特許第6654480号(P6654480)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6654480
(24)【登録日】2020年2月3日
(45)【発行日】2020年2月26日
(54)【発明の名称】組合せ計量装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/387 20060101AFI20200217BHJP
   B65G 65/40 20060101ALI20200217BHJP
【FI】
   G01G19/387 D
   G01G19/387 E
   G01G19/387 F
   B65G65/40 A
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-54929(P2016-54929)
(22)【出願日】2016年3月18日
(65)【公開番号】特開2017-167085(P2017-167085A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2019年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】武市 真治
(72)【発明者】
【氏名】影山 寿晴
(72)【発明者】
【氏名】岸川 樹
【審査官】 細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−183225(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/056495(WO,A1)
【文献】 実開昭59−077037(JP,U)
【文献】 特開2004−109078(JP,A)
【文献】 特開平09−280931(JP,A)
【文献】 米国特許第05736683(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/387
B65G 65/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向に平行な中心線を囲むように配置され、外部から供給された物品を一時的に貯留する複数のホッパと、
複数の前記ホッパから排出された前記物品を集合させながら排出させる集合シュートと、を備え、
複数の前記ホッパのそれぞれは、
前記物品が投入される第1開口及び前記物品が排出される第2開口が設けられた本体部と、
前記第2開口に対して開閉可能なゲートと、を有し、
前記本体部には、前記中心線に対して外側に突出するように交わる位置関係を有する第1内面及び第2内面が設けられ、
前記集合シュートは、
複数の前記ホッパから排出された前記物品を受けて当該物品を滑走させるシュート部を少なくとも有し、
前記シュート部のうち複数の前記ホッパの下方に位置する部分には、前記第1内面及び前記第2内面のそれぞれに対応する面であって、前記中心線に対して外側に突出するように交わる位置関係を有する第1受面及び第2受面が設けられ、
鉛直方向における前記第1内面の下端と前記第1受面との第1距離は、略一定であり、
鉛直方向における前記第2内面の下端と前記第2受面との第2距離は、略一定であり、
前記第1距離と前記第2距離とは、互いに略等しい、組合せ計量装置。
【請求項2】
前記第2開口は、前記中心線から離れるほど下側に位置するように前記本体部に設けられ、
前記ゲートは、前記本体部における前記第2開口の縁部のうち中心線側に位置する部分に回動可能に取り付けられる、請求項1記載の組合せ計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組合せ計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
組合せ計量装置では、外部から供給された物品(農産物、水産物、加工食品等のように、単体質量にばらつきのある物品)が複数の計量ホッパに一時的に貯留されて、物品の質量に応じた計量値が各計量ホッパにおいて計量され、計量値の合計値が目標計量値となるように選択された複数の計量ホッパから集合シュートに物品が排出される。集合シュートに排出された物品は、一纏りとなって、集合シュートから例えば製袋包装機に排出される。このとき、製袋包装機での物品の袋詰めを高速かつ確実に実施するためには、複数の計量ホッパから集合シュートに排出された物品を集合シュートから短時間で排出させる必要がある。