(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
【0016】
[描画管理システム100の概要]
図1、
図2及び
図3を用いて、描画管理システム100の概要を説明する。
図1は、描画管理システム100のシステム構成の一例を概略的に示す。
図2は、農産物の生育ステージと、色との関係の一例を概略的に示す。
図3は、描画パターンの遷移の一例を概略的に示す。
【0017】
図1に示されるとおり、本実施形態において、描画管理システム100は、(i)圃場10において栽培されている農産物12、及び、(ii)圃場10に存在する植物14の少なくとも一方(農産物12又は植物14と称する場合がある。)を管理する。描画管理システム100は、例えば、農産物12又は植物14利用して、圃場10にパターンを描画するための各種工程を管理する。描画管理システム100は、農産物12又は植物14が生育するにしたがって、予め定められたパターンが圃場10に出現するように、各種工程を管理してよい。描画管理システム100は、農産物12又は植物14が生育するにしたがって、予め定められた一連のパターンが順次出現するように、各種工程を管理してよい。
【0018】
圃場10は、農産物12又は植物14が生育する場所であればよく、培地の種類については特に点綴されない。圃場10としては、(i)田畑、農園、果樹園などの農場、(ii)休耕地などを例示することができる。農産物12としては、穀類、野菜(根菜類を含む。)、果物、草花、枝葉(例えば、茶葉、装飾用の枝又は葉などである。)、キノコ類又は菌糸類などを例示することができる。植物14は、農産物であってもよく、農産物を栽培する過程で生じる副産物(例えば、雑草、水草などである。)であってもよい。
【0019】
[描画管理システム100の各部の概要]
本実施形態において、描画管理システム100は、管理装置110を備える。描画管理システム100は、通信端末120を備えてもよい。描画管理システム100は、作業機械130を備えてもよい。本実施形態において、作業機械130は、例えば、作業ロボット140、作業ドローン150、監視カメラ162を含む。本実施形態において、作業ロボット140及び作業ドローン150の少なくとも一方は、各種のユニット(アタッチメントと称される場合がある。)を組み替えることで、任意の機能を取得してよい。例えば、作業ロボット140は、撮像ユニット142と、センスユニット144と、農作業ユニット146と、農作業ユニット148とを有する。また、作業ドローン150は、撮像ユニット152を有する。
【0020】
圃場10は、描画パターンが描画されるエリアの一例であってよい。農産物12は、農産物又は植物の一例であってよい。植物14は、農産物又は植物の一例であってよい。描画管理システム100は、情報処理装置の一例であってよい。管理装置110は、情報処理装置の一例であってよい。
【0021】
本実施形態において、描画管理システム100の各部は、通信ネットワーク30を介して、互いに情報を送受してよい。通信ネットワーク30は、有線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。通信ネットワーク30は、無線パケット通信網、インターネット、P2Pネットワーク、専用回線、VPN、電力線通信回線などを含んでもよい。通信ネットワーク30は、(i)携帯電話回線網などの移動体通信網を含んでもよく、(ii)無線MAN(例えば、WiMAX(登録商標)である。)、無線LAN(例えば、WiFi(登録商標)である。)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などの無線通信網を含んでもよい。
【0022】
本実施形態において、管理装置110は、例えば、農産物12及び植物14の少なくとも一方を管理する。管理装置110は、農産物12及び植物14の少なくとも一方の生育を管理してよい。管理装置110は、農産物12及び植物14の少なくとも一方を利用して、圃場10にパターンを描画するための各種工程を管理してもよい。管理装置110は、上記の各種工程における作業に従事する作業員を管理してもよい。
【0023】
例えば、管理装置110は、(i)農産物12及び植物14の少なくとも一方の種類及び配置を決定する工程、(ii)農産物12及び植物14の少なくとも一方の育成計画を作成する工程、(iii)農産物12及び植物14の少なくとも一方の生育具合を監視して、育成計画の進捗を管理する工程、(iv)特定の日時又は期間において、農産物12及び植物14の少なくとも一方に対して実施される作業を決定する工程、(v)現在又は将来の特定の時点において、農産物12及び植物14の少なくとも一方により描画されるパターンを確認する工程、(vi)必要に応じて、育成計画を変更する工程、及び、(vii)農産物12及び植物14の一部を切断したり、押し倒したり、引き抜いたりすることで、圃場10にパターンを出現させる工程の少なくとも1つの工程を管理する。これにより、管理装置110は、農産物12及び植物14の少なくとも一方を管理することができる。
【0024】
