(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)とを反応させてなるウレタン樹脂 と無機微粒子(C)とを含有するウレタン樹脂組成物の製造方法であって、活性水素成分 (A)及び無機微粒子(C)を含んでなる混合物(X1)からなる分散相と、液体状態、 亜臨界状態若しくは超臨界状態である二酸化炭素を含む連続相(F)とを混合する工程を行い、次いで混合物(X1)を含む分散体から二酸化炭素を気体にして除去した後、有機イソシアネート成分(B)を混合する工程を含むウレタン樹脂組成物の製造方法。
活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)とを反応させてなるウレタン樹脂 と無機微粒子(C)とを含有するウレタン樹脂組成物の製造方法であって、有機イソシア ネート成分(B)及び無機微粒子(C)を含んでなる混合物(X2)からなる分散相と、 液体状態、亜臨界状態若しくは超臨界状態である二酸化炭素を含む連続相(F)とを混合 する工程を行い、次いで混合物(X2)含む分散体から二酸化炭素を気体にして除去した後、活性水素成分(A)を混合する工程を含むウレタン樹脂組成物の製造方法。
50℃、15MPa下における活性水素成分(A)に対する連続相(F)の溶解度が、 (A)の重量に基づいて1〜400重量%である請求項1に記載のウレタン樹脂組成物の 製造方法。
50℃、15MPa下における有機イソシアネート成分(B)に対する連続相(F)の 溶解度が、(B)の重量に基づいて1〜400重量%である請求項2に記載のウレタン樹 脂組成物の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明を詳述する。
本発明においてウレタン樹脂組成物は、活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)とを反応させてなるウレタン樹脂と無機微粒子(C)とを含有する。無機微粒子(C)を含有しない場合、線膨張係数が増加して、ウレタン樹脂組成物の成形物の寸法安定性が悪化する。
【0010】
本発明の活性水素成分(A)としては、ポリオール[ジオール(A−1)及び3価以上のポリオール(A−2)]、ジカルボン酸(A−3)、3価以上のポリカルボン酸(A−4)、ポリアミン(A−5)、ポリチオール(A−6)等}との重付加物などが挙げられる。
【0011】
ジオール(A−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;その他、ポリラクトンジオール(ポリε−カプロラクトンジオールなど)、ポリブタジエンジオールなどが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
【0012】
3価以上のポリオール(A−2)としては、3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);トリスフェノール類(トリスフェノールPAなど);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記トリスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物;上記ノボラック樹脂のアルキレンオキサイド付加物、アクリルポリオール[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニルモノマーの共重合物など]などが挙げられる。
【0013】
ジカルボン酸(A−3)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデセニルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);炭素数8以上の分岐アルキレンジカルボン酸[ダイマー酸、アルケニルコハク酸(ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸など)、アルキルコハク酸(デシルコハク酸、ドデシルコハク酸、オクタデシルコハク酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
【0014】
3価以上(3〜6価又はそれ以上)のポリカルボン酸(A−4)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
【0015】
なお、ジカルボン酸(A−3)又は3価以上のポリカルボン酸(A−4)としては、上述のものの酸無水物又は低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
【0016】
