特許第6653958号(P6653958)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6653958画像検査システム、撮像システム、及び、撮像方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6653958
(24)【登録日】2020年1月31日
(45)【発行日】2020年2月26日
(54)【発明の名称】画像検査システム、撮像システム、及び、撮像方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/88 20060101AFI20200217BHJP
   G01N 21/90 20060101ALI20200217BHJP
【FI】
   G01N21/88 H
   G01N21/90 Z
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-16395(P2016-16395)
(22)【出願日】2016年1月29日
(65)【公開番号】特開2017-134032(P2017-134032A)
(43)【公開日】2017年8月3日
【審査請求日】2018年12月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000223193
【氏名又は名称】東罐興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 卓治
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100177149
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 浩義
(74)【代理人】
【識別番号】100134599
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 和之
(72)【発明者】
【氏名】稲田 耕一郎
【審査官】 中澤 真吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−132625(JP,A)
【文献】 特開平05−307006(JP,A)
【文献】 特開2002−098650(JP,A)
【文献】 特開昭56−155837(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0259329(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像対象に向けて照明光を出射するランプと、
第1透過軸を有し、前記ランプから出射された前記照明光を偏光する第1偏光子と、
前記第1透過軸とは異なる方向に延びる第2透過軸を有し、前記第1偏光子により偏光されて前記撮像対象により反射された前記照明光である反射光を偏光する第2偏光子と、
前記撮像対象に対して撮像動作を行うことで、前記第2偏光子により偏光された前記反射光により表される撮像画像を得るカメラと、
前記カメラにより得られた撮像画像に基づいて前記撮像対象に異物が含まれるかを検査する画像検査装置と、を備え、
前記撮像対象は、被収容物を収容する非透明の箱体の内部であり、
前記ランプと前記カメラは、前記箱体が傾けられて前記被収容物が取り出されるときに前記ランプによる前記箱体の内部に対する照明と前記カメラによる前記箱体の内部に対する前記撮像動作とを行う向きに配置されている、
像検査システム。
【請求項2】
前記撮像対象に前記異物が含まれる場合に、前記異物は、前記第1偏光子により偏光された前記照明光のうちの一部を第1反射光として反射し、前記撮像対象のうち前記異物以外の領域は、前記第1偏光子により偏光された前記照明光のうちの他の一部を第2反射光として反射し、
前記第1反射光と前記第2反射光とは、その偏光状態が異なることで前記第2偏光子を透過したときの光の強度が異なる、
請求項1に記載の画像検査システム。
【請求項3】
前記撮像対象は、金属領域を含み、
前記異物は、前記金属領域上に存在し得るものであり、透明で樹脂製又は透明でガラス製である、
請求項1又は2に記載の画像検査システム。
【請求項4】
前記画像検査装置は、前記撮像画像に含まれる、周辺領域と明るさが異なる特定領域の面積が予め定められた閾値以上である場合に前記撮像対象に前記異物が含まれると判別する、
請求項1〜3のいずれかに記載の画像検査システム。
【請求項5】
撮像対象に向けて照明光を出射するランプと、
第1透過軸を有し、前記ランプから出射された前記照明光を偏光する第1偏光子と、
前記第1透過軸とは異なる方向に延びる第2透過軸を有し、前記第1偏光子により偏光されて前記撮像対象により反射された前記照明光である反射光を偏光する第2偏光子と、
前記撮像対象に対して撮像動作を行うことで、前記第2偏光子により偏光された前記反射光により表される撮像画像を得るカメラと、を備え、
前記撮像対象は、被収容物を収容する非透明の箱体の内部であり、