管理装置110は、圃場10を複数のサブエリア20に分割して、サブエリア20ごとに、農産物12及び植物14の少なくとも一方を管理してよい。一実施形態によれば、単一のサブエリア20に、1以上の農産物12又は植物14が配される。これにより、所謂、中間調表現により、色を再現することができる。例えば、管理装置110は、特定のサブエリア20に配置される農産物12又は植物14の(i)種類、(ii)密度、及び、(iii)成長具合を管理することにより、サブエリア20の色調及び階調を管理する。他の実施形態によれば、単一のサブエリア20には、単一の農産物12又は植物14が配される。例えば、管理装置110は、特定のサブエリア20に配置される農産物12又は植物14の(i)種類、及び、(ii)成長具合を管理することにより、サブエリア20の色調及び階調を管理する。
【0025】
一実施形態において、サブエリア20の大きさは、例えば、圃場10に出現するパターンの解像度に基づいて決定される。パターンの解像度は、例えば、単位長さ当たりのサブエリア数、又は、単位面積当たりのサブエリア数として決定される。単位長さは、圃場10の大きさに応じて、適切に決定されてよい。他の実施形態において、サブエリア20の大きさは、作業効率を考慮して決定されてもよい。作業効率は、例えば、作業機械130の最小回転半径、作業可能範囲などの作業機械130の仕様又は特性に基づいて決定されてよい。さらに他の実施形態において、サブエリア20の大きさは、例えば、農産物12又は植物14の成長を考慮して決定されてもよい。例えば、植物14が樹木である場合のサブエリア20の大きさは、植物14が芝、苔などである場合と比較して大きい。いずれの実施形態においても、複数のサブエリア20が同一の大きさを有してもよく、異なる大きさを有してもよい。
【0026】
本実施形態において、通信端末120は、(i)育成作業に従事する作業者、(ii)作業者を監督する監督者、(iii)圃場10に出現するパターンを観察する観察者などが利用する通信端末であってよい。通信端末120は、通信ネットワーク30を介して、管理装置110と情報を送受することができる機器であればよく、その詳細については特に限定されない。通信端末120としては、パーソナルコンピュータ、携帯端末などを例示することができる。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどを例示することができる。
【0027】
本実施形態において、作業機械130は、任意の作業を実行する機械であってよい。作業機械130は、例えば、各種の農作業、監視作業などを実行する。作業機械130は、固定式であってもよく、移動式であってもよい。作業機械130は、自律走行機能又は自律航行機能を有してもよく、遠隔操作により操縦されてもよく、作業機械130に乗り込んだ作業者により操縦されてもよい。作業機械130が自律走行機能又は自律航行機能を有する場合、作業機械130が作業者により操縦される場合と比較して、より頻繁に、又は、より長時間にわたって、作業を実行することができる。
【0028】
本実施形態において、作業ロボット140は、自律走行機能を有する作業用のロボットであってよい。作業ドローン150は、遠隔操作によって操縦される作業用のドローンであってもよく、自律航行機能を有する作業用のドローンであってもよい。監視カメラ162は、固定式であってもよく、圃場10に設置されたレールの上を移動する台車の上に設置されていてもよい。
【0029】
本実施形態において、撮像ユニット142、撮像ユニット152、及び、監視カメラ162は、圃場10の内部又は圃場10の周辺を撮像する。撮像ユニット142、撮像ユニット152、及び、監視カメラ162は、例えば、1以上の農産物12、1以上の植物14、1以上の作業員、1以上の作業機械130などを撮像する。撮像ユニット142、撮像ユニット152、及び、監視カメラ162は、撮像して得られた画像データを、管理装置110に送信してよい。
【0030】
本実施形態において、センスユニット144は、農産物12又は植物14の生育に関する物理量を測定する。例えば、センスユニット144は、照度、日照量、気温、土壌の温度、土壌の含水率、土壌に含まれる肥料成分の量、農産物12又は植物14のクロロフィル量などを測定する。センスユニット144は、農産物12又は植物14の画像を撮像してもよい。センスユニット144は、農産物12又は植物14の赤外線画像を撮像してもよい。センスユニット144は、農産物12又は植物14の紫外線画像を撮像してもよい。センスユニット144は、農産物12又は植物14の立体画像を撮像してもよい。センスユニット144は、測定結果を示す情報を、管理装置110に送信してよい。
【0031】
本実施形態において、農作業ユニット146及び農作業ユニット148は、農作業用のアタッチメントであってよい。農作業ユニット146及び農作業ユニット148は、作業ロボット140が従事する作業の内容に応じて、作業ロボット140に取り付けられる。これにより、作業ロボット140は、複数の異なる種類の農作業に対応することができる。そのため、農作業ごとに専用の作業機械130を導入する場合と比較して、作業機械130の導入コストを抑制することができる。また、農作業ごとに専用の作業機械130を導入する場合と同等のコストで、より多くの作業機械130を導入することができる。その結果、複数台の作業ロボット140により、農作業を実施することが容易となる。複数台の作業ロボット140を利用することにより、農作業の一連のサイクルの中で、必要な時期に必要な量のリソースを提供することが可能になる。その結果、農作業の生産性を大幅に向上させることができる。
【0032】