ポリアミン(A−5)の例としては、下記のものが挙げられる。
・脂肪族ポリアミン類(C2〜C18):
〔1〕脂肪族ポリアミン{C2〜C6アルキレンジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、及びヘキサメチレンジアミンなど)、ポリアルキレン(C2〜C6)ポリアミン〔ジエチレントリアミンなど〕}
〔2〕これらのアルキル(C1〜C4)又はヒドロキシアルキル(C2〜C4)置換体〔ジアルキル(C1〜C3)アミノプロピルアミンなど〕
〔3〕脂環又は複素環含有脂肪族ポリアミン〔3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなど〕
〔4〕芳香環含有脂肪族アミン類(C8〜C15)(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミンなど)、
・脂環式ポリアミン(C4〜C15):1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4´−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)など、
・芳香族ポリアミン類(C6〜C20):
〔1〕非置換芳香族ポリアミン〔1,2−、1,3−及び1,4−フェニレンジアミンなど;核置換アルキル基〔メチル、エチル、n−及びi−プロピル、ブチルなどのC1〜C4アルキル基)を有する芳香族ポリアミン、たとえば2,4−及び2,6−トリレンジアミンなど〕、及びこれらの異性体の種々の割合の混合物
〔2〕核置換電子吸引基(Cl、Br、I、Fなどのハロゲン;メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基;ニトロ基など)を有する芳香族ポリアミン〔メチレンビス−o−クロロアニリンなど〕
〔3〕2級アミノ基を有する芳香族ポリアミン〔上記(4)〜(6)の芳香族ポリアミンの−NH
2の一部又は全部が−NH−R´(R´はメチル、エチルなどの低級アルキル基で置換したもの〕〔4,4´−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼンなど〕、
・複素環式ポリアミン(C4〜C15):ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジンなど、
・ポリアミドポリアミン:ジカルボン酸(ダイマー酸など)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(上記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミンなど)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミンなど、
・ポリエーテルポリアミン:ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコールなど)のシアノエチル化物の水素化物など。
【0017】
ポリチオール(A−6)としては、エチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール及び1,6−ヘキサンジチオールなどが挙げられる。
【0018】
本発明の活性水素成分(A)はウレタン基濃度の観点及び線膨張係数の観点から重量平均分子量が好ましくは300〜5000、更に好ましくは、300〜3000、特に好ましくは300〜2500である。
(A)の重量平均分子量(Mw)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定する。
(GPC測定条件)
装置(一例) :東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例):TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 :100μL
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLY STYRENE)12点(分子量 500、1050、2800、9100、18100、37900、96400、190000、355000、1090000、2890000)
【0019】
本発明に用いる活性水素成分(A)としては、50℃、15MPa下における活性水素成分(A)に対する連続相(F)の溶解度が、(A)の重量に基づいて1〜400重量%であることが好ましい。活性水素成分(A)に対する連続相(F)の溶解度は、活性水素成分(A)に連続相(F)を滴下していき、透明状態から白濁状態となる重量%を観測することで測定することができる。
【0020】
