(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記使用者の小鼻に接する小鼻部において、前記中心線の左側の部分及び右側の部分のそれぞれに、互いに独立して形成された複数の前記調整構造が配置されている、請求項1に記載のフェイスマスク。
前記使用者の鼻の形状に従って、前記空間境界部が変形して広がり、前記不動部が前記空間境界部の中心部を含む領域を覆うときに、前記不動部が、前記空間境界部の下方または上方の前記フェイスマスクの部分と重複して重複領域を形成するように構成されている、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフェイスマスク。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のいずれの技術も、凹凸を有する使用者の鼻の部分において、相対的に高く、目立つ位置を十分にマスクあるいはパックで覆い、化粧用組成物によってケアすることはできない。上述の技術によっては、マスクあるいはパックを顔の形状に追従させるに留まり、化粧用組成物によって十分にケアすることはできない。すなわち、マスクあるいはパックを顔の形状の追従させる際に、マスクあるいはパックに空間が生じ、その空間の部分に対応する使用者の顔に対しては、化粧用組成物によってケアすることはできない。例えば、特許文献1及び特許文献2の技術においては、鼻と周囲の部分の高さの差(以下、「高度差」という。)に対応するために、使用者の鼻の輪郭に対応する鼻部の外形を規定するようにフェイスマスクに切れ込みが形成されており、フェイスマスクの装着時には、高度差によって、その切れ込みが広がって空間となり、その空間において、フェイスマスクは顔を覆っていない状態になる。なお、鼻部の外形を規定するように形成された切れ込みが、高度差によって変形するから、切れ込みの両側のフェイスマスクの生地が重複することはない。また、特許文献3に記載の技術は、使用者の小鼻に対応するパックの位置に、
図37に示す切れ込みが形成されている。その切れ込みは、
図37に示すように、点P1とP3を結ぶ切込み100Aの中間部に、始点を点P2とする直線状の切込み100Bが接続されたものである。
図37の切込み100A及び100Bの部分が使用者の小鼻に接すると、小鼻の部分とその周辺の高さの差(以下、「小鼻高度差」という。)によって、
図38に示すように、切れ込み100Aは切込み100Aaと100Abに分離し、空間S100aを生じ、切れ込み100Bは切込み100Baと100Bbに分離し、空間S100bを生じる。空間S100a及び空間S100bにおいて、鼻用パックは小鼻を覆っていない状態になる。そして、空間S100bは、小鼻において相対的に最も高い位置である可能性が高く、目立つ部分に対応する。このとき、小鼻高度差によって、切れ込み100A及び100Bが変形し、切れ込み100A及び100Bの両側のパックの生地が重複することはない。すなわち、特許文献3の技術においては、鼻用パックによって、小鼻の部分を十分に覆うことができず、しかも、最も目立つ部分を覆うことができない。さらに、特許文献4のフェイスマスクにおいては、例えば、
図39に示すように、複数の線分状の切れ込み(スリット)100が線状に配列されている。
図39に示すスリット100に矢印X1及びX2に示す左右方向の力が作用すると、
図40に示すように、スリット100は、スリット100の始点P1及び終点P2を起点として左右に広がり、隙間S100を生じる。隙間S100は、凹凸を有する使用者の鼻の部分において、相対的に高く、目立つ位置に生じる可能性が高い。すなわち、上述のいずれのフェイスマスクあるいは鼻用パックにおいても、目立つ部位を化粧用組成物でケアすることが困難である。
【0005】
本発明は、上記を踏まえて、凹凸を有する使用者の顔面において、目立つ部位を化粧用組成物でケアすることができるフェイスマスクを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の発明は、化粧用組成物を含侵した美容用のフェイスマスクであって、前記フェイスマスクは、使用者の顔の全体を覆うように構成されており、使用者の額の中心から使用者の顎の中心を結ぶ線分に接する線を中心線とするとき、前記使用者の鼻に接する鼻部において、前記中心線の左側の部分及び右側の部分のそれぞれに、互いに独立して形成された複数の調整構造が配置されており、各前記調整構造は、前記鼻部の外形を規定する切れ込みとは独立して形成されており、前記中心線の方向以外の方向において乖離した2点を起点とし、前記2点の下方または上方において接続する切れ込みによって空間を形成する空間境界部と、前記空間と同一形状であって、前記2点を結ぶ位置において、前記フェイスマスク本体と接続しており、前記空間に配置される不動部と、を有し、前記使用者の顔において前記フェイスマスクの装着態様が調整されるときに、前記空間境界部が変形して前記空間が広がり、前記不動部が前記空間の中心部を含む領域を覆うことができるように構成されている、フェイスマスクである。
