特許第6654574号(P6654574)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6654574CB2アゴニストとして有用なピリジン−2−アミド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6654574
(24)【登録日】2020年2月3日
(45)【発行日】2020年2月26日
(54)【発明の名称】CB2アゴニストとして有用なピリジン−2−アミド
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/04 20060101AFI20200217BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20200217BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20200217BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20200217BHJP
   C07D 417/06 20060101ALI20200217BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20200217BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20200217BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20200217BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20200217BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20200217BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20200217BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20200217BHJP
   A61P 33/06 20060101ALI20200217BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20200217BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20200217BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20200217BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20200217BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20200217BHJP
   A61K 31/541 20060101ALI20200217BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20200217BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20200217BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20200217BHJP
【FI】
   C07D401/04
   C07D401/12
   C07D413/14CSP
   C07D413/12
   C07D417/06
   A61P25/04
   A61P11/06
   A61P19/10
   A61P29/00
   A61P25/18
   A61P35/00
   A61P25/28
   A61P33/06
   A61P37/08
   A61P19/02
   A61P1/00
   A61P37/02
   A61K31/4439
   A61K31/541
   A61K31/5377
   A61K31/497
   A61P29/00 101
   A61P43/00 101
【請求項の数】16
【全頁数】53
(21)【出願番号】特願2016-560674(P2016-560674)
(86)(22)【出願日】2015年4月1日
(65)【公表番号】特表2017-509676(P2017-509676A)
(43)【公表日】2017年4月6日
(86)【国際出願番号】EP2015057151
(87)【国際公開番号】WO2015150440
(87)【国際公開日】20151008
【審査請求日】2018年3月26日
(31)【優先権主張番号】14163555.7
(32)【優先日】2014年4月4日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ゴッビ,ルカ
(72)【発明者】
【氏名】グレター,ウーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】ネッテコフェン,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】レーヴァー,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ロジャース−エバンス,マーク
【審査官】 三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/168350(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/060751(WO,A1)
【文献】 特表2013−537173(JP,A)
【文献】 特許第6322646(JP,B2)
【文献】 特許第6426619(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D201/00−521/00
A61K 31/33− 33/44
A61P 1/00− 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
Aは、−CH−又は窒素であり;
は、ハロフェニル、ハロフェニルアルキル、ハロアルコキシ、ハロゲン、アルコキシアルコキシ、オキソピロリジニル又はシクロアルキルアルコキシであり;
は、水素、ハロフェニルアミノ、シクロアルキル又はハロアゼチジニルであり;
及びRの一方は、水素であり、そして、もう一方は、−(CR−(CH−Rであるか;又は
及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、アミノカルボニルチオモルホリニルを形成し;
及びRは、水素及びアルキルから独立に選択され;
は、5−シクロアルキル−1,3,4−オキサジアゾリル、3−シクロアルキル−1,2,4−オキサジアゾリル、5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾリル、3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾリル、5−アルキル−1,3,4−オキサジアゾリル、3−アルコキシアルコキシアルキル−1,2−オキサゾリル、1−ヒドロキシアルキルピラゾリル、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、アルコキシカルボニルモルホリニル、3−オキサニルオキシアルキル−1,2−オキサゾール−5−イル、3−アジドアルキル−1,2−オキサゾール−5−イル又は5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾリルであり;
mは、0又は1であり;
nは、0又は1である]
で示される化合物[ただし、以下:
6−クロロ−N−(5−シクロプロピル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−ピリジンカルボキサミド
(−)−4−[6−シクロプロピルメトキシ−5−(3,3−ジフルオロ−アゼチジン−1−イル)−ピラジン−2−カルボニル]−チオモルホリン−3−カルボン酸アミド、及び
4−(5−シクロプロピル−6−シクロプロピルメトキシ−ピリジン−2−カルボニル)−チオモルホリン−3−カルボン酸アミド
を除く]、又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項2】
が、ハロゲン又はシクロアルキルアルコキシである、請求項1記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項3】
が、クロロ又はシクロプロピルメトキシである、請求項1又は2記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項4】
が、ハロフェニルアミノ又はシクロアルキルである、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項5】
が、ジクロロフェニルアミノ又はシクロプロピルである、請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項6】
及びRが、同時に両方ともアルキルである、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項7】
及びRが、同時に両方ともメチルである、請求項1〜6のいずれか一項記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項8】
が、5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾリル、3−アルコキシアルコキシアルキル−1,2−オキサゾリル又は3−アジドアルキル−1,2−オキサゾール−5−イルである、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項9】
以下:
6−(4−クロロフェニル)−N−[1−(5−シクロプロピル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチルプロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(4−クロロフェニル)−N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(4−クロロフェニル)−N−[2−メチル−1−(3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[2−メチル−1−(3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロパン−2−イル]−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(3−クロロフェニル)−N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(3−クロロフェニル)−N−[1−(3−シクロプロピル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−メチルプロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(3−クロロフェニル)−N−[2−メチル−1−(3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−クロロ−5−(2,4−ジクロロアニリノ)−N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(4−クロロフェニル)−5−シクロプロピル−N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(2−メトキシエトキシ)−N−[2−メチル−1−(3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[2−メチル−1−(3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロパン−2−イル]−6−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(3−クロロフェニル)−N−[1−(5−シクロブチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチルプロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−N−[3−[1−(2−メトキシエトキシ)−2−メチルプロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[1−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)ピラゾール−4−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−[1−(2−メトキシエトキシ)−2−メチルプロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−[1−(2−エトキシエトキシ)−2−メチルプロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−N−(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)ピリジン−2−カルボキサミド;
tert−ブチル 2−[[[5−シクロプロピル−6−[(4−フルオロフェニル)メチル]ピリジン−2−カルボニル]アミノ]メチル]モルホリン−4−カルボキシラート;
(3S)−4−[5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)ピラジン−2−カルボニル]チオモルホリン−3−カルボキサミド;
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)−1,2−オキサゾール−5−イル]ピラジン−2−カルボキサミド;
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−[2−メチル−1−(オキサン−2−イルオキシ)プロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピラジン−2−カルボキサミド;
N−[3−(1−アジド−2−メチルプロパン−2−イル)−1,2−オキサゾール−5−イル]−5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)ピラジン−2−カルボキサミド;
6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−N−[1−[5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−2−メチルプロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
5−シクロペンチル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[1−[5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−2−メチルプロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
5−シクロペンチル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−[1−(2−メトキシエトキシ)−2−メチルプロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;及び
5−シクロペンチル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−[1−(2−エトキシエトキシ)−2−メチルプロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
からなる群より選択される請求項1〜8のいずれか一項記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項10】
以下:
6−クロロ−5−(2,4−ジクロロアニリノ)−N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−[1−(2−メトキシエトキシ)−2−メチルプロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−[1−(2−エトキシエトキシ)−2−メチルプロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;及び
N−[3−(1−アジド−2−メチルプロパン−2−イル)−1,2−オキサゾール−5−イル]−5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)ピラジン−2−カルボキサミド
からなる群より選択される請求項1〜9のいずれか一項記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を製造するための方法であって、以下:
(a)式(A):
【化2】

で示される化合物の、NHR、アミドカップリング剤及び塩基の存在下での反応(式中、A及びR〜Rは、請求項1〜8のいずれか一項と同義である);
(b)式(B):
【化3】

で示される化合物の、R−Y、パラジウム触媒及び塩基の存在下での反応(式中、Xは、Cl、Br、I又はトリフルオロメタンスルホナートであり、Yは、トリフルオロボラート基、ボロン酸基又はボロン酸ピナコールエステル基であり、Rは、ハロフェニル又はハロフェニルアルキルであり、そして、A及びR〜Rは、請求項1〜8のいずれか一項と同義である);又は
(c)式(C):
【化4】

で示される化合物の、R−M、パラジウム触媒及び塩基の存在下での反応(式中、Rは、ハロフェニル、ハロフェニルアルキル又はオキソピロリジニルであり、Rは、シクロアルキルであり、A及びR〜Rは、請求項1〜8のいずれか一項と同義であり、そして、Mは、トリフルオロボラート基、ボロン酸基又はボロン酸ピナコールエステル基である)
の工程の1つを含む、方法。
【請求項12】
治療活性物質として使用するための、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩と治療上不活性な担体とを含む医薬組成物。
【請求項14】
疼痛、神経因性疼痛、喘息、骨粗鬆症、炎症、精神疾患、腫瘍、脳炎、マラリア、免疫障害、関節炎、消化器障害、精神障害、関節リウマチ、精神病又はアレルギーを治療又は予防するための、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を含む医薬組成物。
【請求項15】
疼痛、神経因性疼痛、喘息、骨粗鬆症、炎症、精神疾患、腫瘍、脳炎、マラリア、免疫障害、関節炎、消化器障害、精神障害、関節リウマチ、精神病又はアレルギーの治療用又は予防用医薬を製造するための、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩の使用。
【請求項16】
疼痛、神経因性疼痛、喘息、骨粗鬆症、炎症、精神疾患、腫瘍、脳炎、マラリア、免疫障害、関節炎、消化器障害、精神障害、関節リウマチ、精神病又はアレルギーを治療又は予防するための、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳動物における治療及び/又は予防に有用な有機化合物、そして特にカンナビノイド受容体2の選択的インバースアゴニストである化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、特に式(I):
【0003】
【化1】

