【課題を解決するための手段】
【0015】
上述の目的を達成することに対する寄与は、
a)電極材料の電極本体を準備する工程であって、誘電体が、アノード本体の形成下でこの電極材料の1つの表面を少なくとも部分的に覆う、工程、
b)分散剤およびポリチオフェンとポリアニオンの錯体を含む分散液をアノード本体の少なくとも一部の中に導入する工程であって、分散液におけるポリチオフェン:ポリアニオンの重量比は0.5超である、工程、
c)コンデンサ本体において固体電解質を得ている状態で、分散剤を少なくとも部分的に除去する工程
を含む、コンデンサを製造するためのプロセスによってなされる。
【0016】
完全に驚くべきことに、固体電解コンデンサの電気的特性値、特にキャパシタンス、直列抵抗および低い温度プロファイルが、ポリチオフェンの含有量がポリアニオンの含有量と比較してさらに増加するように、ポリチオフェンとポリアニオンの錯体を含む分散液を利用することによって得られている従来技術から知られているコンデンサと比較して改良され得ることが見出された。
【0017】
プロセスの工程a)において、誘電体が、アノード本体を形成するためにこの電極材料の1つの表面を少なくとも部分的に覆う、電極材料の電極本体が最初に提供される。
【0018】
原則として、電極本体は、高表面積のバルブ金属粉末をプレスし、それを焼結して通常の多孔質の電極本体を得ることによって製造され得る。好ましくはバルブ金属、例えばタンタルの電気接点ワイヤもまた、慣例的にここで電気本体にプレスされる。次いで電極本体は、例えば、誘電体、すなわち酸化層で電気化学的酸化によってコーティングされる。あるいは、金属箔がまた、多孔質領域を有するアノード箔を得るために電気化学的酸化によってエッチングされ、誘電体でコーティングされてもよい。巻回型コンデンサにおいて、電極本体を形成する多孔質領域を有するアノード箔、およびカソード箔はセパレータによって分離され、巻かれる。
【0019】
本発明に関して、バルブ金属は、酸化層が両方の方向において等しく可能な電流を与えないこれらの金属を意味すると理解される。アノードに印加された電圧の場合、バルブ金属の酸化層は電流を遮断するが、カソードに印加された電圧の場合、大きな電流が発生し、酸化層を破壊し得る。バルブ金属としては、Be、Mg、Al、Ge、Si、Sn、Sb、Bi、Ti、Zr、Hf、V、Nb、TaおよびWならびにこれらの金属の少なくとも1種と他の元素の合金または化合物が挙げられる。最も良く知られているバルブ金属の例はAl、TaおよびNbである。バルブ金属に匹敵する電気特性を有する化合物は、酸化され得、酸化層が上記の特性を有する金属伝導性を有するものである。例えば、NbOは金属伝導性を有するが、一般にバルブ金属とみなされない。しかしながら、酸化されたNbOの層はバルブ金属酸化層の典型的な特性を有するので、NbOまたはNbOと他の元素の合金もしくは化合物が、バルブ金属に匹敵する電気特性を有するこのような化合物の典型的な例である。タンタル、アルミニウムの電極材料およびニオブまたは酸化ニオブに基づいたこれらの電極材料が好ましい。タンタルおよびアルミニウムが電極材料として非常に特に好ましい。
【0020】
しばしば、多孔質領域を有する電極本体の製造に関して、バルブ金属は、例えば、粉末形態で焼結されて、通常の多孔質電極本体を得ることができるか、または多孔質構造が金属本体にスタンプされる。後者は例えば箔をエッチングすることによって実施され得る。
【0021】
簡潔さのために、多孔質領域を有する本体はまた、以下において多孔質と呼ばれる。したがって、例えば、多孔質領域を有する電極本体はまた、多孔質電極本体と呼ばれる。一方で、多孔質本体は複数のチャネルが広がり得るので、スポンジ状である。これはしばしば、タンタルがコンデンサの構築のために使用される場合である。さらに、表面のみが、穴を有し、表面の穴の下の領域が詰まった構成を有することも可能である。このような状況はしばしば、アルミニウムがコンデンサの構築のために使用される場合に観察される。好ましくは、電極本体は多孔質である。
【0022】
しばしば、このように製造された多孔質の電極本体は次に、例えば、誘電体を形成するために、電圧を印加することによって、リン酸またはアジピン酸アンモニウム水溶液などの適切な電解質において酸化される。この電圧を形成するレベルは、達成される酸化層の厚さまたはコンデンサの後での使用電圧に依存する。好ましい電圧の形成は、1〜500Vの範囲、特に好ましくは2〜150Vの範囲、非常に特に好ましくは3〜60Vの範囲である。
【0023】
概して、利用される多孔質の電極本体は、好ましくは、10〜90%、好ましくは30〜80%、特に好ましくは50〜80%の多孔性および10〜10,000nm、好ましくは20〜5,000nm、特に好ましくは50〜3,000nmの平均孔径を有する。
【0024】