【0007】
第一の発明の構成によれば、調整構造は鼻部の外形を規定する切れ込みとは独立して形成されている。このため、調整構造が鼻部の外形を規定する切れ込みと連続している場合に比べて、フェイスマスクが使用者に装着されたときに、使用者の鼻とその周囲の高さの差(高度差)による変形の影響は相対的に小さい。また、鼻部において、中心線の左側の部分及び右側の部分のそれぞれにおいて、複数の調整構造が配置されている。このため、高度差は、複数の調整構造によって調整される。したがって、使用者の顔においてフェイスマスクの装着態様が調整されるときに、空間境界部が変形して空間が広がるのであるが、左側の部分または右側の部分において調整構造が単一である場合に比べて、それぞれの空間の広がりの程度は相対的に小さいから、使用者の顔面を化粧用組成物によって効果的にケアすることができる。さらに、広がった空間の中心部を含む領域を不動部が覆うから、一層効果的に使用者の顔面を化粧用組成物でケアすることができる。ここで、広がった空間は、使用者の鼻の凹凸において、相対的に高く、目立つ部位に生じる可能性が高い。そして、広がった空間の中心部を含む領域を不動部が覆う。これにより、本発明の構成によれば、凹凸を有する使用者の顔面において、目立つ部位を化粧用組成物でケアすることができる。
【0008】
第二の発明は、第一の発明の構成において、前記使用者の小鼻に接する小鼻部において、前記中心線の左側の部分及び右側の部分のそれぞれに、互いに独立して形成された複数の前記調整構造が配置されている、フェイスマスクである。
【0009】
第二の発明の構成によれば、小鼻に接する小鼻部において、中心線の左側の部分及び右側の部分のそれぞれに、互いに独立して形成された複数の調整構造が配置されているから、使用者の小鼻の高さと周囲の高さの相違(小鼻高度差)は、複数の調整構造によって調整される。このため、使用者の顔においてフェイスマスクの装着態様が調整されるときに、空間境界部が変形して空間が広がるのであるが、小鼻部に単一の調整構造が形成されている場合や、調整構造が連続している場合に比べて、それぞれの空間は相対的に小さく、さらに、広がった空間の中心部を含む領域を不動部が覆う。広がった空間は、使用者の小鼻の凹凸において、相対的に高く、目立つ部位に生じる可能性が高い。そして、広がった空間の中心部を含む領域を不動部が覆う。
【0010】
第三の発明は、第二の発明の構成において、前記小鼻部において、上下方向及び/または左右方向に複数の前記調整構造が互いに独立して配置されている、フェイスマスクである。
【0011】
第三の発明の構成によれば、小鼻部において、上下方向及び/または左右方向に複数の調整構造が互いに独立して配置されているから、複雑な小鼻部の形状にきめ細かく追従し、しかも、最も高く目立つ位置を確実に不動部で覆い、化粧用組成物によってケアすることができる。
【0012】
第四の発明は、第一の発明乃至第三の発明のいずれかの構成において、前記使用者の鼻の形状に従って、前記空間境界部が変形して広がり、前記不動部が前記空間境界部の中心部を含む領域を覆うときに、前記不動部が、前記空間境界部の下方または上方の前記フェイスマスクの部分と重複して重複領域を形成するように構成されている、フェイスマスクである。
【0013】
第四の発明の構成によれば、重複領域を形成するから、空間境界部の下方または上方のフェイスマスクの領域において、一層効果的に、使用者の顔を化粧用組成物によってケアすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかるフェイスマスクによれば、凹凸を有する使用者の顔面において、目立つ部位を化粧用組成物でケアすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第一の実施形態>
以下、図面に基づき本発明の好適な実施形態を説明する。なお、当業者が適宜実施できる構成については説明を省略し、本発明の基本的な構成についてのみ説明する。
【0017】
図1に示すように、フェイスマスク1は、基材シート2で構成されている。基材シート2は、例えば、不織布で形成されている。不織布の材質は、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ボリビニルアルコール、コットン、キュプラ、レーヨン、パルプ等である。基材シート2には、化粧用組成物が含侵されている。化粧用組成物の主成分は水分であり、さらに、以下の美容成分のうち少なくとも一つを含む。美容成分は、例えば、ヒトオリゴペプチド−1、ヒトオリゴペプチド−13、アセチルヘキサペプチド−8、パルミトイルペンタペプチド−4、水溶性コラーゲン、加水分解コラーゲン、サクシノイルアテロコラーゲン、リン酸アスコルビルMg、サッカロミセス(黒砂糖、プラセンタエキス)発酵液、ヒアルロン酸Na、アセチルヒアルロン酸Na、ヒアルロン酸クロスポリマーNa、セレブロシド、アルブチン、アスパラギン酸Mg、グリチルリチン酸2K、グルコン酸銅、グルコン酸亜鉛、プラセンタエキス、サイタイエキス、水溶性プロテオグリカン、白金、酒粕エキス、イワベンケイ根エキス、リンゴ果実培養細胞エキス、ビタミンA油、トコフェロール、サッカロミセスセレビシアエエキス、セレブロシド、PCA−Na、ナットウガム、アボカド油、カニナバラ果実油、アンズ核油、ヒマワリ種子油、ジラウロイルグルタミン酸リシンNa、アミノカプロン酸、ベタインである。
