(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
河川の土手、鉄道、道路等の盛土ののり面や田畑の畦畔等では雑草が繁茂し、頻繁な草刈りや除草剤散布が必要であった。草の刈取りには多大の労力を必要とするため、一般的には除草剤を散布する方法が行われている。
しかしながら、除草剤の散布は、草を枯らすだけで、頻繁に散布する必要があり、抜本的な対策とはならない。また、セメントを含有する防草材を振り撒いて散水して地面を被覆する方法も提案されているが、硬化までに時間を有し、雨などふると施工ができず、さらに硬化前に流れてしまう課題があった。さらに初期凍害が生じたり、収縮ひび割れが生じる課題があった。
【0003】
さらに、セメントを含まない酸化マグネシウム系固化材を散布、又は土壌に混合し、散水して固化させて抑草する抑草材とその方法が提案されている。(特許文献1,2,3)
特許文献1は、酸化マグネシウムと高炉スラグを主成分する雑草繁殖防止材を地表面の土壌と混合して転圧して押し固めて、その上に散水するため、施工に労力を必要とし、初期強度発現性が低いため、施工後の降雨で流失し易く、繁殖期の雑草を抑草する効果が低下し易い。
特許文献2と3も特許文献1と同様の酸化マグネシウム系固化材であるため、初期強度発現性が低く、繁殖期の雑草を抑草する効果が低下し易い。さらに、これら酸化マグネシウム系抑草材全般に関する課題は、硬化時間が長いため傾斜の強い法面では、施工時の散水や降雨時に流されたりして一定の厚さにできない場合があり、水溜りがある場所では硬化しない場合があった。また、初期強度発現性が低いため、貫通力の高いスギナ、ヨシ、笹、チガヤといった植物は貫通して繁茂しやすいことがあげられる。
特許文献4は、焼却灰、スラグ、及び石炭灰の骨材を敷き詰め、その上にクロロプレン系ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体系エマルジョン、及びアクリル系エマルジョン固化材を散布して固着することを特徴とする防草工法であり、セメントや塩基性物質を使わないため環境にやさしい防草材である。 しかしながら、人力や重機で3〜20cmの厚さに敷き詰め、その上に均一にラテックスやエマルジョンを散布する必要があるため、多大な労力がかかった。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に使用するセメントとは、特に限定されるものではなく、普通、早強、超早強、低熱および中庸熱等の各種セメント、これらのセメントに、高炉スラグやフライアッシュやシリカフュームなどを混合した各種混合セメント、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰を原料として製造された環境調和型セメント(エコセメント)、市販されている微粒子セメントなどが挙げられ、各種セメントや各種混合セメントを微粉末化して使用することも可能である。また、通常セメントに使用されている成分(例えば石膏等)量を増減して調整されたものも使用可能である。
これらセメントは単独あるいは2種以上併用して使用することも可能である。これらの中では高炉セメントが六価クロム含有量が低く好ましい。
【0010】
本発明に使用するカルシウムアルミネートは、カルシア原料とアルミナ原料などを混合して、キルンで焼成し、あるいは、電気炉で溶融し冷却して得られるCaOとAl
2O
3とを主成分とする水和活性を有する物質の総称であり、硬化時間が早く、初期強度発現性が高い材料である。カルシウムアルミネートの代表的なものとしてはアルミナセメントが挙げられ、通常市販されているものが使用できる。例えば、アルミナセメント1号、アルミナセメント2号などが使用できる。アルミナセメントよりも短時間で硬化し、その後の初期強度発現性が高い点から、溶融後に急冷した非晶質カルシウムアルミネートが好ましく、CaOとAl
2O
3とのモル比(CaO/Al
2O
3モル比)は、1.0〜3.0が好ましく、1.7〜2.5がより好ましい。1.0〜1.7の場合は、セメントや消石灰及び生石灰を配合する事で硬化時間をより短縮して初期強度発現性を高めることが可能である。
さらに、本発明では、カルシウムアルミネート中に含まれるCaOやAl
2O
