特許第6653840号(P6653840)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6653840
(24)【登録日】2020年1月31日
(45)【発行日】2020年2月26日
(54)【発明の名称】発音練習システム
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/06 20060101AFI20200217BHJP
   G09B 5/06 20060101ALI20200217BHJP
【FI】
   G09B19/06
   G09B5/06
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-193703(P2019-193703)
(22)【出願日】2019年10月24日
【審査請求日】2019年11月22日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516016388
【氏名又は名称】株式会社DEFアニバーサリー
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 孔明
【審査官】 佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5168239(JP,B2)
【文献】 登録実用新案第3121093(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00− 9/56、17/00−19/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習者が電子機器を用いて言語の発音を練習する発音練習システムであって、
背景音楽と、前記背景音楽の拍音と区別可能な合図音と、模範発音と、前記模範発音に対応する画像または映像とを記憶するメモリと、
前記学習者が指示を入力すると、前記指示を制御部に送信する入力装置と、
前記背景音楽と、前記合図音と、前記模範発音とを再生するスピーカと、
前記画像または映像を表示するディスプレイと、
前記メモリに記憶された前記背景音楽と、前記合図音と、前記模範発音と、前記画像または映像とを読み出し、前記背景音楽を前記スピーカに再生させた状態で、前記学習者に聴かせるための前記模範発音と、前記合図音と、前記学習者にオーバーラッピングさせるための前記模範発音とを、それぞれ前記背景音楽の拍に重ねて、前記スピーカに順次再生させるとともに、前記画像または映像を前記ディスプレイに表示させる前記制御部と、
を備える発音練習システム。
【請求項2】
前記制御部はさらに、前記模範発音を前記スピーカに再生させるとき、前記入力装置からの前記指示により、前記模範発音の音高を変えることなく再生速度を変化させる
請求項1に記載の発音練習システム。
【請求項3】
学習者の発音を入力するマイクをさらに備え、
前記制御部はさらに、前記学習者の発音を、前記模範発音と比較して評価し、その評価結果を含む音声を前記スピーカに再生させ、または前記評価結果を含む画像または映像を前記ディスプレイに表示させる
請求項1または2に記載の発音練習システム。
【請求項4】
前記メモリは、前記学習者の発音に関する前記評価結果に対応可能な改善示唆をさらに記憶し、
前記制御部はさらに、前記改善示唆を含む音声を前記スピーカに再生させ、または前記改善示唆を含む画像または映像を前記ディスプレイに表示させる
請求項3に記載の発音練習システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発音練習を容易にする発音練習システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、学習者が1人で言語の発音練習をする方法としては、テキストなどを参照しながら、ラジオ、CDなどの音声データを聴き取って模倣する方法が用いられる。特によく用いられるものに、リピーティング、オーバーラッピングがある。リピーティングは講師の発音を聴いて模倣する方法で、学校の授業などで長く用いられている。一方、オーバーラッピングは講師の発音に重ねるように模倣する方法である。また特許文献1のように、コンピュータを用いた「音声学習システム」も提案されている。
【0003】
しかし、上記の方法では、学習者の意欲、学習環境などにより、学習効果または効率が大きく左右される。効果的に行うには、学習者が能動的に音声を聴き取り、自ら再現するよう集中し続けることが必要であるが、特にオーバーラッピングでは、自分が発音すべきタイミングに機敏に対応しなければならず、難易度が高い。また、個人学習のため、ネイティブスピーカ、専門講師などからのフィードバックが得られない。
【0004】
従来、人間の自発的な行動ペース、特に身体運動は、背景音のテンポに同期しやすいことが知られている(非特許文献1)。また、近年の脳科学的知見から、脳の側頭野などを音楽リズムで刺激すると、加齢による作業記憶力の低下を回復させられることが示唆されている(非特許文献2)。発音練習も発音という身体運動であり、また脳の認知機能を用いるものであることから、背景音を利用し、脳の活動を刺激することで、学習効果を高めることが可能と考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018−17957号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「背景音のテンポが行動ペースに与える効果」、栗林龍馬・入戸野宏、広島大学大学院総合科学研究科紀要. I, 人間科学研究 (9), 17-29, 2014-12-31.