【0018】
図1において、紙面手前側が
図2の表面1Aaであり、紙面裏側が
図2の裏面1Abである。フェイスマスク1が使用されるとき、裏面1Abが使用者の顔面に接する。フェイスマスク1は、使用者200(
図3参照)の顔の全体を覆うように構成されている(
図4及び
図5参照)。
【0019】
基材シート2には、瞼部4A及び4B、鼻部20、口部開口8、顎部14、側方部切れ込み16A及び16B、及び、フェイスマスク1の上下左右方向及び表裏を示すための突出部18等が形成されている。鼻部20の下方には線分状の水平方向の切れ込み(スリット)6が形成されている。基材シート2において、使用者200の額に接する部分を額部19とする。
【0020】
本明細書において、額部19が存在する方向をフェイスマスク1における上側(上方)、顎部14が形成されている方向を下側(下方)、鼻部20から視て側方部切れ込み16A及び16Bへ向かう方向を外側(側方)、外側から鼻部20へ向かう方向を中心方向と呼ぶ。フェイスマスク1において、使用者の額の中心から使用者の口の中心を結ぶ線分に接する仮想線を「中心線」と呼ぶ。上側から下側へ向かう方向が上下方向である。上下方向は鼻筋の方向を含むが、中心線と厳密に一致するものではない。フェイスマスク1の面上において、上下方向に直交する方向を左右方向と呼ぶ。ある構成に対して「上方」というときには、中心線と並行な線に沿って上側に位置する場合に限らず、左右にずれた上側であってもよい。同様に、ある構成に対して「下方」というときには、中心線と並行な線に沿って下側に位置する場合に限らず、左右にずれた下側であってもよい。また、ある構成に対して「左方」または「右方」というときには、中心線と垂直な線に沿って左側または右側に位置する場合に限らず、上下にずれた左側または右側であってもよい。また、切れ込みまたは開口が形成されていない部分を基材シート2の「本体部」と呼ぶ。
【0021】
人間の顔面は3次元形状であり、凹凸がある。そして、凹凸の状態は顔面における部位によって異なり、各部位において、相対的に高い部分が凸部となり、相対的に低い部分が凹部となる。そして、鼻を含む鼻近傍の領域において凹凸は顕著である。
【0022】
フェイスマスク1の鼻部20は、使用者の鼻に接する部分である。鼻部20には、使用者の鼻の凹凸を調整するための複数の調整構造22が互いに独立して形成されている。また、調整構造22は、鼻部20の輪郭を規定する下方の切れ込み6とは連続しておらず、独立して形成されている。
【0023】
フェイスマスク1には、化粧用組成物が含侵されているので、使用者の顔面に貼りつく。フェイスマスク1を装着する際には、まず、額、眼及び鼻などに接するように配置し、その後、頬や口、顎など、顔の形状に合わせて、装着していく。フェイスマスク1は、平均的な人間の顔面よりも大きく作られている。
【0024】
一般的に、平面形状のフェイスマスクを立体的な顔の形状に合せると、フェイスマスクにしわやたるみの部分が生じ、その部分からフェイスマスクが顔面から剥がれたり、顔面から浮くことがある。剥がれや浮きの問題に対応するために、フェイスマスクの装着を微調整する必要がある。フェイスマスクの微調整を行うには、貼りついたフェイスマスクを顔の上を滑らせるようにずらしていく、もしくは、フェイスマスクの一部分を把持して外し、ずらす必要がある。この点、フェイスマスク1は、上述の調整構造22、及び、側方部切れ込み16A等によって、フェイスマスク1のしわやたるみの発生を防ぎながら、最初の配置後に調整がしやすく、効果的に顔面に装着することを可能にしている。
【0025】
フェイスマスク1の各構成について、以下に詳細に説明する。
<瞼近傍の構成について>
基材シート2には、使用者の瞼を覆う瞼部4A及び4Bが形成されている(
図1参照)。瞼部4Aは基材シート2と線状の線分部4Aaにおいて連続している。また、瞼部4Aは略円弧状の瞼部切れ込み4Abによって、使用時に基材シート2の本体部と乖離するようになっている。瞼部4Aは、閉鎖部として使用者の瞼全体を覆うことができ(
図4参照)、または、線分部4Aa近傍で折り畳んで、折り畳み部として使用される(
図5参照)。使用者の目の大きさに合わせて、目の縁部で折り畳み、使用者の下瞼の下方の部分を集中的にケアするように構成されている。瞼部4Bの構成は、瞼部4Aの構成と同様である。
【0026】
<鼻近傍の構成について>
基材シート2には、使用者の鼻に接する鼻部20に複数の調整構造22(