3以外の不純物が15質量%以下であることが初期強度発現性の観点から好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。15%を超えると硬化に時間を費やし、さらに低温時には固まらない場合がある。不純物の代表例として酸化ケイ素があり、その他、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化チタン、酸化鉄、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、及びアルカリ土類金属硫酸塩等がCaOやAl
2O
3の一部に置換したものがあるが、特に限定されるものでない。
【0011】
カルシウムアルミネートのガラス化率は、反応活性の面で70%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。70%以下であると初期強度発現性が低下する場合がある。カルシウムアルミネートのガラス化率は、反応活性の点で70%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。ガラス化率は加熱前のサンプルについて、粉末X線回折法により結晶鉱物のメインピーク面積Sを予め測定し、その後1000℃で2時間加熱後、1〜10℃/分の冷却速度で徐冷し、粉末X線回折法による加熱後の結晶鉱物のメインピーク面積S
0を求め、さらに、これらのS
0及びSの値を用い、次の式を用いてガラス化率χを算出する。
ガラス化率χ(%)=100×(1−S/S
0)
カルシウムアルミネートの粒度は、初期強度発現性の面で、ブレーン比表面積値3000cm
2/g以上が好ましく、5000cm
2/g以上がより好ましい。3000cm
2/g未満であると硬化時間が長くなり初期強度発現性が低下する場合がある。
カルシウムアルミネートの使用量は、セメント100質量部に対して、0.5〜30質量部が好ましい。0.5質量部未満では、早期硬化が得られない場合がある。30質量部を超えると作業時間が得られない場合がある。
【0012】
本発明では、粘弾性を付与させ、ひび割れを低減させる目的でセメント混和用ポリマーを使用できる。
本発明で使用するセメント混和用ポリマーは、例えば、JIS A6203で規定されているセメント混和用のポリマーであり、水の中にポリマーの微粒子が分散しているポリマーディルパージョンや、ゴムラテックスおよび樹脂エマルジョンに安定剤などを加えたものを乾燥して得られる再乳化形粉末樹脂などを称するものである。
例えば、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、及び天然ゴムなどのゴムラテックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、酢酸ビニルビニルバーサテート系共重合体、及びスチレン・アクリル酸エステル共重合体やアクリロニトリル・アクリル酸エステルに代表されるアクリル酸エステル系共重合体、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂に代表される液状ポリマーなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物を使用できる。これらは液状のものでも粉状のものでも使用でき、使用方法は、水をかける前の防草材に事前に練り混ぜてもよく、地面に敷き詰めた防草材に散水する水と混ぜたものを散水してもよい。さらに防草材と水を練り混ぜる際に同時に添加してもよく、防草材が水と反応し硬化した後の表面に撒いてもよく、その使用方法は、特に限定されるものではない。
セメント混和用ポリマーの使用量は、セメント100質量部に対して、0.5〜20質量部が好ましい。0.5部未満では、ひび割れの抑制効果が低い場合がある。20部を超えると強度が得られない場合がある。
【0013】
本発明に使用する石膏は、半水石膏、二水石膏や無水石膏が使用でき、強度発現性の面では無水石膏が好ましく、弗酸副生無水石膏や天然無水石膏が使用できる。石膏を水に浸漬させたときのpHは、pH8以下の弱アルカリから酸性のものが好ましい。pHが高い場合、石膏成分の溶解度が高くなり、初期の強度発現性を阻害する場合がある。ここでいうpHとは、石膏/イオン交換水=1g/100gの20℃における希釈スラリーのpHをイオン交換電極等を用いて測定したものである。