そこで、集合シュートの形状には、様々な工夫がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−279054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ホッパから排出された物品を集合シュートから短時間で排出させることが可能な組合せ計量装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の組合せ計量装置は、鉛直方向に平行な中心線を囲むように配置され、外部から供給された物品を一時的に貯留する複数のホッパと、複数のホッパから排出された物品を集合させながら排出させる集合シュートと、を備え、複数のホッパのそれぞれは、物品が投入される第1開口及び物品が排出される第2開口が設けられた本体部と、第2開口に対して開閉可能なゲートと、を有し、本体部には、中心線に対して外側に突出するように交わる位置関係を有する第1内面及び第2内面が設けられ、集合シュートは、複数のホッパから排出された物品を受けて当該物品を滑走させるシュート部を少なくとも有し、シュート部のうち複数のホッパの下方に位置する部分には、第1内面及び第2内面のそれぞれに対応する面であって、中心線に対して外側に突出するように交わる位置関係を有する第1受面及び第2受面が設けられる。
【0006】
この組合せ計量装置では、中心線に対して外側に突出するように交わる位置関係を有する第1内面及び第2内面が、ホッパの本体部に設けられている。更に、中心線に対して外側に突出するように交わる位置関係を有する第1受面及び第2受面が、シュート部のうちホッパの下方に位置する部分に設けられている。これにより、ホッパから排出された物品が第1受面及び第2受面に到達する際の落下速度が中央とその両側とで均一化される。しかも、第1内面及び第2内面が、中心線に対して外側に突出するように交わる位置関係を有するため、物品が計量ホッパの本体部から纏った状態で排出される。更に、第1受面及び第2受面が、中心線に対して外側に突出するように交わる位置関係を有するため、落下に伴う物品の広がりが抑制される。したがって、第1受面及び第2受面によって受けられた物品は、一纏りとなって上段シュート部を滑走する。よって、この組合せ計量装置によれば、ホッパから排出された物品を集合シュートから短時間で排出させることが可能である。
【0007】
本発明の組合せ計量装置では、第2開口は、中心線から離れるほど下側に位置するように本体部に設けられ、ゲートは、本体部における第2開口の縁部のうち中心線側に位置する部分に回動可能に取り付けられてもよい。この場合、本体部の第1内面及び第2内面に沿って物品がより纏った状態で落下する。
【0008】
本発明の組合せ計量装置では、鉛直方向における第1内面の下端と第1受面との第1距離は、略一定であり、鉛直方向における第2内面の下端と第2受面との第2距離は、略一定であり、第1距離と第2距離とは、互いに略等しくてもよい。この場合、ホッパから排出された物品が第1受面及び第2受面に到達する際の落下速度が中央とその両側とで略等しくなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ホッパから排出された物品を集合シュートから短時間で排出させることが可能な組合せ計量装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態の組合せ計量装置の構成図である。
図2図1の組合せ計量装置の集合シュートの斜視図である。
図3図1の組合せ計量装置における計量ホッパと集合シュートとの関係を示す図である。
図4図1の組合せ計量装置における計量ホッパと集合シュートとの関係を示す図である。
図5】比較例の計量ホッパと集合シュートとの関係を示す図である。
図6】比較例の計量ホッパと集合シュートとの関係を示す図である。
図7】変形例の計量ホッパと集合シュートとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[組合せ計量装置の全体構成]
【0012】
図1に示されるように、組合せ計量装置1は、投入シュート2と、分散フィーダ3と、複数の放射フィーダ4と、複数のプールホッパ5と、複数の計量ホッパ(ホッパ)6と、集合シュート8と、タイミングホッパ9と、計量部11と、制御部20と、を備える。組合せ計量装置1は、搬送コンベア50によって供給される物品A(農産物、水産物、加工食品等のように、単体質量にばらつきのある物品)を目標計量値となるように計量して製袋包装機60に供給する。なお、製袋包装機60は、フィルムを所定容量の袋に成形しつつ、組合せ計量装置1によって計量されて供給された物品Aを袋詰めする。
【0013】
投入シュート2は、搬送コンベア50の搬送端50aの下方に配置される。投入シュート2は、外部から搬送コンベア50によって搬送されて搬送コンベア50の搬送端50aから落下した物品Aを受けて下方に排出する。
【0014】
分散フィーダ3は、投入シュート2の下方に配置される。分散フィーダ3は、下方に向かって末広がりの円錐状の搬送面3aを有する。分散フィーダ3は、搬送面3aを振動させることで、投入シュート2から搬送面3aの頂部に排出された物品Aを搬送面3aの外縁に向かって均一に搬送する。
【0015】
複数の放射フィーダ4は、分散フィーダ3の搬送面3aの外縁に沿って放射状に配置される。各放射フィーダ4は、搬送面3aの外縁の下方から外側に延在するトラフ4aを有する。各放射フィーダ4は、トラフ4aを振動させることで、搬送面3aの外縁から排出された物品Aをトラフ4aの先端部に向かって搬送する。
