【実施例】
【0076】
実験
実施例1
ペプチドの作製
ペプチド構築物を3つの方法のうちの1つによって作製した:5’リン酸化オリゴヌクレオチドのアニーリングの後にpF4Ag−Barnase−HALOTAGベクター(Promega Corporation;SgfI及びXhoIで切断)もしくはpFN18A(Promega Corporation;SgfI及びXbaIで切断)へのライゲーション、AgilentのQuik Change Lightning Multiキットを使用した部位特異的変異誘発、またはGene Dynamicsへのクローニングの外部委託。
【0077】
実施例2
ペプチドの調製
ペプチドをコードするプラスミドで形質転換したKRXE大腸菌細胞(Promega Corporation)の単一コロニーを2〜5mlのLB培養液に接種することにより、実施例1で作製したペプチドを分析のために調製し、37℃で一晩増殖させた。次いで、一晩培養液(10ml)を1LのLB中に希釈し、37℃で3時間増殖させた。次いで、1Lの培養液に10mlの20%ラムノースを加えることによって培養液を誘導し、25℃で18時間誘導した。
【0078】
誘導後、800mlの各培養液を4℃で30分間、5000xgで回転させた。次いで、得られたペレットを、80mlのペプチド溶解緩衝液(25mM HEPES pH7.4、0.1×Passive Lysis Buffer(Promega Corporation)、1ml/mlリゾチーム、及び0.03U/μlのRQ1DNase(Promega Corporation))中に再懸濁し、室温で15分間インキュベートした。次いで、溶解した細胞をドライアイス上で15分間凍結させ、次いで室温浴で15分間融解した。次いで、細胞を4℃で30分間、3500xgで回転させた。上清を10mlの試料中にアリコートし、50μlの1アリコートを1.5ml試験管に入れた。
【0079】
50μlの試料に、450μlのH
2O及び167μlの4×SDS Loading Dyeを加え、試料を95℃で5分間インキュベートした。加熱後、5μlの各試料をSDS−PAGEゲルに(3系列)負荷し、製造者のプロトコルに従ってゲルを泳動し、染色した。次いで、Typhoon Scanner(励起532nm、放出580nm、PMT感度400V)上でゲルを走査した。得られたバンドは、ImageQuant(5.2)ソフトウェアを使用して定量した。3つの反復実験強度の各々を平均化し、NLpep53−HTの平均強度を12×濃度として定義した。他の全てのペプチドの濃度をPep53−HTと比較した。
【0080】
実施例3
ペプチドの分析
実施例1〜2で作製した全てのペプチドは、ペプチド配列:GVTGWRLCKRISA(配列番号236)に対する単一の突然変異を含有していた。全てのペプチドをHALOTAGタンパク質(Promega Corporation)に融合した。「HT−NLpep」として特定されるペプチドは、ペプチドがHALOTAGタンパク質のC末端に位置することを示す。この場合、ペプチドをコードする遺伝子は、終止コドンを含むが、翻訳を開始するためのメチオニンは含まない。「NLpep−HT」として特定されるペプチドは、ペプチドがHALOTAGタンパク質のN末端に位置することを示す。この場合、ペプチドは、翻訳を開始するためのメチオニンを含むが、終止コドンは含まない。
【0081】
ペプチドが発光を活性化する能力を決定するために、KRX大腸菌細胞(Promega Corporation)の個々のコロニーを実施例1からのペプチドをコードするプラスミドで形質転換し、200μlの最少培地(1×M9塩、0.1mM CaCl
2、2mM MgSO
4、1mMチアミンHCl、1%ゼラチン、0.2%グリセロール、及び100μl/mlアンピシリン)に接種し、37℃で一晩増殖させた。ペプチドに加えて、NanoLucの残基1〜156の野生型(WT)断片を発現するKRX大腸菌細胞の培養液を増殖させた。全てのペプチド及びWT断片を、少なくとも3つの別個の培養液に接種した。
【0082】
1回目に一晩増殖させた後、10μlの培養液を190μlの新しい最少培地中に希釈し、再び37℃で一晩増殖させた。
【0083】
2回目に一晩増殖させた後、10μlの培養液を190μlの自己誘導培地(最少培地+5%グルコース及び2%ラムノース)中に希釈した。次いで、培養液を25℃で約18時間誘導した。
【0084】
誘導後、小さいペプチド変異体の培養液を活性についてアッセイした。WT 1−156断片を含有する培養液をプールし、10mlの2×Lysis Buffer(50mM HEPES pH7.4、0.3×Passive Lysis Buffer、及び1mg/mlリゾチーム)と混合し、室温で10分間インキュベートした。次いで、30μlの溶解WT 1−156培養液を白色の丸底96ウェルアッセイプレート(Costar 3355)のウェルにアリコートした。アッセイプレートのウェルに、20μlのペプチド培養液を加え、プレートを室温で10分間インキュベートした。インキュベーション後、50μlのNANOGLO Luciferase Assay Reagent(Promega Corporation)を加え、試料を室温で10分間インキュベートした。GLOMAXルミノメーター上で0.5秒の積分で発光を測定した。
【0085】
結果(表3及び
図1を参照)は、野生型非発光性ポリペプチドによる相補後に発光を変化させた(例えば、増加させた、減少させた)ペプチドにおける種々の突然変異(配列番号1と比較して)を示している。発光の増加は、非発光性ペプチドと非発光性ポリペプチドとの親和性、ペプチドの発現、細胞内溶解性、細胞内安定性、及び生物発光活性の5つの主要要因のうちの1つ(または組み合わせ)から生じると考えられ、これらのいずれも有益である。しかしながら、本発明は、いずれか特定の作用機序に限定されるものではなく、本発明を実施するために作用機序を理解することは必要ではない。
表3
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【0086】
実施例4
非発光性ポリペプチドの作製
pF4Ag−NanoLuc1−156(WT 1−156)を鋳型として用いて、Clontech のDiversify PCR Random Mutagenesis Kitを使用してエラープローンPCR(epPCR)を行った。得られたPCR産物をSgfI及びXbaIで消化し、T7及びCMVプロモーターを含有する市販のpF4Aベクター(Promega)の形態であるpF4Ag−Barnase(Promega Corporation)にライゲートし、大腸菌リボソーム−結合部位を含有するように修飾した。42℃の熱ショックによりKRX大腸菌細胞(Promega Corporation)中に形質転換した後、個々のコロニーを用いて透明な平底96ウェルプレート(Costar 3370)に200μlの培養液を接種した。
【0087】
実施例5
非発光性ポリペプチドの分析
実施例4で作製した非発光性ポリペプチド変異体の発光を決定するために、実施例4からの非発光性ポリペプチド変異体のうちの1つを含有するプラスミドで形質転換したKRX大腸菌細胞(Promega Corporation)の個々のコロニーを、実施例3で用いた手順に従って増殖させた。細菌培養液も実施例3で用いた手順に従って誘導した。
【0088】
各非発光性ポリペプチド変異体誘導培養液をアッセイするために、30μlのアッセイ溶解緩衝液(25mM HEPES pH7.4、0.3×Passive Lysis Buffer(Promega Corporation))、0.006U/μlのRQ1 DNase(Promega Corporation)、及びペプチド断片GVTGWRLCKRISA(配列番号18)またはGVTGWRLFKRISA(配列番号106)のいずれかを含有する1×ペプチド溶液(ペプチドの相対濃度は、実施例2で説明したように決定し、決定された相対濃度から、ペプチドを溶解緩衝液中1×に希釈した)を96ウェルアッセイプレート(Costar 3355)のウェルにアリコートした。アッセイプレートのウェルに、誘導した非発光性ポリペプチド変異体培養液20μlを加え、プレートを室温で10分間インキュベートした。インキュベーション後、50μlのNANOGLO Luciferase Assay Reagent(Promega Corporation)を加え、試料を室温で10分間インキュベートした。GLOMAXルミノメーター上で0.5秒の積分で発光を測定した。
【0089】
結果(表4及び
図2)は、2つの異なるペプチドで相補されると非発光性ポリペプチドの発光を改善する多数の点突然変異を示している。ペプチドにおける突然変異と同様に、非発光性ポリペプチドにおけるこれらの突然変異は、種々の要因から生じると考えられ、それらは皆、全体として系にとって有益である。
表4
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*表4中の単位はRLU(突然変異)/RLU(WT)である。
【0090】
実施例6
非発光性ポリペプチドにおけるグリシンからアラニンへの置換
以下の実施例では、改善された(例えば、より大きな発光シグナルの)非発光性ポリペプチドを提供するためにアラニンに置換することができる非発光性ポリペプチド中のグリシン残基を同定した。置換は、単独で(
図3を参照)、または複合的に(
図2)行われた。グリシンからアラニンへの置換を含有する非発光性ポリペプチドを、実施例1に記載されるように生成した。
【0091】
各単一の変異体コロニーを、200μlの最少培地(1×M9塩、0.1mM CaCl
2、2mM MgSO
4、1mMチアミンHCl、1%ゼラチン、0.2%グリセロール、及び1×アンピシリン)に接種し、37℃で20時間振盪しながらインキュベートした。次いで、10μlの培養液を190μlの新しい最少培地に加え、再び37℃で20時間振盪しながらインキュベートした。次いで、10μlの第2の培養液を190μlの自己誘導培地(最少培地+5%グルコース+2%ラムノース)に加え、25℃で18時間振盪しながらインキュベートし、非発光性ポリペプチドを発現させた。
【0092】
各変異体培養液をアッセイするために、30μlのアッセイ溶解緩衝液(50mM HEPES pH7.5、0.3×Passive Lysis Buffer(Promega Corporation))、及び非発光性ペプチド(NLpep9−HTの1:10希釈液(NLpep9は配列番号17及び18;HTはHaloTag大腸菌清澄化ライセート)を含有する0.006U/μlのRQ1 DNase(Promega Corporation))を加えた。試料を室温で10分間振盪し、次いで、50μlのNANOGLO Luciferase Assay Reagent(Promega Corporation)を加えた。試料を室温で10分間インキュベートし、GLOMAXルミノメーター上で0.5秒の積分で発光を測定した。
【0093】
NLpep9−HT大腸菌清澄化ライセートを作製するために、5mlのLBにNLpep9−HTの単一大腸菌コロニーを接種し、37℃で一晩インキュベートした。次いで、500μlの一晩培養液を50mlのLB中に希釈し、37℃で3時間インキュベートした。500μlの20%ラムノースを加え、25℃で18時間インキュベートした。発現培養液を3000xgで30分間遠心分離し、細胞ペレットを5mlのペプチド溶解緩衝液(25mM HEPES、pH7.5、0.1×Passive Lysis Buffer、1mg/mlリゾチーム、及び0.3U/μlのRQ1 DNase)中に再懸濁し、室温で10分間インキュベートした。溶解した試料をドライアイス上に15分間静置し、室温の水浴で融解し、3500xgで30分間遠心分離した。上清は清澄化ライセートであった。
【0094】
図3及び4は、突然変異が発光に及ぼす影響を示す。
【0095】
実施例7
非発光性ペプチドの突然変異
以下の実施例では、他の脂肪酸結合タンパク質(FABP)に対するアライメントに基づいて非発光性ペプチド中に突然変異を作製し、活性を保持する/向上させる突然変異を同定する(NLpep2、4、及び5等)、または突然変異がその位置で許容される可能性が低いことを立証する(NLpep3等)高い確率(FABPにおける頻度)に基づいて選択した。NLpep1〜5は、単一の突然変異を含有し(表1を参照)、NLpep6〜9は、NLpep2、4、及び5における突然変異の複合セットである(表1を参照)。実施例1に記載されるように変異体を作製した。
【0096】
各変異体コロニーを200μlの最少培地に接種し、37℃で20時間振盪しながらインキュベートした。次いで、10μlの培養液を190μlの新しい最少培地に加え、再び37℃で20時間振盪しながらインキュベートした。次いで、10μlの第2の培養液を190μlの自己誘導培地に加え、25℃で18時間振盪しながらインキュベートし、非発光性ペプチド変異体を発現させた。
【0097】
各変異体培養液をアッセイするために、30μlのアッセイ溶解緩衝液(50mM HEPES pH7.5、0.3×Passive Lysis Buffer(Promega Corporation))、及び非発光性ポリペプチド(1:10希釈の野生型非発光性ポリペプチド大腸菌清澄化ライセート)を含有する0.006U/μlのRQ1 DNase(Promega Corporation))を加えた。試料を室温で10分間振盪し、次いで、50μlのNANOGLO Luciferase Assay Reagent(Promega Corporation)を加えた。試料を室温で10分間インキュベートし、GLOMAXルミノメーター上で0.5秒の積分で発光を測定した。
図1は、各非発光性ペプチド変異体において検出された発光(RLU)を示す。この結果は、発光を大幅に損失することなく突然変異に耐えることができる種々の位置、及び発光を改善する数個の特異的な突然変異を示している。
【0098】
実施例8
融合タグの配向が発光に及ぼす影響
以下の例では、N末端またはC末端HaloTagタンパク質を有する非発光性ペプチドによって生成される発光を比較した。
【0099】
各ペプチド−HT融合体の単一コロニーを、実施例7で用いた手順に従って増殖させた。細菌培養液も実施例7で用いた手順に従って誘導した。実施例7で用いた手順に従って発光をアッセイし、検出した。
図6及び7は、各ペプチド−HT融合体において検出された発光(RLU)を示す。この結果は、NLpep1と同様の発光を生成する突然変異の組み合わせを示している。
【0100】
実施例9
複数の凍結融解サイクルが非発光性ペプチドに及ぼす影響
1mlのNLpep9−HTをドライアイス上で5分間凍結させ、次いで室温の水浴で5分間融解した。次いで、アッセイのために60μlを除去した。次いで、凍結融解手順をさらに10回繰り返した。各凍結融解サイクルの後、アッセイのために60μlを除去した。
【0101】
アッセイするために、20μlの各凍結融解試料を30μlの配列番号2と混合し、室温で10分間インキュベートした。50μlのNANOGLO Luciferase Assay Reagentを加え、試料を室温で10分間インキュベートした。GLOMAXルミノメーター上で0.5秒の積分で発光を測定した。その結果は、
図8に示され、活性(発光)を損失することなく、NLpepを複数の凍結融解サイクルに供することができることを示している。
【0102】
実施例10
非発光性ペプチドにおける突然変異の識別
以下の実施例では、発光を変化させる(例えば、発光の変化は、結合親和性の変化から生じ得る)突然変異から発現を変化させる突然変異を識別するために、TMRゲル分析を用いて非発光性ペプチド変異体の濃度を正規化した。
【0103】
5mlのLBに単一の変異体ペプチドコロニーを接種し、37℃で20時間振盪しながらインキュベートした。50μlの一晩培養液を5mlの新しいLB中に希釈し、37℃で3時間振盪しながらインキュベートした。次いで、50μlの20%ラムノースを加え、25℃で18時間振盪しながら誘導した。
【0104】
TMRゲル分析のために、79μlの各誘導培養液を10μlの10×Fast Break Lysis Buffer(Promega Corporation)、HALOTAG TMRリガンド(Promega Corporation)非発光性ポリペプチドの10μlの1:100希釈液、及び10μlのRQ1 DNaseと混合し、室温で10分間インキュベートした。33.3μlの4×SDS負荷緩衝液を加え、試料を95℃で5分間インキュベートした。15μlの各試料をSDSゲルに負荷し、製造者の指示に従って泳動させた。次いで、Typhoon上でゲルを走査した。各培養液をTMRゲルの強度に基づいて希釈し、濃度を正規化した。次いで、20μlの各希釈培養液を、非発光性ポリペプチド(1:10希釈の配列番号2大腸菌清澄化ライセート)を含有する30μlのアッセイ溶解緩衝液と混合し、室温で10分間振盪しながらインキュベートした。50μlのNANOGLO Luciferase Assay Reagentを加え、試料を室温で10分間インキュベートした。GLOMAXルミノメーター上で0.5秒の積分で発光を測定した(
図9を参照)。
【0105】
実施例11
非発光性ポリペプチドにおける部位飽和
以下の実施例では、野生型非発光性ポリペプチドにおけるランダム突然変異のライブラリをスクリーニングすることにより、11、15、18、31、58、67、106、149、及び157位を該当する部位として同定した。これらの位置にある20個全てのアミノ酸(5A2変異体における他の突然変異を検証するために実施例6で作製した5A2非発光性変異体(配列番号539及び540)に構築)を比較して、その位置における最適なアミノ酸を決定した。変異体非発光性ポリペプチドを実施例1で以前に記載したように作製した。各非発光性ポリペプチド変異体の単一コロニーを実施例6で用いた手順に従って増殖させた。細菌培養液も実施例6で用いた手順に従って誘導した。NLpep53大腸菌清澄化ライセートを1:11.85の希釈で使用したことを除いて、実施例6で用いた手順に従って発光をアッセイし、検出した。
図10〜18は、NLpepを用いた場合及び用いない場合に、突然変異が発光を生成する能力に及ぼす影響を示している。
【0106】
実施例12
非発光性ペプチドにおける第1のアミノ酸としてシステイン対プロリンの比較
以下の実施例では、非発光性ペプチドにおける第1のアミノ酸(必要なメチオニンの後)としてシステインまたはプロリンの使用の比較を行った。変異体非発光性ペプチドを実施例1で以前に記載したように作製した。各非発光性ポリペプチド変異体の単一コロニーを実施例7で用いた手順に従って増殖させた。細菌培養液も実施例7で用いた手順に従って誘導した。実施例7で用いた手順に従って発光をアッセイし、検出した。
図19は、システイン及びプロリンのどちらもNLpepの第1のアミノ酸として使用することができ、発光を生成することを示している。
【0107】
実施例13
非発光性ペプチドに最適な突然変異の複合セットの同定
以下の実施例では、非発光性ペプチドに最適な突然変異の複合セット(複数可)を同定した。変異体非発光性ペプチドを実施例1で以前に記載したように作製した。
1)非発光性ペプチド複合変異体NLpep53、NLpep66、NLpep67、及びNLpep68の場合、実施例10で用いた手順に従ってそれぞれの単一コロニーを増殖させた。細菌培養液も実施例10で用いた手順に従って誘導した。実施例10で用いた手順に従ってTMRゲル分析及び発光をアッセイし、検出した。
図20の結果は、複数の突然変異を含有するNLpepの発光及び大腸菌発現を示している。
2)非発光性ペプチド複合変異体NLpep53及びNLpep66〜74の場合、実施例7で用いた手順に従ってそれぞれの単一コロニーを増殖させた。細菌培養液も実施例7で用いた手順に従って誘導した。実施例7で用いた手順に従って発光をアッセイし、検出した。
図21の結果は、複数の突然変異を含有するNLpepの発光を示している。
3)非発光性ペプチド複合変異体NLpep53及びNLpep66〜76の場合、実施例7で用いた手順に従ってそれぞれの単一コロニーを増殖させた。細菌培養液も実施例7で用いた手順に従って誘導した。非発光性ポリペプチドが5A2または5A2+R11E(1:10希釈の大腸菌清澄化ライセート)であったことを除いて、実施例7で用いた手順に従って発光をアッセイし、検出した。
図22の結果は、5A2または5A2+R11Eを有する複数の突然変異を含有するNLpepの発光を示している。これらの結果はまた、NLpoly突然変異R11Eが9番目の残基としてEを含有するNLpep(NLpep72、75、及び76)で相補された場合に、より低い発光を示している。
4)非発光性ペプチド複合変異体NLpep1、NLpep69、NLpep78、及びNLpep79の場合、実施例7で用いた手順に従ってそれぞれの単一コロニーを増殖させた。細菌培養液も実施例7で用いた手順に従って誘導した。非発光性ポリペプチドがWT(1:10希釈の大腸菌清澄化ライセート)であったことを除いて、実施例7で用いた手順に従って発光をアッセイし、検出した。
図23の結果は、複数の突然変異を含有するNLpepの発光を示している。
【0108】
実施例14
複合非発光性ポリペプチド変異体
以下の実施例では、最適な複合セットを同定するために、ライブラリスクリーニングからの9個の突然変異を組み合わせて複合クローンとし(NLpoly1、配列番号941、942)、次いで、突然変異のうちの1つを元のアミノ酸(NLpoly2〜10、配列番号943〜960)に先祖返りさせた。NLpoly1〜10の以前の結果に基づいて、NLpoly11〜13(配列番号961〜966)を同じ目的のために設計及び試験した。変異体NLpolyを実施例1で以前に記載したように作製した。各非発光性ポリペプチド変異体の単一コロニーを実施例6で用いた手順に従って増殖させた。細菌培養液も実施例6で用いた手順に従って誘導した。NLpep53大腸菌清澄化ライセートを1:11.85の希釈で使用したことを除いて、実施例6で用いた手順に従って発光をアッセイし、検出した。
【0109】
図24は、複数の突然変異を含有するNLpolyの発光を示している。
【0110】
実施例15
非発光性ポリペプチド変異体の基質特異性
以下の実施例では、非発光性ポリペプチド変異体の基質特異性について調査する。発光複合体から発生した発光は、種々の非発光性ポリペプチド変異体、基質としてのフリマジンまたはセレンテラジンのいずれか、及び種々の非発光性ペプチドから形成された。
【0111】
HEK293細胞を、0.5mlのDMEM+10%FBS(50,000/ウェル)を含む24ウェルプレートのウェルに100,000細胞/mlでプレートした。37℃の5%CO
2インキュベータ内で細胞を一晩インキュベートした。各非発光性ポリペプチド変異体の発現のためのDNAを2系列でトランスフェクトした。非発光性ポリペプチド変異体を含有する1ugのプラスミドDNAをOptiMEM(Life Technologies)と混合して最終体積を52μlとした。3.3μlのFugene HD(Promega Corporation)を加え、試料を室温で15分間インキュベートした。25μlの各試料混合物を2つのウェルに加え、37℃、5%CO
2インキュベータ内で一晩インキュベートした。一晩インキュベーションした後、増殖培地を除去し、0.5mlのDMEM(フェノールレッド不含)+0.1%Prionexを加えた。次いで、ドライアイス上で細胞を凍結させ(どれくらい長く)、発光を検出する前に融解した。
【0112】
図25〜26において、NLpep53大腸菌清澄化ライセートを1:10の希釈で使用し、NanoGlo Luciferase Assay緩衝液またはDMEMのいずれか中のフリマジンまたはセレンテラジンのいずれかを使用したことを除いて、実施例6で用いた手順に従って発光をアッセイし、検出した。このデータは、基質としてのフリマジンまたはセレンテラジンのいずれかを含むNANOGLO及びDMEM中のNLpolyの発光を示している。これは、NANOGLO及びDMEMの両方におけるNLpolyの基質特異性(フリマジン対セレンテラジン)を示唆している。
【0113】
図27では、種々の非発光性ペプチド(NLpep1、NLpep9、NLpep48、NLpep53、NLpep69、またはNLpep76)からの大腸菌清澄化ライセートを1:10の希釈で使用したことを除いて、実施例6で用いた手順に従って発光をアッセイし、検出した。さらに、いずれかのNanoGlo Luciferase Assay緩衝液中にフリマジンまたはセレンテラジンのいずれかを使用した。このデータは、NLpoly/NLpep対の基質特異性を示している。
【0114】
図28において、DMEM+0.1% Prionex中に、NLpep53−HT融合体を1:10で、非発光性ポリペプチドライセートを1:10で別々に希釈することによって発光をアッセイし、検出した。次いで、20μlの非発光性ペプチド及び20μlの非発光性ポリペプチドを組み合わせ、室温で10分間インキュベートした。次いで、100uMフリマジンを含むNanoGlo Bufferまたは0.1% Prionex及び20uMフリマジンを含むDMEM40μlを試料に加え、GloMax Multi上で発光を検出した。このデータは、HEK293細胞で発現されるNLpolyの基質特異性を示している。
【0115】
図29では、DMEM+0.1% Prionex中に、NLpep1−HT、NLpep53−HT、NLpep69−HT、またはNLpep76−HT融合体を1:10で、非発光性ポリペプチドライセートを1:10で別々に希釈することによって発光をアッセイし、検出した。次いで、20μlの非発光性ペプチド及び20μlの非発光性ポリペプチドを組み合わせ、室温で10分間インキュベートした。次いで、100uMフリマジンを含むNanoGlo緩衝液または0.1% Prionex及び20uMフリマジンを含むDMEM40μlを試料に加え、GloMax Multi上で発光を検出した。このデータは、哺乳動物細胞で発現させ、種々のNLpepでアッセイしたNLpolyの発光を示している。
【0116】
実施例16
フリマジンまたはセレンテラジンを用いた場合の非発光性ポリペプチド変異体のシグナル対バックグラウンド
以下の実施例では、非発光性ポリペプチド変異体のシグナル対バックグラウンドを調べる。種々の非発光性ポリペプチド変異体から発生した発光を、フリマジンまたはセレンテラジンのいずれかを基質として使用して、種々の非発光性ペプチドを用いて測定した。
【0117】
HEK293細胞を、96ウェルプレートのウェルに100μlのDMEM+10% FBS中15,000細胞/ウェルでプレートした。37℃の5%CO
2インキュベータ内で細胞を一晩インキュベートした。OptiMem中31μlの最終体積となるように、非発光性ポリペプチド変異体及び非発光性ペプチド変異体プラスミドの発現のためのプラスミドDNAをそれぞれ0.66ug加えることにより、トランスフェクション複合体を調製した。2μlのFugene HDを各トランスフェクション複合体に加え、室温で15分間インキュベートした。各ペプチド/ポリペプチドの組み合わせに対して、5μlのトランスフェクション複合体を6ウェルの96ウェルプレートに加え、37℃のCO
2インキュベータ内で一晩増殖させた。一晩インキュベーションした後、増殖培地を除去し、20uMセレンテラジンまたは20uMフリマジンのいずれかを含有するCO
2非依存性培地と交換した。試料を37℃で10分間インキュベートし、GloMax Multi+上で1時間にわたり37℃で動態を測定した。
図30は、哺乳動物細胞でNLpolyを発現させた場合の種々のNLpoly/NLpep対の基質特異性を示している。
【0118】
実施例17
発光及び基質特異性
以下の実施例では、NLpep69を用いて、フリマジンまたはセレンテラジンのいずれかを基質として使用して、種々の非発光性ポリペプチド変異体の発光及び基質特異性を調べる。
【0119】
CHO細胞を96ウェルプレートのウェルに100μlのDMEM+10% FBS中20,000細胞/ウェルでプレートした。37℃の5%CO
2インキュベータ内で細胞を一晩インキュベートした。OptiMem中31μlの最終体積となるように、非発光性ポリペプチド変異体及び非発光性ペプチド変異体プラスミドの発現のためのプラスミドDNAをそれぞれ0.66ug加えることにより、トランスフェクション複合体を調製した。2μlのFugene HDを各トランスフェクション複合体に加え、室温で15分間インキュベートした。各ペプチド/ポリペプチドの組み合わせに対して、5μlのトランスフェクション複合体を6ウェルの96ウェルプレートに加え、37℃のCO
2インキュベータ内で一晩増殖させた。一晩インキュベーションした後、増殖培地を除去し、20uMセレンテラジンまたは20uMフリマジンのいずれかを含有するCO
2非依存性培地と交換した。試料を37℃で10分間インキュベートし、GloMax Multi+上で1時間にわたり37℃で動態を測定した。
図31は、NLpolyを哺乳動物細胞でNLpep69と同時発現させた場合の基質特異性を示す。
【0120】
実施例18
生細胞条件と溶解条件の間の発光及び基質特異性
以下の実施形態では、フリマジンまたはセレンテラジンのいずれかを基質として使用して、溶解条件または生細胞条件のいずれかの下で、NLpep69、NLpep78、またはNLpep79を用いて種々の非発光性ポリペプチド変異体の発光及び基質特異性を調べる。
【0121】
HEK293細胞を、96ウェルプレートのウェルに100μlのDMEM+10% FBS中15,000細胞/ウェルでプレートした。37℃の5%CO
2インキュベータ内で細胞を一晩インキュベートした。OptiMem中31μlの最終体積となるように、非発光性ポリペプチド変異体及び非発光性ペプチド変異体プラスミドの発現のためのプラスミドDNAをそれぞれ0.66ug加えることにより、トランスフェクション複合体を調製した。2μlのFugene HDを各トランスフェクション複合体に加え、室温で15分間インキュベートした。各NLpoly−NLpepの組み合わせに対して、5μlのトランスフェクション複合体を6ウェルの96ウェルプレートに加え、37℃のCO2インキュベータ内で一晩増殖させた。一晩インキュベーションした後、増殖培地を除去し、20uMセレンテラジンまたは20uMフリマジンのいずれかを含有するCO2-非依存性培地と交換した。試料を37℃で10分間インキュベートし、GloMax Multi+上で1時間にわたり37℃で動態を測定した。
図32〜34は、生細胞または溶解形式で、哺乳動物細胞でNLpep69、78、または79と同時発現させたNLpolyの基質特異性を示す。
【0122】
実施例19
大腸菌で発現させた非発光性ポリペプチド変異体の比較
各非発光性ポリペプチドの単一コロニーを実施例7で用いた手順に従って増殖させた。細菌培養液も実施例7で用いた手順に従って誘導した。1:1,000希釈のNLpep78−HTまたはNLpep79−HTを使用したことを除いて、実施例7で用いた手順に従って発光をアッセイし、検出した。