石膏の粒度は、ブレーン比表面積値で3000cm
2/g以上が好ましく、5000cm
2/g以上が初期強度発現性と、適正な作業時間が得られる観点から好ましい。
石膏の使用量は、特に限定されるものではないが、カルシウムアルミネート100質量部に対して、50〜200質量部が好ましい。50質量部未満では、作業時間が取れなくなり、強度発現性が低下する場合がある。200質量部を超えると作業時間は十分に取れるが、初期強度が得られない場合がある。
【0014】
本発明で使用する消泡剤は、防草材に巻き込まれる空気量を低減し、強度発現性を向上させるために使用するもので、粉末状のものでも液状のものでも特に限定されるものではないが、作業性の面から、あらかじめ防草材などの原材料に混合しておくことが可能な粉末状の消泡剤を用いることが好ましい。
消泡剤としては、低級アルコール系消泡剤、高級アルコール系消泡剤、油脂系消泡剤、界面活性剤系消泡剤、及びシリコーン系消泡剤等があり、具体的には、粉末状の消泡剤としては、旭電化工業社製商品名「アデカネートB−115F」や、サンノプコ社製商品名「SNデフォーマー14HP」などが挙げられる。
消泡剤の使用量は、通常、セメント100質量部に対して、0.001〜0.3質量部が好ましく、0.002〜0.2質量部がより好ましい。0.001質量部未満では消泡効果が低下し、強度発現性が悪くなる傾向があり、0.3質量部を超えても消泡効果がそれ以上向上しない。
【0015】
本発明で使用する土壌は、砂利、砂、礫、粘土のいずれか1種又は2種以上を含むものでは特に限定されるものではない。山砂、川砂、海砂等のサンド質土壌やシルト質土壌、クレイ質土壌、工事から発生する残土、軽量骨材や再生骨材や防草処理を行う箇所の土をそのまま用いることなどいずれも使用できる。一般には、天然土である真砂土や赤玉土や鹿沼土や乾燥砂は品質が安定しており、より好ましい。
【0016】
本発明の防草材において、土壌の使用量は、特に限定されるものではないが、セメント100質量部に対して、通常、100〜1000質量部が好ましく、200〜700質量部がより好ましい。土壌が100質量部より低いと乾燥収縮量が大きくなり、ひび割れる可能性がある。1000質量部より高いと強度が低く、初期凍害性に劣ったり、凹んでしまう可能性がある。
【0017】
水の配合量は、本発明の防草材の合計100質量部に対して、5〜100質量部が好ましい。5質量部未満では混合が困難となる場合があり、100質量部を超えると強度が得られない場合がある。
【0018】
本発明では、凝結調整剤を本発明の差し支えない範囲で使用することが可能である。凝結調整剤はセメントの凝結を促進、遅延するものであれば特に限定されるものではない。具体的には、水酸化アルカリ、アルカリ金属塩化物塩、アルカリ金属炭酸塩、オキシカルボン酸又はその塩、リン酸又はその塩、デキストリン、ショ糖、ポリアクリル酸又はその塩、減水剤、高性能減水剤などを1種又は2種以上、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
【0019】
本発明では、酸化マグネシウムなどの低pHの固化材、ウッドチップ、もみ殻などの嵩をあげる増量材、各種セメント、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、石灰石微粉末、フライアッシュ、カオリン、シラス、珪藻土及びシリカフュームなどの混和材料、発泡剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、減水剤、流動化剤、ゴムチップ、ポリマー、ベントナイトなどの粘土鉱物、ハイドロタルサイトなどのアニオン交換体、着色剤、ひび割れを抑制するため収縮低減剤や繊維などを1種又は2種以上、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
【0020】
本発明において、各材料の混合方法は、特に限定されるものではなく、それぞれの材料を施工時に混合しても良く、あらかじめ一部を、あるいは全部を混合しておいても差し支えないが、事前に混合し、現場で水を混合するほうが、品質面で好ましい。事前に混合する場合、土壌は乾燥状態であることが好ましい。また、土壌は、防草処理を行う箇所の土壌をそのまま用いることも可能である。