前記ランプと前記カメラは、前記箱体が傾けられて前記被収容物が取り出されるときに前記ランプによる前記箱体の内部に対する照明と前記カメラによる前記箱体の内部に対する前記撮像動作とを行う向きに配置されている、
像システム。
【請求項6】
撮像対象に向けて照明光を出射するランプからの照明光を第1方向に偏光するステップと、
前記第1方向に偏光されて前記撮像対象で反射された前記照明光である反射光を前記第1方向とは異なる第2方向に偏光するステップと、
前記撮像対象に対して撮像動作を行うカメラによって、第2偏光子により偏光された前記反射光により表される撮像画像を得るステップと、を有し、
前記撮像対象は、被収容物を収容する非透明の箱体の内部であり、
前記ランプと前記カメラは、前記箱体が傾けられて前記被収容物が取り出されるときに前記ランプによる前記箱体の内部に対する照明と前記カメラによる前記箱体の内部に対する前記撮像動作とを行う向きに配置されている、
像方法。
【請求項7】
撮像対象に向けて照明光を出射するランプからの照明光を第1方向に偏光するステップと、
前記第1方向に偏光されて前記撮像対象で反射された前記照明光である反射光を前記第1方向とは異なる第2方向に偏光するステップと、
前記撮像対象に対して撮像動作を行うカメラによって、第2偏光子により偏光された前記反射光により表される撮像画像を得るステップと、
前記カメラにより得られた撮像画像に基づいて前記撮像対象に異物が含まれるかを検査するステップと、を有し、
前記撮像対象は、被収容物を収容する非透明の箱体の内部であり、
前記ランプと前記カメラは、前記箱体が傾けられて前記被収容物が取り出されるときに前記ランプによる前記箱体の内部に対する照明と前記カメラによる前記箱体の内部に対する前記撮像動作とを行う向きに配置されている、
撮像方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像検査システム、撮像システム、及び、撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、撮像対象を撮像し、撮像して得られた画像に基づいて、当該撮像対象に異物が含まれるかを検査する画像検査システムがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−286827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像検査システムでは、撮像対象に異物が含まれるかを検査するのに適した画像を得ることができないことがある。
【0005】
本発明は、撮像対象に異物が含まれるかを検査するのに適した画像を得ることができる画像検査システム、撮像システム、及び、撮像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る画像検査システムは、
撮像対象に向けて照明光を出射するランプと、
第1透過軸を有し、前記ランプから出射された前記照明光を偏光する第1偏光子と、
前記第1透過軸とは異なる方向に延びる第2透過軸を有し、前記第1偏光子により偏光されて前記撮像対象により反射された前記照明光である反射光を偏光する第2偏光子と、
前記撮像対象に対して撮像動作を行うことで、前記第2偏光子により偏光された前記反射光により表される撮像画像を得るカメラと、
前記カメラにより得られた撮像画像に基づいて前記撮像対象に異物が含まれるかを検査する画像検査装置と、を備え、
前記撮像対象は、被収容物を収容する非透明の箱体の内部であり、
前記ランプと前記カメラは、前記箱体が傾けられて前記被収容物が取り出されるときに前記ランプによる前記箱体の内部に対する照明と前記カメラによる前記箱体の内部に対する前記撮像動作とを行う向きに配置されている。
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る撮像システムは、
撮像対象に向けて照明光を出射するランプと、
第1透過軸を有し、前記ランプから出射された前記照明光を偏光する第1偏光子と、
前記第1透過軸とは異なる方向に延びる第2透過軸を有し、前記第1偏光子により偏光されて前記撮像対象により反射された前記照明光である反射光を偏光する第2偏光子と、
前記撮像対象に対して撮像動作を行うことで、前記第2偏光子により偏光された前記反射光により表される撮像画像を得るカメラと、を備え、
前記撮像対象は、被収容物を収容する非透明の箱体の内部であり、
前記ランプと前記カメラは、前記箱体が傾けられて前記被収容物が取り出されるときに前記ランプによる前記箱体の内部に対する照明と前記カメラによる前記箱体の内部に対する前記撮像動作とを行う向きに配置されている。
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る撮像方法は、
撮像対象に向けて照明光を出射するランプからの照明光を第1方向に偏光するステップと、
前記第1方向に偏光されて前記撮像対象で反射された前記照明光である反射光を前記第1方向とは異なる第2方向に偏光するステップと、
前記撮像対象に対して撮像動作を行うカメラにより、第2偏光子により偏光された前記反射光により表される撮像画像を得るステップと、を有し、