図35は、大腸菌で発現させ、NLpep78または79でアッセイしたNLpolyの発光を示している。
【0123】
実施例20
相補的な非発光性ペプチドを用いずに、非発光性ポリペプチドクローンが発光を生成する能力
各非発光性ポリペプチドの単一コロニーを実施例7で用いた手順に従って増殖させた。細菌培養液も実施例7で用いた手順に従って誘導した。アッセイ緩衝液に非発光性ペプチドを加えなかったことを除いて、実施例7で用いた手順に従って発光をアッセイし、検出した。
図36は、大腸菌で発現させ、NLpepの非存在下でアッセイしたNLpolyの発光を示している。
【0124】
実施例21
大腸菌で発現させた非発光性ポリペプチド変異体の基質特異性
各非発光性ポリペプチドの単一コロニーを実施例7で用いた手順に従って増殖させた。細菌培養液も実施例7で用いた手順に従って誘導した。フリマジンまたはセレンテラジンのいずれかをNANOGLO Assay Bufferと混合したことを除いて、実施例で用いた手順に従って発光をアッセイし、検出した。
図37は、大腸菌で発現させ、NLpep78または79でアッセイしたNLpolyの基質特異性を示している。
【0125】
実施例22
NLpep78による非発光性ポリペプチド変異体の発光の改善
NLpep78−HTを用いた場合の非発光性ポリペプチド変異体の相補性をCHO及びHeLa細胞において実証した。
【0126】
24ウェルプレートのウェル中、CHO及びHeLa細胞(CHO:トランスフェクションの前日に100,000個をプレート;Hela:トランスフェクションの前日に50,000個をプレート)を、Fugene HDを使用して5ngの非発光性ポリペプチド変異体5A2もしくは5Pまたは野生型非発光性ポリペプチドでトランスフェクトし、37℃で一晩インキュベートした。一晩インキュベーションした後、培地をフェノールレッド不含DMEMと交換し、−80℃で30分間細胞を凍結させた。次いで、細胞を融解し、1.5ml試験管に移した。次いで、細胞ライセートをフェノールレッド不含DMEM中に1:10で希釈し、20μlをNLpep78(フェノールレッド不含DMEM中に1:1,000で希釈したNLpep78−HT7大腸菌ライセート)と混合し、室温で10分間振盪した。40μlのフェノールレッド不含DMEM及び20uMフリマジンを加え、GloMax上で0.5秒の積分で発光を測定した。
図38は、哺乳動物細胞で発現させ、NLpep78でアッセイしたNLpolyの発光を示している。
【0127】
実施例23
非発光性ポリペプチド融合体、及び非発光性ポリペプチド濃度の正規化
例えば、発現、溶解性、及び/または安定性において、どれくらいの利益が、非発光性ポリペプチドの濃度及び融合非発光性ポリペプチドとしての相補性に起因するかの洞察を提供するために、ホタルルシフェラーゼ(
図39)またはコメツキムシ赤色ルシフェラーゼ(
図40)のいずれかに融合した非発光性ポリペプチドからの元の発光及び正規化した発光の比較を行った。
【0128】
実施例22の手順に従って、HEK293、Hela、またはCHO細胞を5ngの5P NLpoly−ホタルルシフェラーゼ融合体、5P NLpoly−コメツキムシルシフェラーゼ融合体、野生型5P−ホタルルシフェラーゼ融合体、または野生型5P−コメツキムシルシフェラーゼ融合体でトランスフェクトした。ライセートも実施例22に従って調製した。次いで、細胞ライセートをフェノールレッド不含DMEM中に1:10で希釈し、20μlをNLpep78(フェノールレッド不含DMEM中に1:1,00で希釈;大腸菌ライセート)と混合し、室温で10分間振盪した。20uMフリマジンまたはBright−Glo(Promega Corporation)を含む40μlのNanoGloを加え、GloMax上で0.5秒の積分で発光を測定した。
図39及び40は、哺乳動物細胞で発現させ、NLpep78でアッセイした5P対WT NLpolyの特異的活性を示している。
【0129】
実施例24
生細胞における相補性
この実施例は、野生型または5P NLpolyのいずれかを使用して、生細胞における相補性を実証する。96ウェルプレートのウェルにプレートしたHeLa細胞を、Fugene HDを使用して0.5ngの野生型または5P非発光性ポリペプチドプラスミドDNAでトランスフェクトし、37℃で一晩インキュベートした。一晩インキュベーションした後、Fugene HDを使用して0.5ngのNLpep78−HTプラスミドDNAで細胞をトランスフェクトし、37℃で3時間インキュベートした。次いで、培地をCO
2非依存性培地+0.1% FBS及び20uM PBI−4377と交換し、GloMax上で0.5秒の積分で発光を測定した。
図41は、5PまたはWT NLpolyとNLpep78との間の生細胞相補性を示している。
【0130】
実施例25
生細胞抽出物における相補性
生細胞抽出物における相補性を実証するために、0.5ugのNLpep78−HT及び0.5ugの非発光性ポリペプチド変異体プラスミドDNAを、TNTウサギ網状赤血球ライセートマスターミックス(Promega Corporation)と混合し、30℃で1時間インキュベートした。25μlの無細胞発現抽出物を25μlのNanoGlo Luciferase Assay試薬と混合し、室温で10分間インキュベートした。GloMax上で0.5秒の積分で発光を測定した。
図42は、無細胞形式で発現させた相補性NLpoly/NLpep対からの発光を示している。
【0131】
実施例26
合成非発光性ペプチドを用いた場合の、哺乳動物細胞で発現させた非発光性ポリペプチドの結合親和性
非発光性ポリペプチド及び非発光性ペプチド対間の結合親和性を実証するために、以前に記載したようにHela、HEK293、及びCHO細胞から非発光性ポリペプチドライセートを調製し、PBS+0.1% Prionex中に1:10で希釈した。PBS+0.1% Prionex中に非発光性ペプチド(合成)の4倍濃縮物を作製した。20μlの非発光性ポリペプチドライセートを20μlの非発光性ペプチドと混合し、室温で10分間振盪した。フリマジンを含む40μlのNanoGlo Luciferase Assay ReagentまたはPBS+0.1% Prionexを加え、室温で10分間振盪した。GloMax上で0.5秒の積分で発光を測定した。Graphpad Prism、1サイト特異的結合を使用してKd値を決定した。
図43及び44は、種々の緩衝液条件下で測定した解離定数を示す(相補性にPBS、次いで検出にNanoGlo、相補性及び検出にPBS、相補性及び検出にNanoGlo)。
【0132】
実施例27
非発光性ペプチド変異体においてシステインをフェニルアラニンに突然変異させた場合の結合親和性の改善
ペプチドの8番目の残基に突然変異させたシステインを有する非発光性ペプチド変異体において改善された結合親和性を実証するために、以前に記載したようにHela、HEK293、及びCHO細胞からの非発光性ポリペプチド変異体ライセートを調製し、PBS+0.1% Prionex中に1:10で希釈した。PBS+0.1% Prionex+10mM DTT中に非発光性ペプチド(NLpep)の4倍濃縮物を作製した。20μlの非発光性ポリペプチドライセートを20μlの非発光性ペプチドと混合し、室温で10分間振盪した。40μlのNanoGlo Luciferase Assay Reagentを加え、室温で10分間振盪した。GloMax上で0.5秒の積分で発光を測定した。
図45は、NLpep C8F突然変異が5Pに対する結合親和性を著しく改善することを示している。
【0133】
実施例28
非発光性ペプチドを用いない場合のHeLa細胞におけるポリペプチド変異体の検出可能な発光
非発光性ペプチドを用いない場合の非発光性ポリペプチドにおける発光を実証するため、96ウェルプレートのウェル中でHeLa細胞(トランスフェクションの前日に10,000個をプレート)を、Fugene HDを使用して様々な量の非発光性ポリペプチド+pGEM−3zf Carrier DNAでトランスフェクトして総量50ngとし、37℃で一晩インキュベートした。インキュベーション後、培地をCO
2非依存性培地+0.1% FBS+20uMフリマジンと交換し、37℃で10分間インキュベートし、GloMax上で0.5秒の積分で発光を測定した。
図46は、種々の量のプラスミドDNAでトランスフェクションした後の、NLpepを用いない場合の生HeLa細胞におけるNLpoly WTまたは5Pの発光を示している。
【0134】
実施例29
さらなる非発光性ポリペプチド変異体の作製
さらなる非発光性ポリペプチド変異体:Ile−11(残基11のIle)、Val−11、Tyr−11、Glu−11、Glu−157、Pro−157、Asp−157、Ser−157、Met−149、Leu−106、NLpoly11、及びNLpoly12を以下に記載するように作製し、それらの発現を分析した。5A2非発光性ポリペプチドのバックグラウンドにおいてさらなる非発光性ポリペプチド変異体を作製した。
【0135】
各さらなる非発光性ポリペプチド変異体の新しい個々のコロニー(KRX)を採取し、LB+アンピシリン(100ug/ml)中30℃で一晩増殖させ、次いでLB+アンピシリン中に1:100で希釈し、37℃で2.5時間増殖させた(OD600〜0.5)。最終濃度が0.2%になるようにラムノースを加え、細胞を3系列で分割し、25℃で約一晩(約18時間)増殖させた。0.5X Fast Breakを使用して周囲温度で30分間細胞を溶解し、ドライアイス上で瞬間凍結させ、−20℃で保存した。10Kで15分間4℃で遠心分離することにより可溶画分を調製した。Tecan Infinite F−500ルミノメーター上で試料を発光についてアッセイした。
【0136】
図49は、SDS−PAGEによって分析した各非発光性ポリペプチド変異体の全ライセート及び可溶性断片を示す。このデータは、さらなる非発光性ポリペプチド変異体の発現、溶解性、及び安定性に関する情報を提供する。さらなる非発光性ポリペプチド変異体の大多数が野生型よりも多くのタンパク質(総タンパク質及び可溶性タンパク質)を生成したが、多くの場合、その差はわずかである。NLpoly11及びNLpoly12の発現の改善はより顕著であった。
【0137】
実施例30
さらなる非発光性ポリペプチド変異体のバックグラウンド発光
実施例29で作製したさらなる非発光性ポリペプチド変異体のバックグラウンド発光を、25μlの非発光性ポリペプチド変異体ライセートを25μlのDMEMとともに室温で10分間インキュベートすることにより測定した。次いで、50μlのNanoGlo Luciferase Assay Reagentを加え、Tecan Infinite F500上で5分及び30分に発光を測定した。NLpep53(Pep 53)単独及びDMEM(DMEM)単独を対照として用いた。
図47は、さらなる非発光性ポリペプチド変異体の大多数がバックグラウンド発光の上昇を示したことを示している。
【0138】
実施例31
相補後のさらなる非発光性ポリペプチド変異体の発光
25μlの非発光性ポリペプチド変異体ライセートを25μlのNLpep−53とともに室温で10分間インキュベートすることにより、実施例28で作製したさらなる非発光性ポリペプチド変異体の発光を測定した。次いで、50μlをNanoGlo Luciferase Assay Reagentを加え、Tecan Infinite F500上で5分及び30分に発光を測定した。NLpep53(Pep 53)単独及びDMEM(DMEM)単独を対照として用いた。
図48は、非発光性ポリペプチド変異体Val−11、Glu−11、Glu−157、Pro−157、Asp−157、Ser−157、及びMet−149が、親5A2よりも著しく多くの発光を生成したことを示している。
【0139】
実施例32
非発光性ペプチドの非存在下における非発光性ポリペプチドのバックグラウンド発光の増加と、可溶画分中のタンパク質の量との間の相関
非発光性ポリペプチド変異体3P、3E、5P、5E、6P、及び6Eの個々のコロニーを採取し、LB+アンピシリン中30℃で一晩増殖させ、LB+アンピシリン中に1:100で希釈し、37℃で2.5時間増殖させた(OD600〜0.5)。最終濃度が0.2%になるようにラムノースを加え、細胞を3系列で分割し、25℃で一晩(約18時間)増殖させた。0.5X Fast Breakを使用して周囲温度で30分間細胞を溶解し、ドライアイス上で瞬間凍結させ、−20℃で保存した。迅速に融解し、10Kで15分間4℃で遠心分離することにより可溶画分を調製した。Tecan Infinite F−500ルミノメーター上で試料を発光についてアッセイした。
図50Aは、各非発光性ポリペプチド変異体の全ライセート及び可溶性断片を示す。
図50Bは、各非発光性ポリペプチド変異体のバックグラウンド発光を示す。
図51は、LB培地中で10または100nMのNLpep78(NVSGWRLFKKISN)で相補した場合に、各非発光性ポリペプチド変異体を用いて生成した発光を示す。
【0140】
実施例33
非発光性ポリペプチドの伸長及び欠失
5PのC末端における残基VAT、AA、VTG、VT、VTGWR、VTGW、V、A、VA、GG、AT、GTA、ATG、もしくはGTの付加、または1〜7つの残基の欠失のいずれかによって、非発光性ポリペプチド変異体5PをC末端で伸長した:例えば、D1=1つの残基の欠失、D2=2つの残基の欠失等。大腸菌ライセートにおけるバックグラウンド発光(
図52)及びNLpep78による相補後に発生した発光(
図53;NVSGWRLFKKISN)またはNLpep79(
図54;NVTGYRLFKKISN)を測定した。
図55は、非発光性ポリペプチド5P変異体のシグナル対バックグラウンドを示す。
図56は、発光の結果の培養を提供する。
図57は、各非発光性ポリペプチド5P変異体中の全ライセート及び可溶性断片の量を示す。
【0141】
実施例34
5P及びI107L非発光性ポリペプチド変異体の比較
図58は、5P及びI107Lの全ライセート及び可溶性断片の量(A)、非発光性ペプチドを用いない場合、またはNLpep78もしくはNLpep79を用いた場合に5PもしくはI107Lによって発生した発光(B)、及び5Pよりも改善されたI107Lのシグナル対バックグラウンド(C)を示している。
【0142】
実施例35
5P非発光性ポリペプチド変異体の作製
5P非発光性ポリペプチド変異体におけるランダム突然変異のスクリーニングで同定された突然変異を以前に記載したように作製した。各単一の5P非発光性ポリペプチド変異体コロニーを200μlの最少培地に接種し、37℃で20時間振盪しながらインキュベートした。次いで、10μlの培養液を190μlの新しい最少培地に加え、37℃で20時間振盪しながら再びインキュベートした。次いで、10μlの第2の培養液を190μlの自己誘導培地(最少培地+5%グルコース+2%ラムノース)に加え、25℃で18時間振盪しながらインキュベートし、非発光性ポリペプチド変異体を発現させた。10μlの5P非発光性ポリペプチド変異体の発現培養液をNLpep78−HT(1:386希釈)またはNLpep79−HT(1:1,000希釈)を含有する40μlのアッセイ溶解緩衝液に加え、室温で10分間振盪した。100uMセレンテラジンを含有する50μlのNanoGlo Assay Bufferを加え、室温で10分間振盪した。GloMax上で0.5秒の積分で発光を測定した。
図59〜62Aは、バックグラウンド発光を示し、
図59〜62B及びCは、NLpep78またはNLpep79による相補後に発生した発光を示す。
【0143】
実施例36
伸長型非発光性ポリペプチド変異体と欠失型非発光性ペプチドとの結合親和性
伸長型非発光性ポリペプチド変異体(すなわち、C末端に付加されたアミノ酸を含有する)と欠失型非発光性ペプチド(すなわち、N末端のアミノ酸が欠失した)との結合親和性。
【0144】
以前に記載したように調製された非発光性ポリペプチド5P/+V/+VT/+VTGを発現する大腸菌のライセートをPBS+0.1% Prionex中1:2000で希釈した。25μlの希釈したライセートを、25μlのNLpep78、NLpep80、NLpep81、またはNLpep82(希釈緩衝液中0〜500nMに希釈)とともに室温で5分間インキュベートした。NanoGlo Assay Bufferで1Xに希釈した50μlのフリマジンを各試料に加え、室温で10分間インキュベートした。GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を測定した。
図63は、C末端に付加されたアミノ酸を有するNLpolyとN末端からアミノ酸を欠失させたNLpepとの結合親和性を示している。
【0145】
実施例37
大腸菌で発現させた非発光性ポリペプチドと合成非発光性ペプチドとの結合親和性
非発光性ポリペプチドLBライセートを調製し、PBS+0.1% Prionex中に1:100で希釈した。PBS+0.1% Prionex中にNLpep78の2倍希釈液を作製した。25μlの希釈した非発光性ポリペプチドライセートを非発光性ペプチドの各希釈液25μlと混合し、周囲温度で3分間インキュベートした。50μlのNanoGlo Luciferase Assay Reagentを加え、室温で5分間インキュベートし、GloMax Multi+上で発光を測定した。
図64は、1サイト特異的結合を使用して算出したKd値を示す。
【0146】
実施例38
哺乳動物細胞中で発現させた5P非発光性ポリペプチドとNLpep80またはNLpep87との結合親和性
NLpoly 5Pを発現するCHO、HEK293T、またはHeLa細胞のライセートを希釈緩衝液(PBS+0.1%Prionex)中に1:1000で希釈した。25μlの希釈ライセートを、25μlのNLpep80/87(希釈緩衝液中で0〜5μMに希釈)とともに室温で5分間インキュベートした。50μlのフリマジン(NanoGlo緩衝液で1Xに希釈)を各ウェルに加え、プレートを室温で10分間インキュベートした。次いで、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を読み取った(
図65)。
【0147】
実施例39
大腸菌中で発現させた5P非発光性ポリペプチドとNLpep80またはNLpep87との結合親和性
NLpoly 5Pを発現する大腸菌のライセートを希釈緩衝液(PBS+0.1%Prionex)中に1:2000で希釈した。25μlの希釈ライセートを、25μlのNLpep80/87(希釈緩衝液中で0〜5μMに希釈)とともに室温で5分間インキュベートした。50μlのフリマジン(NanoGlo緩衝液で1Xに希釈)を各ウェルに加え、プレートを室温で10分間インキュベートした。次いで、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を読み取った(
図66)。
【0148】
実施例40
欠失非発光性ポリペプチドと伸長型非発光性ペプチドとの間の相補性
欠失非発光性ポリペプチド(すなわち、C末端からアミノ酸を欠失させた)と、伸長型非発光性ペプチド(すなわち、N末端にアミノ酸を付加した)との相補を行った。実施例6で以前に記載したようにNLpep−HT大腸菌清澄化ライセートを調製した。HaloTag融合を介してNLpep−HTの量を定量した。端的に述べると、10μlの清澄化ライセートを10μlのHaloTag−TMRリガンド(1:100に希釈)及び80μlの水と混合し、室温で10分間インキュベートした。33.3μlの4×SDS Loading Bufferを加え、95℃で5分間インキュベートした。15μlをSDS−PAGEゲルに負荷し、Typhoon上で画像化した。SDS−PAGEゲルからの強度に基づいて、非発光性ペプチドをPBS+0.1% Prionex非発光性ペプチドに希釈して当量濃度とした。次いで、非発光性ポリペプチドライセートをPBS+0.1% Prionex中に1:100で希釈した。20μlの希釈した非発光性ポリペプチドを20μlの希釈した非発光性ペプチドと混合し、室温で10分間振盪した。40μlのNanoGlo Luciferase Assay Reagentを加え、室温で10分間振盪した。GloMax上で0.5秒の積分を用いて発光を測定した。
図67は、C末端からアミノ酸を除去したNLpolyと、N末端にアミノ酸を有するNLpepの発光を示している。
【0149】
実施例41
HeLa細胞で発現させた5P非発光性ポリペプチドとNLpep78または切断NLpep78(NLpep80−87)との結合親和性
以前に記載したように5P非発光性ポリペプチドライセートをHeLa細胞から調製し、PBS+0.1% Prionex中に1:10で希釈調製した。非発光性ペプチド(合成ペプチド;ペプチド2.0(Virginia)による;5、10、または20mgスケールのいずれかで作製;アセチル化及びアミド化によって末端をブロックし、正味ペプチド含有量の分析によって確認)の4倍濃縮物(予備滴定実験で範囲を決定)をPBS+0.1% Prionex中に調製した。20μlの5P非発光性ポリペプチドを20μlの非発光性ペプチドと混合し、室温で10分間振盪した。40μlのNanoGlo Luciferase Assay Reagentを加え、室温で10分間振盪した。GloMax上で0.5秒の積分で発光を測定した。
図68は、5PとNLpep78の切断型との結合親和性及び対応する発光を示している。N末端、C末端から1つのアミノ酸が除去された時、または各末端から1つのアミノ酸が除去された時に結合親和性が増加する。いずれかの末端から1つ以上のアミノ酸を除去することにより親和性が低下するが、必ずしもVmaxを同じ程度低下させるとは限らない。
【0150】
実施例42
伸長型非発光性ポリペプチドと切断非発光性ペプチドとの結合親和性
伸長型非発光性ポリペプチド(すなわち、C末端に2つの余分なアミノ酸を有するポリペプチド)と切断非発光性ペプチド(すなわち、N末端から2つのアミノ酸を除去したペプチド(NLpep81))との結合親和性を決定した。
【0151】
非発光性ポリペプチドライセートを以前に記載したように調製し、PBS+0.1% Prionex中に1:100で希釈調製した。PBS+0.1% Prionex中にNLpep81(合成ペプチド;ペプチド2.0(Virginia)による;5、10、または20mgスケールのいずれかで作製;アセチル化及びアミド化によって末端をブロックし、正味ペプチド含有量の分析によって確認)の2倍希釈液を調製した。25μlの非発光性ポリペプチドを25μlの各非発光性ペプチド希釈液と混合し、室温で3分間振盪した。50μlのNanoGlo Luciferase Assay試薬を加え、室温で5分間振盪した。GloMax Multi上で0.5秒の積分で発光を測定した。
図69は、1サイト特異的結合を使用して算出したKd値を示す。
【0152】
実施例43
伸長型非発光性ポリペプチドと節間非発光性ペプチドとの結合親和性
伸長型非発光性ポリペプチド(すなわち、C末端に3つの余分なアミノ酸を有するポリペプチド)と切断非発光性ペプチド(すなわち、N末端から3つのアミノ酸を除去したペプチド(NLpep82))との結合親和性を決定した。
【0153】
非発光性ポリペプチドライセートを調製し、PBS+0.1% Prionex中に1:100で希釈調製した。PBS+0.1% Prionex中にNLpep82(合成ペプチド;ペプチド2.0(Virginia)による;5、10、または20mgスケールのいずれかで作製;アセチル化及びアミド化によって末端をブロックし、正味ペプチド含有量の分析によって確認)の2倍希釈液を調製した。25μlの非発光性ポリペプチドを25μlの各非発光性ペプチド希釈液と混合し、室温で3分間振盪した。50μlのNanoGlo Luciferase Assay試薬を加え、室温で5分間振盪した。GloMax Multi上で0.5秒の積分で発光を測定した。
図70は、1サイト特異的結合を使用して得たKd値を示す。
【0154】
実施例44
大腸菌で発現させた非発光性ポリペプチドクローンと合成NLpep78との結合親和性
非発光性ポリペプチド変異体をM9最少培地で増殖させた。個々のコロニーを接種し、37℃で一晩増殖させた。試料をM9最少培地中に1:20で希釈し、37℃で一晩増殖させた。試料をM9誘導培地中に再び1:20で希釈し、25℃で一晩増殖させた。試料をプールし、100μlのプールした細胞を400μlのPLB溶解緩衝液で溶解し、室温で10分間インキュベートした。ライセートをPBS+0.1% Prionex中に1:100で希釈した。PBS+0.1% Prionex中に合成NLpep78の2倍希釈液を作製した。25μlの非発光性ポリペプチド希釈液を25μlの各非発光性ペプチド希釈液と混合し、室温で3分間インキュベートした。50μlのNanoGlo Luciferase Assay Reagentを加え、室温で5分間インキュベートし、GloMax Multi+上で発光を読み取った。
図71は、1サイト特異的結合を使用して得たKd値を示す。
【0155】
実施例45
突然変異がKmに及ぼす影響の決定
実施例11からの希釈したプールライセートを使用して、25μlの非発光性ポリペプチド希釈ライセート(PBS+0.1% Prionex中1:100)を各試料につき25μlの500nM NLpep78と混合し、室温で5分間インキュベートした。NanoGlo Luciferase Assay Buffer中にフリマジンの2倍希釈液を調製し、50μlの非発光性ペプチド及び非発光性ポリペプチド試料を50μlのNanoGlo/フリマジン希釈液と混合した。インキュベーションの5分後に、室温で発光を測定した。
図72は、ミカエリスメンテンを使用して得た算出Kmを示す。
【0156】
実施例46
3つの成分の相補性の証明
2つのNLpepとNLpoly5P非発光性ポリペプチドを使用した三次相補性を実証する。NLpoly 5P−B9(残基147−157を欠失させた5P)及びNLpep B9−HT(HT7のN末端にMet+残基147−157が融合)ライセートを調製した。
【0157】
A)NLpep78を用いたNLpoly 5P−B9+NLpoly B9の滴定
NLpoly 5P−B9+NLpoly B9をNLpep78を用いて滴定した。20μlの5P−B9(未希釈)を20μlのペプチドB9−HT(未希釈)と混合した。PBS+0.1% Prionex中にNLpep78の希釈液(合成ペプチド、最高濃度=100uM)を作製した。20μlのNLpep78を40μlの5P−B9+ペプチドB9−HT混合物に加え、室温で10分間振盪した。60μlのNanoGlo Luciferase Assay Reagentを加え、室温で10分間振盪した。GloMax Multi上で0.5秒の積分で発光を測定した。
【0158】
B)NLpepB9−HTを用いたNLpoly 5P−B9+NLpep78の滴定
20μlのNLpoly 5P−B9(未希釈)を20μlのNLpep78(100uM)と混合した。PBS+0.1% Prionex中にペプチドB9−HT(最高濃度=未希釈)の希釈液を作製した。20μlのペプチドB9−HTを40μlの5P−B9+NLpep78混合物に加え、室温で10分間振盪した。60μlのNanoGlo Luciferase Assay Reagentを加え、室温で10分間振盪した。GloMax Multi上で0.5秒の積分で発光を測定した。
【0159】
図73は、2つの異なるNLpep及び切断NLpolyからなる三元系の実現可能性を示している。3つ全ての成分が、他の2つがないと非発光性であるため、この系は、各NLpepを(合成的にまたは遺伝子操作で)結合部分及び高濃度で使用される切断NLpolyに融合して、結合部分間に相互作用が存在する場合にのみ光を生成するように、または3つの成分の各々を結合部分に融合し、三元複合体が形成した場合にのみ光を生成するように構成することができる。
【0160】
実施例47
NLpep88を用いた場合の相補性(6番目の残基としてアルギニンの代わりにグリシン含むNLpep78)
NLpep88−HT及び5P大腸菌清澄化ライセートを以前に記載したように調製した。PBS+0.1% Prionex中にNLpep88−HTライセートの段階希釈液を作製した。20μlの5Pライセートを20μlのNLpep88−HTライセートと混合し、室温で10分間振盪した。40μlのNanoGlo Luciferase Assay Reagentを加え、室温で10分間振盪した。GloMax Multi上で0.5秒の積分で発光を測定した。
図74は、NLpepの6番目の位置におけるアルギニン残基の重要性を示している。低濃度のNLpep88では5P単独を超える発光の増加は見られないが、高濃度のNLpepは発光を増加させたことから、触媒的に損なわれた複合体を示唆するものであって、5PとNLpep88との相互作用の欠落を示唆するものではない。
【0161】
実施例48
HaloTagへのN末端融合体としてのNLpep78及び79の細胞内局在化
U2OS細胞をプレートし、37℃で一晩放置して回収した。次いで、HaloTag単独のDNA構築物またはHaloTag−NanoLucペプチドDNA構築物で細胞をトランスフェクトした(全てCMVプロモーターの制御下):FuGENE HDを使用して担体DNA(pSI)でP1−HT、P78−HT、またはP79−HTを1:10に希釈し、37℃で24時間インキュベートした。次いで、製造者の標準的な迅速標識プロトコルによりHaloTag−TMRリガンドで細胞を標識し、画像化した。
図75は、NLpep78及び79がHaloTagタンパク質の細胞内局在化を変化させないことを示している。
【0162】
実施例49
非発光性ポリペプチド(WT及び5P)の細胞内局在化
U2OSをプレートし、37℃で一晩放置して回収した。細胞は、非トランスフェクション対照として維持するか、またはNanoLuc DNA構築物でトランスフェクトするかのいずれかとした:FuGENE HDを使用して担体DNA(pSI)でFL、NLpoly(野生型)、またはNLpoly(5P)を1:10に希釈し、室温で24時間インキュベートした。細胞を固定し、続いてICCのために処理した。ICCは、1:5000のGS(PRO)一次抗体を4℃で一晩使用し、続いて、Alexa488ヤギ抗ウサギ二次抗体を使用して行った。
図76は、NLpoly WT及びNLpoly 5Pの両方が細胞内で均一に局在化したことを示している。
【0163】
実施例50
非発光性ポリペプチドは、対象となるタンパク質にコンジュゲートされた非発光性ペプチドを容易にかつ迅速に検出できることの証明
99μlのNLpep53−HT大腸菌清澄化ライセートを24.75μlの4×SDS負荷緩衝液と混合した。ライセート−負荷緩衝液混合物の1:10の段階希釈液を作製し、95℃で5分間インキュベートした。15μlをSDS−PAGEゲルに負荷した。ゲルが完成した後、iBlotを使用してPVDFに移し、室温の10mLのNLpoly L149M大腸菌清澄化ライセートで30分間洗浄した。次いで、LAS4000イメージャー上に膜を配置し、2mLのNanoGlo(登録商標)Luciferase Assay Reagentを加えた。60秒の曝露を行った(