本発明に係るプロセスの特定の実施形態によれば、製造される電解コンデンサはアルミニウム巻回型コンデンサである。この場合、プロセスの工程a)において、多孔質アルミニウム箔が電極材料としてアノードに形成され、アルミニウム酸化コーティングが誘電体として形成される。このように得られたアルミニウム箔(アノード箔)には次いで、接触ワイヤが提供され、同様に接触ワイヤが提供されるさらなる任意の多孔質アルミニウム箔(カソード箔)と共に巻かれ、これらの2つの箔は、例えば、セルロースまたは好ましくは合成紙に基づいた1つ以上のセパレータによって互いに間隔をあけられる。巻かれた後、このように得られたアノード本体は、例えば、接着テープによって固定される。セパレータ(複数も含む)はオーブン中で加熱することによって炭化され得る。この方法およびアルミニウム巻回型コンデンサのためのアノード本体の製造様式は、従来技術から十分に知られており、例えば、米国特許第7,497,879号B2に記載されている。
【0025】
本発明に係るプロセスのさらなる特定の実施形態によれば、製造される電解コンデンサは、アルミニウム積層コンデンサまたはタンタル電解コンデンサ(「タンタルエルコ(tantalum elco)」)であり、特に、ポリマー外層を有するタンタル電解コンデンサなどは独国特許出願公開第10 2009 007594号に記載されている。
【0026】
本発明に係るプロセスの工程b)において、分散剤および分散液中のポリチオフェン:ポリアニオンの重量比が0.5より大きい、ポリチオフェンとポリアニオンの錯体を含む分散液がアノード本体の少なくとも一部の中に導入される。分散液中のポリチオフェン:ポリアニオンの重量比は少なくとも0.67および1.5未満、特に少なくとも0.67および1.0未満であることが特に好ましい。ここでポリチオフェンの重量は、完全な変換が重合の間に起こることを仮定して、導電性ポリマーを調製するために利用されるチオフェンモノマーの重量に対応する。分散液が、例えば1重量部のポリチオフェンおよび2重量部のポリアニオンを含む場合、分散液中のポリチオフェン:ポリアニオンの重量比は1:2=0.5である。
【0027】
分散液は、公知のプロセス、例えば含浸、浸漬、注ぎ込み(pouring)、滴下(dripping on)、噴霧、ミスト形成(misting on)、ナイフコーティング、ブラッシングまたは印刷、例えばインクジェット印刷、スクリーン印刷またはタンポン印刷によって、多孔質領域の中へと導入される。好ましくは、この導入は、プロセスの工程a)で準備されるアノード体を当該分散液の中へと浸漬すること、したがって当該アノード体にこの分散液を含浸させることにより実施される。この分散液の中への浸漬またはこの分散液を用いた含浸は、好ましくは1秒〜120分の範囲、特に好ましくは10秒〜60分の範囲、最も好ましくは30秒〜15分の範囲の時間の間、実施される。アノード体の中への当該分散液の導入は、例えば、増圧または減圧、振動、超音波または熱によって容易になる可能性がある。
【0028】
アノード体の中への分散液の導入は、直接的に、または接着促進剤、例えば有機官能性シランもしくはその加水分解生成物、例えば3−グリシドオキシプロピルトリアルコキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランまたはオクチルトリエトキシシランなどのシラン、および/または1以上の他の機能層を使用して、実施することができる。
【0029】
この導入の結果として、分散液は、多孔性領域の細孔を層で覆うことがかなり少ないことが好ましい。むしろ、この細孔の空洞の表面が、この分散液で少なくとも部分的に覆われる。したがって、この分散液の中に存在する粒子は、細孔の開口部を覆う層を形成するだけでなく;細孔の表面の少なくとも一部(すべての領域であることも多い)も分散液の粒子の層で覆われる。
【0030】
本発明によれば、ポリチオフェンが、一般式(i)もしくは(ii)の繰り返し単位または一般式(i)および(ii)の単位の組み合わせを有するポリチオフェンであることが特に好ましく、一般式(ii)の繰り返し単位を有するポリチオフェンが非常に特に好ましい。
【化1】
式中、
Aは、任意に置換されたC
1−C
5−アルキレンラジカルを表し、
Rは、直鎖状もしくは分枝状の、任意に置換されたC
1−C
18−アルキルラジカル、任意に置換されたC
5−C
12−シクロアルキルラジカル、任意に置換されたC
6−C
14−アリールラジカル、任意に置換されたC
7−C
18−アラルキルラジカル、任意に置換されたC
1−C
4−ヒドロキシアルキルラジカルまたはヒドロキシルラジカルを表し、
xは、0〜8の整数を表し、
複数のラジカルRがAに結合されている場合、それらは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0031】
一般式(i)および(ii)は、x個の置換基RがアルキレンラジカルAに結合されていてもよいということを意味すると理解されるべきである。
【0032】
Aが任意に置換されたC
2−C
3−アルキレンラジカルを表し、xが0または1を表す一般式(ii)の繰り返し単位を有するポリチオフェンが特に好ましい。
【0033】