図6等参照)が互いに独立して形成されている。また、調整構造22は、鼻部20の輪郭を規定する下方の切れ込み6とは連続しておらず、独立して形成されている。調整構造22は、顔面への装着前においては、
図1及び
図6に示す状態である。調整構造22は、フェイスマスク1が使用者200の顔面へ装着されて装着態様が調整されると、
図4、
図5、
図7及び
図8に示すように変形して、使用者200の鼻206の形状に追従するように構成されている。以下、調整構造22の構成を詳細に説明する。
【0027】
上述のように、フェイスマスク1が使用者200の顔面に装着されて、装着態様が調整されると、
図7及び
図8に示すように、調整構造22が変形し、使用者200の鼻206の形状に追従するように構成されている。以下、調整構造22の構成を詳細に説明する。
【0028】
図9に示すように、調整構造22は、空間境界部24、不動部26、及び、接続部28で構成される。空間境界部24は、基材シート2を切り込んで形成されるスリットである。不動部26は、空間境界部24が形成された結果生じる部分であり、接続部28によって基材シート22の本体部と接続している。
【0029】
図10に示すように、空間境界部24は、鼻筋の方向以外の方向において乖離した2点Q1及びQ2を起点とし、その2点の下方の下方部24cで接続する切れ込み24a及び24bで形成される。空間境界部24は、U字状に形成されている。
【0030】
不動部26は、使用者200に装着される前の状態において、空間境界部24によって画される空間と同一形状である。上述のように、不動部26は、接続部28によって基材シート2の本体部と接続している。接続部28は、2点Q1とQ2を結ぶ線分である。
【0031】
不動部26は、空間境界部24及び接続部28を外周とする領域である。不動部26は、空間境界部24が使用者200の鼻206の形状に従って変形したときに、空間境界部24によって画される空間の中心部を含む領域を覆うように構成されている。
【0032】
各調整構造22において、空間境界部24の2点Q1とQ2を結ぶ線分の中心から両端に向かう方向(以下、「線分方向」という。)は、フェイスマスク1が使用者200の顔を覆って、使用者200の鼻206の形状に応じて空間境界部24が変形するときに、空間境界部24に作用する力の方向と一致するように形成されている。
【0033】
使用者200の鼻206の各部位に接する鼻部20の各部位について、空間境界部24に作用する力の方向が解析され、線分方向がその力の方向と一致するように形成されている。このため、複数の調整構造22において、線分方向は一様とは限らない。使用者200の鼻206の各部位の位置及び形状に応じて、2点Q1とQ2の線分方向が、調整構造22に作用する力の方向、すなわち、矢印X1方向及び矢印X2に示す方向と一致するように構成されている。
【0034】
フェイスマスク1が2点Q1とQ2を結ぶ線分の長さは、鼻部20の左右方向の最長部分の長さL20(
図6参照)の3分の1未満の長さとして規定されている。これにより、最長部分において、すくなくとも3つの調整構造22を並列に配置することができる。
図1の例においては、最長部分において、5つの調整構造22が並列に配置されている。
【0035】
上述のように、空間境界部24の起点である点Q1とQ2を結ぶ線分の線分方向が、フェイスマスク1が使用者200の顔を覆って、使用者200の鼻206の形状に応じて空間境界部24が変形するときに、空間境界部24に作用する力の方向と一致するように形成されているから、不動部26に作用する左右の力は相殺され、不動部26は大きく移動することはなく、大きく変形することもない。このため、
図11に示すように、不動部26は、空間境界部24が変形して空間が広がったときに、空間境界部24によって画される空間の中心部を含む領域を覆う。しかも、調整構造22は複数形成されているから、各調整構造22は、調整構造22が単一である場合に比べて、相対的に小さく変形する。
【0036】
図12乃至
図15に示す調整構造22において、不動部26をハッチング(複数の平行な斜線)で示す。
図12の調整構造22を分解すると、
図13に示すように、空間境界部24によって画される空間Sと、空間Sと同一形状の不動部26となる。不動部26は接続部28によって、基材シート2の本体部と接続されている。空間S及び不動部26の上下方向の長さを長さL1とする。
【0037】
フェイスマスク1が使用者200の顔面に装着されると、空間境界部24に起点である点Q1とQ2の線分方向の力が作用し、
図14に示すように、空間境界部24が起点である点Q1とQ2の線分方向に変形し、空間Sは広がる。その結果、空間Sの長さは、当初の長さL1よりも短くなり、長さL2となる。
【0038】
一方、不動部26は、接続部28以外においては、フェイスマスク1の本体部から独立している。このため、空間境界部24に作用した力は接続部28以外においては直接的に不動部26には作用しない。また、接続部28の両端には、ほぼ同じ大きさであり、かつ、反対方向の力が作用するから、不動部26は大きくは移動せず、大きな変形もなく、不動部26の長さは、当初の長さL1をほぼ維持する。その結果、
