特許第6654511号(P6654511)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6654511
(24)【登録日】2020年2月3日
(45)【発行日】2020年2月26日
(54)【発明の名称】燃料噴射弁
(51)【国際特許分類】
   F02M 61/18 20060101AFI20200217BHJP
   F02M 51/06 20060101ALI20200217BHJP
【FI】
   F02M61/18 340D
   F02M61/18 320Z
   F02M51/06 L
【請求項の数】12
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-109819(P2016-109819)
(22)【出願日】2016年6月1日
(65)【公開番号】特開2017-214882(P2017-214882A)
(43)【公開日】2017年12月7日
【審査請求日】2018年10月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】戸田 翔大
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 聖彦
(72)【発明者】
【氏名】田口 靖英
【審査官】 稲村 正義
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−182767(JP,A)
【文献】 特開2008−111372(JP,A)
【文献】 特開2005−054656(JP,A)
【文献】 特開2004−340121(JP,A)
【文献】 特開2011−202513(JP,A)
【文献】 特開2007−46518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 51/00−61/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状に形成され、底部(251)に位置し燃料を噴射可能な噴孔(27)、および、前記底部の径外方向に設けられる筒部(21)に位置する弁座(214)を有するノズルボディ(20)と、
前記ノズルボディ内に往復移動可能に設けられ、前記弁座に当接すると前記噴孔からの燃料の噴射を規制し、前記弁座から離間すると前記噴孔からの燃料の噴射を許容するニードル(30)と、
前記底部、前記筒部、および、前記ニードルに区画形成されるサック室(300)に収容され、前記弁座側に開口し、それぞれの前記噴孔の内側開口(271)にそれぞれ連通する連通溝(122、132、260、410、460、510、560、610、660、760、810、860、910)を有する連通溝形成部材(121、131、26、41、46、51、56、61、66、76、81、86、91)と、
前記ニードルを往復移動可能な駆動部(33、34、35、36)と、
を備え、
前記ノズルボディの中心軸(CA20)を仮想中心軸とする仮想円筒面(Vp0)上における前記連通溝の断面積(S26)は、前記内側開口の開口面積(S27)に比べ大きく、
前記連通溝は、前記連通溝の前記弁座側に位置する外側開口(264、464、514、564、614、664、764、814、864、914)に、燃料が前記弁座に沿って直接流れ込むように形成されている燃料噴射弁。
【請求項2】
前記連通溝は、前記内側開口の中心(C271)から径外方向における断面積が前記内側開口の開口面積に比べ大きい請求項1に記載の燃料噴射弁。
【請求項3】
前記ノズルボディの中心軸に垂直な平面を仮想平面とすると、
前記連通溝を形成する前記連通溝形成部材の内壁の一部(463)の前記仮想平面上の断面形状と、前記内側開口の前記仮想平面上の断面形状とは、重なる請求項1または2に記載の燃料噴射弁。
【請求項4】
前記連通溝の断面積は、前記中心軸に近づくにつれて小さくなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
【請求項5】
前記連通溝を形成する前記連通溝形成部材の内壁(261、262、461、462、511、512、561、562、611、612、613、761、762、861、862、911、912)は、平面状に形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
【請求項6】
前記連通溝を形成する前記連通溝形成部材の内壁(263、463、513、661、662、663、763、811、863、913)は、曲面状に形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
【請求項7】
一つの前記連通溝(760、810)は、複数の前記内側開口に連通する請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
【請求項8】
前記一つの連通溝の前記仮想円筒面上における断面積は、前記複数の内側開口の開口面積の合計に比べ大きい請求項7に記載の燃料噴射弁。
【請求項9】
前記連通溝の前記仮想中心軸に沿う方向の長さは、前記連通溝形成部材の径外方向に向かうにつれて短くなる請求項1〜8のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
【請求項10】
前記中心軸に垂直な平面を仮想平面とすると、
前記連通溝は、前記連通溝の前記弁座側に位置する外側開口(864、914)の前記仮想平面上の断面形状における外側開口中心(C864、C914)が、前記内側開口の前記仮想平面上の断面形状における中心(C271)と前記中心軸の前記仮想平面上の点(CA20)とを結ぶ径方向線(Dr10)上とは異なる位置に設けられるよう形成される請求項1〜9のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
【請求項11】
前記仮想平面において前記外側開口中心が前記径方向線に対してずれる方向を前記連通溝形成部材の周方向の一方とすると、
前記連通溝の前記連通溝形成部材の周方向の一方に位置する一方の側壁(911)の前記連通溝の底壁(915)からの高さ(H911)は、前記連通溝の前記連通溝形成部材の周方向の他方に位置する他方の側壁(912)の前記連通溝の底壁からの高さ(H912)に比べ高い請求項10に記載の燃料噴射弁。
【請求項12】
有底筒状に形成され、底部(251)に位置し燃料を噴射可能な噴孔(27)、および、前記底部の径外方向に設けられる筒部(21)に位置する弁座(214)を有するノズルボディ(20)と、
前記ノズルボディ内に往復移動可能に設けられ、前記弁座に当接すると前記噴孔からの燃料の噴射を規制し、前記弁座から離間すると前記噴孔からの燃料の噴射を許容するニードル(30)と、
前記底部、前記筒部、および、前記ニードルに区画形成されるサック室(300)に収容され、前記弁座側に開口し前記噴孔の内側開口(271)に連通する連通溝(910)を有する連通溝形成部材(91)と、
前記ニードルを往復移動可能な駆動部(33、34、35、36)と、
を備え、
前記ノズルボディの中心軸(CA20)を仮想中心軸とする仮想円筒面(Vp0)上における前記連通溝の断面積(S26)は、前記内側開口の開口面積(S27)に比べ大きく、
前記中心軸に垂直な平面を仮想平面とすると、