【0016】
複数のプールホッパ5は、鉛直方向に平行な中心線CLを囲むように配置される。各プールホッパ5は、各放射フィーダ4のトラフ4aの先端部の下方に配置される。各プールホッパ5は、その底部に対して開閉可能なゲート5aを有する。各プールホッパ5は、ゲート5aを閉じることで、対応するトラフ4aの先端部から排出された物品Aを一時的に貯留する。更に、各プールホッパ5は、ゲート5aを開くことで、一時的に貯留した物品Aを下方に排出する。
【0017】
複数の計量ホッパ6は、中心線CLを囲むように配置される。各計量ホッパ6は、各プールホッパ5のゲート5aの下方に配置される。各計量ホッパ6は、本体部61と、本体部61の底部に対して開閉可能なゲート62と、を有する。各計量ホッパ6は、ゲート62を閉じることで、対応するプールホッパ5から排出された物品Aを本体部61内に一時的に貯留する。更に、各計量ホッパ6は、ゲート62を開くことで、本体部61内に一時的に貯留した物品Aを下方に排出する。
【0018】
集合シュート8は、各計量ホッパ6から排出された物品Aを排出口8aに集合させる。排出口8aは、複数の計量ホッパ6に対して下側且つ中心線CL上に位置する。集合シュート8は、上段シュート部(シュート部)81と、下段シュート部82と、を有する。上段シュート部81は、各計量ホッパ6から排出された物品Aを受けて当該物品Aを排出口8a側(すなわち、中心線CL側且つ下側)に滑走させる。下段シュート部82は、下方に向かって先細りの円錐台状の筒体であり、上側の開口82a及び下側の開口82bを有する。下段シュート部82は、下側の開口82bを排出口8aとして、当該排出口8aから物品Aを下方に排出する。
【0019】
タイミングホッパ9は、排出口8aの下方に配置される。タイミングホッパ9は、その底部に対して開閉可能なゲート9aを有する。タイミングホッパ9は、ゲート9aを閉じることで、集合シュート8から排出された物品Aを一時的に貯留する。更に、タイミングホッパ9は、ゲート9aを開くことで、一時的に貯留した物品Aを製袋包装機60に排出する。
【0020】
計量部11は、フレーム12に支持されたケース13内に配置される。計量部11は、複数のロードセル11aを有する。各ロードセル11aは、対応する計量ホッパ6を支持する。計量部11は、各計量ホッパ6に物品Aが一時的に貯留される際に、当該物品Aの質量に応じた計量値を計量する。
【0021】
制御部20は、ケース13内に配置される。制御部20は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有する。制御部20は、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送動作、各プールホッパ5のゲート5aの開閉動作、各計量ホッパ6のゲート62の開閉動作、並びにタイミングホッパ9のゲート9aの開閉動作等、組合せ計量装置1の各部の動作を制御する。なお、制御部20は、製袋包装機60と通信可能に接続される。
【0022】
制御部20は、計量部11によって計量された計量値と、当該計量値に対応する物品Aを貯留する計量ホッパ6とを対応付けて記憶する。制御部20は、計量部11によって計量され且つ各計量ホッパ6に対応付けられた複数の計量値から、合計値が目標計量値となるように計量値の組合せを選択する。より具体的には、制御部20は、計量部11によって出力された複数の計量値から、目標計量値を下限値とする所定範囲内に合計値が収まるように計量値の組合せを選択する。そして、制御部20は、当該組合せに対応する計量ホッパ6に物品Aを排出させる。
【0023】
なお、投入シュート2、分散フィーダ3、複数の放射フィーダ4、複数のプールホッパ5及び複数の計量ホッパ6は、ケース13に直接的に又は間接的に支持される。集合シュート8及びタイミングホッパ9は、フレーム12に直接的に又は間接的に支持される。
[集合シュートの上段シュート部の構成]
【0024】
図2に示されるように、集合シュート8において、上段シュート部81は、複数の滑走領域Rを有する。各滑走領域Rは、中心線CLに近づくほど下側に位置するように、各計量ホッパ6の下方から中心線CL側に延在する(図1参照)。各滑走領域Rは、金属製の板材の折り曲げ加工で形成された仕切部材83によって画定される。より具体的には、各滑走領域Rは、各仕切部材83の内面である滑走面83a、第1受面83b、第2受面83c、第1側面83d及び第2側面83eによって画定される。なお、図2においては、一部の仕切部材83の図示が省略されている。
【0025】
滑走面83aは、滑走領域Rの底面を成し、計量ホッパ6の下方から下段シュート部82の開口82aの外縁に延在する。滑走面83aは、平面であり、中心線CL側に一辺が位置し且つ中心線CL側とは反対側に一頂点が位置する三角形状(中心線CL側に底辺が位置する二等辺三角形状)を呈する。