図77)。
【0164】
実施例51
5Pに関連する非発光性ポリペプチドの位置31、46、108、144、及び157における部位飽和
下の表5による部位でNLpoly5P(pF4Agベクターバックグラウンド)に単一のアミノ酸変化を有する変異体を構築した。実際には、天然残基は、全部で95個の変異体の19個の代替アミノ酸の各々と異なっていた。
表5
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【0165】
個々のコロニーをLB+amp中で増殖させ、30℃で一晩インキュベートした。5P対照も含まれていた。一晩培養液を用いて新しいLB+amp(1:100)に接種し、これらの培養液を37℃で2時間45分増殖させた。ラムノースを0.2%まで加え、増殖させる/誘導するために25℃で一晩培養液を放置した。18時間の誘導後、0.5XFastBreakを使用して(周囲温度で30分)細胞を溶解し、ドライアイス上で瞬間凍結させ、−20℃で保存した。迅速に融解した後、Pep87(NLpep87としても知られる)の非存在下及び存在下で試料をアッセイした。
【0166】
(−)ペプチド反応の場合、30uLのライセートを30uLのPBS(pH7.5)とともに10分間インキュベートし、次いで、60uLのNanoGlo(登録商標)Luciferase Assay試薬(Promega Corporation)を加えた。5分後に発光を測定した。(+)ペプチド反応の場合、30uLのライセートを30uLの8nM Pep87とともにインキュベートした。10分後、60uLのNanoGlo(登録商標)Luciferase Assay試薬を加え、5分で発光を測定した。
【0167】
(−)ペプチド試料の発光(RLU)データを5P対照の読み取り値に対して正規化し、これらの結果を
図78に提示する。(+)ペプチド試料の発光(RLU)データも5Pに対して正規化したが、次いで、シグナル対バックグラウンド(S/B;
図79)を表すために
図76の値に対しても正規化した。
【0168】
実施例52
タンパク質の精製/プルダウンのためのNLpolyとNLpepとの間の高親和性の使用
MAGNEHALOTAGビーズ(Promega Corporation;G728A)を以下のように平衡化した。
a)1mLのビーズを約30秒間磁石の上に静置し、緩衝液を除去した;b)ビーズを磁石から除去し、1mLのPBS+0.1% Prionex中に再懸濁し、室温で5分間振盪した;c)ステップa)及びb)をさらに2回繰り返した。1mLのNLpep78−HT清澄化ライセート中にビーズを再懸濁することによってNLpep78−HaloTag(大腸菌清澄化ライセート)をMAGNEHALOTAGビーズに結合させ、室温で1時間振盪し、約30秒間磁石の上に静置した。ライセート(素通り画分)を除去し、分析のために保存した。1.5mLの8Sライセート中にビーズを再懸濁することによって、NLpoly 8S(大腸菌清澄化ライセート)を上記ステップからのNLpep78結合−MagneHaloTagビーズに結合させ、室温で1時間振盪し、約30秒間磁石の上に静置した。ライセート(素通り画分)を除去し、分析のために保存した。1mLのPBS+0.1% Prionex中にビーズを再懸濁し、室温で5分間振盪し、約30秒間磁石の上に静置し、PBS(洗浄)を除去した。ビーズをさらに3回洗浄した。
【0169】
結合したペプチド/ポリペプチドを溶出するために、500uLの1×SDS緩衝液中にビーズを再懸濁し、室温で5分間振盪した。次いで、ビーズを約30秒間磁石の上に静置した;SDS緩衝液(溶出)を除去し、分析のために保存した。溶出をさらに1回繰り返した。
【0170】
次いで、試料をゲルによって分析した。37.5uLの試料(溶出を除く)を12.5uLの4×SDS緩衝液と混合し、95℃で5分間インキュベートした。5uLをNovex 4−20% Tris−グリシンゲルに負荷し、約180Vで約50分間泳動させた。SimplyBlue Safe Stainでゲルを染色し、LAS4000イメージャー上で画像化した。
【0171】
図94は、NLpolyとNLpepとの親和性が大腸菌ライセートからの精製を可能にするのに十分であることを示している。NLpoly8Sが大腸菌ライセートから精製されるため、NLpoly8S(または本明細書に記載の他の変異体)に融合したタンパク質も同様の様式で精製することができると予想することは理にかなっている。この実施例では、NLpepは固定化され、NLpolyを精製するために使用されるが、NLpolyを固定化した場合にも同様の結果を予想することも理にかなっている。
【0172】
実施例53
NLpoly/NLpep結合の動態
合成NLpepの2倍濃縮物を作製し、PBS+0.1% Prionex中で2.7倍に9回希釈した(10の濃度)。アッセイに用いた最終濃度は30uM〜3.9nMであった。WT NLpoly(大腸菌清澄化ライセート;1:10,000)または11S(1:10,000,000)をNanoGlo+100uMフラマジン(Fz)中に希釈した。50uLのNLpepを白色96ウェルアッセイプレートのウェルに入れた。GloMax(登録商標)Multi+機器上の注入器を使用して50uLのNLpoly/NanoGlo/Fzをウェルに注入し、5分にわたって3秒毎に発光を測定した。Graphpad Prismを使用してデータを
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に適合させることによりk
obsを得た。次いで、k
on及びk
offを
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に適合させた。
図95は、NLpolyとNLpepとの結合の会合速度定数及び解離速度定数を示している。
【0173】
実施例54
NLpoly/NLpep基質親和性
NLpolyを以下のようにPBS+0.1% Prionex中に希釈した:WT:1:10
5、5P:1:10
7、及び11S:1:10
8。NLpepを以下のようにPBS+0.1% Prionex中に希釈した:WT NLpoly試験の場合は30uM、またはNLpoly 5P及び11S試験の場合は3uM。50uLのNLpoly/NLpepを室温で5分インキュベートし、50uLのNanoGlo+Fz(100uM〜1.2uMの範囲、2X)を加え、室温で10分間インキュベートした。GloMax(登録商標)Multi+上で0.5秒の積分で発光を測定した。Graphpad Prism、ミカエリスメンテンの最良適合値を用いてKmを得た。
図96は、種々のNLpoly/NLpep対のKm値を示す。
【0174】
実施例55
NLpoly/NLpep親和性に対する基質の影響
11S(大腸菌清澄化ライセート)をPBS+0.1% Prionex中に1:10
7で希釈した。合成NLpep79を800nMから0.39nM(2X)に段階希釈した(1:2)。次いで、20uLの11S+20uLのNLpep79を混合し、室温で5分間インキュベートした。40uLのNanoGlo+5uMまたは50uM Fzを加え、室温でさらに5分間インキュベートした。GloMax(登録商標)Multi+上で0.5秒の積分で発光を測定した。Graphpad prism、1サイト特異的結合の値を用いてKdを得た。
図97は、飽和濃度のフリマジンが11SとNLpep79との親和性を増加させることを示している。
【0175】
実施例56
NLpoly 5A2:NLpepのKm
NLpoly 5A2をPBS+0.1% Prionex中に1:10
5で希釈した。NLpep(WT、NLpep 78またはNLpep79)をPBS+0.1% Prionex中30uMに希釈した。50uLのNLpoly/NLpepを室温で5分インキュベートし、50uLのNanoGlo+Fz(100uM〜1.2uMの範囲、2X)を加え、室温で10分間インキュベートした。GloMax(登録商標)Multi+上で0.5秒の積分で発光を測定した。Graphpad Prism、ミカエリスメンテンの最良適合値を用いてKmを得た。
図98は、NLpoly5A2、ならびにNLpep WT、78、及び79のKm値を示す。
【0176】
実施例57
NLpepを用いない場合のNLpolyの発光
NLpoly WT、5A2、5P、8S、及び11Sについて以前に記載したように大腸菌清澄化ライセートを調製した。50uLの各ライセートを50uLのNanoGlo +Fzと混合し、室温で5分間インキュベートした。GloMax(登録商標)Multi+上で0.5秒の積分で発光を測定した。
図99は、NLpolyがNLpepの非存在下で発光を生成する能力が、進化過程を通して次第に増加し、11Sの場合にはWT NLpolyよりも約500倍高い発光をもたらしたことを示している。
【0177】
実施例58
進化過程を通した大腸菌における発光の改善
WT、5A2、5P、8S、または11Sの単一NLpolyコロニーを200uLの最少培地に接種し、振盪機上で20時間37℃で増殖させた。10uLの一晩培養液を190uLの新しい最少培地中に希釈し、振盪機上で20時間37℃で増殖させた。10uLのこの一晩培養液を190uLの自己誘導培地(以前に記載した)中に希釈し、振盪機上で18時間25℃で増殖させた。自己誘導培養液を50倍(196uLのアッセイ溶解緩衝液中4uL)に希釈し、10uLの発現培養液をNLpep(合成;1nM;WT、NLpep78、NL79またはNLpep80)を含有する40uLのアッセイ溶解緩衝液に加え、室温で10分間振盪した。50uLのNanoGlo+Fzを加え、室温で5分間試料を振盪した。GloMaxルミノメーター上で0.5秒の積分で発光を測定した。
図100は、進化過程にわたって大腸菌由来NLpolyからの発光の改善を示しており、全体として約10
5の改善が見られた(NLpolyWT:NLpepWTからNLpoly11S:NLpep80)。
【0178】
実施例59
進化過程を通したHeLa細胞における発光の改善
NLpoly WT、5A2、5P、8S、または11Sを発現する50ngのプラスミドDNAを12ウェルプレートのウェル中でFugene HDを使用してHeLa細胞にトランスフェクトした。次いで、細胞を37℃/5%CO
2で一晩インキュベートした。培地を500uLのフェノールレッド不含DMEMと交換し、−80℃で>30分超細胞を凍結させた。細胞を融解し、1.5ml試験管に移した。NLpep WT、NLpep78、NLpep79、またはNLpep80(合成)をPBS+0.1% Prionex中10nMに希釈し、25ulを25uLの各NLpoly細胞ライセートと混合した。試料を室温で10分間振盪し、次いで50uLのNanoGlo+100uM Fzを加え、室温で5分間インキュベートした。GloMaxルミノメーター上で0.5秒の積分で発光を測定した。
図101は、進化過程にわたってHeLaで発現させたNLpolyからの発光の改善を示しており、全体として約10
5の改善が見られた(NLpolyWT:NLpepWTからNLpoly11S:NLpep80)。
【0179】
実施例60
進化過程を通したHEK293細胞における発光の改善
NLpoly WT、5A2、5P、8S、または11Sを発現する50ngのプラスミドDNAを12ウェルプレートのウェル中でFugene HDを使用してHEK293細胞にトランスフェクトした。次いで、細胞を37℃/5%CO
2で一晩インキュベートした。培地を500uLのフェノールレッド不含DMEMと交換し、−80℃で>30分超細胞を凍結させた。細胞を融解し、1.5ml試験管に移した。NLpep WT、NLpep78、NLpep79、またはNLpep 80(合成)をPBS+0.1% Prionex中10nMに希釈し、25ulを25uLの各NLpoly細胞ライセートと混合した。試料を室温で10分間振盪し、次いで50uLのNanoGlo+100uM Fzを加え、室温で5分間インキュベートした。発光GloMaxルミノメーター上で0.5秒の積分で発光を測定した。
図102は、進化過程にわたってHEK293で発現させたNLpolyからの発光の改善を示しており、全体として約10
4の改善が見られた(NLpolyWT:NLpepWTからNLpoly11S:NLpep80)。
【0180】
実施例61
進化過程を通した結合親和性の改善
NLpoly WT、5A2、5P、8S、または11S(大腸菌清澄化ライセート)を以下のようにPBS+0.1% Prionex中に希釈した:WT 1:10
4;5A2 1:105;5P 1:10
6;8S 1:10
7;及び11S 1:10
7。NLpepWT、NLpep78、NLpep79、またはNLpep80(合成)をPBS+0.1% Prionex中4倍濃度に希釈した。25uLのNLpolyを25uLのNLpepと混合し、室温で10分間インキュベートした。50uLのNanoGlo+100uM Fzを加え、室温で5分間インキュベートした。GloMax Multi+上で0.5秒の積分で発光を測定した。Graphpad Prism、1サイト特異的結合の最良適合値を用いてKdを決定した。
図103は、野生型と比べて10
4倍改善された試験した変異体の親和性(出発親和性:NLpolyWT:NLpepWT、Kd〜10uM)であるK
d<1nM(NLpoly11S:NLpep86またはNLpoly11S:NLpep80)を示している。
【0181】
実施例62
NLpolyの発光
単一のNLpoly変異体コロニーを200uLの最少培地に接種し、振盪機上で20時間37℃で増殖させた。10uLの一晩培養液を190uLの新しい最少培地中に希釈し、振盪機上で20時間37℃で増殖させた。次いで、10uLのこの一晩培養液を190uLの自己誘導培地(以前に記載した)中に希釈し、振盪機上で18時間25℃で増殖させた。10uLのこの発現培養液を、NLpepまたはNLpep78−HT(1:3,860希釈)またはNLpep79−HT(1:10,000希釈)を含まない40uLのアッセイ溶解緩衝液(以前に記載した)と混合し、室温で10分間振盪した。50uLのNanoGlo+Fzを加え、室温で10分間再び振盪した。GloMax(登録商標)ルミノメーター上で0.5秒の積分で発光を測定した。
図105〜107は、NLpepの非存在下における種々のNLpolyの発光を示す。
【0182】
実施例63
NLpoly変異体の溶解性
単一のNLpoly変異体コロニー(
図143を参照)を5mLのLB培養液に接種し、振盪しながら37℃で一晩増殖させた。一晩培養液を新しいLB中に1:100で希釈し、振盪しながら37℃で3時間インキュベートした。培養液にラムノースを0.2%まで加え、振盪しながら25℃で一晩インキュベートした。900ulのこれらの一晩培養液を100uLの10X FastBreak Lysis Buffer(Promega Corporation)と混合し、室温で15分間インキュベートした。各培養液から75uLアリコート(合計)を除去し、分析のために保存した。卓上微量遠心機にて4℃で15分間、各試料からの残りの培養液を14,000×rpmで遠心分離した。各試料から上清(可溶性)の75uLアリコートを除去し、分析のために保存した。25uLの4×SDS緩衝液を保存したアリコートに加え、95℃で5分間インキュベートした。5ulの各試料を4〜20%トリス−グリシンSDSゲルに負荷し、約190Vで約50分間泳動した。SimplyBlue Safe Stainでゲルを染色し、LAS4000上で画像化した。
図143は、NLpoly変異体の全ライセート及び同じライセートの可溶画分のタンパク質ゲルを示す。
【0183】
実施例64
解離定数
NLpoly変異体ライセート(
図144を参照;以前に記載したように調製した)をPBS+0.1% Prionex中に1:10で希釈した。PBS+0.1% Prionex中にNLpep78(合成NLpep78)の4倍濃縮物を作製した。20uLのNLpoly変異体ライセートを20uLのNLpepと混合し、室温で10分間振盪した。40uLのNanoGlo/Fzを加え、室温で10分間振盪した。GloMax(登録商標)ルミノメーター上で0.5秒の積分で発光を測定した。Graphpad Prism、1サイト特異的結合の最良適合値を用いてKdを決定した。
図144は、種々のNLpolyを用いた場合のNLpep78の解離定数を示している。
【0184】
実施例65
NLpoly5P及びNLpep80/87に融合した異なる組み合わせのFRB及びFKBPを発現する細胞によって発生した発光の比較
1:4のDNA対FuGENE HD比でFuGENE HDを使用して、HEK293T細胞(400,000個)に、NLpoly5P及び/またはNLpep80/87のNまたはC末端融合体を発現する1μgのpF4A Ag FKBPまたは1μgのpF4A Ag FRBでリバーストランスフェクションを行った。トランスフェクション後24時間で細胞をトリプシン処理し、不透明96ウェルアッセイプレートにウェル当たり10,000細胞の密度で再度プレートした。プレートから24時間後、細胞をPBSで洗浄し、次いで、フェノールレッド不含OptiMEMI中で15、60、または120分間、20nMラパマイシンを用いてまたは用いずにインキュベートした。OptiMEM中に20nMラパマイシンを含むかまたは含まない10μMフリマジン基質を各ウェルに直接加え、室温で5分間インキュベートした。次いで、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を測定した。
図108(15分誘導)、109(60分誘導)、及び110(120分誘導)は、誘導における全体的な増加を経時的に示しており、NLpoly5P及びNLpep80の組み合わせが最も多くの発光を生成した。個々の成分は、シグナルに最小限寄与する。
【0185】
実施例66
NLpoly5P及びNLpep80/87に融合した異なる組み合わせのFRB及びFKBPを発現する細胞によって発生した発光の比較
実施例65と類似しているが、この実施例では、NLpoly/NLpepに融合したFRB及びFKBPの8つ全ての可能な組み合わせを試験し、より少ない全DNAを使用した。1対8のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T細胞(400,000個)に、全部で0.001μgのpF4A Ag FRB−NLpoly5P及び0.001μgのpF4A Ag FKBP−NLpep80/NLpep87でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを1μgとした。トランスフェクション後24時間で、不透明96ウェルアッセイプレートに10,000個の細胞を再度プレートし、さらに24時間インキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、次いで、0または50nMラパマイシンを含むフェノールレッド不含OptiMEMI中で2時間インキュベートした。OptiMEM中に0または50nMラパマイシンを含む10μMフリマジン基質(細胞上の最終濃度)を各ウェルに直接加え、室温で5分間インキュベートした。次いで、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を測定した。
図111は、NLpep80の組み合わせが最も高い発光を生成したこと、及び全ての構造がラパマイシン処理に反応したことを示している。
【0186】
実施例67
結合パートナーの非存在化で発現させたFRBまたはFKBP融合体によって発生した発光の比較
1対8のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T細胞(400,000個)に、全部で0.001μgのpF4A Ag FRB−NLpoly5PまたはpF4A Ag FKBP−NLpep80/NLpep87でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを1μgとした。トランスフェクション後24時間で、不透明96ウェルアッセイプレートに10,000個の細胞を再度プレートし、さらに24時間インキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、次いで、0または50nMラパマイシンを含むフェノールレッド不含OptiMEMI中で2時間インキュベートした。OptiMEM中に0または50nMラパマイシンを含む10μMフリマジン基質(細胞上の最終濃度)を各ウェルに直接加え、室温で5分間インキュベートした。次いで、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を測定した。
図112は、個々の成分が、ラパマイシン処理に反応しない低い基本レベルの発光を生成することを示している。
【0187】
実施例68
様々な量のFRB−NLpoly5P及びFKBP−NLpep80/87DNAでトランスフェクトした細胞によって発生した発光の比較
1対4のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T(400,000個)細胞に、全部で2、0.2、0.02、または0.002μgのpF4A Ag FRB−NLpoly5P及びpF4A Ag FKBP−NLpep80でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを2μgとした。トランスフェクション後24時間で、不透明96ウェルアッセイプレートに10,000個の細胞を再度プレートし、さらに24時間インキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、次いで、20nMラパマイシンを含むかまたは含まないフェノールレッド不含OptiMEMI中で2時間インキュベートした。OptiMEM中に20nMラパマイシンを含むかまたは含まない10μMフリマジン基質(細胞上の最終濃度)を各ウェルに直接加え、室温で5分間インキュベートした。次いで、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を測定した。
図113は、より少ないDNAを用いたトランスフェクションは、全体的な発光を低下させるが、誘導倍数は増加させることを示している。
【0188】
実施例69
結合パートナーの非存在下で様々な量のFRB−NLpoly5PまたはFKBP−NLpep80/87DNAでトランスフェクトした細胞によって発生した発光の比較
1対4のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T細胞(400,000個)に、全部で2、0.2、0.02、または0.002μgのpF4A Ag FRB−NLpoly5PまたはpF4A Ag FKBP−NLpep80でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを2μgとした。トランスフェクション後24時間で、不透明96ウェルアッセイプレートに10,000個の細胞を再度プレートし、さらに24時間インキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、次いで、20nMラパマイシンを含むかまたは含まないフェノールレッド不含OptiMEMI中で2時間インキュベートした。OptiMEM中に20nMラパマイシンを含むかまたは含まない10μMフリマジン基質(細胞上の最終濃度)を各ウェルに直接加え、室温で5分間インキュベートした。次いで、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を測定した。
図114は、より少ないDNAレベルは、個々の成分でトランスフェクトした細胞の全体的な発光を変化させないことを示している。
【0189】
実施例70
様々な量のFRB−NLpoly5P及びFKBP−NLpep80/87DNAでトランスフェクトした細胞によって発生した発光の比較
1対4のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T細胞(400,000個)に、全部で0.2、0.02、0.002、または0.0002μgのpF4A Ag FRB−NLpoly5P及びpF4A Ag FKBP−NLpep80/NLpep87でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを2μgとした。トランスフェクション後24時間で、不透明96ウェルアッセイプレートに10,000個の細胞を再度プレートし、さらに24時間インキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、次いで、50nMラパマイシンを含むかまたは含まないフェノールレッド不含OptiMEMI中で2時間インキュベートした。OptiMEM中に50nMラパマイシンを含むかまたは含まない10μMフリマジン基質(細胞上の最終濃度)を各ウェルに直接加え、室温で5分間インキュベートした。次いで、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を測定した。
図115は、実施例69及び71で決定されるように、バックグラウンドを上回る発光を示し、2.5pgまで低下したDNAレベルでラパマイシン誘導を達成できることを示している。
【0190】
実施例71
結合パートナーの非存在下で様々な量のFRB−NLpoly5PまたはFKBP−NLpep80/87DNAでトランスフェクトした細胞によって発生した発光の比較
1対4のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T細胞(400,000個)に、全部で0.2、0.02、0.002、または0.0002μgのpF4A Ag FRB−NLpoly5PまたはpF4A Ag FKBP−NLpep80/NLpep87でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを2μgとした。トランスフェクション後24時間で、不透明96ウェルアッセイプレートに10,000個の細胞を再度プレートし、さらに24時間インキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、次いで、50nMラパマイシンを含むかまたは含まないフェノールレッド不含OptiMEMI中で2時間インキュベートした。OptiMEM中に50nMラパマイシンを含むかまたは含まない10μMフリマジン基質(細胞上の最終濃度)を各ウェルに直接加え、室温で5分間インキュベートした。次いで、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を測定した。
図116は、少ないDNAが使用された場合に、個々の成分によって発生した発光に著しい変化が見られなかったことを示している。
【0191】
実施例72
異なる長さの時間ラパマイシンで処理した後に、様々な量のFRB−NLpoly5P及びFKBP−NLpep80またはFKBP−NLpep87DNAでトランスフェクトした細胞によって発生した発光の比較
1対4のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T細胞(400,000個)に、全部で2、0.2、0.02、または0.002μgのpF4A Ag FRB−NLpoly5P及びpF4A Ag FKBP−NLpep80またはFKBP−NLpep87でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを2μgとした。トランスフェクション後24時間で、不透明96ウェルアッセイプレートに10,000個の細胞を再度プレートし、さらに24時間インキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、20nMラパマイシンを含むかまたは含まないフェノールレッド不含OptiMEMI中で5/15/30/60/120分間インキュベートした。OptiMEM中に20nMラパマイシンを含むかまたは含まない10μMフリマジン基質(細胞上の最終濃度)を各ウェルに直接加え、室温で5分間インキュベートした。次いで、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を測定した。
図117及び118は、少ないDNAを用いた場合の発光の低下、及び経時的なラパマイシン誘導の増加を示している。
【0192】
実施例73
異なる組み合わせのFRB−NLpoly5PまたはFRB−NLpoly5A2及びFKBP−NLpep80/87/95/96/97を発現する細胞によって発生した発光の比較
この実施例では、2日間及び3日間形式の両方でアッセイを行った。2日間アッセイの場合、不透明96ウェルアッセイプレート内で、1対8のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、20,000個のHEK293T細胞に、全部で0.1ngのpF4A Ag FRB−NLpoly5PまたはFRB−NLpoly5A2及びpF4A Ag FKBP−NLpep80/87/95/96/97でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを1μgとした。トランスフェクション後24時間で細胞をPBSで洗浄し、次いで、50nMラパマイシンを含むかまたは含まないフェノールレッド不含OptiMEMI中で2時間インキュベートした。OptiMEMI中に50nMラパマイシンを含むかまたは含まない10μMフリマジン基質(細胞上の最終濃度)を各ウェルに直接加え、室温で5分間インキュベートした。次いで、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を測定した。
【0193】
3日間アッセイの場合、1対8のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、400,000個のHEK293T細胞に、全部で0.002μgのpF4A Ag FRB−NLpoly5P及びpF4A Ag FKBP−NLpep80/87/95/96/97でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを1μgとした。トランスフェクション後24時間で、不透明96ウェルアッセイプレートに10,000個の細胞を再度プレートし、さらに24時間インキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、次いで、50nMラパマイシンを含むかまたは含まないフェノールレッド不含OptiMEMI中で2時間インキュベートした。OptiMEMI中に50nMラパマイシンを含むかまたは含まない10μMフリマジン基質(細胞上の最終濃度)を各ウェルに直接加え、室温で5分間インキュベートした。次いで、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を測定した。