【0021】
混合装置としては、既存のいかなる装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ、及びナウタミキサなどの使用が可能である。
【0022】
本発明では、地面の雑草を草刈機等で1cm以下程度に草刈し、刈り取った雑草を取り除いた上に防草材を敷き詰めて散水して被覆する方法。また、練混ぜた防草材を吹き付けて被覆する方法があり、草刈してその後に除草剤を散布してから被覆するとより好ましい。
【0023】
防草材を草刈した地面に敷き詰めて、その上に散水して表面を固化させて被覆する場合は、地面に防草材を敷き詰めてならし、その上にジョウロ等で散水する方法が好ましい。敷き詰める厚さは特に限定されるものではなく、地面の凸部で1〜3cmの厚さが好ましい。1cm以下であると全体に被覆することができにくくなるため、防草効果が低くなる場合があり、3cm以上では防草効果は高いが材料費が高くなり、多大な労力がかかるため好ましくない。
【0024】
本発明の防草材または、本発明の防草材の土を除いたものを草刈した地面に敷設し、地面の土と混合攪拌させて被覆する場合は、バックホウやスタビライザーなどを用いて混合攪拌させることが可能である。さらに転圧をすることで硬い地盤とすることも可能である。
【実施例】
【0025】
以下、本発明の実験例に基づいて説明する。
【0026】
「実験例1」
セメント100質量部に対して、表1に示すカルシウムアルミネートを15質量部、石膏を15質量部、セメント混和用ポリマーを8質量部、凝結調整剤0.5質量部、土壌を500質量部加えて防草材を調製した。この防草材を型枠に敷設後、敷き詰めた防草材100質量部に対して、水を20質量部散水して試験体を作製した。硬化時間、圧縮強度、初期凍害性の測定を行った。結果を表1に併記した。
また、比較として、普通セメントを用いたモルタルとマグネシア系固化材を調製した。モルタルの配合は、(一社)セメント協会製標準砂と普通ポルトランドセメントの質量比を3/1としたドライモルタルを型枠に敷設し、水セメント比が50質量%となるように水を散水して防草材を調製した。マグネシア系固化材は、中国産マグネシウムを焼成した市販の酸化マグネシウム100質量部に対して、土壌を500質量部混合したものを型枠に敷設し、水を20質量部散水して防草材を調製した。
【0027】
<使用材料>
カルシウムアルミネート:炭酸カルシウムと酸化アルミニウムのCaO/Al
2O
3モル比を変えて、シリカを加えて、1650℃で溶融し急冷してガラス化率97%とし、粉砕してブレーン比表面積値5000cm
2に調整した。不純物はシリカとし、その含有量を変えて調整した。
セメント:高炉B種セメント、ブレーン比表面積値3750cm
2/g
セメント混和用ポリマーA:アクリル−酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル系共重合体、粉末
石膏:天然無水石膏、ブレーン比表面積値5000cm
2/g
土壌:愛知県産真砂土、5mm篩下、長野県産川砂乾燥品、1.2mm篩下を当量混合
アルミナセメント:アルミナセメント1号、デンカ社製
凝結調整剤:無水クエン酸ナトリウム、磐田化学工業社製
水:水道水
普通セメント:普通ポルトランドセメント、市販品
砂:(一社)セメント協会製標準砂
マグネシア系固化材:中国産マグネシウムを焼成した市販の酸化マグネシウム
【0028】
<測定方法>
硬化時間:練混ぜた防草材を指で押してもへこまない時間を測定した。
圧縮強度:一軸圧縮強度は、20℃・相対湿度60%の環境で安定処理混合物の一軸圧縮試験方法( 舗装試験法便覧 日本道路協会)に準拠し、供試体寸法を直径100mm 、高さ127mmの円柱状とし、供試体の作成は3 層25回突き固めをした。材齢6時間と28日強度を測定し、養生方法は、20℃・相対湿度60%の環境下で気乾養生とした。
初期凍害抵抗性:20℃・相対湿度60%の環境下で圧縮強度と同様な方法で練混ぜ、供試体を作製後、直ちに、−10℃環境下で材齢7日まで養生した。その後、材齢28日まで20℃・相対湿度60%の環境下で気乾養生とした後、強度を測定し、常時20℃環境下で練混ぜ・養生していた28日強度の値に対する強度の割合(%)を算出した。さらに、供試体表面にひび割れの有無を確認した。