図15に示すように、不動部26は、広がった空間Sの中央を含む領域を覆う。これにより、空間Sの大半は不動部26に覆われ、空間Sの一部である小空間S1及びS2のみが、基材シート2で覆われない状態となる。
【0039】
上述のように、空間Sの長さは当初の長さL1よりも短くなるのに対して、不動部26は当初の長さL1をほぼ維持し、使用者200の顔面に張り付いた位置を維持してほとんど移動しないから、
図15及び
図16に示すように、不動部26が広がった空間Sを覆うときに、不動部26は、変形した空間境界部24の下方の基材シート2の本体部と重複して重複領域26aを形成する。重複領域26aにおいては、基材シート2が二重になっているから、より多くの化粧用組成物によって、重複領域26aと接する使用者200の顔面の部分をケアすることができる。
【0040】
上述のように、不動部26は、広がった空間Sを覆うことにより、使用者200の顔面に基材シート2が接しない面積を低減するだけではなく、重複領域26aを形成することによって、より多くの化粧用組成物によって、重複領域26aと接する使用者200の顔面の部分をケアすることができる。複数の調整構造22は、使用者200の額の中心から使用者200の口の中心を結ぶ線分に接する線を中心線とするとき、使用者200の鼻206に接する鼻部20において、中心線の左側の部分及び右側の部分のそれぞれに、互いに独立して形成されている。各調整構造22は、鼻部20の外形を規定する切れ込みとは独立して形成されている。本実施形態において、鼻部20の外形を規定する切れ込みは、鼻部20の下方部の線分状の切れ込み6である。調整構造22に対する高度差の影響は相対的に小さく、調整構造22は複数形成されているから、各調整構造22に対する高度差及び鼻部高度差の影響はさらに相対的に小さい。これにより、各著性構造22の変形の度合いは相対的に小さい。例えば、大きな一つの空間の面積と、複数の小さな空間の合計の面積が同一であるとき、小さな空間であれば化粧用組成物が基材シート2から染み出して覆うことができるのに対して、大きな一つの空間の場合には困難である。複数の小さな空間を形成する構成は、顔の形状への追従に効果的であることに加えて、化粧用組成物によって顔を覆う点においても有効である。さらに、上述のように、各調整構造22は、中心線の方向以外の方向において乖離した2点を起点とし、その2点の下方または上方において接続する切れ込みによって空間Sを形成する空間境界部24と、空間Sと同一形状であって、2点を結ぶ位置において、フェイスマスク1の本体部と接続しており、空間Sに配置される不動部26と、を有し、使用者200の顔においてフェイスマスク1の装着態様が調整されるときに、空間境界部24が変形して空間Sが広がり、不動部26が空間Sの中心部を含む領域を覆うことができるように構成されている。これにより、一層効果的に使用者の顔を化粧用組成物によってケアすることができる。
【0041】
<口の構成について>
基材シート2には、使用者の口の部分に対応する口部開口8が形成されている(
図1参照)。口部開口8の両端には、側方へ向かう端部切れ込み8a及び8bが形成されている。端部切れ込み8a及び8bによって、人によって異なる口の形状に追従しやすい。
【0042】
<顎の部分の構成について>
基材シート2には、使用者の顎の部分に接する凸状の顎部14が形成されている(
図1参照)。顎部14は、連続する凸状部14a,14b,14c及び14dで構成されている。
図4及び
図5に示すように、フェイスマスク1が使用者200に装着されると、顎部14は、使用者200の顎に沿って、折り曲げられるように装着される。その際、凸状部14a等は下顎に向かって寄せられて、一体となるように、使用者200の顎と密着する。
【0043】
<側方の構成について>
基材シート2には、側方部切れ込み16A及び16Bが形成されている(
図1参照)。側方部切れ込み16A及び16Bは非直線的に形成されおり、フェイスマスク1が使用者200の顔に装着されたときに、フェイスマスク1は頬骨を頂点とした周辺領域の盛り上がりとそれに続く部分の形状に追従する曲面部を形成することができる。
【0044】
<第二の実施形態>
図17乃至
図23を参照して、第二の実施形態について、第一の実施形態と異なる点を中心に説明し、第一の実施形態と共通する点は適宜説明を省略する。
【0045】
図17に示すように、フェイスマスク1Aにおいて、鼻部20Aが形成されている。鼻部20Aは、複数の調整構造22Aによって形成されている。
図18乃至
図23に示すように、調整構造22Aにおいては、空間境界部24Aが、直線状の切れ込み24Aa及び24Abによって形成されている。空間境界部24Aは、V字状に形成されている。直線状の切れ込み24Aa及び24Abは、鼻筋の方向以外の方向において乖離した2点Q1とQ2を起点とし、2点Q1及びQ2の下方の点Q3で接続している。直線状の切れ込み24Aa及び24Abによって、二等辺三角形状の空間S(