[式中、
Aは、−CH−又は窒素であり;
は、ハロフェニル、ハロフェニルアルキル、ハロアルコキシ、ハロゲン、アルコキシアルコキシ、オキソピロリジニル又はシクロアルキルアルコキシであり;
は、水素、ハロフェニルアミノ、シクロアルキル又はハロアゼチジニルであり;
及びRの一方は、水素であり、そしてもう一方は、−(CR−(CH−Rであるか;又は
及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、アミノカルボニルチオモルホリニルを形成し;
及びRは、水素及びアルキルから独立に選択され;
は、5−シクロアルキル−1,3,4−オキサジアゾリル、3−シクロアルキル−1,2,4−オキサジアゾリル、5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾリル、3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾリル、5−アルキル−1,3,4−オキサジアゾリル、3−アルコキシアルコキシアルキル−1,2−オキサゾリル、1−ヒドロキシアルキルピラゾリル、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、アルコキシカルボニルモルホリニル、3−オキサニルオキシアルキル−1,2−オキサゾール−5−イル、3−アジドアルキル−1,2−オキサゾール−5−イル又は5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾリルであり;
mは、0又は1であり;
nは、0又は1である]で示される化合物、又は薬学的に許容し得るその塩若しくはエステルに関する[ただし、6−クロロ−N−(5−シクロプロピル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−ピリジンカルボキサミドは除外される]。
【0004】
式(I)の化合物は、疼痛、神経因性疼痛、喘息、骨粗鬆症、炎症、精神疾患、精神病、腫瘍、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫障害、関節炎、消化器障害、精神障害、関節リウマチ、精神病及びアレルギーの治療又は予防に特に有用である。
【0005】
カンナビノイド受容体は、Gタンパク質共役受容体スーパーファミリーに属する細胞膜受容体群である。現在のところ、カンナビノイド受容体1(CB1)及びカンナビノイド受容体2(CB2)と称される、2種の既知サブタイプが存在する。CB1受容体は、主として中枢神経(即ち、扁桃体、小脳、海馬)系において発現され、それより少量が末梢において発現される。CNR2遺伝子によりコードされるCB2は、大抵は、マクロファージ及びT細胞のような免疫系の細胞上で(Ashton, J. C. et al. Curr Neuropharmacol 2007, 5(2), 73-80; Miller, A. M. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2), 299-308; Centonze, D., et al. Curr Pharm Des 2008, 14(23), 2370-42)、並びに消化器系において(Wright, K. L. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2), 263-70)末梢で発現される。CB2受容体はまた、脳において広く分布しているが、これは主に小膠細胞上で見いだされ神経細胞上にはない(Cabral, G. A. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2): 240-51)。
【0006】
CB2受容体リガンドへの関心は、最近十年の間に着実に上昇している(現在のところ特許出願30〜40件/年)。出どころの異なる証拠が、CB2受容体を介する脂質エンドカンナビノイドシグナル伝達は、哺乳動物の防御装備の一態様を表すという見解を支持している(Pacher, P. Prog Lipid Res 2011, 50, 193)。選択的CB2受容体アゴニスト又はインバースアゴニスト/アンタゴニスト(疾患及びその病期に依存して)のいずれかによるその調節は、膨大な数の疾患において独自の治療可能性を保持している。CB2インバースアゴニスト/アンタゴニストに関して、治療機会が、疼痛(Pasquini, S. J Med Chem 2012, 55(11): 5391)、神経因性疼痛(Garcia-Gutierrez, M.S. Br J Pharmacol 2012, 165(4): 951)、精神障害(Garcia-Gutierrez, M.S. Br J Pharmacol 2012, 165(4): 951)、精神病(Garcia-Gutierrez, M.S. Br J Pharmacol 2012, 165(4): 951)、骨粗鬆症及び炎症(Sophocleous, A. Calcif Tissue Int 2008, 82(Suppl. 1):Abst OC18)、精神疾患及び精神病(Garcia-Gutierrez, M.S. Br J Pharmacol 2012, 165(4): 951)、腫瘍(Preet, A. Cancer Prev Res 2011, 4: 65)、脳炎及びマラリア(Zimmer, A. WO 2011045068)、アレルギー及び炎症(Ueda, Y. Life Sci 2007, 80(5): 414)、脳炎及びマラリア(Zimmer, WO 2011045068)、喘息(Lunn, C.A. J Pharmacol Exp Ther 2006, 316(2): 780)、免疫障害(Fakhfouri, G. Neuropharmacology 2012, 63(4): 653)、関節リウマチ(Chackalamannil, S. US 7776889)、関節炎(Lunn, C.A. J Pharmacol Exp Ther 2006, 316(2): 780)、並びに消化器障害(Barth, F. FR 2887550)を含む多くの病態について実証されている。
【0007】
本発明の化合物は、CB2受容体に結合して調節し、そして有するCB1受容体活性は低い。
【0008】
本説明において、「アルキル」という用語は、単独で又は組合せで、1〜8個の炭素原子を持つ直鎖又は分岐鎖のアルキル基を、特に1〜6個の炭素原子を持つ直鎖又は分岐鎖アルキル基を、そして更には1〜4個の炭素原子を持つ直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。直鎖及び分岐鎖C1−C8アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、異性体ペンチル、異性体ヘキシル、異性体ヘプチル及び異性体オクチルであり、特にメチル、エチル、プロピル、ブチル及びペンチルである。アルキルの特定の例は、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル及びペンチルである。メチルは、式(I)の化合物中のアルキルの特別な一例である。
【0009】
「シクロアルキル」という用語は、単独で又は組合せで、3〜8個の炭素原子を持つシクロアルキル環を、そして特に3〜6個の炭素原子を持つシクロアルキル環を意味する。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルである。「シクロアルキル」の特定の例は、シクロプロピル、シクロブチル及びシクロペンチルである。
【0010】
「アルコキシ」という用語は、単独で又は組合せで、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシのような、式:アルキル−O−の基であって、「アルキル」という用語が前記の意味を有する基を意味する。特定の「アルコキシ」は、メトキシ、エトキシ及びtert−ブトキシである。
【0011】
「オキシ」という用語は、単独で又は組合せで、−O−基を意味する。
【0012】
「オキソ」という用語は、単独で又は組合せで、=O基を意味する。
【0013】
「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、単独で又は組合せで、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を、そして特にフッ素、塩素又は臭素を、更にはフッ素及び塩素を意味する。「ハロ」という用語は、別の基との組合せで、少なくとも1個のハロゲンでの、特に1〜5個のハロゲン、とりわけ1〜4個のハロゲン、即ち、1個、2個、3個又は4個のハロゲンでの該基の置換を意味する。
【0014】
「ハロアルキル」という用語は、単独で又は組合せで、少なくとも1個のハロゲンで置換された、特に1〜5個のハロゲン、とりわけ1〜3個のハロゲンで置換されたアルキル基を意味する。特別な「ハロアルキル」は、トリフルオロエチルである。
【0015】
「ハロアルコキシ」又は「ハロアルキルオキシ」という用語は、単独で又は組合せで、少なくとも1個のハロゲンで置換されている、特に1〜5個のハロゲン、とりわけ1〜3個のハロゲンで置換されているアルコキシ基を意味する。特別な「ハロアルコキシ」は、トリフルオロエトキシである。
【0016】
「ヒドロキシル」及び「ヒドロキシ」という用語は、単独で又は組合せで、−OH基を意味する。
【0017】
「カルボニル」という用語は、単独で又は組合せで、−C(O)−基を意味する。
【0018】
「アミノ」という用語は、単独で又は組合せで、第1級アミノ基(−NH)、第2級アミノ基(−NH−)、又は第3級アミノ基(−N−)を意味する。
【0019】
「アミノカルボニル」という用語は、単独で又は組合せで、−C(O)−NH、−C(O)−NH−又は−C(O)−N−基を意味する。
【0020】
「薬学的に許容し得る塩」という用語は、遊離塩基又は遊離酸の生物学的有効性及び特性を保持する塩であって、生物学的にも他の意味でも不適切でない塩のことをいう。この塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸のような無機酸(特に塩酸)と、及び酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、N−アセチルシステインのような有機酸と形成される。更に、これらの塩は遊離酸への無機塩基又は有機塩基の付加により調製されてもよい。無機塩基から誘導される塩は、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム塩を含むが、これらに限定されない。有機塩基から誘導される塩は、第1級、第2級、及び第3級アミン、天然置換アミンを含む置換アミン、環状アミン並びに塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リシン、アルギニン、N−エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂を含むが、これらに限定されない。式(I)の化合物はまた、両性イオンの形で存在することができる。特に好ましい式(I)の化合物の薬学的に許容し得る塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸及びメタンスルホン酸の塩である。
【0021】
「薬学的に許容し得るエステル」は、一般式(I)の化合物が、官能基で誘導体化されて、インビボで親化合物に変換されて戻ることができる誘導体を提供することを意味する。このような化合物の例は、生理学的に許容し得る、そして代謝的に不安定なエステル誘導体、例えば、メトキシメチルエステル、メチルチオメチルエステル及びピバロイルオキシメチルエステルを含む。更に、代謝的に不安定なエステルと類似した、一般式(I)の化合物の任意の生理学的に許容し得る均等物であって、インビボで一般式(I)の親化合物を生成することができる均等物は、本発明の範囲に含まれる。
【0022】
出発物質又は式(I)の化合物の1つが、1つ以上の反応工程の反応条件下で、安定でないか又は反応性である、1個以上の官能基を含有するならば、適切な保護基(例えば、"Protective Groups in Organic Chemistry" by T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd Ed., 1999, Wiley, New Yorkに記載されるような)を、決定的に重要な工程の前に、当該分野において周知の方法を適用して導入することができる。このような保護基は、合成の後の段階で文献に記載の標準方法を用いて脱離することができる。保護基の例は、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、9−フルオレニルメチルカルバマート(Fmoc)、2−トリメチルシリルエチルカルバマート(Teoc)、カルボベンジルオキシ(Cbz)及びp−メトキシベンジルオキシカルボニル(Moz)である。
【0023】
式(I)の化合物は、幾つかの不斉中心を含有することができ、そして光学的に純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物(例えば、ラセミ体など)、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体ラセミ体又はジアステレオ異性体ラセミ体の混合物の形で存在することができる。
【0024】
「不斉炭素原子」という用語は、4個の異なる置換基を持つ炭素原子を意味する。Cahn-Ingold-Prelog順位則により、不斉炭素原子は、「R」又は「S」立体配置をとりうる。
【0025】
本発明は、特に以下に関する:
が、ハロゲン又はシクロアルキルアルコキシである、式(I)の化合物;
が、クロロ又はシクロプロピルメトキシである、式(I)の化合物;
が、水素、ハロフェニルアミノ又はシクロアルキルである、式(I)の化合物;
が、水素、ジクロロフェニルアミノ又はシクロプロピルである、式(I)の化合物;
が、ハロフェニルアミノ又はシクロアルキルである、式(I)の化合物;
が、ジクロロフェニルアミノ又はシクロプロピルである、式(I)の化合物;
が、水素である、式(I)の化合物;
及びRが、同時に両方ともアルキルである、式(I)の化合物;
及びRが、同時に両方ともメチルである、式(I)の化合物;並びに
が、5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾリル、3−アルコキシアルコキシアルキル−1,2−オキサゾリル又は3−アジドアルキル−1,2−オキサゾール−5−イルである、式(I)の化合物。
【0026】
本発明は更に、以下から選択される式(I)の化合物に関する:
6−(4−クロロフェニル)−N−[1−(5−シクロプロピル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチルプロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(4−クロロフェニル)−N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(4−クロロフェニル)−N−[2−メチル−1−(3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[2−メチル−1−(3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロパン−2−イル]−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(3−クロロフェニル)−N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(3−クロロフェニル)−N−[1−(3−シクロプロピル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−メチルプロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(3−クロロフェニル)−N−[2−メチル−1−(3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−クロロ−5−(2,4−ジクロロアニリノ)−N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(4−クロロフェニル)−5−シクロプロピル−N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(2−メトキシエトキシ)−N−[2−メチル−1−(3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[2−メチル−1−(3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロパン−2−イル]−6−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(3−クロロフェニル)−N−[1−(5−シクロブチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチルプロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−N−[3−[1−(2−メトキシエトキシ)−2−メチルプロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[1−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)ピラゾール−4−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−[1−(2−メトキシエトキシ)−2−メチルプロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−[1−(2−エトキシエトキシ)−2−メチルプロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−N−(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)ピリジン−2−カルボキサミド;
tert−ブチル 2−[[[5−シクロプロピル−6−[(4−フルオロフェニル)メチル]ピリジン−2−カルボニル]アミノ]メチル]モルホリン−4−カルボキシラート;
(3S)−4−[5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)ピラジン−2−カルボニル]チオモルホリン−3−カルボキサミド;
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)−1,2−オキサゾール−5−イル]ピラジン−2−カルボキサミド;
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−[2−メチル−1−(オキサン−2−イルオキシ)プロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピラジン−2−カルボキサミド;
N−[3−(1−アジド−2−メチルプロパン−2−イル)−1,2−オキサゾール−5−イル]−5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)ピラジン−2−カルボキサミド;