図119及び120は、2日間及び3日間アッセイの両方において同様のレベルの発光を示している。NLpoly5A2を用いて行われたアッセイは、NLpoly5Pと比較して高いラパマイシン誘導を示し、NLpoly5A2及びNLpep96を用いて行われたアッセイは、試験した全ての組み合わせで最も高いラパマイシン誘導を示した。
【0194】
実施例73
異なる組み合わせのFRB−NLpoly5A2またはFRB−NLpoly11S及びFKBP−NLpep101/104/105/106/107/108/109/110を発現する細胞によって発生した発光の比較
不透明96ウェルアッセイプレート内で、1対8のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T細胞(20,000個)に、全部で0.1ngのpF4A Ag FRB−NLpoly5A2/11S及びpF4A Ag FKBP−NLpep101/104/105/106/107/108/109/110でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを1μgとした。トランスフェクション後24時間で細胞をPBSで洗浄し、次いで、50nMラパマイシンを含むかまたは含まないフェノールレッド不含OptiMEMI中で2時間インキュベートした。OptiMEMI中に50nMラパマイシンを含むかまたは含まない10μMフリマジン基質(細胞上の最終濃度)を各ウェルに直接加え、室温で5分間インキュベートした。次いで、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を測定した。
図121は、試験を行った組み合わせのうち、NLpep101及びNLpoly11Sが、最も高いラパマイシン誘導及び最も強力なラパマイシン特異的発光シグナルのうちの1つを示したことを示している。
【0195】
実施例74
異なる組み合わせのFRB−NLpoly5A2またはFRB−NLpoly11S及びFKBP−NLpep87/96/98/99/100/101/102/103でトランスフェクトした細胞によって発生した発光の比較
不透明96ウェルアッセイプレート内で、1対8のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T細胞(20,000個)に、全部で0.1ngのpF4A Ag FRB−NLpoly5A2/11S及びpF4A Ag FKBP−NLpep87/96/98/99/100/101/102/103でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを1μgとした。トランスフェクション後24時間で細胞をPBSで洗浄し、次いで、50nMラパマイシンを含むかまたは含まないフェノールレッド不含OptiMEMI中で2時間インキュベートした。OptiMEMI中に50nMラパマイシンを含むかまたは含まない10μMフリマジン基質(細胞上の最終濃度)を各ウェルに直接加え、室温で5分間インキュベートした。次いで、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を測定した。
図122は、NLpoly11S及びNLpep101の組み合わせが、高いレベルの特異的発光を維持しながら、最も高い誘導をもたらすことを示している。
【0196】
実施例75
異なるレベルのFRB−NLpoly11S及びFKBP−NLpep87/101/102/107DNAでトランスフェクトした細胞によって発生した発光の比較
不透明96ウェルアッセイプレート内で、1対8のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T細胞(20,000個)に、全部で0.01、0.1、1、または10ngのpF4A Ag FRB−NLpoly11S及びpF4A Ag FKBP−NLpep87/101/102/107でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを1μgとした。トランスフェクション後24時間で細胞をPBSで洗浄し、次いで、50nMラパマイシンを含むかまたは含まないフェノールレッド不含OptiMEMI中で1.5時間インキュベートした。OptiMEMI中に50nMラパマイシンを含むかまたは含まない10μMフリマジン基質(細胞上の最終濃度)を各ウェルに直接加え、室温で5分間インキュベートした。次いで、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を測定した。
図123は、NLpoly11S及びNLpep101が、試験した全てのDNAレベルの未処理の試料において全体的に最も低い発光をもたらすこと、及びこの組み合わせが、ラパマイシン処理した試料において比較的高いレベルの発光を維持することを示している。
【0197】
実施例76
異なるレベルのFRB−NLpoly5A2及びFKBP−NLpep87/101/102/107DNAでトランスフェクトした細胞によって発生した発光の比較
不透明96ウェルアッセイプレート内で、1対8のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T細胞(20,000個)に、全部で0.01、0.1、1、または10ngのpF4A Ag FRB−NLpoly5A2及びpF4A Ag FKBP−NLpep87/101/102/107でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを1μgとした。トランスフェクション後24時間で細胞をPBSで洗浄し、次いで、50nMラパマイシンを含むかまたは含まないフェノールレッド不含OptiMEMI中で1.5時間インキュベートした。OptiMEMI中に50nMラパマイシンを含むかまたは含まない10μMフリマジン基質(細胞上の最終濃度)を各ウェルに直接加え、室温で5分間インキュベートした。次いで、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を測定した。
図124は、NLpoly5A2が、未処理の試料において、実施例75に示されるNLpoly11Sよりも高い発光を生成することを示している。
【0198】
実施例77
FRB−NLpoly5P及びFKBP−NLpep80/87DNAを発現する細胞の発光を示すラパマイシン用量反応曲線
1対8のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T細胞(400,000個)に、全部で0.001μgのpF4A Ag FRB−NLpoly5P及び0.001μgのpF4A Ag FKBP−NLpep80/NLpep87でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを1μgとした。トランスフェクション後24時間で、不透明96ウェルアッセイプレートに10,000個の細胞を再度プレートし、さらに24時間インキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、0〜500nMラパマイシンを含むフェノールレッド不含OptiMEMI中で2時間インキュベートした。OptiMEM中に0〜500nMラパマイシンを含む10μMフリマジン基質(細胞上の最終濃度)を各ウェルに直接加え、室温で5分間インキュベートした。次いで、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を測定した。Windows用GraphPad Prismバージョン5.00を用いてKdを算出した。
図125は、発光のラパマイシン特異的増加を示す。
【0199】
実施例78
FRB−NLpoly5A2及びFKBP−NLpep87/101DNAを発現する細胞の発光を示すラパマイシン用量反応曲線
不透明96ウェルアッセイプレート内で、1対8のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T細胞(20,000個)に、全部で0.1ngのpF4A Ag FRB−NLpoly5A2/11S及びpF4A Ag FKBP−NLpep87/101でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを1μgとした。トランスフェクション後24時間で細胞をPBSで洗浄し、次いで、0〜1μMラパマイシンを含むフェノールレッド不含OptiMEMI中で1.5時間インキュベートした。OptiMEMI中に0〜1μMラパマイシンを含む10μMフリマジン基質(細胞上の最終濃度)を各ウェルに直接加え、室温で5分間インキュベートした。次いで、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を測定した。
図126は、NLpoly5A2/NLpep101及びNLpoly11S/NLpep101の組み合わせを用いた場合のラパマイシンに対するシグモイド用量反応を示している。NLpep87を含む組み合わせは、ラパマイシンを用いると発光の増加を示すが、収集データポイントはシグモイド曲線からさらに逸脱している。
【0200】
実施例79
FRB−11S及びFKBP−101を発現する、基質PBI−4377またはフリマジンで処理した細胞によって発生した発光の比較
不透明96ウェルアッセイプレート内で、1対8のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T細胞(20,000個)に、全部で0.1/1/10ngのpF4A Ag FRB−NLpoly11S及びpF4A Ag FKBP−NLpep101でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを1μgとした。トランスフェクション後24時間で細胞をPBSで洗浄し、次いで、0または50nMラパマイシンを含むフェノールレッド不含OptiMEMI中で1.5時間インキュベートした。OptiMEM中に0または50nMラパマイシンを含む10μMフリマジンまたはPBI−4377基質(細胞上の最終濃度)を各ウェルに直接加え、室温で5分間インキュベートした。次いで、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を測定した。
図127は、フリマジン基質と比較して、PBI−4377基質を用いた場合の発光及び誘導倍数の増加を示している。
【0201】
実施例80
ラパマイシンの存在下または非存在下で生じたFRB−NLpoly11S/5A2及びFKBP−NLpep87/101を発現する細胞の経時変化
不透明96ウェルアッセイプレート内で、1対8のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T細胞(20,000個)に、全部で0.1ngのpF4A Ag FRB−NLpoly11S/5A2及びpF4A Ag FKBP−NLpep87/101でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを1μgとした。トランスフェクション後24時間で細胞をPBSで洗浄し、次いで、0または50nMラパマイシン及び10μMフリマジンを含むフェノールレッド不含OptiMEMIを、手動でまたは器具による注入により加えた。GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で速やかに発光を測定した。
図128及び129は、試験を行った全ての組み合わせのうち、NLpoly11S及びNLpep101が、0時点で最も低い発光を有し、発光がより速く一定となり、最大ダイナミックレンジを有することを示している。
【0202】
実施例81
2つの異なる機器で測定されたFRB−NLpoly11S及びFKBP−NLpep101によって発生した発光
不透明96ウェルアッセイプレート内で、1対8のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T細胞(20,000個)に、全部で0.1ngのpF4A Ag FRB−NLpoly11S及びpF4A Ag FKBP−NLpep101でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを1μgとした。トランスフェクション後24時間で細胞をPBSで洗浄し、次いで、0または50nMラパマイシン及び10μMフリマジンを含むフェノールレッド不含OptiMEMIを20分間加えた。0または50nMラパマイシンを含むOptiMEMI中の10μMフリマジン(細胞上の最終濃度)を加え、さらに5分間インキュベートした。GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で、またVarioskan Flash上で450nMのバンドパスフィルターを用いて、速やかに発光を測定した。
図130は、異なる機器上でFRB−NLpoly11S及びFKBP−NLpep101のラパマイシン特異的誘導を測定できることを示している。
【0203】
実施例82
ラパマイシン処理後の種々の時点でFRB−NLpoly11S及びFKBP−NLpep101を発現する細胞の発光を示す画像
1対4のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HeLa細胞(500,000個)に、1μgのpF4 Ag FRB−NLpoly11S及び1μgのpF4 Ag FKBP−NLpep101でリバーストランスフェクションを行った。35mmガラス底培養皿(MatTek番号p35gc−1.5−14−C)内で細胞をトランスフェクトした。トランスフェクション後24時間で細胞をPBSで洗浄し、次いで、OptiMEM中の10μMフリマジンで5分間インキュベートした。OptiMEM中の50nMラパマイシンを細胞に加え、LV200を用いて、合計20分間10秒間隔で発光画像を獲得した。機器は37℃、対物レンズは60X、ゲインは200、露出は600msであった。
図131は、ラパマイシンで処理した後にFRB−NLpoly11S及びFKBP−NLpep101を発現する細胞において、細胞の発光の増加を検出できることを示している。
【0204】
実施例83
ラパマイシン処理後の種々の時点でFRB−NLpoly11S及びFKBP−NLpep101を発現する個々の細胞によって生成されるシグナルの定量
1対4のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HeLa細胞(500,000個)に、1μgのpF4 Ag FRB−NLpoly11S及び1μgのpF4 Ag FKBP−NLpep101でリバーストランスフェクションを行った。35mmガラス底培養皿(MatTek 番号p35gc−1.5−14−C)内で細胞をトランスフェクトした。トランスフェクション後24時間で細胞をPBSで洗浄し、次いで、OptiMEM中の10μMフリマジンで5分間インキュベートした。OptiMEM中の50nMラパマイシンを細胞に加え、LV200を用いて、合計20分間10秒間隔で発光画像を獲得した。機器は37℃、対物レンズは60X、ゲインは200、露出は600msであった。全期間にわたって、Image Jソフトウェアを使用して視野内のあらゆる細胞のシグナル強度を分析した。
図132は、個々の細胞によって生成されるシグナルを測定できること、及び各細胞によるシグナルの増加は、
図128及び129に示される96ウェルプレートアッセイで観察された増加と平行していることを示している。
【0205】
実施例84
FRB−NLpoly11S及びFKBP−NLpep101を発現する異なる細胞株における発光の比較
不透明96ウェルアッセイプレート内で、1対8のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T、HeLa、またはU2−OS細胞(20,000個)に、全部で0.1ng pF4A Ag FRB−NLpoly11S及びpF4A Ag FKBP−NLpep101でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを1μgとした。トランスフェクション後24時間で細胞をPBSで洗浄し、次いで、0または50nMラパマイシン及び10μMフリマジンを含むフェノールレッド不含OptiMEMIを20分間加えた。0または50nMラパマイシンを含むOptiMEMI中の10μMフリマジン(細胞上の最終濃度)を加え、さらに5分間インキュベートした。GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で速やかに発光を測定した。
図133は、FRB−NLpoly11S及びFKBP−NLpep101でトランスフェクトした3つの異なる細胞株において、ラパマイシンの非存在下及び存在下で発生した同様のレベルの発光を示す。
【0206】
実施例85
ラパマイシン競合阻害剤FK506で処理した後に、FRB−NLpoly11S及びFKBP−NLpep101を発現する細胞によって発生した発光の比較
不透明96ウェルアッセイプレート内で、1対8のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T細胞(20,000個)に、全部で0.1ngのpF4A Ag FRB−NLpoly11S及びpF4A Ag FKBP−NLpep101でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを1μgとした。トランスフェクション後24時間で細胞をPBSで洗浄し、次いで、0または20nMラパマイシンを含むフェノールレッド不含OptiMEMIを20分間加えた。OptiMEM中のFK506阻害剤を最終濃度5μMで細胞に加え、3または5時間インキュベートした。OptiMEM中のフリマジンを加え、細胞上の最終濃度を10μMとした。GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で速やかに発光を測定した。
図134は、競合阻害剤FK506で処理した後にラパマイシンで誘導された発光の低下を示す。
【0207】
実施例86
ラパマイシン競合阻害剤FK506で処理した後に、FRB−NLpoly11S及びFKBP−NLpep101を発現する細胞によって発生した発光
不透明96ウェルアッセイプレート内で、1対8のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T細胞(20,000個)に、全部で0.1ngのpF4A Ag FRB−NLpoly11S及びpF4A Ag FKBP−NLpep101でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを1μgとした。トランスフェクション後24時間で細胞をPBSで洗浄し、次いで、0または20nMラパマイシンを含むフェノールレッド不含OptiMEMIを2.5時間加えた。OptiMEM中のFK506阻害剤を、10μMのOptiMEM中0、1、または10μMの最終濃度で注入器を介して細胞に加えた。37℃に設定されたGloMax Multi上で、0.5秒の積分時間で10分毎に4時間発光を測定した。
図135は、200秒までに、FK506阻害剤が、未処理細胞のレベル付近まで発光を低下させることができることを示す。
【0208】
実施例87
V2RアゴニストAVPの存在下または非存在下で異なる組み合わせのV2R−NLpoly5A2またはV2R−NLpoly11S及びNLpep87/101−ARRB2でトランスフェクトした細胞によって発生した発光
不透明96ウェルアッセイプレート内で、1対8のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T細胞(20,000個)に、全部で0.1、1、または10ngのpF4A Ag V2R−NLpoly11S及びpF4A Ag ARRB2−NLpep87/101でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを1μgとした。トランスフェクション後24時間で細胞をPBSで洗浄し、次いで、0または1μM AVP及び10μMフリマジンを含むフェノールレッド不含OptiMEMIを25分間加えた。次いで、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を測定した。
図136は、V2R−NLpoly11S及びNLpep101が発光において最も高いAVP特異的増加をもたらすことを示している。NLpep87との組み合わせは、AVPに対して著しい反応を示さない。
【0209】
実施例88
AVPで処理した後にV2R−NLpoly5A2またはV2R−NLpoly11S及びNLpep87/101−ARRB2でトランスフェクトした細胞によって発生した発光を示す経時変化
不透明96ウェルアッセイプレート内で、1対8のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T細胞(20,000個)に、全部で0.1もしくは1ngのpF4A Ag V2R−NLpoly11Sまたは1ngのpF4A Ag V2R−NLpoly5A2及びpF4A Ag ARRB2−NLpep87/101でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを1μgとした。トランスフェクション後24時間で細胞をPBSで洗浄し、次いで、0または1μM AVP及び10μMフリマジンを含むフェノールレッド不含OptiMEMIを、手動で(
図137)または器具による注入により(
図138)加えた。次いで、室温で(
図137及び138)または37℃で(
図139)、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で5分毎に25分間発光を測定した。
図137及び138は、V2R−NLpoly11S及びNLpep101−ARRB2について、AVPで誘導された発光の時間依存性増加(600秒でピークに達し始める)を示す。V2R−NLpoly5A2及びNLpep87の組み合わせは、経時的に著しい発光の増加を示さない。
図139は、37℃で、試験を行った全てのNLpoly11S及びNLpep101の組み合わせが、平均して200秒のAVPで誘導された発光の時間依存性増加を示すことを示している。
【0210】
実施例89
V2R−NLpoly11S及びNLpep101−ARRB2を発現する異なる細胞株における発光の比較
不透明96ウェルアッセイプレート内で、1対8のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HEK293T、HeLa、またはU2−OS細胞(20,000個)に、全部で1ngのpF4A Ag V2R−NLpoly11S及びpF4A Ag ARRB2−NLpep87/101でリバーストランスフェクションを行った。pGEM−3Zf(+)DNAを加え、各トランスフェクションにおいて全DNAを1μgとした。トランスフェクション後24時間で細胞をPBSで洗浄し、次いで、0または1μM AVPを含むフェノールレッド不含OptiMEMIを20分間加えた。次いで、OptiMEM中のフリマジンを加えて細胞上の最終濃度を10μMとし、GloMax Multi上で0.5秒の積分時間で発光を測定した。
【0211】
図140は、AVPの存在下及び非存在下でV2R−NLpoly11S及びNLpep101−ARRB2を発現する3つの異なる細胞株における同様の発光レベルを示している。
【0212】
実施例90
AVP処理後の種々の時点でV2R−NLpoly11S及びNLpep101−ARRB2を発現する細胞の発光
1対4のDNA対FuGENE比でFuGENE HDを使用して、HeLa細胞(500,000個)に、1μgのpF4 Ag V2R−NLpoly11S及び1μgのpF4 Ag ARRB2−NLpep101でリバーストランスフェクションを行った。35mmガラス底培養皿(MatTek番号p35gc−1.5−14−C)内で細胞をトランスフェクトした。トランスフェクション後24時間で細胞をPBSで洗浄し、次いで、OptiMEM中の10μMフリマジンで5分間インキュベートした。OptiMEM中の1μM AVPを細胞に加え、LV200を用いて、合計30分間15秒間隔で発光画像を獲得した。機器は37℃、対物レンズは60Xまたは150X、ゲインは600、露出は1sまたは2sであった。
図141及び142は、画像処理により、AVPで処理した後の個々の細胞における発光の増加及び斑点の形成を検出できることを示している。
【0213】
実施例91
NLpepの解離定数
NLpoly 5PE大腸菌清澄化ライセート(以前に記載したように調製した)をPBS+0.1% Prionex中に1:1,000で希釈した。PBS+0.1% Prionex中にNLpep78−HT(以前に記載したように調製した大腸菌清澄化ライセート)の4倍濃縮物を作製した。20uLのNLpoly 5Pを20uLのNLpep78と混合し、室温で10分間振盪した。40uLのNanoGlo/Fzを加え、室温で10分間振盪した。GloMaxルミノメーター上で0.5秒の積分で発光を測定した。Graphpad Prism、1サイト特異的結合の最良適合値を用いてKdを決定した。
図80は、NLpep78の1つまたは2つのいずれかの反復単位からなるNLpepについて解離定数を比較している。
【0214】
実施例92
NLpoly 5A2とNLpep86との親和性
NLpoly 5A2ライセート(CHO細胞をトランスフェクトした後に以前に記載したように調製した)をPB+0.1% Prionex中に1:10で希釈した。PBS+0.1% Prionex中にNLpep86(合成NLpep)の4倍濃縮物を作製した。20uLのNLpolyを20uLのNLpepと混合し、室温で10分間振盪した。40uLのNanoGlo/Fzを加え、室温で10分間振盪した。GloMax ルミノメーター上で0.5秒の積分で発光を測定した。Graphpad Prism、1サイト特異的結合の最良適合値を用いてKdを決定した。
図81は、NLpoly 5A2とNLpep86との親和性を示している。
【0215】
実施例93
NLpoly変異体の発光
種々のNLpolyの単一コロニーを200uLの最少培地に個別に接種し、振盪機上で20時間37℃で増殖させた。10uLの一晩培養液を190uLの新しい最少培地中に希釈し、振盪機上で20時間37℃で増殖させた。10uLのこの一晩培養液を190uLの自己誘導培地(以前に記載した)中に希釈し、振盪機上で18時間25℃で増殖させた。10uLの発現培養液を、NLpepを含まないか、またはNLpep78−HT(1:3,860希釈)もしくはNLpep79−HT(1:10,000希釈)を含む40uLのアッセイ溶解緩衝液(以前に記載した)と混合した。混合物を室温で10分間振盪し、50uLのNanoGlo+Fzを加え、室温で10分間再び振盪した。GloMax ルミノメーター上で0.5秒の積分で発光を測定した。
図82は、NLpepを用いない場合、またはNLpep78もしくはNLpep79を用いた場合のNLpoly変異体からの発光を示す。この結果は、NLpoly変異体11S(12S−51)が、他の変異体と比べて発光を改善したことを示している。
【0216】
実施例94
NLpepの96個の変異体を用いた場合のNLpolyの解離定数及びVmax値
NLpepをNew England Peptideによるアレイ形式で合成した(アセチル化によってN末端を、及びアミド化によってC末端をブロックしたペプチド;アレイ内のペプチドを約1mgスケールで合成した)(表6)。各ペプチドを3つの個別のプレート内で凍結乾燥した。ペプチドの3つのプレートのうちの1つからの各ウェルを100uLのナノ純水に溶解し、A260を測定し、各ペプチドの吸光係数を用いて濃度を算出するために使用した。次いで、ペプチドの純度に基づいて濃度を調整し、ナノ純水を加えて750uMの最終濃度を得た。
【0217】
ペプチドをPBS+0.1% Prionex中12.66uM(4X)に希釈し、次いで、0.5log段階で7回段階希釈を行った(合計8つの濃度)(3.162倍希釈)。NLpoly 5P、8S、5A2、または11Sを以下のようにPBS+0.1% Prionexに希釈した:5P 1:2,000;8S 1:10,000;11S 1:150,000、5A2 1:1,000。25uLの各NLpep+25uLの各NLpolyを混合し、室温で30分間インキュベートした。50uLのNanoGlo+100uM Fzを加え、室温で30分間インキュベートした。GloMax Multi+上で0.5秒の積分で発光を測定した。Graphpad Prism、1サイト特異的結合の最良適合値を用いてKd/Vmaxを決定した。
図83〜90は、96個の変異体NLpepを用いた場合のNLpolyからの解離定数及びVmax値を示す。この結果は、Vmaxを損失することなく、より低い結合親和性を示すNLpepにおける特異的突然変異を示唆している。
表6.ペプチドアレイ1
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【0218】
実施例95
NLpoly変異体の溶解性
単一のNLpoly5A2、12S、11S、12S−75、12S−107、または5P−B9コロニーを5mLのLB培養液に接種し、振盪しながら37℃で一晩インキュベートした。一晩培養液を新しいLB中に1:100で希釈し、振盪しながら37℃で3時間インキュベートした。培養液にラムノースを0.2%まで加え、振盪しながら25℃で一晩インキュベートした。900ulのこれらの一晩培養液を100uLの10X FastBreak Lysis Buffer(Promega Corporation)と混合し、室温で15分間インキュベートした。各培養液から75uLアリコート(合計)を除去し、分析のために保存した。卓上微量遠心機にて4℃で15分間、各試料からの残りの培養液を14,000×rpmで遠心分離した。各試料から上清(可溶性)の75uLアリコートを除去し、分析のために保存した。25uLの4×SDS緩衝液を保存したアリコートに加え、95℃で5分間インキュベートした。5ulの各試料を4〜20%トリス−グリシンSDSゲルに負荷し、約190Vで約50分間泳動した。SimplyBlue Safe Stainでゲルを染色し、LAS4000上で画像化した。
図91は、NLpoly変異体の全ライセート及び同じライセートの可溶画分のタンパク質ゲルを示す。5A2を例外として、全ての変異体が可溶画分中でNLpolyの割合を示した。
【0219】
実施例96
NLpoly変異体の溶解性及び解離定数
単一のNLpolyコロニー(