農作業ユニット146及び農作業ユニット148のそれぞれは、1又は複数の農作業に特化したアタッチメントであってよい。農作業ユニット148としては、害虫駆除用の薬液散布装置、肥料を散布する肥料散布装置、ガスを散布するガス散布装置、畝立て装置、苗投下装置、種蒔き装置、耕うん装置、不要な枝葉を摘要するための治具を有するマニピュレータ、農産物を摘果するための治具を有するマニピュレータ、草刈り装置(例えば、放置された田畑用の草刈り装置である。)、散水装置、鳥獣威嚇装置(例えば、音声、光により鳥獣を威嚇する装置である。)、間引き装置、摘花装置、果樹摘果装置、袋掛け装置(例えば、果樹用の袋掛け装置である。)などを例示することができる。
【0033】
一実施形態において、農作業ユニット146は、農産物12又は植物14を切断したり、引き抜いたり、収穫したりするためのユニットであってよい。また、農作業ユニット148は、農産物12又は植物14を押し倒すためのユニットであってよい。農作業ユニット146及び農作業ユニット148の少なくとも一方は、作業ロボット140の本体から供給される電力により動作してよい。なお、本実施形態においては、作業ロボット140が、農作業ユニット146及び農作業ユニット148を備える場合について説明した。しかしながら、作業ロボット140は本実施形態に限定されない。作業ロボット140は、単一の農作業ユニットを備えてもよく、3以上の農作業ユニットを備えてもよい。
【0034】
[描画管理システム100の各部の具体的な構成]
描画管理システム100の各部は、ハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウェア及びソフトウエアにより実現されてもよい。描画管理システム100の各部は、その少なくとも一部が、単一のサーバによって実現されてもよく、複数のサーバによって実現されてもよい。描画管理システム100の各部は、その少なくとも一部が、仮想サーバ上又はクラウドシステム上で実現されてもよい。描画管理システム100の各部は、その少なくとも一部が、パーソナルコンピュータ又は携帯端末によって実現されてもよい。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどを例示することができる。描画管理システム100の各部は、ブロックチェーンなどの分散型台帳技術又は分散型ネットワークを利用して、情報を格納してもよい。
【0035】
描画管理システム100を構成する構成要素の少なくとも一部がソフトウエアにより実現される場合、当該ソフトウエアにより実現される構成要素は、一般的な構成の情報処理装置において、当該構成要素に関する動作を規定したソフトウエア又はプログラムを起動することにより実現されてよい。上記の一般的な構成の情報処理装置は、(i)CPU、GPUなどのプロセッサ、ROM、RAM、通信インタフェースなどを有するデータ処理装置と、(ii)キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、カメラ、音声入力装置、ジェスチャ入力装置、各種センサ、GPS受信機などの入力装置と、(iii)表示装置、音声出力装置、振動装置などの出力装置と、(iv)メモリ、HDD、SSDなどの記憶装置(外部記憶装置を含む。)とを備えてよい。
【0036】
上記の一般的な構成の情報処理装置において、上記のデータ処理装置又は記憶装置は、上記のソフトウエア又はプログラムを記憶してよい。上記のソフトウエア又はプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、上記の情報処理装置に、当該ソフトウエア又はプログラムによって規定された動作を実行させる。上記のソフトウエア又はプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されていてもよい。上記のソフトウエア又はプログラムは、コンピュータを、描画管理システム100又はその一部として機能させるためのプログラムであってよい。上記のソフトウエア又はプログラムは、コンピュータに、描画管理システム100又はその一部における情報処理を実行させるためのプログラムであってよい。
【0037】
[圃場10にパターンを出現させる方法の概要]
図2及び
図3を用いて、農産物12又は植物14が生育するにしたがって、圃場10に予め定められた一連のパターンを出現させる方法の概要を説明する。
図2は、(i)生育状況が良好である場合(状態202と称する場合がある。)における、農産物12の生育ステージ及び農産物12の色の関係の一例と、(i)生育状況が不良である場合(状態204と称する場合がある。)における、農産物12の生育ステージ及び農産物12の色の関係の一例を示す。
【0038】
説明を簡単にする目的で、単一のサブエリア20に、単一の農産物12が配されている場合を例として、
図2について説明する。しかしながら、当該説明に接した当業者であれば、単一のサブエリア20に、複数の農産物12又は植物14が配されている場合であっても、同様の手順により、圃場10にパターンを出現させることができることを理解することができる。
【0039】
例えば、中間調表現により色を再現する場合、各サブエリアの色は、(i)光、照明又は影の具合、(ii)培地の色、(iii)農産物12又は植物14の色、(iv)農産物12又は植物14の大きさ、(v)農産物12又は植物14の密度、(vi)視点の位置などにより決定される。
図2に示されるとおり、農産物12又は植物14の色及び大きさは、生育ステージによって変化し得る。
【0040】
[状態202における色の変化]