前記連通溝は、前記連通溝の前記弁座側に位置する外側開口(914)の前記仮想平面上の断面形状における外側開口中心(C914)が、前記内側開口の前記仮想平面上の断面形状における中心(C271)と前記中心軸の前記仮想平面上の点(CA20)とを結ぶ径方向線(Dr10)上とは異なる位置に設けられるよう形成され、
前記仮想平面において前記外側開口中心が前記径方向線に対してずれる方向を前記連通溝形成部材の周方向の一方とすると、
前記連通溝の前記連通溝形成部材の周方向の一方に位置する一方の側壁(911)の前記連通溝の底壁(915)からの高さ(H911)は、前記連通溝の前記連通溝形成部材の周方向の他方に位置する他方の側壁(912)の前記連通溝の底壁からの高さ(H912)に比べ高い燃料噴射弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料噴射弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ニードルの往復移動によってノズルボディの噴孔を開閉しノズルボディ内の燃料を噴射する燃料噴射弁が知られている。例えば、特許文献1には、ノズルボディ内のサックに噴孔の内側開口をカバーするよう設けられ弁座に沿って流れる燃料が直接噴孔に流入することを防止可能なカバープレートを備える燃料噴射弁が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−202513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、燃料噴射弁において、燃費の向上や粒子状生成物の発生量の低減を目的として噴射される燃料の粒径を小さくするためには、噴孔を形成する内壁に燃料を押し付ける押付力を強くすることが望ましい。しかしながら、特許文献1に記載の燃料噴射弁では、サックにおける燃料の流れがカバープレートによって抑えられるため、噴孔の内壁に燃料を押し付ける押付力が小さくなる。このため、特許文献1に記載の燃料噴射弁では、燃料の粒径が小さくなりにくい。
【0005】
本発明は、噴射される燃料の粒径を小さくし、粒子状生成物の発生量を低減する燃料噴射弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、燃料噴射弁であって、ノズルボディ、ニードル、連通溝形成部材、および、ニードルを往復移動可能な駆動部を備える。
ノズルボディは、有底筒状に形成され、底部に位置し燃料を噴射可能な噴孔、および、底部の径外方向に設けられる筒部に位置する弁座を有する。
ニードルは、ノズルボディ内に往復移動可能に設けられ、弁座に当接すると噴孔からの燃料の噴射を規制し、弁座から離間すると噴孔からの燃料の噴射を許容する。
連通溝形成部材は、底部、筒部、および、ニードルに区画されるサック室に収容され、弁座側に開口し、それぞれの内側開口にそれぞれ連通する連通溝を有する。
本発明の燃料噴射弁では、ノズルボディの中心軸を仮想中心軸とする仮想円筒面上における連通溝の断面積は、内側開口の開口面積に比べ大きい。
連通溝は、連通溝の弁座側に位置する外側開口に、燃料が弁座に沿って直接流れ込むように形成されている。
【0007】
本発明の燃料噴射弁では、ニードルと弁座とが離間するとき弁座に沿って流れる燃料が弁座側に開口している連通溝に流入する。連通溝に流入する燃料は、連通溝および内側開口を通って噴孔からノズルボディの外部に噴射される。連通溝は、連通溝を流れる燃料の流れ方向に対して略垂直な仮想円筒面上における断面積が内側開口の面積に比べ大きくなるよう形成されている。これにより、内側開口に流入する燃料の流速は、連通溝を流れる燃料の流速に比べ速くなるため、噴孔の内壁に対する燃料の押付力が強くなり噴射される燃料の粒径を小さくすることができる。したがって、噴孔から噴射された燃料の微粒化が促進され、粒子状生成物の発生量を低減することができる。また、本発明の燃料噴射弁を備える内燃機関の燃費を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第一実施形態による燃料噴射弁の断面図である。
図2】(a)図1のIIa−IIa線断面図、および、(b)図1のIIb部拡大図である。
図3】(a)図2(a)のIIIa部拡大図、および、(b)図3(a)のIIIb−IIIb線断面図である。
図4】本発明の第一実施形態による燃料噴射弁の効果を説明する特性図である。
図5】(a)本発明の第二実施形態による燃料噴射弁の断面図、および、(b)図5(a)のVb−Vb線断面図である。
図6】(a)本発明の第三実施形態による燃料噴射弁の拡大図、および、(b)図6(a)のVIb−VIb線断面図である。
図7】(a)本発明の第四実施形態による燃料噴射弁の拡大図、および、(b)図7(a)のVIIb−VIIb線断面図である。
図8】(a)本発明の第五実施形態による燃料噴射弁の拡大図、および、(b)図8(a)のVIIIb−VIIIb線断面図である。
図9】(a)本発明の第六実施形態による燃料噴射弁の拡大図、および、(b)図9(a)のIXb−IXb線断面図である。
図10】(a)本発明の第七実施形態による燃料噴射弁の拡大図、および、(b)図10(a)のXb−Xb線断面図である。
図11】本発明の第八実施形態による燃料噴射弁の断面図である。
図12】本発明の第九実施形態による燃料噴射弁の断面図である。
図13】(a)本発明の第十実施形態による燃料噴射弁の拡大図、および、(b)図13(a)のХIIIb−ХIIIb線断面図である。
図14】本発明の第十実施形態による燃料噴射弁の効果を説明する特性図である。
図15】(a)本発明の第十一実施形態による燃料噴射弁の拡大図、および、(b)図15(a)のХVb−ХVb線断面図である。
図16】本発明の第十二実施形態による燃料噴射弁の断面図である。
図17】本発明の第十三実施形態による燃料噴射弁の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の複数の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0010】
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態による燃料噴射弁を図1〜4に基づいて説明する。図1、2には、第一実施形態による燃料噴射弁1の断面図を示す。なお、図1には、ニードル30が「弁座」としての内壁214から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル30が内壁214に当接する方向である閉弁方向を図示する。
【0011】
燃料噴射弁1は、図示しないエンジンの燃料噴射装置に用いられ、エンジンが有するポートに燃料としてのガソリンを噴射供給する。燃料噴射弁1は、ノズルボディ20、ニードル30、「連通溝形成部材」としての導入プレート26、可動コア33、固定コア34、コイル35、スプリング36を備える。可動コア33、固定コア34、コイル35、及び、スプリング36は、特許請求の範囲に記載の「駆動部」に相当する。
【0012】
ノズルボディ20は、「筒部」としての第一筒部材21、第二筒部材22、第三筒部材23、第四筒部材24、および、噴孔プレート25などから構成されている。ノズルボディ20は、これらの部材によって有底筒状に形成されている。
第一筒部材21、第二筒部材22、第三筒部材23および第四筒部材24は、いずれも略円筒状の部材であって、第一筒部材21、第二筒部材22、第三筒部材23、第四筒部材24の順に同軸となるよう配置され、互いに接続している。