前記撮像対象は、被収容物を収容する非透明の箱体の内部であり、
前記ランプと前記カメラは、前記箱体が傾けられて前記被収容物が取り出されるときに前記ランプによる前記箱体の内部に対する照明と前記カメラによる前記箱体の内部に対する前記撮像動作とを行う向きに配置されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、撮像対象に異物が含まれるかを検査するのに適した画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る画像検査システムの構成を示す図である。
図2】画像検査システムの画像検査装置が実行する画像検査処理の一例を示すフローチャートである。
図3】画像検査システムにおける照明光の偏光状態(振動方向)などを説明するための図である。
図4】画像検査システムにおいて撮像した撮像画像を示す図であり、(A)は第1偏光子及び第2偏光子を設置していないときの撮像画像を示し、(B)は第1偏光子及び第2偏光子を設置しているときの撮像画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態に係る画像検査システム100を図1図4を参照して説明する。画像検査システム100は、コンテナ500の内部(撮像対象)に異物(後述の空容器200Z)が含まれるか否かを、当該コンテナ500の内部を撮像した画像に基づいて検査するシステムである。
【0012】
(コンテナ500の説明)
コンテナ500は、金属製の箱体である。例えば、コンテナ500は、SUS(ステンレス鋼)の板を組み立てたものである。コンテナ500は、飲料や調味料が充填される前の空容器200を収容する。なお、空容器200は、合成樹脂製であり、透明である。空容器200を収容したコンテナ500が所定角度まで傾けられることで(図1参照)、コンテナ500から空容器200がベルトコンベア700に落下する(図1の点線で示した空容器200参照)。これにより、コンテナ500から空容器200が取り出される。ベルトコンベア700に落下した空容器200は、ベルトコンベア700により次工程(空容器200に飲料等を充填する工程)に運ばれる。通常、コンテナ500からは全ての空容器200が取り出されるが、希に空容器200がコンテナ500に残留してしまう。このような残留の正確な原因は不明であるが、当該原因として、例えば、静電気が考えられる。なお、以下では、コンテナ500に残留した空容器200を空容器200Zという。空容器200Zは、空となるべきコンテナ500内に残留した異物であり、本実施形態における画像検査で存在の有無が検査される対象物でもある。なお、コンテナ500は蓋を有してもよい。
【0013】
(画像検査システム100の構成)
図1に示すように、画像検査システム100は、照明ランプ110と、第1偏光子120と、第2偏光子130と、カメラ140と、画像検査装置150と、を備える。
【0014】
照明ランプ110は、LED(Light Emitting Diode)ランプなどからなる。照明ランプ110は、前記所定角度まで傾けたコンテナ500の内部を照明できるように斜め上向きで配置されている。照明ランプ110は、コンテナ500の内部に向けて照明光を出射することで、当該コンテナ500の内部を照明する。なお、この実施の形態では、コンテナ500が前記所定角度まで傾けられることで、当該コンテナ500の内部は、外光(自然光や天井の照明からの照明光など)が入り込みにくい状態となる。つまり、当該コンテナ500の内部は、暗くなる。従って、前記所定角度まで傾けたコンテナ500の内部は、実質的に照明ランプ110によってのみ照明される。
【0015】
照明ランプ110の照明対象であるコンテナ500の内部は、カメラ140の撮像対象でもあり、コンテナ500の内面500Aと、空容器200Z(残留している場合)とを含む。
【0016】
第1偏光子120は、例えば偏光板であり、照明ランプ110の前方に配置されている。第1偏光子120は、照明ランプ110からの照明光を偏光する。第1偏光子120の透過軸(以下、第1透過軸という。)は、縦方向に延びている。なお、第1偏光子120で偏光された照明光は、コンテナ500の内部で反射される。反射された照明光を、以下では、反射光という。
【0017】
第2偏光子130は、例えば偏光板であり、カメラ140の前方に配置されている。第2偏光子130は、コンテナ500の内部からの反射光のうち、カメラ140に向かう反射光を偏光する。第2偏光子130の透過軸(以下、第2透過軸という。)は、第1透過軸が延びる方向である縦方向と垂直な横方向に延びている。
【0018】