図92に列挙)を5mLのLB培養液に接種し、振盪しながら37℃で一晩インキュベートした。一晩培養液を新しいLB中に1:100で希釈し、振盪しながら37℃で3時間インキュベートした。培養液にラムノースを0.2%まで加え、振盪しながら25℃で一晩インキュベートした。900ulのこれらの一晩培養液を100uLの10X FastBreak Lysis Buffer(Promega Corporation)と混合し、室温で15分間インキュベートした。各培養液から75uLアリコート(合計)を除去し、分析のために保存した。卓上微量遠心機にて4℃で15分間、各試料からの残りの培養液を14,000×rpmで遠心分離した。各試料から上清(可溶性)の75uLアリコートを除去し、分析のために保存した。25uLの4×SDS緩衝液を保存したアリコートに加え、95℃で5分間インキュベートした。5ulの各試料を4〜20%トリス−グリシンSDSゲルに負荷し、約190Vで約50分間泳動した。SimplyBlue Safe Stainでゲルを染色し、LAS4000上で画像化した。
図92は、NLpoly変異体の全ライセート及び同じライセートの可溶画分のタンパク質ゲル、ならびに同じ変異体の解離定数を含む表を示す。
【0220】
実施例97
NLpep79を用いた場合のNLpoly5P及び11Sの基質特異性
NLpoly5Pまたは11Sのために大腸菌清澄化ライセートを以前に記載したように調製した。次いで、NLpolyライセートをPBS+0.1% Prionex中に10倍の段階希釈を行った。25uLのNLpoly及び25uLの合成NLpep79(400nM、4X)を混合し、室温で10分間インキュベートした。50uLのNanoGlo+100uM Fzを加え、室温で10分間インキュベートし、GloMax Multi+上で0.5秒の積分で発光を測定した。
図93は、NLpep79を用いた場合の5P及び11Sの基質特異性を示しており、11Sが5Pよりもフリマジンに対する優れた特異性を有することを示している。
【0221】
実施例98
進化の種々の段階からのNLpoly変異体の溶解性
単一のNLpoly WT、5A2、5P、8S、または11Sコロニーを5mLのLB培養液に接種し、振盪しながら37℃で一晩インキュベートした。一晩培養液を新しいLB中に1:100で希釈し、振盪しながら37℃で3時間インキュベートした。培養液にラムノースを0.2%まで加え、振盪しながら25℃で一晩インキュベートした。900ulのこれらの一晩培養液を100uLの10X FastBreak Lysis Buffer(Promega Corporation)と混合し、室温で15分間インキュベートした。各培養液から75uLアリコート(合計)を除去し、分析のために保存した。卓上微量遠心機にて4℃で15分間、各試料からの残りの培養液を14,000×rpmで遠心分離した。各試料から上清(可溶性)の75uLアリコートを除去し、分析のために保存した。25uLの4×SDS緩衝液を保存したアリコートに加え、95℃で5分間インキュベートした。5μlの各試料を4〜20%トリス−グリシンSDSゲルに負荷し、約190Vで約50分間泳動した。SimplyBlue Safe Stainでゲルを染色し、LAS4000上で画像化した。
図104は、進化過程の種々の段階からのNLpoly変異体の全ライセート及び同じライセートの可溶画分のタンパク質ゲルを示す。これらの結果は、進化過程においてNLpolyの溶解性が劇的に増加したことを示している。
【0222】
実施例99
タンパク質の化学標識
本発明の非発光性ペプチド(NLpep)は、タンパク質を化学的に標識するために使用することができる。本発明のNLpepは、反応基、例えば、ビオチン、サクシニミジルエステル、マレイミド等を含有するように合成することができ、タンパク質、例えば、抗体に付着させる(例えば、コンジュゲート、連結、標識等)ことができる。NLpepで標識されたタンパク質、例えば、NLpep−抗体は、次いで、様々な用途、例えば、ELISAに使用することができる。NLpepで標識されたタンパク質、例えば、NLpep−抗体の、その標的/結合パートナーとの相互作用/結合は、本発明のNLpoly及びNanoGlo(登録商標)アッセイ試薬を加えることによって検出される。NLpepで標識されたタンパク質とNLpolyとの相互作用によって生成される発光は、NLで標識されたタンパク質とその標的/結合パートナーとの相互作用と相関するであろう。この概念は、複数のNLpepが単一のタンパク質分子に付着することを可能にし、それによって、シグナル増幅を引き起こす複数のNLpepで標識されたタンパク質/NLpolyの相互作用をもたらす。
【0223】
実施例100
ウェスタンブロットによるHaloTag−NLpepを用いた翻訳後タンパク質修飾の検出
いくつかのタンパク質は、AMP化またはADPリボシル化によって翻訳後修飾することができる。AMP化では、ATPをドナー分子として用いたリン酸ジエステル結合によって、AMPが標的タンパク質に付加される。同様に、ADPリボシル化では、NAD+をドナー分子として用いたリン酸ジエステル結合によって、ADP−リボース部分が標的タンパク質に付加される。ATP及びNAD+の両方のN6位は、修飾後事象に影響を及ぼすことなく、リンカーにタグ付けするために使用できることが示されている。AMP化またはADPリボシル化反応を行うためにN6修飾クロロアルカン−ATPまたは−NAD+が使用される場合、標的タンパク質は、クロロアルカン−ATPまたは−NAD+を含有するように修飾される。
【0224】
N6修飾ATP/NADは、ゲル内蛍光に基づく検出系を開発するために、クリックケミストリーと組み合わせて用いられてきた。ウェスタンブロットの技法によるこれらの翻訳後修飾の検出は、抗体を必要とするが、特異的ではないかまたは利用可能ではないことが多い。代替の手法は、HaloTag(登録商標)技術の特性をNanoLuc(登録商標)ルシフェラーゼ(NL)の高い発光と組み合わせることであってもよい。細胞ライセートまたは精製タンパク質のいずれかを使用して、クロロアルカン−ATP(AMP化用)またはクロロアルカン−NAD+(ADPリボシル化用)で標的タンパク質を翻訳後修飾すると、試料をSDS−PAGEによって分解し、PVDF膜に移すことができる。ブロックした後、ブロットをHaloTag−NLpepとともにインキュベートすることができる。HaloTagは、翻訳後修飾されたタンパク質に結合する。次のステップでは、生物発光を検出するためにNLpoly及びフリマジンをブロットに加えることができる。この検出方法は、ウェスタンブロットの検出のための化学発光に基づく手法の代替である。化学発光に基づく手法は、HaloTag−タンパク質G融合体のインキュベーションを(一次として)含んでもよく、次のステップでは、ECL反応の後、HRPに連結されたいずれの二次抗体が使用されてもよい。
【0225】
実施例101
翻訳後修飾アッセイ
タンパク質の翻訳後修飾(PTM)は、生物学的制御の全ての態様の中心となる。PTMは、官能基をタンパク質に共有結合的に付加することによってプロテオームの多様な機能を増幅する。これらの修飾は、リン酸化、メチル化、アセチル化、グリコシル化、ユビキチン化、ニトロシル化、脂質化を含み、正常な細胞生物学及び病態形成の多くの態様に影響する。より具体的には、ヒストンに関連するPTMが大変重要である。ヒストンタンパク質のエピジェネティックな共有結合的修飾は、遺伝子転写制御及び細胞活性に強い影響を及ぼす。翻訳後修飾酵素の例として、限定されないが、キナーゼ/ホスファターゼ、メチルトランスフェラーゼ(HMT)/脱メチル化酵素(HDMT)、アセチルトランスフェラーゼ/ヒストン脱アセチル化酵素、グリコシルトランスフェラーゼ/グルカナーゼ、及びADP−リボシルトランスフェラーゼが挙げられる。正常の生理的条件下で、PTM酵素の制御は厳重に規制されている。しかしながら、病的条件下では、これらの酵素活性は調節不全となり得、これらの酵素によって支配される細胞内ネットワークの破壊は、癌及び炎症を含む多くの疾患を引き起こす。
【0226】
本発明のNLpepに連結された特異的なペプチド基質への共有結合基転移(例えば、ホスホリル、アセチル)における変化を監視することによって、PTM酵素の活性を決定するために本発明の非発光性ペプチド(NLpep)及び非発光性ポリペプチド(NLpoly)を使用することができる。NLpepは、ペプチド合成によって小さなPTM酵素特異的ペプチドに連結され、PTM酵素の基質として使用される。
【0227】
A)PTMトランスフェラーゼアッセイ(HAT)
PTM酵素反応が起こると、アミノペプチダーゼを用いて未修飾ペプチド(NLpep;対照)を分解することができる。アミノペプチダーゼ活性はPTMによって影響を受けることが知られているため、修飾(アセチル化)ペプチド(NLpep−PTM酵素基質)は、非常に緩徐な速度で分解されるか、または全く分解されない。アミノペプチダーゼ反応が終了すると、フリマジンを含有するNanoGlo(登録商標)アッセイ試薬とともにNLpolyが加えられる。NLpep及びNLpolyの相互作用を介してPTMが起こった試料から発光が生成される。PTMが起こらない場合、NLpepは分解され、NLpepとNLpolyとの間に相互作用は起こらないため、発光は生成されない。この概念は、
図197において一般的なトランスフェラーゼ酵素について、また
図145においてH3K4/9アセチルトランスフェラーゼについて例示されている。
【0228】
本発明のNLpepに連結されたヒストンペプチド基質、及びアセチルまたはメチル基ドナーとしてAcetyl−CoAまたはSAMを使用して、最適な酵素反応条件下で反応が行われる。アミノペプチダーゼまたはアミノペプチダーゼの混合物を含有する緩衝液が、全ての未修飾基質を特異的に分解するために加えられる。本発明のNLpoly及びアミノペプチダーゼ阻害剤を含有する緩衝液が加えられる。NanoGlo(登録商標)アッセイ試薬が加えられ、発光が検出される。発生した発光は、存在する分解されていないNLpepの量に比例し、したがってメチル化またはアセチル化された基質の量と相関しており、それによってメチルトランスフェラーゼまたはアセチルトランスフェラーゼ活性の量を示唆する。このアッセイは、リン酸化、グリコシル化、ユビキチン化、ニトロシル化、及び脂質化等のPTMにも適用することができる。
【0229】
B)PTMヒドロラーゼアッセイ(HDMT)
A)に類似する概念をヒストン脱メチル化酵素(HDMT)に用いることができる。しかしながら、アミノペプチダーゼの代わりに、PTM特異的抗体を使用して活性阻害を生じることができる。本発明のNLpepは、ペプチド合成によって小さなメチル化ペプチドに連結することができ、ヒドロラーゼの基質として使用することができる。ヒドロラーゼ反応が終了してから、抗メチル抗体を反応に加えることができる。この抗体は、メチル化ペプチド(対照)に特異的に結合する。HDMTによって生成されるペプチド生成物は、抗体に結合しない。次いで、本発明のNLpolyを加えることができる。抗体がNLpep及びNLpolyの相互作用に干渉しない場合、発光は生成されない。脱メチル化酵素によるPTMの加水分解が起こる場合、NLpep及びNLpolyが相互作用し、発光が生成される。この概念は、
図198において一般的なヒドロラーゼ酵素の概念について、また
図146において、H3K4/9脱メチル化酵素について例示されている。
【0230】
未修飾基質のアミノペプチダーゼ分解の概念は、ヒドロラーゼアッセイにも用いることができるが、但し、シグナルのゲインではなくシグナルアッセイのロスになる。反応は、本発明のNLpepに連結された修飾(メチル化またはアセチル化)ヒストンペプチド基質を使用して、最適な酵素反応条件下で行われる。メチル基またはアセチル基を認識することができる抗体を含有する緩衝液が加えられる。本発明のNLpolyを含有する緩衝液が加えられる。NLpolyは、抗体に結合していないNLpepと相互作用する。NanoGlo(登録商標)アッセイ試薬が加えられ、発光が検出される。発生した発光は、抗体に結合していないNLpepの量に比例し、したがって脱メチル化または脱アセチル化された基質の量と相関しており、それによって脱メチル化酵素または脱アセチル化酵素活性の量を示唆する。両方のヒドロラーゼアッセイの概念は、ホスファターゼ、グルカナーゼ、及びデユビキチナーゼ等のPTMヒドロラーゼにも適用することができる。
【0231】
これらの概念の別の形態において、ペプチド−NLpep上でのPTMによる導入または加水分解は、単独で、NLpepとNLpolyとの相互作用を低下するかまたは増強するのに十分であり、したがって、アミノペプチダーゼまたは抗体を必要とせずに発光シグナルを低下または増加させる。
【0232】
本発明の方法は、以下のNLpep−SRC基質ペプチドを使用して代表的なトランスフェラーゼであるチロシンキナーゼSRCをアッセイするために使用された:YIYGAFKRRGGVTGWRLCERILA。SRC酵素を150μM ATP及び2.5μM NLpep−Src基質の存在下で10μlの反応緩衝液A(40mM Tris 7.5、20mM MgCl2及び0.1mg/mlのBSA)に滴定し、23℃で1時間インキュベートした。インキュベーション後、10μlのアミノ−ペプチダーゼM(APM)試薬(40mM Tris 7.5、0.1mg/mlのBSA及び50mU APM)を加え、軌道振盪機上で2分間混合し、次いで、37℃で2時間インキュベートした。試料に、30μlのNLpoly試薬を加え、試料を室温でインキュベートした。NLpoly試薬は、NLpoly断片及びアミノペプチダーゼ阻害剤を含有していた。30分後、50μlのNanoGlo(登録商標)アッセイ試薬を加え、3分後にルミノメーター上で発光を記録した。SRCキナーゼ酵素活性の増加は、バックグラウンドを上回る発光の増加と相関していることが分かった(
図199)。SRCが存在しない場合にバックグラウンド活性のみが見られたことから、非リン酸化NLpep−SRC基質ペプチドが消化され、その結果としてNLpoly断片による光の生成がもたらされず、したがってキナーゼ等のトランスフェラーゼ酵素の活性を監視するための本発明の方法の使用が実証される。
【0233】
実施例102
哺乳動物細胞、細胞ライセート、または臨床試料における対象となる特異的RNA(非コードRNAまたはmRNA)の検出
本発明の非発光性ペプチド(NLpep)及び非発光性ポリペプチド(NLpoly)は、遺伝子操作した配列特異性によってRNA結合ドメイン(RBD)に繋ぎ止めることができる。RBDの特異性は、RBDの塩基特異性を付与する特有のアミノ酸を変化させることにより正確に変更することができる。そのようなRBDの一例は、ヒトpumilioドメイン(本明細書においてPUMと称される)である。PUMのRNA認識コードはかなり十分に確立されている。PUMは、8つのタンデムリピートからなる(各リピートは、折り畳んで、αへリックスからなる密集したドメインになる34個のアミノ酸からなる)。各リピートの中心からの保存されたアミノ酸は、RNA認識配列(8つの塩基からなる)内の個々の塩基と特異的に接触する。PUMの配列特異性は、RNA認識配列内の塩基認識に関与する(部位特異的変異誘発によって)保存されたアミノ酸を変化させることにより正確に変更することができる。細胞内の特異的RNAの検出のために、標的RNAに対してカスタマイズされた配列特異性を有するPUMドメイン(PUM1及びPUM2)を本発明のNLpep及びNLpolyに繋ぎ止めることができ(例えば、遺伝子操作による遺伝的融合タンパク質)、哺乳動物細胞で発現させることができる。PUM1及びPUM2は、標的RNA中の互いに近接する(数個の塩基対によって分離され、実験的に決定される)8つのヌクレオチド配列を認識するように設計される。PUM1及びPUM2とそれらの標的配列との最適な相互作用は、PUMと非発光性ペプチド及び非発光性ポリペプチドとを分離する柔軟なリンカーを導入することによって保証される(リンカーの配列及び長さは実験的に決定される)。PUM1及びPUM2とそれらの標的配列への結合は、NLpep及びNLpolyを、我々の特定のアッセイ条件下で生物発光シグナルを生成することができる機能的複合体の形成をもたらす配向において近接させる。複合体を構成するNLpep及びNLpoly対の不安定な相互作用のために、機能的生物発光複合体は、RNA標的の非存在下では生成されない。
【0234】
臨床試料中のRNAをin vitroで検出するためにも、同様のストラテジーを使用することができる。カスタマイズされたRNA特異性を有するNLpep−PUM融合タンパク質は、適切なタンパク質発現系(大腸菌または哺乳動物タンパク質発現系等)から発現させることができ、また精製することができる。精製された成分は、適切な基質及び生物発光シグナルを発生させるためのアッセイ成分とともに生物試料に加えることができる。
【0235】
実施例103
臨床試料または哺乳動物細胞ライセートにおける特異的RNA(非コードRNAまたはmRNA)のDNAオリゴに基づく検出
本発明の非発光性ペプチド(NLpep)及び非発光性ポリペプチド(NLpoly)は、適切なリンカー(アミノ酸またはヌクレオチド)を用いて標的RNAに相補的なオリゴヌクレオチドに付着することができる。DNAオリゴとそれらの標的RNAとの配列特異的ハイブリダイゼーションが、アッセイ条件下における生物発光シグナルの生成に最適な理想的な立体構造でNLpep及びNLpolyを近接させる場合にのみ、生物発光複合体の機能的集合が起こる。検出はまた、2つのNLpep及び第3のNLpolyを含む3つの成分からなる相補性系を通して達成することもできる。例えば、2つのNLpep−DNAコンジュゲートは、標的RNAと混合される。生物発光複合体の機能的集合は、続いて第3のNLpolyを付加することによって達成される。したがって、検出可能なシグナルが、臨床試料または細胞ライセートを使用する特定のアッセイ条件下で生成される場合、そのような試料中の標的RNAの存在が推測される。そのようなアッセイは、感染病原体(ウイルスRNA)由来のRNA及び特異的RNAバイオマーカー(種々の形態の癌、肝疾患、及び心疾患等の多くの病状と関連付けられる)を検出するために有用であり、多くの病状の診断及び予後への新しい手段を提供し得る。
【0236】
実施例104
In−vivo画像化
抗体、ペプチド、及びタンパク質を含む生物工学に由来する生成物(生物製剤)は、治療剤として大いに有望である。小分子薬とは異なり、生物製剤は、二次及び三次構造を含む大きな分子であり、翻訳後修飾を含有することが多い。生物製剤の内部移行、細胞内輸送、体内分布、薬物動態及び薬動力学(PK/PD)、免疫原性等は、小分子薬とは著しく異なり、これらの抗体をin vivoで「追跡する」ための新しいツールの必要性が存在する。酵素レポーター(HRP、ルシフェラーゼ等)または小さな蛍光タグを用いた従来の化学標識は、生物製剤の治療的価値を著しく変化させる可能性があり、生物製剤を使用したin vivo画像化には理想的ではない。PETに基づく画像の放射性同位元素標識も都合がよくない。
【0237】
本明細書に記載のNLpoly及びNLpepは、生物製剤のin vivo画像化に新規ソリューションを提供する。NLpepは、いずれの合成ステップも伴わずに、生物学的治療薬に遺伝的にコードされ得る。遺伝的コード化により、生体分子当たりのペプチドの量及びその位置を正確に制御することができ、その治療的価値に対するいずれのゆらぎも最小限に抑える。画像化のために、NLpolyを、基質、例えば、フリマジンとともに、動物に注入することができる。NLpep−生物製剤及びNLpolyが相互作用すると、発光が生成される。代替として、NLpolyを発現するトランスジェニック動物をモデル系として使用することもできる。
【0238】
実施例105
BRET用途
この概念は、基本的に、一体化した3つの部分を測定する。NLpoly及び/またはNLpepのうちの2つが複合体を形成し、蛍光性または生物発光性のいずれかである第3の部分がエネルギー移動要素を提供する。形成された複合体が生物発光性である場合、生物発光及びエネルギー移動(すなわち、BRET)の両方を測定することができる。形成された複合体が蛍光性である場合、第3の要素が生物発光分子であればエネルギー移動の規模を測定することができる。
【0239】
A)この実施例は、NLpepに結合した蛍光色素を示す。代替として、蛍光タンパク質を融合してもよい:例えば、NLpolyまたはNLpepとの融合タンパク質(遺伝子構築物から作製)。
NLpoly WTの大腸菌清澄化ライセートを以前に記載したように調製した。40uLのNLpoly WTライセートを10uLのPBI−4730(NLpep1)またはPBI−4877(NLpep1−TMR)と混合し、室温で10分間インキュベートした。50mM HEPES(pH7.4)中の50uLの100uMフリマジンを加え、室温で30分間インキュベートした。TECAN M1000上で400〜700nmにわたって発光を測定した。
【0240】
図147は、NLPoly/NLPep複合体(ドナー)からTMR(アクセプター)への非常に効率のよいエネルギー移動、及び放出される光の波長の対応する赤方偏移を示している。
【0241】
B)この実施例は、小分子の濃度または酵素活性の検出等の検出におけるBRETの使用を示している。エネルギーの移動は距離に強く依存するため、エネルギー移動の規模は、系の立体構造に関連することが多い。例えば、カルシウムをキレート化するポリペプチドの挿入を用いて、エネルギー移動の修飾によるカルシウム濃度を測定することができる。
【0242】
上記のようにセンサーの立体構造変化を引き起こすことによって、または蛍光部分からのセンサーの切断によって、距離も変化させる酵素は、本明細書に記載の系によって測定することができる。蛍光部分に結合したNLpolyまたはNLpepは、NLpoly及びNLpepが相互作用した時にエネルギー移動をもたらす。これの一例は、NLpepがDEVDリンカー(カスパーゼ−3切断部位)を介して蛍光TOM色素にコンジュゲートされるように作製されたペプチドセンサーである。NLpolyに曝露されるとエネルギー移動が観察される。カスパーゼ−3に曝露されると、エネルギー移動が排除されるが、460nmの発光は残る。
【0243】
NLpoly 5A2及びNL−HT(HaloTagに融合したNanoLuc)を精製した。20uLの8pM NL−HTを20uLの100nM PBI−3781と混合し(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第13/682,589号を参照のこと)、室温で10分間インキュベートした。40uLのNanoGlo+100uMフリマジンを加え、TECAN M1000上で300〜800nmにわたって発光を測定した。
【0244】
20uLの33ng/uL NLpoly 5A2を20uLの約500uMのPBI−5074(TOM−NCT−NLpep)と混合した。40uLのNanoGlo+100uMフリマジンを加え、TECAN M1000上で300〜800nmにわたって発光を測定した。
【0245】
図148は、NLPoly/NLPep複合体(ドナー)からTOM色素(アクセプター)へのエネルギー移動、及び放出される光の波長の対応する赤方偏移を示している。
【0246】
C)三元相互作用
NLpoly及びNLpepによるエネルギー移動は、相互作用する3つの分子を測定するためにも使用することができる。一例は、NLpolyで標識されたGPCR、及びNLpepで標識されたGPCR相互作用タンパク質であり、これらが相互作用すると生物発光複合体を形成する。これにより二成分相互作用の測定が可能となる。エネルギー移動に適した蛍光部分を担持する小分子GPCRリガンドがこの系と相互作用すると、エネルギー移動が起こる。したがって、二成分タンパク質−タンパク質相互作用及び薬物−タンパク質−タンパク質の三元相互作用は、同じ実験で測定することができる。また、蛍光部分のみが、タンパク質対と相互作用した時にシグナルを引き起こすことができ、不活性タンパク質と相互作用するリガンドからのあらゆるシグナルを除去する(
図149)。
【0247】
実施例106
6−テトラメチルローダミン−PEG3−NH
2:
DMF(5mL)中の6−テトラメチルローダミンサクシジミジルエステルの溶液(0.25g、0.5mmol)に、1−Boc−4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジアミン(0.15g、0.5mmol)を加え、その後ジイソプロピルエチルアミン(0.25mL、1.4mmol)を加えた。16時間撹拌した後、HPLCにより反応を分析して6−テトラメチルローダミンサクシジミルエステルが完全に消費されたことを確認した。反応物をピンク色の膜に濃縮し、トリイソプロピルシラン(0.2mL)及びトリフルオロ酢酸(4mL)の組み合わせに溶解した。ピンク色の溶液を2時間撹拌し、その後、分析HPLCによって出発材料が完全に消費されたことを確認した。反応物を乾燥するまで濃縮し、粗6−テトラメチルローダミン−PEG3−NH2をピンク色の膜として得た。
【0248】
H−GVTGWRLCERILA−PEG−TMR(PBI−4877):
[この文献は図面を表示できません]
Fmoc技術を用いた標準的な固相ペプチド合成によって完全に保護されたペプチドBoc−GVTGWRLCERILA樹脂を合成し、次いで、ジクロロ酢酸を使用して樹脂から切断し、完全に保護されたペプチドを白色固体として遊離させた。DMF(1.5mL)中の6−テトラメチルローダミン−PEG3−NH2の溶液(0.05g、0.08mmol)に、このBoc−GVTGWRLCERILA−OH(0.2g、0.07mmol)、1−ヒドロキシアザベンゾトリアゾール(11mg、0.08mmol)、1−エチル−3−(3−ジエチルアミノプロピル)カルボジイミド(15mg、0.08mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.28mL、0.16mmol)を加えた。30分間撹拌した後、反応物を濃縮し、得られた粗生成物をCH
2Cl
2と水に分割し、層を分離し、有機層を水及び鹹水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。得られたピンク色の固体をトリイソプロピルシラン(0.2mL)及びトリフルオロ酢酸(4mL)の組み合わせに溶解した。3時間撹拌した後、反応物を濃縮し、得られたピンク色の膜を、0.1%水性TFA中のACNの勾配を用いた逆相HPLCにより精製し、PBI 4877をピンク色の粉末として得た:MS(M+)計算値2088.5、実測値2089.1。
【0249】
TOM−DEVDGVTGWRLCERILA−OH(PBI−5074):
[この文献は図面を表示できません]
Fmoc技術を用いた標準的な固相ペプチド合成によって完全に保護されたペプチドH−DEVDGVTGWRLCERILA樹脂を合成した。まだ樹脂上にあるうちに、6−TOM(PBI−3739)サクシジミジルエステルの溶液を加え、遊離N末端と反応させた。次いで、ペプチドを樹脂から切断し、トリフルオロ酢酸(TFA)を用いて完全に脱保護化し、青色の固体を得た。0.1%水性TFA中のACNの勾配を用いた逆相HPLCにより固体を精製し、PBI 5074を青色の粉末として得た:MS(M+Z/2)計算値1238.9、実測値1238.8。
【0250】
実施例107
合成、N末端融合、及びC末端融合NLPep78間における相補性の比較
大腸菌ライセートをHaloTag−TMR(登録商標)リガンドで標識することにより、GST−HaloTag(登録商標)融合体(GST−HT)を対照として用いてNLpep78−HaloTag(78−HT)及びHaloTag−NLPep78(HT−78)の融合体を定量し、SDS−PAGEによって分離し、Typhoon上で走査した。次いで、GST−HT標準物質の既知の濃度を用いて標準曲線を作成し、78−HT及びHT−78のバンド強度を用いてそれらの濃度を決定した。
【0251】
NLpoly11Sを含有する大腸菌ライセートをPBS pH7+0.1% Prionex中に1:10
7で希釈した。PBS pH7+0.1% Prionex中に、78−HT、HT−78、及び合成NLpep78の段階希釈液を作製した。20uLのNLpoly11S及び20uLのNLPepのうちの1つを混合し、周囲温度で5分間インキュベートした。40uLのNanoGlo(登録商標)試薬(Promega Corporation)+100uM Fzを加え、試料を周囲温度で5分間インキュベートした。GlomaxMulti+上で0.5秒の積分を用いて発光を測定した。GraphPad Prismを使用して1サイト特異的結合にデータを適合させ、Bmax及びKdを決定した。
【0252】
結果(
図150)は、融合パートナー(HaloTag)のN末端またはC末端における、NLpoly11Sの合成NLPep78及びNLPep78への結合を比較している。結合親和性は著しく変化しないことが分かったが、NLPep78がC末端にある時にBmaxが低下した。
【0253】
実施例108
合成、N末端融合、及びC末端融合NLPep79間における相補性比較
NLpep79−HaloTag(79−HT)及びHaloTag−NLPep79(HT−79)の融合体を、GST−HaloTag(登録商標)融合体(GST−HT)を対照として用いて、大腸菌ライセートをHaloTag−TMR(登録商標)リガンドで標識することによって定量し、SDS−PAGEによって分離し、Typhoonにより走査した。標準曲線を次いで、既知の濃度のGST−HT標準物を使用して作成し、79−HT及びHT−79の帯強度を使用してそれらの濃度を決定した。
【0254】
NLpoly11Sを含有する大腸菌ライセートを、PBS pH7+0.1% Prionex中に1:10
7希釈した。79−HT、HT−79、及び合成NLpep79の段階希釈をPBS pH7+0.1% Prionex中で行った。20μL NLpoly11S及び20μLのNLPepのうちの1つを混合し、周囲温度で5分間インキュベートした。40μL NanoGlo(登録商標)試薬(Promega Corporation)+100μM Fzを添加し、試料を周囲温度で5分間インキュベートする。発光をGlomaxMulti+により、0.5秒の積分を使用して測定した。データを、GraphPad Prismを使用して1サイト特異的結合に適合させて、Bmax及びKdを決定した。
【0255】
結果(
図151)は、NLpoly11Sの、合成NLPep79ならびに融合パートナー(HaloTag)のN末端またはC末端におけるNLPep79への結合を比較する。結合親和性は著しく変化することが見出されなかったが、BmaxはNLPep79がC末端にあったときに低減された。
【0256】
実施例109
PBI−4877(NLPep1−フルオロフォア)と比較したNLPep86とのNLpoly11Sのスペクトル走査