本発明における有機イソシアネート成分(B)には、2〜6個又はそれ以上(好ましくは2〜3個特に2個)のイソシアネート基を有する、下記のイソシアネート(PI)、及びこれらの2種以上の混合物などが含まれる。
【0021】
C(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2〜18の脂肪族PI(B−1):ジイソシアネート(以下DIと略記)、例えばエチレンDI、テトラメチレンDI、ヘキサメチレンDI(HDI)、ヘプタメチレンDI、オクタメチレンDI、デカメチレンDI、ドデカメチレンDI、2,2,4−及び/又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンDI、リジンDI、2,6−ジイソシアナトメチ ルカプロエート、2,6−ジイソシアナトエチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート及びビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート;3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えば1,6,1 1−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート及びリジンエステルトリイソシアネート(リジンとアルカノールアンモニウムとの反応生成物のホスゲン化物、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、2−及び/又は3−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等);
【0022】
C4〜15の脂環式PI(B−2):DI、例えばイソホロンDI(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−DI(水添MDI)、シクロヘキシレンDI、 メチルシクロヘキシレンDI、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレート及び2,5−及び/又は2,6−ノルボルナンDI;3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えばビシクロヘプタントリイソシアネート;
【0023】
C8〜15の芳香脂肪族PI(B−3):m−及び/又はp−キシリレンDI(XDI)、ジエチルベンゼンDI及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンDI(TMXDI);
【0024】
C6〜20の芳香族PI(B−4):DI、例えば1,3−及び/又は1,4−フェニレンDI、2,4−及び/又は2,6−トリレンDI(TDI)、4, 4’−及び/又は2,4’−ジフェニルメタンDI(MDI)、m−及びp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン及び1,5−ナフチレンDI;3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えば粗製TDI、粗製MDI(ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート);
【0025】
PIの変性体(B−5):
上記PIの変性体、例えばカルボジイミド、ウレタン、ウレア、イソシアヌレート、ウレトイミン、アロファネート、ビウレット、オキサゾリドン及び/又はウレトジオン基を有する変性体)、例えばMDI、TDI、HDI、IPDI等のウレタン変性物(ポリオールと過剰のPIとを反応させて得られるNCO末端ウレタンプレポリマー)、ビウレット変性物、イソシアヌレート変性物、トリヒドロカルビルホスフェート変性物、及びこれらの混合物。ウレタン変性に用いるポリオールには、前記の多価アルコール、PTポリオール及び/又はPSポリオールが含まれる。好ましいのは、500以下特に30〜200のOH当量を有するポリオール、例えばグリコール(EG、PG、DEG、DPG等)、トリオール(TMP、GR等)、4官能以上の高官能ポリオール(PE、SO等)及びこれらのAO(EO及び/又はPO)(1〜40モル)付加物、特にグリコール及びトリオールである。ウレタン変性におけるPIとポリオールとの当量比(NCO/OH比)は、通常1.1/1〜10/1であり、好ましくは1.4/1〜4/1であり、特に1.4/1〜2/1である。上記変性PIの遊離イソシアネート基含量は好ましくは8〜33%であり、更に好ましくは10〜30%であり、特に好ましくは12〜29%である。
【0026】