6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−N−[1−[5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−2−メチルプロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
5−シクロペンチル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[1−[5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−2−メチルプロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
5−シクロペンチル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−[1−(2−メトキシエトキシ)−2−メチルプロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;及び
5−シクロペンチル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−[1−(2−エトキシエトキシ)−2−メチルプロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド。
【0027】
本発明は特に、以下から選択される式(I)の化合物に関する:
6−クロロ−5−(2,4−ジクロロアニリノ)−N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−[1−(2−メトキシエトキシ)−2−メチルプロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−[1−(2−エトキシエトキシ)−2−メチルプロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;及び
N−[3−(1−アジド−2−メチルプロパン−2−イル)−1,2−オキサゾール−5−イル]−5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)ピラジン−2−カルボキサミド。
【0028】
式(I)の化合物の合成は、例えば、以下のスキームにより達成することができる。
【0029】
特に断りない限り、A及びR〜Rは、以下のスキームにおいて上記と同義の意味を有する。
【0030】
スキーム1の手順に従って、化合物(AA)(X=Cl、Br、I又はトリフルオロメタンスルホナート;R’=H、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、又は例えば、T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3rd editionに記載の別の適切な保護基)を出発物質として使用することができる。(AA)は、市販されているか、文献に記載されているか、当業者ならば合成することができるか、又は実験の部に記載されるとおり合成することができるかのいずれかである。
【0031】
【化2】
【0032】
化合物(AC)は、(AA)から、式(AB)(Yは、例えば、[BFのようなトリフルオロボラート基、ボロン酸基:B(OH)又はボロン酸ピナコールエステル基である)(工程a)の適切に置換されているアリール又はアリールアルキル金属種、特にアリールボロン酸又はアリールボロン酸エステルを、適切な触媒、特にパラジウム触媒、そして更に特にパラジウム(II)アセタート/トリフェニルホスフィン混合物又はパラジウム(II)クロリド−dppf(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)錯体及び塩基(トリエチルアミン、炭酸ナトリウム又はリン酸カリウムなど)の存在下で、不活性溶媒(ジメチルホルムアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル又はジメトキシエタンなど)中でカップリングさせることによって、調製することができる。
【0033】
あるいは、化合物(AC)は、(AA)から、式(AB)(Yは、Hである)(工程a)のオキソピロリジニル種を、適切な触媒、特にパラジウム触媒、そして更に特にトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)錯体及び塩基(トリエチルアミン、炭酸ナトリウム又は炭酸セシウムなど)の存在下で、不活性溶媒(ジメチルホルムアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル又はジメトキシエタンなど)中でカップリングさせることによって、調製することができる。
【0034】
あるいは、化合物(AA)は、化合物(AC)に、適切に置換されている第1級又は第2級アルコール(AB)(Yは、Hである)との、塩基(例えば、水素化ナトリウム又は水酸化カリウム)の存在下で、不活性溶媒(例えば、DMF又はDMSO)を伴うか又は伴わずに、室温〜溶媒の還流温度の範囲の温度での、特に室温での反応によって、変換することができる。
【0035】
当業者には周知の方法による、例えば、テトラヒドロフラン/エタノール又は別の適切な溶媒中の水性LiOH、NaOH又はKOHを、0℃と使用される溶媒の還流温度との間の温度で用いる、一般式(AC)(R’≠H)のエステルのけん化によって、一般式(II)の酸が生じる(工程b)。
【0036】
化合物(I)は、(II)及び対応する式(III)のアミンから、適切なアミド結合形成反応(工程c)によって調製することができる。これらの反応は、当該分野において公知である。例えば、N,N’−カルボニル−ジイミダゾール(CDI)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、ヘキサフルオロリン酸1−[ビス(ジメチルアミノ)−メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム−3−オキシド(HATU)、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール(HOBT)、テトラフルオロホウ酸O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(TBTU)、及びヘキサフルオロリン酸O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(HBTU)のようなカップリング試薬を、このような変換を達成するために使用することができる。便利な方法は、例えば、HBTU及び塩基(例えば、N−メチルモルホリン)を、不活性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミドなど)中で室温で使用することである。
【0037】
あるいは、一般式(AA)(R’≠H)のエステルは、当業者には周知の方法により、例えば、テトラヒドロフラン/エタノール又は別の適切な溶媒中の水性LiOH、NaOH又はKOHを、0℃と使用される溶媒の還流温度との間の温度で用いることにより、けん化して、一般式(AD)の酸を与えることができる(工程b’)。
【0038】
化合物(AE)は、(AD)及び対応する式(III)のアミンから、適切なアミド結合形成反応(工程c’)によって調製することができる。これらの反応は、当該分野において公知である。例えば、N,N’−カルボニル−ジイミダゾール(CDI)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、ヘキサフルオロリン酸1−[ビス(ジメチルアミノ)−メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム−3−オキシド(HATU)、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール(HOBT)、テトラフルオロホウ酸O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(TBTU)又はヘキサフルオロリン酸O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(HBTU)のようなカップリング試薬を、このような変換を達成するために使用することができる。便利な方法は、例えば、HBTU及び塩基(例えば、N−メチルモルホリン)を、不活性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミドなど)中で室温で使用することである。
【0039】
化合物(I)は、(AE)から、式(AB)(Yは、例えば、[BFのようなトリフルオロボラート基、ボロン酸基:B(OH)又はボロン酸ピナコールエステル基である)(工程a’)の適切に置換されているアリール又はアリールアルキル金属種、特にアリールボロン酸又はアリールボロン酸エステルを、適切な触媒、特にパラジウム触媒、そして更に特にパラジウム(II)アセタート/トリフェニルホスフィン混合物又はパラジウム(II)クロリド−dppf(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)錯体及び塩基(トリエチルアミン、炭酸ナトリウム又はリン酸カリウムなど)の存在下で、不活性溶媒(ジメチルホルムアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル又はジメトキシエタンなど)中でカップリングさせることによって、調製することができる。
【0040】
あるいは、化合物(I)は、(AE)から、式(AB)(Yは、Hである)(工程a’)のオキソピロリジニル種を、適切な触媒、特にパラジウム触媒、そして更に特にトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)錯体及び塩基(トリエチルアミン、炭酸ナトリウム又は炭酸セシウムなど)の存在下で、不活性溶媒(ジメチルホルムアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル又はジメトキシエタンなど)中でカップリングさせることによって、調製することができる。
【0041】
あるいは、化合物(AE)は、化合物(I)に、適切に置換されている第1級又は第2級アルコール(AB)(Yは、Hである)との、塩基(例えば、水素化ナトリウム又は水酸化カリウム)の存在下で、不活性溶媒(例えば、DMF又はDMSO)を伴うか又は伴わずに、室温〜溶媒の還流温度の範囲の温度での、特に室温での反応によって、変換することができる。
【0042】
アミン(III)は、市販されているか、文献に記載されているか、当業者ならば合成することができるか、又は実験の部に記載されるとおり合成することができるかのいずれかである。
【0043】
出発物質の1つである式(AA)、(AB)又は(III)の化合物が、1つ以上の反応工程の反応条件下で安定でないか又は反応性である、1個以上の官能基を含有するならば、適切な保護基(P)(例えば、T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3rd editionに記載されるような)を、決定的に重要な工程の前に当該分野において周知の方法を適用して導入することができる。このような保護基は、合成の後の段階で当該分野において公知の標準方法を用いて脱離することができる。
【0044】
式(AA)〜(AE)、(II)又は(III)の1つ以上の化合物が、キラル中心を含有するならば、式(I)の化合物は、ジアステレオマー又はエナンチオマーの混合物として得ることができるが、これらは、当該分野において周知の方法、例えば、(キラル)HPLC又は結晶化により分離することができる。ラセミ化合物は、例えば、ジアステレオマー塩を介する結晶化によって、又はキラル吸着剤若しくはキラル溶離液のいずれかを用いる特異的クロマトグラフィー法による対掌体の分離によって、その対掌体に分離することができる。
【0045】
スキーム2の手順に従って、化合物(BA)(3,5−ジブロモ−2−ピラジンアミン、CAN 24241-18-7)を化合物(I-a)(ここで、Aは、窒素であり、そしてR1’は、ハロフェニル、ハロフェニルアルキル又はオキソピロリジニルである)の合成のための出発物質として使用することができる。
【0046】
【化3】
【0047】
化合物(BC)は、(BA)から、式(BB)(Yは、例えば、[BFのようなトリフルオロボラート基、ボロン酸基:B(OH)又はボロン酸ピナコールエステル基である)の適切に置換されているアリール又はアリールアルキル金属種、特にアリールボロン酸又はアリールボロン酸エステルを、適切な触媒、特にパラジウム触媒、そして更に特にテトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)及び塩基(トリエチルアミン又はリン酸カリウムなど、特に炭酸ナトリウム)の存在下で、不活性溶媒(ジメチルホルムアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル又は特にジメトキシエタンなど)中で、室温から溶媒混合物の沸点までの温度でカップリングさせることによって、調製することができる。
【0048】
あるいは、化合物(BC)は、(BA)から、式(BB)(Yは、Hである)のオキソピロリジニル種を、適切な触媒、特にパラジウム触媒、又は更に特にトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)錯体、及び塩基(トリエチルアミン、炭酸ナトリウム又は炭酸セシウムなど)の存在下で、不活性溶媒(ジメチルホルムアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル又はジメトキシエタンなど)中でカップリングさせることによって、調製することができる。
【0049】
一般式(BD)の化合物は、一般式(BC)の化合物から、適切な塩基(第3級アミン塩基など、特にトリエチルアミン)の存在下で、適切な溶媒(アルコールなど、特にメタノール)中で、パラジウム(II)、特にパラジウム(II)アセタート触媒カルボニル化によって得ることができる。
【0050】
一般式(BE)の化合物は、一般式(BD)の化合物から、ニトロソ化剤(金属亜硝酸塩又は有機亜硝酸塩、更に特に亜硝酸イソアミルなど)との、臭化物源(臭化水素酸又は更に特にトリメチルブロモシランなど)の存在下、適切な溶媒(ハロゲン化炭化水素、更に特にジブロモメタンなど)中での反応によって得ることができる。
【0051】
当業者には周知の方法による、例えば、テトラヒドロフラン/エタノール又は別の適切な溶媒中の水性LiOH、NaOH又はKOHを、0℃と使用される溶媒の還流温度との間の温度で用いる、一般式(BE)のエステルのけん化によって、一般式(BF)の酸が生じる。
【0052】
化合物(BG)は、(BF)及び対応する式(III)のアミンから、適切なアミド結合形成反応によって調製することができる。これらの反応は、当該分野において公知である。例えば、N,N’−カルボニル−ジイミダゾール(CDI)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、ヘキサフルオロリン酸1−[ビス(ジメチルアミノ)−メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム−3−オキシド(HATU)、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール(HOBT)、テトラフルオロホウ酸O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(TBTU)又はヘキサフルオロリン酸O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(HBTU)のようなカップリング試薬を、このような変換を達成するために使用することができる。当該分野において公知の代替法は、(BF)から酸塩化物を調製し、そして式(III)のアミンと適切な塩基の存在下でカップリングさせることにより開始する。便利な方法は、例えば、1−クロロ−N,N,2−トリメチルプロペニルアミン及び塩基(例えば、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(DIEA))を、不活性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミドなど)中で室温で使用することである。
【0053】
アミン(III)は、市販されているか、文献に記載されているか、当業者ならば合成することができるか、又は実験の部に記載されるとおり得ることができるかのいずれかである。
【0054】
がシクロアルキルである、化合物(I-a)は、(BG)から、適切に置換されたシクロアルキル又はシクロアルケニル金属種、特に塩化シクロプロピル亜鉛(II)のようなシクロプロピル金属種、又はシクロプロピルボロン酸若しくは(BG)とのシクロプロピルトリフルオロホウ酸塩を、適切な触媒、特にパラジウム触媒(テトラキス−(トリフェニル−ホスフィン)パラジウム、又は[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン](3−クロロピリジル)−パラジウム(II)ジクロリド、又はパラジウム(II)アセタートなど)の存在下で、不活性溶媒(THF又はトルエンなど)中で室温から溶媒の還流温度までの温度でカップリングさせることにより、調製することができる。当業者であれば、シクロアルキル−又はシクロアルケニル−ボロン種をカップリングさせるためには、リン酸カリウムのような適切な塩基の添加が、反応を開始させるのに必要であることを理解するだろう。当業者が、シクロアルケニルボロン酸エステルのようなシクロアルケニル金属種とカップリングさせることを選択する場合には、化合物(I-a)は、例えば、パラジウム触媒(例えば、パラジウム担持炭)の存在下、不活性溶媒(例えば、エタノール)中で、適切な温度及び圧力で、特に周囲温度及び圧力での水素ガスでの水素化により、追加の水素化工程後にのみ得られるだろう。
【0055】
がハロアゼチジニルである、化合物(I-a)は、(BG)から、対応するアゼチジンと、塩基(特にDBU又はトリエチルアミン)の存在下で、不活性溶媒(特にDMSO又はジオキサン)中で、室温〜45℃の範囲の温度で反応させることにより調製することができる。
【0056】
出発物質の1つである式(III)の化合物が、1つ以上の反応工程の反応条件下で安定でないか又は反応性である、1個以上の官能基を含有するならば、適切な保護基(P)(例えば、T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3rd editionに記載されるような)を、決定的に重要な工程の前に当該分野において周知の方法を適用して導入することができる。このような保護基は、合成の後の段階で当該分野において公知の標準方法を用いて脱離することができる。
【0057】
式(III)の1つ以上の化合物が、キラル中心を含有するならば、式(I-a)のピリジンは、ジアステレオマー又はエナンチオマーの混合物として得ることができるが、これらは、当該分野において周知の方法、例えば、(キラル)HPLC又は結晶化により分離することができる。ラセミ化合物は、例えば、ジアステレオマー塩を介する結晶化によって、又はキラル吸着剤若しくはキラル溶離液のいずれかを用いる特異的クロマトグラフィー法による対掌体の分離によって、その対掌体に分離することができる。
【0058】
スキーム3の手順に従って、化合物(BA)(3,5−ジブロモ−2−ピラジンアミン、CAN 24241-18-7)を化合物(I)(ここで、Rは、シクロアルキルアルコキシ、ハロアルコキシ又はアルコキシアルコキシである)の合成のための出発物質として使用することができる。