精製NLpoly11SをPBS pH7+0.01% Prionex+1mM DTT中、1nMに希釈した。NLPep86またはPBI−4877をPBS pH7+0.01% Prionex+1mM DTT中、40μMに希釈した。25μL NLpoly11S及び25μL NLPep86またはPBI−4877を混合し、次いで周囲温度で10分間インキュベートした。50μL緩衝液(PBS pH7+0.01% Prionex+1mM DTT)+100μM Fzを次いで添加した。発光をTecan Infinite M1000により次のように測定した:300〜800nm、5nm毎、帯域幅10nm、ゲイン127、積分0.5秒、zポジション22,000um。
【0257】
結果は、NLPepが蛍光色素等の小分子に複合され、NLpoly11Sとの相互作用を保持して発光をもたらし得ることを実証する(
図152)。それはまた、効率的なエネルギー移動及び発光スペクトルを変化させる能力も実証する。
【0258】
実施例110
PBI−5434(フルオロフォア−NLPep1)と比較したNLPep86とのNLpoly11Sのスペクトル走査
精製NLpoly11SをPBS pH7+0.01% Prionex+1mM DTT中、1nMに希釈した。NLPep86またはPBI−5434をPBS pH7+0.01% Prionex+1mM DTT中、40μMに希釈した。25μL NLpoly11S及び25μL NLPep86またはPBI−5434を混合し、次いで周囲温度で10分間インキュベートした。50μL緩衝液(PBS pH7+0.01% Prionex+1mM DTT)+100μM Fzを次いで添加した。発光をTecan Infinite M1000により次のように測定した:300〜800nm、5nm毎、帯域幅10nm、ゲイン127、積分0.5秒、zポジション22,000um。
【0259】
結果は、NLPepが蛍光色素等の小分子に複合され、11Sとの相互作用を保持して発光をもたらし得ることを実証する(
図153)。これはまた、実施例109におけるPBI−4877での結果と合わせて、複合化に使用される末端及び/またはリンカー長がエネルギー移動に著しく影響を及ぼし得ることも示唆する。
【0260】
実施例111
PBI−5436(フルオロフォア−NLPep1)と比較したNLPep86とのNLpoly11Sのスペクトル走査
精製NLpoly11SをPBS pH7+0.01% Prionex+1mM DTT中、1nMに希釈した。NLPep86またはPBI−5436をPBS pH7+0.01% Prionex+1mM DTT中、40μMに希釈した。25μL NLpoly11S及び25μL NLPep86またはPBI−5436を混合し、次いで周囲温度で10分間インキュベートした。50μL緩衝液(PBS pH7+0.01% Prionex+1mM DTT)+100μM Fzを次いで添加した。発光をTecan Infinite M1000により次のように測定した:300〜800nm、5nm毎、帯域幅10nm、ゲイン127、積分0.5秒、zポジション22,000um。
【0261】
結果は、NLPepが蛍光色素等の小分子に複合され、11Sとの相互作用を保持して発光をもたらし得ることを実証する(
図154)。それはまた、効率的なエネルギー移動及び発光スペクトルを変化させる能力も実証する。
【0262】
実施例112
親和性緩衝液中の種々のNLPepとの11SについてのKm値の比較
精製NLpoly11SをPBS pH7+0.01% Prionex+1mM DTT+0.005% Tergitol(親和性緩衝液)またはNanoGloアッセイ試薬(Promega Corporation)中、40pMに希釈した。NLPep(NLpep86、78、99、101、104、128、及び114)を親和性緩衝液またはNanoGloアッセイ試薬中、400μMに(NLPepを1mMに)希釈した。300μL NLpoly11S及び300μLのNLPepを混合し、周囲温度で30分間インキュベートした。50μlを次いで白色の96ウェルプレートのウェルに添加した。50μl親和性緩衝液+2×Fz(12.5μM、2倍希釈を7回)または50μlNanoGlo+2×Fz(100μM、2倍希釈を7回)を各ウェルに添加し、発光をGlomax Multi+により、0.5秒の積分を使用して測定した。Kmを、GraphPad Prism、ミカエリスメンテンを使用して決定した。
【0263】
結果は、親和性緩衝液(
図155)またはNanoGloアッセイ緩衝液(
図156)中の、NLpoly11Sと種々のNLPepとの間の複合体への基質結合を実証する。決定されるKm値は、示されるNLPepでは著しく変動しない。
【0264】
実施例113
種々の濃度のフリマジンでのNLpoly11SへのNLPep1結合親和性
精製NLpoly156及びNLpoly11Sを、親和性緩衝液(PBS pH7+0.01%プリオネックス+1mM DTT+0.005%テルギトール)中、40pMにする。合成NLPep1(WT)を親和性緩衝液中、NLpoly156に対しては560μM、またはNLpoly11Sに対しては80μMに希釈し、次いで3倍段階希釈して8つの濃度を作製した。350μL NLPep1及び350μL NLPoly156または11Sを混合し、次いで周囲温度で30分間インキュベートした。50μLを次いで、白色の96ウェルアッセイプレートのウェル中にアリコートした。Fzを親和性緩衝液に添加して40、20、10、5、2.5、及び1.25μMにし、50μL Fz/親和性緩衝液を各ウェルに添加し、周囲温度で2分間インキュベートした。発光をGlomax Multi+により、0.5秒の積分を用いて測定した。GraphPad Prism及び1サイト特異的結合を使用して、各濃度のFzでのKdを算出した。
【0265】
結果(
図157)は、Fzの濃度が増加するにつれての親和性(NLPoly/NLPep)の変化を示す。
【0266】
実施例114
種々の濃度のNLPep1でのNLpoly156/NLPep1及びNLpoly11S/NLPep1についてのフリマジンKm値
精製NLpoly156及びNLpoly11Sを親和性緩衝液(PBS pH7+0.01%プリオネックス+1mM DTT+0.005%テルギトール)中、40pMに希釈した。合成NLPep1(WT)を親和性緩衝液中、NLpoly156に対しては560μM、またはNLpoly11Sに対しては80μMに希釈し、次いで3倍段階希釈して8つの濃度を作製した。50μLを次いで、白色の96ウェルアッセイプレートのウェル中にアリコートした。Fzを親和性緩衝液に添加して40、20、10、5、2.5、及び1.25μMにし、50μL Fz/親和性緩衝液を各ウェルに添加し、周囲温度で2分間インキュベートした。発光をGlomax Multi+により、0.5秒の積分を用いて測定した。GraphPad Prism及び1サイト特異的結合を使用して、各濃度のNLPep1でのKdを算出した。
【0267】
結果(
図158)は、NLPep1の濃度が増加するにつれての親和性(NLPoly/NLPep)の変化を示す。
【0268】
実施例115
NLPoly156/NLPep1、NLPoly11S/NLPep1、及びNanoLuc(登録商標)ルシフェラーゼについての最大活性の比較
精製NLPoly156、NLPoly11S、またはNanoLuc(登録商標)ルシフェラーゼ(Nluc)を親和性緩衝液(PBS pH7+0.01%プリオネックス+1mM DTT+0.005%テルギトール)中、40pMに希釈した。合成NLPep1(WT)を親和性緩衝液中、NLPoly156に対しては560μM、またはNLPoly11Sに対しては80μMに希釈し、次いで3倍段階希釈して8つの濃度を作製した。350μL NLPep1(または親和性緩衝液)及び350μL NLPoly(またはNluc)を混合し、次いで周囲温度で30分間インキュベートした。50μLを次いで、白色の96ウェルアッセイプレートのウェル中にアリコートした。Fzを親和性緩衝液に添加して40、20、10、5、2.5、及び1.25μMにし、50μL Fz/親和性緩衝液を各ウェルに添加し、周囲温度で2分間インキュベートした。発光をGlomax Multi+により、0.5秒の積分を用いて測定した。GraphPad Prism及びミカエリスメンテン(Michaelis−Menton)の等式を使用して、各濃度のNLPepでのVmaxを算出した(各濃度のNLPep1で算出されたVmax値を1サイト特異的結合へ入力してBmaxを算出)。GraphPad Prism及び1サイト特異的結合を使用して、各濃度のFzでのBmaxを算出した(各濃度のFzで算出されたBmax値をミカエリスメンテン(Michaelis−Menton)の等式へ入力してVmaxを算出)。
【0269】
結果(
図159)は、NLPep1によって活性化されたときのNLPoly156またはNLPoly11Sの最大活性対NanoLucルシフェラーゼの最大活性を実証する。
【0270】
実施例116
種々のNLPepとのNLpoly11Sの滴定からもたらされる発光値
精製NLPoly11SをPBS pH7+0.01% Prionex+1mM DTT+0.005% Tergitol(親和性緩衝液)中、40pMに希釈した。合成NLPep(NLPep86、78、79、99、101、104、114、128、または野生型)を親和性緩衝液中、次のように希釈した:NLPep86=60nM、NLPep78=280nM、NLPep79=800nM、NLPep99=4μM、NLPep101=34μM、NLPep104=20μM、NLPep128=4μM、NLPep114=4.48mM、及びNLPepWT=20μM。25μL NLPoly11S及び25μLの1つのNLPepを混合し、次いで周囲温度で30分間インキュベートした。50μl親和性緩衝液+20μM Fzを次いで各混合物に添加し、発光をGlomaxMulti+により、0.5秒の積分を使用して測定した。Bmax及びKd値を、GraphPad Prism及び1サイト特異的結合を使用して決定した。
【0271】
結果(
図160)は、NLPoly11S及び種々のNLPepを使用しての約100,000倍範囲の親和性を実証する。Bmaxの最小損失が高親和性NLPepと低親和性NLPepとの間で観察された。
【0272】
実施例117
HEK293T細胞中へのトランスフェクション後のNLPoly156、NLPoly11S、及びNanoLuc(登録商標)ルシフェラーゼのウェスタンブロット
1日目、2ng NLPoly156、NLPoly11S、またはNanoLuc(登録商標)ルシフェラーゼ(Nluc)DNAと、1ug pGEM3Zf(+)キャリアDNA、4ul Fugene HD(Promega Corporation)、及びフェノールレッドフリーOptiMEM(100ulまで)とのトランスフェクション混合物を作製し、室温で10分間インキュベートした。トランスフェクション混合物を次いで、6ウェルプレートの1つのウェルに移し、2mlのHEK293T細胞を400,000細胞/ml(総計800,000細胞)で添加した。細胞を37℃で一晩インキュベートした。
【0273】
2日目、細胞をフェノールレッドフリーDMEMで洗浄し、500μLフェノールレッドフリーDMEMを各ウェルに添加し、細胞を−70℃で少なくとも30分間凍結させた。細胞を次いで融解させ、500μLを微量遠心管に移し、20μlを80μLの1.25x SDS負荷緩衝液と混合し、95℃で5分間インキュベートした。10ulをMES泳動緩衝液と共に10%ビス−トリスNuPAGEゲル上に負荷した。タンパク質を、iBlotを使用してPVDFに移し、膜をメタノール中で洗浄した。膜を次いでTBST+5% BSA中、周囲温度で1時間でブロッキングし、TBST中で3回洗浄し、次いで10mL TBST+2μLウサギ抗Nlucポリクローナル抗体+2μLウサギ抗β−アクチンポリクローナル抗体(Abcam番号ab8227)と共に、4℃で一晩インキュベートした。
【0274】
3日目、膜をTBST中で3回洗浄し、10mL TBST+2μL抗ウサギHRP複合抗体と共に周囲温度で1時間インキュベートし、再びTBSTで3回洗浄し、12mL ECLウェスタンブロッティング基質と共に1分間インキュベートした。化学発光をLAS 4000 Image Quantで画像化した。
【0275】
結果(
図161)は、完全長NanoLuc(登録商標)ルシフェラーゼと比較したNLPolyの発現レベルを示す。NLPoly156は、NanoLuc(登録商標)ルシフェラーゼ(Nluc)ほどには発現しないが、一方でNLPoly11Sは、Nlucと同様に発現する。
【0276】
実施例118
NLPoly11S/NLPep114親和性がβ−ラクタマーゼ(SME)とβ−ラクタマーゼ阻害性タンパク質(BLIP)との間の相互作用に及ぼす影響の決定、ならびに11S/114及びβ−ラクタマーゼ活性を通して測定された親和性値間の比較
タンパク質精製
pF1K−シグナル−6H−SME、pF1K−シグナル−6H−SME−11S、pF1K−シグナル−6H−BLIPY50A、及びpF1K−シグナル−6H−BLIPy50A−114(大腸菌中の組換えタンパク質のT7プロモーターベースの発現のためのPromega Flexiベクター、シグナルはSMEまたはBLIPいずれかのための天然シグナルペプチドを指す)を、25℃で18〜20時間ラムノースで誘導してKRX細胞の周辺質中で発現させた。細胞をペレット状にし、B−Per溶解試薬(Pierce、1/50培養体積)中に再懸濁させ、周囲温度で15分間インキュベートした。ライセートを次いで1.5倍体積の20mMトリスpH8+500mM NaClの添加によって希釈し、12,000×gで10分間遠心分離した。上清を清浄な管に移し、1mL RQ1 DNase(Promega Corporation)を添加し、12,000×gで10分間再び遠心分離した。上清をHisTALONカラムClontech)上で25mMトリスpH8及び500mM NaCl負荷緩衝液と共に精製し、25mMトリスpH8、500mM NaCl、及び50mMイミダゾールで溶出した。溶出したタンパク質を25mMトリスpH7.5及び25mM NaCl中に透析し、HiTrap Q FFカラム(GE Healthcare)上で25mMトリスpH7.5及び25mM NaCl負荷緩衝液と共に精製し、25mMトリスpH7.5及び125mM NaClで溶出した。イオン強度を150mM NaClの最終濃度に調整し、VivaSpin濃縮機を使用して濃縮した。
【0277】
アッセイ
BLIPY50A及びBLIPY50A−114を親和性緩衝液(PBS pH7 0.01%プリオネックス 0.005%テルギトール 1mM DTT)中、312.5nMに希釈し、次いで1.5倍段階希釈した。SME及びSME−11Sを親和性緩衝液中、0.2nMに希釈した。11.11μL SME及び88.89μL BLIPを混合し、次いで周囲温度で2時間インキュベートした。90μLの混合物を、10μLの100μM ニトロセフィン(Calbiochem、親和性緩衝液中)を含む透明96ウェルプレートに移した。90μLのSME−11S/BLIPY50A−114を、10μLの100μM Fz(親和性緩衝液中)を含む白色96ウェルプレートに移した。吸光度(ニトロセフィン)を486nmで15秒毎に、30分間にわたって測定し、発光(Fz)を2分毎に、30分間にわたって測定した。
【0278】
ニトロセフィンについて、初速度を、Excelを使用して適合させた。初速度対BLIP濃度をプロットした。Kiを、E_Free=[E]−(E_0]+[I_0]+K_app−√(([E_0]+[I_0]+K_app)^2−(4[E_0][I_0])))/2及びK_app=K_i(1+([S])/K_M)を使用して適合
Fzについては、Kdを、RLU=(Bmax×[BLIP−114])/([BLIP−114]+K_D)を使用して適合させた。
【0279】
結果(
図162)は、融合していないタンパク質としてのタンパク質相互作用(β−ラクタマーゼ SME及びその阻害剤BLIPY50A)の親和性を、NLPoly及びNLPepがそれらに融合されるときの親和性と比較し、NLPoly11SとNLPep114との間の親和性がSME/BLIPY50A相互作用に対する増加した見かけの親和性をもたらさないことを実証する。これはまた、タンパク質相互作用についての平衡結合定数を測定するためのNLPoly11S及びNLPep114の使用、ならびにNLPoly11S及びNLPep114を通して測定された親和性が、標的タンパク質(SME)の活性によって測定される親和性と一致していることも実証する。
【0280】
実施例119
FRB−NLPoly11SとFKBP−NLPep101及び111〜136との異なる組み合わせを発現する細胞によって発生した発光の比較
HEK293T細胞(20,000)を、総計1ng pF4A Ag FRB−NLpoly11S及びpF4A Ag FKBP− NLpep101または111−136プラスミドDNAで、FuGENE HDを1対8のDNA対FuGENE比で使用して、不透明な96ウェルアッセイプレートのウェル中にリバーストランスフェクトした。pGEM−3Zf(+)DNAを添加して、各トランスフェクションにおける総DNAを1μgにした。トランスフェクションの24時間後、細胞をPBSで洗浄し、次いで50nMラパマイシンを含むまたは含まないフェノールレッドフリーOptiMEMI中で1.5時間インキュベートした。OptiMEMI中の50nMラパマイシンを含むまたは含まない10μMフリマジン基質(最終濃度)を各ウェルに直接添加し、室温で5分間インキュベートした。発光を次いでGloMax Multiにより、0.5秒の積分時間を用いて読み取った。
【0281】
図163は、試験した組み合わせのうち、NLpep114とのNLpoly11Sが最も大きいラパマイシン誘導、及び最も強力なラパマイシン特異的発光シグナルのうちの1つを示すことを実証する。
【0282】
実施例120
FRB−NLpoly11SとFKBP−NLpep114及び137〜143との異なる組み合わせを発現する細胞によって発生した発光の比較
HEK293T細胞(20,000)を、総計1ng pF4A Ag FRB−NLpoly11S及びpF4A Ag FKBP−NLpep114または137〜143プラスミドDNAで、FuGENE HDを1対8のDNA対FuGENE比で使用して、不透明な96ウェルアッセイプレートのウェル中にリバーストランスフェクトした。pGEM−3Zf(+)DNAを添加して、各トランスフェクションにおける総DNAを1μgにした。トランスフェクションの24時間後、細胞をPBSで洗浄し、次いで50nMラパマイシンを含むまたは含まないフェノールレッドフリーOptiMEMI中で1.5時間インキュベートした。OptiMEMI中の50nMラパマイシンを含むまたは含まない10μMフリマジン基質(最終濃度)を各ウェルに直接添加し、室温で5分間インキュベートした。発光を次いでGloMax Multiにより、0.5秒の積分時間を用いて読み取った。
【0283】
図164は、試験した組み合わせのうち、NLpep114とのNLpoly11Sが最も大きいラパマイシン誘導、及び最も強力なラパマイシン特異的発光シグナルのうちの1つを示すことを実証する。
【0284】
実施例121
FRB−NLpoly11S及びFKBP−NLpep78/79/99/101/104/114/128を発現する細胞のラパマイシン用量反応曲線
HEK293T細胞(20,000)を、総計0.1ng pF4A Ag FRB−NLpoly11S及びpF4A Ag FKBP−NLpep78/79/99/101/104/128プラスミドDNAで、FuGENE HDを1対8のDNA対FuGENE比で使用して、不透明な96ウェルアッセイプレートのウェル中にリバーストランスフェクトした。pGEM−3Zf(+)DNAを添加して、各トランスフェクションにおける総DNAを1μgにした。トランスフェクションの24時間後、細胞をPBSで洗浄し、次いで0〜300nMラパマイシンを含むフェノールレッドフリーOptiMEMI中で1.5時間インキュベートした。OptiMEMI中の0〜300nMラパマイシンを含む10μMフリマジン基質(最終濃度)を各ウェルに直接添加し、室温で5分間インキュベートした。発光を次いでGloMax Multiにより、0.5秒の積分時間を用いて読み取った。Graphpad Prismを使用して、データをシグモイド曲線に適合させ、EC50値を算出した。
【0285】
図165は、NLpep78/79/99/101/104/114/128とのNLpoly11Sについてのラパマイシンに対するシグモイド用量反応を示す。プロットした組み合わせのうち、NLpep114とのNLpoly11Sが最も大きい動的範囲を示す。
【0286】
実施例122
ラパマイシン競合阻害剤FK506に対するFRB−NLpoly11S及びFKBP−78/79/99/101/104/114/128を発現する細胞の反応
HEK293T細胞(20,000)を、総計0.1ng pF4A Ag FRB−NLpoly11S及びpF4A Ag FKBP−NLpep78/79/99/101/104/114/128プラスミドDNAで、FuGENE HDを1対8のDNA対FuGENE比で使用して、不透明な96ウェルアッセイプレートのウェル中にリバーストランスフェクトした。pGEM−3Zf(+)DNAを添加して、各トランスフェクションにおける総DNAを1μgにした。トランスフェクションの24時間後、細胞をPBSで洗浄し、次いで10nMラパマイシンを含むフェノールレッドフリーOptiMEMIを2時間添加した。OptiMEM中のFK506阻害剤を0〜50μMの最終濃度で細胞に添加し、3時間インキュベートした。OptiMEM中のフリマジンを細胞に添加して、細胞上10μMの最終濃度にした。発光をGloMax Multiにより、0.5秒の積分時間を用いて即座に読み取った。Graphpad Prismを使用して、データをシグモイド曲線に適合させ、IC50値を算出した。
【0287】
図166は、ラパマイシン競合阻害剤FK506による、FRB−NLpoly11S及びFKBP−78/79/99/101/104/114/128のラパマイシン誘導性シグナルの用量依存的減少を実証する。
【0288】
実施例123
異なる比でのFRB−NLpoly11S及びFKBP−NLpep114でトランスフェクトされた細胞によって発生した発光の比較
HEK293T細胞(20,000)を、1ng pF4A Ag FRB−NLpoly11S及び0.01、0.1、1、10、または100ng pF4A Ag FKBP−NLpep114プラスミドDNAで、FuGENE HDを1対8のDNA対FuGENE比で使用して、不透明な96ウェルアッセイプレートのウェル中にリバーストランスフェクトした。HEK293T細胞(20,000)もまた、1ng pF4A Ag FKBP−NLpep114及び0.01、0.1、1、10、または100ng pF4A Ag FRB−NLpoly11Sによりリバーストランスフェクトした。両状況において、pGEM−3Zf(+)DNAを添加して、各トランスフェクションにおける総DNAを1μgにした。トランスフェクションの24時間後、細胞をPBSで洗浄し、次いで50nMラパマイシンを含むまたは含まないフェノールレッドフリーOptiMEMI中で1.5時間インキュベートした。OptiMEMI中の50nMラパマイシンを含むまたは含まない10μMフリマジン基質(最終濃度)を各ウェルに直接添加し、室温で5分間インキュベートした。発光を次いでGloMax Multiにより、0.5秒の積分時間を用いて読み取った。
【0289】
図167は、1:1のDNA比が最も大きいラパマイシン誘導を生じさせたが、試験した全てのDNA比で著しい誘導が観察されたことを実証する。
【0290】
実施例124
異なる配向にあり、異なるリンカー長を有する、FRB/FKBPのNLpoly11S/NLpep114融合体を発現する細胞によって発生した発光の比較
HEK293T細胞(20,000)を、FRBまたはFKBPとのpF4Ag NLpoly11S及びpF4Ag NLpep114のN末端及びC末端融合体の組み合わせを発現するベクターにより、96ウェルプレートのウェル中にトランスフェクトした。これらの構築物において、NLpoly11S/NLpep114を、4、10、または15セリン/グリシンリンカーのいずれかと共にそれらの融合パートナーから分離した。0.1ng NLpoly11S及びNLpep114 DNAを、1ウェル当たり1対8のDNA対FugeneHD比でトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、細胞をPBSで洗浄し、次いでOptiMEMI中50nMラパマイシンを含むまたは含まないフェノールレッドフリーOptiMEMI中で2時間インキュベートした。10μMフリマジン基質を次いで添加し、続く室温で5分間のインキュベーションを行い、プレートを、GloMax Multiを使用して0.5秒の積分時間を用いて読み取った。
【0291】
図168は、融合体の配向またはリンカー長に関わらず、RLUのラパマイシン特異的増加を例示する。
【0292】
実施例125
FRB−NLpoly11S/FKBP−NLpep114及びスプリットホタル相補系によって生成されるラパマイシン用量反応曲線及び時間経過の比較
HEK293T細胞(800,000)を、総計20ng pF4A Ag FRB−NLpoly11S及びpF4A Ag FKBP−NLpep114または750ng pF4A Ag N−Fluc(1−398)−FRB及びFKBP−C−Fluc(394−544)で、FuGENE HDを1対4のDNA対FuGENE比で使用して、6ウェルアッセイプレートのウェル中にトランスフェクトした。pGEM−3Zf(+)DNAを添加して、各トランスフェクションにおける総DNAを1μgにした。トランスフェクションの24時間後、20,000個の細胞を不透明な96ウェルアッセイプレートのウェル中に再度プレートし、さらに24時間インキュベートした。
【0293】
用量反応実験のために(
図169A)、NLpoly11S/NLpep114発現細胞をフェノールレッドフリーOptiMEMI中の0〜1μMラパマイシンで3時間処理し、次いで10μMフリマジンと共に5分間インキュベートした後、GloMax Multiにより発光を記録した。N−Fluc(1−398)/C−Fluc(394−544)を発現する細胞を、フェノールレッドフリー中、0〜1μMラパマイシンと共に2時間インキュベートし、続いて4mM D−ルシフェリンの存在下でさらなる1時間のインキュベーションを行ってから、GloMax Multiにより発光を記録した。
【0294】
時間経過実験のために(
図169B)、NLpoly11S/NLpep114発現細胞を、GloMax Multi注入器を介して添加したフェノールレッドフリーOptiMEMI中の0または50nMラパマイシンで処理し、発光を即座に測定した。N−Flu(1−398)/C−Flu(394−544)を発現する細胞を、フェノールレッドフリーOptiMEMI中の4 mM D−ルシフェリンで1時間処理し、続いて注入器を介した0または50nMラパマイシンの注入、及びGloMax Multiによる発光の測定を行った。曲線を、GraphPad Prism 6ソフトウェアを使用して適合させた。
図169A〜Bは、NLpoly11S/NLpep114及びスプリットホタル相補系の両方がラパマイシン依存的様態で反応して、シグモイド用量反応曲線及び同様のEC50値を生成することを実証する。NLpoly11S/NLpep114系は、より高速の会合反応速度及びより高い最大シグナルを示す。
【0295】
実施例126
FRB−NLpoly11S/FKBP−NLpep114及びスプリットホタル相補系によって生成されたFK506の用量反応曲線及び時間経過の比較
HEK293T細胞(800,000)を、総計20ng pF4A Ag FRB−NLpoly11S及びpF4A Ag FKBP−NLpep114または750ng pF4A Ag N−Fluc(1−398)−FRB及びFKBP−C−Fluc(394−544)で、FuGENE HDを1対4のDNA対FuGENE比で使用して、6ウェルアッセイプレートのウェル中にトランスフェクトした。pGEM−3Zf(+)DNAを添加して、各トランスフェクションにおける総DNAを1μgにした。トランスフェクションの24時間後、20,000個の細胞を不透明な96ウェルアッセイプレートのウェル中に再度プレートし、さらに24時間インキュベートした。細胞を次いで、フェノールレッドフリーOptiMEMI中の0または20nMラパマイシンで3時間処理した。
【0296】
FK506用量反応実験(
図170A)のために、細胞をフェノールレッドフリーOptiMEMI中の0〜100μM FK506阻害剤と共に5時間インキュベートし、10μMフリマジンで処理し、次いでGloMax Multiで、0.5秒の積分時間を用いた発光モードで読み取った。時間経過実験のために(
図170B)、細胞を、10μMフリマジンを含有するフェノールレッドフリーOptiMEMI中の10μM FK506で処理し、発光をGloMax Multiで即座に読み取った。
【0297】
図170A〜Bは、NLpoly11S/NLpep114及びスプリットホタル相補系が、FK506阻害剤での処理後に光出力の用量依存的減少を示すことを実証する。NLpoly11S/NLpep114系におけるシグナルの損失は、スプリットホタル系よりも、より早期の時点で開始し、より迅速であり、かつより完全である。
【0298】
実施例127
FKBP−NLpep114及びFKBP−Fluc(394〜544)の発現レベルを示すウェスタンブロット
HEK293T細胞(200,000)を、0〜30ngのpF4Ag NLpep114−FKBPまたはpF4Ag FKBP−Fluc(394−544)DNAで、FugeneHDを1対8のDNA対Fugene比で使用してトランスフェクトした。トランスフェクションの48時間後、細胞を1X SDSゲル負荷緩衝液で採取した。試料を4〜10%トリス−HCl SDS−PAGEゲル上で分離し、PVDF膜に移した。膜をTBST中の5% BSA中で1時間ブロッキングし、次いで抗FKBP(Abcam番号ab2918)と共に一晩インキュベートした。西洋ワサビペルオキシダーゼ複合ロバ抗ウサギIgGとの二次抗体インキュベーションを1時間行い、次いでブロットを、ECLウェスタンブロッティング基質(Promega Corporation)及びImage Quant LAS 4000系を使用して展開した。
【0299】
図171は、等レベルのトランスフェクトDNAでのFKBP−NLpep114及びFKBP−Fluc(394〜544)の同様の発現レベルを実証する。
【0300】
実施例128
IBET−151によるNLpoly11S−BRD4及びヒストンH3.3−NLpep114相互作用の用量及び時間特異的阻害
HEK293T細胞(20,000)を、10ngのpF4Ag ヒストンH3.3−NLpep114及びNLpoly11S−NLpoly11Sで、Fugene HDを1対8のDNA対Fugene比で使用して、96ウェルの白色アッセイプレートのウェル中にトランスフェクトした。