例えば、農産物12の生育状況が良好である場合において、農産物12の生育ステージがステージIのとき、農産物12の色は新芽222の色である。しかし、農産物12の大きさが小さく、培地の色に占める農産物12の色の割合が小さい。そのため、視点がサブエリア20の上方又は斜め上方に位置すると仮定すると、農産物12の生育ステージがステージIである場合、農産物12が配されたサブエリアの色は、培地の色に近い色となる。農産物12が成長して、生育ステージがステージIIになると、農産物12の色は、幹224の色となる。また、農産物12が比較的大きいので、農産物12が配されたサブエリアの色は、培地の色と、幹224の色との中間色となる。
【0041】
農産物12がさらに成長して、生育ステージがステージIIIになると、農産物12の色は、葉226の色となる。また、農産物12が十分に大きいので、農産物12が配されたサブエリアの色は、葉226の色に近い色となる。農産物12がさらに成長して、生育ステージがステージIVになると、例えば、葉226の下部から花228が咲いていく。また、農産物12が十分に大きいので、農産物12が配されたサブエリアの色は、葉226の色と、花228との中間色となる。
【0042】
[状態204における色の変化]
一方、農産物12の生育状況が不良である場合において、農産物12の生育ステージがステージIのとき、状態202の場合と同様、農産物12の色は新芽242の色である。しかし、農産物12の大きさが小さく、培地の色に占める農産物12の色の割合が小さい。そのため、農産物12の生育ステージがステージIである場合、農産物12が配されたサブエリアの色は、培地の色に近い色となる。農産物12が成長して、生育ステージがステージIIになると、農産物12の色は、幹244の色となる。しかしながら、状態204においては、農産物12がまだ小さいので、農産物12が配されたサブエリアの色は、培地の色に近い色となる。
【0043】
農産物12がさらに成長して、生育ステージがステージIIIになると、農産物12の色は、葉246の色となる。また、農産物12が比較的大きいので、農産物12が配されたサブエリアの色は、培地の色と、葉246の色との中間色となる。農産物12がさらに成長して、生育ステージがステージIVになると、例えば、葉246の極一部に花248が咲く。しかしながら、花248の咲いている領域が小さいので、農産物12が配されたサブエリアの色は、培地の色と、葉226の色との中間色となる。
【0044】
また、
図2に示されるとおり、農産物12の色が、高さによって異なる場合がある。また、農産物12の大きさが、高さによって異なる場合がある。そのため、農産物12を、特定の高さで切断したり、特定の高さで押し倒したり、引き抜いたりすることにより、(i)農産物12の色、及び、(ii)農産物12の大きさの少なくとも一方を調整することができる。切断後の農産物12は圃場10から回収されてもよく、圃場10に放置されてもよい。
【0045】
農産物12を特定の高さで切断したり、引き抜いたりすることで、培地又は下草の色が出現する。また、農産物12を特定の高さで押し倒すことで、例えば、農産物12の幹、茎などの色が出現する。さらに、切断されたり押し倒されたりした農産物12と、周囲の農産物12との高さの差により、パターンを表現することもできる。なお、以上の説明は、植物14についても同様に適用され得る。
【0046】
[描画パターンを遷移させる実施形態]
上述のとおり、管理装置110は、(i)農産物12又は植物14の生育具合を管理したり、(ii)農産物12又は植物14を切断したり、押し倒したり、引き抜いたりすることで、サブエリア20の色を管理することができる。農産物12又は植物14の成長具合を管理する方法としては、(i)生育速度の異なる種類の農産物12又は植物14を配置する方法、(ii)農産物12又は植物14の植え付け時期を調整する方法(例えば、農産物12又は植物14の植え付け時期を複数の時期に分散する。)、(iii)特定の領域に配された農産物12又は植物14の生育を促進させるための作業を実施する方法、(iv)特定の領域以外の領域に配された農産物12又は植物14の生育を促進させるための作業を実施する方法、(v)特定の領域に配された農産物12又は植物14の生育を遅延させるための作業を実施する方法、(vi)特定の領域以外の領域に配された農産物12又は植物14の生育を遅延させるための作業を実施する方法などを例示することができる。
【0047】
図3の例によれば、圃場10に農産物12又は植物14を配置した後、時間t
1になると、圃場10に文字「C」及び「M」が出現する。例えば、一実施形態において、「C」及び「M」に相当する領域には、他の領域に配置される農産物12又は植物14と比較して生育速度の速い農産物12又は植物14が配される。「C」及び「M」に相当する領域に、他の領域に配置される農産物12又は植物14と比較して生育速度の遅い農産物12又は植物14が配されてもよい。他の実施形態において、「C」及び「M」に相当する領域においては、他の領域よりも早い時期に、農産物12又は植物14の植え付け作業が実施されてよい。「C」及び「M」に相当する領域において、他の領域よりも遅い時期に、農産物12又は植物14の植え付け作業が実施されてよい。
【0048】
次に、時間t
2になると、圃場10に文字「W」、「E」、「C」、「O」、「M」及び「E」が出現する。例えば、時間t
1から時間t