【0059】
化合物(BA)は、化合物(CB)に、適切に置換されている第1級又は第2級アルコール(AB)(Yは、Hである)との、塩基(例えば、水素化ナトリウム)の存在下で、不活性溶媒(例えば、DMF)を伴うか又は伴わずに、室温〜溶媒の還流温度の範囲の温度での、特に室温での反応によって、変換することができる。
【0060】
当業者には周知の方法による、例えば、ジ−tert−ブチル ジカルボナートを、不活性溶媒(特にジクロロメタン)中で、触媒量の塩基(特にジメチルアミノピリジン)の存在下で用いる、一般式(CB)の化合物のBoc保護によって、この反応において過剰のジ−tert−ブチル ジカルボナートが使用されるならば、一般式(CC)の化合物が生じる。
【0061】
【化4】
【0062】
一般式(CD)の化合物は、一般式(CC)の化合物から、適切な塩基(第3級アミン塩基など、特にトリエチルアミン)の存在下で、適切な溶媒(アルコールなど、特にメタノール)中で、パラジウム(II)、特にパラジウム(II)アセタート触媒カルボニル化によって得ることができる。
【0063】
当業者には周知の方法による、例えば、プロトン性溶媒(特にメタノール)を高温(特に還流温度)で用いる、一般式(CD)のboc保護化合物の加溶媒分解によって、一般式(CE)の化合物が生じる。
【0064】
一般式(CF)の化合物は、一般式(CE)の化合物から、ニトロソ化剤(金属亜硝酸塩又は有機亜硝酸塩、更に特に亜硝酸tert−ブチルなど)との、臭化物源(臭化水素酸又は更に特にトリメチルブロモシランなど)の存在下、適切な溶媒(ハロゲン化炭化水素、更に特にジブロモメタンなど)中での反応によって得ることができる。
【0065】
がシクロアルキルである、化合物(CH)は、(CF)から、適切に置換されているシクロアルキル又はシクロアルケニル金属種(CG)(Yは、例えば、[BFのようなトリフルオロボラート基、ボロン酸基:B(OH)又はボロン酸ピナコールエステル基である)を、特にシクロプロピルボロン酸又は(CF)とのシクロプロピルトリフルオロホウ酸塩を、適切な触媒、特にシクロヘキシルホスフィンの存在下のパラジウム(II)アセタートのようなパラジウム触媒の存在下で、不活性溶媒(トルエンなど)中で、室温から溶媒の還流温度までで、適切な塩基(リン酸カリウムなど)の存在下でカップリングさせることによって、調製することができる。当業者が、シクロアルケニルボロン酸エステルのようなシクロアルケニル金属種とカップリングさせることを選択する場合には、化合物(CH)は、例えば、パラジウム触媒(例えば、パラジウム担持炭)の存在下、不活性溶媒(例えば、エタノール)中で、適切な温度及び圧力で、特に周囲温度及び圧力での水素ガスでの水素化により、追加の水素化工程後にのみ得られるだろう。
【0066】
がハロアゼチジニルである、化合物(CH)は、(CF)から、対応するハロアゼチジン(CG)(Yは、Hである)と、塩基(特にDBU又はトリエチルアミン)の存在下で、不活性溶媒(特にDMSO又はジオキサン)中で、室温〜45℃の範囲の温度で反応させることにより調製することができる。
【0067】
当業者には周知の方法による、例えば、テトラヒドロフラン/エタノール又は別の適切な溶媒中の水性LiOH、NaOH又はKOHを、0℃と使用される溶媒の還流温度との間の温度で用いる、一般式(CH)のエステルのけん化によって、一般式(II)の酸が生じる。
【0068】
式(II-c)の化合物を式(III)のアミンと、例えば、塩基性条件下でアミドカップリング剤を用いるような、当該分野において公知のアミドカップリング方法により、カップリングさせることにより、式(II)の化合物から更に化合物(I)を合成することができる。例えば、N,N’−カルボニル−ジイミダゾール(CDI)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、ヘキサフルオロリン酸1−[ビス(ジメチルアミノ)−メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム−3−オキシド(HATU)、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール(HOBT)、テトラフルオロホウ酸O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(TBTU)、又はヘキサフルオロリン酸O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(HBTU)のようなカップリング試薬を、このような変換を達成するために使用することができる。便利な方法は、例えば、ヘキサフルオロリン酸O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(HBTU)及び塩基(例えば、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(DIEA))を、不活性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミドなど)中で室温で使用することである。当該分野において公知の代替法は、(II)から酸塩化物を調製し、そして式(III)のアミンと適切な塩基の存在下でカップリングさせることにより開始する。
【0069】
アミン(III)は、市販されているか、文献に記載されているか、当業者ならば合成することができるか、又は実験の部に記載されるとおり得ることができるかのいずれかである。
【0070】
出発物質の1つである式(BA)、(AB)、(CG)又は(III)の化合物が、1つ以上の反応工程の反応条件下で安定でないか又は反応性である、1個以上の官能基を含有するならば、適切な保護基(P)(例えば、T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3rd editionに記載されるような)を、決定的に重要な工程の前に当該分野において周知の方法を適用して導入することができる。このような保護基は、合成の後の段階で当該分野において公知の標準方法を用いて脱離することができる。
【0071】
式(BA)、(AB)、(CG)又は(III)の1つ以上の化合物が、キラル中心を含有するならば、式(I)のピリジン類は、ジアステレオマー又はエナンチオマーの混合物として得ることができるが、これらは、当該分野において周知の方法、例えば、(キラル)HPLC又は結晶化により分離することができる。ラセミ化合物は、例えば、ジアステレオマー塩を介する結晶化によって、又はキラル吸着剤若しくはキラル溶離液のいずれかを用いる特異的クロマトグラフィー法による対掌体の分離によって、その対掌体に分離することができる。
【0072】
スキーム4の手順に従って、化合物(DA)(R’=H、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、又は例えば、T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3rd editionに記載の別の適切な保護基)を出発物質として使用することができる。(DA)は、市販されている(例えば、R’=メチルについて:5−ブロモ−6−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル、CAN 1214353-79-3)か、文献に記載されているか、又は当業者ならば合成することができるかのいずれかである。
【0073】
【化5】
【0074】
化合物(DC)は、(DA)から、式(DB)(Mは、例えば、[BFのようなトリフルオロボラート基、ボロン酸基:B(OH)又はボロン酸ピナコールエステル基である)の適切に置換されているアリール、ヘテロアリール又はアルケニル金属種(工程a)、例えば、オルガノトリフルオロホウ酸カリウム塩を、パラジウム触媒(パラジウム(II)アセタート/ブチル−1−アダマンチルホスフィンなど)及び塩基(炭酸セシウムなど)の存在下で、不活性溶媒(トルエンなど)中で、50℃と溶媒の沸点の間の温度でカップリングさせるか、あるいはアリールボロン酸又はアリールボロン酸エステルを、適切な触媒、特にパラジウム触媒、そして更に特にパラジウム(II)アセタート/トリフェニルホスフィン混合物又はパラジウム(II)クロリド−dppf(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)錯体及び塩基(トリエチルアミン、炭酸ナトリウム又はリン酸カリウムなど)の存在下で、不活性溶媒(ジメチルホルムアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル又はジメトキシエタンなど)中でカップリングさせることによって、調製することができる。場合により、化合物(DB)(Mは、Hである)はまた、アミン又はアミドであってもよく、そしてこれを、当業者には周知の方法により、例えば、パラジウム触媒(トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム/ジメチルビスジフェニル−ホスフィノキサンテンなど)及び塩基(炭酸セシウムなど)を、溶媒(1,4−ジオキサンなど)中で、優先的には溶媒の沸点で用いて、(DA)にカップリングさせる。あるいは、化合物(DB)はまた、スルホンアミド(Mは、Hである)であってもよく、そしてこれは、(DA)との銅(I)介在反応を受けることにより、文献に記載の手順に従い、例えば、ヨウ化銅(I)及び1,3−ジ(ピリジン−2−イル)プロパン−1,3−ジオンを、塩基(炭酸カリウムなど)の存在下で、溶媒(ジメチルホルムアミドなど)中で、高温で、優先的には溶媒の沸点で用いて、(DC)を形成する。場合により、アルケニル含有R残基は、例えば、触媒(パラジウム担持炭など)の存在下、溶媒(エタノール又は酢酸エチルなど)中で、特に周囲温度での水素ガスを用いる水素化反応のような、文献に記載の条件を用いて、対応するアルキル同種(DC)に変換することができる。
【0075】
i)スキーム1の工程a及びa’に記載されるとおり、化合物(DG)を形成させる化合物(DD)との反応;ii)スキーム1の工程bに記載されるとおり、けん化;並びにiii)スキーム1の工程cに記載されるとおり、アミド結合形成によって、化合物(DC)から更に化合物(I)を合成することができる。
【0076】
更には、化合物(DA)は、スキーム1の工程a及びa’に記載されるとおり、化合物(DD)での処理によって、化合物(DE)に変換することができる(工程b)。
【0077】
続く化合物(DG)への化合物(DE)の変換は、(DC)への(DA)の変換に関して考察されるとおり、達成することができる(工程a)。
【0078】
i)スキーム1の工程bに記載されるとおり、けん化;ii)スキーム1の工程cに記載されるとおり、アミド結合形成によって、化合物(DG)から更に化合物(I)を合成することができる。
【0079】
あるいは、化合物(DE)(R’=メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、又は例えば、T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3rd editionに記載の別の適切な保護基)は、i)スキーム1の工程bに記載されるとおり、その酸同種(DE)(R’=H)に変換すること;ii)スキーム1の工程cに記載されるとおり、アミン(III)での処理により対応するアミド(DF)に変換すること;及びiii)工程aに記載されるとおり、(DB)と反応させることによって、化合物(I)に到達することができる。
【0080】
更には、化合物(I)はまた、以下の逐次反応:i)スキーム1の工程bに記載されるとおり、化合物(DA)(R’=メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、又は例えば、T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3rd editionに記載の別の適切な保護基)のその酸同種(DE)(R’=H)へのけん化;ii)スキーム1の工程cに記載されるとおり、アミン(III)での処理による対応するアミドへの変換;iii)工程aに記載されるとおり、化合物(DB)との反応;及びiv)工程cに記載されるとおり、化合物(DD)との反応を適用して合成することができる。場合により、工程iii)及び工程iv)は入れ替えることができる。
【0081】
出発物質の1つである式(DA)、(DB)又は(DD)の化合物が、1つ以上の反応工程の反応条件下で安定でないか又は反応性である、1個以上の官能基を含有するならば、適切な保護基(P)(例えば、T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3rd editionに記載されるような)を、決定的に重要な工程の前に当該分野において周知の方法を適用して導入することができる。このような保護基は、合成の後の段階で当該分野において公知の標準方法を用いて脱離することができる。
【0082】
式(DA)、(DB)又は(DD)の1つ以上の化合物が、キラル中心を含有するならば、式(DC)及び(DG)のピコリンは、ジアステレオマー又はエナンチオマーの混合物として得ることができるが、これらは、当該分野において周知の方法、例えば、(キラル)HPLC又は結晶化により分離することができる。ラセミ化合物は、例えば、ジアステレオマー塩を介する結晶化によって、又はキラル吸着剤若しくはキラル溶離液のいずれかを用いる特異的クロマトグラフィー法による対掌体の分離によって、その対掌体に分離することができる。
【0083】
スキーム5の手順に従って、市販の5−ブロモ−6−メチル−ピリジン−2−カルボニトリル(EA)(CAN 1173897-86-3)を出発物質として使用することができる。スキーム5において、Rは、ベンジル又はハロベンジルであり;R1’は、フェニル又はハロフェニルである。
【0084】
【化6】
【0085】
化合物(EB)は、(EA)から、式(DB)(Yは、例えば、[BFのようなトリフルオロボラート基、ボロン酸基:B(OH)又はボロン酸ピナコールエステル基である)の適切に置換されているアリール、ヘテロアリール又はアルケニル金属種(工程a)、例えば、オルガノトリフルオロホウ酸カリウム塩を、パラジウム触媒(パラジウム(II)アセタート/ブチル−1−アダマンチルホスフィンなど)及び塩基(炭酸セシウムなど)の存在下で、不活性溶媒(トルエンなど)中で、50℃と溶媒の沸点の間の温度でカップリングさせるか、あるいはアリールボロン酸又はアリールボロン酸エステルを、適切な触媒、特にパラジウム触媒、更に特にパラジウム(II)アセタート/トリフェニルホスフィン混合物又はパラジウム(II)クロリド−dppf(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)錯体及び塩基(トリエチルアミン、炭酸ナトリウム又はリン酸カリウムなど)の存在下で、不活性溶媒(ジメチルホルムアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル又はジメトキシエタンなど)中でカップリングさせることによって、調製することができる。場合により、化合物(DB)はまた、アミン又はアミド(Yは、Hである)であってもよく、そしてこれを、当業者には周知の方法により、例えば、パラジウム触媒(トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム/ジメチルビスジフェニル−ホスフィノキサンテンなど)及び塩基(炭酸セシウムなど)を、溶媒(1,4−ジオキサンなど)中で、優先的には溶媒の沸点で用いて、(EA)にカップリングさせる。場合により、アルケニル含有R残基は、例えば、触媒(パラジウム担持炭など)の存在下、溶媒(エタノール又は酢酸エチルなど)中で、特に周囲温度での水素ガスを用いる水素化反応のような、文献に記載の条件を用いて、対応するアルキル同種(EA)に変換することができる。
【0086】
(EC)への(EB)の更なる変換は、適切な酸化試薬での当業者には公知の条件下での、例えば、3−クロロ過安息香酸でのジクロロメタン中で周囲温度での処理による、酸化によって達成することができる(工程b)。
【0087】
アルコール(ED)へのN−オキシド(EC)の変換は、当業者には周知の条件下で、例えば、トリフルオロ酢酸無水物との、溶媒(ジクロロメタンなど)中で、優先的には周囲温度での反応と、これに続く塩基(水酸化ナトリウムなど)での処理によって実行することができる(工程c)。
【0088】
脱離基(Z=Cl、Br又は別の適切な脱離基)を含有する化合物(EE)にアルコール(ED)を変換する方法に関する反応は、文献に充分に記載されており、当業者には公知である(工程d)。例えば、アルコール(ED)は、四臭化炭素及びトリフェニルホスフィンとの、溶媒(テトラヒドロフランなど)中で、0℃と溶媒の沸点との間の温度での、優先的には40℃での反応によって、Z=Brである化合物(EE)に変換することができる。
【0089】
化合物(EF)への化合物(EE)の変換は、例えば、式(AB')(Yは、例えば、ボロン酸基:B(OH)又はボロン酸ピナコールエステル基である)の適切に置換されているアリール金属種、特にアリールボロン酸又はアリールボロン酸エステルを、適切な触媒、特にパラジウム触媒、そして更に特にパラジウム(II)アセタート/トリフェニルホスフィン混合物又はパラジウム(II)クロリド−dppf(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)錯体及び塩基(トリエチルアミン、炭酸セシウム又はリン酸カリウムなど)の存在下で、不活性溶媒(ジメチルホルムアミド、トルエン、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサンなど)中でカップリングさせることによって、達成することができる(工程e)。
【0090】
ニトリル(EF)は、当業者には公知の酸性又は塩基性条件下で、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液での100℃での処理によって、酸(II)(A=CH)に加水分解することができる(工程f)。
【0091】
化合物(I)への化合物(II)の更なる変換は、スキーム1の工程cに描かれるとおりアミド結合形成条件を適用することにより行うことができる(工程g)。
【0092】
出発物質の1つである式(EA)、(DB)、(AB')又は(III)の化合物が、1つ以上の反応工程の反応条件下で安定でないか又は反応性である、1個以上の官能基を含有するならば、適切な保護基(P)(例えば、T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3rd editionに記載されるような)を、決定的に重要な工程の前に当該分野において周知の方法を適用して導入することができる。このような保護基は、合成の後の段階で当該分野において公知の標準方法を用いて脱離することができる。
【0093】
式(EA)〜(EF)、(DB)、(AB')、(II)又は(III)の1つ以上の化合物が、キラル中心を含有するならば、式(I)のピコリンは、ジアステレオマー又はエナンチオマーの混合物として得ることができるが、これらは、当該分野において周知の方法、例えば、(キラル)HPLC又は結晶化により分離することができる。ラセミ化合物は、例えば、ジアステレオマー塩を介する結晶化によって、又はキラル吸着剤若しくはキラル溶離液のいずれかを用いる特異的クロマトグラフィー法による対掌体の分離によって、その対掌体に分離することができる。
【0094】
よって本発明はまた、式(I)の化合物の製造方法であって、以下の工程の1つを含む方法に関する:
(a) 式(A):
【化7】