【0026】
第1受面83bは、中心線CL側から見た場合に水平方向における滑走面83aの一方の側において滑走面83aに直接的に接続され、計量ホッパ6の下方から下段シュート部82の開口82aの外縁に延在する。第1受面83bは、平面であり、中心線CL側に一頂点が位置し且つ中心線CL側とは反対側に一辺が位置する三角形状を呈する。なお、「一の面が他の面に直接的に接続される」とは、一の面と他の面との間に実質的に別の面が介在しないことを意味し、一の面と他の面とが直接接続される場合だけでなく、一の面と他の面との間に面取り面等が介在する場合を含む(以下、同じ)。
【0027】
第2受面83cは、中心線CL側から見た場合に水平方向における滑走面83aの他方の側において滑走面83aに直接的に接続され、計量ホッパ6の下方から下段シュート部82の開口82aの外縁に延在する。第2受面83cは、平面であり、中心線CL側に一頂点が位置し且つ中心線CL側とは反対側に一辺が位置する三角形状を呈する。
【0028】
滑走面83aの幅(水平方向における幅)は、中心線CLに近づくほど大きくなる。第1受面83b及び第2受面83cのそれぞれの幅(水平方向における幅)は、中心線CLに近づくほど小さくなる。滑走面83a及び第1受面83bは、中心線CLに対して外側に突出するように(谷折りを形成するように)交わる位置関係を有する。同様に、滑走面83a及び第2受面83cは、中心線CLに対して外側に突出するように(谷折りを形成するように)交わる位置関係を有する。更に、第1受面83b及び第2受面83cも、中心線CLに対して外側に突出するように(谷折りを形成するように)交わる位置関係を有する(第1受面83b及び第2受面83cは、直接的には交わっていないものの、それらを含む面同士は、中心線CLに対して外側に突出するように互いに交わる)。このように、滑走面83a、第1受面83b及び第2受面83cは、相互に、中心線CLに対して外側に突出するように交わる位置関係を有する。
【0029】
第1側面83dは、中心線CL側から見た場合に水平方向における第1受面83bの一方の側において第1受面83bに直接的に接続され、計量ホッパ6の下方から下段シュート部82の開口82aの外縁に延在する。第1側面83dは、平面であり、矩形状を呈する。第2側面83eは、中心線CL側から見た場合に水平方向における第2受面83cの他方の側において第2受面83cに直接的に接続され、計量ホッパ6の下方から下段シュート部82の開口82aの外縁に延在する。第2側面83eは、平面であり、矩形状を呈する。第1側面83d及び第2側面83eは、滑走領域Rを介して互いに対向する。
[計量ホッパと集合シュートとの関係]
【0030】
図3に示されるように、計量ホッパ6の本体部61は、五角柱状の筒体であり、上側の開口(第1開口)61a及び下側の開口(第2開口)61bを有する。物品Aが投入される上側の開口61aは、略水平に本体部61に設けられている。物品Aが排出される下側の開口61bは、中心線CLから離れるほど下側に位置するように本体部61に設けられている。ゲート62は、本体部61における下側の開口61bの縁部のうち中心線CL側に位置する部分に回動可能に取り付けられ、下側の開口61bに対して開閉可能である。
【0031】
図4に示されるように、本体部61には、中心線CLに対して外側に突出するように(谷折りを形成するように)交わる位置関係を有する第1内面61c及び第2内面61dが設けられている。第1内面61cの下端部の下方には、仕切部材83の第1受面83bの上端部が位置する。同様に、第2内面61dの下端部の下方には、仕切部材83の第2受面83cの上端部が位置する。このように、上段シュート部81のうち各計量ホッパ6の下方に位置する部分に、第1内面61c及び第2内面61dのそれぞれに対応する面である、各仕切部材83の第1受面83b及び第2受面83cが配置される。
【0032】
鉛直方向における第1内面61cの下端と第1受面83bとの第1距離d1は、略一定である。鉛直方向における第2内面61dの下端と第2受面83cとの第2距離d2は、略一定である。第1距離d1と第2距離d2とは、互いに略等しい。
[作用及び効果]
【0033】
組合せ計量装置1では、中心線CLに対して外側に突出するように交わる位置関係を有する第1内面61c及び第2内面61dが、計量ホッパ6の本体部61に設けられている。更に、中心線CLに対して外側に突出するように交わる位置関係を有する第1受面83b及び第2受面83cが、上段シュート部81のうち計量ホッパ6の下方に位置する部分に設けられている。これにより、計量ホッパ6から排出された物品Aが第1受面83b及び第2受面83cに到達する際の落下速度が中央とその両側とで均一化される。しかも、第1内面61c及び第2内面61dが、中心線CLに対して外側に突出するように交わる位置関係を有するため、物品Aが計量ホッパ6の本体部61から纏った状態で排出される。更に、第1受面83b及び第2受面83cが、中心線CLに対して外側に突出するように交わる位置関係を有するため、落下に伴う物品Aの広がりが抑制される。したがって、第1受面83b及び第2受面83cによって受けられた物品Aは、一纏りとなって(図4の二点鎖線参照)、下段シュート部82の排出口8a側に向かって上段シュート部81を滑走する。よって、組合せ計量装置1によれば、計量ホッパ6から排出された物品Aを集合シュート8から短時間で排出させることが可能である。