カメラ140は、CCD(Charge-Coupled Device)などの撮像素子を用いたデジタルカメラなどである。カメラ140は、照明ランプ110と同様に、前記所定角度まで傾けたコンテナ500の内部を撮像できるように斜め上向きで配置されている。カメラ140は、第2偏光子130を通過していない反射光を受光しないように配置されるとよい。カメラ140は、照明ランプ110により照明されたコンテナ500の内部に対して撮像動作を行うことで、第2偏光子130を通過し、カメラ140で受光した反射光(第2偏光子130により偏光された反射光)により表される撮像画像を得る。この実施の形態では、このようにして、カメラ140が照明ランプ110により照明されたコンテナ500の内部(撮像対象)を撮像する。なお、撮像動作は、シャッター動作、露光動作などを含む。カメラ140は、撮像動作によりカラー画像を得るカメラである。カメラ140は、撮像動作により得られるカラー画像の画像データを画像検査装置150に供給する。
【0019】
画像検査装置150は、プロセッサなどを有するコンピュータなどによって構成される。画像検査装置150は、照明ランプ110とカメラ140とを制御可能に構成されている。そして、画像検査装置150は、カメラ140からの画像データに基づいて、コンテナ500の内部に空容器200Zが含まれるか、ここでは、コンテナ500内に空容器200Zが残留しているかを判定する画像検査処理(詳しくは後述)を実行する。
【0020】
(画像検査装置150の動作、撮像画像など)
画像検査装置150は、例えば、コンテナ500を前記所定角度まで傾けてから所定期間(空容器200が全て落下するのに十分な期間)が経過したときに、図2に示す画像検査処理を実行する。例えば、コンテナ500の傾きを制御する制御装置などが、前記所定期間の終了時に所定の制御信号を出力し、画像検査装置150は、当該所定の制御信号の受信に応答して、画像検査処理を実行する。
【0021】
画像検査処理において、画像検査装置150は、まず、照明ランプ110を点灯させるとともに、照明ランプ110により照明されたコンテナ500の内部に対する撮像動作(コンテナ500の内部を撮像するための動作)をカメラ140に行わせる(ステップS101)。なお、コンテナ500の内部は、上述のように、内面500Aと、空容器200Z(残留している場合)と、を含む。前記撮像動作により得られる撮像画像(カラー画像)の画像データは、画像検査装置150に供給され、ステップS102以降で使用される。
【0022】
ここで、照明時に照明ランプ110から出射される照明光の状態などを、図3を参照して説明する。なお、ここでは、コンテナ500内に空容器200Zが残留しているものとする。
【0023】
照明ランプ110から出射された照明光は、無偏光の光である。この照明光は、第1偏光子120により偏光される。偏光された照明光の振動方向(偏光方向)は、第1偏光子120の第1透過軸に沿った方向である縦方向である(直線偏光)。
【0024】
第1偏光子120により偏光された照明光は、その一部が空容器200Zで反射され、他の一部がコンテナ500の内面500Aで反射される。なお、以下では、空容器200Zで反射された照明光を空容器反射光といい、コンテナ500の内面500Aで反射された照明光をコンテナ反射光という。
【0025】
空容器反射光は、反射前に比べて偏光状態が変化している。ここでは、空容器反射光は、様々な振動方向を有する。これは、空容器200Zが合成樹脂製なので、例えば散乱が生じるからである。一方、コンテナ反射光は、コンテナ500が金属製で散乱などが生じず、反射前と同じ振動方向(縦方向)を有する。これら反射光の一部がカメラ140に向かうことになるが、カメラ140に向かう反射光はカメラ140に到達する前にカメラ140前方の第2偏光子130に到達する。
【0026】
第2偏光子130に到達した空容器反射光は、上述のように様々な振動方向を有するので、第2偏光子130を透過できる。第2偏光子130を透過した空容器反射光は、第2偏光子130により偏光されているので、その振動方向は、第2偏光子130の透過軸の方向である横方向となる。一方、第2偏光子130に到達したコンテナ反射光の振動方向(偏光方向)は、上述のように縦方向であり、第2偏光子130の透過軸の方向である横方向と直交する。このため、当該コンテナ反射光は、第2偏光子130で吸収され、透過できない。このように、カメラ140には、空容器反射光が到達できるが、コンテナ反射光が到達できないので、ステップS101におけるカメラ140の撮像動作によって得られる撮像画像では、コンテナ500の内面500Aが暗く写り、空容器200Zが明るく写る。なお、ここでは、内面500Aは真っ暗になり撮像画像に写っていないとも言える。
【0027】
なお、上記説明は理想的なものであり、実際には、第1偏光子120及び第2偏光子130は入射光を完全に直線偏光できず、また、偏光された照明光がコンテナ500の内面で反射するときも、その振動方向が若干変化する。従って、コンテナ反射光の一部(横方向の振動成分)は、第2偏光子130を透過する場合もある。つまり、カメラ140によって得られる撮像画像において、コンテナ500の内面500Aもある程度の明るさで写る(図4(B)は、この状態の画像である。)。しかしながら、第2偏光子130を透過した後のコンテナ反射光の強度(明るさ、輝度など)は、第2偏光子130を透過した空容器反射光よりも格段に低い(暗い)。従って、このような場合を考慮しても、カメラ140によって得られる画像では、コンテナ500の内面500Aが暗く写り、空容器200Zが明るく写る。