で示される化合物の、NHR、アミドカップリング剤及び塩基の存在下での反応(式中、A及びR〜Rは、上記と同義である);
(b) 式(B):
【化8】

で示される化合物の、R−Y、パラジウム触媒及び塩基の存在下での反応(式中、Xは、Cl、Br、I又はトリフルオロメタンスルホナートであり、Yは、トリフルオロボラート基、ボロン酸基又はボロン酸ピナコールエステル基であり、Rは、ハロフェニル又はハロフェニルアルキルであり、そしてA及びR〜Rは、上記と同義である);又は
(c) 式(C):
【化9】

で示される化合物の、R−M、パラジウム触媒及び塩基の存在下での反応(式中、Rは、ハロフェニル、ハロフェニルアルキル又はオキソピロリジニルであり、Rは、シクロアルキルであり、A及びR〜Rは、上記と同義であり、そしてMは、トリフルオロボラート基、ボロン酸基又はボロン酸ピナコールエステル基である)。
【0095】
工程(a)において、式(A)の化合物と式:NHRのアミンとの反応のためのアミドカップリング剤は、例えば、N,N’−カルボニル−ジイミダゾール(CDI)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、ヘキサフルオロリン酸1−[ビス(ジメチルアミノ)−メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム−3−オキシド(HATU)、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール(HOBT)、テトラフルオロホウ酸O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(TBTU)、又はヘキサフルオロリン酸O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(HBTU)である。特別なカップリング剤は、TBTU及びHATUである。
【0096】
工程(a)において、適切な塩基は、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン及び特にジイソプロピルエチルアミンを含む。
【0097】
当該分野において公知の代替法は、(A)から酸塩化物を調製し、そして式:NHRのアミンと適切な塩基の存在下でカップリングさせることにより開始する。
【0098】
工程(b)において、パラジウム触媒は、例えば、シクロヘキシルホスフィンの存在下でのパラジウム(II)アセタートである。
【0099】
工程(b)において、塩基は、例えば、リン酸カリウムである。
【0100】
工程(c)において、パラジウム触媒は、例えば、ブチル−1−アダマンチルホスフィンの存在下での酢酸パラジウム(II)である。
【0101】
工程(c)において、塩基は、例えば、炭酸セシウムである。
【0102】
本発明は更に、上記プロセスにより製造される、式(I)の化合物に関する。
【0103】
本発明の別の実施態様は、本発明の化合物及び治療上不活性な担体、希釈剤又は賦形剤を含有する医薬組成物又は医薬品、更にはこのような組成物及び医薬品を製造するための本発明の化合物の使用方法を提供する。一例において、式(I)の化合物は、周囲温度で適切なpHで、そして所望の純度で、生理学的に許容し得る担体、即ち、ガレヌス製剤の投与剤形中に使用される用量及び濃度でレシピエントに対して非毒性である担体と混合することによって処方できる。本処方のpHは、主として化合物の特定の使用及び濃度に依存するが、好ましくは約3〜約8の範囲にある。一例において、式(I)の化合物は、pH5の酢酸緩衝液中に処方される。別の実施態様において、式(I)の化合物は、無菌である。本化合物は、例えば、固体若しくは無定形組成物として、凍結乾燥処方として、又は水溶液として保存できる。
【0104】
組成物は、良質な医療の原則(good medical practice)と一致するやり方で、処方され、調剤され、そして投与される。これに関連して考慮される要因は、治療される特定の疾患、治療される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床症状、疾患の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与の計画、及び医師には知られている他の要因を含む。
【0105】
本発明の化合物は、経口、局所(口腔及び舌下を含む)、直腸内、膣内、経皮、非経口、皮下、腹腔内、肺内、皮内、髄腔内及び硬膜外並びに鼻内、そして局所治療に必要ならば、病巣内投与を含む、任意の適切な手段により投与してよい。非経口注入は、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、又は皮下投与を含む。
【0106】
本発明の化合物は、任意の便利な投与剤形、例えば、錠剤、散剤、カプセル剤、液剤、分散剤、懸濁剤、シロップ剤、スプレー剤、坐剤、ゲル剤、乳剤、パッチ剤などとして投与してよい。このような組成物は、医薬品製剤における従来からの成分、例えば、希釈剤、担体、pH調節剤、甘味料、増量剤、及び更なる活性剤を含有してもよい。
【0107】
典型的な処方は、本発明の化合物と担体又は賦形剤を混合することにより製造される。適切な担体及び賦形剤は、当業者には周知であり、そして詳細には例えば、Ansel, Howard C., et al., Ansel's Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems. Philadelphia: Lippincott, Williams & Wilkins, 2004; Gennaro, Alfonso R., et al. Remington: The Science and Practice of Pharmacy. Philadelphia: Lippincott, Williams & Wilkins, 2000; 及び Rowe, Raymond C. Handbook of Pharmaceutical Excipients. Chicago, Pharmaceutical Press, 2005に記載されている。本処方はまた、1種以上の緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、滑沢剤、乳化剤、懸濁剤、保存料、酸化防止剤、不透明化剤、流動促進剤、加工助剤、着色料、甘味料、芳香剤、着香剤、希釈剤、及び薬剤(即ち、本発明の化合物又はその医薬組成物)の美しい体裁を提供するための、又は製剤製品(即ち、医薬品)の製造を助けるための他の公知の添加剤を含む。
【0108】
よって本発明はまた、以下に関する:
治療活性物質として使用するための式(I)の化合物;
式(I)の化合物及び治療上不活性な担体を含む医薬組成物;
疼痛、神経因性疼痛、喘息、骨粗鬆症、炎症、精神疾患、精神病、腫瘍、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫障害、関節炎、消化器障害、精神障害、関節リウマチ、精神病又はアレルギーの治療又は予防のための式(I)の化合物の使用;
疼痛、神経因性疼痛、喘息、骨粗鬆症、炎症、精神疾患、精神病、腫瘍、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫障害、関節炎、消化器障害、精神障害、関節リウマチ、精神病又はアレルギーの治療又は予防用医薬品の製造のための式(I)の化合物の使用;
疼痛、神経因性疼痛、喘息、骨粗鬆症、炎症、精神疾患、精神病、腫瘍、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫障害、関節炎、消化器障害、精神障害、関節リウマチ、精神病又はアレルギーの治療又は予防のための式(I)の化合物;並びに
疼痛、神経因性疼痛、喘息、骨粗鬆症、炎症、精神疾患、精神病、腫瘍、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫障害、関節炎、消化器障害、精神障害、関節リウマチ、精神病又はアレルギーの治療又は予防のための方法であって、有効量の式(I)の化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【0109】
本発明は、今や以下の実施例により説明されるが、この実施例は何ら限定性を有するものではない。
【0110】
実施例
略語
МS=マススペクトメトリー; EI=電子衝撃; ISP=イオンスプレイ、ESI(エレクトロスプレイ)に相当する; NMRデータは内部テトラメチルシランに対してパーツ・パー・ミリオン(δ)で記録、及び試料溶媒から重水素ロックシグナル(他に記述がなければ、d−DMSO)で参照される; カップリング定数(J)はヘルツで表される; mp=融点; bp=沸点; DIEA=N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン; DMF=ジメチルホルムアミド; DMSO=ジメチル−スルホキシド; dppf=1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン;EtOAc=酢酸エチル、HATU=2−(3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル)−1,1,3,3−テトラメチルイソウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(V); HBTU=O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロ−ホスフェート; HPLC=高速液体クロマトグラフィー; iPrOAc=酢酸イソプロピル; m−CPBA=メタクロロ過安息香酸; Rt=保持時間; TBTU=O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−テトラフルオロボレート; TEMPO=2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン1−オキシラジカル; THF=テトラヒドロフラン; tlc=薄層クロマトグラフィ―。
【0111】
実施例1
6−(4−クロロフェニル)−N−[1−(5−シクロプロピル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチルプロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化10】
【0112】
a) tert−ブチル N−[4−[2−(シクロプロパンカルボニル)ヒドラジニル]−2−メチル−4−オキソブタン−2−イル]カルバマート
【化11】

DMF(50mL)中の3−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]−3−メチル−ブタン酸(CAN 129765-95-3、1.43g、6.59mmol)、DIEA(3.41mL、19.8mmol)及びTBTU(2.12g、6.59mmol)の混合物に、シクロプロパンカルボン酸ヒドラジド(CA 6952-93-8、0.66g、6.59mmol)を加えた。反応混合物を室温で10時間撹拌し、その後、溶媒を真空下で除去した。残留物を酢酸エチル(50mL)に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム溶液(50mL)、1N塩酸(30mL)及びブライン(30mL)で洗浄した。水相を酢酸エチル(50mL)で抽出し、有機相をプールし、MgSO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、標記化合物(1.7g、77%)を約90%の純度で黄色の油状物として与えた;MS(ISP):300.2[MH]。
【0113】
b) tert−ブチル N−[1−(5−シクロプロピル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチルプロパン−2−イル]カルバマート
【化12】

アセトニトリル(60mL)中のtert−ブチル N−[4−[2−(シクロプロパンカルボニル)ヒドラジニル]−2−メチル−4−オキソブタン−2−イル]カルバマート(1.70g、5.68mmol)とトリフェニルホスフィン(2.23g、8.52mmol)の混合物に、DIEA(2.98mL、17mmol)及びヘキサクロロエタン(1.74g、7.38mmol)を加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌し、その後、溶媒を真空下で除去した。残留物をジクロロメタン(80mL)に溶解し、水(2×40mL)及びブライン(40mL)で洗浄した。水相をジクロロメタン(80mL)で抽出し、有機相をプールし、MgSO4で乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン中0%〜100%酢酸エチル)により精製して、標記化合物(1.02g、64%)を白色の固体として与えた;MS(ISP):282.2[MH]。
【0114】
c) 1−(5−シクロプロピル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチルプロパン−2−アミン塩酸塩
【化13】

tert−ブチル N−[1−(5−シクロプロピル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチルプロパン−2−イル]カルバマート(1.02g、3.63mmol)を、ジオキサン(14mL)に溶解し、ジオキサン中の4N HClの溶液(9.1mL、36.3mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌し、その後、tert−ブチル メチルエーテル(50mL)で希釈した。生成物が沈殿し、濾過により単離し、次いで真空下で乾燥させて、標記化合物(718mg、91%)を白色の固体として与えた;MS(ISP):182.1[MH]。
【0115】
d) 6−(4−クロロフェニル)−N−[1−(5−シクロプロピル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチルプロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
DMF(0.5mL)中の6−(4−クロロフェニル)−2−ピリジンカルボン酸(CAN 135432-77-8、0.2mmol)、1−(5−シクロプロピル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチルプロパン−2−アミン塩酸塩(0.2mmol)、DIEA(175μL、1mmol)及びTBTU(77.1mg、0.24mmol)の溶液を、室温で20時間撹拌した。粗反応混合物を遠心分離により真空下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中0%〜100%酢酸エチル)により精製して、標記化合物(64mg、81%)を明黄色の固体として与えた;LC−MS(UVピーク面積/ESI)99%、397.1426[MH]。
【0116】
実施例2
6−(4−クロロフェニル)−N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化14】
【0117】
a) tert−ブチル N−[4−(2−ベンゾイルヒドラジニル)−2−メチル−4−オキソブタン−2−イル]カルバマート
【化15】

標記化合物は、出発物質として3−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]−3−メチル−ブタン酸(CAN 129765-95-3、1.36g、6.24mmol)及び安息香酸ヒドラジド(CAN 613-94-5、0.85g、6.24mmol)を使用し、実施例1aと同様に合成して、約90%の純度で橙色の油状物として単離した(1.97g、85%)、MS(ISP):336.3[MH]。
【0118】
b) tert−ブチル N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]カルバマート
【化16】

標記化合物は、出発物質としてtert−ブチル N−[4−(2−ベンゾイルヒドラジニル)−2−メチル−4−オキソブタン−2−イル]カルバマート(実施例2a、1.97g、5.87mmol)を使用し、実施例1bと同様に合成して、白色の固体として単離した(1.32g、71%)、MS(ISP):318.1[MH]。
【0119】
c) 2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−アミン塩酸塩
【化17】