【0301】
用量反応実験のために(
図172A)、細胞をフェノールレッドフリーOptiMEMI中の0〜10μM IBET−151 で37℃で4時間処理し、次いで10μMフリマジンで5分間処理した後、GloMax Multiで発光を読み取った。
【0302】
時間経過実験のために(
図172B)、細胞を10μMフリマジンと共に5分間プレインキュベートし、0〜500nM IBET−151で処理し、5分毎の発光測定のためにGloMax Multi中に即座に配置した。
【0303】
図172A〜Bは、文献報告と一致して、BRD4阻害剤IBET−151で処理した際に、発光の用量依存的低下が処理の3時間以内に生じることを実証する。
【0304】
実施例129
GDC0879に反応したRAS/CRAF、BRAF/BRAF、及びCRAF/BRAFの二量体化
HEK293T細胞(20,000)を、pF4Ag NLpoly11S−BRAF、NLpoly11S−CRAF、NLpep114−KRAS、またはNLpep114−BRAFの組み合わせで、1ウェル当たり総計0.1ngのDNA及びFugene HDを1対4の比で使用して、96ウェルアッセイプレートのウェル中に共トランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、細胞をフェノールレッドフリーOptiMEMI中、0〜10μMのBRAF阻害剤GDC0879で4時間処理した。フェノールレッドフリーOptiMEMI中のフリマジン基質を10μMに添加し、発光を0.5秒の積分時間に設定したGloMax Multiで即座に読み取った。
【0305】
図173は、BRAF阻害剤GDC0879に反応したRAS/CRAF、BRAF/BRAF、及びCRAF/BRAFの二量体化の用量依存的増加を実証する。
【0306】
実施例130
12個の合成ペプチド(
図180)を、NLpoly11Sの3つの異なるバージョン(すなわち11S、11S−アミノ酸157、11S−アミノ酸156及び157)を構造的に相補するそれらの能力について検査した。NLpolyの原液をNanoGlo試薬中35nMにし、NLpepの原液をPBS pH7.2中12.5nMにした。等体積を混合し、試料を発光についてTecan Infinite F500リーダー(100ミリ秒積分時間;10分時点)により測定した(
図200)。
【0307】
実施例131
自発的に相互作用するペプチドNLpep86
精製NLPoly11SをPBS pH7+0.01% Prionex+1mM DTT+0.005% Tergitol(親和性緩衝液)中、40pMに希釈した。合成NLPep(NLPep86、WT、114)を親和性緩衝液中、次のように希釈した:NLPep86 = 60nM、NLPep114=4.48mM及びNLPepWT=20μM。25μL NLPoly11S及び25μL NLPepを混合し、次いで周囲温度で30分間インキュベートした。50μl親和性緩衝液+20μM Fzを次いで各混合物に添加し、発光をGlomaxMulti+により、0.5秒の積分を使用して測定した。Bmax及びKd値を、GraphPad Prism及び1サイト特異的結合を使用して決定した。
【0308】
図174は、NLPoly11S及び種々のNLPepを使用しての約100,000倍範囲の親和性を実証する。Pep86は、(LSP11Sと)自発的に相互作用するペプチドの一例であり、Pep114が参照のために低親和性相互作用ペプチドとして示される。
【0309】
実施例132
インビトロでの高親和性ペプチドの滴定
精製NLpoly11S(HaloTag精製/大腸菌発現、pFN18K)及び合成ペプチドNLpep86(ペプチド2.0から得た)を、線形動的範囲で、Nano−Glo(登録商標)アッセイ緩衝液中の33nM NLpoly11Sを使用して、3.3fM〜100nM高親和性NLpep86に対して滴定した。30kDaタンパク質について、これは10fgのLODに相当する。
【0310】
図176は、広範な線形範囲及びフェムトモル(femptamolar)濃度の高親和性ペプチドタグ(NLpep86)を検出する能力を実証する。これは、最も高感度ウェスタンブロット(WB)+増強化学発光(ECL)キットに匹敵する。
【0311】
実施例133
NLpoly及びNLpepのウェスタンブロット様有用性
HaloTag(HT7)−NLpep 80(80)またはNLpep80−HaloTag(HT7)の滴定をSDS pageゲルにより実行した。HaloTag(登録商標)タンパク質を、HaloTag−TMRリガンド(Promega Corporation)を用いて、Typhoon走査機により画像化した。試料を膜に移し、PBS pH7+0.1% Prionex+NLpoly11S(1:1,000希釈した大腸菌ライセート)を使用して、膜にブロットした。NanoGlo/Fzを次いで膜に添加し、それをImage Quantにより画像化した。
【0312】
図177は、NLpoly11Sを使用して高親和性NLPepでタグされたタンパク質を検出する感度を実証する。
図177はまた、NLPep/NLPolyを使用した検出を、蛍光標識されたHaloTagを使用した検出と比較する。
【0313】
実施例134
NLpoly11S試薬の安定性
100nM NLpoly11SをNanoGloアッセイ緩衝液(Promega Corporation)+100μMフリマジン中でインキュベートし、等量の希釈NLpep86を用いてアッセイした。対照として、NanoGloアッセイ緩衝液+100μMフリマジンを使用して、等体積の希釈NanoLuc(登録商標)ルシフェラーゼ(Promega Corporation)をアッセイした。
【0314】
結果(
図178)は、NLpoly11S試薬(Fzを含有する)が商用のNanoGlo(登録商標)アッセイ試薬(これもまたFzを含有する)と比較して同様の安定性を有することを実証する。
【0315】
実施例135
高親和性NLpep78−HT7融合体についてのDNAの滴定
HEK293細胞(200,000/ml)を、HaloTag(登録商標)タンパク質(HT7)に融合された、高親和性ペプチドNLpep78からのDNA(100ngで開始)の10倍希釈液で、リバーストランスフェクトした。100μlの各トランスフェクションを3系列で96ウェルプレートのウェル中にプレートした。トランスフェクションの24時間後、100nM NLpoly11S及び100μlフリマジンを含有する100μlNanoGlo(登録商標)アッセイ緩衝液を添加し、混合した。発光を試薬添加の10分後にGloMaxルミノメーターにより測定した。
【0316】
結果(
図179)は、実施例131/
図27と同様の広範な線形範囲を実証する。これは本質的に、この実施例が哺乳類細胞内で組換えで発現されたペプチド(HaloTagに融合)を使用することを除いて、実施例131で行われた実験と同様の実験である。
【0317】
実施例136
予備結果(アレイペプチド)
図183Aにおいて、50nM NLpoly11Sを7.5μM NLpep114及び37.5μM暗ペプチド(DP)候補(Q−162、A−162、K−162、またはE−162)と混合した。NanoGlo(登録商標)アッセイ試薬(Promega Corporation)を添加し、5分間インキュベートした。発光を検出した。
図183Bにおいて、アッセイ緩衝液(PBS pH7+0.01% Prionex+1mM DTT+0.005% Tergitol)中の50nM NLpoly11Sを、(これもまたアッセイ緩衝液中の)7.5μM NLpep114、及び(これもまたアッセイ緩衝液中の)可変量の暗ペプチド(DP)候補Q−162またはK−162と混合した。NanoGlo(登録商標)アッセイ試薬(Promega Corporation)を添加し、5分間インキュベートした。発光をTecan Infinite F500リーダーにより検出し、100ミリ秒の積分時間、5分時点を使用した。
【0318】
パネルAは、ペプチド候補(7.5μMで)の各々が、より少ない生物発光によって示されるように、NLpoly11SとNLpep114とのとの間の結合を阻害し得ることを示す。これらの「暗」ペプチドが幾らかの発光を発生することは確かであり、故にペプチドが全くない場合と比較してシグナルが増加することに留意されたい。
【0319】
パネルBは、Lys−162及びGln−162ペプチドでは、阻害が用量依存的であることを示す。
【0320】
実施例137
高純度(>95%)暗ペプチド
図184Aにおいて、5nM NLpoly11Sを500nM NLpep114及び可変量の暗ペプチド(DP)候補Q−162またはA−162(n=3)と混合した。NanoGlo(登録商標)アッセイ試薬(Promega Corporation)を添加し、5分間インキュベートした。発光を検出した。
【0321】
図184Bにおいて、アッセイ緩衝液中の5nM NLpoly11Sを、アッセイ緩衝液中の可変量の暗ペプチド(DP)候補Q−162またはA−162(NLpep114なし)(n=3)と混合した。NanoGlo(登録商標)アッセイ試薬(Promega Corporation)を添加し、5分間インキュベートした。発光を検出した。
【0322】
結果(
図184A及びB)は、実施例135からの結果を立証するが、ここではペプチドがより純粋であることからより信頼性が高い。これらの結果はまた、試験した暗ペプチド変異形のうちAlaペプチドが阻害剤として最も強力であることを示唆する。
【0323】
実施例138
暗ペプチドによる円順列変異NanoLuc(登録商標)ルシフェラーゼの阻害
「高親和性/低活性」NLpep(別名暗ペプチド)が、円順列変異Nluc(CP Nluc)の関連において、NanoLuc(登録商標)ルシフェラーゼ(Nluc)残基1〜156及び157〜169の間の分子内相互作用(すなわち、タンパク質折り畳み)と競合し得るかどうかを決定するために。
[この文献は図面を表示できません]
【0324】
組換えCP Nlucを大腸菌5倍濃縮ライセート(T7−プロモーター、一晩発現)の可溶性画分として調製した。アッセイ緩衝液(PBS pH7/0.01% Prionex/1mM DTT/0.005% Tergitol)中のCP Nlucの10,000倍希釈を使用した。合成由来の暗ペプチドをこれもまたアッセイ緩衝液中で、様々な濃度にわたって調製した。反応を30μLのCP NLuc及び60μLの暗ペプチドを使用して設定し、90μL NanoGlo(登録商標)アッセイ試薬(Promega Corporation)を添加することによってアッセイした。発光をTecan Infinite F500リーダー(100ミリ秒の積分)により測定した(5分間)。暗ペプチド試料について3回の反復実験を使用した。緩衝液対照(ペプチド原液からの酢酸)について2回の反復実験を使用した。
【0325】
図185は、暗ペプチドのCP Nlucとの用量−反応を実証する。
図186は、暗ペプチド(56μMペプチド)のCP Nlucとの時間経過を実証する。
【0326】
結果は、双方の暗ペプチド、特にAla162バージョンがCP Nlucによる発光の発生を大幅に阻害可能であることを示す(Ala162>2log、Gln162>1log)。これは、CP Nlucアプローチが逆相補性に対する有用性を有することを示す。
【0327】
実施例139
細胞内の暗ペプチド
この実施例において、次の構築物を使用した:
−4つの暗ペプチドベクター:pF4Ag+FKBP−暗ペプチドAla−162、Leu−162、Gln−162及びVal−162
−2つの非暗ペプチドベクター:pFc5K2 FKBP−NLpep114(低親和性ペプチド)及びpFc5K2 FKBP−NLpep80(高親和性ペプチド)
−1つのNLpolyベクター:pFc5K2 FRB−NLpoly11S
全ての構築物が哺乳類細胞発現のためのCMVプロモーターを包含した。全ての融合構築物が10aa Gly−Ser可動性リンカーを含有した。
【0328】
暗ペプチド構築物Ala−162(A)、Leu−162(L)、Gln−162(Q)、及びVal−162(V)の段階希釈をOptiMem中に作製し、さらにキャリアDNA(pGEM−3Z)を含有させた。
【0329】
NLpoly11Sのみを含有するトランスフェクションのためには、20μlの希釈した暗ペプチドを20μlNLpoly11S、60μl OptiMem、及び8μL Fugeneと混合した。NLpoly11S及びNLpep114またはNLpep80を含有するトランスフェクションのためには、20μlの希釈した暗ペプチドを20μl NLpoly11S(10ng/ul)、20μl NLpep114またはNLpep80(10ng/ul)、40μl OptiMem、及び8ul Fugeneと混合した。全てを室温で15分間インキュベートした。3系列での5μlの各トランスフェクションを、2つの96ウェルプレート(1つはラパマイシンを加え、1つはラパマイシンを含まない)のウェルに添加した。DMEM+10% FBS中、200,000細胞/mlでの100μlのHEK293Tを次いでウェルに添加し、トランスフェクトした細胞を37℃で一晩インキュベートした。
【0330】
培地を次いで細胞から除去し、細胞を200μl DPBSで洗浄した。50μlの50nMラパマイシンを添加し、細胞を37℃で1時間インキュベートした。5mlフェノールレッドフリーOptiMEMI+50nMラパマイシン中、20μlの5mMフリマジンを希釈し、50μlを細胞に直接添加し、GloMax Multi+中で5分間インキュベートした。発光をGloMaxにより測定した。
【0331】
図187は、暗ペプチドが、FKBPに融合されるとき、NLpoly11S(すなわち、FRB−NLpoly11S)のバックグラウンドシグナルを低減し得ることを実証する。まとめると、
図188〜190は、暗ペプチドが、FKBPに融合されるとき、1)完全長NanoLuc(すなわち、FRB−NanoLucまたはNanoLuc−FRB)の折り畳みと競合し、また2)低親和性ペプチド及び高親和性ペプチド(またFKBP融合体)の両方と、NLpoly11S(すなわちFRB−NLpoly11S)への結合に対して競合し、結果として、生細胞内で生成され、検出されている総計の発光を低減し得ることを実証する。
【0332】
実施例140
ウイルス学適用
ウイルス力価の測定を可能にすることに加えて、自発的に相互作用するNLpepはまた、ウイルス(例えば、インフルエンザ)の再集合を研究することを可能にする。ウイルスの再集合は、二重感染、例えば、H1N1、H5N1、H3N2(Hはヘマグルチニンであり、Nはノイラミニダーゼである)トリ、ヒト、ブタ、ニワトリ(ブタにおいて最も一般的)からの、新たな「ハイブリッド」ウイルスの形成を指す。
【0333】
そのセグメント化された性質により、インフルエンザゲノムは、1つを超えるウイルスに感染した宿主細胞内で容易にシャッフリングされ得る。細胞が異なる種からのインフルエンザウイルスに感染すると、再集合により、通常はトリに感染する株からの遺伝子及び通常はヒトに感染する株からの遺伝子を含有する子孫ウイルスがもたらされ得、ほとんどの宿主内で見られることのなかった新たな株の創出につながる。その上、少なくとも16個の異なるサブタイプ及び9個の異なるノイラミニダーゼサブタイプが特徴付けられていることから、カプシドタンパク質の多くの異なる組み合わせが可能である。これらのサブタイプのうち、ヘマグルチニンの3つのサブタイプ(H1、H2、及びH3)及びノイラミニダーゼの2つのサブタイプ(N1及びN2)が、ヒト集団において持続的な流行病を引き起こしてきた。トリは、全てのインフルエンザAサブタイプの宿主であり、新たなHAサブタイプがヒトに導入される元となる保有宿主である(Palese,2004)。
【0334】
再集合を検出するための本系の適用は、自発的に相互作用するNLpepの2つの構成要素が異なるウイルス粒子中に投入されるか、または細胞内の大きな構成要素及びウイルス内の小さな構成要素、ならびに両要素の存在(例えば、細胞内に存在している)が発光によって検出されるということである。
【0335】
実施例141
プロテアソームによって分解されるタンパク質のエピトープTagとしての自発的に相互作用するNLpep86の使用の検証
本発明の実施形態の開発中に、プロテアソームによって分解されるタンパク質の発現レベルを監視するためのタグとしてのNLpep86の使用を検証するために、実験を行った。これを行うために、NLpep86を、1つ以上のPEST配列、CL1配列、またはユビキチン配列(pBC21、22、24〜29)のいずれかに同様に融合されたホタルルシフェラーゼ変異形に融合した。これらの構築物の各々は、突然変異体CMVプロモーター(d1CMV)からの発現に続いて、様々な度合でプロテアソーム媒介性代謝回転を経ることが予想される。
【0336】
タグなしのホタルルシフェラーゼまたはPEST配列に融合されたタグなしのホタルルシフェラーゼを発現する構築物pBC21、22、24〜29及び対照構築物(ATG082及びATG083)を、100μLのDMEM+10% FBSを使用した96ウェルプレート中、1ウェル当たり10,000細胞でプレートしたHELA細胞中に一過性でトランスフェクトした。翌日、10μLのトランスフェクション混合物(920μl OptiMEM I+5μgのそれぞれの構築物+15μl Fugene HD)を各ウェルにつき添加し、細胞を37℃で48時間、5% CO2を含有するインキュベータ内でインキュベートさせた。タンパク質発現レベルを各構築物のための反復実験のウェル中で、ホタルルシフェラーゼ活性を検出することによって、またはNLpoly11Sを含有する検出試薬(精製NLpoly11SをNanoGlo(登録商標)に添加)を添加することによって、定量した。各場合においてNLpep86シグナルとFlucシグナルとの間で良好な相関が観察されたことから、NLpep86検出を使用して、プロテアソームによって分解されるタンパク質の融合タンパク質発現レベルを監視できることが示唆される。
BC21 MVSGWRLFKKIS−GGSGGGGSGG−Fluc(高親和性)
BC22 MVSGWRLFKKIS−GGSGGGGSGG−FlucP(高親和性)
BC24 pFC15A/MVSGWRLFKKIS−GGSGGGGSGG−Fluc−CL1
BC25 MVSGWRLFKKIS−GGSGGGGSGG−Fluc−PEST12opt(高親和性)
BC26 MVSGWRLFKKIS−GGSGGGGSGG−Fluc−CP(高親和性)
BC27 UBQ G76V−VGKLGRQDP−Fluc(EDAKNIKK..)−GGSGGGGSGG−VSGWRLFKKIS(高親和性)
BC28 UBQ−RGKLGRQDP−Fluc(EDAKNIKK..)−GGSGGGGSGG−VSGWRLFKKIS(高親和性)
BC29 UBQ−LGKLGRQDP−Fluc(EDAKNIKK..)−GGSGGGGSGG−VSGWRLFKKIS(高親和性)
ATG083 D1 FlucP、pF4Ag CMV Luc2−PEST
ATG082 D1Fluc、pF4Ag CMV Luc2
48時間のインキュベーション後、100μL NanoGlo(登録商標)NLpep11S試薬(50mlのNanoGlo(登録商標)アッセイ試薬中、90μlのNLpoly11Sを各ウェルに添加し、振盪しながら3分間インキュベートした。発光を次いでGloMaxルミノメーター(0.5秒/ウェル)により読み取った。
【0337】
図191における結果は、Fluc及びNLpep86からのシグナルが相対輝度に関して互いを反映するように見え、同様のRLUを有することを実証する。BC21、BC25、及びBC29は、BC系列のうち最も輝度の高い構築物であり、この実験において最も輝度の高いように見え、BC24、26、及び27は最も輝度が低く、これは操作された不安定化から予測される。
【0338】
実施例142
この実施例は、既知のペプチドを、同じまたは異なる相補性NLpep及びNLpoly11S(例えば、NLpep78(2X))間のリンカーとして使用できることを実証する。
【0339】
HEK293T細胞(20,000)を、20μLのNLpep78−HaloTag(HT)またはNLpep78(2x)−HT DNA、80μLのフェノール不含Opimex、及び8μLのFugeneHDを含有する混合物でトランスフェクションした。細胞を37℃で一晩増殖させ、24時間時点で、33nMの精製NLpoly11Sを含有するNanoGlo(登録商標)アッセイ試薬(Promega Corporation)を使用してアッセイした。
【0340】
結果(
図192)は、タンデム結合ペプチドを使用できること、及びそれがリンカーとして十分であり得ることを実証する。
【0341】
実施例143
HEK293Tライセート中の野生型Oplophorusルシフェラーゼ残基1〜156、NLpoly11S、及びNanoLucの特異的活性の比較
各クローンをpFN21A HaloTag(登録商標)CMV Flexi(登録商標)ベクター(Promega G2821)に挿入し、ライセートを次のように調製した:200,000細胞/mlの濃度に希釈した3ml HEK293T細胞(総計600,000細胞)を6ウェルプレートの各ウェル中にプレートし、37℃で一晩、CO
2インキュベータ中で増殖させた。翌日、各DNAのトランスフェクション複合体を、6.6μgのDNA、310μlの最終体積にしたOpti−MEM(登録商標)(Life Technologies 11058−021)、及び20μlのFuGENE(登録商標)HD(Promega E231a)を組み合わせることによって調製した。トランスフェクション複合体を20分間インキュベートし、次いで150μlの各複合体を2系列で細胞に添加した。細胞を37℃で一晩、CO
2インキュベータ中で増殖させた。翌日、細胞をDPBS(Life Technologies 14190−144)で細胞洗浄し、1mlの新鮮なDPBSを添加した。細胞を凍結して溶解させ、次いで試験のために融解させた。2系列のトランスフェクション反応ライセートを組み合わせた。
【0342】
各試料についてのタンパク質発現のレベルを定量するために、各試料をHaloTag(登録商標)TMRリガンド(Promega Corporation)で次のように標識した:HaloTag(登録商標)TMRリガンド(Promega G8251)を水中で0.05mMの濃度に1:100希釈した;100μlの各ライセートを2μlの希釈したTMRリガンドと混合し、室温で30分間インキュベートした;20μlのSDS負荷色素を添加し、試料を95℃まで5分間加熱した。10μl及び20μlの各試料をポリアクリルアミドゲル(Bio−Rad、4〜15% Criterion(商標)トリス−HClゲル番号345−0030)上に負荷し、200Vで1時間泳動させ、次いでImage Quant(商標)LAS 4000(GE)を使用して定量した。NLpoly11S及びNanoLuc(登録商標)ルシフェラーゼ(Nluc)の両方が、1〜156よりもおよそ4倍高く発現した。
【0343】
野生型Oplophorus 157〜169ペプチドと組み合わせた野生型Oplophorus1〜156及びNLpoly11S(2成分タンパク質)に対してNluc(完全長酵素)の特異的活性を比較するために、基質滴定を試料の全てに対して実行したが、2成分試料については基質滴定を複数のペプチド濃度で実行した。この形式を使用して、NlucについてのVmax値、ならびにNLpoly11S及び野生型Oplophorus1〜156についてのVmax値及びBmax値の両方を算出することが可能であった。3つの別個の実験を、この形式を使用して実行し、Vmax値及びBmax値をNanoLucのVmaxに対して正規化した。相対特異的活性(Vmax及びBmaxの平均として算出)をNanoLucに対して正規化する。
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【0344】
実施例144
NLpoly及びNLpepがFlucPの細胞内半減期に及ぼす影響
NLpoly11SまたはNLpep114のいずれかをLuc2−PESTに付加することが、シクロヘキシミド(CHX)処理後のシグナル減衰によって測定した細胞内半減期を変化させるかどうかを決定するため。
【0345】
1日目:Hela細胞を6ウェルプレートにプレートする3mlの細胞(200,000/ml)を2つの6ウェルプレートにプレートする。一晩増殖させる。DMEM+10%FBS。
【0346】
FlucP、野生型157〜169 FlucP、NLpoly11S、NLpep114 FlucP、及びpBC22を含有する構築物(全てpF4Ag D1−CMV)をHeLa細胞中にトランスフェクトした。簡潔に述べると、33μlのDNA(3.3ug)を122μlのOptiMemに添加し、混合し、9.9μlのFuGENE(登録商標)HDを添加した。トランスフェクション混合物を次いで室温で20分間インキュベートし、150μlを細胞に添加した。一晩のインキュベーション後、細胞を10,000細胞/ウェルで再度プレートし、再び一晩インキュベートした。
【0347】
インキュベーション後、増殖培地を除去し、0.4mMシクロヘキシミド(CHX)または対照(DMSO)のいずれかと交換した。各時点で、ONE−Glo(商標)アッセイ試薬を添加し、室温で3分間インキュベートし、発光をTecan GENios Proルミノメーターにより測定した。
【0348】
図193は、試験したNLpolyまたはNLpep構成要素のいずれも、レポーター酵素(FlucP)の正常な細胞内分解を妨害しなかったことを実証する。
【0349】
実施例145
細胞外プロテアーゼ活性アッセイ
いくつかの実施形態において、本発明は、細胞外プロテアーゼ(例えばカスパーゼ)活性のためのアッセイを提供する。プロテアーゼ(例えばカスパーゼ)により消光部分を除去してから初めて、NLpoly、例えば、NLpoly11Sでアクセスされて活性ルシフェラーゼに再び折り畳まれ得る、消光ペプチドが提供される(例えば、NLpep86等の高親和性ペプチド)(
図194)。NLpoly11S及びフリマジンを試薬としてアッセイに導入し、次いで試料を生物発光について測定する。
【0350】
実施例146
内側に結合したPro−基(イソペプチド及びグリコシル化アミノ酸)
ProNLpepの使用を介して酵素の活性を測定するためのアッセイを提供する。このProNLpepの構成は、内部アミノ酸のうちの1つがNLpolyに対するペプチドの相補性を阻止する基に複合された、NLpepである。このProNLpepがブロッキング基を除去する酵素(例えば、WEHDの場合はカスパーゼ1またはセリングリコシドの場合はグリコシダーゼ)に遭遇すると、NLpolyを相補するNLpepの能力は復元される(
図195)。フリマジンの存在下で、これは、目的とする酵素の活性に比例した光の生成をもたらす。各酵素切断がルシフェラーゼの形成をもたらすため、低濃度の酵素をアッセイすることに対するこの系の感度は、高いことが予想される。
【0351】
実施例147
リンカー評価
抗体からの積み荷の放出を測定するアッセイを提供する。NLpepは、抗体、タンパク質、ペプチド、またはトランスポーター認識部分に、それがNLpolyと会合してルシフェラーゼを形成するのを阻止する様態で結合される。細胞の内部移行等の刺激時に、抗体、タンパク質、ペプチド、またはトランスポーター認識部分と、NLpepとの間のリンカーが切断され、細胞内の還元電位に起因して、NLpepが放出される(
図196)。NLpepは今やNLpolyと相補してルシフェラーゼを形成することができ、発生する光はリンカーの切断に比例することになる。これは、抗体薬物複合体からの細胞傷害性薬物送達の代用である、抗体からの化合物の放出を測定する系を提供する。リンカーは、細胞内プロテアーゼまたはpH感受性を介して等、当該技術分野で既知の任意の様態を介して切断することができる。再び、ルシフェラーゼは、あらゆる切断を介して発生させられるため、これは切断をアッセイするための感受性がある方法であることが予想される。
【0352】
実施例148
病変細胞を標的としそれを破壊するための抗体の使用は、大きな治療有望性を示してきており、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)と呼ばれるプロセスを介して生じる。ADCC活性を監視する多くの方法が存在し、これには、異なる細胞型の架橋、またはエフェクター細胞内で発現される特異的ルシフェラーゼレポーターを用いた遺伝子転写の監視が含まれる。ADCCの作用機構に対する可能性のある代替の読み出しは、治療抗体の、細胞表面上で提示されたそれらの標的抗原または受容体への結合後に誘導または妨害される、特異的なタンパク質対タンパク質相互作用の監視にある。いくつかの実施形態において、特異的なタンパク質対タンパク質相互作用は、他の方法によって必要とされる時間と対比した分の時間枠で読み出しを提供する、本発明の系を使用して監視される。
【0353】
実施例149
イムノアッセイ
本発明の実施形態は、例えば、
図201に描写される、均一系イムノアッセイに使用され、この図においてNLpep及びNLpolyは結合部分(例えば、A及びB)に融合される。結合部分A及びBは、標的特異的アッセイとして、またはイムノアッセイに使用するためのより一般化された試薬として利用され得る、いくつかの異なるイムノアッセイ形式を構成する多くの異なる構成要素を含んでもよい。結合部分は、標的の存在下で初めて近接するようになり、故に、NLpep及びNLpolyを近接させることにより、基質添加時に発光の生成がもたらされる。表7は、結合部分の例を列挙する(Mie et al.The Analyst.2012 Mar 7;137(5):1085−9.、
【0354】
Stains et al.ACS chemical biology.2010 Oct 15;5(10):943−52.、Ueda et al.Journal of immunological methods.2003 Aug;279(1−2):209−18.Ueda et al.Nature biotechnology.1996 Dec;14(13):1714−8.、Lim et al.Analytical chemistry.2007 Aug 15;79(16):6193−200.、Komiya et al.Analytical biochemistry.2004 Apr 15;327(2):241−6.、Shirasu et al.Analytical sciences:the international journal of the Japan Society for Analytical Chemistry.2009 Sep;25(9):1095−100.(参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる))。
表7.