【0013】
噴孔プレート25は、第一筒部材21の第二筒部材22とは反対側の端部211に設けられ、第一筒部材21の開口を塞ぐ。噴孔プレート25は、平板状の「底部」としての噴孔部251、および、筒部252から形成されている。噴孔部251と筒部252とは一体に形成されている。
噴孔部251は、平板状に形成され、端部211の第二筒部材22側とは反対側の端面212に当接している。噴孔部251は、複数の噴孔27を有する。第一実施形態では、噴孔27は、ノズルボディ20の内から外に向けて断面積が大きくなるよう形成されている。第一実施形態では、図2(a)に示すように、八個の噴孔27は、ノズルボディ20の中心軸CA20上の点を中心とする同心円上に等間隔で位置している。なお、図2(a)は、図面が煩雑になるのを避けるため、ニードル30の断面を削除している。
筒部252は、噴孔部251の径外方向の端部から第二筒部材22の方向に立ち上がるよう形成されている。筒部252は、第一筒部材21の端部211と端部211の径外方向を囲むよう形成されている第二筒部材22の端部221との間に挿入され、これらの部材に支持されている。
【0014】
ニードル30は、ノズルボディ20内に往復移動可能に収容されている。ニードル30は、軸部31、および、シール部32から形成されている。軸部31とシール部32とは、一体に形成されている。
【0015】
軸部31は、円筒状の部位である。軸部31の径外方向の外壁311は、第一筒部材21の内壁に摺動可能に形成されている。軸部31の噴孔27とは反対側の端部は、可動コア33に支持されている。軸部31は、軸部31の内部空間310と軸部31の外部とを連通する連通孔312を有する。
【0016】
シール部32は、軸部31の噴孔27側の端部に設けられている。シール部32は、軸部31とは反対側の端部の径外方向の外壁321がノズルボディ20の中心軸CA20に対して傾斜するよう形成されている。外壁321は、中心軸CA20から見て噴孔27の内側開口271の径外方向に位置しノズルボディ20の中心軸CA20に対して傾斜するよう形成されている第一筒部材21の径内方向の内壁214に当接可能に形成されている。
【0017】
ニードル30は、外壁321が内壁214に当接すると噴孔27からの燃料の噴射を規制し、外壁321が内壁214に離間すると噴孔27からの燃料の噴射を許容する。
【0018】
導入プレート26は、ニードル30、噴孔プレート25、および、第一筒部材21によって区画形成されるサック室300に収容されている。導入プレート26は、略円板状に形成され、噴孔プレート25の第一筒部材21側の「底壁」としての端面253に固定されている。導入プレート26は、径方向に延びるよう形成される「連通溝」としての複数の案内溝260を有する。第一実施形態では、導入プレート26は、噴孔27の数と同じ数の六個の案内溝260を有する。導入プレート26の詳細な構成は、後述する。
【0019】
可動コア33は、ノズルボディ20内に往復移動可能に収容されている。可動コア33は、磁気安定化処理が施されている略円筒状の部材である。可動コア33は、軸部31のシール部32とは反対側に設けられている。可動コア33は、小径部331、および、大径部332を有する。
小径部331は、可動コア33のニードル30側に設けられている略筒状の部材である。小径部331の内部には、軸部31の噴孔27とは反対側の端部が挿入されている。これにより、可動コア33は、ニードル30と一体に往復移動可能である。
大径部332は、小径部331の噴孔27とは反対側に設けられている略筒状の部材である。大径部332の径外方向の外壁333は、第二筒部材22の内壁222に摺動可能に形成されている。
可動コア33は、中心軸CA20に沿う方向に可動コア33を貫通する貫通孔330を有する。貫通孔330は、軸部31の内部空間310に連通している。
【0020】
固定コア34は、磁気安定化処理が施されている略円筒状の部材である。固定コア34は、第四筒部材24に溶接され、ノズルボディ20の内側に固定されている。
【0021】
コイル35は、略円筒状の部材であって、主に第三筒部材23及び第四筒部材24の径外方向の外壁を囲むよう設けられている。コイル35は、電力が供給されると磁界を形成する。コイル35の周囲に磁界が形成すると、固定コア34、可動コア33、第二筒部材22及び第四筒部材24を通る磁気回路が形成される。これにより、固定コア34と可動コア33との間に磁気吸引力が発生し、可動コア33は、固定コア34に吸引される。このとき、ニードル30は、可動コア33とともに開弁方向へ移動する。
【0022】
スプリング36は、一端が可動コア33内の段差面334に当接するよう設けられている。スプリング36の他端は、固定コア34の内側に圧入固定されたアジャスティングパイプ341の一端に当接している。スプリング36は、ニードル30を可動コア33とともに閉弁方向に付勢している。本実施形態では、コイル35に電力が供給されていない状態では、ニードル30のシール部32は、内壁214に当接した状態、すなわち、閉弁状態となる。
【0023】
第四筒部材24の第三筒部材23とは反対側の端部には、略円筒状の燃料導入パイプ28が圧入及び溶接されている。燃料導入パイプ28内には、フィルタ281が設けられている。フィルタ281は、第四筒部材24の導入口240から流入した燃料に含まれる異物を捕集する。
【0024】
第四筒部材24の径外方向は、樹脂によりモールドされている。当該モールド部分にはコネクタ37が設けられている。コネクタ37には、コイル35へ電力を供給するための端子371がインサート成形されている。また、コイル35の径外方向には、コイル35を覆うよう筒状のホルダ38が設けられている。
【0025】
第四筒部材24の導入口240から流入する燃料は、フィルタ281、アジャスティングパイプ341の径内方向、固定コア34の径内方向、可動コア33の貫通孔330、ニードル30の内部空間310、および、連通孔312を流れ、第一筒部材21とニードル30との間の隙間200に導かれる。すなわち、導入口240から隙間200までが燃料噴射弁1の燃料通路となる。
【0026】
第一実施形態による燃料噴射弁1は、導入プレート26の形状に特徴がある。ここでは、図2、3に基づいての導入プレート26の形状の詳細を説明する。
【0027】
導入プレート26が有する複数の案内溝260のそれぞれは、複数の噴孔27のそれぞれの内側開口271に連通するよう形成されている。案内溝260は、導入プレート26の三つの内壁261、262、263、および、噴孔プレート25の端面253から形成されている。
【0028】
内壁261は、案内溝260において導入プレート26の周方向の一方に位置する側壁となる。内壁261は、案内溝260の内壁214側に開口している外側開口264の縁からノズルボディ20の中心軸CA20を仮想中心軸とし内側開口271の中心C271を通る仮想円筒面Vp1まで延びるよう形成されている。内壁261は、平面状に形成されている。
内壁262は、案内溝260において導入プレート26の周方向の他方に位置する側壁となる。内壁262は、外側開口264の縁から仮想円筒面Vp1まで延びるよう形成されている。内壁262は、平面状に形成されている。
内壁263は、内壁261、262の径方向内側の縁となだらかに接続している。内壁263は、曲面状に形成され、噴孔27の内側開口271と中心軸CA20との間を通るよう形成されている。第一実施形態では、内壁263の中心軸CA20に垂直な面における断面形状は、円弧状になっている。