図21参照)が形成され、空間Sと同一形状の不動部26Aが形成される。なお、鼻部20Aの下方の切れ込み6は、直線状の線分の両端近傍部が斜め上方に向かう形状に形成されている。後述の鼻部20D、鼻部20E及び鼻部20Fの下方の切れ込み6も同様である。
【0046】
図18に示すように、調整構造22Aは、空間境界部24A、不動部26A、及び、接続部28で構成される。空間境界部24Aは、基材シート2の本体部を切り込んで形成されるスリットである。不動部26Aは、空間境界部24Aが形成された結果生じる基材シート2の部分であり、接続部28によって基材シート2の本体部と接続している。
【0047】
不動部26Aは、使用者200に装着される前の状態において、空間境界部24Aによって画される空間と同一形状である。すなわち、不動部26Aは、空間境界部24A及び接続部28を外周とする領域である。不動部26Aは、使用者200の鼻206の形状に従って、空間境界部24Aが変形して空間Sが広がったときに、空間Sの中心部を含む領域を覆うように構成されている。
【0048】
空間境界部24Aの起点である点Q1とQ2の線分方向は、フェイスマスク1Aが使用者200の顔を覆って、使用者200の鼻の形状に応じて空間境界部24Aが変形するときに、空間境界部24Aに作用する力の方向と一致するように形成されている。使用者200の鼻の形状に応じてフェイスマスク1Aが変形するときに、矢印X1及びX2方向の力が作用する。点Q1とQ2の線分方向は、矢印X1方向及び矢印X2方向と一致するようになっている。
【0049】
フェイスマスク1Aが起点である点Q1とQ2を結ぶ線分の長さは、鼻部20Aの左右方向の最長部分の長さの3分の1以下の長さとして規定されている。
【0050】
上述のように、空間境界部24Aの起点である点Q1とQ2の線分方向が、フェイスマスク1Aが使用者200の顔を覆って、使用者200の鼻の形状に応じて空間境界部24Aが変形するときに、フェイスマスク1Aに作用する力の方向と一致するように形成されているから、不動部26Aは大きくは移動せず、変形もしない。このため、
図19に示すように、不動部26Aは、空間境界部24Aが変形して空間Sが広がったときに、空間境界部24Aによって画される空間Sの中心部を含む領域を覆う。
【0051】
図20、
図21及び
図23において、不動部26Aをハッチング(複数の平行な斜線)で示している。
図20に示すように、不動部26Aは、幅W1が高さH1よりも長くなるように形成されている。
図20の調整構造22Aを分解すると、
図21に示すように、空間境界部24Aによって画される空間Sと、空間Sと同一形状の不動部26Aとなる。不動部26Aは接続部28によって、基材シート2の本体部と接続されている。
【0052】
フェイスマスク1Aが使用者200の顔面に装着されると、
図22に示すように、空間部Sは起点Q1とQ2の線分方向に変形して広がり、上下方向の長さも短くなる。このとき、調整構造22Aにおいて、不動部26Aは大きく変形したり、移動したりしないように構成されているから、
図23に示すように、不動部26Aは、広がった空間Sの中央を含む領域を覆う。これにより、空間部Sの大半は不動部26Aに覆われ、空間Sの一部である小空間S1及びS2のみが、基材シート2に覆われない状態となる。
【0053】
図23に示すように、不動部26Aが広がった空間Sを覆うときに、不動部26Aが基材シート2の本体部と重複して重複領域26Aaを形成する。重複領域26Aaにおいては、基材シート2が二重になっているから、より多くの化粧用組成物によって、重複領域26Aaと接する使用者200の顔面の部分をケアすることができる。
【0054】
上述のように、不動部26Aは、広がった空間Sを覆うことにより、使用者200の顔面に基材シート2が接しない面積を低減するだけではなく、重複領域26Aaを形成することによって、より多くの化粧用組成物によって、重複領域26Aaと接する使用者200の顔面の部分をケアすることができる。
【0055】
<第三の実施形態>
図24を参照して、第一の実施形態と異なる点を中心に、第三の実施形態を説明し、第一の実施形態と共通する点は適宜説明を省略する。
【0056】
第三の実施形態のフェイスマスク1Bにおいて、鼻部20Bの外側にも調整構造22(
図9乃至
図11参照)が形成されている。これにより、使用者200の鼻206以外の部分である、例えば、鼻と頬骨の間の領域においても、調整構造22によって、基材シート2を顔面に接触させて、化粧用組成物によってケアすることができる。
【0057】
<第四の実施形態>
図25を参照して、第一の実施形態と異なる点を中心に、第四の実施形態を説明し、第一の実施形態と共通する点は説明を適宜省略する。
【0058】
第四の実施形態のフェイスマスク1Cにおいて、調整構造22(
図9乃至