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結合部分がタンパク質A、タンパク質G、またはタンパク質AもしくはGのドメインからなる、いくつかの実施形態において、イムノアッセイ系は、標的を含有する試料の添加前にNLpoly及びNLpep融合体を利用して抗体と複合体形成する。抗体は、タンパク質A及びGに自然に非共有結合性で結合する。抗体と融合体との間の共有結合の導入を複合体形成ステップに導入する。NLpep/NLpoly−タンパク質A/G/ドメイン融合体の結合部分は、種々の形式で抗体に複合体化することができ、例えば以下の通りである:
・タンパク質が複合体内に存在するかどうかを決定するために、2つの異なるタンパク質を標的とする2つの異なる特異的抗体と個々に、
・単一標的特異的ポリクローナル抗体と一緒に、
・一次抗体(例えば、標的特異的マウスIgG)と共にプレインキュベートした試料に結合する二次抗体(例えば、ウサギ抗マウスIgG)と一緒に、ならびに
・同じ標的タンパク質上の2つの異なるエピトープを標的とする2つの抗体と個々に。
【0355】
表7に記載されるように、いくつかの実施形態において、結合部分は、標的特異的抗体、標的特異的抗体のドメイン、標的リガンドに結合する受容体ドメイン、または抗体、抗体ドメイン、及び標的受容体ドメインの組み合わせである。
【0356】
いくつかの実施形態において、標的は、血液、血漿、尿、血清、細胞ライセート、細胞(初代または細胞株)、細胞培養上清、脳脊髄液、気管支肺胞洗浄液、組織生検試料、化学化合物等を含むが、これらに限定されない試料中で監視される。
【0357】
方法は、タンパク質、小分子及び化合物、ハプテン、ペプチド、ホルモン、ヘテロ二量体タンパク質−タンパク質相互作用、細胞表面抗原、受容体とリガンドとの間の相互作用、複合体中のタンパク質、ウイルス及びウイルス構成成分、細菌、毒素、合成及び天然薬物、ステロイド、カテコールアミン、エイコサノイド、タンパク質リン酸化事象等を含むが、これらに限定されない標的の分析を説明する。
【0358】
適用には、臨床疾患監視、診断、治療薬監視のための標的の検出または定量、生物学的研究、製薬、食物/飲料/香料産業における化合物検出及び監視、ウイルスクレード特定等が含まれるが、これらに限定されない。
【0359】
追加の適用には、標的とその受容体との相互作用を妨害することが可能な分子の高処理スクリーニング、故に結果としてシグナル損失アッセイが含まれる。イムノアッセイにおいてNLpep/NLpolyを使用するためのいくつかの提案された形式が存在する。いくつかの実施形態において、これらは均一に行われ、キットとして、別個の診断及び研究キット構成要素として、または個々のアッセイにカスタマイズ可能な独立型の試薬として、供給される。
【0360】
他の実施形態において、NLpep/NLpolyを利用する均一系イムノアッセイは、HitHunterまたはCEDIA技術の変形形態を利用する(Yang et al.Analytical biochemistry.2005 Jan 1;336(1):102−7.、Golla and Seethala.Journal of biomolecular screening.2002 Dec;7(6):515−25.(参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる))。かかるアッセイにおいて、構成要素には以下が含まれる:標的特異的抗体、NLpoly、NLpep−組換え標的融合体、及び基質。NLpoly及びNLpep−組換え標的融合体は、NLpepが標的特異的抗体に結合していないときに発光複合体を形成する。試験試料をアッセイ構成要素に添加すると、試験試料中に存在する標的が抗体上でNLpep−組換え標的融合体と競合することになるため、発光の量は、試験試料中の標的濃度に正比例する(例えば、シグナル獲得は標的の存在を示す)。
【0361】
実施例150
自発的相補性におけるNLpoly11Sの例となる構成
NLpoly11Sの種々の構成が、自発的相補性アッセイまたは系において使用され得る。かかる構成には、以下が含まれ得る:C末端における欠失(例えば、バックグラウンド発光を低減するための)、N末端及び/またはC末端付加物(例えば、それらがHisまたはHaloTagによって精製されるかに基づく)等。例えば、HaloTagによって残される付加物は、それがN末端タグであるとき、SDNIAIである。例となる構成には、以下が含まれる:SDNAIA−11S(HaloTag精製);SDN−11S;SDNAIA−11S、C末端における単一欠失を伴う;SDN−11S、C末端における単一欠失を伴う;SDNAIA−11S、C末端における二重欠失を伴う;SDN−11S、C末端における二重欠失を伴う;SDNAIA−11S、C末端における三重欠失を伴う;SDN−11S、C末端における三重欠失を伴う;6His−AIA−11S;6His−11S;6His−AIA−11S C末端における単一欠失を伴う;6His−11S C末端における単一欠失を伴う;6His−AIA−11S C末端における二重欠失を伴う;6His−11S C末端における二重欠失を伴う;6His−AIA−11S C末端における三重欠失を伴う;6His−11S C末端における三重欠失を伴う;11S−6His;11S−6His、C末端11S残基を削除;11S−6His、最後の2つのC末端11S残基を削除;11S−6His、最後の3つのC末端11S残基を削除;11S−HT7、C末端11S残基を削除;11S−HT7、最後の2つのC末端11S残基を削除;11S−HT7、最後の3つのC末端11S残基を削除;6His−HT7−AIA−11S;6His−HT7−11S;6His−AIA−HT7−11S(単一、二重、三重11S C末端欠失を伴う);6His−HT7−11S(単一、二重、三重11S C末端欠失を伴う);11S−HT7−6His;11S−HT7−6His(単一、二重、三重11S C末端欠失を伴う);及び三元11S。
【0362】
実施例151
2成分相補性に対するタンパク質相互作用の研究
本明細書に記載される2成分相補系を使用して、多種多様なタンパク質相互作用を分析した(表8を参照されたい)。
表8.2成分相補性に対するタンパク質相互作用の研究
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【0363】
実施例152
NLpepの108個の変異形とのNLpolyについての解離定数及びBmax値(アレイ番号2)
NLpepをNew England Peptideによるアレイ形式で合成した(ペプチドをN末端にてアセチル化によって、及びC末端にてアミド化によってブロッキング、アレイ中のペプチドを約2mg規模で合成した)(表9)。各ペプチドを2つの別個のプレート中で凍結乾燥させた。ペプチドのプレートのうちの1つからの各ウェルを100μLナノ純水中に溶解させ、A260を測定し、それを使用して、各ペプチドの吸光係数を用いて濃度を算出した。濃度を次いでペプチドの純度に基づいて調整し、ナノ純水を添加して800μMの最終濃度を得た。
表9.ペプチドアレイ2配列
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【0364】
ペプチドをPBS+0.1% Prionex中、400μM(4X)に希釈し、次いで0.5logステップ(3.162倍希釈)において7回、段階希釈した(総計8つの濃度)。NLpoly 11SをPBS+0.1% Prionex中に、1:10^6希釈した。25μLの各NLpep+25μL NLpoly 11Sを混合し、室温で30分間インキュベートした。50μL NanoGlo+100μM Fzを添加し、室温で30分間インキュベートした。発光をGloMax Multi+により、0.5秒の積分を用いて測定した。Kd/Bmaxを、Graphpad Prism、1サイト特異的結合、最良適合値を使用して決定した。表10は、NLpoly 11S及び示されるNLPepについての解離定数及びBmax値を示す。結果は、突然変異がNLpoly 11Sへの結合及び複合体の発光を生成する能力に及ぼす影響を示す。
表10
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【0365】
実施例153
NLpoly11Sからのバックグラウンドシグナルを低減するための暗ペプチド及び消光ペプチド
NLpoly11Sの精製試料をNanoGlo試薬中に希釈して、2μMの最終濃度を得た。Pep86は、高親和性の発光原性ペプチドであり、これを使用してNLpoly11Sの最大シグナルを誘導した。Pep86を使用液用にPBS(pH7.2)中、1 nMで調製した。暗ペプチド及び消光ペプチド(
図180)をPBS pH7.2または150mM NH4HCO3のいずれかの中で、1mM(またはそれ未満)まで溶解させ、等体積でNanoGlo/NLpoly11Sに添加し、次いで試料をTecan Infinite F500リーダーにより、5分時点を使用して読み取った。
【0366】
図202Aは、GWALFKK及びDabcyl−GWALFKKの両方が、任意の他の発光原性ペプチドの不在下で、NLpoly11Sによって発生したバックグラウンド発光を低減することを示す。
図202Bは、Pep86が、GWALFKK及びDabcyl−GWALFKKの存在下であっても発光を誘導可能であることを示す。
【0367】
図203Aは、VTGWALFEEIL(Trp 11mer)及びVTGYALFEEIL(Tyr 11mer)がバックグラウンド(NLpoly11S単独、ペプチドなしの対照)を上回る発光を誘導するが、各々のN末端Dabcylバージョンがこのシグナルの著しい消光を提供することを示す。
図203Bは、Pep86が、Trp 11mer及びTyr 11merのDabcylバージョンの存在下であっても発光を誘導可能であることを示す。
【0368】
上記の明細書で言及される全ての刊行物及び特許は、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の記載された方法及び系の種々の修正形態及び変形形態が、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく当業者に明らかとなろう。本発明は具体的な実施形態に関連して記載されたが、特許請求される本発明がかかる具体的な実施形態に不当に限定されるべきでないことが理解されるべきである。実際、当業者に明白である、本発明を実施するための記載の様式の種々の修正形態は、本発明の範囲内にあることが意図される。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕配列番号2と100%未満かつ40%超の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むペプチドであって、前記ペプチドが配列番号440からなるポリペプチドと接触すると、基質の存在下で、検出可能な生物発光シグナルが生成されることを特徴とする、ペプチド。
〔2〕前記ペプチドが配列番号440からなる前記ポリペプチドと会合すると、基質の存在下で、前記検出可能な生物発光シグナルが生成される、前記〔1〕に記載のペプチド。
〔3〕前記ペプチドが、配列番号2のペプチドと比較して1つ以上の形質の増強を示し、前記形質が、配列番号440からなる前記ポリペプチドに対する親和性、発現、細胞内溶解性、細胞内安定性、及び、配列番号440からなる前記ポリペプチドと組み合わせた時の生物発光活性から選択される、前記〔1〕に記載のペプチド。
〔4〕前記アミノ酸配列が、表1のペプチドから選択される、前記〔1〕に記載のペプチド。
〔5〕前記アミノ酸配列が、合成であるか、非天然のアミノ酸を含有するか、またはペプチド模倣体である、前記〔1〕に記載のペプチド。
〔6〕前記〔1〕に記載のペプチドをコードする配列を含むことを特徴とする、核酸。
〔7〕前記〔1〕に記載のペプチドと、第1の相互作用ポリペプチドとを含む、融合ポリペプチドであって、前記第1の相互作用ポリペプチドが、前記第1の相互作用ポリペプチドと第2の相互作用ポリペプチドとが接触すると前記第2の相互作用ポリペプチドと複合体を形成するように構成されることを特徴とする、融合ポリペプチド。
〔8〕前記〔7〕に記載の融合ポリペプチドをコードする配列を含むことを特徴とする、核酸。
〔9〕(a)前記〔7〕に記載の融合ポリペプチドと、
(b)第2の融合ポリペプチドと
を含む生物発光複合体であって、前記第2の融合ポリペプチドが、
(i)前記第2の相互作用ポリペプチドと、
(ii)配列番号2と100%未満かつ40%超の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むペプチドと会合すると、基質の存在下で、検出可能な生物発光シグナルを放出する相補性ポリペプチドとを含み、
前記第1の融合ポリペプチドと前記第2の融合ポリペプチドとが会合し、
配列番号440と100%未満かつ40%超の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むペプチドと前記相補性ポリペプチドとが会合することを特徴とする、生物発光複合体。
〔10〕配列番号440と100%未満かつ40%超の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、前記ポリペプチドが配列番号2からなるペプチドと接触すると、基質の存在下で、検出可能な生物発光シグナルが生成されることを特徴とする、ポリペプチド。
〔11〕前記ポリペプチドが、配列番号440のポリペプチドと比較して1つ以上の形質の増強を示し、前記形質が、配列番号2からなる前記ペプチドに対する親和性、発現、細胞内溶解性、細胞内安定性、及び、配列番号2からなる前記ペプチドと組み合わせた時の生物発光活性から選択される、前記〔9〕に記載のポリペプチド。
〔12〕前記アミノ酸配列が、表2のポリペプチド配列のうちの1つから選択される、前記〔10〕に記載のポリペプチド。
〔13〕前記ポリペプチドが配列番号2からなる前記ペプチドと会合すると、基質の存在下で、前記検出可能な生物発光シグナルが生成される、前記〔10〕に記載のポリペプチド。
〔14〕前記アミノ酸配列が、合成であるか、非天然のアミノ酸を含有するか、またはペプチド模倣体である、前記〔10〕に記載のポリペプチド。
〔15〕前記〔10〕に記載のポリペプチドをコードする配列を含むことを特徴とする、核酸。
〔16〕前記〔10〕に記載のポリペプチドと、第1の相互作用ポリペプチドとを含む、融合ポリペプチドであって、前記第1の相互作用ポリペプチドが、前記第1の相互作用ポリペプチドと第2の相互作用ポリペプチドとが接触すると前記第2の相互作用ポリペプチドと複合体を形成するように構成されることを特徴とする、融合ポリペプチド。
〔17〕(a)前記〔16〕に記載の融合ポリペプチドと、
(b)第2の融合ポリペプチドと
を含む生物発光複合体であって、前記第2の融合ポリペプチドが、
i)前記第2の相互作用ポリペプチドと、
ii)2つの間に会合が形成された時に、配列番号2と100%未満かつ40%超の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドに、基質の存在下で、検出可能な生物発光シグナルを放出させる相補性ペプチドとを含み、
前記第1の融合ポリペプチドと前記第2の融合ポリペプチドとが会合し、
配列番号440と100%未満かつ40%超の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドと前記相補性ポリペプチドとが会合することを特徴とする、生物発光複合体。
〔18〕(a)配列番号2と100%未満かつ40%超の配列同一性を有するペプチドアミノ酸配列を含むペプチドと、
(b)配列番号440と100%未満かつ40%超の配列同一性を有するポリペプチドアミノ酸配列を含むポリペプチドと
を含む生物発光複合体であって、検出可能な発光を示すことを特徴とする、生物発光複合体。
〔19〕前記ペプチドアミノ酸配列と前記ポリペプチドアミノ酸配列とが会合する、前記〔18〕に記載の生物発光複合体。
〔20〕前記ペプチドアミノ酸配列が、表1のペプチド配列から選択される、前記〔18〕に記載の生物発光複合体。
〔21〕前記ポリペプチドアミノ酸配列が、表2のポリペプチド配列から選択される、前記〔18〕に記載の生物発光複合体。
〔22〕前記ペプチドアミノ酸配列が、第2の相互作用要素と会合した第1の相互作用要素に付着する、前記〔19〕に記載の生物発光複合体。
〔23〕前記ポリペプチドアミノ酸配列が、前記第2の相互作用要素に付着する、前記〔22〕に記載の生物発光複合体。
〔24〕前記ポリペプチドアミノ酸配列及びペプチドアミノ酸配列は、前記第1及び第2の相互作用要素の会合の非存在下では会合することができない、前記〔23〕に記載の生物発光複合体。
〔25〕(a)既存のタンパク質の断片ではない第1のアミノ酸配列と、
(b)既存のタンパク質の断片ではない第2のアミノ酸配列と
を含む生物発光複合体であって、
前記生物発光複合体が、検出可能な発光を示し、前記第1のアミノ酸配列と前記第2のアミノ酸配列とが会合し、前記生物発光複合体が、前記第1のアミノ酸配列と前記第2のアミノ酸配列とが会合すると、基質の存在下で、検出可能な生物発光シグナルを放出することを特徴とする、生物発光複合体。
〔26〕(c)相互作用対の第1のメンバーを含む第3のアミノ酸配列であって、前記第1のアミノ酸配列に共有結合される、第3のアミノ酸配列と、
(d)相互作用対の第2のメンバーを含む第4のアミノ酸配列であって、前記第2のアミノ酸配列に共有結合される、第4のアミノ酸配列と
をさらに含む、前記〔25〕に記載の生物発光複合体。
〔27〕前記第1のアミノ酸配列と前記第2のアミノ酸配列との間の非共有結合相互作用は、前記相互作用対の前記第1のメンバーと前記第2のメンバーとの間の非共有結合相互作用が存在しない場合、前記第1のアミノ酸配列と前記第2のアミノ酸配列とを会合させるのに十分ではない、前記〔26〕に記載の生物発光複合体。
〔28〕第1のポリペプチド鎖は、前記第1のアミノ酸配列及び前記第3のアミノ酸配列を含み、第2のポリペプチド鎖は、前記第2のアミノ酸配列及び前記第4のアミノ酸配列を含む、前記〔26〕に記載の生物発光複合体。
〔29〕前記第1のポリペプチド鎖及び前記第2のポリペプチド鎖が、細胞内で発現される、前記〔28〕に記載の生物発光複合体。
〔30〕(a)非発光性対と、
(b)相互作用対と
を含む生物発光複合体であって、
前記非発光性対の各非発光性要素が、既存のタンパク質の断片ではなく、
前記相互作用対の各相互作用要素が、前記非発光性対の前記非発光性要素の1つに共有結合されることを特徴とする、生物発光複合体。
〔31〕第1のアミノ酸配列と第2のアミノ酸配列との間の安定な相互作用の検出方法であって、
(a)前記第1のアミノ酸配列を第3のアミノ酸配列に付着させ、かつ前記第2のアミノ酸配列を第4のアミノ酸配列に付着させる工程であって、前記第3及び第4のアミノ酸配列が、既存のタンパク質の断片ではなく、前記第3及び第4のアミノ酸配列の安定な複合体は、基質の存在下で、検出可能な生物発光シグナルを放出し、前記第3及び第4のアミノ酸配列の間の非共有結合相互作用は、追加の安定化力及び/または凝集力の非存在下で前記第3及び第4のアミノ酸配列の複合体を形成するには十分ではなく、前記第1のアミノ酸配列と前記第2のアミノ酸配列との間の安定な相互作用は、前記第3及び第4のアミノ酸配列の安定な複合体を生成するためのっ前記追加の安定化力及び/または凝集力を提供する工程と、
(b)前記第1のアミノ酸配列と前記第2のアミノ酸配列との間の安定な相互作用が起こることを可能にする条件で、工程(a)の前記第1、第2、第3、及び第4のアミノ酸配列を配置する工程と、
(c)基質の存在下での前記第3及び第4のアミノ酸配列の前記安定な複合体によって、基質の存在下で放出された前記生物発光シグナルを検出する工程であって、前記生物発光シグナルの検出が、前記第1のアミノ酸配列と前記第2のアミノ酸配列との間の安定な相互作用を示す工程と
を含むことを特徴とする、方法。
〔32〕前記第1のアミノ酸配列を前記第3のアミノ酸配列に、かつ前記第2のアミノ酸配列を前記第4のアミノ酸配列に付着させる工程が、前記第1のアミノ酸配列及び前記第3のアミノ酸配列を含む第1の融合タンパク質を形成する工程と、前記第2のアミノ酸配列及び前記第4のアミノ酸配列を含む第2の融合タンパク質を形成する工程とを含む、前記〔31〕に記載の方法。
〔33〕前記第1の融合タンパク質及び前記第2の融合タンパク質が、それぞれ、前記第1及び第3のアミノ酸配列の間と前記第2及び第4のアミノ酸配列の間とに、リンカーをさらに含む、前記〔32〕に記載の方法。
〔34〕前記第1の融合タンパク質が、前記第1及び第3のアミノ酸配列をコードする第1の核酸配列から発現され、前記第2の融合タンパク質が、前記第2及び第4のアミノ酸配列をコードする第2の核酸配列から発現される、前記〔32〕に記載の方法。
〔35〕単一のベクターは、前記第1の核酸配列及び前記第2の核酸配列を含む、前記〔34〕に記載の方法。
〔36〕前記第1の核酸配列及び前記第2の核酸配列が、別個のベクター上に存在する、前記〔34〕に記載の方法。
〔37〕工程(a)及び(b)が、前記第1及び第2の融合タンパク質を細胞内で発現させる工程を含む、前記〔34〕に記載の方法。
〔38〕非発光性対の最適化方法であって、
(a)3つ以上の関連するタンパク質の配列を整列させる工程と、
(b)前記関連するタンパク質のコンセンサス配列を決定する工程と、
(c)3つ以上のタンパク質に関連するタンパク質の第1及び第2の断片を提供する工程であって、前記断片は、個別には実質的に非発光性であるが、前記断片が安定に相互作用すると発光を示す工程と、
(d)前記第1及び第2の断片を各々1ヶ所以上の位置で突然変異させる工程であって、前記突然変異が、前記断片の配列をコンセンサス配列の対応する部分により類似するように変更し、前記突然変異が、既存のタンパク質の断片ではない非発光性対を生じさせる工程と、
(e)前記非発光性対を、会合していない場合の発光の非存在と、前記非発光性対が安定に会合した場合の発光とについて試験する工程と
を含むことを特徴とする、方法。
〔39〕前記非発光性対が、前記第1及び第2の断片と比較して1つ以上の形質の増強を示し、前記形質が、再構成の親和性の増加、再構成の親和性の減少、発現の増強、細胞内溶解性の増加、細胞内安定性の増加、及び再構成された発光の強度の増加から選択される、前記〔38〕に記載の方法。
〔40〕(a)配列番号440と100%未満かつ40%超の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、前記ポリペプチドが配列番号2からなるペプチドと接触すると、基質の存在下で、検出可能な生物発光シグナルが生成される、ポリペプチドと、(b)前記ポリペプチド及び配列番号2からなるペプチドによって生成される生物発光複合体のための基質とを備えることを特徴とする、検出試薬。
〔41〕(a)配列番号2と100%未満かつ40%超の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むペプチドであって、前記ペプチドが配列番号440からなるポリペプチドと接触すると、基質の存在下で、検出可能な生物発光シグナルが生成される、ペプチドと、(b)前記ペプチド及び配列番号440からなるポリペプチドによって生成される生物発光複合体のための基質とを備えることを特徴とする、検出試薬。