【非特許文献2】"Working memory revived in older adults by synchronizing rhythmic brain circuit", Robert M. G. Reinhart & John A. Nguyen, Nature Neuroscience volume 22, pages 820-827 (2019).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、自発的な行動ペースは背景音のテンポに同期しやすい、という人間の特性を利用し、音声データを背景音楽のテンポに合わせたタイミングで自動的に配列することにより、学習意欲を高め、効果的に発音練習できるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による発音練習システムは、学習者が電子機器を用いて言語の発音を練習するもので、メモリと、入力装置と、スピーカと、ディスプレイと、制御部を備える。
前記メモリは、背景音楽と、前記背景音楽の拍音と区別可能な合図音と、模範発音と、前記模範発音に対応する画像または映像とを記憶する。
学習者は、指示を入力装置に入力する。入力装置は、前記指示を制御部に送信する。
前記スピーカは、前記背景音楽と、前記合図音と、前記模範発音とを再生する。
前記ディスプレイは、前記画像または映像を表示する。
前記制御部は、前記メモリに記憶された前記背景音楽と、前記合図音と、前記模範発音と、前記画像または映像とを読み出し、前記背景音楽を前記スピーカに再生させた状態で、学習者に聴かせるための前記模範発音と、前記合図音と、学習者にオーバーラッピングさせるための前記模範発音とを、それぞれ前記背景音楽の拍に重ねて、前記スピーカに順次再生させるとともに、前記画像または映像を前記ディスプレイに表示させる。
【0009】
(発明の効果)
本発明による発音練習システムは、人間のリズム感を利用し、背景音楽のテンポに合わせて、模範発音と合図音の音声データを配列することで、学習者が手本となる模範発音を聴き取った後、オーバーラッピングのタイミングを無理なく把握させる。これにより、学習者はタイミングを誤らずにオーバーラッピングできる。学習者は、常に背景音楽が流れる環境の下、いわば歌の発声練習をするように発音練習する。また、学習者自身の耳で判断しながら正しい発音に近付けていくという過程を経ることで、達成感や充実感を伴った学習の好循環が生じやすい。これを繰り返すことで、従来技術に比べ、格段に楽しく、効果的且つ効率的に発音練習できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】発音練習システムの実施例1の構成を示すブロック図。
図2】発音練習システムの実施例1による音声データの配列図。
図3】発音練習システムの実施例1による音声データを使用した発音練習の流れを示すタイムチャート。
図4】発音練習システムの実施例3及び4の構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
学習者が1人で言語の発音練習をする方法としてよく用いられる、リピーティング、オーバーラッピング、シャドウイング(オーバーラッピングよりも発音のタイミングを1−2秒遅らせて追随しながらリピーティングする)などは、学習者の意欲や集中力、学習環境などによって学習効果が大きく左右される。効果的に行うには、学習者が明確な目的意識を持ち、能動的に音声データを聴き取って正確に再現するように集中力を持続させることが前提であるが、集中力やコンディションを高い状態に維持しながら学習することは難しい。また、オーバーラッピングでは学習者個人の感覚に専ら頼って発音タイミングを予測せざるを得ず、タイミング合わせのため機敏に対応しなければならない。このため学習者によってはうまくタイミングを合わせて発音することが難しく、その作業自体がストレスになり得る。また個人学習であるため、ネイティブスピーカや専門講師からの適切なフィードバックが得られず、自分の習得レベルを把握することが難しい。
【0012】