図11参照)は、鼻部20Cのみならず、目元及び口の周辺にも配置されている。これにより、使用者200の顔の中心領域全体に、調整構造22によって、基材シート2を顔面に接触させて、化粧用組成物によってケアすることができる。
【0059】
<第五の実施形態>
図26乃至
図28を参照して、第一の実施形態と異なる点を中心に、第五の実施形態を説明、第一の実施形態と共通する点は適宜説明を省略する。
【0060】
フェイスマスク1Dにおいては、調整構造22A(
図18等参照)と調整構造22B(
図27及び
図28参照)が形成されている。調整構造22A等は、鼻部20Dに加えて、額、瞼及び顎に接触する部分にも形成されている。
【0061】
図27に示すように、調整構造22Bは、空間境界部24B、不動部26B、及び、接続部28で構成される。空間境界部24Bは、基材シート2の本体部を切り込んで形成されるスリットである。空間境界部24Bは、変形したV字状に形成されている。不動部26Bは、空間境界部24Bが形成された結果生じる基材シート2の部分であり、接続部28によって基材シート2の本体部と接続している。
【0062】
図27に示すように、空間境界部24Bは、鼻筋の方向とは異なる方向に乖離した2点Q1及びQ2を起点とし、2点Q1及びQ1の下方の点Q3で接続する切れ込み24Ba及び24Bbで形成される。
【0063】
不動部26Bは、使用者200に装着される前の状態において、空間境界部24Bによって画される空間と同一形状である。すなわち、不動部26Bは、空間境界部24B及び接続部28を外周とする領域である。不動部26Bは、使用者200の鼻206の形状に従って、空間境界部24Bが変形して空間Sが広がったときに、空間境界部24Bによって画される空間Sの中心部を含む領域を覆うように構成されている。
【0064】
空間境界部24Bの起点Q1とQ2の線分方向は、フェイスマスク1Dが使用者200の顔を覆って、使用者200の鼻の形状に応じて変形するときに、空間境界部24Bに作用する力の方向と一致するように形成されている。使用者200の鼻206の形状に応じて空間境界部24Bが変形するときに、矢印X1及びX2方向の力が作用する。起点である点Q1とQ2の線分方向は、矢印X1方向及び矢印X2方向と一致するようになっている。
【0065】
起点である点Q1とQ2を結ぶ線分の長さは、鼻部20Dの左右方向の最長部分の長さの3分の1以下の長さとして規定されている。また、点Q1とQ2を結ぶ線分の中心から最下部Q3を結ぶ線分の長さは、点Q1とQ2を結ぶ線分の長さよりも長い長さとして規定されている。
【0066】
<第六の実施形態>
図29乃至
図31を参照して、第二の実施形態と異なる点を中心に、第六の実施形態を説明し、第二の実施形態と共通する点は適宜説明を省略する。
【0067】
図29に示すように、フェイスマスク1Eにおいて、鼻部20Eが形成されている。鼻部20Eは、複数の調整構造22C(
図30及び31参照)によって形成されている。
図30及び
図31に示すように、調整構造22Cにおいては、空間境界部24Cが、直線状の切れ込み24Ca及び24Cbによって形成されている。空間境界部24Cは、V字を上下反対にした形状に形成されている。直線状の切れ込み24Ca及び24Cbは、鼻筋の方向以外の方向において乖離した2点Q1とQ2を起点とし、2点Q1及びQ2の上方の点Q3で接続している。直線状の切れ込み24Ca及び24Cbによって、上方に凸の二等辺三角形状の空間が形成され、その空間と同一形状の不動部26Cが形成される。
【0068】
図30に示すように、調整構造22Cは、空間境界部24C、不動部26C、及び、接続部28で構成される。空間境界部24Cは、基材シート2の本体部を切り込んで形成されるスリットである。不動部26Cは、空間境界部24Cが形成された結果生じる基材シート2の部分であり、接続部28によって基材シート2の本体部と接続している。
【0069】
図31に示すように、不動部26Cが広がった空間を覆うときに、不動部26Cが基材シート2の本体部と重複して重複領域26Caを形成する。重複領域26Caにおいては、基材シート2が二重になっているから、より多くの化粧用組成物によって、重複領域26Caと接する使用者200の顔面の部分をケアすることができる。
【0070】
そして、重複領域26Caの化粧用組成物は、重力によって、下方に流れる。すなわち、重複領域26Caの化粧用組成物は、空間境界部24Cが変形することによって広がった空間を覆う不動部26Cがより多くの化粧用組成物を含むようになる。従って、不動部26Cによって、より効果的に使用者200の顔の部分を化粧用組成物によってケアすることができる。
【0071】
<第七の実施形態>
図32を参照して、第二の実施形態と異なる点を中心に、第六の実施形態を説明し、第二の実施形態と共通する点は適宜説明を省略する。
【0072】
図32に示すように、フェイスマスク1Fの鼻部20Fにおいては、調整構造22A(
図18等参照)と調整構造22C(
図30及び