本発明に関しては、接頭辞「ポリ」は、ポリマーまたはポリチオフェンが、複数の同一のまたは異なる一般式(i)および(ii)の繰り返し単位を含有するということを意味すると理解されたい。一般式(i)および/または(ii)の繰り返し単位に加えて、ポリチオフェンは、任意に、他の繰り返し単位も含むことができるが、ポリチオフェンのすべての繰り返し単位のうちの少なくとも50%、特に好ましくは少なくとも75%、最も好ましくは少なくとも95%が一般式(i)および/または(ii)、好ましくは一般式(ii)を有することが好ましい。上記のパーセンテージの数字は、ここで、外来物質でドープされた導電性ポリマーにおいてモノマー単位の総数における構造式(i)および(ii)の単位の数値的量を表すことを意図する。ポリチオフェンは、全部でn個の一般式(i)および/または(ii)、好ましくは一般式(ii)の繰り返し単位を含有し、ここでnは2〜2,000、好ましくは2〜100の整数である。一般式(i)および/または(ii)、好ましくは一般式(ii)の繰り返し単位は、ポリチオフェンの範囲内で各々同じであってもよいし異なっていてもよい。いずれも同一の一般式(ii)の繰り返し単位を有するポリチオフェンが好ましい。
【0034】
本発明に係るプロセスの非常に特定の実施形態によれば、ポリチオフェンの全ての繰り返し単位の少なくとも50%、特に好ましくは少なくとも75%、さらにより好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%は、3,4−エチレンジオキシチオフェン単位である(すなわち最も好ましいポリチオフェンはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である)。
【0035】
ポリチオフェンは、いずれの場合も、末端基に、Hを有することが好ましい。
【0036】
本発明に関しては、C
1−C
5−アルキレンラジカルAは、好ましくは、メチレン、エチレン、n−プロピレン、n−ブチレンまたはn−ペンチレンである。C
1−C
18−アルキルラジカルRは、好ましくは、メチル、エチル、n−またはiso−プロピル、n−、iso−、sec−またはtert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1−エチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシルまたはn−オクタデシルなどの直鎖状もしくは分枝状のC
1〜C
18−アルキルラジカルを表し、C
5−C
12−シクロアルキルラジカルRは、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルまたはシクロデシルを表し、C
5−C
14−アリールラジカルRは、例えば、フェニルまたはナフチルを表し、C
7−C
18−アラルキルラジカルRは、例えば、ベンジル、o−、m−、p−トリル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、3,5−キシリルまたはメシチルを表す。上記の一覧は、本発明を例として記載する役割を果たすが、排他的なものであるとみなされるべきではない。
【0037】
本発明に関しては、ラジカルAおよび/またはラジカルRの任意の可能性のあるさらなる置換基は、多くの有機基、例えばアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロゲン、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、スルホキシド、スルホン、スルホネート、アミノ、アルデヒド、ケト、カルボン酸エステル、カルボン酸、カーボネート、カルボキシレート、シアノ、アルキルシランおよびアルコキシシラン基、ならびにカルボキシアミド基である。
【0038】
ポリチオフェンは好ましくはカチオン性であり、「カチオン性」は、単にこのポリチオフェン主鎖上に存在する電荷のみを指す。正電荷は、上記式の中には示されていない。なぜなら、それらの正確な数および位置は明確に特定できないからである。しかしながら正電荷の数は、少なくとも1であり、多くともnである(nは、このポリチオフェン内のすべての(同じまたは異なる)繰り返し単位の総数である)。
【0039】
正電荷と均衡をとるために、カチオン性ポリチオフェンは対イオンとしてアニオンを必要とし、対イオンは、高分子アニオン(ポリアニオン)である。これに関して、分散液が、ポリチオフェンとポリアニオンのイオン錯体を含むことが特に好ましく、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸のイオン錯体(いわゆるPEDOT/PSS錯体)を含むことが非常に特に好ましい。
【0040】
ポリアニオンは対イオンとして単量体状アニオンよりも好ましい。なぜなら、ポリアニオンは膜形成に寄与し、かつそのサイズに起因して、熱的により安定な、電気伝導性の膜を導くからである。本明細書においては、ポリアニオンは、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸もしくはポリマレイン酸などの高分子カルボン酸のアニオン、またはポリスチレンスルホン酸およびポリビニルスルホン酸などの高分子スルホン酸のアニオンであってもよい。これらのポリカルボン酸およびポリスルホン酸は、ビニルカルボン酸およびビニルスルホン酸と他の重合性単量体(アクリル酸エステルおよびスチレンなど)との共重合体であってもよい。特に好ましくは、固体電解質は、ポリチオフェンの正電荷と均衡をとるために、高分子カルボン酸または高分子スルホン酸のアニオンを含有する。