2までの間、作業ロボット140は、「W」、「E」、「O」及び「E」に相当する領域において施肥の量を増やしたり、気温又は土壌の温度を高くしたりする。一方、「L」、「C」及び「M」に相当する領域において、施肥の量を減らしたり、気温又は土壌の温度を低くしたりしてもよい。
【0049】
本実施形態によれば、時間t
3において、作業者又は作業機械130が、圃場10にパターンを描画する。例えば、時間t
3において、作業者又は作業機械130が、農産物12又は植物14の刈り取り作業、引き抜き作業などを実施して、圃場10に文字「L」を描画する。これにより、観察者が圃場10を観察している間に、圃場10に出現するパターンを変化させることができる。
【0050】
最後に、時間t
4において、作業ロボット140が、圃場10の農産物12又は植物14を特定の高さで切断すると、文字パターン「WELCOME」が消えて、文字パターン「to ABC Village」が出現する。以上のとおり、管理装置110は、(i)農産物12又は植物14の生育具合を管理したり、(ii)農産物12又は植物14を切断したり、押し倒したり、引き抜いたりすることで、サブエリア20の色を管理して、圃場10に予め定められた一連のパターンを、予め定められた順番で出現させることができる。これにより、観察者が圃場10を観察している間に、圃場10に出現するパターンを変化させることができる。
【0051】
圃場10に出現するパターンを観察者に披露する場合において、1又は複数の作業ロボット140が、演出の一部に利用されてもよい。管理装置110は、作業ロボット140を演出に利用するための命令を生成し、当該命令を作業ロボット140に送信してよい。例えば、アタッチメントとして照明装置を取り付けられた作業ロボット140を、任意のルート又は既定のルートに沿って走行させるための命令と、任意のタイミング又は特定のタイミング(例えば、作業ロボット140が特定の位置に到達したタイミングである。)において照明装置を点灯させたり、消灯させたり、点滅させたりするための命令とを生成する。
【0052】
例えば、近年、水田で栽培されている稲、畑で栽培されている麦類などをキャンバスとして、パターンを描く芸術作品が人気を博している。従来、このような作品は、静的な鑑賞対象であったが、描画管理システム100を利用することで、当該作品に動的な演出を施すことができる。例えば、水田に栽培された稲をキャンバスとして、龍のパターンを描いておき、観客が作品を鑑賞している時に、作業ロボット140を、当該龍の目の位置に移動させる。そして、任意のタイミングで作業ロボット140に搭載された照明装置を点灯させることで、あたかも龍の目が光ったかのような演出が可能となる。
【0053】
図4は、管理装置110の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、管理装置110は、要求処理部410と、計画部420と、進捗管理部430と、格納部440とを備える。本実施形態において、格納部440は、色情報格納部442と、生育パターン格納部444と、相性情報格納部446と、生育情報格納部448と、履歴情報格納部450と、予測モデル格納部452とを有する。
【0054】
計画部420は、情報処理装置の一例であってよい。進捗管理部430は、生育情報取得部、視点位置取得部、及び、推定部の一例であってよい。格納部440は、格納部の一例であってよい。色情報格納部442は、格納部の一例であってよい。色情報格納部442に格納されるデータは、データ構造の一例であってよい。
【0055】
本実施形態において、要求処理部410は、各種の要求を受け付ける。例えば、要求処理部410は、通信端末120から、今日の作業内容を問い合わせる要求を受け付ける。要求処理部410は、通信端末120から、現在の圃場10を上空から見た場合の予想図を表示するための要求を受け付ける。
【0056】
本実施形態において、計画部420は、圃場10で栽培する農産物12又は植物14の種類及び配置を決定する。計画部420は、圃場10に特定のパターンを出現させるための設計情報を生成してよい。計画部420は、上記の設計情報に基づいて、農産物12又は植物14を栽培又は育成するための作業計画を決定してよい。作業計画は、例えば、農産物12又は植物14を栽培又は育成するための複数の工程のそれぞれについて、作業を実施する予定時期を規定する。農産物12又は植物14を栽培又は育成するための工程としては、土壌のサンプリング、土壌の分析、施肥、畝立、種蒔き又は植え付け、圃場の監視、害虫駆除、除草、間引き又は摘要、追肥、収穫時期の判断、収穫などを例示することができる。計画部420の詳細は後述する。
【0057】
本実施形態において、進捗管理部430は、計画部420が作成した計画の進捗教協を管理する。例えば、進捗管理部430は、圃場10において栽培されている農産物12又は植物14の生育状況を監視する。また進捗管理部430は、圃場10において栽培されている農産物12又は植物14に対して実施する作業を決定する。例えば、進捗管理部430は、特定の作業日又は作業期間に作業対象となる農産物12又は植物14と、当該作業の内容とを決定する。進捗管理部430の詳細は後述する。
【0058】
本実施形態において、格納部440は、各種の情報を格納する。本実施形態において、色情報格納部442は、農産物12又は植物14の色に関する情報を格納する。色情報格納部442は、例えば、(i)農産物12又は植物14の生育具合に関する情報、及び、農産物12又は植物14の高さに関する情報の少なくとも一方と、(ii)農産物12又は植物14の色に関する情報とを対応付けて格納する。
