグメント内の溝の間隔よりも小さい間隔を有する溝には、銅によりまたは銅から作製された成形コイルの柄部が装着され、残りの多数の溝には、アルミニウムによりまたはアルミニウムから作製された成形コイルの柄部がそれぞれ装着される。アルミニウムは安価に大量に調達可能であり、同時に簡単に加工することができる。したがって多数の溝にはアルミニウム製の成形コイルを装着するのが特に有利である。銅も十分な量で調達可能である。確かに銅はアルミニウムより高い調達価格を有しているが、銅は比較的小さな比抵抗を有しており、したがって銅を使用することは、少なくとも非常に密に並んで配置された溝において有利である。なぜなら温度挙動およびこれに結び付いたステータの熱発生の際の利点が、比較的に高い調達価格を相殺するからである。
【0026】
さらなる一実施形態によれば、アルミニウムによりまたはアルミニウムから作製された成形コイルの少なくとも1つの接続端子は、銅によりまたは銅から作製された成形コイルの少なくとも1つの接続端子と接続されている。この接続は、最上位の選択肢にしたがい銅アルミニウム合金から作製された接続要素によって行われる。銅およびアルミニウムのこの種の合金は、異なる材料から作製された成形コイルの接続端子間で確実な接続を形成するために用いられる。
【0027】
さらなる一代替例によれば、接続要素は、2つの導体材料から継ぎ合わされた接続要素である。したがって接続要素は、例えば一方の側では銅から作製され、他方の側ではアルミニウムから作製され、2つの材料は、例えば冷間圧接、攪拌摩擦溶接またはプレスろう付けないし圧接により互いに接続されている。
【0028】
さらなる一実施形態によれば、銅コイルおよびアルミニウムコイル、すなわち2つの異なる成形コイルが、アルミニウムから作製された接続要素によって互いに接続されており、銅コイルの製造時に、ステータへの装着前にすでに、冷間圧接、攪拌摩擦溶接、プレスろう付けまたは圧接によって銅コイルと接続されている。
【0029】
さらなる一実施形態によれば、ステータのステータリングは、それぞれとりわけ2つのセグメントの接続領域にあるそれぞれ少なくとも2つの箇所において、とりわけ2つの異なるセグメントのそれぞれ一方に配設された隣接する2つの溝であって、一セグメント内の溝の間隔よりも大きな間隔を有する2つの溝の間では、複数のステータリング部分から作製されており、互いに接続されている。
【0030】
したがってステータリングは、複数のステータリング部分から作製されている。これらのステータリング部分は例えば予製造され、予製造の間に成形コイルをステータリング部分の溝にすでに装着することができる。そして使用場所で初めて個々のステータリング部分が互いに接続される。有利にはステータリングは、2つのセグメントが互いに突き合い当接し、それらの外側の溝が、組み立てられた状態において一セグメントの他の残りの溝よりも大きな間隔を互いに有する箇所で丁度分割されている。ステータリングを分離するためにはこの箇所が特に有利である。なぜなら、溝間隔が大きいことにより、例えば輸送の際に損傷する恐れのある特に薄いステータの歯が発生しないからである。したがってステータの頑強な構造が保証される。同時に、分割可能であることより、特に大型のステータの輸送が可能となる。
【0031】
さらなる一実施形態によれば成形コイルは、それらのコイルヘッドの領域にそれぞれ以下の形状の1つを含む。この実施形態の成形コイルの第1の形状によれば、柄部(複数)はステータリングの外部において互いに反対方向に曲げられており、柄部(複数)を接続する180度曲り部まで平行に延在する。あるいは、柄部(複数)は、ステータリングの外部において異なる間隔で同じ方向に曲げられており、次いで(2つの)柄部を接続する180度曲り部まで平行に延在する。ここで2つの柄部の曲り部は同じ方向を指し、0から90度の範囲の角度である。さらなる択一的な一実施形態によれば曲り部には、同じ方向に90度の角度が付されている。このように成形されたコイルは有利には、ステータの同じ半径領域に配置することのできる単層成形コイルとなる。
【0032】