噴孔プレート25の端面253は、案内溝260の底壁となる。端面253は、平面状に形成されている。
【0029】
案内溝260の断面積と内側開口271の開口面積との大小関係について図3を参照して具体的に説明する。図3(a)において、ノズルボディ20の中心軸CA20を仮想中心軸とする仮想円筒面Vp0を仮定する。また、仮想円筒面Vp0上の案内溝260の断面形状において、導入プレート26の周方向の長さを図3(a)に示すように長さL26とし、中心軸CA20に平行な方向の長さを図3(b)に示すように高さH26とすると、仮想円筒面Vp0上における案内溝260の断面積S26は、長さL26と高さH26との積となる。この断面積S26は、内側開口271の開口面積S27に比べ大きい。また、内側開口271の中心C271を通る仮想円筒面Vp0より径外方向の仮想円筒面Vp0における案内溝260の断面積S26は、内側開口271の開口面積S27に比べ大きい。
【0030】
また、第一実施形態では、内壁261、262は、図3(a)に示すように、外側開口264の縁から中心軸CA20上の点に向かって延びるよう形成されている。これにより、案内溝260の断面積S26は、内側開口271の中心C271に近づくにつれて徐々に小さくなる。
【0031】
次に、燃料噴射弁1の作動について説明する。
コイル35に電力が供給されていないとき、ニードル30は、スプリング36によって閉弁方向に付勢され、シール部32と内壁214とが当接している状態を維持する。これにより、隙間200とサック室300とは遮断された状態となっているため、噴孔27からの燃料の噴射が規制される。
【0032】
コイル35に電力が供給され可動コア33と固定コア34との間に発生する磁気吸引力の大きさが大きくなると、可動コア33がニードル30とともに開弁方向に移動する。これにより、シール部32と内壁214とが離間し、隙間200の燃料が内壁214に沿いつつサック室300に流入する。
【0033】
サック室300に流入する燃料は、ノズルボディ20の中心軸CA20から見て径外方向から径内方向に向かって移動する。この径外方向から径内方向に向かって移動する燃料は、外側開口264から案内溝260に流入する。案内溝260に流入した燃料は、内壁261、262および端面253に沿って流れ、噴孔27の内側開口271に到達する。内側開口271に到達した燃料は、噴孔27を介して燃料噴射弁1の外部に噴射される。
【0034】
(a)燃料噴射弁1では、案内溝260の断面積S26は、内側開口271の開口面積S27に比べ大きい。これにより、内側開口271に流入する燃料の流速は、案内溝260を流れる燃料の流速に比べ速くなるため、噴孔27の内壁に対する燃料の押付力が比較的強くなる。
【0035】
本願発明者は、燃料噴射弁における噴射開始からの経過時間と噴孔から噴射された燃料の粒径との関係について実験を行った。図4にその実験結果を示す。図4では、横軸に噴射開始からの経過時間を示す。また、縦軸に噴孔から噴射された燃料の粒径を示す。図4には、燃料噴射弁1の実験結果に加え、噴孔の内側開口に連通する案内溝を有していない燃料噴射弁における実験結果を比較例として示す。
【0036】
図4に示すように、噴射開始からの経過時間の全ての時間帯において、燃料噴射弁1が噴射する燃料の粒径(図4に示す実線L1)は、比較例の燃料噴射弁が噴射する燃料の粒径(図4に示す点線L0)に比べ小さくなることが明らかとなった。
このように、燃料噴射弁1では、燃料が案内溝260を流れることによって噴孔27の内壁に対する燃料の押付力が強くなり、噴孔27から噴射された燃料の流径を小さくすることができる。これにより、粒子状生成物の発生量を低減することができる。また、燃料噴射弁1を備える内燃機関の燃費を向上することができる。
【0037】
(b)内側開口271の中心C271を通る仮想円筒面Vp1より径外方向の仮想円筒面Vp0における案内溝260の断面積S26は、内側開口271の開口面積S27に比べ大きい。これにより、内側開口271に流入する燃料の流速を案内溝260を流れる燃料の流速に比べ確実に速くすることができる。したがって、燃料の微粒化をさらに促進することができる。
【0038】
(c)また、案内溝260の断面積S26は、中心軸CA20に近づくにつれて徐々に小さくなっている。これにより、案内溝260を流れる燃料における断面積S26の増減によって燃料の流れが乱れることを防止することができる。
【0039】
(d)また、案内溝260を流れる燃料が沿う内壁261、262は、平面状に形成されている。これにより、燃料が沿う壁面が曲面状に形成されている場合に比べ、燃料の流れの乱れを抑制することができる。
【0040】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態による燃料噴射弁を図5に基づいて説明する。第二実施形態は、導入プレートの形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0041】
第二実施形態による燃料噴射弁2を図5に示す。燃料噴射弁2は、ノズルボディ20、ニードル30、「連通路形成部材」としての導入プレート41、可動コア33、固定コア34、コイル35、および、スプリング36を備える。なお、図5(a)は、図面が煩雑になるのを避けるため、ニードル30の断面を削除している。
【0042】
導入プレート41は、略円板状に形成され、サック室300において噴孔プレート25の端面253に固定されている。導入プレート41は、径方向に延びるよう形成される「連通溝」としての複数の案内溝410を有する。複数の案内溝410のそれぞれは、複数の噴孔27のそれぞれの内側開口271に連通するよう形成されている。案内溝410は、導入プレート41の三つの内壁411、412、413、および、案内溝410の底壁となる噴孔プレート25の端面253から形成されている。
【0043】
内壁411は、案内溝410において導入プレート41の周方向の一方に位置する側壁となる。内壁411は、平面状に形成されている。
内壁412は、案内溝410において導入プレート41の周方向の他方に位置する側壁となる。内壁412は、平面状に形成されている。
内壁413は、内壁411、412の径方向内側の縁となだらかに接続している。内壁413は、曲面状に形成され、噴孔27の内側開口271と中心軸CA20との間を通るよう形成されている。
導入プレート41では、仮想円筒面Vp0上における案内溝410の断面積は、内側開口271の開口面積S27に比べ大きい。
【0044】
また、燃料噴射弁2では、導入プレート41の中心軸CA20に沿う方向の高さは、図4(b)に示すように、内壁413から径外方向に向かうにつれて低くなっている。これにより、導入プレート41のニードル30側の端面を流れる燃料が案内溝410に流入しやすくなる。したがって、第二実施形態は、第一実施形態の効果を奏するとともに、内側開口271に流入する燃料の流速は案内溝260を流れる燃料の流速に比べさらに速くなるため、燃料の微粒化をさらに促進することができる。
【0045】
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態による燃料噴射弁を図6に基づいて説明する。第三実施形態は、案内溝の形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0046】