【0041】
ポリチオフェン、特にポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が使用される場合は、先行技術から公知のPEDOT/PSSイオン錯体の形態の錯体として結びついて存在することが好ましいポリスチレンスルホン酸(PSS)のアニオンは、ポリアニオンとして特に好ましい。このようなイオン錯体は、チオフェン単量体、好ましくは3,4−エチレンジオキシチオフェンを、水溶液中で、ポリスチレンスルホン酸の存在下で、酸化的に重合することにより得ることができる。この詳細は、例えば、「PEDOT・Principles and Applications of an Intrinsically Conductive Polymer」、Elschnerら、CRC Press(2011)における9.1.3章に見出される。
【0042】
ポリアニオンを与えるポリ酸の分子量は、好ましくは1,000〜2,000,000、より好ましくは2,000〜500,000である。ポリ酸またはそのアルカリ金属塩は市販されているか、または例えばポリスチレンスルホン酸およびポリアクリル酸などは、公知の方法(例えばHouben Weyl、Methoden der organischen Chemie、第E20巻、Makromolekulare Stoffe、第2部、(1987)、1141頁以下参照)によって製造することができる。
【0043】
ポリチオフェンおよびポリアニオンのイオン錯体、特にPEDOT/PSSイオン錯体は、好ましくは粒子の形態で分散液に存在する。分散液中のこれらの粒子は、好ましくは50S/cm超の比電気伝導率を有する。これに関して、粒子の比電気伝導率は、分散液の乾燥によって粒子から生成する、乾燥状態にある膜の比電気伝導率である。好ましくは、粒子が100S/cm超、特に好ましくは300S/cm超、ある場合には、さらに500S/m超の比電気伝導率を有する分散液が用いられる。ある場合には、最大5,000S/cmの比電気伝導率を有する粒子も用いられる。
【0044】
本発明によれば、プロセスの工程b)に利用される分散液中の粒子は、好ましくは1〜100nmの範囲、好ましくは1〜60nmの範囲、特に好ましくは5〜40nmの範囲の直径d
50を有する。これに関して、直径分布のd
50値は、分散液中の全ての粒子の総重量の50%が、d
50値以下の直径を有するこれらの粒子に割り当てられ得ることを指す。粒子の直径は超遠心測定により決定される。一般的な手段は、Colloid Polym.Sci.267、1113−1116(1989)に記載されている。
【0045】
プロセスの工程b)に利用される分散液は好ましくは国際公開第2010/003874(A2)号の第6頁10〜29行に記載されているような、金属および遷移金属に関してある純度を有する。分散液の中で金属の濃度が低いことは、固体電解質の形成の際におよびコンデンサの、後の動作において誘電体が損傷を受けないという大きな利点を有する。
【0046】
プロセスの工程b)に利用される分散液は、ポリチオフェンおよびポリアニオンに加えて1種以上の分散剤を含み、好ましい分散剤は、水、有機溶媒または有機溶媒および水の混合物である。言及されてもよい分散剤は、例えば、以下の溶媒である:メタノール、エタノール、i−プロパノールおよびブタノールなどの脂肪族アルコール;アセトンおよびメチルエチルケトンなどの脂肪族ケトン;酢酸エチルおよび酢酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル;トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタンおよびシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素;塩化メチレンおよびジクロロエタンなどの塩素化炭化水素;アセトニトリルなどの脂肪族ニトリル;ジメチルスルホキシドおよびスルホランなどの脂肪族スルホキシドおよびスルホン;メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミドおよびジメチルホルムアミドなどの脂肪族カルボン酸アミド;ジエチルエーテルおよびアニソールなどの脂肪族エーテルおよび芳香族脂肪族エーテル。さらに、水また水と上述の有機溶媒との混合物も分散剤として用いてもよい。
【0047】
好ましい分散剤は、水、またはアルコール(例えばメタノール、エタノール、i−プロパノールおよびブタノール)などの他のプロトン性溶媒、ならびに水とこれらのアルコールとの混合物であり、水は特に好ましい溶媒である。
【0048】