標記化合物は、出発物質として6 tert−ブチル N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]カルバマート(実施例2b、1.32g、4.16mmol)を使用し、実施例1cと同様に合成して、白色の固体として単離した(1.03g、98%)、MS(ISP):218.1[MH]。
【0120】
d) 6−(4−クロロフェニル)−N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
標記化合物は、出発物質として6−(4−クロロフェニル)−2−ピリジンカルボン酸(CAN 135432-77-8、0.2mmol)及び2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−アミン塩酸塩(実施例2c、0.2mmol)を使用し、実施例1dと同様に合成して、明黄色の固体として単離した(71mg、82%)、LC−MS(UVピーク面積/ESI)100%、433.1417[MH]。
【0121】
実施例3
N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−カルボキサミド
【化18】

6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジンカルボン酸(CAN 1247503-48-5)
標記化合物は、出発物質として6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジンカルボン酸(CAN 1247503-48-5、0.2mmol)及び2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−アミン塩酸塩(実施例2c、0.2mmol)を使用し、実施例1dと同様に合成して、白色の固体として単離した(59mg、70%)、LC−MS(UVピーク面積/ESI)99%、421.1475[MH]。
【0122】
実施例4
6−(4−クロロフェニル)−N−[2−メチル−1−(3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化19】

標記化合物は、出発物質として6−(4−クロロフェニル)−2−ピリジンカルボン酸(CAN 135432-77-8、0.2mmol)及びα,α−ジメチル−3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−エタンアミン塩酸塩(1:1)(CAN 1426444-03-2、0.2mmol)を使用し、実施例1dと同様に合成して、明黄色の固体として単離した(83mg、96%)、LC−MS(UVピーク面積/ESI)100%、433.1421[MH]。
【0123】
実施例5
N−[2−メチル−1−(3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロパン−2−イル]−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−カルボキサミド
【化20】

標記化合物は、出発物質として6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジンカルボン酸(CAN 1247503-48-5、0.2mmol)及びα,α−ジメチル−3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−エタンアミン塩酸塩(1:1)(CAN 1426444-03-2、0.2mmol)を使用し、実施例1dと同様に合成して、白色の固体として単離した(66mg、79%)、LC−MS(UVピーク面積/ESI)98%、421.1476[MH]。
【0124】
実施例6
6−(3−クロロフェニル)−N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化21】

標記化合物は、出発物質として6−(3−クロロフェニル)−2−ピリジンカルボン酸(CAN 863704-38-5、0.2mmol)及び2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−アミン塩酸塩(実施例2c、0.2mmol)を使用し、実施例1dと同様に合成して、白色の固体として単離した(84mg、97%)、LC−MS(UVピーク面積/ESI)95%、433.1431[MH]。
【0125】
実施例7
6−(3−クロロフェニル)−N−[1−(3−シクロプロピル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−メチルプロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化22】

標記化合物は、出発物質として6−(3−クロロフェニル)−2−ピリジンカルボン酸(CAN 863704-38-5、0.2mmol)及び3−シクロプロピル−α,α−ジメチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−エタンアミン(CAN1341734-01-7、0.2mmol)を使用し、実施例1dと同様に合成して、橙色の固体として単離した(73mg、92%)、LC−MS(UVピーク面積/ESI)100%、397.1434[MH]。
【0126】
実施例8
6−(3−クロロフェニル)−N−[2−メチル−1−(3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化23】

標記化合物は、出発物質として6−(3−クロロフェニル)−2−ピリジンカルボン酸(CAN 863704-38-5、0.2mmol)及びα,α−ジメチル−3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−エタンアミン塩酸塩(1:1)(CAN 1426444-03-2、0.2mmol)を使用し、実施例1dと同様に合成して、白色の固体として単離した(83mg、96%)、LC−MS(UVピーク面積/ESI)100%、433.1428[MH]。
【0127】
実施例9
6−クロロ−5−(2,4−ジクロロアニリノ)−N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化24】
【0128】
a) 6−クロロ−5−(2,4−ジクロロアニリノ)ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
【化25】

アルゴン雰囲気下で、ジオキサン(1.9mL)中のパラジウム(II)アセタート(4.4mg、19μmol)と2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(13.6mg、39μmol)の混合物を、周囲温度で10分間撹拌し、ジオキサン(3.24mL)中のメチル 5,6−ジクロロピリジン−2−カルボキシラート(CAN 1214375-24-2、100mg、485μmol)、2,4−ジクロロアニリン(CAN 554-00-7、78.6mg、485μmol)及びKCO(1.34g、9.71mmol)の懸濁液に加えた。反応混合物を加熱還流し、20時間撹拌し、氷/ブライン(20mL)に注ぎ、そしてiPrOAc(2×50mL)で抽出した。有機層を氷/ブライン(1×50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、褐色の油状物(108mg)を与えた。粗生成物を、分取TLC(2mm SiO層、ヘプタン/iPrOAc 9:1を用いて、iPrOAcでの溶出)により精製して、標記化合物(6mg、18μmol、4%)を褐色の固体として与えた。
【0129】
b) 6−クロロ−5−(2,4−ジクロロアニリノ)ピリジン−2−カルボン酸
【化26】

水酸化リチウム水和物(911μg、22μmol)を、THF(49μL)及び水(25μL)中の6−クロロ−5−(2,4−ジクロロアニリノ)ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(6mg、18μmol)の溶液に加えた。反応混合物を周囲温度で 20時間撹拌し、1M HCl/氷水(20mL)に注ぎ、そしてiPrOAc(2×25mL)で抽出した。合わせた出物を氷/水(2×25mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、標記化合物(6mg、19μmol、定量)をオフホワイトの固体として与え、これは、次の反応工程において使用されるのに十分に純粋であった、MS(ISP):314.8[MH]。
【0130】
c) 6−クロロ−5−(2,4−ジクロロアニリノ)−N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
標記化合物は、出発物質として6−クロロ−5−(2,4−ジクロロアニリノ)ピリジン−2−カルボン酸(19μmol)及び2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−アミン塩酸塩(実施例2c、21μmol)を使用し、実施例1dと同様に合成して、無色の油状物として単離した(7mg、57%)、LC−MS:518.0724[MH]。
【0131】
実施例10
6−(4−クロロフェニル)−5−シクロプロピル−N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化27】
【0132】
a) 6−(4−クロロフェニル)−5−シクロプロピル−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
【化28】

トルエン(1.5mL)中のメチル メチル 6−クロロ−5−シクロプロピル−ピリジン−2−カルボキシラート(CAN 1415898-27-9、100mg、472μmol)、4−クロロフェニルボロン酸(CAN 1679-18-1、88.7mg、567μmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液(472μL、945μmol)及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン錯体(19.3mg、23.6μmol)の懸濁液を、アルゴン雰囲気下、90℃に30時間加熱した。反応混合物をSpeedexに通して濾過した。溶媒を減圧下で除去して、褐色の結晶(145mg)として与え、これをフラッシュ−クロマトグラフィー(5g SiO、75分でヘプタン/0〜30% iPrOAc)により精製して、標記化合物(92mg、68%)をオフホワイトの結晶として与えた、MS(ISP):288.2[MH]。
【0133】
b) 6−(4−クロロフェニル)−5−シクロプロピル−ピリジン−2−カルボン酸
【化29】

実施例9bに記載の手順と同様にし、6−(4−クロロフェニル)−5−シクロプロピル−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(313μmol)を加水分解して、標記化合物(102mg、定量)を無色の油状物として与えた、MS(ISP):272.1[MH]。
【0134】
c) 6−(4−クロロフェニル)−5−シクロプロピル−N−[2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
標記化合物は、出発物質として6−(4−クロロフェニル)−5−シクロプロピル−ピリジン−2−カルボン酸(37μmol)及び2−メチル−1−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−アミン塩酸塩(実施例2c、37μmol)を使用し、実施例1dと同様に合成して、無色の油状物として単離した(13mg、75%)、MS(ISP):473.3[MH]。
【0135】
実施例11
6−(2−メトキシエトキシ)−N−[2−メチル−1−(3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化30】

標記化合物は、出発物質として6−(2−メトキシエトキシ)−2−ピリジンカルボン酸(CAN 1248697-20-2、0.1mmol)及びα,α−ジメチル−3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−エタンアミン塩酸塩(1:1)(CAN 1426444-03-2、0.1mmol)を使用し、実施例1dと同様に合成して、無色の油状物として単離した(33mg、97%)、LC−MS(UVピーク面積/ESI)100%、397.1866[MH]。
【0136】
実施例12
N−[2−メチル−1−(3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロパン−2−イル]−6−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
【化31】
【0137】
a) 6−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
【化32】

ジオキサン(5mL)中の6−クロロ−2−ピリジンカルボン酸メチルエステル(CAN 6636-55-1、515mg、3mmol)、炭酸セシウム(1.47g、4.5mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(17.4mg、0.03mmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(27.5mg、0.03mmol)の赤色の懸濁液に、2−ピロリドン(511mg、6mmol)を加えた。反応混合物を、140℃で30分間を2回マイクロ波にかけ、冷却し、そして酢酸エチルとブラインに分配した。有機相をプールし、MgSO4で乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中50%酢酸エチル)により精製して、標記化合物(860mg、定量)を白色の固体として得て、それを次の工程において更に精製することなく用いた;LC−MS(UVピーク面積/ESI)94%、221.0922[MH]。
【0138】
b) 6−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸
【化33】

THF(85mL)及び水(25mL)中の6−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(911mg、4.11mmol)及び水酸化リチウム(297mg、12.4mmol)の溶液を、0℃で3時間撹拌した。反応混合物を1N塩酸(200mL)に注ぎ、酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。有機相をプールし、MgSO4で乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)により精製して、標記化合物(212mg、25%)を明黄色の固体として与えた;MS(ISP):204.9[M−H]。
【0139】
c) N−[2−メチル−1−(3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロパン−2−イル]−6−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
標記化合物は、出発物質として6−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例12b、0.1mmol)及びα,α−ジメチル−3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−エタンアミン塩酸塩(1:1)(CAN 1426444-03-2、0.1mmol)を使用し、実施例1dと同様に合成して、無色の油状物として単離した(13mg、28%)、LC−MS(UVピーク面積/ESI)100%、406.1874[MH]。
【0140】
実施例13
6−(3−クロロフェニル)−N−[1−(5−シクロブチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチルプロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化34】
【0141】
a) tert−ブチル 4−(2−(シクロブタンカルボニル)ヒドラジニル)−2−メチル−4−オキソブタン−2−イルカルバマート
【化35】

標記化合物は、出発物質として3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタン酸(CAN 129765-95-3、3.81g、17.5mmol)及びシクロブタンカルボヒドラジド(CAN 98069-56-8、2g、17.5mmol)を使用し、実施例1aと同様に合成して、オフホワイトの固体として単離した(4.7g、86%)、MS(ISP):314.2[MH]。
【0142】
b) tert−ブチル 1−(5−シクロブチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチルプロパン−2−イルカルバマート
【化36】

標記化合物は、出発物質としてtert−ブチル 4−(2−(シクロブタンカルボニル)ヒドラジニル)−2−メチル−4−オキソブタン−2−イルカルバマート(実施例13a、4.7g、15mmol)を使用し、実施例1bと同様に合成して、オフホワイトの固体として単離した(3.4g、77%)、MS(ISP):296.3[MH]。
【0143】
c) 1−(5−シクロブチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチル−プロパン−2−アミン塩酸塩
【化37】

標記化合物は、出発物質としてtert−ブチル 1−(5−シクロブチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチルプロパン−2−イルカルバマート(実施例13b、3.4g、11.5mmol)を使用し、実施例1cと同様に合成して、白色の固体として単離した(2.4g、90%)、MS(ISP):196.3[MH]。
【0144】
d) 6−(3−クロロフェニル)−N−[1−(5−シクロブチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチルプロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
標記化合物は、出発物質として6−(3−クロロフェニル)−2−ピリジンカルボン酸(CAN 863704-38-5、64μmol)及び1−(5−シクロブチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチル−プロパン−2−アミン塩酸塩(77μmol)を使用し、実施例1dと同様に合成して、無色の油状物として単離した(7mg、27%)、MS(ISP):411.3[MH]。
【0145】
実施例14
6−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化38】

標記化合物(7mg、70%)は、出発物質として6−(2,4−ジクロロフェニル)−2−ピリジンカルボン酸(CAN 1261912-00-8、22μmol)及びα,α−ジメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−メタンアミン(CAN 68176-04-5、24μmol)を使用し、実施例1dと同様に合成した、LC−MS(EI):453.0[MH]。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 8.66 (bs, 1H), 8.13 (dd, 1H, J1 = 7.5 Hz, J2 = 0.9 Hz), 8.04 - 8.00 (m, 2H), 7.93 (t, 1H, J = 7.8 Hz), 7.78 (dd, 1H, J1 = 7.8 Hz, J2 = 0.9 Hz), 7.62 - 7.40 (m, 6H), 1.98 (s, 6H)。
【0146】
実施例15
6−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[2−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化39】