本発明における活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)を反応させてウレタン樹脂を形成させるに際して、(A)と(B)の割合をイソシアネート指数[(NCO基/OH基の当量比)×100]で表した場合、該指数は種々変えることができるが、樹脂強度及びウレタン樹脂の切削加工のしやすさの観点から、好ましくは80〜140であり、さらに好ましくは85〜120であり、特に好ましくは90〜115である。
また(A)と(B)の反応方法としては、ワンショット法であっても、予め(A)の一部と(B)を反応させてNCO末端プレポリマーを形成させた後、残りの(A)と反応させるか、あるいは予め(A)と、(B)の一部を反応させてOH末端プレポリマーを形成させた後、残りの(B)と反応させるプレポリマー法であってもよい。
【0027】
本発明に用いる有機イソシアネート成分(B)としては、50℃、15MPa下における有機イソシアネート成分(B)に対する連続相(F)の溶解度が、(B)の重量に基づいて1〜400重量%であることが好ましい。有機イソシアネート成分(B)に対する連続相(F)の溶解度は、活性水素成分(B)に連続相(F)を滴下していき、透明状態から白濁状態となる重量%を観測すること測定することができる。
【0028】
本発明における無機微粒子(C)としては、塩基性層状化合物が好ましく、例えば、モンモリロナイト、ハイドロタルサイト、タルク及びこれらの併用などがある。これらの中で、超臨界二酸化炭素の浸透性及び一次粒子のアスペクト比の観点からモンモリロナイト及びハイドロタルサイトが特に好ましい。
無機微粒子(C)が、塩基性層状化合物である場合、層間化合物としては、四級アミン塩、三級アミン塩、二級アミン塩、一級アミン塩、アルキル酸塩等が挙げられる。これらのうち、無機微粒子(C)の分散性の観点から、好ましくは四級アミン塩、アルキル酸塩である。
【0029】
本発明のウレタン樹脂組成物中の無機微粒子(C)の透過型電子顕微鏡で測定される厚みが、100nm以下であることが好ましい。線膨張係数の観点から更に好ましくは40nm以下、特に好ましくは30nm以下、最も好ましくは25nm以下である。
厚みの測定方法として、透過型電子顕微鏡測定(TEMと略記)により、粒子100個の平均の厚みを測定して算出する。例えば、TEMの画像を解析することで求めることができ、測定装置としてはTEM[型番「H−7100」、(株)日立製作所製]と画像解析式粒度分布測定ソフトウェア[商品名「Mac−View」、(株)マウンテック製]等が挙げられる。
【0030】
本発明のウレタン樹脂組成物中の透過型電子顕微鏡で測定される無機微粒子(C)のアスペクト比は100以上であることが好ましい。線膨張係数の観点から更に好ましくは300以上、特に好ましくは500以上である。
アスペクト比の測定方法として、TEMにより、粒子100個の最短径と最長径の比の測定等が挙げられる。測定方法としては、前記粒子の厚み測定と同様である。
【0031】
本発明のウレタン樹脂組成物中の無機微粒子(C)の含有率が、成形時の粘度の観点からウレタン樹脂組成物の重量に基づいて好ましくは5〜50重量%であり、更に好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。
【0032】
本発明のウレタン樹脂組成物の製造方法は、活性水素成分(A)及び無機微粒子(C)を含んでなる混合物(X1)からなる分散相と連続相(F)とを混合する工程を含む。連続相(F)を用いないとき、無機微粒子の表面の反応性及びアスペクト比の観点から、作業性及び樹脂強度が悪化する場合もある。
【0033】
本発明における連続相(F)としては、液体状態、亜臨界状態若しくは超臨界状態である二酸化炭素及び窒素等が挙げられる。
連続相(F)は、連続相に可溶なものであれば、溶媒等を含んでいても良い。
溶媒としては、メチルエチルケトン、酢酸エチル及びアセトン等が挙げられる。
【0034】
本発明のウレタン樹脂組成物の製造方法は、有機イソシアネート成分(B)及び無機微粒子(C)を含んでなる混合物(X2)からなる分散相と連続相(F)とを混合する工程を含む。連続相(F)を用いないとき、無機微粒子の表面の反応性及びアスペクト比の観点から、作業性及び樹脂強度が悪化する場合もある。
連続相(F)としては、前記連続相(F)と同様のものが挙げられる。
【0035】
活性水素成分(A)及び無機微粒子(C)を含んでなる混合物(X1)とポリイソシアネート(B)及び無機微粒子(C)を含んでなる混合物(X2)とをまとめて混合物(X)と呼ぶ。
【0036】
本発明の製造方法に用いる二酸化炭素及び窒素は、公知の回収設備等で得られるものであれば特に制限はなく使用できるが、好ましいものとしては純度90%以上の二酸化炭素及び窒素が挙げられる。純度90%の二酸化炭素及び窒素を得る方法としては、化学吸着方式、PAS方式、ガス冷却回収方式等が挙げられる。