【0028】
なお、コンテナ500の内面500Aに、第1偏光子120で偏光された照明光を反射するときに、その偏光状態を反射前に比べて変化させる特定部分が含まれることがある。当該特定部分は、例えば、溶接跡の少なくとも一部である。ここでは、当該特定部分により反射された反射光は、様々な振動方向を有する。従って、カメラ140で撮像される画像において、空容器200Zと同様に、このような特定部分も明るく写る場合がある。但し、当該明るく写る部分の面積は、空容器200Zの部分の面積よりも小さくなる。
【0029】
図4(A)に、第1偏光子120及び第2偏光子130を設置しないで、照明ランプ110で照明されたコンテナ500の内部をカメラ140で撮像した画像を示す。図4(B)に、上記実施形態で撮像した画像、つまり、第1偏光子120及び第2偏光子130有りのときの撮像画像を示す。但し、図4の画像は、グレースケール化されている。図4に示すように、第1偏光子120及び第2偏光子130を設置することで、これらを設置しないときよりも、コンテナ500の内面500Aを暗くした画像を得ることができる。すなわち、第1偏光子120及び第2偏光子130を設置したときに得られる画像は、空容器200Zがコンテナ500の内面500Aに比べて明るく写り、これにより、空容器200Zが強調されている。なお、図4では、コンテナ500の内面500Aに、前記の特定部分としての領域500AA(溶接跡の一部)、領域500AB(コンテナ500の付属品となる白い樹脂部)、領域500AC(コンテナ500の2つの側面で構成される金属製角部)、領域500AD(コンテナ500の2つの側面で構成される金属製角部)が含まれ、図4(B)において、当該各領域は空容器200Zと同様に明るく写っている。なお、これら特定部分それぞれは、空容器200Zよりも小さく写っている。
【0030】
なお、コンテナ500内に空容器200Zが残留していない場合には、カメラ140による撮像によって得られる画像は、コンテナ500の内面500Aが写るのみであるので、全体が暗い画像(理想的には何も写っていない画像)になる。なお、前記の特定部分がある場合には、当該特定部分が明るく写ってしまう。
【0031】
図2に戻り、ステップS101のあと、画像検査装置150は、ステップS101でカメラ140から供給されるカラー画像(コンテナ500の内部を撮像した画像)に対して二値化処理を行い(ステップS102)、当該カラー画像(照明ランプ110で照明されたコンテナ500内部の画像)をモノクロ画像に変換する。上記のように、二値化前のカラー画像では、空容器200Zが明るく、コンテナ500の内面500Aが暗いので、二値化処理により得られたモノクロ画像では、空容器200Zが写った領域が白色の領域(以下、明領域という。)に変換され、コンテナ500の内面500Aが写った領域が黒色の領域(以下、暗領域という。)に変換される。二値化処理における白と黒とのいずれかにする輝度値の閾値は、最適な値となるように実験等の結果によって決定すればよい。なお、空容器200Zと同様に、前記の特定部分が写った領域も明領域に変換される。
【0032】
ステップS102のあと、画像検査装置150は、ステップS102でモノクロ化されたモノクロ画像における明領域の画素数が所定の閾値以上であるかを判定する(ステップS103)。なお、当該モノクロ画像が、複数の明領域を含む場合には、いずれか1つの明領域の画素数が前記所定の閾値以上であれば、ステップS103を肯定(YES)と判別する。前記の明領域は、例えば、つながった白色の画素に同じラベル(番号)を付けるラベリング処理を用いて検出される。前記所定の閾値は、明領域に変換された前記特定部分の領域の画素数として考えられる最大値よりも大きく、明領域に変換された空容器200Zの領域の画素数として考えられる最小値よりも小さい値とするとよい。当該所定の閾値は、最適な値となるように実験等の結果によって決定すればよい。
【0033】
明領域の画素数が所定の閾値以上である場合(ステップS103;Yes)、コンテナ500内に空容器200Z(異物)が残留している(コンテナ500の内部に空容器200Zが含まれる)として、そのことを報知する処理などを行う(ステップS104)。例えば、画像検査装置150は、スピーカなどから警報音を出力する。または、画像検査装置150は、残留物がある旨をディスプレイに表示する。画像検査装置150は、空容器200が搬送されるベルトコンベア700を停止させる信号を、当該ベルトコンベア700を制御する制御装置(図示せず)に供給してもよい。明領域の画素数が所定の閾値以上でない場合(ステップS103;No)、空容器200Zが残留していないとして、画像検査処理を終了する。
【0034】
(本実施の形態の効果)