一方、従来、心理生理学的知見から、人間の自発的な行動ペース、中でも身体運動に関する行動ペースは、背景音楽や環境音の背景音のテンポに同期しやすいことが知られている。これは、身体運動のリズムが背景音のテンポに自然に同期しやすいこと、背景音のテンポに無意識的に影響されて人間の「内的クロック」が変化し同期することなどが背景にあると考えられている(非特許文献1)。さらに近年、脳科学的知見から、脳の側頭野と前頭前野を音楽的リズムで刺激することにより、加齢に伴って低下した作業記憶を回復させる効果が得られることが示唆されている(非特許文献2)。この効果は治療やリハビリに限定されないと考えられ、学習または教育現場でも活用が期待される。本発明は、これらの知見を参考に、発音練習が発音という身体運動を伴う学習であり、またこれより当然に脳の認知機能への刺激を伴うものであることを生かし、背景音のテンポを利用して脳の活動を刺激することで、発音練習の学習効果を高めるものである。
【0013】
以下、本発明による発音練習システムの実施例を、図面に基づいて説明する。このシステムは、CPUに制御され、表示部、スピーカ部、入力部、メモリ部と相互にアクセス可能な電子機器に適用され、外部のデータベースまたはクラウドシステムを利用するものを含む。また、ここでいう電子機器とは、パソコン、タブレットPC、スマートフォン、及び携帯用ゲーム機を含み、発音練習用の専用機として単体で、または電子機器に搭載されたソフトウェアまたはアプリと共に用いられる。
【0014】
(実施例1)
図1に示すように、実施例1による発音練習システムは、メモリ1、入力装置2、スピーカ3、ディスプレイ4、制御部5を備える。図中の矢印は、制御部5と、その他の装置との間でやり取りされる信号の送信方向を示す。制御部5はシステム全体を管理し、メモリ1に指令して背景音楽11、合図音12、模範発音13、画像又は映像14を読み出し、スピーカ3に指令して背景音楽11、合図音12、模範発音13を再生させ、ディスプレイ4に指令して画像又は映像14を表示させる。学習者10(図3)が入力装置に指示を入力すると、入力装置2は当該指示に対応する信号を送信し、制御部5は当該信号を受信し、当該指示に応じた指令を実行する。
【0015】
メモリ1には、背景音楽11、合図音12、模範発音13、模範発音に対応する画像または映像14がそれぞれ複数種類、記憶されている。背景音楽11は、事前に録音された、テンポ(単位BPM,beats per minute)が一定であって、途切れずに、またはループ状に連続再生可能な音楽データである。これらの音楽には、人間が快適と感じやすいテンポとされる70〜120BPMで演奏されたものを中心にさまざまなテンポのものが含まれ、学習者が任意に選択可能である。
【0016】
合図音12は、学習者に模範発音に続くオーバーラッピングのタイミングを予告する音である。これらは学習者が背景音楽の拍と明確に区別可能な音であって、コンピュータのクリック音のような効果音や、楽器音などを含む。
【0017】
模範発音13は、発音練習の手本となるネイティブスピーカなどの音声データであり、学習指導者があらかじめカリキュラム、難易度、学習目的を考慮して選定し、ひとまとめにした一群の音声データであり、さまざまなものがメモリ1に記憶されている。また、模範発音に対応する画像または映像14もメモリ1に記憶されており、発音記号やアクセント、意味や概念をイメージさせるイラスト、動画などの学習内容で構成される。
【0018】
学習者は、入力装置2に発音練習の開始、終了などの指示を入力する。発音練習の開始を指示されると、制御部5は、メモリ1から各音声データを読み出し、以下のように配列する。
【0019】
制御部5は最初に、背景音楽11をスピーカ3に連続再生させ、その状態を維持する。つぎに、背景音楽11の拍のいずれか一つに最先の音節または音声が重なるように、模範発音13をスピーカ3に再生させる。続いて、そのあとの背景音楽11の拍に重なるように、合図音12をスピーカ3に再生させる。この合図音が、その1拍後の拍がオーバーラッピングタイミングであることを学習者に予告する。さらにその「1拍後の拍」で再び、模範発音13をスピーカ3に再生させる。このとき、学習者はオーバーラッピングで発音練習をする。以降、制御部5は模範発音13と合図音12を繰り返し再生する状態となり、またこの間、模範発音13に対応する画像または映像14をディスプレイ4に表示させる。