【0037】
本発明の製造方法において、液体状態の二酸化炭素とは、二酸化炭素の温度軸と圧力軸とで表す相図上において、二酸化炭素の三重点(温度=−57℃、圧力0.5MPa)と二酸化炭素の臨界点(温度=31℃、圧力=7.4MPa)を通る気液境界線、臨界温度の等温線、及び固液境界線に囲まれた部分の温度・圧力条件にある二酸化炭素をいい、超臨界状態の二酸化炭素とは、臨界温度以上の温度・圧力条件である二酸化炭素をいい、亜臨界状態の二酸化炭素とは臨界温度よりも若干、低温条件である二酸化炭素をいう。尚、圧力は、2成分以上の混合ガスの場合、全圧を意味する。
【0038】
液体状態、亜臨界状態又は超臨界状態である二酸化炭素又は窒素は、公知の加圧設備(ブランジャーポンプ等)及び加熱設備(オイル温度調節機等)等を用いて気体を圧縮、加熱することで得ることが出来る。
【0039】
[無機微粒子への超臨界二酸化炭素による改質及び解砕]
本発明のウレタン樹脂組成物の製造方法は、活性水素成分(A)と、無機微粒子(C)を含んでなる混合物(X1)又は有機イソシアネート成分(B)と、無機微粒子(C)を含んでなる混合物(X2)を液体状態、亜臨界状態若しくは超臨界状態である二酸化炭素と混合する工程を含んでいれば特に制限はない。液体状態、亜臨界状態若しくは超臨界状態である二酸化炭素と、混合物(X1)又は混合物(X2)と混合する工程を行い、次いで混合物(X1)又は混合物(X2)を含む、分散体から二酸化炭素を気体にして除去する工程を行う製造方法が好ましい。
【0040】
分散体から二酸化炭素を気体にして除去する工程としては、混合物(X1)又は混合物(X2)を取り出す際に二酸化炭素を混合物(X1)又は混合物(X2)と同時に高圧層から排出することが好ましい。
【0041】
混合物(X1)又は混合物(X2)と連続相(F)とを混合する分散工程において、バッチ式混合方式と連続式混合方式等で製造することが可能である。中でも、連続式混合方式であるラインブレンド(インライン混合)方法が、生産性の向上、品質の一定化、製造スペースの縮小化等の面等から好ましい。
【0042】
分散工程をバッチ式混合方式で行う製造装置としては、ミキシング装置の付属した耐圧耐熱反応容器等が挙げられる。製造装置に付属するミキシング装置のミキサー部分の長さ及び配管径、ミキシング装置の数に限定はない。尚、耐圧耐熱反応容器の耐圧及び耐圧は、液体状態、亜臨界状態若しくは超臨界状態となる圧力及び温度に耐え得るものでなければならない。
バッチ式混合方式に用いる装置の出口には、ウレタン樹脂組成物の取り出し用のノズルを備えているのが好ましい。
【0043】
分散工程をラインブレンド方法で行う場合の製造装置としては、静止型インライン混合機(スタティックミキサー、インラインミキサー、ラモンドスーパーミキサー及びスルザーミキサー等)並びに撹拌型インライン混合機(バイブミキサー等ターボミキサー等)等が挙げられる。製造装置に付属するミキシング装置のミキサー部分の長さ及び配管径、ミキシング装置の数に限定はない。尚、耐圧耐熱反応容器の耐圧及び耐圧は、液体状態、亜臨界状態若しくは超臨界状態となる圧力及び温度に耐え得るものでなければならない。
ラインブレンド方法に用いる装置の出口には、耐圧容器と同様の、ウレタン樹脂組成物の取り出し用のノズルを備えているのが好ましい。
【0044】
分散工程において、連続相(F)と混合物(X1)又は混合物(X2)との体積比率[(F):(X1)又は(X2)]は、貧溶媒析出が発生しなければ特に問題はないが、70:30〜0.5:99.5であることが好ましい。
【0045】
本発明の製造方法は二酸化炭素を気体にして樹脂組成物分散体から除去する工程を含む。二酸化炭素を気体にする方法としては、製造装置内の圧力を減圧して二酸化炭素を気化させる方法等が挙げられる。気化した二酸化炭素は、二酸化炭素だけを製造装置から排出してもよく、製造装置から混合物(X)を取り出す際に二酸化炭素を混合物(X)と同時に排出してもよい。
なかでも、ウレタン樹脂組成物中の無機微粒子を高アスペクト比及び微細化する観点から、同時に排出することが好ましい。排出の速度は、単位時間内における圧力変化量が小さくなるように排出することが更に好ましい。
【0046】
本発明の製造方法において、ラインブレンド方法で製造する場合に用いる装置について図面を用いて説明する。
図1は、ラインブレンドによる混合方法で本発明の親水性樹脂粒子の製造方法を実施する場合の装置のフローチャートである。