プロセスの工程b)に利用される分散液は、ポリチオフェン、ポリアニオンおよび分散剤の他に、界面活性物質、例えばアニオン性界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホン酸および塩、パラフィンスルホネート、アルコールスルホネート、エーテルスルホネート、スルホスクシネート、リン酸エステル、アルキルエーテルカルボン酸またはカルボキシレート、カチオン性界面活性剤、例えば第四級アルキルアンモニウム塩、非イオン性界面活性剤、例えば直鎖アルコールエトキシレート、オキソアルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレートまたはアルキルポリグルコシド、あるいは接着促進剤、例えば有機官能性シランまたはその加水分解生成物、例えば3−グリシドオキシプロピルトリアルコキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランまたはオクチルトリエトキシシラン、架橋剤、例えばメラミン化合物、ブロック化イソシアネート、官能性シラン、例えばテトラエトキシシラン、(例えばテトラエトキシシランに基づく)アルコキシシラン加水分解生成物、エポキシシラン(3−グリシドオキシプロピルトリアルコキシシラン)−、ポリウレタン、ポリアクリレートもしくはポリオレフィン分散液などの、さらなる添加物をさらに含有することができる。
【0049】
好ましくは、プロセスの工程b)に利用される分散液は、任意に電気伝導率を増大させるさらなる添加剤、例えばエーテル基を含有する化合物、例えばテトラヒドロフラン、ラクトン基を含有する化合物、例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アミドまたはラクタム基を含有する化合物、例えばカプロラクタム、N−メチルカプロラクタム、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン(NMP)、N−オクチルピロリドン、ピロリドン、スルホンおよびスルホキシド、例えばスルホラン(テトラメチレンスルホン)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、糖類または糖誘導体、例えばスクロース、グルコース、フルクトース、ラクトース、糖アルコール、例えばソルビトール、マンニトール、フラン誘導体、例えば2−フランカルボン酸、3−フランカルボン酸、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロールまたはテトラグリセロールを含む。
【0050】
分散液はまた、添加物質として、3つより多いアルキレン単位由来のアルキレングリコール、ジアルキレングリコール、トリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、ポリグリセロールまたはこれらの化合物の少なくとも2つの混合物を含んでもよい。これに関して、分散液が、少なくとも1つのアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、ポリグリセロールまたはこれらの添加物質の少なくとも2つの混合物を含むことが特に好ましい。
【0051】
エチレングリコールおよびプロピレングリコールがアルキレングリコールとして特に好ましい。好ましいジアルキレングリコール、トリアルキレングリコールまたはポリアルキレングリコールは特に、エチレングリコールおよびプロピレングリコールまたはその2つのランダムコポリマーに基づいたものである。ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールが特に好ましい。ポリアルキレングリコールはまた、分枝であってもよい。ポリアルキレングリコールはさらに、末端基上で非置換であってもよく、すなわち2つの遊離ヒドロキシル基を有するか、または末端基上で1回もしくは2回官能化されてもよい。ポリアルキレングリコールまたはポリアルキレングリコール誘導体は、好ましくは、ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定して、100〜100,000g/molの範囲、特に好ましくは200〜50,000g/molの範囲、最も好ましくは200〜5,000の範囲の分子量を有する。ポリエチレングリコールはポリアルキレングリコールとして特に好ましい。可能な化合物は特に、「PEG300」、「PEG400」、「PEG600」、「PEG1000」、「PEG2000」または「PEG4000」という名称で知られているポリエチレングリコールである。「PEG400」および「PEG600」が特に好ましい。
【0052】
添加物質として利用され得る好ましいポリグリセロールは、独国特許出願公開第10 2011 013068号に記載されているこれらのポリグリセロールである。ジグリセロール、トリグリセロール、テトラグリセロール、ペンタグリセロール、ヘキサグリセロールおよび任意に6個より多いグリセロール単位のオリゴマーを含むポリグリセロールが特に好ましい。このようなポリグリセロールは、例えば、「ポリグリセロール−3」(約29wt%のジグリセロール、約42wt%のトリグリセロール、約19wt%のテトラグリセロール、約6wt%のペンタグリセロールおよび約4wt%の6個以上のグリセロール単位のポリグリセロールを含有する)または「ポリグリセロール−4」(約2wt%のジグリセロール、約40wt%のトリグリセロール、約35wt%のテトラグリセロール、約20wt%のペンタグリセロールおよび約8wt%の6個以上のグリセロール単位のポリグリセロールを含有する)という名称でSOLVAY CHEMICALS GmbH、Rheinberg、Germanyから得られる。