【0020】
制御部5により生成された音声データの配列図の冒頭部分を図2に例示する。ここでは、制御部5が配列作業を実行すると、オーバーラッピングのタイミングを予告する合図音12と、単語または短フレーズからなる模範発音13が、背景音楽11の拍に合わせて配列される。
【0021】
いま、背景音楽11のテンポをTとし、1分間の拍数(BPM)をxとおくと、1拍の長さは、楽譜上の連続する2つの4分音符の間隔に等しく、1拍の時間t(図2の時間軸の1目盛の長さ)は、次の数式1より求まる。
【0022】
【数1】
【0023】
背景音楽11の最先(すなわちスタート時)の拍を1拍目(0秒)とすると、1拍目からn拍目までの時間Tnは、次の数式2より求まる。以下、このn拍目に、学習者に聴かせるための1回目の模範発音13を再生するものとする。
【0024】
【数2】
【0025】
このとき、模範発音13の長さをp秒とすると、模範発音13の再生終了直後の最先の拍番号npは、次の数式3から求まる。
【0026】
【数3】
【0027】
1回目の模範発音13の再生終了後、合図音12の再生までに何拍分置くかは任意設定可能であるが、これをm拍とおくと、実施例1では、m=0すなわち再生終了直後の拍に合図音12を再生するよう設定されている。1回目を含めた合図音12の繰り返し再生回数も任意設定可能であるが、ここでは2回とする。また、次の数式4で定義されるxの関数y(図2の符号14)を導入する。
【0028】
【数4】
(実施例1ではm=0)
【0029】
このとき、合図音12は、以下の数式5,数式6から求まる各時間に、2回連続で、再生される。
【0030】
【数5】
【0031】
【数6】
【0032】
続いて、2回目の合図音12の1拍後、学習者にオーバーラッピングさせるための2回目の模範発音13が再生される。
【0033】
【数7】
【0034】
以上をまとめたものを図2に示す。ここには、背景音111、学習者に聴かせるための1回目の模範発音131、1回目の合図音121、2回目の合図音122、学習者にオーバーラッピングさせるための2回目の模範発音132、及びxの関数y(符号14)が示されている。また、図2のデータ配列を使用した学習者10による発音練習の流れを示すタイムチャートを図3に示す。
【0035】
(実施例1の効果)
実施例1による発音練習システムを使用すると、図2のように配列された音声データが、対応する画像または映像とともに学習者に示される。また、学習開始直後から背景音楽のリズムを体感して半ば無意識にそのテンポに同期している状態で、学習者は模範発音を聴き取り、合図音により、オーバーラッピングのタイミングを正確且つ自然に予測できる。
【0036】
こうして、学習者は1回目の模範発音を手本とし、2回目の模範発音に合わせてオーバーラッピングするよう促され、タイミングを誤ることなく、無理なく発音練習できる。また、これを繰り返すうち、学習者は自らの発音を模範発音に近づけようと自律的に発音練習するようになり、また実際に発音を矯正できることを実感することで達成感を得られるようになる。よって、学習者の意欲、集中力がベストでなくても、あるいは学習に不向きな環境下でも、背景音楽の助けを借りることにより、気負わず発音練習に取り組むことができる。
【0037】
(実施例2)
実施例2も実施例1と同じ構成をとるが、学習者が任意に指示することで、模範発音の音高を変えずに再生速度を変化させられる点が、実施例1と異なる。これにより、学習者が模範発音の聴き取りがうまくいかない場合、または、より細かく模範発音を確認したい場合、再生速度を徐々に下げていって無理なく聴き取れる速度に変えることが可能となる。逆に、学習者が模範発音を十分模倣することが可能となった場合には、再生速度を講師が学習者向けに発音する速度からネイティブ同士の会話に近い速度に近付けることで、より実践的な発音速度を体感しながら練習するといったことが可能となる。