液体状態、亜臨界状態若しくは超臨界状態である二酸化炭素と混合物(X)との混合方法としては、まず、二酸化炭素の充填されたボンベB1から二酸化炭素をポンプP2を通じてラインブレンドを行う装置内(スタティックミキサーM1)に導入し、二酸化炭素が液状状態、亜臨界状態又は超臨界状態となるように圧力及び温度を調整し、次いで混合物(X)の入った溶解槽T1から溶液ポンプP1を通じて装置内の二酸化炭素窒素に導入することで分散工程を行う。
ラインブレンドを行う温度は、前記の耐圧容器を用いて混合する場合と同様である。また、装置内の滞留時間は、混合が充分行われるのであれば特に限定されないが、0.1〜1800秒が好ましい。
【0047】
本発明の製造方法において、上記工程後に活性水素成分(A)と、無機微粒子(C)を含有する混合物(X1)と有機イソシアネート成分(B)を混合する工程を含むことが好ましい。活性水素成分(A)を含む混合物(X1)と有機イソシアネート成分(B)と反応させる方法としては、公知の重合法を利用できる。
【0048】
本発明の製造方法において、上記工程後に有機イソシアネート成分(B)と、無機微粒子(C)を含有する混合物(X2)と活性水素成分(A)を混合する工程を含むことが好ましい。有機イソシアネート成分(B)を含む混合物(X2)と活性水素成分(A)と反応させる方法としては、公知の重合法を利用できる。
【実施例】
【0049】
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定するものではない。
【0050】
実施例及び比較例に使用した原料の組成、記号等は次の通りである。
ポリオール(A−1):グリセリンのPO付加物、OH当量133.3のポリエーテルポリオール[商品名「サンニックスGP400」、三洋化成工業(株)製、Mw:440]
ポリオール(A−2):グリセリンのPO付加物、OH当量240の[商品名「サンニックスGP700」、三洋化成工業(株)製、Mw:800]
ポリオール(A−3):グリセリンのPO付加物、OH当量112のポリエーテルポリオール[商品名「サンニックスGP1500」、三洋化成工業(株)製、Mw:1800]
ポリオール(A−4):グリセリンのPO付加物、OH当量55のポリエーテルポリオール[商品名「サンニックスGP4000」、三洋化成工業(株)製、Mw:4600]
ポリオール(A−5):グリセリンのPO付加物、OH当量670のポリエーテルポリオール[商品名「サンニックスGP250」、三洋化成工業(株)製、Mw:280]
ポリイソシアネート(B−1):ポリフェニレンポリイソシアネート[商品名「MDI−100Be」、日本ポリウレタン工業(株)製]
無機微粒子(C−1):モンモリロナイト四級アミン塩[商品名[クニフィル−HY]、クニミネ工業(株)製]pH9〜10
無機微粒子(C−2):タルク[商品名「ソープストーンC」、日本ミストロン(株)製]pH8〜10(10重量%水分散液)
無機微粒子(C−3):ハイドロタルサイト[商品名DHT−4A、協和化学工業株式会社製]pH8〜10
有機酸ビスマス塩(D−1):ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)[商品名「ネオスタンU−600」、日東化成(株)製]
硬化遅延剤(E−1):ドデシルベンゼンスルホン酸のジラウリルメチルアンモニウム塩[商品名「ケミスタット3112C−6」、三洋化成工業(株)製]
【0051】
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定するものではない。
【0052】
<製造例1>
撹拌棒、取り出し用ノズル及び温度計を備えた反応用耐圧容器に、ポリオール(A−1)100重量部、粒径10μmの無機微粒子(C−1)の凝集積層物57.5重量部、メチルエチルケトン200重量部を、反応用耐圧容器の容積の80%まで仕込み、密閉して内部の空気を二酸化炭素で置換後、二酸化炭素を供給して15MPa、70℃で1時間撹拌し有機物を浸透させた後、反応用耐圧容器内の圧力を維持しつつ、取り出し用ノズルより二酸化炭素を含む内容物を取出し、有機ビスマス塩(D−1)0.02重量部を混合し、溶剤を留去することにより混合物(X−1)を作製した。
【0053】
<製造例2>
図1に示すラインブレンド方法を用いる実験装置[ラインブレンド装置(M1):スタティックミキサー(ノリタケカンパニーリミテド製;内径0.5m、エレメント数27)、長さ2m]において、まず溶解槽(T1)に、ポリオール(A−1)100重量部、粒径10μmの無機微粒子(C−1)の凝集積層物57.5重量部、メチルエチルケトン200重量部を仕込み、撹拌して混合物を作成した。次いで、二酸化炭素ボンベ(B1)から二酸化炭素ポンプ(P2)を用いて液体状態の二酸化炭素を1L/hの流量で120℃に温調したスタティックミキサーへ導入し、バルブ(V1)を調整してスタティックミキサー内の圧力15MPaとすることで超臨界状態の二酸化炭素を作製した。流量、温度及び圧力を維持して二酸化炭素の導入を連続して行いながら、溶解槽(T1)から溶液ポンプ(P1)を用いて混合物を1L/hの流量でスタティックミキサーへ導入し、温度と圧力を維持しながら、M1でラインブレンドした。ラインブレンド後の液はスタティックミキサー出口のノズルから0.1MPaに調整した耐圧受け槽(T2)内に開放し、二酸化炭素を気化させて除去し、有機ビスマス塩(D−1)0.02重量部を混合した後、溶剤を留去することにより、混合物(X−2)を作製した。