【0034】
また、組合せ計量装置1では、各計量ホッパ6において、開口61bが、中心線CLから離れるほど下側に位置するように本体部61に設けられ、ゲート62が、本体部61における開口61bの縁部のうち中心線CL側に位置する部分に回動可能に取り付けられる。これにより、本体部61の第1内面61c及び第2内面61dに沿って物品Aがより纏った状態で落下する。
【0035】
また、組合せ計量装置1では、鉛直方向における第1内面61cの下端と第1受面83bとの第1距離d1が略一定であり、鉛直方向における第2内面61dの下端と第2受面83cとの第2距離d2が略一定であり、第1距離d1と第2距離d2とが互いに略等しい。これにより、計量ホッパ6から排出された物品Aが第1受面83b及び第2受面83cに到達する際の落下速度が中央とその両側とで略等しくなる。
【0036】
比較例として、図5に示されるように、計量ホッパ6Aの本体部61が四角柱状の筒体であり、図6に示されるように、中心線CL側に向く内面61fが一平面であると、第1受面83b及び第2受面83cによって受けられた物品Aは、図4に二点鎖線で示される場合と比較して、上下に延びてしまう(図6の二点鎖線参照)。これは、鉛直方向における内面61fの下端と第1受面83bとの第1距離d1、及び鉛直方向における内面61fの下端と第2受面83cとの第2距離d2のそれぞれが中央に近づくほど大きくなり、計量ホッパ6から排出された物品Aが第1受面83b及び第2受面83cに到達する際の落下速度が中央に近づくほど大きくなるからである。
[変形例]
【0037】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、計量ホッパ6の本体部61において、第1内面61c及び第2内面61dは、互いに直接的に接続されなくてもよい。一例として、図7の(a)に示されるように、第1内面61c及び第2内面61dは、別の面61eを介して、互いに間接的に接続されてもよい。同様に、仕切部材83において、第1受面83b及び第2受面83cは、互いに直接的に接続されなくてもよい。一例として、図7の(a)に示されるように、第1受面83b及び第2受面83cは、別の面83fを介して、互いに間接的に接続されてもよい。
【0038】
また、計量ホッパ6の本体部61において、第1内面61c及び第2内面61dは、平面でなくてもよい。一例として、図7の(b)に示されるように、第1内面61c及び第2内面61dは、曲面であってもよい。同様に、仕切部材83において、第1受面83b及び第2受面83cは、平面でなくてもよい。一例として、図7の(b)に示されるように、第1受面83b及び第2受面83cは、曲面であってもよい。
【0039】
また、計量ホッパ6の本体部61に、中心線CLに対して外側に突出するように交わる位置関係を有する第1内面61c及び第2内面61dが設けられ、上段シュート部81のうち各計量ホッパ6の下方に位置する部分に、中心線CLに対して外側に突出するように交わる位置関係を有する第1受面83b及び第2受面83cが設けられていれば、第1距離d1及び第2距離d2のそれぞれは、必ずしも略一定でなくてよいし、第1距離d1と第2距離d2とは、必ずしも互いに略等しくなくてよい。
【0040】
また、組合せ計量装置1は、タイミングホッパ9を備えていなくてもよい。ホッパから排出された物品を纏まった状態で集合シュートから排出させることが可能な本発明の構成は、組合せ計量装置1がタイミングホッパ9を備えていないような場合に、特に有効である。
【0041】
また、集合シュート8は、下段シュート部82を有していなくてもよい。例えば、下段シュート部82に相当する構成を製袋包装機60が備える場合には、組合せ計量装置1の集合シュート8が下段シュート部82を有する必要性は低い。
【0042】
また、上記実施形態では、計量ホッパ6と滑走領域R(仕切部材83)とが1対1で対応していたが、例えば、複数の計量ホッパ6に対して1つの滑走領域R(仕切部材83)が対応してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1…組合せ計量装置、6…計量ホッパ(ホッパ)、8…集合シュート、61…本体部、61a…開口(第1開口)、61b…開口(第2開口)、61c…第1内面、61d…第2内面、62…ゲート、81…上段シュート部(シュート部)、83b…第1受面、83c…第2受面、A…物品、CL…中心線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7