標記化合物(2mg、23%)は、出発物質として6−(2,4−ジクロロフェニル)−2−ピリジンカルボン酸(CAN 1261912-00-8、22μmol)及びα,α,5−トリメチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−メタンアミン(CAN 1368716-09-9、24μmol)を使用し、実施例1dと同様に合成した、LC−MS(EI):390.7[MH]。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 8.56 (bs, 1H), 8.13 (dd, 1H, J1 = 7.8 Hz, J2 = 0.9 Hz), 7.93 (t, 1H, J = 7.8 Hz), 7.78 (dd, 1H, J1 = 8.1 Hz, J2 = 1.2 Hz), 7.59 - 7.54 (m, 2H), 7.41 (dd, 1H, J1 = 7.8 Hz, J2 = 1.8 Hz), 2.52 (s, 3H), 1.89 (s, 6H)。
【0147】
実施例16
6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−N−[3−[1−(2−メトキシエトキシ)−2−メチルプロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化40】

標記化合物(20mg、12%)は、出発物質として6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸(CAN 1415898-88-2、351μmol)及び3−[2−(2−メトキシエトキシ)−1,1−ジメチル−エチル]イソオキサゾール−5−アミン(CAN 1218915-72-0、383μmol)を使用し、実施例1dと同様に合成した、LC−MS(EI):481.2[MH]。1H NMR (300 MHz, CD3OD): δ 7.68 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 6.80 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 6.45 (s, 1H), 4.44 (t, 4H, J = 12.0 Hz), 4.29 (d, 2H, J = 7.2Hz), 3.60 - 3.50 (m, 6H), 3.34 (s, 3H), 1.40 - 1.25 (m, 7H), 0.70 - 0.60 (m, 2H), 0.45 - 0.38 (m, 2H)。
【0148】
実施例17
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[1−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)ピラゾール−4−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化41】

a) 2−(4−アミノピラゾール−1−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール
【化42】

水(100mL)中の5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−3−オキソ−ペンタンニトリル(CAN 489432-33-9、5g、35mmol)及びNaOH(2.6g、65mmol)の溶液に、NHOH.HCl(2.8g、41mmol)を加えた。混合物を100℃に12時間加熱する。この後、反応混合物を室温に冷やし、EtOAc(3×150mL)で抽出し、有機層を合わせ、そしてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(2g、36%)を黄色の固体として与えた、LC−MS(EI):157.2[MH]。
【0149】
b) 5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[1−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)ピラゾール−4−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
標記化合物(102mg、80%)は、出発物質として5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(CAN 1415898-71-3、342μmol)及び2−(4−アミノピラゾール−1−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール(373μmol)を使用し、実施例1dと同様に合成した、LC−MS:371.2[MH]。1H NMR (300 MHz, CD3OD): δ 8.18 (s, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.63 (d, 1H, J = 7.5 Hz), 7.35 (d, 1H, J = 7.5 Hz), 4.38 (d, 2H, J = 7.8 Hz), 3.74 (s, 2H), 2.25 - 2.15 (m, 1H), 1.57 (s, 6H), 1.40 - 1.20 (m, 1H), 1.05 - 0.43 (m, 8H)。
【0150】
実施例18
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−[1−(2−メトキシエトキシ)−2−メチルプロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化43】

標記化合物(20mg、11%)は、出発物質として5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(CAN 1415898-71-3、429μmol)及び3−[2−(2−メトキシエトキシ)−1,1−ジメチル−エチル]イソオキサゾール−5−アミン(CAN 1218915-72-0、468μmol)を使用し、実施例1dと同様に合成した、LC−MS:430.2[MH]。1H NMR (300 MHz, CD3OD): δ 7.67 (dd, 1H, J1 = 7.5 Hz, J2 = 0.3 Hz), 7.35 (d, 1H, J = 7.2 Hz), 6.49 (s, 1H), 4.36 (d, 2H, J = 7.2 Hz), 3.60 - 3.50 (m, 6H), 3.34 - 3.30 (m, 3H), 2.25 - 2.15 (m, 1H), 1.40 - 1.20 (m, 7H), 1.08 - 1.02 (m, 2H), 0.83 - 0.78 (m, 2H), 0.67 - 0.61 (m, 2H), 0.46 - 0.43 (m, 2H)。
【0151】
実施例19
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化44】

標記化合物(25mg、16%)は、出発物質として5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(CAN 1415898-71-3、429μmol)及び2−(5−アミノイソオキサゾール−3−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール(CAN 1188910-70-4、468μmol)を使用し、実施例1dと同様に合成した、LC−MS:372.1[MH]。1H NMR (300 MHz, CD3OD): δ 7.59 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 7.29 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 6.39 (s, 1H), 4.28 (d, 2H, J = 7.2 Hz), 3.51 (s, 2H), 2.15 - 2.10 (m, 1H), 1.30 - 1.10 (m, 7H), 1.00 - 0.93 (m, 2H), 0.75 - 0.69 (m, 2H), 0.59 - 0.52 (m, 2H), 0.36 - 0.33 (m, 2H)。
【0152】
実施例20
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−[1−(2−エトキシエトキシ)−2−メチルプロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化45】

標記化合物(25mg、13%)は、出発物質として5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(CAN 1415898-71-3、429μmol)及び3−[2−(2−エトキシエトキシ)−1,1−ジメチル−エチル]イソオキサゾール−5−アミン(CAN 1218915-74-2、468μmol)を使用し、実施例1dと同様に合成した、LC−MS:444.3[MH]。1H NMR (300 MHz, CD3OD): δ 7.54 (d, 1H, J = 7.5 Hz), 7.23 (d, 1H, J = 7.5 Hz), 6.39 (s, 1H), 4.24 (d, 2H, J = 6.9 Hz), 3.48 - 3.36 (m, 8H), 2.20 - 2.00 (m, 1H), 1.30 - 1.05 (m, 7H), 1.05 (t, 3H, J = 7.2 Hz), 0.96 - 0.91 (m, 2H), 0.72 - 0.67 (m, 2H), 0.56 - 0.50 (m, 2H), 0.35 - 0.30 (m, 2H)。
【0153】
実施例21
6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−N−(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)ピリジン−2−カルボキサミド
【化46】

標記化合物(8mg、53%)は、出発物質として6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸(CAN 1415898-88-2、35μmol)及び3−アミノアダマンタン−1−オール(CAN 702-82-9、42μmol)を使用し、実施例1dと同様に合成して、白色の固体として単離した、MS(ESI):434.5[MH]。
【0154】
実施例22
tert−ブチル 2−[[[5−シクロプロピル−6−[(4−フルオロフェニル)メチル]ピリジン−2−カルボニル]アミノ]メチル]モルホリン−4−カルボキシラート
【化47】

標記化合物(132mg、51%)は、出発物質として5−シクロプロピル−6−[(4−フルオロフェニル)メチル]ピリジン−2−カルボン酸(CAN 1415899-48-7、553μmol)及びtert−ブチル 2−(アミノメチル)モルホリン−4−カルボキシラート(CAN 140645-53-0、664μmol)を使用し、実施例1dと同様に合成して、無色の油状物として単離した、MS(ESI):470.5[MH]。
【0155】
実施例23
(+)−4−[5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)ピラジン−2−カルボニル]チオモルホリン−3−カルボキサミド
【化48】
【0156】
a) 5−ブロモ−3−シクロプロピルメトキシ−ピラジン−2−イルアミン
【化49】

ジメチルスルホキシド(200mL)中のシクロプロピル−メタノール(16.47mL、205.62mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(油中60%、4.93g、205.62mmol)を0℃で加え、反応混合物を0℃で2時間撹拌した。この懸濁液に、ジメチルスルホキシド(40mL)中の3,5−ジブロモ−ピラジン−2−イルアミン(20g、79.09mmol)を加え、混合物を周囲温度で12時間撹拌した。混合物を水(300mL)と酢酸エチルに分配し、有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮した。粗物質を、クロマトグラフィー(シリカゲル、500g、ヘキサン中10%酢酸エチル)により精製して、所望の生成物(14g、72.52%)を黄色の固体として与えた;LC−MS(UVピーク面積、ESI)94.69%、244.0[MH]。
【0157】
b) ジ−tert−ブチル [5−ブロモ−3−(シクロプロピルメトキシ)ピラジン−2−イル]イミドジカルボナート
【化50】

ジクロロメタン(200mL)中の5−ブロモ−3−シクロプロピルメトキシ−ピラジン−2−イルアミン(30g、122.91mmol)の溶液に、ジ−tert−ブチル ジカルボナート(67.7mL、307.26mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(1.49g、12.29mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。混合物を水(300mL)とジクロロメタンに分配し、有機相を分離し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮した。粗物質を、クロマトグラフィー(シリカゲル、600g、ヘキサン中5%〜7%酢酸エチル)により精製して、所望の生成物(45g、82.77%)を黄色の油状物として与えた;LC−MS(UVピーク面積、ESI)94.69%、445.0[MH]。
【0158】
c) メチル 5−[ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−6−(シクロプロピルメトキシ)ピラジン−2−カルボキシラート
【化51】

メタノール(200mL)中のジ−tert−ブチル [5−ブロモ−3−(シクロプロピルメトキシ)ピラジン−2−イル]イミド−ジカルボナート(20g、45.05mmol)の溶液に、PdCl・dppf・CHCl(4.04g、4.95mmol)及びトリエチルアミン(9.5mL、67.57mmol)を加え、混合物を一酸化炭素雰囲気下(32bar)、80℃で5時間撹拌した。膨張及び冷却後、固体を濾過により除去した。有機相を分離し、ブライン(300mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮した。粗物質を、クロマトグラフィー(Combi-Flash、120g、ヘキサン中15%〜20%酢酸エチル)により精製して、所望の生成物(14g、73.68%)を黄色の半固体として与えた;LC−MS(UVピーク面積、ESI)96.14%、424.4[MH]。
【0159】
d) 5−アミノ−6−シクロプロピルメトキシ−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル
【化52】

メチル 5−[ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−6−(シクロプロピルメトキシ)ピラジン−2−カルボキシラート(15g、35.46mmol)を、メタノール(150mL)及び水(225mL)に懸濁し、混合物を100℃で12時間加熱した。冷却後、白色の固体が形成され、濾過し、真空下で乾燥させて、標記化合物(5.7g、72.15%)をオフホワイトの固体として与えた;LC−MS(UVピーク面積、ESI)99.68%、224.2[MH]。
【0160】
e) 5−ブロモ−6−シクロプロピルメトキシ−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル
【化53】

5−アミノ−6−シクロプロピルメトキシ−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル(10g、44.84mmol)を、ジブロモメタン(150mL)に懸濁した。この懸濁液に、トリメチルシリルブロミド(14.8mL、112.11mmol)、続いて亜硝酸tert−ブチル(57.5mL、448.43mmol)を0℃で加え、混合物をその温度で3時間撹拌した。混合物を水(190mL)と酢酸エチルに分配し、有機相をブライン(200mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮した。粗物質を、クロマトグラフィー(Combi-Flash、80g、ヘキサン中20%酢酸エチル)により精製して、所望の生成物(6.3g、46.6%)を白色の固体として与えた;LC−MS(UVピーク面積、ESI)90.68%、287.2[MH]。
【0161】
f) 5−シクロプロピル−6−シクロプロピルメトキシ−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル
【化54】

5−ブロモ−6−シクロプロピルメトキシ−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル(5g、17.42mmol)、三塩基性リン酸カリウム(12.9g、60.98mmol)及びパラジウム(II)アセタート(389mg、1.74μmol)を、トルエン(45mL)及び水(5mL)に溶解し、反応混合物をアルゴンで15分間脱気した。シクロプロピルボロン酸(2.9g、34.84mmol)及びトリシクロヘキシルホスフィン(0.487g、1.74mmol)を加え、反応混合物を60℃で16時間撹拌した。混合物を水と酢酸エチルに分配し、有機相をブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮した。粗物質を、クロマトグラフィー(Combi-Flash、 80g、ヘキサン中10%〜15%酢酸エチル)により精製して、所望の生成物(2.6g、60.11%)を白色の固体として与えた;LC−MS(UVピーク面積、ESI)98.87%、249.2[MH]。
【0162】
g) 5−シクロプロピル−6−シクロプロピルメトキシ−ピラジン−2−カルボン酸
【化55】

THF(20mL)及びHO(10mL)中の5−シクロプロピル−6−シクロプロピルメトキシ−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル(7g、28.23mmol)の溶液に、水酸化リチウム(1.54g、26.69mmol)を加え、混合物を周囲温度で4.5時間撹拌した。溶媒を真空下で濃縮し、残留物をHO(20mL)で希釈した。水相を塩酸で酸性化(1M、pH約2〜3)し、固体を分離した。固体をトルエン(25ml)でトリチュレートし、真空下で乾燥させて、標記化合物(5.3g、86.6%)を白色の結晶質固体として与えた;LC−MS(UVピーク面積、ESI)93.2%、233.2[M−H]。
【0163】
h) 4−[5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)ピラジン−2−カルボニル]チオモルホリン−3−カルボキサミド
標記化合物は、出発物質として5−シクロプロピル−6−シクロプロピルメトキシ−ピラジン−2−カルボン酸(実施例23g、0.43mmol)及び3−チオモルホリンカルボキサミド(CAN 103742-31-0、0.43mmol)を使用し、実施例1dと同様に合成して、明黄色の固体として単離した(134mg、87%)、LC−MS(UVピーク面積/ESI)100%、363.1490[MH]。
【0164】
i) (+)−4−[5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)ピラジン−2−カルボニル]チオモルホリン−3−カルボキサミド
ラセミの4−[5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)ピラジン−2−カルボニル]チオモルホリン−3−カルボキサミド(実施例23h、108mg)を、キラルクロマトグラフィー(Reprosil chiral NR、ヘプタン中30%エタノール)に付して、標記化合物(46mg、43%)を明黄色の固体として与えた;LC−MS(UVピーク面積/ESI)100%、363.1490[MH];(+)エナンチオマー、α20(MeOH)=+41.3°。
【0165】
実施例24
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−[2−メチル−1−(オキサン−2−イルオキシ)プロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピラジン−2−カルボキサミド
【化56】