第三実施形態による燃料噴射弁3を図6に示す。燃料噴射弁3は、ノズルボディ20、ニードル30、「連通路形成部材」としての導入プレート46、可動コア33、固定コア34、コイル35、および、スプリング36を備える。
【0047】
導入プレート46は、略円板状に形成され、サック室300において噴孔プレート25の端面253に固定されている。導入プレート46は、径方向に延びるよう形成される「連通溝」としての複数の案内溝460を有する。複数の案内溝460のそれぞれは、複数の噴孔27のそれぞれの内側開口271に連通するよう形成されている。案内溝460は、導入プレート46の三つの内壁461、462、463、および、案内溝460の底壁となる噴孔プレート25の端面253から形成されている。
【0048】
内壁461は、案内溝460において導入プレート46の周方向の一方に位置する側壁となる。内壁461は、案内溝460の内壁214側に開口している外側開口464の縁から仮想円筒面Vp1まで延びるよう形成されている。内壁461は、平面状に形成されている。
内壁462は、案内溝460において導入プレート46の周方向の他方に位置する側壁となる。内壁462は、外側開口464の縁から仮想円筒面Vp1まで延びるよう形成されている。内壁462は、平面状に形成されている。
【0049】
「連通溝を形成する連通溝形成部材の内壁の一部」としての内壁463は、内壁461、462の径方向内側の縁となだらかに接続している。内壁463は、中心軸CA20に垂直な平面である仮想平面上の内壁463の断面形状が曲面状に形成され、内側開口271の仮想平面上の断面形状と重なる。
導入プレート46では、仮想円筒面Vp0上における案内溝460の断面積は、内側開口271の開口面積S27に比べ大きい。
【0050】
燃料噴射弁3では、内壁463の仮想平面上の断面形状が内側開口271の仮想平面上の断面形状と重なるよう形成されている。これにより、案内溝460を流れる燃料が内壁463に衝突した直後に噴孔27に流入することができるため、噴孔27の内壁への押付力をさらに強くすることができる。したがって、第三実施形態は、第一実施形態の効果を奏するとともに、燃料の粒径をさらに小さくすることができる。
【0051】
(第四実施形態)
次に、本発明の第四実施形態による燃料噴射弁を図7に基づいて説明する。第四実施形態は、案内溝の形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0052】
第四実施形態による燃料噴射弁4を図7に示す。燃料噴射弁4は、ノズルボディ20、ニードル30、「連通路形成部材」としての導入プレート51、可動コア33、固定コア34、コイル35、および、スプリング36を備える。
【0053】
導入プレート51は、略円板状に形成され、サック室300において噴孔プレート25の端面253に固定されている。導入プレート51は、径方向に延びるよう形成される「連通溝」としての複数の案内溝510を有する。複数の案内溝510のそれぞれは、複数の噴孔27のそれぞれの内側開口271に連通するよう形成されている。案内溝510は、導入プレート51の三つの内壁511、512、513、および、案内溝510の底壁となる噴孔プレート25の端面253から形成されている。
【0054】
内壁511は、案内溝510において導入プレート51の周方向の一方に位置する側壁となる。内壁511は、案内溝510の内壁214側に開口している外側開口514の縁からノズルボディ20の中心軸CA20を仮想中心軸とし仮想円筒面Vp1の径外方向に規定される仮想円筒面Vp2まで延びるよう形成されている。内壁511は、平面状に形成されている。
内壁512は、案内溝510において導入プレート51の周方向の他方に位置する側壁となる。内壁512は、外側開口514の縁から仮想円筒面Vp2まで延びるよう形成されている。内壁512は、平面状に形成されている。
【0055】
内壁513は、内壁511、512の径方向内側の縁となだらかに接続している。内壁513は、曲面状に形成され、噴孔27の内側開口271と中心軸CA20との間を通るよう形成されている。第四実施形態では、内壁513の中心軸CA20に垂直な面における断面形状は、円弧状になっている。
【0056】
燃料噴射弁4では、仮想円筒面Vp0上における案内溝510の断面積は、内側開口271の開口面積S27に比べ大きい。これにより、第四実施形態は、第一実施形態の効果を奏する。
【0057】
(第五実施形態)
次に、本発明の第五実施形態による燃料噴射弁を図8に基づいて説明する。第五実施形態は、案内溝の形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0058】
第五実施形態による燃料噴射弁5を図8に示す。燃料噴射弁5は、ノズルボディ20、ニードル30、「連通路形成部材」としての導入プレート56、可動コア33、固定コア34、コイル35、および、スプリング36を備える。
【0059】
導入プレート56は、略円板状に形成され、サック室300において噴孔プレート25の端面253に固定されている。導入プレート56は、径方向に延びるよう形成される「連通溝」としての複数の案内溝560を有する。複数の案内溝560のそれぞれは、複数の噴孔27のそれぞれの内側開口271に連通するよう形成されている。案内溝560は、導入プレート51の二つの内壁561、562、および、案内溝560の底壁となる噴孔プレート25の端面253から形成されている。
【0060】
内壁561は、案内溝560において導入プレート56の周方向の一方に位置する側壁となる。内壁561は、案内溝560の内壁214側に開口している外側開口564の縁からノズルボディ20の中心軸CA20を仮想中心軸とし仮想円筒面Vp1の径内方向に規定される仮想円筒面Vp3まで延びるよう形成されている。内壁561は、平面状に形成されている。
内壁562は、案内溝560において導入プレート56の周方向の他方に位置する側壁となる。内壁562は、外側開口564の縁から仮想円筒面Vp3まで延びるよう形成され、内壁561の径方向内側の縁となだらかに接続している。内壁562は、平面状に形成されている。
【0061】
燃料噴射弁5では、仮想円筒面Vp0上における案内溝560の断面積は、内側開口271の開口面積S27に比べ大きい。これにより、第五実施形態は、第一実施形態の効果を奏する。
【0062】
(第六実施形態)
次に、本発明の第六実施形態による燃料噴射弁を図9に基づいて説明する。第六実施形態は、案内溝の形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0063】
第六実施形態による燃料噴射弁6を図9に示す。燃料噴射弁6は、ノズルボディ20、ニードル30、「連通路形成部材」としての導入プレート61、可動コア33、固定コア34、コイル35、および、スプリング36を備える。
【0064】
導入プレート61は、略円板状に形成され、サック室300において噴孔プレート25の端面253に固定されている。導入プレート61は、径方向に延びるよう形成される「連通溝」としての複数の案内溝610を有する。複数の案内溝610のそれぞれは、複数の噴孔27のそれぞれの内側開口271に連通するよう形成されている。案内溝610は、導入プレート61の三つの内壁611、612、613、および、案内溝610の底壁となる噴孔プレート25の端面253から形成されている。
【0065】