【0054】
<製造例3>
図1に示すラインブレンド方法を用いる実験装置[ラインブレンド装置(M1):スタティックミキサー(ノリタケカンパニーリミテド製;内径0.5m、エレメント数27)、長さ2m]において、まず溶解槽(T1)に、ポリオール(A−1)100重量部、粒径10μmの無機微粒子(C−2)の凝集積層物57.5重量部、メチルエチルケトン200重量部を仕込み、撹拌して混合物を作成した。次いで、二酸化炭素ボンベ(B1)から二酸化炭素ポンプ(P2)を用いて液体状態の二酸化炭素を1L/hの流量で120℃に温調したスタティックミキサーへ導入し、バルブ(V1)を調整してスタティックミキサー内の圧力15MPaとすることで超臨界状態の二酸化炭素を作製した。流量、温度及び圧力を維持して二酸化炭素の導入を連続して行いながら、溶解槽(T1)から溶液ポンプ(P1)を用いて混合物を1L/hの流量でスタティックミキサーへ導入し、温度と圧力を維持しながら、M1でラインブレンドした。ラインブレンド後の液はスタティックミキサー出口のノズルから0.1MPaに調整した耐圧受け槽(T2)内に開放し、二酸化炭素を気化させて除去し、有機ビスマス塩(D−1)0.02重量部を混合した後、溶剤を留去することにより、混合物(X−3)を作製した。
【0055】
<製造例4>
図1に示すラインブレンド方法を用いる実験装置[ラインブレンド装置(M1):スタティックミキサー(ノリタケカンパニーリミテド製;内径0.5m、エレメント数27)、長さ2m]において、まず溶解槽(T1)に、ポリイソシアネート(B−1)172.7重量部、粒径10μmの無機微粒子(C−1)の凝集積層物57.5重量部、メチルエチルケトン200重量部を仕込み、撹拌して混合物を作製した。次いで、二酸化炭素ボンベ(B1)から二酸化炭素ポンプ(P2)を用いて液体状態の二酸化炭素を1L/hの流量で120℃に温調したスタティックミキサーへ導入し、バルブ(V1)を調整してスタティックミキサー内の圧力15MPaとすることで超臨界状態の二酸化炭素を作成した。流量、温度及び圧力を維持して二酸化炭素の導入を連続して行いながら、溶解槽(T1)から溶液ポンプ(P1)を用いて混合物を1L/hの流量でスタティックミキサーへ導入し、温度と圧力を維持しながら、M1でラインブレンドした。ラインブレンド後の液はスタティックミキサー出口のノズルから0.1MPaに調整した耐圧受け槽(T2)内に開放し、二酸化炭素を気化させて除去し、有機ビスマス塩(D−1)0.02重量部を混合した後、溶剤を留去することにより、混合物(X−4)を作製した。
【0056】
<製造例5〜9>
製造例1の無機微粒子(C−1)の凝集積層物57.5重量部を16.1重量部に変更する以外は、製造例1と同様にして混合物(X−5)を作製した。
製造例1の無機微粒子(C−1)の凝集積層物57.5重量部を103.5重量部に変更する以外は、製造例1と同様にして混合物(X−6)を作製した。
製造例1の無機微粒子(C−1)を(C−3)に変更する以外は、製造例1と同様にして混合物(X−7)を作製した。
製造例1のポリオール(A−1)を(A−2)に変更する以外は、製造例1と同様にして混合物(X−8)を作製した。
製造例1のポリオール(A−1)を(A−3)に変更する以外は、製造例1と同様にして混合物(X−9)を作製した。
【0057】
<比較製造例1〜4>
撹拌棒を備えた容器に、ポリオール(A−1)100重量部、粒径10μmの無機微粒子(C−1)の凝集積層物を6.9重量部、有機ビスマス塩(D−1)0.02重量部を混合することにより混合物(X’−1)を作製した。
比較製造例1の無機微粒子(C−1)の凝集積層物6.9重量部を340重量部に変更する以外は、比較製造例1と同様にして混合物(X’−2)を作製した。
比較製造例1のポリオール(A−1)を(A’−1)、無機微粒子(C−1)の凝集積層物6.9を36.08重量部に変更する以外は、比較製造例1と同様にして混合物(X’−3)を作製した。
比較製造例1のポリオール(A−1)を(A’−2)、無機微粒子(C−1)の凝集積層物6.9を203.9重量部に変更する以外は、比較製造例1と同様にして混合物(X’−4)を作製した。
【0058】
混合物(X−1)〜(X−9)及び(X’−1)〜(X’−4)を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