【0038】
(実施例3)
図4に示すように、実施例3による発音練習システムも、図1に示した実施例1または2と同じ構成をとるが、学習者の発音16を入力するマイク9をさらに備える。そして、制御部5はさらに、入力された発音16をメモリ1から読み出した模範発音13と比較して発音16を評価し、カラオケの点数評価機能と同様、発音の正確さを点数で示すなどした評価結果を含む音声17または評価結果を含む画像または映像18を作成し、メモリ1に記憶させ、学習者の指示に応答して発音練習が終了した時に、評価結果を含む音声17をスピーカ3に再生させ、または評価結果を含む画像または映像18をディスプレイに表示させる。これにより、学習者は自分の発音について第3者の客観的評価を知ることができる。
【0039】
(実施例4)
実施例4による発音練習システムも、実施例3と同じ構成(図3参照)をとるが、さらに以下のような機能を有する。メモリ1は、実施例1または2の画像または映像14とは別に、評価結果に対応可能な改善示唆を含む音声19、または評価結果に対応可能な改善示唆を含む画像または映像20をさらに有する。これらの改善示唆を含む音声19または改善示唆を含む画像または映像20は、学習者の発音16と模範発音13とを比較した評価結果に対応し、学習者の発音技能をさらに向上させるためのアドバイス(例えば、発音の明瞭さ、r音とl音の誤り、b音、f音、v音などの発音方法など)を学習者にフィードバックするためのものである。
【0040】
さらに前記制御部5は、学習者の指示に応答して発音練習が終了した時に、評価結果を含む音声17に続けて改善示唆を含む音声19をスピーカ3に出力させ、または評価結果を含む画像または映像18に続けて改善示唆を含む画像または映像20をディスプレイに表示させる。これにより、学習者は自分の発音について、客観的評価結果だけでなく、レベルアップに向けた適切な指導を受けることができる。
【0041】
(その他の実施形態)
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成を適宜変更し、実施可能である。例えば背景音楽は、練習環境に変化を与えるため、テンポが途中で変化するものであってもよいし、好きなテンポの背景音楽を選ぶだけではなく、数ある中から気に入ったものを選び、その再生速度を変化させることでテンポを変更するようにされてもよい。また、模範発音の内容については、単語、短フレーズに限らず、対話形式またはカラオケのような外国語の楽曲などであってもよい。さらに、音声、画像または映像の内容も、必要に応じ適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 ・・・メモリ
10 ・・・学習者
11 ・・・背景音楽
12 ・・・合図音
13 ・・・模範発音
15 ・・・画像または映像
16 ・・・発音
2 ・・・入力装置
3 ・・・スピーカ
4 ・・・ディスプレイ
5 ・・・制御部
6 ・・・マイク
【要約】
【課題】発音練習システムを提供する。
【解決手段】本発明は学習者が電子機器を用いて言語の発音を練習する発音練習システムであって、メモリ1、入力装置2、スピーカ3、ディスプレイ4、制御部5を備える。メモリ1は背景音楽11、背景音楽11の拍音と区別可能な合図音12、模範発音13、模範発音13に対応する画像または映像14を記憶する。学習者は入力装置2に指示を入力し、入力装置2は指示を制御部に送信する。スピーカ3は背景音楽11、合図音12、模範発音13を再生する。ディスプレイ4は画像または映像14を表示する。制御部5はメモリ1に記憶された背景音楽11、合図音12、模範発音13を読み出し、背景音楽11をスピーカ3に再生させた状態で、学習者に聴かせるための模範発音13、合図音12、学習者にオーバーラッピングさせるための模範発音13を、それぞれ背景音楽11の拍に重ねて、スピーカ3に順次再生させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4