内壁611は、案内溝610において導入プレート61の周方向の一方に位置する側壁となる。内壁611は、案内溝610の内壁214側に開口している外側開口614の縁から内側開口271と中心軸CA20との間まで延びるよう形成されている。内壁611は、平面状に形成されている。
内壁612は、案内溝610において導入プレート61の周方向の他方に位置する側壁となる。内壁612は、外側開口614の縁から内側開口271と中心軸CA20との間まで延びるよう形成されている。内壁612は、平面状に形成されている。
内壁613は、ノズルボディ20の中心軸CA20を仮想中心軸とし仮想円筒面Vp1の径内方向に規定される仮想円筒面Vp4に接するよう平面状に形成されている。内壁613の導入プレート61の周方向の一方の縁は、内壁611の径方向内側の縁となだらかに接続している。内壁613の導入プレート61の周方向の他方の縁は、内壁612の径方向内側の縁となだらかに接続している。
【0066】
燃料噴射弁6では、仮想円筒面Vp0上における案内溝610の断面積は、内側開口271の開口面積S27に比べ大きい。これにより、第六実施形態は、第一実施形態の効果を奏する。
【0067】
(第七実施形態)
次に、本発明の第七実施形態による燃料噴射弁を図10に基づいて説明する。第七実施形態は、案内溝の形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0068】
第七実施形態による燃料噴射弁7を図10に示す。燃料噴射弁7は、ノズルボディ20、ニードル30、「連通路形成部材」としての導入プレート66、可動コア33、固定コア34、コイル35、および、スプリング36を備える。
【0069】
導入プレート66は、略円板状に形成され、サック室300において噴孔プレート25の第一筒部材21側の端面253に固定されている。導入プレート66は、径方向に延びるよう形成される「連通溝」としての複数の案内溝660を有する。複数の案内溝660のそれぞれは、複数の噴孔27のそれぞれの内側開口271に連通するよう形成されている。案内溝660は、導入プレート61の三つの内壁661、662、663、および、案内溝660の底壁となる噴孔プレート25の端面253から形成されている。
【0070】
内壁661は、案内溝660において導入プレート66の周方向の一方に位置する側壁となる。内壁661は、案内溝660の内壁214側に開口している外側開口664の縁から仮想円筒面Vp1まで延びるよう形成されている。内壁661は、導入プレート66の周方向の他方に突出するよう曲面状に形成されている。
内壁662は、案内溝660において導入プレート66の周方向の他方に位置する側壁となる。内壁662は、外側開口664の縁から仮想円筒面Vp1まで延びるよう形成されている。内壁662は、導入プレート66の周方向の一方に突出するよう曲面状に形成されている。
内壁663は、内壁661、662の径方向内側の縁となだらかに接続している。内壁663は、曲面状に形成され、噴孔27の内側開口271と中心軸CA20との間を通るよう形成されている。第七実施形態では、内壁663の中心軸CA20に垂直な面における断面形状は、円弧状になっている。
【0071】
燃料噴射弁7では、仮想円筒面Vp0上における案内溝660の断面積は、内側開口271の開口面積S27に比べ大きい。これにより、第七実施形態は、第一実施形態の効果(a)、(b)を奏する。
また、内壁661、662は、案内溝660の周方向の長さを狭めるよう突出している。これにより、外側開口664を大きくすることができ、外側開口664から案内溝660に流入した燃料の流速をさらに速くすることができる。したがって、第七実施形態は、燃料の微粒化をさらに促進することができる。
【0072】
(第八実施形態)
次に、本発明の第八実施形態による燃料噴射弁を図11に基づいて説明する。第八実施形態は、導入プレートの形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0073】
第八実施形態による燃料噴射弁8の断面図を図11に示す。燃料噴射弁8は、ノズルボディ20、ニードル30、「連通路形成部材」としてのガイド部材76、可動コア33、固定コア34、コイル35、および、スプリング36を備える。
【0074】
ガイド部材76は、サック室300において噴孔プレート25の端面253に固定されている。ガイド部材76は、二本の略棒状の部材が交差する形状をなし、「連通溝」としての複数の案内溝760を有する。案内溝760は、内側開口271に連通するよう形成されている。案内溝760は、ガイド部材76の三つの内壁761、762、763、および、案内溝760の底壁となる噴孔プレート25の端面253から形成されている。
【0075】
内壁761は、案内溝760においてガイド部材76の周方向の一方に位置する側壁となる。内壁761は、平面状に形成されている。
内壁762は、案内溝760においてガイド部材76の周方向の他方に位置する側壁となる。内壁762は、平面状に形成されている。
内壁763は、内壁761、762の径方向内側の縁となだらかに接続している。内壁763は、曲面状に形成され、二つの内側開口271と中心軸CA20との間を通るよう形成されている。ガイド部材76では、仮想円筒面Vp0上における案内溝760の断面積は、当該案内溝760に連通する複数の内側開口271の開口面積の合計に比べ大きい。
【0076】
燃料噴射弁8では、一つの案内溝760が二つの内側開口271に連通するよう形成されている。具体的には、図11に示すように、一組の内壁761、762、763および内壁214側に開口している外側開口764によって囲まれる領域と二つの内側開口271とが連通している。これにより、外側開口764から一つの案内溝760に流入する燃料は、二つの内側開口271を介して二つの噴孔27からノズルボディ20の外部に噴射される。
【0077】
第八実施形態では、仮想円筒面Vp0上における案内溝760の断面積は、二つの内側開口271の開口面積の合計に比べ大きい。これにより、第八実施形態は、第一実施形態の効果を奏する。
【0078】
(第九実施形態)
次に、本発明の第九実施形態による燃料噴射弁を図12に基づいて説明する。第九実施形態は、導入プレートの形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0079】
第九実施形態による燃料噴射弁9の断面図を図12に示す。燃料噴射弁9は、ノズルボディ20、ニードル30、「連通路形成部材」としてのガイド部材81、可動コア33、固定コア34、コイル35、および、スプリング36を備える。
【0080】
ガイド部材81は、サック室300において噴孔プレート25の端面253に固定されている。ガイド部材81は、一本の略棒状の部材であって、「連通溝」としての複数の案内溝810を有する。案内溝810は、内側開口271に連通するよう形成されている。案内溝810は、ガイド部材81の内壁811、および、案内溝810の底壁となる噴孔プレート25の端面253から形成されている。
【0081】
内壁811は、ガイド部材81の長手方向の側壁である。内壁811は、案内溝810の内壁214側に開口している外側開口814の二つの縁を接続するよう形成されている。内壁811は、凹状に形成されている。ガイド部材81では、仮想円筒面Vp0上における案内溝810の断面積は、当該案内溝810に連通する複数の内側開口271の開口面積の合計に比べ大きい。
【0082】