さらに本発明は、とりわけ前記実施形態の1つによる同期発電機の製造方法に関する。この方法によれば各セグメントにはそれぞれ6つの、または6の倍数の成形コイルが装着される。さらに一セグメントの成形コイルの接続端子のうちの6つは、周方向でその前方にあるセグメントの成形コイルの6つの接続端子、および周方向でその後方にあるセグメントの成形コイルの6つの接続端子と接続される。これにより有利には、それぞれ連続する電気導体の6つのストランド、または同期発電機のステータを通るストランド(複数)が得られる。そのために手巻きの同期発電機と比較して比較的有利な同期発電機の製造を可能にする成形コイルを使用することのでき、同時に、運転中の発電機のノイズ発生を低減するために異なる溝間隔が可能である。
【0033】
本方法の一実施形態によれば成形コイルは、1つまたは複数の平行に配置されたワイヤ、とりわけフラットワイヤを、好ましくは2つのコイル心部材(Dornen)から形成された巻線コアの周りに巻回すことにより、溝に装着する前に巻回される。そこから得られたコイルは、2つの柄部の所望の間隔が一セグメント内の溝の間隔に相当するまで拡開される。これに続いて、コイルの部分を装置(複数)内に固定することにより、コイルヘッドが曲げられ、そして成形コイルの所望の形状が可塑的変形により得られるまで、前記装置(複数)は互いに運動される。したがって同じ形状を有する成形コイルの多数の部品数を簡単にあらかじめ作製することができる。
【0034】
本方法のさらなる一実施形態によれば、成形コイルが曲げられている場合、コイルは、柄部(複数)が広げられる前にコイルヘッドの領域でまず反対方向に曲げられる。これにより、コイルの柄部の間隔が、曲げる際に誤って変化されないことが保証される。
【0035】
本方法のさらなる一実施形態によれば、種々異なる成形コイルがU字形の接続部材と、冷間溶接、圧接または攪拌摩擦溶接により接続される。これにより、通常は成形コイルを接続するのに用いられるコンタクトリングを省略することができる。したがって、とりわけステータの深さ(Tiefe)の観点でスペースを節約する構造が可能である。
【0036】
さらに本発明は、一発電機におけるアルミニウム製成形コイルおよび銅製成形コイルの使用に関する。したがってこれによれば、本発明のアルミニウム製成形コイルおよび銅製成形コイルが、発電機の例えば同じステータに装着され、これによりステータにおいて均等な熱分布を形成する。したがってとりわけ溝が非対称に分散されたステータでは、好ましくは比較的密に並んで配置された溝には銅製コイルが、残りの溝にはアルミニウム製コイルが使用される。同時にアルミニウムの使用によりコスト削減が可能であり、一方、銅製コイルは、そうでないとアルミニウムの高い比抵抗により運転時に許容されない温度または回避すべき温度に達することになる領域に装着される。
【0037】
さらなる実施形態は、図面に詳細に示された実施例に基づいて得られる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図2】リング発電機として構成された一同期発電機の概略的側面図である。
【
図3】本発明の同期発電機の一実施例の一成形コイルを示す図である。
【
図4】
図3のコイルのコイルヘッドの拡大図である。
【
図5】
図3および4の実施例と比較するために別のやり方で巻回されたコイルヘッドを示す図である。
【
図6】成形コイルの形状のさらなる一実施形態を示す図である。
【
図7】例示的な一ステータリングの3つのセグメントの側面図である。
【
図8】外部からステータを見て、一ステータの3つのセグメントを例示する図である。
【実施例】
【0039】
図1は、本発明による一風力発電装置の概略図である。風力発電装置100は、一タワー102と、タワー102上のナセル104を有する。ナセル104には、3つのロータブレード108とスピナ110を備える一空気力学的ロータ106が設けられている。空気力学的ロータ106は、風力発電装置の稼働時に風によって回転運動され、これにより空気力学的ロータ106と直接または間接的に結合された発電機のロータまたは回転子も回転される。発電機はナセル104内に配置されており、電気エネルギを生成する。ロータブレード108のピッチ角は、それぞれのロータブレード108のロータブレード根元108bにあるピッチモータによって変更することができる。