仮に第1偏光子120と第2偏光子130とを設置しない場合のカメラ140による撮像画像では、空容器200Zが透明なので、コンテナ500の内面500A上に位置する空容器200Zの存在を検出しにくい(図4(A)参照)。特に、撮像画像に写った空容器200Zとコンテナ500の内面500Aとは、明るさがあまり変わらず(図4(A)参照)、二値化の際に、撮像画像の全領域が明領域になったり暗領域になったりするので、空容器200Zの残留の有無の検査を精度良く行うことができない。これに対して、この実施の形態では、第1偏光子120と第2偏光子130とを設置したので、カメラ140で得られる撮像画像にて、コンテナ500の内面500Aを暗くすることができ、従って、空容器200Zが強調された、空容器200Zの残留の有無の検査に適した画像を得ることができる。そして、このような画像に基づいて、画像検査を行うので、空容器200Zの残留の有無の検査を精度良く行うことができる。なお、上記から分かるように、画像検査システム100は、特に、透明な異物の存在の有無の検査に好適である。
【0035】
また、この実施の形態では、コンテナ500の内部は、実質的に照明ランプ110によってのみ照明されるので、自然光や天井からの照明光などの外光(無偏光の光)による悪影響を防止できる。具体的には、前記他の光が、偏光されずにコンテナ500の内部で反射して第2偏光子130を通過してしまい、カメラ140で受光されることで、カメラ140が撮像した画像において、コンテナ500の内面500Aが暗くならないという不都合の発生を防止できる。
【0036】
また、この実施の形態では、明領域の画素数(明領域の面積ともいえる。)が所定の閾値以上のときに、空容器200Zがコンテナ500の内部に存在していると判別するので、前記の特定部分を空容器200Zと誤検出してしまうことを防止できる。
【0037】
(変形例)
本願発明は、上記実施の形態などに限定されず、上記実施の形態は、適宜変形できる。例えば、本願発明は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態の一部の構成のみを備えたものであってもよい。上記実施の形態の変形例を例示するが、各変形例は適宜組み合わせることができる。
【0038】
(変形例1)
上記実施形態では、コンテナ500の内部を撮像対象とし、空容器200Zを当該撮像対象(コンテナ500の内部)に含まれる異物としているが、本発明に係る画像検査システムの撮像対象及び異物(つまり、使用対象や使用方法)はどのようなものとしてもよい。例えば、撮像対象は、コンテナ500の内部に限らない。異物は、透明な合成樹脂製の他の物品(フィルムなど)でもよい。例えば、異物は、第1偏光子120により偏光された照明光を、偏光状態を変化させて反射するガラス製の透明な空容器などであってもよい。また、異物は、表面に合成樹脂などが塗られた物であってもよい。また、異物が金属(例えば、表面が滑らかな金属)で、撮像対象における異物以外の部分(以下、「その他部分」という。)が合成樹脂製などであってもよい(この場合、明領域と暗領域とが逆になる)。なお、異物は、その他部分との対比(明領域と暗領域との対比)で検出できるので、その他部分は、異物の周囲の領域であればよく、撮像対象全体にわたっていなくてもよい。例えば、カメラ140によって得られる撮像画像には、コンテナ500の外部が写り込んでいてもよい。また、撮像対象は、コンテナ500の底面とし、側面はカメラ140で写さないようにしてもよい。また、画像検査では、カメラ140で得た撮像画像から必要な部分を切り出してもよい。
【0039】
例えば、異物とその他部分とは、反射した光の偏光状態が異なり、第2偏光子130を透過した後の前記反射した光の強度が異なるものであるとよい。偏光状態が異なるとは、直線偏光と円偏光又は楕円偏光との関係、円偏光と楕円偏光との関係、直線偏光と振動方向が複数の偏光との関係、無偏光と直線偏光との関係、直線偏光同士でその振動方向が異なる関係などをいう。また、撮像対象及び異物が何であるかに応じて、撮像対象を他の光から遮光するとよい。
【0040】
また、例えば、その他部分は、反射前後で光の偏光状態(振動方向)を変化させない部材(上記金属など)とし、異物は、反射前後で光の偏光状態(振動方向や振動方向の数)を変化させる部材(上記合成樹脂など)などとするとよい。ここで、「変化させない」は、完全に変化させない場合の他、多少変化させるが技術常識的に変化させないといえる場合(例えば、理論上、原理上は変化させない場合)を含む表現である。「変化させる」は、前記のような「変化しない」の範囲を含まない。このようなことは、他の表現についても同様で、ある表現は、その表現に完全に一致する場合の他、技術常識的にその表現と言える場合(例えば、理論上、原理上、又は、理想的にはその表現が該当する場合)を含んでもよい。これは、上述のように、実際には、第1偏光子120及び第2偏光子130は入射光を完全に直線偏光できず、また、偏光された照明光がコンテナ500の内面で反射するときも、その振動方向が若干変化することを考慮したものである。
【0041】
異物は、通常では撮像対象に存在しない物であればよく、上記の特定部分などであってもよい。なお、異物となる特定部分として、例えば、溶接跡の他、金属についてのキズなども考えられる。また、異物は、撮像対象(例えば、所定の搬送路とその上に置かれた物品)に含まれる欠陥品(例えば、前記物品のうちの欠陥品)などであってもよい。