ピリジン(3mL)中の5−シクロプロピル−6−シクロプロピルメトキシ−ピラジン−2−カルボン酸(実施例23g、100mg、0.427mmol)及び3−[1,1−ジメチル−2−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]エチル]−5−イソオキサゾールアミン(CAN 1218915-54-8、153.34mg、0.641mmol)の撹拌した溶液に、POCl3を0℃で加え、室温で3時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物を真空下で蒸発させ、酢酸エチルで希釈し、そして水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮した。残留物を、ヘキサン中20%酢酸エチルを用いたシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(110mg、56%)を明黄色の固体として与えた;LC−MS(UVピーク面積、ESI)98.4%、457.2[MH]。
【0166】
実施例25
5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)−1,2−オキサゾール−5−イル]ピラジン−2−カルボキサミド
【化57】

エタノール(20mL)中の5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−[2−メチル−1−(オキサン−2−イルオキシ)プロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピラジン−2−カルボキサミド(実施例24、1.0g、1.972mmol)の撹拌した溶液に、ピリジニウム p−トルエンスルホナート(0.149g、0.592mmol)を加え、混合物を70℃に1時間加熱した。反応の完了後、溶媒を真空下で除去した。残留物を、ヘキサン中30%酢酸エチルを用いたシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(600mg、82%)を白色の固体として与えた;LC−MS(UVピーク面積、ESI)98.9%、373.0[MH]。
【0167】
実施例26
N−[3−(1−アジド−2−メチルプロパン−2−イル)−1,2−オキサゾール−5−イル]−5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)ピラジン−2−カルボキサミド
【化58】
【0168】
a) [2−[5−[[5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)ピラジン−2−カルボニル]アミノ]−1,2−オキサゾール−3−イル]−2−メチルプロピル]メタンスルホナート
【化59】

DCM(15mL)中の5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)−1,2−オキサゾール−5−イル]ピラジン−2−カルボキサミド(実施例25、400mg、1.075mmol)撹拌した溶液に、トリエチルアミン(0.724mL、5.376mmol)及び塩化メシル(0.166mL、2.151mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物をDCMで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮した。残留物は、大部分は褐色の粘着性液体として標記化合物(450mg)からなり、これを次の工程にそのまま用いた;LC−MS(UVピーク面積、ESI)93.5%、451.1[MH]。
【0169】
b) N−[3−(1−アジド−2−メチルプロパン−2−イル)−1,2−オキサゾール−5−イル]−5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)ピラジン−2−カルボキサミド
DMF(2mL)中の[2−[5−[[5−シクロプロピル−6−(シクロプロピルメトキシ)ピラジン−2−カルボニル]アミノ]−1,2−オキサゾール−3−イル]−2−メチルプロピル]メタンスルホナート(実施例26a、200mg、粗)の撹拌した溶液に、アジ化ナトリウム(144.4mg、2.22mmol)を加え、密閉管中で120℃に16時間加熱した。反応の完了後、反応混合物を室温に冷やし、次に酢酸エチルで希釈し、そして水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物を、ヘキサン中20%酢酸エチルを用いたl シリカカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(60mg、2工程後に32%)を白色の固体として与えた;LC−MS(UVピーク面積、ESI)99.7%、398.2[MH]。
【0170】
実施例27
6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−N−[1−[5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−2−メチルプロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化60】
【0171】
a) tert−ブチル 4−(2−(4−フルオロベンゾイル)ヒドラジニル)−2−メチル−4−オキソブタン−2−イルカルバマート
【化61】

標記化合物は、出発物質として3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタン酸(CAN 129765-95-3、3g、13.8mmol)及び4−フルオロベンゾヒドラジド(CAN 456-06-4、2.1g、13.8mmol)を使用し、実施例1aと同様に合成して、黄色の油状物として単離した(1.3g、26%)、MS(ISP):354.3[MH]。
【0172】
b) tert−ブチル 1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチルプロパン−2−イルカルバマート
【化62】

標記化合物は、出発物質としてtert−ブチル 4−(2−(4−フルオロベンゾイル)ヒドラジニル)−2−メチル−4−オキソブタン−2−イルカルバマート(実施例27a、1.3g、3.7mmol)を使用し、実施例1bと同様に合成して、白色の固体として単離した(0.99g、81%)、MS(ISP):336.3[MH]。
【0173】
c) 1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチルプロパン−2−アミン塩酸塩
【化63】

標記化合物は、出発物質としてtert−ブチル 1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチルプロパン−2−イルカルバマート(実施例27b、0.98g、2.9mmol)を使用し、実施例1cと同様に合成して、単離した(620mg、78%)、MS(ESI):236.2[MH]。
【0174】
d) 6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−N−[1−[5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−2−メチルプロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
ジクロロメタン(1mL)中の6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸(CAN 1415898-88-2、20mg、70.4μmol)の溶液に、DIPEA(22.7mg、30.7μL、176μmol)及び4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリン−4−イウムクロリド(21.4mg、77.4μmol)を加えた。混合物を周囲温度で30分間撹拌し、次に、1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチルプロパン−2−アミン塩酸塩(実施例27c、16.6mg、70.4μmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌し、ジクロロメタン(8mL)で希釈し、そして1M NaHCO水溶液(3×10mL)、水(10mL)及びブライン(15mL)で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(10g SiO、ヘプタン/EtOAc 4:1〜1:1)が、標記化合物を与えた(19.7mg、56%)、MS(ESI):502.6[MH]。
【0175】
実施例28
5−シクロペンチル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[1−[5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−2−メチルプロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化64】

標記化合物は、5−シクロペンチル−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(CAN 1415898-70-2、20mg、77μmol)及び1−(5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2−メチルプロパン−2−アミン塩酸塩(実施例27c、23mg、85μmol)を使用し、実施例27dに記載の手順と同様に合成して、単離した(18mg、49%)、LC−MS(ESI):479.7[MH]。
【0176】
実施例29
5−シクロペンチル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−[1−(2−メトキシエトキシ)−2−メチルプロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化65】

標記化合物は、5−シクロペンチル−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(CAN 1415898-70-2、21mg、82μmol)及び3−[2−(2−メトキシエトキシ)−1,1−ジメチル−エチル]イソオキサゾール−5−アミン(CAN 1218915-72-0、18mg、82μmol)を使用し、実施例27dに記載の手順と同様に合成して、無色の油状物として単離した(10mg、26%)、LC−MS(ESI):458.7[MH]。
【0177】
実施例30
5−シクロペンチル−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−[1−(2−エトキシエトキシ)−2−メチルプロパン−2−イル]−1,2−オキサゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化66】

標記化合物は、5−シクロペンチル−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(CAN 1415898-70-2、22mg、83μmol)及び3−[2−(2−エトキシエトキシ)−1,1−ジメチル−エチル]イソオキサゾール−5−アミン(CAN 1218915-74-2、19mg、83μm)を使用し、実施例27dに記載の手順と同様に合成して、単離した(10mg、25%)、LC−MS(ESI):472.8[MH]。
【0178】
実施例31
薬理学的試験
以下の試験は、式(I)の化合物の活性を決定するために行われた:
放射性リガンド結合アッセイ
カンナビノイドCB1受容体に対する本発明の化合物の親和性は、ヒトCNR1又はCNR2受容体を発現するヒト胎児腎(HEK)細胞の膜調製物(Perkin Elmer)推奨量を放射性リガンドとしての[H]−CP-55,940(Perkin Elmer)それぞれ1.5又は2.6nMと併せて使用して求めた。結合は、結合緩衝液(CB1受容体には50mM トリス、5mM MgCl、2.5mM EDTA、及び0.5%(重量/容量)脂肪酸不含BSA(pH7.4)、そしてCB2受容体には50mM トリス、5mM MgCl、2.5mM EGTA、及び0.1%(重量/容量)脂肪酸不含BSA(pH7.4))中で総容量0.2mlとして30℃で1時間振盪しながら実施した。反応は、0.5%ポリエチレンイミンでコーティングした精密濾過プレート(UniFilter GF/Bフィルタープレート;Packard)による急速濾過によって終わらせた。結合放射活性は、非線形回帰分析(Activity Base, ID Business Solution, Limited)を利用してKiについて分析され、[H]CP-55,940のKd値は飽和実験から求めた。式(I)の化合物は、CB2受容体に対する優れた親和性を示す。
【0179】
式(I)の化合物は、0.5nMと10μMの間の上記アッセイにおける活性(Ki)を有する。式(I)の特定の化合物は、0.5nMと3μMの間の上記アッセイにおける活性(Ki)を有する。式(I)の他の特定の化合物は、0.5nMと100nMの間の上記アッセイにおける活性(Ki)を有する。
【0180】
cAMPアッセイ
ヒトCB1又はCB2受容体を発現するCHO細胞を、実験の17〜24時間前に50,000細胞/ウェルで、平らで透明な底を持つ黒色の96ウェルプレート(Corning Costar #3904)に10%ウシ胎仔血清を含むDMEM(Invitrogen No. 31331)、1×HTサプリメント中で播種し、そして5% CO及び37℃で加湿インキュベーター中でインキュベートする。増殖培地を、1mM IBMXを含むKrebs Ringer重炭酸緩衝液と交換して、30℃で30分間インキュベートした。最終アッセイ容量が100μlになるように化合物を加えて、30℃で30分間インキュベートした。cAMP−ナノ−TRF検出キット(Roche Diagnostics)を用いて、アッセイは、溶解試薬(トリス、NaCl、1.5% Triton X100、2.5% NP40、10% NaN)50μl及び検出溶液(20μM mAb Alexa700−cAMP 1:1、及び48μM ルテニウム−2−AHA−cAMP)50μlの添加により停止させ、室温で2時間振盪させた。時間分解エネルギー移動は、ND:YAGレーザーを励起光源として取り付けたTRFリーダー(Evotec Technologies GmbH)により測定する。プレートは、355nmでの励起で、そして100nsのディレイと100nsのゲートの発光で、総露光時間10sでそれぞれ730(帯域幅30nm)又は645nm(帯域幅75nm)で2回測定する。FRETシグナルを以下のとおり算出する:FRET=T730−Alexa730−P(T645−B645)であり、P=Ru730−B730/Ru645−B645であり、ここで、T730は、730nmで測定された試験ウェルであり、T645は、645nmで測定された試験ウェルであり、B730及びB645は、それぞれ730nm及び645nmでの緩衝液対照である。cAMP含量は、10μM〜0.13nM cAMPにわたる標準曲線の関数から求める。
【0181】
EC50値は、ActivityBase解析(ID Business Solution, Limited)を用いて求めた。対照化合物について本アッセイから生成される広範囲のカンナビノイドアゴニストのEC50は、科学文献に公表される値と一致した。
【0182】
前記アッセイにおいて、本発明の化合物は、0.5nMと10μMの間のヒトCB2 EC50を有する。本発明の特定の化合物は、0.5nMと1μMの間のヒトCB2 EC50を有する。本発明の更なる特定の化合物は、0.5nMと100nMの間のヒトCB2 EC50を有する。これらは、放射性リガンド及びcAMPアッセイの両方か、又はこれら2種のアッセイの一方のいずれかにおいて、ヒトCB1受容体に対して少なくとも10倍の選択性を示す。
【0183】
本発明の代表化合物について得られる結果は、以下の表に与えられる:
【表1】
【0184】
実施例A
以下の成分を含有するフィルムコーティング錠は、従来法で製造することができる:
【表2】

活性成分を篩過して微結晶性セルロースと混合し、そしてこの混合物を水中のポリビニルピロリドンの溶液で造粒する。次にこの顆粒をデンプングリコール酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムと混合して、圧縮することにより、それぞれ120又は350mgの核を生成する。この核を上記のフィルムコーティングの水溶液/懸濁液で塗る。
【0185】
実施例B
以下の成分を含有するカプセル剤は、従来法で製造することができる:
【表3】

成分を篩過及び混合し、そしてサイズ2のカプセルに充填する。
【0186】
実施例C
注射液は、以下の組成を有することができる:
【表4】

活性成分を、ポリエチレングリコール400及び注射用水(一部)の混合物に溶解する。酢酸の添加によりpHを5.0に調整する。残量の水の添加により容量を1.0mlに調整する。この溶液を濾過して、適切な過剰量を用いてバイアルに充填して滅菌する。