【0040】
図2は、一発電機130を概略的側面図に示す。発電機は、ステータ132と、これに回転可能に支承された電気力学的ロータ134を有し、発電機のステータ132は軸ジャーナル136を介して機械支持体138に固定されている。ステータ132はステータ支持体140とステータ薄板積層体142を有し、これらは発電機130のステータ極を形成し、ステータリング30を介してステータ支持体140に固定されている。
【0041】
電気力学的ロータ134はロータポールシュー146を有し、ロータポールシューはロータ極を形成し、ロータ支持体148とベアリング150を介して軸ジャーナル136上に、回転軸152を中心に回転可能に支承されている。1つの狭い空隙154だけがステータ薄板積層体142とロータポールシュー146を分離しており、この空隙の厚さは数mm、とりわけ6mm未満であるが、数m、とりわけ4m超の直径を有する。
【0042】
ステータ薄板積層体142とロータポールシュー146はそれぞれ一リングを形成し、共にリング状であり、したがって発電機130はリング発電機である。発電機130の電気力学的ロータ134は規定どおりに空気力学的ロータのロータハブ156と共に回転する。空気力学的ロータのうちロータブレード158の付け根部が図示されている。
【0043】
図3は、本発明の同期発電機130のための成形コイル10の第1実施例を示す。成形コイル10は2つの柄部12を有する。さらにコイル10は2つのコイルヘッド14を有する。左側に示されたコイルヘッド14の領域には2つの接続端子16が図示されている。成形コイル10の(中央)領域18、すなわちこの領域18にある2つの柄部12は、同期発電機130のステータ132の1つの同じセグメントの溝に後で装填される。上記セグメントは、後に
図7と8の説明に関連して記述される。コイルヘッド14は、2つの柄部12を互いに接続するための、柄部12の曲り部に対応する部分である。
【0044】
図4は、
図3の成形コイル10のコイルヘッド14の一方の拡大図である。このコイルヘッド14は、
図3で右側に示したコイルヘッドに相当し、ここでは
図3に対して裏側が図示されている。コイルヘッド14は、柄部12が異なる間隔で、すなわち一方では間隔20の後で、他方では間隔22の後で同じ方向に曲げられていることを含む。2つの曲げられた柄部12は領域24において再び平行に延在し、180度曲り部26により互いに接続される。柄部12の曲りは、ここでは同じ方向に約40度である。
【0045】
成形コイル10の別の一実施形態が
図5に示されており、この実施形態ではコイルヘッド14が、間隔20,22の後で90度だけ曲がられている。この図示の成形コイル10により、このように成形された任意の数のコイル10を一ステータ132の溝(複数)に並べて装着することができ、柄部12がステータ132の中心に対して同じ半径方向距離で、あるいは同じ半径領域に配置されていても、個々のコイルが接触することはない。
【0046】
図6は、成形コイル10のコイルヘッド14のさらなる一実施例をさらに示す。この成形コイルでは柄部(複数)12が互いに反対方向に同じ間隔でクランク状に曲げられている。すなわち、
典型的には、まず反対方向に90度だけ曲げられ、そして新たに90度だけ同じ方向に(なるように)曲げられている。同様にこれによって、柄部(複数)12のクランク状に曲がった2つの領域が実質的に平行に延在する領域24が形成されている。さらに2つの柄部12を接続する180度曲り部26が設けられている。
【0047】