【0042】
(変形例2)
ステップS102の二値化処理の代わりに、カメラ140を、空容器200Zを白(明領域)として写し、コンテナ500の内面500Aを黒(暗領域)として写すモノクロ画像を得るモノクロカメラとしてもよい。カメラ140は、動画を撮影するビデオカメラなどであってもよい。なお、白にするか黒にするかの輝度値の閾値は、例えば、上記二値化処理のときと同様の閾値とする。
【0043】
(変形例3)
画像検査システム100において使用される画像検査の方法は、上記方法に限らず、パターンマッチングを用いた方法などであってもよい。また、二値化処理を行わず、カラー画像に基づいて、画像を検査してもよい。この場合、例えば、輝度値が予め定められた閾値(上記輝度値の閾値と同じでもよい。)以上の画素が繋がった領域を、モノクロ画像(二値化後の画像)と同様に、明領域(白の領域)として扱い、輝度値が予め定められた前記値未満の画素が繋がった領域を、モノクロ画像と同様に、暗領域(黒の領域)として扱えばよい。また、異物の有無の検査は、カメラ140により得られる撮像画像に基づいて人が目視で行ってもよい。このような場合、画像検査装置150は不要となる。
【0044】
(変形例4)
上記実施の形態では、コンテナ500の内部は、実質的に照明ランプ110により照明されているが、他の光(自然光又は照明ランプ110以外の照明光などの外光)がコンテナ500の内部に進入してもよい。例えば、画像検査に用いられる画像(二値化後の画像、モノクロカメラで撮影した画像、カラー画像)において、撮像対象における異物以外の部分(例えば、撮像画像に写ったコンテナ500の内面500A)が写った領域を暗領域とし、異物(例えば、空容器200Z)が写った領域を明領域とすることができる程度の他の光がコンテナ500の内部に進入してもよい。外光の影響を避けるため、少なくとも撮影時において、コンテナ500の内部(撮像対象)は所定基準よりも暗い方がよい。
【0045】
(変形例5)
第1偏光子120の第1透過軸が伸びる第1方向と、第2偏光子130の第2透過軸が伸びる第2方向とは、直交してなくてもよく、異なる方向であればよい。これにより、第2偏光子130を透過する前の空容器反射光(異物からの反射光)とコンテナ反射光(異物以外の部分からの反射光)との光の強度の差よりも(又は、第1偏光子及び第2偏光子を省略したときにカメラ140に到達する前記2つの反射光の強度の差よりも)、第2偏光子130を透過した後の空容器反射光とコンテナ反射光との光の強度の差の方が大きくなり、画像検査に適した撮像画像を得ることができる。例えば、第1方向と第2方向との間の角度は、45度〜135度の範囲内であるとよく、さらに好ましくは、略90度(90度を含む。上記画像検査において、90度と同様の作用効果が得られる範囲(画像検査による異物の検出の精度に影響がない範囲)である。)であるとよい。例えば、第1方向と、第2方向とは、画像検査に用いられる画像(二値化後の画像、モノクロカメラで撮影した画像、カラー画像)において、撮像対象における異物以外の部分が写った領域を暗領域とし、異物が写った領域を明領域とすることができる角度で異なっているとよい。なお、第1方向と、第2方向と、上記輝度値に関する各閾値などと、を調整することで、撮像対象における異物以外の部分が写った領域と、異物が写った領域と、のうちの一方を明領域とし、他方を暗領域とすることができる。
【0046】
(変形例6)
図4に示すように、カメラ140により得られる撮像画像における、コンテナ500の内面500Aなどの金属部分(偏光状態を変化させない部分)の明るさは、第1偏光子120及び第2偏光子130の有無に応じて変化する。このため、例えば、第1偏光子120及び第2偏光子130を可動とし、第1偏光子120及び第2偏光子130を介在させてカメラ140で撮像して得られる第1画像と、第1偏光子120及び第2偏光子130を介在させないでカメラ140で撮像して得られる第2画像と、を比較して、両画像において明るさの異なる部分を異物として検出してもよい。
【0047】
(本明細書が開示する構成など)
上記実施形態や変形例を含む構成を以下に例示する。なお、各構成における説明は、矛盾が無い限り、他の構成にも適用できる。
【0048】
(1)撮像対象(例えば、コンテナ500の内部)に向けて照明光を出射するランプ(例えば、照明ランプ110)と、
第1透過軸を有し、前記ランプから出射された前記照明光を偏光する第1偏光子(例えば、第1偏光子120)と、
前記第1透過軸とは異なる方向に延びる第2透過軸を有し、前記第1偏光子により偏光されて前記撮像対象により反射された前記照明光である反射光を偏光する第2偏光子(例えば、第2偏光子130)と、
前記撮像対象に対して撮像動作を行うことで、前記第2偏光子により偏光された前記反射光により表される撮像画像を得るカメラ(例えば、カメラ140)と、
前記カメラにより得られた撮像画像に基づいて前記撮像対象に異物(例えば、空容器200Z)が含まれるかを検査する画像検査装置(例えば、画像検査装置150)と、