燃料噴射弁9では、一つの案内溝810が四つの内側開口271に連通するよう形成されている。具体的には、図12に示すように、内壁811および案内溝810の外側開口814によって囲まれる領域と四つの内側開口271とが蓮通している。これにより、外側開口814から一つの案内溝810に流入する燃料は、四つの内側開口271を介して四つの噴孔27からノズルボディ20の外部に噴射される。
【0083】
第九実施形態では、仮想円筒面Vp0上における案内溝810の断面積は、四つの内側開口271の開口面積の合計に比べ大きい。これにより、第九実施形態は、第一実施形態の効果を奏する。
【0084】
(第十実施形態)
次に、本発明の第十実施形態による燃料噴射弁を図13、14に基づいて説明する。第十実施形態は、導入プレートの形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0085】
第十実施形態による燃料噴射弁10の断面図を図13に示す。燃料噴射弁10は、ノズルボディ20、ニードル30、「連通路形成部材」としての導入プレート86、可動コア33、固定コア34、コイル35、および、スプリング36を備える。
【0086】
導入プレート86は、略円板状に形成され、サック室300において噴孔プレート25の端面253に固定されている。導入プレート86は、径方向に延びるよう形成される「連通溝」としての複数の案内溝860を有する。複数の案内溝860のそれぞれは、複数の噴孔27のそれぞれの内側開口271に連通するよう形成されている。案内溝860は、導入プレート86の三つの内壁861、862、863、および、案内溝860の底壁となる噴孔プレート25の端面253から形成されている。
【0087】
内壁861は、案内溝860において導入プレート86の周方向の一方に位置する側壁となる。内壁861は、案内溝860の内壁214側に開口している外側開口864の縁から仮想円筒面Vp1まで延びるよう形成されている。内壁861は、平面状に形成されている。
内壁862は、案内溝860において導入プレート86の周方向の他方に位置する側壁となる。内壁862は、外側開口864から仮想円筒面Vp1まで延びるよう形成されている。内壁862は、平面状に形成されている。
内壁863は、内壁861、862の径方向内側の縁となだらかに接続している。内壁863は、曲面状に形成され、内側開口271と中心軸CA20との間を通るよう形成されている。
導入プレート86では、仮想円筒面Vp0上における案内溝860の断面積は、内側開口271の開口面積S27に比べ大きい。
【0088】
燃料噴射弁10では、案内溝860において内側開口271に向かう燃料の流れの方向は、内壁214に沿って中心軸CA20に向かう燃料の流れの方向に対してずれている。具体的には、中心軸CA20に垂直な平面である仮想平面上において、外側開口864の外側開口中心C864は、内側開口271の中心C271と中心軸CA20上の点とを結ぶ径方向線Dr10上とは異なる位置に設けられている。
【0089】
第十実施形態では、仮想円筒面Vp0上における案内溝860の断面積は、内側開口271の開口面積S27に比べ大きい。これにより、第十実施形態は、第一実施形態の効果を奏する。
また、第十実施形態では、案内溝860は、案内溝860において内側開口271に向かう燃料の流れの方向は、内壁214に沿って中心軸CA20に向かう燃料の流れの方向に対してずれるよう形成されている。これにより、外側開口864を通って案内溝860に流入する燃料は、内側開口271の近傍では、内側開口271の中心C271を回転中心として旋回しつつ内側開口271から噴孔27に流入する。これにより、噴孔27の内壁に対する燃料の押付力は、燃料が旋回していない場合に比べ強くなる。
【0090】
本願発明者は、燃料噴射弁における噴射開始からの経過時間と噴孔から噴射された燃料の粒径との関係について実験を行った。図14にその実験結果を示す。図14では、横軸に噴射開始からの経過時間を示す。また、縦軸に噴孔から噴射された燃料の粒径を示す。図14には、燃料噴射弁10による実験結果に加え、案内溝において燃料が旋回しない燃料噴射弁1の実験結果、および、噴孔の内側開口に連通する案内溝を有していない燃料噴射弁における実験結果を比較例として示す。
【0091】
図14に示すように、噴射開始からの経過時間の全ての時間帯において、燃料噴射弁10が噴射する燃料の粒径(図14に示す二点鎖線L10)は、比較例の燃料噴射弁が噴射する燃料の粒径(図14に示す点線L0)に比べ小さくなることが明らかとなった。また、燃料噴射弁10が噴射する燃料の粒径は、燃料噴射弁1が噴射する燃料の粒径(図14に示す実線L1)に比べても小さくなることが明らかとなった。
【0092】
また、本願発明者は、燃料噴射弁が噴射する燃料の貫徹力と微粒化との関係について実験した。その結果、燃料噴射弁10では、比較例の燃料噴射弁と同じ程度の貫徹力を有しつつ、比較例の燃料噴射弁に比べ燃料の微粒化が促進されることが明らかとなった。
【0093】
このように、燃料噴射弁10では、内壁214から中心軸CA20に向かう燃料の流れに加え、内壁861、862に沿うことで旋回する燃料の流れによって噴孔27の内壁に対する燃料の押付力をさらに強くすることができる。これにより、噴孔27から噴射される燃料の微粒化がさらに促進されるため、粒子状生成物の発生量をさらに低減することができる。また、燃料噴射弁10を備える内燃機関の燃費をさらに向上することができる。
【0094】
(第十一実施形態)
次に、本発明の第十一実施形態による燃料噴射弁を図15に基づいて説明する。第十一実施形態は、導入プレートの形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0095】
第十一実施形態による燃料噴射弁11の断面図を図15に示す。燃料噴射弁11は、ノズルボディ20、ニードル30、「連通路形成部材」としての導入プレート91、可動コア33、固定コア34、コイル35、および、スプリング36を備える。
【0096】
導入プレート91は、略円板状に形成され、サック室300において噴孔プレート25の端面253に固定されている。導入プレート91は、径方向に延びるよう形成される「連通溝」としての複数の案内溝910を有する。複数の案内溝910のそれぞれは、複数の噴孔27のそれぞれの内側開口271に連通するよう形成されている。案内溝910は、導入プレート91の四つの内壁911、912、913、915から形成されている。
【0097】
内壁911は、案内溝910において導入プレート91の周方向の一方に位置する側壁となる。内壁911は、案内溝910の内壁214側に開口している外側開口914の縁から仮想円筒面Vp1まで延びるよう形成されている。
内壁912は、案内溝910において導入プレート91の周方向の他方に位置する側壁となる。内壁912は、外側開口914から仮想円筒面Vp1まで延びるよう形成されている。
内壁911、912によって形成されている外側開口914は、中心軸CA20に垂直な平面である仮想平面上において、外側開口914の外側開口中心C914の位置が径方向線Dr10上とは異なる位置となるよう形成されている。
【0098】
内壁913は、内壁911、912の径方向内側の縁となだらかに接続している。内壁913は、曲面状に形成され、内側開口271と中心軸CA20との間を通るよう形成されている。
【0099】