図31参照)が形成されている。具体的には、鼻部20Fの鼻筋の部分には、主に調整構造22Aが形成されており、鼻筋の外側の部分には、主に調整構造22Cが形成されている。
【0073】
<第八の実施形態>
図33乃至
図36を参照して、第二の実施形態と異なる点を中心に、第八の実施形態を説明し、第二の実施形態と共通する点は適宜説明を省略する。第八の実施形態のフェイスマスク1Gの鼻部20Gにおいては、第二の実施形態のフェイスマスク1Aよりも調整構造22Aの数が多い。
【0074】
図34は鼻部20Gを拡大して示す概略図であり、
図35は鼻部20Gを複数の部分に区分して示す概略図である。
図35に示すように、調整構造22Aは、中心線Lcに対して対象に配置されている。また、調整構造22Aは、鼻部20Gを規定する切れ込み6とは接続しておらず、切れ込み6とは独立して形成されている。切れ込み6は、使用者200の鼻206の高さと周辺の高さに相違(高度差)の影響を受けて相対的に大きく変形する。これに対して、調整構造22Aは鼻部20Gを画する切れ込み(例えば、切れ込み6)から独立しているから、調整構造22Aに対する上述の高度差の相違の影響は相対的に小さい。
【0075】
図35に示すように、鼻部20Gを、部分A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2及びC3に位置する部分に区分し、部分A1,B1及びC1を左部、部分A2,B2及びC2を中央部、部分A3,B3及びC3を右部と呼ぶ。左部と右部のそれぞれにおいて、複数の調整構造22Aが形成されている。調整構造22Aは、左部と右部のそれぞれにおいて、上下方向に乖離して複数形成されている。また、調整構造22Aは、左部と右部のそれぞれにおいて、左右方向に乖離して複数形成されている。すなわち、複数の調整構造22Aは、上下方向及び/または左右方向に互いに独立して配置されている。このため、左部と右部において、上述の相対的に小さい高度差の影響は、複数の調整構造22Aによって調整される。このため、各調整構造22Aの変形は、左部と右部において、それぞれ、単一の調整構造22Aしか形成されていない場合に比べて小さい。このため、使用者200の鼻部をより効果的にケアすることができる。
【0076】
また、左部のうち、部分C1に位置する部分は使用者200の小鼻に接する部分である小鼻部である。同様に、右部のうち、部分C3に位置する部分は使用者200の小鼻に接する部分である小鼻部である。各小鼻部において、複数の調整構造22Aが形成されている。各小鼻部における調整構造22Aの数は、2以上であり、望ましくは3以上であり、さらに望ましくは4以上である。本実施形態においては、各小鼻部における調整構造22Aの数は6である。調整構造22Aは、使用者200の小鼻と周囲の高さの相違(小鼻部高度差)の影響を受けて変形するのであるが、各小鼻部に複数の調整構造22Aが形成されているため、それぞれの調整構造22Aの変形の程度は、各小鼻部に単一の調整構造22Aが形成されている場合や、調整構造22Aが独立しておらず、連続している場合に比べて小さい。このため、使用者200の鼻部をより効果的にケアすることができる。
【0077】
図36は、部分C1を拡大して示す概略図である。
図36において、直線L1は、中心線Lc(
図35参照)と直交する直線である。調整構造22Aの一方の起点である点Q1と他方の起点である点Q2を結ぶ線分L2は、中心線Lcと方向が異なり、また、直線L1とも方向が異なる。また、点Q1と点Q3を結ぶ線分の方向Y1、及び、点Q2と点Q3を結ぶ線分の方向Y2は、いずれも、中心線Lcと方向が異なり、また、直線L1とも方向が異なる。線分L2は、フェイスマスク1Gが使用者200の顔に装着されたときに、調整構造22Aを変形させる力が作用する方向である。この構造により、フェイスマスク1Gが使用者200の顔に装着されたときに、点Q1と点Q3を結ぶ切れ込み(スリット)及び点Q2と点Q3を結ぶ切れ込みが線分L2の両端部方向へ広がり、不動部26Aが下方の本体部と重複する。重複部分により、一層効果的に使用者の顔面をケアすることができる。
【0078】
なお、本発明のフェイスマスクは、上記実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。
本発明は、凹凸を有する使用者の顔面において、目立つ部位を化粧用組成物でケアすることができる美容用のフェイスマスクを提供することを目的とする。美容用のフェイスマスク1は、使用者の鼻に接する鼻部20において、中心線の左側の部分及び右側の部分のそれぞれに、互いに独立して形成された複数の調整構造22が配置されており、各調整構造22は、鼻部20の外形を規定する切れ込み6とは独立して形成されており、中心線の方向以外の方向において乖離した2点を起点とし、2点の下方または上方において接続する切れ込みによって空間Sを形成する空間境界部24と、空間Sと同一形状であって、2点を結ぶ位置において、フェイスマスク1本体と接続しており、空間Sに配置される不動部26と、を有する。