<実施例1〜3及び比較例1〜4>
製造例1〜3、5〜9及び比較製造例1〜4で作製した混合物(X−1)〜(X−3)、(X−5)〜(X−9)及び(X’−1)〜(X’−4)をそれぞれ全量と表2記載のそれぞれのポリイソシアネート(B−1)の各重量部とを含む2液混合物をメカニカルフロス発泡工程にて当該成型品の密度が0.90g/cm
3になるように窒素と共に連続的に混合し、混合物を吐出した。
有機イソシアネート成分(B)と各混合物(X−1)〜(X−3)、(X−5)〜(X−9)(X’−1)〜(X’−4)との送液比[NCO/OH当量比]は、1.7/1.0〜1.0/1.0とし、送液速度は15kg/分で行った。
ミキサー部で混合された液は連続的に吐出口から供給されるため、予め吐出口に、金属製の金型を取り付け、供給されてきた混合液を受け。受けた混合液は、硬化炉にて、110℃にて10時間硬化させることによりウレタン樹脂組成物からなる成型品(Y−1)〜(Y−3)、(Y−5)〜(Y−9)及び(Y’−1)〜(Y’−4)を作製した。評価結果を表2に示す。
【0061】
<実施例4>
製造例4で作成した表1に記載の混合物(X−4)に対して、メカニカルフロス発泡工程及びウレタン樹脂組成物からなる成型品(Y−4)の製造は以下の方法で行った。
調製した上記混合物(X−4)と活性水素成分(A)としてのポリオール(A−1)とを、メカニカルフロス発泡工程にて当該成型品の密度が0.90g/cm
3になるように窒素と共に連続的に混合し、混合物を吐出した。窒素を除く、混合物の組成は表2の通りである。
混合物成分(X)と活性水素成分(A)との送液比[NCO/OH当量比]は、1.7/1.0〜1.0/1.0とし、送液速度は15kg/分で行った。
ミキサー部で混合された液は連続的に吐出口から供給されるため、予め吐出口に、金属製の金型を取り付け、供給されてきた混合液を受け。受けた混合液は、硬化炉にて、110℃にて10時間硬化させることにより成型品(Y−4)を作製した。評価結果を表2に示す。
【0062】
<無機微粒子(C)の厚みの測定方法>
ウレタン樹脂組成物中に含まれる無機微粒子(C)をTEM[型番「H−7100」、(株)日立製作所製]と画像解析式粒度分布測定ソフトウェア[商品名「Mac−View」、(株)マウンテック製]によって測定し、粒子100個について最短径の平均値を出し、厚みとした。
【0063】
<無機微粒子(C)のアスペクト比の測定方法>
ウレタン樹脂組成物中に含まれる無機微粒子(C)をTEMによって測定し、以下の計算式で各粒子のアスペクト比を求め、粒子100個の平均値を出した。
アスペクト比=無機微粒子(C)の最大径/最短径
【0064】
<硬化速度及び硬化時間>
混合液が吐出口から供給されてから、その混合液の上部をガラス棒などで軽く突き、混合液がガラス棒に付着しなくなった時間を硬化時間とした。硬化時間が長いほど良好である。
【0065】
<密度>
成型品の体積及び質量を計測し、密度を計算した。
【0066】
<硬度>
直方体形状の成型品を100×100×50mmに切断し、タイプDデュロメータを用いてJIS K6253に準じてショアD硬さを測定した。
【0067】
<線膨張係数>
直方体形状の成型品の片端部と中央部から、それぞれタテ×ヨコ×厚さ=10×4×4mmで切り出した試験片を各3ずつ、25℃、55%RHで12時間状態調節した後、線膨張係数測定機[型名「TMA/SS6100」、SII(株)製]を用いて、JIS K7197に準じて測定した。25〜80℃における寸法変化を測定し、そのうち30〜60℃における1℃あたりの平均寸法変化率を算出した。この測定を3個の各試験片について、端部3個中央部3個について行い、平均値を求めこれを成形品の線膨張係数とした。
【0068】
<熱変形温度>
作製した成型品を127×12.7×12.7mmに切断して試験片とし、JIS K6911に準じて測定した。
測定は荷重たわみ温度試験機[型番S3−FH](株)東洋精機製作所製を使用した。
【0069】
<曲げ強度>
作製した成型品を80×10×4mmに切断して試験片とし、JIS K6911に準じて測定した。
測定は精密万能試験機オートグラフ[型番AG500N/1kN/2kNXplus、(株)島津製作所製]を使用した。
【0070】
<衝撃強度>
作製した成型品を63×12.7×12.7mmに切断して試験片とし、JIS K6911に準じて測定した。
測定はIZOD衝撃試験機[型番No.158、(株)安田精機製作所製]を使用した。
【0071】
表2に示したように、比較例に比べて硬化時間が長く作業性に優れる。また、該組成物を反応硬化させ得られた成型品の物性は、優れることが明らかである。
【0072】
【表2】