【0059】
本実施形態において、生育パターン格納部444は、農産物12又は植物14の生育に関する因子と、農産物12又は植物14の生育具合との関係を示す情報を格納する。生育に関する因子としては、周辺環境の温度、周辺環境の湿度、周辺環境の圧力、光の照度、光の照射量、光の照射時間、風速、水分供給量、土壌特性、培地特性、作業内容、作業を実施するタイミングなどを例示することができる。
【0060】
生育に関する因子は、特定の生育イベントが発生してからの上記の因子の積算値であってもよい。例えば、生育に関する因子は、つぼみがついてからの気温の積算値であってもよい。生育に関する因子は、特定の生育イベントが発生してからの経過時間(例えば、栽培日数である。)であってもよい。生育具合としては、株の大きさ、株の特定の部位の大きさ、生育ステージの種類などを例示することができる。
【0061】
本実施形態において、相性情報格納部446は、異なる種類の農産物12又は植物14の相性に関する情報を格納する。一実施形態において、相性情報格納部446は、種類の異なる農産物12又は植物14を隣接して栽培する場合において、避けるべき組み合わせを示す情報を格納する。他の実施形態において、相性情報格納部446は、種類の異なる農産物12又は植物14を隣接して栽培する場合において、好ましい組み合わせを示す情報を格納する。本実施形態において、生育情報格納部448は、農産物12又は植物14の生育状況に関する情報を格納する。例えば、生育情報格納部448は、農産物12または植物14の生育ステージを示す情報を格納する。
【0062】
本実施形態において、履歴情報格納部450は、農産物12又は植物14に関する各種の履歴に関する情報を格納する。例えば、履歴情報格納部450は、農産物12又は植物14の生育に関する1以上の因子のそれぞれについて、農産物12又は植物14の栽培を開始してからの履歴を格納する。履歴情報格納部450は、農産物12又は植物14に対して実施された作業の履歴を格納する。本実施形態において、予測モデル格納部452は、例えば、各種の予測又はシミュレーションに利用されるモデル及び当該モデルのパラメータを格納する。
【0063】
図5は、計画部420の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、計画部420は、パターン取得部512と、パターン変換部514と、配置計画部516と、作業計画部518とを備える。パターン取得部512は、描画パターン取得部の一例であってよい。パターン変換部514は、植栽パターン生成部の一例であってよい。配置計画部516は、配置決定部の一例であってよい。作業計画部518は、栽培計画部の一例であってよい。
【0064】
本実施形態において、パターン取得部512は、描画パターンを示す情報を取得する。パターン取得部512は、連続する複数の描画パターンを示す情報を取得してもよい。例えば、パターン取得部512は、通信端末120から、任意の画像データ、図形データ又は文字データを取得する。パターン取得部512は、描画パターンを示す情報をパターン変換部514に送信する。
【0065】
本実施形態において、パターン変換部514は、パターン取得部512から、描画パターンを示す情報を取得する。パターン変換部514は、描画パターンに基づいて、農産物12又は植物14を利用して圃場10に描画することのできるパターン(植栽パターンと称する場合がある。)を生成する。これにより、描画パターンを植栽パターンに変換することができる。
【0066】
例えば、パターン変換部514は、描画パターンの解像度を調整する。パターン変換部514は、圃場10の大きさに基づいて、描画パターンの解像度を調整して、植栽パターンを生成してよい。パターン変換部514は、圃場10の大きさと、圃場10及び視点との位置関係に基づいて、描画パターンの解像度を調整して、植栽パターンを生成してもよい。例えば、パターン変換部514は、描画パターンの解像度を小さくして、植栽パターンを生成する。
【0067】
パターン変換部514は、描画パターン又は解像度を調整された描画パターンの色調及び階調の少なくとも一方を調整してよい。パターン変換部514は、色情報格納部442、生育パターン格納部444及び相性情報格納部446の少なくとも1つを参照して、上記の色調及び階調の少なくとも一方を調整してよい。
【0068】
例えば、パターン変換部514は、色情報格納部442を参照して、圃場10において同時期に栽培可能な農産物12又は植物14を利用して再現可能な色調及び階調の少なくとも一方を決定する。このとき、パターン変換部514は、生育パターン格納部444及び相性情報格納部446に格納された情報を利用してもよい。パターン変換部514は、再現可能な色調及び階調を考慮して、描画パターン又は解像度を調整された描画パターンの色調及び階調の少なくとも一方を調整し、植栽パターンを生成してよい。
【0069】
本実施形態において、配置計画部516は、パターン変換部514が生成した植栽パターンに基づいて、農産物12又は植物14の種類及び配置を決定する。配置計画部516は、色情報格納部442、生育パターン格納部444及び相性情報格納部446の少なくとも1つを参照して、農産物12又は植物14の種類及び配置を決定してよい。
【0070】
配置計画部516は、例えば、下記の手順により、農産物12又は植物14の種類及び配置を決定する。本実施形態によれば、配置計画部516は、まず、植栽パターンと、圃場10の大きさとに基づいて、植栽パターンの1画素に相当するサブエリア20の区割りを決定する。