【0029】
【表1】
【0030】
表1から、本発明の防草材は、硬化時間が短く、初期強度発現性が高く、初期凍害抵抗性に優れることが分かる。
【0031】
「実験例2」
表2に示すように、セメント100質量部に対し、カルシウムアルミネートと石膏の割合を変え、さらに、セメント100質量部に対し、土壌の割合を変えた試験と表2に示す消泡剤を添加したこと以外は実験例1と同様な試験を実施した。結果を表2に併記した。
【0032】
<使用材料>
カルシウムアルミネート:CaO/Al
2O
3モル比2.2、ガラス化率97%、ブレーン比表面積値5000cm
2
消泡剤A:油脂系消泡剤、粉末、市販品
消泡剤B:シリコーン系消泡剤、粉末、市販品
【0033】
【表2】
【0034】
表2から、本発明の防草材は、硬化時間が短く、初期強度発現性が高く、初期凍害抵抗性に優れることが分かる。
【0035】
「実験例3」
セメント100質量部に対して、カルシウムアルミネートを15質量部、石膏を15質量部、凝結調整剤0.5質量部、土壌を600質量部、表4に示す割合でセメント混和用ポリマー、消泡剤を混合し、乾燥収縮量(長さ変化率)の測定、防草・ひび割れ試験を行った。さらに、セメント100質量部に対し、土壌の割合を変えた試験を実施した。
また、比較として、実験例1で使用した普通セメントを用いたモルタル(実験No.1-8)、マグネシア系固化材(実験No. 1-9)についても同様の試験を行った。
結果を表3に併記した。
【0036】
<使用材料>
カルシウムアルミネート:CaO/Al
2O
3モル比2.2、ガラス化率97%、ブレーン比表面積値5000cm
2
セメント混和用ポリマーA:アクリル−酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル系共重合体、粉末
セメント混和用ポリマーB: SBR系エマルジョン、固形分濃度20%
セメント混和用ポリマーC:EVA系エマルジョン、固形分濃度20%
土壌:愛知県産真砂土、5mm篩下、長野県産川砂乾燥品、1.2mm篩下を当量混合
【0037】
<測定方法>
乾燥収縮量(長さ変化率):供試体は、各防草材の合計100質量部に対して水を20質量部散水し、JIS A 1129−3のモルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法、ダイヤルゲージ法に準拠し温度20℃、湿度60%で材齢2日を基点とし材齢30日後の長さ変化率を測定した。
防草試験・ひび割れ試験:田畑に生い茂った雑草を予め長さ0.5cm以下に草刈機で草刈して、耕運機で田畑を耕し、その上に、芝生の種であるトールフェスク、ケンタッキーブルーグラス、ペレニアルライグラスの混合品を40g/m
2撒き、足で踏みならし転圧した。その上に、各防草材を基礎面上に均一に厚み3cm、5m
2敷設した後、各防草材の合計100質量部に対して水を20質量部散水し、180日後のひび割れの本数、防草材表面からの生えた芝の本数を測定した。
【0038】
【表3】
【0039】
表3から、本発明の防草材は、ひび割れが少なく、芝が少なく防草効果に優れることが分かる。一方、モルタルやマグネシア系固化材は、収縮量が大きく、ひび割れも多く、芝が多く生えることが分かる。
【0040】
「実験例4」
実験例3の実験No.1-4、3-3、3-4、3-5の各防草材100質量部に対して水20質量部を散水ではなく、オムニミキサに加え、練り混ぜたものを型枠または基礎面上に敷設したこと以外は実験例3と同様に実施した(実験No.4-3、4-4、4-5、4-6)。
また、比較として、実験例1で使用した普通セメントを用いたモルタル(実験No.1-8)、マグネシア系固化材(実験No.1-9)についても実験例1で使用した水量で、それぞれ散水ではなく、練り混ぜたものを型枠または基礎面上に敷設したこと以外は実験例3と同様に実施した。
結果を表4に併記した。
【0041】
【表4】
【0042】
表4から、本発明の防草材は、練り混ぜたものを敷設してもひび割れが少なく、芝が少なく防草効果に優れることが分かる。