図7は、分かり易くするために湾曲されず(曲がりをつけず)に図示されているステータリング30の例示的な一部分図である。ステータリング30は溝(複数)32と歯(複数)34を有する。ここには3つのセグメント36が図示されている。セグメント36の溝32には成形コイル10が装填されている。各セグメント36は6つの成形コイル10を有する。成形コイル10の柄部12とセグメント36内の溝(複数)32は、それぞれ互いに同じ間隔33を有する。しかし溝32は、接続領域38と接続領域40において、一セグメント36内の溝32の間隔33とは異なる間隔42を有する。接続領域38において例えば2つの溝32の間隔はゼロに等しく、したがって一セグメント36内の溝32の間隔33よりも小さい。これに対して接続領域40において溝32の間隔42は、一セグメント内の溝32の間隔の約2倍である。ステータリング30の上側45は、図ではステータ132の半径方向の内側に相当する。
【0048】
図8は、ステータ132を半径方向外側から見た図である。ここでも3つのセグメント36を備える領域だけが例示されている。
図8に示した実施例によれば、2つの成形コイル44は銅から作製されている。残余の成形コイル10はアルミニウムから作製されている。柄部12が2つのセグメント36の接続領域38,40において非常に近接して並置されている銅製成形コイル44によって、これら2つのコイルがアルミニウムから作製されている場合に対する動作時よりも比較的に小さな熱が発生する。なぜなら銅は、アルミニウムよりも小さな比抵抗を有するからである。アルミニウム製成形コイルと銅製成形コイルを使用することにより、熱分布に関して有利な特性を有する比較的好ましいステータ132ないし同期発電機130を製造することができる。
【0049】
本発明において以下の形態が可能である。
(形態1)
第1の視点に記載の同期発電機。
(形態2)
前記成形コイルはそれぞれ2つの柄部を有し、該柄部は、2つのコイルヘッドによって互いに接続されており、前記成形コイルは、それぞれ2つの接続端子を前記コイルヘッドの一方の領域に有し、
前記両接続端子は別にして、ステータ巻線のすべての成形コイルの柄部とコイルヘッドは実質的に同じ形状を有する、好ましくは形態1に記載の同期発電機。
(形態3)
前記ステータにある各成形コイルの柄部は、前記ステータの同じ半径領域に配置されている、好ましくは形態1または2に記載の同期発電機。
(形態4)
各セグメントは、それぞれ第1の接続端子と第2の接続端子を備えるそれぞれ6つ、または6の倍数の成形コイルを有し、
一セグメントの形成コイルの6つの接続端子は、周方向でその前方にある一セグメントの成形コイルの6つの接続端子、および周方向でその後方にある一セグメントの成形コイルの6つの接続端子と接続されている、好ましくは形態1から3のいずれか一に記載の同期発電機。
(形態5)
異なる成形コイルの2つの接続端子の接続はU字形の接続要素によって行われ、U字形の両端部はそれぞれ1つの接続端子と接続されている、好ましくは形態1から4のいずれか一に記載の同期発電機。
(形態6)
前記成形コイルは異なる材料から作製されており、
互いの間隔が一セグメント内の溝の間隔よりも小さい隣接する溝には、第1の比抵抗を備える成形コイルの一柄部が装着されており、残りの多数の溝には、比較的に高い比抵抗を備える成形コイルのそれぞれ1つの柄部が装着されている、好ましくは形態1から5のいずれか一に記載の同期発電機。
(形態7)
互いの間隔が一セグメント内の溝の間隔よりも小さい隣接する溝には、銅によりまたは銅から作製された成形コイルの一柄部が装着されており、残りの多数の溝には、アルミニウムによりまたはアルミニウムから作製された成形コイルのそれぞれ1つの柄部が装着されている、好ましくは形態6に記載の同期発電機。
(形態8)
異なる成形コイルの少なくとも2つの接続端子の接続は、アルミニウムから作製された接続要素であって、銅製コイルの作製時にステータの装着前に、冷間圧接、攪拌摩擦溶接、プレスろう付け、または圧接により銅製成形コイルの接続端子と接続された接続要素によって行われ、
前記銅製成形コイルの接続端子は、ステータの装着後に、アルミニウム製成形コイルの接続端子と接続される、好ましくは形態6または7に記載の同期発電機。
(形態9)