【0071】
一実施形態において、配置計画部516は、植栽パターンの1画素と、単一のサブエリア20とが対応するようにサブエリア20の区割りを決定する。他の実施形態において、配置計画部516は、植栽パターンの1画素と、複数のサブエリア20とが対応するようにサブエリア20の区割りを決定してもよい。さらに他の実施形態において、配置計画部516は、植栽パターンの複数の画素と、単一のサブエリア20とが対応するようにサブエリア20の区割りを決定してもよい。
【0072】
配置計画部516は、次に、植栽パターンより示される各画素の色情報に基づいて、各画素に対応するサブエリア20に配置される植物又は農産物の種類を決定する。例えば、配置計画部516は、色情報格納部442を参照して、1以上のサブエリア20のそれぞれに配置される植物又は農産物の種類を決定する。
【0073】
例えば、色情報格納部442には、(i)農産物12又は植物14の生育具合に関する情報、及び、農産物12又は植物14の高さに関する情報の少なくとも一方と、(ii)農産物12又は植物14の色に関する情報とが対応付けて格納されている。そこで、配置計画部516は、植栽パターンの各画素に対応する1以上のサブエリア20のそれぞれについて、各サブエリアにおいて再現すべき色をキーとして、色情報格納部442に格納された情報を検索して、各サブエリアにおいて利用できる農産物12又は植物14を抽出する。次に、配置計画部516は、例えば、既知のディザリング手法を応用して、抽出された農産物12又は植物14のそれぞれについて、サブエリア20内における位置を算出する。
【0074】
サブエリア20に割り当てられた色を再現する農産物12又は植物14の候補として、複数の農産物12又は植物14が抽出された場合、配置計画部516は、生育パターン格納部444及び相性情報格納部446を参照して、当該サブエリアに配置する農産物12又は植物14を決定してよい。例えば、配置計画部516は、生育パターン格納部444を参照して、栽培条件又は生育速度を考慮して、上記のサブエリアに配置する農産物12又は植物14を決定してよい。例えば、配置計画部516は、相性情報格納部446を参照して、同一のサブエリア20、又は、隣接するサブエリア20に配置される農産物12又は植物14との相性を考慮して、上記のサブエリアに配置する農産物12又は植物14を決定してよい。
【0075】
配置計画部516は、植栽パターンに基づいて、圃場10に含まれる複数のサブエリア20のうち、少なくとも、農産物12又は植物14が配置されるサブエリア20のそれぞれについて、当該サブエリアの識別情報と、当該サブエリアに配置される農産物12又は植物14の種類とを規定する設計情報を生成してよい。配置計画部516は、植栽パターンに基づいて、圃場10に含まれる複数のサブエリア20のうち、少なくとも、農産物12又は植物14が配置されるサブエリア20のそれぞれについて、当該サブエリアの識別情報と、当該サブエリアに配置される農産物12又は植物14の種類及び密度とを規定する設計情報を生成してもよい。
【0076】
本実施形態において、作業計画部518は、農産物12又は植物14が配置される1以上のサブエリア20のそれぞれについて、農産物12又は植物14を栽培するための作業計画を決定する。作業計画部518は、農産物12又は植物14が配置さないサブエリア20に関する作業計画を決定してもよい。作業計画は、作業予定日又は作業予定時期と、作業内容とが対応付けられた情報であってよい。作業計画部518は、配置計画部516が生成した設計情報に基づいて、作業計画を決定してもよい。作業計画は、栽培計画の一例であってよい。
【0077】
図6は、進捗管理部430の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、進捗管理部430は、監視部612と、作業実行部614と、パターン推定部616と、変更決定部618とを備える。監視部612は、生育情報取得部の一例であってよい。作業実行部614は、作業決定部の一例であってよい。パターン推定部616は、視点位置取得部及び推定部の一例であってよい。
【0078】
本実施形態において、監視部612は、圃場10を監視する。例えば、監視部612は、圃場10において栽培されている農産物12又は植物14の生育状況に関する情報を取得する。監視部612は、圃場10において作業している作業員又は作業機械130の状況に関する情報を取得してもよい。監視部612は、例えば、作業機械130から、上記の情報を取得する。
【0079】
本実施形態において、作業実行部614は、作業計画部518が決定した作業計画に従って、特定の日時又は期間において実行されるべき作業を決定する。例えば、作業実行部614は、(i)作業計画部518が決定した作業計画、及び、(ii)監視部612が取得した農産物12又は植物14の生育状況に関する情報に基づいて、特定の日時又は期間において実施される作業を決定する。作業実行部614は、作業計画に示される複数の工程の少なくとも1つについて、当該工程において実施される1又は複数の作業のそれぞれと、当該作業が実施される日時又は期間とが対応付けられた実行計画を作成してよい。
【0080】