【0053】
アルキレングリコール、ポリアルキレングリコールおよび/またはポリグリセロールが特に添加物質として使用される場合、これらの物質はまた、プロセスの工程b)におけるアノード本体の少なくとも一部への分散液の導入および分散剤の少なくとも部分的な除去の後のみに、アノード本体の少なくとも一部に導入されてもよい。これは、例えば、アノード本体を、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコールおよび/またはポリグリセロールを含む溶液または分散液に含浸することによって実現され得る。
【0054】
これに関して、プロセスの工程b)に利用される分散液は、各場合、プロセスの工程b)に利用される分散液の総重量に基づいて、0.1〜40wt%の範囲、特に好ましくは1〜30wt%の範囲、最も好ましくは2〜20wt%の範囲の量で、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、ポリグリセロールまたはこれらの少なくとも2つの混合物を含むことが更に好ましい。
【0055】
プロセスの工程b)に利用される分散液は、添加物質として、国際公開第2009/141209(A1)号の第12頁16〜34行に記載されているように、有機溶媒に可溶である1種以上の有機結合剤をさらに含んでもよい。分散液は、1〜14のpHを有することができ、1〜8のpHが好ましい。腐食に敏感な誘電体、例えば、酸化アルミニウムまたは酸化ニオブなどについては、誘電体が損傷を受けないように、2.5〜8のpHを有する分散液が好ましい。
【0056】
pHを調整するために、国際公開第2010/003874(A2)号の第4頁13〜32行に記載されているように、例えば、塩基または酸を、添加物質として、プロセスお工程b)に利用される分散液に加えることができる。分散液の膜形成を損なわず、かつより高い温度、例えばはんだ付け温度であるが、揮発性ではなく、これらの条件下で固体電解質の中に留まるこれらの添加物質、例えば2−ジメチルアミノエタノール、2,2’−イミノジエタノールまたは2,2’,2’’−ニトリロトリエタノールなどの塩基およびポリスチレンスルホン酸などの酸が好ましい。
【0057】
プロセスの工程b)に利用される分散液の粘度は、付与の方法に応じて、0.1〜1,000mPas(20℃および100s
−1のせん断速度で、レオメータを用いて測定される)であることができる。好ましくは、粘度は、1〜500mPas、特に好ましくは5〜250mPasである。アルミニウム巻回型コンデンサを製造する場合、粘度は、非常に特に好ましくは40〜200mPa・sの範囲であり、一方、タンタル電解コンデンサまたはアルミニウム積層コンデンサを製造する場合、粘度は、非常に特に好ましくは5〜50mPa・sの範囲である。
【0058】
プロセスの工程b)に利用される分散液の固体含有量は、各場合、分散液の総重量に基づいて、好ましくは0.01〜20wt%の範囲、特に好ましくは0.1〜10wt%の範囲、最も好ましくは0.25〜5wt%の範囲である。PEDOT/PSS(添加物質を有さない)の固体含有量は、分散剤を除去するのに十分に高い温度(しかし、それにより固体を分解しない)にて分散液の乾燥により決定される。
【0059】
アノード本体を上記の分散液に含浸した後、プロセスの工程c)において、分散液に含まれる分散剤は、少なくとも部分的に除去または硬化されるので、誘電体、したがってコンデンサ本体を完全または部分的に覆う固体電解質が形成される。これに関して、固体コンデンサによって誘電体を、好ましくは少なくとも50%、特に好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも80%覆うことが好ましく、この被覆は、独国特許出願公開第10 2005 043828号に記載されているように、120Hzにて乾燥および湿潤状態においてコンデンサのキャパシタンスの測定によって決定され得る。
【0060】
除去または硬化は、好ましくは分散液から電極本体を除去し、それを乾燥することによって実施され、乾燥は、好ましくは20℃〜260℃の範囲、特に好ましくは50℃〜220℃の範囲、最も好ましくは80℃〜200℃の範囲で実施される。プロセスの工程b)およびc)はまた、この形式で、誘電体に堆積される固体電解質の層の厚さまたは特定の要件に対する電極本体における電解質の充填の程度に適合するように1回または数回反復されてもよい。
【0061】