アルミニウムによりまたはアルミニウムから作製された成形コイルの少なくとも1つの接続端子は、銅によりまたは銅から作製された成形コイルの少なくとも1つの接続端子と接続されており、
当該接続は、好ましくは銅アルミニウム合金から作製された接続要素によって、または接続端子の接続前に1つの部分に互いに接続される2つの導体材料から作製された接続要素によって行われる、好ましくは形態6から8のいずれか一に記載の同期発電機。
(形態10)
前記ステータのステータリングは、それぞれとりわけ2つのセグメントの接続領域(40)にある少なくとも2つの箇所において、とりわけ2つの異なるセグメントのそれぞれ一方に配設された2つの溝であって、一セグメント内の溝の間隔よりも大きい間隔を有する2つの溝の間では、複数のステータリング部分から作製されており互いに接続されている、好ましくは形態1から9のいずれか一に記載の同期発電機。
(形態11)
前記成形コイルは、それぞれコイルヘッドの領域において以下の形状の1つを有する:
・ステータリングの外部において、柄部(複数)が反対方向にクランク状に曲げられており、前記柄部(複数)を接続する180度曲り部まで平行に延在する形状、または
・ステータリングの外部において、柄部(複数)が異なる間隔で同じ方向に曲げられており、柄部(複数)を接続する180度曲り部まで平行に延在し、前記曲り部は同じ方向に0から90度の範囲の角度を有する形状、または
・ステータリングの外部では、柄部(複数)が異なる間隔で同じ方向に曲げられており、柄部(複数)を接続する180度曲り部まで平行に延在し、前記曲り部は同じ方向に90度の範囲の角度を有する形状、
好ましくは形態1から10のいずれか一に記載の同期発電機。
(形態12)
とりわけ形態1から11のいずれか一に記載の同期発電機の製造方法であって、前記同期発電機は、複数のセグメントに分割されたステータリングを有しており、
各セグメントにはそれぞれ6つ、または6の倍数の成形コイルが装着され、
各成形コイルは2つの接続端子を有し、一セグメントの成形コイルの6つの接続端子は、周方向でその前方にある一セグメントの成形コイルの6つの接続端子、および周方向でその後方にある一セグメントの成形コイルの6つの接続端子と接続される、製造方法。
(形態13)
前記成形コイルは、1つまたは複数の平行に配置されたワイヤ、とりわけフラットワイヤを、好ましくは2つのコイル心部材から形成された巻線コアの周りに巻回すことにより、溝にそれぞれ装着される前に巻回され、
そこから得られたコイルは、2つの柄部の所望の間隔が一セグメント内の溝の間隔に相当するまで拡開され、
成形コイルの部分を装置(複数)内に固定することによりコイルヘッドが曲げられ、
成形コイルの所望の形状が可塑的変形により得られるまで、前記装置(複数)は互いに運動される、好ましくは形態12に記載の方法。
(形態14)
成形コイルが曲げられている場合、前記コイルは、前記柄部(複数)が拡開される前に前記コイルヘッドの領域でまず互いに反対方向にクランク状に曲げられる、好ましくは形態13に記載の方法。
(形態15)
種々異なる成形コイルの接続端子はU字形の接続部材と、冷間溶接、圧接または攪拌摩擦溶接により接続される、好ましくは形態12から14のいずれか一に記載の方法。
(形態16)
同じ発電機におけるアルミニウム製成形コイルおよび銅製成形コイルの使用。
【符号の説明】
【0050】
100 風力発電装置
102 タワー
104 ナセル
106 空気力学的ロータ
108 ロータブレード
110 スピナ
130 発電機
132 ステータ
134 電気力学的ロータ
136 軸ジャーナル
138 機械支持体
140 ステータ支持体
142 ステータ薄板積層体
146 ロータポールシュー
148 ロータ支持体
150 ベアリング
152 回転軸
154 空隙
156 ロータハブ
158 ロータブレード
10 成形コイル
12 柄部
14 コイルヘッド
16 接続端子
20,22,33,42 間隔
24 半径領域
26 180度曲り部
30 ステータリング
32 溝
34 歯
36 セグメント
38,40 接続領域
44 銅製成形コイル