を備える画像検査システム。
【0049】
なお、反射光が第2偏光子により全て吸収される場合(例えば、空容器200Zなどが存在しないで、コンテナ500の内面500Aで反射されたコンテナ反射光が全て第2偏光子130により吸収される場合)、カメラによって得られる撮像画像は、真っ暗な画像となる。「前記第2偏光子により偏光された前記反射光により表される撮像画像」は、反射光が第2偏光子により全て吸収されたときの真っ暗な撮像画像も含む。なお、カメラによって得られる撮像画像には、撮像対象以外の物が写り込んでもよい。上記画像検査システムを構成する要素のうちの一部又は全部の要素を1つの筐体内に収容し、一体としてもよい。
【0050】
上記構成によれば、撮像対象に異物が含まれるかを検査するのに適した画像を得ることができる。特に、上記実施形態のような画像検査システムによれば、透明な樹脂製異物についての検査に適した画像を得ることができる。
【0051】
(2)前記撮像対象に前記異物が含まれる場合に、前記異物は、前記第1偏光子により偏光された前記照明光のうちの一部を第1反射光として反射し、前記撮像対象のうち前記異物以外の領域(例えば、コンテナ500の内面500Aにおける、空容器200Zの周辺領域などの撮像対象における異物の周囲の部分)は、前記第1偏光子により偏光された前記照明光のうちの他の一部(前記照明光のうちの一部以外の全部又はその一部)を第2反射光として反射し、
前記第1反射光と前記第2反射光とは、その偏光状態が異なることで前記第2偏光子を透過したときの光の強度(明るさ、輝度など)が異なる(例えば、前記第1反射光と前記第2反射光とは、偏光状態が異なることで前記第2偏光子を透過する前よりも透過した後の方が(又は、第1偏光子及び第2偏光子を省略したときに比べて)光の強度の差が大きくなる)、
ようにしてもよい。
【0052】
異物とそれ以外の領域(異物の周囲の領域)とが上記関係になっていると、撮像対象に異物が含まれるかを検査するのに適した画像を得ることができる。なお、「前記第2偏光子を透過したときの光の強度」は、一方が0であってもよい(つまり、上記構成は、前記第1反射光と前記第2反射光とのうちの一方が第2偏光子で全て吸収されることを含む)。
【0053】
(3)前記撮像対象は、金属領域を含み、
前記異物は、前記金属領域上に存在し得るものであり、透明で樹脂製又は透明でガラス製である、
ようにしてもよい。
【0054】
異物とその周囲の領域(金属領域)とが上記関係になっているときも、撮像対象に異物が含まれるかを検査するのに適した画像を得ることができる。特に、透明な異物は、画像検査で検出し難いが、上記構成により、撮像対象に異物が含まれるかを検査するのに適した画像を得ることができる。
【0055】
(4)前記画像検査装置は、前記撮像画像に含まれる、周辺領域(例えば、暗領域)と明るさ(輝度など)が異なる特定領域(例えば、明領域)の面積(例えば、画素数)が予め定められた閾値以上である場合に前記撮像対象に前記異物が含まれると判別する、
ようにしてもよい。
【0056】
上記構成によれば、異物の誤検出(異物でないものと異物と検出すること)を防止することができる。
【0057】
(5)前記撮像対象は、被収容物(例えば、空容器200)を収容する非透明の箱体(例えば、コンテナ500)の内部であり、
前記ランプと前記カメラは、前記箱体が傾けられて前記被収容物が取り出されるときに前記ランプによる前記箱体の内部に対する照明と前記カメラによる前記箱体の内部に対する前記撮像動作とを行う向きに配置されている、
ようにしてもよい。
【0058】
上記構成によれば、箱体が傾けられたときは、自然光や天井の照明光などの外光のうち、箱体内部に進入する光を無くす又は少なくすることができる。従って、ランプの照明光以外の光の影響を無くす又は少なくすることができる。なお、前記箱体が傾けられて前記被収容物が取り出されたときの残留物(例えば、空容器200Z)が、ここでの異物である。
【0059】
(6)撮像対象に向けて照明光を出射するランプと、
第1透過軸を有し、前記ランプから出射された前記照明光を偏光する第1偏光子と、
前記第1透過軸とは異なる方向に延びる第2透過軸を有し、前記第1偏光子により偏光されて前記撮像対象により反射された前記照明光である反射光を偏光する第2偏光子と、
前記撮像対象に対して撮像動作を行うことで、前記第2偏光子により偏光された前記反射光により表される撮像画像を得るカメラと、
を備える撮像システム。
【0060】
(7)照明光を第1方向に偏光するステップと、
前記第1方向に偏光されて撮像対象で反射された前記照明光である反射光を前記第1方向とは異なる第2方向に偏光するステップと、
前記第2偏光子により偏光された前記反射光により表される撮像画像を得るステップと、
を有する撮像方法。
【符号の説明】
【0061】
100:画像検査システム、110:照明ランプ、120:第1偏光子、130:第2偏光子、140:カメラ、150:画像検査装置、200:空容器、200Z:コンテナに残留した空容器、500:コンテナ、500A:内面、500AA:特定部分としての領域
図1
図2
図3
図4