コンデンサ本体がこのように製造された後、それらは当業者に公知の方法および様式によってさらに改変されてもよい。タンタル電解コンデンサの場合、コンデンサ本体は、例えば、独国特許出願公開第10 2004 022674号または独国特許出願公開第10 2009 007594号に記載されているようにポリマー外層ならびに/あるいは独国特許出願公開第10 2005 043828号から公知のグラファイト層および銀層で覆われてもよく、一方、アルミニウム巻回型コンデンサの場合、米国特許第7,497,879号(B2)の教示に従って、コンデンサ本体は、密閉検査ガラスを備え、圧着によって機械的にきつく閉じられるアルミニウムビーカー内に導入される。コンデンサは次いで、公知のように時間が経過することによる誘電体の不具合がなくなり得る。
【0062】
上述の目的を達成することに対する寄与はまた、本発明に係るプロセスによって得ることができる、好ましくは得られたコンデンサによってなされる。好ましくは、このコンデンサは、タンタル電解コンデンサまたはアルミニウムコンデンサ、例えばアルミニウム積層コンデンサまたはアルミニウム巻回型コンデンサである。
【0063】
上述の目的を達成することに対する寄与はまた、電極材料の電極本体を含むコンデンサによってなされ、誘電体はこの電極材料の表面を少なくとも部分的に覆い、アノード本体を形成し、アノード本体は、ポリチオフェンおよびポリアニオンを含む固体電解質で少なくとも部分的にコーティングされ、固体電解質におけるポリチオフェン:ポリアニオンの重量比は0.5超である。固体電解質におけるポリチオフェン:ポリアニオンの重量比は少なくとも0.67および1.5未満であることが特に好ましく、特に少なくとも0.67および1.0未満である。
【0064】
このようなコンデンサは、例えば、上記の本発明に係るプロセスによって得ることができる。これに関して、好ましいポリチオフェンおよびポリアニオンは、本発明に係るプロセスに関して、好ましいポリチオフェンおよびポリアニオンとして既に上記されているこれらのポリチオフェンおよびポリアニオンである。
【0065】
上述の目的を達成することに対するさらなる寄与はまた、本発明に係るプロセスによって得ることができるコンデンサまたは本発明に係るコンデンサを含む電子回路によってもなされる。これに関して、例えば、コンピューター(デスクトップ、ラップトップ、サーバー)の中に、コンピューター周辺機器(例えばPCカード)の中に、携帯用電子装置、例えば携帯電話、デジタルカメラまたは娯楽用電子システムの中に、娯楽用電子機器用システムの中に、例えばCD/DVDプレーヤおよびコンピューターゲーム用コンソールの中に、ナビゲーションシステムの中に、電気通信設備の中に、家電製品の中に、医療技術、例えば除細動器用の医療技術の中に、見出されるものなどの電子回路が言及されるべきである。本発明によれば、自動車用のハイブリッド推進手段または電気推進手段における電子回路の中の電子回路が特に利用され得る。この用途では、コンデンサは、特に中間コンデンサ(DCリンクコンデンサ)としての役割を果たすことができる。
【0066】
上述の目的を達成することに対する寄与はまた、電子回路における、例えば、自動車用のハイブリッド推進手段または電気推進手段における電子回路における中間コンデンサとしての、本発明に係るコンデンサまたは本発明に係るプロセスによって得ることができるコンデンサの使用によってもなされる。
【0067】
上述の目的を達成することに対する寄与はまた、分散剤を含む液体反応相におけるポリアニオンの存在下でのチオフェンモノマーの酸化重合の工程を含む、分散剤およびポリチオフェンとポリアニオンの錯体を含む分散液を製造するためのプロセスであって、チオフェンモノマーおよびポリアニオンは、分散液中のポリチオフェン:ポリアニオンの重量比が0.5超であるような相対量で利用される、プロセスによってもなされる。液体反応相におけるチオフェンモノマー:ポリアニオンの重量比は少なくとも0.67および1.5未満であることが特に好ましく、特に少なくとも0.67および1.0未満である。
【0068】
これに関して、好ましいポリチオフェンおよびポリアニオンは、本発明に係るプロセスに関して、好ましいポリチオフェンおよびポリアニオンとして既に上述されているこれらのポリチオフェンおよびポリアニオンである。非常に特に好ましくは、チオフェンモノマーは3,4−エチレンジオキシチオフェンであり、ポリアニオンはポリスチレンスルホン酸である。
【0069】
分散液を製造するための本発明に係るプロセスの特定の実施形態によれば、チオフェンモノマーの酸化重合が、分散剤として水中のポリアニオンの存在下および一般式(I)の化合物
【化2】
(式中、XはOH基、脂肪族もしくは芳香族C
1−C
10−アルキルラジカルまたは脂肪族もしくは芳香族C
1−C
10−アルコキシラジカル(−OR)を表す)
の存在下で実施されることがさらに好ましく、水性反応相における一般式(I)の化合物の濃度は、各場合、水相の総重量に基づいて、好ましくは0.01〜5wt%の範囲、特に好ましくは0.05〜2.5wt%の範囲、最も好ましくは0.1〜1wt%の範囲である。好ましくは、一般式(I)の化合物は、250g/mol未満、さらにより好ましくは100g/mol未満の分子量を有し、一般式(I)の化合物として硫酸の使用が最も好ましい。
【0070】