作業実行部614は、上記の作業を実行してよい。一実施形態において、作業実行部614は、特定の日時又は期間において、作業機械130に特定の作業を実行させるための命令を生成する。作業実行部614は、生成された命令を作業機械130に送信する。他の実施形態において、作業実行部614は、特定の日時又は期間において実行されるべき作業の内容を、作業者又は監督者の通信端末120に送信してもよい。
【0081】
本実施形態において、パターン推定部616は、現在又は将来の特定の時点において、農産物12及び植物14の少なくとも一方により描画されるパターンを推定する。パターン推定部616は、例えば、下記の手順により、上記のパターンを推定する。本実施形態において、パターン推定部616は、まず、視点の位置を示す情報を取得する。例えば、パターン推定部616は、通信端末120を介して、作業者、監督者、設計情報の設計者などから、視点の位置を示す情報を取得する。次に、パターン推定部616は、監視部612が取得した農産物12又は植物14の生育状況に関する情報に基づいて、生育状況に関する情報が取得された時点、又は、将来の特定の時点において、例えば観察者が上記の視点の位置から圃場10を観察した場合に、農産物12又は植物14が描画するパターンを推定する。
【0082】
変更決定部618は、作業計画の変更の要否を決定する。変更決定部618は、作業計画の変更が必要であると判断した場合、その旨を示す信号を、作業計画部518に送信してよい。一実施形態において、変更決定部618は、監視部612が取得した農産物12又は植物14の生育状況に関する情報を解析して、作業計画と、現実の生育状況との相違を検出する。変更決定部618は、検出された相違の程度が予め定められた条件に合致する場合、作業計画の変更が必要であると判断する。他の実施形態において、変更決定部618は、監視部612が取得した農産物12又は植物14の生育状況に関する情報を解析して、農産物12又は植物14に生じた異常を検出する。変更決定部618は、異常が検出された場合、又は、検出された異常の内容が予め定められた条件に合致する場合、作業計画の変更が必要であると判断する。
【0083】
図7は、データテーブル700の一例を概略的に示す。データテーブル700は、色情報格納部442に格納される色情報の一例であってよい。データテーブル700は、データ構造の一例であってよい。本実施形態において、データテーブル700は、農産物12又は植物14の生育ステージ710と、農産物12又は植物14の生育状態720と、各生育ステージ、各生育状態及び各高さにおける農産物12又は植物14の高さ730と、各生育ステージ、各生育状態及び各高さにおける農産物12又は植物14の色740と、各生育ステージ、各生育状態及び各高さにおける農産物12又は植物14の面積750とを対応づけて格納する。
【0084】
生育ステージ710は、生育具合の一例であってよい。生育状態720には、例えば、「不良」、「やや不良」、「普通」、「良」、「優」のように、農産物12又は植物14の生育状態を段階的に評価するための評価指標が記録される。評価の段階は、特に限定されるものではないが、3段階であってもよく、5段階であってもよく、7段階であってもよく、10段階であってもよい。高さ730には、連続的な数値が記録されてもよく、農産物12又は植物14の高さを評価するための評価指標が記録されてもよい。色740には、例えば、色調及び階調が記録される。色の表現方式は、RGB方式であってもよく、他の方式であってもよい。面積750には、例えば、各高さにおける断面を上方から見た場合の面積が記録される。
【0085】
本実施形態において、データテーブル700は、農産物12又は植物14の生育ステージ710と、色740とを対応付けて格納する。これにより、例えば、パターン変換部514は、データテーブル700に格納されたデータを利用することにより、描画パターンを植栽バターンに変換することができる。また、配置計画部516は、データテーブル700に格納されたデータを利用することにより、圃場10に植栽パターンを再現するための農産物12又は植物14の種類及び配置を決定することができる。
【0086】
本実施形態において、データテーブル700は、農産物12又は植物14の高さ730と、色740とを対応付けて格納する。これにより、例えば、パターン変換部514は、データテーブル700に格納されたデータを利用することにより、描画パターンを植栽バターンに変換することができる。また、配置計画部516は、データテーブル700に格納されたデータを利用することにより、圃場10に植栽パターンを再現するための農産物12又は植物14の種類及び配置を決定することができる。
【0087】
また、本実施形態において、データテーブル700は、農産物12又は植物14の生育ステージ710と、高さ730と、色740とを対応付けて格納する。これにより、例えば、農産物12又は植物14の生育にしたがって、一連のパターンを、順番に出現させることができる。また、作業機械130により、農産物12又は植物14の一部を切断したり、押し倒したり、引き抜いたりすることで、一連のパターンを、順番に出現させることができる。
【0088】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。また、各構成要素は、名称が同一で、参照符号が異なる他の構成要素と同様の特徴を有してもよい。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0089】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。