「底壁」としての内壁915は、案内溝910の底壁となる。内壁915は、平面状に形成され、中心軸CA20に垂直な平面である仮想平面に対して傾斜するよう形成されている。具体的には、図15(b)に示すように、内壁915は、内壁911の内壁915からの高さH911と内壁912の内壁915からの高さH912とが異なるよう傾斜している。第十一実施形態では、高さH911は、高さH912に比べて高い。
【0100】
導入プレート91では、仮想円筒面Vp0上における案内溝910の断面積は、内側開口271の開口面積S27に比べ大きい。
【0101】
第十一実施形態では、仮想円筒面Vp0上における案内溝910の断面積は、内側開口271の開口面積S27に比べ大きい。これにより、第十一実施形態は、第一実施形態の効果を奏する。
【0102】
また、第十一実施形態では、案内溝910の底壁にあたる内壁915が中心軸CA20に垂直な平面である仮想平面に対して傾斜するよう形成されている。これにより、案内溝910を流れる燃料は、内壁911側を多く流れるため、燃料の旋回流れの勢いが強くなり、噴孔27の内壁に対する燃料の押付力がさらに強くなる。したがって、噴孔27から噴射される燃料の微粒化がさらに促進されるため、粒子状生成物の発生量をさらに低減することができる。また、燃料噴射弁11を備える内燃機関の燃費をさらに向上することができる。
【0103】
(第十二実施形態)
次に、本発明の第十二実施形態による燃料噴射弁を図16に基づいて説明する。第十二実施形態は、噴孔の配置および導入プレートの形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0104】
第十二実施形態による燃料噴射弁12の断面図を図16に示す。燃料噴射弁12は、ノズルボディ20、ニードル30、「連通路形成部材」としての導入プレート121、可動コア33、固定コア34、コイル35、および、スプリング36を備える。
【0105】
燃料噴射弁12では、複数の噴孔27のそれぞれの内側開口が不等間隔に配置されている。具体的には、図16に示すように、複数の内側開口271をそれぞれ内側開口272、273、274、275、276、277、278、279とすると、内側開口272と内側開口279との間、および、内側開口275と内側開口276との間が内側開口273と内側開口274との間に比べ広くなるよう噴孔プレート25が形成されている。
【0106】
導入プレート121は、略円板状に形成され、サック室300において噴孔プレート25の端面253に固定されている。導入プレート121は、径方向に延びるよう形成される「連通溝」としての複数の案内溝122を有する。複数の案内溝122のそれぞれは、内側開口272、273、274、275、276、277、278、279のそれぞれに連通するよう形成されている。このため、燃料噴射弁12では、隣り合う案内溝122も不等間隔で配置されている。
【0107】
第十二実施形態では、仮想円筒面Vp0上における案内溝122の断面積は、内側開口の開口面積に比べ大きい。これにより、第十二実施形態は、第一実施形態の効果を奏する。
【0108】
(第十三実施形態)
次に、本発明の第十三実施形態による燃料噴射弁を図17に基づいて説明する。第十三実施形態は、噴孔の配置および導入プレートの形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0109】
第十三実施形態による燃料噴射弁13の断面図を図17に示す。燃料噴射弁12は、ノズルボディ20、ニードル30、「連通路形成部材」としての導入プレート131、可動コア33、固定コア34、コイル35、および、スプリング36を備える。
【0110】
燃料噴射弁13では、複数の噴孔27のそれぞれの内側開口が不等間隔に配置されている。具体的には、図17に示すように、複数の内側開口271をそれぞれ内側開口272、273、274、275、276、277、278、279とすると、内側開口275と内側開口276との間が内側開口273と内側開口274との間に比べ広くなるよう噴孔プレート25が形成されている。
【0111】
導入プレート131は、略円板状に形成され、サック室300において噴孔プレート25の端面253に固定されている。導入プレート131は、径方向に延びるよう形成される「連通溝」としての複数の案内溝132を有する。複数の案内溝132のそれぞれは、内側開口272、273、274、275、276、277、278、279のそれぞれに連通するよう形成されている。このため、燃料噴射弁13では、隣り合う案内溝132も不等間隔で配置されている。
【0112】
第十三実施形態では、仮想円筒面Vp0上における案内溝132の断面積は、内側開口271の開口面積S27に比べ大きい。これにより、第十三実施形態は、第一実施形態の効果を奏する。
【0113】
(他の実施形態)
上述の実施形態では、噴孔の数は、八個であるとした。噴孔の数は、これに限定されない。また、第一〜十一実施形態では、噴孔は、同心円上に等間隔で配置されるとした。しかしながら、噴孔の配置はこれに限定されず、第十二、十三実施形態のように、不等間隔で配置されてもよい。
【0114】
上述の実施形態では、案内溝は、導入プレートが有する複数の平面状または曲面状の内壁から形成されるとした。しかしながら、案内溝を形成する導入プレートの内壁の数および形状はこれに限定されない。すなわち、案内溝の形状は、上述の実施形態で示した形状に限定されない。ノズルボディの中心軸を仮想中心軸とする仮想円筒面上における断面積が噴孔の内側開口の開口面積に比べ大きければよい。
【0115】
上述の実施形態では、導入プレートと噴孔プレートとは別体で形成されるとした。導入プレートと噴孔プレートとは一体でもよい。また、ガイド部材と噴孔プレートとは別体で形成されるとした。ガイド部材と噴孔プレートとは一体でもよい。
【0116】
上述の実施形態では、噴孔プレートの噴孔が形成される部の形状は、平板状であるとした。噴孔が形成される部材の形状はこれに限定されない。
【0117】
第一、二、四〜十三実施形態において、第三実施形態のように、案内溝を形成する導入プレートの内壁の一部が噴孔の内側開口の縁と重なってもよい。
【0118】
第一、三〜十三実施形態において、第二実施形態のように、導入プレートの中心軸に沿う方向の高さが径外方向に向かうにつれて低くなるよう導入プレートが形成されていてもよい。
【0119】
第二〜九、十二、十三実施形態において、第十実施形態のように、案内溝において内側開口に向かう燃料の流れの方向が内壁214に沿って中心軸に向かう燃料の流れの方向に対してずれていてもよい。また、第十一実施形態にように、案内溝の底壁が中心軸に垂直な平面である仮想平面に対して傾斜するよう形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0120】
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13・・・燃料噴射弁
20・・・ノズルボディ
27・・・噴孔
214・・・内壁(弁座)
30・・・ニードル
122、132、260、410、460、510、560、610、660、760、810、860、910・・・案内溝
121、131、26、41、46、51、56、61、66、86、91・・・導入プレート
76、81・・・ガイド部材
33・・・可動コア(駆動部)
34・・・固定コア(駆動部)
35・・・コイル(駆動部)
36・・・スプリング(駆動部)
Vp0・・・仮想円筒面
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