上述の目的を達成することに対する寄与はまた、上記のプロセスによって得ることができる分散液によってもなされる。
【0071】
上述の目的を達成することに対する寄与はさらに、
分散液中のポリチオフェン:ポリアニオンの重量比が0.5超である、分散剤およびポリチオフェンとポリアニオンの錯体を含む分散液でコーティングし、その後、分散剤を除去することによって、または分散液を製造するための本発明に係るプロセスによって得ることができる分散液でコーティングし、その後、分散剤を除去することによって、
A)基板層、
B)透明アノード層、
C)半導体層、
D)カソード層、好ましくはアルミニウムのカソード層
を含む、有機太陽電池を製造するためのプロセスであって、
i)ポリチオフェンとポリアニオンの錯体を含む層は基板層に付与され、
ii)ポリチオフェンとポリアニオンの錯体を含む層は外層として半導体層に付与され、または
iii)ポリチオフェンとポリアニオンの錯体を含む層は透明アノード層と半導体層との間に付与される、プロセスによってなされる。
【0072】
本発明に係るプロセスによって製造される太陽電池は、A)基板層、B)透明アノード層、C)半導体層およびD)カソード層を含み、この層の順序は太陽電池の性質に応じて変化させてもよい。基本的な層の順序は、特に、「PEDOT・Principles and Applications of an Intrinsically Conductive Polymer」、Elschnerら、CRC Press(2011)の10.7章およびMarkus Glatthaarによる論文「Zur Funktionsweise organischer Solarzellen auf der Basis interpenetrierender Donator/Akzeptor−Netzwerke」(2007)の2章に見出される。
【0073】
基板層Aは、好ましくはガラスまたはプラスチックの層であるのに対して、半導体層C)は、例えば、ドナーとしてポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)およびアクセプターとして置換フラーレン、例えば[6,6]−フェニル−C61−酪酸メチルエステル(PCBM)を含む層を含む。透明アノード層B)は、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)の層であってもよく、またはまた、ポリチオフェンとポリアニオンのイオン錯体、特にPEDOT/PSS(プロセスの代替iを参照のこと)に基づいてもよい。
【0074】
本発明によれば、本発明に係るプロセスによって製造される太陽電池は、いわゆる「逆構造」の太陽電池であることが非常に特に好ましい。このような太陽電池は、基板層A)(好ましくはガラスまたはプラスチックの層である)、続いて好ましくはアルミニウムのカソード層であるカソード層D)、任意に続いてチタンまたは亜鉛酸化物の層、続いて半導体層C)(好ましくはP3HTおよびPCBMを含む層である)および続いて透明アノード層Bを含む。
【0075】
したがって、有機太陽電池を製造するための本発明に係るプロセスは、分散液中のポリチオフェン:ポリアニオンの重量比は0.5超である、分散剤およびポリチオフェンとポリアニオンの錯体を含む分散液でのコーティング、その後の分散剤の除去、または分散液を製造するための本発明に係るプロセスによって得ることができる分散液でのコーティング、その後の分散剤の除去によって特徴付けられ、
i)ポリチオンフェンとポリアニオンの錯体を含む層は、基質層に付与され、
ii)ポリチオフェンとポリアニオンの錯体を含む層は、外層として半導体層に付与され、または
iii)ポリチオフェンとポリアニオンの錯体を含む層は、透明アノード層と半導体層との間に付与される。
【0076】
特定の層への分散液の付与は、例えば公知のプロセスによって、例えば、0.5μm〜250μmの湿潤膜の厚さにおいて、好ましくは2μm〜50μmの湿潤膜の厚さにおいて、スピンコーティング、浸漬、注ぎ込み、滴下、噴霧、ミスト形成、ナイフコーティング、ブラッシングまたは印刷、例えばインクジェット、スクリーン、グラビア印刷、オフセットまたはタンポン印刷によって実施され得る。分散剤の少なくとも部分的な除去は、好ましくは20℃〜220℃の範囲の温度にて乾燥することによって実施され、可能な場合、乾燥プロセスの前に、例えばスピンオフによって、基板から上清分散液を少なくとも部分的に除去することが有益である。
【0077】
上述の目的を達成することに対する寄与はまた、有機太陽電池を製造するための本発明に係るプロセスによって得ることができる有機太陽電池によってもなされる。
【0078】
上述の目的を達成することに対する寄与はまた、分散液中のポリチオフェン:ポリアニオンの重量比が0.5超である、分散剤およびポリチオフェンとポリアニオンの錯体を含む分散液の使用、または分散液を製造するため、有機太陽電池、特に逆構造の有機太陽電池における透明導電層を製造するための本発明に係るプロセスによって得ることができる分散液の使用によってもなされる。
【0079】
本発明はここで、非限定的な図および実施例を用いて、より詳細に説明する。